JP2019070204A - 繊維の製造方法及び溶融電界紡糸用組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】原料樹脂を帯電しやすい状態に改質し、溶融電界紡糸による紡糸安定性及び細径の繊維の生産効率の向上を可能にする繊維の製造方法、及び繊維の製造に好適に用いられる溶融電界紡糸用組成物を提供すること。【解決手段】本発明の繊維の製造方法は、熱可塑性樹脂と、イオン性界面活性剤との合計100質量部に対する、該イオン性界面活性剤の量が0.1質量部以上30質量部であり、前記イオン性界面活性剤の質量に対する、非イオン性界面活性剤の質量の比が0.1以上5以下である組成物を溶融電界紡糸する。本発明の溶融電界紡糸用組成物は、熱可塑性樹脂と、イオン性界面活性剤との合計100質量部に対する、該イオン性界面活性剤の量が0.1質量部以上30質量部であり、前記イオン性界面活性剤の質量に対する、非イオン性界面活性剤の質量の比が0.1以上5以下であるものである。【選択図】図1

Description

本発明は、繊維の製造方法に関する。また本発明は、繊維の製造に用いられる溶融電界紡糸用組成物に関する。
電界紡糸法(エレクトロスピニング法)は、機械力や熱力を使わずにナノサイズの直径の繊維(以下、ナノファイバともいう)を比較的簡単に製造できる技術として注目を浴びている。電界紡糸法では、ナノファイバの原料となる樹脂の溶液又は溶融液に高電圧を作用させて繊維を形成する。樹脂溶液を用いた電界紡糸法(以下、溶液法ともいう。)においては、樹脂溶液をシリンジに入れ、シリンジ先端に取り付けられたノズルと、ノズルから所定距離を隔てた位置に対向して設置された捕集用電極との間に高電圧を印加する。ノズルの先端から吐出された樹脂溶液は、クーロン力で延伸されるとともに溶媒が瞬時に蒸発する。溶媒が蒸発した樹脂は凝固しながら細長く引き伸ばされることによってナノファイバが形成され、捕集用電極に引き寄せられる。形成されたナノファイバは捕集用電極の表面に堆積する。この方法では、溶媒を揮発させる必要があるので、製造効率を高くすることが容易でない。また、溶媒に溶解することが容易でないポリエチレンやポリプロピレンなどの樹脂については、この方法を適用することは極めて困難である。
これに対して、樹脂溶融液を用いた電界紡糸法(以下、溶融法ともいう。)では溶媒を使用しないことから、上述した樹脂溶液を用いた場合に生じる不都合が生じない。しかし、樹脂溶融液に用いられる樹脂は一般的に帯電しにくいものであるため、高電圧を印加しても繊維を極細化しにくく、極細繊維を安定して得ることは困難であった。そこで近年、これらの問題を解決した樹脂溶融液を用いた紡糸法に関する提案が種々なされている。
特許文献1には、疎水性のポリオレフィン樹脂に有機アルキルスルホン酸金属塩を含有させて紡糸した高親水性のポリオレフィン系繊維が開示されている。このポリオレフィン系繊維は溶融紡糸することができるものであることも開示されている。
特許文献2には、樹脂を水性媒体に分散したコロイド分散液をエレクトロスピニング法によって紡糸して細径の繊維を得る方法が開示されている。
特許文献3には、熱可塑性樹脂100質量部に対して、炭素数が12〜24の飽和脂肪酸系化合物等の減粘剤を0.001〜5質量部含有してなる該樹脂を加熱溶融して溶融電界紡糸を行う方法が開示されている。
特開2000−080522号公報 特表2008−531860号公報 特開2015−178692号公報
しかし、特許文献1のポリオレフィン系繊維は、溶融電界紡糸法によって製造されたものではないので、所望の繊維径が細い繊維を得ることはできない。また、特許文献2の方法では、水性溶媒を使用していることに起因して、繊維の製造効率を高くすることが容易でない。更に、特許文献3の方法では、樹脂の減粘に起因した繊維の断裂や融着によって繊維密度が上昇し、繊維からシートを製造した際に質感や柔軟性が悪くなってしまう。
したがって、本発明の課題は、原料樹脂を帯電しやすい状態に改質し、溶融電界紡糸による紡糸安定性及び細径の繊維の生産効率の向上を可能にする繊維の製造方法、及び繊維の製造に好適に用いられる溶融電界紡糸用組成物を提供することにある。
本発明は、熱可塑性樹脂と、イオン性界面活性剤との合計100質量部に対する、該イオン性界面活性剤の量が0.1質量部以上30質量部であり、
前記イオン性界面活性剤の質量に対する、非イオン性界面活性剤の質量の比が0.1以上5以下である組成物を溶融電界紡糸する繊維の製造方法を提供するものである。
また本発明は、熱可塑性樹脂と、イオン性界面活性剤からなる帯電剤との合計100質量部に対する、該帯電剤の量が0.1質量部以上30質量部であり、
前記帯電剤の質量に対する、非イオン性界面活性剤からなる分散剤の質量の比が0.1以上5以下である、溶融電界紡糸用組成物を提供するものである。
本発明によれば、原料の樹脂の帯電性を高めることができるので、溶融電界紡糸によって細径繊維を高い生産効率で製造することができる。
また本発明によれば、溶融電界紡糸法の際に、原料樹脂の帯電性を高めることができる溶融電界紡糸用組成物を提供することができる。
図1は、製造装置を用いた繊維の製造方法を示す模式図である。 図2は、図1に示す製造装置を用いた帯電量の測定方法を示す模式図である。
以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき説明する。本発明の繊維の製造方法は、熱可塑性樹脂と、イオン性界面活性剤と、非イオン性界面活性剤を含む溶融電界紡糸用組成物を溶融電界紡糸法によって紡糸するものである。溶融電界紡糸法とは、高電圧が印加されている状態で繊維の原料となる樹脂の溶融液を吐出することによって、吐出された溶融液が細長く引き伸ばされ、繊維径が細い繊維を形成することができる方法である。溶融電界紡糸用組成物については後に詳述する。
本発明の繊維の製造方法は、図1に示す製造装置10によって好適に実施することができる。図1に示す製造装置10は、溶融組成物供給部10A、電極部10B、流体噴射部10C及び捕集部10Dに大別される。
製造装置10は、溶融組成物供給部10Aを備えている。溶融組成物供給部10Aは、後述する溶融電界紡糸用組成物の溶融液を吐出する吐出ノズル12と、本発明の溶融電界紡糸用組成物を供給するホッパー19とを筐体11に備えている。
筐体11では、ホッパー19から供給された溶融電界紡糸用組成物を筐体11内で加熱溶融して、溶融電界紡糸用組成物の溶融液Rとすることができる。この溶融液Rは、筐体11に設けられたスクリュー(図示せず)によって、後述する吐出ノズル12の方向に向けて溶融液Rを供給できるようになっている。
吐出ノズル12は、溶融電界紡糸用組成物の溶融液Rを電場中に吐出する部材であり、ノズルベース13と吐出ノズル先端部14とを備えている。吐出ノズル12は金属などの導電性材料から構成されている。ノズルベース13と吐出ノズル先端部14とは、絶縁性部材(図示せず)で電気的に絶縁されている。したがって、吐出ノズル先端部14に高電圧を加えても、筐体11に直接電圧が加わることが阻止される。筐体11と吐出ノズル12とは連通しており、筐体11内の溶融液Rは、吐出ノズル先端部14の吐出口から吐出できるようになっている。吐出ノズル先端部14にはアースを施してあり、接地されている。
吐出ノズル先端部14は、例えばノズルベース13に設けられたヒーター(図示せず)からの伝熱や筐体11内の溶融液Rからの伝熱によって加熱されている。吐出ノズル先端部14における溶融液Rの加熱温度は、使用する熱可塑性樹脂やイオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤の種類にもよるが、100℃以上、特に200℃以上であることが好ましく、400℃以下、特に350℃以下であることが好ましい。
製造装置10は、更に電極部10Bを備えている。電極部10Bは、吐出ノズル12と離間して対向する位置に配置された帯電電極21とこれに接続された高電圧発生装置22を備えている。
帯電電極21は吐出ノズル先端部14から所定距離を隔てた位置に、吐出ノズル先端部14と向かい合わせに離間して配置されている。この構成によって、吐出ノズル12の該先端部14と、高電圧発生装置22によって高電圧が印加された帯電電極21との間に電場を形成することができ、吐出ノズル先端部14から吐出された溶融液Rを帯電できるようになっている。帯電電極21は金属などの導電性材料で構成されているか、或いは誘電体で覆われていることが好ましい。
吐出ノズル12と帯電電極21との距離は、所望の繊維の繊維径(直径)や後述する捕集電極27への集積性に依存するが、好ましくは10mm以上150mm以下、更に好ましくは30mm以上75mm以下であることが好ましい。この範囲であると、溶融液Rが電場中で帯電しやすくなる。また吐出ノズル12と帯電電極21との間でスパークやコロナ放電が起こりにくくなり、製造装置10の動作不良が起こりにくくなる。
製造装置10は、更に流体噴射部10Cを備えている。流体噴射部10Cは、溶融組成物供給部10Aと電極部10Bとを結ぶ仮想直線の下側に、流体噴射装置23を備えている。流体噴射装置23は、溶融組成物供給部10Aと電極部10Bとの間に設けられている。
吐出ノズル先端部14の先端と帯電電極21との間には、両者を結ぶ方向と交差する方向に向けて空気流Aが流れている。この空気流Aは流体噴射装置23から噴出している。吐出ノズル先端部14から吐出された溶融液Rは、空気流Aに搬送されることによって一層極細化した繊維を形成することができる。この目的のために空気流Aとして、加熱流体である空気を用いることが好ましい。加熱された空気の温度は、溶融電界紡糸用組成物の原料の種類にもよるが、100℃以上500℃以下であることが好ましく、200℃以上400℃以下であることが更に好ましい。同様の目的のために、空気流Aを噴出させるときの流体噴射装置23の吐出口における空気流Aの流量は、50L/min以上350L/min以下であることが好ましく、150L/min以上250L/min以下であることがより好ましい。
製造装置10は、更に捕集部10Dを備えている。捕集部10Dは、捕集シート24、搬送コンベア25、高電圧発生装置26及び捕集電極27を備えている。捕集部10Dは、溶融組成物供給部10Aと電極部10Bとを結ぶ仮想直線より上側の位置であって、且つ該流体噴射部10Cと対向する位置に設けられている。捕集部10Dは、それぞれが電気的に接続されている。
捕集シート24は、空気流Aに搬送され引き延ばされて形成された繊維Fを捕集するものである。捕集シート24は、例えば長尺帯状のものとすることができる。捕集シート24は、原反ロール24aから繰り出されて搬送コンベア25に搬送される。捕集シート24は、ポリプロピレンなどの樹脂製とすることができる。
搬送コンベア25は、下流の製造工程に溶融電界紡糸繊維を搬送するものである。搬送コンベア25の内部には、溶融電界紡糸された繊維を捕集するための捕集電極27が配置されている。捕集電極27には高電圧発生装置26が接続されており、該高電圧発生装置26によって捕集電極27に高電圧が印加される。捕集電極27に高電圧が印加されることで、繊維Fは負に帯電している搬送コンベア25側に引き寄せられて捕集シート24の表面に堆積する。また捕集電極27は、高電圧発生装置26ではなく、アースに接地されていても構わない。
以上は、図1に示す製造装置10の説明であったところ、以下に製造装置10を用いた本発明の繊維の製造方法を説明する。
まず、ホッパー19に熱可塑性樹脂と、イオン性界面活性剤と、非イオン性界面活性剤とを含む溶融電界紡糸用組成物を充填し、筐体11内で溶融電界紡糸用組成物を加熱溶融する。その溶融液Rをスクリューの回転により吐出ノズル12に向けて押し出して、吐出ノズル先端部14の吐出口へ溶融液Rを供給する。
次に、吐出ノズル先端部14から溶融液Rを電場中に吐出して、電界紡糸法によって紡糸する。この電場を発生させるには、例えば吐出ノズル12の先端部14を接地するとともに、帯電電極21を高電圧発生装置22に接続して電圧を印加することによって発生させることができる。帯電した溶融液Rは帯電電極21に向けて電気的引力により引き寄せられる。その際に引力と自己反発力とから延伸を繰り返して極細繊維化する。
溶融液Rの引き延ばしを効果的に行う観点から、吐出される溶融電界紡糸用組成物の流動性指数(MFR)を、吐出ノズル先端部14の吐出口において、10g/min以上、特に100g/min以上に設定することが好ましい。流動性指数(MFR)は、JIS K 7210−1:2014に従い、例えば原料樹脂としてポリプロピレンを用いた場合は、230℃、2.16kgの荷重下に、孔径2.095mm、長さ8mmのダイを用いて測定される。
その後、更に流体噴射装置23から溶融液Rに向けて空気流Aを吹き付けることにより、吐出ノズル先端部14から吐出された溶融液Rから一層極細の繊維を生成させながら搬送する。吐出ノズル先端部14から吐出された溶融液Rは、帯電電極21に到達する前に空気流Aに搬送されることで、その飛翔方向が変化するとともに、溶融液Rが引き延ばされて極細化され固化することによって、繊維Fを生成する。溶融液Rから生成した繊維Fは、空気流Aによって搬送されるとともに、捕集電極27に生じている電気的引力により引き寄せられ、捕集シート24の表面に堆積する。
本発明の製造方法おいて吐出ノズル12から吐出された溶融液Rは、電場中に吐出されることに起因して、高い電荷を帯びている。溶融液Rへの帯電量は、電界紡糸によって繊維を極細化する観点から、2000nC/g以上とすることが好ましく、3000nC/g以上とすることが更に好ましく、5000nC/g以上とすることが一層好ましく、9000nC/g以上とすることが更に一層好ましい。溶融液Rへの帯電量は高ければ高いほど好ましい。この範囲の帯電量は、溶融電界紡糸用組成物中のイオン性界面活性剤及び非イオン性界面活性剤の量を後述する範囲とすることで容易に達成することができる。溶融液Rへの帯電量は、例えば後述する実施例の方法で測定される。
溶融液Rを十分に帯電させる観点から、吐出ノズル12と帯電電極21又は捕集電極27との間に印加する印加電圧は、好ましくは−100kV以上−5kV以下、更に好ましくは−80kV以上−10kV以下である。印加電圧がこの範囲であると、溶融液Rが良好に帯電しやすくなり、繊維径の細い繊維の生産効率を一層高めることができる。また吐出ノズル12と帯電電極21又は捕集電極27との間でスパークやコロナ放電が起こりにくくなり、装置の動作不良が起こりにくくなる。
このように製造された繊維は、吐出ノズル12から捕集シート24までの間で、連続した1本の繊維と考えられる。仮に、製造の条件や周囲の環境等によって、一時的に繊維が切断したとしても、すぐに切断した繊維どうしが接触するようになり、結果として極細繊維は、吐出ノズル12から捕集シート24までの間で、あたかも連続した1本の繊維になっていると考えられる。この繊維は、熱可塑性樹脂と、イオン性界面活性剤と、非イオン性界面活性剤とを含む溶融電界紡糸用組成物を原料として紡糸されたものであり、溶融電界紡糸による変質は実質的にないので、原料である溶融電界紡糸用組成物の組成と、製造物である繊維の組成は実質的に同一である。
本発明によれば、溶融電界紡糸法を実施する条件に応じて様々な繊維径及び繊維長の繊維を製造することができる。特に、ナノファイバと呼ばれる繊維径が極めて細い繊維を製造することができる。本発明の繊維の繊維径は、その繊維径を円相当直径で表した場合、10nm以上10μm以下であることが好ましく、10nm以上3μm以下であることがより好ましく、10nm以上1μm以下であることが更に好ましい。また、本発明の繊維の繊維長は、10mm以上であることが好ましく、50mm以上であることがより好ましく、100mm以上であることが更に好ましい。
溶融電界紡糸繊維の繊維径及び繊維長は、例えば走査型電子顕微鏡(SEM)観察による二次元画像から溶融電界紡糸繊維の塊、溶融電界紡糸繊維の交差部分、ポリマー液滴といった欠陥を除いた繊維を任意に10本選び出し、繊維の長手方向に直交する線を引いたときの長さを繊維径とし、繊維の長手方向の長さを繊維長として直接読み取ることで測定することができる。
本発明によって得られた繊維は、それを集積させた繊維の成形体として各種の目的に使用することができる。成形体の形状としては、シート状体、綿状体、糸状体などが挙げられる。繊維の成形体は他のシートと積層したり、各種の液体、微粒子、ファイバなどを含有させたりして使用してもよい。溶融電界紡糸法によって紡糸された繊維のシート状体は、長繊維や短繊維として織布や不織布などの繊維製品として利用でき、例えば医療目的や、美容目的、装飾目的等の非医療目的でヒトの肌、歯、歯茎、毛髪、非ヒト哺乳類の皮膚、歯、歯茎、枝や葉等の植物表面等に付着されるシートとして好適に用いられる。また、高集塵性でかつ低圧損の高性能フィルタ、高電流密度での使用が可能な電池用セパレータ、高空孔構造を有する細胞培養用基材等としても好適に用いられる。溶融電界紡糸繊維の綿状体は防音材や断熱材等として好適に用いられる。上述の用途以外に、電磁波シールド材、生体人工器材、ICチップ、有機EL、太陽電池、エレクトロクロミック表示素子、光電変換素子などに用いることもできる。
以上は、本発明の繊維の製造方法に関する説明であったところ、以下に本発明の繊維の製造に好適に用いられる溶融電界紡糸用組成物について説明する。本発明の溶融電界紡糸用組成物は、上述のとおり、熱可塑性樹脂と、イオン性界面活性剤と、非イオン性界面活性剤とを含むものである。
本発明の溶融電界紡糸用組成物は、熱可塑性樹脂を含む。本発明において用いることのできる熱可塑性樹脂としては、溶融電界紡糸において繊維形成性を有するものを用いることが好ましい。また融点を有する樹脂を用いることが好ましい。融点を有する樹脂とは、示差走査熱量測定法(DSC法)において、樹脂を加熱していったときに、該樹脂が熱分解する前に、固体から液体へ相変化することに起因する吸熱ピークを示す樹脂のことである。
熱可塑性樹脂としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−α−オレフィンコポリマー等のポリオレフィン樹脂;ポリエチレンテレフタレート及びポリブチレンテレフタレート、ポリ乳酸、液晶ポリマー(Liquid Crystal Polymer)等のポリエステル樹脂;ナイロン6及びナイロン66等のポリアミド樹脂;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン及びポリスチレン等のビニル系ポリマー;ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸及びポリメタクリル酸エステル等のアクリル系ポリマー;ポリ酢酸ビニル、ポリ酢酸ビニル−エチレン共重合体;などが挙げられる。これらの樹脂は一種を単独で、又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
これらの熱可塑性樹脂のうち、繊維の工業生産性の向上及び製造コスト低減の観点から、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−α−オレフィンコポリマー等のポリオレフィン樹脂を用いることが好ましい。特に本発明の溶融電界紡糸用組成物は、溶液法による電界紡糸が行えないポリオレフィン樹脂を含む場合であっても、溶融法による電界紡糸を好適に行うことができる点で有利である。
本発明の溶融電界紡糸用組成物は、熱可塑性樹脂に加えて、イオン性界面活性剤を含む。本発明におけるイオン性界面活性剤は、一般的に疎水性である熱可塑性樹脂を改質し、電場中で高い帯電量を発現させるための帯電剤として用いられる。熱可塑性樹脂の帯電量をより向上させる観点から、吐出時の溶融電界紡糸用組成物の温度以下の温度に融点を持つ化合物であることが好ましい。
イオン性界面活性剤としては、カチオン性界面活性剤、両イオン性界面活性剤及びアニオン性界面活性剤が挙げられる。これらのイオン性界面活性剤のうち、一種を単独で使用してもよい。また、これらのイオン性界面活性剤は、同一のイオン性を有する界面活性剤であれば、二種以上を組み合わせて使用してもよい。例えば、本発明の溶融電界紡糸用組成物は、イオン性界面活性剤として、カチオン性界面活性剤どうしを複数使用してもよく、両イオン性界面活性剤どうしを複数使用してもよく、アニオン性界面活性剤どうしを複数使用してもよい。
カチオン性界面活性剤としては、例えば脂肪酸エステルアミン塩、脂肪酸アミドアミン塩、尿素縮合アミン塩、イミダゾリン塩等のアミン塩型カチオン界面活性剤や、テトラアルキルアンモニウム塩、トリアルキルベンジルアンモニウム塩、第四級アンモニウム有機酸塩、脂肪酸アミド型第四級アンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩等の第四級アンモニウム塩型カチオン界面活性剤等が挙げられる。これらの塩としては、例えばCl、Brなどのハロゲン化塩や、アセチル化塩等が挙げられる。これらの中でも、より高い帯電量を得られるという観点から、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムエチル硫酸塩、1−メチルイミダゾリウムエチル硫酸塩、ココアルキルビス(ヒドロキシエチル)メチルエトキシル化過塩素酸塩、1−ドデカンアミン−N−エチル−N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)エチル硫酸塩等が好ましい。
両イオン性界面活性剤としては、例えばアルキルグルタミン酸、アルキル−β−アラニン、又はそれらの塩等のアミノ酸型両イオン性界面活性剤、アルキルベタイン等のベタイン型両イオン性界面活性剤等のカルボン酸塩型両イオン性界面活性剤や、硫酸エステル塩型両イオン性界面活性剤、スルホン酸塩型両イオン性界面活性剤、リン酸エステル塩型両イオン性界面活性剤等が挙げられる。具体的には、ステアリルベタインやラウリルベタイン等が挙げられる。
アニオン性界面活性剤としては、カルボン酸塩型アニオン性界面活性剤、リン酸エステル塩型アニオン性界面活性剤、スルホ基を有するアニオン性界面活性剤が挙げられる。
カルボン酸塩型アニオン界面活性剤としては、例えばカプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、エルカ酸等の炭素数8〜22の飽和又は不飽和の脂肪酸と、Li、Na、Mg,K、Ca、Ba、Zn等の金属との塩や、ポリオキシエチレンアルキルエーテルカルボン酸塩、アルキルヒドロキシエーテルカルボン酸塩等が挙げられる。これらの中でもより高い帯電量を得られるという観点から、ラウリン酸亜鉛、ラウリン酸カルシウム、ミリスチン酸亜鉛、パルミチン酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸ナトリウムが好ましい。
リン酸エステル塩型アニオン界面活性剤としては、例えばアルキルリン酸エステル塩、アルキルエーテルリン酸エステル塩、ジチオリン酸エステル塩等が挙げられる。具体例としては、ラウリルリン酸ナトリウム、ラウリルリン酸ジナトリウム、ラウリルリン酸カリウム、ラウリルリン酸ジカリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸ジナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸カリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸ジカリウム、ミリスチルリン酸、ミリスチルリン酸ナトリウム、ミリスチルリン酸ジナトリウム、ミリスチルリン酸カリウム、ミリスチルリン酸ジカリウム、ポリオキシエチレンミリスチルエーテルリン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンミリスチルエーテルリン酸ジナトリウム、ポリオキシエチレンミリスチルエーテルリン酸カリウム、ポリオキシエチレンミリスチルエーテルリン酸ジカリウム、セチルリン酸ナトリウム、セチルリン酸ジナトリウム、セチルリン酸カリウム、セチルリン酸ジカリウム、ポリオキシエチレンセチルエーテルリン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンセチルエーテルリン酸ジナトリウム、ポリオキシエチレンセチルエーテルリン酸カリウム、ポリオキシエチレンセチルエーテルリン酸ジカリウム、ステアリルリン酸ナトリウム、ステアリルリン酸ジナトリウム、ステアリルリン酸カリウム、ステアリルリン酸ジカリウム、ポリオキシエチレンステアリルエーテルリン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンステアリルエーテルリン酸ジナトリウム、ポリオキシエチレンステアリルエーテルリン酸カリウム、ポリオキシエチレンステアリルエーテルリン酸ジカリウム等が挙げられ、帯電性の観点から、ラウリルリン酸ナトリウム、ラウリルリン酸ジナトリウム、ラウリルリン酸カリウム、ラウリルリン酸ジカリウム、ステアリルリン酸ナトリウム、ステアリルリン酸ジナトリウム、ステアリルリン酸カリウム、ステアリルリン酸ジカリウムが好ましい。
スルホ基を有するアニオン性界面活性剤としては、スルホン酸塩型アニオン性界面活性剤、硫酸エステル型アニオン性界面活性剤、カルボン酸/スルホン酸塩型アニオン性界面活性剤が挙げられる。
本発明においては、上述したイオン性界面活性剤の中でも、アニオン性界面活性剤を用いることが好ましく、スルホ基を有するアニオン性界面活性剤であることがより好ましく、スルホン酸塩型アニオン性界面活性剤であることが一層好ましい。このようなイオン性界面活性剤を用いることによって、溶融電界紡糸法による電界紡糸の際に溶融液の帯電性が高まり紡糸性を向上させることができ、より細径の繊維を効率よく製造することができる。
本発明の溶融電界紡糸用組成物は、原料樹脂の帯電性の向上に起因して紡糸性を一層高める観点から、イオン性界面活性剤として、スルホン酸塩型アニオン性界面活性剤であるアルキルスルホン酸塩を含むことがより一層好ましい。本発明における「アルキルスルホン酸塩」とは、構造中の末端にアルキル基を有し、且つ構造中の任意の位置にスルホン酸塩基を有する有機スルホン酸塩のことを指す。
本発明のアルキルスルホン酸塩としては、例えばアルキルベンゼンスルホン酸塩(R−Ph−SOM)、α−スルホ脂肪酸エステル(R−CH(−SOM)−COOCH)、α−オレフィンスルホン酸塩(R−CH=CH−(CH−SOM、R−CH(−OH)(CH−SOM)、アシルタウリン塩(R−CO−NH−(CH−SOM)、アシルアルキルタウリン塩(R−CO−NH(−R’)−(CH−SOM)、アルカンスルホン酸塩(R−SOM)、アシルイセチオン酸塩(R−CO−O−(CHCH)−SOM)などが挙げられる。
これらのアルキルスルホン酸塩において、Rは直鎖又は分枝鎖のアルキル基を表し、その炭素数は好ましくは8以上22以下、更に好ましくは10以上20以下、一層好ましくは12以上18以下である。R’もまた直鎖又は分枝鎖のアルキル基を表し、その炭素数は好ましくは5以下である。Phは、置換されていてもよいフェニル基を表す。Mは一価の陽イオンを表し、好ましくは金属イオンであり、更に好ましくはナトリウムイオンである。nは、好ましくは6以上24以下、更に好ましくは8以上22以下、一層好ましくは10以上20以下の数を表す。これらのアルキルスルホン酸塩は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせた混合物として用いてもよい。
溶融電界紡糸用組成物の帯電量を安定的に高め、紡糸性をより一層向上させる観点から、これらのアルキルスルホン酸塩のうち、アルカンスルホン酸塩(R−SOM)、アルキルベンゼンスルホン酸塩(R−Ph−SOM)、アシルイセチオン酸塩(R−CO−O−(CHCH)−SOM)、アシルアルキルタウリン塩(R−CO−NH(−R’)−(CH−SOM)を用いることが好ましく、アルカンスルホン酸塩(R−SOM)を用いることがより好ましく、アルカンスルホン酸ナトリウム(R−SONa)を用いることが一層好ましい。特にアルカンスルホン酸ナトリウム(R−SONa)を用いることによって、少ない添加量でも安定的に溶融電界紡糸を行うことができ、細い繊維径を有する繊維を効率よく紡糸することができる。帯電量の測定方法については後述する実施例にて詳述する。
同様の観点から、アルキル基の炭素数の異なる二種以上のアルカンスルホン酸塩(R−SOM)の混合物を用いることも好ましい。アルカンスルホン酸塩(R−SOM)には、主鎖構造の末端にスルホン酸塩基が結合している第一級アルカンスルホン酸塩と、主鎖構造の途中にスルホン酸塩基が結合している第二級アルカンスルホン酸塩とが存在するところ、溶融電界紡糸用組成物を更に一層安定的に帯電させられる点から第二級アルカンスルホン酸塩を用いることが好ましく、アルキル基の炭素数の異なる二種以上の第二級アルカンスルホン酸塩を組み合わせた混合物を用いることが一層好ましい。アルキル基の炭素数の異なる二種以上のアルカンスルホン酸塩(R−SOM)の混合物を用いる場合は、少なくとも一種にアルカンスルホン酸ナトリウム(R−SONa)を用いることが一層好ましい。
本発明の溶融電界紡糸用組成物を溶融電界紡糸法に用いた場合において、熱可塑性樹脂と混合するイオン性界面活性剤の量は、電界紡糸に適した帯電量を溶融状態の溶融電界紡糸用組成物に付与する観点から、熱可塑性樹脂とイオン性界面活性剤との合計100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上、更に好ましくは0.5質量部以上、一層好ましくは1質量部以上、更に一層好ましくは5質量部以上である。また、電界紡糸によって繊維を極細化する観点から、好ましくは30質量部以下、より好ましくは25質量部以下、一層好ましくは20質量部以下である。また、熱可塑性樹脂と混合するイオン性界面活性剤の量は、熱可塑性樹脂とイオン性界面活性剤との合計100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上30質量部以下、更に好ましくは0.5質量部以上25質量部以下、一層好ましくは1質量部以上20質量部以下、更に一層好ましくは5質量部以上20質量部以下である。つまり、本発明の溶融電界紡糸用組成物は、熱可塑性樹脂を主体とする樹脂組成物である。
この範囲でイオン性界面活性剤を含むことによって、溶融電界紡糸用組成物の帯電量を十分に高めることができ、溶融電界紡糸法における紡糸性の向上及び繊維径の細い繊維を得ることができる。また、紡糸性の向上に起因して、より多量の溶融電界紡糸用組成物を繊維化することができ、更には細径繊維の生産効率を向上させることができる。一方、熱可塑性樹脂とイオン性界面活性剤との合計100質量部に対して、イオン性界面活性剤を30質量部を超えて含む場合には、溶融電界紡糸用組成物に占める樹脂の割合が少なくなることから、極細繊維を安定して得にくくなる。
本発明の溶融電界紡糸用組成物は、熱可塑性樹脂及びイオン性界面活性剤に加えて、非イオン性界面活性剤を含む。本発明における非イオン性界面活性剤は、イオン性界面活性剤を熱可塑性樹脂中に分散させ、電場中での帯電量をより高く発現させるための分散剤として用いられるものである。
本発明者は、熱可塑性樹脂の帯電量を更に高めるために種々検討したところ、驚くことに、イオン性界面活性剤に加えて、非イオン性界面活性剤を更に添加することによって、熱可塑性樹脂の帯電量が上昇することを見出した。非イオン性界面活性剤を添加することによって熱可塑性樹脂の帯電量が上昇する理由は明らかではないが、本発明者は以下のように推測している。
熱可塑性樹脂中では、熱可塑性樹脂に含まれるイオン性界面活性剤は、単一の分子が分散して存在している形態と、イオン性界面活性剤分子どうしが会合して、それらの疎水基を樹脂側に向けたW/O型ミセルで存在している形態とが混在している。この状態で熱可塑性樹脂に電圧を印加した場合、単一分子で樹脂中に分散しているイオン性界面活性剤は、その分子が分極又は電離することによって樹脂の帯電量の上昇に寄与する。それに対して、W/O型ミセルの形態となっているイオン性界面活性剤は、ミセルの形態を維持して安定化していることに起因して、電圧印加によっても分極又は電離しにくくなっており、樹脂の帯電量の上昇に寄与しにくい。非イオン性界面活性剤を添加することで、W/O型ミセルの形態となっているイオン性界面活性剤を単一分子の状態となるように樹脂中へ分離又は分散させ、電圧印加によって分極又は電離しやすくすることができる。これに起因して、樹脂中の帯電量を更に高めることができるようになる。
本発明の非イオン性界面活性剤としては、例えば多価アルコール型又はポリアルキレングリコール型の非イオン性界面活性剤等が挙げられる。これらの界面活性剤は、一種を単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。なお、本発明に用いられる非イオン性界面活性剤の種類は、添加するイオン性界面活性剤の種類に応じて、適宜選択して用いることが好ましい。
多価アルコール型の非イオン性界面活性剤としては、多価アルコール類と脂肪酸とのエステルが挙げられる。多価アルコール類の具体例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール等の二価アルコール、グリセリン等の三価アルコール、エリスリトール、ペンタエリスリトール、ジグリセリン、ソルビタン等の四価アルコール、キシリトール等の五価アルコール、ソルビトール、ジペンタエリスリトール等の六価アルコールや、ジエタノールアミン等のアミノアルコール、しょ糖等の糖類等が挙げられる。脂肪酸としては、炭素数が8以上22以下の飽和又は不飽和の脂肪酸が挙げられ、これらの具体例としては、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸等の飽和脂肪酸や、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、エルカ酸等の不飽和脂肪酸が挙げられる。非イオン性界面活性剤として多価アルコール類と脂肪酸とのエステルを用いる場合には、界面活性剤としての性質を維持する観点から、多価アルコール類中のすべての水酸基がエステル化されていないことが好ましい。具体的には、ペンタエリスリトールモノステアレート、ペンタエリスリトールモノミリステート、ペンタエリスリトールモノラウレート、ジグリセリンモノステアレート、ジグリセリンモノミリステート、ジグリセリンモノラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノレエート等が挙げられる。
イオン性界面活性剤の分散性を向上させる観点から、多価アルコール型の非イオン性界面活性剤における多価アルコール骨格の炭素数は、2以上が好ましく、3以上がより好ましく、また、12以下が好ましく、10以下がより好ましい。具体的には、多価アルコール型の非イオン性界面活性剤における多価アルコール骨格の炭素数は、2以上12以下が好ましく、3以上10以下がより好ましい。
ポリアルキレングリコール型の非イオン性界面活性剤としては、例えばポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンフェニルエーテル、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレン多価アルコール脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルアミン、ポリオキシアルキレン脂肪酸アミド、ポリオキシアルキレングリコール等が挙げられる。イオン性界面活性剤の樹脂中の分散性を向上させる観点から、ポリアルキレングリコール型の非イオン性界面活性剤としては、アルキレンはエチレンであることが好ましく、具体的には、ポリオキシエチレンアルキルエーテル又はポリオキシエチレン脂肪酸エステルであることが好ましい。また同様の観点から、ポリアルキレングリコール型の非イオン性界面活性剤におけるアルキル及び脂肪酸の炭素数は、それぞれ独立して8以上22以下であることが好ましい。具体的には、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンミリスチルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルドデシルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル等の、ポリオキシエチレン基の炭素数が8以上22以下のものが挙げられる。
本発明の溶融電界紡糸用組成物において、イオン性界面活性剤の質量に対する非イオン性界面活性剤の質量の比は、イオン性界面活性剤の性質を損なうことなく電界紡糸に適した帯電量を樹脂溶融液に付与する観点から、イオン性界面活性剤の混合量が上述の範囲であることを前提として、好ましくは0.1以上、更に好ましくは0.2である。また、電界紡糸によって繊維を極細化する観点から、好ましくは5以下、より好ましくは3以下、一層好ましくは2以下である。また、イオン性界面活性剤の質量に対する非イオン性界面活性剤の質量の比は、イオン性界面活性剤の混合量が上述の範囲であることを前提として、好ましくは0.1以上5以下、更に好ましくは0.2以上3以下、一層好ましくは0.2以上2以下である。つまり、本発明の溶融電界紡糸用組成物は、熱可塑性樹脂を主体とする樹脂組成物である。熱可塑性樹脂と混合する非イオン性界面活性剤の質量比がこのような範囲にあることによって、紡糸性を向上することができ、またこれに起因して、より多量の溶融電界紡糸用組成物を繊維化することができ、更には細径繊維の生産効率を向上させることができる。
本発明の溶融電界紡糸用組成物においては、イオン性界面活性剤及び非イオン性界面活性剤に加えて、本発明の効果を損なわない限り、他の各種の添加剤を樹脂に配合して使用することもできる。他の各種の添加剤としては、例えば酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、帯電防止剤、金属不活性剤などが挙げられる。酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、フォスファイト系酸化防止剤及びチオ系酸化防止剤などが例示できる。光安定剤及び紫外線吸収剤としては、ヒンダードアミン類、ニッケル錯化合物、ベンゾトリアゾール類、ベンゾフェノン類などが例示できる。滑剤としては、ステアリン酸アマイドなどの高級脂肪酸アマイド類が例示できる。帯電防止剤としては、グリセリン脂肪酸モノエステルなどの脂肪酸部分エステル類が例示できる。金属不活性剤としては、フォスフォン類、エポキシ類、トリアゾール類、ヒドラジド類、オキサミド類などが例示できる。
本発明の溶融電界紡糸用組成物を製造する方法は特に制限はなく、例えば加熱して溶融させた熱可塑性樹脂にイオン性界面活性剤及び非イオン性界面活性剤を添加し、必要に応じて添加剤を更に添加して、これらを混練することによって製造することができる。このような溶融電界紡糸用組成物は、予め溶融した熱可塑性樹脂中にイオン性界面活性剤及び非イオン性界面活性剤を添加して混練することでマスターバッチとして製造してもよく、上述した繊維の製造方法において、熱可塑性樹脂と、イオン性界面活性剤及び非イオン性界面活性剤とを個別に製造装置へ供給し、その装置内で加熱溶融しながら混練して製造してもよい。本発明の溶融電界紡糸用組成物をマスターバッチとして製造した場合は、冷却してペレット状等の形状に成形して固形物として保管することができる。
以上、本発明をその好ましい実施形態に基づき説明したが、本発明は前記実施形態に制限されない。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。しかしながら本発明の範囲は、かかる実施例に制限されない。
〔実施例1〕
図1に示す製造装置10を用いて、原料の熱可塑性樹脂としてポリプロピレン(PP;PolyMirae社製、MF650Y)と、イオン性界面活性剤としてアルカンスルホン酸ナトリウム(SAS;バイエル社製、メルソラートH95、アルキル基の炭素数10〜18)と、非イオン性界面活性剤としてジグリセリン脂肪酸エステル(ジグリセリンモノラウレート;理研ビタミン社製、ポエムDL−100)とを表1に示す分量で筐体11内に供給し、これらを筐体11内で加熱溶融しながら混練した後、溶融電界紡糸用組成物からなる繊維を製造した。製造条件は以下のとおりとした。
〔繊維の製造条件〕
・製造環境:27℃、50%RH
・筐体11内の加熱温度:220℃
・溶融液Rの吐出量:127g/hr
・吐出ノズル先端部14(ステンレス製)への印加電圧:0kV(アースに接地されている。)
・帯電電極21(80mm×80mm、厚さ10mm、ステンレス製)への印加電圧:−20kV
・吐出ノズル先端部14と帯電電極21との間の距離:35mm
・流体噴射装置23から噴出される空気流の温度:340℃
・流体噴射装置23から噴出される空気流の流量:200L/min
・捕集電極27への印加電圧:0kV(アースに接地されている。)
〔実施例2〕
非イオン性界面活性剤としてポリオキシエチレンセチルエーテル(花王社製、エマルゲン220)を以下の表1に示す質量部の比で混合し、溶融液Rの吐出量を60g/hrに変更した他は、実施例1と同様に溶融電界紡糸繊維を製造した。
〔実施例3〕
非イオン性界面活性剤としてポリオキシエチレンステアリルエーテル(花王社製、エマルゲン306P)を以下の表1に示す質量部の比で混合し、溶融液Rの吐出量を60g/hrに変更した他は、実施例1と同様に溶融電界紡糸繊維を製造した。
〔比較例1〕
イオン性界面活性剤及び非イオン性界面活性剤を使用せず、溶融液Rの吐出量を60g/hrにした他は、実施例1と同様に溶融電界紡糸繊維を製造した。
〔比較例2〕
イオン性界面活性剤を使用せず、非イオン性界面活性剤としてジグリセリン脂肪酸エステルを以下の表1に示す質量部の比で混合した他は、実施例1と同様に溶融電界紡糸繊維を製造した。なお、本比較例ではイオン性界面活性剤を使用していないため、表1における非イオン性界面活性剤の質量部の比は、熱可塑性樹脂及び非イオン性界面活性剤の合計100質量部に対する質量比を示した。
〔評価1:紡糸性〕
製造装置による連続帯電運転の良否、すなわち紡糸性について評価した。連続帯電運転は、繊維を連続で5分間製造することとした。評価は以下の基準で行った。その結果を表1に示す。
A:溶融電界紡糸用組成物の溶融液での紡糸が連続してできた。
B:溶融電界紡糸用組成物の溶融液での紡糸ができなかった。
〔評価2:帯電量の測定〕
溶融電界紡糸用組成物の溶融液を帯電させたときの帯電量(nC/g)を測定した。帯電量の測定は、図2に示した帯電量評価装置100を用いて行った。帯電量は、ファラデーケージ610(春日電機株式会社製、KQ1400)内に配置した金属容器に帯電した溶融液Rを1分間捕集し、該ファラデーケージに接続したクーロンメータ600(春日電機株式会社製、NK−1002A)により下記の測定条件で測定した。その結果を表1に示す。
〔測定条件〕
・測定環境:27℃、50%RH
・印加電圧:20kV
・樹脂吐出量:〔繊維の製造条件〕に同じ
・樹脂加熱温度:190℃(吐出ノズル先端部)
・加熱空気温度:340℃
〔評価3:繊維径の測定〕
製造された繊維の繊維径を測定した。詳細には、走査型電子顕微鏡(SEM)観察による二次元画像から繊維の塊、繊維の交差部分、ポリマー液滴といった欠陥を除いた繊維を任意に10本選び出し、該繊維の長手方向に直交する線を引いたときの長さを繊維径として直接読み取ることで測定し、これらの平均値を繊維径(nm)とした。結果を以下の表1に示す。
表1に示すとおり、イオン性界面活性剤及び非イオン性界面活性剤を含む実施例では、比較例と比べて、紡糸性が良好であることが判る。特に、実施例1ないし3で示すように、組成物の帯電量が高くなるにつれて、紡糸された繊維の繊維径が細くなっていることが判る。
10 製造装置
11 筐体
12 吐出ノズル
13 ノズルベース
14 吐出ノズル先端部
19 ホッパー
21 帯電電極
22 高電圧発生装置
23 流体噴射装置
24 捕集シート
25 搬送コンベア
26 高電圧発生装置
27 捕集電極
100 帯電量評価装置
600 クーロンメータ
610 ファラデーケージ
A 空気流
F 繊維
R 溶融電界紡糸用組成物の溶融液
本発明のアルキルスルホン酸塩としては、例えばアルキルベンゼンスルホン酸塩(R−Ph−SOM)、α−スルホ脂肪酸エステル(R−CH(−SOM)−COOCH)、α−オレフィンスルホン酸塩(R−CH=CH−(CH−SOM、R−CH(−OH)(CH−SOM)、アシルタウリン塩(R−CO−NH−(CH−SOM)、アシルアルキルタウリン塩(R−CO−(−R’)−(CH−SOM)、アルカンスルホン酸塩(R−SOM)、アシルイセチオン酸塩(R−CO−O−(CHCH)−SOM)などが挙げられる。
溶融電界紡糸用組成物の帯電量を安定的に高め、紡糸性をより一層向上させる観点から、これらのアルキルスルホン酸塩のうち、アルカンスルホン酸塩(R−SOM)、アルキルベンゼンスルホン酸塩(R−Ph−SOM)、アシルイセチオン酸塩(R−CO−O−(CHCH)−SOM)、アシルアルキルタウリン塩(R−CO−(−R’)−(CH−SOM)を用いることが好ましく、アルカンスルホン酸塩(R−SOM)を用いることがより好ましく、アルカンスルホン酸ナトリウム(R−SONa)を用いることが一層好ましい。特にアルカンスルホン酸ナトリウム(R−SONa)を用いることによって、少ない添加量でも安定的に溶融電界紡糸を行うことができ、細い繊維径を有する繊維を効率よく紡糸することができる。帯電量の測定方法については後述する実施例にて詳述する。
本発明のアルキルスルホン酸塩としては、例えばアルキルベンゼンスルホン酸塩(R−Ph−SOM)、α−スルホ脂肪酸エステル(R−CH(−SOM)−COOCH)、α−オレフィンスルホン酸塩(R−CH=CH−(CH−SOM、R−CH(−OH)(CH−SOM)、アシルタウリン塩(R−CO−NH−(CH−SOM)、アシルアルキルタウリン塩(R−CO−(−R’)−(CH−SOM)、アルカンスルホン酸塩(R−SOM)、アシルイセチオン酸塩(R−CO−O−(CHCH)−SOM)などが挙げられる。

溶融電界紡糸用組成物の帯電量を安定的に高め、紡糸性をより一層向上させる観点から、これらのアルキルスルホン酸塩のうち、アルカンスルホン酸塩(R−SOM)、アルキルベンゼンスルホン酸塩(R−Ph−SOM)、アシルイセチオン酸塩(R−CO−O−(CHCH)−SOM)、アシルアルキルタウリン塩(R−CO−(−R’)−(CH−SOM)を用いることが好ましく、アルカンスルホン酸塩(R−SOM)を用いることがより好ましく、アルカンスルホン酸ナトリウム(R−SONa)を用いることが一層好ましい。特にアルカンスルホン酸ナトリウム(R−SONa)を用いることによって、少ない添加量でも安定的に溶融電界紡糸を行うことができ、細い繊維径を有する繊維を効率よく紡糸することができる。帯電量の測定方法については後述する実施例にて詳述する。

Claims (20)

  1. 熱可塑性樹脂と、イオン性界面活性剤の合計100質量部に対する、該イオン性界面活性剤の量が0.1質量部以上30質量部であり、
    前記イオン性界面活性剤の質量に対する、非イオン性界面活性剤の質量の比が0.1以上5以下である組成物を溶融電界紡糸する繊維の製造方法。
  2. 前記イオン性界面活性剤がアニオン性界面活性剤である、請求項1に記載の繊維の製造方法。
  3. 前記アニオン性界面活性剤がスルホ基を有するアニオン性界面活性剤である、請求項2に記載の繊維の製造方法。
  4. 前記スルホ基を有するアニオン性界面活性剤がアルキルスルホン酸塩である、請求項3に記載の繊維の製造方法。
  5. 前記アルキルスルホン酸塩がアルカンスルホン酸塩である、請求項4に記載の繊維の製造方法。
  6. 前記非イオン性界面活性剤が多価アルコール型の非イオン性界面活性剤である、請求項1ないし5のいずれか一項に記載の繊維の製造方法。
  7. 前記多価アルコール型の非イオン性界面活性剤の多価アルコール骨格の炭素数が3以上10以下である、請求項6に記載の繊維の製造方法。
  8. 前記非イオン性界面活性剤がポリアルキレングリコール型の非イオン性界面活性剤である、請求項1ないし5のいずれか一項に記載の繊維の製造方法。
  9. 前記ポリアルキレングリコール型の非イオン性界面活性剤がポリオキシエチレンアルキルエーテルである、請求項8に記載の繊維の製造方法。
  10. 前記ポリアルキレングリコール型の非イオン性界面活性剤がポリオキシエチレン脂肪酸エステルである、請求項8に記載の繊維の製造方法。
  11. 熱可塑性樹脂と、イオン性界面活性剤からなる帯電剤との合計100質量部に対する、該帯電剤の量が0.1質量部以上30質量部であり、
    前記帯電剤の質量に対する、非イオン性界面活性剤からなる分散剤の質量の比が0.1以上5以下である、溶融電界紡糸用組成物。
  12. 前記帯電剤がアニオン性界面活性剤である、請求項11に記載の溶融電界紡糸用組成物。
  13. 前記帯電剤がスルホ基を有するものである、請求項12に記載の溶融電界紡糸用組成物。
  14. 前記帯電剤がアルキルスルホン酸塩である、請求項13に記載の溶融電界紡糸用組成物。
  15. 前記帯電剤がアルカンスルホン酸塩である、請求項14に記載の溶融電界紡糸用組成物。
  16. 前記分散剤が多価アルコール型の非イオン性界面活性剤である、請求項11ないし15のいずれか一項に記載の溶融電界紡糸用組成物。
  17. 前記分散剤の多価アルコール骨格の炭素数が3以上10以下である、請求項16に記載の溶融電界紡糸用組成物。
  18. 前記分散剤がポリアルキレングリコール型の非イオン性界面活性剤である、請求項11ないし15のいずれか一項に記載の溶融電界紡糸用組成物。
  19. 前記分散剤がポリオキシエチレンアルキルエーテルである、請求項18に記載の溶融電界紡糸用組成物。
  20. 前記分散剤がポリオキシエチレン脂肪酸エステルである、請求項18に記載の溶融電界紡糸用組成物。
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