JP2019066206A - 表面弾性波センサ及び測定システム - Google Patents

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Hiromi Yatsuda
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Abstract

【課題】測定装置に表面弾性波センサが挿入された際に、挿入された表面弾性波センサの検査の種類を識別することができる表面弾性波センサを提供する。【解決手段】本発明の表面弾性波センサは、表面弾性波を基板上に励起し、当該表面弾性波の特性変化により基板上の検出部に載置あるいは接触させた被検出物の物性を測定する表面弾性波センサであって、検出用前記表面弾性波とは別に、表面弾性波センサの測定対象識別のため、識別用表面弾性波を励起し、表面弾性波の伝搬特性を識別情報とする識別用表面弾性波素子を有する。【選択図】図1

Description

本発明は、表面弾性波構成素子を有する表面弾性波センサ及び測定システムに関する。
一般に、表面弾性波素子は、圧電基板と、この圧電基板上に設けられた櫛歯状電極指からなる入力電極及び出力電極を備えている。表面弾性波素子を用いたセンサとして、表面弾性波のうち、伝搬方向と直交する方向に変位するすべり表面弾性波(SH-SAW:Shear horizontal Surface Acoustic Wave、以下、単に表面弾性)を利用する表面弾性波素子を用いた各種物質の検出や物性値等の測定を行うための弾性波センサが研究されている(特許文献1参照)。
上記表面弾性波素子を備える表面弾性波センサは、例えば、インフルエンザ検査キットなどの種類の検査を行うバイオセンサとして検討されている。その反応検出部分に検体が直接触れるため、基本的に使い捨てを前提として用いられる。このため、測定システムは、一般的に、表面弾性波センサと測定装置とに分けて構成される。測定装置は、いずれの種類の検査を行う表面弾性波センサに対しても対応可能に汎用的な構成であり、入力端子に対して表面弾性波センサの入出力端子が挿入されることで、この表面弾性波センサの検出する検体の特性データを入力する。
そして、検出装置は、供給される特性データを解析して検査結果を求め、表示装置などの出力装置から検査結果を通知する。
特許第3481298号公報
しかしながら、表面弾性波センサがどの種類の検査に対応しているかは、表面弾性波センサの包装や箱に印刷やシールなどで示されているが、一旦包装や箱から取り出した後には、表面弾性波センサが対応する検査の種類の区別が付き難くなる。
このため、第1の種類の検査を行う際、異なる第2の種類の検査の表面弾性波センサを、第1の種類の検査の表面弾性波センサと取り違えて検出装置に挿入した場合、第1の種類の検査が行われず、必要な検査結果を得ることができないことになる。
本発明は、上記の課題を考慮してなされたものであって、測定装置に表面弾性波センサが挿入された際に、挿入された表面弾性波センサ検査の種類を識別することができる表面弾性波センサ及び測定システムを提供することを目的とする。
本発明の表面弾性波センサは、表面弾性波を基板上に励起し、当該表面弾性波の特性変化により前記基板上の検出部に載置あるいは接触させた被検出物の物性を測定する表面弾性波センサであって、検出用の表面弾性波である検出用表面弾性波とは別に、前記表面弾性波センサの測定対象識別のため、識別用表面弾性波を励起し、当該表面弾性波の伝搬特性を識別情報とする識別用表面弾性波素子を有することを特徴とする。
本発明の表面弾性波センサは、前記識別用表面弾性波素子が、所定の識別周波数の前記識別用表面弾性波を反射する識別反射電極を有し、当該識別反射電極からの反射特性を、表面弾性波センサの識別情報とすることを特徴とする。
この本発明によれば、測定装置に挿入された際に、表面弾性波センサの検査の種類を識別することができる表面弾性波センサ及び測定システムを提供することができる。
第1の実施形態によるID情報を搭載した表面弾性波センサを用いた測定システムの一例を示す図である。 第1の実施形態の表面弾性波センサを上面から見た上面視における概略図を示している。 ID反射電極1032の構成例を示す図である。 第1の実施形態による検出装置2の構成例を示す図である。 図2のID反射電極の配置に対応するビットテーブルを示す図である。 第2の実施形態の表面弾性波センサを上面から見た上面視における概略図である。 ID反射電極1032及びID反射電極1033の各々の構成例を示す図である。 図6のID反射電極の配置に対応するビットテーブルを示す図である。 図6のID反射電極の配置に対応する他のビットテーブルを示す図である。 ID反射電極1032の構成例を示す図である。 図2のID反射電極の反射強度に対応するビットテーブルを示す図である。 ID反射電極1032及びID反射電極1033の構成例を示す図である。 図2のID反射電極の配置に対応するビットテーブルを示す図である。 図6のID反射電極の配置に対応するビットテーブルを示す図である。
本発明は、表面弾性波センサ素子が備えられた表面弾性波センサであり、特に、検査対象の特性を検出する検出用表面弾性波素子とは別に、表面弾性波センサの検査の種類を識別するID(Identification)情報(以下、識別情報とも言う)を示す識別用表面弾性波素子を設け、この識別用表面弾性波素子における表面弾性波の周波数、表面弾性波の遅延時間または表面弾性波の信号強度の各々を、表面弾性波センサ個々の試験の種類を示すID情報として用いることを特徴としている。
<第1の実施形態>
以下、図面を参照して、第1の実施形態による識別情報を搭載した表面弾性波センサを説明する。図1は、第1の実施形態による識別情報を搭載した表面弾性波センサを用いた測定システムの一例を示す図である。測定システムは、表面弾性波センサ1、検出装置2、評価サーバ3とから構成される。この表面弾性波センサ1としては、検体(検査対象)の特性を測定するバイオセンサ、ガスの種類を測定するガスセンサ、溶液の電気特性(導電率及び比誘電率など)に基づき溶液の種類を測定する溶液検出センサなどである。すなわち、表面弾性波センサ1は、表面弾性波を基板上に励起し、当該表面弾性波の特性変化により前記基板上の検出部に載置あるいは接触させた被検出物である検査対象の物性を測定する。表面弾性波センサ1の端子1aを検出装置2の端子2aに挿入することで、検出装置2は表面弾性波センサ1から識別情報を取得し、この表面弾性波センサ1の行う検査の種類を識別する。このため、検出装置2は、例えば、表面弾性波センサ1の識別情報と表面弾性波センサ1の検査の種類を識別する種類テーブルあるいはビットテーブル(後述)を有している。検出装置2と評価サーバ3とは、有線あるいは無線で接続され、有線であれば例えばUSB(Universal Serial Bus)のケーブルを用いて接続されている。
評価サーバ3は、検出装置2に対する測定の制御、測定結果の表示及び測定結果の蓄積などを行う。また、評価サーバ3は、検出装置2から供給される表面弾性波センサの識別結果及び表面弾性波センサ1における測定結果を表示する(出力する)。
ただし、検出装置2と評価サーバ3の役割は上記形態に関わらず、検出装置2に評価サーバ3の機能を持たせることも可能であり、例えば、測定結果の表示や測定結果の蓄積を行っても良い。
図2は、本発明の第1の実施形態の表面弾性波センサを上面から見た上面視における概略図を示している。図2に示す表面弾性波センサは、反射型の表面弾性波センサ素子(表面弾性波素子)が用いられている。基板101は、材料を特に限定しないが、表面弾性波を伝搬させることが可能な材料、例えば水晶あるいはLiTaO(Lithium Tantalate)単結晶などの圧電基板で構成されている。この基板101の表面101Sには、反射型である検出用表面弾性波素子102及び識別用表面弾性波素子103の各々が形成されている。検出用表面弾性波素子102は、入出力電極1021、反射電極1022及び反応領域薄膜1023の各々を有している。識別用表面弾性波素子103は、ID入出力電極1031及びID反射電極1032の各々を有しているが、反応領域薄膜を有していない。入出力電極1021、反射電極1022、入出力電極1031及びID反射電極1032の各々は、それぞれが対向した一対の櫛歯状電極指の電極により構成される櫛形電極であり、例えばアルミニウムなどの金属薄膜をパターニングして形成している。反応領域薄膜1023は、金属薄膜であり、例えば金を蒸着して薄膜を形成し、被検出物を検出するための抗体あるいは抗原を金の薄膜の表面に固定したものである。この反応領域薄膜1023が検出領域(センサの検出面となる領域)となる。この検出領域には検体が導入される。検出装置2から入出力電極1021及び1031に電気信号が供給されることにより、電極指間に電界が発生し、圧電効果により表面弾性波が励振され、圧電基板である基板101の表面101Sを伝搬する。
反応領域薄膜1023は、基板101の表面101Sにおいて、入出力電極1021と反射電極1022との間における表面弾性波の伝搬路上に配置されている。この表面弾性波は、図2の矢印の示す方向H(入出力電極1021から反射電極1022に向かう方向)に伝搬する。
反射電極1022は、測定に用いる所定の検出周波数の表面弾性波(検出表面弾性波)を反射し、検出周波数以外の表面弾性波を透過させる特性を有する反射器である。
ID反射電極1032は、検出周波数と同一または異なる周波数であって、識別情報の取得に用いる所定の周波数である識別周波数の表面弾性波(識別表面弾性波)を反射し、識別周波数以外の表面弾性波を透過させる特性を有する反射器である。
図3は、ID反射電極1032の構成例を示す図である。図3において、表面弾性波センサ1の上面から見たID反射電極1032の平面図が示されている。櫛歯状電極指1032A及び1032Bの各々が、それぞれの櫛歯が互い違いに配置され、表面101S(図2)において対向して形成されている。櫛歯状電極指1032A及び1032Bとの各々は、パターン1032Lにより電気的に接続されている。このパターン1032Lには、トリミングが行われる領域1032Tが設けられている。領域1032Tが溶断されると、識別周波数の表面弾性波が検知できる程度のレベルで反射される。一方、櫛歯状電極指1032A及び1032Bの各々が電気的に接続された状態の場合、反射強度は反射した表面弾性波を検知できない程度のレベルに低下する。すなわち、反射の有無を検知する閾値を設け、反射された表面弾性波の強度がこの閾値以上であれば表面弾性波の反射があり、閾値未満の場合に反射がないと判定できる。
また、本実施形態においては、変形例として、上述したように表面弾性波素子を形成する基板101にトリミング領域を形成する他に、表面弾性波素子をマウントする表面弾性波センサ1(PC基板)上にトリミング領域を形成しても良い。また、他の変形例として、ID反射電極を形成するか否かにより、識別情報を表面弾性波センサ1に付与する構成としても良い。つまり、ID反射電極1032自体を形成するか否かにより識別情報を表面弾性波センサ1に付与する構成としても良く、この場合、パターン1032Lの形成は無関係となる。また、変形例として、表面弾性波センサ1のPC基板上に、櫛歯状電極指1032A及び1032Bの外部端子を設け、リード線などの導体で接続するか否かにより識別情報を設定しても良い。
上述した各変形例は、本実施形態と同様に、後述する他の実施形態の変形例として用いても良い。
図4は、本発明の第1の実施形態による検出装置2の構成例を示す図である。検出装置2は、入出力制御部21、信号制御部22、判定部23及び記憶部24の各々を備えている。検出装置2は、例えば、マイクロコンピュータ及びメモリ(記憶部24)により構成された装置であり、表面弾性波センサ1の検査項目の種類に対応した検査処理を行うアプリケーションのプログラムがインストールされている。そして、検出装置2において、入出力制御部21、信号制御部22及び判定部23の各々の機能がソフトウェアのプログラムにより検査処理を行う手段として実行される。また、記憶部24には、アプリケーションのプログラムがインストールされ、またこのプログラムにより後述する参照される表面弾性波センサ1を識別する識別情報が記憶されている。後述する他の実施形態のおいても、本実施形態と同様に、記憶部にはアプリケーションのプログラムがインストールされ、またこのプログラムにより後述する参照される表面弾性波センサ1を識別する識別情報が記憶されている。
本実施形態においては、識別情報が、反射の有無を示す有無情報である場合を一例として説明する。
入出力制御部21は、表面弾性波センサ1が検出装置2に挿入された際、表面弾性波センサ1とのデータの送受信を行う。信号制御部22は、入出力制御部21を介して、表面弾性波センサ1に対し、検出周波数及び識別周波数の電気信号を送信し、また、表面弾性波センサ1から反射電極により反射された表面弾性波に対応する電気信号を得る。信号制御部22は、反射された表面弾性波に対応する電気信号が得られた場合、周波数を示す数値を反射が有ったことを示す有無情報として判定部23に対して出力する。ここで、信号制御部22は、表面弾性波センサ1に出力した電気信号が反射されたか否かを、電気信号を出力した後の所定の遅延時間内において検出する。
また、信号制御部22は、上記所定の範囲内の遅延時間に、電気信号の反射が検出できない場合、ID反射電極が存在しないと判定し、ID反射電極からの反射がないことを示す有無情報を判定部23に対して出力する。判定部23は、得られた有無情報における周波数を示す数値が予め定められた識別周波数である場合、記憶部24の反射の有無情報を参照する。本実施形態においては、1個のID反射電極1032を配置するか否かを、検査の種類の識別情報とするため、2つの検査の種類の表面弾性波センサ1を識別する。
判定部23は、信号制御部から得られる有無情報が、記憶部24の有無情報(検査の種類の識別情報)と一致した場合、表面弾性波センサ1の検査の種類がアプリケーションプログラムの検査の種類と一致したと判定する。そして、判定部23は、アプリケーションプログラムの検査の種類に応じた表面弾性波センサ1に対する検査の処理を検出装置2に対して実行させる。
一方、判定部23は、信号制御部から得られる有無情報が、記憶部24の有無情報と一致していない場合、表面弾性波センサ1の検査の種類がアプリケーションプログラムの検査の種類と異なることを検出する。そして、判定部23は、挿入された表面弾性波センサ1に対する検査の処理を検出装置2に対して行わせず(検査処理を中止し)、表面弾性波センサ1が間違って使用されていることを評価サーバ3を介して検査担当者に対して通知する。
上述したように、本実施形態によれば、検出用表面弾性波素子102と異なるチャンネルに、識別用表面弾性波素子103を形成することで、反応領域薄膜1023における検査対象の検出動作に影響を与えずに、識別情報を表面弾性波センサに付与することができる。
また、図2においては、表面弾性波センサ1における識別用表面弾性波素子103が1個の表面弾性波センサ素子、すなわち1チャンネルで形成されている。
しかしながら、表面弾性波センサ素子が並列に配列された複数チャンネルの表面弾性波センサの場合、それぞれのチャンネルに対し、上述したID反射電極をそれぞれ配置することで、チャンネル数倍の表面弾性波センサの検査の種類を識別する情報量を持たせることができる。
また、本実施形態の変形例として、全てのチャンネルに識別情報のID反射電極を設けず、表面弾性波センサ1の識別する検査の種類の数を満足させる所定の数のチャネルにID反射電極を設ける構成としても良い。すなわち、複数のチャンネルから検査の種類の数に必要な数のチャンネルを選択し、選択したチャンネルの表面弾性波素子にID反射電極を配置する構成としても良い。
さらに、複数チャンネルにおいて、反応領域薄膜1023を有する表面弾性波素子に識別情報のID反射電極を設け、いずれかのチャンネルを識別専用として用いる構成としても良い。この場合、識別専用としたチャネルにおいては、ID反射電極のみを形成し、識別数を増加させるために複数のID反射電極(ID反射電極それぞれの識別周波数は異なる)を形成する構成としても良い。
上述した各変形例は、本実施形態と同様に、後述する他の実施形態の変形例として用いても良い。
また、第1の実施形態の他の構成として、識別表面弾性波の反射の有無そのものを直接に識別情報として用いず、識別表面弾性波の反射の有無を一旦ビット値に変換し、このビット値を識別情報とする構成を用いても良い。すなわち、判定部23は、検出された識別表面弾性波の反射の有無が供給された際、ビットテーブルを参照し、検出された識別表面弾性波の反射の有無に対応する識別情報を読み出す。このビットテーブルには、識別表面弾性波の検出の有無と、この識別表面弾性波の有無に対応するビット値とが対応付けて記憶されている。このビットテーブルは、記憶部24に設けられている。
図5は、図2のID反射電極の配置に対応するビットテーブルを示す図である。このビットテーブルには、例えば、識別表面弾性波の反射が有る場合にビット値が「1」とされ、識別表面弾性波の反射が無い場合にビット値が「0」とされている。
ここで、判定部23は、識別表面弾性波の有無を示すビット値とビットテーブルの識別情報のビット値とが一致した場合、表面弾性波センサ1の検査の種類がアプリケーションプログラムの検査の種類と一致したことを検出する。一方、判定部23は、識別表面弾性波の有無を示すビット値とビットテーブルの識別情報のビット値とが一致しない場合、表面弾性波センサ1の検査の種類がアプリケーションプログラムの検査の種類と一致していないことを検出する。上述したように、本実施形態の他の構成例によれば、1ビットの識別情報により2種類の表面弾性波センサを識別できる。
<第2の実施形態>
次に、第2の実施形態による識別情報を搭載した表面弾性波センサを説明する。図6は、第2の実施形態の表面弾性波センサを上面から見た上面視における概略図である。図2と同一の構成については、同一の符号を付し、説明を省略する。識別用表面弾性波素子103は、入出力電極1031、ID反射電極1032及び1033の各々を有しており、第1の実施形態と同様に反応領域薄膜を有していない。ID反射電極1033は、ID反射電極1032の識別周波数f1と異なる識別周波数f2の表面弾性波を反射する。
ここで、入出力電極1031は、検査周波数に対応して櫛形電極の電極指の間隔が設定され、識別周波数f1の電気信号を識別周波数f1の表面弾性波に変換し、識別周波数f2の電気信号を識別周波数f2の表面弾性波に変換する。ここで、識別周波数f2については、電気信号から表面弾性波への変換の効率が低くなり、所定の強度の表面弾性波を得ることができない場合がある。このため、本実施形態においては、識別周波数f1に対応して設計した電極から、いくつかの電極指を間引いて間引き電極(所謂、間引きを行なうことで、周波数特性の重み付けを行なった間引き重み付け電極)を得る。この得られた間引き電極を入出力電極1031として用いる。電極指を間引く場合、識別周波数f2の信号レベル及び識別周波数f1の信号レベルが大きくなるように、入出力電極1031の周波数特性を調整する。
すなわち、通常の正規型櫛歯状電極の周波数特性は中心周波数から離れるに従ってSin(x)/(x)の関数に対応して信号レベルの減衰が大きくなる。しかしながら、本実施形態のように、電極指を間引いた間引き電極を利用することにより、信号レベルの減衰に対する周波数特性を調整することができる。この間引き電極の構成を用いることにより、中心周波数から離れた特定の周波数における減衰を比較的小さくし、信号レベルを大きくなる入出力電極1031を設計することができる。このように、入出力電極1031において、減衰の比較的小さな周波数を識別周波数f1及び識別周波数f2に設定すると効果的である。
第2の実施形態において、信号制御部22は、表面弾性波センサ1の検査の種類の識別を行う際、入出力制御部21を介して、表面弾性波センサ1に対して、識別周波数(f1、f2)の電気信号を送信する。そして、表面弾性波センサ1からID反射電極1032あるいは1033により反射された表面弾性波に対応する電気信号を得る。信号制御部22は、識別周波数f1の電気信号、識別周波数f2の電気信号を出力する際、所定の間隔を置いて時系列に出力する。また、信号制御部22は、反射された表面弾性波に対応する電気信号が得られたか否かの有無情報として、周波数及び遅延時間とを判定部23に対して出力する。表面弾性波の反射の有無の検出は、所定の時間範囲内の遅延時間において、ID反射電極1032あるいは1033から反射された表面弾性波に対応する電気信号が検出されるか否かを判定することで行われる。判定部23は、得られた電気信号の周波数が識別周波数(f1、f2)である場合、この識別周波数(f1、f2)が反射されたか否かの組合せを識別情報として用いる。
図7は、ID反射電極1032及び1033の各々の構成例を示す図である。図7において、表面弾性波センサ1の上面から見たID反射電極1032及び1033の各々の平面図が示されている。ID反射電極1032及び1033の各々については図3と同様である。本実施形態においては、複数個のID反射電極1032の各々を配置するか否かによる識別表面弾性波の反射の有無を識別情報とする。このため、ID反射電極1032の配置数に対応する数の検査の種類の表面弾性波センサ1を識別することができる。
すなわち、識別周波数として識別周波数f1及びf2の2種類を用いた場合、識別周波数と反射の有無とによる次の4個の組合せにより、4種類の異なる検査の種類の表面弾性波センサ1の識別を行うことができる。例えば、4種類の組合せは、識別周波数f1及びf2の双方の表面弾性波が戻った場合(組合せA)、識別周波数f1の表面弾性波が戻り、識別周波数f2の表面弾性波が戻らない場合(組合せB)、識別周波数f1の表面弾性波が戻らず、識別周波数f2の表面弾性波が戻った場合(組合せC)、識別周波数f1及びf2の双方の表面弾性波が戻らない場合(組合せD)である。
判定部23は、得られた電気信号の周波数が識別周波数である場合、記憶部24の識別周波数の反射の有無の組合せを参照する。そして、判定部23は、信号制御部22から得られる識別周波数f1及びf2の各々の反射の有無の組合せと、記憶部24の識別周波数の組合せとが一致しているか否かの判定を行う。判定部23は、識別周波数の組合せが、記憶部24の識別周波数の組合せと一致した場合、表面弾性波センサ1の検査の種類がアプリケーションプログラムの検査の種類と一致し、一致しない場合、検査の種類と異なることを検出する。
上述したように、本実施形態によれば、表面弾性波センサ1の検査の種類に応じて、複数の異なる識別周波数に対応するID反射電極を配置するか否かにより、表面弾性波センサ1の検査の種類の識別情報を、識別周波数毎の識別表面弾性波の反射の有無の組合せにより簡易に設定できる。
また、第2の実施形態の他の構成として、識別周波数の各々の識別表面弾性波の反射の有無の組合せを一旦ビット値に変換し、このビット値を識別情報として用いる構成を用いても良い。すなわち、判定部23は、検出された識別周波数の各々の識別表面弾性波の反射の有無の組合せが得られた際、記憶部24のビットテーブルを参照し、識別周波数の識別表面弾性波の反射の有無に対応する識別情報を読み出す構成としても良い。
図8は、図6のID反射電極の配置に対応するビットテーブルを示す図である。ID反射電極1032が識別周波数f1の表面弾性波を反射する特性を有する場合、識別周波数f1の電気信号を入出力電極1031に入力すると、遅延時間内に反射が入出力電極1031に戻る。また、ID反射電極1033が識別周波数f2の表面弾性波を反射する設計である場合、識別周波数f2の電気信号を入出力電極1031に入力すると、遅延時間内に反射が入出力電極1031に戻る。
図8に示すように、第2の実施形態の他の構成例におけるビットテーブルは、識別周波数f1の表面弾性波の反射が所定の遅延時間内に戻る場合、1ビット目が「1」に設定され、一方、所定の遅延時間内に戻らない場合、1ビット目が「0」に設定されている。また、識別周波数f2の表面弾性波が戻る場合、2ビット目が「1」に設定され、一方、戻らない場合、2ビット目が「0」に設定されている。これにより、2ビットの識別情報により4種類の表面弾性波センサを識別できる。識別周波数をf1及びf2の2種類で説明したが、識別する表面弾性波センサの数に対応した数の種類で設定しても良い。
判定部23は、信号制御部22から得られる周波数が予め設定された識別周波数である場合、記憶部24の組合せに対応するビット値を記憶部24のビットテーブルを参照する。
判定部23は、識別表面弾性波の有無をビット値に変換した結果が、記憶部24の識別情報のビット値と一致した場合、表面弾性波センサ1の検査の種類がアプリケーションプログラムの検査の種類と一致したことを検出し、一致しない場合、検査の種類が異なることを検出する。
<第3の実施形態>
以下、図面を参照して、第3の実施形態による識別情報が設定された表面弾性波センサを説明する。第3の実施形態の表面弾性波センサは、図6と同様の構成をしているが、方向Hに対して、ID反射電極1032及び1033との入出力電極1031からの表面弾性波の伝搬距離を入れ替えて、識別周波数f1及びf2の遅延時間を制御している。したがって、ID反射電極1032からの識別周波数f1の識別表面弾性波の反射が遅延時間t1及びt2のいずれかで検出される。ID反射電極1033から反射される識別周波数f2の識別表面弾性波の反射も同様に検出される。
第3の実施形態の場合、信号制御部22は、入出力制御部21を介し、表面弾性波センサ1に対して、検出周波数及び識別周波数(f1、f2)の電気信号を送信する。そして、反射された表面弾性波に対応する電気信号が得られたか否かの情報として、周波数及び遅延時間とを判定部23出力する。信号制御部22は、識別周波数の電気信号の反射の有無、及びそれぞれの遅延時間を検出する。本実施形態においては、識別周波数f1及びf2のいずれの識別周波数であるかの情報と、反射の遅延時間(t1、t2)と、識別表面弾性波の反射の有無との組合せを識別情報としている。
すなわち、識別周波数f1及びf2の2種類を用いた場合、識別周波数と識別表面弾性波の反射の有無に加えて、ID反射電極の配置位置(遅延時間)を含めることにより、次の7個の組合せを構成し、7種類の異なる検査の種類の表面弾性波センサ1の識別を行うことができる。この7個の組合せは、識別周波数f1及びf2の双方の表面弾性波の反射がそれぞれ遅延時間t1、t2で戻る場合(組合せE)、識別周波数f1及びf2の表面弾性波の反射が遅延時間t2、t1で戻る場合(組合せF)、識別周波数f1の表面弾性波の反射が遅延時間t1で戻り、識別周波数f2の表面弾性波の反射が戻らない場合(組合せG)、識別周波数f1の表面弾性波の反射が遅延時間t2で戻り、識別周波数f2の表面弾性波反射が戻らない場合(組合せH)、識別周波数f2の表面弾性波の反射が遅延時間t1で戻り、識別周波数f1の表面弾性波の反射が戻らない場合(組合せI)、識別周波数f2の表面弾性波の反射が遅延時間t2で戻り、識別周波数f1の表面弾性波の反射が戻らない場合(組合せJ)、識別周波数f1及びf2の双方の表面弾性波の反射が戻らない場合(組合せK)である。
判定部23は、信号制御部22から供給される識別周波数f1及びf2の各々の反射の有無、及び反射の遅延時間との組合せと、記憶部24の識別情報とが一致しているか否かにより、表面弾性波センサ1とアプリケーションプログラムとの検査の種類が一致しているか否かの判定を行う。
上述したように、本実施形態によれば、表面弾性波センサ1の各々の検査の種類を識別する識別情報を、識別周波数毎の反射の有無と遅延時間との組合せにより簡易に設定できる。
また、第3の実施形態の他の構成として、識別周波数の各々の識別表面弾性波の反射の有無と遅延時間の組合せを一旦ビット値に変換して用いる構成を用いても良い。すなわち、判定部23は、識別周波数の各々の識別表面弾性波の反射の有無と遅延時間との組合せが供給された際、記憶部24のビットテーブルを参照し、識別周波数の各々の識別表面弾性波の反射の有無と遅延時間との組合せに対応する識別情報を読み出して判定しても良い。
図9は、図6のID反射電極の配置に対応する他のビットテーブルを示す図である。識別周波数f1を反射するID反射電極1032は、遅延時間t1及び遅延時間t2のいずれかの位置に配置される。ID反射電極1032が遅延時間t1の位置に配置された場合、反射された表面弾性波は遅延時間t1後に識別周波数f1の表面弾性波が入出力電極1031に戻る。ID反射電極1032が遅延時間t2の位置に配置された場合、反射された表面弾性波は遅延時間t2後に識別周波数f1の表面弾性波が入出力電極1031に戻る。また、識別周波数f2を反射するID反射電極1033も、遅延時間t1及び遅延時間t2のいずれかの位置に配置され、表面弾性波の反射における動作は、上述した識別周波数f1と同様である。
図9に示すように、第3の実施形態におけるビットテーブルは、識別周波数f1の表面弾性波が遅延時間t1で戻った場合、1ビット目が「1」に設定され、一方、戻らない場合、1ビット目のビット値が「0」に設定されている。また、識別周波数f1の表面弾性波の反射が所定の時間内において遅延時間t2で戻った場合、2ビット目が「1」に設定され、一方、反射が所定の時間内において戻らない場合、2ビット目が「0」に設定されている。同様に、識別周波数f2の表面弾性波の反射が所定の時間内において遅延時間t1で戻った場合、3ビット目が「1」に設定され、一方、反射が所定の時間内において戻らない場合、3ビット目が「0」に設定されている。また、識別周波数f2の表面弾性波の反射が所定の時間内において遅延時間t2で戻った場合、4ビット目が「1」に設定され、一方、規定の時間(遅延時間より十分長い時間)内に戻らない場合、4ビット目が「0」に設定されている。これにより、図9に示すように、本実施形態においては、4ビットの識別情報により、7種類の表面弾性波センサを識別することができる。これは、図6から判るように、ID反射電極1032及び1033を同一の位置に配置できないため、識別できる数が制限されるからである。
<第4の実施形態>
第4の実施形態の表面弾性波センサは、図2と同様の構成をしている。また、第1の実施形態の識別周波数f1の表面弾性波の反射の有無のみでの識別であったが、第4の実施形態においては、識別周波数f1の表面弾性波のID反射電極1032により反射される強度である反射強度を複数の段階、例えば本実施形態においては0(最低値)から最大値(例えば、入射される表面弾性波を、入射された強度の80%の反射強度、設計により任意に設定)を8段階に分割し、反射される表面弾性波を8段階に分類して、8種類の表面弾性波センサ1を識別する識別情報とする。ここで、表面弾性波センサ毎にID反射電極1032の反射強度を、8段階のいずれかの強度となるように、ID反射電極1032の識別周波数f1におけるインピーダンスを調整する。ID反射電極1032には、コンデンサあるいはインダクタまたはコンデンサ及びインダクタからなるインピーダンス回路のパターンが接続されている。そして、インピーダンス回路のパターンの切断箇所を制御することにより、ID反射電極1032のインピーダンスを任意に代え、反射強度を調整できる構成となっている。このパターンの切断は、例えばレーザによるトリミングによって行う。
図10は、ID反射電極1032の構成例を示す図である。図10において、表面弾性波センサ1の上面から見たID反射電極1032の平面図が示されている。櫛歯状電極指1032A及び1032Bの各々には、パターン1032LA、1032LBそれぞれが接続されている。パターン1032LA及び1032LB間には、インピーダンス回路1032I1、1032I2及び1032I3が並列に接続されている。また、インピーダンス回路1032I1は領域1032T1を介してパターン1032LBに接続され、インピーダンス回路1032I2は領域1032T2を介してパターン1032LBに接続され、インピーダンス回路1032I3は領域1032T3を介してパターン1032LBに接続されている。領域1032T1から領域1032T3の各々は、トリミング領域である。インピーダンス回路1032I1、インピーダンス回路1032I2及び1032I3の各々は、それぞれ異なったインピーダンス値を有している。それぞれを切断するか否かの組合せで、櫛歯状電極指1032A及び1032Bの間のインピーダンスを複数段階に調整できる。例えば、インピーダンス回路1032I1、1032I2及び1032I3の各々のインピーダンスの比率を1:2:4に設定し、それぞれの表面弾性波センサ1において切断あるいは接続の状態の組合せに対応し、ID反射電極1032の反射強度を8段階に調整する。
第4の実施形態の場合、検出装置2の各部は以下の動作を行う。信号制御部22は、入出力制御部21を介し、表面弾性波センサ1に対して、検出周波数及び識別周波数(f1)の電気信号を送信し、反射として得られる電気信号の強度を検出する。判定部23は、得られた電気信号の強度を検出し、この強度のレベルに対応し、記憶部24の識別情報を参照し、信号制御部22から得られた反射波の信号強度と比較する。
上述したように、本実施形態によれば、表面弾性波センサ1の検査の種類に応じて、表面弾性波の反射強度を複数の異なる強度となるようにID反射電極のインピーダンスを調整することで、表面弾性波センサ1の各々の検査の種類を識別する識別情報を、識別表面弾性波の反射強度により簡易に設定できる。
また、第4の実施形態の他の構成として、識別表面弾性波の反射強度を一旦ビット値に変換し、このビット値を識別情報として用いる構成を用いても良い。
図11は、図2のID反射電極の反射強度に対応するビットテーブルを示す図である。例えば、トリミングによりID反射電極1032のインピーダンスを8段階に制御し、反射強度をレベル0からレベル7の8種類とする。
図11に示すように、第4の実施形態におけるビットテーブルにおいて、識別用表面弾性波素子103の反射強度に対応した表面弾性波の反射の強度が、レベル0の場合に「000」とし、レベル1の場合に「001」とし、…、レベル7の場合に「111」と設定され、8種類の表面弾性波センサを識別できる。本実施形態の説明においては、反射強度を8段階に制御するとして説明したが、識別する表面弾性波センサの数に対応させた反射強度の数を設定しても良い。
<第5の実施形態>
第5の実施形態の表面弾性波センサは、図6と同様の構成をしているが、第4の実施形態と同様に、ID反射電極1032(識別周波数f1)と1033(識別周波数f2)との各々の反射強度を、ID反射電極1032及び1033のインピーダンスを調整し、それぞれ8段階の制御をする。すなわち、第5の実施形態においては、ID反射電極1032及び1033の各々の反射強度を複数の段階に分割し、識別周波数f1及びf2の表面弾性波の反射の有無と、その反射強度それぞれで識別情報を形成している。したがって、識別周波数f1及びf2の双方で16種類の識別情報とすることができる。
図12は、ID反射電極1032及び1033の構成例を示す図である。図12において、表面弾性波センサ1の上面から見たID反射電極1032及び1033の平面図が示されている。ID反射電極1033は図10におけるID反射電極1032の構成と同様である。インピーダンス回路1033I1、1033I2及び1033I3は、例えば、異なったインピーダンス値を有する。それぞれを切断するか否かの組合せで、櫛歯状電極指1033A及び1033Bの間のインピーダンスを8段階に調整するため、第4の実施形態と同様に、インピーダンス回路1033I1、1033I2及び1033I3の各々のインピーダンスの比率を1:2:4に設定している。
第5の実施形態において、信号制御部22は、入出力制御部21を介して、表面弾性波センサ1に対して、検出周波数及び識別周波数(f1、f2)の電気信号を送信し、得られた反射波の信号強度に対応させ、記憶部24に記憶されている識別情報を参照して、表面弾性波センサ1の検査の種類が検出装置2のアプリケーションの検査の種類と一致するか否かの判定を行う。
上述したように、本実施形態によれば、表面弾性波センサ1の検査の種類に応じて、表面弾性波センサ1の検査の種類を識別する識別情報を、複数の異なる識別周波数の識別表面弾性波の反射強度の組合せにより簡易に設定できる。
また、第5の実施形態の他の構成として、識別表面弾性波の各々の反射強度の組合せを一旦ビット値に変換し、このビット値を識別情報として用いる構成を用いても良い。
図13は、図2のID反射電極の配置に対応するビットテーブルを示す図である。表面弾性波センサ毎にID反射電極1032の反射強度が異なるため、表面弾性波センサ毎にID反射電極1032から反射されて戻って来る表面弾性波の強度(8段階のうちいずれかの強度)が異なる。ID反射電極1033についても同様である。
この図13において、ビットテーブルは、例えば、下位3ビット(1ビット目から3ビット目を識別周波数f1に対応させ、上位3ビット(4ビット目から6ビット目)を識別周波数f2に対応させる。そして、下位3ビットと上位3ビットそれぞれにおいて、最低値(レベル0)の場合「000」とし、レベル5の場合「101」とし、最大値(レベル7)の場合「111」とする。
これにより、6ビットの識別情報となり、64種類の表面弾性波センサを識別できる。本実施形態の説明では、反射強度を8段階に分類したが、識別する表面弾性波センサの数に対応させた分類の数を設定して良い。
判定部23は、得られた反射波が予め設定された識別周波数である場合、記憶部24のビットテーブルにおける複数の識別周波数の識別表面弾性波の各々の反射強度の組合せに対応するビット値から、信号制御部22から供給される反射強度の組合せに対応するビット値を読み出す。そして、判定部23は、記憶部24の表面弾性波センサ1の検査の種類を示すビット値を参照し、表面弾性波センサ1の検査が検出装置2におけるアプリケーションの検査の種類と一致するか否かの判定を行う。
<第6の実施形態>
第3の実施形態の識別周波数f1及びf2各々の表面弾性波の反射の有無と、遅延時間とを用いた識別であった。しかしながら、第6の実施形態においては、識別周波数f1及びf2の各々の表面弾性波の遅延時間に加え、ID反射電極1032、1033それぞれにより反射される表面弾性波の反射強度を識別に用いる。すなわち、反射される表面弾性波の反射強度を複数の段階に分割する。例えば、本実施形態においては、反射される表面弾性波の反射強度を8段階に分割することで、3ビットの識別情報を得る。
第6の実施形態において、信号制御部22は、反射された表面弾性波に対応する電気信号の周波数、遅延時間及び信号強度を測定する。そして、信号制御部22は、判定部23に対し、検出した周波数、遅延時間及び遅延時間を出力する。判定部23は、得られた反射波の周波数が識別周波数(f1、f2)の場合、それぞれの遅延時間(t1、t2)及び信号強度(8段階のいずれか)の組合せに対応して表面弾性波センサ1の識別を行う。
判定部23は、検出された識別表面弾性波の反射の反射強度及び遅延時間の組合せ(以下、組合せ)が、参照した記憶部24に記憶されている反射強度及び遅延時間の組合せと一致するか否かの判定を行う。
上述したように、本実施形態によれば、表面弾性波センサ1の検査の種類に応じて、表面弾性波の反射強度が異ならせ、かつ遅延時間を制御するようにID反射電極のインピーダンスを調整することで、識別表面弾性波の反射の反射強度及び遅延時間の組合せにより、表面弾性波センサ1の各々の検査の種類を識別する識別情報を簡易に設定できる。
また、第6の実施形態の他の構成として、識別表面弾性波の反射の反射強度及び遅延時間の組合せを一旦ビット値に変換し、このビット値を識別情報として用いる構成を用いても良い。すなわち、判定部23は、検出された識別表面弾性波の反射の反射強度及び遅延時間の組合せが得られた際、記憶部24に記憶されているビットテーブルを参照し、検出された識別表面弾性波の反射の反射強度及び遅延時間の組合せに対応する識別情報を読み出す構成としても良い。このビットテーブルは、検出される識別表面弾性波の反射の反射強度及び遅延時間の組合せと、この組合せに対応するビット値とが対応付けられている。
図14は、図6のID反射電極の配置に対応するビットテーブルを示す図である。ここで、ID反射電極1032が識別周波数f1の表面弾性波を反射するように設計され、ID反射電極1033が識別周波数f2の表面弾性波を反射するように設計されている。また、ID反射電極1032及び1033の各々は、配置される前後の位置が任意に変更される。また、ID反射電極1032及び1033の各々は、反射強度が段階的に任意に変更される。
これにより、図14(a)に示すように、周波数と遅延時間との組合せ毎に、例えば、最低値から最大値までを8段階(0段階から7段階)に分割し、上述したように3ビットの識別情報としている。また、遅延時間t1の場合、ビット値を「0」とし、遅延時間t2の場合、ビット値を「1」とする。 図14(b)に示すように、例えば、1ビット目から4ビット目を識別周波数f1と遅延時間t1との組合せに対応させ、5ビット目から8ビット目を識別周波数f1と遅延時間t2との組合せに対応させ、9ビット目から12ビット目を識別周波数f2と遅延時間t1との組合せに対応させ、13ビット目から16ビット目を識別周波数f2と遅延時間t2との組合せに対応させる。識別周波数f1で遅延時間がt1、信号強度が1段階の場合、1ビット目から4ビット目は、「001(信号強度1段階)0(遅延時間t1)」となる。これにより、ID反射電極1032及び1033の各々の反射強度を8段階に分類し、遅延時間をt1及びt2を用い、識別周波数をf1及びf2を用いることにより、16ビットの識別情報により、表面弾性波センサを識別することができる。本実施形態の説明においては、弾性周波数を2種類、遅延時間を2種類、反射強度を8段階に分類したが、識別する表面弾性波センサの数に対応させた分類の数を設定して良い。
判定部23は、得られた反射波の周波数が予め設定された識別周波数である場合、記憶部24のビットテーブルから、信号制御部22から供給される反射強度及び遅延時間の組合せに対応するビット値を読み出す。そして、判定部23は、記憶部24の表面弾性波センサ1の検査の種類を示すビット値を参照し、表面弾性波センサ1の検査が検出装置2におけるアプリケーションの検査の種類と一致するか否かの判定を行う。
上述してきた第1の実施形態から第6の実施形態の各々によれば、ID反射電極から反射された識別表面弾性波の特性(反射の有無、反射強度、遅延時間など)を識別情報として用いることで、表面弾性波センサ1の検査の種類の識別が簡易に行え、挿入された表面弾性波センサ1の検査の種類を容易に識別できる。そして、識別結果により検査対象の種類に応じた表面弾性波センサ1に対する検査の処理を検出装置2に対して実行、あるいは停止させることが可能となる。これにより、測定装置に挿入された際に、検出装置2に挿入された表面弾性波センサ1の検査の種類が、アプリケーションの検査の種類と異なる場合、検査の実行を中止させ、目的と異なる検査結果の出力を防止することができる。
1…表面弾性波センサ 1a,2a…端子 2…検出装置 3…評価サーバ 21…入出力制御部 22…信号制御部 23…判定部 24…記憶部 101…基板 101S…表面 102…検出用表面弾性波素子 103…識別用表面弾性波素子 1021,1031…入出力電極 1022…反射電極 1023…反応領域薄膜 1032,1033…ID反射電極 1032T,1032T1,1032T2,1032T3,1033T,1033T1,1033T2,1033T3…領域

Claims (9)

  1. 表面弾性波を基板上に励起し、当該表面弾性波の特性変化により前記基板上の検出部に載置あるいは接触させた被検出物の物性を測定する表面弾性波センサであって、
    検出用の表面弾性波である検出用表面弾性波とは別に、前記表面弾性波センサの測定対象識別のため、識別用表面弾性波を励起し、当該表面弾性波の伝搬特性を識別情報とする識別用表面弾性波素子を有する
    ことを特徴とする表面弾性波センサ。
  2. 前記識別用表面弾性波素子が、
    所定の識別周波数の前記識別用表面弾性波を反射する識別反射電極を有し、
    当該識別反射電極からの反射特性を、表面弾性波センサの識別情報とする
    ことを特徴とする請求項1に記載の表面弾性波センサ。
  3. 前記識別用反射電極が、前記表面弾性波の伝搬経路上に複数個配置され、それぞれが互いに異なる周波数の前記識別周波数毎に設けられる
    ことを特徴とする請求項2に記載の表面弾性波センサ。
  4. 前記識別用表面弾性波を励起する電極には、間引き重み付けが施されている
    ことを特徴とする請求項2の表面弾性波センサ。
  5. 前記伝搬経路上における前記識別反射電極の位置を、前記伝搬経路の前記表面弾性波の伝搬方向において異ならせることにより、前記識別用表面弾性波の遅延時間を複数種類で制御し、前記識別周波数と組合せて、個々の表面弾性波センサが行う検査の種類を識別する識別情報とする
    ことを特徴とする請求項3に記載の表面弾性波センサ。
  6. 前記識別反射電極の反射強度を複数段階で制御することにより、前記識別用表面弾性波の反射される信号強度を複数種類で制御し、前記識別周波数と組合せにより、個々の表面弾性波センサが行う検査の識別情報とする
    ことを特徴とする請求項2または請求項3に記載の表面弾性波センサ。
  7. 前記表面弾性波の伝搬経路上における前記識別反射電極の位置を、前記伝搬経路の前記識別用表面弾性波の伝搬方向において異ならせることにより、前記識別用表面弾性波の遅延時間を複数種類で制御し、かつ前記識別反射電極の反射強度を複数段階で制御することにより、前記識別用表面弾性波の反射される信号強度を複数種類で制御し、前記識別用表面弾性波素子の前記識別周波数と組合せて、個々の表面弾性波センサが行う検査の種類を識別する識別情報とする
    ことを特徴とする請求項2または請求項3に記載の表面弾性波センサ。
  8. 前記識別反射電極に対してインピーダンス素子を接続するか否かにより、当該識別反射電極の反射強度を調整する
    ことを特徴とする請求項6または請求項7に記載の表面弾性波センサ。
  9. 請求項1から請求項8のいずれか一項に記載された表面弾性波センサを備え、当該表面弾性波センサの出力信号と前記識別情報とを比較し、前記表面弾性波センサから入力される当該出力信号が、当該表面弾性波センサを用いて行う検査の種類を示す前記識別情報と一致しているか否かを判定する検出部を有する
    ことを特徴とする測定システム。
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