JP2019074167A - トルク変動吸収装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】2段階のヒステリシスを発生し得るトルク変動吸収装置において、部品点数の増大および大型化を回避しつつ低ヒステリシスおよび高ヒシテリシスの差を大きくすることを可能とする。【解決手段】一対のホルダプレート8,9およびドリブンプレート10間に、第1および第2のプレート37b,38b;39,40と、第1および第2のプレート37b,38b;39,40間に介装される皿ばね41,42と、高ヒステリシスを発生するようにしてホルダプレート8,9およびドリブンプレート10の一方と第1のプレート37b,38bとの間に介装される環状の高摩擦部材43,44と、低ヒステリシスを発生するようにしてホルダプレート8,9およびドリブンプレート10の他方と第2のプレート39,40との間に介装される環状の低摩擦部材45,46とがそれぞれ配置される。【選択図】 図4
Description
本発明は、相互に結合される一対のホルダプレートと、それらのホルダプレートとの間での動力伝達を可能として一対の前記ホルダプレート間に同軸に配置されるドリブンプレートとを備え、一対の前記ホルダプレートおよび前記ドリブンプレートが2段階のヒステリシスを発生するように相対回転することを可能としたトルク変動吸収装置に関する。
低トルク振動を減衰するとともにエンジン始動および停止時に生じる大きなトルク変動を吸収するために、エンジンから動力が伝達される一対のホルダプレートと、ミッション側に連結されるドリブンプレートとが、2段階のヒステリシスを発生するように相対回転することを可能として、エンジンおよびミッション間に設けられるようにしたトルク変動吸収装置が、特許文献1で知られている。
上記特許文献1で開示されるものでは、低ヒステリシスおよび高ヒシテリシスの差を大きくするために、ドリブンプレートの両側に多数の皿ばねおよび多数のプレートが配置される構成となっており、部品点数が多くなるととともに大型化するという課題がある。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、部品点数の増大および大型化を回避しつつ低ヒステリシスおよび高ヒシテリシスの差を大きくすることを可能としたトルク変動吸収装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、相互に結合される一対のホルダプレートと、それらのホルダプレートとの間での動力伝達を可能として一対の前記ホルダプレート間に同軸に配置されるドリブンプレートとを備え、一対の前記ホルダプレートおよび前記ドリブンプレートが2段階のヒステリシスを発生するように相対回転することを可能としたトルク変動吸収装置において、前記一対のホルダプレートおよび前記ドリブンプレート間に、前記ホルダプレートおよび前記ドリブンプレートとの相対回転および軸方向相対移動を可能としつつ軸方向に並んでリング板状に形成される第1のプレートおよび第2のプレートと、それらの第1および第2のプレート間に介装される皿ばねと、高ヒステリシスを発生するようにして前記ホルダプレートおよび前記ドリブンプレートの一方と前記第1のプレートとの間に介装される環状の高摩擦部材と、低ヒステリシスを発生するようにして前記ホルダプレートおよび前記ドリブンプレートの他方と前記第2のプレートとの間に介装される環状の低摩擦部材とがそれぞれ配置され、前記皿ばねが、当該皿ばねの大径端からのばね力を前記高摩擦部材側に作用させるとともに前記皿ばねの小径端からのばね力を前記低摩擦部材側に作用させるようにして、前記第1および第2のプレート間に設けられることを第1の特徴とする。
また本発明は、第1の特徴の構成に加えて、前記ホルダプレートおよび前記ドリブンプレートの回転軸線に直交する平面への投影図上で前記皿ばねの前記大径端が前記高摩擦部材の径方向中央部に対応する位置に在るように前記高摩擦部材が形成され、前記平面への投影図上で前記皿ばねの前記小径端が前記低摩擦部材の径方向中央部に対応する位置に在るように前記低摩擦部材が形成されることを第2の特徴とする。
本発明は、第1または第2の特徴の構成に加えて、前記第2のプレートが、前記第1のプレートに相対回転不能かつ軸方向相対移動可能に連結され、前記高摩擦部材が前記第1のプレートおよび前記ドリブンプレート間に介装され、前記低摩擦部材が前記第2のプレートおよび前記ホルダプレート間に介装されることを第3の特徴とする。
本発明は、第3の特徴の構成に加えて、前記ホルダプレートに対する前記第2のプレートの相対回転角を規制するために、前記第2のプレートに連設された爪を挿通させる規制孔が前記ホルダプレートに形成されることを第4の特徴とする。
さらに本発明は、第1〜第4の特徴の構成のいずれかに加えて、駆動源からの動力を前記ホルダプレートに入力する入力側回転体と、前記ホルダプレートとの間にトルクリミッタが設けられることを第5の特徴とする。
なお実施の形態の第1および第2のリング板部37b,38bが本発明の第1のプレートに対応し、実施の形態の第1および第2のセットプレート39,40が本発明の第2のプレートに対応する。
本発明の第1の特徴によれば、一対のホルダプレートおよびドリブンプレート間に、軸方向に並んでリング板状に形成される第1のプレートおよび第2のプレートと、それらの第1および第2のプレート間に介装される皿ばねと、ホルダプレートおよびドリブンプレートの一方と第1のプレートとの間に介装される環状の高摩擦部材と、ホルダプレートおよびドリブンプレートの他方と第2のプレートとの間に介装される環状の低摩擦部材とがそれぞれ配置される構成としたので、部品点数を少なくして低コスト化を図ることができる。しかも皿ばねの大径端から高摩擦部材側にばね力が作用し、皿ばねの小径端から低摩擦部材側にばね力が作用するようにしたことで、ホルダプレートおよびドリブンプレートの一方に対する高摩擦部材の有効径を大きくし、ホルダプレートおよびドリブンプレートの他方に対する低摩擦部材の有効径を小さくして、高ヒステリシスおよび低ヒステリシスの差を大きくすることができる。
また本発明の第2の特徴によれば、皿ばねからのばね力が高摩擦部材の径方向中央部に作用し、皿ばねからのばね力が低摩擦部材の径方向中央部に作用するようにして、高摩擦部材および低摩擦部材の接触面積のバラツキを抑え、安定したヒステリシスを得ることができる。
本発明の第3の特徴によれば、第1のプレートおよびドリブンプレート間に高摩擦部材が介装され、第2のプレートおよびホルダプレート間に低摩擦部材が介装され、第2のプレートが第1のプレートに相対回転不能かつ軸方向相対移動可能に連結されるので、ホルダプレートおよびドリブンプレート間に在る部材を第1のプレートに組付けられるようにしてユニット化して小組みすることができ、トルク変動吸収装置への組付けが容易となる。
本発明の第4の特徴によれば、低摩擦部材をホルダプレートとの間に挟む第2のプレートに連設された爪を、ホルダプレートに形成される規制孔に挿通させてホルダプレートに対する第2のプレートの相対回転角を規制するようにしたので、ドリブンプレート側に規制孔を形成するのに比べて、ホルダプレートに対して規制される第2のプレートの相対回転角の強度的な設定自由度を高くすることができ、爪がホルダプレートに接触することによる異音の発生を抑えるための第2のプレートの作動角の調整が容易となる。
さらに本発明の第5の特徴によれば、トルクリミッタを有することで配置スペースが限られるトルク変動吸収装置に、部品点数が抑えられた本発明を有利に適用することができる。
以下、本発明の実施の形態を、添付の図1〜図4を参照しながら説明すると、先ず図1において、このトルク変動吸収装置5は、駆動源として車両に搭載されるエンジンと、ミッションとの間に設けられるものであり、前記エンジンのクランク軸6からの動力が、前記ミッション側に連なる出力軸7に前記トルク変動吸収装置5を介して伝達される。
前記トルク変動吸収装置5は、第1のホルダプレート8、第2のホルダプレート9およびドリブンプレート10を備え、第1および第2のホルダプレート8,9と、前記ドリブンプレート10とは、2段階のヒステリシスを発生するように相対回転することが可能である。
図2および図3を併せて参照して、前記ミッション側に配置される第1のホルダプレート8の外周部と、前記エンジン側に配置される第2のホルダプレート9の外周部とは、周方向に間隔をあけて配置される第1リベット11で相互に締結される。
前記第1および第2のホルダプレート8,9と、前記エンジンからの動力を前記第1および第2のホルダプレート8,9に入力する入力側回転体12との間には、トルクリミッタ13が設けられる。前記入力側回転体12は、前記クランク軸6に複数の第1ボルト14で締結されるドライブプレート15と、そのドライブプレート15の外周の前記トルク変動吸収装置5側に臨む面に複数の第2ボルト18で締結されるマスリング16と、このマスリング16に前記ドライブプレート15とは反対側から複数の第2リベット19で固定されるリング板状の受圧板17とで構成され、前記マスリング16および前記受圧板17間には、前記トルク変動吸収装置5側に臨む環状の収容凹部20が形成される。
前記トルクリミッタ13は、前記収容凹部20内に収容されるものであり、第1のホルダプレート8の外周よりもさらに半径方向外方に張り出して前記第2のホルダプレート9に一体に形成されるフリクションプレート21と、このフリクションプレート21を前記受圧板17との間に挟むよに配置される加圧板22と、この加圧板22および前記マスリング16間に縮設される皿状のリミッタスプリング23とを備える。前記加圧板22は、前記マスリング16に相対回転不能かつ軸方向相対移動を可能として連結されており、前記フリクションプレート21の両面には、前記受圧板17および前記加圧板22に摩擦係合するライニング24,25がそれぞれ固定される。
このようなトルクリミッタ13は、前記クランク軸6および前記出力軸7間に過度なトルクが加えられた場合には、前記フリクションプレート21と、前記受圧板17および加圧板22との間で滑りが生じることによって前記クランク軸6および前記出力軸7間の動力伝達を遮断し、前記エンジンおよび前記ミッションに損傷が生じるのを防止する。
前記出力軸7には円筒状のボス部材27が同軸に固定されており、このボス部材27の軸方向中間部から半径方向外側方に張り出して一体に形成されるフランジ部27aの外周に、前記ドリブンプレート10の内周部が溶接等で固着され、前記ドリブンプレート10は、第1および第2のホルダプレート8,9との間での動力伝達を可能として第1および第2のホルダプレート8,9間に同軸に配置される。
前記第1および第2のホルダプレート8,9には、相互に軸方向に並んで対をなす外側ガイド孔28,29が周方向に複数個ずつ設けられ、それらの外側ガイド孔28,29間に配置される内側ガイド孔30が前記ドリブンプレート10に設けられる。
前記外側ガイド孔28,29および前記内側ガイド孔30には、それらのガイド孔28,30,29間に跨がるとともに周方向に離隔して配置される一対のばね受け部材31が摺動可能に嵌装されており、それらのばね受け部材31間に縮設されるコイル状のダンパスプリング32内には、そのダンパスプリング32が所定量圧縮変形したときに一対の前記ばね受け部材31によって挟圧されるようにしてゴム製の二次ダンパスプリング33が収容される。
ところで前記第2のホルダプレート9は、前記ドリブンプレート10の一側面を覆う側壁部9aと、この側壁9aの外周端から前記第1のホルダプレート8側に屈曲して前記ドリブンプレート10の外周面を覆う周壁9bとを有しており、その周壁9bの周方向に間隔をあけた複数箇所には半径方向内方に凹んだ凹部34を形成しつつ半径方向内方に突出した駆動側ストッパ突起35が突設され、前記側壁9aおよび前記第1のホルダプレート8が前記凹部34に配置される複数の前記第1リベット11で結合される。また前記ドリブンプレート10の外周には、トルク変動が生じていない状態で前記駆動側ストッパ突起35に所定距離をあけて対向する複数の従動側ストッパ突起36が突設される。
エンジンの出力変動や出力軸7側の負荷変動に起因して、前記第1および第2のホルダプレート8,9と、前記ドリブンプレート10とが相対回転して前記外側ガイド孔28,29および前記内側ガイド孔30が相互にずれ合うと、前記ダンパスプリング32が一対の前記ばね受け部材31で圧縮されて変形することでトルク変動を吸収する。またトルク変動が増加して前記ダンパスプリング32が所定値以上圧縮されると、そのダンパスプリング32の内側の二次ダンパスプリング33が一対のばね受け部材31間で圧縮され、それにより、増加したトルク変動が吸収される。さらに第1および第2のホルダプレート8,9と、前記ドリブンプレート10との相対回転が所定角度に達すると、前記第2のホルダプレート9の前記駆動側ストッパ突起35が前記ドリブンプレート10の前記従動側ストッパ突起36に当接して、第1および第2のホルダプレート8,9と、前記ドリブンプレート10との相対回転が阻止される。
図4を併せて参照して、前記ドリブンプレート10よりも前記第1のホルダプレート8側には、前記ボス部材27を囲繞する円筒状に形成されるとともに前記第1のホルダプレート8の中心部に挿通される円筒部37aと、当該円筒部37aの前記ドリブンプレート10側の端部から半径方向外方に張り出すフランジ状の第1のリング板部37bとを一体に有する第1のスライド部材37が配置され、前記ドリブンプレート10よりも前記第2のホルダプレート8側には、前記ボス部材27を囲繞する円筒状に形成されるとともに前記第2のホルダプレート9の中心部に挿通される円筒部38aと、当該円筒部38aの前記ドリブンプレート10側の端部から半径方向外方に張り出すフランジ状の第2のリング板部38bとを一体に有する第2のスライド部材38が配置され、前記第1および第2のスライド部材37,38は、たとえば合成樹脂から成る。
ところで前記第1のホルダプレート8および前記ドリブンプレート10間には、前記第1のホルダプレート8および前記ドリブンプレート10との相対回転および軸方向相対移動を可能としつつ軸方向に並んでリング板状に形成される第1のプレートおよび第2のプレートと、それらの第1および第2のプレート間に介装される第1の皿ばね41と、高ヒステリシスを発生するようにして前記第1のホルダプレート8および前記ドリブンプレート10の一方と前記第1のプレートとの間に介装される第1の高摩擦部材43と、低ヒステリシスを発生するようにして前記第1のホルダプレート8および前記ドリブンプレート10の他方と前記第2のプレートとの間に介装される第2の低摩擦部材45とが配置される。
この実施の形態で、前記第1のプレートは、前記第1のスライド部材37が有する第1のリング板部37bであり、前記第2のプレートは、前記第1のリング板部37bに相対回転不能かつ軸方向相対移動を可能として連結される第1のセットプレート39である。第1のセットプレート39は、前記第1のリング板部37bとともに前記第1のスライド部材37を構成するようにして前記第1のリング板部37bに一体に連なる前記円筒部37aに、たとえばスプライン結合によって相対回転不能かつ軸方向相対移動を可能として連結される。また前記第1の高摩擦部材43は、環状に形成されており、前記第1のリング板部37bの外周寄りに配置されて当該第1のリング板部37bに接合され、前記ドリブンプレート10に当接される。さらに前記第1の低摩擦部材45は、環状に形成されており、前記第1のセットプレート39の内周寄りに配置されて当該第1のセットプレート39および前記第1のホルダプレート8間に挟持される。なお前記第1の高摩擦部材43が、合成樹脂から成る前記第1のスライド部材37の前記第1のリング板部37bと一体に形成されていてもよく、また前記第1の低摩擦部材45が、前記第1のホルダプレート8および前記第1のセットプレート39の一方に接合されていてもよい。
前記第1の皿ばね41は、当該第1の皿ばね41の大径端41aからのばね力を前記第1の高摩擦部材43側に作用させるとともに前記第1の皿ばね41の小径端41bからのばね力を前記第1の低摩擦部材45側に作用させるようにして、前記第1のリング板部37bおよび前記第1のセットプレート39間に設けられる。また前記第1のスライド部材37における前記第1のリング板部37bの前記ドリブンプレート10と反対側の面には、前記第1の皿ばね41の前記大径端41aに近接、対向して前記第1の皿ばね41の径方向位置を定める環状段部37cが形成される。
しかも前記第1のホルダプレート8および前記ドリブンプレート10の回転軸線に直交する平面への投影図上で、前記第1の皿ばね41の大径端41aが前記第1の高摩擦部材43の径方向中央部に対応する位置に在るように前記第1の高摩擦部材43が形成され、前記平面への投影図上で、前記第1の皿ばね41の小径端41bが前記第1の低摩擦部材45の径方向中央部に対応する位置に在るように前記第1の低摩擦部材45が形成される。すなわち前記第1のホルダプレート8および前記ドリブンプレート10の回転軸線と平行な平面への投影図である図4において、前記第1の皿ばね41の大径端41aを通って前記第1のホルダプレート8および前記ドリブンプレート10の回転軸線と平行に延びる第1の仮想直線LAが前記第1の高摩擦部材43の径方向中央部を通り、前記第1の皿ばね41の小径端41bを通って前記第1のホルダプレート8および前記ドリブンプレート10の回転軸線と平行に延びる第2の仮想直線LBが前記第1の低摩擦部材45の径方向中央部を通る。
また前記第1のホルダプレート8に対する前記第1のセットプレート39の相対回転角を規制するために、前記第1のセットプレート39の周方向複数箇所に連設された第1の爪39aを挿通させる第1の規制孔47(図1および図2参照)が、前記第1のホルダプレート8に形成される。
また前記第2のホルダプレート9および前記ドリブンプレート10間には、前記第2のホルダプレート9および前記ドリブンプレート10との相対回転および軸方向相対移動を可能としつつリング状に形成される第1のプレートとしての前記第2のリング板部38bと、その第2のリング板部38bに軸方向に並んでリング板状に形成されるとともに前記第2のリング板部38bに相対回転不能かつ軸方向相対移動を可能として連結される第2のプレートとしての第2のセットプレート40と、前記第2のリング板部38bおよび前記第2のセットプレート40間に介装される第2の皿ばね42と、高ヒステリシスを発生するようにして前記第2のリング板部38bに固設されつつ当該第2のリング板部38bおよび前記ドリブンプレート10に介装される環状の第2の高摩擦部材43と、低ヒステリシスを発生するようにして前記第2のホルダプレート9および前記第2のセットプレート40間に介装される環状の第2の低摩擦部材45とが配置される。
前記第2のホルダプレート9および前記ドリブンプレート10間に配置される前記第2のリング板部38b、前記第2のセットプレート40、前記第2の皿ばね42、前記第2の高摩擦部材44および前記第2の低摩擦部材46の形状ならびに前記第2のホルダプレート9および前記ドリブンプレート10間での配置は、前記第1のホルダプレート8および前記ドリブンプレート10間に配置される前記第1のリング板部37b、前記第1のセットプレート39、前記第1の皿ばね41、前記第1の高摩擦部材43、前記第1の低摩擦部材45と同様である。
また前記第2の皿ばね42は、当該第2の皿ばね42の大径端42aからのばね力を前記第2の高摩擦部材44側に作用させるとともに前記第2の皿ばね42の小径端42bからのばね力を前記第2の低摩擦部材46側に作用させるようにして、前記第2のリング板部38bおよび前記第2のセットプレート40間に設けられ、前記第2のスライド部材38における前記リング板部38bの前記ドリブンプレート10と反対側の面には、前記第2の皿ばね42の前記大径端42aに近接、対向して前記第2の皿ばね42の径方向位置を定める環状段部38cが形成される。
しかも前記第2のホルダプレート9に対する前記第2のセットプレート40の相対回転角を規制するために、前記第2のセットプレート40の周方向複数箇所に連設された第2の爪40aを挿通させる第2の規制孔48(図1参照)が、前記第2のホルダプレート9に形成される。
前記第1および第2のホルダプレート8,9が、前記第1および第2のスライド部材37,38に対して、前記第1および第2の挿通孔47,48内で前記第1および第2の爪39a,40aが移動し得る範囲で相対回転したときには、前記第1および第2の低摩擦部材45,46の滑りによる低ヒステリシス状態となり、前記第1および第2の挿通孔47,48内での前記第1および第2の爪39a,40aの移動が阻止されるような大きな相対回転が生じたときには、前記第1および第2の高摩擦部材43,44の滑りによる高ヒステリシス状態となり、2段階のヒステリシスを得ることができる。
次にこの実施の形態の作用について説明すると、第1および第2のホルダプレート8,9と、ドリブンプレート10との間に、前記第1および第2のホルダプレート8,9ならびに前記ドリブンプレート10との相対回転および軸方向相対移動を可能としつつ軸方向に並んでリング板状に形成される第1および第2のリング板部37b,38bならびに第1および第2のセットプレート39,40と、第1および第2のリング板部37b,38bならびに第1および第2のセットプレート39,40間に介装される第1および第2の皿ばね41,42と、高ヒステリシスを発生するようにして前記第1および第2のホルダプレート8,9ならびに前記ドリブンプレート10の一方と前記第1および第2のリング板部37b,38bとの間に介装される環状の第1および第2の高摩擦部材43,44と、低ヒステリシスを発生するようにして前記第1および第2のホルダプレート8,9ならびに前記ドリブンプレート10の他方と前記第1および第2のセットプレート39,40との間に介装される環状の第1および第2の低摩擦部材45,46とがそれぞれ配置されるようにしたので、部品点数を少なくして低コスト化を図ることができる。
しかも前記第1および第2の皿ばね41,42が、当該皿ばね41,42の大径端41a,42aからのばね力を前記第1および第2の高摩擦部材43,44側に作用させるとともに前記第1および第2の皿ばね41,42の小径端41b,42bからのばね力を前記第1および第2の低摩擦部材45,46側に作用させるようにして、前記第1および第2のリング板部37b,38bならびに第1および第2のセットプレート39,40間に設けられているので、前記第1および第2のホルダプレート8,9ならびに前記ドリブンプレートの一方に対する前記第1および第2の高摩擦部材43,44の有効径を大きくし、前記第1および第2のホルダプレート8,9ならびに前記ドリブンプレート10の他方に対する前記第1および第2の低摩擦部材45,46の有効径を小さくして、高ヒステリシスおよび低ヒステリシスの差を大きくすることができる。
また前記第1および第2のホルダプレート8,9および前記ドリブンプレート10の回転軸線に直交する平面への投影図上で前記第1および第2の皿ばね41,42の大径端41a,42aが前記第1および第2の高摩擦部材43,44の径方向中央部に対応する位置に在るように前記第1および第2の高摩擦部材43,44が形成され、前記平面への投影図上で前記第1および第2の皿ばね41,42の小径端41b,42bが前記第1および第2の低摩擦部材45,46の径方向中央部に対応する位置に在るように前記第1および第2の低摩擦部材45,46が形成されるので、第1および第2の皿ばね41,42からのばね力が第1および第2の高摩擦部材43,44の径方向中央部に作用し、第1および第2の皿ばね41,42からのばね力が第1および第2の低摩擦部材45,46の径方向中央部に作用するようにして、第1および第2の高摩擦部材43,44ならびに第1および第2の低摩擦部材45,46の接触面積のバラツキを抑え、安定したヒステリシスを得ることができる。
また前記第1および第2のホルダプレート8,9との間に前記第1および第2の低摩擦部材45,46を挟む前記第1および第2のセットプレート39,40が、前記ドリブンプレート10との間に前記第1および第2の高摩擦部材43,44を挟む前記第1および第2のリング板部37b,38bに、第1および第2のリング板部37b,38bと一体である筒部37a,38aにスプライン結合されることによって相対回転不能かつ軸方向相対移動可能に連結され、前記第1および第2のリング板部37b,38bならびに前記第1および第2のセットプレート39,40間に第1および第2の皿ばね41,42が介装されている。このため前記第1の高摩擦部材43と、前記第1のリング板部37bを有する第1のスライド部材37と、前記第1の皿ばね41と、前記第1のセットプレート39と、前記第1の低摩擦部材45とをユニット化して、前記第1のホルダプレート8側に小組みすることができ、前記第2の高摩擦部材44と、前記第2のリング板部38bを有する第2のスライド部材38と、前記第2の皿ばね42と、前記第2のセットプレート40と、前記第2の低摩擦部材46とをユニット化して、前記第2のホルダプレート8側に小組みすることができ、トルク変動吸収装置5への組み付けが容易となる。
また前記第1および第2のホルダプレート8,9に対する前記第1および第2のセットプレート39,40の相対回転角を規制するために、前記前記第1および第2のセットプレート39,40に連設された第1および第2の爪39a,40aを挿通させる第1および第2規制孔47,48が前記第1および第2のホルダプレート8,9に形成されるので、ドリブンプレート10側に規制孔を形成するのに比べて、第1および第2のホルダプレート8,9に対して規制される第1および第2のセットプレート39,40の相対回転角の強度的な設定自由度を高くすることができ、第1および第2の爪39a,40aが第1および第2のホルダプレート8,9に接触することによる異音の発生を抑えるための第1および第2のセットプレート39,40の作動角の調整が容易となる。
さらにエンジンからの動力を前記第1および第2のホルダプレートに入力する入力側回転体12と、前記第1および第2のホルダプレート8,9との間にトルクリミッタ13が設けられるので、トルクリミッタ13を有することで配置スペースが限られるトルク変動吸収装置5に、部品点数が抑えられた本発明を有利に適用することができる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計変更を行うことが可能である。
5・・・トルク変動吸収装置
8,9・・・ホルダプレート
10・・・ドリブンプレート
12・・・入力側回転体
13・・・トルクリミッタ
37b,38b・・・第1のプレートとしてのリング板部
39,40・・・第2のプレートとしてのセットプレート
39a,40a・・・爪
41,42・・・皿ばね
41a,42a・・・皿ばねの大径端
41b,42b・・・皿ばねの小径端
43,44・・・高摩擦部材
45,46・・・低摩擦部材
47,48・・・規制孔
8,9・・・ホルダプレート
10・・・ドリブンプレート
12・・・入力側回転体
13・・・トルクリミッタ
37b,38b・・・第1のプレートとしてのリング板部
39,40・・・第2のプレートとしてのセットプレート
39a,40a・・・爪
41,42・・・皿ばね
41a,42a・・・皿ばねの大径端
41b,42b・・・皿ばねの小径端
43,44・・・高摩擦部材
45,46・・・低摩擦部材
47,48・・・規制孔
Claims (5)
- 相互に結合される一対のホルダプレート(8,9)と、それらのホルダプレート(8,9)との間での動力伝達を可能として一対の前記ホルダプレート(8,9)間に同軸に配置されるドリブンプレート(10)とを備え、一対の前記ホルダプレート(8,9)および前記ドリブンプレート(10)が2段階のヒステリシスを発生するように相対回転することを可能としたトルク変動吸収装置において、前記一対のホルダプレート(8,9)および前記ドリブンプレート(10)間に、前記ホルダプレート(8,9)および前記ドリブンプレート(10)との相対回転および軸方向相対移動を可能としつつ軸方向に並んでリング板状に形成される第1のプレート(37b,38b)および第2のプレート(39,40)と、それらの第1および第2のプレート(37b,38b;39,40)間に介装される皿ばね(41,42)と、高ヒステリシスを発生するようにして前記ホルダプレート(8,9)および前記ドリブンプレート(10)の一方と前記第1のプレート(37b,38b)との間に介装される環状の高摩擦部材(43,44)と、低ヒステリシスを発生するようにして前記ホルダプレート(8,9)および前記ドリブンプレート(10)の他方と前記第2のプレート(39,40)との間に介装される環状の低摩擦部材(45,46)とがそれぞれ配置され、前記皿ばね(41,42)が、当該皿ばね(41,42)の大径端(41a,42a)からのばね力を前記高摩擦部材(43,44)側に作用させるとともに前記皿ばね(41,42)の小径端(41b,42b)からのばね力を前記低摩擦部材(45,46)側に作用させるようにして、前記第1および第2のプレート(37b,38b;39,40)間に設けられることを特徴とするトルク変動吸収装置。
- 前記ホルダプレート(8,9)および前記ドリブンプレート(10)の回転軸線に直交する平面への投影図上で前記皿ばね(41,42)の前記大径端(41a,42a)が前記高摩擦部材(43,44)の径方向中央部に対応する位置に在るように前記高摩擦部材(43,44)が形成され、前記平面への投影図上で前記皿ばね(41,42)の前記小径端(41b,42b)が前記低摩擦部材(45,46)の径方向中央部に対応する位置に在るように前記低摩擦部材(45,46)が形成されることを特徴とする請求項1に記載のトルク変動吸収装置。
- 前記第2のプレート(39,40)が、前記第1のプレート(37b,38b)に相対回転不能かつ軸方向相対移動可能に連結され、前記高摩擦部材(43,44)が前記第1のプレート(37b,38b)および前記ドリブンプレート(10)間に介装され、前記低摩擦部材(45,46)が前記第2のプレート(39,40)および前記ホルダプレート(8,9)間に介装されることを特徴とする請求項1または2に記載のトルク変動吸収装置。
- 前記ホルダプレート(8,9)に対する前記第2のプレート(39,40)の相対回転角を規制するために、前記第2のプレート(39,40)に連設された爪(39a,40a)を挿通させる規制孔(47,48)が前記ホルダプレート(8,9)に形成されることを特徴とする請求項3に記載のトルク変動吸収装置。
- 駆動源からの動力を前記ホルダプレート(8,9)に入力する入力側回転体(12)と、前記ホルダプレート(8,9)との間にトルクリミッタ(13)が設けられることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のトルク変動吸収装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2017201720A JP2019074167A (ja) | 2017-10-18 | 2017-10-18 | トルク変動吸収装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2017201720A JP2019074167A (ja) | 2017-10-18 | 2017-10-18 | トルク変動吸収装置 |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2019074167A true JP2019074167A (ja) | 2019-05-16 |
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ID=66543227
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JP (1) | JP2019074167A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2021217515A1 (zh) * | 2020-04-29 | 2021-11-04 | 舍弗勒技术股份两合公司 | 车辆用减振器及车辆 |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPS61201933A (ja) * | 1985-03-06 | 1986-09-06 | Daikin Mfg Co Ltd | ダンパ−デイスク |
JP2005133859A (ja) * | 2003-10-31 | 2005-05-26 | Aisin Seiki Co Ltd | トルク変動吸収装置 |
JP2010230098A (ja) * | 2009-03-27 | 2010-10-14 | Aisin Seiki Co Ltd | トルク変動吸収装置 |
-
2017
- 2017-10-18 JP JP2017201720A patent/JP2019074167A/ja active Pending
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