JP2019065902A - ケースナット構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡単な構造で、貫通孔の舐めを防止し、電着液の流れを改善し、ナットの固着を回避することができるケースナット構造の提供を目的とする。【解決手段】 車体に取り付けられる基板の貫通孔内に、多角形状のナットを遊動可能に挿通し、貫通孔は、ナット頂部に対向する部位でナット頂部との隙間が他の部位よりも拡大するように貫通孔の壁面を窪ませた凹部を複数個形成し、電着液の流れを改善する。さらに、隣り合う拡大凹部間をナットの側壁に向けて近接する円弧形状とすることで、この円弧壁面に接触するナットの側壁やナット頂部を点接触状態とし、電着塗装時にナットが貫通孔に固着しにくくなる。【選択図】図7

Description

本発明は、ボルトとナットとから構成される締結具のうち、ナットを車体フレーム等の母材に対して保持してなるケースナット構造に関するものである。
従来、この種のケースナット構造としては、特許文献1に示すように、ボルトを挿通する通孔を有するボディの一方の面にブラケット(基板)をスポット溶接し、このブラケット(基板)と母材との間隙にナットを非回転に保持すると共に、ブラケット(基板)のナット係合孔からナットの頭部を突出させ、これにより、ナットの落下を防止すると共に電着塗装時にナットがナット係合孔に固着するのを防止して、ナットを適正位置に保持した状態でボルトを螺合できるようにしたケースナット構造が開示されている。
また、特許文献2には、ボディに溶接されるケース本体(基板)の内部にナットを遊動可能に収納するケースナット構造であって、ナットは、ナット本体と、その外側表面にインサート成形された樹脂製の絶縁部材とからなるものとし、電着塗装処理時にナット本体が絶縁部材により絶縁されるため、ナットがボディに固着するのを防止することができるケースナット構造が開示されている。
実開平3−114617号公報 特開2016−217423号公報
上記特許文献1および特許文献2に示すケースナット構造は、車両のボディの電着塗装乾燥時に、基板の内部に遊動可能に収容されたナットが、基板のナット貫通孔の孔壁に固着するのを防止するために案出されたものである。
ところで、この種のボルト・ナットによる締結具においては、電着塗装時の塗料の流動性をさらに良好なものとしてナットの固着を防止できるケースナット構造が望まれている。図11は基板のナット貫通孔の孔壁に、さらに電着液流動用凹部を形成したケースナット構造の参考例を示す平面図である。図示を簡略化するため、基板のナット貫通孔の形状(六角形状)とこれを貫通する六角ナットの位置関係のみを示している。図11(a)はナット100の中心軸100aと貫通孔101の中心101aとのほぼ合致した状態を示す。同図(b)は同図(a)の状態からナット100を回転したときのナットと電着液流動用凹部102との干渉状態を示す。同図(c)は貫通孔101がナット100よりもわずかであるが大径に形成されているため、電着塗装時にナット100が貫通孔101に対してオフセットした状態を示す。
図11に示すように、電着液の流動性を良くするために、貫通孔101のナット側壁100bに対向する壁面101bに電着液流動用凹部102を形成しているが、この場合、同図(b)のように、ボルト締結時に不図示のボルトを回転させると、ナット100も許容回動範囲で連れ回りし、ナット100の頂部100cが流動用凹部102を舐めることになり、ナット頂部が潰れることによって、ナットがボルトと連れ回りして、ボルト締めが確実に行えなくなる可能性がある。この場合、潰れたナットあるいは破損状態の貫通孔100を有する基板そのものを取り替えなければならない。例えば、車体フレームのロッカ等の内部空間に上記ケースナット構造が設けられている場合、その取り替え補修作業が煩雑となるといった難点がある。
また、図11(c)に示すように、貫通孔101の形状を、ナット100の外径に合わせて単純にオフセットした形状にすると、電着塗装時に、ナット100の側壁100bと貫通孔101の内壁面101bとが線接触して、乾燥時に固着してしまうおそれがある。
また、貫通孔101のオフセット量を増やして電着液の流れを改善しようとすれば、図11(b)に示す場合と同様に、ナット頂部100cが貫通孔101の壁面101bを舐めやすくなり、ボルト締結がうまくいかなくなる可能性がある。
さらに、特許文献2に示すように、ナットの外側表面に絶縁部材を設定するとすれば、コストがかかると共に、ナット自体の重量が増大するといった難点がある。
本発明は、上記に鑑み、簡単な構造で、貫通孔の舐めを防止し、電着液の流れを改善し、ナットの固着を回避することができるケースナット構造の提供を目的とする。
上記目的を達成するために、車体に取り付けられる基板の貫通孔内に、多角形状のナットを遊動可能に挿通設定するケースナット構造において、前記貫通孔は、前記ナット頂部に対向する部位で前記ナット頂部との隙間が他の部位よりも拡大するように貫通孔の壁面を窪ませた凹部が複数個形成され、隣り合う前記凹部間をナットの側壁面に向けて近接する円弧で結ぶ形状に形成されたケースナット構造とする。
上記構成によると、拡大凹部は貫通孔の中心から外方向に向かって他の部位よりも拡がるように形成される。したがって、ナット頂部と貫通孔の拡大凹部との隙間が他の部位よりも拡大されることになり、電着塗装時に、貫通孔の拡大凹部から電着液が抜け易くなり、貫通孔に電着液が溜まりにくくなる利点がある。
また、貫通孔において、凹部間を結ぶ貫通孔の壁面形状をナット側壁面に向けて近接する円弧形状とすることにより、基板に保持されるナットの側壁と貫通孔の円弧壁面とが点接触することになり、電着塗装後の乾燥時にナットの側壁が貫通孔の円弧壁面に固着しにくくなる。
ここで、多角形状のナットとしては、図11に示すような六角ナットの他、図5〜図9に示すような四角ナット、あるいは不図示の五角形状のナットであってもよい。これらの多角形状であっても、貫通孔を多角形状に合わせての略相似形に形成し、貫通孔のナット頂部に対向する角部に拡大凹部を形成すると共に拡大凹部を結ぶ貫通孔の壁面形状をナット側壁面に向けて近接する円弧壁面とすればよい。
しかも、ボルト締結時に、ナットが回転して貫通孔を舐めようとしても、貫通孔の円弧面を越えるナットの回転軌跡は、例えば、図8に示すような四角ナットにおいては、ハッチングで示すように大きく増えることになるため、ナットが貫通孔を舐めにくくなる。よって、簡単な構造で、貫通孔の舐めを防止し、かつ電着液の流れを改善し、さらに、ナットの固着をも回避することができるケースナット構造を提供することができる。
本発明の実施形態である車両の後部フレーム部分を示す平面図である。 図1の側面断面図である。 図1のA−A断面図である。 トレーリングアーム先端部分の分解斜視図である。 本実施形態のケースナット構造を示す斜視図である。 ケースナット構造の断面図である。 四角ナットの挙動と貫通孔との位置関係を示す平面図である。 四角ナット回転時の貫通孔との位置関係を示す平面図である。 貫通孔に対するナットのオフセット時の位置関係を示す平面図である。 別の実施形態である六角ナットと貫通孔との位置関係を示す平面図であって、(a)はナット中心軸と貫通孔の中心との合致した状態、同図(b)はナット回転時のナットと貫通孔との干渉状態、同図(c)はナットオフセット時のナットと貫通孔との位置関係をそれぞれ示す。 参考例である六角ナットと貫通孔との位置関係を示す平面図であって、(a)はナット中心軸と貫通孔の中心との合致した状態、同図(b)はナット回転時のナットと貫通孔との干渉状態、同図(c)はナットオフセット時のナットと貫通孔との位置関係をそれぞれ示す。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1に本実施形態である車両の後部フレーム部分を示す。図2は図1の側面断面図、図3は図1のA−A断面図である。図1において、矢印Frは、車両1の進行方向の前方を示している。
図1に示すように、車両1は、板金製の車体2と、この車体2にサスペンション3により懸架される車輪4とを備え、車体2の内部が車室5とされる。車体2は、車室5の左右各側面を形成する左右側壁8の下端縁部に形成されて車体2の前後方向に延びる左右のロッカ9と、これら左右のロッカ9の間に配置されて車体2の前後方向に延びる左右のフロントサイドメンバ10と、前記各ロッカ9の後端部に後方に延びるように結合される左右のリヤサイドメンバ12と、車体2の幅方向に延びて左右のフロントサイドメンバ10の各後端部同士、および左右のリヤサイドメンバ12の各前端部同士をそれぞれ互いに結合させる前クロスメンバ13と、車体2の幅方向に延びて左右のリヤサイドメンバ12の中途部同士を互いに結合させる中途部クロスメンバ14、および左右のリヤサイドメンバ12の後端部同士を互いに結合させる後クロスメンバ15と、を備えている。
ロッカ9は、図3に示すように、車体2の幅方向で互いに対面するロッカアウタパネル25およびロッカインナパネル26と、これらの間に挟み付けられてロッカ9の剛性を向上させるロッカ補強パネル27とを有している。ロッカアウタパネル25の長手方向の各部断面は、車体2の内側方に向かって開口するハット形状とされ、ロッカインナパネル26の長手方向の各部断面は、車体2の外側方に向かって開口するハット形状とされ、ロッカ9の長手方向の各部断面は両パネル25,26により中空閉断面構造とされる。そして、図4に示すように、このロッカインパネル26の内側に、サスペンション3のトレーリングアーム37の先端ブッシュ39を枢支する枢支軸38を支持するケースナット構造40が設けられている。
サスペンション3は、ロッカ9の後端部のロッカインナパネル26およびリヤサイドメンバ12にそれぞれ結合される箱形状のブラケット35と、各リヤサイドメンバ12の下方に配置されて車体2の前後方向に延び、クロスメンバ36により互いに結合される左右のトレーリングアーム37と、これらトレーリングアーム37の後部側が上下回動可能となるよう、各前端部をブラケット35にブッシュ39を介して枢支させる枢支軸38と、各トレーリングアーム37とリヤサイドメンバ12とに架設されるショックアブソーバ39および不図示のコイルばねとを備えている。
トレーリングアーム37の前端部のブッシュ39は、トレーリングアーム37の前端部に結合される外筒39aと、前記枢支軸であるボルト38を貫通させる内筒39bと、これら内筒39bと外筒39aとの間に介在された円筒状の弾性材39cとから構成される。図4に示すように、ボルトを枢支軸38として、ボルト38の先端は、ロッカ9内等の閉空間内にケースナット構造40のナット53に螺合されて締結される。
ケースナット構造40は、図5に示すように、ロッカ9のロッカインパネル26の内側にスポット溶接される基板51と、該基板51の貫通孔52に遊動可能に挿通設定されるナット53とを備えている。基板51は、貫通孔52を有する平板状の本体51aと、該本体51aの前後両端がクランク状に折曲形成されてナット53を保持する側壁51b、51cおよびロッカ9のインナーパネル26の内壁にスポット溶接される溶接フランジ51d、51eとから平面視でハット形状に形成されている。
ナット53は、フランジ付きナットで、多角筒状(例えば、本実施形態では四角筒状)のナット頭部54と、その下面に形成されたフランジ55とが一体的に成形されたものである。フランジ55は円板形に形成されており、そのフランジ径は基板51の貫通孔52の径よりも大径に形成され、フランジ55が貫通孔52から車幅方向外側に抜け出さないようになっている。フランジ厚さは基板51の側壁51b、51cの高さよりも薄く設定される。
ナット頭部54は、例えば、四角筒状に形成されており、その四隅の頂部54aがわずかにR形状形成されている。隣接する頂部54a同士を結ぶ側壁54bは平面状に形成される周知形状のナットである。そして、図6に示すように、ナット頭部54は、基板51の貫通孔52にセットした状態で貫通孔52を貫通して外方向に飛び出す高さに設定される。ナット頭部54のボルト孔54cには雌ねじが形成されており、ボルト38に刻設された雄ねじ38aと螺合するようになっている。
図7〜図9はボルト・ナットの締結時における基板51の貫通孔52に対するナット53の挙動を簡略化して図示したものである。まず、貫通孔52の形状をこれらの図に基づいて説明する。貫通孔52は、多角形(例えば、本実施形態では四角)のナット頭部54の平面視形状に合わせてそれよりもわずかに大きな略相似形の四角形状に形成される。ナット頭部54と貫通孔52の孔壁との間には電着液を流動可能とする隙間57が形成される。
貫通孔52の孔壁のうち、ナット頭部54の頂部54aに対向する角部には、貫通孔52とナット頭部54との隙間を他の部位57より大きくなるよう貫通孔52を拡大する拡大凹部58が形成される。すなわち、ナット頂部54aに対向する部位でナット頂部54aとの隙間が他の部位57よりも拡大するように貫通孔52の壁面を窪ませた拡大凹部58がナット頂部54aの数に合わせて複数個形成される。
拡大凹部58は円弧状に凹設され、ナット頂部54aが図9に示すようにオフセットにより拡大凹部58に近接したとしても、拡大凹部58とナット頂部54aとが接触しない深さまで形成されている。また、拡大凹部58は、図7の1点鎖線に示すように、貫通孔52の中心52aと合致するナット53の軸中心53aを中心に回転させたときの回転軌跡59の外側に位置する深さまで凹設されている。
さらに、隣り合う拡大凹部58を結ぶ貫通孔52の孔壁は、ナット頭部54の側壁54bに合わせて直線状に形成するのではなく、ナット頭部54の側壁54bがほぼ平面のとき、ナット頭部54の側壁54b側に向けて近接する円弧形状60に形成されている。すなわち、貫通孔52の孔壁は、拡大凹部58を結ぶ孔壁部分がナット頭部54の側壁54b側に向けて近接する円弧壁面60とされている。
そして、この円弧壁面60とナット頭部54の側壁54bとの最小隙間57は、ナット53の組付時の最小の組付けクリアランスとなっている。
上記構成において、トレーリングアーム37の先端ブッシュ39をロッカ9の車幅方向内側のブラケット35側に取り付ける場合、トレーリングアーム37のブッシュ39をブラケット35内にセットし、車幅方向内側からボルト38をブラケット35の貫通孔に挿通してロッカ9の内側空間にあるケースナット構造40のナット53に螺合してボルト締結する。
この際、ケースナット構造40は、基板51がロッカ9の内側にスポット溶接により固定されているが、ナット53は、基板51に保持されて抜け止め構造となっている。したがって、車体の電着塗装時には、ナット53を保持した状態で、ケースナット構造40が電着塗装される。
このとき、ナット頂部54aと貫通孔52の拡大凹部58との隙間が他の部位57よりも拡大されているので、電着塗装時に、貫通孔52の拡大凹部58から電着液が抜け易くなり、貫通孔52に電着液が溜まりにくくなる。
しかも、基板51の貫通孔52において、拡大凹部58間を結ぶ円弧壁面60は、ナット側壁54bに向けて近接する円弧形状となっているので、図8に示すように、ナット53の側壁54bと円弧壁面60とは点接触61することになる。そのため、電着塗装後の乾燥時にナット53の側壁54bが貫通孔52の壁面に固着しにくくなる。
さらに、ボルト締結時に、ナット53が回転して貫通孔52を舐めようとしても、貫通孔52の円弧壁面60を越えるナット53の回転軌跡59は、図8のハッチングで示す領域62のように大きく増えることになるため、ナット53が貫通孔52を舐めにくくなる。
特に、四角ナット53の場合、貫通孔52も四角形状となり、六角ナットの場合に比べて、貫通孔52の円弧壁面60とナット53の回転軌跡59との間の領域62(図8のハッチングで示す領域)が大きくなるため、ナット53が貫通孔52をさらに舐めにくくなるといった効果がある。
また、ナット53のオフセット時には、ナット頭部54の側壁54bと貫通孔52の円弧壁面60とが点接触するため、電着塗装後の乾燥時にナット53の側壁54bが貫通孔52の円弧壁面60に固着しにくくなる。
図10は四角ナットに代わり、六角ナットを採用した場合の実施形態を示す。この実施形態においても、貫通孔52は、六角形のナット頭部54の平面視形状に合わせてそれよりもわずかに大きな相似形の略六角形状に形成されている。ナット頭部54の側壁54bと貫通孔52の孔壁面(円弧壁面60)との間には電着液を流動可能とする隙間57が形成される。
貫通孔52の孔壁のうち、ナット頭部54の頂部54aに対応する部位には、貫通孔52とナット頭部54との隙間を他の部位57より大きくなるよう貫通孔52を拡大する拡大凹部58が形成されている。拡大凹部58は円弧状に凹設され、ナット頂部54aが図10(c)に示すようにオフセットにより拡大凹部58に近接したとしても、拡大凹部58とナット頂部54aとが接触しない深さまで形成されている。また、拡大凹部58は、貫通孔52の中心52aと合致するナット53の軸中心53aを中心に回転させたときの回転軌跡59の外側に位置する深さまで凹設されている。
そして、図10(a)に示すように、ナット中心軸53aと貫通孔52の中心とを合致させた状態では、ナット53を貫通孔52に貫通させることが可能な最低限の隙間57が円弧壁面60とナット頭部54の側壁54bとの間に形成されている。
図10(b)はナット回転時のナットと貫通孔との干渉状態を示す。この状態は、拡大凹部58間を結ぶ円弧壁面60は、ナット側壁54bに向けて近接する円弧形状となっている。そのため、ナット53の側壁54bが貫通孔52の円弧壁面60と点接触61することになり、電着塗装後の乾燥時にナット53の側壁54bが貫通孔52の円弧壁面60に固着しにくくなる。さらに、ボルト締結時にはナット頂部54aが貫通孔52の円弧壁面60に当接して変形しにくくなり、貫通孔52の孔壁を舐めにくくなる。
図10(c)はナットオフセット時のナット53と貫通孔52との位置関係を示す。ナット53のオフセット時には、ナット頭部54の側壁54bと貫通孔52の円弧壁面60とが点接触61するため、電着塗装後の乾燥時にナット側壁54bが貫通孔52の壁面に固着しにくくなる。
以上の実施形態で示すように、車体に取り付けられる基板の貫通孔内に、多角形状のナットを遊動可能に挿通設定するケースナット構造において、前記貫通孔は、前記ナット頂部に対向する部位で前記ナット頂部との隙間が他の部位よりも拡大するように貫通孔の壁面を窪ませた凹部が複数個形成され、隣り合う前記凹部間をナットの側壁面に向けて近接する円弧で結ぶ形状に形成されている。
したがって、ナット頂部と貫通孔の凹部との隙間が他の部位よりも拡大されるので、電着塗装時に、貫通孔の凹部から電着液が抜け易くなり、貫通孔に電着液が溜まりにくくなる利点がある。
また、貫通孔において、凹部間を結ぶ貫通孔の壁面形状がナット側壁面に向けて近接する円弧形状とすることにより、ナットの側壁面と貫通孔の円弧壁面とは点接触することになり、電着塗装後の乾燥時にナットの側壁面が貫通孔の円弧壁面に固着しにくくなる。
しかも、ボルト締結時に、ナットが回転して貫通孔を舐めようとしても、貫通孔の円弧壁面により、ナットが貫通孔を舐めにくくなる。したがって、簡単な構造で、貫通孔の舐めを防止し、かつ電着液の流れを改善し、さらに、ナットの固着をも回避することができるといった優れた効果がある。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で多くの修正・変更を加えることができるのは勿論である。例えば、上記実施形態では、電着塗装に適したケースナット構造として、車体フレームのロッカ内に設置したケースナットに採用したが、これに限らず、車両の種々の部位のケースナットに適用することができる。さらに、電着塗装に限らず、あらゆる種類のケースナット構造に適用することができる。
1 車両
2 車体
3 サスペンション
4 車輪
5 車室
8 側壁
9 ロッカ
10 フロントサイドメンバ
12 リヤサイドメンバ
13 前クロスメンバ
14 中途部クロスメンバ
15 後クロスメンバ
25 ロッカアウタパネル
26 ロッカインナパネル
27 ロッカ補強パネル
35 ブラケット
36 クロスメンバ
37 トレーリングアーム
38 枢支軸
39 ブッシュ
40 ケースナット構造
39a 外筒
39b 内筒
39c 弾性材
51 基板
51a 本体
51b、51c 側壁
51d,51e 溶接フランジ
52 貫通孔
53 ナット
54 ナット頭部
54a ナット頂部
54b ナット側壁
54c ボルト孔
55 フランジ
57 隙間
58 拡大凹部
59 回転軌跡
60 円弧壁面
61 点接触

Claims (1)

  1. 車体に取り付けられる基板の貫通孔内に、多角形状のナットを遊動可能に挿通設定するケースナット構造において、前記貫通孔は、前記ナット頂部に対向する部位で前記ナット頂部との隙間が他の部位よりも拡大するように貫通孔の壁面を窪ませた凹部が複数個形成され、隣り合う前記凹部間をナットの側壁面に向けて近接する円弧で結ぶ形状に形成されたことを特徴とするケースナット構造。
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