JP2019069612A - 水圧転写フィルム及びこれを用いた加飾成形品 - Google Patents

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Abstract

【課題】高い立体感を表出した意匠を樹脂成形品に付与し得る水圧転写フィルムを提供する。【解決手段】水溶性フィルムと、第1の保護層と、絵柄層とをこの順に有する水圧転写フィルムであって、前記第1の保護層は、前記水溶性フィルムの表面上において凹凸形状を形成しており、前記第1の保護層が、電離放射線硬化性樹脂を含む、水圧転写フィルム。【選択図】図1

Description

本発明は、水圧転写フィルム、及びこれを用いた加飾成形品に関する。
建材、自動車内装品、家電製品、OA機器などには表面に木目調や金属調などの装飾が施された成型品が利用されている。これらの成型品は複雑な三次元形状を有するものが多く、従来、その複雑な形状からなる成型品に意匠性の高い装飾を簡便に施す方法が検討されている。
こうした装飾方法として、水圧を利用した水圧転写法が知られている。水圧転写法では、水溶性または水膨潤性の水溶性フィルムに、所望の装飾層を印刷した転写フィルムを用意し、該転写フィルムの装飾層に、有機溶剤からなる活性剤組成物を塗布して、該装飾層を膨潤、粘着化させる(これを活性化という)。その前又は後に、前記転写フィルムを転写用の装飾層(印刷層)面を上面にして、水面上に浮遊させ、次いで、該転写フィルム上に被転写体となる物品を押圧して、水圧によって転写フィルムを被転写体の装飾処理をすべき被転写面に密着させた後、水溶性フィルムを除去して装飾層を転写する。
このような水圧転写法は、立体面への転写加工性、クリア塗装感等の「深み」や、高品質な柄表現が出来るなどの意匠性の点で、優れた曲面加飾法であることが知られている。
近年、この水圧転写法を用いて、樹脂成形品に対して優れた立体感を表出する意匠を付与する試みがなされている。例えば、特許文献1においては、水溶性フィルムの上に設けられた印刷層(木目模様、導管などを表現)の上に、盛り上げインキからなる複数の隆起を形成して、立体感のある柄を表現する技術が提案されている。
しかしながら、盛り上げインキを用いる技術では、必要なインキ塗布量が多いため、繊細な凹凸形状を形成することは困難である。よって、特許文献1に開示されたような方法では、繊細で高い立体感のある柄を表現することは難しいという問題がある。
特開2007−203655号公報
このような状況下、本発明は、高い立体感を表出した意匠を樹脂成形品に付与し得る水圧転写フィルム、その製造方法、及び該フィルムを用いた加飾成形品を提供することを課題とする。
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意研究を重ねた。その結果、水溶性フィルムと、第1の保護層と、絵柄層とをこの順に有する水圧転写フィルムにおいて、第1の保護層が、前記水溶性フィルムの表面上において凹凸形状を形成しており、さらに、第1の保護層が、電離放射線硬化性樹脂を含むことにより、高い立体感を表出する意匠を樹脂成形品に付与し得ることを見出した。すなわち、本発明は、下記の水圧転写フィルム、その製造方法、及び該フィルムを用いた加飾成形品を提供する。
項1. 水溶性フィルムと、第1の保護層と、絵柄層とをこの順に有する水圧転写フィルムであって、
前記第1の保護層は、前記水溶性フィルムの表面上において凹凸形状を形成しており、
前記第1の保護層が、電離放射線硬化性樹脂を含む、水圧転写フィルム。
項2. 前記凹凸形状が、前記水溶性フィルムの表面上に前記第1の保護層を有する部分と、前記第1の保護層を有しない部分とによって形成されている、項1に記載の水圧転写フィルム。
項3. 前記第1の保護層と、前記絵柄層との間に、第2の保護層を有する、項1または2に記載の水圧転写フィルム。
項4. 前記第2の保護層が、電離放射線硬化性樹脂またはアクリルポリマーポリオールを含む、項3に記載の水圧転写フィルム。
項5. 前記第1の保護層が、艶消し剤を含む、項1〜4のいずれかに記載の水圧転写フィルム。
項6. 前記第2の保護層が、艶消し剤を含む、項1〜5のいずれかに記載の水圧転写フィルム。
項7. 前記第1の保護層の凹凸形状が、前記絵柄層によって形成されている模様に同調するように形成されている、項1〜6のいずれかに記載の水圧転写フィルム。
項8. 以下の工程(A)及び(B)を順に有する水圧転写フィルムの製造方法。
工程(A)水溶性フィルムの表面上に凹凸形状を形成するようにして、電離放射線硬化性樹脂を含む第1の保護層を積層する工程
工程(B)前記第1の保護層の上に、絵柄層を積層する工程
項9. 以下の工程(A)、(A’)、及び(B)を順に有する水圧転写フィルムの製造方法。
工程(A)水溶性フィルムの表面上に凹凸形状を形成するようにして、電離放射線硬化性樹脂を含む第1の保護層を積層する工程
工程(A’)前記第1の保護層の上に、第2の保護層を積層する工程
工程(B)前記第2の保護層の上に、絵柄層を積層する工程
項10. 下記の工程(a)〜(e)を有する加飾成形品の製造方法。
工程(a)項1〜7のいずれかに記載の水圧転写フィルムを、水溶性フィルム側が水面側に向くように水面に浮遊させる工程
工程(b)前記水圧転写フィルムの絵柄層側に活性剤組成物を塗布する活性剤塗布工程
工程(c)該工程(a)及び(b)を経た、水面に浮遊している水圧転写フィルム上に被転写体を押圧し、水圧によって前記絵柄層を被転写体の被転写面に密着させる工程
工程(d)該被転写体の被転写面に密着した水溶性フィルムを除去する脱膜工程
工程(e)前記第1の保護層側から電離放射線を照射して、前記第1の保護層を硬化させる硬化工程
本発明によれば、高い立体感を表出した意匠を樹脂成形品に付与し得る水圧転写フィルム、その製造方法、及び該フィルムを用いた加飾成形品を提供することができる。
本発明の水圧転写フィルムの構成の一例を示す概略断面図である。 本発明の水圧転写フィルムの構成の一例を示す概略断面図である。 本発明の水圧転写フィルムの構成の一例を示す概略断面図である。 本発明の水圧転写フィルムの構成の一例を示す概略断面図である。 本発明の水圧転写フィルムの構成の一例を示す概略断面図である。 本発明の加飾成形品の製造方法により得られる加飾成形品の一例を示す概略断面図である。 本発明の加飾成形品の製造方法により得られる加飾成形品の一例を示す概略断面図である。
本発明の水圧転写フィルムは、水溶性フィルムと、第1の保護層と、絵柄層とをこの順に有する水圧転写フィルムであって、第1の保護層が、水溶性フィルムの表面上において凹凸形状を形成しており、さらに、第1の保護層が、電離放射線硬化性樹脂を含むことを特徴とする。以下、本発明の水圧転写フィルム、その製造方法、及び該フィルムを用いた加飾成形品について詳述する。
〔水圧転写フィルム〕
以下、本発明の水圧転写フィルムを図1〜5を参照しながら説明する。図1〜5は、本発明の水圧転写フィルムの構成の一例を示す概略断面図である。図1〜図3に示されるように、本発明の水圧転写フィルム1は、水溶性フィルム10、第1の保護層21、及び絵柄層30を順に有している。第1の保護層21は、前記水溶性フィルムの表面上において凹凸形状を形成している。第1の保護層21による凹凸形状は、例えば図1及び図2に示されるように、水溶性フィルム10の表面上において、第1の保護層21を有する部分(凸部)と、第1の保護層21を有しない部分(凹部)とによって形成されていてもよい。また、当該凹凸形状は、例えば図3に示されるように、第1の保護層21の厚みの大きい部分(凸部)と、厚みの小さい部分(凹部)とによって、形成されていてもよい。さらに、第1の保護層21による凹凸形状は、これら両方によって形成されていてもよい。
第1の保護層21は、電離放射線硬化性樹脂を含む。後述の通り、本発明の水圧転写フィルムの第1の保護層21は、電離放射線硬化性樹脂の未硬化物を含んでおり、水圧転写フィルムが樹脂成形品に転写された後、第1の保護層21に電離放射線を照射することにより、硬化した第1の保護層21を有する加飾成形品が得られる。
絵柄層30は、第1の保護層21によって形成された凹凸形状の上に形成されている。より具体的には、例えば、図1及び図2に示されるように、当該凹凸形状が、第1の保護層21を有する部分(凸部)と、第1の保護層21を有しない部分(凹部)とによって形成されている場合には、絵柄層30は、第1の保護層21によって形成された凸部の真上と、第1保護層21が形成されていない凹部に形成されている。また、例えば、図3に示されるように、当該凹凸形状が、第1の保護層21の厚みの大きい部分(凸部)と、厚みの小さい部分(凹部)とによって形成されている場合には、絵柄層30は、当該凹凸形状の凸部と凹部の上に形成されている。絵柄層30は、後述の第2の保護層やプライマー層などを有しない場合、後述の通り、第1の保護層の上から樹脂組成物を印刷することにより形成されるため、通常、第1の保護層21によって形成された凹部は、絵柄層30によって埋められる。
本発明の水圧転写フィルムは、加飾成形品の耐傷付き性を高めたり、艶差による意匠感を高めることなどを目的として、図4及び図5に示されるように、第1の保護層21と、絵柄層30との間に、必要に応じて、第2の保護層22を有していてもよい。第2の保護層22を有する場合、通常、第1の保護層21によって形成された凹部は、第2の保護層22によって埋められるため、加飾成形品の耐傷付き性をより一層高めることができる(例えば、図7を参照)。また、後述の通り、第1の保護層21と第2の保護層22との艶差によって意匠感を高めることもできる。
以下、本発明の水圧転写フィルムを構成する各層について、詳述する。
(水溶性フィルム)
水溶性フィルムは、本発明の水圧転写フィルムにおいて基材の役割を有し、水圧転写後に加飾成形品を得る際に除去されるものである。水溶性フィルムとしては、水溶性又は水膨潤性を有するものであればよく、従来水圧転写フィルムとして一般に使用されている水溶性フィルムの中から、適宜選択して用いることができる。
水溶性フィルムを構成する樹脂としては、例えばポリビニルアルコール樹脂、デキストリン、ゼラチン、にかわ、カゼイン、セラック、アラビアゴム、澱粉、蛋白質、ポリアクリル酸アミド、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリビニルメチルエーテル、メチルビニルエーテルと無水マレイン酸との共重合体、酢酸ビニルとイタコン酸との共重合体、ポリビニルピロリドン、アセチルセルロース、アセチルブチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、アルギン酸ナトリウムなどの各種水溶性ポリマーが挙げられる。これらの樹脂は、単独で用いられてもよいし、2種以上が混合されて用いられてもよい。なお、水溶性フィルムには、マンナン、キサンタンガム、グアーガムなどのゴム成分が添加されていてもよい。
上記の水溶性フィルムのうち、特に生産安定性と水に対する溶解性及び経済性の点から、ポリビニルアルコール(PVA)樹脂フィルムが好ましい。なお、ポリビニルアルコール樹脂フィルムは、PVA以外に、澱粉やゴムなどの添加剤を含有していてもよい。
ポリビニルアルコール樹脂フィルムは、ポリビニルアルコールの重合度、ケン化度、及び澱粉やゴムなどの添加剤の配合量などを変えることにより、水溶性フィルムに対して転写用の印刷層を形成する際に必要な機械的強度、取り扱い中の耐湿性、水面に浮かべてからの吸水による柔軟化の速度、水中での延展又は拡散に要する時間、転写工程での変形のし易さなどを適宜調節することができる。
ポリビニルアルコール樹脂フィルムからなる水溶性フィルムとして好適なものは、特開昭54−92406号公報に説明されているようなものであり、例えば、PVA樹脂80質量%、高分子水溶性樹脂15質量%、澱粉5質量%の混合組成からなり、平衡水分3%程度のものが好適である。
また、ポリビニルアルコール樹脂フィルムは水溶性ではあるが、水に溶解する前段階では水に膨潤して軟化しつつもフィルムとして存続することが好ましい。フィルムとして存続している状態にあるときに水圧転写を行なうことにより、水圧転写時の転写用の印刷層の過度の流動、変形を防止することができるからである。
水溶性フィルムの厚さとしては、10〜100μmが好ましい。10μm以上であると、フィルムの均一性が良好で、かつ生産安定性が高い。一方、100μm以下であると、水に対する溶解性が適度であり、かつ印刷適性に優れる。以上の観点から、水溶性フィルムの厚さは、20〜60μmの範囲がより好ましい。
なお、上記の水溶性フィルムは、例えば紙、不織布、布などの水浸透性を有する基材と積層して使用することもできるが、このような水浸透性を有する基材と水溶性又は水膨潤性を有する水溶性フィルムとを積層したときには、水圧転写フィルムを水面に浮かべる前に、水浸透性を有する基材を水溶性又は水膨潤性を有する水溶性フィルムから分離させるか、又は水面に浮かべた後の水の作用によって水溶性又は水膨潤性を有する水溶性フィルムから水浸透性を有する基材が分離するように構成しておくことが好ましい。
<第1の保護層>
第1の保護層は、水溶性フィルムの表面上において凹凸形状を形成しており、後述の絵柄層と共に、加飾成形品に対して高い立体感を表出した意匠を付与する層である。さらに、第1の保護層は、加飾成形品の耐傷付き性を高める表面保護層としても機能する。
前述の通り、第1の保護層による凹凸形状は、例えば図1及び図2に示されるように、水溶性フィルムの表面上において、第1の保護層を有する部分(凸部)と、第1の保護層を有しない部分(凹部)とによって形成されていてもよいし、例えば図3に示されるように、第1の保護層21の厚みの大きい部分(凸部)と、厚みの小さい部分(凹部)とによって形成されていてもよい。さらに、当該凹凸形状は、これら両方によって形成されていてもよい。また、当該凹凸形状は、水溶性フィルムの表面の少なくとも一部(加飾成形品に高い立体感を表出する意匠を付与したい部分)において形成されていればよい。特に、第1の保護層に後述の艶消し剤が含まれる場合において、当該凹凸形状による凹部と凸部の艶差をより大きくし、立体感を高められるという意匠上の観点、さらに、第1の保護層で表現された凹部と凸部を視認しやすくなるので、印刷により絵柄層を形成する際に見当が合わせやすくなり、第1の保護層の凹凸形状と絵柄層の模様とを同調させやすいという製造上の観点からは、第1の保護層による凹凸形状は、水溶性フィルムの表面上において、第1の保護層を有する部分(凸部)と、第1の保護層を有しない部分(凹部)とによって形成されていることが好ましい。
第1の保護層による凹凸形状は、模様状に形成されていることが好ましい。さらに、当該凹凸形状を、後述する絵柄層30の模様と同調させることにより、より高い立体感を表出することができる。例えば、図1及び図3に示されるように、第1の保護層21の凹凸形状の凹部を絵柄層30の暗色部分31(例えば、木目模様であれば、導管部分)とを同調させたり、逆に図2に示されるように、凹凸形状の凸部を絵柄層30の暗色部分31と同調させたりすることにより、高い立体感を表出することができる。凹部と凸部のいずれを絵柄層の暗色部分と同調させるかは、第1の保護層に用いる電離放射線硬化性樹脂の種類、後述する艶消し剤の含有の有無とその含有量、後述する第2の保護層の形成の有無及び艶消し剤の含有の有無とその含有量、並びに所望する意匠に応じて選択することができる。
第1の保護層は、電離放射線硬化性樹脂を含む。当該電離放射線硬化性樹脂は、少なくとも一部が硬化していない、未硬化物である。第1の保護層が電離放射線硬化性樹脂の未硬化物を含むことにより、水圧転写フィルムを樹脂成形品に転写した後、第1の保護層に電離放射線を照射して、第1の保護層が硬化された加飾成形品が得られる。電離放射線硬化性樹脂の未硬化物は、柔軟性が高いため、本発明の水圧転写フィルムを樹脂成形品に転写する際に、樹脂成形品の複雑な形状にも水圧転写フィルムを好適に追従させることができる。一方、樹脂成形品に転写された後に形成される、電離放射線硬化性樹脂の硬化物は、耐傷付き性などに優れている。このため、本発明の水圧転写フィルムにおいては、従来の水圧転写フィルムを用いた加飾成形品では水圧転写フィルムの転写後に形成する必要があったトップコート層を形成しなくても、硬化した第1の保護層によって、耐傷付き性などの優れた表面特性を加飾成形品に付与することができる。以下、第1の保護層に含まれる電離放射線硬化性樹脂について、詳述する。
(電離放射線硬化性樹脂)
電離放射線硬化性樹脂とは、電離放射線を照射することにより、架橋、硬化する樹脂である。ここで電離放射線とは、電磁波又は荷電粒子線のうち、分子を重合あるいは架橋しうるエネルギー量子を有するものを意味し、通常紫外線(UV)又は電子線(EB)が用いられるが、その他、X線、γ線等の電磁波、α線、イオン線等の荷電粒子線も含む。電離放射線硬化性樹脂の中でも、電子線硬化性樹脂は、無溶剤化が可能であり、光重合用開始剤を必要とせず、安定な硬化特性が得られるため、第1の保護層の形成において好適に使用される。
本発明の第1の保護層を形成する電離放射線硬化性樹脂としては、特に制限されないが、好ましくは多官能ポリカーボネート(メタ)アクリレートが挙げられる。なお、本明細書において(メタ)アクリレートとは、アクリレート又はメタクリレートを指すものとし、他の類する表現も同様である。
[多官能ポリカーボネート(メタ)アクリレート]
本発明の第1の保護層において、電離放射線硬化性樹脂組成物に含まれる多官能ポリカーボネート(メタ)アクリレートは、ポリマー主鎖にカーボネート結合を有し、かつ末端あるいは側鎖に(メタ)アクリレートを2個以上有するものであれば、特に制限されない。また、当該(メタ)アクリレートは、架橋、硬化を良好にするという観点から、1分子当たりの官能基の数として、好ましくは2〜6個が挙げられる。多官能ポリカーボネート(メタ)アクリレートは、1種類単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
多官能ポリカーボネート(メタ)アクリレートは、例えば、ポリカーボネートポリオールの水酸基の一部又は全てを(メタ)アクリレート(アクリル酸エステル又はメタクリル酸エステル)に変換して得られる。このエステル化反応は、通常のエステル化反応によって行うことができる。例えば、1)ポリカーボネートポリオールとアクリル酸ハライド又はメタクリル酸ハライドとを、塩基存在下に縮合させる方法、2)ポリカーボネートポリオールとアクリル酸無水物又はメタクリル酸無水物とを、触媒存在下に縮合させる方法、或いは3)ポリカーボネートポリオールとアクリル酸又はメタクリル酸とを、酸触媒存在下に縮合させる方法等が挙げられる。
ポリカーボネートポリオールは、ポリマー主鎖にカーボネート結合を有し、末端又は側鎖に2個以上、好ましくは2〜50個、更に好ましくは3〜50個の水酸基を有する重合体である。当該ポリカーボネートポリオールの代表的な製造方法は、ジオール化合物(A)、3価以上の多価アルコール(B)、及びカルボニル成分となる化合物(C)の重縮合反応による方法が挙げられる。
ポリカーボネートポリオールの原料として用いられるジオール化合物(A)は、一般式HO−R1−OHで表される。ここで、R1は、炭素数2〜20の2価炭化水素基であって、基中にエーテル結合を含んでいてもよい。R1は、例えば、直鎖、又は分岐状のアルキレン基、シクロヘキシレン基、フェニレン基である。
ジオール化合物の具体例としては、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,3−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,4−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。これらのジオールは、1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
また、ポリカーボネートポリオールの原料として用いられる3価以上の多価アルコール(B)の例としては、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ペンタエリスリトール、ジトリメチロールプロパン、ジペンタエリスリトール、グリセリン、ソルビトール等のアルコール類が挙げられる。また、当該3価以上の多価アルコールは、前記多価アルコールの水酸基に対して、1〜5当量のエチレンオキシド、プロピレンオキシド、あるいはその他のアルキレンオキシドを付加させた水酸基を有するアルコール類であってもよい。これらの多価アルコールは、1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
ポリカーボネートポリオールの原料として用いられるカルボニル成分となる化合物(C)は、炭酸ジエステル、ホスゲン、又はこれらの等価体の中から選ばれるいずれかの化合物である。当該化合物として、具体的には、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸ジイソプロピル、炭酸ジフェニル、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等の炭酸ジエステル類;ホスゲン;クロロギ酸メチル、クロロギ酸エチル、クロロギ酸フェニル等のハロゲン化ギ酸エステル類等が挙げられる。これらの化合物は、1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
ポリカーボネートポリオールは、前記ジオール化合物(A)、3価以上の多価アルコール(B)、及びカルボニル成分となる化合物(C)とを、一般的な条件下で重縮合反応することにより合成される。ジオール化合物(A)と多価アルコール(B)との仕込みモル比は、例えば、50:50〜99:1の範囲に設定すればよい。また、ジオール化合物(A)と多価アルコール(B)とに対する、カルボニル成分となる化合物(C)の仕込みモル比は、例えば、ジオール化合物及び多価アルコールの持つ水酸基に対して0.2〜2当量の範囲に設定すればよい。
前記の仕込み割合で重縮合反応した後のポリカーボネートポリオール中に存在する水酸基の当量数(eq./mol)としては、例えば、1分子中に平均して3以上、好ましくは3〜50、更に好ましくは3〜20が挙げられる。このような等量数を充足すると、後述するエステル化反応によって必要な量の(メタ)アクリレート基が形成され、また多官能ポリカーボネート(メタ)アクリレート樹脂に適度な可撓性が付与される。なお、このポリカーボネートポリオールの末端官能基は、通常はOH基であるが、その一部がカーボネート基であってもよい。
以上説明したポリカーボネートポリオールの製造方法は、例えば、特開昭64−1726号公報に記載されている。また、このポリカーボネートポリオールは、特開平3−181517号公報に記載されているように、ポリカーボネートジオールと3価以上の多価アルコールとのエステル交換反応によっても製造することができる。
多官能ポリカーボネート(メタ)アクリレートの分子量については、特に制限されないが、例えば、重量平均分子量が5千以上、好ましくは1万以上が挙げられる。多官能ポリカーボネート(メタ)アクリレートの重量平均分子量の上限は、特に制限されないが、粘度が高くなり過ぎないように制御するという観点から、例えば、10万以下、好ましくは5万以下が挙げられる。多官能ポリカーボネート(メタ)アクリレートの重量平均分子量として、好ましくは1万〜5万、更に好ましくは1万〜2万が挙げられる。
なお、本明細書における多官能ポリカーボネート(メタ)アクリレートの重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法により、ポリスチレンを標準物質として測定した値である。
第1の保護層の形成に使用される電離放射線硬化性樹脂組成物における多官能ポリカーボネート(メタ)アクリレートの含有量としては、本発明の効果を奏することを限度として、特に制限されないが、加飾成形品に対して繊細で高い立体感を表出する意匠を付与する観点からは、好ましくは50質量%以上、より好ましくは80質量%以上、さらに好ましくは85質量%以上が挙げられる。
第1の保護層の形成に使用される電離放射線硬化性樹脂組成物には、上記の多官能ポリカーボネート(メタ)アクリレートに加えて、電離放射線硬化性樹脂として多官能ウレタン(メタ)アクリレートをさらに含んでいてもよい。多官能ウレタン(メタ)アクリレートは、ポリマー主鎖にウレタン結合を有し、かつ末端あるいは側鎖に(メタ)アクリレートを2個以上有するものであれば、特に制限されない。このような多官能ウレタン(メタ)アクリレートは、例えば、ポリエーテルポリオールやポリエステルポリオールとポリイソシアネートの反応によって得られるポリウレタンオリゴマーを、(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。また、多官能ウレタン(メタ)アクリレートは、架橋、硬化を良好にするという観点から、1分子当たりの官能基の数として、好ましくは2〜12個が挙げられる。多官能ウレタン(メタ)アクリレートは、1種類単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
多官能ウレタン(メタ)アクリレートの分子量については、特に制限されないが、例えば、重量平均分子量が2千以上、好ましくは5千以上が挙げられる。多官能ウレタン(メタ)アクリレートの重量平均分子量の上限は、特に制限されないが、粘度が高くなり過ぎないように制御するという観点から、例えば、3万以下、好ましくは1万以下が挙げられる。
なお、本明細書における多官能ウレタン(メタ)アクリレートの重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法により、ポリスチレンを標準物質として測定した値である。
第1の保護層の形成に使用される電離放射線硬化性樹脂組成物における、多官能ウレタン(メタ)アクリレートの含有量としては、本発明の効果を奏することを限度として、特に制限されないが、高い立体感を表出する観点からは、好ましくは50質量%以下、より好ましくは20質量%以下、さらに好ましくは15質量%以下が挙げられる。
第1の保護層の形成に使用される電離放射線硬化性樹脂組成物において、多官能ポリカーボネート(メタ)アクリレートと多官能ウレタン(メタ)アクリレートとを併用する場合、これらの質量比(多官能ポリカーボネート(メタ)アクリレート:多官能ウレタン(メタ)アクリレート)としては、好ましくは50:50〜99:1程度、より好ましくは80:20〜99:1程度、さらに好ましくは85:15〜99:1程度が挙げられる。
第1の保護層を形成する電離放射線硬化性樹脂組成物には、多官能ポリカーボネート(メタ)アクリレート、多官能ウレタン(メタ)アクリレートに加えて、以下のような他の電離放射線硬化性樹脂をさらに含んでいてもよい。他の電離放射線硬化性樹脂とは、上述の電離放射線を照射することにより、架橋、硬化する樹脂であり、具体的には、分子中に重合性不飽和結合又はエポキシ基を有する、プレポリマー、オリゴマー、及びモノマーなどのうち少なくとも1種を適宜混合したものが挙げられる。
他の電離放射線硬化性樹脂として使用される上記モノマーとしては、分子中にラジカル重合性不飽和基を持つ(メタ)アクリレートモノマーが好適であり、中でも多官能性(メタ)アクリレートモノマーが好ましい。多官能性(メタ)アクリレートモノマーとしては、分子内に重合性不飽和結合を2個以上(2官能以上)、好ましくは3個以上(3官能以上)有する(メタ)アクリレートモノマーであればよい。多官能性(メタ)アクリレートとして、具体的には、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジシクロペンテニルジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性リン酸ジ(メタ)アクリレート、アリル化シクロヘキシルジ(メタ)アクリレート、イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらのモノマーは、1種単
独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
また、他の電離放射線硬化性樹脂として使用される上記オリゴマーとしては、分子中にラジカル重合性不飽和基を持つ(メタ)アクリレートオリゴマーが好適であり、中でも分子内に重合性不飽和結合を2個以上(2官能以上)有する多官能性(メタ)アクリレートオリゴマーが好ましい。多官能性(メタ)アクリレートオリゴマーとしては、例えば、アクリルシリコーン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、ポリブタジエン(メタ)アクリレート、シリコーン(メタ)アクリレート、分子中にカチオン重合性官能基を有するオリゴマー(例えば、ノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、脂肪族ビニルエーテル、芳香族ビニルエーテル等)等が挙げられる。ここで、アクリルシリコーン(メタ)アクリレートは、シリコーンマクロモノマーを(メタ)アクリレートモノマーとラジカル共重合させることにより得ることができる。エポキシ(メタ)アクリレートは、例えば、比較的低分子量のビスフェノール型エポキシ樹脂やノボラック型エポキシ樹脂のオキシラン環に、(メタ)アクリル酸を反応しエステル化することにより得ることができる。また、このエポキシ(メタ)アクリレートを部分的に二塩基性カルボン酸無水物で変性したカルボキシル変性型のエポキシ(メタ)アクリレートも用いることができる。ポリエステル(メタ)アクリレートは、例えば多価カルボン酸と多価アルコールの縮合によって得られる両末端に水酸基を有するポリエステルオリゴマーの水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより、或いは多価カルボン酸にアルキレンオキシドを付加して得られるオリゴマーの末端の水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。ポリエーテル(メタ)アクリレートは、ポリエーテルポリオールの水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。ポリブタジエン(メタ)アクリレートは、ポリブタジエンオリゴマーの側鎖に(メタ)アクリル酸を付加することにより得ることができる。シリコーン(メタ)アクリレートは、主鎖にポリシロキサン結合をもつシリコーンの末端又は側鎖に(メタ)アクリル酸を付加することにより得ることができる。これらのオリゴマーは、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
これらの他の電離放射線硬化性樹脂は1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらの他の電離放射線硬化性樹脂の中でも、耐傷付き性などをより一層高めるという観点から、好ましくはアクリルシリコーン(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
また、第1の保護層は、例えば、第1の保護層の艶を低下させることを目的として、必要に応じて艶消し剤を含んでいてもよい。第1の保護層が艶消し剤を含む場合、絵柄層を印刷で形成し、第1の保護層の凹凸形状と同調させることで、絵柄に応じた高い立体感を有することによる優れた意匠感を得られるだけでなく、第1の保護層が不透明または半透明となって視認できるようになり、印刷の見当が合わせやすくなるため、製造上の都合がよい。
(艶消し剤)
艶消し剤の具体例としては、シリカ、クレー、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、沈降性硫酸バリウム、ケイ酸カルシウム、合成ケイ酸塩、及びケイ酸微粉末から選択される無機フィラーや、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ナイロン樹脂、ポリプロピレン樹脂、又は尿素系樹脂から選択される有機フィラーまたは樹脂ビーズが挙げられ、いずれか1種を用いてもよいし、2種以上を組合わせて用いることもできる。これらの艶消し剤の中でも、視覚的な意匠感に加え、繊細な触感を有する加飾成形品を得る観点からは樹脂ビーズを用いることが好ましく、ウレタン樹脂からなるウレタンビーズを用いることが特に好ましい。
艶消し剤の体積平均粒径は、好ましくは0.5〜25μmであり、より好ましくは1〜15μm、さらに好ましくは3〜10μmである。艶消し剤の体積平均粒径が25μm以下であれば、界面積が増大することによって加工時の応力が拡散し、界面に発生したボイド等がエネルギーを吸収したり、粒子間距離が小さくなることによって粒子、又はボイド間で塑性変形が生じ、伸張時の白化を抑制することができる。また、艶消し剤の体積平均粒径が0.5μm以上であると、艶消し効果の観点から好ましい。なお、ここで言う体積平均粒径は、レーザー回折−散乱法によって求めた粒度分布における積算値50%での粒径である。
第1の保護層中の艶消し剤の含有量は、加飾成形品に表出される立体感と成形加工性とのバランスの観点から、0.5〜50質量%であると好ましく、10〜50質量%であるとより好ましく、25〜50質量%であるとさらに好ましい。
艶消し剤のJIS K 5101−13−1:2004に準拠して測定した吸油量としては、150〜400mL/100gが好ましく、180〜350mL/100gであることがより好ましく、230〜300mL/100gであることがさらに好ましい。吸油量が150mL/100g以上の艶消し剤を用いることが艶消し効果の観点から好ましく、また吸油量が400mL/100g以下の艶消し剤を用いることが適度なチキソ性を維持して第1の保護層を形成する際の塗工適性を損なわないとの観点から好ましい。
なお、上記艶消し剤を表面処理することによって、電離放射線硬化性樹脂と艶消し剤との密着性を向上させ、硬化した際に強靭な塗膜を形成させることができる。このような表面処理は成形加工時のクラックや白化を抑制できるため好ましい。処理の手法としては、上記効果を奏するものであれば特に制限はなく、有機材料による表面処理であっても、無機材料による表面処理であってもよい。特に、シランカップリング処理などが好適に挙げられる。
第1の保護層中には、上記の多官能ポリカーボネート(メタ)アクリレート、多官能ウレタン(メタ)アクリレート、艶消し剤の他、第1の保護層に備えさせる所望の物性に応じて、各種添加剤を配合することができる。この添加剤としては、例えば紫外線吸収剤や光安定剤等の耐候性改善剤、耐摩耗性向上剤、重合禁止剤、架橋剤、赤外線吸収剤、帯電防止剤、接着性向上剤、レベリング剤、チクソ性付与剤、カップリング剤、可塑剤、消泡剤、充填剤、溶剤、着色剤等が挙げられる。これらの添加剤は、常用されるものから適宜選択して用いることができる。また、紫外線吸収剤や光安定剤として、分子内に(メタ)アクリロイル基等の重合性基を有する反応性の紫外線吸収剤や光安定剤を用いることもできる。
第1の保護層の厚みについては、特に制限されないが、例えば、0.1〜20μm程度、好ましくは0.5〜10μm程度、さらに好ましくは1〜5μm程度が挙げられる。このような範囲の厚みを満たすと、凹凸形状に基づく高い意匠性を表出することができ、さらには耐傷付き性等の表面保護層としての十分な物性が得られる。また、第1の保護層を形成する電離放射線硬化性樹脂組成物に対して電離放射線を均一に照射することが可能であるため、均一に硬化することが可能となり、経済的にも有利になる。なお、第1の保護層の厚みとは、凹凸形状を有する第1の保護層の凸部の厚みをいう。
第1の保護層の形成は、例えば、上記の電離放射線硬化性樹脂組成物を調製し、これを水溶性フィルムの表面に凹凸形状が形成されるように塗布することにより行われる。なお、電離放射線硬化性樹脂組成物の粘度は、後述の塗布方式により、水溶性フィルムの表面上に未硬化樹脂層を形成し得る粘度であればよい。本発明においては、調製された塗布液を、前記厚みとなるように、第1の保護層に隣接する層上に、グラビアコート、バーコート、ロールコート、リバースロールコート、コンマコート等の公知の方式、好ましくはグラビアコートにより塗布し、未硬化樹脂層を形成させる。なお、後述の通り、本発明の水圧転写フィルムを樹脂成形品に転写した後、第1の保護層に電離放射線を照射することにより、第1の保護層を硬化させた加飾成形品が得られる。
<第2の保護層>
第2の保護層は、第1の保護層と、絵柄層との間に、必要に応じて設けられる層である。第2の保護層を有する場合、通常、第1の保護層によって形成された凹部は、第2の保護層によって埋められるため、加飾成形品の耐傷付き性をより一層高めることができる(例えば、図7を参照)。また、第1の保護層と第2の保護層との艶差によって意匠感を高めることもできる。具体的には、第1の保護層と第2の保護層に前述の艶消し剤を配合し、艶消し剤の配合量の相違によって艶差を設けることによって、繊細で高い立体感を表出することができる。例えば、第1の保護層を相対的に高艶とし、第2の保護層を相対的に低艶とする場合、第2の保護層における艶消し剤の含有率は、第1の保護層における艶消し剤の含有率に対して、1.5〜5.0倍程度とすればよい。
第2の保護層は、第1の保護層による凹凸形状が形成された部分(加飾成形品に立体感を表出する意匠を付与しようとする部分)の全面に形成されていることが好ましいが、例えば第1の保護層の凹部の上に部分的に形成されていてもよい。
第2の保護層は、電離放射線硬化性樹脂またはアクリルポリマーポリオールを含むことが好ましい。電離放射線硬化性樹脂としては、第1の保護層と同じものが例示できる。第2の保護層が電離放射線硬化性樹脂を含む場合には、加飾成形品の耐傷付き性をより高めることができる。なお、第2の保護層の電離放射線硬化性樹脂は、本発明の水圧転写フィルムを樹脂成形品に転写した後、第1の保護層側から電離放射線を照射することにより、第2の保護層の電離放射線硬化性樹脂も第1の保護層と共に硬化させることができる。
第2の保護層がアクリルポリマーポリオールを含む場合、第2の保護層は、アクリルポリマーポリオールを含む樹脂組成物又はその硬化物により形成される。当該硬化物は完全硬化されたものであってもよいが、転写加工性等を考慮すると半硬化状態であることが好ましい。また、アクリルポリマーポリオールを含む樹脂組成物と該樹脂組成物の硬化物が混合された状態のものも好ましい態様である。第2の保護層の艶を高くしたい場合は、第2の保護層がアクリルポリマーポリオールを含むことが好ましい。
また、第2の保護層を形成する樹脂組成物には、アクリルポリマーポリオールに加えて、さらにウレタン樹脂や、イソシアネートを含有させることもできる。イソシアネートはアクリルポリマーポリオールの硬化剤であって、イソシアネートを含有させることで、当該樹脂組成物の少なくとも一部を硬化状態又は半硬化状態とする。このことにより、加飾成形品の製造時における水圧転写フィルムを水面に浮遊させる工程で、水圧転写フィルムが溶解乃至膨潤することで発生しやすくなる過度の展伸を抑制することができる。
(アクリルポリマーポリオール)
上記アクリルポリマーポリオールは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により求められる、標準ポリスチレンで換算された重量平均分子量が1,000〜100,000であることが好ましく、5,000〜80,000であることがより好ましく、20,000〜50,000であることが特に好ましい。アクリルポリマーポリオールの分子量が1,000以上であると、耐溶剤性が改善し、絵柄層を形成した際に第2の保護層が溶解する等の不具合が起こりにくくなり、100,000以下であるとインキ化した際に粘度が低下したり、ゲル化しにくくなるため作業性が向上する。
また、アクリルポリマーポリオールとしては、水酸基価が30〜130mgKOH/gのものが好ましく、50〜130mgKOH/gのものがより好ましく、60〜120mgKOH/gのものがさらに好ましい。アクリルポリマーポリオールの水酸基価が30mgKOH/g以上であると、水圧転写フィルム全体の過度の展伸を抑制することができる点で好ましく、130mgKOH/g以下であると、第2の保護層の柔軟性が良好となり、ひび割れ等の不具合が生じない。なお、上記水酸基価は、無水酢酸を用いたアセチル化法によって測定することができる。
(イソシアネート)
イソシアネートとしては、分子中に2個以上のイソシアネート基を有する多価イソシアネートであればよく、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート(TDI)、キシレンジイソシアネート(XDI)、ナフタレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネートなどの芳香族イソシアネート、或いは、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、メチレンジイソシアネート(MDI)、水素添加トリレンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネートなどの脂肪族(乃至は脂環式)イソシアネートなどのポリイソシアネートが用いられる。
また、必要に応じて、イソシアネート基を適当なブロック剤により保護して不活性化し、加熱によりイソシアネート基が再生するブロックイソシアネートを使用してもよい。ブロック剤としては、例えばフェノール、アルコール、マロン酸ジメチル、アセト酢酸エチル等の活性メチレン、オキシム等、公知のブロック剤を用いてもよい。
ブロックイソシアネートを使用することにより、第2の保護層により高い成形性を付与することができ、所望形状に成形した後に成形品を加熱処理し、イソシアネート基を再生、ポリオールと反応、硬化することにより、第1の保護層、絵柄層と良好な密着性を発現できる。
上記第2の保護層を構成する樹脂組成物には、ウレタン樹脂、(メタ)アクリル樹脂、(メタ)アクリル・ウレタン共重合体樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエステル樹脂、ブチラール樹脂、塩素化ポリプロピレン、塩素化ポリエチレンなどを含有させることが好ましい。第2の保護層を柔軟にし、加飾成形品の製造時における転写加工性を向上させることができるためである。なお、ここで「(メタ)アクリル」とはアクリル又はメタクリルを意味する。これらのうち、特にウレタン樹脂はアクリルポリマーポリオールとの相溶性が高く、好ましい。また、上記第2の保護層には、本発明の効果を阻害しない範囲内で着色剤を添加してもよい。着色剤としては、後述する絵柄層で用いられるものと同様のものを用いることができる。
(ウレタン樹脂)
ウレタン樹脂としては、非架橋型のもの、すなわち、3次元架橋して網目状の立体的分子構造を持ったものではなく、線状の分子構造を持った熱可塑性樹脂となったものを選択することが好ましい。このような非架橋型のウレタン樹脂としては、ポリオール成分として、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリオールを主剤とし、イソシアネートと反応させてなる非架橋型ウレタン樹脂を使用でき、成形性、耐熱性、耐候性、第1の保護層との密着性等の観点から、ポリエステルポリオールと、ヘキサメチレンジイソシアネート等のイソシアネートとの組合せにより合成されるものが特に好ましい。通常ポリオール1分子中の水酸基数及びイソシアネート1分子中のイソシアネート基はそれぞれ平均2である。
また、ウレタン樹脂としては、ポリオール成分、ポリアミン成分及びイソシアネートの組合せより合成されるウレタンウレア樹脂が好ましく用いられ、ポリオール成分やイソシアネートとしては、上述したものを用いることができる。
ウレタン樹脂としては、ガラス転移点が100℃以下のものが好ましく、20〜100℃のものがより好ましい。ウレタン樹脂のガラス転移点が100℃以下であると、第2の保護層の常温における柔軟性に優れ、20℃以上であると、加熱により凝集力が著しく低下したり、第2の保護層が水圧転写時に水に溶解することがなく、好ましい。
第2の保護層を構成する樹脂組成物におけるアクリルポリマーポリオール又はアクリルポリマーポリオールに必要に応じて添加されるイソシアネートの合計量とウレタン樹脂との比率は、通常質量比で99:1〜50:50であり、95:5〜50:50であることが好ましく、90:10〜60:40であるとより好ましく、80:20〜68:32であることが特に好ましい。ウレタン樹脂の比率が高いと転写加工性が向上するが、該比率が高すぎると意匠性に劣る場合がある。特に、イソシアネートの含有量が高い場合には、ウレタン樹脂の比率を高くすることが転写加工性の点から好ましい。
第2の保護層は、上述のアクリルポリマーポリオール、イソシアネート、ウレタン樹脂、及びその他の樹脂を溶媒に溶解した塗工液を、公知の方法で塗布し、必要に応じて乾燥し、硬化して形成することができる。第2の保護層の厚みについては、通常、0.5〜20μm程度であり、好ましくは、1〜5μmの範囲である。
第2の保護層は、艶消し剤を含んでいてもよい。艶消し剤としては、第1の保護層で例示したものと同じものを例示できる。第2の保護層が艶消し剤を含む場合、第1の保護層と第2の保護層との艶差によって意匠感を高めることもできる。例えば、第1の保護層と第2の保護層に前述の艶消し剤を配合し、艶消し剤の配合量の相違によって艶差を設けることによって、繊細で高い立体感を表出することができる。具体的には、第2の保護層の艶消し剤の濃度を、第1の保護層に含まれる艶消し剤の濃度よりも高くして、第2の保護層を第1の保護層よりも相対的に低艶とする。これにより、第1の保護層の凹部(第2の保護層の視認性が高く、凸部よりも低艶)と第1の保護層の凸部との艶差が強調され、繊細で高い立体感を効果的に表出することができる。なお、第1の保護層と第2の保護層の艶差は、艶消し剤の配合の有無や、濃度の高低によって調整することができる。第1の保護層及び第2の保護層のいずれが、相対的に低艶に調整されていてもよい。
また、第2の保護層が艶消し剤を含む場合、視覚的な意匠感に加え、第1の保護層の凹凸形状に対応した繊細な触感を有する加飾成形品を得る観点から、第2の保護層に含まれる艶消し剤の種類や粒径は、第1の保護層に含まれる艶消し剤と異なることが好ましい。例えば第1の保護層に艶消し剤として、ウレタンビーズなどの樹脂ビーズを用いる場合、第2の保護層に含まれる艶消し剤としてはシリカなどの無機フィラーを用いることが好ましい。
<絵柄層>
絵柄層は、加飾成形品に装飾性を与える層であり、種々の模様をインキと印刷機を使用して印刷することにより形成される。絵柄層によって形成される模様は、特に制限されず、例えば、木目模様、大理石模様(例えばトラバーチン大理石模様)等の岩石の表面を模した石目模様、布目や布状の模様を模した布地模様、タイル貼模様、煉瓦積模様など挙げられ、これらを複合した寄木、パッチワーク等の模様も挙げられる。これらの模様は、通常の黄色、赤色、青色、及び黒色のプロセスカラーによる多色印刷によって形成される他、模様を構成する個々の色の版を用意して行う特色による多色印刷等によっても形成される。
絵柄層は、通常、バインダー樹脂と着色剤とを含有する。絵柄層のバインダー樹脂としては、熱可塑性樹脂が挙げられ、具体例としては、アクリル樹脂、アルキッドなどのポリエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂(例えばポリエステルウレタン系樹脂)、ポリカーボネート樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラールなどのポリビニルアセタール(ブチラール系樹脂)、硝化綿などのニトロセルロース系樹脂が挙げられる。バインダー樹脂は、1種類単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
着色剤としては、カーボンブラック(墨)、鉄黒、チタン白、アンチモン白、黄鉛、チタン黄、弁柄、カドミウム赤、群青、コバルトブルーなどの無機顔料、キナクリドンレッド、イソインドリノンイエロー、フタロシアニンブルーなどの有機顔料又は染料、アルミニウム、真鍮などの鱗片状箔片からなる金属顔料、二酸化チタン被覆雲母、塩基性炭酸鉛などの鱗片状箔片からなる真珠光沢(パール)顔料などが用いられる。
本発明においては、第1の保護層の凹凸形状によって形成された模様と、絵柄層の模様とを同調させることにより、より高い立体感を有する意匠を表出することができる。具体的には、絵柄層を相対的に明度の低い暗色部分を有する模様で形成し、第1の保護層の凹部又は凸部と、絵柄層の暗色部分(図1〜5では31の部分。例えば、木目模様であれば、導管部分)とを同調させることにより、高い立体感を表出することができる。例えば、図1又は図3に示される水圧転写フィルムにおいて、艶消し剤を含む第1の保護層の凹凸形状により形成された凹部と、絵柄層の暗色部分とを同調させたり、逆に図2に示される水圧転写フィルムにおいて、艶消し剤を含む第1の保護層の凹凸形状により形成された凸部と、絵柄層の暗色部分を同調させると、高い立体感を有する意匠を表出することができる。また、例えば、図4又は図5に示されるように、第2の保護層を設け、第2の保護層における艶消し剤の濃度を第1の保護層よりも高くして、第1の保護層の凹凸形状により形成された凹部(第2の保護層の影響により、凸部に比べ艶の低い部分)と、絵柄層の暗色部分とを同調させると、より立体感が高く、繊細な意匠を表出することができる。
絵柄層を相対的に明度の低い暗色部分を有する模様で形成する場合、当該暗色部分の色は、他の部分より相対的に明度の低い色であれば特に限定されないが、黒色とすることが特に好ましい。
[水圧転写フィルムの製造方法]
図1〜図3に示されるような、水溶性フィルム10と、第1の保護層21と、絵柄層30とを有する本発明の水圧転写フィルム1は、例えば、水溶性フィルムの表面上に凹凸形状(パターン)を形成するようにして、電離放射線硬化性樹脂を含む第1の保護層21を積層する工程(A)と、当該第1の保護層21の上に、絵柄層30を積層する工程(B)を含む製造方法によって製造することができる。また、図4及び図5に示されるような、水溶性フィルム10と、第1の保護層21と、第2の保護層22と、絵柄層30とを有する本発明の水圧転写フィルム1は、例えば、水溶性フィルムの表面上に凹凸形状を形成するようにして、電離放射線硬化性樹脂を含む第1の保護層を積層する工程(A)と、第1の保護層の上に第2の保護層を積層する工程(A’)と、第2の保護層22の上に、絵柄層30を積層する工程(B)を含む製造方法によって製造することができる。
工程(A)において、電離放射線硬化性樹脂を含む第1の保護層を、水溶性フィルムの表面上に凹凸形状を形成するようにして形成する方法としては、たとえば、公知のグラビア印刷などの方法が挙げられる。第1の保護層によって形成される凹凸形状は、第1の保護層を形成する厚みを印刷によって制御することにより、繊細な凹凸形状とすることができる。
第2の保護層を形成する際に設けられる工程(A’)において、第2の保護層は、公知の塗布方法又は印刷方法によって形成したり、あるいは樹脂フィルムを第1の保護層上にラミネートすることにより形成することができる。当該塗布方法としては、グラビアコート、リバースコート等が挙げられ、印刷方法としては、グラビア印刷等が挙げられる。第2の保護層は、全面ベタ印刷とすることが好ましい。
工程(B)における絵柄層30の形成方法は、工程(A’)における塗布方法や印刷方法と同様である。絵柄層30は、全面ベタ印刷であってもよい。
[加飾成形品の製造方法]
本発明の水圧転写フィルムを用いて、下記の工程(a)〜(e)により加飾成形品を製造することができる。なお、図1に示される水圧転写フィルム1を用いて製造される加飾成形品2は、図6に対応しており、図4に示される第2の保護層22を有する水圧転写フィルム1を用いて製造される加飾成形品2は、図7に対応している。
工程(a)水圧転写フィルムを、水溶性フィルム側が水面側に向くように水面に浮遊させる工程
工程(b)前記水圧転写フィルムの絵柄層側に活性剤組成物を塗布する活性剤塗布工程
工程(c)該工程(a)及び(b)を経た、水面に浮遊している水圧転写フィルム上に被転写体40を押圧し、水圧によって前記絵柄層を被転写体40の被転写面に密着させる工程
工程(d)該被転写体40の被転写面に密着した水溶性フィルムを除去する脱膜工程
工程(e)前記第1の保護層側から電離放射線を照射して、前記第1の保護層を硬化させる硬化工程
また、上記工程(e)に次いで、下記の工程(f)を備えていてもよい。
工程(f):被転写体40の被転写面上にトップコート層を形成する工程。
<工程(a)>
工程(a)は、工程(b)の前又は後に行うことができる。水圧転写フィルム1は、水溶性フィルム10側が水面側に向くように水面上に浮遊させる。水圧転写フィルム1を水面に浮遊させるには、枚葉の印刷物を1枚ずつ浮遊させてもよく、また水を一方向に流し、その水面上に連続帯状の水圧転写フィルム1を、連続的に供給して浮遊させてもよい。
<工程(b)>
工程(b)は、工程(a)の前又は後に行うことができ、水圧転写フィルムの絵柄層側に活性剤組成物を塗布する工程である。この工程で活性剤組成物を塗布することにより、絵柄層の少なくとも一部が溶解乃至膨潤して軟化し(活性化し)、被転写体と密着しやすくなる。
(活性剤組成物)
絵柄層に塗布する活性剤組成物は、絵柄層を活性化して、被転写体の被転写面に転写させる機能を有する組成物であれば特に制限はなく、また、被転写体の被転写面に各層を転写させるまで蒸発しないような性状を有することが好ましい。このような活性剤組成物としては、例えばエステル類、アセチレングリコール類、エーテル類、及び樹脂を含む組成物が好ましく挙げられる。
エステル類としては、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸sec−ブチル、酢酸tert−ブチル、シュウ酸ジブチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジイソオクチルなどが好ましく挙げられる。アセチレングリコール類としては、メトキシブチルアセテート、エトキシブチルアセテート、エチルカルビトールアセテート、プロピルカルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテートなどが好ましく挙げられる。エーテル類としては、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、イソアミルセロソルブなどが好ましく挙げられる。
また、樹脂としては、アクリレート系単量体の単独又は共重合体などの熱可塑性樹脂や、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、エポキシ樹脂、フタル酸アルキッド樹脂、フタル酸ジアリル樹脂、アルキッド樹脂、ポリウレタン樹脂などの熱硬化性樹脂などが好ましく挙げられ、なかでも熱硬化性樹脂が好ましい。
本発明で用いられる活性剤組成物の好ましい各組成の含有量は、エステル類では5〜40質量%、アセチレングリコール類では40〜80質量%、エーテル類では5〜30質量%、及び樹脂では1〜20質量%程度である。
活性剤組成物の塗布は、グラビア印刷やスプレーコート法などにより行えばよく、その塗布量は通常1〜50g/m2であり、好ましくは3〜30g/m2であり、さらに好ましくは10〜20g/m2である。
<工程(c)>
工程(c)は、工程(a)及び工程(b)を経た、水面に浮遊している水圧転写フィルム上に被転写体を押圧し、水圧によって絵柄層を被転写体の被転写面に密着させる工程である。水圧転写フィルムを浮かべ水圧を印加するための水は、該水圧転写フィルムの水溶性フィルムの種類などに応じ、適宣水温を調整するのがよく、好ましくは25〜50℃程度、より好ましくは25〜35℃である。
また、本発明の水圧転写フィルムと被転写体との転写時間は、20〜120秒程度が好ましく、より好ましくは30〜60秒程度である。
(被転写体)
被転写体としては、例えば、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、ポリカーボネート樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、繊維系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの樹脂、あるいはこれらを混合した樹脂のほか、鉄、アルミニウム、銅などの金属、陶磁器、ガラス、琺瑯などのセラミックス、木材などの材料からなる構造体を使用することができる。
また、被転写面の形状は、平面形状である二次元形状であってもよいし、凹凸形状や曲面形状などの三次元形状であってもよい。これらの中で、通常、樹脂製構造体が多用される。この樹脂製構造体は、成型時において離型剤が付着するとともに、ゴミや脂分なども付着することがあり、水圧転写フィルムの各層を密着性よく転写させるために、予め脱脂液により被転写面を清浄化しておくことが好ましい。
工程(c)において、絵柄層に塗布した活性剤組成物は被転写体と接し、該被転写体の表面を溶解させることで、本発明の水圧転写フィルムと被転写体との密着性をさらに良好なものとすることができる。
<脱膜工程(d)>
脱膜工程(d)は、工程(c)の後に行われ、該被転写体の被転写面に密着した水溶性フィルムを除去する工程である。被転写体の被転写面上に付着している水溶性フィルム10の除去は、例えば、水を用いてシャワー洗浄することで行うことができる。なお、シャワー洗浄の条件は、水溶性フィルム10を形成する材料などにより異なるが、通常は水温15〜60℃程度、洗浄時間10秒〜5分程度が好ましい。そして、工程(d)の後、被転写体を十分乾燥し水分を蒸発させる。
<硬化工程(e)>
硬化工程(e)は、工程(d)の後に行われ、第1の保護層側から電離放射線を照射して、第1の保護層を硬化させる工程である。第2の保護層が電離放射線硬化性樹脂を含む場合には、当該硬化工程(e)における第1の保護層側からの電離放射線の照射によって、第2の保護層も硬化させることができる。
前述の通り、電離放射線硬化性樹脂を含む第1の保護層は、電離放射線硬化性樹脂組成物により形成された未硬化樹脂層により形成されている。このため、水圧転写フィルムに形成された第1の保護層は、柔軟性が高く、成形性に優れており、硬化工程(e)で硬化させることにより、加飾成形品に表出された優れた立体感を保持することができる。
電離放射線として電子線を用いる場合、その加速電圧については、用いる樹脂や層の厚みに応じて適宜選定し得るが、通常加速電圧70〜300kV程度が挙げられる。
なお、電子線の照射において、加速電圧が高いほど透過能力が増加するため、第1の保護層の下に電子線照射によって劣化しやすい樹脂を使用する場合には、電子線の透過深さと第1の保護層の厚みが実質的に等しくなるように、加速電圧を選定する。これにより、第1の保護層の下に位置する層への余分の電子線の照射を抑制することができ、過剰電子線による各層の劣化を最小限にとどめることができる。また、照射線量は、第1の保護層の架橋密度が飽和する量が好ましく、通常5〜300kGy(0.5〜30Mrad)、好ましくは10〜50kGy(1〜5Mrad)の範囲で選定される。さらに、電子線源としては、特に制限はなく、例えばコックロフトワルトン型、バンデグラフト型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型、直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速器を用いることができる。電離放射線として紫外線を用いる場合には、波長190〜380nmの紫外線を含む光線を放射すればよい。紫外線源としては、特に制限されないが、例えば、高圧水銀燈、低圧水銀燈、メタルハライドランプ、カーボンアーク燈等が挙げられる。
以上の工程(a)〜(e)により、樹脂成形品に対して高い立体感を表出した意匠が付与された本発明の加飾成形品が得られる。
<工程(f)>
工程(f)は、被転写体の被転写面上に、必要に応じトップコート層を形成する工程である。電離放射線硬化性樹脂の硬化物は、耐傷付き性などに優れているため、本発明の水圧転写フィルムにおいては、従来の水圧転写フィルムを用いた加飾成形品では水圧転写フィルムの転写後に形成する必要があったトップコート層を形成しなくても、耐傷付き性などの優れた表面特性を加飾成形品に付与することができる。トップコート層を設けた場合、第1の保護層や第2の保護層によって表現される繊細な意匠感が損なわれる恐れがあるが、本発明の水圧転写フィルムによればトップコート層を形成しなくても表面特性に優れた加飾成形品を製造できるので、トップコート層を設けないことで意匠性と表面特性の両立を図ることができる。
工程(f)を行う場合、当該工程(f)においては、硬化した第1の保護層に対し、表面強度の向上、表面保護、表面の艶調整などのために必要に応じ塗装を施し、透明ないし半透明のトップコート層を形成する。
このトップコート層を形成する材料としては、例えば熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂などが選択され、具体的にはウレタン系樹脂、エポキシ樹脂、アクリル系樹脂、フッ素系樹脂、ケイ素系樹脂などが用いられる。トップコート層の形成は、上記の樹脂を公知の有機溶剤に溶解して得た塗料を用いて、スプレー塗装、静電塗装、刷毛塗り、浸漬塗装、など公知の塗装方法により行うことができる。また、トップコート層の厚みは、好ましくは1〜25μmであり、より好ましくは1〜10μmである。
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。なお、以下の実施例及び比較例において、第1の保護層の厚みとは、第1の保護層によって形成されている凹凸形状の凸部の厚みをいう。
<実施例1>
水溶性フィルムとして、ポリビニルアルコール(PVA)フィルム(厚さ40μm)を用い、その片面に電離放射線硬化性樹脂を含む下記の樹脂組成物を用いて、グラビア印刷により第1の保護層(厚み3μm)を形成した。また、第1の保護層は、水溶性フィルム上に積層された部分(凸部)と積層されていない部分(凹部)が生じるように模様状に印刷し、凹凸形状を形成するようにした。次に、硝化綿とアルキッド樹脂とを80:20の質量比で含む下記のインキを用いて、グラビア印刷により木目柄の絵柄層(2μm)を形成し、水溶性フィルム/第1の保護層/絵柄層が積層された水圧転写フィルムを得た。絵柄層の木目模様は、黒色インキ、焦茶色インキ、薄茶色インキの3種類のインキをこの順に用い、且つ黒色インキと焦茶色インキを柄状に、薄茶色インキを全面に印刷することにより形成し、黒色インキによって導管部分を表現すると共に、導管部分を、第1の保護層の凹凸形状における凹部に同調させた。
(第1の保護層を形成する樹脂組成物)
2官能ポリカーボネートアクリレート(重量平均分子量10,000、95質量部)、4官能ウレタンアクリレート(重量平均分子量6,000、5質量部)、ウレタンビーズ(粒子径3μm、10質量部)
(絵柄層を形成するインキ)
硝化綿とアルキッド樹脂とを80:20の質量比で含み、着色剤として弁柄及びカーボンブラックを所定の配合比率で使用した着色インキ
<実施例2>
第1の保護層を形成した後、絵柄層を形成する前に、電離放射線硬化性樹脂を含む下記の樹脂組成物を用いて、グラビア印刷により第2の保護層(厚み3μm)を全面ベタで形成した以外は実施例1と同様にして、水溶性フィルム/第1の保護層/第2の保護層/絵柄層が積層された水圧転写フィルムを得た。
(第2の保護層を形成する樹脂組成物)
2官能ポリカーボネートアクリレート(重量平均分子量10,000、95質量部)、4官能ウレタンアクリレート(重量平均分子量6,000、5質量部)、シリカ(粒子径1.3μm、30質量部)
<実施例3>
第2の保護層を形成する樹脂組成物として、アクリルポリオールを含む下記の樹脂組成物を用いたこと以外は、実施例2と同様にして、水溶性転写フィルムを得た。
(第2の保護層を形成する樹脂組成物)
アクリルポリマーポリオール(重量平均分子量30,000、水酸基価80mgKOH/g、80質量部)、ウレタンウレア樹脂(ガラス転移点40℃、20質量部)、及びシリカ(10質量部、粒子径1.3μm)
<比較例1>
第1の保護層及び第2の保護層を形成せず、水溶性フィルムの上に直接絵柄層を形成したこと以外は、実施例1と同様にして、水溶性転写フィルムを得た。得られた水圧転写フィルムについて、上記の加飾成形品の意匠性の評価、及び転写加工性(追従性)の評価を行った。結果を表1に示す。
<比較例2>
第1の保護層を形成せず、水溶性フィルムの上に、第2の保護層を形成する電離放射線硬化性樹脂とウレタンビーズを含む下記の樹脂組成物を用いて、グラビア印刷により第2の保護層(厚み3μm)を全面ベタで形成したこと以外は、実施例2と同様にして、水溶性転写フィルムを得た。得られた水圧転写フィルムについて、上記の加飾成形品の意匠性の評価、及び転写加工性(追従性)の評価を行った。結果を表1に示す。
(第2の保護層を形成する樹脂組成物)
2官能ポリカーボネートアクリレート(重量平均分子量10,000、95質量部)、4官能ウレタンアクリレート(重量平均分子量6,000、5質量部)、シリカ(粒子径1.3μm、10質量部)
<加飾成形品の製造>
上記で得られた各水圧転写フィルムの絵柄層に、下記組成の活性剤組成物を3g/m2塗布し、スムージングロールで該活性剤組成物を均一にし、絵柄層の活性剤塗布工程(b)を経た後、水面に浮遊している水圧転写フィルムに被転写体を押圧し、水圧によって絵柄層を被転写体の被転写面に密着させる工程(c)、水洗による脱膜工程(d)、及び硬化工程(e)を経て、加飾成形品を得た。第1の保護層の硬化工程においては、水圧転写フィルムの第1の保護層側から電子線を照射(加速電圧165kV、照射線量50kGy(5Mrad))して、第1の保護層を硬化させた。第2の保護層が電離放射線硬化性樹脂を含む場合も、同様に硬化させた。被転写体としては、直径35mm、長さ250mmの円柱形状の樹脂成形体を用いた。
(活性剤組成物の組成)
フタル酸系アルキッド樹脂 6質量部
マイクロシリカ(顔料) 2質量部
フタル酸ジブチル 17質量部
溶剤(ブチルカルビトールアセテート) 60質量部
溶剤(ブチルセロソルブ) 15質量部
(1)意匠性の評価
上記で得られた加飾成形品を目視により観察し、その意匠性について以下の基準で評価した。結果を表1に示す。
○:第1の保護層の凹凸形状に対応する凹凸感が良好に表出されており、導管部分が凹部として認識され、繊細な立体感が得られた。
△:第1の保護層の凹凸形状に対応する凹凸感がやや低下したものの十分視認でき、実用にあたり問題が生じない程度の繊細な立体感が得られた。
×:第1の保護層の凹凸形状に対応する凹凸感が消失したため、繊細な立体感が得られなかった。
第1の保護層を電離放射線硬化性樹脂により形成し、さらに、凹凸形状となるように形成したことにより、繊細で高い立体感が表出された意匠を有する加飾成形品が得られることが分かる。
10 水溶性フィルム
21 第1の保護層
22 第2の保護層
30 絵柄層
31 暗色部分
40 被転写体
1 水圧転写フィルム
2 加飾成形品

Claims (5)

  1. 水溶性フィルムと、第1の保護層と、絵柄層とをこの順に有する水圧転写フィルムであって、
    前記第1の保護層は、前記水溶性フィルムの表面上において凹凸形状を形成しており、
    前記第1の保護層が、電離放射線硬化性樹脂を含み、
    前記第1の保護層と、前記絵柄層との間に、第2の保護層を有し、
    前記第2の保護層が、電離放射線硬化性樹脂を含む、水圧転写フィルム。
  2. 前記凹凸形状が、前記水溶性フィルムの表面上に前記第1の保護層を有する部分と、前記第1の保護層を有しない部分とによって形成されている、請求項1に記載の水圧転写フィルム。
  3. 前記第1の保護層が、艶消し剤を含む、請求項1または2に記載の水圧転写フィルム。
  4. 以下の工程(A)、(A’)、及び(B)を順に有する水圧転写フィルムの製造方法。
    工程(A)水溶性フィルムの表面上に凹凸形状を形成するようにして、電離放射線硬化性樹脂を含む第1の保護層を積層する工程
    工程(A’)前記第1の保護層の上に、電離放射線硬化性樹脂を含む第2の保護層を積層する工程
    工程(B)前記第2の保護層の上に、絵柄層を積層する工程
  5. 下記の工程(a)〜(e)を有する加飾成形品の製造方法。
    工程(a)請求項1〜3のいずれかに記載の水圧転写フィルムを、水溶性フィルム側が水面側に向くように水面に浮遊させる工程
    工程(b)前記水圧転写フィルムの絵柄層側に活性剤組成物を塗布する活性剤塗布工程
    工程(c)該工程(a)及び(b)を経た、水面に浮遊している水圧転写フィルム上に被転写体を押圧し、水圧によって前記絵柄層を被転写体の被転写面に密着させる工程
    工程(d)該被転写体の被転写面に密着した水溶性フィルムを除去する脱膜工程
    工程(e)前記第1の保護層側から電離放射線を照射して、前記第1の保護層を硬化させる硬化工程
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