JP2019065834A - 超高バイパス比ダクテッド・ターボファンの流量制御法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 第一に超高バイパス比ダクテッド・ターボファンは、低速時に低圧圧縮機LPCがサージングするので、これを防ぐ。第二に巡航時のBPRをファン直径を増さずに高める。第三に第一と第二の課題を同じ機構で解決し、複雑化を避ける。【解決手段】 圧縮機入口に可変入口案内翼VIGVを設け、コアの排気ノズルを可変コアノズルVCNとし、低速時にタービン入口温度TITを下げVCNを絞りVIGVを開いて、ファン回転数N1を下げた時コア流量を増すサイクルによりサージングを防ぎ、巡航時にTITを下げVCNを開きVIGVを絞って、N1の低下を抑えてN2を下げ、ファン圧力比FPR一定でLPC流量を減らすサイクルによりファン直径一定でBPRを高める。【選択図】図2

Description

本発明は、ダクテッド・ターボファンを超高バイパス比化するための流量制御法である。
バイパス比に対する巡航時の燃費の傾向は、バイパス比の増加につれ燃費は減少する。P&W社のPW1100G−JMのバイパス比は12:1、GE社のCFM LEAP―1A及び1Cはバイパス比11:1である。今や世界は高バイパス比ターボファンから超高バイパス比ターボファンの時代に入ろうとしており、より一層の対環境性の向上と燃料消費率低減のためターボファンエンジンの超高バイパス比化が世界の潮流となっている。
特願2016−205540
佐藤篤、今村蜜勇、藤村哲司著 「PW1100G―JMエンジン開発」IHI技報 Vol.53 No.4(2013)
ファン翼列がナセル内に収まったダクテッド・ターボファンは、バイパス比の増加につれ燃費は減少し続けるが、ファンケーシング寸法の増大に伴いナセル抵抗と重量がネックとなり、総合的に燃費最小になるバイパス比に至る。その先はダクト無しのプロップファンになるが、その境となるバイパス比はおよそ20であると言われている。
しかし筆者が数多くのサイクル計算を積み重ねたところ、バイパス比10と12では計算の難易度が全く異なり、ダクテッド・ターボファンの超高バイパス比化を阻むサイクル上の阻害要因が存在する。従ってダクテッド・ターボファンとアンダクテッドファンの境となるバイパス比はもっとずっと低いことが分かった。
先ずダクテッド・ターボファン・エンジンの超高バイパス比化を妨げるサイクル上の要因を調べた計算例を示す。図1は地上静止と巡航で計算したファン(FAN)、低圧圧縮機(LPC:Low Pressure Compressor)、高圧圧縮機(HPC:High Pressure Compressor)の作動状況である。巡航時の高度は10km、飛行マッハ数は0.8とした。図1例1のファンマップにおけるSは海面上静止状態(SLS:Sea Level Static)での設計点。Tは離陸、Cは巡航である。巡航定格におけるバイパス比を12とし、設計点及び離陸定格は計算を容易にするためバイパス比を11とした。
図1のファンマップ(例1、2)、LPCマップ(例3)、HPCマップ(例4)から超高バイパス比ダクテッド・ターボファンのサイクル特性を次のように述べることが出来る。
1)ファン前面面積が非常に大きくなるため、ファンマップにおいて離陸と巡航のファン 作動線が大きく離れる。
2)ファンノズル面積が大きいので、部分負荷でコア流量が非常に少なくなる。
3)例3から離陸における低回転では、LPC作動線がサージラインに急接近するので、 サージ対策が不可欠になる。
以上からダクテッド・ターボファンの超高バイパス比化を阻むサイクル上の要因は、LPCのサージングであることが明らかである。
サージングを防ぐためにLPCの作動線を移動する方法は二つある。抽気とコアノズルの可変化である。ギアードターボファンPW1100G―JMはLPC出口全周にわたり開口する抽気口を備えている。しかしながら抽気は圧縮仕事の一部を無駄にする。そこで本発明はこれを用いず、可変コアノズル(VCN:variable core nozzle)を採用する。
図1から本発明が解決しようとする課題は、第一に高低両圧軸の回転数とコア流量を制御することにより低速におけるLPCのサージングを回避し、ダクテッド・ターボファンの超高バイパス比化を可能にする。第二に、無闇にファン径を増せないなら、上空においてファン径一定でバイパス比を高め、燃料消費率(SFC:Specific Fuel Consumption)を低減する。第三に低速におけるサージング防止と、上空におけるファン直径一定でのバイパス比増加を同じ機構による流量制御法で実現する。
本発明の流量制御法を用いた超高バイパス比ダクテッド・ターボファンの概念図を図2例5に示す。その機構は、コアノズルを可変形状とし、HPCの入口に可変入口案内翼(VIGV:Variable Inlet Guide Vane)を設けた可変サイクルエンジンである。尚、可変コアノズルは排気ダクトの出口面積を開閉する、或いはテールコーンを軸方向に出し入れする等、どのような方法でもよい。
図2の例5に示す本エンジンの機構は、特願2016−205540に示されているエンジンの機構と全く同じである。しかし流量制御法としての目的、作用、効果は全く異なる。つまり特許請求の対象となる熱力学サイクル上のコンセプトが全く異なる。特願2016−205540は旅客機の経済性と速さを兼ね合わせた最適巡航速度を高めることを目的とした流量制御法である。巡航定格推力でタービン入口温度(TIT:Turbine Inlet Temperature)をより以上に高め高圧タービン(HPT:High Pressure Turbine)への仕事の配分を増して、HPC回転数N2を上昇させたとき、VCNを絞って低圧タービン(LPT:Low PressureTurbine)の膨張仕事を減らしてファン回転数N1を下げ、ファン翼端で発生する衝撃波損失、及びファンデスクに掛かる遠心応力の増加を抑えて推力を増す流量制御法である。操作としては上空でTITを上げ、VCNを絞り、VIGVを開くことにより、N1を高めることなくN2を高めて推力を増強する方法である。つまりバイパス比の高いターボファンの弱点であるLPCのサージングに対する対策は考慮されていない。
それに対し本発明が解決しようとする課題は前述のように三つある。第一に地上における低回転でLPCのサージングを防ぐ手段は、TITを下げ、VCNを絞り、VIGVを開くことにより、N2の低下を抑えてN1を下げる。この流量制御法により図2の例6に示すようにLPC作動線がチョーク側に寄り、サージが回避される。
第二に高空でファン直径一定のままバイパス比を高める方法は、TITを下げ、VCNを広げ、VIGVを絞ることによりN1を下げずにN2を降下させる。この流量制御法により図2の例7に示すようにLPC圧力比(LPR:Low Pressure Ratio)一定でLPC修正流量を減少させることができる。よって図2の例8に示すようにファン圧力比(FPR:Fan Pressure Ratio)一定でバイパス比を高めることが出来る。第三に第一の方法と第二の方法を同じ機構で、作動を逆に変化させることにより実現し、機構の複雑化、重量増、コストアップを回避する。
低速においてLPCのサージングを防ぐためにLPC出口で抽気する方法は、圧縮したコア流量の一部を外気に捨てるので燃費が悪くなるのは必然である。これに対し本発明の第一の流量制御法は、抽気を行うのではなく、高低両圧軸の回転数とコア流れを制御することによってサージングを防げることを図2例6に示した。よってダクテッド・ターボファンの超高バイパス比化を促進することができる。
巡航時にN1の低下を抑えてN2を下げることができる本発明の第二の流量制御法は、図2の例8に示したようにFPR一定でバイパス比を高めることができるので、図3例9に示す如くFPR一定でSFCを低減することができる。これを推力(離陸定格との比)とSFCの関係で示すと図3例10となる。例10でトップクライムの推力比を20%とし、クルーズの推力比を約18%とすると、クルーズでのバイパス比はほぼ13になり、SFCは5%改善される。また推力がより低下し、このサイクルのバイパス比が14となった場合、VIGVとVCNが固定された従来型超高バイパス比ターボファンよりSFCは約6.8%低減される。
図2例5に示す機構は、高圧軸と低圧軸の回転数の関係を2軸フリータービンの特性による拘束から解き放つ可変サイクルエンジンである。ところが実際には現在まで亜音速エンジンに可変サイクルは採用されていない。その理由は機構が複雑になり、重量、コスト、信頼性に問題が生じるデメリットの方が、可変サイクル化による燃費低減のメリットより大きいと考えられているからである。本発明の効果の第三は、第一の方法と第二の方法を同一の機構で、作動を逆に変化させることにより実現し、機構の複雑化、重量増、コストアップを回避することができることである。
発明を実施するための形態(作動説明)
低速時にLPCのサージングを防ぐための作動をより詳しく説明する。低速運転の時にVCNを絞るとコアノズル膨張比が増し、LPTの膨張比が減少する。図4例11に示すようにコアノズルA7一定の場合よりA7を絞った場合の方がLPTの仕事が減少する。従ってファン回転数N1が低下する。同時にTITを下げるとHPCの作動点が下がる。図4の例12はHPCのMAPを拡大し作動線を見やすくした図である。図からコアノズル固定の場合よりVCNを絞った場合の方がRHCの低下が少ない。つまりVCNを絞るとN2低下が抑えられる。またVIGVを開くとコア流量が増す。N2の低下を抑えN1を下げてコア流量(LPC流量)を増すと、図2例6に示したようにLPC作動線がサージラインから離れ、サーシングを防ぐことができる。
次にファン直径一定でバイパス比を高める作用についてより詳しく説明する。先ず図5例13で、FPR一定でTITを下げると図5例14にあるようにHPC作動点が下がる。N1を下げずにN2を下げるのがこのサイクルの狙いだから、図5例13でTITを下げてもFRPを維持できればよいことになる。FPRを維持するためには、VCNを広げVIGVを絞る。図6タービン流量特性の例15に示すようにVCNを広げるとLPC膨張比が増す。このときHPT、LPTともにチョークしているので、例16からVCN一定の場合と、VCN面積を広げた場合で、HPT膨張比は変わらない。従って図7例17に示すようにFPR一定を維持できる。ただ例17にあるようにファン修正流量が僅かに減少する。ファン修正流量が僅かでも減少すると、ファンノズル面積一定からコア流量が減少し、上に述べたようにHPT膨張比が同じでも、その膨張仕事は小さくなり図5例14で示したようにHPC回転数N2が低下する。
このときVIGVを絞ると、LPC出口の体積流量が減少し密度が高くなるので出口圧は低下せず維持され、図2例7に示したようにLPR一定でLPC修正流量が減少する。よってファン直径一定のままBPRが高くなる。
超高バイパス比ダクテッド・ターボファンの離陸及び巡航時における圧縮機部作動図(例1及び例2はFAN作動マップ、例3はLPC作動マップ、例4はHPC作動マップ)。 本発明の概要を包括的に説明するための図(例5は本発明、超高バイパス比ダクテッド・ターボファンの概念図、例6はサージングを防ぐLPC作動説明図、例7はLPR一定で修正流量が減少するLPCの作動説明図、例8はFPR一定でBPRを高めるサイクルの説明図)。 巡航時にファン径一定でBPRを増しSFCを低減する本発明の効果を示す図(例9はFPRとSFCの関係、例10は巡航における離陸定格との推力比とSFCの関係)。 低速時にLPCのサージを防ぐための低圧系(LPT)と高圧系(HPC)の作動(例11はコアノズル面積A7とLPTの仕事の変化の関係、例12はHPCのマップを拡大した図)。 巡航時にファン径一定でBPRを高める時のTITとHPCの変化(図13は上空でコアノズルを開き、FPR一定でTITを下げた図、図14はその時のHPCの作動)。 巡航時にファン径一定でBPRを高める際のタービン及びコアノズルの流量関係図(例15はLPTとコアノズルの流量関係図、例16はタービン部流量関係図)。 巡航時にファン径一定でBPRを高める際のファンの作動(図17はファン作動マップ)。
ターボファンの超高バイパス比化を阻むサイクル上の要因は、低速におけるLPCのサージングである。本発明はサイクルの可変化により、ファン回転数を下げた時コア流量を増やすことができるので、低速におけるLPCサージングを防げる。その上、巡航時にFPR一定でコア流量を減らすことができるので、ファン直径一定のままBPRを高め、SFCを低減することができる。以上から対環境性の向上と燃料消費節減という社会の要請に応えることができるので、産業上利用可能性が極めて高い。
FAN ファン
LPC 低圧圧縮機
HPC 高圧圧縮機
COMB 燃焼器
HPT 高圧タービン
LPT 低圧タービン
VCN 可変ノズル
VIGV 可変入口案内翼
VSV 可変静翼

Claims (1)

  1. ダクテッド・ターボファンの高圧圧縮機(HPC)入口に可変入口案内翼(VIGV)を設け、コアの排気ノズルを可変形状の可変コアノズル(VCN)とし、低速時においてタービン入口温度(TIT)を下げVCNを絞りVIGVを開いて、HPC回転数N2の低下を抑えて、ファン回転数N1を下げコア流量を増すサイクルを形成して、低速における低圧圧縮機(LPC)のサージングを防ぐことを第一の特徴とし、巡航時において、TITを下げVCNを開きVIGVを絞って、N1の低下を抑えてN2を下げ、ファン圧力比(FPR)一定で、LPC流量を減らすサイクルを形成して、ファン直径一定のままバイパス比を高めることにより燃料消費率を低減することを第二の特徴とし、第一の特徴と第二の特徴を、同一の機構を逆に操作することにより実現して、機構の複雑化、重量増、コストアップを防ぐことを第三の特徴とする超高バイパス比ダクテッド・ターボファンの流量制御法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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