JP2019076566A - 処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】複数の被処理物がセットされた複数の段に流れる空気の流量や風速に偏りが生じるのを抑制し、処理室内に被処理物を挿入する際の作業性の低下を防ぐこと。【解決手段】吹出部20は、処理室2の中央部Cに対して第1方向D1に偏った位置に設けられており、空調空気を複数の被処理物M1,M2,M3の上から下向きに吹き出すように構成されている。複数の被処理物M1,M2,M3のそれぞれは、第1方向D1の第1端部E11,E21,E31を有する。位置決め部50は、複数の被処理物のうちの少なくとも最上の被処理物M1における第1端部E11が平面視で吹出部20と重なる位置にあり、かつ、下側の被処理物M2,M3ほど、第1端部E21,E31が中央部に対して第1方向D1に偏った位置にあるように、複数の被処理物を位置決めする。【選択図】図1

Description

本発明は、恒温槽、恒温恒湿槽、調理器などの空気循環式の処理装置に関するものである。
従来、恒温槽、恒温恒湿槽、調理器などの用途に用いられる空気循環式の処理装置が知られている。
例えば特許文献1は、構造を複雑化することなく、処理室内を所定の温度に維持できるとされる恒温庫を開示している。この恒温庫では、ダクトと処理室内とを区画する仕切板において、物品載置用の棚の後方に、複数の循環空気吸入口が形成されている。これらの循環空気吸入口は、仕切板において下にいくほど多くなるように形成されている。特許文献1には、上記のような構造を備えていることにより、循環空気を積極的に処理室の下部に循環させることが可能となるので、処理室内の空気をより均等に循環させることが可能になると記載されている。
特許文献2は、複数の水平な支持板に対応する位置に固定された複数のガイド部材を備える空調装置を開示している。この空調装置では、下側のガイド部材ほど突出部の長さが長くなっているので、処理室に流入した空気の流れを調整して当該空気を試料(被処理物)周辺に供給することが可能になる。
特開2006−275326号公報 特許第5244458号公報
ところで、特許文献1の図2に示されているような恒温庫、すなわち、複数の水平な棚(支持板)が上下方向に並んでおり、空気吹出口が、これらの支持板よりも上の位置で、かつ、支持板から水平方向にずれた位置にある恒温庫では、次のような空気の流れが形成されやすい。すなわち、この空気吹出口から下向きに吹き出された空気は、処理室の内面(壁面)に沿って流れやすい。このため、下向きに吹き出された空気は、最上の支持板とその上にある仕切板との間の空間にはほとんど流れ込まずに、下側の支持板間に偏って流れ込みやすい。その結果、複数の支持板(複数の段)に流れ込む空気の流量や風速の分布に偏りが生じやすい。
したがって、特許文献1の恒温庫のように、循環空気吸入口が仕切板において下にいくほど多くなるように形成されていると、空気が下部の支持板間に偏って流れ込むという傾向がより顕著になると考えられる。
しかも、特許文献1の恒温庫では、被処理物を支持板上の任意の位置に配置可能であるため、被処理物が配置される支持板上の位置がばらつくことに起因して、被処理物の処理の度合いにもばらつきが生じるおそれがある。この点に関しては、特許文献2の図4における空調装置のようにガイド部材を設けたとしても、被処理物を支持板上の任意の位置に配置可能であることには変わりがない。
本発明の目的は、複数の被処理物を処理室内において熱的に処理する空気循環式の処理装置において、複数の段にセットされた複数の被処理物の処理の度合いにばらつきが生じるのを抑制することである。
本発明の第1の処理装置は、複数の被処理物を熱的に処理する処理室を有し、前記処理室に設けられた吹出部を通じて前記処理室内に空調空気を吹き出す一方で、前記処理室に設けられた吸入部を通じて前記処理室内の空気を吸い出す空気循環式の処理装置である。この第1の処理装置は、上下方向に間隔をおいた状態で前記複数の被処理物をそれぞれ前記処理室内で支持する複数の支持部材と、前記複数の支持部材のそれぞれに対して、対応する被処理物を位置決めする位置決め部と、を備える。前記吹出部は、前記処理室の中央部に対して第1方向に偏った位置に設けられており、前記空調空気を前記複数の被処理物の上から下向きに吹き出すように構成されている。前記吸入部は、前記処理室の前記中央部に対して前記第1方向とは反対の第2方向に偏った位置に設けられている。前記複数の被処理物のそれぞれは、前記第1方向の第1端部を有する。前記位置決め部は、前記複数の被処理物のうちの少なくとも最上の被処理物における前記第1端部が平面視で前記吹出部と重なる位置にあり、かつ、下側の被処理物ほど、前記第1端部が前記中央部に対して前記第1方向に偏った位置にあるように、前記複数の被処理物を位置決めする。
このように第1の処理装置は、複数の支持部材のそれぞれに対して、対応する被処理物を位置決めする位置決め部を備えているので、複数の被処理物が予め定められた位置にセットされることになる。
しかも、位置決め部は、複数の被処理物のうちの少なくとも最上の被処理物における第1端部が平面視で吹出部と重なる位置にあるように複数の被処理物を位置決めする。このため、吹出部から下向きに吹き出された空調空気の一部が、確実に、最上の被処理物の第1端部に向かって流れることになる。そして、吸入部は、処理室の中央部に対して第1方向とは反対の第2方向に偏った位置に設けられているので、最上の被処理物における第1端部の近傍の上面に到達した空気は、処理室内において、その被処理物に沿って第2方向に向かって流れる。
また、位置決め部は、下側の被処理物ほど(吹出部から遠い被処理物ほど)、第1端部が中央部に対して第1方向に偏った位置にあるように、複数の被処理物を位置決めする。このため、最上の被処理物よりも下にある被処理物においては、それぞれの第1端部の真上に他の被処理物の第1端部が存在しない。したがって、吹出部から吹き出されて最上の被処理物の横を下向きに通り過ぎた残りの空調空気は、最上の被処理物よりも下にある被処理物の第1端部に向かって流れ、その第1端部の近傍の上面に到達した空気は、その被処理物に沿って第2方向に向かって流れる。このようにして複数の被処理物のそれぞれに沿った第2方向への空気の流れを形成できる。
したがって、第1の処理装置では、従来の処理装置のように吹出部から下向きに吹き出された空気が最上部の支持板とその上にある仕切板との間の空間にほとんど流れ込まずに下部の支持板に偏って流れ込むという問題を解消することができる。しかも、上述したように位置決め部によって複数の被処理物が予め定められた位置にセットされる。よって、複数の段にセットされた複数の被処理物の処理の度合いにばらつきが生じるのを抑制することができる。したがって、ユーザー(作業者)が被処理物の配置位置に気をつける必要がなくなる。
本発明の第2の処理装置は、複数の被処理物を熱的に処理する処理室を有し、前記処理室に設けられた吹出部を通じて前記処理室内に空調空気を吹き出す一方で、前記処理室に設けられた吸入部を通じて前記処理室内の空気を吸い出す空気循環式の処理装置である。この第2の処理装置は、上下方向に間隔をおいた状態で前記複数の被処理物をそれぞれ前記処理室内で支持する複数の支持部材と、前記複数の支持部材のそれぞれに対して、対応する被処理物を位置決めする位置決め部と、を備える。前記吹出部は、前記処理室の中央部に対して第1方向に偏った位置に設けられており、前記空調空気を前記複数の被処理物の下から上向きに吹き出すように構成されている。前記吸入部は、前記処理室の前記中央部に対して前記第1方向とは反対の第2方向に偏った位置に設けられている。前記複数の被処理物のそれぞれは、前記第1方向の第1端部を有する。前記位置決め部は、前記複数の被処理物のうちの少なくとも下から2つ目の被処理物が平面視で前記吹出部と重なる位置にあり、かつ、上側の被処理物ほど、前記第1端部が前記中央部に対して前記第1方向に偏った位置にあるように、前記複数の被処理物を位置決めする。
このように第2の処理装置は、複数の支持部材のそれぞれに対して、対応する被処理物を位置決めする位置決め部を備えているので、複数の被処理物が予め定められた位置にセットされることになる。
しかも、位置決め部は、複数の被処理物のうちの少なくとも下から2つ目の被処理物が平面視で吹出部と重なる位置にあるように複数の被処理物を位置決めする。このため、吹出部から上向きに吹き出された空調空気の一部が、確実に、2つ目の被処理物に向かって流れることになる。そして、吸入部は、処理室の中央部に対して第1方向とは反対の第2方向に偏った位置に設けられているので、2つ目の被処理物の下面に到達した空気は、処理室内において、この2つ目の被処理物と最下の被処理物との間の空間を、被処理物に沿って第2方向に向かって流れる。したがって、最下の被処理物を効果的に熱処理することができる。
また、位置決め部は、上側の被処理物ほど(吹出部から遠い被処理物ほど)、第1端部が中央部に対して第1方向に偏った位置にあるように、複数の被処理物を位置決めする。このため、最下の被処理物よりも上にある被処理物においては、それぞれの第1端部の真下に他の被処理物の第1端部が存在しない。したがって、吹出部から吹き出されて2つ目の被処理物の横を上向きに通り過ぎた残りの空調空気は、それより上にある被処理物の第1端部に向かって流れ、その第1端部の近傍の下面に到達した空気は、その被処理物とその下の被処理物との間の空間を、第2方向に向かって流れる。このようにして複数の被処理物のそれぞれに沿った第2方向への空気の流れを形成できる。
したがって、第2の処理装置では、従来の処理装置のように吹出部から下向きに吹き出された空気が最上部の支持板とその上にある仕切板との間の空間にほとんど流れ込まずに下部の支持板に偏って流れ込むという問題を解消することができる。しかも、上述したように位置決め部によって複数の被処理物が予め定められた位置にセットされる。よって、複数の段にセットされた複数の被処理物の処理の度合いにばらつきが生じるのを抑制することができる。したがって、ユーザー(作業者)が被処理物の配置位置に気をつける必要がなくなる。
前記処理装置において、前記複数の被処理物のそれぞれは、前記第2方向の第2端部を有し、前記位置決め部は、前記吹出部から近い被処理物ほど、前記第2端部が前記中央部に対して前記第2方向に偏った位置にあるように、前記複数の被処理物を位置決めするように構成されているのが好ましい。
上述したように吹出部から遠い被処理物ほど、第1端部が第1方向に偏った位置にあるだけでなく、この構成では、吹出部から近い被処理物ほど、第2端部が第2方向に偏った位置にある。これにより、複数の被処理物のそれぞれに沿って流れる空気の流路を比較したときに、これらの流路における圧力損失の差を小さくすることができる。その結果、複数の段に流れる空気の流量や風速に偏りが生じるのをさらに抑制することができる。
前記処理装置において、前記位置決め部は、前記複数の被処理物を位置決めするための複数の接触部を有し、前記複数の接触部は、対応する被処理物が前記処理室内に水平方向に沿って挿入されるときに、前記対応する被処理物に接することにより、前記対応する被処理物を位置決めするように構成されているのが好ましい。
この構成では、位置決め部が上記のような複数の接触部を有しているので、対応する被処理物を水平方向に沿って処理室内に挿入して接触部に接触させるだけで、その被処理物を予め定められた位置に位置決めすることができる。これにより、簡単な作業で所望の位置、すなわち複数の被処理物が互いにずれた位置に、複数の被処理物を配置することができる。
前記処理装置において、前記位置決め部は、前記複数の被処理物のそれぞれの前記第1端部と、それに隣り合う被処理物の前記第1端部との前記第1方向のずれの大きさを比較したときに、これらのずれの大きさが同じになるように、前記複数の被処理物を位置決めするように構成されているのが好ましい。
この構成では、隣り合う被処理物における第1方向へのずれの大きさが同じであるため、そのずれた部分の面積が各被処理物において同じ大きさになる。このため、下向き又は上向きに流れる空気を受けることができる部分の面積が同じ大きさになるので、複数の被処理物に沿った空気の流量のばらつきを小さくすることができる。
前記処理装置において、前記位置決め部は、前記複数の被処理物のそれぞれの前記第1端部と、それに隣り合う被処理物の前記第1端部との前記第1方向のずれの大きさを比較したときに、前記吹出部から遠い被処理物ほど、前記ずれの大きさが大きくなるように、前記複数の被処理物を位置決めするように構成されていてもよい。
この構成は、例えば吹出部から吹き出された空気の流量や風速が吹出部から遠ざかるほど小さくなるケースに適している。具体的には、本構成では、吹出部から遠い被処理物ほど、前記ずれの大きさが大きくなるので、そのずれた部分の面積が吹出部から遠い被処理物ほど大きくなる。したがって、吹出部から遠い被処理物においては、その近傍を流れる空気の流量や風速が小さくても、前記ずれた部分の面積が相対的に大きいため、ずれた面積が同じ場合に比べて、その部分において多くの空気を受けることができる。これにより、上述のようなケースであっても、複数の被処理物に沿った空気の流量のばらつきを小さくすることができる。
前記処理装置において、前記吹出部は、前記空調空気の吹出方向を上下方向に近づけるように案内するためのガイド部を有しているのが好ましい。
この構成では、ガイド部によって空気の吹出方向が上下方向に近づけられるので、吹出部から吹き出された空気の流れがより安定する。これにより、空気の流れが乱れることに起因して複数の段に分配される空気の流量にばらつきが生じるのを抑制できる。
前記処理装置において、各支持部材は、対応する被処理物を支持するための一対のレールを有し、前記一対のレールは、前記被処理物の前記第1端部から前記第2方向に沿って延びる前記被処理物の両サイドを支持するように構成されており、前記被処理物を支持している状態において、前記吹出部から前記処理室内に吹き出された空調空気が、前記被処理物に沿って前記第2方向に流れるときに、前記被処理物の前記両サイドと前記レールとの間を通過するのを阻止するように構成されているのが好ましい。
この構成では、吹出部から処理室内に吹き出された空調空気が、被処理物に沿って第2方向に流れるときに、被処理物の両サイドとレールとの間を通過するのを阻止する。これにより、被処理物に沿って流れる空気の大半は、被処理物の両サイドから下方又は上方に流れることなく、第1端部から被処理物に沿って第2方向に流れ、被処理物の第2端部に到達する。したがって、被処理物の第1端部から第2端部に至る被処理物に沿った空気の流れがより安定するので、複数の被処理物がセットされた複数の段に流れる空気の流量や風速に偏りが生じるのをさらに抑制できる。
本発明によれば、複数の被処理物を処理室内において熱的に処理する空気循環式の処理装置において、複数の段にセットされた複数の被処理物の処理の度合いにばらつきが生じるのを抑制することができる。
本発明の第1実施形態に係る処理装置の概略を示す側面図である。 第1実施形態に係る処理装置の概略を示す平面図である。 本発明の第2実施形態に係る処理装置の概略を示す側面図である。 第1実施形態に係る処理装置の変形例1の概略を示す側面図である。 第1実施形態に係る処理装置の変形例2の概略を示す側面図である。 第1実施形態に係る処理装置の変形例3を示す正面図である。 図6におけるVII−VII線断面図である。 図6におけるVIII−VIII線断面図である。 図8に示す処理装置における支持部材のレールを示すものであって、図8における矢印IXで指し示す部分を拡大した斜視図である。 図8に示す処理装置における支持部材のレールと位置決め部を示すものであって、図8における矢印Xで指し示す部分を拡大した斜視図である。 図7に示す処理装置における吹出部を示す斜視図である。 (A)は、図7に示す処理装置における吹出部を示す正面図であり、(B)は、(A)におけるB−B線の断面図である。 図7に示す処理装置における空気の流れを説明するための概略図である。 位置決め部の変形例を示す側面図である。 位置決め部の変形例を示す斜視図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態について説明する。なお、以下では、複数の実施形態及び変形例を挙げているが、これらは、本発明を具体化した例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態に係る処理装置1の概略を示す側面図であり、処理装置1の内部の構造を説明するために、後述する筐体4の側部などの図示を省略したものである。図2は、第1実施形態に係る処理装置1の概略を示す平面図であり、処理装置1の内部の構造を説明するために筐体4の上部などの図示を省略したものである。
図1及び図2に示す第1実施形態に係る処理装置1は、空気循環式の処理装置(空気循環式の多段収納チャンバー)である。処理装置1は、製品の環境試験などを行うための恒温槽、恒温恒湿槽、調理器などの種々の用途に用いることができる。
第1実施形態に係る処理装置1は、筐体4と、空気調節部5と、送風機6と、間仕切り7と、吹出部20と、吸入部30と、支持部40と、位置決め部50とを備える。空気調節部5及び送風機6は、空調室3に設けられている。吹出部20、吸入部30、支持部40及び位置決め部50は、処理室2に設けられている。
処理室2は、複数の被処理物M1,M2,M3を予め定められた条件下で処理するためのものであり、空調室3は、処理室2に供給される空気の温度、湿度などを調節するためのものである。予め定められた条件としては、恒温条件、恒温恒湿条件、時間とともに変化する温度条件、時間とともに変化する湿度条件、これらを組み合わせた条件などが例示できるが、これらに限られない。複数の被処理物M1,M2,M3は、これらの条件下で処理室2内において低温処理、高温処理、加熱処理、加湿処理などの種々の処理がなされる。
筐体4は、本体4Aと、扉4Bとを含む。筐体4の本体4Aには、処理室2と空調室3とが設けられている。扉4Bが開かれた状態では、本体4Aの正面(前面)に設けられた開口から処理室2内に被処理物を入れることが可能となり、また、処理室2から被処理物を取り出すことが可能となる。扉4Bが閉じられた状態では、本体4Aの開口が塞がれるので、処理室2及び空調室3内の空気は、処理装置1の外部に漏れないようになり、処理装置1の運転が可能となる。
図1及び図2に示すように、水平方向に平行で前側(扉4B側)に向かう方向を第1方向D1とし、その反対方向を第2方向D2とし、図2に示すように、水平方向に平行で、かつ、第1方向D1に垂直な方向を第3方向D3とする。また、処理室2の中央部Cは、図1に示すように、処理室2において、第1方向D1の吹出側内面11と、第2方向D2の吸入側内面12との間の距離の半分の位置である。図2以降の図面においても同様である。
第1の被処理物M1は、吹出側縁部E11と、吸入側縁部E12とを有する。吹出側縁部E11は、第1の被処理物M1における第1方向D1の第1端部を構成している。吸入側縁部E12は、第1の被処理物M1における第2方向D2の第2端部を構成している。その他の被処理物M2,M3についても同様である。
図1及び図2に示す第1実施形態では、処理室2内において、第1の被処理物M1、第2の被処理物M2及び第3の被処理物M3が処理される。複数の被処理物M1,M2,M3は、同じ形状で同じサイズを有しているが、互いに異なる形状で異なる大きさを有していてもよい。被処理物としては、液体、固体などの食材の入った料理用の平皿(バット)、食材の入った料理用の平なべ(パン)、食材などの調理の対象物が載せられたトレー、プリント基板(プリント配線板)、プリント回路板(プリント回路実装品)、電子部品などの環境試験の対象物が取り付けられたマザー基板、環境試験の対象物が載せられたトレーなどを例示できるが、これらに限られない。料理用の平皿、平なべ、トレー、プリント基板、プリント回路板及びマザー基板に共通する特徴は、薄型で(扁平な形状で)通気性の乏しい部分の面積(水平面の面積)が大きいことである。
空気調節部5は、処理室2に供給される空気の温度、湿度などを調節するためのものである。空気調節部5の機能としては、例えば空気を加熱する加熱機能、空気を冷却する冷却機能、空気の湿度を高める加湿機能、空気の湿度を低くする除湿機能、これらの組み合わせなどが挙げられるが、これらに限られない。これらの機能を有する装置としては、加熱装置、冷却装置、除湿装置、加湿装置、これらの組み合わせなどを例示できる。
送風機6は、処理室2と空調室3との間の空気の流れを形成するためのものである。送風機6としては、遠心送風機、軸流送風機、斜流送風機、横断流送風機(クロスフローファン)などが挙げられるが、これらに限られない。
間仕切り7は、処理室2と空調室3とを仕切るためのものである。図1及び図2に示す例では、間仕切り7は、側部の間仕切り7Aと、上部の間仕切り7Bとを含む。間仕切り7が処理室2と空調室3とを仕切ることにより、略直方体形状の処理室2と、この処理室2の側部と上部に沿った空調室3とが形成されている。図1に示す第1実施形態では、空調室3は、側面視したときにL字形状のダクト状の部分である。
吹出部20は、処理室2内に空気を吹き出す空気吹出口21を有する。空気吹出口21は、空気を下向きに吹き出す。吸入部30は、処理室2内の空気を処理室2の外である空調室3に吸い出す空気吸入口31を有する。空気吹出口21は、上部の間仕切り7Bに隣接するように設けられており、空気吸入口31は、側部の間仕切り7Aに隣接するように設けられているが、空気吹出口21及び空気吸入口31が設けられる部位は、これらの形態に限られない。処理室2と空調室3は、空気吹出口21と空気吸入口31において連通しており、空気吹出口21と空気吸入口31以外の部位においては、間仕切り7によって空気の流れが遮断されている。吹出部20及び吸入部30の位置などについては後述する。
処理室2は、複数の内面11〜16を有する。具体的に、図1及び図2に示すように、複数の内面は、内面11(吹出側内面11)と、内面12(吸入側内面12)とを含む。吹出側内面11は、複数の被処理物M1,M2,M3がセットされる位置に対して(支持部40に対して)第1方向D1にある。吸入側内面12は、複数の被処理物M1,M2,M3がセットされる位置に対して(支持部40に対して)第1方向D1とは反対の第2方向D2にある。吹出側内面11と吸入側内面12は、上下方向Vに沿った面であり、互いに平行な面であり、間隔をあけて対向している。本実施形態では、吹出側内面11は、扉4Bにおける処理室2側の内面であり、吸入側内面12は、間仕切り7(側部の間仕切り7A)における処理室2側の内面であるが、これらの内面11,12を構成する部位は、扉4B及び間仕切り7の内面以外の面であってもよい。
また、複数の内面は、図2に示すように、複数の被処理物M1,M2,M3に対して、第3方向D3の両側にそれぞれ位置する一対の内面13,14(支持部材取付面13,14)を含む。内面13,14は、上下方向Vに沿った面であり、互いに平行な面であり、間隔をあけて対向している。内面13,14は、吹出側内面11に対して垂直な面である。
さらに、図1に示すように、複数の内面は、複数の被処理物M1,M2,M3の上方にある天井面15と、複数の被処理物M1,M2,M3の下方にある底面16とを含む。内面11〜14は、複数の被処理物M1,M2,M3の周りを囲んでいる。内面11〜16は、略直方体形状の処理室2を形成している。
支持部40は、処理室2内における予め定められた高さにおいて複数の被処理物M1,M2,M3を支持する機能を有する。図1及び図2に示すように、本実施形態では、支持部40は、複数の支持部材41〜43(第1支持部材41、第2支持部材42及び第3支持部材43)を有する。
複数の支持部材41〜43は、複数の被処理物M1,M2,M3がこの順に上下方向Vに間隔をあけて位置するように処理室2内において第1〜第3の被処理物M1,M2,M3をそれぞれ支持する。各支持部材は、複数の支持棒によって構成されているが、このような構成に限られるものではない。複数の支持棒は、内面13,14との間に架け渡されている。各支持部材は、例えば、内面13,14間に架け渡された板材などで構成されていてもよく、一対のレールによって構成されていてもよい。本実施形態では、上下方向Vに隣り合う被処理物の間隔が同じになるように複数の支持部材41〜43が配置されているが、前記間隔が異なるように複数の支持部材41〜43が配置されていてもよい。
位置決め部50は、処理室2内における予め定められた水平方向(具体的には第1方向D1、第2方向D2)の位置において複数の被処理物M1,M2,M3を位置決めする機能を有する。
位置決め部50は、第1の被処理物M1を位置決めする第1接触部51と、第2の被処理物M2を位置決めする第2接触部52と、第3の被処理物M3を位置決めする第3接触部53とを有する。第1接触部51は、第1の被処理物M1の吸入側縁部E12(第2端部)に隣接する隣接位置に設けられている。第2接触部52は、第2の被処理物M2の吸入側縁部E22(第2端部)に隣接する隣接位置に設けられている。第3接触部53は、第3の被処理物M3の吸入側縁部E32(第2端部)に隣接する隣接位置に設けられている。本実施形態では、これらの複数の接触部51〜53のそれぞれは、前記隣接位置において方向D3に沿って延びる板状又は棒状の部材によって構成されているが、これに限られない。
第1接触部51は、扉4B側を向いた表面である当接面51Aを有する。開口から処理室2内に挿入された第1の被処理物M1がこの当接面51Aに当接することにより、第1の被処理物M1は所定の位置に位置決めされる。同様に、第2,第3接触部52,53は、扉4B側を向いた表面である当接面52A,53Aをそれぞれ有する。平面視したときに、第2当接面52Aは、第1当接面51Aに対して第1方向D1にずれた位置にあり、第3当接面53Aは、第2当接面52Aに対して第1方向D1にずれた位置にある。
したがって、第1の被処理物M1の吹出側縁部E11と吹出側内面11との距離C11は、第2の被処理物M2の吹出側縁部E21と吹出側内面11との距離C21よりも大きくなり、かつ、距離C21は、第3の被処理物M3の吹出側縁部E31と吹出側内面11との距離C31よりも大きくなる。また、第1の被処理物M1の吸入側縁部E12と吸入側内面12との距離C12は、第2の被処理物M2の吸入側縁部E22と吸入側内面12との距離C22よりも小さくなり、かつ、距離C22は、第3の被処理物M3の吸入側縁部E32と吸入側内面12との距離C32よりも小さくなる。
これにより、下側の被処理物ほど(吹出部20から遠い被処理物ほど)、第1端部が中央部Cに対して第1方向D1に偏った位置にあるように、複数の被処理物M1,M2,M3が位置決めされる。また、吹出部20から近い被処理物ほど、第2端部が中央部Cに対して第2方向D2に偏った位置にあるように、複数の被処理物M1,M2,M3が位置決めされる。
位置決め部50は、第2の被処理物M2における吹出側縁部E21と第3の被処理物M3における吹出側縁部E31との第1方向D1の距離L23(ずれの大きさL23)が、第1の被処理物M1における吹出側縁部E11と第2の被処理物M2における吹出側縁部E21との第1方向D1の距離L12(ずれの大きさL12)と同じになるように、複数の被処理物M1,M2,M3を位置決めする。
次に、吹出部20及び吸入部30について具体的に説明する。なお、図1における2本の二点鎖線21Lは、吹出部20と、複数の被処理物M1,M2,M3の縁部E11,E21,E31との位置関係を説明するために記載したものであり、吹出部20における第1方向D1の端部と第2方向D2の端部の位置を示している。図2における二点鎖線21Lで囲まれた範囲は、平面視したときの複数の被処理物M1,M2,M3の縁部E11,E21,E31に対する吹出部20の範囲を示すものである。吹出部20の範囲は、図1に示すように、処理室2の天井面15に沿って空気吹出口21が設けられている場合には、空気吹出口21の開口の範囲と同じである。
図1及び図2に示すように、吹出部20は、複数の被処理物M1,M2,M3よりも上に設けられている。吹出部20は、複数の被処理物M1,M2,M3における吸入側縁部E12,E22,E32よりも吹出側縁部E11,E21,E31に近い位置に設けられている。吹出部20は、複数の被処理物M1,M2,M3に対して、第2方向D2の内面12(吸入側内面12)よりも、第1方向D1の内面11(吹出側内面11)に近い位置に設けられている。
また、図2に示すように、吹出部20は、第3方向D3(吹出側内面11の幅方向)に沿って延びている。吹出部20は、平面視したときに第1の被処理物M1の吹出側縁部E11、第2の被処理物M2の吹出側縁部E21、及び第3の被処理物M3の吹出側縁部E31と重なる位置に設けられているが、これに限られない。吹出部20は、少なくとも第1の被処理物M1の吹出側縁部E11と重なる位置に設けられていればよい。仮に、吹出部20が第2,第3の被処理物M2,M3の吹出側縁部E21,E31とは重ならず、吹出側縁部E21,E31がより扉4B側の位置に設けられていたとしても、空気は、処理室2内において扉4Bの内面11に沿って流れやすいので、第2,第3の被処理物M2,M3にも空気が供給されるからである。
また、吹出部20は、流量や風速の偏りをより低減するという観点では、平面視したときに第1の被処理物M1の吹出側縁部E11の全体と重なっているのが好ましいが、これに限られず、第1の被処理物M1の吹出側縁部E11の少なくとも一部分と重なっていればよい。
図1及び図2に示すように、吸入部30は、複数の被処理物M1,M2,M3における吹出側縁部E11,E21,E31よりも吸入側縁部E12,E22,E32に近い位置に設けられている。吸入部30は、複数の被処理物M1,M2,M3に対して、吹出側内面11よりも吸入側内面12に近い位置に設けられている。吸入部30は、天井面15よりも底面16に近い位置、具体的には、底面16に隣接する位置に設けられているが、これに限られない。
また、吸入部30は、第3方向D3(吸入側内面12の幅方向)に沿って延びている。本実施形態では、吸入部30の空気吸入口31における第3方向D3の長さは、第1の被処理物M1の吸入側縁部E12における第3方向D3の長さよりも大きくなっているが、これに限られない。
以上説明した第1実施形態では、以下の作用効果を奏する。
第1実施形態の処理装置1は、支持部40における複数の支持部材41〜43のそれぞれに対して、対応する被処理物を位置決めするための位置決め部50を備えているので、複数の被処理物M1,M2,M3が予め定められた位置にセットされることになる。しかも、位置決め部50は、複数の被処理物のうちの少なくとも最上の被処理物M1における吹出側縁部E11(第1端部)が平面視で吹出部20と重なる位置にあるように複数の被処理物を位置決めする。このため、吹出部20から下向きに吹き出された空調空気の一部が、確実に、最上の被処理物M1の吹出側縁部E11に向かって流れることになる。そして、吸入部30は、処理室2の中央部Cに対して第1方向D1とは反対の第2方向D2に偏った位置に設けられているので、最上の被処理物M1における吹出側縁部E11の近傍の上面に到達した空気は、処理室2内において、その被処理物M1に沿って第2方向に向かって流れる。
また、位置決め部50は、下側の被処理物ほど、吹出側縁部が中央部Cに対して第1方向D1に偏った位置にあるように、複数の被処理物を位置決めする。このため、最上の被処理物M1よりも下にある被処理物M2,M3においては、それぞれの吹出側縁部の真上に他の被処理物の吹出側縁部が存在しない。したがって、吹出部20から吹き出されて最上の被処理物M1の横を下向きに通り過ぎた残りの空調空気は、最上の被処理物M1よりも下にある被処理物M2,M3の吹出側縁部E21,E31に向かって流れ、これらの吹出側縁部E21,E31の近傍の上面に到達した空気は、これらの被処理物に沿って第2方向に向かってそれぞれ流れる。このようにして複数の被処理物M1,M2,M3のそれぞれに沿った第2方向への空気の流れを形成できる。
したがって、第1実施形態の処理装置1では、複数の段にセットされた複数の被処理物の処理の度合いにばらつきが生じるのを抑制することができる。
以上のように、第1実施形態では、複数の被処理物の吹出側縁部の位置を位置決め部50によって第1方向D1にずらすという構成を採用すること、すなわち、複数の被処理物自体に空気を案内する機能を持たせることによって空気の流量や風速の偏りを改善している。
[第2実施形態]
図3を参照しつつ、第2実施形態について説明する。図3は、本発明の第2実施形態に係る処理装置1の概略を示す側面図であり、処理装置1の内部の構造を説明するために、筐体4の側部などの図示を省略したものである。以下では、第2実施形態について、主として第1実施形態と異なる点についてのみ説明する。
第2実施形態に係る処理装置1は、吹出部20が複数の被処理物M1,M2,M3よりも下に設けられている点で、第1実施形態に係る処理装置1と異なっている。吹出部20は、処理室2の底部に設けられており、吹出部20の空気吹出口21から上向きに空気が吹き出される。
図3に示す第2実施形態では、間仕切り7は、側部の間仕切り7Aと、下部の間仕切り7Cとを含む。間仕切り7が処理室2と空調室3とを仕切ることにより、略直方体形状の処理室2と、この処理室2の側部と下部に沿った空調室3とが形成されている。吹出部20は、下部の間仕切り7Cに隣接するように設けられており、吸入部30は、側部の間仕切り7Aに隣接するように設けられている。
位置決め部50は、第1実施形態と同様に、第1〜第3接触部51〜53を有し、上側の被処理物ほど、吹出側縁部(第1端部)が中央部Cに対して第1方向D1に偏った位置にあるように、複数の被処理物M1,M2,M3を位置決めする。
図3に示すように、水平方向において、第2接触部52の第2当接面52Aは、第1接触部51の第1当接面51Aに対して第1方向D1にずれた位置にあり、第3接触部53の第3当接面53Aは、第2接触部52の第2当接面52Aに対して第1方向D1にずれた位置にある。第1〜第3当接面51A〜53Aは、第1〜第3の被処理物が処理室2内に第2方向D2に沿って挿入されるときに、対応する被処理物の吸入側縁部に接することにより、対応する被処理物を位置決めする。
位置決め部50は、複数の被処理物のうちの少なくとも下から2つ目の被処理物M2の少なくとも一部分が、吹出部20に対して、平面視したときに重なるように複数の被処理物を位置決めする。本実施形態では、第1の被処理物M1は、吹出部20に対して、平面視したときに重ならない位置に設けられている。これにより、吹出部20から吹き出された空気が第1の被処理物M1の下面に沿って流れるのを抑制することができる。ただし、図3に示す構成に限られず、第1の被処理物M1は、吹出部20に対して、平面視したときに重なる位置に設けられていてもよい。
また、第2実施形態では、第1の被処理物M1以外の他の被処理物M2,M3の吹出側縁部E21,E31は、吹出部20に対して、平面視したときに重なる位置に設けられているが、これに限られない。吹出部20に対しては、少なくとも第2の被処理物M2が平面視で重なる位置にあればよい。仮に、第2の被処理物M2よりも上にある第3の被処理物M3の吹出側縁部E31が平面視で吹出部20と重ならない位置に設けられていたとしても、処理室2内において空気は、扉4Bの内面11に沿って流れやすいので、第2の被処理物M2よりも上にある第3の被処理物M3にも空気が供給されるからである。
本実施形態では、吸入部30は、底面16よりも天井面15に近い位置、具体的には、天井面15に隣接する位置に設けられているが、これに限られない。
以上説明した第2実施形態では、以下の作用効果を奏する。
第2実施形態の処理装置1は、支持部40における複数の支持部材41〜43のそれぞれに対して、対応する被処理物を位置決めするための位置決め部50を備えているので、複数の被処理物M1,M2,M3が予め定められた位置にセットされることになる。しかも、位置決め部50は、複数の被処理物のうちの少なくとも下から2つ目の被処理物M2が平面視で吹出部20と重なる位置にあるように複数の被処理物を位置決めする。このため、吹出部20から上向きに吹き出された空調空気の一部が、確実に、2つ目の被処理物M2に向かって流れることになる。そして、吸入部30は、処理室2の中央部Cに対して第1方向D1とは反対の第2方向D2に偏った位置に設けられているので、2つ目の被処理物M2の下面に到達した空気は、処理室2内において、この2つ目の被処理物M2と最下の被処理物M1との間の空間を、被処理物に沿って第2方向D2に向かって流れる。したがって、最下の被処理物M1を効果的に熱処理することができる。
また、位置決め部50は、上側の被処理物ほど(吹出部から遠い被処理物ほど)、吹出側縁部(第1端部)が中央部Cに対して第1方向D1に偏った位置にあるように、複数の被処理物を位置決めする。このため、最下の被処理物M1よりも上にある被処理物においては、それぞれの吹出側縁部の真下に他の被処理物の吹出側縁部が存在しない。したがって、吹出部20から吹き出されて2つ目の被処理物M2の横を上向きに通り過ぎた残りの空調空気は、それより上にある被処理物の吹出側縁部に向かって流れ、その吹出側縁部の近傍の下面に到達した空気は、その被処理物とその下の被処理物との間の空間を、第2方向D2に向かって流れる。このようにして複数の被処理物のそれぞれに沿った第2方向D2への空気の流れを形成できる。
したがって、第2実施形態の処理装置1では、複数の段にセットされた複数の被処理物の処理の度合いにばらつきが生じるのを抑制することができる。
以下、上述した実施形態の変形例について説明する。
[変形例1]
図4は、第1実施形態に係る処理装置1の変形例1の概略を示す側面図である。変形例1に係る処理装置1では、隣り合う被処理物における吹出側縁部同士の距離(第1方向D1における距離)についての特徴が、図1及び図2に示した第1実施形態の処理装置1とは異なっている。その他の構成については、第1実施形態の処理装置1と同様であるので、図1及び図2と同じ符号を付して詳細な説明を省略する。
変形例1では、位置決め部50は、複数の被処理物のそれぞれの吹出側縁部(第1端部)と、それに隣り合う被処理物の吹出側縁部との第1方向D1のずれの大きさを比較したときに、吹出部20から遠い被処理物ほど、ずれの大きさが大きくなるように、複数の被処理物を位置決めする。具体的には、位置決め部50は、第2の被処理物M2における吹出側縁部E21と第3の被処理物M3における吹出側縁部E31との第1方向D1の距離L23(ずれの大きさL23)が、第1の被処理物M1における吹出側縁部E11と第2の被処理物M2における吹出側縁部E21との第1方向D1の距離L12(ずれの大きさL12)よりも大きくなるように、複数の被処理物M1,M2,M3を位置決めする。
この変形例1の場合、第2の被処理物M2の縁部E21及びその近傍に流れ込む空気を受けることができる面積(第2の被処理物M2の上面における縁部E21近傍の面積)よりも、第3の被処理物M3の縁部E31及びその近傍に流れ込む空気を受けることができる面積(第3の被処理物M3の上面における縁部E31近傍の面積)を大きくすることができる。
この変形例1は、図4において、第3の被処理物M3の縁部E31及びその近傍に流れ込む空気の流量や風速が、第2の被処理物M2の縁部E21及びその近傍に流れ込む空気の流量や風速よりも小さい場合に適している。距離L23が距離L12と同じ場合に比べて、距離L23が距離L12よりも大きい場合には、第3の被処理物M3の縁部E31及びその近傍に流れ込む空気を受けることができる面積を相対的に大きくすることができる。これにより、第2の被処理物M2に沿った流路を流れる空気の流量と、第3の被処理物M3に沿った流路を流れる空気の流量との差を小さくすることができる。
なお、図4に示す変形例1は、第1実施形態に係る処理装置1をベースとして説明したが、変形例1の上述した特徴を第2実施形態に係る処理装置1に適用することもできる。
[変形例2]
図5は、第1実施形態に係る処理装置1の変形例2の概略を示す側面図である。図5に示す変形例2に係る処理装置1は、吹出部20及び吸入部30がともに複数の被処理物M1,M2,M3よりも上に設けられている点で、図1及び図2に示した第1実施形態に係る処理装置1と異なっている。その他の構成については、第1実施形態の処理装置1と同様であるので、図1及び図2と同じ符号を付して詳細な説明を省略する。
変形例2に係る処理装置1では、上部の間仕切り7が処理室2と空調室3とを仕切ることにより、略直方体形状の処理室2と、この処理室2の上部に沿った空調室3とが形成されている。空調室3は、側面視したときに水平方向に延びる直線状のダクト状の部分である。吹出部20は、上部の間仕切り7に隣接するように設けられている。吸入部30は、上部の間仕切り7に隣接するように設けられている。
変形例2では、上述した実施形態と同様に、吹出部20は、処理室2の中央部Cに対して第1方向D1に偏った位置に設けられており、吸入部30は、処理室2の中央部Cに対して第2方向D2に偏った位置に設けられている。
なお、吹出部20及び吸入部30は、ともに複数の被処理物M1,M2,M3よりも下に設けられていてもよい。
[変形例3]
図6は、第1実施形態に係る処理装置1の変形例3を示す正面図である。図7は、図6におけるVII−VII線断面図である。図8は、図6におけるVIII−VIII線断面図である。この変形例3では、処理装置1が調理器として用いられる。
図6〜図8に示す処理装置1の基本的な構成は、図1及び図2に示した第1実施形態に係る処理装置1の構成を同様であるので、以下では主として図1及び図2に示した処理装置1と相違する構成について説明し、その他の構成については図1及び図2と同じ符号を付して説明を省略する。
図6〜図8に示す処理装置1は、主として吹出部20と支持部40の構成が図1及び図2に示した処理装置1と異なっている。また、図6〜図8に示す処理装置1では、複数の被処理物M1〜M8として、食材が入った料理用の平皿が用いられる。各平皿は、一般にホテルパンと呼ばれる金属製の皿であり、扁平な形状を有しているが、液体、固体などの食材を入れて保持することができる深さを有する。複数の被処理物M1〜M8は、同じ形状で同じサイズを有している。各被処理物は、平面視したときに略長方形であり、通気性の乏しい部分の面積(底面の面積)が大きい。
図8に示すように、各被処理物は、食材を保持する皿本体Bと、皿本体Bの上端にある4つの縁部(端部)とを有する。例えば、第1の被処理物M1の縁部は、吹出側縁部E11と、吸入側縁部E12と、方向D3の両サイドにある一対の縁部E13,14とを含む。処理室2内において、第1の被処理物M1は、吹出側縁部E11が吹出側内面11に対向し、吸入側縁部E12が吸入側内面12に対向し、縁部E13が内面13に対向し、縁部E14が内面14に対向するように支持部40に支持される。他の被処理物M2〜M8についても同様である。
図6に示すように、支持部40は、複数の支持部材41〜48と、これらの支持部材を内面13,14に取り付けるための取付部材49とを含む。複数の支持部材41〜48は、複数の被処理物M1〜M8に対応する位置に設けられている。複数の支持部材41〜48は、複数の被処理物M1,M2,M3,M4,M5,M6,M7,M8がこの順に上下方向Vに間隔をあけて位置するように処理室2内においてこれらの被処理物M1〜M8を支持する。隣り合う被処理物間の間隔はすべて同じであるが、これに限られない。
第1の被処理物M1を支持するため支持部材41は、一対の第1レール41A,41Aを有する。第2支持部材42〜第8支持部材48についても同様の構成を有する。
図9は、図8に示す処理装置1における支持部40の支持部材としてのレール41A(42A〜48A)を示すものであって、図8における矢印IXで指し示す部分を拡大した斜視図である。
図9に示すように、各第1レール41Aは、載置部40Aと、起立部40Bと、カバー40Cとを有する。図9に示す第1レール41Aは、内面13側に設けられるものである。第2〜第8支持部材の第2〜第8レールについても第1レール41Aと同様の構成を有する。
載置部40Aは、第1の被処理物M1の縁部E13を載せるための部分である。載置部40Aは、第1方向D1(第2方向D2)に平行な姿勢で内面13に沿って延びる平板上の細長い部分である。この載置部40Aは、第1の被処理物M1の縁部E13よりも長いので、第1の被処理物M1を安定して支持できる。なお、載置部40Aは縁部E13よりも短くてもよい。
起立部40Bは、載置部40Aにおける内面13側の縁から上方に起立する壁である。起立部40Bは、第1方向D1(第2方向D2)に平行な姿勢で内面13に沿って延びる平板上の細長い部分である。起立部40Bは、載置部40Aと同程度の長さを有する。
カバー40Cは、載置部40Aに載せられた第1の被処理物M1の縁部E13を上から覆うための部分である。このカバー40Cによって第1の被処理物M1の縁部E13の少なくとも一部が覆われることで、第1の被処理物M1の上下方向Vの移動が規制される。カバー40Cは、第1方向D1(第2方向D2)に平行な姿勢で内面13に沿って延びる平板上の細長い部分である。
図8及び図9に示すように、カバー40Cは、載置部40Aよりも第1方向D1の長さが短い。カバー40Cは、載置部40Aにおける吹出側内面11の側(扉4Bの側)の部分に対応する位置には設けられておらず、吸入側内面12の側の部分に対応する位置にのみ設けられている。これにより、作業者は、第1の被処理物M1の縁部E13を載置部40Aに載置する際に、扉4B側のカバー40Cが存在しない部分に第1の被処理物M1を簡単に置くことができる。その後、作業者は、第1の被処理物M1を第2方向D2に押し込むことによって、第1の被処理物M1の縁部E13を載置部40Aとカバー40Cとの間に挿入し、第1の被処理物M1を予め定められた位置に配置できる。
なお、一対の第1レール41A,41Aのうち、内面14側に設けられる第1レール41Aは、図9に示す第1レール41Aと面対称な形状であり、その他の構成は図9に示す第1レール41Aと同様の構成と機能を有している。
図10は、図9に示すレール41Aと位置決め部50を示すものであって、図8における矢印Xで指し示す部分を拡大した斜視図である。図10に示すように、位置決め部50は、位置決めピン50Aと、第1レール41Aに設けられた複数の穴部50Bとを含む。位置決めピン50Aは、穴部50Bの直径よりも幅の大きい本体部50A1と、本体部の下面から下方に延び、穴部50Bの直径よりも幅の小さい挿入部50A2とを有する。複数の穴部50Bは、第1レール41A(具体的には、第1レール41Aの載置部40A)に設けられている。複数の穴部50Bは、第1レール41Aの長手方向(第1方向D1)に沿って間隔をあけて設けられている。位置決めピン50Aは、複数の穴部50Bのうちから選択された何れかの穴部50Bに配置可能である。これにより、第1の被処理物M1が位置決めされる位置(水平方向の位置)を調節することができる。
図10に示すように、位置決めピン50Aは、第1の被処理物M1を位置決めするための第1接触部51を有する。変形例3では、第1接触部51は、本体部50A1によって構成されている。第1接触部51は、扉4B側を向いた表面(当接面)を有する。この第1接触部51の当接面に第1の被処理物M1の吸入側縁部E12が当接することにより、第1の被処理物M1が位置決めされる。第2〜第8被処理物M2〜M8に対応する位置決めピン50Aについても、上述した位置決めピン50Aと同様の構成と機能を有する。
また、各段においては、前後方向、すなわち第2方向D2に空気が流れる他は、両サイドにおいて空気の移動を許さない面状又は皿状の形状をした段形成部品で構成されている。具体的には、一対の第1レール41Aは、第1の被処理物M1を支持している状態において、吹出部20から処理室2内に吹き出された空気が第1の被処理物M1と一対の内面13,14のそれぞれとの間を通過するのを阻止するように構成されている。より具体的には、図6及び図8に示すように、内面13と第1の被処理物M1の縁部E13との間には、第1レール41Aと、取付部材49とが存在しており、内面13と第1の被処理物M1の縁部E13との間の隙間が第1レール41Aと取付部材49とによって塞がれている。また、内面14と第1の被処理物M1の縁部E14との間には、第1レール41Aと、取付部材49とが存在しており、内面14と第1の被処理物M1の縁部E14との間の隙間が第1レール41Aと取付部材49とによって塞がれている。第2〜第8の被処理物M2〜M8についても同様である。なお、取付部材49は、被処理物に沿って第2方向D2に流れる空気が取付部材49とレール41Aの間や取付部材49と内面13(又は内面14)との間を通過しないように構成されている。
図11は、図6に示す処理装置1における吹出部20を示す斜視図である。図12(A)は、図6に示す処理装置1における吹出部20を示す正面図であり、図12(B)は、図12(A)におけるB−B線の断面図である。図13は、図6に示す処理装置1における空気の流れを説明するための概略図である。
図7、図11、図12(A)及び図12(B)に示すように、吹出部20は、複数のガイド部24(ガイドベーン24)と、これらのガイド部24を筐体4の本体4Aに取り付ける取付部材22,23とを有する。ガイド部24は、処理室2内に吹き出される空気の流れを下向きに案内するためのものである。ガイド部24の数は、複数でなく1つであってもよい。
取付部材22,23は、筐体4の本体4Aにおける第3方向D3に対向する一対の内面にボルトなどの固定部材によって取り付けられている。複数のガイド部24は、これらの取付部材22,23の間に架け渡された状態で、その両端が取付部材22,23にそれぞれ固定されている。最も扉4B側にあるガイド部24を除く3つのガイド部24は、図7に示す側面視でL字形状を有する。図7に示すように、最も扉4B側にあるガイド部24は、L字に折れ曲がっていない平板形状を有する。
図11に示すガイド部24は、第3方向D3に沿って延びる板状の部材である。隣り合うガイド部24同士が、上下方向Vと水平方向(第1方向D1)に間隔をあけて配置されている。これにより形成される隣り合うガイド部24同士の隙間によって空気吹出口21が形成されている。なお、図11では、最も扉4B側にあるガイド部24の図示を省略している。
図7に示すように断面形状がL字形状の各ガイド部24は、図12(B)に示すように、空気の流れの上流側に位置する水平部分24Aと、この水平部分24Aの端部から下方に延びる垂直部分24Bとを有する。これにより、水平方向の空気の流れが下向きに案内される。
上記のようなガイド部24を有する吹出部20の場合、吹出部20の範囲は、図7において2本の二点鎖線21Lで示す範囲となる。吹出部20における第2方向D2の端部は、ダクト状の空調室3の前端(第1方向D1の端)である。吹出部20における第1方向D1の端部は、最も扉4B側にあるガイド部24における第1方向D1の端である。
なお、吹出部20の配置については、図1及び図2に示した第1実施形態と同様であるので、説明を省略する。
図13に示すように、送風機6から吹き出された空調空気は、処理室2の上方にあるダクト状の空調室3を吹出部20に向かって水平方向(第1方向D1)に流れ、吹出部20においてガイド部24によって下向きの流れに誘導される。これにより、吹出部20の空気吹出口21から吹き出される空気は安定した下向きの流れとなる。ガイド部24は、空気を整流する作用を有するため、処理室2内に下向きに吹き出された空気の流れは、乱れが抑制された状態で各段の近傍(各被処理物と吹出側内面11との間の空間)を流れる。
この処理装置1では、図13に示すように、天井面15から下向きに吹き出される空調空気は、扉4Bの内面11に沿って下向きに流れ、各段に少しずつ分流される。すなわち、最上段の被処理物M1の近くにある吹出部20から吹き出された空気の下降流は、その一部が最上段に分流され、残りが2段目から最下段において少しずつ分流されることになる。その結果、すべての段において、ほぼ均等な空気が分流されることになり、良好な温湿度分布が得られる。
なお、複数の段に流れ込む空気の流量や空気の風速に偏りが生じるのを抑制する手段としては、例えば、板状の通気性の良い支持部材(網状の支持部材)を用いることが考えられるが、被処理物が上述した料理用の平皿のように通気性のないものである場合には、支持部材に設けられた通気孔が被処理物によって塞がれてしまう。一方、上述した第1,第2実施形態に係る処理装置1では、支持部材が例えば通気性のない棚板構造である場合や、被処理物がホテルパンなどの皿構造で通気性がない場合であっても、すべての段において良好な温湿度分布が得られる。
[位置決め部の変形例]
図14は、変形例に係る位置決め部50を備える処理装置1の概略を示す側面図であり、図15は、その位置決め部50と、位置決め部50が設けられた吸入側内面12とを示す斜視図である。図14及び図15に示すように、位置決め部50は、処理室2の吸入側内面12に設けられた一対の板状部材54によって構成されている。一対の板状部材54は、上下方向Vに平行な姿勢で、吸入側内面12から第1方向D1に突出するように吸入側内面12に固定されている。一対の板状部材54は、第3方向D3に間隔をあけて配置されている。各板状部材54は、下方に向かうほど吸入側内面12からの突出長さが大きくなるような傾斜した縁部55を有する。この縁部55は、直線状であってもよく、湾曲していてもよい。なお、位置決め部50は、一つの板状部材54によって構成されていてもよい。この場合、一つの板状部材54は、例えば、処理室2の吸入側内面12における第3方向D3の中央の位置に設けることができる。
また、位置決め部を構成する複数の接触部は、それぞれの段ごとに、上記中央の位置に設けられていてもよい。また、複数段ごとに1つ又は複数の接触部が設けられていてもよい。これらの場合、接触部は、実施形態で示したような板状、棒状、ピン状などに限られず、種々の形状のものを用いることができる。
位置決め部50は、第1の被処理物M1を位置決めするための第1当接部61Aと、第2の被処理物M2を位置決めするための第2当接部62Aと、第3の被処理物M3を位置決めするための第3当接部63Aとを有する。第1当接部61Aは、板状部材54の縁部55の一部分であって、第1の被処理物M1の高さ位置に対応する部分である。第2当接部62Aは、板状部材54の縁部55の一部分であって、第2の被処理物M2の高さ位置に対応する部分である。第3当接部63Aは、板状部材54の縁部55の一部分であって、第3の被処理物M3の高さ位置に対応する部分である。この変形例3では、一つの板状部材54によって(各板状部材54によって)複数の接触部61A〜63Aが形成できる。
図14に示すように、第1の被処理物M1の吸入側縁部E12は、板状部材54の縁部55における第1当接部61Aに接するように処理室2内に配置される。第2の被処理物M2の吸入側縁部E22は、板状部材54の縁部55における第2当接部62Aに接するように処理室2内に配置される。第3の被処理物M3の吸入側縁部E32は、板状部材54の縁部55における第3当接部63Aに接するように処理室2内に配置される。
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下の態様を採用することもできる。
前記実施形態では、複数の被処理物のサイズがすべて同じ場合を例示したが、これに限られない。複数の被処理物は、異なるサイズのものが含まれていてもよい。
また、図10に示す位置決めピン50Aは、図略の抜け止め構造を備えていてもよい。抜け止め機構としては、図10において、挿入部50A2が穴部50Bに対してその径方向外側に広がるように付勢されたバネ状の部分によって構成されている場合を例示できる。このような構造であれば、挿入部50A2を穴部50Bに挿入したときに、挿入部50A2が穴部50B内において径方向外側に広がるので、位置決めピン50Aが穴部50Bから抜けにくくなる。また、位置決めピン50Aは、溶接などの固定手段を用いてレールなどに固定されていてもよい。
また、上述した実施形態では、位置決め部50が処理室2において扉4Bとは反対側(後側)に設けられている場合を例示したが、これに限られない。位置決め部50は、処理室2において扉4B側(前側)に設けられていてもよい。具体的には、例えば、位置決め部50は、複数の支持部材のそれぞれの前端部に設けられ、これらの前端部が水平方向にずれた位置となるように複数の支持部材が配置されていてもよい。この場合、支持部材の前端部に設けられた位置決め部50に被処理物を引っ掛けるような構造が例示できる。
また、上述した実施形態では、位置決め部50が複数の被処理物を位置決めするための複数の接触部を有する場合を例示したが、これに限られず、位置決め部50は、接触部を有していなくてもよい。例えば、位置決め部50は、支持部材や処理室2の内面などに設けられた複数の目印によって構成されていてもよい。この場合、複数の目印は、水平方向にずれた位置となるように設けられ、作業者は、これらの目印に従って、対応する被処理物を処理室2内の所定の位置に配置することができる。
上述した実施形態では、吹出部20が処理室2の中央部Cに対して扉4B側(前側)に偏った位置に設けられ、吸入部30が処理室2の中央部Cに対して扉4Bとは反対側(後側)に偏った位置に設けられている場合を例示したが、このような配置に限られず、例えば以下の配置例1,2のような配置であってもよい。
配置例1では、吹出部20が処理室2の中央部Cに対して後側に偏った位置に設けられ、吸入部30が処理室2の中央部Cに対して前側に偏った位置に設けられる。この配置例1の場合、中央部Cに対して後側に向く方向が第1方向D1となり、中央部Cに対して前側に向く方向が第2方向D2となる。
配置例2では、吹出部20が処理室2の中央部Cに対して右側及び左側の一方に偏った位置に設けられ、吸入部30が処理室2の中央部Cに対して吹出部20とは反対側(すなわち、右側及び左側の他方)に偏った位置に設けられる。この配置例2の場合、平面視したときに、中央部Cに対して吹出部20側に向く方向が第1方向D1となり、中央部Cに対して吸入部30側に向く方向が第2方向D2となる。この配置例2の場合、処理室2の中央部Cは、処理室2における第1方向D1の内面と第2方向D2の内面(図2における内面13と内面14)との間の距離の半分の位置である。また、配置例2では、位置決め部50は、処理室2において、第1方向D1の内面の側及び第2方向D2の内面の側の少なくとも一方に設けられていればよい。
また、配置例1,2では、吹出部20は、複数の被処理物よりも上に設けられていてもよく、下に設けられていてもよい。同様に、吸入部30は、複数の被処理物よりも上に設けられていてもよく、下に設けられていてもよい。吹出部20及び吸入部30の両方が複数の被処理物よりも上又は下に設けられていてもよく、吹出部20及び吸入部30の一方が複数の被処理物よりも上で他方が複数の被処理物よりも下に設けられていてもよい。
また、位置決め部50は、支持部40の一部を構成するものであってもよい。すなわち、位置決め部50は、支持部40の複数の支持部材とは別に設けられていなくてもよく、複数の支持部材が位置決め部の機能をも備えていてもよい。
また、空調室3は、処理室2とは別体として構成されていてもよい。
また、支持部40は、複数の段を有するカート構造(台車構造)を備えたものであってもよい。この場合、処理室2の外で複数の被処理物がカート(台車)の複数の段に載せられた後、このカートが処理室2内に入れられる。このような構造の場合、位置決め部50は、処理室2の内面などに設けられていてもよいが、カート(台車)に設けられているのが好ましい。
1 処理装置
2 処理室
3 空調室
20 吹出部
24 ガイド部
30 吸入部
41〜48 支持部材
41A レール
50 位置決め部
51〜58 第1〜第8接触部
D1 第1方向
D2 第2方向
D3 第3方向
E11 第1の被処理物における第1方向D1の吹出側縁部(第1端部)
E12 第1の被処理物における第2方向D2の吸入側縁部(第2端部)
E13,14 第1の被処理物における両サイドにある縁部
E21 第2の被処理物における第1方向D1の吹出側縁部(第1端部)
E22 第2の被処理物における第2方向D2の吸入側縁部(第2端部)
E23,24 第2の被処理物における両サイドにある縁部
E31 第3の被処理物における第1方向D1の吹出側縁部(第1端部)
E32 第3の被処理物における第2方向D2の吸入側縁部(第2端部)
E33,34 第3の被処理物における両サイドにある縁部
M1〜M8 第1〜第8の被処理物
V 上下方向

Claims (8)

  1. 複数の被処理物を熱的に処理する処理室を有し、前記処理室に設けられた吹出部を通じて前記処理室内に空調空気を吹き出す一方で、前記処理室に設けられた吸入部を通じて前記処理室内の空気を吸い出す空気循環式の処理装置であって、
    上下方向に間隔をおいた状態で前記複数の被処理物をそれぞれ前記処理室内で支持する複数の支持部材と、
    前記複数の支持部材のそれぞれに対して、対応する被処理物を位置決めする位置決め部と、を備え、
    前記吹出部は、前記処理室の中央部に対して第1方向に偏った位置に設けられており、前記空調空気を前記複数の被処理物の上から下向きに吹き出すように構成されており、
    前記吸入部は、前記処理室の前記中央部に対して前記第1方向とは反対の第2方向に偏った位置に設けられており、
    前記複数の被処理物のそれぞれは、前記第1方向の第1端部を有し、
    前記位置決め部は、前記複数の被処理物のうちの少なくとも最上の被処理物における前記第1端部が平面視で前記吹出部と重なる位置にあり、かつ、下側の被処理物ほど、前記第1端部が前記中央部に対して前記第1方向に偏った位置にあるように、前記複数の被処理物を位置決めする、処理装置。
  2. 複数の被処理物を熱的に処理する処理室を有し、前記処理室に設けられた吹出部を通じて前記処理室内に空調空気を吹き出す一方で、前記処理室に設けられた吸入部を通じて前記処理室内の空気を吸い出す空気循環式の処理装置であって、
    上下方向に間隔をおいた状態で前記複数の被処理物をそれぞれ前記処理室内で支持する複数の支持部材と、
    前記複数の支持部材のそれぞれに対して、対応する被処理物を位置決めする位置決め部と、を備え、
    前記吹出部は、前記処理室の中央部に対して第1方向に偏った位置に設けられており、前記空調空気を前記複数の被処理物の下から上向きに吹き出すように構成されており、
    前記吸入部は、前記処理室の前記中央部に対して前記第1方向とは反対の第2方向に偏った位置に設けられており、
    前記複数の被処理物のそれぞれは、前記第1方向の第1端部を有し、
    前記位置決め部は、前記複数の被処理物のうちの少なくとも下から2つ目の被処理物が平面視で前記吹出部と重なる位置にあり、かつ、上側の被処理物ほど、前記第1端部が前記中央部に対して前記第1方向に偏った位置にあるように、前記複数の被処理物を位置決めする、処理装置。
  3. 前記複数の被処理物のそれぞれは、前記第2方向の第2端部を有し、
    前記位置決め部は、前記吹出部から近い被処理物ほど、前記第2端部が前記中央部に対して前記第2方向に偏った位置にあるように、前記複数の被処理物を位置決めする、請求項1又は2に記載の処理装置。
  4. 前記位置決め部は、前記複数の被処理物を位置決めするための複数の接触部を有し、
    前記複数の接触部は、対応する被処理物が前記処理室内に水平方向に沿って挿入されるときに、前記対応する被処理物に接することにより、前記対応する被処理物を位置決めするように構成されている、請求項1〜3の何れか一項に記載の処理装置。
  5. 前記位置決め部は、前記複数の被処理物のそれぞれの前記第1端部と、それに隣り合う被処理物の前記第1端部との前記第1方向のずれの大きさを比較したときに、これらのずれの大きさが同じになるように、前記複数の被処理物を位置決めする、請求項1〜4の何れか一項に記載の処理装置。
  6. 前記位置決め部は、前記複数の被処理物のそれぞれの前記第1端部と、それに隣り合う被処理物の前記第1端部との前記第1方向のずれの大きさを比較したときに、前記吹出部から遠い被処理物ほど、前記ずれの大きさが大きくなるように、前記複数の被処理物を位置決めする、請求項1〜4の何れか一項に記載の処理装置。
  7. 前記吹出部は、前記空調空気の吹出方向を上下方向に近づけるように案内するためのガイド部を有する、請求項1〜6の何れか一項に記載の処理装置。
  8. 各支持部材は、対応する被処理物を支持するための一対のレールを有し、
    前記一対のレールは、前記被処理物の前記第1端部から前記第2方向に沿って延びる前記被処理物の両サイドを支持するように構成されており、前記被処理物を支持している状態において、前記吹出部から前記処理室内に吹き出された空調空気が、前記被処理物に沿って前記第2方向に流れるときに、前記被処理物の前記両サイドと前記レールとの間を通過するのを阻止するように構成されている、請求項1〜7の何れか一項に記載の処理装置。
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