JP2019073483A - カーボンナノチューブを用いた染毛兼縮毛矯正剤とその製造方法 - Google Patents

カーボンナノチューブを用いた染毛兼縮毛矯正剤とその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】毛髪や皮膚に悪影響を与えないで、染毛効果と縮毛を矯正する効果と枝毛防止効果、帯電防止効果などを持ち、塗布直後の毛髪染毛性に優れるだけでなく、使用する回数を重ねる毎に徐々に毛髪を染色していく累積染毛性に優れる染毛剤を提供する。【解決手段】本発明の染毛兼縮毛矯正剤は、水100体積部に対しカーボンナノチューブ粉末を5〜30体積部分散させたカーボンナノチューブ水分散液に、分散用兼皮膜形成用樹脂を5〜30体積部含有させてなることを特徴とする。【選択図】図6

Description

本発明は、毛髪や皮膚に悪影響を与えない安定で縮毛矯正効果を有する累積性の染毛兼縮毛矯正剤に関する。
従来使用されている染毛剤は、酸化型合成染料を主成分とするものやタ−ル系色素を成分とする酸性一時染毛剤である。酸化型合成染料は、毛髪や皮膚を痛めるだけでなく、染料の種類によっては発癌性の危険性がある。また、酸性一時染毛剤は、タ−ル系色素の染毛性が良くない。
また、縮毛を直毛へ矯正する場合、専門店で施術する。還元剤を用いて髪の毛のシスチン(S−S)結合を切断し、酸化剤で再結合する作業なので、髪をどうしても傷めてしまう。さらに、縮毛を直毛に矯正するストレートパーマや縮毛矯正においては、さらに複雑な手順となるため、長時間の施術と高額な料金のため、改善が求められていた。
また、染毛剤には導電性がないので、毛髪に静電気がたまると毛髪が反発し合うため、まとまりが悪く、整髪が難しくなる。また、従来の染毛剤では紫外線を吸収することができないので、髪が傷み、枝毛を発生させてしまう。
一方、中高年層の増加で白髪を黒髪に染髪する需要が高まっている。また若年層においては、黒髪を栗色系の色合いにしたいという要求も高い。一般的に汎用されている、永久染毛料(ヘアカラー、酸化染毛料)や半永久染毛料(ヘアマニキュア、酸性染毛料)は、使用時の染毛操作が複雑で、時間もかかるので、一般的には理美容室で施術しなくてはならないなど、使用者への負担が大きいものであった。このため、簡単に染毛できる累積性染毛剤が求められていた。
しかしながら、従来の染毛料は着色剤が酸性染料であり、別の染毛料ではカーボンブラックなどを用いているため、色あせしたり、分散安定性が低下し凝集物を生じてしまう等の課題がある。例えば、特許文献1の染毛料は、カーボンブラックの色相変化の課題があり、また、縮毛を直毛にする効果がないことや、静電気を除去できないという課題がある。
特開2016−113395号公報
本発明は、上記従来技術の課題等に鑑み、これを解消しようとするものであり、毛髪や皮膚に悪影響を与えないで、染毛効果と縮毛を矯正する効果と枝毛防止効果、帯電防止効果などを持ち、塗布直後の毛髪染毛性に優れるだけでなく、使用する回数を重ねる毎に徐々に毛髪を染色していく累積染毛性に優れる染毛兼縮毛矯正剤を提供することを目的とする。
本発明者は、上記従来技術の課題等について鋭意検討を重ねた結果、カーボンナノチューブの特性を生かして染毛兼縮毛矯正剤を作れることを見いだした。それは、カーボンナノチューブが、その黒色が完全黒体に近い、あらゆる物質の中で最も完全な黒色であること、空気中の湿気を吸い込む吸湿力が非常に大きいこと、導電性であること、潤滑性が高いことを利用することである。
すなわち、本発明は、上記目的を達成するため、容易に使用可能な下記染毛兼縮毛矯正剤を提供するものである。
(1)水100体積部に対しカーボンナノチューブ粉末を5〜20体積部を分散させたカーボンナノチューブ水分散液に、分散用兼皮膜形成用樹脂を6〜12体積部含有させてなることを特徴とする染毛兼縮毛矯正剤。
(2)上記カーボンナノチューブが、単層カーボンナノチューブ、多層カーボンナノチューブ、又は単層カーボンナノチューブと多層カーボンナノチューブの混合物であることを特徴とする(1)に記載の染毛兼縮毛矯正剤。
(3)上記分散用兼皮膜形成用樹脂として、非イオン性ポリマー、カチオン性ポリマー、アニオン性ポリマー及び両性ポリマーのうちの少なくとも1種以上の高分子化合物を含むことを特徴とする(1)又は(2)に記載の染毛兼縮毛矯正剤。
(4)上記分散用兼皮膜形成用樹脂として、ポリビニルアルコール(PVA)又は/及びカルボキシメチルセルロース(CMC)、ポリ-N-ビニルアセトアミド(PNVA)を含むことを特徴とする(3)に記載の染毛兼縮毛矯正剤。
(5)さらに、上記カーボンナノチューブに酸性染料が結合されていることを特徴とする(1)から(4)のいずれかに記載の染毛兼縮毛矯正剤。
(6)上記酸性染料が、赤色2号、赤色3号、黄色4号、黄色5号、緑色3号、青色1号、青色2号、赤色201号、赤色206号、青色202号及び青色203号のうちの少なくとも1種以上であることを特徴とする(1)から(5)のいずれかに記載の染毛兼縮毛矯正剤。
(7)上記単層または多層カーボンナノチューブの平均直径は20nm以下であることを特徴とする(1)から(6)のいずれかに記載の染毛兼縮毛矯正剤。
本発明の染毛兼縮毛矯正剤はカーボンナノチューブを利用するのでその作用は従来のものとは異なり、下記に述べるものとなる。
(1)染毛作用
この効果は、カーボンナノチューブが毛髪に張り付くことで、毛髪の表面にカーボンナノチューブの膜を形成することで発揮される。カーボンナノチューブと毛髪を張り付ける力はクーロン力が主であると考えられる。
また、これ以外にカーボンナノチューブが毛髪の円周方向にコイル状に絡みつくことが確認されているので、その効果も考えられる。単に張り付くだけでなく、毛髪を包むようにカーボンナノチューブ膜が形成されるため、光や熱などで劣化しない丈夫な構造が出来る。カーボンナノチューブは完全黒体に近い黒色なので、毛髪を深い黒色に染めることができる。
(2)縮毛矯正作用
縮毛の原因に挙げられるのが、毛髪の内部における水分量のばらつきがある。毛髪の含水量が異なると毛髪が曲がってしまうので均一になれば直毛になる。カーボンナノチューブは空気中の水分を吸収するので、常に水分を毛髪に与える。その結果、染毛兼縮毛矯正剤を毛髪に塗ると縮毛が矯正される。この縮毛矯正効果は、実際に人の毛髪で実験して、効果があることを確認した。
(3)帯電防止作用
毛髪は絶縁体のため容易に静電帯電する。毛髪が帯電すると、反発し合うので髪がまとまりにくくなる。これを解消するため、従来、イオンを空気で照射することが行われている。しかし、その効果は一時的ですぐに帯電するようになる。
本発明では、カーボンナノチューブで毛髪を包み込むので、導電性が発現して静電気を逃がす効果が出る。そして、常に放電する状態なので髪が良くまとまるようになる。
(4)染色作用
カーボンナノチューブには染料を結合させることができるので、黒色だけでなく、褐色系の色に染めることもできる。カーボンナノチューブの内部に染色剤が入るので安定した発色ができる。このように染料のナノ粒子とカーボンナノチューブの結合は主に超音波で行えるので製造は簡単にできる。
(5)毛髪を太くする作用
毛髪の周囲にカーボンナノチューブが付着するので、毛が太く見える。
(6)枝毛防止作用
染毛兼縮毛矯正剤を塗布するとカーボンナノチューブの効果で枝毛を防止する作用がある。
上記のように6種類の作用がある。
本発明において、毛髪にカーボンナノチューブを張り付ける方法は下記のように行う。
例えば、単層又は多層カーボンナノチューブ又はこれら両者の混合物と、カルボキシメチルセルロース(CMC)とポリビニルアルコール(PVA)と水とを混ぜてから超音波分散機にかけて分散する。超音波出力は、例えば、600Wで2時間から4時間、照射する。これでカーボンナノチューブは溶液中に分散して含浸液ができる。
この含浸液に毛髪を浸して、染色の過程を観察した。この結果を図3から図7に示す。
これらの顕微鏡写真(図3から図7)によると、カーボンナノチューブが毛髪の円周方向にコイル状に巻き付いていることがわかる。
縮毛矯正は染毛兼縮毛矯正剤を髪に塗るだけで良い。上記写真のように、毛髪がカーボンナノチューブで覆われるので水分分布が均一となり矯正される。
帯電防止は上記染毛兼縮毛矯正剤を毛髪に塗るだけで良い。
毛髪の抵抗値の測定は、直径2cm厚さ1ミリの銅板2枚の間に毛髪を挟んで直流抵抗計で行った。その結果、一例では塗布前は1200KΩ以上であったが塗布後は500KΩ以下になった。このため、静電気は人体を通じて、外部へ放出されることになる。
染色は黒色以外の色に染める時に、カーボンナノチューブに染料を結合させる。その方法は、カーボンナノチューブと染料を水に分散して、例えば超音波を600Wの出力で2時間から4時間照射する。そうすると、カーボンナノチューブの内部やカーボンナノチューブのバンドルに染料が侵入する。また、カーボンナノチューブの表面に染料が付着する。その結果、黒色から褐色に変化する。このカーボンナノチューブを上記と同様に染毛兼縮毛矯正剤とする。
上記の作用の結果以下の効果をもたらす。
(1)染毛効果
カーボンナノチューブが毛髪に張り付くことで、毛髪の表面にカーボンナノチューブの膜を形成されるので、毛髪がつやのある深い黒色に染毛される。また、カーボンナノチューブの構造が強靱なため、光や熱などで劣化しない。さらに毛髪の周囲にカーボンナノチューブが付着するので、毛が太く見える。
ちなみに、光とカーボンナノチューブの関係については下記のようになる。
あらゆる光を完全に吸収できる物体を黒体と呼ぶ。カーボンの微粒子でできたチャンネルブラックなどが従来では非常に黒い物質となっていた。カーボンナノチューブ黒体は全ての光の波長域で放射率0.99以上であり、これは従来物質の特定の光の波長域において最大放射率0.97という性能を上回る。
これは、2008年にライス大学の研究チームにより発見されており、現在最も黒体に近い物質としてギネスブックへの登録も米国では考えられている。
(2)縮毛矯正効果
毛髪の内部における水分量を均一にするので、縮毛が直毛になる。この効果は、染毛兼縮毛矯正剤を塗った直後に現れるので、ごく短時間に完了する。そのため、時間がかかり高額な矯正術を受ける必要がなくなる。
(3)帯電防止効果
カーボンナノチューブで毛髪を包み込むと、導電性が発現して静電気を逃がす効果が出る。常に放電する状態なので髪が良くまとまるようになる。静電防止スプレーなどを用いる必要がなくなる。
(4)染色効果
カーボンナノチューブに染料を結合して、褐色系の色に染めることが可能となる。
(5)毛髪を太くする効果
毛髪の周囲にカーボンナノチューブが付着するので、毛が太く見える。
(6)枝毛防止効果
枝毛の原因は、紫外線、乾燥、静電気、ブラッシングなどがある。カーボンナノチューブで毛髪を包んでいると、紫外線はカーボンナノチューブによって遮蔽される。乾燥に対してはカーボンナノチューブの吸湿力で防止する。静電気に対してはカーボンナノチューブの導電性で対応する。ブラッシングに対してはカーボンナノチューブの潤滑性でブラシが滑りやすくなり枝毛を防止できる。
上記のように6種類の効果がある。
上記のような手段で、薬品を使用しない自然な染毛兼縮毛矯正剤を可能とした。
染色兼縮毛剤のカーボンナノチューブが液中に分散している状況を示す300倍顕微鏡写真である。 染色兼縮毛剤のカーボンナノチューブが毛髪に付着する様子とカーボンナノチューブが液中に分散している状況を示す1000倍顕微鏡写真である。 毛髪に染色兼縮毛剤のカーボンナノチューブが毛髪に付着する初期の様子を示す300倍顕微鏡写真である。 毛髪に染色兼縮毛剤のカーボンナノチューブが毛髪に付着する初期の様子を示す1000倍顕微鏡写真である。 毛髪に染色兼縮毛剤のカーボンナノチューブが累積した状況を示す200倍顕微鏡写真である。 毛髪に染色兼縮毛剤のカーボンナノチューブが累積した状況を示す1000倍顕微鏡写真である。 毛髪に染色兼縮毛剤のカーボンナノチューブが付着した初期の状況を示す200倍及び1100倍顕微鏡写真である。 毛髪に染毛兼縮毛矯正剤を塗布する前の外観写真である。 毛髪に染毛兼縮毛矯正剤を塗布した後の外観写真である。
以下に、本発明の実施の形態を詳しく説明する。
本発明の染毛兼縮毛矯正剤は、カーボンナノチューブ粉末を水に分散させたカーボンナノチューブ水分散液に、分散用兼皮膜形成用樹脂を含有させてなることを特徴とする。本発明で用いるカーボンナノチューブは、直径が2nm〜20nm程度、長さが20μm〜300μm程度の、アスペクト比が高く細長いチューブ状(繊維状)のものであるが、非常に微細なため、本明細書では、粉末と称する。
カーボンナノチューブとしては、単層カーボンナノチューブ、多層カーボンナノチューブ、又は単層カーボンナノチューブと多層カーボンナノチューブの混合物を用いることができる。
本発明の染毛兼縮毛矯正剤で用いるカーボンナノチューブは、上限が20nm程度であり、上限がこの値以下であると、染色兼縮毛矯正剤に使用した場合、細胞に刺さり中皮腫を発生する危険性を回避することができる。
本発明において、単層カーボンナノチューブと多層カーボンナノチューブの混合物を用いる場合、安全性の観点から、その混合割合は、単層カーボンナノチューブが60%〜80%、多層カーボンナノチューブが20〜40%であることが好ましい。
カーボンナノチューブは、水100体積部に対し5〜30体積部、より好ましくは10〜20体積部分散させることが好ましい。カーボンナノチューブの量が上記範囲より少ないと、染色や縮毛矯正の効果が劣り、カーボンナノチューブの量が上記範囲より多いと、分散液の粘度が高くなり、整髪料として不適当な堅さになる。
分散用兼皮膜形成用樹脂としては、下記に例示する材料を含む非イオン性ポリマー、カチオン性ポリマー、アニオン性ポリマー及び両性ポリマーのうちの少なくとも1種以上の高分子化合物を含有させることができる。これらの分散用兼皮膜形成用樹脂は、カーボンナノチューブを水に分散させる場合に、カーボンナノチューブの分散を助ける分散剤として働き、毛髪に塗布した場合には、皮膜形成剤として働く。これにより毛髪に形成された皮膜は、カーボンナノチューブを毛髪に固定させる重要な役割を持つ。
非イオン性ポリマ−
ポリビニルピロリドン、ポリビニルピロリドン/酢酸ビニル共重合体、ヒドロキシエチルセルロ−ス、メチルセルロ−ス、キサンタンガム
カチオン性ポリマ−
ヒドロキシエチルセルロ−ス、ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリドエ−テル、ポリ塩化ジメチルメチレンピペリジニウム、ポリ塩化ジメチルアリルアンモニウム/アクリルアミド、ビニルピロリドン/ジメチルアミノエチルメタクリレ−ト共重合体、ビニルピロリドン/ジメチルアミノエチルメタクリレ−ト共重合体カチオン化物
アニオン性ポリマ−
アクリル酸エステル/メタクリル酸エステル共重合体、ビニルメチルエ−テル/マレイン酸ブチル共重合体、酢酸ビニル/クロトン酸共重合体、アクリル酸エチル/アクリル酸アミド/アクリル酸共重合体、カルボキシビニルポリマ−
両性ポリマ−
N−メタクリロイルエチルN、N−ジメチルアンモニウム/α−N−メチルカルボキシベタイン/メタクリル酸ブチル共重合体、アクリル酸ヒドロキシプロピル/(アクリル酸)/メタクリル酸ブチルアミノエチル/アクリル酸オクチルアミド共重合体
これらのポリマ−のうち、非イオン性のセルロ−ス系のものが人体に影響がないので扱いやすい。
また、本発明で用いる分散用兼皮膜形成用樹脂として、人体に対する安全性の観点から、特にポリビニルアルコール(PVA)とカルボキシメチルセルロース(CMC)が好ましい。
分散用兼皮膜形成用樹脂は、水100体積部に対し、5〜20体積部、より好ましくは8〜15体積部含むことが好ましい。分散用兼皮膜形成用樹脂の含有量がこの範囲であると毛髪に塗布したときに形成する皮膜が丈夫なものとなる。
本発明の染毛兼縮毛矯正剤には、染色用染料を配合して、色を変化させることができる。単層または多層カーボンナノチューブに、酸性染料、例えば、赤色2号、赤色3号、黄色4号、黄色5号、緑色3号、青色1号、青色2号、赤色201号、赤色206号、青色202号、青色203号などを結合させることができる。カーボンナノチューブを用いると黒色ではなく栗色など褐色系に染めることができる。
その他の染色用媒体としては、例えば、グアガムのような樹脂類、天然もしくは合成の油脂、脂肪酸、高級アルコ−ル等を配合することも可能である。これらを配合して、ゲル、クリ−ム、ロ−ション等種々の形態のものにすることも可能である。
また、製品安定のために酸化防止剤、防腐剤、pH調整剤等を配合することもでき。これらの物質は、単独使用でも、2種以上の併用でもよい。
また、本発明の染毛兼縮毛矯正剤にその性状の向上のためローヤルゼリーを含有させることができる。この場合、ローヤルゼリーの含有量はその効果を十分に発揮させるため、5〜30体積部とすることが好ましい。
次に、本発明の染毛兼縮毛矯正剤の製造方法について説明する。
先ず、カーボンナノチューブ(単層または多層、あるいは両方の組み合わせで良い)粉末に水を加えてミキサで所定時間攪拌して、カーボンナノチューブの水分散液を作製する。次に、分散用兼皮膜形成用樹脂をカーボンナノチューブの水分散液に加え、超音波発振器にて所定電力で、所定時間超音波を印加して超音波分散して染毛兼縮毛矯正剤を調製する。
染料を用いる場合は、あらかじめカーボンナノチューブに超音波で結合させる。色合いは染料として用いる複数の染料の色の混合割合で決める。
次に、図面を用いて、本発明の染毛兼縮毛矯正剤が毛髪に張り付く状況を説明する。図1は染毛兼縮毛矯正剤のカーボンナノチューブが液中に分散している状況を示す300倍顕微鏡写真である。写真の中で繊維状のものがカーボンナノチューブである。この写真は単層カーボンナノチューブの場合を示す。
図2は染毛兼縮毛矯正剤のカーボンナノチューブが毛髪に付着する様子を撮影した液中に分散している状況を示す1000倍の顕微鏡写真である。写真の中で一番太いものは毛髪であり、次に太い繊維は数十本の単層カーボンナノチューブが束になっている。
図3は染毛兼縮毛矯正剤のカーボンナノチューブが毛髪に付着する様子を示す300倍の顕微鏡写真である。カーボンナノチューブは毛髪にクーロン力で付着する。
図4は染毛兼縮毛矯正剤のカーボンナノチューブが毛髪に付着する様子を示す1000倍の顕微鏡写真である。カーボンナノチューブが毛髪に張り付く様子がわかる。
図5は染毛兼縮毛剤で染毛した後の毛髪を200倍で撮影した顕微鏡写真で毛髪にカーボンナノチューブが累積的に付着した状況を示す。写真のなかで白い糸状のものが白髪で、黒いものが染色された毛髪である。黒い部分はカーボンナノチューブが積み重なって層をなして毛髪を包み込んでいる。
図6は染毛した後の毛髪を300倍で撮影した顕微鏡写真で、毛髪にカーボンナノチューブが累積的に付着した状況を示している。写真の中で黒く被覆された毛髪が見える。この中では毛髪2本がまとまって被覆されている。
図7は初期の染毛での毛髪を撮影した電子顕微鏡写真である。上側の写真が200倍で、下側の写真が1100倍である。毛髪にカーボンナノチューブが付着している様子がよくわかる。キューティクルが見えている部分もあるが、繊維状のカーボンナノチューブが付着して毛髪を包み込む様子が見える。毛髪を包み込むので紫外線に対して保護する効果が大きくなるし、保湿効果も高くなり、さらに黒色に染めて太く見せる効果がでる。
図8は染毛する前の頭髪の状況を撮影した写真である。縮毛があるので髪がまとまっていない。
図9は染毛兼縮毛矯正剤を塗布した後の頭髪を示す写真である。染毛兼縮毛矯正剤を塗布して乾燥後、軽くブラッシングしている。縮毛が矯正されて直毛となっていることがわかる。
図10はカーボンナノチューブの光学特性を米国化学アカデミーが発表したデータである。カーボンナノチューブは光の広い波長帯域で、高い吸収率を示す。このデータは、黒色が深い黒色になると言うことと、紫外線の吸収効果が高いので枝毛防止効果があることを示している。
次に、本発明の実施例を示す。
実施例1
染毛兼縮毛矯正剤の染毛効果を確認するため、日本ゼオン製単層カーボンナノチューブSG−101、長さ100〜600μm〔混在〕、太さ3〜5nmのカーボンナノチューブ100ccに精製水1000ccを加えてミキサで45分間撹拌し、カーボンナノチューブの水分散液を作製した。次にCMC50g、PVA50gを前記水分散液に加え、超音波発振器にて出力600W、3時間超音波を印加して超音波分散して染毛兼縮毛矯正剤を調製した。この染毛兼縮毛矯正剤でシャンプ−した後、タオルで水分を拭き取った髪に、ブラシを用いて塗布し、20〜30分間放置した後、ヘアドライヤで乾燥させた。その後に水で洗い流したところ、髪は黒色に染まった。
なお、カーボンナノチューブの長さについては顕微鏡により測定した。
カーボンナノチューブ、水、CMC、PVAの配合量を表1に示す。
なお、毛髪を太くする作用を顕微鏡写真(図6)から確認した。図6の顕微鏡写真で毛髪に張り付いているカーボンナノチューブの膜は厚さが毛髪の10分の1程度なので、10%ほど太くする効果がある。また、カーボンナノチューブで吸湿を行い毛髪の水分を保つので、枝毛の発生を防止する。枝毛の発生原因は乾燥だけで無く、ブラッシングによる痛み、紫外線による損傷も原因となる。これらの発生原因に対してカーボンナノチューブは潤滑効果、紫外線吸収効果により枝毛の発生を防止する。
実施例2
縮毛矯正効果を確認するため、上記表1の配合で染毛兼縮毛矯正剤を実施例1と同様にして調製した。この染毛兼縮毛矯正剤を櫛に付けた後、直毛にしたい毛髪部分に塗り、20〜30分間放置し、髪を水で洗った。植物油として杏子油を髪に塗りブラッシングしたところ、図8のような縮毛が図9のように直毛となった。
実施例3
帯電防止効果を確認するため、上記記配合(表2)の染毛兼縮毛矯正剤を実施例1と同様にして調製した。キサンタンガムは毛髪にボリュームをつけるため用いた。この染毛兼縮毛矯正剤を櫛に付けた後、染毛したい白髪部分に薄く伸ばし、20〜30分間放置し、髪を水で洗った。髪は黒色に染まったので、抵抗を測定したところ、400〜500KΩであった。染毛前は800〜900KΩであったので、導電率が良くなっている。従って、静電気が外部に逃げやすくなっている。抵抗測定は直径2cm厚さ1ミリの銅板2枚の間に毛髪を挟んで直流抵抗計で行った。キサンタンガムの効果で毛髪のボリュームが増えた。キサンタンガムの代わりにアラビアゴムを用いても同じ効果がある。
実施例4
染色効果を確認するため、実施例1と同様の下記配合(表3)の染毛兼縮毛矯正剤を実施例1と同様に調製した。染料はあらかじめカーボンナノチューブに超音波で結合させた。調製した染毛兼縮毛矯正剤を櫛に付けた後、染毛したい白髪部分に薄く伸ばし、20〜30分間放置し、髪を水で洗った。髪は栗色に染まった。色合いは染料の黄色と赤色の混合割合で決まる。
カーボンナノチューブの安全性
多層カーボンナノチューブで直径が50nmのものについて発がん性が疑われている。しかし、下記のURLの記事の発表のように単層カーボンナノチューブや細い多層カーボンナノチューブについては、発がん性は確認されていない。
http://www.nanosafety.jp/tasc/others/20151207-2/
多層カーボンナノチューブの内、太さが20nm以下のものと、単層カーボンナノチューブについては無害とされている。
表4に、カーボンナノチューブの光学特性を米国アカデミーが発表したデータを示す。
図1と図2に染毛兼縮毛矯正剤のカーボンナノチューブを顕微鏡観察した写真を示すが、カーボンナノチューブは繊維状になり、人の細胞に刺さる構造をしていないので、安全と言える。

Claims (7)

  1. 水100体積部に対しカーボンナノチューブ粉末を5〜30体積部分散させたカーボンナノチューブ水分散液に、分散用兼皮膜形成用樹脂を5〜30体積部含有させてなることを特徴とする染毛兼縮毛矯正剤。
  2. 上記カーボンナノチューブが、単層カーボンナノチューブ、多層カーボンナノチューブ、又は単層カーボンナノチューブと多層カーボンナノチューブの混合物であることを特徴とする請求項1に記載の染毛兼縮毛矯正剤。
  3. 上記分散用兼皮膜形成用樹脂として、非イオン性ポリマー、カチオン性ポリマー、アニオン性ポリマー及び両性ポリマーのうちの少なくとも1種以上の高分子化合物を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の染毛兼縮毛矯正剤。
  4. 上記分散用兼皮膜形成用樹脂として、ポリビニルアルコール(PVA)又は/及びカルボキシメチルセルロース(CMC)を含むことを特徴とする請求項3に記載の染毛兼縮毛矯正剤。
  5. さらに、上記カーボンナノチューブに酸性染料が結合されていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の染毛兼縮毛矯正剤。
  6. 上記酸性染料が、赤色2号、赤色3号、黄色4号、黄色5号、緑色3号、青色1号、青色2号、赤色201号、赤色206号、青色202号及び青色203号のうちの少なくとも1種以上であることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の染毛兼縮毛矯正剤。
  7. 上記多層カーボンナノチューブの平均直径は20nm以下であることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の染毛兼縮毛矯正剤。
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