JP2019066791A - 感光性樹脂組成物、感光性エレメント及びプリント配線板 - Google Patents
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Abstract
【課題】絶縁層上に形成された導体層との優れた密着性(ピール強度)を有し、かつ優れた絶縁信頼性(HAST耐性)を有する感光性樹脂組成物、感光性エレメント、及び前記感光性樹脂組成物又は感光性エレメントをフォトビア形成用材料として使用するプリント配線板を提供する。【解決手段】本発明は、(A)エチレン性不飽和基を有する光重合性化合物、(B)光重合開始剤、(C)エポキシ樹脂、(D)多官能マレイミド化合物、及び(E)Tgが25℃以下である(メタ)アクリル酸に由来する構造単位を有する(メタ)アクリル樹脂、を含有する感光性樹脂組成物であり、(A)エチレン性不飽和基を有する光重合性化合物としては、アルカリ現像のフォトリソ法によって一括で小径ビアを形成することができることから、分子内にカルボキシル基を有する酸変性エポキシアクリレート化合物であることが望ましい。【選択図】なし
Description
本発明は、多層プリント配線板等の絶縁層形成に好適な感光性樹脂組成物、感光性エレメント及び前記感光性樹脂組成物又は感光性エレメントを用いて形成される絶縁層を有するプリント配線板に関する。
近年、電子機器の小型化、高性能化が進み、多層プリント配線板は、回路層数の増加、配線の微細化による高密度化が進行している。特に半導体チップが搭載されるBGA(ボールグリッドアレイ)、CSP(チップサイズパッケージ)等の半導体パッケージ基板の高密度化は著しく、配線の微細化に加え、絶縁層の薄膜化、層間接続用のビアの小径化が進行している。このような半導体パッケージ基板では、回路の微細化に伴い、回路をめっきにより形成する、セミアディティブ工法が主流となっている。
セミアディティブ工法では、例えば、(1)導体回路上に絶縁層を形成した後、層間接続用のビア加工をレーザ照射、樹脂の残渣除去としてデスミア処理を行う。(2)その後、基板に無電解銅めっき処理を施して無電解銅めっき層を形成し、その上にドライフィルムレジストでパターンを形成した後に、電解銅めっきを行うことにより銅の回路層(導体層)を形成する。(3)最後にレジスト剥離、無電解銅めっき層のフラッシュエッチングにより、銅の回路が形成される。
しかしながら、最近では、高密度化のため、レーザ照射によるビア加工サイズが限界に達しており、フォトリソ法により、より小径のビアを一括で形成するフォトビア法が注目を集めている。
一方で、フォトリソ法に対応した感光性樹脂組成物の場合、高信頼性が要求される半導体パッケージ基板に必要とされる特性を満足するには十分ではなかった。
本発明は、絶縁層上に形成された導体層との優れた密着性(ピール強度)を有し、かつ優れた絶縁信頼性(HAST耐性)を有する感光性樹脂組成物と感光性エレメント、及び前記感光性樹脂組成物又は感光性エレメントをフォトビア形成用材料として使用することにより絶縁層を有する高信頼性のプリント配線板を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意研究の結果、(A)エチレン性不飽和基を有する光重合性化合物、(B)光重合開始剤、(C)エポキシ樹脂、(D)多官能マレイミド化合物、及び(E)Tgが25℃以下である(メタ)アクリル酸に由来する構造単位を有する(メタ)アクリル樹脂、を含有する感光性樹脂組成物が、導体層との優れた密着性(ピール強度)を有し、かつ優れた絶縁信頼性を有することを見出した。
本発明の(A)エチレン性不飽和基を有する光重合性化合物は、分子内にカルボキシル基を有する酸変性エポキシアクリレート化合物であることが好ましく、アルカリ現像等により、フォトリソにより一括で小径ビアを形成する。
また、(E)(メタ)アクリル酸に由来する構造単位を有する(メタ)アクリル樹脂は、構造中に水酸基を有する構造単位を含有することで、優れた密着性(ピール強度)をさらに発現する。
また、(C)エポキシ樹脂、の1つとして、エポキシ化ポリブタジエンを含有することで、同様に優れた密着性(ピール強度)をさらに発現する。
加えて、(F)1時間半減期温度が100℃から180℃である有機過酸化物、を含有することで、キュア後の樹脂のTgが増加し、より絶縁信頼性等が向上するため好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物は、支持体と、該支持体上に感光性樹脂組成物を用いて形成される感光層と、を備えてなる感光性エレメントとして使用される。
また、上記の感光性樹脂組成物、及び感光性エレメントは、絶縁層上に導体層を形成する多層プリント配線板の絶縁層用樹脂として使用される。特に、アルカリ過マンガン酸エッチング溶液(デスミア液)で処理した後、銅めっきプロセスにより、レジスト上に配線を形成する多層プリント配線板の絶縁層用樹脂として好適であり、優れた特性を発揮する。
本発明によれば、絶縁層上に形成された導体層との優れた密着性(ピール強度)を有し、かつ優れた絶縁信頼性を有する感光性樹脂組成物及び感光性エレメントを提供することができる。そのため、本発明の感光性樹脂組成物又は感光性エレメントは、フォトビア形成用材料として使用するときに高信頼性のプリント配線板を得ることができる。
特に、アルカリ過マンガン酸エッチング溶液(デスミア液)で処理した後、銅めっきプロセスにより、レジスト上に配線を形成する多層プリント配線板の配線層間の絶縁層用樹脂として用いた場合に好適である。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
本発明の感光性樹脂組成物は、(A)エチレン性不飽和基を有する光重合性化合物、(B)光重合開始剤、(C)エポキシ樹脂、(D)多官能マレイミド化合物、及び(E)Tgが25℃以下である(メタ)アクリル酸に由来する構造単位を有する(メタ)アクリル樹脂と、を含有する。また、必要に応じて、(G)無機フィラー等を含有することができる。以下、成分について説明する。
本発明の感光性樹脂組成物は、(A)エチレン性不飽和基を有する光重合性化合物、(B)光重合開始剤、(C)エポキシ樹脂、(D)多官能マレイミド化合物、及び(E)Tgが25℃以下である(メタ)アクリル酸に由来する構造単位を有する(メタ)アクリル樹脂と、を含有する。また、必要に応じて、(G)無機フィラー等を含有することができる。以下、成分について説明する。
<(A)エチレン性不飽和基を有する光重合性化合物>
本発明のエチレン性不飽和基を有する光重合性化合物は、分子内にエチレン性不飽和基を有する化合物を指し、感光性基として、(メタ)アクリロイル基を有していれば特に制限は無い。好ましくは、エチレン性不飽和基に加え、分子内にカルボキシル基を有する酸変性エポキシアクリレート化合物を用いる。これによりアルカリ現像性を付与することができる。なお、分子内にカルボキシル基を有する化合物を用いない場合には、溶剤等により現像して、感光性のパターンを得ることができる。
本発明のエチレン性不飽和基を有する光重合性化合物は、分子内にエチレン性不飽和基を有する化合物を指し、感光性基として、(メタ)アクリロイル基を有していれば特に制限は無い。好ましくは、エチレン性不飽和基に加え、分子内にカルボキシル基を有する酸変性エポキシアクリレート化合物を用いる。これによりアルカリ現像性を付与することができる。なお、分子内にカルボキシル基を有する化合物を用いない場合には、溶剤等により現像して、感光性のパターンを得ることができる。
酸変性エポキシアクリレート化合物は、例えば、(a1)エポキシ樹脂と(a2)不飽和基含有モノカルボン酸との反応生成物(A’)に(a3)飽和又は不飽和基含有多塩基酸無水物を反応させて得ることができる。上記(a1)エポキシ樹脂としては、特に制限が無く、例えば、ノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、サリチルアルデヒド型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールFノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニルノボラック型エポキシ樹脂、ゴム変性エポキシ樹脂等が挙げられる。また、上記反応生成物(A’)とイソシアネートを反応させて得られるエポキシ樹脂ベースのポリウレタン樹脂を使用しても良い。これらは単独で、又は2種以上を組み合わせて使用される。
上述した酸変性エポキシアクリレート化合物としては、例えば、CCR−1218H、CCR−1159H、CCR−1222H、PCR−1050、TCR−1335H、ZAR−1035、ZAR−2001H、UXE−3024、ZFR−1185及びZCR−1569H、ZCR−6000、ZCR−8000(以上、日本化薬株式会社製、商品名)、UE−9000、UE−EXP−2810PM、UE−EXP−3045(以上、DIC株式会社製、商品名)等が商業的に入手可能である。
カルボキシル基を有さない光重合性化合物としては、例えば、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートとその類似構造体のものがあり、商業的には、KAYARAD DPHA、KAYARAD D−310、KAYARAD D−330、KAYARAD DPCA−20、30、KAYARAD DPCA−60、120(いずれも日本化薬株式会社製、商品名)として入手可能である。エチレン性不飽和基を1分子内に3つ以上有する多官能光重合化合物としては、トリメチロールプロパントリエトキシトリアクリレート(SR−454、日本化薬株式会社製、商品名)等が商業的に入手可能である。
また、カルボキシル基を有さない光重合性化合物としてビスフェノールA構造を有する化合物を使用することができる。ビスフェノールA構造を有する化合物としては、例えば、2,2−ビス(4−(メタクリロキシペンタエトキシ)フェニル)プロパンであるFA−321M(日立化成株式会社製、商品名)又はBPE−500(新中村化学工業株式会社製、商品名)として商業的に入手可能であり、2,2−ビス(4−(メタクリロキシペンタデカエトキシ)フェニル)は、BPE−1300(新中村化学工業株式会社製、商品名)として商業的に入手可能である。
光重合性化合物は、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用されるが、特にエチレン性不飽和基を1分子内に3つ以上有する多官能光重合モノマーを少なくとも1種以上含有することが望ましい。中でもエチレン性不飽和基を1分子内に6つ以上有する多官能光重合モノマーがリフロー実装時のクラック耐性の向上に有効である。
<(B)光重合開始剤>
本発明の(B)光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、N,N’−テトラアルキル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−プロパノン−1、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン(ミヘラーケトン)、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4−メトキシ−4’−ジメチルアミノベンゾフェノン等の芳香族ケトン類、アルキルアントラキノン、フェナントレンキノン等のキノン類、ベンゾイン、アルキルベンゾイン等のベンゾイン化合物、ベンゾインアルキルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル等のベンゾインエーテル化合物、ベンジルジメチルケタール等のベンジル誘導体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(m−メトキシフェニル)イミダゾール二量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2,4−ジ(p−メトキシフェニル)−5−フェニルイミダゾール二量体、2−(2,4−ジメトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体等の2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体、N−フェニルグリシン、N−フェニルグリシン誘導体、9−フェニルアクリジン等のアクリジン誘導体、1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)]等のオキシムエステル類、7−ジエチルアミノ−4−メチルクマリン等のクマリン系化合物、2,4−ジエチルチオキサントン等のチオキサントン系化合物、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−ホスフィンオキサイド等のアシルホスフィンオキサイド系化合物などを組み合わせて用いることができる。
本発明の(B)光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、N,N’−テトラアルキル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−プロパノン−1、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン(ミヘラーケトン)、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4−メトキシ−4’−ジメチルアミノベンゾフェノン等の芳香族ケトン類、アルキルアントラキノン、フェナントレンキノン等のキノン類、ベンゾイン、アルキルベンゾイン等のベンゾイン化合物、ベンゾインアルキルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル等のベンゾインエーテル化合物、ベンジルジメチルケタール等のベンジル誘導体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(m−メトキシフェニル)イミダゾール二量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2,4−ジ(p−メトキシフェニル)−5−フェニルイミダゾール二量体、2−(2,4−ジメトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体等の2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体、N−フェニルグリシン、N−フェニルグリシン誘導体、9−フェニルアクリジン等のアクリジン誘導体、1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)]等のオキシムエステル類、7−ジエチルアミノ−4−メチルクマリン等のクマリン系化合物、2,4−ジエチルチオキサントン等のチオキサントン系化合物、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−ホスフィンオキサイド等のアシルホスフィンオキサイド系化合物などを組み合わせて用いることができる。
商業的には、BASF社製のIRGACUREシリーズ等があり、例えば、IRGACURE 369、IRGACURE 907、IRGACURE TPO、IRGACURE 819、IRGACURE OXE01、IRGACURE OXE02(いずれもBASF社製、商品名)として商業的に入手可能である。これらは単独で、又は2種以上を組み合わせて使用される。
光重合開始剤の含有量は、(G)無機フィラーと溶剤成分を除く、樹脂成分の総量100質量に対して、好ましくは0.01〜20質量部であり、より好ましくは0.1〜10質量部であり、さらに好ましくは0.2〜6質量部である。(B)光重合開始剤の含有量がこの範囲内であると、感光性樹脂組成物の光感度及び内部の光硬化性に優れ、その結果、解像性、ビア形状がより良好となる。
<(C)エポキシ樹脂>
本発明の(C)エポキシ樹脂としては、特に限定されないが、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、複素環式エポキシ樹脂、スピロ環含有エポキシ樹脂、シクロヘキサンジメタノール型エポキシ樹脂、トリメチロール型エポキシ樹脂等が挙げられる。これらは1種又は2種以上組み合わせて使用してもよい。
本発明の(C)エポキシ樹脂としては、特に限定されないが、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、複素環式エポキシ樹脂、スピロ環含有エポキシ樹脂、シクロヘキサンジメタノール型エポキシ樹脂、トリメチロール型エポキシ樹脂等が挙げられる。これらは1種又は2種以上組み合わせて使用してもよい。
これらの中でも、特に、耐熱性向上、絶縁信頼性向上、銅との密着性向上の観点から、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂が好ましい。具体的には、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱化学株式会社製「エピコート828EL」、「YL980」)、ビスフェノールF型エポキシ樹脂(三菱化学株式会社製「jER806H」、「YL983U」)、ナフタレン型エポキシ樹脂(DIC株式会社製「HP4032D」、「HP4710」)、ナフタレン骨格含有多官能エポキシ樹脂(日本化薬株式会社製「NC7000」)、ナフトール型エポキシ樹脂(新日鐵化学株式会社製「ESN−475V」)、ビフェニル構造を有するエポキシ樹脂(日本化薬株式会社製「NC3000H」、「NC3500」)、三菱化学株式会社製「YX4000HK」、「YL6121」)、アントラセン型エポキシ樹脂(三菱化学株式会社製「YX8800」)、グリセロール型エポキシ樹脂(新日鐵化学株式会社製「ZX1542」)、ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂(DIC株式会社製「EXA7311−G3」)等が挙げられる。
エポキシ樹脂は2種以上を併用しても良い。また、室温で液状のエポキシ樹脂、及び室温で固体状の芳香族系エポキシ樹脂を併用することが好ましい。
さらに、本発明の感光性樹脂組成物は、エポキシ樹脂として、ブタジエン構造を有するエポキシ樹脂(ダイセル化学工業株式会社製「PB−3600」、「エポリードPB」)を他のエポキシ樹脂と併用して用いることが望ましい。(E)成分の(メタ)アクリル樹脂と合わせて用いることで、絶縁層上に形成した導体層との優れた密着性を得ることが可能である。
(C)エポキシ樹脂の含有量は、(G)無機フィラーと溶剤成分を除く、樹脂成分の総量100質量に対して、好ましくは5〜70質量部であり、より好ましくは10〜50質量部であり、さらに好ましくは15〜40質量部である。(C)エポキシ樹脂の含有量が5質量部より少ない場合には、感光性樹脂組成物の十分な架橋が得られず銅との密着性、絶縁信頼性が得られない。一方、70質量部を越える場合には、解像性や現像性が不十分となる。
<(D)多官能マレイミド化合物>
本発明に使用する多官能マレイミド化合物としては、特に限定されないが、1−メチル−2,4−ビスマレイミドベンゼン、N,N’−m−フェニレンビスマレイミド、N,N’−p−フェニレンビスマレイミド、N,N’−m−トルイレンビスマレイミド、N,N’−4,4’−ビフェニレンビスマレイミド、N,N’−4,4’−〔3,3’−ジメチルビフェニレン〕ビスマレイミド、N,N’−4,4’−〔3,3’−ジメチルジフェニルメタン〕ビスマレイミド、N,N’−4,4’−〔3,3’−ジエチルジフェニルメタン〕ビスマレイミド、N,N’−4,4’−ジフェニルメタンビスマレイミド、N,N’−4,4’−ジフェニルプロパンビスマレイミド、N,N’−4,4’−ジフェニルエーテルビスマレイミド、2,2−ビス〔4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル〕プロパン、1,1−ビス〔2−メチル−4−(4−マレイミドフェノキシ)−5−t−ブチルフェニル〕−2−メチルプロパン、4,4’−メチレン−ビス〔1−(4−マレイミドフェノキシ)−2,6−ビス(1,1−ジメチルエチル)ベンゼン〕、4,4’−(1−メチルエチリデン)−ビス〔1−(マレイミドフェノキシ)−2,6−ビス(1,1−ジメチルエチル)ベンゼン〕、2,2−ビス〔4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔3−メチル−4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔3,5−ジメチル−4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔3−エチル−4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル〕プロパン、ビス〔3−メチル−4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル〕メタン、ビス〔3,5−ジメチル−4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル〕メタン、ビス〔3−エチル−4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル〕メタン、フェニルメタンマレイミド等が挙げられる。これらは1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明に使用する多官能マレイミド化合物としては、特に限定されないが、1−メチル−2,4−ビスマレイミドベンゼン、N,N’−m−フェニレンビスマレイミド、N,N’−p−フェニレンビスマレイミド、N,N’−m−トルイレンビスマレイミド、N,N’−4,4’−ビフェニレンビスマレイミド、N,N’−4,4’−〔3,3’−ジメチルビフェニレン〕ビスマレイミド、N,N’−4,4’−〔3,3’−ジメチルジフェニルメタン〕ビスマレイミド、N,N’−4,4’−〔3,3’−ジエチルジフェニルメタン〕ビスマレイミド、N,N’−4,4’−ジフェニルメタンビスマレイミド、N,N’−4,4’−ジフェニルプロパンビスマレイミド、N,N’−4,4’−ジフェニルエーテルビスマレイミド、2,2−ビス〔4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル〕プロパン、1,1−ビス〔2−メチル−4−(4−マレイミドフェノキシ)−5−t−ブチルフェニル〕−2−メチルプロパン、4,4’−メチレン−ビス〔1−(4−マレイミドフェノキシ)−2,6−ビス(1,1−ジメチルエチル)ベンゼン〕、4,4’−(1−メチルエチリデン)−ビス〔1−(マレイミドフェノキシ)−2,6−ビス(1,1−ジメチルエチル)ベンゼン〕、2,2−ビス〔4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔3−メチル−4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔3,5−ジメチル−4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔3−エチル−4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル〕プロパン、ビス〔3−メチル−4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル〕メタン、ビス〔3,5−ジメチル−4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル〕メタン、ビス〔3−エチル−4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル〕メタン、フェニルメタンマレイミド等が挙げられる。これらは1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
商業的には、例えば、大和化成工業製のBMIシリーズとして入手可能であり、BMI−1000、BMI−2000、BMI−2300、BMI−3000、BMI−4000、BMI−5000、BMI−5100、BMI−7000、BMI−TMH(大和化成工業株式会社製、商品名)等が入手可能である。これらの中では、溶剤への溶解性の観点から、BMI−5100、BMI−4000、BMI−2300を使用するのが望ましい。
(D)多官能マレイミド化合物の含有量は、(G)無機フィラーと溶剤成分を除く、樹脂成分の総量100質量に対して、好ましくは2〜40質量部であり、より好ましくは5〜30質量部であり、さらに好ましくは10〜25質量部である。(D)多官能マレイミド化合物の含有量が2質量部より少ない場合には、絶縁信頼性が低下する傾向がある。一方、40質量部を越える場合には、解像性や現像性が不十分となる。
<(E)(メタ)アクリル樹脂>
本発明の(メタ)アクリル樹脂は、ガラス転移温度(Tg)が25℃以下であり、分子内に(メタ)アクリル酸に由来する構造単位を有することを特徴とする。Tgは、0℃以下であることが好ましく、さらに−20℃以下であることが好ましい。理論Tgが25℃以上であると、最適な樹脂の相溶性が得られない傾向にあるだけでなく、エラストマとしての応力緩衝効果が十分に得られず、絶縁層上に形成した銅との密着性が低下する。また、室温(23℃)において樹脂の柔軟性が不足し、密着性が低下する傾向にある。
本発明の(メタ)アクリル樹脂は、ガラス転移温度(Tg)が25℃以下であり、分子内に(メタ)アクリル酸に由来する構造単位を有することを特徴とする。Tgは、0℃以下であることが好ましく、さらに−20℃以下であることが好ましい。理論Tgが25℃以上であると、最適な樹脂の相溶性が得られない傾向にあるだけでなく、エラストマとしての応力緩衝効果が十分に得られず、絶縁層上に形成した銅との密着性が低下する。また、室温(23℃)において樹脂の柔軟性が不足し、密着性が低下する傾向にある。
本発明において、(メタ)アクリル樹脂のTgは、各共重合成分のホモポリマのTg及び各共重合成分組成比から算出できるTgを使用する。例えば、共重合体のTg(絶対温度)の逆数(1/Tg)は、各共重合成分(i成分)のホモポリマのTg(絶対温度)の逆数(1/Tgi)と質量分率(wi)の積(wi/Tgi)の加成性が成立するものと仮定して計算されるFoxの式等から求めることができる。本発明の計算では、各共重合成分の単独のTgとして、下記の値を用いて計算した。すなわち、アクリル酸:Tg=106℃、アクリル酸エチル:Tg=−22℃、アクリル酸ブチル:Tg=−54℃、アクリル酸ドデシル:Tg=−30℃、4-ヒドロキシブチルアクリレート:Tg=−40℃、ペンタメチルピペリジルメタクリレ−ト:Tg=27℃、メタクリル酸:Tg=185℃、スチレン:Tg=100℃、メタクリル酸メチル:Tg=101℃、フェニルベンジルアクリレート:Tg=−35℃の値を用いた。
前記(メタ)アクリル樹脂のTgは、熱機械的分析装置(TMA)、示差走査熱量計(DSC)及び動的粘弾性測定装置(DMA)等のいずれかの装置を用いて実測することにより求めることもできるが、上記の算出方法から求められるTgの値は、実測値との間に大きな差異が見られないことを確認している。
(メタ)アクリル酸に由来する酸価は、50〜350mgKOH/gであり、好ましくは、70〜300mgKOH/g、より好ましくは、100〜250mgKOH/gである。
なお、本明細書中、アクリル樹脂の酸価は、下記の方法によって測定した値を意味する。
なお、本明細書中、アクリル樹脂の酸価は、下記の方法によって測定した値を意味する。
酸価の測定方法:
酸価は下記の手順により測定した。三角フラスコにバインダーポリマー約1gを秤量し、混合溶剤(質量比:トルエン/メタノール=70/30)を加えて溶解後、指示薬としてフェノールフタレイン溶液を適量添加し、0.1Nの水酸化カリウム水溶液で滴定し、下記式より酸価を測定した。
x=10×Vf×56.1/(Wp×I)
式中、xは、酸価(mgKOH/g)を示し、Vfは、0.1NのKOH水溶液の滴定量(mL)を示し、Wpは、測定した樹脂溶液の質量(g)を示し、Iは、測定した樹脂溶液中の不揮発分の割合(質量%)を示す。
酸価は下記の手順により測定した。三角フラスコにバインダーポリマー約1gを秤量し、混合溶剤(質量比:トルエン/メタノール=70/30)を加えて溶解後、指示薬としてフェノールフタレイン溶液を適量添加し、0.1Nの水酸化カリウム水溶液で滴定し、下記式より酸価を測定した。
x=10×Vf×56.1/(Wp×I)
式中、xは、酸価(mgKOH/g)を示し、Vfは、0.1NのKOH水溶液の滴定量(mL)を示し、Wpは、測定した樹脂溶液の質量(g)を示し、Iは、測定した樹脂溶液中の不揮発分の割合(質量%)を示す。
また、本発明の(メタ)アクリル樹脂は、(メタ)アクリル酸に由来する構造単位に加え、構造中に水酸基を有する構造単位を含有することで、優れた密着性(ピール強度)をさらに発現する。
本発明の(E)(メタ)アクリル樹脂は、以下のモノマーを公知の方法で共重合して得ることができる。モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチルエステル、(メタ)アクリル酸エチルエステル、(メタ)アクリル酸プロピルエステル、(メタ)アクリル酸ブチルエステル、(メタ)アクリル酸ペンチルエステル、(メタ)アクリル酸ヘキシルエステル、(メタ)アクリル酸ヘプチルエステル、(メタ)アクリル酸オクチルエステル、(メタ)アクリル酸ノニルエステル、(メタ)アクリル酸デシルエステル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシメチルエステル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチルエステル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピルエステル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシブチルエステル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシペンチルエステル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシヘキシルエステル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシヘプチルエステル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシオクチルエステル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシノニルエステル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシデシルエステル、(メタ)アクリル酸ブトキシエチルエステル、(メタ)アクリル酸ブトキシジエチレングリコールエステル、(メタ)アクリル酸メトキシトリエチレングリコールエステル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシルエステル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリルエステル、(メタ)アクリル酸ベンジルエステル、(メタ)アクリル酸フェノキシエチルエステル、(メタ)アクリル酸イソボルニルエステル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアダマンチルエステル等が挙げられる。
(メタ)アクリル樹脂の部平均分子量は、好ましくは10000〜200000であり、より好ましくは、12000〜100000、さらに好ましくは、14000〜50000である。重量平均分子量が200000を超えると解像度、及び現像性が低下する傾向があり、また、重量平均分子量が10000より小さくなると、銅との密着性が低下する傾向がある。尚、バインダーポリマーの重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定(標準ポリスチレンを用いた検量線により換算)される。
(E)(メタ)アクリル樹脂の含有率は、(G)無機フィラーと溶剤成分を除く、樹脂成分の総量100質量に対して、好ましくは0.1〜15質量部であり、より好ましくは0.5〜12質量部であり、さらに好ましくは1〜8質量部である。(E)(メタ)アクリル樹脂は、樹脂成分中でエラストマとして働き、海島構造の島部分の形成のため用いるため、含有量が15質量部を超える場合には、銅との十分な密着性が得られない他、絶縁信頼性が低下する傾向がある。
<(F)有機過酸化物>
有機過酸化物は、熱によりラジカルを発生する熱ラジカル開始剤として機能するものであり、本発明では、その1時間半減期温度が100〜180℃のものを用いる。このような1時間半減期温度を有する有機過酸化物を使用することで、感光性樹脂組成物の架橋密度向上と保存安定性、及び広いラミネート温度裕度を可能とする。具体的には、ジクミルパーオキサイド(日本油脂株式会社製、商品名「パークミルD」)、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン(日本油脂株式会社製、商品名「パーブチルP」)、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン−3(日本油脂株式会社製、商品名「パーヘキシン25b」)、t−ブチルパーオキシベンゾエート(日本油脂株式会社製、商品名「パーブチルZ」)、t−ブチルクミルパーオキサイド(日本油脂株式会社製、商品名「パーブチルC」)、シクロヘキサンパーオキサイド、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)オクタン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、クミルパーオキシネオデカネート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t−ブチルパーオキシアリルカーボネート、t−ブチルパーオキシアセテート、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレート及びt−ブチルパーオキシマレイン酸を用いることができる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
有機過酸化物は、熱によりラジカルを発生する熱ラジカル開始剤として機能するものであり、本発明では、その1時間半減期温度が100〜180℃のものを用いる。このような1時間半減期温度を有する有機過酸化物を使用することで、感光性樹脂組成物の架橋密度向上と保存安定性、及び広いラミネート温度裕度を可能とする。具体的には、ジクミルパーオキサイド(日本油脂株式会社製、商品名「パークミルD」)、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン(日本油脂株式会社製、商品名「パーブチルP」)、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン−3(日本油脂株式会社製、商品名「パーヘキシン25b」)、t−ブチルパーオキシベンゾエート(日本油脂株式会社製、商品名「パーブチルZ」)、t−ブチルクミルパーオキサイド(日本油脂株式会社製、商品名「パーブチルC」)、シクロヘキサンパーオキサイド、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)オクタン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、クミルパーオキシネオデカネート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t−ブチルパーオキシアリルカーボネート、t−ブチルパーオキシアセテート、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレート及びt−ブチルパーオキシマレイン酸を用いることができる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
(F)有機過酸化物の含有量は、(G)無機フィラーと溶剤成分を除く、樹脂成分の総量100質量に対して、好ましくは0.01〜5質量部であり、より好ましくは0.1〜3質量部である。(F)有機過酸化物の含有量が0.01質量部未満であると短時間で硬化が完了しにくくなり硬化物が不均一となる傾向がある。一方、含有量が5質量部を越えると乾燥温度やラミネート温度の裕度が低下する。また、分解せずに残留した有機過酸化物により、硬化後の絶縁層の絶縁信頼性、及びクラック耐性が低下する傾向がある。
<(G)無機フィラー>
本発明の感光性樹脂組成物は、さらに、密着性、塗膜硬度等の諸特性を向上させる目的で、(G)無機フィラーを含有することが望ましい。例えば、シリカ(SiO2)、アルミナ(Al2O3)、チタニア(TiO2)、酸化タンタル(Ta2O5)、ジルコニア(ZrO2)、窒化ケイ素(Si3N4)、チタン酸バリウム(BaO・TiO2)、炭酸バリウム(BaCO3)、炭酸マグネシウム、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、チタン酸鉛(PbO・TiO2)、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、チタン酸ジルコン酸ランタン鉛(PLZT)、酸化ガリウム(Ga2O3)、スピネル(MgO・Al2O3)、ムライト(3Al2O3・2SiO2)、コーディエライト(2MgO・2Al2O3/5SiO2)、タルク(3MgO・4SiO2・H2O)、チタン酸アルミニウム(TiO2−Al2O3)、イットリア含有ジルコニア(Y2O3−ZrO2)、ケイ酸バリウム(BaO・8SiO2)、窒化ホウ素(BN)、炭酸カルシウム(CaCO3)、硫酸バリウム(BaSO4)、硫酸カルシウム(CaSO4)、酸化亜鉛(ZnO)、チタン酸マグネシウム(MgO・TiO2)、ハイドロタルサイト、雲母、焼成カオリン、カーボン(C)等を使用することができる。これらの無機フィラーは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明の感光性樹脂組成物は、さらに、密着性、塗膜硬度等の諸特性を向上させる目的で、(G)無機フィラーを含有することが望ましい。例えば、シリカ(SiO2)、アルミナ(Al2O3)、チタニア(TiO2)、酸化タンタル(Ta2O5)、ジルコニア(ZrO2)、窒化ケイ素(Si3N4)、チタン酸バリウム(BaO・TiO2)、炭酸バリウム(BaCO3)、炭酸マグネシウム、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、チタン酸鉛(PbO・TiO2)、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、チタン酸ジルコン酸ランタン鉛(PLZT)、酸化ガリウム(Ga2O3)、スピネル(MgO・Al2O3)、ムライト(3Al2O3・2SiO2)、コーディエライト(2MgO・2Al2O3/5SiO2)、タルク(3MgO・4SiO2・H2O)、チタン酸アルミニウム(TiO2−Al2O3)、イットリア含有ジルコニア(Y2O3−ZrO2)、ケイ酸バリウム(BaO・8SiO2)、窒化ホウ素(BN)、炭酸カルシウム(CaCO3)、硫酸バリウム(BaSO4)、硫酸カルシウム(CaSO4)、酸化亜鉛(ZnO)、チタン酸マグネシウム(MgO・TiO2)、ハイドロタルサイト、雲母、焼成カオリン、カーボン(C)等を使用することができる。これらの無機フィラーは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
無機フィラー(G)の含有量は、感光性樹脂組成物の固形分全量を基準として0〜80質量%であることが好ましく、10〜70質量%であることがより好ましく、20〜60質量%であることがさらに好ましく、30〜50質量%であることが特に好ましい。含有量が上記範囲内である場合には、膜強度、耐熱性、絶縁信頼性、耐熱衝撃性、解像性等をより向上させることができる。また、無機フィラーは、その最大粒子径が0.01〜20μmであると好ましく、0.05〜10μmであるとより好ましく、0.1〜5μmであるとさらに好ましく、0.1〜1μmであると特に好ましい。最大粒子径が20μmを超えると、絶縁信頼性が損なわれる傾向にある。
無機フィラー(G)の中でも、絶縁信頼性を向上できる観点から、シリカ微粒子を使用することが好ましい。
無機フィラー(G)の中でも、絶縁信頼性を向上できる観点から、シリカ微粒子を使用することが好ましい。
本発明で用いられる感光性樹脂組成物は、希釈剤として各種の有機溶剤が使用できる。有機溶剤としては、例えば、エチルメチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、トルエン、キシレン、テトラメチルベンゼン等の芳香族炭化水素類、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、メチルカルビトール、ブチルカルビトール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル等のグリコールエーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチル、ブチルセロソルブアセテート、カルビトールアセテート等のエステル類、オクタン、デカンなどの脂肪族炭化水素類、石油エーテル、石油ナフサ、水添石油ナフサ、ソルベントナフサ等の石油系溶剤が挙げられる。
本発明の感光性樹脂組成物には、最終硬化膜の耐熱性、密着性、耐薬品性等の諸特性をさらに向上させる目的でエポキシ樹脂硬化剤を併用することができる。
このようなエポキシ樹脂硬化剤の具体例としては、例えば、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール等のイミダゾール誘導体:アセトグアナミン、ベンゾグアナミン等のグアナミン類:ジアミノジフェニルメタン、m−フェニレンジアミン、m−キシレンジアミン、ジアミノジフェニルスルフォン、ジシアンジアミド、尿素、尿素誘導体、メラミン、多塩基ヒドラジド等のポリアミン類:これらの有機酸塩及び/又はエポキシアダクト:三フッ化ホウ素のアミン錯体:エチルジアミノ−S−トリアジン、2,4−ジアミノ−S−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−キシリル−S−トリアジン等のトリアジン誘導体類:トリメチルアミン、N,N−ジメチルオクチルアミン、N−ベンジルジメチルアミン、ピリジン、N−メチルモルホリン、ヘキサ(N−メチル)メラミン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノフェノール)、テトラメチルグアニジン、m−アミノフェノール等の三級アミン類:ポリビニルフェノール、ポリビニルフェノール臭素化物、フェノールノボラック、アルキルフェノールノボラック等のポリフェノール類:トリブチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリス−2−シアノエチルホスフィン等の有機ホスフィン類:トリ−n−ブチル(2,5−ジヒドロキシフェニル)ホスホニウムブロマイド、ヘキサデシルトリブチルホスニウムクロライド等のホスホニウム塩類:ベンジルトリメチルアンモニウムクロライド、フェニルトリブチルアンモニウムクロライド等の4級アンモニウム塩類:前記の多塩基酸無水物:ジフェニルヨードニウムテトラフルオロボレート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、2,4,6−トリフェニルチオピリリウムヘキサフルオロホスフェートが挙げられる。
エポキシ樹脂硬化剤は、単独あるいは2種以上を組み合わせて用いられ、光硬化性樹脂組成物中に含まれるエポキシ樹脂硬化剤の量は、感光性樹脂組成物100質量%中、好ましくは0.01〜20質量%、さらに好ましくは0.1〜10質量%用いられる。
また、本発明の感光性樹脂組成物は、さらに、必要に応じて、ジシアンジアミド等の(I)シアナミド化合物、あるいは、メラミン等の(J)トリアジン化合物を用いてもよい。これらは、配合成分をロールミル、ビーズミル等で均一に混練、混合することにより得ることができる。
<感光性エレメントの製造方法>
本発明の感光性エレメントは、例えば以下のようにして製造することができる。即ち、得られた感光性樹脂組成物を、固形分30〜60質量%程度の塗布液として調製し、前記塗布液を支持フィルム等の支持体上に塗布して塗布層を形成し、前記塗布層を乾燥して感光層を形成することにより、本発明の感光性エレメントを製造することができる。
本発明の感光性エレメントは、例えば以下のようにして製造することができる。即ち、得られた感光性樹脂組成物を、固形分30〜60質量%程度の塗布液として調製し、前記塗布液を支持フィルム等の支持体上に塗布して塗布層を形成し、前記塗布層を乾燥して感光層を形成することにより、本発明の感光性エレメントを製造することができる。
前記塗布液の支持体上への塗布は、例えば、ロールコーター、コンマコーター、グラビアコーター、エアーナイフコーター、ダイコーター、バーコーターの公知の方法により行うことができる。
また、前記塗布層の乾燥は、塗布層から有機溶剤の少なくとも一部を除去することができれば特に制限はない。例えば、70〜150℃にて、5〜30分間程度行うことが好ましい。乾燥後、感光層中の残存有機溶剤量は、後の工程での有機溶剤の拡散を防止する観点から、2質量%以下とすることが好ましい。
前記感光性エレメントにおける感光層の厚みは、用途により適宜選択することができるが、乾燥後の厚みで1〜100μmであることが好ましく、1〜50μmであることがより好ましく、5〜40μmであることがさらに好ましい。感光層の厚みが1μm以上であることで、工業的な塗工が容易になり、生産性が向上する。また100μm以下であることで、密着性及び解像度が向上する。
感光性エレメントの形態は特に制限されない。例えば、シート状であってもよく、又は巻芯にロール状に巻き取った状態であってもよい。
ロール状に巻き取る場合、支持フィルム等の支持体が外側になるように巻き取ることが好ましい。巻芯としては、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ABS樹脂(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体)等のプラスチックなどが挙げられる。このようにして得られたロール状の感光性エレメントロールの端面には、端面保護の見地から端面セパレータを設置することが好ましく、耐エッジフュージョンの見地から防湿端面セパレータを設置することが好ましい。また、梱包方法としては、透湿性の小さいブラックシートに包んで包装することが好ましい。
ロール状に巻き取る場合、支持フィルム等の支持体が外側になるように巻き取ることが好ましい。巻芯としては、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ABS樹脂(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体)等のプラスチックなどが挙げられる。このようにして得られたロール状の感光性エレメントロールの端面には、端面保護の見地から端面セパレータを設置することが好ましく、耐エッジフュージョンの見地から防湿端面セパレータを設置することが好ましい。また、梱包方法としては、透湿性の小さいブラックシートに包んで包装することが好ましい。
本発明の感光性エレメントは、例えば、後述するフォトビア法による絶縁層の製造方法、及び、プリント配線板の製造方法に好適に用いることができる。中でも、めっき処理によって導体上に回路を形成するプリント配線板の製造方法への適用に適している。
<フォトビア法によるプリント配線板の製造方法>
本発明の感光性樹脂を用いた絶縁層の製造方法の一例を以下に示す。なお、本発明は以下の方法に限定されるものではない。
本発明の感光性樹脂を用いた絶縁層の製造方法の一例を以下に示す。なお、本発明は以下の方法に限定されるものではない。
フォトビア法によるセミアディティブ工法であるが、例えば、下記の工程から成る。
(1)絶縁層の形成工程
導体回路上に感光性エレメントを真空プレスラミネートにより形成した後、層間接続用のビア加工を露光、現像で行い、その後、ポストUVキュア、熱キュアで樹脂の硬化を行う工程。
(2)デスミア処理による表面粗化と銅回路層の形成工程
デスミア処理により樹脂表面の粗化を行ったのちに、基板に無電解銅めっき処理を施す工程。さらにその後、無電解銅めっき上にドライフィルムレジストでパターンを形成した後に、電解銅めっきを行うことにより、銅の回路層を形成する工程。
(3)レジスト剥離と銅回路の形成工程
最後にドライフィルムレジストの剥離し、無電解めっき層をフラッシュエッチングにより除去することにより銅の回路を形成する工程。
(1)絶縁層の形成工程
導体回路上に感光性エレメントを真空プレスラミネートにより形成した後、層間接続用のビア加工を露光、現像で行い、その後、ポストUVキュア、熱キュアで樹脂の硬化を行う工程。
(2)デスミア処理による表面粗化と銅回路層の形成工程
デスミア処理により樹脂表面の粗化を行ったのちに、基板に無電解銅めっき処理を施す工程。さらにその後、無電解銅めっき上にドライフィルムレジストでパターンを形成した後に、電解銅めっきを行うことにより、銅の回路層を形成する工程。
(3)レジスト剥離と銅回路の形成工程
最後にドライフィルムレジストの剥離し、無電解めっき層をフラッシュエッチングにより除去することにより銅の回路を形成する工程。
以下、上記の(1)〜(3)の工程について説明する。
(1)絶縁層の形成工程
絶縁層の形成工程においては、公知の真空プレスラミネート法により感光性エレメントを圧着する。本発明の感光性エレメントから保護フィルムを除去した後、減圧下で感光性エレメントの感光層を加熱しながら基板に圧着する。圧着の際の感光層及び/又は基板の加熱は、70〜130℃の温度で行うことが好ましい。また圧着は、0.1〜1.0MPa程度(1〜10kgf/cm2程度)の圧力で行うことが好ましいが、これらの条件は必要に応じて適宜選択される。
(1)絶縁層の形成工程
絶縁層の形成工程においては、公知の真空プレスラミネート法により感光性エレメントを圧着する。本発明の感光性エレメントから保護フィルムを除去した後、減圧下で感光性エレメントの感光層を加熱しながら基板に圧着する。圧着の際の感光層及び/又は基板の加熱は、70〜130℃の温度で行うことが好ましい。また圧着は、0.1〜1.0MPa程度(1〜10kgf/cm2程度)の圧力で行うことが好ましいが、これらの条件は必要に応じて適宜選択される。
露光、現像工程においては、基板上に形成された感光層の少なくとも一部に活性光線を照射することで、活性光線が照射された部分が光硬化してパターンが形成される。
露光方法としては、特に制限はなく、例えば、アートワークと呼ばれるネガ又はポジマスクパターンを介して活性光線を画像状に照射する方法(マスク露光法)が挙げられる。また、LDI(Laser Direct Imaging)露光法やDLP(Digital Light Processing)露光法などの直接描画露光法により活性光線を画像状に照射する方法を採用してもよい。
露光方法としては、特に制限はなく、例えば、アートワークと呼ばれるネガ又はポジマスクパターンを介して活性光線を画像状に照射する方法(マスク露光法)が挙げられる。また、LDI(Laser Direct Imaging)露光法やDLP(Digital Light Processing)露光法などの直接描画露光法により活性光線を画像状に照射する方法を採用してもよい。
活性光線の光源としては、公知の光源を用いることができ、例えば、カーボンアーク灯、水銀蒸気アーク灯、高圧水銀灯、キセノンランプ、アルゴンレーザ等のガスレーザ、YAGレーザ等の固体レーザ、半導体レーザ等の紫外線、可視光を有効に放射するものが用いられる。露光量は、使用する光源及び感光層の厚さ等によって適宜選定されるが、例えば高圧水銀灯からの紫外線照射の場合、感光層の厚さ1〜100μmでは、通常、10〜1000J/m2程度であり、15〜500J/m2がより好ましい。
現像においては、前記感光層の未硬化部分が基板上から除去されることで、光硬化した硬化物からなる絶縁層が基板上に形成される。
感光層上に支持フィルム等の支持体が存在している場合には、支持フィルムを除去してから、上記露光部分以外の未露光部分の除去(現像)を行う。現像方法には、ウェット現像とドライ現像とがあるが、ウェット現像が広く用いられている。
ウェット現像による場合、感光性樹脂組成物に対応した現像液を用いて、公知の現像方法により現像する。現像方法としては、ディップ方式、バトル方式、スプレー方式、ブラッシング、スラッピング、スクラッピング、揺動浸漬等を用いた方法が挙げられ、解像度向上の観点からは、高圧スプレー方式が最も適している。これら2種以上の方法を組み合わせて現像を行ってもよい。
現像液の構成は感光性樹脂組成物の構成に応じて適宜選択される。例えば、アルカリ性水溶液、水系現像液及び有機溶剤系現像液が挙げられる。
現像液の構成は感光性樹脂組成物の構成に応じて適宜選択される。例えば、アルカリ性水溶液、水系現像液及び有機溶剤系現像液が挙げられる。
本発明においては、現像工程において未露光部分を除去した後、0.2〜10J/cm2程度のポストUVキュア、及び60〜250℃程度の加熱を必要に応じて行うことにより絶縁層をさらに硬化してもよい。
(2)デスミア処理による表面粗化と銅回路層の形成工程
必要に応じてデスミア処理により樹脂表面の粗化を行うことができる。デスミア処理液(酸化性粗化液)としては、例えば、クロム/硫酸粗化液、アルカリ過マンガン酸粗化液(過マンガン酸ナトリウム粗化液等)、フッ化ナトリウム/クロム/硫酸粗化液等を用いることができる。
必要に応じてデスミア処理により樹脂表面の粗化を行うことができる。デスミア処理液(酸化性粗化液)としては、例えば、クロム/硫酸粗化液、アルカリ過マンガン酸粗化液(過マンガン酸ナトリウム粗化液等)、フッ化ナトリウム/クロム/硫酸粗化液等を用いることができる。
デスミア処理後、セミアディティブプロセスにより、回路形成並びにビアの導通が行われる。セミアディティブプロセスにおいてはまず、デスミア処理後のビア底、ビア壁面、及び絶縁層の表面全体にパラジウム触媒等を用いた無電解銅処理を施してシード層を形成する。シード層の無電解銅めっきは、電解銅めっきを施すための給電層を形成するためのものであり、通常は0.1〜2.0μm程度の厚さに形成する。シード層が薄すぎると続く電気めっき時の接続信頼性が低下する傾向があり、シード層が厚すぎると後に配線間のシード層をフラッシュエッチする際のエッチング量を大きくせねばならず、エッチングの際に配線に与えるダメージが大きくなる傾向がある。
無電解銅処理は銅イオンと還元剤の反応により樹脂表面に金属銅が析出することで行われる。無電解めっき及び電解めっきは公知の方法であればよく、特定の方法に限定されるものではないが、無電解めっき処理工程の触媒はパラジウム−すず混合触媒からなり、触媒の1次粒子径が10nm以下であることが好ましい。また、無電解めっき処理工程のめっき組成が次亜リン酸を還元剤として含有することが好ましい。
無電解銅めっきとしてはアトテックジャパン株式会社社製の「MSK−DK」、上村工業株式会社製「スルカップ PEA ver.4」などが挙げられる。
無電解銅めっき処理を施した後、無電解銅めっき上に、ロールラミネーターにてドライフィルムレジストが熱圧着される。ドライフィルムレジストの厚みは電気銅めっき後の配線高さよりも高い範囲になければならず、5〜30μmのものが好ましく用いられる。
ドライフィルムレジストとしては日立化成株式会社製「フォテック」シリーズなどが用いられる。ドライフィルムレジスト形成後、配線パターンの描画されたマスクを通してドライフィルムレジストの露光を行う。露光は前記感光性エレメントと同様の装置、光源で行うことも可能である。露光後、支持フィルムを剥離し、アルカリ水溶液を用いて現像を行い、未露光部分を除去しパターンを形成する。この後に必要に応じてプラズマなどを用いてドライフィルムレジストの現像残渣を除去する作業を行っても良い。現像後、電気銅めっきを行い銅回路層の形成、ビアフィリングを行う。
(3)レジスト剥離と銅回路の形成工程
電気銅めっき後、アルカリ水溶液やアミン系剥離剤を用いてドライフィルムレジストの剥離を行う。ドライフィルムレジストの剥離後、配線間のシード層を除去する目的でフラッシュエッチを行う。フラッシュエッチは硫酸と過酸化水素などの酸性、酸化性溶液を用いて行われる。具体的には荏原ユージライト株式会社製「SAC」、三菱ガス化学株式会社製「CPE−800」が挙げられる。フラッシュエッチ後、必要に応じて配線間の部分に付着したパラジウム等の除去を行う。パラジウムの除去は硝酸、塩酸などの酸性溶液を用いて好ましく行われる。具体的には荏原ユージライト「PJ」溶液が挙げられる。
電気銅めっき後、アルカリ水溶液やアミン系剥離剤を用いてドライフィルムレジストの剥離を行う。ドライフィルムレジストの剥離後、配線間のシード層を除去する目的でフラッシュエッチを行う。フラッシュエッチは硫酸と過酸化水素などの酸性、酸化性溶液を用いて行われる。具体的には荏原ユージライト株式会社製「SAC」、三菱ガス化学株式会社製「CPE−800」が挙げられる。フラッシュエッチ後、必要に応じて配線間の部分に付着したパラジウム等の除去を行う。パラジウムの除去は硝酸、塩酸などの酸性溶液を用いて好ましく行われる。具体的には荏原ユージライト「PJ」溶液が挙げられる。
ドライフィルムレジスト剥離の後、またはフラッシュエッチ工程の後、ポストベーク工程を行う。ポストベーク工程は、未反応の熱硬化成分を完全に熱硬化し、さらにそれによって絶縁信頼性、硬化特性、めっき密着性を向上させる。熱硬化条件は樹脂組成物の種類等によっても異なるが、硬化温度が150〜240℃、硬化時間が15〜100分であるのが好ましい。
ポストベークにより、一通りのフォトビア法によるプリント配線板の製造工程は完成するが、必要な絶縁層数に応じ、本プロセスを繰り返して基板を製造する。また、最外層にソルダーレジスト層を形成する。
本発明の感光性樹脂組成物は、プリント配線板の製造に使用することができるが、それに限定されるものでは無く、FOWLP(Fan Out Wafer Level Package)等のウェハプロセスの製造工程に使用してもよい。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、合成例中、実施例中の部、及び表中の配合量は質量部を示す。
<実施例1〜6、比較例1〜4>
(合成例1;酸変性エポキシアクリレートの合成)
ビスフェノールFノボラック型エポキシ樹脂(商品名EXA−7376、DIC株式会社製)350質量部、アクリル酸70質量部、メチルハイドロキノン0.5質量部、カルビトールアセテート120質量部を仕込み、90℃に加熱して攪拌することにより反応させ、混合物を完全に溶解した。次に、得られた溶液を60℃に冷却し、トリフェニルホスフィン2質量部を加え、100℃に加熱して、溶液の酸価が1mgKOH/gになるまで反応させた。反応後の溶液に、テトラヒドロ無水フタル酸(THPAC)98質量部とカルビトールアセテート85質量部とを加え、80℃に加熱して約6時間反応させた後に冷却し、固形分の濃度が73質量%である(A)成分としての酸変性エポキシアクリレート樹脂(A−1)の溶液を得た。
(合成例1;酸変性エポキシアクリレートの合成)
ビスフェノールFノボラック型エポキシ樹脂(商品名EXA−7376、DIC株式会社製)350質量部、アクリル酸70質量部、メチルハイドロキノン0.5質量部、カルビトールアセテート120質量部を仕込み、90℃に加熱して攪拌することにより反応させ、混合物を完全に溶解した。次に、得られた溶液を60℃に冷却し、トリフェニルホスフィン2質量部を加え、100℃に加熱して、溶液の酸価が1mgKOH/gになるまで反応させた。反応後の溶液に、テトラヒドロ無水フタル酸(THPAC)98質量部とカルビトールアセテート85質量部とを加え、80℃に加熱して約6時間反応させた後に冷却し、固形分の濃度が73質量%である(A)成分としての酸変性エポキシアクリレート樹脂(A−1)の溶液を得た。
(合成例2;酸変性エポキシアクリレートの合成)
下記一般式(1)で表される化合物において、Y11=グリシジル基、R11=メチル基であるフェノールノボラック型エポキシ樹脂(商品名N−770、DIC株式会社製)220質量部、アクリル酸72質量部、ハイドロキノン1質量部、カルビトールアセテート180質量部を混合し、90℃に加熱、撹拌して反応混合物を溶解した。次いで、60℃に冷却した後、塩化ベンジルトリメチルアンモニウム1質量部を混合し100℃に加熱して、酸価が1mgKOH/gになるまで反応させた。次いで、テトラヒドロ無水フタル酸152質量部とカルビトールアセテート100質量部とを混合し、80℃に加熱し、6時間撹拌した。室温まで冷却した後、固形分濃度が60質量%になるようにカルビトールアセテートで希釈して(A)成分としての酸変性エポキシアクリレート樹脂(A−2)を得た。
(式中、nは1以上の整数である。)
下記一般式(1)で表される化合物において、Y11=グリシジル基、R11=メチル基であるフェノールノボラック型エポキシ樹脂(商品名N−770、DIC株式会社製)220質量部、アクリル酸72質量部、ハイドロキノン1質量部、カルビトールアセテート180質量部を混合し、90℃に加熱、撹拌して反応混合物を溶解した。次いで、60℃に冷却した後、塩化ベンジルトリメチルアンモニウム1質量部を混合し100℃に加熱して、酸価が1mgKOH/gになるまで反応させた。次いで、テトラヒドロ無水フタル酸152質量部とカルビトールアセテート100質量部とを混合し、80℃に加熱し、6時間撹拌した。室温まで冷却した後、固形分濃度が60質量%になるようにカルビトールアセテートで希釈して(A)成分としての酸変性エポキシアクリレート樹脂(A−2)を得た。
(合成例3;アクリル樹脂の合成)
重合性単量体(モノマー)であるアクリル酸53g、アクリル酸ブチル327g、アクリル酸ドデシル26g、4−ヒドロキシブチル アクリレート26g、ペンタメチルピペリジルメタクリレ−ト17g(質量比20/70/3/5/2)と、乳酸エチル550gを混合して溶液aを調製した。また、アゾビスイソブチロニトリルを乳酸エチル80gに混合して溶液bを調整した。
撹拌機、還流冷却器、温度計、滴下ロート及び窒素ガス導入管を備えたフラスコに、溶液aを投入し、フラスコ内に窒素ガスを吹き込みながら撹拌し、65℃まで加熱昇温させた。
フラスコ内の上記混合液に、上記溶液bを投入した後、撹拌しながら65℃にて3時間保温した。次いで、フラスコ内の溶液を撹拌しながら80℃昇温し、その後、2時間保温した後、冷却してアクリル樹脂(E−1)の溶液を得た。
重合性単量体(モノマー)であるアクリル酸53g、アクリル酸ブチル327g、アクリル酸ドデシル26g、4−ヒドロキシブチル アクリレート26g、ペンタメチルピペリジルメタクリレ−ト17g(質量比20/70/3/5/2)と、乳酸エチル550gを混合して溶液aを調製した。また、アゾビスイソブチロニトリルを乳酸エチル80gに混合して溶液bを調整した。
撹拌機、還流冷却器、温度計、滴下ロート及び窒素ガス導入管を備えたフラスコに、溶液aを投入し、フラスコ内に窒素ガスを吹き込みながら撹拌し、65℃まで加熱昇温させた。
フラスコ内の上記混合液に、上記溶液bを投入した後、撹拌しながら65℃にて3時間保温した。次いで、フラスコ内の溶液を撹拌しながら80℃昇温し、その後、2時間保温した後、冷却してアクリル樹脂(E−1)の溶液を得た。
アクリル樹脂(E−1)の不揮発分(固形分)は44質量%であり、重量平均分子量は20,000であった。なお、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC)によって測定し、標準ポリスチレンの検量線を用いて換算することにより導出した。GPCの条件を以下に示す。
GPC条件
ポンプ:日立 L−6000型(株式会社日立製作所製)
カラム:以下の計3本
Gelpack GL−R420
Gelpack GL−R430
Gelpack GL−R440(以上、日立化成株式会社製、商品名)
溶離液:テトラヒドロフラン
測定温度:40℃
流量:2.05mL/分
検出器:日立 L−3300型RI(株式会社日立製作所製)
GPC条件
ポンプ:日立 L−6000型(株式会社日立製作所製)
カラム:以下の計3本
Gelpack GL−R420
Gelpack GL−R430
Gelpack GL−R440(以上、日立化成株式会社製、商品名)
溶離液:テトラヒドロフラン
測定温度:40℃
流量:2.05mL/分
検出器:日立 L−3300型RI(株式会社日立製作所製)
(アクリル樹脂(E−2からE−5)の合成)
重合性単量体(モノマー)の仕込み量を下記表1に示す条件で行った以外はアクリル樹脂(E−1)と同様の条件で合成した。
重合性単量体(モノマー)の仕込み量を下記表1に示す条件で行った以外はアクリル樹脂(E−1)と同様の条件で合成した。
実施例1〜6、及び比較例1〜4について、下記表2に示す配合量(質量部)で混合し、3本ロールミルで混練し感光性樹脂組成物溶液を得た。最終的に、固形分濃度が60質量%になるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを加えて、感光性樹脂組成物を調整した。
次いで、調製した感光性樹脂組成物溶液を支持層である25μm厚のポリエチレンテレフタレートフィルム(G2−25、帝人株式会社製、商品名)上に均一に塗布することにより感光性樹脂組成物層として感光性フィルムを形成し、それを、熱風対流式乾燥機を用いて100℃で約10分間乾燥した。感光性樹脂組成物層の乾燥後の膜厚は、25μmであった。
続いて、感光性樹脂組成物層の支持体と接している側とは反対側の表面上にOPP二軸延伸ポリプロピレンフィルム(MA−411、王子特殊紙株式会社製、商品名)を保護フィルムとして、貼り合わせ感光性エレメントを得た。
A−3:カヤラッドDPHA:ジペンタエリスリトールペンタアクリレート(日本化薬株式会社製、商品名)
B−1:イルガキュア907:2−メチル−[4−(メチルチオ)フェニル]モルフォリノ−1−プロパノン(BASFジャパン株式会社製、商品名)
B−2:DETX−S:2,4−ジエチルチオキサントン(日本化薬株式会社製、商品名)
C−1:NC−3000H:ビフェニルアラルキルエポキシ樹脂(日本化薬株式会社製、商品名)
C−2:エピコート828:ビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱化学株式会社製、商品名)
C−3:PB3600:エポキシ化ポリブタジエン(ダイセル化学株式会社製、商品名)
D−1:BMI−4000:ビスマレイミド(大和化成工業株式会社製、商品名)
D−2:BMI−5100:ビスマレイミド(大和化成工業株式会社製、商品名)
F−1:パーヘキシン25B:2,5−ジメチル−2,5−ビス(tert−ブチルペルオキシ)−3−ヘキシン(日本油脂株式会社製、商品名)
G−1:MEKスラリー:シリカスラリー(株式会社アドマテックス製、サンプル名)
[解像性の評価]
12μm厚の銅箔をガラスエポキシ基材に積層したプリント配線板用基板(MCL−E−679、日立化成株式会社製、商品名)の銅表面を粗化前処理液CZ−8100(メック株式会社製)で処理し、水洗後、乾燥した。このプリント配線板用基板上にプレス式真空ラミネーター(MVLP−500、株式会社名機製作所製、商品名)を用いて、プレス熱板温度70℃、真空引き時間20秒、ラミネートプレス時間30秒、気圧4kPa以下、圧着圧力0.4MPaの条件の下、前記感光性エレメントの保護フィルムを剥離して積層し、評価用積層体を得た。
12μm厚の銅箔をガラスエポキシ基材に積層したプリント配線板用基板(MCL−E−679、日立化成株式会社製、商品名)の銅表面を粗化前処理液CZ−8100(メック株式会社製)で処理し、水洗後、乾燥した。このプリント配線板用基板上にプレス式真空ラミネーター(MVLP−500、株式会社名機製作所製、商品名)を用いて、プレス熱板温度70℃、真空引き時間20秒、ラミネートプレス時間30秒、気圧4kPa以下、圧着圧力0.4MPaの条件の下、前記感光性エレメントの保護フィルムを剥離して積層し、評価用積層体を得た。
その後、室温で1時間以上放置した後、支持フィルムを剥離、除去し、41段ステップタブレットを設置し、超高圧水銀ランプを光源としたダイレクトイメージング露光装置DXP−3512(株式会社オーク製作所製)を用いて露光を行った。露光パターンは、直径30〜100μmまでのドットが格子状に配列したパターンを用いた。
露光後から室温で30分間放置した後、30℃の1質量%炭酸ナトリウム水溶液で未露光部の感光性樹脂組成物を60秒間スプレー現像した。現像後、41段ステップタブレットの光沢残存ステップ段数が10.0となる露光エネルギー量を感光性樹脂組成物層の感度(単位;mJ/cm2)とした。この感度で露光したパターンを用いて、感光性樹脂組成物層の評価を行った。
解像性の評価は、ステップ段数が10.0となる露光エネルギー量で露光、スプレー現像し、現像処理後に光学顕微鏡を用いてビアパターンを観察して評価した。ドットパターンのビア(直径60μm部分)が開口している場合を「A」、開口していない場合を「B」と判定した。ビア開口している「A」の判定が良好な特性を示している。結果を下記表3に示す。
[ピール強度の評価]
12μm厚の銅箔をガラスエポキシ基材に積層したプリント配線板用基板(MCL−E−679、日立化成株式会社製、商品名)の銅表面を粗化前処理液CZ−8100(メック株式会社製)で処理し、水洗後、乾燥した。このプリント配線板用基板上にプレス式真空ラミネーター(MVLP−500、株式会社名機製作所製、商品名)を用いて、プレス熱板温度70℃、真空引き時間20秒、ラミネートプレス時間30秒、気圧4kPa以下、圧着圧力0.4MPaの条件の下、前記感光性エレメントの保護フィルムを剥離して積層し、評価用積層体を得た。
12μm厚の銅箔をガラスエポキシ基材に積層したプリント配線板用基板(MCL−E−679、日立化成株式会社製、商品名)の銅表面を粗化前処理液CZ−8100(メック株式会社製)で処理し、水洗後、乾燥した。このプリント配線板用基板上にプレス式真空ラミネーター(MVLP−500、株式会社名機製作所製、商品名)を用いて、プレス熱板温度70℃、真空引き時間20秒、ラミネートプレス時間30秒、気圧4kPa以下、圧着圧力0.4MPaの条件の下、前記感光性エレメントの保護フィルムを剥離して積層し、評価用積層体を得た。
その後、室温で1時間以上放置した後、支持フィルムを剥離、除去し、41段ステップタブレットを設置し、超高圧水銀ランプを光源とした平行光露光機EXM−1201(株式会社オーク製作所製)を用いて、光沢残存ステップ段数が10.0となる露光エネルギー量で全面露光を行った。露光後から室温で30分間放置した後、30℃の1質量%炭酸ナトリウム水溶液で未露光部の感光性樹脂組成物を60秒間スプレー現像した。
その後、高圧水銀灯ランプ照射タイプのUVコンベア装置(株式会社オーク製作所製)で2J/cm2となるコンベア速度でポストUVキュアを行い、その後、熱風循環式乾燥機(株式会社二葉科学製)にて170℃/1時間のポスト熱キュアを行った。
上記基板の粗化処理として、膨潤液「スウェリングディップセキュリガントP」(アトテックジャパン株式会社製)を70℃、5分、粗化液「ドージングセキュリガントP500J」(アトテックジャパン株式会社製)を70℃、10分、中和液「リダクションコンディショナーセキュリガントP500」(アトテックジャパン株式会社製)を40℃、5分を使用し、デスミア処理を実施した。
この後、無電解めっき液「プリガントMSK−DK」(アトテックジャパン株式会社製)を用いて30℃、20分、電気めっき液「カパラシドHL」(アトテックジャパン株式会社製)を用いて2A/dm2の条件で、24℃、2時間めっき処理を実施し、ピール測定用の評価基板を準備した。
めっきピール強度の測定は、めっき銅厚を35μm厚に設定し、評価サンプルの導体引き剥がし強さを測定した。引き剥がしは、垂直引き剥がし強さを測定した。測定は、室温23℃で行った。測定方法は、JIS−C−6481に準じた。なお、ピール強度は0.4kN/m以上あれば良好と判定した。結果を下記表3に示す。
[HAST耐性の評価]
コア材に12μm厚の銅箔をガラスエポキシ基材に積層したプリント配線板用基板(MCL−E−679FG、日立化成株式会社製、商品名)、セミアディブ配線形成用ビルドアップ材(AS−Z6、日立化成株式会社製、商品名)を用いて、ライン/スペースが12μm/12μmのくし型電極を作製し、これを評価基板とした。
コア材に12μm厚の銅箔をガラスエポキシ基材に積層したプリント配線板用基板(MCL−E−679FG、日立化成株式会社製、商品名)、セミアディブ配線形成用ビルドアップ材(AS−Z6、日立化成株式会社製、商品名)を用いて、ライン/スペースが12μm/12μmのくし型電極を作製し、これを評価基板とした。
この評価基板におけるくし型電極上に、上記「解像性の評価」と同様にして感光性エレメントの硬化物からなる絶縁層を形成し(くし型電極部分に絶縁層が残るように露光し現像、紫外線照射、加熱処理を行い形成)、その後、130℃、85%RH、6V条件下に200時間晒した。その後、抵抗値の測定し絶縁層のHAST耐性を評価した。抵抗値が10−6Ω以下となった時間をマイグレーションの発生時間とし、200時間経過後で、マイグレーションの発生がないものを「A」、100時間から200時間の間で発生したものを「B」、100時間未満で発生したものを「C」と判定した。結果を下記表3に示す。
表3に示される結果から明らかなように、実施例1〜6の本発明の感光性エレメントは、優れた解像度を有しつつ、かつ、絶縁層上に形成された導体層との優れたピール強度を有し、加えて、優れた絶縁信頼性(HAST耐性)を有することが確認された。また、本発明の感光性樹脂組成物は、(E)Tgが25℃以下である(メタ)アクリル酸に由来する構造単位を有する(メタ)アクリル樹脂として、構造中に水酸基を有する構造単位を含有する化合物、及び(C)エポキシ樹脂の一つとしてエポキシ化ポリブタジエン、の少なくともいずれかを含有することにより、導体層とのピール強度が高くなることが分かる(実施例1、2及び4)。
それに対して、比較例1〜4は、実施例1〜6と同程度のビア解像性を有するものの、(D)ビスマレイミド樹脂、及び(E)Tgが25℃以下である(メタ)アクリル酸に由来する構造単位を有する(メタ)アクリル樹脂の少なくともいずれかの成分を含んでいないため、絶縁層上に形成された導体層との密着性及び絶縁信頼性(HAST耐性)において少なくともどちらかの特性が実施例1〜6に比べ劣っていた。
以上のように、本発明の感光性樹脂組成物は、絶縁層上に形成された導体層との優れた密着性(ピール強度)を有し、かつ、絶縁信頼性(HAST耐性)にも優れる。そのため、本発明の感光性樹脂組成物又は感光性エレメントは、例えば、プリント基板のフォトビア形成用材料として使用するときに絶縁信頼性の向上を図ることができる。
本発明によれば、解像性、密着性、絶縁信頼性に優れた多層プリント配線板等の絶縁層形成に好適な感光性樹脂組成物、感光性エレメントを提供することができる。また、電子機器用のプリント配線板、として有用である。さらに、FOWLP(Fan Out Wan Out Wafer Package)の導体層間の絶縁層としても有効である。
Claims (11)
- (A)エチレン性不飽和基を有する光重合性化合物、(B)光重合開始剤、(C)エポキシ樹脂、(D)多官能マレイミド化合物、及び(E)Tgが25℃以下である(メタ)アクリル酸に由来する構造単位を有する(メタ)アクリル樹脂、を含有する感光性樹脂組成物。
- 前記(A)エチレン性不飽和基を有する光重合性化合物が、分子内にカルボキシル基を有する酸変性エポキシアクリレート化合物である請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
- 前記(E)(メタ)アクリル酸に由来する構造単位を有する(メタ)アクリル樹脂が、さらに構造中に水酸基を有する構造単位を含有する請求項1又は2に記載の感光性樹脂組成物。
- 前記(C)エポキシ樹脂が、エポキシ化ポリブタジエンを含有する請求項1〜3のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
- (F)1時間半減期温度が100〜180℃である有機過酸化物をさらに含有する請求項1〜4のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
- 支持体と、該支持体上に請求項1〜5のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物を用いて形成される感光層と、を備えてなる感光性エレメント。
- 絶縁層上に形成した導体層を有する多層プリント配線板の前記絶縁層の形成に使用される、請求項1〜5のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
- 絶縁層上に形成した導体層を有する多層プリント配線板の前記絶縁層の形成に使用される、請求項6に記載の感光性エレメント。
- アルカリ過マンガン酸エッチング溶液(デスミア液)で処理した後、銅めっきプロセスにより、レジスト上に形成した配線を有する多層プリント配線板の絶縁層の形成に使用される請求項1〜5及び7のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
- アルカリ過マンガン酸エッチング溶液(デスミア液)で処理した後、銅めっきプロセスにより、レジスト上に形成した配線を有する多層プリント配線板の絶縁層の形成に使用される請求項6又は8に記載の感光性エレメント。
- 請求項1〜5のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物、又は請求項6に記載の感光性エレメントを用いて形成される絶縁層を導体層間の絶縁層として備えるプリント配線板。
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-
2017
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