JP2019068945A - 温感物品 - Google Patents

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Abstract

【課題】着用初期の温感作用が高く且つ着用後に温感付与剤に接触していた肌の接触部位に刺激を与えにくい温感物品を提供すること。【解決手段】肌当接面8a及び非肌当接面8bを有し且つ布帛から構成される液透過性シート7と、液不透過性シート9と、液透過性シート7の非肌当接面8bに隣接し且つ布帛から構成される溶液保持シート13とを備え、厚さ方向Tを有する温感物品1であって、温感物品1が、液透過性シート7及び溶液保持シート13に配置された、TRPチャネルを活性化する温感付与剤と、溶媒とを含む温感付与溶液33を含む温感付与領域31を備え、温感付与領域31において、液透過性シート7に存在する温感付与溶液33の溶液密度が、溶液保持シート13に存在する温感付与溶液33の溶液密度よりも高いことを特徴とする温感物品1。【選択図】図3

Description

本開示は、温感物品に関する。
着用者に、体温よりも高い高温感又は体温よりも低い低温感を付与する温感物品が知られている。特に、高温感を付与する温感物品では、低温やけどを防止する観点から、物理的に発熱する発熱剤を含むものよりも、着用者の肌に作用し、着用者の肌の温度を上げるように作用するものを含むことが好ましい。
特許文献1には、快適性を向上させることを目的とした、着用者によって知覚される外部条件を作り出す必要なしに着用者に知覚を伝えることのできる剤を含む、吸収性物品、好ましくは衛生使い捨て吸収性物品が記載されている。
また、特許文献1の段落[0040]には、好ましい剤として、加温剤が挙げられ、そして当該加温剤は、物品の着用者の身体面上における温度変化を作り出す必要なしに、温度受容器(すなわち、温熱)を刺激することができることが記載されている。
特表2004−528090号公報
本願発明者は、特許文献1に記載されるような、温感付与剤(加温剤)を含む温感物品では、着用初期の温感作用が低いことと、着用者が、着用後、すなわち、温感物品を取り外した後において、所定の時間、温感付与剤に接触していた肌の接触部位が、入浴時等に刺激を覚えやすいことを確認した。
従って、本開示は、着用初期の温感作用が高く且つ着用後に温感付与剤に接触していた肌の接触部位に刺激を与えにくい温感物品を提供することを目的とする。
本開示者らは、肌当接面及び非肌当接面を有し且つ布帛から構成される液透過性シートと、液不透過性シートと、上記液透過性シートの上記非肌当接面に隣接し且つ布帛から構成される溶液保持シートとを備え、厚さ方向を有する温感物品であって、上記温感物品が、上記液透過性シート及び上記溶液保持シートに配置された、TRPチャネルを活性化する温感付与剤と、溶媒とを含む温感付与溶液を含む温感付与領域を備え、上記温感付与領域において、上記液透過性シートに存在する上記温感付与溶液の溶液密度が、上記溶液保持シートに存在する上記温感付与溶液の溶液密度よりも高いことを特徴とする温感物品を見出した。
本開示の温感物品は、着用者が温感作用を制御することができる。
図1は、第1実施形態に従う生理用ナプキン1の平面図である。 図2は、生理用ナプキン1の分解斜視図である。 図3は、図1のIII−III断面における、生理用ナプキン1の断面図である。 図4は、生理用ナプキン1の着用状態を示す図である。 図5は、第2実施形態に従うショーツ型生理用ナプキン101を説明するための図である。 図6は、第3実施形態に従う使い捨ておむつ201を説明するための図である。 図7は、第4実施形態に従う温感シート301が個包装された温感シートの個包装体303の斜視図である。 図8は、温感シート301の斜視図である。 図9は、温感シート301の分解斜視図である。 図10は、図8のX−X断面における、温感シート301の断面図である。 図11は、温感シート301の着用状態を示す図である。
具体的には、本開示は以下の態様に関する。
[態様1]
肌当接面及び非肌当接面を有し且つ布帛から構成される液透過性シートと、液不透過性シートと、上記液透過性シートの上記非肌当接面に隣接し且つ布帛から構成される溶液保持シートとを備え、厚さ方向を有する温感物品であって、
上記温感物品が、上記液透過性シート及び上記溶液保持シートに配置された、TRPチャネルを活性化する温感付与剤と、溶媒とを含む温感付与溶液を含む温感付与領域を備え、
上記温感付与領域において、上記液透過性シートに存在する上記温感付与溶液の溶液密度が、上記溶液保持シートに存在する上記温感付与溶液の溶液密度よりも高い、
ことを特徴とする、上記温感物品。
本願発明者は、温感付与剤を含む温感物品では、温感付与剤の特性により、着用初期の温感作用が弱いことを見出した。特に、温感付与溶液の溶媒が親油性溶媒の場合には、温感付与剤が、着用者の肌に浸透しにくいため、着用初期の温感作用が弱い傾向にある。
また、本願発明者は、温感付与剤が高温感を付与する高温感付与剤である温感物品では、着用初期の高温感感知時間における高温感作用が弱いことにより、着用者が痒みを覚えやすいことを見出した。
さらに、本願発明者は、着用者が、着用後、すなわち、温感物品を取り外しても、所定の時間、着用者が温感(高温感又は低温感)を覚え続けやすく、着用者が、入浴時等に、温感付与剤と接触していた肌の接触部位に刺激を覚えやすいことを見出した。
さらに、本願発明者は、着用初期に強い温感(高温感又は低温感)を付与すると、着用中期及び着用後期に弱い温感(高温感又は低温感)を付与した場合にあっても、着用者が適度な温感(高温感又は低温感)を覚えやすいことを見出した。
上記温感物品では、温感付与領域において、液透過性シートに存在する温感付与溶液の溶液密度が、溶液保持シートに存在する温感付与溶液の溶液密度よりも高い。従って、着用初期に、液透過性シートに存在する、相対的に高密度の温感付与溶液が、着用初期に、温感物品が着用者に強い温感を付与し、着用者が、着用初期に、適度な温感を覚えることができる。また、温感付与剤が高温感を付与する高温感付与剤である温感物品では、着用初期に痒みを覚えにくい。
また、着用中期及び着用後期において、液透過性シートに存在する温感付与溶液の量が減少すると、溶液保持シートに存在する、相対的に低密度の温感付与溶液が、液透過性シートに移動し、次いで、着用者に弱い温感を付与するが、着用者は、適度な温感を覚えることができる一方で、着用者は、着用後、温感物品を取り外した場合に、温感付与剤に接触していた肌の接触部位に刺激を覚えにくい。
[態様2]
上記温感付与領域において、上記液透過性シートを構成する上記布帛の繊維密度が、上記溶液保持シートを構成する上記布帛の繊維密度よりも高い、態様1に記載の温感物品。
上記温感物品では、液透過性シートを構成する布帛の繊維密度が、溶液保持シートを構成する布帛の繊維密度よりも高いので、温感物品が、着用前又は着用中に加圧等を受けて、温感付与溶液が一時的に移動した場合であっても、温感付与溶液が、温感付与溶液の所定の溶液密度関係を満たすように戻りやすくなる。その結果、着用者が、着用初期に痒みを覚えにくくなり、着用者が、温感物品を取り外した後に、温感付与剤に接触していた、肌の接触部位に刺激を覚えにくくなる。
[態様3]
上記溶媒が親油性溶媒であり、上記液透過性シートを構成する上記布帛の親油性度が、上記溶液保持シートを構成する上記布帛の親油性度よりも高い、態様1又は2に記載の温感物品。
上記温感物品では、上記溶媒が親油性溶媒であるとともに、液透過性シートを構成する布帛の親油性度が、溶液保持シートを構成する上記布帛の親油性度よりも高いので、温感物品が、着用前又は着用中に加圧等を受けて、温感付与溶液が一時的に移動した場合であっても、温感付与溶液が、温感付与溶液の所定の溶液密度関係を満たすように戻りやすくなる。その結果、着用者が、着用初期に痒みを覚えにくくなり、着用者が、温感物品を取り外した後に、温感付与剤に接触していた肌の接触部位に刺激を覚えにくくなる。
[態様4]
上記溶媒が親水性溶媒であり、上記液透過性シートを構成する上記布帛の親水性度が、上記溶液保持シートを構成する上記布帛の親水性度よりも高い、態様1又は2に記載の温感物品。
上記温感物品では、上記溶媒が親水性溶媒であるとともに、液透過性シートを構成する布帛の親水性度が、溶液保持シートを構成する上記布帛の親水性度よりも高いので、温感物品が、着用前又は着用中に加圧等を受けて、温感付与溶液が一時的に移動した場合であっても、温感付与溶液が、温感付与溶液の所定の溶液密度関係を満たすように戻りやすくなる。その結果、着用者が、着用初期に痒みを覚えにくくなり、着用者が、温感物品を取り外した後に、温感付与剤に接触していた肌の接触部位に刺激を覚えにくくなる。
[態様5]
上記温感物品が、上記温感付与領域と上記厚さ方向に重複する範囲に、上記溶液保持シートの、上記液透過性シートと反対側の面に隣接し且つ上記温感付与領域を構成する、布帛から構成される補助溶液保持シートをさらに備え、上記温感付与領域において、上記補助溶液保持シートに存在する上記温感付与溶液の溶液密度が、上記溶液保持シートに存在する上記温感付与溶液の溶液密度よりも低い、態様1又は2に記載の温感物品。
上記温感物品では、温感付与領域において、液透過性シートに存在する温感付与溶液の溶液密度が、溶液保持シートに存在する温感付与溶液の溶液密度よりも高い。従って、着用初期に、液透過性シートに存在する、相対的に高密度の温感付与溶液が、着用初期に、温感物品が着用者に強い温感を付与し、着用者が、着用初期に、適切な温感を覚えることができる。また、温感付与剤が高温感を付与する高温感付与剤である温感物品では、着用初期に痒みを覚えにくい。
また、着用中期において、液透過性シートに存在する温感付与溶液の量が減少すると、溶液保持シートに存在する、相対的に中密度の温感付与溶液が、液透過性シートに移動し、次いで、着用者に中程度の温感を付与するが、着用者は、適度な温感を覚えることができる一方で、着用後、温感物品を取り外した場合に、着用者が、温感付与剤に接触していた肌の接触部位に刺激を覚えにくい。
次いで、液透過性シートに存在する、相対的に中密度の温感付与溶液が着用者の肌に移動し、消費されると、補助溶液保持シートに存在する、相対的に低密度の温感付与溶液が、溶液保持シートを経由して、液透過性シートに移動し、着用後期において、液透過性シートから、着用者の肌に、相対的に低密度の温感付与溶液が移動し、着用者の肌に弱い温感作用を付与することができる。
なお、着用者の肌が一度温感を覚えると、中程度から弱い温感作用が付与された場合であっても、着用者は、適度な温感を覚え続けることができる。
次いで、着用者が、温感物品の使用を終え、温感物品を取り外し、入浴等を行った場合に、着用後期に、相対的に低密度の温感付与溶液による温感作用を受けていたため、着用者が、お湯等により、温感付与剤に接触していた肌の接触部位に刺激を覚えにくい。
[態様6]
上記温感付与領域において、上記補助溶液保持シートを構成する上記布帛の繊維密度が、上記溶液保持シートを構成する上記布帛の繊維密度よりも低い、態様5に記載の温感物品。
上記温感物品では、液透過性シートに存在する温感付与溶液の溶液密度が、溶液保持シートに存在する温感付与溶液の溶液密度よりも高く、補助溶液保持シートを構成する布帛の繊維密度が、溶液保持シートを構成する布帛の繊維密度よりも低いので、温感物品が、着用前又は着用中に加圧等を受けて、温感付与溶液が一時的に移動した場合であっても、温感付与溶液が、温感付与溶液の所定の溶液密度関係を満たすように戻りやすくなる。その結果、着用者が、着用初期に痒みを覚えにくくなり、着用者が、温感物品を取り外した後に、温感付与剤に接触していた肌の接触部位に刺激を覚えにくくなる。
[態様7]
上記溶媒が親油性溶媒であり、上記液透過性シートを構成する上記布帛の親油性度が、上記溶液保持シートを構成する上記布帛の親油性度よりも高く、上記補助溶液保持シートを構成する上記布帛の親油性度が、上記溶液保持シートを構成する上記布帛の親油性度よりも低い、態様5又は6に記載の温感物品。
上記温感物品では、温感付与溶液を構成する溶媒が親油性溶媒であるとともに、液透過性シートを構成する布帛の親油性度が、溶液保持シートを構成する布帛の親油性度よりも高く、補助溶液保持シートを構成する布帛の親油性度が、溶液保持シートを構成する布帛の親油性度よりも低いので、温感物品が、着用前又は着用中に加圧等を受けて、温感付与溶液が一時的に移動した場合であっても、温感付与溶液が、温感付与溶液の所定の溶液密度関係を満たすように戻りやすくなる。その結果、着用者が、着用初期に痒みを覚えにくくなり、着用者が、温感物品を取り外した後に、温感付与剤に接触していた肌の接触部位に刺激を覚えにくくなる。
[態様8]
上記溶媒が親水性溶媒であり、上記液透過性シートを構成する上記布帛の親水性度が、上記溶液保持シートを構成する上記布帛の親水性度よりも高く、上記補助溶液保持シートを構成する上記布帛の親水性度が、上記溶液保持シートを構成する上記布帛の親水性度よりも低い、態様5又は6に記載の温感物品。
上記温感物品では、温感付与溶液を構成する溶媒が親水性溶媒であるとともに、液透過性シートを構成する布帛の親水性度が、溶液保持シートを構成する布帛の親水性度よりも高く、補助溶液保持シートを構成する布帛の親水性度が、溶液保持シートを構成する布帛の親水性度よりも低いので、温感物品が、着用前又は着用中に加圧等を受けて、温感付与溶液が一時的に移動した場合であっても、温感付与溶液が、温感付与溶液の所定の溶液密度関係を満たすように戻りやすくなる。その結果、着用者が、着用初期に痒みを覚えにくくなり、着用者が、温感物品を取り外した後に、温感付与剤に接触していた肌の接触部位に刺激を覚えにくくなる。
[態様9]
上記液透過性シートの、3g/cm2荷重時の厚さに対する、30g/cm2の荷重時の厚さの比率である厚さ保持率が、上記溶液保持シートの上記厚さ保持率よりも小さい、態様1〜8のいずれか一項に記載の温感物品。
上記温感物品では、液透過性シートの厚さ保持率が、溶液保持シートの厚さ保持率よりも小さい、すなわち、液透過性シートが、溶液保持シートよりも潰れやすいため、温感物品に体圧等が加わった際に、液透過性シートの厚さが薄くなりやすく、液透過性シートが保持する温感付与溶液が、着用者の肌に移動しやすくなる。
[態様10]
上記液透過性シートが、70%以下の、上記厚さ保持率を有する、態様9に記載の温感物品。
上記温感物品では、液透過性シートが、所定の厚さ保持率を有するため、温感物品に体圧等が加わることにより液透過性シートの厚さが薄くなりやすく、液透過性シートが保持する温感付与溶液が、着用者の肌に移動しやすくなる。
[態様11]
上記温感物品の上記厚さ方向において、上記温感物品の上記温感付与領域と重複する領域の厚さが、上記温感物品の上記温感付与領域と重複しない領域の厚さよりも厚い、態様1〜10のいずれか一項に記載の温感物品。
上記温感物品では、温感物品の、温感付与領域と重複する領域の厚さが、温感物品の温感付与領域と重複しない領域の厚さよりも厚いので、着圧等により、温感物品の、温感付与領域と重複する領域が押し込まれやすくなり、ひいては温感付与領域から温感付与溶液が放出されやすくなる。
[態様12]
上記温感付与剤が、TRPV1レセプターに対するアゴニストである高温感付与剤か、又はTRPM8レセプターに対するアゴニストである低温感付与剤である、態様1〜11のいずれか一項に記載の温感物品。
上記温感物品では、温感付与剤が、所定の高温感付与剤か、又は所定の低温感付与剤から構成されるため、着用者に強い温感(高温感、低温感)を付与することができる。
[態様13]
上記温感物品が、生理用ナプキン、パンティーライナー、使い捨ておむつ及びショーツ型生理用ナプキンからなる群から選択される、態様1〜12のいずれか一項に記載の温感物品。
上記温感物品は、生理用ナプキン、パンティーライナー、使い捨ておむつ及びショーツ型生理用ナプキンからなる群から選択されるため、吸収性能を発揮するとともに、着用者に温感を付与することができる。
[態様14]
上記温感物品が発熱剤を含まない、態様1〜13のいずれか一項に記載の温感物品。
上記温感物品は、発熱剤を含まないため、温感物品を長時間使用する場合であっても、着用者に低温やけどを生じさせにくい。
[定義]
・「温感」
本明細書では、「温感」には、体温(36℃)より高い温度を感じる「高温感」と、体温(36℃)より低い温度を感じる「低温感」とが含まれる。
・「温感付与剤」
本明細書では、「温感付与剤」には、上述の高温感を付与する「高温感付与剤」と、上述の低温感を付与する「低温感付与剤」とが含まれる。
・「温感付与溶液」
本明細書では、「温感付与溶液」には、上述の高温感付与剤を含む「高温感付与溶液」と、上述の低温感付与剤を含む「低温感付与溶液」とが含まれる。
・「温感付与領域」
本明細書では、「温感付与領域」には、上述の高温感付与溶液を含む「高温感付与領域」と、上述の低温感付与溶液を含む「低温感付与領域」とが含まれる。
・「温感感知時間」
本明細書では、「温感感知時間」には、高温感付与剤により、所望の高温感を覚える「高温感感知時間」と、低温感付与剤により、所望の低温感を覚える「低温感感知時間」とが含まれる。
・「温感付与溶液の所定の溶液密度関係」
本明細書では、「温感付与領域において、液透過性シートに存在する温感付与溶液の溶液密度が、溶液保持シートに存在する温感付与溶液の溶液密度よりも高いこと」を、『温感付与溶液の所定の溶液密度関係』と称する。
また、本明細書では、温感物品が補助溶液保持シートをさらに備える場合には、「温感付与領域において、液透過性シートに存在する温感付与溶液の溶液密度が、溶液保持シートに存在する温感付与溶液の溶液密度よりも高く、そして補助溶液保持シートを構成する布帛に存在する温感付与溶液の溶液密度が、溶液保持シートを構成する布帛に存在する温感付与溶液の溶液密度よりも低いこと」を、『温感付与溶液の所定の溶液密度関係』と称する。
なお、温感付与溶液の所定の溶液密度関係には、高温感付与剤及び高温感付与溶液に関する「高温感付与溶液の所定の溶液密度関係」と、低温感付与剤及び低温感付与溶液に関する「低温感付与溶液の所定の溶液密度関係」とが含まれる。
本開示の温感物品について、以下、詳細に説明する。
図1〜図4は、本開示の実施形態の1つ(以下、「第1実施形態」と称する)に従う温感物品としての生理用ナプキン1を説明するための図である。なお、以下、「第1実施形態に従う温感物品としての生理用ナプキン」を、単に『第1実施形態に従う生理用ナプキン』と称する場合がある。具体的には、図1は、第1実施形態に従う生理用ナプキン1の平面図である。図2は、第1実施形態に従う生理用ナプキン1の分解斜視図である。図3は、図1のIII−III断面における、生理用ナプキン1の断面図である。図4は、生理用ナプキン1の着用状態を示す図である。
第1実施形態に従う生理用ナプキン1は、お互いに直交する長手方向L、幅方向W及び厚さ方向Tを有し、吸収本体3と、吸収本体3より長手方向Lの前方に配置された温感本体5とを備える。生理用ナプキン1は、吸収本体3において、着用時に着用者の肌に当接し且つ不織布から構成される液透過性シート7と、着用時に着衣19に当接する液不透過性シート9と、液透過性シート7及び液不透過性シート9の間に配置された吸収体11とを備える。
生理用ナプキン1は、温感本体5において、着用時に着用者の肌に当接し且つ不織布から構成される液透過性シート7と、着用時に着衣19に当接する液不透過性シート9とを備える。また、生理用ナプキン1は、温感本体5において、液透過性シート7及び液不透過性シート9の間に配置された、不織布から構成される溶液保持シート13と、形状保持部材15とを備える。液透過性シート7は、着用時に着用者の肌に当接する肌当接面8aと、肌当接面8aの反対側の非肌当接面8bとを備える。溶液保持シート13は、液透過性シート7の非肌当接面8bに隣接している。形状保持部材15は、溶液保持シート13よりも液不透過性シート9側に配置されている。
また、生理用ナプキン1は、温感本体5の、溶液保持シート13と厚さ方向Tに重複する範囲に、高温感付与領域31を備える。高温感付与領域31では、TRPチャネルを活性化する高温感付与剤と、親油性溶媒とを含む高温感付与溶液33が、液透過性シート7及び溶液保持シート13に配置されており、高温感付与領域31において、液透過性シート7に存在する高温感付与溶液33の溶液密度が、溶液保持シート13に存在する高温感付与溶液33の溶液密度よりも高い。高温感付与領域31は、高温感付与溶液33を、液透過性シート7及び溶液保持シート13のそれぞれに塗工することにより形成されている。
なお、図面上では、高温感付与溶液33の溶液密度の高さの関係は、ドットの密度の高低にて表されている。
なお、吸収本体3における液透過性シート7と、温感本体5における液透過性シート7は、所定の親油性度を付与しうる第1親油化剤で処理された、親油性を有する不織布からなる一体のシートから構成されている。また、吸収本体3における液不透過性シート9と、温感本体5における液不透過性シート9も、一体のシートから構成されている。また、吸収本体3における吸収体11と、温感本体5における形状保持部材15とは、それらの一部が、重複部17において、厚さ方向Tに一部重複しており、重複部17において、吸収体11が、形状保持部材15よりも液透過性シート7に近い位置に配置されている。
生理用ナプキン1は、吸収本体3及び温感本体5の両方において、生理用ナプキン1を着用者の着衣19に固定するための粘着部21を備える。粘着部21の一方の面は、液不透過性シート9に固定され、そして他方の面は、剥離性が付与された、包装シート29の内面に仮固定されている。
生理用ナプキン1は、未使用状態では、包装シート29とともに、長手方向Lに延びる、長手方向第1折軸F1及び長手方向第2折軸F2と、幅方向Wに延びる、幅方向第1折軸F3、幅方向第2折軸F4及び幅方向第3折軸F5を基軸として折畳まれ、生理用ナプキン1の個包装体(図示せず)を形成している。なお、幅方向第1折軸F3、幅方向第2折軸F4、及び幅方向第3折軸F5は、それぞれ、生理用ナプキン1の前方、中央及び後方に配置されている。
また、幅方向第1折軸F3は、生理用ナプキン1及び包装シート29の展開状態において、溶液保持シート13と、厚さ方向Tに重複するように配置されている。長手方向第1折軸F1及び長手方向第2折軸F2は、生理用ナプキン1及び包装シート29の展開状態において、吸収体11と厚さ方向Tに重複しないが、溶液保持シート13と厚さ方向Tに重複するように配置されている。
生理用ナプキン1の個包装体は、生理用ナプキン1及び包装シート29を、長手方向第1折軸F1及び長手方向第2折軸F2を基軸として、生理用ナプキン1を内側にして幅方向Wに折畳み、次いで、幅方向第1折軸F3及び幅方向第3折軸F5を基軸として、生理用ナプキン1を内側にして長手方向Lに折り畳み、次いで、幅方向第2折軸F4を基軸として、生理用ナプキン1を内側にして長手方向Lに折畳むことにより形成されている。
また、生理用ナプキン1は、生理用ナプキン1を着衣19に固定するための一対のフラップ部23、シール部25、エンボス部27等を備えるが、当技術分野で公知のものであるため、説明を省略する。
生理用ナプキン1は、吸収本体3及び温感本体5を、吸収本体3の吸収体11の排泄口当接域(図示せず)を着用者の排泄口当接域に当接するように着衣19に配置した際に、温感本体5、特に溶液保持シート13が、着用者の下腹部に対応する位置に配置されるように有している。換言すると、吸収本体3の吸収体11の排泄口当接域(図示せず)と、温感本体5の溶液保持シート13との距離は、着用者の排泄口と、下腹部との距離(肌面上の距離)とに概ね等しくなるように構成されている。
吸収本体3は、通常の生理用ナプキンと同様の形状を有している。
温感本体5において、溶液保持シート13は、液透過性シート7で用いられた第1親油化剤よりも低い親油性度を付与しうる第2親油化剤で処理された、親油性を有する不織布から構成されている。すなわち、温感本体5において、液透過性シート7を構成する不織布の親油性度は、溶液保持シート13を構成する不織布の親油性度よりも高い。
また、図3に示されるように、液透過性シート7を構成する不織布の繊維密度は、溶液保持シート13を構成する不織布の繊維密度よりも高い。
さらに、溶液保持シート13の、幅方向Wの長さは、吸収体11の、幅方向Wの長さよりも長く、高温感付与溶液33が、吸収体11よりも、幅方向Wに広い領域に配置されるように構成されている。
使用者が、生理用ナプキン1を着衣19に固定し、生理用ナプキン1を着用すると、高温感付与領域31(溶液保持シート13)に含まれる高温感付与溶液33が、着用者の肌に接触し、高温感付与剤が接触している、着用者の肌の接触部位のTRPチャネルを効率よく活性化し、着用者の下腹部に、体温(36℃)より高い温度である高温感を効率よく付与することができる。
着用者の下腹部に高温感を付与することにより、高温感付与剤に接していた着用者の下腹部の肌の接触部位のTRPチャネルが活性化される結果、交感神経系を介して、上記接触部位から熱が生じ、着用者の肌の接触部位の温度を上昇させることが期待され、ひいては着用者の子宮に近い部位を温め、着用者の生理痛を緩和することが期待される。
また、着用者の子宮に近い部位を温めることにより、着用者の月経前症候群(Premenstrual Syndrome)、冷え性、更年期障害等を軽減することが期待される。
本願発明者は、高温感付与剤を含む温感物品では、高温感感知時間が、発熱剤(例えば、鉄粉)を含む発熱物品と比較して長くなる傾向にあり、当該高温感感知時間の間に、着用者が痒みを覚えやすいことを見出した。また、本願発明者は、高温感付与剤を含む温感物品では、発熱剤(例えば、鉄粉)を含む発熱物品と比較して、着用者の肌の状態(例えば、着用者の肌の乾燥度等)によって、高温感の覚え方に差があることを見出した。例えば、着用者の肌が水分で湿潤している場合には、着用者の肌が乾燥している場合と比較して、着用者の肌の主に角質層が膨潤した状態を保持しやすく、高温感付与溶液33が、主に角化細胞(ケラチノサイト)に存在するTRPチャネルに到達しやすくなるため、高温感を覚えやすい(高温感感知時間が短い)。
第1実施形態に従う生理用ナプキン1では、高温感付与領域31において、液透過性シート7に存在する高温感付与溶液33の溶液密度が、溶液保持シート13に存在する高温感付与溶液33の溶液密度よりも高い。
従って、着用者が、生理用ナプキン1を着用すると、着用初期において、液透過性シート7に存在する、相対的に高密度の高温感付与溶液33が、着用者の肌に移動し、着用者の肌に強い高温感作用を付与することができるので、高温感感知時間を短くすることができる。また、高温感感知時間を短くすることができる結果、着用者が、高温感感知時間において痒みを覚えにくい。
また、生理用ナプキン1では、液透過性シート7に存在する、相対的に高密度の高温感付与溶液33が着用者の肌に移動し、消費されると、溶液保持シート13に存在する、相対的に低密度の高温感付与溶液33が液透過性シート7に移動し、着用中期及び着用後期において、液透過性シート7から、着用者の肌に、相対的に低密度の高温感付与溶液33が移動し、着用者の肌に弱い高温感作用を付与することができるが、着用者の肌が一度高温感を覚えると、弱い高温感作用が付与された場合であっても、着用者は、適度な高温感を覚え続けることができる。
次いで、着用者が、生理用ナプキン1の着用を終え、入浴等を行った場合に、着用後期に、相対的に低密度の高温感付与溶液33による温感作用を受けていたため、着用者が、お湯等により、高温感付与剤に接触していた肌の接触部位に刺激を覚えにくい。
また、生理用ナプキン1では、(i)液透過性シート7を構成する不織布の繊維密度が、溶液保持シート13を構成する不織布の繊維密度よりも高く、そして(ii)高温感付与溶液33を構成する溶媒が親油性溶媒であり、液透過性シート7を構成する不織布の親油性度は、溶液保持シート13を構成する不織布の親油性度よりも高い。
従って、液透過性シート7及び溶液保持シート13の繊維密度差及び親油性度差により、高温感付与領域31において、例えば、高温感付与溶液33を、液透過性シート7及び溶液保持シート13のいずれか一方に塗工した場合、又は液透過性シート7及び溶液保持シート13の両方に均一量で塗工した場合であっても、高温感付与溶液33の所定の溶液密度関係を形成しやすい。また、生理用ナプキン1が、搬送時の振動、圧力等を受け、高温感付与溶液33が一時的に移動した場合、着用時の体圧等を受け、高温感付与溶液が一時的に移動した場合であっても、高温感付与溶液33が元の位置に戻りやすく、高温感付与溶液33の所定の溶液密度関係を形成しやすくなる。
図5は、本開示の別の実施形態(以下、「第2実施形態」と称する)に従う温感物品としてのショーツ型生理用ナプキン101を説明するための図であり、着用状態を示す図である。なお、以下、「第2実施形態に従う温感物品としてのショーツ型生理用ナプキン」を、単に『第2実施形態に従うショーツ型生理用ナプキン』と称する場合がある。
第2実施形態に従うショーツ型生理用ナプキン101は、ショーツ部103と、ショーツ部103の内面に配置された吸収性物品部105とから構成されている。吸収性物品部105は、吸収本体107と、温感本体109とを備える。吸収本体107は、着用時に着用者の肌に当接し且つ不織布から構成される液透過性シート(図示せず)と、ショーツ部103に当接する液不透過性シート(図示せず)と、それらの間に配置された吸収体111とを備える。温感本体109は、着用時に着用者の肌に当接する液透過性シート(図示せず)と、ショーツ部103に当接する液不透過性シート(図示せず)とを備える。また、温感本体109は、液透過性シート(図示せず)及び液不透過性シート(図示せず)の間に配置された、不織布から構成される溶液保持シート113と、形状保持部材115とを備える。液透過性シート(図示せず)は、着用時に着用者の肌に当接する肌当接面(図示せず)と、肌当接面の反対側の非肌当接面(図示せず)とを備え、溶液保持シート113は、液透過性シートの非肌当接面(図示せず)に隣接している。
なお、吸収本体107における液透過性シート(図示せず)と、温感本体109における液透過性シート(図示せず)は、所定の親油性度を付与しうる第1親油化剤で処理された、親油性を有する不織布からなる一体のシートから構成されている。また、吸収本体107における液不透過性シート(図示せず)と、温感本体109における液不透過性シート(図示せず)も、一体のシートから構成されている。
また、温感本体109の溶液保持シート113は、液透過性シート(図示せず)で用いられたものと同一の第1親油化剤で処理された親油性を有する不織布から構成されている。
液透過性シート(図示せず)を構成する不織布の繊維密度は、溶液保持シート113を構成する不織布の繊維密度よりも高い。
また、上述のとおり、液透過性シート(図示せず)と、溶液保持シート113とは、同一の第1親油化剤により親油性化されており、液透過性シート(図示せず)と、溶液保持シート113とは、同一の親油性度を有する。
また、ショーツ型生理用ナプキン101は、温感本体109の、溶液保持シート113と厚さ方向Tに重複する範囲に、高温感付与領域117を備える。高温感付与領域117では、TRPチャネルを活性化する高温感付与剤と、親油性溶媒とを含む高温感付与溶液が、液透過性シート(図示せず)及び溶液保持シート113に配置されており、高温感付与領域117において、液透過性シート(図示せず)に存在する高温感付与溶液(図示せず)の溶液密度が、溶液保持シート113に存在する高温感付与溶液(図示せず)の溶液密度よりも高い。
なお、高温感付与領域117は、高温感付与溶液を、液透過性シート(図示せず)及び溶液保持シート113のそれぞれに塗工することにより形成された。
着用者が、ショーツ型生理用ナプキン101を着用すると、着用初期において、液透過性シート(図示せず)に存在する、相対的に高密度の高温感付与溶液が、着用者の肌に強い高温感作用を付与することができるので、高温感感知時間を短くすることができる。また、高温感感知時間を短くすることができる結果、着用者が、高温感感知時間において痒みを覚えにくい。
また、ショーツ型生理用ナプキン101では、液透過性シート(図示せず)に存在する、相対的に高密度の高温感付与溶液が着用者の肌に移行し、消費されると、溶液保持シート113に存在する、相対的に低密度の高温感付与溶液が液透過性シート(図示せず)に移動し、着用中期及び着用後期において、液透過性シート(図示せず)から、着用者の肌に、相対的に低密度の高温感付与溶液が提供されるが、着用者の肌が一度高温感を覚えると、相対的に低密度の高温感付与溶液が提供された場合であっても、着用者は、適度な高温感を覚え続けることができる。
次いで、着用者が、ショーツ型生理用ナプキン101の着用を終え、入浴等を行った場合に、着用後期に、相対的に低密度の高温感付与溶液による温感作用を受けていたため、着用者が、お湯等により、高温感付与剤に接触していた肌の接触部位に刺激を覚えにくい。
また、ショーツ型生理用ナプキン101では、液透過性シート(図示せず)を構成する不織布の繊維密度が、溶液保持シート113を構成する不織布の繊維密度よりも高い。
従って、液透過性シート(図示せず)及び溶液保持シート113の繊維密度差により、高温感付与領域117において、例えば、高温感付与溶液を、液透過性シート(図示せず)及び溶液保持シート113のいずれか一方に塗工した場合、又は液透過性シート(図示せず)及び溶液保持シート113の両方に均一量で塗工した場合であっても、高温感付与溶液の所定の溶液密度関係を形成しやすい。また、ショーツ型生理用ナプキン101が、搬送時の振動、圧力等を受け、高温感付与溶液が一時的に移動した場合、着用時の体圧等を受け、高温感付与溶液が一時的に移動した場合であっても、高温感付与溶液が元の位置に戻りやすく、高温感付与溶液の所定の溶液密度関係を形成しやすくなる。
なお、着用者の下腹部に高温感を付与することにより、高温感付与剤に接していた、着用者の下腹部の肌の接触部位のTRPチャネルが活性化される結果、交感神経系を介して、上記接触部位から熱が生じ、着用者の肌の接触部位の温度を上昇させることが期待され、ひいては着用者の子宮に近い部位を温め、着用者の生理痛を緩和することが期待される。また、着用者の月経前症候群(Premenstrual Syndrome)、冷え性、更年期障害等が軽減されることが期待される。
図6は、本開示のさらに別の実施形態(以下、「第3実施形態」と称する)に従う温感物品としての、大人用の使い捨ておむつ201を説明するための図であり、着用状態を示す図である。なお、以下、「第3実施形態に従う温感物品としての使い捨ておむつ」を、単に『第3実施形態に従う使い捨ておむつ』と称する場合がある。
第3実施形態に従う使い捨ておむつ201は、着用者の肌に当接し且つ不織布から構成される液透過性シート203と、液不透過性シート205と、液透過性シート203及び液不透過性シート205の間に配置された吸収体207と、不織布から構成される溶液保持シート209とを備える。溶液保持シート209は、吸収体207よりも前方且つ液透過性シート203及び液不透過性シート205の間に配置されている。液透過性シート203は、着用時に着用者の肌に当接する肌当接面(図示せず)と、肌当接面の反対側の非肌当接面(図示せず)とを備え、溶液保持シート209は、液透過性シート203の非肌当接面(図示せず)に隣接している。
溶液保持シート209は、使い捨ておむつ201の着用時に、着用者の下腹部に対応する位置に配置されるように配置されている。
液透過性シート203は、所定の親油性度を付与しうる第1親油化剤で処理された、親油性を有する不織布から構成されている。また、溶液保持シート209は、液透過性シート203で用いられた第1親油化剤よりも低い親油性度を付与しうる第2親油化剤で処理された、親油性を有する不織布から構成されている。
なお、液透過性シート203と、溶液保持シート209とは、同一の不織布から構成されており、それらは同一の繊維密度を有する。
また、使い捨ておむつ201は、溶液保持シート209と厚さ方向Tに重複する範囲に、高温感付与領域211を備える。高温感付与領域211では、TRPチャネルを活性化する高温感付与剤と、親油性溶媒とを含む高温感付与溶液が、液透過性シート203及び溶液保持シート209に配置されており、高温感付与領域211において、液透過性シート203に存在する高温感付与溶液(図示せず)の溶液密度が、溶液保持シート209に存在する高温感付与溶液(図示せず)の溶液密度よりも高い。
なお、高温感付与領域211は、高温感付与溶液を、液透過性シート203及び溶液保持シート209のそれぞれに塗工することにより形成された。
従って、着用者が、使い捨ておむつ201を着用すると、着用初期において、液透過性シート203に存在する、相対的に高密度の高温感付与溶液が、着用者の肌に強い高温感作用を付与することができるので、高温感感知時間を短くすることができる。また、高温感感知時間を短くすることができる結果、着用者が、高温感感知時間において痒みを覚えにくい。
また、使い捨ておむつ201では、液透過性シート203に存在する、相対的に高密度の高温感付与溶液が着用者の肌に移行し、消費されると、溶液保持シート209に存在する、相対的に低密度の高温感付与溶液が液透過性シート203に移動し、着用中期及び着用後期において、液透過性シート203から、着用者の肌に、相対的に低密度の高温感付与溶液が提供されるが、着用者の肌が一度高温感を覚えると、相対的に低密度の高温感付与溶液が提供された場合であっても、着用者は、適度な高温感を覚え続けることができる。
次いで、着用者が、使い捨ておむつ201の着用を終え、入浴等を行った場合に、着用後期に、相対的に低密度の高温感付与溶液による温感作用を受けていたため、着用者が、お湯等により、高温感付与剤に接触していた肌の接触部位に刺激を覚えにくい。
また、使い捨ておむつ201では、高温感付与溶液を構成する溶媒が親油性溶媒であり、液透過性シート203を構成する不織布の親油性度は、溶液保持シート209を構成する不織布の親油性度よりも高い。
従って、液透過性シート203及び溶液保持シート209の親油性度差により、高温感付与領域211において、例えば、高温感付与溶液を、液透過性シート203及び溶液保持シート209のいずれか一方に塗工した場合、又は液透過性シート203及び溶液保持シート209の両方に均一量で塗工した場合であっても、高温感付与溶液の所定の溶液密度関係を形成しやすい。また、使い捨ておむつ201が、搬送時の振動、圧力等を受け、高温感付与溶液が一時的に移動した場合、着用時の体圧等を受け、高温感付与溶液が一時的に移動した場合であっても、高温感付与溶液が元の位置に戻りやすく、高温感付与溶液の所定の溶液密度関係を形成しやすくなる。
なお、着用者の下腹部に高温感を付与することにより、高温感付与剤に接していた、着用者の下腹部の肌の接触部位のTRPチャネルが活性化される結果、交感神経系を介して、高温感付与剤接触部分から熱が生じ、着用者の肌の接触部位の温度を上昇させることが期待される。
その結果、使い捨ておむつ201の着用者が女性の場合には、(i)生理痛の要因とされるプロスタグランジンを排出させ、子宮筋等の筋肉を弛緩させ、生理痛を緩和すること、(ii)血行を促進し、リンパ液の流れを促進し、老廃物を排出させ、冷え性を改善し、脂肪を燃焼させること、(iii)免疫力を向上させること等が期待される。
使い捨ておむつ201の着用者が男性の場合には、(i)プロスタグランジンを排出させ、筋肉を弛緩させ、痛みを緩和すること、(ii)血行を促進し、リンパ液の流れを促進し、老廃物を排出させ、冷え性を改善し、脂肪を燃焼させること、(iii)免疫力を向上させること等が期待される。
図7〜図11は、本開示のさらに別の実施形態(以下、「第4実施形態」と称する)に従う温感物品としての温感シート301を説明するための図である。なお、以下、「第4実施形態に従う温感物品としての温感シート」を、単に『第4実施形態に従う温感シート』と称する場合がある。具体的には、図7は、第4実施形態に従う温感シート301が個包装された温感シートの個包装体303の斜視図である。図8は、第4実施形態に従う温感シート301の斜視図である。図9は、第4実施形態に従う温感シート301の分解斜視図である。図10は、図8のX−X断面における、温感シート301の断面図である。図11は、第4実施形態に従う温感シート301の着用状態を示す図である。なお、以下、「温感シートの個包装体」を、単に『個包装体』と称する場合がある。
第4実施形態に従う温感シート301は、肌当接面331と、非肌当接面333とを有し且つ不織布から構成される液透過性シート307と、不織布から構成され且つ液透過性シート307の非肌当接面333に隣接する溶液保持シート309と、溶液保持シート309の、液透過性シート307と反対側の面に隣接する、不織布から構成される補助溶液保持シート311と、着衣に当接する液不透過性シート313と、液不透過性シート313に固定され且つ液不透過性シート313を着衣321に貼付するための粘着部315と、粘着部315を仮固定するための剥離シート317とをその順で備え、お互いに直交する長手方向L、幅方向W及び厚さ方向Tを有する。
液透過性シート307は、所定の親水性度を付与しうる第1親水化剤で処理された、親水性を有する不織布から構成され、溶液保持シート309は、液透過性シート307で用いられた第1親水化剤よりも低い親水性度を付与しうる第2親水化剤で処理された、親水性を有する不織布から構成され、そして補助溶液保持シート311は、溶液保持シート309で用いられた第2親水化剤よりも低い親水性度を付与しうる第3親水化剤で処理された、親水性を有する不織布から構成されている。
また、液透過性シート307を構成する不織布の繊維密度は、溶液保持シート309を構成する不織布の繊維密度よりも高く、そして補助溶液保持シート311を構成する不織布の繊維密度は、溶液保持シート309を構成する不織布の繊維密度よりも低い。
温感シート301は、その全面が、低温感付与領域341を構成しており、液透過性シート307の全体と、溶液保持シート309の全体と、補助溶液保持シート311の全体とに、TRPチャネルを活性化する低温感付与剤と、親水性溶媒としての水とを含む低温感付与溶液343が配置されている。
低温感付与領域341では、液透過性シート307に存在する低温感付与溶液343の溶液密度が最も高く、溶液保持シート113に存在する低温感付与溶液343の溶液密度が次に高く、そして補助溶液保持シート311に存在する低温感付与溶液343の溶液密度が最も低い。
なお、図面上では、低温感付与溶液343の溶液密度の高さの関係は、ドットの密度の高低により表されている。
温感シート301は、長手方向Lの中心に、幅方向Wと平行に延びる折軸F6を備える。なお、個包装体303では、温感シート301は、折軸F6を基軸として、液透過性シート307の肌当接面331を内側にして折り畳まれ、包装シート305に包装されている。
粘着部315は、複数の粘着部部分316から構成されている。複数の粘着部部分316のそれぞれは、幅方向Wに延びており、温感シート301の幅方向Wの両端部まで達している。複数の粘着部部分316は、長手方向Lに所定の間隔をあけて配置されている。
剥離シート317は、液不透過性シート313と外縁の形状が同一であり、粘着部315(複数の粘着部部分316)の全体を覆うように配置されている。
図7に示されるように、温感シート301は、2つ折りされた状態で、包装シート305に包装され、個包装体303が形成されている。具体的には、個包装体303は、折軸F6を基軸として、液透過性シート307の肌当接面331を内側にして2つ折りされた温感シート301を、2枚の包装シート305で挟み、2枚の包装シート305の周縁にシール部335を設けることにより形成されている。
着用者は、温感シート301を使用するに当たり、個包装体303の切欠部337から、個包装体303を開封し、個包装体303から温感シート301を取り出し、温感シート301から剥離シート317を剥離する。次いで、着用者は、温感シート301の粘着部315を、着衣321、具体的にはショーツの内面に固定し、温感シート301の肌当接面331が着用者の肌に接した状態で、温感シート301を使用する。
着用者が、温感シート301を使用すると、使用初期において、低温感付与領域341の液透過性シート307に存在する、相対的に高密度の低温感付与溶液343が、着用者の肌に移動し、着用者の肌に強い低温感作用を付与することができるので、低温感感知時間を短くすることができる。
次いで、液透過性シート307に存在する、相対的に高密度の低温感付与溶液343が着用者の肌に移動し、消費されると、溶液保持シート309に存在する、相対的に中密度の低温感付与溶液343が液透過性シート307に移動し、着用中期において、液透過性シート307から、着用者の肌に、相対的に中密度の低温感付与溶液343が移動し、着用者の肌に中程度の温感作用を付与することができる。
次いで、液透過性シート307に存在する、相対的に中密度の低温感付与溶液343が着用者の肌に移動し、消費されると、補助溶液保持シート311に存在する、相対的に低密度の低温感付与溶液343が、溶液保持シート309を経由して、液透過性シート307に移動し、着用後期において、液透過性シート307から、着用者の肌に、相対的に低密度の低温感付与溶液343が移動し、着用者の肌に弱い温感作用を付与することができる。
なお、着用者の肌が一度低温感を覚えると、中程度から弱い低温感作用が付与された場合であっても、着用者は、適度な低温感を覚え続けることができる。
次いで、着用者が、温感シート301の使用を終え、温感シート301を取り外し、入浴等を行った場合に、着用後期に、相対的に低密度の低温感付与溶液343による温感作用を受けていたため、着用者が、お湯等により、低温感付与剤に接触していた肌の接触部位に刺激を覚えにくい。
本開示の温感物品では、温感付与溶液は、TRPチャネルを活性化する温感付与剤と、溶媒とを含む。
上記温感付与剤としては、TRPチャネルを活性化するものであれば、特に制限されず、例えば、高温感付与剤及び低温感付与剤とが挙げられる。
上記高温感付与剤としては、TRPV1レセプターに対するアゴニスト、TRPV3レセプターに対するアゴニスト等が挙げられ、TRPV1に対するアゴニストであることが好ましい。TRPV1レセプターは、活性化温度閾値が43℃超と高く、着用者に強い高温感を付与することができるからである。
上記高温感付与剤は、着用者の安心感の観点から、植物由来の化合物であることが好ましい。上記高温感付与剤としては、例えば、カプシコシド、カプサイシン、カプサイシノイド類(ジヒドロカプサイシン、ノルジヒドロカプサイシン、ホモジヒドロカプサイシン、ホモカプサイシン、ノニバミド等)、カプサンチン、ニコチン酸ベンジル、ニコチン酸β−ブトキシエチル、N−アシルワニルアミド、ノナン酸バニリルアミド、多価アルコール、唐辛子末、唐辛子チンキ、唐辛子エキス、ノナン酸バニリルエーテル、バニリルアルコールアルキルエーテル誘導体(例えば、バニリルエチルエーテル、バニリルブチルエーテル、バニリルペンチルエーテル、バニリルヘキシルエーテル)、イソバニリルアルコールアルキルエーテル、エチルバニリルアルコールアルキルエーテル、ベラトリアルアルコール誘導体、置換ベンジルアルコール誘導体、置換ベンジルアルコールアルキルエーテル、バニリンプロピレングリコールアセタール、エチルバニリンプロピレングリコールアセタール、ショウガエキス、ジンジャーオイル、ジンゲロール、ジンゲロン、ヘスペリジン、及びピロリドンカルボン酸、並びにそれらの任意の組み合わせが挙げられる。
上記高温感付与剤は、着用者が痛さ、痒さ等を覚えにくい観点から、カプサイシンではないことが好ましく、そしてバニリルアルコールアルキルエーテル誘導体(例えば、バニリルエチルエーテル、バニリルブチルエーテル、バニリルペンチルエーテル、バニリルヘキシルエーテルショウガエキス、ジンジャーオイル、ジンゲロール、及びジンゲロン、並びにそれらの任意の組み合わせがより好ましい。
上記低温感付与剤としては、例えば、TRPチャネルを活性化するものが挙げられ、上記低温感付与剤としては、例えば、TRPM8レセプターに対するアゴニスト、TRPA1レセプターに対するアゴニスト等が挙げられ、TRPM8レセプターに対するアゴニストであることが好ましい。
上記低温感付与剤としては、例えば、メントール(例えば、l−メントール)及びその誘導体(例えば、乳酸メンチル、メンチルグリセリルエーテル、例えば、l−メンチルグリセリルエーテル)、サリチル酸メチル、カンファー、植物(例えば、ミント、ユーカリ)由来の精油等が挙げられる。
上記溶媒は、上記温感付与剤を含むことができるものであれば、特に限定されず、例えば、親油性溶媒及び親水性溶媒が挙げられる。上記溶媒は、上記温感付与剤を、例えば、溶解、分散等することができる。
上記親油性溶媒としては、油脂、例えば、天然油(例えば、トリグリセリド等の脂肪酸エステル、ヤシ油、アマニ油等)、炭化水素(例えば、パラフィン、例えば、流動パラフィン)等が挙げられる。
上記親水性溶媒としては、水及びアルコールが挙げられる。上記アルコールとしては、メタノール、エタノール、エチレングリコール、グリセリン等の低級アルコール、カプリルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール等の高級アルコール等が挙げられる。
上記溶媒は、揮発性を制御しやすい、特に揮発性を下げやすい観点からは、油脂(親油性溶媒)又はアルコール(親水性溶媒)であることが好ましい。また、上記温感物品が吸収性物品である場合には、吸収性を阻害しにくい観点から、上記溶媒は親油性溶媒であることが好ましい。
上記温感付与溶液に含まれる上記温感付与剤の量は、温感付与剤の種類によって異なるが、一般的には、上記温感付与溶液は、上記温感付与剤を、好ましくは0.0001〜5.0質量%、より好ましくは0.0005〜3.0質量%、さらに好ましくは0.1〜1.0質量%、そしてさらにいっそう好ましくは0.3〜0.7質量%含む。温感作用の観点からである。
なお、本開示の温感物品が、高温感を付与する温感物品である場合には、温感付与溶液が、上述の高温感付与剤に加え、上述の低温感付与剤を含むことができる。本願発明者は、着用者に高温感を付与する場合に、温感付与溶液に、上述の高温感付与剤に加え、上述の低温感付与剤を含ませることにより、着用者が、上述の温感感知時間に、温感付与溶液と接触している接触部位及びその周辺部に痒みを覚えにくいことを見出した。
上述の場合には、温感付与溶液は、低温感付与剤を、好ましくは0.0001〜5.0質量%、より好ましくは0.0005〜3.0質量%、さらに好ましくは0.1〜1.0質量%、そしてさらにいっそう好ましくは0.3〜0.7質量%含む。着用者が高温感感知時間に痒みを覚えにくく且つ過度の低温感を覚えにくくする観点からである。
上述の場合には、上記温感付与溶液は、上記高温感付与剤及び低温感付与剤を、好ましくは20:1〜1:10、より好ましくは10:1〜1:5、そしてさらに好ましくは2:1〜1:1の質量比で含む。着用者が、高温感感知時間に痒みを覚えにくいとともに、低温感を覚えにくく且つ高温感を覚えやすい観点からである。
本開示の温感物品では、上記温感付与溶液は、上述の温感付与剤及び溶媒以外に、着用者への温感作用を阻害しない範囲で、下記に示されるような、少なくとも1種の他の成分とを含むことができる。
上記少なくとも1種の他の成分としては、冷却剤、例えば、気化熱により周囲の温度を下げる冷却剤が挙げられ、当該冷却剤として、例えば、アルコール、例えば、メタノール及びエタノールが挙げられる。
上記少なくとも1種の他の成分としては、例えば、シリコーンオイル、シリコーン、シリコーン系レジン等が挙げられる。
上記少なくとも1種の他の成分としては、例えば、酸化防止剤、例えば、BHT(2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール)、BHA(ブチル化ヒドロキシアニソール)、没食子酸プロピル等が挙げられる。
上記少なくとも1種の他の成分としては、例えば、ビタミン、例えば、天然ビタミン又は合成ビタミンが挙げられる。上記ビタミンとしては、例えば、水溶性ビタミン、例えば、ビタミンB群、例えば、ビタミンB1,ビタミンB2,ビタミンB3,ビタミンB5,ビタミンB6,ビタミンB7,ビタミンB9,ビタミンB12等、ビタミンCが挙げられる。
上記ビタミンとしては、例えば、脂溶性ビタミン、例えば、ビタミンA群、ビタミンD群、ビタミンE群、およびビタミンK群等が挙げられる。
上記ビタミンにはまた、それらの誘導体も含まれる。
上記少なくとも1種の他の成分としては、例えば、アミノ酸、例えば、アラニン、アルギニン、リジン、ヒスチジン、プロリン、ヒドロキシプロリン等、並びにペプチドが挙げられる。
上記少なくとも1種の他の成分としては、例えば、ゼオライト、例えば、天然ゼオライト、例えば、方沸石、菱沸石、輝沸石、ナトロライト、束沸石、及びソモソナイト、並びに、合成ゼオライトが挙げられる。
上記少なくとも1種の他の成分としては、例えば、コレステロール、ヒアルロン酸、レシチン、セラミド、プラセンタ、コラーゲン、エラスチン、スクワラン、ワセリン、トレハロース等が挙げられる。
また、上記少なくとも1種の他の成分としては、例えば、薬剤、例えば、皮膚収斂剤、抗ニキビ剤、抗シワ剤、抗セルライト剤、美白剤、抗菌剤、抗カビ剤等が挙げられる。
上記皮膚収斂剤としては、例えば、酸化亜鉛、硫酸アルミニウム、タンニン酸等、油溶性皮膚収斂剤、例えば、油溶性ポリフェノールが挙げられる。上記油溶性ポリフェノールとしては、天然の油溶性ポリフェノール、例えば、オオバクエキス、オトギリソウエキス、オドリコソウエキス、カモミラエキス、ゴボウエキス、サルビアエキス、シナノキエキス、セイヨウボダイジュエキス、シラカバエキス、スギナエキス、セージエキス、サルビアエキス、テウチグルミエキス、ハイビスカスエキス、ビワ葉エキス、ボダイジュエキス、ホップエキス、マロニエエキス、ヨクイニンエキス等が挙げられる。
上記抗ニキビ剤としては、例えば、サリチル酸、過酸化ベンゾイル、レゾルシノール、イオウ、エリスロマイシン、亜鉛等が挙げられる。
上記抗シワ剤としては、例えば、乳酸、サリチル酸、サリチル酸誘導体、グリコール酸、フィチン酸、リポ酸、リソフォスファチド酸が挙げられる。
上記抗セルライト剤としては、例えば、キサンチン化合物、例えば、アミノフィリン、カフェイン、テオフィリン、テオブロミン等が挙げられる。
上記美白剤としては、例えば、ナイアシンアミド、コウジ酸、アルブチン、グルコサミン及び誘導体、フィトステロール誘導体、アスコルビン酸及びその誘導体、並びにクワ抽出物及び胎盤抽出物が挙げられる。
また、上記少なくとも1種の他の成分としては、例えば、抗炎症成分、pH調整剤、抗菌剤、保湿剤、香料、色素、染料、顔料、植物抽出エキス等が挙げられる。上記抗炎症成分としては、例えば、天然由来の抗炎症剤、例えば、ボタン、オオゴン、オトギリソウ、カモミール、甘草、モモノハ、ヨモギ、シソエキス等、合成抗炎症剤、例えば、アラントイン、グリチルリチン酸ジカリウム等が挙げられる。
上記pH調整剤としては、肌を弱酸性に保つためのもの、例えば、リンゴ酸、コハク酸、クエン酸、酒石酸、乳酸等が挙げられる。
上記顔料としては、例えば、酸化チタンが挙げられる。
本開示の温感物品、特に、上記温感付与溶液は、発熱剤を含まないことが好ましい。そうすることにより、着用者が、低温やけどを起こしにくくなる。また、温感物品自体が発熱しないため、温感物品を着衣、肌当に固定するための粘着部が軟化しにくく、温感物品の使用を終え、温感物品を着衣、着用者の肌等から取り外す際に、温感物品の粘着部が、着衣、肌等に残りにくい。
上記発熱剤としては、発熱剤自体が発熱するものであれば、特に制限されず、例えば、金属粉(例えば、鉄粉)の酸化熱、酸及びアルカリの中和熱、無機塩の水和熱等の化学エネルギーを利用するものが挙げられる。
本開示の温感物品において、液透過性シート及び溶液保持シート、並びに所望による補助溶液保持シートは、布帛から構成されれば特に制限されず、例えば、不織布、織布、編物から構成される。上記布帛は、温感物品の製法のしやすさの観点から不織布であることが好ましい。
上記不織布としては、例えば、エアレイドパルプ、エアスルー不織布、スパンボンド不織布、ポイントボンド不織布、スパンレース不織布、ニードルパンチ不織布、メルトブローン不織布、及びこれらの組み合わせ(例えば、SMS等)等が挙げられる。
また、液透過性シート及び溶液保持シート、並びに所望による補助溶液保持シートは、一体に形成された布帛、例えば、不織布であることができる。例えば、液透過性シートに相当するウェブと、溶液保持シートに相当するウェブとを積層し、公知の不織布形成法、例えば、エアスルー法を用いて、一体に形成された不織布を製造することができる。
上記布帛を構成する繊維としては、例えば、天然繊維、合成繊維、及び半合成繊維が挙げられる。上記天然繊維としては、パルプ繊維及び再生セルロース繊維が挙げられる。
上記再生セルロース繊維としては、レーヨン繊維、例えば、ビスコースから得られるビスコースレーヨン、ポリノジック及びモダール、セルロースの銅アンモニア塩溶液から得られる銅アンモニアレーヨン繊維(「キュプラ」とも称される);有機化合物及び水の混合溶液である有機溶剤を用いた有機溶剤紡糸法によって得られ、セルロース誘導体を経ないリヨセル及びテンセル等が挙げられる。
上記半合成繊維としては、半合成セルロース繊維、例えば、アセテート繊維、例えば、トリアセテート繊維及びジアセテート繊維が挙げられる。
上記合成繊維としては、例えば、熱融着性繊維、例えば、ポリオレフィン系ポリマー、例えば、ポリエチレン若しくはポリプロピレン;ポリエステル系ポリマー、例えば、テレフタレート系ポリマー、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET),ポリブチレンテレフタレート,ポリペンチレンテレフタレート;ポリアミド系ポリマー、例えば、ナイロン6若しくはナイロン6,6;アクリル系ポリマー;ポリアクリロニトリル系ポリマー;又はそれらの変性物、あるいはそれらの組み合わせ等から形成された繊維が挙げられる。
本開示の温感物品では、液透過性シート及び溶液保持シート、並びに所望による補助溶液保持シートを構成する布帛は、親水性又は親油性を有することができる。親水性を有する布帛は、布帛、又は布帛を構成する素材(繊維、繊維の原料等)を、当技術分野で公知の親水化剤で処理する(例えば、親水化剤を塗工する、親水化剤を練り込む)ことにより形成されうる。上記親水化剤としては、例えば、アルキルホスフェートエステル塩、アルキルホスフェート金属塩等が挙げられる。また、上記親水化剤としては、例えば、炭素数が10〜30のアルキルホスフェートエステル塩と、炭素数が10〜30のベタイン化合物、硫酸エステル塩又はスルホネート塩との混合物、アルキルホスフェートエステル塩とポリエーテル変性シリコーンとの混合物等が挙げられる。
なお、布帛の親水化度は、上記親水化剤の種類、濃度、量等により調整することができる。
親油性を有する布帛としては、布帛そのもの、又は布帛を構成する素材(繊維、繊維の原料等)を、当技術分野で公知の親油化剤で処理する(例えば、親油化剤を塗工する、親油化剤を練り込む)ことにより形成されうる。上記親油化剤としては、脂肪酸エステル(例えば、トリグリセリド)、炭化水素(例えば、直鎖状炭化水素)が挙げられる。
なお、布帛の親油化度は、上記親油化剤の種類、濃度、量等により調整することができる。
本開示の温感物品では、温感付与領域において、液透過性シートに存在する温感付与溶液の溶液密度が、溶液保持シートに存在する温感付与溶液の溶液密度よりも高く、そして好ましくは5〜300質量%高く、より好ましくは10〜200質量%高く、そしてさらに好ましくは20〜100質量%高い。そうすることにより、着用初期に強い温感作用を付与することができるとともに、着用後、温感付与剤に接触していた、着用者の肌の接触部位に刺激を与えにくくなる。
本開示の温感物品では、液透過性シートに存在する温感付与溶液の溶液密度は、温感付与剤の種類、温感付与溶液を構成する溶媒によっても変わりうる。例えば、温感付与溶液を構成する溶媒が親油性溶媒である場合には、液透過性シートに存在する温感付与溶液の溶液密度は、好ましくは0.002×10-1〜0.500g/cm3、より好ましくは0.003×10-1〜0.400g/cm3、そして最も好ましくは0.004×10-1〜0.300g/cm3である。また、例えば、温感付与溶液を構成する溶媒が親水性溶媒である場合には、液透過性シートに存在する温感付与溶液の溶液密度は、好ましくは0.200〜0.600g/cm3、より好ましくは0.250〜0.550g/cm3、そして最も好ましくは0.300〜0.500g/cm3である。そうすることにより、着用初期に強い温感作用を付与することができる。
本明細書において、液透過性シート、溶液保持シート、及び所望による補助溶液保持シートにおける、温感付与溶液の溶液密度の高低は、上述のシートの断面等を光学顕微鏡等により観察することにより実施することができる。
なお、液透過性シート、溶液保持シート、及び所望による補助溶液保持シートにおける、温感付与溶液の溶液密度の測定方法は、後述する。
本開示の温感物品では、液透過性シートを構成する布帛の繊維密度が、溶液保持シートを構成する布帛の繊維密度よりも高いことが好ましく、そして液透過性シートを構成する布帛は、溶液保持シートを構成する布帛よりも、好ましくは0.005g/cm3以上、より好ましくは0.010g/cm3以上、さらに好ましくは0.015g/cm3以上、さらにいっそう好ましくは0.020g/cm3以上、さらにいっそう好ましくは0.025g/cm3以上、そしてさらにいっそう好ましくは0.030g/cm3以上の差で大きい繊維密度を有する。
また、液透過性シートを構成する布帛は、溶液保持シートを構成する布帛よりも、好ましくは0.440g/cm3以下、より好ましくは0.300g/cm3以下、さらに好ましくは0.250g/cm3以下、さらにいっそう好ましくは0.200g/cm3以下、さらにいっそう好ましくは0.150g/cm3以下、さらにいっそう好ましくは0.100g/cm3以下、さらにいっそう好ましくは0.060g/cm3以下、さらにいっそう好ましくは0.045g/cm3以下、さらにいっそう好ましくは0.040g/cm3以下、そしてさらにいっそう好ましくは0.035g/cm3以下の差で大きい繊維密度を有する。
なお、上記繊維密度の測定方法は、後述する。
そうすることにより、温感物品が、着用前又は着用中に加圧等を受けて、温感付与溶液が、一時的に移動した場合であっても、温感付与溶液が、温感付与溶液の所定の溶液密度関係を満たすように戻りやすくなる。その結果、着用者が、着用初期に痒みを覚えにくくなり、着用者が、温感物品を取り外した後に、温感付与剤に接触していた肌の接触部位に刺激を覚えにくくなる。
本開示の温感物品では、上記溶液保持シートは、好ましくは0.005〜0.120g/cm3、より好ましくは0.010〜0.100g/cm3、そしてさらに好ましくは0.020〜0.080g/cm3の繊維密度を有する。
本明細書では、液透過性シート及び溶液保持シート、並びに所望による補助溶液保持シートの繊維密度と、液透過性シート及び溶液保持シート、並びに所望による補助溶液保持シートにおける温感付与溶液の溶液密度とは、以下の通り測定される。
(1)温度:20±5℃及び湿度:65±5%RHの恒温恒湿室に、株式会社大栄科学精器製作所製 FS−60DS[測定面:44mm(直径),測定圧:3g/cm2]を準備し、同恒温恒湿室に、複数枚の温感シートを24時間静置する。
(2)複数枚の温感シートのそれぞれから、液透過性シート及び溶液保持シート、並びに所望による補助溶液保持シート(以下、「サンプル」と称する)を分離し、各サンプルから、10cm×10cmのサイズのサンプル片[面積:s(cm2)]を採取する。なお、各サンプルから10cm×10cmのサイズのサンプル片が採取できない場合には、複数枚のサンプルから、10cm×10cmのサイズのサンプル片を形成するか、又は各サンプルのサイズを調整してもよい。
(3)各サンプル片の質量:m1(g)を測定する。
(4)FS−60DSを用いて、各サンプル片の異なる5つの部分を加圧し、各部分における加圧10秒後の厚さを測定し、5つの測定値の平均値を、各サンプル片の厚さ:t(cm)とする。
(5)各サンプル片を、温感付与溶液の極性に合わせた洗浄溶媒(例えば、温感付与溶液の溶媒が親油性溶媒である場合にはトルエン、温感付与溶液の溶媒が親水性溶媒である場合にはエタノール等)で洗浄する。
(6)洗浄後の各サンプル片を、70℃で1時間乾燥し、乾燥後の質量:m2(g)を測定する。
(7)各サンプル片における温感付与溶液の溶液密度:sd(g/cm3)を、次の式:
sd(g/cm3)=(m1−m2)/s/t
により算出する。
(8)液透過性シート及び溶液保持シート、並びに所望による補助溶液保持シートのそれぞれにおいて、計10枚のサンプル片の溶液密度:sd1(g/cm3)の平均値を算出し、当該平均値を溶液密度:SD(g/cm3)として採用する。
(9)各サンプル片の繊維密度:fd(g/cm3)を、次の式:
fd(g/cm3)=m2/s/t
(10)液透過性シート及び溶液保持シート、並びに所望による補助溶液保持シートのそれぞれにおいて、計10枚のサンプル片の繊維密度:fd(g/cm3)の平均値を算出し、当該平均値を繊維密度:FD(g/cm3)として採用する。
本開示の温感物品において、温感付与溶液を構成する溶媒が親油性溶媒である場合には、液透過性シートを構成する布帛の親油性度が、溶液保持シートを構成する布帛の親油性度よりも高いことが好ましい。
また、本開示の温感物品において、温感付与溶液を構成する溶媒が親水性溶媒である場合には、液透過性シートを構成する布帛の親水性度が、溶液保持シートを構成する布帛の親水性度よりも高いことが好ましい。
そうすることにより、温感物品が、着用前又は着用中に加圧等を受けて、温感付与溶液が、一時的に移動した場合であっても、温感付与溶液が、温感付与溶液の所定の溶液密度関係を満たすように戻りやすくなる。その結果、着用者が、着用初期に痒みを覚えにくくなり、温感物品を取り外した後に、温感付与剤に接触していた、着用者の肌の接触部位に刺激を覚えにくくなる。
また、温感付与溶液を、液透過性シート及び溶液保持シートのいずれか一方に塗工した場合、又は液透過性シート及び溶液保持シートの両方に均一量で塗工した場合であっても、温感付与溶液の所定の溶液密度関係を形成しやすくなる。
本明細書では、液透過性シート及び溶液保持シート、並びに所望による補助溶液保持シートの親油性度の高低及び親水性度の高低は、以下の通り評価される。
(1)温度:20±5℃及び湿度:65±5%RHの恒温恒湿室に、協和界面化学株式会社の自動極小接触角計MCA−Jを準備し、同恒温恒湿室に、液透過性シート、溶液保持シート、及び所望による補助溶液保持シート(以下、「サンプル」と称する)を24時間静置する。
(2)MCA−Jのインクジェットから、脱イオン水の微小液滴(20pL)を、測定すべきサンプルの表面(サンプルが布帛の場合には繊維の表面、サンプルがシートの場合にはシートの表面)に滴下し、微小液滴の様子を経時で録画する。
(3)サンプルの表面に微小液滴が付着した直後の画像を画像解析し、微小液滴の、サンプルの表面に対する接触角を算出する。
(4)接触角は、異なる繊維20本の計20カ所の測定値の平均値を採用する。
(5)接触角が大きいサンプルを、親油性が高いサンプル(親水性が低いサンプル)とし、接触角の小さいサンプルを、親油性の低いサンプル(親水性の高いサンプル)とする。
本開示の温感物品は、温感付与領域と、温感物品の厚さ方向に重複する範囲に、溶液保持シートの、液透過性シートと反対側の面に隣接し且つ温感付与領域を構成する、布帛から構成される補助溶液保持シートをさらに備えることができる。
また、補助溶液保持シートに存在する温感付与溶液の溶液密度が、溶液保持シートに存在する温感付与溶液の溶液密度よりも低いことが好ましく、そして補助溶液保持シートに存在する温感付与溶液が、溶液保持シートに存在する温感付与溶液よりも、好ましくは0.005g/cm3以上、より好ましくは0.010g/cm3以上、さらに好ましくは0.015g/cm3以上、さらにいっそう好ましくは0.020g/cm3以上、さらにいっそう好ましくは0.025g/cm3以上、そしてさらにいっそう好ましくは0.030g/cm3以上の差で小さい繊維密度を有する。
また、補助溶液保持シートに存在する温感付与溶液が、溶液保持シートに存在する温感付与溶液よりも、好ましくは0.440g/cm3以下、より好ましくは0.300g/cm3以下、さらに好ましくは0.250g/cm3以下、さらにいっそう好ましくは0.200g/cm3以下、さらにいっそう好ましくは0.150g/cm3以下、さらにいっそう好ましくは0.100g/cm3以下、さらにいっそう好ましくは0.060g/cm3以下、さらにいっそう好ましくは0.045g/cm3以下、さらにいっそう好ましくは0.040g/cm3以下、そしてさらにいっそう好ましくは0.035g/cm3以下の差で小さい繊維密度を有する。
そうすることにより、液透過性シートに存在する、相対的に中密度の温感付与溶液が着用者の肌に移動し、消費されると、補助溶液保持シートに存在する、相対的に低密度の温感付与溶液が、溶液保持シートを経由して、液透過性シートに移動し、着用後期において、液透過性シートから、着用者の肌に、相対的に低密度の温感付与溶液が移動し、着用者の肌に弱い温感作用を付与することができる。
また、着用者が、温感物品の使用を終え、温感物品を取り外し、入浴等を行った場合に、着用後期に、相対的に低密度の温感付与溶液による温感作用を受けていたため、着用者が、お湯等により、温感付与剤に接触していた肌の接触部位に刺激を覚えにくい。
本開示の温感物品が補助溶液シートをさらに備える場合には、補助溶液保持シートを構成する布帛の繊維密度が、溶液保持シートを構成する布帛の繊維密度よりも低いことが好ましい。そうすることにより、温感物品が、着用前又は着用中に加圧等を受けて、温感付与溶液が一時的に移動した場合であっても、温感付与溶液が、温感付与溶液の所定の溶液密度関係を満たすように戻りやすくなる。
本開示の温感物品が補助溶液シートをさらに備える場合であって、温感付与溶液を構成する溶媒が親油性溶媒である時には、補助溶液保持シートを構成する布帛の親油性度が、溶液保持シートを構成する布帛の親油性度よりも低いことが好ましく、そして液透過性シートを構成する布帛の親油性度が、溶液保持シートを構成する布帛の親油性度よりも高く、そして補助溶液保持シートを構成する布帛の親油性度が、溶液保持シートを構成する布帛の親油性度よりも低いことがより好ましい。そうすることにより、温感物品が、着用前又は着用中に加圧等を受けて、温感付与溶液が一時的に移動した場合であっても、温感付与溶液が、温感付与溶液の所定の溶液密度関係を満たすように戻りやすくなる。
本開示の温感物品が補助溶液シートをさらに備える場合であって、温感付与溶液を構成する溶媒が親水性溶媒である時には、補助溶液保持シートを構成する布帛の親水性度が、溶液保持シートを構成する布帛の親水性度よりも低いことが好ましく、そして液透過性シートを構成する布帛の親水性度が、溶液保持シートを構成する布帛の親水性度よりも高く、補助溶液保持シートを構成する布帛の親水性度が、溶液保持シートを構成する布帛の親水性度よりも低いことがより好ましい。そうすることにより、温感物品が、着用前又は着用中に加圧等を受けて、温感付与溶液が一時的に移動した場合であっても、温感付与溶液が、温感付与溶液の所定の溶液密度関係を満たすように戻りやすくなる。
本開示の温感物品では、液透過性シートの厚さ保持率が、溶液保持シートの厚さ保持率よりも小さいことが好ましく、より好ましくは10〜90%、さらに好ましくは20〜85%、そしてさらにいっそう好ましくは30〜70%小さい。そうすることにより、液透過性シートが、溶液保持シートよりも適度に潰れやすくなり、温感物品に体圧等が加わった際に、液透過性シートの厚さが薄くなりやすく、液透過性シートが保持する温感付与溶液が、着用者の肌に移動しやすくなる。
なお、上記厚さ保持率は、シートの、3g/cm2荷重時の厚さに対する、30g/cm2の荷重時の厚さの比率を意味する。
本開示の温感物品では、液透過性シートは、30g/cm2の荷重時の厚さが、3g/cm2荷重時の厚さの、好ましくは70%以下、より好ましくは60%以下、そしてさらに好ましくは50%以下である。そうすることにより、温感物品に体圧等が加わった場合に、液透過性シートが潰れやすくなり、液透過性シートが保持する温感付与溶液を、着用者の肌に接触させやすくなる。
本開示の温感物品では、液透過性シートは、10g/cm2の荷重時の厚さが、3g/cm2荷重時の厚さの、好ましくは70%以上、より好ましくは80%以上、そしてさらに好ましくは90%以上である。そうすることにより、着衣等の着圧では液透過性シートが過度に潰れにくくなる。
本明細書では、30g/cm2、10g/cm2及び3g/cm2荷重時の厚さは、以下の通り測定される。
(1)温度:20±5℃及び湿度:65±5%RHの恒温恒湿室に、株式会社大栄科学精器製作所製 FS−60DSを準備し、同恒温恒湿室に、液透過性シート (以下、「サンプル」と称する)を24時間静置する。
(2)サンプルの厚さを、場所を変えて10点測定し、それらの平均値を、サンプルの厚さとして採用する。
荷重は、測定子を変更することにより調整する。荷重:3g/cm2の条件では、直径:44mmの測定子を用い、荷重:10g/cm2の条件では、直径:25mmの測定子を用い、そして荷重:30g/cm2の条件では、直径:14mmの測定子を用いる。
上記液透過性シート及び溶液保持シートのそれぞれは、好ましくは10〜100g/m2、そしてより好ましくは20〜50g/m2の坪量を有する。また、所望による補助溶液保持シートは、好ましくは10〜1,000g/m2、そしてより好ましくは20〜100g/m2の坪量を有する。
本開示の温感物品では、温感物品の、温感付与領域と重複する領域の厚さが、温感物品の温感付与領域と重複しない領域の厚さよりも厚いことが好ましい。そうすることにより、着用者が、温感付与領域と重複する領域を押し込みやすくなり、ひいては温感付与領域から温感付与溶液が放出されやすくる。
本開示の温感物品において、液透過性シートは、発熱性繊維、断熱性繊維及び吸湿性繊維、並びにそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される繊維(以下、単に「機能性繊維」と称する場合がある)を含むことができる。
液透過性シートが、上述の所定の機能性繊維を含むと、着用者の蒸散、汗等による水分により、着用者の肌の主に角質層が膨潤しやすくなり、温感付与溶液が、角化細胞(ケラチノサイト)に主に存在するTRPチャネルに到達しやすくなる。その結果、温感感知時間が短くなり、そして温感付与剤が、高温感付与剤である場合には、着用者が、高温感感知時間に痒みを覚えにくくなる。
上記発熱性繊維としては、(i)吸湿発熱性繊維、(ii)蓄熱繊維、(iii)遠赤外線放射繊維が挙げられる。
上記吸湿発熱性繊維としては、例えばアクリレート系繊維、羊毛等が挙げられる。上記蓄熱繊維としては、例えば、太陽光を吸収し、熱エネルギーに変換する物質(炭化ジルコニウム等)を含む繊維、カーボンを含む繊維等が挙げられる。上記遠赤外線放射繊維としては、例えば、加熱されると、遠赤外線を放射するセラミックスを含む繊維が挙げられる。
上記断熱性繊維としては、中空繊維、羽毛等が挙げられる。
上記吸湿性繊維としては、上述の天然繊維、半合成繊維等が挙げられる。
具体的には、本開示の温感物品において、液透過性シートが吸湿発熱性繊維を含む場合には、着用者の肌からの蒸散、汗等の水分が提供されると、吸湿発熱性繊維が発熱し、着用者が汗をかきやすくなる。次いで、着用者の汗の水分により、着用者の肌の主に角質層が膨潤し、温感付与溶液が、角化細胞(ケラチノサイト)に主に存在するTRPチャネルに到達しやすくなる。その結果、温感感知時間が短くなり、着用者が、温感感知時間に痒みを覚えにくくなる。
また、液透過性シートが、蓄熱繊維又は遠赤外線放射繊維を含む場合にも、着用者が汗をかきやすくなり、着用者の汗の水分により、着用者の肌の主に角質層が膨潤し、温感付与溶液が、角化細胞(ケラチノサイト)に主に存在するTRPチャネルに到達しやすくなる。その結果、温感感知時間が短くなり、着用者が、温感感知時間に痒みを覚えにくくなる。
本開示の温感物品において、液透過性シートが断熱性繊維を含む場合には、着用者が汗をかきやすくなり、着用者の汗の水分により、着用者の肌の主に角質層が膨潤し、温感付与溶液が、角化細胞(ケラチノサイト)に主に存在するTRPチャネルに到達しやすくなる。その結果、温感感知時間が短くなり、そして温感付与剤が、高温感付与剤である場合には、着用者が、高温感感知時間に痒みを覚えにくくなる。
本開示の温感物品において、液透過性シートが吸湿性繊維を含む場合には、吸湿性繊維が、着用者の蒸散、汗等の水分を保持し、着用者の肌の主に角質層を膨潤させやすくなり、温感付与溶液が、角化細胞(ケラチノサイト)に主に存在するTRPチャネルに到達しやすくなる。その結果、温感感知時間が短くなり、着用者が、温感感知時間に痒みを覚えにくくなる。
本開示の温感物品において、液不透過性シートの素材としては、液不透過性を有するものであれば特に制限されず、例えば、フィルム、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等から構成される透湿性フィルム、非透湿性フィルム、スパンボンド又はスパンレース等の不織布に透湿性フィルムを接合したもの、SMS等の複層不織布等が挙げられる。
本開示の温感物品では、液不透過性シートが非透湿性フィルムから構成されることが好ましい。そうすることにより、温感付与領域及び温感付与領域に接する着用者の肌に存在する水分、水蒸気等が、液不透過性シートを透過して温感物品の外に排出されにくくなり、着用者の肌の主に角質層が膨潤した状態を保持しやすく、温感付与溶液が、主に角化細胞(ケラチノサイト)に存在するTRPチャネルに到達しやすくなる。その結果、温感感知時間が短くなり、着用者が、温感感知時間に痒みを覚えにくくなる。
上記液不透過性シートは、好ましくは10〜50g/m2、そしてより好ましくは15〜30g/m2の坪量を有する。
上記吸収体としては、コアラップが、パルプ繊維及び高分子吸収剤を含む吸収コアを覆っているもの、コアラップが、高分子吸収剤を含む吸収コア又は高分子吸収剤から成る吸収コアを覆っているもの等が挙げられる。
本開示の温感物品は、液透過性シートと液不透過性シートとの間に、追加の部材、例えば、補助シート等を含むことができる。
上記補助シートの素材としては、液透過性シートを構成する布帛として列挙されるものが挙げられる。
本開示の温感物品は、当該温感物品を着衣、着用者の肌等に固定する粘着部を備えることができ、当該粘着部としては、ホットメルト接着剤、例えば、例えば、スチレン−エチレン−ブタジエン−スチレン(SEBS)、スチレン−ブタジエン−スチレン(SBS)、スチレン−イソプレン−スチレン(SIS)等のゴム系を主体とした、又は直鎖状低密度ポリエチレン等のオレフィン系を主体とした感圧型接着剤又は感熱型接着剤;水溶性高分子(例えば、ポリビニルアルコール、カルボキシルメチルセルロース、ゼラチン等)又は水膨潤性高分子(例えば、ポリビニルアセテート、ポリアクリル酸ナトリウム等)からなる感水性接着剤等が挙げられる。
本開示の温感物品は、使用される前に包装シートで包装されていることが好ましい。温感物品が保持する温感付与溶液を保護する観点、温感物品が保持する温感付与溶液を外部に漏らさない観点等からである。例えば、本開示の温感物品は、一又は複数の温感物品が包装シートで包装された包装体であることが好ましく、そして1つの温感物品が包装シートで包装された個包装体であることがより好ましい。
上記包装シートの素材としては、例えば、ポリオレフィン系ポリマー、例えば、ポリエチレン及びポリプロピレンが挙げられる。上記包装シートは、上記個包装体の気密性を高める観点から、気密層を含んでもよく、そして当該気密層の素材としては、例えば、エチレンビニルアルコールコポリマー、塩化ビニリデン系ポリマー、例えば、塩化ビニリデンメチルアクリレートコポリマー、ポリビニルアルコール、ナイロン、例えば、ナイロン6、アルミ箔、基材フィルム(ポリエチレンテレフタレート等)上にアルミナ、シリカ等が蒸着されたものが挙げられる。
本開示の温感物品は、温感付与溶液を含むものであれば特に制限されず、例えば、吸収性物品、温感シート等が挙げられる。
上記吸収性物品としては、特に制限されず、吸収体を備えるもの、例えば、生理用ナプキン、ショーツ型生理用ナプキン、パンティーライナー、使い捨ておむつ、失禁パッド、陰唇間パッド、タンポン、産褥パッド、母乳パッド、痔用パッド、汗取りパッド、褥瘡シート(ドレッシングシート)、ペット用オムツ、ペット用シート等が挙げられる。
上記吸収性物品では、温感付与溶液を含む温感付与領域は、吸収性物品の平面方向において、吸収体と、吸収性物品の厚さ方向に重複しない位置、吸収体と、吸収性物品の厚さ方向に重複する位置、それらの任意の組み合わせの位置等に配置されうる。
上記温感シートとしては、例えば、着衣固定タイプの温感シート(例えば、液不透過性シートの着衣当接面に、着用者の着衣に固定するための粘着部を備え、上記粘着部を着衣の内面に貼付して使用するもの)、肌固定タイプの温感シート(例えば、液透過性シートの肌当接面(例えば、温感シートの周縁)に、着用者の肌に固定するための粘着部を備え、上記粘着部を着用者の肌に貼付して使用するもの)が挙げられる。
着衣固定タイプの温感シートが固定される着衣としては、特に制限されず、例えば、着用者の肌に直接接する部分を有し、好ましくは着用者にフィットして用いられるものが挙げられる。上記着衣としては、例えば、下着(例えば、ショーツ、シャツ、ブラジャー等)、上着(例えば、上衣、下衣)、靴下、手袋、マフラー、フェイスマスク、アイマスク等が挙げられる。
上記温感シートが温感(高温感、低温感)を付与しうる部位としては、特に制限されず、例えば、頭(例えば、顔部、例えば、眼部)、首、上肢(例えば、胸部、腹部、鼠径部、背中部、腰部、上腕部、前腕部、手部)、下肢(例えば、大腿部、下腿部、足部)等が挙げられる。
上記温感シートでは、温感付与溶液を含む温感付与領域は、温感シートの平面方向において、全面、中央部、周縁部、それらの任意の組み合わせの位置等に配置されうる。
以下、例を挙げて本開示を説明するが、本開示はこれらの例に限定されるものではない。
[製造例1]
温感物品として、第1実施形態に従う生理用ナプキンNo.1を製造した。吸収本体及び温感本体における液透過性シートは、溶液保持シートと、生理用ナプキンの厚さ方向に重複する部分を、第1親油化剤で処理し、親油性を有するエアスルー不織布(構成繊維:熱融着性繊維,坪量:60g/m2,繊維密度:0.06g/cm3,それ以外の部分は親水化剤で処理した)であり、高温感付与領域には、高温感付与溶液が、高温感付与剤の坪量が1.0g/m2となるような量で塗工されていた。
溶液保持シートは、その全面が、液透過性シートで用いられた第1親油化剤よりも低い親油化度を付与しうる第2親油化剤で処理された、親油性を有するエアスルー不織布(構成繊維:熱融着性繊維,坪量:30g/m2,繊維密度:0.03g/cm3)から構成され、高温感付与領域には、高温感付与溶液が、高温感付与剤の坪量が0.5g/m2となるような量で塗工されていた。
なお、温感付与溶液は、高温感付与剤としてのバニリルブチルエーテル(10.0質量%)と、親油性溶媒としてのイソノナン酸イソノニルとから構成されていた。
液不透過性シートは、ポリエチレンフィルム(坪量:24g/m2)であった。
[製造例2]
溶液保持シートを、第1親油化剤で処理した以外は、製造例1と同様にして、生理用ナプキンNo.2を製造した。
[製造例3]
溶液保持シートを構成するエアスルー不織布を、液透過性シートを構成するエアスルー不織布に変更し、第2親油化剤で処理した以外は製造例1と同様にして、生理用ナプキンNo.3を製造した。
[製造例4]
温感物品として、第4実施形態に従う温感シートNo.1を製造した。液透過性シートは、第1親水化剤で処理された、親水性を有するエアスルー不織布(構成繊維:熱融着性繊維,坪量:60g/m2,繊維密度:0.06g/cm3)であり、低温感付与領域には、低温感付与溶液が、低温感付与剤の坪量が1.0g/m2となるような量で塗工されていた。
溶液保持シートは、液透過性シートで用いられた第1親水化剤よりも低い親水化度を付与しうる第2親水化剤で処理された、親水性を有するエアスルー不織布(構成繊維:熱融着性繊維,坪量:60g/m2,繊維密度:0.04g/cm3)であり、低温感付与領域には、低温感付与溶液が、低温感付与剤の坪量が0.5g/m2となるような量で塗工されていた。
補助溶液保持シートは、溶液保持シートで用いられた第2親水化剤よりも低い親水化度を付与しうる第3親水化剤で処理された、親水性を有するエアスルー不織布(構成繊維:熱融着性繊維,坪量:30g/m2,繊維密度:0.02g/cm3)であり、低温感付与領域には、低温感付与溶液が、低温感付与剤の坪量が0.25g/m2となるような量で塗工されていた。
なお、低温感付与溶液は、低温感付与剤としてのl−メンチルグリセリルエーテル(10.0質量%)と、界面活性剤(1.2質量%)と、親水性溶媒としての水とから構成されていた。
液不透過性シートは、ポリエチレンフィルム(坪量:24g/m2)であった。
[製造例5]
溶液保持シート及び補助溶液保持シートを、第1親水化剤で処理した以外は、製造例4と同様にして、温感シートNo.2を製造した。
[製造例6]
溶液保持シート及び補助溶液保持シートを構成するエアスルー不織布を、液透過性シートを構成するエアスルー不織布に変更し、親水化剤は変更しなかった以外は製造例4と同様にして、温感シートNo.3を製造した。
[製造例7]
溶液保持シートを構成するエアスルー不織布を、液透過性シートを構成するエアスルー不織布に変更し、第1親油化剤で処理した以外は、製造例1と同様にして、生理用ナプキンNo.4を製造した。
[製造例8]
溶液保持シート及び補助溶液保持シートを構成するエアスルー不織布を、液透過性シートを構成するエアスルー不織布に変更し、溶液保持シート及び補助溶液保持シートを、第1親水化剤で処理した以外は、製造例4と同様にして、温感シートNo.4を製造した。
[実施例1〜6,並びに比較例1及び2]
複数の被験者のそれぞれに、生理用ナプキンNo.1〜No.4、温感シートNo.1〜No.4を着用してもらい、着用初期(着用後10分以内)の温感作用を4段階(1:温感を覚えなかった,2:弱い温感を覚えた,3:中程度の温感を覚えた,4:強い温感を覚えた)で評価してもらい、そして着用後の温感付与剤に接触していた肌の接触部位の刺激性を4段階(1:刺激性が高かった,4:刺激性が低かった)で評価してもらった、また、生理用ナプキンNo.1〜No.4では、着用初期(着用後10分以内)の痒みにくさを4段階(1:我慢しがたい強い痒みを覚えた,2:我慢できる程度の痒みを覚えた,3:弱い痒みを覚えた,4:痒みを覚えなかった)で評価してもらった。結果(平均値を四捨五入し、整数としたもの)を表1に示す。
Figure 2019068945
1 生理用ナプキン
3 吸収本体
5 温感本体
7 液透過性シート
8a 肌当接面
8b 非肌当接面
9 液不透過性シート
11 吸収体
13 溶液保持シート
15 形状保持部材
17 重複部
19 着衣
21 粘着部
23 フラップ部
25 シール部
27 エンボス部
29 包装シート
31 高温感付与領域
33 高温感付与溶液
L 長手方向
W 幅方向
T 厚さ方向
1 長手方向第1折軸
2 長手方向第2折軸
3 幅方向第1折軸
4 幅方向第2折軸
5 幅方向第3折軸
6 折軸

Claims (14)

  1. 肌当接面及び非肌当接面を有し且つ布帛から構成される液透過性シートと、液不透過性シートと、前記液透過性シートの前記非肌当接面に隣接し且つ布帛から構成される溶液保持シートとを備え、厚さ方向を有する温感物品であって、
    前記温感物品が、前記液透過性シート及び前記溶液保持シートに配置された、TRPチャネルを活性化する温感付与剤と、溶媒とを含む温感付与溶液を含む温感付与領域を備え、
    前記温感付与領域において、前記液透過性シートに存在する前記温感付与溶液の溶液密度が、前記溶液保持シートに存在する前記温感付与溶液の溶液密度よりも高い、
    ことを特徴とする、前記温感物品。
  2. 前記温感付与領域において、前記液透過性シートを構成する前記布帛の繊維密度が、前記溶液保持シートを構成する前記布帛の繊維密度よりも高い、請求項1に記載の温感物品。
  3. 前記溶媒が親油性溶媒であり、前記液透過性シートを構成する前記布帛の親油性度が、前記溶液保持シートを構成する前記布帛の親油性度よりも高い、請求項1又は2に記載の温感物品。
  4. 前記溶媒が親水性溶媒であり、前記液透過性シートを構成する前記布帛の親水性度が、前記溶液保持シートを構成する前記布帛の親水性度よりも高い、請求項1又は2に記載の温感物品。
  5. 前記温感物品が、前記温感付与領域と前記厚さ方向に重複する範囲に、前記溶液保持シートの、前記液透過性シートと反対側の面に隣接し且つ前記温感付与領域を構成する、布帛から構成される補助溶液保持シートをさらに備え、前記温感付与領域において、前記補助溶液保持シートに存在する前記温感付与溶液の溶液密度が、前記溶液保持シートに存在する前記温感付与溶液の溶液密度よりも低い、請求項1又は2に記載の温感物品。
  6. 前記温感付与領域において、前記補助溶液保持シートを構成する前記布帛の繊維密度が、前記溶液保持シートを構成する前記布帛の繊維密度よりも低い、請求項5に記載の温感物品。
  7. 前記溶媒が親油性溶媒であり、前記液透過性シートを構成する前記布帛の親油性度が、前記溶液保持シートを構成する前記布帛の親油性度よりも高く、前記補助溶液保持シートを構成する前記布帛の親油性度が、前記溶液保持シートを構成する前記布帛の親油性度よりも低い、請求項5又は6に記載の温感物品。
  8. 前記溶媒が親水性溶媒であり、前記液透過性シートを構成する前記布帛の親水性度が、前記溶液保持シートを構成する前記布帛の親水性度よりも高く、前記補助溶液保持シートを構成する前記布帛の親水性度が、前記溶液保持シートを構成する前記布帛の親水性度よりも低い、請求項5又は6に記載の温感物品。
  9. 前記液透過性シートの、3g/cm2荷重時の厚さに対する、30g/cm2の荷重時の厚さの比率である厚さ保持率が、前記溶液保持シートの前記厚さ保持率よりも小さい、請求項1〜8のいずれか一項に記載の温感物品。
  10. 前記液透過性シートが、70%以下の、前記厚さ保持率を有する、請求項9に記載の温感物品。
  11. 前記温感物品の前記厚さ方向において、前記温感物品の前記温感付与領域と重複する領域の厚さが、前記温感物品の前記温感付与領域と重複しない領域の厚さよりも厚い、請求項1〜10のいずれか一項に記載の温感物品。
  12. 前記温感付与剤が、TRPV1レセプターに対するアゴニストである高温感付与剤か、又はTRPM8レセプターに対するアゴニストである低温感付与剤である、請求項1〜11のいずれか一項に記載の温感物品。
  13. 前記温感物品が、生理用ナプキン、パンティーライナー、使い捨ておむつ及びショーツ型生理用ナプキンからなる群から選択される、請求項1〜12のいずれか一項に記載の温感物品。
  14. 前記温感物品が発熱剤を含まない、請求項1〜13のいずれか一項に記載の温感物品。
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