JP2019070206A - 複合糸及びこれを含む織編物 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の課題は、優れた耐スナッグ性を有し、意匠性の高い製品を提供可能な複合糸を提供することにある。【解決手段】本発明に係る複合糸は、引張強度が10cN/dtex以上の高強力繊維を含む芯部と、前記芯部の周囲に巻きつけられる被覆糸と、を有し、前記被覆糸の単糸繊度が1.2dtex以上10.0dtex以下であり、前記被覆糸のカバリング係数が7000以上20000以下であることを特徴とする。【選択図】図2−1

Description

本発明は、優れた耐スナッグ性を有し、意匠性の高い製品を提供可能な複合糸に関するものである。
快適なスポーツウェアやアウトドアウェアには、高引裂強力、耐擦過性、軽量性、伸縮性等が求められる。一般に、伸縮性と高引裂強力を備える織物には、芯糸に弾性糸、鞘糸にポリアミド繊維のようなマルチフィラメント糸をカバリングした複合糸が使用される。
例えば、特許文献1には、こうした弾性糸とマルチフィラメント糸との複合糸を改良した発明として、鞘糸にアラミド繊維のような高機能フィラメント糸の捲縮糸を用いる複合糸が開示されている。一方、アラミド繊維に代表される高強力繊維は、一般的に難染性であり、これに対処した例として、特許文献2には、アルカリ剤で処理された後、染色が施されるアラミド繊維が開示されている。
特開2007−9378号公報 特開2013−204210号公報
しかし、特許文献1に示されるように、高強力繊維は一般的に単糸繊度が細く擦過されると、毛羽立ちや単糸切れを起こしやすい。そのため、特許文献1に示される複合糸では、耐スナッグ性が不十分である。また、例えば、岩のような鋭利な物体との間で強い擦過が生じると、単糸繊度が細い高強力繊維は容易に破壊されてしまうため、高強力繊維を鞘に用いる複合糸では、耐擦過摩耗性は到底満足できるものではない。
また特許文献2に示されるように、高強力繊維は染色が容易でないため、意匠性を高めるためには、顔料を練り込んだ原着糸を使用する必要がある。しかし原着糸では色の制約が大きい。また高強力繊維は染色が難しく、染色後も高強力繊維は白く見えるため、鞘に高強力繊維を用いる複合糸では、染色された地糸と白い高強力繊維の見え方の違いを利用したチェック柄、ストライプ調(縦縞)、ボーダー調(横縞)の生地が主流であり、デザインの自由度は低かった。
こうした状況下、本発明の課題は、優れた耐スナッグ性を有し、意匠性の高い製品を提供可能な複合糸を提供することにある。
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、引張強度が10cN/dtex以上の高強力繊維を含む芯部と、前記芯部の周囲に巻きつけられる被覆糸と、を有し、前記被覆糸の単糸繊度が1.2dtex以上10.0dtex以下であり、前記被覆糸のカバリング係数が7000以上20000以下である複合糸であれば、優れた耐スナッグ性を有し、意匠性の高い製品を提供可能な複合糸となることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明に係る複合糸は以下の点に要旨を有する。
[1] 引張強度が10cN/dtex以上の高強力繊維を含む芯部と、
前記芯部の周囲に巻きつけられる被覆糸と、を有し、
前記被覆糸の単糸繊度が1.2dtex以上10.0dtex以下であり、
前記被覆糸のカバリング係数が7000以上20000以下である複合糸。
[2] 前記被覆糸の総繊度が100dtex以上700dtex以下である[1]記載の複合糸。
[3] 複合糸中、前記高強力繊維の含有率が、繊度比で10%以上50%以下である[1]または[2]記載の複合糸。
[4] 前記高強力繊維の外周面の90%以上が、前記被覆糸によって覆われている[1]〜[3]のいずれか1項に記載の複合糸。
[5] 前記芯部が、更に弾性糸を含む[1]〜[4]のいずれか1項に記載の複合糸。
[6] 前記芯部の形態が、前記高強力繊維と前記弾性糸の引き揃え糸、前記弾性糸の周囲に前記高強力繊維が巻きついたカバリング糸、または前記高強力繊維と前記弾性糸の合撚糸である[5]記載の複合糸。
[7] 前記弾性糸がポリウレタン繊維である[5]または[6]記載の複合糸。
[8] 前記被覆糸の撚係数が1000未満である[1]〜[7]のいずれか1項に記載の複合糸。
[9] 前記高強力繊維の撚係数が1500以上6500以下であり、
前記被覆糸の撚係数が1000以上8000以下である[1]〜[7]のいずれか1項に記載の複合糸。
[10] 前記高強力繊維がポリエチレン繊維であり、
前記被覆糸がポリアミド繊維である[1]〜[9]のいずれか1項に記載の複合糸。
[11] [1]〜[10]のいずれか1項に記載の複合糸を含み、
JIS L 1058 D−3法に基づき測定されるスナッグの等級が4級以上であり、
JIS L 1096 8.17D法(ペンジュラム法)に基づく引裂強力40N以上である織編物。
[12] [1]〜[10]のいずれか1項に記載の複合糸を含み、耐擦過摩耗性が3級以上である織編物。
[13] JIS L 1096 8.16B法(定荷重法)に基づく伸び率が7%以上400%以下である[11]または[12]に記載の織編物。
[14] [11]〜[13]のいずれか1項に記載の織編物を含む繊維製品。
本発明によれば、優れた耐スナッグ性を有し、意匠性の高い製品を提供可能な複合糸が得られる。更に構成を適宜変更することで、耐擦過摩耗性や伸縮性にも優れた複合糸が提供される。
図1−1は、目剥きのある複合糸の表面写真である。 図1−2は、目剥きのある織物の表面写真である。 図1−3は、図1−2の目剥きのある織物を本願実施例に示す手順に基づき耐擦過摩耗性を評価した後の状態を示す。 図2−1は、本発明の複合糸の表面写真である。 図2−2は、図2−1の複合糸を含む織物の表面写真である。 図2−3は、図2−2の織物を本願実施例に示す手順に基づき耐擦過摩耗性を評価した後の状態を示す。 図3は、芯部の形態が高強力繊維と弾性糸の引き揃え糸の場合の概略図を表す。 図4は、芯部の形態が弾性糸の周囲に高強力繊維が巻きついたカバリング糸の場合の概略図を表す。 図5−1は、本発明の複合糸の製造工程の一例を示す概略図である。 図5−2は、本発明の複合糸の製造工程の他の例を示す概略図である。 図6は、実施例14で採用した編物の組織と糸配置を表す図である。
本発明に係る複合糸は、
引張強度が10cN/dtex以上の高強力繊維を含む芯部と、
前記芯部の周囲に巻きつけられる被覆糸と、を有し、
前記被覆糸の単糸繊度が1.2dtex以上10.0dtex以下であり、
前記被覆糸のカバリング係数が7000以上20000以下である点に特徴を有する。
本発明者らが検討したところ、従来の構成に反して、高強力繊維を芯部に配置し、その周囲を所望の単糸繊度及びカバリング係数を有する被覆糸で巻きつけたことで、高強力繊維の単糸切れを抑制し、耐スナッグ性、更には耐擦過摩耗性に優れた複合糸が提供されることが分かった。また、高強力繊維を芯部に配置したことにより、染色後の生地において、高強力繊維だけが白く見える現象を抑制でき、高強力繊維を含みながらも、無地調、杢調、絣調等、同系色で構成される生地が提供される。以下、本発明について詳述する。
以降、「目剥き」とは、高強力繊維の少なくとも一部が複合糸の外表面に露出する現象をいう(図1−1参照;白く光って見える部分が目剥きした高強力繊維1である)。前述の通り、高強力繊維は一般的に難染性であるから、製品を染色しても、目剥きした部分だけは白く浮き上がって見えてしまう(図1−2参照;白く光って見える部分が目剥きした高強力繊維1である)。そのため目剥きが多いと、意匠性の高い製品の提供が難しく、また製品の外観が悪くなりやすい。更に目剥き部分では単糸繊度の低い高強力繊維が露出しているため、鋭利な物体によって高強力繊維が容易に擦過されてしまう(図1−3参照;目剥きした高強力繊維1が他の糸よりも先に擦過されることが分かる)。特に、弾性糸(任意成分)と高強力繊維を含む複合糸では、伸ばした複合糸を開放した際に、弾性糸の復元率と高強力繊維の復元率の違いから、高強力繊維が容易に複合糸の外側に露出するため、目剥きの現象は顕著である。
一方、本発明の複合糸は、芯部に高強力繊維を配置し、被覆糸のカバリング係数を所定の範囲内に調整しているため、目剥きの現象が大幅に抑えられる。図2−1には、本発明の複合糸の表面写真を示すが、図1−1とは異なり目剥きが発生していないことが分かる。この複合糸を含む製品では目剥きの発生が少なく(図2−2参照;図1−2と異なり白く光る部分が殆ど観察されない)、また耐スナッグ性や耐擦過摩耗性にも優れることが分かる(図2−3参照;図1−3と異なり白く光る部分が殆ど観察されない)。そのため目剥きを減らすことが、意匠性の高い製品の提供、及び優れた耐スナッグ性の観点から重要と言える。
以降、「芯部」とは、複合糸の径方向で、単糸繊度が1.2dtex以上10.0dtex以下且つカバリング係数が7000以上20000以下の被覆糸よりも内側にある糸またはその集合体を表すこととする。
<1.高強力繊維>
芯部に含まれる高強力繊維とは、一般的な繊維よりも強度が高い繊維をいい、具体的には引張強度が10cN/dtex以上の繊維である。前記引張強度は、好ましくは13cN/dtex以上、より好ましくは16cN/dtex以上、更に好ましくは20cN/dtex以上であり、好ましくは40cN/dtex以下、より好ましくは38cN/dtex以下、更に好ましくは35cN/dtex以下である。高強力繊維を使用することにより、引裂強力の高い織編物を提供しうる複合糸となる。高強力繊維の引張強度は、例えば、JIS L 1013 8.5.1:2010に基づき測定される。
高強力繊維の切断伸度は特に限定されないが、好ましくは7.0%以下、より好ましくは6.5%以下、更に好ましくは6.0%以下であり、下限は特に限定されないが、好ましくは0.1%以上、より好ましくは1.0%以上である。高強力繊維の切断伸度を前記範囲に調整することで、引裂強力の高い織編物を提供しうる複合糸となり好ましい。高強力繊維の切断伸度は、例えば、JIS L 1013 8.5.1:2010に基づき測定される。
高強力繊維としては、東洋紡社製「イザナス(登録商標)」、「ツヌーガ(登録商標)」に代表される高強力ポリエチレン繊維;帝人社製「テクノーラ(登録商標)」、東レ・デュポン社製「ケブラー(登録商標)」に代表されるパラ系アラミド繊維;クラレ社製「ベクトラン(登録商標)」に代表される高強力ポリアリレート繊維;東洋紡社製「ザイロン(登録商標)」に代表されるポリパラフェニレンベンズオキサゾール(PBO)繊維;クラレ社製「クラロン(登録商標)KII」に代表されるポリビニルアルコール系繊維;等が例示される。高強力繊維としては、軽量な高強力ポリエチレン繊維が好ましい。
高強力繊維は、モノフィラメントまたはマルチフィラメントのいずれでもよい。複合糸を高強度としながら、糸のしなやかさも付与するため、高強力繊維はマルチフィラメントが好ましい。
高強力繊維の総繊度は、好ましくは20dtex以上、より好ましくは50dtex以上、更に好ましくは90dtex以上であり、好ましくは700dtex以下、より好ましくは550dtex以下、更に好ましくは440dtex以下である。高強力繊維の総繊度が前記範囲内であれば、強度に優れた複合糸が得られやすく、更に高強力繊維の周囲に被覆糸を巻きつけやすくなるため、耐スナッグ性や耐擦過摩耗性に優れた複合糸が提供される。特に高強力繊維の総繊度が200dtex以下、より好ましくは180dtex以下、更に好ましくは150dtex以下であれば、複合糸の耐擦過摩耗性が格段に向上するため好ましい。
また高強力繊維の単糸繊度は、好ましくは0.3dtex以上、より好ましくは0.5dtex以上、更に好ましくは0.8dtex以上であり、好ましくは3.0dtex以下、より好ましくは2.5dtex以下、更に好ましくは2.0dtex以下である。高強力繊維の単糸繊度が前記範囲内であれば、本発明の複合糸を含む製品は、毛羽立ちが少なく、柔らかな風合を有することができる。
高強力繊維は、生糸または捲縮糸のいずれでもよく、目剥きの発生を抑える点からは、捲縮糸、とりわけ仮撚加工糸が好ましい。一方、捲縮糸(特に仮撚加工糸)は、捲縮加工による強度低下や毛羽立ちの問題を有する場合があるため、高強力繊維の強度特性を活かす観点からは、高強力繊維は生糸(非捲縮糸)が好ましい。
高強力繊維は、無撚糸或いは撚糸のいずれでもよいが、耐スナッグ性や耐擦過摩耗性を高める観点からは、高強力繊維は好ましくは撚糸である。
高強力繊維が撚糸の場合、高強力繊維の撚係数は、好ましくは1500以上、より好ましくは2000以上、更に好ましくは2500以上であり、好ましくは6500以下、より好ましくは5500以下、更に好ましくは4500以下である。ダブルカバリング時のボビン駆動部とベルト間のスリップによる撚り斑、製織工程での張力変動により生じる組織的な屈曲等、製造上の問題により複合糸には外観では判別しづらい小さな目剥きが生じる場合がある。たとえ小さな目剥きであっても、擦過により単糸切れが発生すると、最終的に糸の切断に発展する場合があるため、高強力繊維として撚糸を用いることで、こうした単糸切れの発生を抑制することができる。また複合糸が擦過されると、高強力繊維が露出し、更に擦過される虞があるため、こうした擦過に対する耐性を高めるため、高強力繊維の撚係数は前記範囲が好ましい。撚係数の求め方は実施例の欄に詳述する。
高強力繊維の加撚方向は、S方向またはZ方向のいずれでもよい。高強力繊維の拘束力が高まり、耐スナッグ性や耐擦過摩耗性が向上することから、被覆糸(被覆糸が2本の場合は内側被覆糸)の加撚方向またはカバリング方向とは逆が好ましい。
高強力繊維は、原着糸であってもよい。原着糸とは、紡糸前の原液の段階で顔料や染料などの着色剤を混合することにより、着色された原糸である。高強力繊維の色は特に限定されず、黒色、紺色等、用途に応じて適宜調整される。着色剤を含む高強力繊維としては、4重量%以下(好ましくは0.01重量%以上)の顔料を含む原着糸が好ましい。
複合糸中、高強力繊維の含有率は、繊度比(高強力繊維の総繊度/複合糸の総繊度)で、好ましくは10%以上、より好ましくは15%以上、更に好ましくは20%以上であり、好ましくは50%以下、より好ましくは40%以下、更に好ましくは35%以下である。高強力繊維の含有率が前記範囲内であれば、複合糸が高価になることを防止でき、また被覆糸で高強力繊維の周囲を綺麗に被覆できるため、目剥きの抑制に繋がる。
また芯部は、実質的に高強力繊維と、必要に応じて用いられる弾性糸から構成されていることが好ましい。芯部に前記高強力繊維及び前記弾性糸以外の第三繊維が含まれてもよいが、高強力繊維及び必要に応じて用いられる弾性糸が含まれる混率は、芯部100重量%中に好ましくは80重量%以上、より好ましくは90重量%以上、更に好ましくは95重量%以上であり、特に好ましくは99重量%以上である。
<2.被覆糸>
被覆糸は、芯部の周囲に巻きつけられる糸である。前記被覆糸は、モノフィラメントまたはマルチフィラメントのいずれでもよいが、芯部の表面を容易に被覆できるため、マルチフィラメントが好ましい。
被覆糸の単糸繊度は、1.2dtex以上、より好ましくは2.0dtex以上、更に好ましくは2.5dtex以上であり、10.0dtex以下、より好ましくは8.0dtex以下、更に好ましくは6.0dtex以下である。被覆糸の単糸繊度が前記範囲を下回ると、耐スナッグ性や耐擦過摩耗性に優れた複合糸を形成し難くなる。一方、被覆糸の単糸繊度が前記範囲を上回ると、被覆糸で芯部の周囲を巻きつけ難くなるため好ましくない。
カバリング係数とは、芯部に巻かれる被覆糸の巻き回数(カバリング数)と、被覆糸の総繊度から導かれる芯部に対する被覆の度合を客観的に評価する指標である。具体的な求め方は実施例の欄に詳述するが、被覆糸のカバリング係数は、7000以上、より好ましくは11000以上、更に好ましくは15000以上であり、20000以下、より好ましくは19000以下、更に好ましくは18000以下である。カバリング係数が前記範囲を下回ると、高強力繊維を含む芯部が被覆糸により十分に被覆されず、複合糸の表面に露出する高強力繊維の面積が大きくなり、耐擦過摩耗性や耐スナッグ性の悪化に繋がる虞がある。一方、カバリング係数が前記範囲を上回ると、芯部への拘束力が強過ぎて複合糸が棒状になり、伸縮性を有する製品を提供し難くなるため好ましくない。
被覆糸の総繊度は、好ましくは100dtex以上、より好ましくは150dtex以上、更に好ましくは180dtex以上であり、好ましくは700dtex以下、より好ましくは600dtex以下、更に好ましくは450dtex以下である。被覆糸の総繊度が前記範囲内であれば、安価で軽量性を有する複合糸が得られる。
なお被覆糸の総繊度は、複合糸を解き、芯部を被覆する全ての糸の合計繊度を指し、被覆糸が2本以上のときはこれらの合計で評価する。また被覆糸の総繊度の評価に際しては、撚り縮み率は含まれないこととする。
被覆糸と高強力繊維の繊度比(高強力繊維の総繊度/被覆糸の総繊度)は、好ましくは0.10以上、より好ましくは0.20以上、更に好ましくは0.30以上であり、好ましくは0.90以下、より好ましくは0.80以下、更に好ましくは0.70以下、より更に好ましくは0.60以下である。繊度比が前記範囲内であれば、被覆糸により高強力繊維の外周面の大半を被覆できるようになるため、耐擦過摩耗性や耐スナッグ性に優れた複合糸が提供される。なお、前記繊度比の値が大きくなるほど、使用に伴い、高強力繊維が被覆糸の外側に露出しやすくなる。そのため、前記繊度比の値は小さい程、目剥きを抑制でき、耐スナッグ性や耐擦過摩耗性を向上できるため好ましい。
被覆糸を構成する繊維は特に限定されず、例えば、ナイロン6繊維、ナイロン66繊維等のポリアミド繊維;ポリエチレンテレフタレート繊維、ポリブチレンテレフタレート繊維等のポリエステル繊維;等が好ましく、これらの繊維は1種又は2種以上を組み合わせて用いられる。中でも、被覆糸は、染色が容易で、耐摩耗性が得られやすいポリアミド繊維から構成されることが好ましく、より好ましくはナイロン6繊維またはナイロン66繊維である。特に、高強力繊維として高強力ポリエチレン繊維を選択する場合には、染色加工で温度制約があることから、被覆糸はナイロン6または常圧カチオン可染ポリエステルが好ましい。
前記ポリアミド繊維を構成する樹脂の相対粘度は、好ましくは2.5以上、より好ましくは2.7以上、更に好ましくは2.9以上であり、好ましくは4.5以下、より好ましくは4.2以下、更に好ましくは4.0以下である。
被覆糸を構成する繊維の断面形状は、丸断面または異型断面のいずれでもよい。異型断面の場合、耐擦過摩耗性の観点から異型度は低いことが望ましく、異型度は1.2〜2.5が好ましい。異型断面としては、三角形などの多角形断面;Y字、十字、六葉、八葉等の多葉断面;等が例示される。
被覆糸は、伸縮性または非伸縮性のいずれでもよい。複合糸に伸縮性が要求される場合は、複合糸は伸縮性が好ましく、伸縮性が要求されない場合は非伸縮性が好ましい。伸縮性被覆糸としては、種々の伸縮加工された被覆糸が好ましく、中でも仮撚加工された捲縮性被覆糸が好ましい。仮撚加工の方式は特に限定されず、フリクションタイプ、PINタイプ等、一般的な方法が採用できる。また仮撚加工に供する糸は、POY(Partially Oriented Yarn)、FDY(Fully Draw Yarn)など、用途に応じて適宜選択するとよい。
複合糸に適度な伸縮性を付与するため、伸縮性被覆糸の伸縮復元率は、被覆糸を構成する繊維の種類に関わらず、好ましくは15%以上、より好ましくは20%以上、更に好ましくは25%以上であり、好ましくは40%以下、より好ましくは37%以下、更に好ましくは35%以下である。なお伸縮性被覆糸の伸縮復元率は、例えば、JIS L 1013 8.12:2010に基づき測定される。
被覆糸は、無撚糸或いは撚糸のいずれでもよい。製品に適度な伸縮性を付与するためには、撚係数が1000未満、より好ましくは100以下、更に好ましくは10以下、特に好ましくは0の被覆糸が好ましい。
一方、耐スナッグ性・耐擦過摩耗性を高める観点からは、被覆糸は、撚係数が好ましくは1000以上、より好ましくは2000以上、更に好ましくは2500以上であり、好ましくは8000以下、より好ましくは6500以下、更に好ましくは4500以下の撚糸である。撚係数が前記範囲内であれば、複合糸の表面が摩擦や擦過により摩耗されても糸が容易に解けず、高強力繊維が外表面に露出することを抑制できる。
なお、被覆糸は芯部の拘束力に影響し、芯部(特に高強力繊維)の拘束力を高めるため、被覆糸の撚係数は、高強力繊維の撚係数よりも高いほど好ましい。被覆糸の撚係数が高まることで、より強固に高強力繊維が固定され、目剥きの問題が抑制されて耐スナッグ性・耐擦過摩耗性に優れた複合糸が提供される。
また被覆糸が撚糸のとき、被覆糸の加撚方向は、S方向またはZ方向のいずれでもよい。また被覆糸のカバリング方向は、被覆糸の加撚方向と同じでも逆でもよい。被覆糸の収束性を上げ、複合糸の耐スナッグ性・耐擦過摩耗性を向上させる観点から、被覆糸のカバリング方向と被覆糸の加撚方向は同じが好ましい。
被覆糸の引張強度は、好ましくは1.0cN/dtex以上、より好ましくは2.5cN/dtex以上、更に好ましくは4.0cN/dtex以上であり、好ましくは8.0cN/dtex以下、より好ましくは6.5cN/dtex以下、更に好ましくは6.0cN/dtex以下である。被覆糸の引張強度が前記範囲内であれば、単糸切れを防止でき、本発明の複合糸を含む製品では、引裂強力や耐スナッグ性・耐擦過摩耗性が良好となる。被覆糸の引張強度は、例えば、JIS L 1013 8.5.1:2010に基づき測定される。
被覆糸の切断伸度は、好ましくは20%以上、より好ましくは22%以上、更に好ましくは25%以上であり、好ましくは52%以下、より好ましくは43%以下、更に好ましくは40%以下である。被覆糸の切断伸度が前記範囲内であれば、本発明の複合糸を含む製品では、引裂強力や耐スナッグ性・耐擦過摩耗性が良好となる。被覆糸の切断伸度は、例えば、JIS L 1013 8.5.1:2010に基づき測定される。
被覆糸は、用途に応じて、酸化チタン(好ましい含有率は4.0重量%以下)、顔料、紫外線吸収剤、紫外線散乱剤、抗菌剤、帯電防止剤、酸化防止剤等を含有してもよい。
1本の複合糸中、被覆糸は1本以上であればよく、1本または2本である。被覆糸が2本以上(好ましくは2本)のとき、芯部に直接巻きつけられる被覆糸を、以降、「内側被覆糸」と称し、内側被覆糸によって被覆されている芯部の周囲に、更に巻きつけられる被覆糸を、以降、「外側被覆糸」と称す。
内側被覆糸と外側被覆糸の総繊度は、同一であっても、異なっていてもよい。外側被覆糸と内側被覆糸の繊度比(外側被覆糸の総繊度/内側被覆糸の総繊度)は、好ましくは0.7以上、より好ましくは0.8以上、更に好ましくは0.9以上であり、好ましくは1.5以下、より好ましくは1.3以下、更に好ましくは1.2以下である。内側被覆糸は、芯部の拘束力に影響するため、芯部(特に高強力繊維)の拘束力を高めるため、内側被覆糸の総繊度は大きいほど好ましい。一方、外側被覆糸は、耐スナッグ性及び耐擦過摩耗性に影響するため、外側被覆糸の総繊度は大きいほど好ましい。これらのバランスを考慮すると、外側被覆糸と内側被覆糸の繊度比は、前記範囲が適している。
内側被覆糸と外側被覆糸で撚係数が異なる場合は、内側被覆糸で高強力繊維を強く拘束し、耐スナッグ性及び耐擦過摩耗性を向上するため、内側被覆糸の撚係数を外側被覆糸の撚係数よりも大きくするとよい。撚係数の比(内側被覆糸の撚係数/外側被覆糸の撚係数)は、好ましくは0.7〜1.3、より好ましくは0.8〜1.2、更に好ましくは0.9〜1.1である。
内側被覆糸と外側被覆糸のカバリング方向は、同じでも逆でもよいが、高強力繊維の拘束力が高まり、耐スナッグ性や耐擦過摩耗性が向上すること、またカバリング糸の解舒トルクを弱めることから、内側被覆糸のカバリング方向と、外側被覆糸のカバリング方向は逆が好ましい。
複合糸中、高強力繊維と被覆糸の含有率は、繊度比で、好ましくは60%以上、より好ましくは70%以上、更に好ましくは80%以上、より好ましくは85%以上、更に好ましくは95%以上、特に好ましくは100%であり、98%以下であってもよい。複合糸が実質的に高強力繊維と被覆糸から構成されることで、高強度で耐スナッグ性・耐擦過摩耗性に優れた複合糸が提供される。
<3.弾性糸>
高強力繊維が含まれる芯部には、更に弾性糸が含まれていてもよい。弾性糸の存在により、複合糸に伸縮性を付与することが可能となる。ここで弾性糸とは、一般的な繊維よりも弾性が高い繊維をいい、具体的には、切断伸度が400%以上850%以下(より好ましくは750%以下)の合繊フィラメントである。前記弾性糸の引張強度は、好ましくは0.7〜1.3cN/dtex(より好ましくは0.8〜1.2cN/dtex)が好ましく、200%伸張時の回復率は80%以上が好ましい。
なお、弾性糸の引張強度及び切断伸度は、例えば、JIS L 1013 8.5.1:2010に基づき測定される。さらに、200%伸張時の回復率はJIS L 1013 8.5.1:2010に準じて定速伸長形で200%伸張後、伸張時と等速で戻し、応力が0になった伸張率Aを求め、(200−A)×100/200で算出する。
芯部に弾性糸が含まれる場合、芯部は高強力繊維と弾性糸を含む複合糸となり、このとき芯部の形態は特に限定されず、高強力繊維と弾性糸の引き揃え糸;弾性糸の周囲に高強力繊維が巻きついたカバリング糸;高強力繊維と弾性糸の合撚糸;等が好ましい。図3には、芯部の形態が高強力繊維11と弾性糸13の引き揃え糸の場合の概略図を、図4には芯部の形態が弾性糸13の周囲に高強力繊維11が巻きついたカバリング糸の場合の概略図を示す。それぞれ、複合糸14が内側被覆糸12aと外側被覆糸12bから構成されているが、本発明はこれに限定されるものではなく、複合糸は1本でもよい。本発明では、特に耐擦過摩耗性が改善されることから、芯部は、高強力繊維と弾性糸の引き揃え糸が好ましい。
弾性糸を構成する繊維は特に限定されず、ポリウレタン繊維、ポリブチレンテレフタレート(PBT)繊維、ポリトリメチレンテレフタレート繊維(PTT)、ポリエステル及び/又はナイロン繊維による各種コンジュゲート繊維等が例示されるが、複合糸に十分な伸縮性と回復性を付与し易いことから、ポリウレタン繊維が好ましい。
弾性糸は、モノフィラメントまたはマルチフィラメントのいずれでもよい。
また、弾性糸の総繊度は特に限定されないが、好ましくは10dtex以上、より好ましくは15dtex以上、更に好ましくは20dtex以上であり、好ましくは110dtex以下、より好ましくは80dtex以下、更に好ましくは60dtex以下である。弾性糸の総繊度が前記範囲内であれば、本発明の複合糸を含む製品を軽量に且つ高伸縮に仕上げることが可能となる。
また弾性糸の単糸繊度は、好ましくは3dtex以上、より好ましくは5dtex以上、更に好ましくは8dtex以上であり、好ましくは50dtex以下、より好ましくは40dtex以下、更に好ましくは30dtex以下である。弾性糸の単糸繊度が前記範囲内であれば、単糸切れのない複合糸が得られる。
芯部に弾性糸が含まれる場合、高強力繊維と弾性糸の含有量は、繊度比(高強力繊維の総繊度:弾性糸の総繊度)で、好ましくは50:50〜99:1、より好ましくは60:40〜95:5、更に好ましくは65:35〜90:10である。高強力繊維と弾性糸の含有率が前記範囲内にあれば、伸縮性と高強度を有する複合糸が提供される。
<4.複合糸>
本発明に係る複合糸の形態は、例えば、高強力繊維を含む芯部とし、被覆糸を鞘部とする、芯鞘構造のカバリング糸;前記芯部と、前記被覆糸とから構成される合撚糸;等が好ましく、目剥き防止の観点からは芯鞘構造のカバリング糸が好ましい。また、目剥きを抑制するために、高強力繊維の外周面の90%以上(より好ましくは95%以上、更に好ましくは98%以上、特に好ましくは100%)は、被覆糸によって覆われていることが望ましい。高強力繊維の外周を被覆糸で覆うことで、高強力繊維が外側に露出しがたくなり、染色斑を抑えられることから、無地調の織編物が得られやすくなる。合撚糸では、高強力繊維が被覆糸の外周面に配置される場合もあることから、無地調の織編物は得られにくい傾向にある。
複合糸の総繊度は、好ましくは120dtex以上、より好ましくは150dtex以上、更に好ましくは200dtex以上であり、好ましくは700dtex以下、より好ましくは600dtex以下、更に好ましくは500dtex以下である。複合糸の総繊度が前記範囲内であれば、軽量な製品が得られやすくなる。
<5.複合糸の製造方法>
本発明の複合糸は、カバリング機、撚糸機(例えば、ダブルツイスター機)等により製造できる。例えば、カバリング機を用いる場合には、具体的には、図5−1に示すように、チーズまたはパーン21から高強力繊維11を送り出し、中空スピンドル24の真中に高強力繊維11を通し、前記中空スピンドル24に設置された被覆糸(例えば、12a、12b)が巻かれたボビン(例えば、27a、27b)を回転させることによって、高強力繊維11の周囲に被覆糸を巻きつけ、複合糸14を製造することができる。被覆糸が内側被覆糸12aと外側被覆糸12bから構成されるときには、内側被覆糸12aが巻かれたボビンA27aと、外側被覆糸12bが巻かれたボビンB27bを用意し、ボビンA27aをボビンB27bよりも上流側の中空スピンドル24に設置して、各被覆糸を高強力繊維11の周囲に巻きつけるとよい。
芯部に弾性糸13が含まれる場合は、芯部の形態によって製造方法が異なる。例えば、図5−2に示すように、芯部の形態が高強力繊維11と弾性糸13の引き揃え糸の場合には、弾性糸13をドラフトゾーン28でドラフトしながら高強力繊維11と引き揃えて供給するとよい。弾性糸のドラフト率は特に限定されず、好ましくは1.5〜4.0、より好ましくは2.0〜3.5である。またドラフトゾーン28では、エプロンローラの使用も可能である。
芯部の形態が、弾性糸13の周囲に高強力繊維11が巻きついたカバリング糸や、高強力繊維11と弾性糸13の合撚糸の場合には、別工程で作製した弾性糸と高強力繊維のカバリング糸や合撚糸を、図5−1の高強力繊維11に変えて供給することで、複合糸が製造される。別工程でカバリング糸を製造する場合、ボビンから高強力繊維が解舒する際に、張力変動が不可避的に生じ、またベルトのスリップによって高強力繊維の撚り斑が発生することがある。そうすると、被覆糸で巻きつける際に均一な被覆性が得られず、目剥きが生じる虞があるため、本発明では、製造上の観点からも芯部の形態は高強力繊維と弾性糸の引き揃え糸が好ましい。
製造された糸は、必要に応じて、スナール抑制のためのエージング、真空スチームセット(例えば、60〜70℃で20〜40分間)等が施されてもよい。
<6.織編物>
前記複合糸を含む織編物も本発明に包含される。本発明の複合糸を含む織編物は、耐スナッグ性が良好であり、例えば、織編物のJIS L 1058 D−3法に基づき測定されるスナッグの等級は、好ましくは4級以上であり、織編物の経方向または緯方向のいずれか一方、もしくはこの両方が前記範囲を満たすことが望ましい。級数が上がる程、岩、枝、ファスナー等による引っ掛けに対し耐性が上がる。なお、耐スナッグ性の評価方法は、実施例の欄に詳述する。
また織編物の耐擦過摩耗性は、好ましくは3級以上、より好ましくは4級以上であり、織編物の経方向または緯方向のいずれか一方、もしくはこの両方が前記範囲を満たすことが望ましい。耐擦過摩耗性の評価は、前記耐スナッグ性の評価よりも厳しいが、本発明によれば、岩のような鋭利な物体との繰り返しの擦過があっても損傷が小さく、これまでにない実用的な織編物が提供される。
また織編物のJIS L 1096 8.17D法(ペンジュラム法)に基づく引裂強力は、好ましくは40N以上、より好ましくは50N以上、更に好ましくは55N以上であり、好ましくは150N以下、より好ましくは140N以下、更に好ましくは130N以下であり、織編物の経方向または緯方向のいずれか一方、もしくはこの両方が前記範囲を満たすことが望ましい。織編物の引裂強力が前記範囲内であれば、例えば、岩のような鋭利な物体との強い擦過により、製品が破れることがなく好ましい。
更に織編物に伸縮性が要求される場合、例えば、織編物のJIS L 1096 8.16B法(定荷重法)に基づく伸び率は、好ましくは7%以上、より好ましくは10%以上、更に好ましくは15%以上であり、上限は特に限定されず、好ましくは400%以下、より好ましくは300%以下であり、織物の場合は特に40%以下である。伸び率が前記範囲内であれば、織編物を衣料用に用いた場合でも、身体の動きが阻害されることがない。本発明では、織編物の経方向または緯方向のいずれか一方、もしくはこの両方が前記範囲を満たすことが望ましい。
織物の構成は、特に限定されず、平織(ドビー織、パナマ織)、綾織、繻子織など、要求されるデザイン等に応じて適宜選択するとよく、中でも平坦な生地外観を呈する平織が好ましい。
織物では、本発明の複合糸は、経糸または緯糸のいずれか一方、もしくはこの両方として使用できる。また織物は、本発明の複合糸のみから構成されてもよいが、本発明の複合糸と他の糸と組み合わせて交織されてもよい。組み合わせることのできる糸としては、耐スナッグ性・耐擦過摩耗性の観点から、撚糸、カバリング糸、交絡糸等のように、糸が集束されているものが好ましい。また交織される糸の素材は特に限定されないが、該糸は、上述した高強力繊維、被覆糸、弾性糸を構成する各素材から形成されるとよい。
織物が、本発明の複合糸と他の糸と組み合わせて交織されるとき、交織される糸の繊度や素材を変えることで、前記複合糸は、地糸としても柄糸(地糸に一定間隔ごとに打ち込まれる糸;織柄を強調する)としても使用できる。例えば、本発明の複合糸を柄糸として用い、柄糸間隔が1.5〜10mm(好ましくは2.0〜5.0mm)となるように調整して製織すると、引裂強力の高い織物が製造されるため好ましい。
また織物のカバーファクターは特に限定されないが、好ましくは1600以上、より好ましくは1650以上、更に好ましくは1700以上であり、好ましくは2700以下、より好ましくは2600以下、更に好ましくは2500以下である。カバーファクターが前記範囲内であれば、軽量な織物となる上、糸が密に詰まった織物となるため、耐スナッグ性や耐擦過摩耗性が良好なものとなる。織物のカバーファクター(CF)は、下記式に基づき計算できる。
CF=T×(DT)1/2+W×(DW)1/2
[式中、TおよびWは織物の経密度および緯密度(本/2.54cm)を示し、DTおよびDWは織物を構成する経糸および緯糸の太さ(dtex)を示す。]
織機としては、エアジェット織機、ウォータージェット織機、レピア織機等、用途に応じて適宜選択するとよい。また、一重ビームとするか、二重ビームとするかは、用途に応じて適宜選択できる。
編物は、本発明の複合糸のみから構成されてもよいが、本発明の複合糸と他の糸と組み合わせて交編されてもよい。組み合わせることのできる糸は、織物の場合と同様である。
編物の組織も特に限定されず、天竺、フライス、モックロディ等の丸編;ハーフトリコット等の経編;等、要求されるデザイン等に応じて適宜選択するとよい。また前記丸編は、シングルニットまたはダブルニットのいずれでもよい。
編物のウェール密度は、好ましくは15〜50個/2.54cm、より好ましくは20〜40個/2.54cmであり、コース密度は、好ましくは15〜40個/2.54cm、より好ましくは20〜40個/2.54cmである。ウェール密度、コース密度がそれぞれ前記範囲内であれば、軽量且つ密な編物となり、耐スナッグ性や耐擦過摩耗性が良好なものとなる。
織編物の目付は、好ましくは100〜500g/m2、より好ましくは200〜400g/m2である。
製造された織編物は、用途に応じて染色してもよい。染色工程において、使用される染色機は特に限定されるものではないが、例えば、ジッカー染色機、液流染色機、ビーム染色機等が好ましく用いられる。染料は被覆糸の素材に合わせて適宜選択するとよい。
織編物には、仕上げ加工として、柔軟処理、帯電防止処理、撥水処理、ウレタン樹脂によるコーティング加工やラミネート加工等を、単独でまたは組み合わせて行うとよい。柔軟剤としては、シリコン系柔軟剤が好ましい。
<用途>
本発明は、更に前記織編物を含む繊維製品も包含する。本発明の複合糸は高強力繊維を含むため、繊維製品としては高引裂強力が要求される用途、例えば、スポーツウェア、アウトドアウェア(シャツ、パンツ)、ジャケット、雨衣、防護用作業着等の衣料;手袋;靴;鞄;等に好ましく適用される。また本発明の複合糸は、耐スナッグ性・耐擦過摩耗性に優れるため、スキーやスノーボードのエッジから脚を守るスキー用パンツ、レッグプロテクター;転倒時の手・腕・脚の擦過から保護するサイクリングウェア;岩場で擦過から保護する登山用パンツ、登山靴;磯で貝殻が付着した岩場を移動したり、岩場に座ったりするため、岩場での引っ掻きから保護する釣り用の雨衣;等、高い耐擦過摩耗性が要求される用途に特に好ましく用いられる。
また本発明によれば、高強力繊維を含みながらも、無地調、杢調、絣調等、同系色で構成される生地も提供される。例えば、スキー用パンツのレッグ保護など、織編物をパーツで使用しても、従来にはない新しい色調や意匠性を製品に付与することができる。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
<1.カバリング数>
JIS L 1095 C.10.4 もろより糸:2010 に準ず。
<2.カバリング係数>
カバリング係数は、
カバリング係数={カバリング数(t/m)}×{総繊度(dtex)}1/2
に基づき算出する。
なお、被覆糸が2本の場合は、外側被覆糸のカバリング数と総繊度を用いて算出する。
<3.DT撚数>
JIS L 1095 9.15.1 JIS法 A法:2010に準ず。
<4.撚係数>
撚り係数は、
撚係数={DT撚数(t/m)}×{総繊度(dtex)}1/2
に基づき算出する。
<5.引張強度>
JIS L 1013 8.5.1:2010に準ず。
<6.切断伸度>
JIS L 1013 8.5.1:2010に準ず。
<7.伸縮復元率>
JIS L 1013 8.12:2010に準ず。
<8.耐擦過摩耗性>
JIS L 0849 9.2:2010に示される摩擦試験機II形(学振形)を使用し、摩擦用白綿布に変えて、研磨布(理研コランダム社製「AA−40」)を用いて、荷重4.9N、摩耗回数10回で試験を行った。試験後の状態を、下記表に基づき評価した。経及び緯を各n=3で測定し、最も悪い試料の成績を採用する。なお評価においては、織編物の表面が擦過されて高強力繊維が露出していても、高強力繊維の単糸切れがない場合は、「高強力繊維の毛羽立ちなし」と評価する。また織編物の裂けに関しては、試料1個中に2ヵ所以上あるものを1級、1ヶ所あるものを2級、ないものを3級以上の区分とした。
<9.耐スナッグ性>
JIS L 1058 D−3法;2011に準ず。操作時間は5時間である。試験後の評価は、「耐擦過摩耗性」の評価で使用した表に基づく。但し、経緯別に級判定する。
<10.引裂強力>
JIS L 1096 8.17D法(ペンジュラム法):2010に準ず。
<11.伸縮性>
JIS L 1096 8.16B法(定荷重法):2010に準ず(荷重;1.4N、時間;1分間、測定方向;緯方向)。
<12.総合評価>
織編物の総合評価は、以下の基準に基づいて行った。
「合格」;耐スナッグ性が経緯4級以上、引裂強力が経緯40N以上の全てを満たす織編物を合格とした。
「不合格」;耐スナッグ性が経緯4級以上、引裂強力が経緯40N以上の要件のうち、1つでも満たさない織編物は不合格とした。
実施例及び比較例で使用した糸を表1にまとめる。なお、ナイロン6捲縮糸は、いずれも、丸断面、レジンRV:3.0、フリクション仮撚糸である。
実施例1
<糸の作製>
経方向・緯方向で使用される柄糸及び地糸は、以下の方法で作製した。
経方向の柄糸(1);芯部をZ方向に300t/mの撚りを有する高強力ポリエチレン繊維(東洋紡社製「イザナス(登録商標)」)とし、カバリング機を用い、該高強力ポリエチレン繊維の周囲に、S方向に300t/mの撚りを有するナイロン6捲縮糸をS方向に1400t/mとなるように巻きつけ、更にその周囲にZ方向に300t/mの撚りを有するナイロン6捲縮糸をZ方向に1400t/mとなるように巻きつけて、ダブルカバリング糸(DCY)を得た。
経方向の地糸(2);ナイロン6捲縮糸(156dtex/48f)を2本引き揃えて312dtex/96fとしたものを、ダブルツイスター機を用いてZ方向に650t/mで施撚して、撚糸を得た。
緯方向の柄糸(3);ドラフト率2.5%でドラフトされたポリウレタン糸に、別ガイドから導かれたZ方向に300t/mの撚りを有する高強力ポリエチレン繊維(東洋紡社製「イザナス(登録商標)」)を引き揃えたものを芯部とすること以外は、上記経方向の柄糸(1)と同様にしてDCYを得た。
緯方向の地糸(4);芯部をドラフト率3.0%でドラフトされたポリウレタン糸とし、カバリング機を用い、該ポリウレタン糸の周囲に、Z方向に300t/mの撚りを有するナイロン6捲縮糸を2本引き揃えたもの(312dtex/96f)を、Z方向に650t/mとなるように巻きつけて、シングルカバリング糸(SCY)を得た。
<織物の作製>
仕上げ後、表に示す密度・柄サイズとなるように、二重ビームのエアジェット織機と上記糸を用いて平組織の織物を製織した。得られた生機を、83℃の浴中、拡布状で連続精練した後、シリンダー乾燥することなくジッガー染色機のビームに巻上げ、ジッガー染色機で酸性染料(黒色)を用い、染色加工を行った。染色加工後の生機を脱水乾燥後、撥水剤含有溶液に浸漬させ、マングルで絞った後、120℃で40秒間のキュアセットを行い、織物を得た。得られた織物の外観は、平坦で無地調であった。
実施例2
表に示すように、糸(1)、(3)〜(4)において、無撚りの高強力ポリエチレン繊維及びナイロン6捲縮糸を用いること以外は、実施例1と同様にして織物を作製した。
実施例3
表に示すように、糸(1)〜(4)において、156dtex/48fのナイロン6捲縮糸を120dtex/30fのナイロン6捲縮糸に変え、DT撚数、カバリング数及び織物の密度等を、表に示す条件に変更したこと以外は、実施例1と同様にして織物を得た。得られた織物は、若干の凹凸を有する無地調の織物であった。
実施例4
ナイロン6捲縮糸(33dtex/10f、黒原着)とナイロン6捲縮糸(78dtex/24f)とのエア混繊交絡糸(110dtex/34f)を作製した。表に示すように、糸(1)及び(3)において、156dtex/48fのナイロン6捲縮糸を、前記エア混繊交絡糸に変え、糸(2)及び(4)のナイロン6捲縮糸を、前記エア混繊交絡糸の2本引き揃えに変えた。更に染色加工での酸性染料を淡色グレー色に変更し、その他は表に示す条件に従って織物を得た。得られた織物は、グレー杢調のナチュラルな外観を呈した。
実施例5
カバリング機を用い、ドラフト率2.5%のポリウレタン糸の周囲に、Z方向に300t/mの撚りを有する高強力ポリエチレン繊維をS方向に650t/mとなるように巻きつけたSCYを作製した。得られたSCYを芯部とし、カバリング機を用い、該芯部の周囲に、S方向に300t/mの撚りを有するナイロン6捲縮糸をS方向に1400t/mとなるように巻きつけ、更にその周囲にZ方向に300t/mの撚りを有するナイロン6捲縮糸をZ方向に1400t/mとなるように巻きつけて、DCYを得た。得られたDCYを糸(3)として使用したこと以外は、実施例1と同様にして織物を得た。得られた織物は、緯方向に絣状の外観を呈した。
実施例6
糸(1)及び(3)の高強力ポリエチレン繊維を、無撚りの高強力ポリエチレン繊維(東洋紡社製「ツヌーガ(登録商標)」)とし、糸(1)、(3)〜(4)において、無撚りのナイロン6捲縮糸を用いたこと以外は、実施例1と同様にして織物を得た。
実施例7
<糸の作製>
使用した糸は実施例2と同様である。
<編物の作製>
22ゲージ30インチのダブルニット機(福原製作所製「V−4AL」)を用いて、図6に示す組織でモックロディを編み立てた。表面及び裏面を形成する糸として、実施例2に記載の糸(1)をフィード2,3に、実施例2に記載の糸(4)をフィード5,6,8,9,11,12に用い、表と裏の繋ぎ糸として、実施例2に記載の糸(1)をフィード1,4,7,10に用いた。このとき糸長比=(フィード2,3):(フィード5,6,8,9,11,12):(フィード1,4,7,10)=1:1:2とした。得られた編地を開反したのち、実施例2と同様に染色加工を行い、織物を得た。得られた編地は、ウェール数38個/2.54cm、コース数30個/2.54cm、目付360g/m2であった。
実施例8
実施例1において、無撚りのナイロン6捲縮糸を用いて糸(1)及び糸(4)を作製し、得られた糸(1)を実施例1の柄糸(1)及び柄糸(3)として、得られた糸(4)を実施例1の地糸(4)に変えたこと以外は実施例1と同様にして織物を得た。伸縮性は実施例1より劣るが合格水準の織物であった。
比較例1
糸(1)及び糸(3)において、ナイロン6捲縮糸のカバリング数を変更したこと以外は、実施例1と同様にして織物を得た。ナイロン6捲縮糸により高強力ポリエチレン繊維が十分に被覆できなかったため、緯方向の柄糸に目剥きが発生した。また織物の耐擦過摩耗性も満足できるものではなかった。
比較例2
実施例2の糸(1)及び(3)のナイロン6捲縮糸を、110dtex/96fのナイロン6捲縮糸とし、更に糸(2)及び(4)のナイロン6捲縮糸を、110dtex/96fのナイロン6捲縮糸の3本引き揃えに変えたこと以外は、実施例2と同様の糸を用い、表に示す条件で織物を得た。織物の耐擦過摩耗性は満足できるものではなかった。
比較例3
<糸の作製>
柄糸(1)・(3);ナイロン6捲縮糸(120dtex/30f)を2本引き揃えて240dtex/60fとしたものを、ダブルツイスター機を用いてZ方向に200t/mで施撚して、撚糸を得た。
地糸(2)・(4);ナイロン6捲縮糸(120dtex/30f)を、ダブルツイスター機を用いてZ方向に300t/mで施撚して、撚糸を得た。
<織物の作製>
表に示す密度・柄サイズに変更したこと以外は、実施例1と同様にして織物を得た。得られた織物は、耐擦過摩耗性を満足できるものではなかった。
比較例4
<糸の作製>
柄糸(1)・(3);芯部をドラフト率3.0%でドラフトされたポリウレタン糸とし、カバリング機を用い、該ポリウレタン糸の周囲に、無撚りの高強力ポリエチレン繊維(東洋紡社製「イザナス(登録商標)」)を、S方向に650t/mとなるように巻きつけて、シングルカバリング糸(SCY)を得た。
地糸(2)・(4);芯部をドラフト率3.0%でドラフトされたポリウレタン糸とし、カバリング機を用い、該ポリウレタン糸の周囲に、無撚りのナイロン6捲縮糸(120dtex/30f)を、Z方向に650t/mとなるように巻きつけて、シングルカバリング糸(SCY)を得た。
<織物の作製>
ピンテンターで120℃30秒の生機セットを施した後、実施例1と同様にして織物を得た。得られた織物は、柄糸(1)・(3)の高強力ポリエチレン繊維が微細ループ状に織物表面に浮き、耐スナッグ性、耐擦過摩耗性ともに、満足できる織物ではなかった。また得られた織物では、高強力ポリチレン繊維の染色が不十分であったため、チェック柄の外観を呈した。
1,11 高強力繊維
2 被覆糸
12a 内側被覆糸
12b 外側被覆糸
13 弾性糸
14 複合糸
21 チーズまたはパーン
22 ローラ
23 ガイド
24 中空スピンドル
25 ベルト
26 スネルワイヤーガイド
27a ボビンA
27b ボビンB
28 ドラフトゾーン

Claims (14)

  1. 引張強度が10cN/dtex以上の高強力繊維を含む芯部と、
    前記芯部の周囲に巻きつけられる被覆糸と、を有し、
    前記被覆糸の単糸繊度が1.2dtex以上10.0dtex以下であり、
    前記被覆糸のカバリング係数が7000以上20000以下である複合糸。
  2. 前記被覆糸の総繊度が100dtex以上700dtex以下である請求項1記載の複合糸。
  3. 複合糸中、前記高強力繊維の含有率が、繊度比で10%以上50%以下である請求項1または2記載の複合糸。
  4. 前記高強力繊維の外周面の90%以上が、前記被覆糸によって覆われている請求項1〜3のいずれか1項に記載の複合糸。
  5. 前記芯部が、更に弾性糸を含む請求項1〜4のいずれか1項に記載の複合糸。
  6. 前記芯部の形態が、前記高強力繊維と前記弾性糸の引き揃え糸、前記弾性糸の周囲に前記高強力繊維が巻きついたカバリング糸、または前記高強力繊維と前記弾性糸の合撚糸である請求項5記載の複合糸。
  7. 前記弾性糸がポリウレタン繊維である請求項5または6記載の複合糸。
  8. 前記被覆糸の撚係数が1000未満である請求項1〜7のいずれか1項に記載の複合糸。
  9. 前記高強力繊維の撚係数が1500以上6500以下であり、
    前記被覆糸の撚係数が1000以上8000以下である請求項1〜7のいずれか1項に記載の複合糸。
  10. 前記高強力繊維がポリエチレン繊維であり、
    前記被覆糸がポリアミド繊維である請求項1〜9のいずれか1項に記載の複合糸。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の複合糸を含み、
    JIS L 1058 D−3法に基づき測定されるスナッグの等級が4級以上であり、
    JIS L 1096 8.17D法(ペンジュラム法)に基づく引裂強力40N以上である織編物。
  12. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の複合糸を含み、耐擦過摩耗性が3級以上である織編物。
  13. JIS L 1096 8.16B法(定荷重法)に基づく伸び率が7%以上400%以下である請求項11または12に記載の織編物。
  14. 請求項11〜13のいずれか1項に記載の織編物を含む繊維製品。
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