JP2019071744A - 回転電機および固定子鉄心制振構造 - Google Patents

回転電機および固定子鉄心制振構造 Download PDF

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Abstract

【課題】回転電機において、固定子の振動による騒音を低減する。【解決手段】回転電機は、ロータシャフト11と回転子鉄心12とを有する回転子と、円筒状の固定子鉄心21と固定子鉄心21内を軸方向に貫通する固定子巻線を有する固定子と、回転子鉄心12を挟んでロータシャフト11の軸方向の両側でロータシャフト11を回転可能に支持する2つの軸受を備える。固定子鉄心21は、回転子鉄心12の径方向外側に設けられ、複数の電磁鋼板22と、複数の電磁鋼板22を軸方向に締め付ける複数のクランプロッド50と、クランプロッド50と平行に配され軸方向に延びた制振構造100とを有する。制振構造100は、軸方向に延びて両端を固定された貫通管110と、貫通管110内に配された減衰要素115とを具備する。【選択図】図2

Description

本発明は、回転電機および固定子鉄心制振構造に関する。
回転電機において、回転子鉄心および固定子鉄心においては、運転中に生ずる渦電流等による鉄損が発熱の一因となり、効率の低下の要因となる。したがって、回転子鉄心および固定子鉄心それぞれの内部における電流の流れを低減することが、回転電機の効率確保の上で有効である。
このため、回転電機における回転子鉄心および固定子鉄心には、それぞれ、強磁性体製で中央に開口を有する円板状の電磁鋼板を軸方向に積層した積層鉄心構造を用いることが一般に行われている。
固定子鉄心は、空隙を介して、回転子鉄心の径方向の外側に回転子鉄心を囲むように配され、全体として円筒状に形成されている。また、固定子鉄心の径方向の内側表面には、周方向に互いに間隔をおいて配され軸方向に延びた複数のスロットが形成されている。それぞれのスロットには、固定子巻線の導体が収納されている。
このような固定子鉄心を形成するために、積層鉄心構造を構成する電磁鋼板のそれぞれには、中心の開口、各スロットに対応する凹部が形成される。軸方向に積層された電磁鋼板は、軸方向の両端に配された内側クランパおよび外側クランパにより挟まれて、全体として一体形状を維持している。
内側クランパは、積層鉄心構造に形成された互いに隣接するスロットが形成するそれぞれの歯部を抑えるために設けられており、外側クランパは、内側クランパを介して軸方向に積層された電磁鋼板を、軸方向の両側から締め付けている。
特開2000−50538号公報
回転界磁型の回転電機においては、その運転時に、磁気吸引力を有する所定の極数の回転子の回転によって、固定子が軸に垂直な方向の平面内で、楕円状に変形する円環振動が発生する(特許文献1参照)。この円環振動をもたらす電磁振動は、固定子の極間の電磁力に起因することから電源周波数の2倍の周波数を有する。
以上のように構成された回転電機においては、電磁振動により電磁騒音が発生し、現場での作業にも悪影響を及ぼす。また、電磁振動以外の原因の場合であっても、回転子の回転による振動が生じた場合は、騒音の原因となる。
そこで、本発明は、回転電機において、固定子の振動による騒音を低減することを目的とする。
上述の目的を達成するため、本発明は、軸方向に延びて回転可能に支持されたロータシャフトと、前記ロータシャフトの径方向外側に取付けられた回転子鉄心とを有する回転子と、空隙を介して前記回転子鉄心の径方向外側に前記回転子鉄心を囲むように設けられ、径方向内側に複数の歯部が形成された複数の電磁鋼板と前記複数の電磁鋼板を前記軸方向に締め付ける複数のクランプロッドと前記複数のクランプロッドと平行に配され前記軸方向に延びた制振構造とを有する円筒状の固定子鉄心と、前記固定子鉄心内を前記軸方向に貫通する固定子巻線とを有する固定子と、前記回転子鉄心を挟んで前記ロータシャフトの軸方向の両側で前記ロータシャフトを回転可能に支持する2つの軸受と、を備える回転電機であって、前記制振構造は、前記軸方向に延びて両端を固定された貫通管と、前記貫通管内に配された減衰要素と、を具備することを特徴とする。
また、本発明は、回転子と、複数の電磁鋼板および前記複数の電磁鋼板を軸方向に締め付ける複数のクランプロッドとを有する円筒状の固定子鉄心と前記固定子鉄心内を軸方向に貫通する固定子巻線とを有する固定子と、を備える回転電機の、固定子鉄心制振構造であって、前記軸方向に延びて両端を固定された貫通管と、前記貫通管内に配された減衰要素と、を具備することを特徴とする。
本発明によれば、回転電機において、固定子の振動による騒音を低減することができる。
第1の実施形態に係る回転電機の構成を示す縦断面図である。 第1の実施形態に係る回転電機の固定子鉄心およびその周辺の構成を示す上半部分縦断面図である。 第1の実施形態に係る回転電機の固定子鉄心の構成を示す軸方向から見た側面図である。 第1の実施形態に係る回転電機の固定子鉄心の一部を説明する軸方向から見た部分側面図である。 第1の実施形態に係る回転電機の固定子鉄心の制振構造の詳細を示す縦断面図である。 第2の実施形態に係る回転電機の固定子鉄心の制振構造の詳細を示す縦断面図である。 第3の実施形態に係る回転電機の固定子鉄心の制振構造を示す縦断面図である。 第4の実施形態に係る回転電機の固定子鉄心の構成を示す軸方向から見た側面図である。
以下、図面を参照して、本発明に係る回転電機および固定子鉄心制振構造について説明する。ここで、互いに同一または類似の部分には、共通の符号を付して、重複説明は省略する。
[第1の実施形態]
図1は、第1の実施形態に係る回転電機の構成を示す縦断面図である。回転電機200は、回転子10、固定子20、フレーム60、2つの軸受63、および2つの軸受ブラケット65を有する。以降、回転軸の延びる方向をZ方向、回転子の回転軸から径方向外側に向かう方向をR方向、回転子の回転方向、すなわち周方向をθ方向というものとする。
回転子10は、ロータシャフト11および回転子鉄心12を有する。ロータシャフト11は、水平方向(Z方向)に延びて、2か所をそれぞれ軸受63によって回転可能に支持されている。回転子鉄心12は、円筒状であり、ロータシャフト11の径方向(R方向)外側に取り付けられている。
固定子20は、固定子鉄心21、固定子巻線28、および複数の制振構造100を有する。固定子鉄心21は、円筒状であり、空隙18を介して、回転子鉄心12の径方向外側に回転子鉄心12を囲むように設けられている。
固定子鉄心21は、軸方向に積層された強磁性体製で中央に開口を有する円板状の複数の電磁鋼板22、これら電磁鋼板22の軸方向の両外側に設けられた2枚の内側クランパ30、2枚の内側クランパ30の軸方向のそれぞれの外側に設けられた2枚の外側クランパ40、および複数のクランプロッド50を有する。
複数のクランプロッド50は、周方向に互いに間隔をおいて配され、2枚の外側クランパ40を軸方向に貫通し軸方向外側から2枚の外側クランパ40を締め付けて、内側クランパ30を介して複数の電磁鋼板22を拘束する。
固定子巻線28は、固定子鉄心21の径方向内側に周方向に互いに間隔をおいて形成され軸方向に貫通する複数の固定子スロット23(図4)のそれぞれに収納され、固定子鉄心21の軸方向外側で互いに接続され、あるいは外部の配線と結線されている。
2つの軸受ブラケット65は、フレーム60の軸方向の両端に接続し、それぞれ、軸受63を静止支持している。
複数の制振構造100は、周方向に互いに間隔をあけて配され、固定子鉄心21を軸方向に貫通する。
図2は、固定子鉄心およびその周辺の構成を示す上半部分縦断面図である。また、図3は、固定子鉄心の構成を示す軸方向から見た側面図である。図4は、固定子鉄心の一部を説明する軸方向から見た部分側面図である。なお、図4においては、説明の都合上、外側クランパ40の図示を省略している。
内側クランパ30は、環状、すなわち径方向に拡がった円板状で中央に開口を有し、電磁鋼板22よりも軸方向に厚い平板である。内側クランパ30の外径は、積層された複数の電磁鋼板22の外径にほぼ等しく、また、内側クランパ30の中央の開口の周方向に沿って、複数の歯部押さえ部31が形成されている。複数の歯部押さえ部31のそれぞれは、積層された複数の電磁鋼板22により形成された固定子歯部24を軸方向外側から押さえている。
外側クランパ40は、環状、すなわち径方向に拡がった円板状で中央に開口を有し、電磁鋼板22よりも軸方向に厚い平板であり、内側クランパ30よりも径方向外側に拡がっている。外側クランパ40の外径は、内側クランパ30の外径よりも大きく、かつ、外側クランパ40の開口40aの径は、内側クランパ30の歯部押さえ部31の付け根部、すなわち外径が最大の部分の径よりも大きい。開口40aの縁部には、径方向内側になるほど軸方向の厚さが薄くなるようなテーパが形成されている。
複数のクランプロッド50は、前述のように周方向(θ方向)に、互いに間隔をあけて配されている。複数のクランプロッド50は、径方向(R方向)には、それぞれの中心位置が、複数の電磁鋼板22および内側クランパ30の最外部の径方向位置とほぼ同じ径方向位置に配されている。したがって、複数のクランプロッド50が軸方向(Z方向)に延びたそれぞれの位置では、外側クランパ40には貫通孔が形成されており、複数の電磁鋼板22および内側クランパ30には、それぞれ切欠き22aおよび切欠き30aが形成されている。
複数の制振構造100は、複数のクランプロッド50よりも内側の径方向位置に、互いに間隔をおいて配されている。複数の制振構造100のそれぞれは、図2に示すように、貫通管110、および貫通管110内に取り付けられた減衰要素115を有する。なお、制振構造100が、複数でなく単一の場合でもよい。減衰要素115については、図5を引用しながら後述する。
貫通管110は、中空の断面形状が一定の管であり、積層された電磁鋼板22、内側クランパ30、および外側クランパ40を軸方向(Z方向)に貫通している。それぞれの貫通管110の断面形状は、たとえば、円形、あるいは多角形、あるいはこの組み合わせである。貫通管110の両端は、外側クランパ40の軸方向外側に突出している。また、貫通管110は、その両端で、外側クランパ40に固定され、軸方向の移動を拘束されている。図2では、貫通管110の両端に、おねじが形成され、それぞれナット111と螺合し、ナット111により軸方向に締め付け、固定されている場合を例にとって示している。貫通管110の固定についてのその他の形態としては、端部を径方向に貫通するピンなどを用いてZ方向の移動を拘束してもよい。
図4に示すように、複数の電磁鋼板22が軸方向に積層されて形成されている固定子歯部24は、その軸方向の端部において、内側クランパ30の歯部押さえ部31により軸方向に拘束されている。内側クランパ30の歯部押さえ部31は、固定子スロット23側に突出しないように、固定子歯部24よりも小さく、固定子スロット23と反対側に後退している。
図5は、固定子鉄心の制振構造の詳細を示す縦断面図である。制振構造100は、前述のように固定子20の2枚の外側クランパ40、2枚の内側クランパ30、および複数の電磁鋼板22を軸方向に貫通する貫通管110と、貫通管110内に配された減衰要素115を有する。貫通管110の両端は、閉止蓋112により閉止され、内部に閉空間が形成されている。閉止蓋112は、たとえばねじ込みにより取付けされているが、その他の機械的な構造あるいは溶接によって取り付けられてもよい。
減衰要素115は、たとえば、移動可能な複数の塊状体である。塊状体の形状は、楕円体、直方体、不規則な立体等、様々な形状を用いてよく、また形状は一律である必要はなく、様々な形状の組合せを用いてよい。複数の塊状体間は、互いに滑らかに摺動するのではなく、互いに大きな摩擦等によりエネルギーを消費するものを使用する。
減衰要素115は、あるいは、移動可能な複数の塊状体に代えて、たとえば、複数の不規則な形状のロッドを捕縛して、固定子20に振動が生じた場合に、それぞれのロッドが互いに擦れ合いながらずれることにより、エネルギーを消費することでもよい。
以上のような本実施形態の構成により、固定子20に振動が生じたときに、制振構造100においては減衰要素でエネルギーが消費され、固定子20の振動による騒音を低減することができる。
[第2の実施形態]
図6は、第2の実施形態に係る回転電機の固定子鉄心の制振構造の詳細を示す縦断面図である。本実施形態は、第1の実施形態の変形である。第1の実施形態においては、減衰要素115は、移動可能な複数の塊状体であるのに対して、本第2の実施形態における減衰要素120は、機械的な要素で構成されたものである。また、本実施形態の場合は、第1の実施形態における貫通管110の閉止蓋112は必ずしも設けなくともよい。
減衰要素120は、筒状容器121、固定軸122、および可動錘123を有する。減衰要素120は、図2に示したように、貫通管110内に固定され、貫通管110の長手方向(Z方向)に延びている。減衰要素120が固定される貫通管110内の長手方向の位置は、任意の位置でよいが、回転電機200の振動のエネルギーを吸収しやすい箇所が解析等で特定できれば、そのような個所に設置する。
筒状容器121の側部121aの外面の形状は、貫通管110の内面の形状に対応した形状である。筒状容器121の貫通管110内での固定設置については、図示していないが、固定用の部材を用いて、機械的に固定する。なお、機械的な固定に代えて、溶接等により固定してもよい。
筒状容器121は、筒状に長手方向に延びた側部121a、および2つの端部121bを有する。側部121aは、長手方向に内面の形状が一定になるように形成されている。筒状容器121の2つの端部121bは、側部121aの長手方向の両端に取り付けられ、側部121aとともに密閉空間127を形成する。
固定軸122は、筒状容器121の長手方向に平行に延びて、両端は、それぞれ端部121bに固定されている。筒状容器121の断面における固定軸122の位置は、筒状容器121の断面のほぼ中央にある。
可動錘123は、内部に空洞125を有する中空の長手方向(Z方向)に延びた柱状である。可動錘123の径方向の外表面は、筒状容器121の内表面と微小なクリアランスをもって互いにスライド可能に対向している。可動錘123のZ方向の長さは、筒状容器121の内側空間のZ方向の長さより短く、筒状容器121の内側の密閉空間127を、Z方向に、第1空間127aおよび第2空間127bに分割する。
固定軸122は、可動錘123と互いにスライド可能に、可動錘123を貫通している。固定軸122の可動錘123の貫通部は、完全にシールされておらず、多少のリークがあってもよい。
可動錘123には、少なくとも1つの連通孔124が形成されている。連通孔124は、可動錘123内をZ方向に貫通している。また、連通孔124の径は、所定の寸法よりも小さく形成され、通過する流体の絞りとなっている。
可動錘123の空洞125の大きさは、後述する振動エネルギーの低減効果、あるいは減衰要素120の構造健全性を考慮して設定すればよい。空洞125は、可動錘123の室力の調整用であり、必要ない場合は設けなくともよい。
筒状容器121の内部には、流動媒体126が充填されている。すなわち、流動媒体126は、第1空間127a、第2空間127b、連通孔124、および可動錘123の内部の空洞125に充満している。流動媒体126は、たとえば粘度の高い油などの粘性流体である。
第1空間127aと第2空間127bとの間には、流動媒体126の流路130が形成されている。具体的には、連通孔124、筒状容器121と可動錘123との間のギャップ、および可動錘123と固定軸122との間のギャップが、流路130を構成する要素である。
以上のように、減衰要素120は、筒状容器121の内部に、流動媒体126の流動抵抗に抗して移動可能な可動部分である可動錘123を有する。
このように構成された減衰要素120においては、可動錘123に、Z方向に加速度αが付加された場合、あるいは、加速度のZ方向の成分がαの場合、可動錘123の質量をMとすれば、Z方向に、Mαの力が働く。このZ方向の力により、可動錘123はZ方向に移動しようとする。この結果、第2空間127b内の流動媒体126は、第1空間127a側に移動しようとする。このさいの流動媒体126の流路は、連通孔124、可動錘123と筒状容器121間のクリアランス、および可動錘123とそれを貫通する固定軸122間のクリアランスである。
なお、可動錘123の質量が大きいほど、また、第1空間127aと第2空間127bとの間を流動媒体126が移動する際の流動抵抗が大きいほど、後述する振動エネルギーの低減についての効果を有する。しかしながら、これらが大きいほど、可動錘123が減衰要素120における他の構成要素に及ぼす荷重は大きくなることから、たとえば、流動抵抗が無限大、すなわち第1空間127aと第2空間127bとの間の流路が無い場合でも減衰要素120の各要素が構造的な健全性を維持できるように構成する。あるいは、減衰要素120の各要素が構造的な健全性を維持できるような範囲に、可動錘123の質量、および流動抵抗をもたらす、たとえば流路面積などを設定する。
次に、本実施形態による作用、効果を説明する。
回転電機200の固定子鉄心21に振動が発生している場合、貫通管110も振動する。この結果、貫通管110内に設置されている減衰要素120も振動する。この際、減衰要素120内に設けられた可動錘123にZ方向の加速度が生ずると、可動錘123がZ方向に移動しようとする。
可動錘123が正のZ方向に移動しようとすれば、第2空間127b内の流動媒体126が第1空間127a側に、すなわちZ方向に負の方向に移動する。流動媒体126が流路を通過する際に流動抵抗が生じ、可動錘123の移動に対する抵抗となる。また、流動抵抗が生ずることにより、振動エネルギーの一部が熱エネルギー等に変化する。
振動現象においては、可動錘123に働く加速度が、Z方向について正の方向および負の方向と繰り返し方向が変化することから、流動媒体126の流動方向も負の方向および正の方向と方向が変化する。したがって、継続的に流動抵抗の発生による振動エネルギーの一部の熱エネルギー等への転換が行われる。この結果、回転電機200における振動が低減される。
以上のように、本実施形態によれば、固定子20の振動を低減し、振動による騒音を低減することができる。
[第3の実施形態]
図7は、第3の実施形態に係る回転電機の固定子鉄心の制振構造を示す縦断面図である。本実施形態は、第2の実施形態の変形である。
第2の実施形態においては、減衰要素120はその長手方向を、貫通管110の長手方向、すなわちZ方向にして配されているが、本第3の実施形態においては、長手方向をZ方向にして設置された貫通管110内に、複数の減衰要素120が、その長手方向を径方向(R方向)にして、Z方向に間隔をあけて互いに並列に配されている。その他の点においては、第2の実施形態と同様である。なお、必ずしも減衰要素120同士の間隔は必要なく、Z方向に互いに密着していてもよい。
本実施形態においては、減衰要素120にR方向の加速度が付加された場合に、振動のエネルギーの吸収効果が大きくなる。たとえば、固定子20の電磁振動は、典型的には、1次モードが周方向に4つの節を有する円環4節の振動となる振動であり、周方向の各位置では、径方向に径が増減する振動である。このような振動においては、本実施形態による制振構造100の機能を有効に発揮することができる。
[第4の実施形態]
図8は、第4の実施形態に係る回転電機の固定子鉄心の構成を示す軸方向から見た側面図である。本実施形態は、第1の実施形態の変形である。第1の実施形態では、制振構造100は、複数のクランプロッド50よりも径方向(R方向)の内側に設けられているが、本第4の実施形態においては、制振構造100と複数のクランプロッド50とが、同一の径方向位置において、互いに間隔をあけて配列されている。その他の点においては、第1の実施形態と同様である。
図8では、複数の制振構造100と複数のクランプロッド50とが、交互に配されている場合を示しているが、これに限定されない。すなわち、周方向に配列された複数のクランプロッド50の中に、1つあるいはクランプロッド50の数より少ない数の複数の制振構造100が配されている場合であってもよい。
また、本実施形態では、制振構造100は、クランプロッド50と同様に、2つの外側クランパ40の軸方向外側から2つの外側クランパ40を軸方向内側に締め付け可能に形成されていることでもよい。
また、本第4の実施形態の変形として、クランプロッド50に代えて、全数を、締付機能を有する制振構造100としてもよい。
以上のように構成された本第4の実施形態においては、制振構造100の径方向の位置が回転中心から遠い、すなわち径方向距離Rが大きいため、固定子20の電磁振動の振幅がより大きな場所に配されることになり、振動の低減効果が大きくなる。さらに、制振構造100が電磁鋼板22の内部に配されていないことから、固定子鉄心21内の磁束の通路を乱される程度が小さく、回転電機200の効率確保上、有利である。
[その他の実施形態]
以上、本発明の実施形態を説明したが、実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。たとえば、実施形態では、ロータシャフトが水平方向に延びた横型の回転電機の場合を例にとって示しているが、これに限定されない。ロータシャフトが鉛直方向に延びた立形の回転電機であってもよい。
また、各実施形態の特徴を組み合わせてもよい。たとえば、第3の実施形態特徴、すなわち減衰要素120がその長手方向を径方向(R方向)にして配されている点と、第4の実施形態の特徴、すなわち制振構造100の径方向距離Rが大きいという特徴とを組み合わせてもよい。あるいは、第1の実施形態または第3の実施形態に、第4の実施形態の制振構造100がクランプロッド50と同様に締め付け可能に形成されているという特徴を組み合わせてもよい。
さらに、実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
10…回転子、11…ロータシャフト、12…回転子鉄心、18…空隙、20…固定子、21…固定子鉄心、22…電磁鋼板、22a…切欠き、23…固定子スロット、24…固定子歯部、28…固定子巻線、30…内側クランパ、30a…切欠き、31…歯部押さえ部、40…外側クランパ、40a…開口、50…クランプロッド、60…フレーム、63…軸受、65…軸受ブラケット、100…制振構造、110…貫通管、111…ナット、112…閉止蓋、115、120…減衰要素、121…筒状容器、121a…側部、121b…端部、122…固定軸、123…可動錘、124…連通孔、125…空洞、126…流動媒体、127…密閉空間、127a…第1空間、127b…第2空間、130…流路、200…回転電機

Claims (7)

  1. 軸方向に延びて回転可能に支持されたロータシャフトと、前記ロータシャフトの径方向外側に取付けられた回転子鉄心とを有する回転子と、
    空隙を介して前記回転子鉄心の径方向外側に前記回転子鉄心を囲むように設けられ、径方向内側に複数の歯部が形成された複数の電磁鋼板と前記複数の電磁鋼板を前記軸方向に締め付ける複数のクランプロッドと前記複数のクランプロッドと平行に配され前記軸方向に延びた制振構造とを有する円筒状の固定子鉄心と、前記固定子鉄心内を前記軸方向に貫通する固定子巻線とを有する固定子と、
    前記回転子鉄心を挟んで前記ロータシャフトの軸方向の両側で前記ロータシャフトを回転可能に支持する2つの軸受と、
    を備える回転電機であって、
    前記制振構造は、
    前記軸方向に延びて両端を固定された貫通管と、
    前記貫通管内に配された減衰要素と、
    を具備することを特徴とする回転電機。
  2. 前記貫通管は、両端を閉止蓋により閉止され、前記貫通管と前記閉止蓋は閉空間を形成し、前記減衰要素として、前記閉空間に配された移動可能な複数の塊状体を収納することを特徴とする請求項1に記載の回転電機。
  3. 前記減衰要素は、
    長手方向に延びて内部に流動媒体が充填され、前記貫通管に固定された筒状容器と、
    前記筒状容器内を前記長手方向に移動可能で前記筒状容器内の空間を前記長手方向に第1空間と第2空間とに分割する可動錘と、
    を有し、
    前記第1空間と前記第2空間との間には、前記流動媒体の流路が形成されている、
    ことを特徴とする請求項1に記載の回転電機。
  4. 前記長手方向は、前記固定子鉄心の径方向に沿った方向であることを特徴とする請求項3に記載の回転電機。
  5. 前記制振構造は、前記複数のクランプロッドと同じ径方向位置に設けられていることを特徴とする請求項3または請求項4に記載の回転電機。
  6. 前記制振構造は、前記複数の電磁鋼板を軸方向に締め付け可能に形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載の回転電機。
  7. 回転子と、複数の電磁鋼板および前記複数の電磁鋼板を軸方向に締め付ける複数のクランプロッドとを有する円筒状の固定子鉄心と前記固定子鉄心内を軸方向に貫通する固定子巻線とを有する固定子と、を備える回転電機の、固定子鉄心制振構造であって、
    前記軸方向に延びて両端を固定された貫通管と、
    前記貫通管内に配された減衰要素と、
    を具備することを特徴とする固定子鉄心制振構造。
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