JP2019068950A - 圧力測定用容器および血液浄化装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】血液室内の血液の圧力を正確に測定可能な、圧力の測定可能範囲の大きい圧力測定容器を提供する。【解決手段】圧力測定用容器は、中空部を有するハウジングと、ハウジング内に設けられ、ハウジングの中空部を血液室と気体室とに隔てるチューブとを備えている。ハウジングは、血液室に連通する入口ポートおよび出口ポートと、気体室に連通する気体ポートとを有する。チューブは、気体ポート側に設けられてハウジングに支持された開口端部と、開口端部と反対側に設けられた閉口端部とを有し、かつ、開口端部から閉口端部に向かって先細りして延びている。チューブの周壁は、閉口端部から、開口端部と閉口端部との間に規定される所定位置に向かって大きくなる剛性を有している。【選択図】図6

Description

本発明は、圧力測定用容器、および、それを備えた血液浄化装置に関する。
血液の体外循環回路(血液回路)を備えた血液浄化装置が知られている。例えば、人口透析を行うための血液浄化装置では、患者の動脈から血液回路を通じて血液浄化器に血液が送られ、血液中の老廃物の除去および血液中の水分調整が行われる。血液浄化器を通過した血液は、患者の静脈から体内へ戻される。
人工透析中に血液の圧力が所定の範囲から外れると、血球に損傷が生じるおそれがある。そこで、血液回路上には、血液の圧力を連続的に測定するための圧力測定装置が設けられている。
例えば、特許文献1に開示された圧力測定装置は、細長い円筒形状のハウジングと、ハウジングの側壁に支持されてハウジングの内部を血液室と空気室とに隔てる半球状の隔膜とを有する圧力測定用容器を備えている。血液室内の血液の圧力変動に応じて隔膜がハウジングの長手方向に変位すると、空気室の体積が変動する。さらに、空気室の体積変動に応じて、空気室内の空気の圧力が変動する。空気室は圧力センサに接続されており、この圧力の変動を検出することにより、血液室内の血液の圧力を連続的に測定できる。
特開2005−95230号公報
特許文献1に開示された圧力測定容器では、半球状の隔膜の変位範囲に対してハウジングの寸法が大きいため、圧力の測定可能範囲について改善の余地がある。圧力の測定可能範囲を大きくするため、細長いハウジング内に、半球状の隔膜の代わりに、ハウジングの長手方向に沿って延びる細長い隔膜を設けることが考えられる。この場合、隔膜はハウジングの長手方向でなく、径方向内側に向かって変形(圧縮変形)することになる。
圧力測定容器を用いて大気圧より高い圧力(陽圧)を測定することを考える。このとき、隔膜の変形の過程で、閉塞が生じて空気室が2つ以上の空間に分離された場合、第1に、血液室内の血液の圧力変動と空気室の体積の変動量とが正確に対応しなくなって、血液室内の血液の圧力を正確に測定できないという問題が生じ、第2に、実質的な空気室の体積が小さくなって、圧力の測定可能範囲が小さくなるという問題が生じる。
本発明は、上述の問題を解決するためになされたものであり、血液室内の血液の圧力を正確に測定可能な、圧力の測定可能範囲の大きい圧力測定容器を提供することを課題とする。
本発明は、
中空部を有するハウジングと、
前記ハウジング内に設けられ、前記ハウジングの中空部を血液室と気体室とに隔てる変形可能なチューブとを備え、
前記ハウジングは、前記血液室に連通する入口ポートおよび出口ポートと、前記気体室に連通する気体ポートとを有し、
前記チューブは、前記気体ポート側に設けられて前記ハウジングに支持された開口端部と、前記開口端部と反対側に設けられた閉口端部とを有し、かつ、前記開口端部から前記閉口端部に向かって先細りして延び、
前記チューブの周壁は、前記閉口端部から、前記開口端部と前記閉口端部との間に規定される所定位置に向かって大きくなる剛性を有する、
圧力測定用容器に関する。
本発明によれば、チューブが開口端部から閉口端部に向かって先細りして延びており、さらに、チューブの周壁が、閉口端部から所定位置に向かって大きくなる剛性を有することにより、ハウジングの血液室内に満たされた血液の圧力が大きくなったときには、閉口端部側の領域から開口端部側の領域の順に、内側へ向かう変形が生じやすくなる。このようにして、チューブでは閉口端側の領域がまず変形し、続いて、ハウジングに支持された開口端側の領域で変形が生じるようにすることで、血液室内の血液の圧力を正確に測定可能であって、圧力の測定可能範囲の大きい圧力測定容器が得られる。
本発明の実施形態に係る圧力測定用容器を備えた血液浄化装置を示す模式図である。 本発明の実施形態に係る圧力測定用容器を示す正面図である。 本発明の実施形態に係る圧力測定用容器を示す側面図である。 本発明の実施形態に係る圧力測定用容器を示す平面図である。 本発明の実施形態に係る圧力測定用容器を示す底面図である。 本発明の実施形態に係る圧力測定用容器を示す上方側から見た斜視図である。 本発明の実施形態に係る圧力測定用容器を示す下方側から見た斜視図である。 図2をA−A線に沿って切断して矢印の方向に見た断面図である。 図3をB−B線に沿って切断して矢印の方向に見た断面図である。 チューブの変形のプロセスを示す、図6に対応する断面図である。 チューブの変形のプロセスを示す、図6に対応する断面図である。 チューブの変形のプロセスを示す、図6に対応する断面図である。 厚肉部が設けられていないチューブの変形のプロセスを示す、図6に対応する断面図である。 本発明の他の実施形態に係る圧力測定用容器を示す、図6に対応する断面図である。 本発明の他の実施形態に係る圧力測定用容器を示す、図6に対応する断面図である。 本発明の他の実施形態に係る圧力測定用容器の使用方法を示す、図6に対応する断面図である。 本発明の他の実施形態に係る圧力測定用容器を示す、図6に対応する断面図である。
以下、本発明の実施形態に係る圧力測定用容器について、図面を参照して具体的に説明する。異なる実施形態において、同一または対応する要素には、同一の符号を付して説明を省略することがある。説明において用いている、方向を示す用語(上、下)は、本発明を限定するものであると理解すべきではない。
[1.血液浄化装置]
図1は、本発明の実施形態に係る圧力測定用容器1を備えた血液浄化装置100を示す模式図である。この実施形態では、血液浄化装置100は人工透析に用いられる。血液浄化装置100は、血液回路110と透析用監視装置120とを備えている。血圧回路110上には血液ポンプ111と血液浄化器112が設けられている。血液回路110は可撓性を有するチューブであり、血液、および、生理食塩水など電解液が流れる。血液ポンプ111は、患者の動脈に設けられた血液導入口113から取り出された血液を加圧する機能を有する。血液ポンプ111を作動させることにより、動脈を流れる血液を血液回路110に取り込み、患者の静脈に設けられた血液導出部114から身体内に戻すことができる。血液浄化器112は、透析液を用いて血液中の老廃物の除去、血液中の水分調整を行う機能を有する。
本発明の実施形態に係る圧力測定用容器1は、大気圧より高い圧力(陽圧)を測定するように構成されており、血液ポンプ111の下流側であって、血液浄化器112の上流側の位置115、および、血液浄化器112の下流側の位置116に設けられてよい。血液ポンプ111の上流側には、大気圧より低い圧力(陰圧)を測定するように構成された圧力測定用容器が設けられてよい。
圧力測定用容器1では、血液回路110を流れる血液の圧力が空気の圧力に変換される。圧力測定用容器1は、透析用監視装置120内に設けられた圧力センサ121に接続されている。圧力センサ121は、圧力測定用容器1内で変換された空気の圧力を検出することにより、血液回路110を流れる血液の圧力を測定する。
血液浄化器112の上流側と下流側には、それぞれエアトラップチャンバ118,119が設けられている。エアトラップチャンバ118,119は、血液浄化器112により処理された血液を患者の静脈に戻す前に、血液回路110の内部に存在する可能性のある気泡を除去する機能を有する。なお、血液浄化器112の下流側に設けられるエアトラップチャンバ119は必須であるが、血液浄化器112の上流側に設けられるエアトラップチャンバ118は省略されてもよい。
[2.圧力測定用容器]
図2から図7は、本発明の実施形態に係る圧力測定用容器1を示す図である。この実施形態で、圧力測定用容器1は、典型的には上下方向が鉛直方向に一致するように配置されるが、本発明はこれに限定されることなく、圧力測定用容器1は任意の方向に配置されてよい。圧力測定用容器1は、ハウジング10とチューブ20とを備えている。
(2−1.ハウジング)
ハウジング10は、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート・PET系などの材料で作られていてよい。ハウジング10は、大略、中心軸101に沿って延びる細長い筒形状を有している。この実施形態では、ハウジング10は円筒形状を有している。ハウジング10は、本体11と、本体11に取り付けられた蓋12とを有している。以下、中心軸101が延びる方向を上下方向と称す。また、図面において蓋12が設けられている側を上側と称し、上側と反対側を下側と称す。また、上下方向に対して垂直な面内にある任意の方向を水平方向と称する。
ハウジング10は、本体11と蓋12とにより画定される中空部13を有している。ハウジング10の中空部13は、チューブ20により、血液室13aと気体室13bとに隔てられている。中空部13が血液室13aと気体室13bとに隔てられることにより、血液と気体との界面が形成されず、血液と気体とが直接に接触することにより生じうる血栓の発生が抑制される。この実施形態では、気体として空気を用いる。
ハウジング10の本体11は、血液室13aに連通する2つのポート14,15を有している。この実施形態では、ポート14は血液のための入口ポートであり、ポート15は血液のための出口ポートである。入口ポート14は、ハウジング10の本体11の周壁に設けられており、出口ポート15はハウジング10の下端に設けられている。出口ポート15は中心軸101に沿って上下方向に延びている。圧力測定用容器1は、入口ポート14と出口ポート15を介して、血液回路110に接続される。入口ポート14と出口ポート15は、任意の手段、例えばルアーコネクタ、カプラを用いて、血液回路110に接続されてよい。これにより、血液室13aでは、入口ポート14から血液が流入し、出口ポート15から血液が流出する。
図7は、ハウジング10を中心軸101に対して垂直に切った断面を示している。入口ポート14は、図7に示す断面において、中心軸101から外れた方向を指向している。入口ポート14は、ハウジング10の円筒形状の外側に設けられている。入口ポート14は、ハウジング10の外側の部分からハウジング10内に延長されて延びる仮想流路105が、チューブ20に当接しないような形状、配置を有する。入口ポート14は、ハウジング10の内側にまで延びていてもよい。なお、各図では、入口ポート14は水平方向に延びるように図示しているが、本発明はこれに限定されることなく、水平方向から上下方向に傾斜して延びていてもよい。
ここで、一般的に、血液浄化装置を動作させる際、血液回路を洗浄するなどの目的で、生理食塩水などのプライミング液を用いて血液回路を充填するプライミングという作業が行われる。この実施形態では、血液浄化装置100の動作時に、血液室13a内は血液で満たされる(図8などを参照)。よって、プライミング時、血液室13a内をプライミング液で満たす必要があるが、上下方向が鉛直方向に一致するように圧力測定用容器1を配置した場合、プライミング時に血液室13aの上部に残留空気がたまることがある。血液室13a内をプライミング液で充填するためには、プライミング時に圧力測定用容器1を例えば上下反転させてたまった空気を出口ポート15から排出させる必要がある。そこで、本体11の側壁の上部に、空気のみを通過させる逆止弁を設けてもよい。このような逆止弁を設けることにより、プライミング時に血液室13aの上部に空気がたまることを防止し、血液室13a内をプライミング液で充填する作業を容易に行うことができる。
再度図2から図7を参照して、本体11の上部には、蓋12を受け、蓋12に係合するように設けられた壁形状の蓋受部11aが設けられている。この実施形態では、蓋受部11aは蓋12よりも若干小さい形状を有している。
蓋12は、本体11の蓋受部11aに係合するように構成されている。この実施形態では、蓋12は、蓋12よりも若干小さい形状を有する本体11の蓋受部11aに圧入されている。他の実施形態では、蓋12は蓋受部11aに超音波溶着されていてもよい。さらに他の実施形態では、蓋12は接着剤を用いて蓋受部11aに固定されていてもよい。
蓋12は、気体室13bに連通する気体ポート16を有している。気体ポート16は、中心軸101に沿って上下方向に延びている。気体ポート16は、血液室13aの出口ポート15に対して一直線上(つまり中心軸101上)に設けられていてもよい)。圧力測定用容器1の気体室13bは、気体ポート16に固定された圧モニタチューブを介して圧力センサ121に接続されている。気体ポート16は、任意の手段、例えばルアーコネクタ、カプラを用いて圧モニタチューブに接続されていてよい。
(2−2.チューブ)
チューブ20は可撓性を有していてよい。チューブ20は、エラストマー、シリコーン、ポリ塩化ビニル、ポリウレタンなどの材料で作られていてもよい。チューブ20の例示的な厚さは、約0.01mm以上約0.7mm以下である。図6に示すように、チューブ20は、ハウジング10内に設けられている。チューブ20は、ハウジング10の血液室13a内に満たされた血液の圧力が気体室13b内の気体の圧力より大きくなったときに、チューブ20の変形(圧縮変形)が長さ方向でなく、内側に向かって(中心軸101に向かって、または、径方向内側に向かって)生じるような形状を有する。チューブ20の変形が径方向に生じるように、チューブ20の長さは、後述する開口端部21により画定される開口部の半径よりも十分に大きくてもよい。
チューブ20の周壁とハウジング10の内壁との間には、入口ポート14から出口ポート15に向かう血流を阻害しない程度の隙間が設けられている。
チューブ20は、気体ポート16側(この実施形態では上側)に設けられた開口端部21と、開口端部21と反対側(この実施形態では下側)に設けられた閉口端部22とを有している。チューブ20の開口端部21にはフランジ部23が設けられている。フランジ部23が本体11と蓋12との間に挟持されることにより、チューブ20は、開口端部21の位置でハウジング10に支持されている。チューブ20のフランジ部23は、好適な接着剤を用いて本体11と蓋12に接着されていてよい。チューブ20の閉口端部22は、入口ポート14よりも下側に位置する。
チューブ20の周壁は、ハウジング10の血液室13a内に満たされた血液の圧力が気体室13b内の気体の圧力より大きくなったときに、閉口端部22側から開口端部21側に向かって変形が生じるように構成されている。
上記構成を実現するために、まず、チューブ20は、開口端部21から閉口端部22に向かって(この実施形態では、上側から下側に向かって)先細りして延びている。チューブ20は中空部を有し、この中空部が気体室13bである。この実施形態では、チューブ20の周壁は、大略、円錐形状を有している。したがって、図7に示す断面では、チューブ20の周壁は円形を有している。本発明はこれに限定されることなく、他の実施形態では、チューブ20の周壁は、大略、角錐形状を有していてもよいし、三角柱形状を有していてもよい。チューブ20の周壁が角錐形状または三角柱形状を有する実施形態において、角錐または三角柱は理想的な角錐または三角柱である必要はなく、例えばこれらの側面は平面でなく曲面であってもよい。他の実施形態では、チューブ20の周壁は、図7に示す断面において、楕円または(四角形を含む)多角形であってもよい。
チューブ20の閉口端部22は、図6に示す断面において所定の曲率半径を有している。本発明はこれに限定されることなく、他の実施形態では、チューブ20の閉口端部22は一点で終端していてもよい(つまり、閉口端部22の先端は尖っていてもよい)。
上記構成(チューブ20の周壁において開口端部21側の領域から閉口端部22側の領域の順に、変形が生じる構成)を実現するために、チューブ20の周壁は、さらに、閉口端部22から、開口端部21と閉口端部22との間に規定される所定位置に向かって大きくなる剛性を有している。これにより、チューブ20の周壁では、最初に閉口端部22から所定位置までの領域で内側に向かって変形が生じ、その後、所定位置より上側の領域で、内側に向かって変形が生じる。所定位置は、開口端部21に近接する位置であってもよいし、開口端部21と閉口端部22との中央付近の位置であってもよいし、閉口端部22に近接する位置であってもよい。チューブ20の周壁の剛性は、閉口端部22から所定位置に向かって徐々に大きくなっていてもよいし、段階的に大きくなっていてもよい。
この実施形態では、チューブ20の周壁に、周りの部分よりも厚さが大きい厚肉部24が設けられている。図面では厚肉部24は周壁の外側に設けられているが、周壁の外側に設けられていてもよい。厚肉部24の上端、下端にそれぞれ符号24a,24bを付している。この実施形態では、厚肉部24の上端24aは、チューブ20において上下方向の中央付近に設けられている。他の実施形態では、チューブ20の厚肉部24の上端24aは、開口端部21またはその付近まで延びていてもよい。
図面において、厚肉部24が設けられている領域(以下、厚肉領域と称す)に符号102を付し、厚肉部24の下端24bから閉口端部22までの領域(以下、下側領域と称す)に符号103を付し、厚肉部24の上端24aから開口端部21までの領域(以下、上側領域と称す)に符号104を付している。チューブ20の周壁の剛性は、下側領域103、上側領域104にわたってそれぞれ一定であり、厚肉領域102では下側から上側に向かって段階的に大きくなっている。この場合、前記所定位置は厚肉部の上端24aの位置である。
[3.チューブの変形のプロセス]
図8から図11を参照して、血圧室13a内の血液の圧力変化に伴ってチューブ20が変形(圧縮変形)するプロセスについて説明する。なお、図面において、血液にはドットを付している。
まず、生理食塩水を用いて血液浄化装置100のプライミングを行い、その後、血液に置換して血液浄化プロセスを開始する。血液浄化プロセスが開始されると、入口ポート14を通じて血液回路110から血液室内13aに血液が連続的に供給され、出口ポート15を通じて血液室内13aから血液回路110へ血液が連続的に吐出される。
このとき、入口ポート14が図7に示す断面において中心軸101から外れた方向を指向していることにより、図8において矢印106で示すように、入口ポート14から血液室13a内に流入した血液は、チューブ20の周壁の周りをらせん状に回り込みながら下方の出口ポート15に向かって進む。これにより、血液室13a内での血液の滞留が生じにくくなり、血栓の発生が抑制される。さらに、図7を参照して説明したとおり、ハウジング10の外側の部分からハウジング10内に延長されて延びる仮想流路105がチューブ20に当接しないので、入口ポート14から血液室13a内に流入した血液がチューブ20に当たって乱流を引き起こすことがない。これにより、血液室13a内での血液の滞留がさらに生じにくくなり、血栓の発生がさらに抑制されるという効果が得られる。
ハウジング10の血液室13aが血液で満たされ、その圧力が気体室13b内の気体の圧力より大きくなると、チューブ20の周壁では、閉口端部22から厚肉部24の下端24bまでの下側領域103で内側に向かって変形が生じやすくなる(図9を参照)。血液室13a内の血液の圧力が大きくなるほど、下側領域103におけるチューブ20の変形量が大きくなる。当該圧力がさらに大きいときは、下側領域103で変形が生じた後に、厚肉領域102、さらには上側領域104において内側へ向かう変形が生じやすくなる(図10を参照)。このように、血液室13b内に満たされた血液の圧力が大きくなったときには、チューブ20の周壁では、閉口端部22側の領域から開口端部21側の領域の順に、内側への変形が生じやすくなる。
ここで、図11に示すように、チューブ20の周壁に厚肉部24が設けられていない例を考える。図9と同じ圧力が、血液室13a内の血液からチューブ20の周壁に加わると、場合によっては、閉口端部22側の領域から開口端部21側の領域の順に変形が生じず、閉口端部22から開口端部21側へ離れた位置で閉塞107が生じ、空気室13bが2つ以上の空間に分離されることも考えられる。この場合、血液室13a内の血液の圧力変動と空気室13bの体積の変動量とが正確に対応しなくなって、血液室13a内の血液の圧力を正確に測定できないという問題、および、実質的な空気室13bの体積が小さくなって、圧力の測定可能範囲が小さくなるという問題が生じる。しかし、この実施形態に係る圧力測定用容器1では、上述のとおり、このような問題の発生が抑制される。
このようにして、この実施形態に係る圧力測定用容器1では、血液室13a内の血液の圧力を正確に測定可能であって、圧力の測定可能範囲を大きくすることができる。
図10の状態から血液室13a内の血液の圧力が小さくなると、チューブ20の変形が解放されて図9の状態またはそれに近い状態に戻り、さらに当該圧力が小さくなると、図8の状態またはそれに近い状態に戻る。
[4.他の実施形態]
本発明の範囲は、上述の実施形態の内容に限定されると理解すべきではない。また、上述の実施形態に記載された特徴を自由に組み合わせることにより、他の実施形態が構成されてよい。また、上述の実施形態には、種々の改良、設計上の変更および削除が加えられてよい。
ある実施形態では、図12に示すように、チューブ20の周壁は、前記所定位置の閉口端部22側に設けられた段差部25を有している。図12に示す実施形態では、段差部25は下側領域103に設けられている。段差部24における段差の数は、図示したものに限定されない。図12では、厚肉部24の下方に連続して段差部25が設けられているが、本発明はこれに限定されることなく、厚肉部24にも段差部25が設けられてよいし、厚肉部24の下方に所定の距離を隔てて段差部25が設けられていてもよい。
上述の実施形態では、厚肉部24を設けることにより、チューブ20の周壁が、閉口端部22から、開口端部21と閉口端部22との間に規定される所定位置に向かって大きくなる剛性を有する構成を実現した。他の実施形態では、厚肉部24の代わりにチューブ20に別体の補強要素を設けることにより、当該構成を実現してもよい。当該補強要素は、チューブ20の表面に塗布して設けられたコーティング膜であってもよい。さらに他の実施形態では、閉口端部22から所定位置に向かって剛性が大きくなる材料でチューブ20の周壁を作ってもよい。これは、例えば剛性の異なる材料を用いた異材質成形(例えば二色成形)を行うことにより実現される。
さらに他の実施形態では、図13に示すように、チューブ20の周壁は、閉口端部22から前記所定位置に向かって剛性が大きくなるように、閉口端部22と前記所定位置との間に設けられたベローズ部(またはふいご形状部)26を有していてもよい。図14の実施形態では、図6などで厚肉領域102と称した領域に、ベローズ部26が設けられている。ベローズ部26の上端、下端にそれぞれ符号26a,26bを付している。
上述の実施形態では、血液浄化装置100の動作時に、圧力測定容器1のハウジング10の血液室13a内を血液で満たした。他の実施形態では、図14に示すように、血液室13aの上部に気体層を設けてもよい。これにより、血液室13a内に血液と気体との界面104が形成されるので、圧力測定容器1はエアトラップチャンバとしても機能しうる。その結果、圧力測定容器1と、血液浄化装置100の血液回路110上に設けられたエアトラップチャンバ118,119とを共通化ができ、血液回路の構成を単純にすることができる。また、圧力測定容器1に設けられる界面108の範囲は従来のエアトラップチャンバに比べて小さいので、従来のエアトラップチャンバに比べて血液と気体との界面での血栓の発生を抑制できる。
圧力測定容器1とエアトラップチャンバ118,119とを共通化する場合、図2から図7を用いて説明した圧力測定容器1の実施形態において、血液室13aの入口ポート14の上に、図示しない第2の入口ポート(補液用)をさらに設けてもよい。入口ポート14を血液回路110に接続し、第2の入口ポートを生理食塩水などの電解液のソースに接続してもよい。
上述の実施形態では、ハウジング10の周壁に入口ポート14を設け、ハウジング10の中心軸101上の下端部に出口ポート15を設けた。他の実施形態では、図15に示すように、ハウジング10の下端部に、入口ポート214と出口ポート215とを並列して設けてもよい。
上述の実施形態では、圧力測定容器1を透析用の血液回路に用いた。他の実施形態では、圧力測定容器1を人工心肺に用いてもよい。
1 圧力測定用容器
10 ハウジング
11 本体
12 蓋
13a 血液室
13b 気体室
14,214 入口ポート
15,215 出口ポート
16 気体ポート
20 チューブ
21 開口端部
22 閉口端部
23 フランジ部
24 厚肉部
25 段差部
26 ベローズ部
100 血液浄化装置
101 中心軸
108 血液と気体との界面
110 血圧回路
111 血液ポンプ
112 血液浄化器
120 透析用監視装置
121 圧力センサ
118,119 エアトラップチャンバ

Claims (7)

  1. 中空部を有するハウジングと、
    前記ハウジング内に設けられ、前記ハウジングの中空部を血液室と気体室とに隔てる変形可能なチューブとを備え、
    前記ハウジングは、前記血液室に連通する入口ポートおよび出口ポートと、前記気体室に連通する気体ポートとを有し、
    前記チューブは、前記気体ポート側に設けられて前記ハウジングに支持された開口端部と、前記開口端部と反対側に設けられた閉口端部とを有し、かつ、前記開口端部から前記閉口端部に向かって先細りして延び、
    前記チューブの周壁は、前記閉口端部から、前記開口端部と前記閉口端部との間に規定される所定位置に向かって大きくなる剛性を有する、
    圧力測定用容器。
  2. 前記チューブの周壁は、前記閉口端部から前記所定位置に向かって剛性が大きくなるように、前記閉口端部から前記所定位置に向かって厚さが大きくなる、
    請求項1に記載の圧力測定用容器。
  3. 前記チューブの周壁は、前記所定位置の前記閉口端部側に設けられた段差部を有している、
    請求項1または2に記載の圧力測定用容器。
  4. 前記チューブの周壁は、前記閉口端部から前記所定位置に向かって剛性が大きくなるように、前記閉口端部と前記所定位置との間に設けられたベローズ部を有している、
    請求項1から3のいずれか1項に記載の圧力測定用容器。
  5. 前記ハウジングは、前記入口ポートおよび前記出口ポートが設けられた本体と、前記本体に取り付けられ、前記気体ポートが設けられた蓋とを有し、
    前記チューブの開口端部には、前記本体と前記蓋との間に挟持されることにより前記ハウジングに支持されたフランジ部が設けられている、
    請求項1から4のいずれか1項に記載の圧力測定用容器。
  6. 前記ハウジングは、中心軸に沿って延び、
    前記ハウジングを前記中心軸に対して垂直に切った断面において、前記入口ポートは、前記中心軸から外れた方向を指向している、
    請求項1から5のいずれか1項に記載の圧力測定用容器。
  7. 請求項1から6のいずれか1項に記載の圧力測定用容器と、
    前記入口ポートおよび前記出口ポートに接続された血液回路と、
    前記気体ポートに接続された圧力センサとを備えた、
    血液浄化装置。
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