JP2019065251A - 水性ポリビニルアセタール樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
しかしながら、ポリビニルアセタール樹脂中には、原料のアルデヒドが残存するため、アルデヒドの酸化物やアルデヒド同士の反応物が生じて、酸性化することで、ポリビニルアセタール樹脂が着色してしまい、得られる塗料・インク組成物の色調に変化を与えたり、長期間保存したときに粘度が大きくなったりする等の問題があった。
また、ポリビニルアセタール樹脂は多くの顔料の分散性に優れるものの、一部の顔料、例えば赤色のカーミン系顔料等に対しては必ずしも分散性のよい樹脂とはいえず、顔料の分散が不充分だと光沢がでにくいため、使用できないことがあった。
しかしながら、このような水性ポリビニルアセタール樹脂でも、酸性、アルカリ性領域において、ケン化反応が促進し、アセチル基が脱離してしまうという問題があった。脱離したアセチル基は、酸化により酢酸となることで、酸性側へシフトが起こり、劣化が促進されていた。
以下に本発明を詳述する。
上記pHの好ましい下限は7.0、より好ましい下限は7.5、好ましい上限は9.0、より好ましい上限は8.5である。
なお、本発明の水性ポリビニルアセタール樹脂組成物では、後述する塩基性官能基を有する構成単位を有する変性ポリビニルアセタール樹脂を用いることで、20℃におけるpHを7.0以上にコントロールすることが可能となる。
また、本発明の水性ポリビニルアセタール樹脂組成物を温度20±5℃、湿度45〜55%で2年間放置した場合のpHは6.4〜8.5であることが好ましい。
このような変性ポリビニルアセタール樹脂を含有することで、水性ポリビニルアセタール樹脂組成物のpH、アセチル基量及び粘度を安定化させて、経年劣化を防止することができる。
なかでも、アミノ基が好ましく特に第一級アミノ基が好ましい。特に、上記アミノ基は、−NH2であることが好ましい。
なお、本発明において、アミド構造とは、−C(=O)−NH−を有する構造をいう。
なかでも、上記アミノ基を有する構成単位は、下記式(1)に示す構造であることが好ましい。
また、上記アミド基を有する構成単位は、下記式(2)に示す構造であることが好ましい。
上記連結基としては、アルキレン基が好ましく、該アルキレン基としては、例えば、直鎖状アルキレン基、分岐状アルキレン基、環状アルキレン基等が挙げられる。
上記直鎖状アルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、オクタメチレン基、デカメチレン基等が挙げられる。
上記分岐状アルキレン基としては、メチルメチレン基、メチルエチレン基、1−メチルペンチレン基、1,4−ジメチルブチレン基等が挙げられる。
上記環状アルキレン基としては、シクロプロピレン基、シクロブチレン基、シクロヘキシレン基等が挙げられる。なかでも、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基等の直鎖状アルキレン基が好ましく、メチレン基、エチレン基がより好ましい。
上記塩基性官能基を有する構成単位の含有量が0.1モル%以上であると、経時粘度安定性が良好なものとなる。上記塩基性官能基を有する構成単位の含有量が20.0モル%以下であると、アセタール化を充分に進行させることができる。上記塩基性官能基を有する構成単位の含有量のより好ましい下限は1.0モル%、より好ましい上限は15.0モル%である。
更に、2年間放置した前後のアセチル基量の変化率(アセチル基量変化率)は、12.0%以下であることが好ましい。
これらのなかでは、塩基性官能基を有する構成単位を有するポリビニルアルコールをアセタール化してなることで塩基性官能基を有する変性ポリビニルアセタール樹脂を得る方法が好ましい。特に、このような方法を用いる場合、アセタール化に使用するアルデヒド、酸触媒の量を過剰に添加することで塩基性官能基を導入することが出来る。
上記水との相溶性のある有機溶媒としては、例えば、アルコール系有機溶剤を用いることが出来る。
上記有機溶媒としては、例えば、アルコール系有機溶剤、芳香族有機溶剤、脂肪族エステル系溶剤、ケトン系溶剤、低級パラフィン系溶剤、エーテル系溶剤、アミド系溶剤、アミン系溶剤等が挙げられる。
上記アルコール系有機溶剤としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、tert−ブタノール等が挙げられる。
上記芳香族有機溶剤としては、キシレン、トルエン、エチルベンゼン、安息香酸メチル等が挙げられる。
上記脂肪族エステル系溶剤としては、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、酪酸メチル、酪酸エチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル等が挙げられる。
上記ケトン系溶剤としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、ベンゾフェノン、アセトフェノン等が挙げられる。
上記低級パラフィン系溶剤としては、ヘキサン、ペンタン、オクタン、シクロヘキサン、デカン等が挙げられる。
上記エーテル系溶剤としては、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル等が挙げられる。
上記アミド系溶剤としては、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルテセトアミド、N−メチルピロリドン、アセトアニリド等が挙げられる。
上記アミン系溶剤としては、アンモニア、トリメチルアミン、トリエチルアミン、n−ブチルアミン、ジn−ブチルアミン、トリn−ブチルアミン、アニリン、N−メチルアニリン、N,N−ジメチルアニリン、ピリジン等が挙げられる。これらは、単体で用いることもできるし、2種以上の溶媒を混合で用いることもできる。これらのなかでも、樹脂に対する溶解性および、精製時の簡易性の観点から、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、テトラヒドロフランが特に好ましい。
上記酸触媒は特に限定されず、硫酸、塩酸、硝酸、リン酸等の鉱酸や、ギ酸、酢酸、プロピオン酸等のカルボン酸や、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸等のスルホン酸が挙げられる。これらの酸触媒は、単独で用いられてもよく、2種以上の化合物を併用してもよい。なかでも、塩酸、硝酸、硫酸が好ましく、塩酸が特に好ましい。
上記脂肪族アルデヒドとしては、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、n−ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、n−バレルアルデヒド、n−ヘキシルアルデヒド、2−エチルブチルアルデヒド、2−エチルヘキシルアルデヒド等が挙げられる。また、n−ヘプチルアルデヒド、n−オクテルアルデヒド、n−ノニルアルデヒド、n−デシルアルデヒド、アミルアルデヒド等が挙げられる。
上記芳香族アルデヒドとしては、ベンズアルデヒド、シンナムアルデヒド、2−メチルベンズアルデヒド、3−メチルベンズアルデヒド、4−メチルベンズアルデヒド、p−ヒドロキシベンズアルデヒド、m−ヒドロキシベンズアルデヒド、フェニルアセトアルデヒド、β−フェニルプロピオンアルデヒド等が挙げられる。これらのアルデヒドは、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。アルデヒドとしては、なかでも、アセタール化反応性に優れ、生成する樹脂に充分な内部可塑効果をもたらし、結果として良好な柔軟性を付与することができるn−ブチルアルデヒド、2−エチルヘキシルアルデヒド、n−ノニルアルデヒドが好ましく、n−ブチルアルデヒドがより好ましい。
上記変性ポリビニルアセタール樹脂の含有量が0.5重量%以上であると、高い強靭性を発揮することができる。上記含有量が70.0重量%以下であると、高い接着性を発揮することができる。
上記変性ポリビニルアセタール樹脂の含有量は、より好ましい下限が1.0重量%、より好ましい上限が60.0重量%である。
本発明の水性ポリビニルアセタール樹脂組成物及び着色剤を含有する場合、水性インク樹脂組成物として使用することができる。
上記染料としては、酸性染料、塩基性染料、直接染料等を使用することができる。
また、染料としては、水溶性染料が好ましく用いられるが、水不溶性染料であっても、適宜の分散剤により組成物中に安定に分散させ得る限り用いることができる。
上記有機顔料としては、フタロシアニンブルー、ジオキサンバイオレット、アニリンブラック系、カーボンブラック、アゾ系、アンスラキノン系、縮合ポリアゾ系、チオインジコ系、金属鎖塩系、フタロシアニン系、ペリノン・ペリレン系、ジオキサジン系、キナクリドン系等が挙げられる。
上記無機顔料としては、カーボンブラック、チタン白、酸化鉄等を用いることができる。なお、染料または顔料は、上記したものに限定されるものではなく、従来よりインキ組成物において用いられている任意の染料または顔料を用いることができる。
その他、パール顔料、金属粉顔料、蓄光性顔料、シリカ、炭酸カルシウム等の白色顔料、熱変色性組成物を内包したカプセル顔料、香料や香料を内包したカプセル顔料等を例示できる。上記着色剤は単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
上記着色剤の含有量が0.5重量%以上であると、着色性をより向上させることができる。上記含有量が99.5重量%以下であると、強靭性を向上させることができる。
上記着色剤の含有量は、より好ましい下限が1.0重量%、より好ましい上限が90.0重量%である。
上記溶媒としては水が用いられるが、必要により、水と相溶性のある水溶性有機溶剤を添加することもできる。上記水溶性有機溶剤としては、例えば、エタノール、プロパノール、ブタノール、グリセリン、ソルビトール、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、チオジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール等が挙げられる。また、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル等が挙げられる。更に、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、スルフォラン、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン等が挙げられる。
本発明の水性ポリビニルアセタール樹脂組成物において、上記溶媒の含有量は、好ましい下限が10重量%、好ましい上限が99重量%である。
上記水溶性樹脂としては、アルキド樹脂、アクリル樹脂、スチレンマレイン酸共重合物、セルロース誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、デキストリン等の1種又は2種以上を紙面への固着性や粘性付与のために用いることができる。
上記pH調整剤としては、炭酸ナトリウム、燐酸ナトリウム、酢酸ソーダ等の無機塩類、水溶性のアミン化合物等の有機塩基性化合物等が挙げられる。
上記防錆剤としては、ベンゾトリアゾール、トリルトリアゾール、ジシクロヘキシルアンモニウムナイトライト、ジイソプロピルアンモニウムナイトライト、サポニン等が挙げられる。
上記防腐剤としては、石炭酸、1,2−ベンズチアゾリン3−オンのナトリウム塩、安息香酸ナトリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、パラオキシ安息香酸プロピル、2,3,5,6−テトラクロロ−4−(メチルスルフォニル)ピリジン等が挙げられる。
上記活性剤としては、ポリアルキレングリコール、脂肪酸エステル、エチレンオキサイド付加型カチオン活性剤、燐酸系活性剤等が挙げられる。
上記潤滑剤としては、チオカルバミン酸塩、ジメチルジチオカルバミン酸塩等が挙げられる。
上記湿潤剤としては、尿素、ノニオン系界面活性剤、ソルビット、マンニット、ショ糖、ぶどう糖、還元デンプン加水分解物、ピロリン酸ナトリム等が挙げられる。
ボールペンに使用されるボールとしては、結合成分としてクロムやコバルト等を含有する超硬材等の金属製ボールが使用されている。金属を使用したボールは、インキや空気中の水分などの水と接触することによって、長期経時によりボール中に含有している金属が溶出するいわゆる腐食が発生する。金属が溶出すると、ボール表面が凸凹となり、書き味の滑らかさが失われる場合があった。
これに対して、本発明の水性ポリビニルアセタール樹脂組成物及び水性インク樹脂組成物を水性ボールペン用インキに使用した場合、金属製ボールの腐食を抑制して、長期間に渡って好適にボールペンを使用することが可能となる。
重合度600、ケン化度88.0モル%、上記式(1)に示すアミノ基(−NH2)を有する構成単位を1.7モル%含有するポリビニルアルコール400gを純水1600gに加え、90℃の温度で約2時間攪拌し溶解させた。この溶液を40℃に冷却し、これに濃度35重量%の塩酸300gとn−ブチルアルデヒド80gとを添加し、液温を40℃に保持してアセタール化反応を行った。
その後、液温を40℃のまま3時間保持して反応を完了させ、常法によりpHが8.5になる様に20%NaOH水溶液にて調整を行うことで、変性ポリビニルアセタール樹脂溶液を得た。
得られた変性ポリビニルアセタール樹脂溶液のpHは8.5であり、樹脂含有量は20.0重量%であった。
得られた変性ポリビニルアセタール樹脂をDMSO−d6(ジメチルスルホキサイド)に溶解し、13C−NMR(核磁気共鳴スペクトル)を用いて分析したところ、上記式(1)に示すアミノ基を有する構成単位(含有量:1.7モル%)を有することが確認できた。
なお、13C−NMRを用いて測定したブチラール化度(アセタール化度)、アセチル基量、水酸基量を表1に示す。
なお、変性ポリビニルアセタール樹脂溶液のpHをpHメーター(堀場製作所製、D71S ポータブルpHメーター)にて測定したところpHは8.5であった。
ポリビニルアルコールを、重合度600、ケン化度88.0モル%、上記式(1)に示すアミノ基を有する構成単位を9.0モル%含有するポリビニルアルコール400gに変更した。反応終了後、常法によりpHが8.6になる様に20%NaOH水溶液にて調整を行った以外は、実施例1と同様の方法により変性ポリビニルアセタール樹脂溶液を得た。得られた変性ポリビニルアセタール樹脂溶液のpHは8.6であり、樹脂含有量は20.0重量%であった。
得られた変性ポリビニルアセタール樹脂をDMSO−d6(ジメチルスルホキサイド)に溶解し、13C−NMR(核磁気共鳴スペクトル)を用いて分析したところ、上記式(1)に示すアミノ基を有する構成単位(含有量:9.0モル%)を有することが確認できた。
なお、13C−NMRを用いて測定したアセタール化度、アセチル基量、水酸基量を表1に示す。
ポリビニルアルコールを、重合度600、ケン化度88.0モル%、上記式(1)に示すアミノ基を有する構成単位を18.0モル%含有するポリビニルアルコール400gに変更した。反応終了後、常法によりpHが8.8になる様に20%NaOH水溶液にて調整を行った以外は、実施例1と同様の方法により変性ポリビニルアセタール樹脂溶液を得た。得られた変性ポリビニルアセタール樹脂溶液のpHは8.8であり、樹脂含有量は20.0重量%であった。
得られた変性ポリビニルアセタール樹脂をDMSO−d6(ジメチルスルホキサイド)に溶解し、13C−NMR(核磁気共鳴スペクトル)を用いて分析したところ、上記式(1)に示すアミノ基を有する構成単位(含有量:18.0モル%)を有することが確認できた。
なお、13C−NMRを用いて測定したアセタール化度、アセチル基量、水酸基量を表1に示す。
ポリビニルアルコールを、重合度150、ケン化度88.0モル%、上記式(1)に示すアミノ基を有する構成単位を1.7モル%含有するポリビニルアルコール400gに変更した。反応終了後、常法によりpHが8.6になる様に20%NaOH水溶液にて調整を行った以外は、実施例1と同様の方法により変性ポリビニルアセタール樹脂溶液を得た。得られた変性ポリビニルアセタール樹脂溶液のpHは8.6であり、樹脂含有量は20.0重量%であった。
得られた変性ポリビニルアセタール樹脂をDMSO−d6(ジメチルスルホキサイド)に溶解し、13C−NMR(核磁気共鳴スペクトル)を用いて分析したところ、上記式(1)に示すアミノ基を有する構成単位(含有量:1.7モル%)を有することが確認できた。
ポリビニルアルコールを、重合度600、ケン化度99.7モル%、上記式(1)に示すアミノ基を有する構成単位を0.2モル%含有するポリビニルアルコール400gに変更した。また、n−ブチルアルデヒドの添加量を6.0gに変更した。
反応終了後、常法によりpHが8.5になる様に20%NaOH水溶液にて調整を行った以外は、実施例1と同様の方法により変性ポリビニルアセタール樹脂溶液を得た。得られた変性ポリビニルアセタール樹脂溶液のpHは8.5であり、樹脂含有量は20.0重量%であった。
得られた変性ポリビニルアセタール樹脂をDMSO−d6(ジメチルスルホキサイド)に溶解し、13C−NMR(核磁気共鳴スペクトル)を用いて分析したところ、上記式(1)に示すアミノ基を有する構成単位(含有量:0.2モル%)を有することが確認できた。
ポリビニルアルコールを、重合度600、ケン化度88.0モル%、上記式(1)に示すアミノ基を有する構成単位を1.7モル%含有するポリビニルアルコール400gに変更した。また、n−ブチルアルデヒドの添加量を300gに変更した。
反応終了後、常法によりpHが8.5になる様に20%NaOH水溶液にて調整を行った以外は、実施例1と同様の方法により変性ポリビニルアセタール樹脂溶液を得た。得られた変性ポリビニルアセタール樹脂溶液のpHは8.5であり、樹脂含有量は20.0重量%であった。
得られた変性ポリビニルアセタール樹脂をDMSO−d6(ジメチルスルホキサイド)に溶解し、13C−NMR(核磁気共鳴スペクトル)を用いて分析したところ、上記式(1)に示すアミノ基を有する構成単位(含有量:1.7モル%)を有することが確認できた。
ポリビニルアルコールを、重合度600、ケン化度88.0モル%のポリビニルアルコールに変更した。反応終了後、常法によりpHが8.5になる様に20%NaOH水溶液にて調整を行った以外は、実施例1と同様の方法によりポリビニルアセタール樹脂溶液を得た。得られたポリビニルアセタール樹脂のpHは8.5であり、樹脂含有量は20.0重量%であった。
得られたポリビニルアセタール樹脂をDMSO−d6(ジメチルスルホキサイド)に溶解し、13C−NMR(核磁気共鳴スペクトル)を用いて分析したところ、アミノ基を有する構成単位を有することが確認できなかった。
なお、13C−NMRを用いて測定したアセタール化度、アセチル基量、水酸基量を表1に示す。
ポリビニルアルコールを、重合度600、ケン化度88.0モル%のポリビニルアルコールに変更した。反応終了後、常法によりpHが11.2になる様に20%NaOH水溶液にて調整を行った以外は、実施例1と同様の方法によりポリビニルアセタール樹脂を得た。得られたポリビニルアセタール樹脂のpHは11.2であり、樹脂含有量は20.0重量%であった。
得られたポリビニルアセタール樹脂をDMSO−d6(ジメチルスルホキサイド)に溶解し、13C−NMR(核磁気共鳴スペクトル)を用いて分析したところ、アミノ基を有する構成単位を有することが確認できなかった。
なお、13C−NMRを用いて測定したアセタール化度、アセチル基量、水酸基量を表1に示す。
ポリビニルアルコールを、重合度600、ケン化度88.0モル%、上記式(1)に示すアミノ基を有する構成単位を1.7モル%含有するポリビニルアルコール400gに変更した。反応終了後、常法によりpHが6になる様に35%塩酸水溶液にて調整を行った以外は、実施例1と同様の方法により変性ポリビニルアセタール樹脂溶液を得た。得られた変性ポリビニルアセタール樹脂溶液のpHは6であり、樹脂含有量は20.0重量%であった。
得られた変性ポリビニルアセタール樹脂をDMSO−d6(ジメチルスルホキサイド)に溶解し、13C−NMR(核磁気共鳴スペクトル)を用いて分析したところ、上記式(1)に示すアミノ基を有する構成単位(含有量:1.7モル%)を有することが確認できた。
ポリビニルアルコールを、重合度600、ケン化度88.0モル%、カルボキシル基を有する構成単位を1.0モル%含有するポリビニルアルコール400gに変更した。反応終了後、常法によりpHが6になる様に35%塩酸水溶液にて調整を行った以外は、実施例1と同様の方法により変性ポリビニルアセタール樹脂溶液を得た。得られた変性ポリビニルアセタール樹脂溶液のpHは6であり、樹脂含有量は20.0重量%であった。
得られた変性ポリビニルアセタール樹脂をDMSO−d6(ジメチルスルホキサイド)に溶解し、13C−NMR(核磁気共鳴スペクトル)を用いて分析したところ、カルボキシル基を有する構成単位(含有量:1.0モル%)を有することが確認できた。
反応終了後、常法によりpHが8になる様に20%NaOH水溶液にて調整を行った以外は、比較例4と同様の方法により変性ポリビニルアセタール樹脂溶液を得た。得られた変性ポリビニルアセタール樹脂溶液のpHは8であり、樹脂含有量は20.0重量%であった。
得られた変性ポリビニルアセタール樹脂をDMSO−d6(ジメチルスルホキサイド)に溶解し、13C−NMR(核磁気共鳴スペクトル)を用いて分析したところ、カルボキシル基を有する構成単位(含有量:1.0モル%)を有することが確認できた。
実施例及び比較例で得られた(変性)ポリビニルアセタール樹脂溶液、又は、(変性)ポリビニルアセタール樹脂について以下の評価を行った。結果を表1に示した。
(a)pH
得られたポリビニルアセタール樹脂溶液について、pHメーター(堀場製作所製、D71S ポータブルpHメーター)を用いて作製2年後(温度20±5℃、湿度45〜55%)
のpHを測定した後、pHの変化率を確認し、以下の基準で評価した。
◎:10%未満
○:10%以上、25%未満
△:25%以上、30%未満
×:30%以上
(b)アセチル基量
得られたポリビニルアセタール樹脂溶液について、作製2年後(温度20±5℃、湿度45〜55%)のアセチル基量を測定した後、アセチル基量の変化率を確認し、以下の基準で評価した。なお、アセチル基量の変化率が少ないほど、経時安定性に優れるものであるということができる。
◎:20%未満
○:20%以上、30%未満
△:30%以上、40%未満
×:40%以上
(c)粘度
得られたポリビニルアセタール樹脂溶液について、B型粘度計を用いて、作製直後と作製2年後(温度20±5℃、湿度45〜55%)の粘度を測定し、粘度の変化率を確認して、以下の基準で評価した。
◎:10%未満
○:10%以上、20%未満
△:20%以上、30%未満
×:30%以上
得られたポリビニルアセタール樹脂溶液を金属板(SUS)上に塗布し、50℃の環境下で3ヶ月間放置した。その後、金属板の腐食性を目視にて観察し、以下の基準で評価した。
◎:金属板全体に腐食が無かった。
○:金属板全体の95%以上で腐食が無かった。
△:金属板全体の95%未満、80%以上で腐食が無かった。
×:金属板全体の80%未満で腐食が無かった。
得られたポリビニルアセタール樹脂10重量部をアルコール系溶剤(エチレングリコール)400重量部に溶解させ、更に顔料(カーボンブラック)100重量部を添加した。次いで、ボールミルにて4時間分散させることでインクを作製した。その後、沈降管に入れ、1週間後(温度20±5℃、湿度45〜55%)の顔料の分散状態を目視にて確認し、沈殿が生じていない場合を○、沈殿が生じている場合を×とした。
SUS製のボールホルダーに、SUS製の直径0.5mmのボールを担持したチップを備えたボールペンフィルに、「(3)顔料分散性」で得られたインクを約0.8g充填した。該インクを充填した後、インク逆流防止体約0.1gをさらに充填してインクフィルを準備した。得られたインクフィルを用いてボールペンを作製した。
[初期筆記線]
得られたボールペンを用いて、上質紙(JIS P3201筆記用紙)に、筆記速度8cm/秒、筆記角度70°、筆記荷重100gにて200mmの直線筆記を行い初期筆記線とした。
[筆記性評価(カスレ)]
作製したボールペンを横置きに静置し、40℃、相対湿度60%の環境下に24時間、1週間、及び1ヵ月放置した。
所定期間放置したボールペンを用いて、上質紙(JIS P3201筆記用紙)に、条件、筆記速度8cm/秒、筆記角度70°、筆記荷重100gにて200mmの直線筆記を繰り返し行った。
そして、初期筆記線と同じ濃度になるまでに要した筆記距離をカスレ長さとして目視にて評価した。なお、カスレ長さが短いほど、良好と判定され、1mmを超える場合や、インク詰まりで筆記できない場合は筆記不良と判定した。
Claims (5)
- 20℃におけるpHが7.0以上であり、塩基性官能基を有する構成単位を有する変性ポリビニルアセタール樹脂を含有することを特徴とする水性ポリビニルアセタール樹脂組成物。
- 塩基性官能基は、アミノ基であることを特徴とする請求項1記載の水性ポリビニルアセタール樹脂組成物。
- 変性ポリビニルアセタール樹脂における、塩基性官能基を有する構成単位の含有量が0.1〜20.0モル%であることを特徴とする請求項1又は2記載の水性ポリビニルアセタール樹脂組成物。
- 変性ポリビニルアセタール樹脂は、アセタール化度が1.0〜35.0モル%であることを特徴とする請求項1、2又は3記載の水性ポリビニルアセタール樹脂組成物。
- 変性ポリビニルアセタール樹脂は、アセチル基量が0.01〜20.0モル%であることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の水性ポリビニルアセタール樹脂組成物。
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