JP2019074648A - 可動機構及びシャッタ - Google Patents

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Abstract

【課題】緩衝部材に亀裂が発生することを抑制すること。【解決手段】長穴が形成された第一の部材と、前記長穴に挿入された軸部が設けられた第二の部材と、を備え、前記長穴と前記軸部とによって、前記第一の部材と前記第二の部材との相対移動の範囲を規制する可動機構であって、前記長穴の縁に設けられた緩衝部材を備え、前記緩衝部材は、前記長穴の終端縁に沿う第一の部分と、前記長穴の前記終端縁に隣接した側縁に沿う第二の部分と、を含み、前記終端縁と前記第一の部分との接触面の前記長穴の深さ方向の第一の断面形状と、前記側縁と前記第二の部分との接触面の前記深さ方向の第二の断面形状とが、異なる断面形状であり、前記第一の断面形状は、前記第二の断面形状よりも応力集中が低い形状である。【選択図】図33

Description

本発明は可動機構及びシャッタに関する。
長穴と軸部との組み合わせにより、部材間の相対移動の範囲の規制や移動の案内を行う機構が知られている。例えば、デジタル一眼レフカメラやミラーレスカメラなどの撮像装置に用いられるシャッタでは、地板に設けた長穴に、シャッタ羽根を駆動する駆動部材の軸部(駆動ピン)を挿入し、駆動部材の移動範囲を規制する機構が用いられている。軸部が長穴の終端部に到達した際の衝撃を緩和するため、長穴の縁にはゴムなどの緩衝部材が設けられている(特許文献1及び2等)。
特開2016−161725号公報 特許第3625518号公報
軸部と緩衝部材が衝突した際に、その衝撃により緩衝部材が長穴から脱落することを防止することが要求される。このため、緩衝部材は長穴の縁を挟み込むように長穴の縁に嵌合される場合が多い。一方、軸部と緩衝部材とが繰り返し衝突されることで、長穴の縁と緩衝部材との接触部位における局所的な応力集中によって、緩衝部材に亀裂が生じる場合がある。このような亀裂は緩衝部材の機能低下を招き、十分な緩衝作用を得られない場合がある。
本発明は、緩衝部材に亀裂が発生することを抑制するものである。
本発明によれば、
長穴が形成された第一の部材と、
前記長穴に挿入された軸部が設けられた第二の部材と、を備え、
前記長穴と前記軸部とによって、前記第一の部材と前記第二の部材との相対移動の範囲を規制する可動機構であって、
前記長穴の縁に設けられた緩衝部材を備え、
前記緩衝部材は、
前記長穴の終端縁に沿う第一の部分と、
前記長穴の前記終端縁に隣接した側縁に沿う第二の部分と、を含み、
前記終端縁と前記第一の部分との接触面の前記長穴の深さ方向の第一の断面形状と、前記側縁と前記第二の部分との接触面の前記深さ方向の第二の断面形状とが、異なる断面形状であり、
前記第一の断面形状は、前記第二の断面形状よりも応力集中が低い形状である、
ことを特徴とする可動機構が提供される。
本発明によれば、緩衝部材に亀裂が発生することを抑制することができる。
本発明の実施形態に係る撮像装置の全体構成を示す図。 本発明の実施形態に係るシャッタの斜視図。 図2のシャッタの内部機構を示す斜視図。 図2のシャッタの内部機構を示す平面図。 図2のシャッタの分解斜視図。 地板の説明図。 羽根機構の説明図。 羽根機構の説明図。 羽根機構の説明図。 駆動機構の説明図。 駆動機構の説明図。 後幕用の駆動部材の説明図。 先幕用の駆動部材の斜視図及びその分解斜視図。 係止機構の分解斜視図。 係止レバー及び抑制レバーを二方向から見た斜視図。 モータの支持構造の説明図。 モータの支持構造の説明図。 モータの支持構造の説明図。 チャージスライダの案内機構の説明図。 チャージスライダの斜視図。 チャージ機構の構造説明図。 チャージ機構の構造説明図。 ギアトレインの説明図。 チャージ機構の構造説明図。 チャージ機構の動作説明図。 チャージ機構の動作説明図。 図2のシャッタの動作説明図。 図2のシャッタの動作説明図。 図2のシャッタの動作説明図。 地板の平面図。 (A)及び(B)は緩衝部材の斜視図。 (A)は図30のV−V線断面図、(B)は図32(A)の部分拡大図。 (A)は図30のVI−VI線断面図、(B)は図33(A)の部分拡大図。 (A)は図30のVI−VI線断面図に相当する別例の断面図、(B)は図34(A)の部分拡大図。 (A)は図30のVI−VI線断面図に相当する別例の断面図、(B)は図35(A)の部分拡大図。
<撮像装置>
図1は本発明の実施形態に係る撮像装置10の全体構成を示す図である。撮像装置10は例えばミラーレスカメラである。撮像装置10は、レンズユニット1、シャッタ2及び撮像素子3を備える。レンズユニット1は、被写体からの光を結像させるためのレンズ群及びその駆動機構を備える。撮像素子3はレンズユニット1により結像された被写体像を光電変換する素子であり例えばCMOSイメージセンサである。シャッタ2は、撮影光軸1a上においてレンズユニット1と撮像素子3との間に配置され、羽根群の開閉により撮像素子3に対する露光時間等を調節する。
撮像素子3から出力されるアナログ画像信号はAFE(Analog Front End)4によりデジタル画像信号に変換される。DSP(Digital Signal Processor)5は、AFE4から出力されるデジタル画像信号に対する各種画像処理や圧縮・伸張処理などを行なう。DSP5には記憶媒体5a及びRAM5bが接続されている。RAM5bは例えば画像データを一時的に記憶するために用いられる。記憶媒体5aは例えばメモリカードであり、撮影した画像を保存するために用いられる。ディスプレイ6は、液晶ディスプレイ(LCD)などの電子画像表示装置であり、撮影した画像や各種メニュー画面などを表示する。
CPU7は撮像装置10の全体を制御する。CPU7は各種のセンサ7aの検出結果に基づいて、各種の駆動回路7bを制御する。センサ7aは、例えば、撮像装置10の電源電圧を検出するセンサ、温度を検出するセンサ、レンズユニット1やシャッタ2に備えられた各種のセンサを含む。駆動回路7bは、例えば、撮像素子3に駆動信号を供給するタイミングジェネレータ、レンズユニット1やシャッタ2等に備えられたアクチュエータの駆動回路を含む。
<シャッタ>
本実施形態のシャッタ2はフォーカルプレン式のシャッタである。シャッタ2について図2〜図29を参照して説明する。各図において、矢印X、Y、Zは互いに直交する方向を示し、Z方向は光軸1aと平行な方向であり、Y方向は羽根の走行方向と平行な方向である。なお、一部の図においてはシャッタ2の構成部品を透過態様で図示していたり、省略している場合がある。
<1.全体構成とレイアウト>
図2〜図6を参照してシャッタ2の全体構成と機構のレイアウトについて説明する。図2はシャッタ2の斜視図、図3及び図4はシャッタ2の内部機構を示す図、図5はシャッタ2の分解斜視図、図6は地板30の斜視図である。
シャッタ2は被写体光を撮像素子3に露光/遮蔽する羽根部20と、羽根を動作させる機構部21とに大別される。羽根部20は機構部21よりも薄型の矩形状を有しており、シャッタ2は、その側面視(Y方向)において全体としてL字状をなしている。機構部21はモータ81の直径相当の厚さを有する直方体形状を有している。逆に言えば、シャッタ2のZ方向の厚さは最大でモータ81の直径程度とされている。羽根部20を薄型化して光軸方向におけるシャッタ2と撮像素子3との配設スペースを削減しつつ、機構部21を羽根部20の側方に位置させることで、撮像装置10内の収容空間を有効に活用することができる。また、シャッタ2は全体として矩形状を有してコンパクトに構成されており、ミラーレスカメラのように内部空間が狭い撮像装置に有利である。
シャッタ2は地板30を基本的な支持体とし、地板30上に各部品が搭載されている。地板30は、羽根部20を構成する開口形成部31と、機構部21を構成する機構支持部32とを一体に有しており、例えば、合成樹脂製の部材である。
開口形成部31には被写体光が通過する開口31aが形成されている。開口形成部31の一方面側はカバー板33で覆われ、開口形成部31とカバー板33との間には仕切板34が配置される。カバー板33及び仕切板34には、開口31aと重なる開口33a、開口34aが形成されている。開口形成部31の他方面側(被写体側)もカバー板36で覆われる。カバー板36にも開口31aと重なる開口36aが形成されている。これらの開口31a、33a、34a及び36aは、矩形状を有し、その法線方向はZ方向に、その面方向がX方向及びY方向である。被写体光は、開口36a、開口31a、開口34a及び開口33aを順に通過して撮像素子3を露光する。
仕切板34は、開口形成部31とカバー板33との間の羽根室を先幕用の空間と後幕用の空間とにZ方向に二つに仕切る。シャッタ2には先幕用の羽根機構40と後幕用の羽根機構50が設けられており、羽根室には、先幕を構成する羽根群41と、後幕を構成する羽根群51とが収容されている。図4はカバー板33及び仕切板34が取り外された状態を示している。
機構部21には、羽根機構40及び50を駆動する駆動機構60、羽根群41を開状態に維持可能な係止機構70、及び、駆動機構60に対するチャージ動作を行うチャージ機構80が配置されている。また、これらの機構を覆うカバー部材を兼用したMG地板35と、MG地板35を覆うカバー部材37が設けられている。図3はMG地板35及びカバー部材37が取り外された状態を示している。MG地板35及びカバー部材37は、駆動機構60、係止機構70及びチャージ機構80に対するゴミの侵入を防止する。
チャージ機構80は、その駆動源であるモータ81と、モータ81の駆動力によって駆動機構60に対するチャージ動作を行うチャージスライダ82と、モータ81の駆動力をチャージスライダ82に伝達するギアトレイン85とを含む。なお、本実施形態の場合、チャージ機構80はモータ81を含むが、モータ81として撮像装置10側に備えられたモータを利用することも可能である。つまり、チャージ機構80は、固有のモータを備えた機構であってもよいし、固有のモータを備えず、他のモータから駆動力を受ける機構であってもよい。
モータ81はその回転軸81aがY方向となるように、X方向における開口31aの側方に配置されている。換言すると、矩形状の開口31aの周縁の一辺に沿って配置されている。シャッタ2の動作速度を向上する場合、モータ81として比較的高出力のモータが必要とされるが、モータのサイズは一般に出力に比例して大きくなる。本実施形態のようにモータ81を配置することで、Y方向で見るとモータ81の胴部81bが、羽根群41及び51の走行・格納範囲Yw(図4参照)に収めることが可能となり、高出力のモータを比較的コンパクトに配置することができる。
モータ81の他の配置態様としては、例えば、回転軸81aがZ方向となるように配置することも考えられるが、本実施形態のようにモータ81の全長が長い場合、シャッタ2がZ方向に長くなる。また、モータ81の他の配置態様としては、回転軸81aがX方向となるように配置することも考えられるが、本実施形態のようにモータ81を、X方向で開口31aの側方に配置した場合は、シャッタ2がX方向に長くなる。また、一般にデジタルカメラはシャッタの上下よりも左右に収容空間を確保し易いことから、モータ81をY方向で開口31aの側方に配置した場合には、撮像装置10に対する収容の点で不利な場合がある。このような他の配置態様も採用可能であるが、本実施形態におけるモータ81の配置態様はシャッタ2の高性能化と小型化を両立する点で有利である。
本実施形態の場合、チャージ機構80は、モータ81の駆動力により、チャージスライダ82をY方向に移動させることによって駆動機構60に対するチャージ動作を行う。チャージ動作をチャージスライダ82のY方向の直線移動で行うことで、チャージ用の部材を回動させる構成よりもX方向においてシャッタ2の小型化を図れる。また、チャージスライダ82の往復移動範囲は羽根群41及び51の走行・格納範囲Yw(図4参照)内であり、シャッタ2をY方向に大型化するものでもない。
駆動機構60は、羽根機構40及び50を駆動する一方、チャージ機構80によるチャージ動作を受ける。このため、駆動機構60に対して、羽根機構40及び50並びにチャージ機構80が隣接して配置されていることが機構上並びに小型化を図る上で有利である。本実施形態の場合、駆動機構60はモータ81と開口31aとの間の領域Xwに配置され、チャージスライダ82はモータ81と駆動機構60との間に配置されている。このような配置とすることで、駆動機構60が羽根機構40及び50並びにチャージ機構80に隣接して配置され、機構上、有利である。しかも、モータ81の回転軸方向とチャージスライダ82の移動方向がいずれもY方向であることから、X方向において各機構を狭い領域に集中的に収めることができ、シャッタ2の小型化を図れる。
本実施形態の場合、Y方向でモータ81の一方端部側(回転軸81a側)にはギアトレイン85が配置され、他方端部側には係止機構70が配置されている。Y方向におけるモータ81の胴部81bの両側のスペースに係止機構70、ギアトレイン85を対称的に配置することで、シャッタ2のY方向の小型化を図れる。モータ81の回転軸81aにはウォームギア81cが設けられており、ウォームギア81cは、ギアトレイン85のギア850のウォームホイール850aと噛み合っている。この部分で回転軸方向をY方向(モータ81側)からZ方向(ギアトレイン85側)に変換している。ギアトレイン85の各ギアは回転軸がZ方向であるため、シャッタ2の機構部21のZ方向の厚さを薄くすることができる。
<2.羽根機構>
図5、図6及び図7〜図9を参照して羽根機構40及び50の構成について説明する。図7は羽根機構40及び50の説明図であり、図8及び図9は羽根機構40の説明図である。図7において、状態ST1は羽根群41が開状態で羽根群51が閉状態である状態を示し、状態ST2は羽根群41が閉状態で羽根群51が開状態である状態を示している。開状態とは開口31aを覆わない状態であり、閉状態とは開口31aを覆う状態である。図7等においては羽根、羽根の重なりが視覚的にわかりやすいように、背後に隠れる羽根の輪郭線を実線で表している。
羽根機構40は、羽根群41、主アーム42、副アーム43及びバネ44を含み、先幕を構成する。羽根機構50は、羽根群51、主アーム52、副アーム53及びバネ54を含み、後幕を構成する。本実施形態の場合、羽根群41、51はそれぞれ羽根41a〜41d、51a〜51dから構成されている。しかし、羽根の数は4枚に限られない。各羽根は、例えば、黒色塗料を塗布する樹脂シート(または金属板などの遮光性のある材料もしくは複合材)から形成される。羽根41a〜41dは主アーム42及び副アーム43に連結され、Y方向を羽根の41a〜41dの走行方向とする平行リンク機構を構成する。羽根51a〜51dは主アーム52及び副アーム53に連結され、Y方向を羽根の51a〜51dの走行方向とする平行リンク機構を構成する。
主アーム42は、軸穴42a、係合穴42bを備える。軸穴42a、係合穴42bは、後述する駆動部材61に主アーム42を装着するための穴である。軸穴42aには駆動部材61を介して地板30の軸320が挿入され、主アーム42は軸320を中心として駆動部材61と共に回動自在である。
副アーム43は、軸穴43aを備える。軸穴43aには地板30の軸324が挿入され、副アーム43は軸324を中心として回動自在である。バネ44は、本実施形態の場合、軸324が挿通するねじりコイルバネであり、その一方端部が地板30に係止され、他方端部が副アーム43に係止される。バネ44は、羽根群41を閉状態にする方向に副アーム43付勢する。これにより羽根群41のがたつきを抑制できる。
羽根機構50は羽根機構40と同様の構成である。地板30には軸321、軸325が設けられ、主アーム52には主アーム42の軸穴42a及び係合穴42bに相当する軸穴及び係合穴(いずれも不図示)が設けられ、また、副アーム53には副アーム43の軸穴43aに相当する軸穴(不図示)が設けられる。バネ54もバネ44と同様の装着態様で地板30に取り付けられ、バネ54は、羽根群51を開状態にする方向に副アーム53付勢する。
<3.駆動機構>
駆動機構60について主に図4、図10〜図13を参照して説明する。図10は駆動機構60の説明図であり、図2のI−I線断面図である。図11は駆動機構60を部分的に分解した斜視図である。図12は二方向から見た後幕用の駆動部材62の分解斜視図である。図13は先幕用の駆動部材61の斜視図及びその分解斜視図である。
駆動機構60は、羽根機構50を駆動する機構として、駆動部材62、駆動バネ63B、ウォームホイール64B、ウォーム65B、保持機構66Bを備える。
駆動部材62は、本体部材620、アマチャ622、バネ623及びアマチャ軸624を含む。本体部材620は例えば合成樹脂製の部材である。本体部材620はZ方向に延びる筒状部620aを含む。筒状部620aには、地板30の軸321が挿通され、駆動部材62は軸321回りに回動自在である。駆動部材62(本体部材620)の回動位置は光センサPI2(図2、図3参照)で検知される。光センサPI2はホルダHD2(図3、図5参照)を介して地板30に支持されている。
筒状部620aの地板30側の端部は、羽根機構50の主アーム52の軸穴(不図示。羽根機構40の主アーム42の軸穴42aに相当。)を挿通し、筒状部620aの反対側の端部は駆動バネ63B及びウォームホイール64Bを挿通する。ウォームホイール64Bは筒状部620aに回転自在に支持される。
本体部材620はZ方向に突出するピン基部620cを含む。ピン基部620cには、耐久性向上を目的として金属製で円筒形状のピンカバー621aが装着され、軸部として、羽根用の駆動ピン621が形成される。駆動ピン621は、羽根機構50の主アーム520の係合穴(不図示。羽根機構40の主アーム42の係合穴42bに相当。)を挿通し、また、地板30に形成された長穴である案内溝326B(図6参照)内を移動する。本実施形態の場合、案内溝326Bは地板30を貫通した長穴であり、駆動ピン621の移動を案内するとともにその移動範囲を規制する。案内溝326Bの終端縁のうち、駆動ピン621の移動端となる一方の終端縁にはゴムなどの緩衝部材326bが設けられ、駆動ピン621が案内溝326Bの終端縁に移動したときの衝撃を緩衝する。なお、案内溝326Bと緩衝部材326bの詳細については図30〜図35を参照して後述する。
本体部材620は筒状部620aに対して径方向に延出した係合部620bを含む。係合部620bはチャージ機構80によるチャージ動作時にチャージスライダ82から操作力の入力を受ける。この操作力により、駆動部材62は軸321を回動中心として時計回りに回動する。本体部材620は、また、アマチャ支持部620dを含む。アマチャ支持部620dにはバネ623を介してアマチャ622がアマチャ軸624によって取り付けられる。アマチャ622は保持機構66Bの磁力によって保持機構66Bに解放可能に保持される。
駆動バネ63Bは、本実施形態の場合、ねじりコイルバネである。駆動バネ63Bは駆動部材62とウォームホイール64Bとの間に設けられており、かつ、駆動バネ63Bの一端が駆動部材62に、他端がウォームホイール64Bに、それぞれ係止されている。ウォーム65Bは、MG地板35に回転自在に支持されている。ウォーム65Bは、その軸方向をZ方向から傾斜してMG地板35に支持されており、ウォーム65Bの軸方向をZ方向とする構成よりもシャッタ2をZ方向に薄型化できる。
ウォーム65Bはウォームホイール64Bと噛み合っており、これによりウォームホイール64Bの回転方向の位置が固定される。チャージ動作により駆動部材62は初期位置からチャージ位置へ軸321回りに回転するがウォームホイール64Bはウォーム65Bとの噛み合いによって不動である。このため、駆動バネ63Bに羽根を駆動する弾性エネルギが蓄積される。チャージされた駆動バネ63Bは羽根群51が閉状態となる方向に付勢力を発揮する。羽根群51に対する付勢方向が駆動バネ63Bとバネ54とで逆方向となるが、駆動バネ63Bの付勢力の方がバネ54よりも十分に強い力である。
ウォーム65Bをドライバ等で回転させると、軸321に対するウォームホイール64Bの回転方向の位相が変化する。つまり、チャージ時の駆動バネ63Bの弾性変形量が調整され、羽根群51の走行速度(幕速)を調整することができる。
保持機構66Bは、磁力により駆動部材62をチャージ位置に保持する。図4は駆動部材62がチャージ位置で保持された状態を示している。保持機構66Bは、ヨーク66aとヨーク66aに巻きまわされたコイル66bとを含む電磁石であり、ヨーク6aはMG地板35に支持されている。コイル66bに対する通電と通電遮断により、アマチャ622の吸着と吸着解除が切り替えられる。これにより、チャージ位置での駆動部材62の保持と解放を切り替えることができ、解放によって図7の状態ST2に示すように駆動バネ63Bの付勢力で駆動部材62が反時計回りに回動し、羽根群51が閉状態へ走行する。
次に、羽根機構40を駆動する機構について説明する。駆動機構60は、羽根機構40を駆動する機構として、駆動部材61、駆動バネ63A、ウォームホイール64A、ウォーム65A、保持機構66Aを備える。羽根機構40を駆動する機構は、羽根機構50を駆動する機構と基本的に同じであるが、駆動部材61の構造に違いがある。
駆動部材61は、本体部材610、アマチャ612、バネ613及びアマチャ軸614を含む。本体部材610は、本体部610Aとアーム部610Bとの二部材構成であり、いずれも例えば合成樹脂製の部材である。本体部610AはZ方向に延びる筒状部610aを含み、アーム部610Bは筒状部610aと同軸上に筒状部610eを含む。筒状部610a及び610eには、地板30の軸320が挿通され、本体部610A及びアーム部610Bはそれぞれ独立して軸320回りに回動自在である。
駆動部材61(本体部610A)の回動位置は光センサPI1(図2、図3参照)で検知される。光センサPI1はホルダHD1(図3、図5参照)を介して地板30に支持されている。
筒状部610eは、羽根機構40の主アーム42の軸穴42aを挿通し、筒状部610aは駆動バネ63A及びウォームホイール64Aを挿通する。ウォームホイール64Aは筒状部610aに回転自在に支持される。
アーム部610BはZ方向に突出するピン基部610cを含む。ピン基部610cには、耐久性向上を目的として金属製で円筒形状のピンカバー611aが装着され、軸部として、羽根用の駆動ピン611が形成される。駆動ピン611は、羽根機構40の主アーム42の係合穴42bを挿通し、また、地板30に形成された長穴である案内溝326A(図6参照)内を移動する。本実施形態の場合、案内溝326Aは地板30を貫通した長穴であり、駆動ピン611の移動を案内するとともにその移動範囲を規制する。案内溝326Aの終端縁のうち、駆動ピン611の移動端となる一方の終端縁にはゴムなどの緩衝部材326aが設けられ、駆動ピン611が案内溝326Aの終端縁に移動したときの衝撃を緩衝する。
本体部610Aは筒状部610aに対して径方向に延出した係合部610bを含む。係合部610bはチャージ機構80によるチャージ動作時にチャージスライダ82から操作力の入力を受ける。この操作力により、本体部610Aは軸320を回動中心として時計回りに回動する。本体部610Aは、また、アマチャ支持部610dを含む。アマチャ支持部610dにはバネ613を介してアマチャ612がアマチャ軸614によって取り付けられる。アマチャ612は保持機構66Aの磁力によって保持機構66Aに解放可能に保持される。
駆動バネ63Aは、本実施形態の場合、ねじりコイルバネである。駆動バネ63Aは本体部610Aとウォームホイール64Aとの間に設けられており、かつ、駆動バネ63Aの一端が本体部610Aに、他端がウォームホイール64Aに、それぞれ係止されている。ウォーム65Aは、MG地板35に回転自在に支持されている。ウォーム65Aは、その軸方向をZ方向から傾斜してMG地板35に支持されており、ウォーム65Aの軸方向をZ方向とする構成よりもシャッタ2をZ方向に薄型化できる。
ウォーム65Aはウォームホイール64Aと噛み合っており、これによりウォームホイール64Aの回転方向の位置が固定される。チャージ動作により駆動部材61(本体部610A)は初期位置からチャージ位置へ軸320回りに回転するがウォームホイール64Aはウォーム65Aとの噛み合いによって不動である。このため、駆動バネ63Aに羽根を駆動する弾性エネルギが蓄積される。チャージされた駆動バネ63Aは羽根群51が開状態となる方向に付勢力を発揮する。羽根群41に対する付勢方向が駆動バネ63Aとバネ44とで逆方向となるが、駆動バネ63Aの付勢力の方がバネ44よりも十分に強い力である。
本体部610A及びアーム部610Bはそれぞれ独立して軸320回りに回動自在であるが、バネ44は、副アーム43を介してアーム部610Bを時計回りに付勢する。アーム部610Bは、本体部610Aのアマチャ支持部610dに当接する係合部610gを含む。バネ44の付勢により、係合部610gがアマチャ支持部610d側に押し付けられるため、チャージされた駆動バネ63Aの付勢力により本体部610Aが反時計回りに回動すると、アーム部610Bも本体部610Aと一体的に回動して羽根群41が開状態に走行することになる。本実施形態の場合、ピン基部610cの根元部分に係合部610gが形成されている。ピン基部610cには負荷がかかるため、その根元部分は厚みのある基部とすることが好ましいところ、係合部610gによりこの基部を兼用することで、ピン基部610cの剛性を向上しつつ、部品のコンパクト化を図れる。
ウォーム65Bをドライバ等で回転させると、軸321に対するウォームホイール64Bの回転方向の位相が変化する。つまり、チャージ時の駆動バネ63Bの弾性変形量が調整され、羽根群51の走行速度(幕速)を調整することができる。
保持機構66Aは、磁力により駆動部材61(本体部610A)をチャージ位置に保持する。図7の状態ST1は駆動部材61がチャージ位置で保持された状態を示している。保持機構66Aは、ヨーク66aとヨーク66aに巻きまわされたコイル66bとを含む電磁石であり、ヨーク6aはMG地板35に支持されている。コイル66bに対する通電と通電遮断により、アマチャ612の吸着と吸着解除が切り替えられる。これにより、チャージ位置での駆動部材61の保持と解放を切り替えることができ、解放によって図7の状態ST2に示すように駆動バネ63Aの付勢力で駆動部材61が反時計回りに回動し、羽根群41が開状態へ走行する。
<4.係止機構及びバウンド抑制機構>
係止機構70及び羽根群41のバウンド抑制機構について説明する。まず、係止機構70と羽根群41のバウンド抑制機構について主に図14及び図15を参照して説明する。図14は係止機構70の分解斜視図である。図15は係止レバー及び抑制レバーを二方向から見た斜視図である。
係止機構70は、本体部610Aをチャージ位置に維持しつつ羽根群41を開状態に維持可能な機構である。上記のとおり、本実施形態では本体部610A及びアーム部610Bはそれぞれ独立して軸320回りに回動可能である。チャージ動作により、駆動部材61をチャージ位置に移動する際、係止機構70でアーム部610Bを係止することで、本体部610Aがチャージ位置に移動する一方、アーム部610Bは初期位置に留めることができ、シャッタを切る直前まで開口31aを開放しておくことができる。係止機構70によるアーム部610Bの係止を解放すると、バネ44の付勢力でアーム部610Bもチャージ位置へ回動し、羽根群41は閉状態となる。
係止機構70は、ベース部材71、カバー部材72、アクチュエータ73、係止レバー74を含む。係止レバー74には抑制レバー75が係合している。ベース部材71はアクチュエータ73を支持する部材であり、カバー部材72はアクチュエータ73を覆う部材である。ベース部材71は地板30に取り付けられる。
アクチュエータ73は、本実施形態の場合、ロータリソレノイドタイプのアクチュエータであり、回転子730と、電磁石731とを含む。回転子730は円筒状の永久磁石730aと、永久磁石730aに取り付けられたアーム部材730bとを含み、アーム部材730bの端部には駆動ピン730cが一体に設けられている。電磁石731は、ヨーク731aとヨーク731aに巻きまわされたコイル731bとを含む。ヨーク731aはC字型の部分を含み、ここに回転子730が挿入される。コイル731bへの通電により、回転子730がZ方向の軸回りに回動する。コイル731bの通電方向の切り替えにより回転子730の回動方向を切り替えることができる。
係止レバー74は、地板30に設けられた軸323a(図6参照)が挿通する軸穴742を含み、軸323aに回動自在に支持される。係止レバー74の一方端部には、回転子730の駆動ピン730cと係合する係合部740が形成されている。本実施形態の場合、係合部740はC字型を有している。係止レバー74の他方端部には、係止部741が形成されている。係止部741は断面形状がL字型の部分であり、駆動部材61のアーム部610Bの係合部610fと係合してアーム部610Bを係止する。係止部741の裏側にはピン状の連結部743が形成されている。
抑制レバー75は、地板30に設けられた軸323b(図6参照)が挿通する軸穴751を含み、軸323bに回動自在に支持される。抑制レバー75の一方端部には、係止レバー74の連結部743と係合する連結部750が形成されている。本実施形態の場合、連結部750はC字型を有している。抑制レバー75の他方端部には、係止部752が形成されている。係止部752は駆動部材61のアーム部610Bの係合部610hと係合してアーム部610Bのバウンド、つまり、羽根群41のバウンドを抑制する。
係止機構70及び抑制レバー75の動作について図27を参照して説明する。同図はシャッタ2の動作説明図である。状態ST31は回転子730が係止位置にある場合を示し、状態ST32は回転子730が解除位置にある場合を示している。コイル731bへの通電は、回転子730が係止位置または解除位置に回動すれば終了する。
回転子730が係止位置にある場合、係止部741が駆動部材61のアーム部610Bの係合部610fと係合可能となる。状態ST31では本体部610Aはチャージ位置に位置しているが、アーム部610Bは係止レバー74によって初期位置に係止されている。このため、羽根群41は開状態にある。
回転子730が係止位置から解除位置へ回動すると、係止レバー74が軸323aを反時計回りに回動して係止部741と係合部610fとの係合が解除される。バネ44の付勢によりアーム部610Bはチャージ位置へ回動し、羽根群41は閉状態となる。
抑制レバー75は係止レバー74と逆方向に回動する。回転子730が解除位置にある場合、状態ST32に示すように、係止部752はアーム部610Bの係合部610hと係合可能となる。この係合は、羽根群41が閉状態から開状態へ向かう方向へのバウンドを抑制する。つまり、羽根群41がバネ44の付勢により開状態から閉状態へ変化したのち、閉状態側へバウンドすることが抑制される。回転子730が解除位置から係止位置へ回動すると、抑制レバー75が軸323bを反時計回りに回動して係止部752と係合部610hとの係合が解除される。これにより、駆動バネ63Aの付勢で羽根群41を閉状態から開状態へ走行させることが可能となる。
<5.チャージ機構>
チャージ機構80について説明する。まず、地板30によるモータ81の支持構造について主に図16〜図18を参照して説明する。図16〜図18はモータの支持構造の説明図であり、図16及び図17はモータ81と地板30の分解斜視図であり、図18は図2のII−II線断面図である。
地板30の機構支持部32はモータ81を支持するモータ支持部328を含む。モータ支持部328はモータ81の胴部81bを受け入れる凹部328aと、胴部81bを固定する取付部328bとを含む。取付部328bは凹部328aのY方向の一端部側においてZ方向に突出して形成されている。取付部328bは、モータ81の胴部81bの端部を固定する取付穴328d、モータ81の回転軸81aが挿通する穴328eを有している。また、取付部328bには、胴部81bの端面に形成された穴と係合して胴部81bの回転を規制するピン状の係合部328fが設けられている。
モータ81は凹部328a上に配置され、取付部328bに固定される。開口形成部31や機構支持部32の凹部328aの周囲における面30aを基準とすると(図18の線L1参照)、モータ81は地板30にZ方向に一部が埋設された態様で支持されている。埋設度合として、本実施形態の場合、開口31aとモータ81の配置方向(X方向)で見ると、胴部81bと開口31aは重なっている。図18でいうと開口31aの位置は線L1と線L2との間にあり、胴部81bと重なっていることが理解される。こうした配置によって、モータ81としてサイズが大きな高出力のモータを採用した場合であっても、Z方向のシャッタ2の厚さをより薄くでき、シャッタ2の小型化を図れる。また、モータ81の重量が重い場合、撮像装置10を誤って落下させた場合などに、モータ81がモータ支持部328から脱落する場合があるが、凹部328aが脱落防止壁となってモータ81の脱落を防止できる。
凹部328aの肉厚は一定とされ、凹部328a地板30の面30a側ではその周囲から凹む一方、反対側の面30b側では、開口形成部31や機構支持部32の凹部328aの周囲における面30bを基準とすると(図18の線L2参照)、その周囲から凸状に隆起している。地板30の厚さを部位によらず、概ね一定とすることでその重量増を抑制できる。例えば、カバー板36を凹部328aが突出するZ方向の範囲内に設けることによって無駄なスペースを少なくできる。
凹部328aはY方向に延設されており、そのX方向の断面形状は、円柱形状を有するモータ81の胴部81bに合わせた円弧形状を有している。凹部328aが、曲面殻形状を有していることで、軽量化とモータ支持部328の剛性向上を図ることができる。また、凹部328aが胴部81bの外形に沿った形状となることで無駄な空間となる隙間を削減し、モータ81の脱落防止壁としての機能も高めることができる。胴部81bの周面は凹部328aの底面に接していても僅かに離れていてもよいが、いずれの場合も、本実施形態では凹部328aの底壁を貫通するスリット328cを形成したことにより、モータ81の放熱性を向上することができる。
なお、図16に示すようにモータ81におけるY方向の他端部側には、モータ端子81dが設けられている。モータ端子81dは、モータ81の製造時に、モータ端子81dとモータ81との位相を調整しながら加締めるため、出力軸を中心に20度程のバラつきを持って回転して固定されることがある。それに対し、モータ81実装時にはモータ81の端子がZ軸の正方向側に向くようにすれば、作業性を向上することができる。そのため、本実施形態においては、モータ端子81dと当接し、端子がZ軸の正方向側に向くように、モータ端子部材81eを取り付けている。
すなわち、モータ端子部材81eは、その側面に形成された曲面に沿うように設けられた電極部81gがモータ端子81dと接触するようにモータ81の他端側に対して取り付けられ、端子81fがZ軸正方向を向くように設けられる。電極部81gは、モータ81の胴部81bの周方向に沿うように所定の長さを有しているため、上述したモータ端子81dのバラつきがあっても、確実に接触させることができるとともに、端子81fがZ軸正方向に向くように容易に固定することができる。
モータ端子部材81eは、その中央に形成された穴部が、モータ81の他端側に設けられた凸部に嵌合することで位置決めされる。加えて、モータ端子部材81eにおけるZ軸負方向側の端部には、平坦部が設けられており、モータ端子部材81eをモータ81に固定するための固定冶具に設けられた位置決めのための平坦面に対して当接させることで、モータ81に対するモータ端子部材81eの取り付け角度を適正な位置に合わせることができる。
なお、本実施形態では、地板30にモータ支持部328を一体的に設けたが、モータ支持部328が地板30と別の部材であってもよく、例えば、撮像装置10側にモータ支持部328及びモータ81が備えられる構造も採用可能である。
次に、開口31aとモータ81との間には、駆動機構60の機構やチャージ機構80のモータ81以外の機構等、羽根群41及び51の動作に関わる機構が配置されている。羽根群41及び51の動作に関わる機構と胴部81bとはX方向に密に配置され、シャッタ2のX方向の小型化を図っている。例えば、図18や図21の線L3は胴部81bのX方向の端点の位置を示しているが、線L3がチャージスライダ82と重なっていることが理解される。つまり、胴部81bはZ方向で見てチャージスライダ82と重なっている。なお、本実施形態では、チャージスライダ82の軸84側の部分がZ方向で見て胴部81bと重なっており、チャージスライダ82の軸83側の部分は線L3に略接する位置にあるが、軸83側の部分もZ方向で見て胴部81bと重なっていてもよい。
MG地板35は、胴部81bと羽根群41及び51の動作に関わる機構との隙間を覆うカバー部材としても機能する。図18において、線L3よりも胴部81b側にMG地板35の端部が突出しており、胴部81bとチャージスライダ82の上部との隙間を覆っている。これにより、隙間を介してごみが機構へ侵入することを抑制できる。線L4で示すようにカバー部材35は地板30からの高さ(Z方向の距離)で胴部81bよりも低い位置に配置される。線L3で示す胴部81bのX方向の端点からずれた位置で胴部81bの外周面へ突出することで、X方向の小型化を図れる。MG地板35の上の領域はフレキシブル基板38の配設領域として活用することができる。つまり、胴部81bのZ方向の幅内に各種の機構やフレキシブル基板38等を収めることができ、シャッタ2のZ方向の小型化を図れる。フレキシブル基板38は、シャッタ2が備えるセンサ用の配線やコイル通電用の配線を含むことができる。特に、フレキシブル基板38上に配置されるコンデンサなどの電気部品をフレキシブル基板38のZ軸正方向側に設け、フレキシブル基板38上に配置される電気部品を避けて後述するカバー部材37を設けることでZ方向の厚みを抑えてカバー部材37を設けることができる。
MG地板35の開口31a側にはL字型のカバー部材37が設けられている。カバー部材37はZ方向およびX方向での駆動機構60へのごみの侵入を抑制できる。
モータ81以外のチャージ機構80の構成について主に図4、図19〜図24を参照して説明する。図19はチャージスライダの案内機構の説明図、図20はチャージスライダ82の斜視図、図21、図22及び図24はチャージ機構80の構造説明図であり、図21は図3のIII−III線断面図である。図23はギアトレイン85の説明図である。
チャージ機構80は、モータ81を駆動源として、駆動機構60に対して駆動バネ63A、63Bのチャージ動作を行う機構である。チャージ機構80は、駆動機構60を操作するチャージスライダ82、チャージスライダ82の移動を案内するガイドシャフト83及び84、モータ81の駆動力をチャージスライダ82に伝達するギアトレイン85、及び、チャージスライダ82を初期位置へ付勢するコイルバネ86を含む。
ガイドシャフト83及び84はいずれもY方向に延設され、かつ、互いにZ方向に離間して配置されている。地板30はガイドシャフト83及び84の両端部を支持する一対の支持部329を含む。支持部329はZ方向に立設された柱状の部材であり、ガイドシャフト83及び84の各端部が嵌合する穴を備えている。チャージスライダ82は、ガイドシャフト83が挿通する一対の穴820aと、ガイドシャフト84が挿通する一対の切欠き820bとを含む。穴820aは円形に閉じた穴であり、切欠き820bはU字型の切欠きである。ガイドシャフト83が一対の穴820aを挿通することで、チャージスライダ82のY方向の直線移動が案内される。ガイドシャフト84が一対の切欠き820bを挿通することで、チャージスライダ82のガイドシャフト83回りの揺動が規制される(回り止め)。一対の切欠き820bも穴820aのように閉じた穴としてもよいが、切欠きとすることでチャージスライダ82の組付性や部品の小型化を図れる。
また、一対の穴820aと一対の切欠き820bをY方向に離間して配置したことで、連続的な穴または切欠きとする構成よりも、チャージスライダ82の小型化やスライド時の低摩擦化を図れる。更に、一対の穴820aとガイドシャフト83の組と、一対の切欠き820bとガイドシャフト84の組とがZ方向に離間していることで、これらがX方向に離間している構成よりもシャッタ2のX方向の小型化を図れる。
チャージスライダ82は、本体部820、係合部821及び822、操作部823及び824を含む。本体部820は例えば合成樹脂により一体的に形成され、上述した穴820a、切欠き820bを形成する部分を含む。本体部820は、図21に示すように、モータ81の胴部81bに隣接して配置され、かつ、胴部81bを避けるようにX方向に凹んだ凹部82aを有している。凹部82aは、穴820a、切欠き820bを形成する部分が胴部81b側へ傾斜していることにより形成されている。本実施形態の場合、本体部820のZ方向の中央部と胴部81bのZ方向の中央部が、地板30の面30aから見て略同じ高さにある。このため、本体部820のうち、Z方向の中央部はX方向で開口31a側へ寄せ、両端部(つまり穴820a、切欠き820bを形成する部分)はX方向でモータ81側に寄せることで、チャージスライダ82をモータ81に近接しつつ、干渉しないように配置している。図21に示すように、チャージスライダ82のモータ81側の側面形状は、胴部81bと同軸の仮想円C1に概ね沿った湾曲面形状(円弧面形状)とされている。このような配置によりシャッタ2のX方向の小型化を図ることができる。本実施形態では、ガイドシャフト83、84の位置が、線L3よりも開口31a側にあるが、その少なくともいずれか一方を、部分的に、線L3よりもモータ81側に位置させることも可能である。これにより、シャッタ2のX方向の小型化を更に図ることができる。
また、チャージスライダ82は、Z方向でモータ81の胴部81bの幅(直径)W1の範囲内に位置している。シャッタ2のZ方向の厚さを略モータ81の直径に収めることができ、シャッタ2の薄型化を図れる。
コイルバネ86は地板30と本体部820との間に設けられており、チャージスライダ82を初期位置へ付勢する。ガイドシャフト83はコイルバネ86を挿通しており、コイルバネ86の支持軸としても機能している。ガイドシャフト83によりチャージスライダ82の移動の案内とコイルバネ86の支持とを兼用することで部品点数を削減できる。
係合部821及び822はギアトレイン85からモータ81の駆動力が入力される部分であり、本実施形態の場合、Z方向の軸回りに回転自在に本体部820に支持された金属製のコロである。操作部823及び824は、駆動機構60を操作する部分であり、本実施形態の場合、Z方向の軸回りに回転自在に本体部820に支持された金属製のコロである。係合部821、822及び操作部823、824はモータ82の駆動力を伝達する部位であり、これらを金属製とすることで機構の耐久性を向上することができる。
図24において、線L5、L6で示すように、二か所の切欠き820bと、操作部823、824とは、Z方向で重なる位置に配置されている。駆動機構60から操作部823、824が受ける反力を、各切欠き820bを介してガイドシャフト84で負担し易くなり、チャージスライダ82のガイドシャフト83回りの揺動の抑制や、チャージスライダ82にかかる応力による変形を抑制できる。
ギアトレイン85は、ギア850〜853を含む。地板30は、これらを回転自在に支持するZ方向の軸327a〜327c及び322を含む(図6等参照)。ギア850は軸327a上にウォームホイール850aと平ギア850bとを備え、これらが一体に回転する。ウォームホイール850aはモータ81の出力軸81aに取り付けられたピニオンギア81cと噛み合う。ここで、駆動力伝達系の回転軸方向をX方向からZ方向へ変換することで、ギア850〜853の直径が大きくてもシャッタ2のZ方向の厚さを薄型化できる。
ギア851は軸327b上に平ギア851a及び851bを備え、これらが一体に回転する。平ギア851aは平ギア850bと噛み合い、平ギア851bはギア852と噛み合う。出力軸81aに対してZ方向で平ギア851aを一方側(図24で下側)に、平ギア851bを他方側(図24で上側)に配置することで、モータ81のZ方向の厚みの範囲内にこれらのギアを配置することができ、シャッタ2のZ方向の小型化(薄型化)を図れる。
ギア852は軸327c上に設けられた平ギアであり、ギア853と噛み合う。ギア853は軸322上に設けられた平ギアである。軸322には回転カム部材854が設けられており、ギア853と回転カム部材854が一体的に回転する。軸327c上には、また、被検知部材852aが設けられている。被検知部材852aはギア852と一体的に回転する。被検知部材852aの回転位置は光センサPI3(図2においてその配置のみ示している。同図でユニットの裏側に配置されている。)により検知される。被検知部材852aの回転位置を検知することで、回転カム部材854の回転位置を検知している。回転カム部材854の回転位置を直接検知するセンサを設けることも可能である。しかし、本実施形態では、機構のレイアウト上、回転カム部材854の周辺にセンサの配置スペースを確保することが困難である。そこで、回転カム部材854と同期的に回転する被検知部材852aを介して、回転カム部材854の回転位置を検知するようにしている。
回転カム部材854は、チャージスライダ82にモータ81の駆動力を入力する板カムである。回転カム部材854は、係合部821に当接する当接部854aと、係合部822に当接する当接部854bとを含む。係合部821及び822はY方向及びZ方向に離間して配置されており、当接部854a及び854bは回転カム部材854における軸322の周方向及びZ方向に離間して配置されている。本実施形態では、係合部821と当接部854aの当接と、係合部822と当接部854bとの当接とを時間差(回転カム部材854の位相差)を置いて生じさせる二段階の押圧により、チャージスライダ82をY方向に直動させる。これにより、コンパクトな構成で、チャージスライダ82の移動ストロークをより大きくとることができる。図25はチャージ機構80の動作説明図であり、回転カム部材854の回転によるチャージスライダ82の移動動作を示す動作説明図である。
モータ81の駆動力がギアトレイン85により伝達され、回転カム部材854を時計回りに回転させる。状態ST11は当接部854aが係合部821に当接し始めた段階を示す。状態ST11の段階では当接部854bは係合部822に当接していない。状態ST12は回転カム部材854の回転が進行した状態を示す。当接部854aが係合部821をY方向に押圧することでチャージスライダ82がY方向に移動する。また、当接部854bが係合部822に係合し始める。状態ST13は回転カム部材854の回転が更に進行した状態を示す。当接部854aと係合部821との当接は解消されるが、当接部854bが係合部822をY方向に押圧することでチャージスライダ82のY方向の移動が継続する。こうしてチャージスライダ82の移動ストロークを大きくとることができる。
図26はチャージ機構80の動作説明図であり、駆動機構60に対するチャージ機構80によるチャージ動作の例を示している。状態ST21は当接部854aが係合部821に当接し始めた段階を示す。状態ST11の段階では当接部854bは係合部822に当接していない。駆動機構60の駆動部材61、62はいずれも初期位置に位置している。
状態ST22は回転カム部材854の回転が進行した状態を示す。当接部854aが係合部821をY方向に押圧することでチャージスライダ82がY方向に移動する。また、当接部854bが係合部822に係合し始める。チャージスライダ82の移動により、操作部823、824が駆動機構60を操作する。具体的には、操作部823が駆動部材61の係合部610bに当接してY方向に押圧する。これにより、駆動部材61は時計回りに回動する。また、操作部824が駆動部材62の係合部620bに当接してY方向に押圧する。これにより、駆動部材62は時計回りに回動する。なお、図26の例では係止機構70によるアーム部610Bの係止は行っておらず、駆動部材61の本体部610Aとアーム部610Bとは一体的に回動している。
状態ST23は回転カム部材854の回転が更に進行した状態を示す。当接部854aと係合部821との当接は解消されるが、当接部854bが係合部822をY方向に押圧することでチャージスライダ82のY方向の移動が継続する。これにより、操作部823、824が駆動部材61、62を回動させ、駆動部材61、62がチャージ位置に到達する。保持機構66A、66Bの駆動により、駆動部材61、62がチャージ位置に保持される。回転カム部材854の回転が更に進行していくと、やがて当接部854bと係合部822との当接も解消され、チャージスライダ82はコイルバネ86の付勢により初期位置に戻ることなる。本実施形態では、チャージスライダ82の往復移動範囲が、モータ81の軸方向の全長YM以内である。これによりシャッタ2のY方向の小型化を図れる。
ここで、図24を参照して、当接部854a、854bと、操作部823、824との位置関係について説明する。線L7で示すように、操作部823及び824はY方向において当接部854bと重なる位置に配置されている。当接部854bからチャージスライダ82へ入力される力の方向線(線L7)上に、駆動機構60から反力を受ける操作部823及び824が位置しているため、本体部810に生じるX方向の軸回りのモーメントをより小さくでき、本体部810の耐久性を向上でき、あるいは、本体部810に要求される強度を低下させることができる。操作部823及び824はY方向において当接部854aと重なる位置に配置されてもよいが、駆動バネ63A及び63Bの巻き上げにより、回転カム部材854やチャージスライダ82の負担はチャージ動作後半において大きくなる。よって、チャージ動作後半に駆動力を伝達する当接部854bと、操作部823及び824がY方向に重なる配置の方が有利である。また、この構成によれば、係合部821と係合部822とをY方向及びZ方向に離間して配置することによって係合部821のZ軸負方向に形成されたスペースに操作部824を設けることができ、操作部824の上部に設けられる切欠き820bを、チャージスライダ82におけるY方向に対して一端側に寄せることができ、駆動機構60の押圧時に掛かるチャージスライダ82に対するこじりを低減することができる。
<6.全体の動作例>
シャッタ2の全体の動作例について図27〜図29を参照して説明する。図27〜図29はシャッタ2の動作説明図であり、主に撮像装置10の単写動作の例を示している。
図27の状態ST31はシャッタ2が待機状態にある段階を示している。シャッタ2は待機状態としてノーマリオープンとノーマリクローズを選択的に選ぶことが可能であるが、ここではノーマリオープンを選択した場合を例示している。羽根群41、51がいずれも開状態にあり、開口31aは開放している。係止機構70の回転子730は係止位置に位置しており、アーム部610Bは係止レバー74によって初期位置に係止されている。駆動部材61、62はチャージ位置に保持されている。
シャッタ操作を検知すると、係止機構70を駆動して回転子730が解除位置に回動する。これによりアーム部610Bと係止レバー74との係合が解除され、バネ44の付勢により状態ST32に示すように羽根群41が一旦閉状態に走行する。抑制レバー75がアーム部610Bと係合して羽根群41のバウンドが抑制される。
続いて図28の状態ST33に示すように、係止機構70を駆動して回転子730を係止位置に戻す。また、モータ81の駆動により回転カム部材854が回転して当接部854bと係合部822との当接が解消され、チャージスライダ82はコイルバネ86の付勢により初期位置に戻る。なお、抑制レバー75は、アーム部610Bの回動によって付勢されても係合が外れないように傾斜面を有し、それにより抑制レバー75の回動軌跡内にアーム部610Bの先端が侵入した状態になっている。そのため、図28の状態ST33にも示すように、回転子730を回転して係止位置に戻す際に抑制レバー75によってアーム部610Bを保持機構66A側に押圧しており、それに伴って羽根群41がオーバーチャージ位置まで一旦移動している。
続いて状態ST34に示すように、保持機構66Aによる駆動部材61の保持が解除され、駆動バネ63Aの付勢により駆動部材61が反時計回りに回動し、羽根群41が開状態へ走行する。開口31aが開放され、撮像素子3が露光する。係止レバー74は、係止位置において、アーム部610Bの走行軌跡内にその先端が侵入するようになっているため、駆動部材61が反時計回りに回動する過程で、アーム部610Bの係合部610fが係止レバー74の係合部741を押し上げるようにして係合部741の左側へ通過し、係合部610fと係合部741とが再び係合し、羽根群41のバウンドが抑制される。係止レバー74は、係合部741が形成される部位の開口31a側の面が曲面となっており、係合部610fによる押上げを円滑なものとする。
設定されているシャッタスピードに応じたタイミングで、保持機構66Bによる駆動部材62の保持が解除され、駆動バネ63Bの付勢により駆動部材62が反時計回りに回動し、図29の状態ST35に示すように羽根群51が閉状態へ走行する。これにより開口31aが閉鎖され、撮像素子3の露光が終了する。
続いてチャージ動作が実行される。モータ81の駆動により回転カム部材854が回転してチャージスライダ82が移動し、駆動バネ63A及び63Bがそれぞれチャージされる。このとき、アーム部610Bと係止レバー74との係合により、羽根群41は開状態が維持され、状態ST36の状態に至る。これは図27の状態ST31と同じ状態である。以上により、一回のシャッタ動作が完了する。
<7.案内溝と緩衝部材の構成例>
上述した案内溝326Bと緩衝部材326bの構成例について説明する。図30は緩衝部材326a、326bが装着された地板30をZ方向に見た平面図である。図31(A)及び(B)は緩衝部材326bの斜視図である。図32(A)は案内溝326Bの深さ方向の断面図であって、図30のV−V線断面図であり、図32(B)はその破線円部分の拡大図である。図33(A)は案内溝326Bの深さ方向の断面図であって、図30のVI−VI線断面図であり、図33(B)はその破線円部分の拡大図である。なお、ここでは案内溝326Bと緩衝部材326bの構成例について説明するが案内溝326Aと緩衝部材326aも同様の構成とすることができる。
案内溝326Bは、全体として”ノ”字型の輪郭を有している。緩衝部材326bは、本実施形態の場合、案内溝326Bの縁の一部、特に、2か所の終端部ED(両端部)のうちの、一方の終端部ED付近に設けられている。しかし、案内溝326Bの縁の全周に渡って設けられてもよい。緩衝部材326bは、案内溝326Bを画定する地板30の端縁を被覆するようにして設けられている。緩衝部材326bは、本実施形態の場合、地板30と分離可能に設けられている。しかし、地板30に固着されていてもよい。
緩衝部材326bは、全体としてU字型を有しており、案内溝326Bの終端縁EDに沿う終端縁部分11と、終端縁EDに隣接した案内溝32Bの側縁SDに沿う側縁部分12と、を有する。終端縁部分11は、2つの側縁部分12の間に位置している。緩衝部材326bの内周面ISに駆動ピン621が衝突してその移動を規制するとともに衝撃を緩衝する。
終端縁部分11は、終端縁ED付近における駆動ピン621の移動線上(図30におけるVI−VI線)を中心として、案内溝326Bの周囲方向に幅を有する部分であり、例えば、駆動ピン621がその移動端において接触する部分である。側縁部分12は、例えば、駆動ピン621がその移動端においても接触しない部分である。終端縁部分11の外周面には、地板30の面方向に凹んだ凹部11aが形成され、また、側縁部分12の外周面には、地板30の面方向に凹んだ凹部12aが形成されている。地板30の案内溝326Bの周囲における形状は、板状である。凹部11aは終端縁EDにおいて地板30の端縁と嵌合し、凹部12aは側縁SDにおいて地板30の端縁と嵌合する。
図32を参照して、側縁SDと緩衝部材326bとの嵌合態様について説明する。地板30は、側縁SDの端面16において、その面方向に(案内溝326Bの内側へ向かって)突出する凸部14を有する。凸部14は、側縁SDの端面16において、Z方向の中央部に位置している。本実施形態の場合、凸部14の断面形状は、直線である輪郭線14a〜14cで形成される矩形状である。輪郭線14a〜14cは、それぞれ、凸部14の上面、先端面、下面を示す線である。凹部12aは、凸部14の形状に対応した矩形状を有している。端面16の面方向はZ方向と平行であり、側縁SDと緩衝部材326bとの接触面の断面形状は、輪郭線14a〜14cにおける矩形の接触線と、端面16における直線の接触線とによりT字型とされている。
凸部14が案内溝326Bの内側へ向かって突出し、しかも、その断面形状が突出方向に長い矩形状であることで、緩衝部材326bのZ方向の保持力が高い。凸部14によって緩衝部材326bはZ方向に拘束され、脱落を抑制する。但し、輪郭線14aと輪郭線14bとの交点に直角の角部があり、また、輪郭線14cと輪郭線14bとの交点に直角の角部がある。こうした角部において、緩衝部材326bの凹部12aには応力が集中し易い傾向にある。
図33を参照して、終端縁EDと緩衝部材326bとの嵌合態様について説明する。地板30は、終端縁EDの端面15において、その面方向に(案内溝326Bの内側へ向かって)突出する凸部13を有する。凸部13は、終端縁EDの端面15において、Z方向に略全域に位置している。本実施形態の場合、凸部13の断面形状は、端面15に対して斜めの直線である輪郭線13b、13cとのその先端を結ぶ曲線13aで形成される角丸三角形状、又は、山型である。輪郭線13a〜13cは、それぞれ、凸部13の先端面、上面、下面を示す線である。凹部11aは、凸部13の形状に対応した谷型を有している。端面15の面方向はZ方向と平行であり、終端縁EDと緩衝部材326bとの接触面の断面形状は、輪郭線13b、13cにおける直線の接触線と輪郭線13aにおける曲線の接触線とによる角丸三角形状、又は、山型の部分の両側に、端面15における直線の接触線を接続した形状とされている。
凸部13が案内溝326Bの内側へ向かって突出しているものの、その断面形状が角丸三角形状、又は、山型であるため、凸部14と比較すると緩衝部材326bのZ方向の保持力は低い。しかし、凸部14のように直角の角部はなく、丸みを帯びた形状であり、応力が局所的に集中し易い部位がない形状とされている。
本実施形態では、このように終端縁ED及び終端縁部分11と側縁SD及び側縁部分12とで、嵌合部分の断面形状(換言すると接触面の断面形状)を異ならせることで、緩衝部材326bに亀裂が発生することを防止しつつ、緩衝部材326bの脱落を防止することができる。
すなわち、駆動ピン621が繰り返し移動されて終端縁部分11に繰り返し接触すると、終端部分11は凸部13の突出方向と逆方向の衝撃を駆動ピン621から受けることになる。そこで、凸部13は応力集中が低くなる形状とすることで、緩衝部材326bに亀裂が発生することを防止する。
一方、側縁部分12には駆動ピン621が接触しないか、或いは、接触したとしても凸部14の突出方向と交差する方向の衝撃を駆動ピン621から受けることになり、角部における応力集中で緩衝部材326bに亀裂を発生させる可能性は低い。そこで、凸部14は緩衝部材326bの保持力が高くなる形状とすることで、緩衝部材326bの脱落を防止する。
このように本実施形態では、終端縁ED及び終端縁部分11と、側縁SD及び側縁部分12とで、相対的に、前者は応力集中が低い断面形状として亀裂発生の防止に適した嵌合態様とし、後者は保持力が高い断面形状として脱落防止に適した嵌合態様とした。これにより、亀裂発生防止と脱落防止の双方を両立することができる。
また、本実施形態では、図32及び図33に示すように、緩衝部材326bの上面が地板30の面30aよりも低い位置にあり、緩衝部材326bが面30aから突出しない構造である。これは、緩衝部材326bの存在により、羽根室のZ方向の幅が狭められない構造であり、羽根室の容量をより大きくとることができる。
なお、終端縁ED及び終端縁部分11における断面形状や、側縁SD及び側縁部分12における断面形状は上記の形状に限られない。応力集中が低い形状としては、例えば、凸部に角部があっても、角部に丸み(角R)を付した形状や、挟角が鈍角である形状や、実質的に角部がない形状(円形、楕円形等)等を挙げることができる。保持力が高い形状、特にZ方向での保持力が高い形状としては、例えば、凸部の、案内溝326Bの内側へ向かう長さが長い形状、角部の挟角が直角以下である形状(先端が幅広で根元が幅狭の楔形等)、凸部にギザギザ等のパターンが付されている形状等を挙げることができる。以下、終端縁ED及び終端縁部分11における他の断面形状例について説明する。
図34は終端縁ED及び終端縁部分11における他の断面形状例を示しており、図33と同様の切断線(VI−VI線)で切断した断面形状を想定している。同図の例では、凸部13の断面形状は、端面15と平行な輪郭線13aと、輪郭線13aの両端から端面15へ延びる曲線13b、13cで形成されるカップ形状である。輪郭線13a〜13cは、それぞれ、凸部13の先端面、上面、下面を示す線である。輪郭線13aも曲線であってもよい。曲線13b、13cの曲率半径は例えば0.6mmであり、或いは、0.4〜0.8mmの範囲内の曲率半径としてもよい。凹部11aは、凸部13の形状に対応した谷形を有している。
終端縁EDと緩衝部材326bとの接触面の断面形状は、輪郭線13a〜13cにおけるカップ形状の部分の両側に、端面15における直線の接触線を接続した形状とされている。
凸部13が案内溝326Bの内側へ向かって突出しているものの、その断面形状がカップ形状であり、丸みを帯びているため、図32に例示した凸部14と比較すると緩衝部材326bのZ方向の保持力は低い。しかし、凸部14のように直角の角部はなく、輪郭線13aと、輪郭線13b又は13cとの交点の挟角は鈍角であって、全体として丸みを帯びた形状であり、応力が局所的に集中し易い部位がない形状とされている。
なお、図34の例においても、緩衝部材326bが面30aから突出しない構造であり、羽根室の容量をより大きくとることができる。
図35は終端縁ED及び終端縁部分11における他の断面形状例を示しており、やはり、図33と同様の切断線(VI−VI線)で切断した断面形状を想定している。同図の例では、凸部13に相当する部分がなく端面15が全体的に平坦である。緩衝部材326b側にも凹部11aに相当する部分はなく、端面15と当接する平坦な端面11a’が形成されている。終端縁EDと緩衝部材326bとの接触面の断面形状は、端面15と端面11a’との接触面の断面形状であり、直線である。
凸部13が存在しないので、緩衝部材326bのZ方向の保持力は実質的に無く、緩衝部材326bの脱落防止は、専ら図32に例示した凸部14のような側縁SD及び側縁部分12側の構造に依存する。しかし、終端縁EDと緩衝部材326bとが平坦面同士で接触しているので応力が局所的に集中しない。
なお、図35の例においても、緩衝部材326bが面30aから突出しない構造であり、羽根室の容量をより大きくとることができる。
<他の適用例>
図30〜図35で例示した案内溝326B(長穴)と緩衝部材326bの構成はシャッタ以外の各種の可動機構にも適用可能である。その場合、長穴が形成された部材と、軸部が形成された部材のうち、長穴が形成された部材が固定され、軸部が形成された部材が可動の構成であってもよいし、長穴が形成された部材が可動であり、軸部が形成された部材が固定される構成であってもよい。
2 シャッタ、10 撮像装置、30 地板、31a 開口、41 羽根群、51 羽根群、326B 案内溝、326b 緩衝部材

Claims (10)

  1. 長穴が形成された第一の部材と、
    前記長穴に挿入された軸部が設けられた第二の部材と、を備え、
    前記長穴と前記軸部とによって、前記第一の部材と前記第二の部材との相対移動の範囲を規制する可動機構であって、
    前記長穴の縁に設けられた緩衝部材を備え、
    前記緩衝部材は、
    前記長穴の終端縁に沿う第一の部分と、
    前記長穴の前記終端縁に隣接した側縁に沿う第二の部分と、を含み、
    前記終端縁と前記第一の部分との接触面の前記長穴の深さ方向の第一の断面形状と、前記側縁と前記第二の部分との接触面の前記深さ方向の第二の断面形状とが、異なる断面形状であり、
    前記第一の断面形状は、前記第二の断面形状よりも応力集中が低い形状である、
    ことを特徴とする可動機構。
  2. 請求項1に記載の可動機構であって、
    前記第二の断面形状は、前記第一の断面形状よりも前記深さ方向の前記緩衝部材の保持力が高い形状である、
    ことを特徴とする可動機構。
  3. 請求項1に記載の可動機構であって、
    前記第一の断面形状は、曲線を含む形状であり、
    前記第二の断面形状は、直線で構成される形状である、
    ことを特徴とする可動機構。
  4. 請求項1に記載の可動機構であって、
    前記第一の断面形状は、直線と曲線で構成される形状であり、
    前記第二の断面形状は、直線で構成される形状である、
    ことを特徴とする可動機構。
  5. 請求項1に記載の可動機構であって、
    前記第一の断面形状は、カップ形状であり、
    前記第二の断面形状は、矩形を含む形状である、
    ことを特徴とする可動機構。
  6. 請求項1に記載の可動機構であって、
    前記第一の断面形状は、直線であり、
    前記第二の断面形状は、矩形を含む形状である、
    ことを特徴とする可動機構。
  7. 開口を開閉する少なくとも一つの羽根と、
    前記羽根を動作させる駆動部材と、
    前記開口を形成し、かつ、前記羽根及び前記駆動部材を支持する地板と、
    を備えたシャッタであって、
    前記地板には、前記駆動部材の移動範囲を規制する長穴が形成され、
    前記駆動部材は、該駆動部材の移動に伴って前記長穴内を移動する軸部を備え、
    前記長穴の縁には、緩衝部材が設けられ、
    前記緩衝部材は、
    前記長穴の終端縁に沿う第一の部分と、
    前記長穴の前記終端縁に隣接した側縁に沿う第二の部分と、を含み、
    前記第一の部分は、前記終端縁の第一の凸部と嵌合する第一の凹部を含み、
    前記第二の部分は、前記側縁の第二の凸部と嵌合する第二の凹部を含み、
    前記長穴の深さ方向における前記第一の凸部の断面形状は、前記深さ方向における前記第二の凸部の断面形状よりも、丸みを帯びた形状である、
    ことを特徴とするシャッタ。
  8. 請求項7に記載のシャッタであって、
    前記第一の凸部の前記断面形状は、カップ形状であり、
    前記第二の凸部の前記断面形状は、矩形である、
    ことを特徴とするシャッタ。
  9. 請求項7に記載のシャッタであって、
    前記緩衝部材は、前記羽根及び前記駆動部材が支持されている前記地板の面から突出しないように設けられている、
    ことを特徴とするシャッタ。
  10. 長穴が形成された第一の部材と、
    前記長穴に挿入された軸部が設けられた第二の部材と、を備え、
    前記長穴と前記軸部とによって、前記第一の部材と前記第二の部材との相対移動の範囲を規制する可動機構であって、
    前記長穴の縁に設けられた緩衝部材を備え、
    前記緩衝部材は、
    前記長穴の終端縁に沿う第一の部分を含み、
    前記終端縁と前記第一の部分との接触面の前記長穴の深さ方向の第一の断面形状は、曲線を含む形状であることを特徴とする可動機構。
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