JP2019066330A - 電気化学式酸素センサ - Google Patents

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Abstract

【課題】酸素センサとしての寿命を向上させることができる電気化学式酸素センサを提供する。【解決手段】電気化学式酸素センサは、ホルダー9と、前記ホルダー9内に収容された正極45、負極8及び電解液7を備え、前記負極8はSnを主成分に含み、前記電解液7は、キレート剤と塩基性を示す無機酸塩が含まれている。【選択図】図1

Description

本発明は、電気化学式酸素センサに関する。
電気化学式酸素センサ(以下、酸素センサともいう)は、安価、手軽、且つ常温での作動が可能という利点を有することから、船倉内部やマンホール内の酸欠状態のチェック、又は麻酔器や人工呼吸器などの医療機器における酸素濃度の検出など広い分野で使用されている。
このような電気化学式酸素センサとして、特許文献1には、カソード、アノード、及び電解液を備えた電気化学式酸素センサにおいて、前記電解液にキレート剤が含まれ、かつ、前記電解液のpHが12以上であることを特徴とする電気化学式酸素センサが開示されている([請求項1]参考)。
特許第5019141号公報
しかしながら、特許文献1に記載の発明は、酸素センサとしての寿命を向上させるものではなかった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、酸素センサとしての寿命を向上させることができる電気化学式酸素センサを提供することを目的とする。
本発明に係る電気化学式酸素センサは、ホルダーと、前記ホルダー内に収容された正極、負極及び電解液を備え、前記負極はSnを主成分に含み、前記電解液は、キレート剤と塩基性を示す無機酸塩が含まれている。
本発明によれば、酸素センサとしての寿命を向上させることができる電気化学式酸素センサが提供される。
本実施形態に係るガルバニ電池式酸素センサの断面構造を示す概念図である。
本発明に係る電気化学式酸素センサのうち、本実施形態では、好適な一例として、ガルバニ電池式酸素センサを用いて説明する。
図1は、本実施形態に係るガルバニ電池式酸素センサの断面構造を示す概念図である。
特許文献1に示すようなキレート剤を含むガルバニ電池式酸素センサの動作原理は図1を参考に説明すると下記のようになると考えられる。
酸素を選択的に透過させかつ透過量を電池反応に見合うように制限する隔膜4Aを通ってきた酸素は、触媒電極4Bで還元され、電解液7を介して負極8との間で次のような電気化学反応を起こす。
正極反応:O+4H+4e→2H
負極反応:Sn+2HO→SnO+4H+4e
X−+SnO+4H→YSn4−x+2HO:Yはキレート剤
この電気化学反応により、触媒電極4Bと負極8との間に、酸素濃度に応じた電流が発生する。触媒電極4Bでの正極反応によって生じた電流は、触媒電極4Bに圧接された正極集電体5で集電され、正極リード線6によって外部に導かれ、補正抵抗14及び温度補償用サーミスタ15を通して負極8に流れる。これによって電圧信号に変換され、酸素センサ出力として電圧が得られる。その後、得られた出力電圧が周知の方法で酸素濃度に変換され、酸素濃度として検知される。
なお、負極8表面でSnが酸化されてSnOが発生し、このSnOが、電解液中に溶解し、それによって表面に新しいSnが露出し、それが更に前記酸化・溶解が繰り返される(いわゆる負極(Sn)が消耗する)メカニズムで前記電気化学反応が継続され、酸素濃度が検知される。
ここで、キレート剤(Y)は、Snをキレート化して電解液に溶解させる作用(以下、「キレート化作用」という)があると考えられる。
本発明者らは、酸素センサの寿命を低下させる要因の一つとして電解液中に溶解しているSnが飽和に達すると、負極が不活性になり寿命に達すると考えた。
そこで、発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、電解液に溶解できるSnの量を高めること、すなわち電解液中のキレート剤(Y)のモル濃度を高めることが、電解液中に溶解しているSnが飽和に達するのを遅らせ、結果、酸素センサの寿命を向上させることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
以下に、本実施形態を詳細に説明する。
図1において、1は第1ホルダー蓋(中蓋)、2はO−リング、3は隔膜へのゴミ、チリの付着あるいは、水膜付着を防止するための保護膜、4Aは隔膜、4Bは触媒電極、5は正極集電体、6は正極リード線、7は電解液、8は負極、9はホルダー、10は第2ホルダー蓋(外蓋)、11は電解液供給用の穿孔、12はリード線用の穿孔、13は正極集電体保持部、14は補正抵抗、15は温度補償用サーミスタである。触媒電極4Bと正極集電体5とで正極45を構成する。また、第1ホルダー蓋1と第2ホルダー蓋10とでホルダー蓋101を構成する。
本実施形態に係るガルバニ電池式酸素センサは、図1に示すように、ホルダー9と、前記ホルダー9内に収容された正極45、負極8及び電解液7と、前記正極45上に設けられた隔膜4Aと、前記隔膜4A上に設けられた保護膜3と、前記ホルダー9の保護膜3上に固着して又は着脱可能に設けられ、隔膜4Aに通ずる酸素供給経路(空間)となる貫通孔16が設けられたホルダー蓋101と、前記正極45及び負極8に直列に連結された補正抵抗14及び温度補償用サーミスタ15とを備える。
本発明に係る電気化学式酸素センサは、図1に示すような実施形態を一例とするものであって、ホルダー9と、前記ホルダー9内に収容された正極45、負極8及び電解液7を備え、前記負極8はSnを主成分に含み、前記電解液7に、キレート剤と塩基性を示す無機酸塩が含まれていることを特徴とする。
以下、本発明において用語の定義を説明する。
本発明において「Snを主成分に含み」は、負極8中、Snの含有量が好ましくは50質量%以上であり、より好ましくは70質量%以上であり、更に好ましくは90質量%以上(100質量%を含む)であるSn又はSnと他の金属との合金(以下、後者をSn合金という)のことをいう。なお、ここでいう「Snの含有量(質量%)」は、負極8の任意の箇所に対して、EDX分析(ビーム径:1mm)を行い、そこで測定される金属元素全体に対するSnが占める割合(質量%)である。
本発明において「キレート剤」は、金属イオンと配位結合をする官能基を複数持つ分子を有し、金属イオンと錯体を形成(錯化)して金属イオンを不活性化させるものである。従って、本発明では、錯化力が弱いリン酸、酢酸、炭酸及びこれらの塩など官能基が単数であるものは、前記「キレート剤」には含まれない。
本発明において「キレート剤の塩」は、前記キレート剤と金属(ナトリウムやカリウムなど)との塩のこと(例えば、キレート剤がクエン酸である場合は、クエン酸三カリウムなど)をいう。
本発明において「無機酸」は、25℃における水への溶解度(mol/L)が前記キレート剤より高い(好ましくは10倍以上、より好ましくは100倍以上高い)ものであって、塩素、硫黄、窒素、リンなどの非金属を含む酸基が水素と結合してできた酸のことをいう。
本発明において「無機酸塩」は、前記無機酸と金属(ナトリウムやカリウムなど)との塩のこと(例えば、無機酸がリン酸である場合は、リン酸水素二ナトリウムなど)をいう。
本発明において「モル濃度(mol/L、以下、単に「M」ともいう)」は、25℃の水1L(リットル)中に溶解している溶質のモル数のことをいう。
本発明において「初期のpH」とは、酸素センサ製造後、製品(サンプル含む)出荷され、製品として初めて使用を開始する直後の電解液のpHのことを示す。
本発明に係る電気化学式酸素センサは、電解液7にキレート剤と塩基性を示す無機酸塩が含まれている。
このような構成とすることで、キレート剤のモル濃度を高めることができるため、酸素センサとしての寿命を向上させることができる。
この理由について以下に考察する。
キレート剤は、一般的に、キレート化作用を有し、かつ、pH緩衝能(pKa:初期のpHから急激なpH変化までに、どれだけの水素イオンが減少するかを許容することができるか)を有しているが、単体で水に溶かした場合は低いpH(酸性が強いpH)の溶液になることが多い。また、キレート剤によっては、pKaから離れたかなり低いpH(pH緩衝能を備えるpHからかなり低いpH(例えば、pKa−1.00未満(キレート剤がクエン酸である場合はpKa1=3.13−1.00=2.13未満))になる場合が多く、このような場合は、キレート効果を有さないpH範囲から酸素濃度測定が開始されるため、測定開始直後の電気特性(初期特性)が悪くなる場合がある。
そこで、当該溶液のpHを所望の値まで高くすべく、当該溶液にpH調整剤を溶解させるが、このpH調整剤としては、前記キレート化作用を有しているキレート剤の塩を溶解させることが酸素センサの寿命を向上させる上で好ましい。
しかしながら、キレート剤及びキレート剤の塩ともに水への溶解度は低いため、電解液中のモル濃度向上には限界がある。また、キレート剤にはあるpH緩衝能が、キレート剤の塩には無い(弱い)という事情がある。従って、pH調整を目的としてキレート剤の塩を水に多く溶解させると、キレート剤はその分水への溶解度が低下する。また、使用するキレート剤によっては、上記理由(初期特性悪化の抑制等)からpHを高めるために、キレート剤の塩を多く溶解させる必要がある。よって、このような溶液は、pH緩衝能が低下した電解液となる。
なお、一般的に、塩基性を有する無機酸塩は、キレート化作用は弱いがキレート剤の水への溶解度を大きく低下させない状態でpH調整を行うことができる。従って、その分、溶解度が低く、また、キレート剤の水への溶解度を大きく低下させ、かつ、pH緩衝能も低いキレート剤の塩によるpH調整を低減又は行う必要が無くなるため、その分、キレート剤の溶解度を高めることができ、結果、電解液中に溶解しているSnが飽和に達するのを遅らせ、酸素センサの寿命を向上させることができる。
前記電解液のpHは、酸性溶液側であって、前記キレート剤のpKaの中で低い方から1番目(pKa1)−1.00以上に設定すると、電解液に複数のpKaのpH緩衝能を発揮させるという点で好ましい。具体的には、キレート剤としてクエン酸を用いる場合は、クエン酸の25℃における各pKaは、pKa1=3.13、pKa2=4.76、pKa3=6.40であるため、電解液のpHは、pKa3のpH緩衝能を発揮させるという点で5.40以上であることが好ましく、pKa2及びpKa3のpH緩衝能を発揮させるという点で3.76以上であることが更に好ましく、pKa1からpKa3のpH緩衝能を発揮させるという点で、2.13以上であることがより好ましい。なお、これらのpHの上限値は、各pKa+1.00であることが好ましい。この上限値とすることで、各pKaにおけるpH緩衝能を発揮させることができるため好ましい。
前記電解液のpHは、前記キレート剤のpKa2値−1.00以上であることが好ましい。ここで、pKa2とは、複数のpKa値の中で低い方から2番目の値である。
このように、電解液のpHを前記キレート剤のpKa2値−1.00以上にすることで、pKa1値よりもキレート化作用(錯形成)を高めることができると考えられる。従って、より酸素センサとしての寿命を向上させることができる。
具体的には、キレート剤としてクエン酸を用いる場合は、電解液のpHは、3.76以上であることが好ましい。なお、その上限値は前述したのと同様で、pKa2+1.00であることが好ましい。
前記電解液のpHは、前記キレート剤の塩(前記キレート剤がクエン酸である場合は、クエン酸三カリウム)及び無機酸塩を、又は、無機酸塩のみを混合させて、当該塩の量を調整することで調整することができる。
前記無機酸は、25℃における水への溶解度(mol/L)が前記キレート剤より高く、pH緩衝能を有していれば特に限定されない。前記無機酸として、具体的には、塩酸、硝酸、リン酸、硫酸、酢酸、ホウ素酸、炭酸、フッ素化水素酸、過酸化水素、過リン酸、過硫酸、次過塩素酸、臭化水素等が挙げられる。これらの中でも、酸によるホルダーの劣化抑制等の観点から、前記無機酸は、リン酸、酢酸、炭酸が好ましく、より好ましくはpH緩衝能が発揮されるpHが多い(水素イオンの価数が多い)リン酸を用いることが好ましい。
前記無機酸塩は、前述したように、キレート剤の溶解度を高めることができ、結果、電解液中に溶解しているSnが飽和に達するのを遅らせ、酸素センサの寿命を向上させることができることができれば特に限定されない。前記無機酸塩は、リン酸水素二ナトリウムを好適に用いることができる。
前記キレート剤は、キレート化作用及びpH緩衝能を有していればその材料は限定されない。前記キレート剤として、例えば、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、クエン酸、酒石酸、グルタル酸、アジピン酸、リンゴ酸、マロン酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、アスコルビン酸等が挙げられる。
前記キレート剤は、前記キレート化作用を高める観点から水への溶解度が高い材料(クエン酸、酒石酸及びグルタミン酸のいずれか)を用いることが好ましい。これらの中でも、クエン酸やその塩は水への溶解度が高く(クエン酸(73g/100ml(25℃))、クエン酸三ナトリウム(71g/100ml(25℃))及びクエン酸三カリウム(167g/100ml(25℃))、また、クエン酸はpH緩衝能が発揮されるpHが複数あるため(水素イオンの価数が多い:pKa1=3.13、pKa2=4.76、pKa3=6.40)より好ましい。
従って、前記キレート剤として、クエン酸を用いることで、水への溶解度が高く、pH緩衝能も高くなるため、酸素センサとしての寿命が向上する。
ホルダー9は、その内部に正極45、負極8及び電解液7を収容するように構成されている。ホルダー9の材質は特に限定されないが、ABS樹脂が好適に用いられる。
正極45は、ホルダー9内に収容されている。正極45の材質は、正極上の電気化学的な酸素の還元によって電流が生じれば特に限定されないが、金(Au)、銀(Ag)、白金(Pt)あるいはチタン(Ti)など酸化還元に活性な触媒が好適に用いられる。
負極8は、前記ホルダー9内に収容されている。
負極8はSnを主成分に含んでいるが、本発明の要旨を逸脱しない限りにおいて、前記Snを主成分としている金属以外の金属やその他不純物が含まれていてもよい。前記Snを主成分としている金属以外の金属やその他不純物として、In、Au、Bi、Na、S、Se及びCa等が挙げられる。
前記負極8は、Sn合金であることが好ましい。
Sn合金としては、Sn−Ag合金、Sn−Cu合金、Sn−Ag−Cu合金、Sn−Sb合金が挙げられる。
これらのSn合金は酸素センサにおける電気化学的な酸素の還元反応時において、水素の発生を抑制することができる。
前記Sn合金は、Sn−Sb合金であることがより好ましい。
Sn−Sb合金は、他のSn合金と比べて、Snの金属組織が緻密化し、α−Sn(別名:スズベスト)への変態(相転移)を抑えることができるため、低温(例えば、0℃)でのセンサ駆動が可能になると考えられる。従って、低温でもセンサの出力安定性の低下を抑制することができると考えられる。
前記負極8(好ましくはSn合金、より好ましくはSn−Sb合金)は、実質的に鉛を含まないことが好ましい。
ここでいう「実質的に鉛を含まない」とは、負極8中に含まれるPbの含有量が1000ppm未満であることをいう。このような負極8を用いることで、EU(欧州連合)での特定有害物質の使用規制に関する指令[いわゆるRoHS指令(Restriction of the Use of Certain Hazardous Substances in Electrical and Electronic Equipment)]にも対応可能な電気化学式酸素センサを得ることができる。
前記Sn−Sb合金中のSbの含有量は、本発明の要旨を逸脱しない限りにおいて、特に限定されない。
本発明において、Sn−Sb合金中のSbの含有量は、測定する負極8の任意の箇所に対して、EDX分析(ビーム径:1mm)を行い、そこで測定される金属元素全体に対するSbの質量%である。
本実施形態に係るガルバニ電池式酸素センサは、より具体的には、図1に示すように、ホルダー9と、前記ホルダー9内に収容された正極45、負極8及び電解液7と、前記正極45上に設けられた隔膜4Aと、前記隔膜4A上に設けられた保護膜3と、前記保護膜3を固定する第1ホルダー蓋(中蓋)1と、前記ホルダー9と前記中蓋1との間に配置されるO−リング2と、前記中蓋1を固定する第2ホルダー蓋(外蓋)10と、前記正極45及び負極8に直列に連結された補正抵抗14及び温度補償用サーミスタ15と、を備える。また、前記外蓋10と前記中蓋1とで構成されるホルダー蓋101には、前記保護膜3に通ずる酸素供給経路(空間)となる貫通孔16が設けられる。
ホルダー9は、上部に開口を有し、該開口の外周に、ネジ山及びネジ溝からなり、外蓋10を螺合するためのネジ部が設けられている。
正極45は、酸素を電気化学的に還元する触媒電極4Bと、その電解液7側に配置された正極集電体5とから構成される。触媒電極4Bとしては、通常、金(Au)、銀(Ag)、あるいは白金(Pt)等が使用され、正極集電体5としては、通常、チタン(Ti)が使用されるが、いずれの材質もこれらに限定されるものではない。
前記正極集電体5の下側には、これを保持する正極集電体保持部13が設けられている。
この正極集電体保持部13には、正極45に電解液を供給するための穿孔11及び正極リード線6を通すための穿孔12が設けられている。
正極集電体保持部13の材質は特に限定されるものではないが、通常、ABS樹脂が使用される。
本実施形態における隔膜4Aは、触媒電極4Bに到達する酸素が多くなりすぎないように、酸素の侵入を制御するために配置される。隔膜4Aとしては、酸素を選択的に透過させると共に、酸素ガスの透過量を制限できるものが好ましい。隔膜4Aの材質や厚さは特に限定されるものではないが、通常、四フッ化エチレン樹脂,四フッ化エチレン六フッ化プロピレンコポリマー等のフッ素樹脂、ポリエチレン等のポリオレフィン等が使用される。隔膜4Aは、多孔膜、無孔膜、更には、キャピラリー式と呼ばれる毛細管が形成された孔も含むものとする。
本実施形態における保護膜3は、隔膜4A上に設けられる多孔性樹脂膜であり、該隔膜4Aへのゴミ、チリの付着あるいは、水膜付着を防止し、空気(酸素を含む)を透過する機能を有する。保護膜3の材質は特に限定されるものではないが、通常、四フッ化エチレン樹脂等のフッ素樹脂が使用される。
本実施形態における中蓋1は、保護膜3及び正極45の押圧端板として機能するものであり、ホルダー9と外蓋10とのネジ締めによって、O−リング2を介してホルダー9に押し付けられることで、気密性及び液密性を保持した状態で保護膜3及び正極45を前記ホルダー9に固定できるようになっている。中蓋1の材質は特に限定されるものではないが、通常、ABS樹脂、ポリプロピレン、ポリカーボネート、フッ素樹脂等が使用される。
本実施形態におけるO−リング2は、ホルダー9と中蓋1との間に配置され、ホルダー9と外蓋10とのネジ締めによって押圧されて変形することで、気密性及び液密性を保持できるようになっている。O−リング2の材質は特に限定されるものではないが、通常、ニトリルゴム、シリコーンゴム、エチレンプロピレンゴム、フッ素樹脂等が使用される。
本実施形態における外蓋10は、O−リング2及び中蓋1と共に、ホルダー9の開口を密閉するように構成されており、ホルダー9の開口の外周部に形成されたネジ部と螺合するように、内周部にネジ部が形成されている。外蓋1の材質は特に限定されるものではないが、通常、ABS樹脂、ポリプロピレン、ポリカーボネート、フッ素樹脂等が使用される。
なお、本発明は上述した実施形態に限られるものではなく、その技術的思想の範囲内で種々の変更が可能である。
例えば、図1における記号1〜16は、これに限定されることなく、酸素センサとしての機能及び前述した酸素供給経路を備えていれば、各種設計変更が可能である。
また、本実施形態では、ガルバニ電池式酸素センサを用いて説明したが、本発明は、定電位式酸素センサにも適用することができる。
定電位式酸素センサは、正極と負極との間に一定電圧を印加するセンサであり、印加電圧は各電極の電気化学特性や検知するガス種に応じて設定される。定電位式酸素センサでは正極と負極の間に適当な一定電圧を印加すると、その間に流れる電流と酸素ガス濃度とは比例関係を有するので、電流を電圧に変換すれば、ガルバニ電池式酸素センサと同様に、電圧を測定することによって未知の気体の酸素ガス濃度を検出することができる。
次に、本発明を実施例に基づいて更に具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(予備実験)
前記キレート剤としてクエン酸、前記キレート剤の塩としてクエン酸三カリウム、前記無機酸塩としてリン酸水素二ナトリウムを用い、それぞれモル濃度及びpHを変化させた表1に示す電解液A〜Hを作製した。
また、前記作製した電解液A〜Hに対し、キレート剤の析出があるか、電解液の透明度を目視で評価した。なお、電解液の透明度が純水と同等レベルである場合は「析出なし(無)」、純水よりも少しでも白い場合は「析出あり(有)」と判断した。
その結果を表1に併せて示す。
Figure 2019066330
表1からわかるように、電界液がリン酸水素二ナトリウムを含む場合、pH3.0以上で、クエン酸濃度を3.0Mまで上げても析出が確認されないことがわかった。なお、リン酸水素二ナトリウムを用いない場合は、クエン酸濃度が最大で1.72までしか上げることができなかった。
(実施例1)
図1に示すガルバニ電池式酸素センサを作製した。なお、図1において、中蓋1はABS樹脂製、保護膜3は多孔性の四フッ化エチレン樹脂製シート、隔膜4Aは四フッ化エチレン六フッ化プロピレンコポリマー膜、触媒電極4Bは金、正極集電体5はチタン製、正極リード線6はチタン製、正極集電体5と正極リード線6は溶接して一体化してある。
また、電解液7は電解液Hとし、負極8はSn−Sb合金製(Sb含有量は0.3質量%)、ホルダー9はABS樹脂製、外蓋10はABS樹脂製であり、ホルダー9および外蓋10には、それぞれネジが切られている。
中蓋1、O−リング2、四フッ化エチレン樹脂製シート(保護膜)3、四フッ化エチレン六フッ化プロピレンコポリマー膜の隔膜4A、触媒電極4B、正極集電体5は、ホルダー9と外蓋10とのネジ締めによって押圧され良好な接触状態が保持される。中蓋1は押圧端板として機能し、また、O−リング2によって気密、液密性が確保されている。
11は正極および隔膜への電解液供給用の穿孔、12は正極集電体のチタンリード線部分を通すための穿孔である。
(比較例1)
電解液7は電解液Cとし、その他は実施例1と同様の図1に示すガルバニ電池式酸素センサを作製した。
[特性比較]
前記作製した複数の酸素センサを、温度40℃中、100%酸素ガスを通気して加速的寿命試験を行った。40℃では、室温時の約2倍電気化学反応が進行する。100%酸素ガス通気では、大気中での約5倍の電気化学反応が進行する。このため、温度40℃中で100%酸素ガス通気では、大気中で室温放置時の約10倍のスピードで寿命判断が可能である。本試験では電解液のpHを随時測定し、測定開始から電解液のpHが急激に高くなる手前までの時間を寿命(稼動時間)とする。比較例1の寿命を1.0する。実施例1の寿命を、比較例1の寿命に対する比で評価した。
表1にその結果を示す。
Figure 2019066330
表2の結果から以下のことが考察される。
リン酸塩を含む実施例1は、リン酸塩を含まない比較例1よりも寿命が1.5倍向上している。これは実施例1では、電解液がリン酸水素二ナトリウムを含むため、pH3.0以上で、クエン酸濃度を3.0Mまで上げても析出が確認されず高いモル濃度で電解液を構成できたためと考えられる。
1 第1ホルダー蓋(中蓋)
2 O−リング
3 保護膜
4A 隔膜
4B 触媒電極
5 正極集電体
6 正極リード線
7 電解液
8 負極
9 ホルダー
10 第2ホルダー蓋(外蓋)
11 電解液供給用の穿孔
12 リード線用の穿孔
13 正極集電体保持部
14 補正抵抗
15 温度補償用サーミスタ
16 貫通孔
45 正極
101 ホルダー蓋

Claims (1)

  1. ホルダーと、
    前記ホルダー内に収容された正極、負極及び電解液を備え、
    前記負極はSnを主成分に含み、
    前記電解液は、キレート剤と塩基性を示す無機酸塩が含まれている電気化学式酸素センサ。



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