JP2019076830A - 重金属吸着マット、その製造方法及び重金属を含む土壌の保管方法 - Google Patents

重金属吸着マット、その製造方法及び重金属を含む土壌の保管方法 Download PDF

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Abstract

【課題】重金属吸着剤の偏りが抑制されており、製造も容易な重金属吸着マット、その製造方法、前記重金属吸着マットを用いた重金属を含む土壌の保管方法を提供する。【解決手段】重金属吸着マット1は、対向する透水性シート31から構成された袋体3と、袋体3に充填された重金属吸着剤5とを備え、袋体3には、袋体3の幅方向の一端から他端側に向かって袋体3の幅よりも幅狭に形成され、対向する透水性シート31同士を接合している第1接合部37と、袋体3の幅方向の他端から一端側に向かって袋体3の幅よりも幅狭に形成され、対向する透水性シート31同士を接合している第2接合部39とが設けられ、第1接合部37及び第2接合部39は、袋体3の長さ方向に沿って互い違いに配置され、第1接合部37及び第2接合部39によって袋体3の内部が区画され、重金属吸着剤を充填する重金属吸着剤充填部33がつづら折り形状に形成されている。【選択図】図1

Description

本発明は重金属吸着マット、その製造方法及び重金属を含む土壌の保管方法に関する。
地盤掘削時に発生する湧水や土壌には、基準値以上の重金属等が含まれることがある。近年、このような湧水や、土壌への雨水の浸透によって生じる浸潤水に含まれる重金属による周辺環境の汚染への対策が求められている。
重金属を含む土壌を産業廃棄物として処理した場合、処理場の不足が懸念される。そのため、重金属を含む土壌は、浄化処理を行ってから処理土として再利用するか、封じ込めを行った上で利用することが推奨されている。このような土壌は、例えば、道路等の盛土に利用される。
封じ込めを行う際には、雨水が土壌に浸透すること、及び土壌に浸透した水によって溶出した重金属が環境中に漏洩すること、を防止する対策が行われる。重金属の漏洩への対策として、例えば、吸着層工法がある。吸着層工法では、重金属を含む土壌から形成した盛土層の下部に、重金属吸着剤を含む吸着層を設ける。盛土層から浸出した水は吸着層を通るため、吸着層通過時に水中の重金属が重金属吸着剤に吸着され、不溶化される。
吸着層は一般に、重金属吸着剤と土砂等の母材との混合物を用いて形成される(例えば特許文献1〜2)。また、近年、透水性の袋体に重金属吸着剤を充填した重金属吸着マットを並べることで吸着層を形成することが提案されている(例えば特許文献3)。
特開2014−226611号公報 特開2017−012966号公報 実用新案登録第3171552号公報
重金属吸着マットを用いることで、吸着層の施工が容易になる。従来の重金属吸着マットは、製造や運搬、施工の際に、重金属吸着剤の偏り、ひいては重金属の吸着性能の偏りが生じやすい問題がある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、重金属吸着剤の偏りが抑制されており、製造も容易な重金属吸着マット、その製造方法、及び前記重金属吸着マットを用いた重金属を含む土壌の保管方法を提供することを目的とする。
本発明は以下の態様を有する。
[1]対向する透水性シートから構成された袋体と、前記袋体に充填された重金属吸着剤とを備え、
前記袋体には、前記袋体の幅方向の一端から他端側に向かって、前記袋体の幅よりも幅狭に形成され、前記対向する透水性シート同士を接合している1以上の第1接合部と、前記袋体の幅方向の他端から一端側に向かって、前記袋体の幅よりも幅狭に形成され、前記対向する透水性シート同士を接合している1以上の第2接合部とが設けられており、
前記第1接合部及び前記第2接合部は、前記袋体の長さ方向に沿って互い違いに配置されており、
前記第1接合部及び前記第2接合部によって前記袋体の内部が区画され、前記重金属吸着剤を充填する重金属吸着剤充填部がつづら折り形状に形成されている、重金属吸着マット。
[2]前記重金属吸着剤がアカガネイトを含む[1]の重金属吸着マット。
[3]対向する透水性シートから構成され、開口部が設けられた袋体に、前記開口部から重金属吸着剤の水分散液を供給し、前記開口部を閉じて重金属吸着マットを得る工程を有し、
前記袋体には、前記袋体の幅方向の一端から他端側に向かって、前記袋体の幅よりも幅狭に形成され、前記対向する透水性シート同士を接合している1以上の第1接合部と、前記袋体の幅方向の他端から一端側に向かって、前記袋体の幅よりも幅狭に形成され、前記対向する透水性シート同士を接合している1以上の第2接合部とが設けられており、
前記第1接合部及び前記第2接合部は、前記袋体の長さ方向に沿って互い違いに配置されており、
前記第1接合部及び前記第2接合部によって前記袋体の内部が区画され、前記重金属吸着剤を充填する重金属吸着剤充填部がつづら折り形状に形成されており、
前記開口部は、前記重金属吸着剤充填部の一端の位置に設けられている、重金属吸着マットの製造方法。
[4]前記重金属吸着剤がアカガネイトを含む[3]の重金属吸着マットの製造方法。
[5]前記重金属吸着マットを得る工程の前に、
塩化鉄(III)を含む第1水溶液と、アルカリ金属の炭酸水素塩、炭酸塩及び水酸化物塩、並びにアルカリ土類金属の炭酸水素塩、炭酸塩及び水酸化物塩からなる群から選ばれる1種以上の塩を含む第2水溶液とを混合してアカガネイトを生成させ、アカガネイトを含む重金属吸着剤の水分散液を得る工程を有する[4]の重金属吸着マットの製造方法。
[6]重金属を含む土壌の保管方法であって、
前記土壌の保管場所に、[1]又は[2]の重金属吸着マットを配置して吸着層を形成し、前記吸着層の上に前記土壌を盛土する、重金属を含む土壌の保管方法。
[7]前記土壌の保管場所に予め遮水層を設け、その上に前記重金属吸着マットを配置する、[6]の重金属を含む土壌の保管方法。
[8]前記土壌がセレンを含み、
前記重金属吸着マットが[2]に記載の重金属吸着マットである、[6]又は[7]の重金属を含む土壌の保管方法。
本発明によれば、重金属吸着剤の偏りが抑制されており、製造も容易な重金属吸着マット、その製造方法、及び前記重金属吸着マットを用いた重金属を含む土壌の保管方法を提供できる。
実施形態に係る重金属吸着マットを模式的に示す斜視図である。 実施形態に係る重金属吸着マットの製造に用いられる袋体の正面図である。 実施形態に係る重金属吸着マットの製造方法の一例を説明する図である。 実施形態に係る重金属吸着マットを用いた、重金属を含む土壌の保管方法の一例を説明する図である。
以下、本発明について、添付の図面を参照し、実施形態を示して説明する。
なお、図2〜4において、前出の構成要素と同じ構成要素には同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
<重金属吸着マット>
図1は、本発明の重金属吸着マットの一実施形態を示す模式斜視図である。
本実施形態の重金属吸着マット1は、構成された袋体3と、袋体3に充填された粒状の重金属吸着剤5とを備える。
袋体3は、対向する透水性シート31から構成されている。具体的には、矩形状の2枚の透水性シート31を互いに重ね合わせた状態で、一方の透水性シート31の外周部と他方の透水性シート31の外周部とを縫合することにより袋状とされている。
各透水性シート31の外周部を縫合している縫い目35は、各透水性シート31の外周部の全周にわたって設けられている。縫い目35の位置は袋体3の外周の位置と一致している。袋体3の外周は、袋体3の長さ方向(長手方向)において対向する2辺3a,3b、及び長さ方向と直交する幅方向(短手方向)において対向する2辺3c,3dの4辺から概略構成されている。
袋体3には、3つの第1接合部37と、3つの第2接合部39とが設けられている。
第1接合部37は、袋体3の外周の辺3cから辺3d側(幅方向の一端から他端側)に向かって、袋体3の幅よりも幅狭に形成された直線状の縫い目である。
第2接合部39は、袋体3の外周の辺3dから辺3d側(幅方向の他端から一端側)に向かって、袋体3の幅よりも幅狭に形成された直線状の縫い目である。
第1接合部37及び第2接合部39はそれぞれ、対向する透水性シート31同士を接合している。また、3つの第1接合部37及び3つの第2接合部39は、袋体3の長さ方向に沿って互い違いに配置されている。
これら第1接合部37及び第2接合部39によって袋体3の内部が区画され、重金属吸着剤充填部33がつづら折り形状に形成されている。このため、袋体3内において重金属吸着剤5はつづら折り形状に配置されている。
透水性シート31としては、水を透過可能で、重金属吸着剤5の粒子を保持可能なものであればよい。袋体3が透水性シート31から構成されていることで、重金属を含む土壌を重金属吸着マット1の上に盛土し、保管している際に、土壌から流下する水が重金属吸着マット1に吸収される。また、重金属吸着マット1の製造時、重金属吸着剤5の水分散液を袋体3内に供給すると、余分な水分が透水性シート31を通って排出される。一方、重金属吸着剤5は透水性シート31に捕捉され、袋体3内に残る。
透水性シート31としては、布等が挙げられる。布としては、織布等が挙げられる。布を構成する繊維としては、ポリウレタン、ポリエステル等が挙げられる。
縫い目35、第1接合部37、及び第2接合部39を構成する縫合糸としては、例えばナイロン糸、絹糸等が挙げられる。
重金属吸着剤5は、土壌から溶出した重金属(重金属を含むイオン)を吸着し、不溶化する。重金属としては、セレン、ヒ素、鉛等が挙げられる。
重金属吸着剤5としては、吸着対象の重金属に応じたものが使用される。重金属吸着マット1に含まれる重金属吸着剤5は1種でもよく2種以上でもよい。
重金属吸着剤5の具体例としては、アカガネイト、ハイドロタルサイト、シュベルトマナイト等が挙げられる。
アカガネイト(赤金鉱)(Akaganeite)は、化学組成β−Fe3+(O(OH,Cl))で表される酸化鉄鉱物である。その結晶系は単斜晶系で、空間群I2/m、単位格子:a=10.600,b=3.0339,c=10.513,β=90.24°という結晶学的データが学術論文“Post J E, Buchwald V F, American Mineralogist, 76 (1991) p.272-277, Crystal structure refinement of akaganeite”に記載されている。この論文で明らかにされたアカガネイトの結晶構造には塩化物イオンを保持するトンネル構造が存在し、そのトンネルの壁から中心に向けて水酸基が差し出されていることも記載されている。
アカガネイトは、無機化合物の陰イオンを吸着する。無機化合物としては、例えば、セレン、ヒ素、クロム、フッ素、硫黄、リン等の無機元素を含む無機化合物が挙げられる。具体的には、セレン、ヒ素、クロムそれぞれのオキソ酸、フッ化水素酸(フッ酸)、硫酸、リン酸等が挙げられる。
無機化合物の陰イオンを含む水がアカガネイトに接触すると、この水に含まれる陰イオンがアカガネイトの上記トンネル構造にトラップされて吸着すると考えられる。この吸着によって上記トンネル構造に予め存在する塩化物イオンが上記陰イオンに置換されて脱離する。
アカガネイトは、セレンのオキソ酸に対して強い吸着力を示す。そのため、吸着対象の重金属がセレンを含む場合は、重金属吸着剤5がアカガネイトを含むことが好ましい。
重金属吸着剤5とともに、他の材料が袋体3に充填されていてもよい。他の材料としては、要対策土に該当しない土壌等が挙げられる。
<重金属吸着マットの製造方法>
重金属吸着マット1は、例えば、図2に示すような、開口部Xが設けられた袋体3Aに、開口部Xから重金属吸着剤5の水分散液を供給し、開口部Xを閉じることにより製造できる。なお、以下において、前出の構成要素と同じ構成要素には同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
袋体3Aは、開口部Xが設けられていること以外は、袋体3と同様である。
開口部Xは、重金属吸着剤充填部33の一端の位置に設けられている。具体的には、袋体3の外周の辺3aの辺3c寄りの位置において、縫い目35が形成されておらず、この部分が開口部Xとなっている。
開口部Xから重金属吸着剤5の水分散液を供給すると、この水分散液は、図2中に矢印で示すように、重金属吸着剤充填部33の一端から他端へとつづら折り状に流れる。この際、水分散液の水分は透水性シート31を通って袋体3から排出され、一方、重金属吸着剤5は透水性シート31によって捕捉され、袋体3内に残る。
重金属吸着剤充填部33全体に重金属吸着剤5が充填された後、開口部Xにて一方の透水性シート31の外周部と他方の透水性シート31の外周部とを縫合し、縫い目35を形成して開口部Xを閉じる。これにより重金属吸着マット1が得られる。
重金属吸着剤5の水分散液は、既存のものを用いてもよいし、重金属吸着マット1の製造時に調製したものを用いてもよい。
図3は、重金属吸着剤5がアカガネイトを含む場合の重金属吸着マット1の製造方法の一例を示す図である。
この例の製造方法では、アカガネイトを含む重金属吸着剤5の水分散液を調合する薬液調合槽51と、前記水分散液を薬液調合槽51から袋体3Aに供給する薬液供給部51aと、第1水溶液を貯留する第1貯留槽53と、第2水溶液を貯留する第2貯留槽55とを備える製造装置を用いる。
薬液調合槽51は、攪拌装置51bを備える。薬液調合槽51には、第1水溶液を第1貯留槽53から薬液調合槽51へ供給する第1水溶液供給部53aが接続されている。第1水溶液供給部53aの途中には、第2水溶液を第2貯留槽55から第1水溶液供給部53aへ供給する第2水溶液供給部55aが接続されている。
薬液供給部51aの一端は、薬液調合槽51の下部に接続されている。薬液供給部51aの他端には袋体3Aの開口部Xが接続されている。
第1水溶液は、塩化鉄(III)を含む。第2水溶液は、アルカリ金属の炭酸水素塩、炭酸塩及び水酸化物塩、並びにアルカリ土類金属の炭酸水素塩、炭酸塩及び水酸化物塩からなる群から選ばれる1種以上の塩を含む。
第1水溶液及び第2水溶液を、第1水溶液供給部53a及び第2水溶液供給部55aを介して薬液調合槽51に供給し、混合すると、混合液中でアカガネイトが生成し、アカガネイトの水分散液が得られる。この際、必要に応じて、水道水、他の重金属吸着剤等を薬液調合槽51へ供給してもよい。このようにして、アカガネイトを含む重金属吸着剤5の水分散液が得られる。
次に、薬液調合槽51内の水分散液を、薬液供給部51aを介して袋体3Aに供給する。袋体3Aの重金属吸着剤充填部33全体に重金属吸着剤5が充填された時点で水分散液の供給を停止し、薬液供給部51aから袋体3Aを取り外し、開口部Xを閉じて重金属吸着マット1を得る。
<重金属吸着マットの用途>
重金属吸着マット1の用途は、公知の重金属吸着マットの用途と同様であってよい。
重金属吸着マット1は、例えば、重金属を含む土壌(以下、重金属汚染土壌とも記す。)の保管に用いられる。
図4に、重金属吸着マット1を用いた重金属汚染土壌の保管方法の一例を示す。
この例の保管方法では、まず、重金属汚染土壌71の保管場所に遮水層73を設ける。具体的には、保管場所の地面を遮水層73で覆う。次いで、遮水層73の上に、複数の重金属吸着マット1を、重金属吸着マット1の間に隙間ができないように並べて配置し、吸着層75を形成する。次いで、吸着層75の上に重金属汚染土壌71を盛土する。
重金属汚染土壌71の保管中、重金属汚染土壌71に雨水が浸透すると、重金属汚染土壌71から重金属が溶出し、重金属を含む水が重金属汚染土壌71から流下し、吸着層75に到達し、吸着層75を構成する重金属吸着マット1に吸収される。重金属吸着マット1に吸収された水中の重金属は、重金属吸着剤5に吸着され、不溶化する。不溶化した重金属はそのまま重金属吸着マット1内にとどまる。
その後、重金属吸着マット1から放出された水は、吸着層75と遮水層73との界面付近を流れ、保管場所から放出される。
このようにして、重金属が保管場所から漏洩することが防止される。
重金属汚染土壌71に含まれる重金属としては、セレン、ヒ素、鉛等が挙げられる。重金属汚染土壌71に含まれる重金属は1種でもよく2種以上でもよい。重金属汚染土壌71中の重金属は、単体として存在していてよいし、化合物として存在していてもよい。
重金属汚染土壌71としては、例えば、地盤掘削時や山岳掘削時に発生する掘削土が挙げられる。
重金属汚染土壌71中の重金属の含有量は、従来、吸着層工法による封じ込めの対象となっている土壌(要対策土)における重金属の含有量と同様であってよい。
遮水層73は、吸着層75から流下した水を遮る層である。遮水層73が吸着層75の下に設けられていることで、重金属吸着マット1の間を素通りした重金属を含む水を保管場所から漏洩することなく、回収・管理することができる。
遮水層73としては、粘土又はセメント系土質遮水剤と土砂(例えば要対策土に該当しない土壌)との混合物を締め固めた層、遮水シート層等が挙げられる。粘土としては、ベントナイト等が挙げられる。遮水シートとしては、合成ゴム系(合成樹脂系)、アスファルト系、ベントナイト系等が挙げられる。遮水シートの厚さは、例えば1.5mm以上であってよい。
以上説明した重金属吸着マット1にあっては、重金属吸着剤5が袋体3内に充填されているため、運搬が容易である。また、重金属吸着マット1を配置するだけで吸着層75の施工が完了し、地盤整正や転圧の必要が無く、施工が容易である。したがって、吸着層75の施工の時間やコストを削減できる。
また、第1接合部37及び第2接合部39によって袋体3の内部が区画され、重金属吸着剤充填部33がつづら折り形状に形成されているため、重金属吸着剤5が袋体3全体に分散し、重金属吸着マット1の運搬時や施工時に重金属吸着剤5が移動しにくく、重金属吸着剤5の偏りが生じにくい。重金属吸着剤5の偏りがあると、吸着層75の吸着性能が局所的に低くなるため、その偏りを解消する必要が生じる。重金属吸着剤5の偏りが生じにくいことで、吸着層75の施工の時間やコストをより削減できる。
また、重金属吸着マット1は、袋体3Aに重金属吸着剤5の水分散液を供給する簡易な製造方法により製造できる。図3に示すように、重金属吸着剤5の水分散液を製造するタンク(薬液調合槽51)を利用して重金属吸着マット1を製造すれば、重金属吸着剤5の回収、運搬も容易である。既に水処理等で重金属吸着剤を利用している現場で必要な時に容易に導入することができる。また、余分な水分を除くことで軽量化、減容化が見込まれるため運搬、施工も容易である。重金属吸着マット1の大きさを、現場毎に使用しやすい大きさに調整することができるため、例えば非常に小さなスペースでの施工の場合は人力で運べる程度の大きさとすることも可能である。
運搬、施工が容易なため、土砂の仮置きの際も積極的に利用でき、産業廃棄物の減容化や環境汚染の防止に貢献できる。
以上、本発明について、実施形態を示して説明したが、本発明は上記実施形態に限定されない。上記実施形態における各構成及びそれらの組み合わせ等は一例であり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で、構成の付加、省略、置換、及びその他の変更が可能である。
例えば、第1接合部37及び第2接合部39の数がそれぞれ3つである例を示したが、それらの数は、袋体3の長さ等を考慮して適宜変更可能である。
重金属汚染土壌の保管に際し、複数の重金属吸着マット1を並べて吸着層75を形成する例を示したが、吸着層75を形成する重金属吸着マット1は1つでもよい。高さ方向に複数の重金属吸着マット1を重ねて吸着層75を形成してもよい。
遮水層73を設けず、保管場所に直接、吸着層75を設けてもよい。
重金属汚染土壌71を盛土した後、重金属汚染土壌71及び吸着層75を、遮水層、土砂等で覆ってもよい。重金属汚染土壌71の上に舗装を設けてもよい。
1 重金属吸着マット
3,3A 袋体
5 重金属吸着剤
31 透水性シート
33 重金属吸着剤充填部
37 第1接合部
39 第2接合部
X 開口部

Claims (8)

  1. 対向する透水性シートから構成された袋体と、前記袋体に充填された重金属吸着剤とを備え、
    前記袋体には、前記袋体の幅方向の一端から他端側に向かって、前記袋体の幅よりも幅狭に形成され、前記対向する透水性シート同士を接合している1以上の第1接合部と、前記袋体の幅方向の他端から一端側に向かって、前記袋体の幅よりも幅狭に形成され、前記対向する透水性シート同士を接合している1以上の第2接合部とが設けられており、
    前記第1接合部及び前記第2接合部は、前記袋体の長さ方向に沿って互い違いに配置されており、
    前記第1接合部及び前記第2接合部によって前記袋体の内部が区画され、前記重金属吸着剤を充填する重金属吸着剤充填部がつづら折り形状に形成されている、重金属吸着マット。
  2. 前記重金属吸着剤がアカガネイトを含む請求項1に記載の重金属吸着マット。
  3. 対向する透水性シートから構成され、開口部が設けられた袋体に、前記開口部から重金属吸着剤の水分散液を供給し、前記開口部を閉じて重金属吸着マットを得る工程を有し、
    前記袋体には、前記袋体の幅方向の一端から他端側に向かって、前記袋体の幅よりも幅狭に形成され、前記対向する透水性シート同士を接合している1以上の第1接合部と、前記袋体の幅方向の他端から一端側に向かって、前記袋体の幅よりも幅狭に形成され、前記対向する透水性シート同士を接合している1以上の第2接合部とが設けられており、
    前記第1接合部及び前記第2接合部は、前記袋体の長さ方向に沿って互い違いに配置されており、
    前記第1接合部及び前記第2接合部によって前記袋体の内部が区画され、前記重金属吸着剤を充填する重金属吸着剤充填部がつづら折り形状に形成されており、
    前記開口部は、前記重金属吸着剤充填部の一端の位置に設けられている、重金属吸着マットの製造方法。
  4. 前記重金属吸着剤がアカガネイトを含む請求項3に記載の重金属吸着マットの製造方法。
  5. 前記重金属吸着マットを得る工程の前に、
    塩化鉄(III)を含む第1水溶液と、アルカリ金属の炭酸水素塩、炭酸塩及び水酸化物塩、並びにアルカリ土類金属の炭酸水素塩、炭酸塩及び水酸化物塩からなる群から選ばれる1種以上の塩を含む第2水溶液とを混合してアカガネイトを生成させ、アカガネイトを含む重金属吸着剤の水分散液を得る工程を有する、請求項4に記載の重金属吸着マットの製造方法。
  6. 重金属を含む土壌の保管方法であって、
    前記土壌の保管場所に、請求項1又は2に記載の重金属吸着マットを配置して吸着層を形成し、前記吸着層の上に前記土壌を盛土する、重金属を含む土壌の保管方法。
  7. 前記土壌の保管場所に予め遮水層を設け、その上に前記重金属吸着マットを配置する請求項6に記載の重金属を含む土壌の保管方法。
  8. 前記土壌がセレンを含み、
    前記重金属吸着マットが請求項2に記載の重金属吸着マットである請求項6又は7に記載の重金属を含む土壌の保管方法。
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JP3030730B2 (ja) * 1991-06-03 2000-04-10 大成建設株式会社 河川水等の浄化構造体
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