本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は、本発明の実施形態によるPOSシステムが稼働している様子を示す概略図である。POSシステムは、店舗等に設置され、商品登録処理を行う登録装置10と、精算処理を行う精算装置(会計装置)20とを含む。本実施形態におけるPOSシステムは、登録装置10を店員(図中の符号T)が操作し、精算装置20を客(図中の符号C)が操作する。なお、登録装置10と精算装置20とは、有線又は無線のLANにより相互に通信可能である。また、当該LANには、登録装置10や精算装置20と通信可能な他の装置(ストアコントローラ等)が接続されている。
具体的には、店員は、登録装置10を操作し、客の買上商品に付されたバーコード(商品コード。JANコード等)を読み取らせる(登録装置による商品登録処理)。店員は、全部の買上商品の商品登録が完了すると、登録装置10を操作し、登録した全部の商品の商品コードを含む登録データを、登録装置10から精算装置20に送信させる。客は、精算装置20の設置場所まで移動し、全部の買上商品の代金を精算する(精算処理20による精算処理)。
図2は、本実施形態による登録装置10の構成を示すブロック図である。図2に示すように、CPU101と、ROM102と、RAM103と、スキャナ部104と、店員用表示部105と、客用表示部106と、ハードディスク107と、キー操作部108と、通信部109と、ブザー110と、印刷部111と、バス115とを備える。これらは、バス115を介して互いに接続されている。
ROM102は、商品登録処理をCPU101に実行させるための商品登録プログラムを記憶する。RAM103には、ROM102又はハードディスク107から読み出された商品登録プログラムが展開される。また、RAM103は、商品登録プログラムが実行されることによって生成された各種変数及びデータを一時記憶する。
スキャナ部104は、バーコードを光学的に読み取るスキャナである。スキャナ部104は、店員による操作により、商品に付されたバーコードから商品コードを光学的に読み取って、読み取った商品コードをRAM103に記憶させる。
CPU101は、ROM102等に記憶された商品登録プログラムを読み出してRAM103に展開し、展開した商品登録プログラムのステップを実行することにより、登録装置10全体を制御する。例えば、CPU101は、スキャナ部104が読み取った商品コードと、ハードディスク107に記憶された商品ファイル(不図示)とに基づいて、買上商品の商品名及び小計金額等を、店員用表示部105に表示させる。なお、商品ファイルとは、店舗が取り扱う商品に関するデータを含むファイルである。商品ファイルには、例えば、商品の商品コードと、商品名や販売価格が対応付けられて記憶されている。
また、CPU101は、通信部109が、精算装置20から送信された残留貨幣報知情報を受信した場合、残留貨幣に関する情報を店員用表示部105に表示させる。残留貨幣報知情報、残留貨幣については、後述する。
また、CPU101は、商品登録した全部の商品の商品コードを含む登録データを生成する。CPU101は、生成した登録データを、通信部109を制御して、精算装置20に送信させる。なお、CPU101は、生成した登録データを精算装置20に送信することに加えて、RAM103又はハードディスク107に記憶してもよい。
店員用表示部105は、例えば、液晶タッチディスプレイ装置である。店員用表示部105は、店員に各種の情報(登録画面等)を表示する。また、店員用表示部105は、店員が操作する各種キー(各種ボタン)を表示する。例えば、登録終了を指示する小計キー、登録データを送信するための送信キー(LAN内に複数の精算処理20が存在する場合には精算処理を実行させる精算装置20を指定するための夫々の精算装置20に対応する複数の送信キー)を表示してもよい。客用表示部106は、例えば、液晶タッチディスプレイ装置である。客用表示部106は、客に各種の情報(単価等)を表示する。また、客用表示部106は、客が操作する各種キー(各種ボタン。例えば年齢確認のOKボタン等)を表示する。
ハードディスク107は、例えば、磁気記録装置であり、外部から取得される情報(例えば、商品ファイル、商品登録プログラム等)や、自登録装置10において生成される情報(例えば、登録データを記憶する登録ファイル等)を記憶する。
キー操作部108は、店員が操作する各種キー(金額等の数字を入力するための数字キー、登録終了を指示する小計キー等)が配置されている。また、登録データを送信するための送信キー(LAN内に複数の精算処理20が存在する場合には精算処理を実行させる精算装置20を指定するための夫々の精算装置20に対応する複数の送信キー)を配置してもよい。
通信部109は、LANを介して外部の装置(例えば、精算装置20、ストアコントローラ)と通信するための通信インタフェースである。ブザー110は、確認音及び警告音を発生させるための音発生部である。印刷部111は、各種媒体を印刷、発行する。
図3は、登録データ、登録ファイルの一例である。図3(A)は、登録装置10によって生成される登録データのデータ構成例である。図3(B)は、RAM103又はハードディスク107に記憶されている登録ファイルに複数の登録データが記憶されている様子を示したものである。登録装置10は、取引毎に、図3(A)に示すような登録データを生成し、生成した登録データを図3(B)に示すように登録ファイルに記憶する。なお、上述したように、登録データは、登録ファイルに記憶されるとともに、精算装置20にも送信される。
図3(A)及び図3(B)において、取引番号は、各取引を識別する識別情報である。日時は、当該登録処理が行われた日時(例えば、当該登録データが生成された日時)である。装置番号は、当該登録データを生成した登録装置10(商品登録処理を実行した登録装置10)を識別する識別情報である。店員コードは、商品を登録した店員を識別する識別情報である。合計金額は、買上商品の合計金額である。商品名、単価は、商品コードに基づいて商品ファイルから取得している。
なお、図3(A)及び図3(B)では、簡略化のため、全部の買上商品については図示していない。また、他の情報、例えば、客に関する情報(会員カードを認識した場合の会員番号、ボタン押下などによって取得した客相(M1層、F2層等)等)も省略している。図5における精算データ等についても同様である。
図4は、本実施形態による精算装置20の構成を示すブロック図である。精算装置20は、登録装置10により生成された登録データに基づいて精算処理を実行する。精算装置20は、CPU201と、ROM202と、RAM203と、スキャナ部204と、表示部206と、ハードディスク207と、通信部209と、ブザー210と、印刷部211と、釣銭機212と、貨幣センサ213と、バス215とを備える。これらは、バス215を介して互いに接続されている。
ROM202は、精算処理をCPU201に実行させるための会計プログラムを記憶する。RAM203は、ROM202又はハードディスク207から読み出された商品登録プログラムが展開される。また、RAM203は、会計プログラムが実行されることによって生成された各種変数及びデータを一時記憶する。スキャナ部204は、バーコードを光学的に読み取るスキャナである。
CPU201は、ROM202に記憶された会計プログラムを読み出してRAM203に展開し、展開した会計プログラムのステップを実行することにより、精算装置20全体を制御する。例えば、CPU201は、登録装置10から送信された登録データに基づいて合計金額を表示部206に表示させる。また、CPU201は、釣銭機212に投入された貨幣の金額に関する情報を釣銭機212から取得し、入金額として表示部206に表示させる。また、CPU201は、合計金額と入金額とに基づいて釣銭額(釣り銭金額)を算出し、表示部206に表示させる。また、CPU201は、精算処理が終了すると、レシートを印刷部211から発行させるとともに、釣り銭と等しい額の貨幣を釣銭機212から排出させる。また、CPU201は、精算処理が終了すると、預り金額や釣銭額を含む精算データを生成し、通信部209を制御して、外部の装置(例えば、ストアコントローラ)に送信させる。なお、CPU201は、生成した精算データを、外部の装置に送信することに加えて、RAM203又はハードディスク207に記憶してもよい。
また、CPU201は、貨幣センサ213が残留貨幣を検知(検出)した場合、通信部209を制御して、残留貨幣報知情報を生成し、外部の装置(例えば、登録装置10)に送信させる。なお、残留貨幣報知情報とは、残留貨幣(後述)がある旨等を報知する情報である。
表示部206は、例えば、液晶タッチディスプレイ装置である。表示部206には、客が操作するためのガイダンス表示や操作ボタンが表示され、ガイダンスに従って客が操作することで、客は操作に迷うことなく自身にて精算することができる。なお、表示部206に表示される操作ボタンとは、例えば、精算装置20に移動してきた客が、精算装置20における処理(精算)の開始を宣言(指示)するための開始ボタンや、貨幣の投入を終えた客が、釣銭機212に釣銭処理を開始させるためのおわりボタン等である。
ハードディスク207は、例えば、磁気記録装置であり、外部から取得される情報(例えば、登録データ、会計プログラム等)や、自精算装置20において生成される情報(例えば、精算データを記憶する精算ファイル等)を記憶する。
通信部209は、LANを介して外部の装置(例えば、登録装置10、ストアコントローラ)と通信するための通信インタフェースである。ブザー210は、確認音及び警告音を発生させるための音発生部である。印刷部211は、各種媒体を印刷、発行する。
釣銭機212は、貨幣の投入口及び排出口を備え、投入口に投入された貨幣(硬貨及び紙幣の少なくとも一方)の算出処理(預り金額の算出処理、残留金額の算出処理)を行い、その入金額をCPU201に通知する。また、釣銭機212は、CPU201から通知された釣銭額に基づいて、その釣銭額と等しい額の貨幣を排出口から排出する。
また、釣銭機212は、投入口に投入された貨幣を搬送する搬送部(搬送ベルト等)、搬送部によって搬送された貨幣を収納する収納部を備える。従って、客が投入した貨幣は、搬送部によって搬送され、内部(収納部)に収納される。
貨幣センサ213は、釣銭機212における貨幣の投入口に貨幣があるか否かを検知するセンサである。貨幣センサ213は、所定のタイミングで、貨幣があるか否かを検知する。なお、図4は、釣銭機212とは別に独立して貨幣センサ213を備える構成を示したものであるが、釣銭機212が貨幣センサ213を備える構成であってもよい。
図5は、精算データ、精算ファイル等の一例である。図5(A)は、精算装置20によって生成される精算データのデータ構成例である。図5(B)は、RAM203又はハードディスク207に記憶されている精算ファイルに複数の精算データが記憶されている様子を示したものである。
図5(A)及び図5(B)において、日時(精算処理)は、当該精算処理が行われた日時(例えば、当該精算データが生成された日時)である。装置番号は、当該精算データを生成した精算装置20(精算処理を実行した精算装置20)を識別する識別情報である。レシート番号は、当該取引において発行されたレシートを識別する識別情報である。預り金額は、釣銭機212に投入され、預り金額の算出処理において預り金として認識(計上)された金額である。釣り銭金額は、客に渡したお釣りの金額である。残留金額は、残留貨幣の金額である。残留貨幣は、預り金額の算出処理の終了後に釣銭機212に投入された貨幣である。つまり、預り金額として認識(計上)されなかった金額である。
精算装置20は、例えば、図5(A)に示すような精算データを生成する。図5(A)に示した精算データにおける残留金額「200円」は、当該精算処理(取引番号「00512」の精算処理)において預り金額の算出処理の終了後に釣銭機212に投入された貨幣(残留貨幣)が200円である旨を示している。なお、例えば、合計金額700円に対し、千円札を1枚投入し、おわりキーを押下したが、押下後に、お釣りを100円玉3枚ではなく、500円玉1枚にしようとした客が200円を更に投入した場合には、図5(A)のような精算データが生成される。
精算データを生成した精算装置20は、図5(B)に示すように、生成した精算データを精算ファイルに記憶する。なお、図5(B)に示した精算ファイルには、取引番号「00512」の精算処理の精算データ(図5(A)参照)に続いて、次の取引(取引番号「00513」の取引)の精算データも記憶されている。
図5(C)は、RAM203又はハードディスク207に記憶されている残留貨幣詳細ファイルに複数の残留貨幣詳細データが記憶されている様子を示したものである。図5(C)に示した残留貨幣詳細ファイルには、取引番号「00512」の残留貨幣詳細データが記憶されている。残留貨幣詳細データには、残留貨幣の詳細情報として、残留貨幣の内訳が記憶されている。例えば、取引番号「00512」の残留貨幣詳細データには、残留金額「200円」の内訳(100円玉1枚、50円玉1枚、10円玉5枚)が記憶されている。
精算装置20は、精算処理において、図5(A)に示すような精算データを生成し、図5(B)に示すように精算ファイルに記憶するが、残留貨幣がある場合には、更に、残留貨幣詳細データも生成し、図5(C)に示すように残留貨幣詳細ファイルに記憶する。
図5(D)は、精算ファイルの他の例である。図5(A)及び図5(B)は、ある取引の預り金額の算出処理の終了後に投入された貨幣(残留貨幣)について当該取引の精算データ内に記憶する態様を示しているが、図5(D)に示すように、ある取引の預り金額の算出処理の終了後に投入された貨幣(残留貨幣)について当該取引の精算データの次のデータ内に記憶してもよい。図5(D)に示す例では、取引番号「00512」の取引の預り金額の算出処理の終了後に投入された貨幣(残留貨幣)について、矢印に示すように、当該取引の次のデータとして記憶している。これにより、取引と取引の間に間の任意のタイミングに貨幣が投入された場合(例えば、待機状態において貨幣が投入されたような場合であっても)、簡便に、当該貨幣を直前の取引に対応付けて管理することができる。つまり、例えば、直前の取引から大分時間が経過したときに残留貨幣を検知した場合などにおいて、生成してから大分時間が経過した直前の取引の精算データを更新(残留金額を追加)するといった状況が生じないため(精算データの内容が確定しないという状況が生じないため)、処理が単純化され、管理が容易になる。
なお、図5に示した例では省略したが、精算データとして、預り金額(預り金の合計金額)に代えて又は加えて、預り金の金種毎の枚数を記憶してもよい。また、図5に示した例では省略したが、精算装置20は、釣銭機212における金種毎の在高(各金種の残存枚数)に関する情報を記憶している。
図6は、登録装置10の動作の一例を示すフローチャートである。具体的には、図6のフローチャートは、待機中の登録装置10が登録処理を終える迄の動作の一例を示している。つまり、図6のフローチャートは、登録装置10が待機しているときに開始する。
ステップS1:残留貨幣報知情報を受信したか否かを判断する。受信した場合にはステップS2に進む。受信していない場合にはステップS3に進む。
ステップS2:残留貨幣に関する情報を店員用表示部105に表示する。例えば、残留貨幣報知画面(図8参照)を表示する。
ステップS3:スキャナ部104によって商品のバーコードがスキャンされたか否かを判断する。スキャンされた場合にはステップS4に進む。スキャンされていない場合にはステップS5に進む。
ステップS4:スキャンされた商品を登録し、表示する。例えば、当該商品に関する情報(商品名、価格等)を店員用表示部105や客用表示部106に表示するとともに、当該商品に関する情報(商品コード、商品名、価格等)を登録データに反映させる情報として一時記憶する。
ステップS5:商品登録が完了したか否かを判断する。例えば、小計キーの押下があった場合には商品登録が完了したと判断する。商品登録が完了した場合、ステップS6に進む。商品登録が完了していない場合、ステップS1に戻る。
ステップS6:ステップS4にて登録した全部の商品を含む登録データを生成し、RAM103(又はハードディスク107)に記憶する。
ステップS7:ステップS6にて生成した登録データを精算装置20に送信する。なお、LAN内に複数の精算装置20がある場合には、いずれか1つの精算装置20(店員の指定操作によって指定された一の精算装置20、又は、所定の優先順位等に基づいて決定された一の精算装置20)に登録データを送信する。そして、図6のフローチャートは終了する。
図7は、精算装置20の動作の一例を示すフローチャートである。具体的には、図7のフローチャートは、待機中の精算装置20が精算装置を終える迄の動作の一例を示している。つまり、図7のフローチャートは、精算装置20が待機しているときに開始する。なお、図7のフローチャートの開始時において、精算装置20は登録データを受信しており、表示部206には精算の開始を指示する開始ボタンが表示されているものとする。
ステップS11:開始操作があったか否かを判断する。例えば、開始ボタンが押下された場合には開始操作があったと判断する。開始操作があった場合、ステップS12に進む。開始操作がなかった場合、ステップS11に戻る。
ステップS12:登録データに基づいて買上商品の合計金額を表示部206に表示する。
ステップS13:貨幣を検知したか否かを判断する。つまり、貨幣センサ213により、釣銭機212の貨幣投入口に貨幣が投入されたか否かを判断する。貨幣を検知した場合、ステップS14に進む。貨幣を検知していない場合、ステップS17に進む。
ステップS14:貨幣投入口に投入された貨幣を内部に取り込み、金種毎の枚数を認識し、金種毎の累積枚数、預り金の合計金額等を算出する(預り金額の算出処理)。つまり、2回目以降のステップS14の処理では値を更新(累積)する。例えば、客がまず500円玉1枚と100円玉2枚を纏めて投入し、やや時間をおいてからもう500円玉を1枚投入し、更にやや時間をおいてから100円玉を1枚投入したような場合、1回目のステップS14の処理では500円玉が1枚、100円玉が2枚、預り金の合計金額が700円であると算出し、2回目のステップS14の処理では500円玉が2枚、100円玉が2枚、預り金の合計金額が1200円であると算出し、3回目のステップS14の処理では500円玉が2枚、100円玉が3枚、預り金の合計金額が1300円であると算出する。
ステップS15:預り金額として、ステップS14にて算出した金種毎の累積枚数や預り金の合計金額を記憶する。2回目以降のステップS15の処理では、ステップS14において更新された値が記憶される。
ステップS16:預り金額として、ステップS14にて算出した預り金の合計金額を表示部206に表示する。2回目以降のステップS16の処理では、ステップS14において更新された値が表示される。
なお、図示は省略するが、表示部206に、お買上金額表示欄、お預り金表示欄、お釣り表示欄を有する画面(お買上金額表示欄の下にお預り金表示欄を配置し、お預り金表示欄の下にお釣り表示欄を配置した画面)を表示し、ステップS12ではお買上金額表示欄に買上商品の合計金額を表示し、ステップS16ではお預り金表示欄に預り金の合計金額を表示してもよい。
ステップS17:表示部206のおわりボタンが押下されたか否かを判定する。おわりボタンが押下された場合、ステップS18に進み、おわりボタンが押下されていない場合、ステップS13の処理に戻る。
ステップS18:登録データに基づく合計金額と、ステップS15にて記憶した預り金の合計金額とに基づいて釣銭額を算出し、釣り銭を釣銭機212の排出口から排出する(釣銭排出処理)。また、登録データ(買上商品の合計金額、商品名、単価等)や預り金の合計金額や釣銭額等に基づいて明細レシートの印刷データを生成し、印刷部211に印刷、発行させる(明細レシート発行処理)。また、登録データ(買上商品の合計金額、商品名、単価等)や預り金の合計金額や釣り銭額等に基づいて精算データを生成し、精算ファイルに書き込む(精算ファイル書き込み処理)。また、算出した釣銭額をお釣り表示欄には表示する。
ステップS19:残留する貨幣を検知したか否かを判断する。つまり、貨幣センサ213により、おわりボタンの押下後に釣銭機212の貨幣投入口に貨幣が投入されたか否かを判断する。貨幣を検知した場合、ステップS20に進む。貨幣を検知していない場合、図7のフローチャートは終了する。
ステップS20:貨幣投入口に投入された貨幣を内部に取り込み、金種毎の枚数や合計金額を算出する(残留金額の算出処理)。
ステップS21:残留金額として、ステップS20にて算出した金種毎の枚数や合計金額を記憶する。例えば、図5(A)(B)に示したように、当該精算処理の精算データに対し、残留金額の情報を書き込む(追記する)。なお、図5(D)に示したような残留金額の情報を生成し、精算ファイルに記憶してもよい。また、図5(C)に示したように、残留貨幣詳細データを生成し、残留貨幣詳細ファイルに記憶する。
ステップS22:残留金額として、ステップS20にて算出した合計金額を表示部206に表示する。なお、合計金額に代えて又は加えて、金種毎の枚数を表示してもよい。
ステップS23:ステップS20にて算出された金種毎の枚数や合計金額等に基づいて、残留貨幣報知情報を生成し、登録装置10に送信する。つまり、登録装置10に残留貨幣に関する情報を表示させる。そして図7のフローチャートは終了する。
なお、図7のフローチャートでは、ステップS21にて残留金額を記憶し、ステップS22にて残留金額を当該精算装置20の表示部206に表示し、ステップS23にて残留貨幣報知情報を登録装置10に送信しているが、残留金額を当該精算装置20の表示部206に一定期間表示し、該一定期間が経過した後に、残留金額を記憶し、残留貨幣報知情報を登録装置10に送信してもよい。また、該一定期間においては、次の処理を制限してもよい。例えば、次の登録データの受信を禁止してもよいし、次の登録データの受信を許可するが、開始操作(ステップS11)を禁止してもよい。
図8は、残留貨幣報知画面の一例である。登録装置10は、精算装置20から送信される残留貨幣報知情報を受信すると、残留貨幣に関する情報として、店員用表示部105に、残留貨幣報知画面300を表示する。例えば、登録装置10は、登録画面の表示中に、残留貨幣報知情報を受信した場合、図8に示すように、登録画面に重畳して、ポップアップ画面として残留貨幣報知画面300を表示してもよい。図8に示した残留貨幣報知画面300には、残留貨幣がある旨のメッセージ「残留貨幣があります」、残留検知時刻(残留貨幣報知情報の受信時刻等)、精算機No(残留貨幣報知情報の送信元の装置番号等)、レシート番号(当該残留貨幣の直前の取引のレシート番号)、取引番号(当該残留貨幣の直前の取引の取引番号)、残留金額、金種毎の枚数が表示されている。
登録装置10を操作する店員は、残留貨幣報知画面300によって、精算装置20において残留貨幣があることを直ちに認識する。店員は、精算装置20において残留貨幣があることを認識した場合、種々の対応を取ることができる。例えば、店員は、閉じるボタン(図中のB2)を押下し、当該精算装置20側に移動し、所定の操作により、釣銭機212から残留貨幣を排出(出金)させ、当該残留貨幣を投入した客(該当レシートを持つ客)に返金してもよい。また、店員は、残留貨幣の返金前(又は返金後)に、残留貨幣報知画面300上の閉じるボタンを押下し、当該残留貨幣報知画面300を消去する。なお、精算装置20において上述の所定の操作が行われた場合(又は、釣銭機212から残留貨幣が排出された場合)に、精算装置20から登録装置10に返金完了通知が送信されるようにし、自動的に(店員の閉じるボタンの押下がなくても)、残留貨幣報知画面300が消去されるようにしてもよい。
また、残留貨幣報知画面300の印字ボタン(図中のB1)は、残留金額を出金させるための情報(残留金額出金指示情報)をコード化して印字した払出用媒体を登録装置10の印刷部111から印刷、発行するためのボタンである。精算装置20は、スキャナ部204によって払出用媒体から残留金額出金指示情報を取得すると、当該残留金額出金指示情報に従って残留金額分の貨幣を排出する。つまり、店員は、印字ボタンを押下して払出用媒体を取得し、払出用媒体を持って精算装置20側に移動し、払出用媒体を読ませることにより釣銭機212から残留金額分の貨幣を排出させ、排出された残留金額分の貨幣を客に返金してもよい。
また、残留貨幣報知画面300の出金ボタン(図中のB3)は、釣銭機212から残留金額を出金させるための残留金額出金指示情報を該精算装置20に送信するためのボタンである。精算装置20は、通信部209によって残留金額出金指示情報を取得すると、当該残留金額出金指示情報に従って残留金額分の貨幣を排出する。つまり、店員は、出金ボタンの押下後に精算装置20側に移動し、釣銭機212から排出される残留金額分の貨幣を客に返金してもよい。また、店員は、出金ボタンの押下した後に精算装置20側に移動せずに、残留金額分の貨幣が排出される旨を客や他の店員に伝えてもよい。
また、残留金額分の貨幣を客に返金した場合には、精算装置20は、残留金額分の貨幣を返金した旨を記憶する。例えば、釣銭機212から残留金額分の貨幣を出金した場合、精算装置20は、精算データや残留貨幣詳細データの残留金額をクリア(0円やNULL)にする。これにより、精算ファイルや残留貨幣詳細ファイルを参照すれば、返金したか否かを確認することができる。
また、精算データや残留貨幣詳細データに、返金済フラグを設けるようにし、精算装置20は、釣銭機212から残留金額分の貨幣を出金した場合、返金済フラグの値をオフ(未返金)からオン(返金済)に更新してもよい。これにより、精算ファイルや残留貨幣詳細ファイルを参照すれば、残留貨幣があったか否かや、返金したか否かを確認することができる。
また、精算データや残留貨幣詳細データに、返金済フラグに代えて又は加えて、返金日時を設けるようにし、精算装置20は、釣銭機212から残留金額分の貨幣を出金した場合、返金日時を入力してもよい。これにより、精算ファイルや残留貨幣詳細ファイルを参照すれば、残留貨幣があったか否かや、返金したか否かや、返金迄の所要時間を確認することができる。
また、精算装置20の表示部206への表示(図7のステップS22の表示)として、図8に示した残留貨幣報知画面300と同様の情報(具体的には、残留貨幣報知画面300に表示する情報の一部。残留貨幣がある旨のメッセージ、残留検知時刻、レシート番号、残留金額、金種毎の枚数等)を表示してもよい。なお、残留貨幣がある旨のメッセージに代えて又は加えて、客に待機を求めるメッセージ「しばらくお待ちください」を表示してもよい。また、表示部206に返金ボタン(出金ボタン)を表示し、客(又は店員)によって返金ボタンが押下されると、釣銭機212から残留金額分の貨幣が排出されるようにしてもよい。
図9は、釣銭情報画面の一例である。精算装置20は、上述したように、残留貨幣について、通常の精算処理で収納している貨幣とは個別に管理する(図5(C)参照)。従って、精算装置20は、通常の精算処理で収納している貨幣と残留貨幣の夫々について、金種毎の収納枚数を出力(送信、表示、印刷等)可能である。
例えば、登録装置10は、図9に示すような釣銭情報画面400を表示してもよい。例えば、登録装置10は、釣銭情報画面を表示させる旨の店員の操作に応じて、釣銭情報画面を店員用表示部105に表示してもよい。一例として、登録装置10の画面(登録画面、小計画面、その他の画面等)上に、釣銭情報画面を表示させるためのボタン(釣銭情報ボタン)を表示し、当該ボタンが押下された場合、登録装置10は、金種毎の収納枚数に関する情報の送信を求める要求を精算装置20に送信し、精算装置20から送信された情報(金種毎の収納枚数に関する情報)を釣銭情報画面に展開し、店員用表示部105に表示してもよい。換言すれば、精算装置20は、登録装置10からの要求(釣銭情報要求)に応じて結果(金種毎の収納枚数に関する情報)を要求元の登録装置10に送信してもよい。なお、登録装置10と精算装置20とは、他の装置(例えば、ストアコントローラ等)を介して、情報(釣銭情報要求、金種毎の収納枚数に関する情報)を送受信してもよいし、直接、情報を送受信してもよい。
図9に示した釣銭情報画面400(表示領域a)には、精算機No(金種毎の収納枚数を表示させる精算処理20の装置番号等)、残留貨幣に係る取引の取引番号が表示されている。なお、残留貨幣に係る取引の取引番号に代えて又は加えて残留貨幣に係る取引のレシート番号を表示してもよい。また、上記に代えて又は加えて残留貨幣に係る取引の取引数を表示してもよい。
なお、LAN内に存在する精算処理20が単数の場合には、精算機Noを表示しないようにしてもよい。また、LAN内に複数の精算処理20が存在する場合には、情報を表示させる精算装置20を店員が指定できるようにしてもよい。例えば、登録装置10の画面(登録画面、小計画面、その他の画面等)上の釣銭情報ボタンが押下された場合、何れかの精算処理20を指定可能な画面(夫々の精算装置20を指定するボタンを配置した画面等)を表示してもよい。また例えば、登録装置10の画面(登録画面、小計画面、その他の画面等)上に、夫々の精算装置20に対応する釣銭情報ボタンを表示してもよい。
また、図9に示した釣銭情報画面400(表示領域b)には、通常の精算処理の貨幣として、500円玉が8枚、100円玉が12枚、50円玉が5枚、10円玉が7枚、5円玉が1枚、1円玉が27枚、夫々収容されている旨や、残留貨幣として、500円玉が0枚、100円玉が1枚、50円玉が1枚、10円玉が7枚、5円玉が7枚、1円玉が4枚、夫々収容されている旨が、数値やグラフにより表示されている。
図10は、釣銭情報レシートの一例である。図10(A)は、通常の精算処理の貨幣、及び、残留貨幣(残留貨幣がある全取引の残留貨幣を合算した残留貨幣)について印刷した釣銭情報レシートの一例である。図10(B)は、全取引(残留貨幣がある全取引)の残留貨幣(夫々の取引の残留貨幣)について一括して印刷した釣銭情報レシートの一例である。図10(C)は、ある取引の残留貨幣について個別に印刷した釣銭情報レシートの一例である。
例えば、登録装置10は、登録装置釣銭情報画面400において、収納枚数印字ボタン(図中のB4)が押下された場合、図10(A)に示すような釣銭情報レシートを印刷部111から発行してもよい。図10(A)に示した釣銭情報レシートには、図9に示した釣銭情報画面400(表示領域b)に表示された情報と同様の情報が印刷されている。
また、登録装置10は、登録装置釣銭情報画面400において、残留貨幣一括印字ボタン(図中のB5)が押下された場合、図10(B)に示すような釣銭情報レシートを印刷部111から発行してもよい。図10(B)に示した釣銭情報レシートには、全取引(取引番号「089」の取引、取引番号「309」の取引)の残留貨幣について一括して印刷されている。例えば、領域aには、取引番号「089」の取引の残留貨幣について印刷され、領域bには、取引番号「309」の取引の残留貨幣について印刷されている。
また、領域aの下部に印刷されたバーコードBC1は、領域aに示した情報(取引番号「089」の取引の残留貨幣に関する情報)に対応するバーコードである。例えば、精算機No「33」、取引番号「089」、100円玉「1」、50円玉「1」、10円玉「5」等をコード化したバーコードである。領域bの下部に印刷されたバーコードBC2は、領域bに示した情報(取引番号「309」の取引の残留貨幣に関する情報)に対応するバーコードである。例えば、精算機No「33」、取引番号「309」、10円玉「2」、5円玉「1」、1円玉「4」等をコード化したバーコードである。なお、バーコードBC1(バーコードBC2も同様)は、取引番号に代えて又は加えてレシート番号をコード化したバーコードであってもよい。
店員は、図10(B)に示した釣銭情報レシートを用いて、精算装置20から、各取引の残留貨幣を出金させることができる。例えば、店員は、精算装置20にバーコードBC1を読み取らせることにより、当該精算装置20から、当該バーコードBC1に係る残留貨幣(取引番号「089」の取引の残留貨幣である100円玉1枚と50円玉1枚と10円玉5枚)を出金させることができる。店員は、精算装置20にバーコードBC2を読み取らせることにより、当該精算装置20から、当該バーコードBC2に係る残留貨幣(取引番号「309」の取引の残留貨幣である10円玉2枚と5円玉1枚と1円玉4枚)を出金させることができる。つまり、精算装置20は、夫々の取引のバーコードを読み取った場合、夫々の取引の残留貨幣を出金する。
なお、残留貨幣一括印字ボタン(図中のB5)が押下された場合に発行される釣銭情報レシートは、図10(B)に示したように夫々の取引について印刷したものであるが、上記に加え、更に全取引について印刷したものであってもよい。例えば、図10(B)に示した釣銭情報レシートにおいて、バーコードBC2の下部に、取引番号「089」の取引と取引番号「309」の取引を合算した残留貨幣に関する情報(精算機No「33」、取引番号「089」、取引番号「309」、100円玉「1」、50円玉「1」、10円玉「7」、5円玉「1」、1円玉「4」)を印刷してもよい。また、上記合算した残留貨幣に関する情報に代えて又は加えて、上記合算した残留貨幣に関する情報等をコード化したバーコードを印刷したものであってもよい。精算装置20は、当該合算した残留貨幣に関する情報等をコード化したバーコードを読み取った場合、全部の取引の残留貨幣を出金(例えば、100円玉1枚と50円玉1枚と10円玉7枚と5円玉1枚と1円玉4枚を出金)する。
また、登録装置10は、登録装置釣銭情報画面400において、残留貨幣個別印字ボタン(図中のB6)が押下されたことに基づいて、図10(C)に示すような釣銭情報レシートを印刷部111から発行してもよい。例えば、残留貨幣個別印字ボタン(図中のB6)が押下された後に、一の取引(例えば、取引番号「089」の取引、取引番号「309」の取引のうちのいずれか)を指定可能な画面を表示し、一の取引が指定された場合に、図10(C)に示すような釣銭情報レシートを印刷部111から発行してもよい。図10(C)に示した釣銭情報レシートには、取引番号「089」の取引の残留貨幣について印刷されている。つまり、図10(C)の領域cに印刷された内容は、図10(B)の領域aに印刷された内容と同様である。また、図10(C)のバーコードBC3は、図10(B)のバーコードBC2と同様である。従って、精算装置20は、バーコードBC3を読み取った場合、当該バーコードBC3に係る残留貨幣(取引番号「089」の取引の残留貨幣である100円玉1枚と50円玉1枚と10円玉5枚)を出金する。
なお、精算装置20は、残留貨幣等の金種毎の収納枚数を出力する例として、図9及び図10を用いて、登録装置10に収納枚数を出力する例を送信する態様を説明したが、精算装置20は、残留貨幣等の金種毎の収納枚数を表示してもよい。例えば、精算装置20は、店員の操作に基づいて、図9に示した釣銭情報画面に表示される情報(図10(A)に示した釣銭情報レシートに印刷される情報)と同様の情報を表示部206に表示してもよいし、図10(B)や図10(C)に示した釣銭情報レシートに印刷される情報(領域a、b、c)と同様の情報を表示部に表示してもよい。また、精算装置20は、残留貨幣等の金種毎の収納枚数を印刷してもよい。例えば、精算装置20は、店員の操作に基づいて、図10(A)や図10(B)や図10(C)に示した釣銭情報レシートと同様の媒体を印刷部211から発行してもよい。
なお、精算装置20は、残留貨幣を出金(例えば、図8の印字ボタンの押下によって発行される払出用媒体による出金、図8の出金ボタンによる出金、図10の釣銭情報レシートによる出金等)した場合には、金種毎の出金枚数を印刷した出金レシート(非図示)を発行し、残留貨幣に関する情報(図5(C)参照)を更新する。
以上、本実施形態のPOSシステムについて図面を参照して説明したが、精算装置20によれば、おわりボタンの押下後に投入された貨幣(預り金として計上されなかった残留貨幣)を認識し、処理することができる。
つまり、精算装置20は、貨幣の投入の終了を指示するおわりボタンが押下されたことに基づいておわりボタンの押下前に投入された貨幣を預り金として確定させ(預り金額の算出処理)、おわりボタンの押下後に投入された貨幣については、当該預り金とは別に残留貨幣として、当該預り金に対応付けて記憶(管理)する(図5参照)。従って、店員は、記憶されている情報(例えば、精算ファイル内の精算データ、残留貨幣詳細ファイル内の残留貨幣詳細データ等)を参照し、残留貨幣について確認することができる。
また、精算装置20において残留貨幣が検知された場合、当該精算装置の表示部206や、登録装置10の店員用表示部105に残留貨幣に関する情報が表示されるので(図7のステップS22、S23参照)、速やかに、かつ適切に、処理することができる。例えば、店員は、残留貨幣報知画面(図8参照)にて残留貨幣の存在を直ちに認識し、同画面上のボタンを押下して、残留金額分の貨幣を然るべき客に返金することができる。
なお、本実施形態のPOSシステムは、上述したものに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において様々な変更等をすることが可能である。
例えば、上述した実施形態では、残留貨幣の検知タイミング(残留貨幣があるか否かを判定するタイミング)は、釣銭排出処理、明細レシート発行処理、精算ファイル書き込み処理を行った後(ステップS18の処理の後)であるが、残留貨幣の検知タイミングは、おわりボタンの押下後であれば、どのようなタイミングであってもよい。例えば、精算装置20は、実際に釣銭払出口に釣り銭を払い出すタイミングで残留貨幣を検知してもよいし、実際に発行口に明細レシートを発行(出力)するタイミングで残留貨幣を検知してもよい。
また、精算装置20は、釣銭払出口から釣り銭が取り除かれたタイミング(客が釣り銭を取り去ったタイミング)で残留貨幣を検知してもよいし、発行口から明細レシートが取り除かれたタイミング(客が明細レシートを取り去ったタイミング)で残留貨幣を検知してもよい。なお、精算装置20は、釣銭払出口から釣り銭が取り除かれたか否かを判定する判定手段(センサ等)を設けることにより、釣銭払出口から釣り銭が取り除かれたことを認識してもよい。また、精算装置20は、発行口から明細レシートが取り除かれたか否かを判定する判定手段(センサ等)を設けることにより、発行口から明細レシートが取り除かれたことを認識してもよい。
また、精算装置20は、新たな登録データ(次客の登録データ)を取得したタイミングで残留貨幣を検知してもよいし、次客の開始操作があったタイミングで残留貨幣を検知してもよい。
また、残留貨幣の検知タイミングは複数あってもよい。つまり、精算装置20は、釣銭排出処理、明細レシート発行処理、精算ファイル書き込み処理を行ったタイミング、実際に釣銭払出口に釣り銭を払い出すタイミング、実際に発行口に明細レシートを発行するタイミング、釣銭払出口から釣り銭が取り除かれたタイミング、発行口から明細レシートが取り除かれたタイミング、新たな登録データを取得したタイミング、次客の開始操作があったタイミングのうちの、2以上のタイミングで、残留貨幣を検知してもよい。なお、全部のタイミングで、残留貨幣を検知してもよい。
なお、新たな登録データの取得後に残留貨幣が検知された場合には、精算装置20は、残留貨幣に関する一連の処理(例えば、図7のステップS20〜S23に示すような処理)を実行した後に、当該新たな登録データに基づく精算処理を開始するようにしてもよい。例えば、上記一連の処理が終わる前、次客の開始操作を制限(無効。例えば、精算の開始を指示する開始ボタンを非表示等)してもよい。
また、次客の開始操作の後に残留貨幣が検知された場合には、精算装置20は、残留貨幣に関する一連の処理(例えば、図7のステップS20〜S23に示すような処理)を実行した後に、当該次客の精算処理を開始するようにしてもよい。例えば、上記一連の処理が終わる前、例えば、表示部206にメッセージ「少々お待ちください」を表示し、次客の精算処理を開始しないようにしてもよい。
また、店員の任意のタイミングで残留貨幣を検知してもよい。例えば、登録装置10に残留貨幣の検知を指示するための所定キーを設け、店員が所定キーを押下したタイミングで残留貨幣を検知してもよい。具体的には、例えば、登録装置10は、所定キーが押下された場合、精算装置20に対して残留貨幣の検知指示メッセージを送信し、精算装置20は、残留貨幣の検知指示メッセージを受信した場合、貨幣センサ213により残留貨幣を検知すればよい。
また、上述した実施形態では、図8に示すように残留貨幣報知画面300をポップアップ画面として表示しているが、これに限らない。例えば、登録画面に、残留貨幣について報知する領域(残留貨幣報知領域)を設け、又は、残留貨幣について報知する画像(残留貨幣キー)を配置し、残留貨幣がある場合とない場合とで異なる表示をし続けるようにしてもよい。例えば、残留貨幣がある場合には、残留貨幣報知領域に残留貨幣がある旨を表示し(又は、残留貨幣キーの文字を黒色で表示し)、残留貨幣がない場合には、残留貨幣報知領域には何も表示しない(又は、残留貨幣キーの文字をグレーアウトで表示する)ようにしてもよい。なお、残留貨幣がある場合に残留貨幣キーが押下されると、残留貨幣の詳細(例えば残留貨幣報知画面300において表示するような情報)が表示されるようにしてもよい。
なお、精算装置20は、登録データの受信時に、残留貨幣をチェックし、残留有りの場合には、精算が始まらないようにしてもよい。例えば、図7のステップS11の開始操作)を禁止してもよい。
また、残留貨幣が存在する場合において残留貨幣の出金前はレシートの発行を禁止してもよい。つまり、残留貨幣が存在する場合には、残留貨幣の出金後に、レシートが発行されるようにしてもよい。
上記に代えて、残留貨幣が出金された場合には、残留貨幣が取り除れた後に、レシートが発行されるようにしてもよい。つまり、レシートの発行前のタイミングにおいて残留貨幣の出金が行われた場合には、残留貨幣の取り除かれた後にレシートを発行してもよい。例えば、レシートの発行前に釣銭も残留貨幣も存在する場合(例えば、レシートを発行する前として、残留貨幣チェック→釣銭払出→残留貨幣出金の順であった場合、釣銭払出→残留貨幣チェック→残留貨幣出金の順であった場合等)には、釣銭及び残留貨幣が取り除かれた後にレシートを発行してもよい。また、レシートの発行前に残留貨幣が存在する場合(例えば、レシートを発行する前として、残留貨幣チェック→釣銭払出→釣銭取除→残留貨幣出金の順であった場合、釣銭払出→残留貨幣チェック→釣銭取除→残留貨幣出金の順であった場合等、及び、釣銭がなかった場合)には、残留貨幣が取り除かれた後にレシートを発行してもよい。
なお、上述した実施形態では、POSシステムに含まれている登録装置10は1台であるが(図1参照)、POSシステムは、複数の登録装置10を含むようにしてもよい。POSシステムが複数の登録装置10を含む構成において、精算装置20は、残留貨幣があった場合に、残留貨幣報知情報の送信先として(図7のステップS23参照)、1台の登録装置10(当該登録情報を送信した登録装置10)に残留貨幣報知情報の送信してもよいし、複数の登録装置10に残留貨幣報知情報を送信してもよい。
また、上述した実施形態では、POSシステムに含まれている精算装置20は1台であるが(図1参照)、POSシステムは、複数の精算装置20を含むようにしてもよい。
また、登録装置10における商品登録処理の際に、会員カードを読み込む等により、登録データに会員情報が含めるようにしてもよい。そして、残留貨幣がある場合には、今回の取引の精算データに残留貨幣の情報と会員情報(会員番号)とを関連付けて精算ファイル等(精算ファイル、残留貨幣詳細ファイルのいずれか一方又は両方)に書き込むようにしてもよい。また、次回の当該会員の来店時に、登録装置10で会員カードを読み込んで会員情報(会員番号)を取得し、精算ファイルを参照して当該会員情報(会員番号)に残留貨幣の情報が関連付けて記憶されている場合には、残留貨幣があった旨を報知して返金するようにしてもよい。なお、残留貨幣の金額を返金するのではなく、残留貨幣の金額を今回の取引における預り金にしてもよい。また、返金と、預り金への充当とを選択可能としてもよい。
例えば、登録装置10は、取得した会員番号に対応付けて残留貨幣に関する情報が記憶されている場合には、残留貨幣があった旨を報知する報知画面(出金ボタン、預り金充当ボタンを配置する画面)を表示する。当該報知画面において、出金ボタンが押下された場合(主に残留金額分の貨幣の受け取りのために会員が来店して場合)には釣銭機212から残留金額分の貨幣を出金させるための残留金額出金指示情報を精算装置20に送信し、預り金充当ボタンが押下された場合には、商品登録完了後に、精算装置20において残留金額分を預り金として処理させる旨の情報を含む、登録データを生成し、精算装置20に送信してもよい。なお、店員は、会員情報(会員マスタファイル)に記憶されている当該会員の連絡先を確認し、電話やメール等により、残留貨幣があった旨を連絡をしてもよい。
また、上述した例では、貨幣センサ213が、残留貨幣の検知を行っているが、これに限らない。例えば、釣銭機212の貨幣投入口付近を撮影するカメラを設け、CPU201は、カメラが撮影した貨幣投入口の映像を解析して残留貨幣があるか否かを判定するようにしてもよい。また、この場合、CPU201は、カメラが撮影した貨幣投入口の映像を解析し、残留貨幣の種類および枚数も解析するようにしてもよい。
また、例えば、POSシステムに、登録装置10や精算装置20を管理する上位装置(ストアコントローラ、監視装置等)を設けるようにしてもよい。また、上位装置は、登録装置10が記憶する情報(例えば、登録データ等)や、精算装置20が記憶する情報(例えば、精算データ、残留貨幣詳細データ等)を、夫々の装置から取得(受信)して管理(記憶)してもよい。また、上述した例では、登録装置10に残留貨幣報知画面300を表示させているが、これに限らず、上位装置に残留貨幣報知画面300を表示させるようにしてもよい。なお、この場合には、登録装置10と同様に、店員が上位装置を操作することによって、客に返金するようにしてもよい。
なお、上述したPOSシステムや、登録装置10や精算装置20や上位装置を実現するためのプログラムを、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録し、そのプログラムをコンピュータシステムに読み込ませて実行するようにしてもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
以下に付記を開示する。
(付記A1)
釣銭機を有する精算装置であって、
所定の条件が成立したときに前記釣銭機の貨幣投入口に貨幣が残留しているか否かを判定する判定手段(貨幣センサ213、図7のステップS13、S19等参照)と、
前記貨幣投入口に貨幣が残留していると判定された場合に、前記貨幣投入口に残留している貨幣の金種毎の枚数を含む、残留貨幣情報(図5(A)の精算データ内の残留金額、図5(B)(D)の残留ファイル内の残留金額、図5(C)の残留貨幣詳細ファイル内の残留貨幣詳細データ等)を記憶する記憶部(図4、図7のステップS21等参照)とを備えることを特徴とする精算装置。
(付記A2)
前記記憶部は、前記残留貨幣情報と、当該残留貨幣情報を記憶した際の精算情報(精算データ)とを関連付けて記憶(図5等参照)することを特徴とする付記A1に記載の精算装置。
(付記A3)
買上商品を登録する登録装置において生成された登録データを取得する取得手段(通信部209等)と、
精算処理を開始する旨の開始操作を受け付ける開始操作受付手段(図7のステップS11)と、
を備え、
前記所定の条件は、前記貨幣投入口への貨幣の投入の終了を宣言(おわりボタン等)するボタンが押下されたこと、又は、釣り銭が払い出されたこと、又は、払い出し口から釣り銭が取り去られたこと、又は、前記終了を宣言するボタンが押下された後に次の前記登録データを取得したこと、又は、前記次の前記登録データを取得した後に前記開始操作が受け付けられたことのうち、少なくとも1つにより成立することを特徴とする付記A1又は付記A2に記載の精算装置。
(付記A4)
買上商品を登録する登録装置において生成された登録データを取得する取得手段(通信部209等)と、
前記取得手段が取得した前記登録データに基づいて精算処理の開始を制御する開始制御手段(図7のステップS11)と
を備え、
前記開始制御手段は、
貨幣が残留していると前記判定手段が判定した場合には前記記憶部に前記残留貨幣情報を記憶した後に精算処理を開始するように制御することを特徴とする付記A1乃至付記A3の何れかに精算装置。
(付記A5)
付記A1乃至付記A4のいずれかに記載の精算装置と通信可能な買上情報管理装置であって、
前記買上情報管理装置は、買上商品を登録する登録装置、又は、前記精算装置及び前記登録装置を管理する上位装置のいずれかであり、
前記精算装置から送信された前記残留貨幣情報を受信する受信手段と、
前記受信した前記残留貨幣情報を表示する表示手段と
を備えることを特徴とする。
(付記A6)
付記A1乃至付記A4のいずれかに記載の精算装置と、
買上情報を管理する買上情報管理装置と
を含むPOSシステムであって、
前記買上情報管理装置は、買上商品を登録する登録装置、又は、前記精算装置及び前記登録装置を管理する上位装置のいずれかであり、
前記精算装置は、前記残留貨幣情報を前記買上情報管理装置に送信する送信手段を有し、
前記買上情報管理装置は、前記精算装置から送信された前記残留貨幣情報を表示する表示手段を有することを特徴とする。
(付記A7)
釣銭機を有する精算装置としてのコンピュータを機能させるプログラムであって、
前記コンピュータを、
所定の条件が成立したときに前記釣銭機の貨幣投入口に貨幣が残留しているか否かを判定する判定手段、
前記貨幣投入口に貨幣が残留していると判定された場合に、前記貨幣投入口に残留している貨幣の金種毎の枚数を含む、残留貨幣情報を生成する生成手段
として機能させるためのプログラムである。
(付記B1)
釣銭機を有する精算装置であって、
前記釣銭機の貨幣投入口へ投入された貨幣を検知する貨幣検知手段(貨幣センサ213等)と、
前記貨幣投入口への貨幣の投入が完了した旨の投入完了操作を受け付ける投入完了操作受付手段(図7のステップS17等参照)と、
前記貨幣検知手段が検知した貨幣について出力する出力手段と
を備え、
前記出力手段は、
前記投入完了操作の前に前記貨幣投入口へ投入され、前記貨幣検知手段によって検知された貨幣の金額を、預り金として出力し(図7のステップS16等参照)、
前記投入完了操作の後に前記貨幣投入口へ投入され、前記貨幣検知手段によって検知された貨幣の金額を、預り金と区別して出力する(図7のステップS22、S23、図8、図9、図10等参照)
ことを特徴とする精算装置。
(付記B2)
釣銭機を有する精算装置であって、
前記釣銭機の貨幣投入口へ投入された貨幣を検知する貨幣検知手段(貨幣センサ213等)と、
前記貨幣投入口への貨幣の投入が完了した旨の投入完了操作を受け付ける投入完了操作受付手段(図7のステップS17等参照)と、
前記貨幣検知手段が検知した貨幣について出力する出力手段と
を備え、
前記出力手段は、
前記投入完了操作の後に前記貨幣投入口へ投入され、前記貨幣検知手段によって検知された貨幣の金種毎の枚数を出力する(図8、図9、図10等参照)
ことを特徴とする精算装置。
(付記B3)
釣銭機を有する精算装置であって、
前記釣銭機の貨幣投入口へ投入された貨幣を検知する貨幣検知手段(貨幣センサ213等)と、
前記貨幣投入口への貨幣の投入が完了した旨の投入完了操作を受け付ける投入完了操作受付手段(図7のステップS17等参照)と、
前記貨幣検知手段が検知した貨幣について出力する出力手段と
を備え、
前記出力手段は、
前記投入完了操作の後に前記貨幣投入口へ投入され前記貨幣検知手段によって検知された貨幣(残留貨幣)に関する情報を、前記投入完了操作の前に前記貨幣投入口へ投入され前記貨幣検知手段によって検知された貨幣を預り金とし精算が行われた取引を特定可能な情報(取引番号)とともに、出力する(図8等参照)ことを特徴とする精算装置。
(付記B4)
処理を開始する旨の開始操作を受け付ける開始操作受付手段と、
前記釣銭機の釣銭払出口に払い出された釣り銭が取り去られたか否かを判定する釣銭取去判定手段
を備え、
前記貨幣検知手段は、
前記釣銭払出口に釣り銭が払い出されたことに基づいて、又は、前記釣銭払出口に払い出された釣り銭が取り去られことに基づいて、又は、前記投入完了操作の後に再び前記開始操作があったことに基づいて、前記投入完了操作の後に前記貨幣投入口へ投入された貨幣を検知することを特徴とする付記B1乃至付記B3のいずれかに記載の精算装置。