JP2019066245A - 接触端子、接触端子を備えた検査治具、及び接触端子の製造方法 - Google Patents

接触端子、接触端子を備えた検査治具、及び接触端子の製造方法 Download PDF

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秀和 山崎
Hidekazu Yamazaki
秀和 山崎
滋樹 坂井
Shigeki Sakai
滋樹 坂井
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Abstract

【課題】優れた導通接触性及び耐久性等を得ることが容易な接触端子、接触端子を備えた検査治具、及び接触端子の製造方法を提供する。【解決手段】導電性を有する素材により棒状に形成された中心導体2と、当該中心導体2の先端面に立設されたカーボンナノチューブ構造体4とを備えている。【選択図】図2

Description

本発明は、基板等の検査に使用される接触端子、この接触端子を備えた検査治具、及び前記接触端子の製造方法に関する。
従来より、中間位置にばね部が形成された筒状体(円筒部材)に円柱状の中心導体(棒状部材)が挿通された検査装置用の接触端子、及びこの接触端子を用いた検査治具が知られている(例えば、特許文献1参照)。この接触端子は、筒状体から中心導体の先端部を突出させた状態で、筒状体の一端付近に中心導体の本体部が溶着、又はカシメ加工される等により固着されている。これにより、筒状体の他端部が電極部に接触し、中心導体の先端部が検査対象に当接した状態となると、ばね部の弾性復元力に応じて、筒状体の他端部が電極部側に付勢されるとともに、中心導体の先端部が検査対象側に付勢されて、電極部及び検査対象に対する接触端子の接触状態が安定化されるようになっている。
特開2013−53931号公報
ところで、上述のように中心導体の先端部を検査対象に当接させて検査を行う場合に、検査対象に対する中心導体の当接圧が低いと、検査対象の被検査点と接触端子とを適正に導通接触させることできない可能性がある。これを防止するためには、検査対象の被検査点に対する中心導体の当接圧を、充分に高い値とする必要がある。
しかし、被検査点に対する中心導体の当接圧が高いと、被検査点に対して中心導体が強固に圧接されることにより、被検査点に打痕が生じ易いという問題がある。また、中心導体の先端部に形成された酸化防止用の金メッキ等が剥がれ易く、充分な耐久性が得られないという問題があった。
本発明の目的は、優れた導通接触性及び耐久性等を得ることが容易な接触端子、接触端子を備えた検査治具、及び接触端子の製造方法を提供することを目的とする。
本発明に係る接触端子は、導電性を有する素材により棒状に形成された中心導体と、当該中心導体の先端面に立設されたカーボンナノチューブ構造体とを備えている。
この構成によれば、検査対象の被検査点に対する接触端子の当接圧をそれほど高く設定することなく、CNT構造体の先端部を被検査点に弾性的に圧接させることにより、接触端子の先端部と被検査点とを導通接続することができる。したがって、被検査点に中心導体が強固に圧接されることに起因して、被検査点に打痕が生じたり、中心導体の先端部に形成された酸化防止用の金メッキが剥がれる等によって接触不良が生じたりすることなく、接触端子と被検査点とを適正に導通接続することができる。しかも、優れた導通接触性及び耐久性等を有する接触端子が容易に得られるという利点がある。
また、前記中心導体の先端部には、先窄まりのテーパ部が形成され、該テーパ部の先端面に前記カーボンナノチューブ構造体が立設された構成としてもよい。
この構成によれば、カーボンナノチューブ構造体の直径が大きくなるのを抑制するこができる。このため、カーボンナノチューブ構造体が被検査点に当接して変形した場合に、これが隣接する接触端子のカーボンナノチューブ構造体に接触すること等を効果的に防止することができる。
また、前記中心導体の先端面には、鉄、アルミニウム合金、及びチタンの少なくとも一部を有する被覆層が形成された構成としてもよい。
この構成によれば、中心導体の先端面上に、カーボンナノチューブの集合体からなるカーボンナノチューブ構造体を容易かつ適正に立設することができるため、優れた導通接触性及び耐久性等を有する接触端子が容易に得られるという利点がある。
また、前記中心導体の先端面には、鉄、アルミニウム、及びチタンの少なくとも一部が含浸されていることが好ましい。
この構成によれば、触媒を構成する鉄の粒子を安定して保持させることができるため、この触媒の存在下で、複数本のカーボンナノチューブを効率よく化学気相成長させることにより、中心導体の先端面上にカーボンナノチューブ構造体が適正に立設された接触端子が容易に得られるという利点がある。
本発明に係る検査治具は、接触端子と、当該接触端子を支持する支持部材とを備えたものである。
この構成によれば、検査治具を使用して検査対象の検査を行う際に、被検査点に中心導体が強固に圧接されて被検査点に打痕が生じるおそれを低減することができる。しかも、接触端子と被検査点とを効果的に導通接続させて、検査対象の検査を適正に行うことができる。
本発明に係る接触端子の製造方法は、導電性及び耐熱性を有する素材からなり、外周面にフォトレジスト層が形成された柱状の中心導体を形成する中心導体形成工程と、前記中心導体の先端面を含む中心導体の表面に触媒担持用の担体層を配設する担体層配設工程と、前記担体層上にカーボンナノチューブ構造体生成用の触媒を担持させる触媒担持工程と、前記中心導体の外周面に形成された前記担体層及び触媒とともに前記フォトレジスト層を除去するフォトレジスト層除去工程と、前記中心導体の先端面上に、前記触媒の存在下で複数本のカーボンナノチューブを化学気相成長させてカーボンナノチューブ構造体を生成するカーボンナノチューブ構造体生成工程とを備えたものである。
この構成によれば、導電性を有する素材により棒状に形成された中心導体と、当該中心導体の先端面に立設されたカーボンナノチューブ構造体とからなり、優れた導通接続性及び耐久性等を有し、検査治具用として好適に使用できる接触端子を容易に製造できるという利点がある。しかも、中心導体の外周面に形成された担体層及び触媒とともにフォトレジスト層を除去することにより、先端接続部の端面にのみ担体層及び触媒が配設された中心導体が得られる。したがって、カーボンナノチューブ構造体生成工程においてカーボンナノチューブ構造体を生成する際に、先端接続部の端面以外の部分、例えば中心導体の外周面等にカーボンナノチューブ構造体が生成されるのを防止して、検査治具用として好適に使用できる接触端子を適正に製造することができる。
また、前記中心導体形成工程において、前記導電性及び耐熱性を有する素材からなる長尺の棒状体の外周面に前記フォトレジスト層を形成した後、前記棒状体を前記中心導体の製品長さに対応した寸法に切断することにより棒状の前記中心導体を形成するようにしてもよい。
この構成によれば、例えば先端接続部の端面に付着したフォトレジスト層形成用のマスキング材を除去する等の操作を要することなく、先端面が露出した中心導体を形成することが可能であるという利点がある。
このような構成の接触端子及び検査治具によれば、優れた導通接触性及び耐久性等が容易に得られることになる。また、このような構成の製造方法によれば、優れた導通接触性及び耐久性等を有する接触端子及び検査治具を容易に製造することができる。
本発明に係る接触端子を筒状体と中心導体とに分解した状態を示す説明図である。 図1に示す接触端子の要部の構成を示す斜視図である。 図1に示す接触端子の製造工程を示す説明図である。 図1に示す接触端子の成形過程を示す説明図である。 図1に示す接触端子を基板検査装置の検査治具として使用した例を示す説明図である。 中心導体の変形例を示す部分拡大説明図である。 CNT構造体の変形例を成形する成形過程を示す斜視図である。 図7に示す成形過程を経て成形されたCNT構造体の構成を示す斜視図である。
以下、本発明に係る実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において同一の符号を付した構成は、同一の構成であることを示し、その説明を省略する。
図1は、本発明に係る接触端子10を筒状体1と中心導体2とに分解した状態を示す説明図、図2は、図1に示す接触端子10の要部の構成を示す斜視図、図3は、接触端子10の製造方法を示す工程図、図4は、図1に示す接触端子10の製造過程を示す説明図、図5は、図1に示す接触端子10を基板検査装置の検査治具3として使用した例を示す断面図である。
接触端子10は、ニッケルあるいはニッケル合金等の導電性を有する素材により円筒状に形成された筒状体1と、タングステン等の導電性を有する素材により断面円形の棒状に形成された中心導体2とを有している。
筒状体1の内周面には、金メッキ等のメッキ層が必要に応じて施され、かつ筒状体1の外周面には、絶縁被覆が必要に応じて形成されている。また、筒状体1の両端部を除く部分には、筒状体1の軸方向に伸縮する螺旋状のばね部11が所定長さに亘って形成されている。例えば、図示を省略したレーザ加工機から筒状体1の周壁にレーザ光が照射されて、螺旋溝12が形成されることにより、筒状体1の周面に沿って螺旋状に延びる螺旋状体からなるばね部11が構成される。
なお、筒状体1の周壁を例えばエッチングして螺旋溝12を形成することにより、螺旋状体からなるばね部11を設けてもよい。また、例えば電鋳により筒状体1の周壁に螺旋溝12を形成することによっても、ばね部11を設けることができる。
中心導体2は、筒状体1内に挿入された状態で設置される断面円形の棒状本体21と、筒状体1の外部に突出した状態で設置される断面円形の先端接続部22とを有している。中心導体2の先端面、つまり先端接続部22の端面には、カーボンナノチューブ構造体(以下、CNT構造体という)4が立設されている。
棒状本体21は、その外径が筒状体1の内径よりもやや小さい値、例えば30μm〜10μm程度に設定されることにより、筒状体1内に挿入可能に構成されている。そして、棒状本体21が筒状体1内に挿入された状態で、筒状体1にカシメ加工が施される等により、棒状本体21と筒状体1とが一体に連結されるように構成されている。
先端接続部22の端面には、CNT構造体4を生成するための触媒42が表面に担持された担体層41が配設されている。この担体層41は、アルミニウム合金等により10μm程度の厚みを有する膜状に形成され、先端接続部22の端面に蒸着される等の手段で固着されている。また、触媒42は、鉄等により1μm程度の厚みを有する膜状に形成され、担体層41の表面に蒸着される等の手段で固着されている。
なお、先端接続部22の端面には、担体層41が設けられていなくてもよく、触媒42が設けられていなくてもよい。
CNT構造体4は、従来周知のCVD装置、つまり加熱された基板上でガスを化学変化させて堆積させることにより薄膜を形成する装置を使用して、触媒42の存在下で単層または複層のカーボンナノチューブ40を複数本まとめて化学気相成長させることにより構成されたカーボンナノチューブ40の集合体からなっている。
カーボンナノチューブ40は、1nm〜20nmの外径と、200μm〜2mmの立設長さとを有している。なお、カーボンナノチューブ40の立設長さの好ましい範囲は200μm〜500μmである。このカーボンナノチューブ40の集合体により構成されたCNT構造体4は、優れた導電性及び柔軟性と適度の保形性と有している。
接触端子10の製造方法は、図3に示すように、導電性及び耐熱性を有する素材からなり、外周面にフォトレジスト層23(図4(a)参照)が形成された柱状の中心導体を形成する中心導体形成工程K1と、中心導体2の先端面を含む中心導体2の表面に触媒担持用の担体層41(図4(b)参照)を配設する担体層配設工程K2と、担体層41にCNT構造体生成用の触媒42(図4(c)参照)を担持させる触媒担持工程K3と、図4(d)に示すように、中心導体2の外周面に形成された担体層41及び触媒42とともにフォトレジスト層23を除去するフォトレジスト層除去工程(以下、F層除去工程という)K4と、触媒42の存在下で複数本のカーボンナノチューブ40を化学気相成長させてCNT構造体4(図4(e)参照)を、中心導体2の先端面上に生成するCNT構造体生成工程K5とを備えている。
中心導体形成工程K1では、タングステン等からなる棒状体を中心導体2の製品長さに対応した寸法に切断することにより、所定長さを有する棒状の中心導体2を形成する。その後、アセトン等からなる剥離溶剤により溶解可能なマスキング材、例えばレジストインク等を、中心導体2の外周面に吹き付ける等により、図4(a)に示すように、数μm程度の厚みを有するフォトレジスト層23を形成する。
フォトレジスト層23を形成する際には、中心導体2の先端面にマスキング材が付着しないように注意する必要がある。なお、中心導体2の外周面にフォトレジスト層23を形成した後、中心導体2の先端面に付着したマスキング材を除去し、あるいは中心導体2の先端部を切除することにより、中心導体2先端面を露出させるようにしてもよい。
次いで、担体層配設工程K2において、図4(b)に示すように、中心導体2の先端面を含む中心導体2の表面に、アルミニウム合金を蒸着させる等により、触媒担持用の担体層41を配設する。また、触媒担持工程K3において、図4(c)に示すように、担体層41上に鉄を蒸着させる等によりCNT構造体生成用の触媒42を担持させる。
その後、F層除去工程K4において、アセトン等の溶剤を使用してフォトレジスト層23を溶解させることにより、中心導体2の外周面上に形成された担体層41及び触媒42とともにフォトレジスト層23を除去する(図4(d)参照)。
フォトレジスト層23の表面を覆う担体層41及び触媒42は、その膜厚が極めて薄く、かつ目が粗く形成されている。このため、前記溶剤によるフォトレジスト層23の溶解作用に支障が生じることはない。したがって、中心導体2の外周面上に形成された担体層41及び触媒42が、フォトレジスト層23とともに除去されることにより、図4(d)に示すように、先端面にのみ担体層41及び触媒42が配設された中心導体2を形成することができる。
次いで、CNT構造体生成工程K5において、図外のCVD装置を使用してカーボンが含まれる炭化水素、なかでも低級炭化水素、例えばメタン、エタン、プロパン、エチレン、プロピレン、アセチレン等を注入して500℃以上の温度に加熱する。これにより、図4(e)に示すように、触媒42の存在下で、単層または複層のカーボンナノチューブ40が複数本まとめて化学気相成長して、カーボンナノチューブ40の集合体からなるCNT構造体4が中心導体2の先端面上に生成される。
カーボンナノチューブ40を化学気相成長させる際には、例えばヘリウム、アルゴン、水素、窒素、ネオン、クリプトン、二酸化炭素、塩素等のカーボンナノチューブ40と反応しない雰囲気ガスを使用することが好ましい。また、反応の雰囲気圧力は、10Pa以上で10Pa以下であることが好ましく、10Pa以上で3×10Pa以下であることがさらに好ましく、5×10Pa以上で9×10Pa以下であることが特に好ましい。
なお、CNT構造体生成工程K5において、レーザ加工機を使用したレーザ加工又はカッターブレードを使用した機械加工等の手段により、CNT構造体4の先端部を切除するようにしてもよい。これにより、CNT構造体4を構成する各カーボンナノチューブ40の先端部がばらばらになっている場合等に、この先端部が切除されてCNT構造体4の先端部が平坦に揃えられることになる。
このようにして、優れた導電性及び柔軟性と適度の保形性と備えたカーボンナノチューブ40の集合体からなるCNT構造体4が、中心導体2の先端面、つまり先端接続部22の端面に立設されることになる。そして、ユーザーが中心導体2の棒状本体21を筒状体1内に挿入し、必要に応じて筒状体1をカシメ加工する等により、筒状体1と中心導体2と一体に連結された接触端子10が製造される。
上述の化学気相成長法によりCNT構造体4を製造する際に、鉄からなる触媒42の担体層41として、多くの空隙を有するアルミナ等のアルミニウム合金を用いた場合には、800℃程度の高温に加熱されて還元されるとともに、所定径に粒状化された鉄粒子を適正に保持できるという利点がある。しかも、触媒42の担体層41としてアルミニウム合金を用いることにより、CNT成長レートを増大させ、カーボンナノチューブ40の成長を促進することができるとともに、基材となる中心導体2に対する触媒42の密着性を向上させることができる。
なお、前記アルミニウム合金に代え、中心導体2の先端面を含む中心導体2の表面に、チタンを1μm程度の層厚で蒸着させる等により担体層41を形成してもよい。この場合、450℃程度の比較的低温の雰囲気下で、アセチレン等の炭素を含む原料ガスを投入することにより、鉄を適正に還元することが可能である。しかも、鉄粒子の直径が、カーボンナノチューブ40を高密度に集積させるのに適した粒径、例えば数nm〜数十nmに形成されると予想される。
そして、上述の触媒42を構成する鉄、及び担体層41を構成するアルミニウム合金、及びチタンの少なくとも一部を有する被覆層が先端面に形成された中心導体2が得られる。また、CNT構造体生成工程K5において、中心導体2が500℃以上の温度に加熱されることにより、触媒42を構成する鉄、及び触媒担持用の担体層41を構成するアルミニウム合金、及びチタンの少なくとも一部が、中心導体2の先端面に含浸されることになる。
なお、最終的に、中心導体2の先端面から触媒42が消失した状態となっていてもよく、中心導体2の先端面から担体層41が消失した状態となっていてもよい。
上述のようにして製造された接触端子10が、図5に示すように、支持部材31及びベースプレート321に支持されることにより検査治具3が構成される。この検査治具3は、例えばガラスエポキシ基板、フレキシブル基板、セラミック多層配線基板、液晶ディスプレイやプラズマディスプレイ用の電極板、タッチパネル用等の透明導電板、及び半導体パッケージ用のパッケージ基板やフィルムキャリア等からなる検査対象8の検査等に使用される。
支持部材31は、例えば板状の支持プレート31a,31b,31cが積層されることにより構成されている。図5の上方側に位置する支持プレート31aが支持部材31の前端側となり、図5の下方側に位置する支持プレート31cが支持部材31の後端側となるように配設されている。そして、支持プレート31a,31b,31cを貫通するように、複数の貫通孔Hが形成されている。
支持プレート31b及び支持プレート31cには、所定径の開口孔からなる挿通孔部Haがそれぞれ形成されている。また、支持プレート31aには、挿通孔部Haよりも小径の貫通孔からなる小径部Hbが、検査対象8である基板の被検査点81と対向する部位に形成されている。そして、支持プレート31aの小径部Hbと、支持プレート31b及び支持プレート31cの挿通孔部Haとが連通されることにより、接触端子10の設置部となる貫通孔Hが形成されている。
なお、支持部材31は、板状の支持プレート31a,31b,31cが積層されて構成される例に限らず、例えば一体の部材に、小径部Hb及び挿通孔部Haからなる貫通孔Hが設けられた構成としてもよい。また、支持部材31の支持プレート31b,31cが互いに積層された例に代え、支持プレート31bと支持プレート31cとが互いに離間して配設された状態で、例えば支柱等により連結された構成としてもよい。
支持プレート31cの後端側には、例えば絶縁性の樹脂材料により構成されたベースプレート321が取り付けられ、このベースプレート321により貫通孔Hの後端側開口部、つまり挿通孔部Haの後端面が閉塞されている。ベースプレート321には、貫通孔Hの後端側開口部に対向する位置において、ベースプレート321を貫通するように配線34が取り付けられている。支持プレート31cに対向するベースプレート321の前端側面と、配線34の端面とが面一になるように設定されている。この配線34の端面が、電極34aとされている。
上述のように接触端子10が支持部材31に支持された状態で、接触端子10の先端部、具体的には、CNT構造体4の先端部が、基板等からなる検査対象8に設けられた配線パターンや半田バンプ等の被検査点81に圧接される。そして、接触端子10に作用する圧力に応じて、筒状体1のばね部11が圧縮された状態となる。
この結果、CNT構造体4の先端部が被検査点81に弾性的に圧接されて接触端子10の先端部と被検査点81とが導通接続される。また、筒状体1の他端部が電極34aに圧接されて接触端子10の基端部と電極34aとが導通接続されることになる。
上述のように、カーボンナノチューブ40の集合体からなるCNT構造体4が、導電性を有する素材により棒状に形成された中心導体2の先端面に立設されてなる接触端子10によれば、検査対象8の被検査点81に対する接触端子10の当接圧をそれほど高く設定することなく、CNT構造体4の先端部を被検査点81に弾性的に圧接させることにより、接触端子10の先端部と被検査点81とを導通接続することができる。
したがって、特許文献1に示される従来技術のように被検査点81に中心導体の先端部が強固に圧接されることに起因して、被検査点81に打痕が生じたり、中心導体の先端部に形成された酸化防止用の金メッキが剥がれる等によって接触不良が生じたりすることなく、接触端子10と被検査点81とを適正に導通接続することができる。しかも、優れた導通接触性及び耐久性等を有する接触端子10が容易に得られるという利点がある。
なお、CNT構造体4を構成するカーボンナノチューブ40の一部が変形した場合には、このカーボンナノチューブ40を被検査点81に当接させることができない可能性がある。しかし、CNT構造体4を構成する他のカーボンナノチューブ40を被検査点81に当接させることにより、接触端子10と被検査点81との導通接続性を確保することが可能である。
上述の接触端子10、及びこの接触端子10を備えた検査治具3によれば、検査対象8の検査を行う際に、被検査点81に中心導体20が強固に圧接されることはない。このため、被検査点81に打痕が生じるおそれが低減されるとともに、接触端子10と被検査点81とを効果的に導通接続させて、検査対象8の検査を適正に行うことができるという利点がある。
また、図3に示すように、導電性及び耐熱性を有する素材により中心導体2を形成するとともに、この中心導体2の外周面にフォトレジスト層23を形成する中心導体形成工程K1と、中心導体2の先端面を含む中心導体2の表面に触媒担持用の担体層41を配設する担体層配設工程K2と、担体層41上にCNT構造体生成用の触媒42を担持させる触媒担持工程K3と、中心導体2の外周面に形成された担体層41及び触媒42とともにフォトレジスト層23を除去するF層除去工程K4と、中心導体2の先端面上に、触媒42の存在下で複数本のカーボンナノチューブ40を化学気相成長させてCNT構造体4を生成するCNT構造体生成工程K5とを備えた接触端子10の製造方法によれば、優れた導通接続性及び耐久性等を有し、検査治具3用として好適に使用できる接触端子10を容易に製造できるという利点がある。
すなわち、F層除去工程K4において、中心導体2の外周面に形成された担体層41及び触媒42とともにフォトレジスト層23を除去することにより、先端接続部22の端面にのみ担体層41及び触媒42が配設された中心導体2が得られることになる。したがって、CNT構造体生成工程K5においてCNT構造体4を生成する際に、先端接続部22の端面以外の部分、例えば中心導体2の外周面等にCNT構造体4が生成されるのを防止して、検査治具3用として好適に使用できる接触端子10を適正に製造することができる。
なお、中心導体2の先端面に配設された触媒42の存在下で、複数本のカーボンナノチューブ40を化学気相成長させて、中心導体2の先端面上にCNT構造体4を直接、生成するように構成した上述の実施形態に代え、別体に形成したCNT構造体4を中心導体2の先端面上に接着する等の手段で固着することも考えられる。
しかし、上述の実施形態に示すように、触媒42を構成する鉄、及び担体層41を構成するアルミニウム合金、及びチタンの少なくとも一部を有する被覆層を中心導体2の先端面に形成した場合には、中心導体2の先端面上に、カーボンナノチューブ40の集合体からなCNT構造体4を容易かつ適正に立設することができる。このため、優れた導通接触性及び耐久性等を有する接触端子10が容易に得られるという利点がある。
また、CNT構造体生成工程K5において、中心導体2を500℃以上の温度に加熱する等により、触媒42を構成する鉄、及び触媒担持用の担体層41を構成するアルミニウム合金、及びチタンの少なくとも一部を、中心導体2の先端面に含浸させた場合には、触媒42を構成する鉄の粒子を安定して保持させることができる。したがって、この触媒42の存在下で、複数本のカーボンナノチューブ40を効率よく化学気相成長させて、中心導体2の先端面上にCNT構造体4を適正に立設させることが可能である。
上述の実施形態では、ニッケルあるいはニッケル合金等の導電性を有する素材により円筒状に形成された筒状体1と、タングステン等の導電性を有する素材により断面円形の棒状に形成された中心導体2とにより接触端子10を構成した例について説明したが、この構成に代えて種々の変更が可能である。
図6は、中心導体2の変形例を示す部分拡大説明図、図7は、CNT構造体4の変形例を成形する成形過程を示す斜視図、図8は、図7に示す成形過程を経て成形されたCNT構造体4の構成を示す斜視図である。
図6に示す中心導体2の変形例では、中心導体2の先端接続部22aに先窄まりのテーパ状部24が設けられ、このテーパ状部24の先端面に、CNT構造体4が立設されている。この構成によれば、CNT構造体4の直径が大きくなるのを抑制するこができる。このため、CNT構造体4が被検査点81に当接して変形した場合に、これが隣接する接触端子10のCNT構造体4に接触すること等を防止できるという利点がある。
また、直径30μm〜100μm程度のステンレス鋼からなる弾性を有するピアノ線からなる中心導体と、この中心導体の外周面を覆う絶縁部とを備えたニードルタイプの接触端子や、いわゆるワイヤープローブ等についても本発明を適用可能である。
さらに、中心導体2の一端部側に設けられた先端接続部22の端面にCNT構造体4を立設した上述の実施形態に代え、中心導体2の両端部に設けられた接続部の先端面に、CNT構造体4をそれぞれ立設した構造としてもよい。そして、両CNT構造体4の一方を、検査対象8の被検査点81に圧接させるとともに、両CNT構造体4の他方を電極34aに圧接させた状態で、検査対象8の検査を行うように構成してもよい。
なお、CNT構造体生成工程K5において形成された複数本のカーボンナノチューブ40の間に、図7に示すように、例えば水、アルコール類(イソプロパノール、エタノール、メタノール)、アセトン類(アセトン)、ヘキサン、トルエン、シクロヘキサン、DMF(ジメチルホルムアミド)等からなる液滴Eを垂らすことにより液体にさらした後、これを室温下で自然乾燥、真空に引き乾燥、又はホットプレートなどで加熱する等により乾燥させるようにしてもよい。
これにより、液滴Eの表面張力と、カーボンナノチューブ40間に生じるファンデルワールス力とに応じてジッパー効果が発現されるため、各カーボンナノチューブ40同士が引き寄せられて収束される。このとき、CNT構造体4の基端部は中心導体2の先端面にそれぞれ固着されているため、図8に示すように、中心導体2の先端面から立ち上がるCNT構造体4の立ち上り部分よりも、CNT構造体4の中間部分及びその上方側部分が顕著に収束されて高密度化される。
上述のように中心導体2の先端面から立ち上がるCNT構造体4の立ち上り部分よりもCNT構造体4の中間部分を高密度に収束させた場合には、複数本のカーボンナノチューブ40の集合体からなるCNT構造体4において、各カーボンナノチューブ40相互間の接触部分が増大されて電流経路が増加されることになる。これにより、接触端子10は、その導電性が果的に向上し、基板検査装置等の検査治具3として好適に使用することができる。
また、CNT構造体生成工程において成形されたCNT構造体4を囲繞するように流動性を有する充填材料を充填した後、この充填材料を硬化させて絶縁性と弾力性とを有する保形層を設けてもよい。この構成によれば、CNT構造体4の導電性を維持しつつ、より優れた強度及び耐久性を有する接触端子10が得られるという利点がある。
なお、中心導体形成工程K1において、導電性及び耐熱性を有する素材により所定長さの中心導体2を形成した後、この中心導体2の外周面にフォトレジスト層23を形成するように構成した上述の実施形態に代え、長尺の棒状体に外周面にフォトレジスト層23を形成した後、この棒状体を所定寸法に切断するようにしてもよい。
すなわち、中心導体形成工程K1において、導電性及び耐熱性を有する素材からなる長尺の棒状体の外周面にフォトレジスト層23を形成した後、この棒状体を中心導体2の製品長さに対応した寸法に切断することにより、外周面がフォトレジスト層23により被覆された中心導体2を形成するように構成してもよい。この構成によれば、先端接続部22の端面に付着したマスキング材を除去する等の操作を要することなく、先端面が露出した中心導体2を形成できるという利点がある。
1 中心導体
2 筒状体
3 検査治具
4 カーボンナノチューブ構造体
8 検査対象
10 接触端子
21 棒状本体
22,22a 先端接続部
23 フォトレジスト層
24 テーパ状部
31 支持部材
40 カーボンナノチューブ
41 担体層
42 触媒
81 被検査点

Claims (7)

  1. 導電性を有する素材により棒状に形成された中心導体と、
    当該中心導体の先端面に立設されたカーボンナノチューブ構造体とを備えている接触端子。
  2. 前記中心導体の先端部には、先窄まりのテーパ部が形成され、
    該テーパ部の先端面に前記カーボンナノチューブ構造体が立設されている請求項1記載の接触端子。
  3. 前記中心導体の先端面には、鉄、アルミニウム合金、及びチタンの少なくとも一部を有する被覆層が形成されている請求項1又は2記載の接触端子。
  4. 前記中心導体の先端面には、鉄、アルミニウム、及びチタンの少なくとも一部が含浸されている請求項1又は2記載の接触端子。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の接触端子と、
    当該接触端子を支持する支持部材とを備える検査治具。
  6. 導電性及び耐熱性を有する素材からなり、外周面にフォトレジスト層が形成された柱状の中心導体を形成する中心導体形成工程と、
    前記中心導体の先端面を含む中心導体の表面に触媒担持用の担体層を配設する担体層配設工程と、
    前記担体層上にカーボンナノチューブ構造体生成用の触媒を担持させる触媒担持工程と、
    前記中心導体の外周面に形成された前記担体層及び触媒とともに前記フォトレジスト層を除去するフォトレジスト層除去工程と、
    前記中心導体の先端面上に、前記触媒の存在下で複数本のカーボンナノチューブを化学気相成長させてカーボンナノチューブ構造体を生成するカーボンナノチューブ構造体生成工程とを備えている接触端子の製造方法。
  7. 前記中心導体形成工程において、前記導電性及び耐熱性を有する素材からなる長尺の棒状体の外周面に前記フォトレジスト層を形成した後、前記棒状体を前記中心導体の製品長さに対応した寸法に切断することにより棒状の前記中心導体を形成する請求項6記載の接触端子の製造方法。
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