JP2019065251A - 水性ポリビニルアセタール樹脂組成物 - Google Patents

水性ポリビニルアセタール樹脂組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP2019065251A
JP2019065251A JP2018069118A JP2018069118A JP2019065251A JP 2019065251 A JP2019065251 A JP 2019065251A JP 2018069118 A JP2018069118 A JP 2018069118A JP 2018069118 A JP2018069118 A JP 2018069118A JP 2019065251 A JP2019065251 A JP 2019065251A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polyvinyl acetal
acetal resin
group
mol
resin composition
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2018069118A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7120789B2 (ja
Inventor
貴之 前田
Takayuki Maeda
貴之 前田
幸雄 落谷
Yukio Ochitani
幸雄 落谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sekisui Chemical Co Ltd filed Critical Sekisui Chemical Co Ltd
Publication of JP2019065251A publication Critical patent/JP2019065251A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7120789B2 publication Critical patent/JP7120789B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Abstract

【課題】長期間に渡ってpHを安定化できることで経年劣化を防止でき、分散性に優れ、金属の腐食を抑制することが可能な水性ポリビニルアセタール樹脂組成物を提供する。【解決手段】20℃におけるpHが7.0以上であり、塩基性官能基を有する構成単位を有する変性ポリビニルアセタール樹脂を含有する水性ポリビニルアセタール樹脂組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、長期間に渡ってpHを安定化できることで経年劣化を防止でき、分散性に優れ、金属の腐食を抑制することが可能な水性ポリビニルアセタール樹脂組成物に関する。
ポリビニルアセタール樹脂は、ポリビニルアルコールを原料として合成される樹脂であり、側鎖にアセチル基と水酸基、そしてアセタール基を有することによって、優れた強靭性、接着性、架橋性、吸湿性を発現することができる。また、側鎖基の比率を変化させることによって樹脂物性を変化させることが可能となる。このような特性を利用して自動車用合わせガラス中間膜やセラミックグリーンシート等幅広い用途に使用されている。
ポリビニルアセタール樹脂は、造膜性、顔料分散性、塗布面への接着性、アルコール可溶性等に優れた性質を有することから、塗料及びインク分野においてもバインダー樹脂として用いられている。
しかしながら、ポリビニルアセタール樹脂中には、原料のアルデヒドが残存するため、アルデヒドの酸化物やアルデヒド同士の反応物が生じて、酸性化することで、ポリビニルアセタール樹脂が着色してしまい、得られる塗料・インク組成物の色調に変化を与えたり、長期間保存したときに粘度が大きくなったりする等の問題があった。
また、ポリビニルアセタール樹脂は多くの顔料の分散性に優れるものの、一部の顔料、例えば赤色のカーミン系顔料等に対しては必ずしも分散性のよい樹脂とはいえず、顔料の分散が不充分だと光沢がでにくいため、使用できないことがあった。
これに対して、長期間保存した場合でも、組成変化が少なく、経時で物性変化しにくい水性ポリビニルアセタール樹脂が開発されている(特許文献1)。
しかしながら、このような水性ポリビニルアセタール樹脂でも、酸性、アルカリ性領域において、ケン化反応が促進し、アセチル基が脱離してしまうという問題があった。脱離したアセチル基は、酸化により酢酸となることで、酸性側へシフトが起こり、劣化が促進されていた。
特開平5−97917号公報
本発明は、上記現状に鑑み、長期間に渡ってpHを安定化できることで経年劣化を防止でき、分散性に優れ、金属の腐食を抑制することが可能な水性ポリビニルアセタール樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明は、20℃におけるpHが7.0以上であり、塩基性官能基を有する構成単位を有する変性ポリビニルアセタール樹脂を含有する水性ポリビニルアセタール樹脂組成物である。
以下に本発明を詳述する。
本発明者らは、鋭意検討の結果、pHが7.0以上であり、かつ、塩基性官能基を有する構成単位を有する変性ポリビニルアセタール樹脂を用いることで、長期間に渡ってpH、アセチル基量及び粘度を安定化させて経年劣化を防止でき、分散性に優れ、金属の腐食を抑制することができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明の水性ポリビニルアセタール樹脂組成物は、20℃におけるpHが7.0以上である。pHが上記範囲にあることで、ケン化反応によるアセチル基の脱離を防止して、長期間保管時の劣化を抑制することができる。
上記pHの好ましい下限は7.0、より好ましい下限は7.5、好ましい上限は9.0、より好ましい上限は8.5である。
なお、本発明の水性ポリビニルアセタール樹脂組成物では、後述する塩基性官能基を有する構成単位を有する変性ポリビニルアセタール樹脂を用いることで、20℃におけるpHを7.0以上にコントロールすることが可能となる。
また、本発明の水性ポリビニルアセタール樹脂組成物を温度20±5℃、湿度45〜55%で2年間放置した場合のpHは6.4〜8.5であることが好ましい。
本発明の水性ポリビニルアセタール樹脂組成物は、塩基性官能基を有する構成単位を有する変性ポリビニルアセタール樹脂を含有する。
このような変性ポリビニルアセタール樹脂を含有することで、水性ポリビニルアセタール樹脂組成物のpH、アセチル基量及び粘度を安定化させて、経年劣化を防止することができる。
上記塩基性官能基としては、例えば、第一級アミノ基、第二級アミノ基、第三級アミノ基、第四級アンモニウム塩等のアミノ基、アミド基、ピリジル基、ピリジン基、ピロリドン基、イミダゾール基、イミン基等が挙げられる。
なかでも、アミノ基が好ましく特に第一級アミノ基が好ましい。特に、上記アミノ基は、−NHであることが好ましい。
なお、本発明において、アミド構造とは、−C(=O)−NH−を有する構造をいう。
なかでも、上記アミノ基を有する構成単位は、下記式(1)に示す構造であることが好ましい。
また、上記アミド基を有する構成単位は、下記式(2)に示す構造であることが好ましい。
Figure 2019065251
Figure 2019065251
式(2)中、Rは水素原子又は炭素数1〜10の炭化水素基を表す。
上記塩基性官能基の結合位置については特に限定されないが、主鎖である炭素に直接結合した構造であってもよく、連結基を介して結合した構造であってもよい。また、アセタール基に結合した構造であってもよい。なかでも、主鎖である炭素に直接結合した構造や、主鎖である炭素に連結基を介して結合した構造であることが好ましい。
上記連結基としては、アルキレン基が好ましく、該アルキレン基としては、例えば、直鎖状アルキレン基、分岐状アルキレン基、環状アルキレン基等が挙げられる。
上記直鎖状アルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、オクタメチレン基、デカメチレン基等が挙げられる。
上記分岐状アルキレン基としては、メチルメチレン基、メチルエチレン基、1−メチルペンチレン基、1,4−ジメチルブチレン基等が挙げられる。
上記環状アルキレン基としては、シクロプロピレン基、シクロブチレン基、シクロヘキシレン基等が挙げられる。なかでも、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基等の直鎖状アルキレン基が好ましく、メチレン基、エチレン基がより好ましい。
上記変性ポリビニルアセタール樹脂は、塩基性官能基を有する構成単位の含有量の好ましい下限が0.1モル%、好ましい上限が20.0モル%である。
上記塩基性官能基を有する構成単位の含有量が0.1モル%以上であると、経時粘度安定性が良好なものとなる。上記塩基性官能基を有する構成単位の含有量が20.0モル%以下であると、アセタール化を充分に進行させることができる。上記塩基性官能基を有する構成単位の含有量のより好ましい下限は1.0モル%、より好ましい上限は15.0モル%である。
上記変性ポリビニルアセタール樹脂のアセタール化度は特に限定されないが、好ましい下限が1.0モル%、好ましい上限は35.0モル%である。アセタール化度を上記範囲とすることで、溶媒への溶解性を良好なものとすることができる。より好ましい下限が2.0モル%、より好ましい上限が33.0モル%である。上記変性ポリビニルアセタール樹脂のアセタール化度はNMR等で測定可能である。
上記変性ポリビニルアセタール樹脂は、水酸基量の好ましい下限が65.0モル%、好ましい上限は99.0モル%である。上記水酸基量が65.0モル%以上であると、変性ポリビニルアセタール樹脂の強靱性を充分に高めることができる。また、上記水酸基量が99.0モル%以下であると、変性ポリビニルアセタール樹脂の極性が高くなりすぎることがなく、ひび割れ等の不具合を抑制することができる。より好ましい下限が67.0モル%、より好ましい上限が98.0モル%である。
上記変性ポリビニルアセタール樹脂は、アセチル基量は特に限定されず、好ましい下限が0.01モル%、好ましい上限が20.0モル%である。上記アセチル基量が上記範囲内であると、経時粘度安定性を付与させることが出来る。
更に、2年間放置した前後のアセチル基量の変化率(アセチル基量変化率)は、12.0%以下であることが好ましい。
上記変性ポリビニルアセタール樹脂において、塩基性官能基を有する構成単位と、アセチル基量の比率(塩基性官能基を有する構成単位/アセチル基量)は、0.01〜5であることが好ましい。上記比率を0.01以上とすることで、経時粘度安定性を充分に発現することが出来る。上記比率を5以下とすることで、経時粘度安定性を向上させることができる。上記比率のより好ましい下限は0.015、より好ましい上限は2である。
上記変性ポリビニルアセタール樹脂の重合度は特に限定されないが、好ましい下限が200、好ましい上限が4500であることが好ましい。上記変性ポリビニルアセタール樹脂の重合度が200以上であると、充分な粘度を有する水性ポリビニルアセタール樹脂組成物を得ることができ、上記変性ポリビニルアセタール樹脂の重合度が4500以下であると、水への溶解性を良好なものとして、水溶液の粘度が高くなり過ぎることがなく、アセタール化を充分に進行させることができる。また、溶媒に溶解した際の粘度が高くなり過ぎることがなく、溶液を塗工して使用する用途で塗工性を良好なものとしてハンドリングを向上することができる。
上記変性ポリビニルアセタール樹脂を作製する方法としては、例えば、上記塩基性官能基を有する単量体と、酢酸ビニルとを共重合させることによって得られたポリ酢酸ビニルをケン化し得られたポリビニルアルコールを、従来公知の方法によりアセタール化する方法が挙げられる。また、塩基性官能基を有する構成単位を有するポリビニルアルコールを、従来公知の方法によりアセタール化することで塩基性官能基を導入する方法を用いてもよい。更に、未変性のポリビニルアセタール樹脂を後変性させることで塩基性官能基を導入してもよい。
これらのなかでは、塩基性官能基を有する構成単位を有するポリビニルアルコールをアセタール化してなることで塩基性官能基を有する変性ポリビニルアセタール樹脂を得る方法が好ましい。特に、このような方法を用いる場合、アセタール化に使用するアルデヒド、酸触媒の量を過剰に添加することで塩基性官能基を導入することが出来る。
上記アセタール化は、公知の方法を用いることが出来、水溶媒中、水と水との相溶性のある有機溶媒との混合溶媒中、あるいは有機溶媒中で行うことが好ましい。
上記水との相溶性のある有機溶媒としては、例えば、アルコール系有機溶剤を用いることが出来る。
上記有機溶媒としては、例えば、アルコール系有機溶剤、芳香族有機溶剤、脂肪族エステル系溶剤、ケトン系溶剤、低級パラフィン系溶剤、エーテル系溶剤、アミド系溶剤、アミン系溶剤等が挙げられる。
上記アルコール系有機溶剤としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、tert−ブタノール等が挙げられる。
上記芳香族有機溶剤としては、キシレン、トルエン、エチルベンゼン、安息香酸メチル等が挙げられる。
上記脂肪族エステル系溶剤としては、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、酪酸メチル、酪酸エチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル等が挙げられる。
上記ケトン系溶剤としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、ベンゾフェノン、アセトフェノン等が挙げられる。
上記低級パラフィン系溶剤としては、ヘキサン、ペンタン、オクタン、シクロヘキサン、デカン等が挙げられる。
上記エーテル系溶剤としては、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル等が挙げられる。
上記アミド系溶剤としては、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルテセトアミド、N−メチルピロリドン、アセトアニリド等が挙げられる。
上記アミン系溶剤としては、アンモニア、トリメチルアミン、トリエチルアミン、n−ブチルアミン、ジn−ブチルアミン、トリn−ブチルアミン、アニリン、N−メチルアニリン、N,N−ジメチルアニリン、ピリジン等が挙げられる。これらは、単体で用いることもできるし、2種以上の溶媒を混合で用いることもできる。これらのなかでも、樹脂に対する溶解性および、精製時の簡易性の観点から、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、テトラヒドロフランが特に好ましい。
上記アセタール化は、酸触媒の存在下において行うことが好ましい。
上記酸触媒は特に限定されず、硫酸、塩酸、硝酸、リン酸等の鉱酸や、ギ酸、酢酸、プロピオン酸等のカルボン酸や、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸等のスルホン酸が挙げられる。これらの酸触媒は、単独で用いられてもよく、2種以上の化合物を併用してもよい。なかでも、塩酸、硝酸、硫酸が好ましく、塩酸が特に好ましい。
上記アセタール化に用いられるアルデヒドとしては、炭素数1〜10の鎖状脂肪族基、環状脂肪族基又は芳香族基を有するアルデヒドが挙げられる。これらのアルデヒドとしては、従来公知のアルデヒドを使用できる。上記アセタール化反応に用いられるアルデヒドは、特に限定されるものではなく、例えば、脂肪族アルデヒド、芳香族アルデヒド等が挙げられる。
上記脂肪族アルデヒドとしては、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、n−ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、n−バレルアルデヒド、n−ヘキシルアルデヒド、2−エチルブチルアルデヒド、2−エチルヘキシルアルデヒド等が挙げられる。また、n−ヘプチルアルデヒド、n−オクテルアルデヒド、n−ノニルアルデヒド、n−デシルアルデヒド、アミルアルデヒド等が挙げられる。
上記芳香族アルデヒドとしては、ベンズアルデヒド、シンナムアルデヒド、2−メチルベンズアルデヒド、3−メチルベンズアルデヒド、4−メチルベンズアルデヒド、p−ヒドロキシベンズアルデヒド、m−ヒドロキシベンズアルデヒド、フェニルアセトアルデヒド、β−フェニルプロピオンアルデヒド等が挙げられる。これらのアルデヒドは、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。アルデヒドとしては、なかでも、アセタール化反応性に優れ、生成する樹脂に充分な内部可塑効果をもたらし、結果として良好な柔軟性を付与することができるn−ブチルアルデヒド、2−エチルヘキシルアルデヒド、n−ノニルアルデヒドが好ましく、n−ブチルアルデヒドがより好ましい。
上記アルデヒドの添加量としては、目的とする変性ポリビニルアセタール樹脂のアセタール化度にあわせて適宜設定する事が出来る。上記アルデヒドの添加量としては、目的とする変性ポリビニルアセタール樹脂のアセタール化度にあわせて適宜設定すればよい。特に、ポリビニルアルコール100モル%に対して、60〜95モル%、好ましくは70〜90モル%とすると、アセタール化反応が効率よく行われ、未反応のアルデヒドも除去しやすいため好ましい。
本発明の水性ポリビニルアセタール樹脂組成物において、上記変性ポリビニルアセタール樹脂の含有量は、好ましい下限が0.5重量%、好ましい上限が70.0重量%である。
上記変性ポリビニルアセタール樹脂の含有量が0.5重量%以上であると、高い強靭性を発揮することができる。上記含有量が70.0重量%以下であると、高い接着性を発揮することができる。
上記変性ポリビニルアセタール樹脂の含有量は、より好ましい下限が1.0重量%、より好ましい上限が60.0重量%である。
本発明の水性ポリビニルアセタール樹脂組成物は、着色剤を含有することが好ましい。
本発明の水性ポリビニルアセタール樹脂組成物及び着色剤を含有する場合、水性インク樹脂組成物として使用することができる。
上記着色剤としては、染料及び顔料が使用可能である。
上記染料としては、酸性染料、塩基性染料、直接染料等を使用することができる。
また、染料としては、水溶性染料が好ましく用いられるが、水不溶性染料であっても、適宜の分散剤により組成物中に安定に分散させ得る限り用いることができる。
上記顔料としては、有機顔料、無機顔料及び蛍光顔料等を用いることができる。
上記有機顔料としては、フタロシアニンブルー、ジオキサンバイオレット、アニリンブラック系、カーボンブラック、アゾ系、アンスラキノン系、縮合ポリアゾ系、チオインジコ系、金属鎖塩系、フタロシアニン系、ペリノン・ペリレン系、ジオキサジン系、キナクリドン系等が挙げられる。
上記無機顔料としては、カーボンブラック、チタン白、酸化鉄等を用いることができる。なお、染料または顔料は、上記したものに限定されるものではなく、従来よりインキ組成物において用いられている任意の染料または顔料を用いることができる。
その他、パール顔料、金属粉顔料、蓄光性顔料、シリカ、炭酸カルシウム等の白色顔料、熱変色性組成物を内包したカプセル顔料、香料や香料を内包したカプセル顔料等を例示できる。上記着色剤は単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の水性ポリビニルアセタール樹脂組成物において、上記着色剤の含有量は、好ましい下限が0.5重量%、好ましい上限が99.5重量%である。
上記着色剤の含有量が0.5重量%以上であると、着色性をより向上させることができる。上記含有量が99.5重量%以下であると、強靭性を向上させることができる。
上記着色剤の含有量は、より好ましい下限が1.0重量%、より好ましい上限が90.0重量%である。
本発明の水性ポリビニルアセタール樹脂組成物及び水性インク樹脂組成物は、溶媒を含有することが好ましい。
上記溶媒としては水が用いられるが、必要により、水と相溶性のある水溶性有機溶剤を添加することもできる。上記水溶性有機溶剤としては、例えば、エタノール、プロパノール、ブタノール、グリセリン、ソルビトール、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、チオジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール等が挙げられる。また、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル等が挙げられる。更に、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、スルフォラン、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン等が挙げられる。
本発明の水性ポリビニルアセタール樹脂組成物において、上記溶媒の含有量は、好ましい下限が10重量%、好ましい上限が99重量%である。
また、本発明の水性ポリビニルアセタール樹脂組成物及び水性インク樹脂組成物は、水溶性樹脂を含有してもよい。
上記水溶性樹脂としては、アルキド樹脂、アクリル樹脂、スチレンマレイン酸共重合物、セルロース誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、デキストリン等の1種又は2種以上を紙面への固着性や粘性付与のために用いることができる。
その他、必要に応じて、pH調整剤、防錆剤、防腐剤、防黴剤、金属石鹸、活性剤、潤滑剤、湿潤剤、消泡剤、分散剤、インキの浸透性を向上させるフッ素系界面活性剤を使用してもよい。
上記pH調整剤としては、炭酸ナトリウム、燐酸ナトリウム、酢酸ソーダ等の無機塩類、水溶性のアミン化合物等の有機塩基性化合物等が挙げられる。
上記防錆剤としては、ベンゾトリアゾール、トリルトリアゾール、ジシクロヘキシルアンモニウムナイトライト、ジイソプロピルアンモニウムナイトライト、サポニン等が挙げられる。
上記防腐剤としては、石炭酸、1,2−ベンズチアゾリン3−オンのナトリウム塩、安息香酸ナトリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、パラオキシ安息香酸プロピル、2,3,5,6−テトラクロロ−4−(メチルスルフォニル)ピリジン等が挙げられる。
上記活性剤としては、ポリアルキレングリコール、脂肪酸エステル、エチレンオキサイド付加型カチオン活性剤、燐酸系活性剤等が挙げられる。
上記潤滑剤としては、チオカルバミン酸塩、ジメチルジチオカルバミン酸塩等が挙げられる。
上記湿潤剤としては、尿素、ノニオン系界面活性剤、ソルビット、マンニット、ショ糖、ぶどう糖、還元デンプン加水分解物、ピロリン酸ナトリム等が挙げられる。
本発明の水性ポリビニルアセタール樹脂組成物及び水性インク樹脂組成物は、長期間に渡ってpHを安定化できることで経年劣化を防止でき、分散性に優れるため、記録用インキ(例えば、印刷用インキ、筆記具用インキ、インクジェット記録用インキ等)として有用である。
特に、本発明の水性ポリビニルアセタール樹脂組成物及び水性インク樹脂組成物は、筆記具用インキ、なかでも水性ボールペン用インキとして有用である。
ボールペンに使用されるボールとしては、結合成分としてクロムやコバルト等を含有する超硬材等の金属製ボールが使用されている。金属を使用したボールは、インキや空気中の水分などの水と接触することによって、長期経時によりボール中に含有している金属が溶出するいわゆる腐食が発生する。金属が溶出すると、ボール表面が凸凹となり、書き味の滑らかさが失われる場合があった。
これに対して、本発明の水性ポリビニルアセタール樹脂組成物及び水性インク樹脂組成物を水性ボールペン用インキに使用した場合、金属製ボールの腐食を抑制して、長期間に渡って好適にボールペンを使用することが可能となる。
本発明によれば、長期間に渡ってpHを安定化できることで経年劣化を防止でき、分散性に優れ、金属の腐食を抑制することが可能な水性ポリビニルアセタール樹脂組成物を提供できる。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1)
重合度600、ケン化度88.0モル%、上記式(1)に示すアミノ基(−NH)を有する構成単位を1.7モル%含有するポリビニルアルコール400gを純水1600gに加え、90℃の温度で約2時間攪拌し溶解させた。この溶液を40℃に冷却し、これに濃度35重量%の塩酸300gとn−ブチルアルデヒド80gとを添加し、液温を40℃に保持してアセタール化反応を行った。
その後、液温を40℃のまま3時間保持して反応を完了させ、常法によりpHが8.5になる様に20%NaOH水溶液にて調整を行うことで、変性ポリビニルアセタール樹脂溶液を得た。
得られた変性ポリビニルアセタール樹脂溶液のpHは8.5であり、樹脂含有量は20.0重量%であった。
得られた変性ポリビニルアセタール樹脂をDMSO−d(ジメチルスルホキサイド)に溶解し、13C−NMR(核磁気共鳴スペクトル)を用いて分析したところ、上記式(1)に示すアミノ基を有する構成単位(含有量:1.7モル%)を有することが確認できた。
なお、13C−NMRを用いて測定したブチラール化度(アセタール化度)、アセチル基量、水酸基量を表1に示す。
なお、変性ポリビニルアセタール樹脂溶液のpHをpHメーター(堀場製作所製、D71S ポータブルpHメーター)にて測定したところpHは8.5であった。
(実施例2)
ポリビニルアルコールを、重合度600、ケン化度88.0モル%、上記式(1)に示すアミノ基を有する構成単位を9.0モル%含有するポリビニルアルコール400gに変更した。反応終了後、常法によりpHが8.6になる様に20%NaOH水溶液にて調整を行った以外は、実施例1と同様の方法により変性ポリビニルアセタール樹脂溶液を得た。得られた変性ポリビニルアセタール樹脂溶液のpHは8.6であり、樹脂含有量は20.0重量%であった。
得られた変性ポリビニルアセタール樹脂をDMSO−d(ジメチルスルホキサイド)に溶解し、13C−NMR(核磁気共鳴スペクトル)を用いて分析したところ、上記式(1)に示すアミノ基を有する構成単位(含有量:9.0モル%)を有することが確認できた。
なお、13C−NMRを用いて測定したアセタール化度、アセチル基量、水酸基量を表1に示す。
(実施例3)
ポリビニルアルコールを、重合度600、ケン化度88.0モル%、上記式(1)に示すアミノ基を有する構成単位を18.0モル%含有するポリビニルアルコール400gに変更した。反応終了後、常法によりpHが8.8になる様に20%NaOH水溶液にて調整を行った以外は、実施例1と同様の方法により変性ポリビニルアセタール樹脂溶液を得た。得られた変性ポリビニルアセタール樹脂溶液のpHは8.8であり、樹脂含有量は20.0重量%であった。
得られた変性ポリビニルアセタール樹脂をDMSO−d(ジメチルスルホキサイド)に溶解し、13C−NMR(核磁気共鳴スペクトル)を用いて分析したところ、上記式(1)に示すアミノ基を有する構成単位(含有量:18.0モル%)を有することが確認できた。
なお、13C−NMRを用いて測定したアセタール化度、アセチル基量、水酸基量を表1に示す。
(実施例4)
ポリビニルアルコールを、重合度150、ケン化度88.0モル%、上記式(1)に示すアミノ基を有する構成単位を1.7モル%含有するポリビニルアルコール400gに変更した。反応終了後、常法によりpHが8.6になる様に20%NaOH水溶液にて調整を行った以外は、実施例1と同様の方法により変性ポリビニルアセタール樹脂溶液を得た。得られた変性ポリビニルアセタール樹脂溶液のpHは8.6であり、樹脂含有量は20.0重量%であった。
得られた変性ポリビニルアセタール樹脂をDMSO−d(ジメチルスルホキサイド)に溶解し、13C−NMR(核磁気共鳴スペクトル)を用いて分析したところ、上記式(1)に示すアミノ基を有する構成単位(含有量:1.7モル%)を有することが確認できた。
(実施例5)
ポリビニルアルコールを、重合度600、ケン化度99.7モル%、上記式(1)に示すアミノ基を有する構成単位を0.2モル%含有するポリビニルアルコール400gに変更した。また、n−ブチルアルデヒドの添加量を6.0gに変更した。
反応終了後、常法によりpHが8.5になる様に20%NaOH水溶液にて調整を行った以外は、実施例1と同様の方法により変性ポリビニルアセタール樹脂溶液を得た。得られた変性ポリビニルアセタール樹脂溶液のpHは8.5であり、樹脂含有量は20.0重量%であった。
得られた変性ポリビニルアセタール樹脂をDMSO−d(ジメチルスルホキサイド)に溶解し、13C−NMR(核磁気共鳴スペクトル)を用いて分析したところ、上記式(1)に示すアミノ基を有する構成単位(含有量:0.2モル%)を有することが確認できた。
(実施例6)
ポリビニルアルコールを、重合度600、ケン化度88.0モル%、上記式(1)に示すアミノ基を有する構成単位を1.7モル%含有するポリビニルアルコール400gに変更した。また、n−ブチルアルデヒドの添加量を300gに変更した。
反応終了後、常法によりpHが8.5になる様に20%NaOH水溶液にて調整を行った以外は、実施例1と同様の方法により変性ポリビニルアセタール樹脂溶液を得た。得られた変性ポリビニルアセタール樹脂溶液のpHは8.5であり、樹脂含有量は20.0重量%であった。
得られた変性ポリビニルアセタール樹脂をDMSO−d(ジメチルスルホキサイド)に溶解し、13C−NMR(核磁気共鳴スペクトル)を用いて分析したところ、上記式(1)に示すアミノ基を有する構成単位(含有量:1.7モル%)を有することが確認できた。
(比較例1)
ポリビニルアルコールを、重合度600、ケン化度88.0モル%のポリビニルアルコールに変更した。反応終了後、常法によりpHが8.5になる様に20%NaOH水溶液にて調整を行った以外は、実施例1と同様の方法によりポリビニルアセタール樹脂溶液を得た。得られたポリビニルアセタール樹脂のpHは8.5であり、樹脂含有量は20.0重量%であった。
得られたポリビニルアセタール樹脂をDMSO−d(ジメチルスルホキサイド)に溶解し、13C−NMR(核磁気共鳴スペクトル)を用いて分析したところ、アミノ基を有する構成単位を有することが確認できなかった。
なお、13C−NMRを用いて測定したアセタール化度、アセチル基量、水酸基量を表1に示す。
(比較例2)
ポリビニルアルコールを、重合度600、ケン化度88.0モル%のポリビニルアルコールに変更した。反応終了後、常法によりpHが11.2になる様に20%NaOH水溶液にて調整を行った以外は、実施例1と同様の方法によりポリビニルアセタール樹脂を得た。得られたポリビニルアセタール樹脂のpHは11.2であり、樹脂含有量は20.0重量%であった。
得られたポリビニルアセタール樹脂をDMSO−d(ジメチルスルホキサイド)に溶解し、13C−NMR(核磁気共鳴スペクトル)を用いて分析したところ、アミノ基を有する構成単位を有することが確認できなかった。
なお、13C−NMRを用いて測定したアセタール化度、アセチル基量、水酸基量を表1に示す。
(比較例3)
ポリビニルアルコールを、重合度600、ケン化度88.0モル%、上記式(1)に示すアミノ基を有する構成単位を1.7モル%含有するポリビニルアルコール400gに変更した。反応終了後、常法によりpHが6になる様に35%塩酸水溶液にて調整を行った以外は、実施例1と同様の方法により変性ポリビニルアセタール樹脂溶液を得た。得られた変性ポリビニルアセタール樹脂溶液のpHは6であり、樹脂含有量は20.0重量%であった。
得られた変性ポリビニルアセタール樹脂をDMSO−d(ジメチルスルホキサイド)に溶解し、13C−NMR(核磁気共鳴スペクトル)を用いて分析したところ、上記式(1)に示すアミノ基を有する構成単位(含有量:1.7モル%)を有することが確認できた。
(比較例4)
ポリビニルアルコールを、重合度600、ケン化度88.0モル%、カルボキシル基を有する構成単位を1.0モル%含有するポリビニルアルコール400gに変更した。反応終了後、常法によりpHが6になる様に35%塩酸水溶液にて調整を行った以外は、実施例1と同様の方法により変性ポリビニルアセタール樹脂溶液を得た。得られた変性ポリビニルアセタール樹脂溶液のpHは6であり、樹脂含有量は20.0重量%であった。
得られた変性ポリビニルアセタール樹脂をDMSO−d(ジメチルスルホキサイド)に溶解し、13C−NMR(核磁気共鳴スペクトル)を用いて分析したところ、カルボキシル基を有する構成単位(含有量:1.0モル%)を有することが確認できた。
(比較例5)
反応終了後、常法によりpHが8になる様に20%NaOH水溶液にて調整を行った以外は、比較例4と同様の方法により変性ポリビニルアセタール樹脂溶液を得た。得られた変性ポリビニルアセタール樹脂溶液のpHは8であり、樹脂含有量は20.0重量%であった。
得られた変性ポリビニルアセタール樹脂をDMSO−d(ジメチルスルホキサイド)に溶解し、13C−NMR(核磁気共鳴スペクトル)を用いて分析したところ、カルボキシル基を有する構成単位(含有量:1.0モル%)を有することが確認できた。
<評価>
実施例及び比較例で得られた(変性)ポリビニルアセタール樹脂溶液、又は、(変性)ポリビニルアセタール樹脂について以下の評価を行った。結果を表1に示した。
(1)経時安定性
(a)pH
得られたポリビニルアセタール樹脂溶液について、pHメーター(堀場製作所製、D71S ポータブルpHメーター)を用いて作製2年後(温度20±5℃、湿度45〜55%)
のpHを測定した後、pHの変化率を確認し、以下の基準で評価した。
◎:10%未満
○:10%以上、25%未満
△:25%以上、30%未満
×:30%以上
(b)アセチル基量
得られたポリビニルアセタール樹脂溶液について、作製2年後(温度20±5℃、湿度45〜55%)のアセチル基量を測定した後、アセチル基量の変化率を確認し、以下の基準で評価した。なお、アセチル基量の変化率が少ないほど、経時安定性に優れるものであるということができる。
◎:20%未満
○:20%以上、30%未満
△:30%以上、40%未満
×:40%以上
(c)粘度
得られたポリビニルアセタール樹脂溶液について、B型粘度計を用いて、作製直後と作製2年後(温度20±5℃、湿度45〜55%)の粘度を測定し、粘度の変化率を確認して、以下の基準で評価した。
◎:10%未満
○:10%以上、20%未満
△:20%以上、30%未満
×:30%以上
(2)金属腐食性
得られたポリビニルアセタール樹脂溶液を金属板(SUS)上に塗布し、50℃の環境下で3ヶ月間放置した。その後、金属板の腐食性を目視にて観察し、以下の基準で評価した。
◎:金属板全体に腐食が無かった。
○:金属板全体の95%以上で腐食が無かった。
△:金属板全体の95%未満、80%以上で腐食が無かった。
×:金属板全体の80%未満で腐食が無かった。
(3)顔料分散性
得られたポリビニルアセタール樹脂10重量部をアルコール系溶剤(エチレングリコール)400重量部に溶解させ、更に顔料(カーボンブラック)100重量部を添加した。次いで、ボールミルにて4時間分散させることでインクを作製した。その後、沈降管に入れ、1週間後(温度20±5℃、湿度45〜55%)の顔料の分散状態を目視にて確認し、沈殿が生じていない場合を○、沈殿が生じている場合を×とした。
(4)筆記性評価
SUS製のボールホルダーに、SUS製の直径0.5mmのボールを担持したチップを備えたボールペンフィルに、「(3)顔料分散性」で得られたインクを約0.8g充填した。該インクを充填した後、インク逆流防止体約0.1gをさらに充填してインクフィルを準備した。得られたインクフィルを用いてボールペンを作製した。
[初期筆記線]
得られたボールペンを用いて、上質紙(JIS P3201筆記用紙)に、筆記速度8cm/秒、筆記角度70°、筆記荷重100gにて200mmの直線筆記を行い初期筆記線とした。
[筆記性評価(カスレ)]
作製したボールペンを横置きに静置し、40℃、相対湿度60%の環境下に24時間、1週間、及び1ヵ月放置した。
所定期間放置したボールペンを用いて、上質紙(JIS P3201筆記用紙)に、条件、筆記速度8cm/秒、筆記角度70°、筆記荷重100gにて200mmの直線筆記を繰り返し行った。
そして、初期筆記線と同じ濃度になるまでに要した筆記距離をカスレ長さとして目視にて評価した。なお、カスレ長さが短いほど、良好と判定され、1mmを超える場合や、インク詰まりで筆記できない場合は筆記不良と判定した。
Figure 2019065251
本発明によれば、長期間に渡ってpHを安定化できることで経年劣化を防止でき、分散性に優れ、金属の腐食を抑制することが可能な水性ポリビニルアセタール樹脂組成物を提供できる。

Claims (5)

  1. 20℃におけるpHが7.0以上であり、塩基性官能基を有する構成単位を有する変性ポリビニルアセタール樹脂を含有することを特徴とする水性ポリビニルアセタール樹脂組成物。
  2. 塩基性官能基は、アミノ基であることを特徴とする請求項1記載の水性ポリビニルアセタール樹脂組成物。
  3. 変性ポリビニルアセタール樹脂における、塩基性官能基を有する構成単位の含有量が0.1〜20.0モル%であることを特徴とする請求項1又は2記載の水性ポリビニルアセタール樹脂組成物。
  4. 変性ポリビニルアセタール樹脂は、アセタール化度が1.0〜35.0モル%であることを特徴とする請求項1、2又は3記載の水性ポリビニルアセタール樹脂組成物。
  5. 変性ポリビニルアセタール樹脂は、アセチル基量が0.01〜20.0モル%であることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の水性ポリビニルアセタール樹脂組成物。
JP2018069118A 2017-09-29 2018-03-30 水性ポリビニルアセタール樹脂組成物 Active JP7120789B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017191708 2017-09-29
JP2017191708 2017-09-29

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019065251A true JP2019065251A (ja) 2019-04-25
JP7120789B2 JP7120789B2 (ja) 2022-08-17

Family

ID=66337633

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018069118A Active JP7120789B2 (ja) 2017-09-29 2018-03-30 水性ポリビニルアセタール樹脂組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7120789B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019182848A (ja) * 2018-03-30 2019-10-24 千寿製薬株式会社 水性液剤

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002293825A (ja) * 2001-01-25 2002-10-09 Sekisui Chem Co Ltd ポリビニルアセタール、ポリビニルアセタール組成物、インク及び塗料
WO2008126921A1 (ja) * 2007-04-11 2008-10-23 Sekisui Chemical Co., Ltd. 架橋ポリビニルアセタール樹脂の製造方法及び架橋ポリビニルアセタール樹脂
JP2012072010A (ja) * 2010-09-28 2012-04-12 Sekisui Chem Co Ltd セラミックスラリー
JP2013072027A (ja) * 2011-09-28 2013-04-22 Sekisui Chem Co Ltd 硬化剤組成物、絶縁接着層用樹脂組成物及び硬化剤組成物の製造方法
JP2014224221A (ja) * 2013-04-15 2014-12-04 積水化学工業株式会社 樹脂組成物
WO2015125688A1 (ja) * 2014-02-18 2015-08-27 株式会社クラレ 高接着性樹脂組成物及びそれからなる成形体並びに積層体

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002293825A (ja) * 2001-01-25 2002-10-09 Sekisui Chem Co Ltd ポリビニルアセタール、ポリビニルアセタール組成物、インク及び塗料
WO2008126921A1 (ja) * 2007-04-11 2008-10-23 Sekisui Chemical Co., Ltd. 架橋ポリビニルアセタール樹脂の製造方法及び架橋ポリビニルアセタール樹脂
JP2012072010A (ja) * 2010-09-28 2012-04-12 Sekisui Chem Co Ltd セラミックスラリー
JP2013072027A (ja) * 2011-09-28 2013-04-22 Sekisui Chem Co Ltd 硬化剤組成物、絶縁接着層用樹脂組成物及び硬化剤組成物の製造方法
JP2014224221A (ja) * 2013-04-15 2014-12-04 積水化学工業株式会社 樹脂組成物
WO2015125688A1 (ja) * 2014-02-18 2015-08-27 株式会社クラレ 高接着性樹脂組成物及びそれからなる成形体並びに積層体

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019182848A (ja) * 2018-03-30 2019-10-24 千寿製薬株式会社 水性液剤

Also Published As

Publication number Publication date
JP7120789B2 (ja) 2022-08-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
AU2012305513B2 (en) Water-based black ink composition, inkjet recording method using same, and colored body
US7503967B2 (en) Azo compound, ink composition and colored article
US7503965B2 (en) Azo compound, ink composition, and colored object
US8636814B2 (en) Compound having xanthene structure, coloring composition, ink for inkjet recording and inkjet recording method
JP5568222B2 (ja) インク組成物、インクジェット記録用インク組成物、インクセット、インクカートリッジ、インクジェット記録方法及び記録物
JP2013032469A (ja) 水性黒色インク組成物、これを用いるインクジェット記録方法、及び着色体
US11787967B2 (en) Branched amino acid surfactants for inks, paints, and adhesives
US7094279B2 (en) Black water-based ink composition
JP5530683B2 (ja) アゾ顔料を含む顔料分散体、及び、これを用いたインクジェット記録用水性インク
US7326288B2 (en) Trisazo compound, ink composition, and colored object
JP2019065251A (ja) 水性ポリビニルアセタール樹脂組成物
KR101656720B1 (ko) 잉크 조성물, 잉크젯 기록용 잉크 조성물, 잉크 세트, 잉크 카트리지, 잉크젯 기록 방법 및 기록물
JP6942078B2 (ja) インク組成物、インクジェット記録方法及び着色体
JP2986614B2 (ja) アルコール可溶性染料およびそれを含むインキ組成物
JP5608514B2 (ja) 水系顔料分散体の製造方法、水系顔料分散体及びインクジェット記録用水性インク
JP2001240764A (ja) 新規造塩体染料及びこれを含有する油性ボールペンインキ
JPH08259865A (ja) インクジェット用インク
KR20080043787A (ko) 아조 화합물, 잉크 조성물, 기록방법 및 착색체
US20090118479A1 (en) Azo compound, ink composition, recording method and colored article
JP2008069331A (ja) 水性黒色インク組成物、これを用いるインクジェット記録方法、およびその着色体
JP2986609B2 (ja) アゾ液体染料およびそれを含むインキ組成物
JP3464502B2 (ja) 新規ジスアゾ染料およびこれらを含有する水性インク組成物
JP2003155436A (ja) 水性顔料分散組成物およびインクジェット用水性インク
JP2013072061A (ja) アゾ化合物、インク組成物及び着色体
WO2007138925A1 (ja) アゾ化合物、インク組成物、記録方法及び着色体

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210105

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20211105

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20211116

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220114

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220412

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220613

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220712

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220804

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 7120789

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151