JP2002054503A - 亜音速機用高バイパス比・可変サイクルエンジン - Google Patents

亜音速機用高バイパス比・可変サイクルエンジン

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JP2002054503A JP2000277267A JP2000277267A JP2002054503A JP 2002054503 A JP2002054503 A JP 2002054503A JP 2000277267 A JP2000277267 A JP 2000277267A JP 2000277267 A JP2000277267 A JP 2000277267A JP 2002054503 A JP2002054503 A JP 2002054503A
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勇 根本
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 亜音速機用高バイパス比ターボファンに可変
サイクルを適用し、巡航時にバイパス比を高めてSFC
を改善する。 【構成】 低圧タービンの入口静翼を可変静翼とし、バ
イパスノズルは固定ノズル、ジェットノズルは可変構造
にする。或いは低圧タービン入口静翼を固定し、可変静
翼に替えて高圧タービン出口に抽気弁を設ける。これ等
の構成によって、低圧系回転数を制御し、離陸時に低バ
イパス比、巡航時に高バイパス比にすることを特徴とす
る。 【効果】 本可変サイクルエンジンは、巡航時にバイパ
ス比を高め、しかも同じ離陸性能を持つ現用ターボファ
ンと同じ巡航推力を発生するので、SFCを改善出来
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、亜音速機用高バイパス
比ターボファン・エンジンの巡航時における燃料消費率
を改善するため、離陸時と巡航時でバイパス比を変化さ
せる可変サイクルエンジンに関する。
【0002】
【従来の技術】一般にターボファンは、燃料流量の増減
により高圧系回転数のみを制御する。低圧タービンはフ
リータービンであり、フリータービンは部分負荷でター
ビン全膨脹比を下げると、高圧タービンより低圧タービ
ンの方が膨脹比の減少が大きくなる特性がある。従って
部分負荷である巡航時に、圧縮機よりファンの回転数が
低下し、亜音速機用ターボファンの巡航時のファン修正
回転数は、巡航条件によるが、通常95%から90%近
くに落ち、ファン修正流量が減少する。
【0003】一方、巡航時は飛行によるラム圧力回復分
だけバイパスノズルの膨脹比が上昇し、バイパス空気流
量が増加するため、飛行マッハ数の増加に伴ってバイパ
ス比が増加する傾向がある。巡航時はフリータービンの
特性からファン駆動力が少なくなるので、バイパス比が
増すとファン圧力比は大きく低下する(図3参照)。こ
の二つの物理現象から、巡航時にファンの修正回転数、
及び圧力比を一定に保てば、バイパス比をより一層高め
て、巡航時に燃料消費率を改善出来ることを推察出来
る。本発明はこの点に着目した新技術である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する問題点は、部分負荷で低圧タービンの膨脹比の減少
割合が高圧タービンのそれより大きくなるフリータービ
ンの特性である。換言すれば、従来の亜音速機用高バイ
パス比ターボファンでは、低圧系が制御されていないた
め巡航時のバイパス比の上昇が少なかった点である。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、亜音速機用高
バイパス比ターボファンに可変サイクルを適用し、上記
の課題を解決するものである。本発明は離陸時に低バイ
パス比、巡航時に高バイパス比にすることを最も主要な
特徴とする。そのための手段としては、高圧系のみでな
く低圧系も制御して、巡航時にファンの修正回転数及び
圧力比一定で、圧縮機回転数を下げる。
【0006】しかしながら一般に、離陸時で低バイパス
比にすると空港騒音が増し、滑走距離が長くなる。また
巡航時に高バイパス比にすると巡航速度が低下する。従
ってこの課題解決には次のような条件がともなう。 1)離陸時のバイパス比を現用の高バイパス比エンジン
と同等にすること;本発明は離陸時に低バイパス比にす
るが、それは巡航時との比較であって離陸時に現用機関
よりバイパス比を下げる訳ではない。つまり本発明は現
用の高バイパス比エンジンの離陸時のバイパス比はその
ままで、巡航時のバイパス比を今迄より高めようとする
ものである。 2)巡航速度を落さず、同じ離陸性能を持つ現用機関と
同等の巡航推力を維持すること;巡航時にバイパス比を
高めると必然的に比推力が低下する。しかしファン空気
流量を増すことが出来れば、巡航時の推力を維持出来
る。
【0007】巡航時にファン空気流量を増加する上で
も、次のような条件がともなう。 3)ファン口径を増さないこと;ファン口径を増したの
では、推力重量比が低下し意味がない。またファン口径
を増すのであれば可変サイクルの必要はない。 4)ファン修正回転数を上昇させないこと;翼高の大き
いファンを持つ亜音速機用高バイパス比ターボファンで
は、ファン翼端の相対マッハ数が、応力や衝撃波損失の
点から問題になるので、修正回転数を高めることは出来
ない。前提条件として上に示した諸点が、従来の亜音速
機用高バイパス比ターボファンでは低圧系の制御が行わ
れなかった理由と考えられる。
【0008】上記の条件を満たしてバイパス比を高め、
しかも巡航速度を低下させないためには、次のような流
量制御が必要となる。 1)ファン修正流量を一定に保つこと;従来型は巡航時
にファン修正流量が減少するので、ファン修正回転数を
高めずとも一定に保てば、従来型よりファン空気流量が
増し、飛行マッハ数の増加にともなってバイパス流量が
増加する自然現象によって、バイパス比を従来型より高
めることが出来る。計算によれば、巡航時での本発明と
従来型のファン修正流量の違いは僅かだが、それでもそ
の差によって平均ジェット速度を低め、推進効率を改善
することが出来る(表2参照)。
【0009】2)ファン圧力比を一定に保つこと;巡航
時にバイパス比を高めるには、圧縮機回転数を下げねば
ならないが、圧縮機圧力比が降下しても低圧系を制御し
てファン圧力比を一定に維持すれば、エンジン圧力比を
従来型と同程度に保てる(表2参照)。エンジン圧力比
は燃料流量に支配されるので、エンジン圧力比を下げな
いためには従来型とほぼ同量の(燃料消費率改善分だけ
少ない)燃料流量を必要とする。燃料流量が同じであれ
ば推力も同じになり、巡航速度は低下しない。
【0010】本発明はこのように、亜音速巡航時にバイ
パス比を高めて燃料消費率を改善するという目的を、低
圧系を上記の如く制御して燃料流量を維持し、ファン口
径を増さずに巡航時のファン空気流量を増すことによっ
て実現した。超音速機用可変サイクルエンジンは、離陸
時及び亜音速巡航時(低速時)にバイパス比を高め、超
音速巡航時(高速時)にバイパス比を低める。本亜音速
機用可変サイクルエンジンのバイパス比の変化は丁度こ
れと逆になり、従来にない、まったく新しい可変サイク
ルエンジンの概念となる。
【0011】また超音速機用可変サイクルエンジンは、
バイパス比を高めるために低速時のファン修正回転数を
高速時より上げている。しかし亜音速機用高バイパス比
ターボファンでは、バイパス比を高めるためファン修正
回転数を上昇させることは、前述の理由から出来ない。
ところが亜音速機の場合、バイパス比を高めるのは高速
巡航時であるから、前述のように、飛行マッハ数の増加
にともなってバイパス比が高まる傾向を利用できる。こ
の点も従来の可変サイクルエンジンと本発明の大きな違
いである。
【0012】亜音速機用高バイパス比ターボファンの低
圧系回転数を制御する方法を、図1及び図2の本発明の
概念図に基づき説明する。図1は低圧系回転数を制御す
る方法として、可変低圧タービン静翼を用いた場合の本
発明可変サイクルエンジンの概念図である。図において
FANはファン、HPCは圧縮機、COMBは燃焼器、
HPTは高圧タービン、LPTは低圧タービン、LPT
VGは可変低圧タービン静翼、JNは可変ジェットノ
ズル、BNはバイパスノズルである。図2は、図1のL
PT VGに替えて、HPT出口に抽気弁BVを装着
し、抽気により低圧系回転数を制御する本発明の概念図
である。また図2の抽気法を用いた可変サイクルエンジ
ンは、超音速機用として出願した「特許平8−1373
49」、「特許平10−143576」、「特許平11
−57484」の特許を、亜音速機に適用させるため改
良を加えたものである。
【0013】
【作用】図1に基づいて本発明の作用を説明する。先ず
亜音速巡航時においては、部分負荷であるから燃料流量
を減らす。従って高圧系の回転数は下がる。ここでLP
T VGを絞りLPT膨脹比を増して、低圧系の回転数
を高めFAN修正回転数及びFAN圧力比(FPR)を
一定に制御する。LPT膨脹比を増すとLPT出口圧力
が低下し体積流量が増加する。よってコアのジェットノ
ズルJNを後方に移動しノズル面積を拡大する。以上の
作動により巡航時のバイパス比(BPR)を高めること
が出来る。バイパスノズルBNは固定ノズルとする。
【0014】次に高推力を要する離陸時は燃料流量を増
やす。従って高圧系の回転数は増す。ここでLPT V
Gを開いてLPT膨脹比を減少させ、FAN修正回転数
を一定に制御する。FAN修正回転数及びFPRを一定
に制御してHPC回転数を高めると、エンジン圧力比
(EPR)が増すため、LPT出口ガスの密度が巡航時
より高くなるので、コアのジェットノズルJNを前方に
移動しノズル面積を狭めて、臨界圧まで排気を膨脹させ
る。以上の作動により離陸時のBPRを低下させ推力を
増すことが出来る。尚、ジェットノズル面積の可変化
は、ノズルを固定しテエルコーンを前後に移動してもよ
い。
【0015】次に図2の本発明についてその作用を説明
する。この新しい熱サイクルを行うエンジンは、巡航時
にBPRを高くするため圧縮機圧力比(CPR)を低く
設定する。従ってコア流量が少なくなるのでLPTのタ
ービン容量は小さくなる。よって離陸時に要求推力を満
たすため、燃料流量を増し高圧系回転数を高めると、L
PTノズルは固定であるから、LPTは過回転になって
しまう。そこでHPT出口の抽気弁BVを開き、LPT
流量をHPT流量より少なくすると、LPTを過回転に
することなく高圧系回転数を高めることが可能となる。
よってBPRが低下し、離陸時の推力を増すことが出来
る。
【0016】
【記号】図1、2に示す二つの可変サイクルエンジンと
従来型ターボファンのサイクル計算により、本発明の従
来型に対する優位性を論証する。計算に用いた記号及び
設定値を以下に示す。 An:ノズル面積 Cp:定圧比熱(J/kg・K) BPRまたはμ:バイパス比 Fn:正味推力 f:燃料空気混合比 CPR:圧縮機圧力比 FPR:ファン圧力比 G:作動流体流量(kg/sec) GB:バイパス流量 Hu:燃料低位発熱量(kJ/kg) K:燃焼器の形状抵抗係数 K:燃焼器の燃焼抵抗係数 M:マッハ数 N:回転数(rpm) P:全圧力(kPa) p:静圧力(kPa) Ps:標準圧力(101.3kPa) Q:抽気率 R:ガス定数(J/kgK) T:全温度(K) t:静温度(K) TIT:タービン入口温度 Ts:標準温度(288.16K) SFC:燃料消費率 SLS:海面上静止状態 V:流速 δ:P/Ps η:効率 θ:T/Ts κ:比熱比 m=(κ−1)/κ Comp. Cpc=1.005kJ/kgK、 κc=1.40 Turb. Cpt=1.156kJ/kgK、 κt=1.33 添字 数字:エンジンの各断面位置を表す b:燃焼器 c:圧縮機側 F:ファン e:出口 HC:圧縮機 HT:高圧タービン i:入口 J:ジェット排気 LT:低圧タービン N:ノズル Q:抽気 t:タービン側 ()des:設計値
【0017】
【設定値】計算に用いたFAN特性マップを図3に、H
PC特性マップを図4に示す。本計算ではSLSにおけ
る設定値を次のように定めた。FAN流量1kg/s、
TITを1773K、BPRを6(B747と同程
度)、FAN修正回転数100%、FPRを1.7、断
熱効率を0.85。HPCの修正回転数を105%、C
PRを12、断熱効率を0.845。SLSにおけるF
AN及びHPCの作動点は、それぞれ図3、図4の1で
ある。この設定値は、三つのエンジンとも共通であり、
エンジンの大きさを同じとする。亜音速巡航時は飛行高
度10km、飛行マッハ数0.85とした。
【0018】
【計算式と係数】森田光男、関根静雄両氏の論文「航空
宇宙技術研究所報告TR−347 多軸ターボファンエ
ンジンの設計点外性能」から計算式及び係数を引用す
る。空気取入口;圧力回復係数ηを数式1で定義し、
空気取入口における温度比を数式2で与える。尚、η
=1と仮定する。
【0019】
【数1】
【0020】
【数2】
【0021】圧縮機及びファン;圧縮過程での入口と出
口の温度比は数式3で与えられる。
【0022】
【数3】
【0023】燃焼器;燃焼器内で生ずる圧力損失は、燃
焼器の形状によって決まるものと燃焼によって決まるも
のとがあり、圧力損失を近似的に数式4で与える事にす
る。
【0024】
【数4】
【0025】燃焼器の形状抵抗係数はK=0.02
6、燃焼抵抗係数はK=0.0037とする。また燃
焼効率は数式5で定義する。
【0026】
【数5】
【0027】タービン;タービンは楕円法則に従うもの
とし、流量特性を数式6で表す。指数mは2段タービン
の値である3.53を用いる。
【0028】
【数6】
【0029】断熱効率は一般に、タービンの周速度U
と、熱落差を速度に換算したタービン理論速度Coとの
比、即ち速度比U/Coの関数で表される。ここでは数
式7で近似する。
【0030】
【数7】
【0031】ここでX、X、Xはタービン断熱効
率を表す係数であり、X=1、X=1、X=−1
とする。膨脹過程における入口、出口の膨脹比及び温度
比は数式8及び数式9で与えられる。
【0032】
【数8】
【0033】
【数9】
【0034】バイパス及びジェットノズル;ノズルの流
量特性は等エントロピ膨脹するノズルの式10を用い
る。但しノズルがチョークしている場合は数式11を用
いる。
【0035】
【数10】
【0036】
【数11】
【0037】高圧系の釣り合い;HPC、燃焼器、HP
Tのマッチング条件である流量、回転数、及びパワーの
バランスは、それぞれ数式12、13、14で表され
る。ここでηは回転系の機械効率である。
【0038】
【数12】
【0039】
【数13】
【0040】
【数14】
【0041】低圧系の釣り合い;ファンとLPTの流
量、回転数、及びパワーのバランスは、それぞれ数式1
5、16、17で表される。尚、図2以外の抽気を行わ
ないエンジンは、抽気率Qをゼロとすればよい。ここで
抽気率を数式18で定義する。
【0042】
【数15】
【0043】
【数16】
【0044】
【数17】
【0045】
【数18】
【0046】全体性能;先ずバイパス比μを数式19で
定義する。エンジンの全体性能としては、正味推力、燃
料消費率を数式20〜23より求める。式22のη
推力効率であり、η=0.97とする。
【0047】
【数19】
【0048】
【数20】
【0049】
【数21】
【0050】
【数22】
【0051】
【数23】
【0052】
【部分負荷計算】本計算の要点はFANとHPCの修正
流量と圧力比及びTITである。二つの本発明の亜音速
巡航時のマッチング計算は、先ずFAN修正回転数、F
PRともSLSと変わらないものとする。つまりFAN
の巡航時作動点をSLSと同じ図3の1とする。HPC
は図4の2、3に示すように作動点の圧力比を11、1
0と変えて、式1〜式18を用いてエンジン全体がマッ
チング出来るTITを試行錯誤法により算出する。
【0053】従来型ターボファンの亜音速巡航時のマッ
チング計算は次のようにする。先ずG=GB+GHC
であるから、FPRを仮定して式11よりバイパス流量
GBを求める。次にGHCとCPRを仮定して式1〜式
17を順次計算する。高圧系の流量バランスを表す式1
2のGHTと、タービン流量特性を表す式6のHPT流
量が一致する時のTITが、自動的に求まるように計算
プログラムを組むと未知数を一つ消去できる。よって式
15のGLTと式6のLPT流量が一致するまでFPR
をいろいろ変えて計算を繰り返せば、エンジン全体のマ
ッチングが取れるFPRを見い出せる。但し、FANの
効率はその都度図3から読み取り修正する。次にHPC
作動点を変えて以上の手続きを繰り返し、式22によっ
て算出された正味推力が、先に計算した可変サイクルエ
ンジンの正味推力に近くなるHPC作動点を見い出すこ
とによって計算を完了する。計算によって求められたF
ANの作動点を図3に、HPCの作動点を図4に、2’
で示す。
【0054】三つのエンジンの離陸性能を表1に示し、
巡航性能を表2に示す。先ず、表1の離陸性能で三者を
比較すると、従来型が推力、SFCとも優っている。そ
の理由は、バイパスノズルBNの設計点を従来型はSL
Sとし、本発明は巡航時としているためである。SLS
において従来型はp=pであり、バイパス空気はノ
ズルで大気圧まで膨脹するが、本発明の場合は式10か
らp>pとなり推力が多少落ちる。また可変サイク
ルエンジンの内、抽気法を用いたものがLPT VGを
用いたものより僅かに性能が劣る理由は、抽気口入口で
流れの損失が生じるからであり、本計算では抽気口での
圧力損失を2%としている。尚、抽気法を用いた可変サ
イクルエンジンでは、巡航時のHPC作動点2(図4)
で抽気率をゼロとし、各要素のマッチングを取った場
合、SLSで6.87%の抽気が必要となり、HPC作
動点3(図4)で同様にした場合、SLSで7.12%
の抽気が必要になる。
【0055】次に巡航時については、二つの可変サイク
ルエンジンは従来型より僅かながら空気流量が増してい
る。従ってBPRを高め平均ジェット速度Jを低める
ことが出来る。結果としてSFCが改善されることが示
されている。比推力の重要性は、推力に対する吸込み空
気量の比そのものではなく、エンジンが軽いか、小さい
かという点である。本計算のSLSでの設定値から明ら
かなように、従来型と二つの本発明はエンジンの大きさ
が同じ(図2の抽気法のみLPTが小さくなる)であ
り、また巡航時推力も表2からほぼ同じである。ただ本
発明は同じ大きさのエンジンで、巡航時に従来型より流
量を増せるので、BPRを高め比推力を下げて推進効率
を改善出来るのである。巡航時における本発明と従来型
のSFCを比べると、運航上有益な差を生み出してい
る。
【0056】
【効果】バイパス比を高めSFCを改善するためにファ
ン口径を増すことは、大変困難な技術課題である。それ
に対し本発明は、ファン径を増さずに吸込み空気量を増
して、バイパス比を高め得る新しい可変サイクルエンジ
ンの概念を生み出した。故に本発明の優位性は、“本可
変サイクルエンジンは、巡航時にバイパス比を高め、し
かも同じ離陸性能を持つ現用ターボファンと同じ巡航推
力を発生するのでSFCを改善出来る”となる。本発明
は低圧系制御やジェットノズルの可変化など従来型より
構造が複雑になる。しかしながら運航時間の長い巡航時
のSFCを有効な値で改善出来るので、運航費に占める
燃料費の割合を減少させ、旅客機の経済性を高める。2
1世紀は「環境の時代」である。本発明は省資源、環境
保全という時代の要請に合致した航空用エンジンを世に
提供するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】LPT VGにより低圧系を制御する本発明可
変サイクルエンジンの概念図。
【図2】抽気法により低圧系を制御する本発明可変サイ
クルエンジンの概念図。
【図3】本計算に用いたFAN特性マップ。
【図4】本計算に用いたHPC特性マップ。
【符号の説明】
FAN ファン HPC 圧縮機 COMB 燃焼器 HPT 高圧タービン LPT 低圧タービン LPT VG 低圧タービン可変静翼 JN 可変ジェットノズル BN バイパスノズル BV 抽気弁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F02K 3/06 F02K 3/06

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ターボファン・エンジンの低圧タービン
    入口静翼を可変静翼とし、バイパスノズルは固定ノズ
    ル、コアのジェットノズルは可変構造にして、亜音速巡
    航時に低圧タービン可変静翼を絞り、ファンの修正回転
    数及び圧力比を一定に維持したまま高圧系回転数を下
    げ、同時にジェットノズルのノズル面積を広げることに
    よって、巡航時にファン空気流量を増しバイパス比を高
    める、離陸時に低バイパス比、巡航時に高バイパス比と
    することを特徴とする亜音速機用高バイパス比・可変サ
    イクルエンジン。
  2. 【請求項2】 請求項1の低圧タービン入口静翼を固定
    し、可変静翼に替えて高圧タービン出口に抽気弁を設
    け、離陸時に抽気弁を開いて、低圧タービンを過回転に
    することなく高圧系回転数を高め、巡航時に抽気弁を閉
    じて、ファンの修正回転数及び圧力比一定で高圧系回転
    数を下げることにより、請求項1と同じ特徴を有する亜
    音速機用高バイパス比・可変サイクルエンジン。
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