JP2019074168A - 密封装置、及び密封構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】ハブベアリングに対して容易に取り付けることが可能であり、かつ、ハブベアリングの密封性の向上を図ることができる密封装置を提供する。【解決手段】軸線xについて互いに相対回転可能な環状の外輪21と、外輪21に包囲された環状のハブ22とを備える軸受装置の外輪21とハブ22との間を密封する密封装置1であって、軸線xを中心とする環状の補強環11と、補強環11に取り付けられた、軸線xを中心とする環状の弾性部材15と、を備え、補強環11は、軸線xに垂直な方向に延びる中空円盤状の円盤部11aと、円盤部11aの外周側の端部から内側へ向かうに連れて縮径して延びる、外輪21の外周面27と接触する外周側テーパ部11bとを有する。【選択図】図1

Description

本発明は、密封装置、及び当該密封装置を用いた密封構造に関し、特に、車両等のハブベアリングに用いられる密封装置、及び当該密封装置を用いた密封構造に関する。
車両、例えば自動車において、車輪を回転自在に支持するハブベアリングは、雨水、泥水及びダスト等の異物に直接曝される環境にある。このため、従来から、ハブベアリングには、このハブベアリングの内部を密封するために、密封装置が取り付けられている。この密封装置は、ハブベアリングの内部の潤滑剤の密封を図ると共に内部に異物が侵入することの防止を図っている(例えば、特許文献1参照)。
図8は、従来の密封装置がハブベアリングに取り付けられた密封構造の軸線に沿った断面における部分断面図である。図8に示すように、従来の密封構造300は、密封装置100とハブベアリング200とを備える。密封装置100は、ハブベアリング200において、互いに同軸で相対回動する外輪201とハブ輪202との間の環状の空間203を密封するために、外輪201の外周面204とハブ輪202とに嵌着されている。
密封装置100は、金属製の補強環111と、補強環111に一体に取り付けられたゴム材からなる弾性部材112とを備えている。補強環111は、ハブベアリング200の外輪201の外周面204に嵌着される円筒部113を有している。
米国特許第9272573号明細書
従来の密封装置100においては、外輪201の外周面204に、補強環111の円筒部113を、プレス機等の治具を用いて締まり嵌めにより取り付けている。この場合、円筒部113を外輪201の外周面204の全周に亘って均一に接触させて密封性を確保するために、環状に形成された密封装置100の軸線xと環状に形成されたハブベアリング200の軸線xとを正確に位置合わせした状態で、円筒部113を外周側へ一時的に変形させつつ外輪201に圧入する必要がある。このようにハブベアリング200に対して密封装置100を取り付けるには、非常に手間が掛かる。
仮に、密封装置100の軸線xとハブベアリング200の軸線xとが位置ずれした傾斜状態で、円筒部113を外輪201に圧入した場合、円筒部113に無理な力が作用して円筒部113が不適切に変形されてしまい、円筒部113と外輪201の外周面204との間に適切な密着状態を確保することができない。この結果、円筒部113と外輪201の外周面204との間に隙間が生じ、若しくは隙間が生じ易くなり、ハブベアリング200に対する密封装置100の密封性が低下してしまう。
また、円筒部113と外輪201の外周面204との間に適切な密着状態を確保することができないと、外輪201に対する円筒部113の強い締め付け力を確保することができず、密封装置100がハブベアリング200から離脱し易くなる。
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、ハブベアリングに対して容易に取り付けることが可能であり、かつ、ハブベアリングの密封性の向上を図ることができる密封装置、及び当該密封装置を用いた密封構造を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明に係る密封装置は、軸線について互いに相対回転可能な環状の外周側部材と、該外周側部材に包囲された環状の内周側部材とを備える軸受装置の前記外周側部材と前記内周側部材との間を密封する密封装置であって、前記軸線を中心とする環状の補強環と、前記補強環に取り付けられた、前記軸線を中心とする環状の弾性部材と、を備え、前記補強環は、前記軸線に垂直な方向に延びる中空円盤状の円盤部と、該円盤部の外周側の端部から内側へ向かうに連れて縮径して延びる、前記外周側部材の外周面と接触する外周側テーパ部とを有する、ことを特徴とする。
本発明の一態様に係る密封装置において、前記外周側テーパ部は、該外周側テーパ部の先端において、前記外周面の外径よりも小さな内径を有する。
本発明の一態様に係る密封装置において、前記補強環は、前記外周側テーパ部に加えて、前記円盤部の内周側の端部から内側へ向かうに連れて拡径して延びる、前記外周側部材の内周面と接触する内周側テーパ部を有する。
本発明の一態様に係る密封装置において、前記内周側テーパ部は、該内周側テーパ部の先端において、前記内周面の内径よりも大きな外径を有する。
上記目的を達成するために、本発明に係る密封構造は、請求項1から4までのいずれか1項記載の密封装置と、軸線について互いに相対回転可能な環状の外周側部材と該外周側部材に包囲された環状の内周側部材とを有する軸受装置と、を備える。
本発明の一態様に係る密封構造において、前記外周側部材は、前記外周側テーパ部に倣って前記外周面の外側の端部から内側へ向かうに連れて縮径する、前記軸線を中心とする環状の溝を有している。
本発明によれば、ハブベアリングに対して容易に取り付けることが可能であり、かつ、ハブベアリングの密封性の向上を図る密封装置、及び当該密封装置を用いた密封構造を提供することができる。
本発明の実施の形態に係る密封装置の概略構成を示す図であり、図1(A)は、密封装置の軸線に沿った断面における断面図であり、図1(B)は、図1(A)に示す密封装置の部分拡大断面図である。 本発明の実施の形態に係る密封装置が取り付けられたハブベアリングの軸線に沿った断面における断面図である。 本発明の実施の形態に係る密封構造の軸線に沿った断面における部分断面図である。 本発明の実施の形態に係る密封構造であって、ハブベアリングに対する密封装置の取り付け状態を示す密封構造の軸線に沿った断面における部分断面図である。 本発明の別の実施の形態に係る密封構造におけるハブベアリングの外輪の軸線に沿った断面における部分断面図である。 本発明の別の実施の形態に係る密封構造の軸線に沿った断面における部分断面図である。 本発明の更に別の実施の形態に係る密封構造の軸線に沿った断面における部分断面図である。 従来の密封装置がハブベアリングに取り付けられた密封構造の軸線に沿った断面における部分断面図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照し説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る密封装置1の概略構成を示す図であり、図1(A)は、密封装置1の軸線xに沿った断面における断面図であり、図1(B)は、図1(A)に示す密封装置1の部分拡大断面図である。図2は、本発明の実施の形態に係る密封装置1が取り付けられたハブベアリング2の軸線xに沿った断面における断面図である。本発明の実施の形態に係る密封装置1は、例えば自動車において車輪を回転自在に支持するハブベアリング2に適用されるものとする。
図2に示すように、本発明の実施の形態に係る密封装置1は、軸線xについて互いに相対回転可能な環状の外周側部材としての外輪21と、外輪21に包囲された環状の内周側部材としてのハブ22とを備える軸受装置としてのハブベアリング2の外輪21とハブ22との間を密封する。ハブベアリング2は、外輪21とハブ22との間に配設された複数の転動体23を備える。ハブ22は、内輪24とハブ輪25とを有しており、ハブ輪25のフランジ部26に、複数本の図示しないハブボルトによって図示しない車輪が取り付けられる。密封装置1は、転動体23等が設けられている領域内からの潤滑剤の漏洩の防止を図ると共に、この領域に雨水や泥水やダスト等の異物が外部から侵入することの防止を図っている。
ここで、説明の便宜上、外側とは、図1(A)及び図2に示すように、軸線x方向において矢印a方向とし、内側とは、軸線xにおいて矢印b方向とする。つまり、外側とは、ハブベアリング2の外部側に面する方向の側であり、異物が存在する大気側に面する方向の側である。内側とは、ハブベアリング2の内部に面する方向の側であり、外輪21とハブ輪25との間の空間28に面する方向の側である。また、軸線xに垂直な方向(以下、「径方向」ともいう。)において、軸線xから離れる方向(図1(A)及び図2の矢印c方向)を外周側とし、軸線xに近付く方向(図1(A)及び図2の矢印d方向)を内周側とする。
図1(A)及び(B)に示すように、密封装置1は、軸線xを中心とする環状の補強環11と、補強環11に取り付けられた、軸線xを中心とする環状の弾性部材15と、を備える。
補強環11は、軸線xに垂直な方向に延びる中空円盤状の円盤部11aと、円盤部11aの外周側の端部から内側へ向かうに連れて縮径して延びる、外輪21の外周面27と接触する外周側テーパ部11bとを有する。外周側テーパ部11bは、円盤部11aの外周側の端部から内側且つ内周側へ僅かに傾斜した状態で直線的に延びている。補強環11は、外周側テーパ部11bにおいて、外輪21の外周面27に嵌着されており、これにより密封装置1が外輪21に保持されている。
補強環11は、外周側テーパ部11bの内側端部から外周側へ折り曲げられた曲線部分である当接部11cを有する。当接部11cは、内側に面する曲面からなる当接面11crを有する。
補強環11は、円盤部11aの内周側の端部から内側且つ内周側へ延びる外周側錐環部11eと、外周側錐環部11eの内周側の端部から内側且つ内周側へ延びる内周側錐環部11fと、内周側錐環部11fの内周側の端部から内周側へ径方向に延びて補強環11の内周側の端部に至る終端円盤部11gとを有する。なお、補強環11の外周側テーパ部11b以外の部分の形状は、上述の円盤部11a、当接部11c、外周側錐環部11e、内周側錐環部11f、および、終端円盤部11gの形状に限るものではなく、他の形状であってもよい。
弾性部材15は、図1(A)及び(B)に示すように、補強環11に取り付けられる、外周側から内周側へ向かって延びる基体部15aと、基体部15aのほぼ中央部分から外側且つ外周側へ向かって斜めに延びる外周側サイドリップ15bと、外周側サイドリップ15bよりも内周側において基体部15aから外側且つ外周側へ向かって斜めに延びる内周側サイドリップ15cと、内周側サイドリップ15cよりも更に内周側において基体部15aから内側且つ内周側へ向かって斜めに延びるラジアルリップ15dとを有する。なお、内周側サイドリップ15cとラジアルリップ15dは、互いに逆方向へ向かって延びている。
外周側サイドリップ15b、内周側サイドリップ15c、および、ラジアルリップ15dは、いずれも軸線xを中心とする環状に形成されており、後述する密封装置1の使用状態において、各々の先端がハブ輪25のフランジ部26の内側面26aに摺接する。このような状態において、外周側サイドリップ15b及び内周側サイドリップ15cは、主に、異物がハブベアリング2の空間28内へ侵入することを抑制しており、ラジアルリップ15dは、主に、ハブベアリング2の空間28内に存在する潤滑剤の漏洩を抑制している。なお、弾性部材15には、外側に向かって延びるサイドリップが1つのみ形成されていてもよいし、外周側サイドリップ15b、内周側サイドリップ15c、および、ラジアルリップ15dは、ハブ輪25に接触していなくてもよい。
弾性部材15は成形型を用いて架橋(加硫)成型によって成形され、補強環11は、例えばプレス加工や鍛造によって製造される。架橋成型の際に、補強環11は成形型の中に配置されており、弾性部材15が架橋接着により補強環11に接着され、弾性部材15が補強環11と一体的に成形される。
弾性部材15の弾性体としては、例えば、各種ゴム材がある。ゴム材は、例えば、ニトリルゴム(NBR)、水素添加ニトリルゴム(H−NBR)、アクリルゴム(ACM)、フッ素ゴム(FKM)等の合成ゴムである。補強環11の金属材としては、例えば、ステンレス鋼やSPCC(冷間圧延鋼)がある。
次いで、図3、図4を参照して本発明の実施の形態に係る密封構造10について説明する。本発明の実施の形態に係る密封構造10は、密封装置1と、軸受装置としてのハブベアリング2とを備える。ハブベアリング2は、軸線xについて互いに相対回転可能な環状の外輪21と、当該外輪21に包囲された環状のハブ22(ハブ輪25)とを有する。密封構造10は、外輪21の外側に面する面である外側面21bに形成された断面矩形状の凹部空間からなる環状の収容溝21cに収容された環状のOリング29を有する。Oリング29は、密封装置1をハブベアリング2に取り付けた状態において、補強環11の円盤部11aと接触して、補強環11と外輪21との密封状態を確保する。
密封構造10におけるハブベアリング2の外輪21には、具体的には、図3、図4に示すように、外側面21bにおいて、外側且つ外周側の角隅を面取りした環状の傾斜面である接触面21aが形成されている。
密封装置1の補強環11における外周側テーパ部11bは、外周側テーパ部11bの内側の端部分である先端部分11bhにおいて、外輪21の外周面27の外径R2よりも小さな内径R1を有する。具体的には、外周側テーパ部11bは、先端部分11bhにおいて、外輪21の外周面27に対して所定の締め代D(D=R2−R1)を有する。これにより、外周側テーパ部11bは、先端部分11bhにおいて、外輪21の外周面27に対して所定の弾性力Fhを加えて接触することが可能となる。
密封装置1をハブベアリング2に取り付ける場合、まず、当接部11cの当接面11crを外輪21の接触面21aに外側(矢印a方向)から当接させる。このように当接面11crと接触面21aとを当接させた状態で、治具等を用いて密封装置1を内側(矢印b方向)へ押し込み、外周側テーパ部11bを外周側へ締め代Dの分だけ弾性変形させつつ外輪21の外周面27に圧入する。
このとき、密封構造10によれば、外周側テーパ部11bの弾性力を利用して密封装置1をハブベアリング2の外輪21に取り付けるため、補強環11の外周側テーパ部11bが外輪21に所定の弾性力(復元力)で押し付けられ、ひいては密封装置1をハブベアリング2に強固に固定することができる。
仮に、密封装置1の軸線xとハブベアリング2の軸線xとが互いに傾斜した状態で外周側テーパ部11bが外輪21に圧入された場合であっても、外周側テーパ部11bが強い弾性力を有するので、外周側テーパ部11bは直ちに塑性変形することがない。このため、外周側テーパ部11bの先端部分11bhは、外周側テーパ部11bの外側の端部分である基端部分11bnにおける弾性力Fnよりも大きな弾性力Fhで外輪21の外周面27を締め付ける。このようにして、ハブベアリング2に対する密封装置1の締め付け状態及び密封性を維持することができる。
また、外周側テーパ部11bが有する弾性力によって、密封装置1の軸線xとハブベアリング2の軸線xとの傾斜が次第に調整されるので、やがて当該両軸線xが一致し、密封装置1をハブベアリング2の外輪21に正確に取り付けることができる。このため、ハブベアリング2に対する密封装置1の取り付けの際に、密封装置1の軸線xとハブベアリング2の軸線xとの位置合わせに要する手間を軽減することができる。
このように、本発明の実施の形態に係る密封構造10によれば、ハブベアリング2に対して密封装置1を容易に取り付けることが可能であり、かつ、ハブベアリング2の密封性の向上を図ることができる。
次いで、図5を参照して、本発明の別の実施の形態に係る密封構造10aにおけるハブベアリング2aの外輪21nの構造について説明する。密封構造10aにおいて、外輪21nは、密封装置1の外周側テーパ部11bに倣って外周面27nの外側の端部から内側へ向かうに連れて縮径する、軸線xを中心とする環状の溝31を有している。
環状の溝31は、外周面27nの外側の端部から内側且つ内周側へ僅かに傾斜した状態で直線的に延びる傾斜面31aと、傾斜面31aの内側の端部分となる先端部分31ahから外周側へ所定の曲率をなして外周面27nまで延びる湾曲面31bとを有する。溝31は、傾斜面31aの先端部分31ahにおいて、外周面27nの外径R2よりも小さな外径R3を有する。
次いで、図6を参照して本発明の別の実施の形態に係る密封構造10aについて説明する。密封構造10aは、図5に示された外輪21nを有している。密封構造10aにおいて、密封装置1aの補強環11における外周側テーパ部11baは、外周側テーパ部11baの先端部分11bahにおいて、傾斜面31aの先端部分31ahにおける外径R3よりも小さな内径R4を有する。具体的には、外周側テーパ部11baは、先端部分11bahにおいて、傾斜面31aの先端部分31ahに対して所定の締め代Da(Da=R3−R4)を有する。これにより、外周側テーパ部11baは、先端部分11bahにおいて、外輪21nの溝31(図5参照)に形成された傾斜面31aに対して所定の弾性力を加えて接触することが可能となる。
なお、外周側テーパ部11baの先端部分11bahの内径R4は、傾斜面31aの先端部分31ahにおける内径R3と同じであってもよい。この場合、外周側テーパ部11baにおける先端部分11bahの、傾斜面31aの先端部分31ahに対する締め代Da(Da=R3−R4)はゼロとなる。
密封装置1aをハブベアリング2aに取り付ける場合、補強環11の当接面11crと外輪21nの接触面21aとを当接させた状態で、治具等を用いて密封装置1を内側(矢印b方向)へ押し込み、外周側テーパ部11baを外周側へ締め代Db(Db=R2−R4)の分だけ弾性変形させつつ、外輪21の外周面27n、及び溝31の傾斜面31aに圧入する。
本発明の別の実施の形態に係る密封構造10aによれば、外周側テーパ部11baの弾性力を利用して密封装置1aをハブベアリング2aの外輪21nに取り付けるため、補強環11の外周側テーパ部11baが外輪21nに対して所定の弾性力(復元力)で押し付けられ、ひいては密封装置1aをハブベアリング2aに強固に固定することができる。
仮に、密封装置1aの軸線xとハブベアリング2aの軸線xとが互いに傾斜した状態で外周側テーパ部11baが外輪21nに圧入された場合であっても、外周側テーパ部11baが強い弾性力を有するので、外周側テーパ部11baの内周側に面した面である内周面11bajが、その全面且つ全周に亘り、溝31の傾斜面31aに所定の弾性力で密着した状態を維持することができる。
具体的には、外周側テーパ部11baの先端部分11bahは、外周側テーパ部11baの基端部分11banよりも大きな弾性力で溝31の傾斜面31aを締め付ける。更に、外周側テーパ部11baは、内周面11bajの先端部分11bahから基端部分11banに到る全面且つ全周に亘って、溝31の傾斜面31aを締め付ける。このようにして、ハブベアリング2に対する密封装置1aの締め付け状態及び密封性を維持することができる。
ここで、密封装置1aは、一般的に、ハブベアリング2aの空間28に充填された潤滑剤による圧力を受け、且つ、車両の走行に伴う振動の影響を受ける。このため、密封装置1aの使用状態において、密封装置1aの補強環11は、ハブベアリング2aの外輪21nから抜ける方向(即ち外側方向)へ力を受ける。
これに対し、本発明の別の実施の形態に係る密封構造10aによれば、外輪21nが、外周面27nの外径R2と溝31における傾斜面31aの先端部分31ahの外径R3との間に所定の外径差RD(RD=R2−R3)を有している。このため、密封装置1aの補強環11に外側方向への力が加えられた場合であっても、密封装置1aがハブベアリング2aの外輪21nから抜け難くい状態を維持することができる。
次いで、図7を参照して、本発明の更に別の実施の形態に係る密封構造10bについて説明する。密封構造10bは、図3に示した密封構造10と比較して、補強環11の構成が異なる。
補強環11は、円盤部11aの内周側の端部から内側へ向かうに連れて拡径して延びる、外輪21の内周側に面する面である内周面21dと接触する内周側テーパ部11kを有する。補強環11は、内周側テーパ部11kの内側の端部から内周側へ径方向に延びて2つの曲面11mrを有する内側円盤部11mと、内側円盤部11mの内周側の端部から外側且つ内周側へ延びる最内周側テーパ部11nと、最内周側テーパ部11nの外側の端部から内周側へ径方向に延びる径方向延在部11pとを有する。なお、補強環11の外周側テーパ部11b及び内周側テーパ部11k以外の部分の形状は、上述の円盤部11a、内側円盤部11m、最内周側テーパ部11n、および、径方向延在部11pの形状に限るものではなく、他の形状であってもよい。
外輪21は、当該外輪21の外側面21bにおいて、外側且つ内周側の角隅を面取りした環状の曲面である内周側接触面21eを有する。
密封装置1bにおける補強環11の内周側テーパ部11kは、内周側テーパ部11kの内側の端部分である先端部分11kaにおいて、外輪21の内周面21dの内径R6よりも大きい外径R5を有する。具体的には、内周側テーパ部11kは、先端部分11kaにおいて、外輪21の内周面21dに対して所定の締め代Dk(Dk=R5−R6)を有する。これにより、内周側テーパ部11kは、先端部分11kaにおいて、外輪21の内周面21dに対して所定の弾性力を加えて接触することが可能となる。
密封装置1bをハブベアリング2に取り付ける場合、まず、補強環11の当接面11crを外輪21の接触面21aに外側(矢印a方向)から当接させると共に、内側円盤部11mの外周側の曲面11mrを外輪21の内周側接触面21eに外側(矢印a方向)から当接させる。その状態で、治具等を用いて密封装置1bを内側(矢印b方向)へ押し込み、外周側テーパ部11bを外周側へ締め代Dの分だけ弾性変形させると共に、内周側テーパ部11kを内周側へ締め代Dkの分だけ弾性変形させつつ、密封装置1bの補強環11を外輪21の外周面27及び内周面21dに圧入する。
本発明の更に別の実施の形態に係る密封構造10bによれば、外周側テーパ部11bの弾性力に加えて、内周側テーパ部11kの弾性力も利用して密封装置1bをハブベアリング2に取り付けるので、補強環11が外輪21を所定の弾性力(復元力)で締め付け、ひいては密封装置1bをハブベアリング2に対して一層強固に固定することができる。
仮に、密封装置1bの軸線xとハブベアリング2の軸線xとが互いに傾斜した状態で外周側テーパ部11b及び内周側テーパ部11kを外輪21に圧入した場合であっても、外周側テーパ部11b及び内周側テーパ部11kが強い弾性力を有するので、外周側テーパ部11b及び内周側テーパ部11kは直ちに塑性変形することがない。このため、外周側テーパ部11bの先端部分11bhは、外周側テーパ部11bの基端部分11bnにおける弾性力よりも大きな弾性力で外輪21の外周面27を締め付ける。また、内周側テーパ部11kの先端部分11kaは、内周側テーパ部11kの外側の端部分である基端部分11knにおける弾性力よりも大きな弾性力で外輪21の内周面21dを締め付ける。このようにして、ハブベアリング2に対する密封装置1bの締め付け状態及び密封性を維持することができる。
また、外周側テーパ部11b及び内周側テーパ部11kが有する弾性力によって、密封装置1bの軸線xとハブベアリング2の軸線xとの傾斜が次第に調整されるので、やがて当該両軸線xが一致し、密封装置1bをハブベアリング2の外輪21に正確に取り付けることができる。このため、ハブベアリング2に対する密封装置1bの取り付けに際に、密封装置1bの軸線xとハブベアリング2の軸線xとの位置合わせに要する手間を軽減することができる。
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明は上記の実施の形態に係る密封装置1,1a,1b、及び密封構造10,10a,10bに限定されるものではなく、本発明の概念及び特許請求の範囲に含まれるあらゆる態様を含む。また、上述した課題及び効果の少なくとも一部を奏するように、各構成を適宜選択的に組み合わせてもよい。例えば、上記実施の形態における各構成要素の形状、材料、配置、サイズ等は、本発明の具体的態様によって適宜変更され得る。
1,1a,1b,100…密封装置、10,10a,10b,300…密封構造、11,111…補強環、11a…円盤部、11b,11ba…外周側テーパ部、11c…当接部、11cr…当接面、11e…外周側錐環部、11f…内周側錐環部、11g…終端円盤部、11bh,11bah,11ka,31ah…先端部分、11bn,11ban,11kn…基端部分、11baj,21d…内周面、11k…内周側テーパ部、11m…内側円盤部、11mr…曲面、11n…最内周側テーパ部、11p…径方向延在部、15,112…弾性部材、15a…基体部、15b…外周側サイドリップ、15c…内周側サイドリップ、15d…ラジアルリップ、113…円筒部、2,2a,200…ハブベアリング、21,21n,201…外輪、21a…接触面、21b…外側面、21c…収容溝、21e…内周側接触面、22…ハブ、23…転動体、24…内輪、25,202…ハブ輪、26…フランジ部、26a…内側面、27,27n,204…外周面、28,203…空間、29…Oリング、31…溝、31a…傾斜面、31b…湾曲面、a…外側、b…内側、c…外周側、d…内周側、D,Da,Db,Dk…締め代、Fh,Fn…弾性力、R1,R4,R6…内径、R2,R3,R5…内径、RD…外径差、x…軸線

Claims (6)

  1. 軸線について互いに相対回転可能な環状の外周側部材と、該外周側部材に包囲された環状の内周側部材とを備える軸受装置の前記外周側部材と前記内周側部材との間を密封する密封装置であって、
    前記軸線を中心とする環状の補強環と、
    前記補強環に取り付けられた、前記軸線を中心とする環状の弾性部材と、
    を備え、
    前記補強環は、前記軸線に垂直な方向に延びる中空円盤状の円盤部と、該円盤部の外周側の端部から内側へ向かうに連れて縮径して延びる、前記外周側部材の外周面と接触する外周側テーパ部とを有する、
    ことを特徴とする密封装置。
  2. 前記外周側テーパ部は、該外周側テーパ部の先端において、前記外周面の外径よりも小さな内径を有する、
    ことを特徴とする請求項1記載の密封装置。
  3. 前記補強環は、前記外周側テーパ部に加えて、前記円盤部の内周側の端部から内側へ向かうに連れて拡径して延びる、前記外周側部材の内周面と接触する内周側テーパ部を有する、
    ことを特徴とする請求項1又は2記載の密封装置。
  4. 前記内周側テーパ部は、該内周側テーパ部の先端において、前記内周面の内径よりも大きな外径を有する、
    ことを特徴とする請求項3記載の密封装置。
  5. 請求項1から4までのいずれか1項記載の密封装置と、
    軸線について互いに相対回転可能な環状の外周側部材と、該外周側部材に包囲された環状の内周側部材とを有する軸受装置と、
    を備えることを特徴とする密封構造。
  6. 前記外周側部材は、前記外周側テーパ部に倣って前記外周面の外側の端部から内側へ向かうに連れて縮径する、前記軸線を中心とする環状の溝を有している、
    ことを特徴とする請求項5記載の密封構造。
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