JP2019077430A - 車両 - Google Patents

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伸彦 平川
Nobuhiko Hirakawa
伸彦 平川
龍太 光岡
Ryuta Mitsuoka
龍太 光岡
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Abstract

【課題】錆の発生が抑制された車両を提供する。【解決手段】直立状態の車両1の正面視で少なくとも一部が右サイド部材54と左サイド部材53の少なくとも一つと重なる位置であって、車両1の左側面視で左サイド部材53の後端より後方かつ車体フレーム21の左右のエンジン支持部44L,44Rよりも前方に位置する車体フレーム21の一部に防水カバー90が取り付けられている。【選択図】図8

Description

本発明は、傾斜可能な車体フレームと左右方向に並ぶ2つの前輪を備えた車両に関する。
特許文献1に、傾斜可能な車体フレームと左右に並ぶ右前輪と左前輪を備えた車両が記載されている。この車両は、右旋回時に車両の右方に傾斜し、左旋回時に車両の左方へ傾斜する。この車両は、車体フレームの前部に、右前輪及び左前輪を支持するリンク機構を備えている。また、車両の車体フレームには、リンク機構の後方におけるエンジン支持部に、エンジンが変位不能に固定されている。
特許第5941601号公報
ところで、本発明者は、上記特許文献1に記載の車両において、車体フレームの一部に錆が発生する恐れがあることに気がついた。
そこで本発明は、錆の発生が抑制された車両を提供することを目的とする。
本発明にかかる車両は、
右旋回時に車両の右方に傾斜し、左旋回時に前記車両の左方へ傾斜可能な車体フレームと、
右車軸線方向に延びる右車軸部材回りに回転する右前輪と、
前記右前輪より前記車体フレームの左方に設けられ、左車軸線方向に延びる左車軸部材回りに回転する左前輪と、
前記車体フレームの傾斜に応じて前記車体フレームの上下方向における前記右前輪および前記左前輪の相対位置を変化させるリンク機構と、
前記右前輪を下部で支持し、前記車体フレームの上下方向に延びる右伸縮軸線方向の上部に対する下部の相対変位を緩衝する右緩衝装置と、
前記左前輪を下部で支持し、前記車体フレームの上下方向に延びる左伸縮軸線方向の上部に対する下部の相対変位を緩衝する左緩衝装置と、
前記車体フレームのエンジン支持部に変位不能に固定されたエンジンと、
前記リンク機構の少なくとも一部を覆う車体カバーと、
を有し、
前記リンク機構は、
前記右緩衝装置の上部を前記右操舵軸線回りに回動可能に支持する右サイド部材と、
前記左緩衝装置の上部を前記左操舵軸線回りに回動可能に支持する左サイド部材と、
前記右サイド部材の上部を右端部に前記車体フレームの前後方向に延びる右上軸線回りに回動可能に支持し、前記左サイド部材の上部を左端部に前記右上軸線に平行な左上軸線回りに回動可能に支持し、中間部が前記車体フレームに前記右上軸線および前記左上軸線に平行な中間上軸線回りに回動可能に支持される上クロス部材と、
前記右サイド部材の下部を右端部に前記右上軸線に平行な右下軸線回りに回動可能に支持し、前記左サイド部材の下部を左端部に前記左上軸線に平行な左下軸線回りに回動可能に支持し、中間部が前記車体フレームに前記中間上軸線と平行な中間下軸線回りに回動可能に支持される下クロス部材と、を有し、
以下の条件(A)と条件(B)の少なくとも一方を満たしている車両。
条件(A):直立状態の前記車両の正面視で少なくとも一部が前記右サイド部材と重なる位置であって、前記車両の右側面視で前記右サイド部材の後端より後方かつ前記車体フレームの前記エンジン支持部よりも前方に配置された右防水カバーが設けられている。条件(B):直立状態の前記車両の正面視で少なくとも一部が前記左サイド部材と重なる位置であって、前記車両の左側面視で前記左サイド部材の後端より後方かつ前記車体フレームの前記エンジン支持部よりも前方に配置された左防水カバーが設けられている。
本発明に係る車両は、車体フレームにおけるリンク機構の後方において、エンジン支持部に、エンジンが変位不能に固定されたリジッドエンジンタイプの構造である。このようなリジッドエンジンタイプの車両において、本発明者は、以下のように、車体フレームの一部に錆が発生する恐れがあることを見出した。
リジッドエンジンタイプの車両では、エンジンが発する熱により車体フレームが加熱されてしまう。すると、車体フレームに錆が発生する可能性があることに着目した。
錆の発生を鋭意研究したところ、ある程度の温度に晒されること、水がかかること、乾燥しにくいところ、の3条件を満たす個所において錆が発生しやすいことに気がついた。
エンジンは広いスパンで支持することが好ましい。一方で、車両の幅は広げたくない。また、エンジンは積極的に冷却させたい。そこで、エンジン支持部の周辺はカバーで覆わないことが多い。このため、車体フレームのうち、エンジンを支持するエンジン周辺の車体フレームは、カバーで覆われず、外気に晒される。また、十分に熱が伝わるので車体フレームは乾燥しやすい。このため、この部位は風通しがよく乾燥しやすいので、錆びにくい。
一方、エンジンから遠いリンク機構の周囲は、エンジンの熱が伝わりにくく、錆びにくい。
上記の2つの部位に比べて、エンジンとリンク機構の中間の部位である中間部位は錆びやすいことに気がついた。これは、以下の理由によると考えられる。
中間部位は、リンク機構を支持する部位からエンジン支持部に延びる部位であり、不可避的に車体フレームのリンク機構の後方に位置してしまう。
右前輪がはね上げた水が右サイド部材に付着し、この右サイド部材から飛散した水は中間部位に付着する。あるいは、右前輪がはね上げた水が直接、該中間部位に付着する。同様に、左前輪がはね上げた水が左サイド部材に付着し、この左サイド部材から飛散した水は中間部位に付着する。あるいは、左前輪がはね上げた水が直接、該中間部位に付着する。タイヤからまきあげられた泥水は、より車体フレームを錆させやすい。
さらに、中間部位は、ある程度の温度に温まる。車両の走行状態においては、リンク機構の後方の空間には風が流れやすいが、車両の停止状態においてはリンク機構に遮られて該空間に風が流れにくく、空気がよどんでいる。車両の走行状態において、リンク機構に付着した水が飛散してこの中間部位に付着する。車両の停止状態では空気がよどんでおり、長時間に亘って乾燥しにくい条件となりやすい。このため、この中間部位は、ある程度の温度に温まり、水が付着し、乾燥しにくいという3つの条件を満たす。このため、特にこの中間部位に錆の防止対策が必要であることに気がついた。
本発明においては、直立状態の車両の正面視において、少なくとも一部が右サイド部材と左サイド部材の少なくとも一方と重なる位置であって、車体フレームの中間部位に防水カバーが取り付けられている。このため、錆びやすい中間部位に水がかかることが防止され、錆が発生することを抑制できる。
本発明に係る車両において、
前記エンジンは、クランクケースと前記クランクケースの上部に取付けられ前記車体フレームの上下方向における上方に向けて延びるシリンダブロックを有し、
前記車体フレームは、前記エンジン支持部が前記シリンダブロックに接続されることにより前記エンジンを支持していてもよい。
本発明に係る車両において、
前記車体フレームは、
前記上クロス部材と前記下クロス部材とを支持するリンク支持部と、
前記リンク支持部から前記車体フレームの前後方向における後方へと延びる右フレームと、
前記リンク支持部から前記車体フレームの前後方向における後方へと延びる左フレームとを有し、
前記エンジン支持部は、前記右フレームと前記左フレームとに設けられ、
前記条件(A)は、前記右防水カバーが前記右フレームに対して前記車体フレームの左右方向における右方に位置することを含み、
前記条件(B)は、前記左防水カバーが前記左フレームに対して前記車体フレームの左右方向における左方に位置することを含んでもよい。
本発明に係る車両において、
前記条件(A)は、前記右防水カバーがその前記車体フレームの前後方向における前面に前記リンク機構の回動軌跡に平行となる面を有することを含み、
前記条件(B)は、前記左防水カバーがその前記車体フレームの前後方向における前面に前記リンク機構の回動軌跡に平行となる面を有することを含んでもよい。
防水カバーをリンク機構に近接して配置することができ、水の浸入に対してより上流側で効率良く防ぐことができる。
本発明に係る車両において、
前記エンジンの上方に配置された燃料タンクを有し、
前記車体カバーは、前記燃料タンクを覆うアッパカバーを有し、
前記条件(A)は、前記右防水カバーが前記アッパカバーとは別体であることを含み、
前記条件(B)は、前記左防水カバーが前記アッパカバーとは別体であることを含んでもよい。
本発明によれば、錆の発生が抑制された車両を提供することができる。
本発明の実施形態に係る車両の全体を左方から見た側面図である。 図1の車両の前部を示す正面図である。 左緩衝装置および左前輪を示す側面図である。 図1の車両の前部を示す平面図である。 転舵時における図1の車両の前部を示す平面図である。 傾斜時における図1の車両の前部を示す正面図である。 傾斜および転舵時における図1の車両の前部を示す正面図である。 車体フレームの側面図である。 車体フレームの前部を示す正面図である。
添付の図面を参照しつつ、好ましい実施形態の例について以下詳細に説明する。
添付の図面において、矢印Fは、車両の前方向を示している。矢印Bは、車両の後方向を示している。矢印Uは、車両の上方向を示している。矢印Dは、車両の下方向を示している。矢印Rは、車両の右方向を示している。矢印Lは、車両の左方向を示している。
車両は、車体フレームを鉛直方向に対して車両の左右方向に傾斜させて旋回する。そこで車両を基準とした方向に加え、車体フレームを基準とした方向が定められる。添付の図面において、矢印FFは、車体フレームの前方向を示している。矢印FBは、車体フレームの後方向を示している。矢印FUは、車体フレームの上方向を示している。矢印FDは、車体フレームの下方向を示している。矢印FRは、車体フレームの右方向を示している。矢印FLは、車体フレームの左方向を示している。
本明細書において、「車体フレームの前後方向」、「車体フレームの左右方向」、および「車体フレームの上下方向」とは、車両を運転する乗員から見て、車体フレームを基準とした前後方向、左右方向、および上下方向を意味する。「車体フレームの側方」とは、車体フレームの右方向あるいは左方向を意味している。
本明細書において、「車体フレームの前後方向に延びる」とは、車体フレームの前後方向に対して傾いて延びることを含み、車体フレームの左右方向および上下方向と比較して、車体フレームの前後方向に近い傾きで延びることを意味する。
本明細書において、「車体フレームの左右方向に延びる」とは、車体フレームの左右方向に対して傾いて延びることを含み、車体フレームの前後方向および上下方向と比較して、車体フレームの左右方向に近い傾きで延びることを意味する。
本明細書において、「車体フレームの上下方向に延びる」とは、車体フレームの上下方向に対して傾いて延びることを含み、車体フレームの前後方向および左右方向と比較して、車体フレームの上下方向に近い傾きで延びることを意味する。
本明細書において、「車両の直立状態」とは、無転舵状態かつ車体フレームの上下方向が鉛直方向と一致している状態を意味する。この状態においては、車両を基準にした方向と車体フレームを基準にした方向は一致する。車体フレームを鉛直方向に対して左右方向に傾斜させて旋回しているときは、車両の左右方向と車体フレームの左右方向は一致しない。また車両の上下方向と車体フレームの上下方向も一致しない。しかしながら、車両の前後方向と車体フレームの前後方向は一致する。
本明細書において、「回転」とは、部材が中心軸線回りに360度以上の角度に変位することを言う。本明細書において、「回動」とは、部材が中心軸線回りに360度未満の角度で変位することを言う。
図1から図7を参照しつつ、一実施形態に係る車両1について説明する。車両1は、動力源から発生する動力により駆動され、傾斜可能な車体フレームと、その車体フレームの左右方向に配置された2つの前輪を備える車両である。
図1は、車両1の全体を左方から見た左側面図である。車両1は、車両本体部2、左右一対の前輪3、後輪4、リンク機構5、および操舵力伝達機構6を備えている。
車両本体部2は、車体フレーム21、車体カバー22、シート24、およびエンジンユニット25を含んでいる。図1において、車両1は直立状態にある。図1を参照する以降の説明は、車両1の直立状態を前提にしている。
車体フレーム21は、車両1の前後方向に延びている。車体フレーム21は、ヘッドパイプ211と、リンク支持部212を備えている。
ヘッドパイプ211は、後述する上流側ステアリングシャフト60を回動可能に支持している。ヘッドパイプ211は、車体フレーム21の上下方向に延びている。
リンク支持部212は、車両1の前後方向において、ヘッドパイプ211より前方に設けられている。リンク支持部212は、リンク機構5を回動可能に支持している。
車体フレーム21は、エンジンユニット25を、車両1の前後方向において、ヘッドパイプ211より後方で支持している。エンジンユニット25は、後輪4を揺動可能に支持している。エンジンユニット25は、エンジン、電動モータ、バッテリなどの動力源や、トランスミッションなどの装置を備えている。動力源は、車両1を駆動する力を生成する。
車体カバー22は、フロントカバー221、左右一対のフロントフェンダー223およびリアフェンダー224を含んでいる。車体カバー22は、左右一対の前輪3、車体フレーム21、リンク機構5などの車両1に搭載される車体部品の少なくとも一部を覆う車体部品である。本実施形態においては、車体カバー22は、前記リンク機構の少なくとも一部を覆っている。
フロントカバー221は、シート24より前方に配置されている。フロントカバー221は、リンク機構5と操舵力伝達機構6の少なくとも一部を覆っている。
左右一対のフロントフェンダー223の少なくとも一部は、フロントカバー221の下方にそれぞれ配置されている。左右一対のフロントフェンダー223の少なくとも一部は、左右一対の前輪3の上方にそれぞれ配置されている。
リアフェンダー224の少なくとも一部は、後輪4の上方に配置されている。
左右一対の前輪3の少なくとも一部は、フロントカバー221の下方に配置されている。
後輪4の少なくとも一部は、シート24より下方に配置されている。後輪4の少なくとも一部は、リアフェンダー224の下方に配置されている。
図2は、車両1の前部を車体フレーム21の前方から見た正面図である。図2において、車両1は直立状態にある。図2を参照する以降の説明は、車両1の直立状態を前提にしている。図2においては、破線で示すフロントカバー221を透視した状態における車両1の前部を示している。
左右一対の前輪3は、左前輪31と右前輪32を含んでいる。左前輪31と右前輪32は、車体フレーム21の左右方向に並んで設けられている。右前輪32は、左前輪31より車体フレーム21の右方に設けられている。
車両1は、左緩衝装置33、右緩衝装置34、左ブラケット317、および右ブラケット327を含んでいる。
図3は、左緩衝装置33および左前輪31を示す側面図である。なお、右緩衝装置34は、左緩衝装置33と左右対称の構造を有しているため、図3に右緩衝装置34を示す符号も合わせて書き込んである。
図3に示すように、左緩衝装置33は、いわゆるテレスコピック式の緩衝装置である。左緩衝装置33は、左前テレスコピック要素331と、左後テレスコピック要素332と、左インナ連結要素337を有している。
左前テレスコピック要素331は、左前アウタチューブ333と左前インナチューブ334とを有している。左前インナチューブ334の下部は、左インナ連結要素337に連結されている。左前インナチューブ334の上部が、左前アウタチューブ333に挿入されている。左前アウタチューブ333の上部は、左ブラケット317に連結されている。左前インナチューブ334は、左前アウタチューブ333に対して、車体フレーム21の上下方向に延びる左伸縮軸線cに沿って相対的に変位する。左前テレスコピック要素331は、左前インナチューブ334の左前アウタチューブ333に対する左伸縮軸線cに沿った相対変位により、左伸縮軸線c方向に伸縮可能である。
左後テレスコピック要素332の少なくとも一部は、左前テレスコピック要素331より後方に設けられている。左後テレスコピック要素332は、左後アウタチューブ335と左後インナチューブ336とを有している。左後アウタチューブ335と左前アウタチューブ333は互いに移動不可能に連結されている。
左後インナチューブ336の下部は、左インナ連結要素337に連結されている。左後インナチューブ336の上部が、左後アウタチューブ335に挿入されている。左後アウタチューブ335の上部は、左ブラケット317に連結されている。
左後インナチューブ336は、左後アウタチューブ335に対して、車体フレーム21の上下方向に延びる左伸縮軸線cに沿って相対的に変位する。左後テレスコピック要素332は、左後インナチューブ336の左後アウタチューブ335に対する左伸縮軸線cに沿った相対変位により、左伸縮軸線c方向に伸縮可能である。
左インナ連結要素337は、左前輪31の左車軸部材311を回転可能に支持している。左インナ連結要素337は、左前インナチューブ334の下部と左後インナチューブ336の下部とを連結している。
左緩衝装置33は、左前テレスコピック要素331の伸縮動作および左後テレスコピック要素332の伸縮動作により、左前アウタチューブ333および左後アウタチューブ335に対する左前輪31の左伸縮軸線c方向に沿った変位を緩衝する。
図3に示すように、右緩衝装置34は、いわゆるテレスコピック式の緩衝装置である。右緩衝装置34は、右前テレスコピック要素341と、右後テレスコピック要素342と、右インナ連結要素347を有している。
右前テレスコピック要素341は、右前アウタチューブ343と右前インナチューブ344とを有している。右前インナチューブ344の下部は、右インナ連結要素347に連結されている。右前インナチューブ344の上部が、右前アウタチューブ343に挿入されている。右前アウタチューブ343の上部は、右ブラケット327に連結されている。右前インナチューブ344は、右前アウタチューブ343に対して、車体フレーム21の上下方向に延びる右伸縮軸線dに沿って相対的に変位する。右前テレスコピック要素341は、右前インナチューブ344の右前アウタチューブ343に対する右伸縮軸線dに沿った相対変位により、右伸縮軸線d方向に伸縮可能である。
右後テレスコピック要素342の少なくとも一部は、右前テレスコピック要素341より後方に設けられている。右後テレスコピック要素342は、右後アウタチューブ345と右後インナチューブ346とを有している。右後アウタチューブ345と右前アウタチューブ343は互いに移動不可能に連結されている。
右後インナチューブ346の下部は、右インナ連結要素347に連結されている。右後インナチューブ346の上部が、右後アウタチューブ345に挿入されている。右後アウタチューブ345の上部は、右ブラケット327に連結されている。
右後インナチューブ346は、右後アウタチューブ345に対して、車体フレーム21の上下方向に延びる右伸縮軸線dに沿って相対的に変位する。右後テレスコピック要素342は、右後インナチューブ346の右後アウタチューブ345に対する右伸縮軸線dに沿った相対変位により、右伸縮軸線d方向に伸縮可能である。
右インナ連結要素347は、右前輪32の右車軸部材321を回転可能に支持している。右インナ連結要素347は、右前インナチューブ344の下部と右後インナチューブ346の下部とを連結している。
右緩衝装置34は、右前テレスコピック要素341の伸縮動作および右後テレスコピック要素342の伸縮動作により、右前アウタチューブ343および右後アウタチューブ345に対する右前輪32の右伸縮軸線d方向に沿った変位を緩衝する。
図4に示すように、車両1は、操舵力伝達機構6を含んでいる。操舵力伝達機構6は、ハンドルバー23(操舵力入力部の一例)と、上流側ステアリングシャフト60(後軸部材の一例)と、連結部材80と、下流側ステアリングシャフト68(前軸部材の一例)とを備えている。
車体フレーム21は、上流側ステアリングシャフト60を回動可能に支持するヘッドパイプ211と、下流側ステアリングシャフト68を回動可能に支持するリンク支持部212を備えている。リンク支持部212は、図2に示すように、車体フレーム21の上下方向に延びる中間操舵軸線Zの方向に延びている。なお、本実施形態においては、ハンドルバー23の回動中心(中央操舵軸線)と、上流側ステアリングシャフトの回動中心(後軸線)とは一致している。
ハンドルバー23には、操舵力が入力される。上流側ステアリングシャフト60は、ハンドルバー23に連結されている。上流側ステアリングシャフト60の上部は、上流側ステアリングシャフト60の下部よりも、車体フレーム21の前後方向において後方に位置している。上流側ステアリングシャフト60は、ヘッドパイプ211に回動可能に支持されている。
連結部材80は、上流側ステアリングシャフト60と下流側ステアリングシャフト68とに連結されている。連結部材80は、上流側ステアリングシャフト60の回動に応じて変位する。連結部材80は、上流側ステアリングシャフト60の回動を下流側ステアリングシャフト68に伝達する。
下流側ステアリングシャフト68は、リンク支持部212に回動可能に支持されている。下流側ステアリングシャフト68は、連結部材80に連結されている。下流側ステアリングシャフト68は、車体フレーム21の前後方向において、上流側ステアリングシャフト60より前方に設けられている。下流側ステアリングシャフト68は、連結部材80の変位に応じて回動する。下流側ステアリングシャフト68が回動することにより、タイロッド67を介して左前輪31および右前輪32が転舵される。
操舵力伝達機構6は、乗員がハンドルバー23を操作する操舵力を、左ブラケット317と右ブラケット327に伝達する。具体的な構成については、後に詳述する。
本実施形態に係る車両1においては、平行四節リンク(パラレログラムリンクとも呼ばれる)方式のリンク機構5を採用している。
図2に示すように、リンク機構5は、左前輪31と右前輪32より上方に配置されている。リンク機構5は、上クロス部材51、下クロス部材52、左サイド部材53、および右サイド部材54を含んでいる。リンク機構5は、中間操舵軸線Zの方向に延びるリンク支持部212に回動可能に支持されている。リンク機構5は、ハンドルバー23の操作により上流側ステアリングシャフト60が回動されても、この上流側ステアリングシャフト60の回動につられては回動しない。
上クロス部材51は、板状部材512を含んでいる。板状部材512は、リンク支持部212より前方に配置されている。板状部材512は、車体フレーム21の左右方向に延びている。
上クロス部材51の中間部は、連結部Cによってリンク支持部212に連結されている。上クロス部材51は、連結部Cを通り車体フレーム21の前後方向に延びる中間上軸線Muを中心に、リンク支持部212に対して回動可能である。
上クロス部材51の左端部は、連結部Aによって左サイド部材53に連結されている。上クロス部材51は、連結部Aを通り車体フレーム21の前後方向に延びる左上軸線を中心に、左サイド部材53に対して回動可能である。
上クロス部材51の右端部は、連結部Eによって右サイド部材54に連結されている。上クロス部材51は、連結部Eを通り車体フレーム21の前後方向に延びる右上軸線を中心に、右サイド部材54に対して回動可能である。
図4は、車両1の前部を車体フレーム21の上方から見た平面図である。図4において、車両1は直立状態にある。図4を参照する以降の説明は、車両1の直立状態を前提にしている。
図4に示すように、下クロス部材52は、下前クロス要素522aと下後クロス要素522bを含んでいる。下前クロス要素522aは、リンク支持部212より前方に配置されている。下後クロス要素522bは、リンク支持部212より後方に配置されている。下前クロス要素522aと下後クロス要素522bは、車体フレーム21の左右方向に延びている。下前クロス要素522aと下後クロス要素522bは、左連結ブロック523aと右連結ブロック523bにより連結されている。左連結ブロック523aは、リンク支持部212より左方に配置されている。右連結ブロック523bは、リンク支持部212より右方に配置されている。
図2に戻り、下クロス部材52は、上クロス部材51より下方に配置されている。下クロス部材52は、上クロス部材51と平行に延びている。下クロス部材52の中間部は、連結部Iによってリンク支持部212に連結されている。下クロス部材52は、連結部Iを通り車体フレーム21の前後方向に延びる中間下軸線Mdを中心に回動可能である。
下クロス部材52の左端部は、連結部Gによって左サイド部材53に連結されている。下クロス部材52は、連結部Gを通り車体フレーム21の前後方向に延びる左下軸線を中心に回動可能である。
下クロス部材52の右端部は、連結部Hによって右サイド部材54に連結されている。下クロス部材52は、連結部Hを通り車体フレーム21の前後方向に延びる右下軸線を中心に回動可能である。上クロス部材51の連結部Eから連結部Aまでの長さと、下クロス部材の連結部Hから連結部Gまでの長さは略等しい。
中間上軸線Mu、右上軸線、左上軸線、中間下軸線Md、右下軸線、および左下軸線は、互いに平行に延びている。中間上軸線Mu、右上軸線、左上軸線、中間下軸線Md、右下軸線、および左下軸線は、左前輪31と右前輪32より上方に配置されている。
図2と図4に示すように、左サイド部材53は、リンク支持部212より左方に配置されている。左サイド部材53は、左前輪31より上方に配置されている。左サイド部材53は、リンク支持部212の中間操舵軸線Zと平行に延びている。左サイド部材53の上部は、その下部より後方に配置されている。
左サイド部材53の下部は、左ブラケット317に接続されている。左ブラケット317は、左サイド部材53に対して、左操舵軸線Xを中心に回動可能である。左操舵軸線Xは、リンク支持部212の中間操舵軸線Zと平行に延びている。
図2と図4に示すように、右サイド部材54は、リンク支持部212より右方に配置されている。右サイド部材54は、右前輪32より上方に配置されている。右サイド部材54は、リンク支持部212の中間操舵軸線Zと平行に延びている。右サイド部材54の上部は、その下部より後方に配置されている。
右サイド部材54の下部は、右ブラケット327に接続されている。右ブラケット327は、右サイド部材54に対して、右操舵軸線Yを中心に回動可能である。右操舵軸線Yは、リンク支持部212の中間操舵軸線Zと平行に延びている。
以上説明したように、上クロス部材51、下クロス部材52、左サイド部材53、および右サイド部材54は、上クロス部材51と下クロス部材52が相互に平行な姿勢を保ち、左サイド部材53と右サイド部材54が相互に平行な姿勢を保つように、リンク支持部212に支持されている。
図2と図4に示すように、操舵力伝達機構6は、中間伝達プレート61、左伝達プレート62、右伝達プレート63、中間ジョイント64、左ジョイント65、右ジョイント66、およびタイロッド67を含んでいる。
中間伝達プレート61は、下流側ステアリングシャフト68の下部に接続されている。中間伝達プレート61は、下流側ステアリングシャフト68に対して相対回動不能である。中間伝達プレート61は、リンク支持部212に対して、中間操舵軸線Z回りに回動可能である。
左伝達プレート62は、中間伝達プレート61より左方に配置されている。左伝達プレート62は、左ブラケット317に接続されている。左伝達プレート62は、左ブラケット317に対して相対回動不能である。左伝達プレート62は、左サイド部材53に対して、左操舵軸線Xを中心に回動可能である。
右伝達プレート63は、中間伝達プレート61より右方に配置されている。右伝達プレート63は、右ブラケット327に接続されている。右伝達プレート63は、右ブラケット327に対して相対回動不能である。右伝達プレート63は、右サイド部材54に対して、右操舵軸線Yを中心に回動可能である。
図4に示すように、中間ジョイント64は、車体フレーム21の上下方向に延びる軸部を介して中間伝達プレート61の前部に連結されている。中間伝達プレート61と中間ジョイント64は、当該軸部を中心として相対回動可能とされている。
左ジョイント65は、中間ジョイント64の左方に配置されている。左ジョイント65は、車体フレーム21の上下方向に延びる軸部を介して左伝達プレート62の前部に連結されている。左伝達プレート62と左ジョイント65は、当該軸部を中心として相対回動可能とされている。
右ジョイント66は、中間ジョイント64の右方に配置されている。右ジョイント66は、車体フレーム21の上下方向に延びる軸部を介して右伝達プレート63の前部に連結されている。右伝達プレート63と右ジョイント66は、当該軸部を中心として相対回動可能とされている。
中間ジョイント64の前部には、車体フレーム21の前後方向に延びる軸部が設けられている。左ジョイント65の前部には、車体フレーム21の前後方向に延びる軸部が設けられている。右ジョイント66の前部には、車体フレーム21の前後方向に延びる軸部が設けられている。
タイロッド67は、車体フレーム21の左右方向に延びている。タイロッド67は、これらの軸部を介して、中間ジョイント64、左ジョイント65、および右ジョイント66に連結されている。タイロッド67と中間ジョイント64は、中間ジョイント64の前部に設けられた軸部を中心として相対回動可能とされている。タイロッド67と左ジョイント65は、左ジョイント65の前部に設けられた軸部を中心として相対回動可能とされている。タイロッド67と右ジョイント66は、右ジョイント66の前部に設けられた軸部を中心として相対回動可能とされている。
次に図4と図5を参照しつつ、車両1の操舵動作について説明する。図5は、左前輪31と右前輪32を左転舵させた状態における車両1の前部を、車体フレーム21の上方から見た平面図である。
乗員がハンドルバー23を操作すると、上流側ステアリングシャフト60が回動する。上流側ステアリングシャフト60の回動は、連結部材80を介して下流側ステアリングシャフト68に伝達される。下流側ステアリングシャフト68は、前操舵軸線bを中心にリンク支持部212に対して回動する。図5に示す左転舵の場合、ハンドルバー23の操作に伴って、中間伝達プレート61は、リンク支持部212に対して、前操舵軸線bを中心に矢印Tの方向へ回動する。
中間伝達プレート61の矢印Tの方向への回動に伴って、タイロッド67の中間ジョイント64は、中間伝達プレート61に対して、矢印S方向に回動する。これにより、タイロッド67は、その姿勢を維持したまま左後方へ移動する。
タイロッド67の左後方への移動に伴って、タイロッド67の左ジョイント65と右ジョイント66は、それぞれ左伝達プレート62と右伝達プレート63に対して矢印S方向に回動する。これにより、タイロッド67はその姿勢を維持したまま、左伝達プレート62と右伝達プレート63が、矢印Tの方向に回動する。
左伝達プレート62が矢印Tの方向に回動すると、左伝達プレート62に対して相対回動不能である左ブラケット317が、左サイド部材53に対して、左操舵軸線Xを中心に、矢印Tの方向に回動する。
右伝達プレート63が矢印Tの方向に回動すると、右伝達プレート63に対して相対回動不能である右ブラケット327が、右サイド部材54に対して、右操舵軸線Yを中心に、矢印Tの方向に回動する。
左ブラケット317が矢印Tの方向に回動すると、左前アウタチューブ333および左後アウタチューブ335を介して左ブラケット317に接続されている左緩衝装置33が、左サイド部材53に対して、左操舵軸線Xを中心に、矢印Tの方向に回動する。左緩衝装置33が矢印Tの方向に回動すると、左緩衝装置33に支持されている左前輪31が、左サイド部材53に対して、左操舵軸線Xを中心に、矢印Tの方向に回動する。
右ブラケット327が矢印Tの方向に回動すると、右前アウタチューブ343および右後アウタチューブ345を介して右ブラケット327に接続されている右緩衝装置34が、右サイド部材54に対して、右操舵軸線Yを中心に、矢印Tの方向に回動する。右緩衝装置34が矢印Tの方向に回動すると、右緩衝装置34に支持されている右前輪32が、右サイド部材54に対して、右操舵軸線Yを中心に、矢印Tの方向に回動する。
右転舵するように乗員がハンドルバー23を操作すると、上述した各要素は、矢印Sの方向に回動する。各要素の動きは左右が逆になるのみであるため、詳細な説明は省略する。
以上説明したように、操舵力伝達機構6は、乗員によるハンドルバー23の操作に応じて、操舵力を左前輪31と右前輪32に伝達する。左前輪31と右前輪32は、それぞれ左操舵軸線Xと右操舵軸線Yを中心に、乗員によるハンドルバー23の操作方向に応じた方向に回動する。
次に図2と図6を参照しつつ、車両1の傾斜動作について説明する。図6は、車体フレーム21が車両1の左方に傾斜した状態における車両1の前部を、車体フレーム21の前方から見た正面図である。図6においては、破線で示すフロントカバー221を透視した状態を示している。
図2に示すように、車両1の直立状態においては、車体フレーム21の前方から車両1を見ると、リンク機構5は長方形状をなしている。図6に示すように、車両1が左方にリーンした状態においては、車体フレーム21の前方から車両1を見ると、リンク機構5は平行四辺形状をなしている。
リンク機構5の変形と車体フレーム21の車両1の左右方向への傾斜は連動する。リンク機構5の作動とは、リンク機構5を構成する上クロス部材51、下クロス部材52、左サイド部材53、および右サイド部材54が、それぞれの連結部A,C,E,G,H,Iを通る回動軸線を中心に相対回動し、リンク機構5の形状が変化することを意味している。
例えば図6に示すように、乗員が車両1を左方に傾斜させると、リンク支持部212が鉛直方向に対して左方に傾斜する。リンク支持部212が傾斜すると、上クロス部材51は、連結部Cを通る中間上軸線Muを中心に、リンク支持部212に対して、車両1の前方から見て反時計回りに回動する。同様に、下クロス部材52は、連結部Iを通る中間下軸線Mdを中心に、リンク支持部212に対して、車両1の前方から見て反時計回りに回動する。これにより、上クロス部材51は、下クロス部材52に対して左方に移動する。
上クロス部材51の左方への移動に伴い、上クロス部材51は、連結部Aを通る左上軸線と連結部Eを通る右上軸線を中心に、それぞれ左サイド部材53と右サイド部材54に対して、車両1の前方から見て反時計回りに回動する。同様に、下クロス部材52は、連結部Gを通る左下軸線と連結部Hを通る右下軸線を中心に、それぞれ左サイド部材53と右サイド部材54に対して、車両1の前方から見て反時計回りに回動する。これにより、左サイド部材53と右サイド部材54は、リンク支持部212と平行な姿勢を保ったまま、鉛直方向に対して左方に傾斜する。
このとき下クロス部材52は、タイロッド67に対して左方に移動する。下クロス部材52の左方への移動に伴い、中間ジョイント64、左ジョイント65、および右ジョイント66の各前部に設けられた軸部がタイロッド67に対して回動する。これにより、タイロッド67は、上クロス部材51および下クロス部材52と平行な姿勢を保つ。
左サイド部材53の左方への傾斜に伴い、左サイド部材53に接続されている左ブラケット317が左方に傾斜する。左ブラケット317の左方への傾斜に伴い、左ブラケット317に接続されている左緩衝装置33が左方に傾斜する。左緩衝装置33の左方への傾斜に伴い、左緩衝装置33に支持されている左前輪31が、リンク支持部212と平行な姿勢を保ったまま左方に傾斜する。
右サイド部材54の左方への傾斜に伴い、右サイド部材54に接続されている右ブラケット327が左方に傾斜する。右ブラケット327の左方への傾斜に伴い、右ブラケット327に接続されている右緩衝装置34が左方に傾斜する。右緩衝装置34の左方への傾斜に伴い、右緩衝装置34に支持されている右前輪32が、リンク支持部212と平行な姿勢を保ったまま左方に傾斜する。
上記の左前輪31と右前輪32の傾斜動作に係る説明は、鉛直方向を基準としている。しかしながら、車両1の傾斜動作時(リンク機構5の作動時)においては、車体フレーム21の上下方向と鉛直上下方向は一致しない。車体フレーム21の上下方向を基準とした場合、リンク機構5の作動時において、左前輪31と右前輪32は、車体フレーム21に対する相対位置が変化している。換言すると、リンク機構5は、左前輪31と右前輪32の車体フレーム21に対する相対位置を、車体フレーム21の上下方向に変更することにより、車体フレーム21を鉛直方向に対して傾斜させる。
乗員が車両1を右方に傾斜させると、各要素は右方に傾斜する。各要素の動きは左右が逆になるのみであるため、詳細な説明は省略する。
図7は、車両1を傾斜させ、かつ転舵させた状態における車両前部の正面図である。車両1が左方に傾斜した状態で左方に転舵した状態を示している。操舵動作により左前輪31と右前輪32が左方に回動され、傾斜動作により左前輪31と右前輪32が車体フレーム21とともに左方に傾斜している。すなわち、この状態においては、リンク機構5は平行四辺形状を呈しており、タイロッド67は、車体フレーム21の直立状態における位置から左後方に移動している。
上述したように、本実施形態の車両1は、
右旋回時に車両1の右方に傾斜し、左旋回時に車両1の左方へ傾斜可能な車体フレーム21と、
車体フレーム21の上下方向に延びる右操舵軸線回りに回動可能な右前輪32と、
右前輪32より車体フレーム21の左右方向における左方に設けられ、右操舵軸線と平行な左操舵軸線回りに回動可能な左前輪31と、
下部に右前輪32を支持し、上部に対する右前輪32の車体フレーム21の上下方向における変位を緩衝する右緩衝装置34と、
下部に左前輪31を支持し、上部に対する左前輪31の車体フレーム21の上下方向における変位を緩衝する左緩衝装置33と、
車体フレーム21の上下方向において右前輪32と左前輪31を相対変位可能に支持するリンク機構5と、を有する。
リンク機構5は、
右緩衝装置34の上部を右操舵軸線回りに回動可能に支持する右サイド部材54と、
左緩衝装置33の上部を左操舵軸線回りに回動可能に支持する左サイド部材53と、
右サイド部材54の上部を右端部に車体フレーム21の前後方向に延びる右上軸線回りに回動可能に支持し、左サイド部材53の上部を左端部に右上軸線に平行な左上軸線回りに回動可能に支持し、中間部が車体フレーム21に右上軸線および左上軸線に平行な中間上軸線Mu回りに回動可能に支持される上クロス部材51と、
右サイド部材54の下部を右端部に右上軸線に平行な右下軸線回りに回動可能に支持し、左サイド部材53の下部を左端部に左上軸線に平行な左下軸線回りに回動可能に支持し、中間部が車体フレーム21に中間上軸線Muと平行な中間下軸線Md回りに回動可能に支持される下クロス部材52と、を有する。
<車体フレーム21の詳細>
次に、車体フレーム21を詳細に説明する。
図8は、車体フレーム21の斜視図である。図9は、車体フレーム21の前部を示す正面図である。
図8及び図9に示したように、車体フレーム21は、メインフレーム40と、上ブラケット41と、接続ブラケット70と、リンク支持部212とを有する。メインフレーム40は、少なくとも車両1の前後方向に延びている。
メインフレーム40は、エンジンユニット25(図1参照)などの車両搭載部品を支持する。メインフレーム40は、右フレーム40Rと、右フレーム40Rよりも左方に設けられた左フレーム40Lとを有する。右フレーム40Rの前部の上部と左フレーム40Lの前部の上部は、上ブラケット41を介してリンク支持部212の上部に接続されている。右フレーム40Rの前部の下部と左フレーム40Lの前部の下部は、接続ブラケット70を介してリンク支持部212の下部に接続されている。
本実施形態において、右フレーム40Rおよび左フレーム40Lは、複数本の互いに接続された金属製のパイプにより構成されている。
右フレーム40Rは、車両1の少なくとも前後方向に延びている。右フレーム40Rは、車体フレーム21以外の車両搭載部品の右部を支持する。
左フレーム40Lは、右フレーム40Rよりも車両1の左方に設けられている。左フレーム40Lは、車両1の少なくとも前後方向に延びている。左フレーム40Lは、車体フレーム21以外の車両搭載部品の左部を支持する。
本実施形態において、右フレーム40Rおよび左フレーム40Lは、車両搭載部品として、エンジンユニット25(図1参照)およびリアブラケット49を支持する。
<右フレーム40Rおよび左フレーム40L>
本実施形態において、右フレーム40Rは左フレーム40Lと左右対称の構成を有する。このため、図8を用いて以下に左フレーム40Lについて説明し、右フレーム40Rの詳細な説明は省略する。右フレーム40Rの各部の部材の符号は、左フレーム40Lの対応する各部に付した符号の末尾をLからRに変更した符号とする。
左フレーム40Lは、左上フレーム42Lと、左下フレーム43Lと、左エンジン支持部44Lと、左縦フレーム45Lを有する。
左上フレーム42Lおよび左下フレーム43Lは、車両1の前後方向に延びている。左上フレーム42Lおよび左下フレーム43Lはパイプ材から形成されている。車両1の前後方向の中間部において、左エンジン支持部44Lが左上フレーム42Lに設けられている。
左エンジン支持部44Lは、2本のパイプ材を左上フレーム42Lに溶接することにより形成されている。左エンジン支持部44Lに、エンジンユニット25の左部に締結される第一締結ボルトが挿入される第一左締結孔44bが設けられている。左下フレーム43Lの後端に、エンジンユニット25の左部に締結される第二締結ボルトが挿入される第二左締結孔43bが設けられている。第一締結ボルトと第二締結ボルトにより、エンジンユニット25の左部が左フレーム40Lに支持される。エンジンユニット25は、車体フレーム21の左エンジン支持部44Lに変位不能に固定されている。
2本の左縦フレーム45Lは、左エンジン支持部44Lと左下フレーム43Lとを連結する。左縦フレーム45Lはパイプ材で形成されている。左エンジン支持部44Lと左縦フレーム45Lの上部とが接続され、左下フレーム43Lと左縦フレーム45Lの下部とが接続されている。
左上フレーム42Lの後端には、リアブラケット49が連結されている。左フレーム40Lはリアブラケット49の左部を支持する。このリアブラケット49に後輪4を懸架する後懸架装置が取り付けられる。
<上ブラケット41>
上ブラケット41は、右上フレーム42Rの前部と左上フレーム42Lの前部とリンク支持部212とを連結する。上ブラケット41は鋳造で形成された一体の金属製部材である。上ブラケット41は、リンク支持部212の上部の後面に溶接されている。上ブラケット41の後部には、後方に開口した二つの挿入穴41ar,41alが設けられている。右上フレーム42Rの前部および左上フレーム42Lの前部は、それぞれの挿入穴41ar,41alに挿入された状態で上ブラケット41に溶接されている。リンク支持部212は、上ブラケット41を介して右上フレーム42Rと左上フレーム42Lとに接続されている。
<リンク支持部212>
リンク支持部212は、車体フレーム21の上下方向に延びる部材である。リンク支持部212は、右フレーム40Rの前端および左フレーム40Lの前端40RF,40LFより前方に設けられている。本実施形態においては、パイプ材からなる右下フレーム43Rの外部に露出されている部位の最も前方に位置する部位を右フレーム40Rの前端40RFと呼ぶ。パイプ材からなる左下フレーム43Lの外部に露出されている部位の最も前方に位置する部位を左フレーム40Lの前端40LFと呼ぶ。
<接続ブラケット70>
接続ブラケット70は、リンク支持部212の右下フレーム43Rの前部と左下フレーム43Lの前部とリンク支持部212とを連結する。接続ブラケット70は、例えば、鋳造で形成された一体の金属製部材である。接続ブラケット70は、リンク支持部212の下部の後面に溶接されている。接続ブラケット70の後部には、後方に開口した二つの挿入穴43ar,43alが設けられている。右下フレーム43Rの前端40RFおよび左上フレーム42Lの前端40LFは、それぞれの挿入穴43ar,43alに挿入された状態で接続ブラケット70に溶接されている。リンク支持部212は、接続ブラケット70を介して右下フレーム43Rと左下フレーム43Lとに接続されている。
<防水カバー90>
図8及び図9に示すように、車両1は、防水カバー90を有している。防水カバー90は、車体フレーム21の一部に取り付けられている。防水カバー90は、右防水カバー90Rと、右防水カバー90Rとは別体の左防水カバー90Lとを備えている。右防水カバー90R及び左防水カバー90Lは、例えば、樹脂で形成されている。本実施形態において、右防水カバー90Rは車体カバー22とは別体であり、また、左防水カバー90Lは、車体カバー22とは別体である。
右防水カバー90Rは、車両1の一部に取り付けられている。右防水カバー90Rは、図9に示すように、直立状態の車両1の正面視で少なくとも一部が右サイド部材54と重なる位置に取り付けられている。左防水カバー90Lは、直立状態の車両1の正面視で少なくとも一部が左サイド部材53と重なる位置に取り付けられている。
直立状態の車両1において、右防水カバー90Rの右縁は右サイド部材54の右縁よりも右方に位置していることが好ましい。右方または左方への最大傾斜時の車両1において、右防水カバー90Rの左縁は右サイド部材54の左縁よりも左方に位置していることが好ましい。右方への最大傾斜時の車両1において、右防水カバー90Rの上縁は右サイド部材54の上縁よりも上方に位置していることが好ましい。左方への最大傾斜時の車両1において、右防水カバー90Rの下縁は右サイド部材54の下縁よりも下方に位置していることが好ましい。このような構成により、車両1がどのような姿勢になったときでも、常に、車両1の正面視で右サイド部材54が右防水カバー90Rに重なっている。
直立状態の車両1において、左防水カバー90Lの左縁は左サイド部材53の左縁よりも左方に位置していることが好ましい。右方または左方への最大傾斜時の車両1において、左防水カバー90Lの右縁は左サイド部材53の右縁よりも右方に位置していることが好ましい。左方への最大傾斜時の車両1において、左防水カバー90Lの上縁は左サイド部材53の上縁よりも上方に位置していることが好ましい。右方への最大傾斜時の車両1において、左防水カバー90Lの下縁は左サイド部材53の下縁よりも下方に位置していることが好ましい。このような構成により、車両1がどのような姿勢になったときでも、常に、車両1の正面視で左サイド部材53が左防水カバー90Lに重なっている。
右防水カバー90Rは、車両1の直立状態において、図8に示す車両1の左側面視で右サイド部材54の後端より後方かつ車体フレーム21の右エンジン支持部44Rよりも前方に位置する車体フレーム21の一部に取り付けられている。本実施形態においては、右防水カバー90Rは上ブラケット41と接続ブラケット70とに取り付けられている。
左防水カバー90Lは、車両1の直立状態において、図8に示す車両1の左側面視で左サイド部材53の後端より後方かつ車体フレーム21の左エンジン支持部44Lよりも前方に位置する車体フレーム21の一部に取り付けられている。本実施形態においては、左防水カバー90Lは上ブラケット41と接続ブラケット70とに取り付けられている。
車両1は、エンジンユニット(エンジン)25の上方に配置された燃料タンク(図示略)を有している。燃料タンクは、車体カバー22の一部からなるアッパカバー93(図1参照)によって覆われている。右防水カバー90Rと左防水カバー90Lは、アッパカバー93を有する車体カバー22とは別体である。
上記構造の車両1は、車体フレーム21におけるリンク機構5の後方において、エンジン支持部44L,44Rに、エンジンユニット25が変位不能に固定されたリジッドエンジンタイプの構造である。このようなリジッドエンジンタイプの車両1において、本発明者は、以下のように、車体フレーム21の一部に錆が発生しやすいことを見出した。
リジッドエンジンタイプの車両1では、エンジンユニット25のエンジンが発する熱により車体フレーム21が加熱されてしまう。すると、車体フレーム21に錆が発生する可能性があることに着目した。
錆の発生を鋭意研究したところ、ある程度の温度に晒されること、水がかかること、乾燥しにくいところ、の3条件を満たす個所において錆が発生しやすいことに気がついた。
エンジンユニット25は広いスパンで支持することが好ましい。一方で、車両1の幅は広げたくない。また、エンジンユニット25は積極的に冷却させたい。カバーを設けるとカバーを設けるための空間が必要になり、また、カバーは走行風を遮ってしまう。そこでエンジンユニット25の支持部の周辺はカバーで覆わないことが多い。このため、車体フレーム21のうち、エンジンユニット25を支持する車体フレーム21は、カバーで覆われず、外気に晒される。また、十分に熱が伝わるので車体フレーム21は乾燥しやすい。このため、この部位は風通しがよく乾燥しやすいので、錆びにくい。
一方、エンジンユニット25から遠いリンク機構5の周囲は、エンジンユニット25の熱が伝わりにくく、錆びにくい。
上記の2つの部位に比べて、エンジンユニット25とリンク機構5の中間の部位(以降、中間部位)は錆びやすいことに気がついた。これは、以下の理由によると考えられる。
中間部位は、リンク機構5を支持する部位からエンジン支持部44L,44Rに延びる部位であり、不可避的に車体フレーム21のリンク機構5の後方に位置してしまう。
右前輪32がはね上げた水が右サイド部材54に付着し、この右サイド部材54から走行風にのって飛散した水は中間部位に付着する。あるいは、右前輪32がはね上げた水が直接、該中間部位に付着する。同様に、左前輪31がはね上げた水が左サイド部材53に付着し、この左サイド部材53から走行風にのって飛散した水は中間部位に付着する。あるいは、左前輪31がはね上げた水が直接、該中間部位に付着する。タイヤからまきあげられた水は泥を含んでいるため、車体フレーム21を錆びさせやすい。
さらに、中間部位は、ある程度の温度に温まる。前方からリンク機構5へ流れてきた走行風の少なくとも一部はリンク機構5に遮られてしまう。つまり、リンク機構5の後方の空間はそもそも空気が流れ込みにくい領域である。車両1の停止状態においては前方から吹いてきた風はリンク機構5に遮られて該空間に流れ込みにくく、該空間の空気はよどみやすい。また、車両1の走行状態においては、右サイド部材54や左サイド部材53に付着した水がリンク機構5を通過した走行風にのって飛散し、この中間部位に付着する。車両1の停止状態では空気がよどんでおり、また、この停止状態は走行状態よりも長いことが一般的である。つまり、中間部位は長時間に亘って乾燥しにくい条件となりやすい。
このように、中間部位は、ある程度の温度に温まり、水が付着し、乾燥しにくいという3つの条件を満たす。このため、特にこの中間部位に錆の防止対策が必要であることに本発明者は気がついた。
本実施形態においては、直立状態の車両1の正面視において、少なくとも一部が右サイド部材54と左サイド部材53の少なくとも一方と重なる位置であって、車体フレーム21の中間部位に防水カバー90が取り付けられている。このため、右サイド部材54や左サイド部材53に付着した水が走行風にのって後方に飛散してきても、この水は防水カバー90に付着し、錆びやすい中間部位に水がかからない。これにより中間部位に錆が発生することを抑制できる。
ここで、車体カバー22は、車両1の正面視で、リンク機構5の少なくとも一部を露出させるように前方に開口している。また、車体カバー22は、車両1の直立無転舵状態で、右前輪32の上縁および左前輪31の上縁と車体カバー22の前部の下縁との間に隙間を設けている。これにより、車体カバー22をコンパクトに構成している。
このような車体カバー22を備えた車両1では、右前輪32が巻き上げた飛沫状の泥水は、直接右サイド部材54に付着する他に、右前輪32と左前輪31の間の空間に運ばれる。また、左前輪31が巻き上げた飛沫状の泥水は、直接左サイド部材53に付着する他に、右前輪32と左前輪31の間の空間に運ばれる。この右前輪32と左前輪31の間の空間に運ばれた飛沫状の泥水はさらに走行風によってリンク機構5の前方に回り込む。すると該飛沫状の泥水は、車体カバー22の開口から車体カバー22の内側に入り込み、リンク機構5に付着する。このような経路によっても、エンジン支持部44R,44Lに泥水が付着してしまう。
しかし、本実施形態においては、車体カバー22の開口から進入してリンク機構5に付着した泥水は、防水カバー90に付着するので、中間部位にかかりにくい。このため、車体フレーム21における錆びやすい中間部位に錆が発生することを抑制できる。
また、車両1は、右前輪32の右方に右緩衝装置34が設けられ、左前輪31の左方に左緩衝装置33が設けられた、いわゆる外サス構造の車両である。
本実施形態とは異なり、右前輪32の左方に右緩衝装置が設けられ、左前輪31の右方に左緩衝装置が設けられている車両を内サス構造の車両と呼ぶことがある。内サス構造の車両においては、右前輪32が巻き上げた水は右緩衝装置に付着し、左前輪31が巻き上げた水は左緩衝装置に付着する。このため内サス構造の車両においては、右前輪32と左前輪31との間に飛沫状の泥水が入り込みにくい。
ところが、本実施形態のように外サス構造の車両1では、右前輪32が巻き上げた飛沫状の泥水は何にも遮られずに右前輪32と左前輪31との間の空間に進入してしまう。また、左前輪31が巻き上げた飛沫状の泥水は何にも遮られずに該空間に進入してしまう。このように外サス構造の車両1においては、飛沫状の泥水が右前輪32と左前輪31の間の空間に進入しやすく、中間部位に付着しやすい。このため、本発明の防水カバー90は特に外サス構造の車両1において有効である。
また、車体カバー22は、意匠性や良好な外観が要求されるため、形状や塗装が重要視される。防水カバー90は、この車体カバー22のアッパカバー93とは別体とされている。したがって、防水カバー90の形状を、意匠性や良好な外観に拘ることなく設計できる。また、アッパカバー93の形状についても防水カバー90の形状と別途設計できるため、意匠性の高い形状を実現しやすい。
さらに、防水カバー90はそれぞれ別体の右防水カバー90Rと左防水カバー90Lとを有している。直立状態の車両1の正面視で、右防水カバー90Rは右サイド部材54と重なるように位置し、左防水カバー90Lは左サイド部材53と重なるように位置している。このように、本実施形態の防水カバー90は、左右に分割した構造であるので、防水カバー90の大型化を抑制でき、コンパクト化できる。
なお、上記実施形態では、いわゆる外サス構造の車両を例示したが、本発明はいわゆる内サス構造の車両に適用してもよいことは言うまでもない。
また、上述した実施形態において、操舵力伝達機構6の周囲をフロントカバー221で覆ったカウル付きタイプの車両1を例示したが、本発明は、操舵力伝達機構6が外部に露出されたネイキッドタイプの車両に適用してもよい。
上記の実施形態においては、車両1は、1つの後輪4を備えている。しかしながら、後輪の数は、複数でもよい。
上記の実施形態においては、後輪4の車体フレーム21の左右方向における中央は、車体フレーム21の左右方向における左前輪31と右前輪32の間隔の中央と一致している。このような構成が好ましいものの、後輪4の車体フレーム21の左右方向における中央は、車体フレーム21の左右方向における左前輪31と右前輪32の間隔の中央と一致していなくてもよい。
上記の実施形態においては、リンク機構5は、上クロス部材51と下クロス部材52を備えている。しかしながら、リンク機構5は、上クロス部材51と下クロス部材52以外のクロス部材を備えていてもよい。「上クロス部材」と「下クロス部材」は、相対的な上下関係に基づいて命名しているに過ぎない。上クロス部材は、リンク機構5における最上位のクロス部材を意味していない。上クロス部材は、それより下方の別のクロス部材より上方にあるクロス部材を意味する。下クロス部材は、リンク機構5における最下位のクロス部材を意味していない。下クロス部材は、それより上方の別のクロス部材より下方にあるクロス部材を意味する。上クロス部材51と下クロス部材52の少なくとも一方は、右クロス部材と左クロス部材の2つの部品で構成されていてもよい。このように、上クロス部材51と下クロス部材52は、リンク機能を有する範囲で、複数のクロス部材で構成してもよい。
本明細書で用いられている「平行」という語は、±40°の範囲で傾斜するが、部材としては交わらない2つの直線も含む意味である。本明細書において方向や部材に関して用いられている「沿う」という語は、±40°の範囲で傾斜する場合も含む意味である。本明細書で用いられている「方向に延びる」という語は、当該方向に対して±40°の範囲で傾斜する場合も含む意味である。
ここに用いられた用語および表現は、説明のために用いられたものであって、限定的に解釈するために用いられたものではない。本発明は、ここに示されかつ述べられた特徴事項の如何なる均等物をも排除するものではなく、本発明のクレームされた範囲内における各種変形例をも許容するものであると認識されなければならない。本発明は、多くの異なった形態で具現化され得るものである。
この開示は本発明の原理の実施形態を提供するものとみなされるべきである。それらの実施形態は、本発明をここに記載しかつ/または図示した好ましい実施形態に限定することを意図するものではないという了解のもとで、記載されている。本発明は、ここに記載した実施形態に限定されるものではない。本発明は、この開示に基づいて当業者によって認識され得る、均等な要素、修正、削除、組み合わせ、改良および/または変更を含むあらゆる実施形態をも包含する。クレームの限定事項はそのクレームで用いられた用語に基づいて広く解釈されるべきであり、本明細書あるいは本願のプロセキューション中に記載された実施形態に限定されるべきではない。
1 車両
2 車両本体部
3 前輪
4 後輪
5 リンク機構
6 操舵力伝達機構
21 車体フレーム
22 車体カバー
23 ハンドルバー
24 シート
25 エンジンユニット
31 左前輪
32 右前輪
33 左緩衝装置
34 右緩衝装置
40 メインフレーム
40L 左フレーム
40R 右フレーム
41 上ブラケット
42L 左上フレーム
42R 右上フレーム
43L 左下フレーム
43R 右下フレーム
44L 左エンジン支持部
44R 右エンジン支持部
45L 左縦フレーム
49 リアブラケット
51 上クロス部材
52 下クロス部材
53 左サイド部材
54 右サイド部材
60 上流側ステアリングシャフト
61 中間伝達プレート
62 左伝達プレート
63 右伝達プレート
64 中間ジョイント
65 左ジョイント
66 右ジョイント
67 タイロッド
68 下流側ステアリングシャフト
70 接続ブラケット
80 連結部材
90L 左防水カバー
90R 右防水カバー
93 アッパカバー
211 ヘッドパイプ
212 リンク支持部
221 フロントカバー
223 フロントフェンダー
224 リアフェンダー
311 左車軸部材
317 左ブラケット
321 右車軸部材
327 右ブラケット
c 左伸縮軸線
d 右伸縮軸線
X 左操舵軸線
Y 右操舵軸線

Claims (5)

  1. 右旋回時に車両の右方に傾斜し、左旋回時に前記車両の左方へ傾斜可能な車体フレームと、
    右車軸線方向に延びる右車軸部材回りに回転する右前輪と、
    前記右前輪より前記車体フレームの左方に設けられ、左車軸線方向に延びる左車軸部材回りに回転する左前輪と、
    前記車体フレームの傾斜に応じて前記車体フレームの上下方向における前記右前輪および前記左前輪の相対位置を変化させるリンク機構と、
    前記右前輪を下部で支持し、前記車体フレームの上下方向に延びる右伸縮軸線方向の上部に対する下部の相対変位を緩衝する右緩衝装置と、
    前記左前輪を下部で支持し、前記車体フレームの上下方向に延びる左伸縮軸線方向の上部に対する下部の相対変位を緩衝する左緩衝装置と、
    前記車体フレームのエンジン支持部に変位不能に固定されたエンジンと、
    前記リンク機構の少なくとも一部を覆う車体カバーと、
    を有し、
    前記リンク機構は、
    前記右緩衝装置の上部を前記車体フレームの上下方向に延びる右操舵軸線回りに回動可能に支持する右サイド部材と、
    前記左緩衝装置の上部を前記右操舵軸線と平行な左操舵軸線回りに回動可能に支持する左サイド部材と、
    前記右サイド部材の上部を右端部に前記車体フレームの前後方向に延びる右上軸線回りに回動可能に支持し、前記左サイド部材の上部を左端部に前記右上軸線に平行な左上軸線回りに回動可能に支持し、中間部が前記車体フレームに前記右上軸線および前記左上軸線に平行な中間上軸線回りに回動可能に支持される上クロス部材と、
    前記右サイド部材の下部を右端部に前記右上軸線に平行な右下軸線回りに回動可能に支持し、前記左サイド部材の下部を左端部に前記左上軸線に平行な左下軸線回りに回動可能に支持し、中間部が前記車体フレームに前記中間上軸線と平行な中間下軸線回りに回動可能に支持される下クロス部材と、を有し、
    以下の条件(A)と条件(B)の少なくとも一方を満たしている車両。
    条件(A):直立状態の前記車両の正面視で少なくとも一部が前記右サイド部材と重なる位置であって、前記車両の右側面視で前記右サイド部材の後端より後方かつ前記車体フレームの前記エンジン支持部よりも前方に配置された右防水カバーが設けられている。
    条件(B):直立状態の前記車両の正面視で少なくとも一部が前記左サイド部材と重なる位置であって、前記車両の左側面視で前記左サイド部材の後端より後方かつ前記車体フレームの前記エンジン支持部よりも前方に配置された左防水カバーが設けられている。
  2. 前記エンジンは、クランクケースと前記クランクケースの上部に取付けられ前記車体フレームの上下方向における上方に向けて延びるシリンダブロックを有し、
    前記車体フレームは、前記エンジン支持部が前記シリンダブロックに接続されることにより前記エンジンを支持する、請求項1に記載の車両。
  3. 前記車体フレームは、
    前記上クロス部材と前記下クロス部材とを支持するリンク支持部と、
    前記リンク支持部から前記車体フレームの前後方向における後方へと延びる右フレームと、
    前記リンク支持部から前記車体フレームの前後方向における後方へと延びる左フレームとを有し、
    前記エンジン支持部は、前記右フレームと前記左フレームとに設けられ、
    前記条件(A)は、前記右防水カバーが前記右フレームに対して前記車体フレームの左右方向における右方に位置することを含み、
    前記条件(B)は、前記左防水カバーが前記左フレームに対して前記車体フレームの左右方向における左方に位置することを含む、請求項1または2に記載の車両。
  4. 前記条件(A)は、前記右防水カバーがその前記車体フレームの前後方向における前面に前記リンク機構の回動軌跡に平行となる面を有することを含み、
    前記条件(B)は、前記左防水カバーがその前記車体フレームの前後方向における前面に前記リンク機構の回動軌跡に平行となる面を有することを含む、請求項1または2に記載の車両。
  5. 前記エンジンの上方に配置された燃料タンクを有し、
    前記車他カバーは、前記燃料タンクを覆うアッパカバーを有し、
    前記条件(A)は、前記右防水カバーが前記アッパカバーとは別体であることを含み、
    前記条件(B)は、前記左防水カバーが前記アッパカバーとは別体であることを含む、請求項1または2に記載の車両。
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