JP2019064875A - 強化ガラス板及び強化ガラス板付デバイス - Google Patents
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Abstract
【課題】破壊が生じた場合に、クラックが強化ガラス板の表面に表出しにくくなるようにする。【解決手段】強化ガラス板2は、表面に圧縮応力層を備え、内部に引張応力層を備える。強化ガラス板2は、支持体に貼付された状態で一度の加衝撃により表面と内部とにクラック線CLを伝播派生させた場合に、平面視におけるクラック線CLの単位面積あたりの全体合計長さLtが2.7mm/mm2以上である。【選択図】図7
Description
本発明は、イオン交換により化学強化されたガラス板及び当該ガラス板を備えるデバイスに関する。
従来、スマートフォンやタブレットPCなどの電子デバイスには、カバーガラスとしてイオン交換法により化学強化されたガラス板が用いられている。このような強化ガラス板は、一般的に、アルカリ金属を組成として含むガラス板を強化液で化学的に処理し、表面に圧縮応力層を形成することによって製造される。強化ガラス板は、表面の圧縮応力や内部の引張応力などの、いわゆる強化特性を適切に調整することによって、高い強度を有するよう設計されている。
例えばスマートフォンのような携帯用端末では、地面に落下した場合の衝撃によりカバーガラスとしての強化ガラス板が破損する場合がある。下記の特許文献1では、落下時の衝撃により、強化ガラス板が多数の小片に粉々に壊れることが指摘されている。特許文献1では、このような強化ガラス板の脆弱性に鑑みて、破壊するのに十分な点衝突を受けた場合であっても脆弱性を実質的に示さない強化ガラス板が開示されている。
上記の強化ガラス板では、破壊が起きた場合にクラック(亀裂)がその内部及び表面に発生する。例えばスマートフォンのカバーガラスとして使用される強化ガラス板では、ユーザの指が触れる機会が多いことから、破壊が生じた場合に、クラックが可能な限り強化ガラス板の表面に表出しないことが望ましい。
本発明は、上記の事情に鑑みて為されたものであり、破壊が生じた場合にクラックが強化ガラス板の表面に表出しにくくすることを技術的課題とする。
本発明は上記の課題を解決するためのものであり、表面に圧縮応力層を備え、内部に引張応力層を備える強化ガラス板であって、支持体に貼付された状態で一度の加衝撃により前記表面と前記内部とにクラック線を伝播派生させた場合に、平面視における前記クラック線の単位面積あたりの全体合計長さ(Lt)が2.7mm/mm2以上であることを特徴とする。
本発明者らは、強化ガラス板の破壊特性について鋭意研究を重ねた結果、強化ガラス板を支持体に固定した状態で、当該強化ガラス板に、十分な衝撃を一度加えて破壊した場合に、単位面積当たりのクラック線の全体合計長さ(Lt)が、強化ガラス板の表面に現れる表面クラックの良否を判断する指標となり得ることを見出した。具体的には、単位面積当たりのクラック線の全体合計長さが2.7mm/mm2以上である場合に、強化ガラス板の表面に現れるクラックを低減させることが可能である。
上記構成の強化ガラス板において、前記クラック線のうち、表面に露出している表面クラックの単位面積あたりの部分合計長さ(Lc)と前記全体合計長さ(Lt)との比(Lc/Lt)が、0.7以下であることが望ましい。これにより、強化ガラス板の表面に現れるクラックを低減させることが可能である。
本発明に係る強化ガラス板では、前記全体合計長さ(Lt)が15mm/mm2以下であることが望ましい。
本発明に係る強化ガラス板では、前記引張応力層における引張応力(CT)が90MPa以上であり、前記圧縮応力層の深さ(DOL)と、厚み(t)との関係が、DOL≧0.125tとされることが好ましい。さらに、前記引張応力(CT)が200MPa以下であり、前記圧縮応力層の深さ(DOL)と、前記厚み(t)と関係が、DOL≦0.25tとされることが望ましい。
本発明に係る強化ガラス板の厚み(t)は、0.05〜1.0mmであることが望ましい。また、強化ガラス板は、前記圧縮応力深さ(DOL)が100μm以上であり、前記圧縮応力層における圧縮応力(CS)が400Mpa以上であることが望ましい。
本発明に係る上記の課題を解決するためのものであり、強化ガラス板付デバイスが上記いずれかの強化ガラス板を備えることを特徴とする。
本発明によれば、破壊が生じた場合にクラックが強化ガラス板の表面に表出しにくくなる。
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照しながら説明する。図1乃至図7は、本発明に係る強化ガラス板付デバイスの一実施形態を示す。強化ガラス板付デバイス(以下、単に「デバイス」という)の例としては、携帯電話、デジタルカメラ、PDA(携帯端末)、タッチパネルディスプレイ、デジタルサイネージ等が挙げられる。図1に示すように、デバイス1は、強化ガラス板2と、本体部3と、接着層4と、ベゼル層5とを備える。
図2及び図3に示すように、強化ガラス板2は、矩形状に構成されるとともに、表面に圧縮応力層2aを有し、内部に引張応力層2bを有する。強化ガラス板2の表面は、表側主面M1、裏側主面M2、及び端面Eを含む。表側主面M1と裏側主面M2とは、互いに表裏の関係に位置する主面である。また、図2に示すように、強化ガラス板2は、表側主面M1および裏側主面M2を貫通する孔2cを有する。孔2cは、例えば、スピーカーホールや、カメラ、センサ、ボタン、端子の搭載孔等として用いることができる。
強化ガラス板2の厚みtは、0.05〜1.2mmであることが好ましく、より好ましくは0.05〜1.0mm、さらに好ましくは、0.1〜0.85mmである。また、強化ガラス板2において、表面(主面M1,M2)からの圧縮応力層2aの深さDOLは、100〜250μmであることが好ましい。圧縮応力層2aの深さDOLは、強化ガラス板2の厚みtとの関係において、0.125t〜0.25t(0.125t≦DOL≦0.25t)とされることが好ましい。
また、圧縮応力層2aにおける圧縮応力CSは350〜1500MPa、好ましくは、400〜1000MPa、さらに好ましくは、500〜800MPaである。また、引張応力層2bにおける引張応力CTは100〜300MPa、より好ましくは、100MPa〜200MPa、さらに好ましくは、100〜150Paである。
以上のような特性によれば、デバイス1に固定された状態で強化ガラス板2に強い衝撃が与えられた場合であっても、内部に生ずるクラックが表面まで進展し難く、ガラス片の飛散を好適に抑制できる。なお、圧縮応力層2aにおける圧縮応力CSの大きさおよび深さDOLは、例えば、応力計(折原製作所製のFSM−6000LEおよびFsmV等)で測定可能である。
本体部3は、電子デバイスの本体として例示される。本体部3は、例えば、筐体や、該筐体に搭載されるディスプレイモジュール、タッチパネルモジュール、電源装置、電池、記憶装置、情報処理装置、回路装置、インターフェース装置等を備える。
接着層4は、強化ガラス板2を本体部3に接着するための層である。接着層4は、第一接着層4a、および第二接着層4bを備える。
第一接着層4aは、強化ガラス板2の中央領域を本体部3と直接接着する層である。第一接着層4aは、例えば、OCA(Optical Clear Adhesive)等の粘着性両面テープによって構成される。第一接着層4aは、例えば、厚さ25〜300μmの層である。
第二接着層4bは、強化ガラス板2の裏側主面M2に設けられたベゼル層5と本体部3との間に設けられ、ベゼル層5を介して強化ガラス板2と本体部3とを接着する層である。第二接着層4bは、例えば、樹脂接着剤を硬化して形成される。第二接着層4bは、例えば、厚さ100〜1000μmの層である。このように接着層4として第一接着層4a、および第二接着層4bを別体的に構成することにより、デバイス1の組付性を向上できる。具体的には、強化ガラス板2を第一接着層4aにより本体部3のディスプレイモジュールに接着した後に、強化ガラス板2を第二接着層4bにより本体部3の筐体に接着できる。また、第一接着層4aとしてはディスプレイの視認性等を考慮し、高い透明性を有する材料を使用することが好ましいが、第二接着層4bはベゼル層5に隠蔽されるため光学的特性を考慮せず高い接着性を有する材料を使用することができる。
なお、上記の構成に限らず、接着層4全体を単一の材質で構成しても良い。例えば、接着層4を全てOCAで構成しても良い。
ベゼル層5は、本体部3における内部装置の隠蔽や意匠性向上のために強化ガラス板2と本体部3との間に設けられた遮光層である。ベゼル層5は、例えば、強化ガラス板2の裏側主面M2に、顔料やバインダー等を含むインクを印刷および乾燥して成る膜層である。インクの印刷方法は、例えば、スクリーン印刷法やスピンコート法等の周知の方法を用いても良い。インクの色は、例えば、黒色、白色、銀色など、任意の色を用いても良い。ベゼル層5は、例えば、厚さ15〜100μmの膜層である。
なお、ベゼル層5は、上記のような印刷膜層に限らず、加飾フィルム、額縁状部材や複数の板状部材によって構成しても良い。この場合、ベゼル層5と強化ガラス板2との間にさらに接着層を設けることが好ましい。
以下、上記構成のデバイス1の製造方法について説明する。図4に示すように、本方法は、元ガラス板を準備する工程(準備工程)S1と、当該元ガラス板を加工する工程(加工工程)S2と、元ガラス板を化学強化する工程(イオン交換工程)S3と、ベゼル形成工程S4と、組付工程S5とを備える。
準備工程S1では、イオン交換法を用いて強化可能な板状の元ガラス板を用意する。元ガラス板は、例えば、ガラス組成として質量%で、SiO2 45〜75%、Al2O3 1〜30%、Na2O 0〜20%、K2O 0〜20%を含有することが好ましい。上記のようにガラス組成範囲を規制すれば、イオン交換性能と耐失透性を高いレベルで両立し易くなる。
元ガラス板の厚みは、例えば、1.5mm以下であり、好ましくは0.05〜1.2mmであり、より好ましくは0.05〜1.0mm、さらに好ましくは、0.1〜0.85mmである。強化ガラス板2の厚みが小さい程、強化ガラス板2を軽量化することができ、結果として、デバイスの薄型化、軽量化を図ることができる。元ガラス板の平面視寸法は、強化ガラス板2が使用されるデバイス1の寸法に応じて任意に設定可能であるが、例えば、10×10mm〜3350×3950mmである。
元ガラス板は、例えば、オーバーフローダウンドロー法を用いて成形されたガラスである。なお、元ガラス板の成形方法は任意に選択しても良い。例えば、元ガラス板はフロート法を用いて成形されたガラスであっても良い。
加工工程S2では、例えば、回転砥石やレーザー加熱装置等を用いて、元ガラス板の面取り加工(研削加工)および研磨加工を行う。
イオン交換工程S3では、アルカリ金属イオンを含む溶融塩に元ガラス板を浸漬してイオン交換を行う。溶融塩は、例えば、硝酸カリウム溶融塩である。イオン交換工程S3では、元ガラスに組成として予め含まれイオン交換において離脱するナトリウムイオンと、溶融塩におけるカリウムイオンとのイオン交換により、表面に圧縮応力層2aを備えた強化ガラス板2を得られる。溶融塩の他の例として、硝酸ナトリウム溶融塩と硝酸カリウム溶融塩との混合塩を使用できる。この溶融塩における離脱イオン(ナトリウムイオン)の濃度は、18500ppm以上とされ、好ましくは19000ppm以上、より好ましくは20000ppm以上とされる。
イオン交換処理の条件は任意に設定可能であるが、上述の圧縮応力層2aにおいて上述の深さDOLおよび圧縮応力CSの大きさを得られるよう調整することが好ましい。例えば、溶融塩の温度は、380℃以上であり、好ましくは400〜500℃である。また、強化処理時間は、例えば、10〜200時間、好ましくは12〜170時間、より好ましくは24〜120時間である。
なお、上記の各工程S1〜S3の前後において、元ガラス板又は強化ガラス板2の洗浄および乾燥処理を適宜行っても良い。
イオン交換工程S3が終了すると、表面に圧縮応力層2aを有し、内部に引張応力層2bを有する強化ガラス板2が形成される。
ベゼル形成工程S4では、強化ガラス板2の裏側主面M2にインクを印刷および乾燥してベゼル層5を形成する。なお、額縁状または板状の部材を用いてベゼル層5を構成する場合には、強化ガラス板2の裏側主面M2にベゼル層5を貼り付ける。
組付工程S5では、強化ガラス板2と本体部3とを接着層4を用いて接着する。例えば、OCAの一方主面を強化ガラス板2の裏側主面M2における中央領域に貼り付け、他方主面を本体部3のタッチパネルディスプレイモジュールに貼り付けた後、ベゼル層5に接着剤を塗布し、本体部3に当該モジュールごと強化ガラス板2を組み付ける。なお、上記組付け順序は一例であり、適宜変更しても良い。例えば、OCAや接着剤を、本体部3側に先に貼り付けおよび塗布した状態で強化ガラス板2を取り付けても良い。以上により、デバイス1が完成する。
本発明者らは、上記の方法(イオン交換工程S3)によって製造された強化ガラス板2に関して、破壊試験を繰り返し行い、鋭意研究を重ねた結果、強化ガラス板2の破壊特性に関する新たな評価方法を確立するに至った。以下、この評価方法について詳細に説明する。
この評価方法は、図5に示すように、強化ガラス板2を支持体8と一体にしてガラス構造体6を作製する工程(構造体作製工程)S6と、ガラス構造体6の強化ガラス板2を破壊する工程(破壊工程)S7と、破壊された強化ガラス板2のクラック線CLを測定する工程(測定工程)S8と、測定工程S8の結果に基づいて、強化ガラス板2の破壊特性を評価する工程(評価工程)S9とを備える。
構造体作製工程S6では、強化ガラス板2を接着部材により支持体8に固定する。すなわち、ガラス構造体6は、強化ガラス板2と、接着層7と、支持体8とにより構成される。
接着層7は、例えばOCAにより構成されるが、これに限定されず、接着剤により構成されてもよい。接着層7の厚みは、厚さ25〜300μmとされることが好ましい。
支持体8は、ポリカーボネートその他の樹脂又は金属により板状に構成される。支持体8の厚みは、2〜30mmとされることが好ましい。支持体8は、強化ガラス板2よりも大きな面積を有する。なお、ガラス構造体6の重量は、30〜400gとされることが望ましい。
破壊工程S7では、図6に示すように、定盤13の上面にサンドペーパー14を載置した状態で、当該サンドペーパー14に向かって上方からガラス構造体6を落下させる。この場合、ガラス構造体6における強化ガラス板2を下方に向くように落下させることが望ましい。ガラス構造体6は、所定の高さから落下させ、破壊が生じない場合には、高さを10cm増加させた位置から再び落下させる。このように、ガラス構造体6における強化ガラス板2に破壊が生じる高さHを特定することで、当該高さHを、強化ガラス板2の強度を示す指標(落下強度)として利用できる。
強化ガラス板2が破壊されると、図7および図8に示すように、当該強化ガラス板2に無数のクラックIC,SCが伝播派生する。クラックIC,SCは、引張応力層2bに生じる内部クラックICと、この内部クラックICが圧縮応力層2aを通じて表面(主面M1,M2)に達してなる表面クラックSCとを含む。
測定工程S8では、図7に示すように、破壊された強化ガラス板2を電子顕微鏡9により撮像する。電子顕微鏡9は、破壊された強化ガラス板2の上方から、当該強化ガラス板2の表面(表側主面M1)を撮像する。電子顕微鏡9は、画像処理装置10に接続されている。電子顕微鏡9により取得された画像データは、画像処理装置10に送信される。画像処理装置10は、取得した画像データをディスプレイ11に表示する。画像処理装置10は、CPU、RAM、ROM、HDDを内蔵する他、ディスプレイ11、入力インターフェース12等のハードウェアを実装するコンピュータである。
図8は、電子顕微鏡9により撮像される強化ガラス板2の画像データにおける任意の範囲(画像範囲)IDを模式的に示す。取得された画像には、内部クラックICおよび表面クラックSCが線状に現れる。以下、この線状のクラックを、クラック線CLという。
測定工程S8では、電子顕微鏡9により撮像された強化ガラス板2の画像に基づいて、画像処理装置10によりクラック線CLの長さを計測する。具体的には、図8に示すように、画像範囲IDに映し出される内部クラックIC及び表面クラックSCの態様に応じて、クラック線CLの長さを測定する。
具体的には、画像処理装置10は、オペレータによる入力インターフェース12の操作により、矩形状の画像範囲IDに映る内部クラックICのクラック線CLの長さを部分的に測定する。すなわち、画像処理装置10は、図8において符号Lt1〜Lt10に示すように、クラック線CLにおける部分的な長さを測定し、その合計値をディスプレイ11に表示する。以下、内部クラックICにおけるクラック線CLの合計長さ(Lt1〜Lt10の総和)を、第一部分合計長さLtaという。同様に、画像処理装置10は、オペレータの操作に基づいて、表面クラックSCのクラック線CLの長さを測定する。すなわち、画像処理装置10は、画像範囲IDに映る複数の表面クラックSCのクラック線CLの長さLc1〜Lc5を個別に測定した後、これらの長さLc1〜Lc5の長さを合計してディスプレイ11に表示する。以下、この合計値を、第二部分合計長さLcという。
画像処理装置10は、第一部分合計長さLtaと、第二部分合計長さLcとの合計値を算出する。以下、この合計値を全体合計長さLtという(Lt=Lta+Lc)。全体合計長さLtは、2.7〜15mm/mm2とされることが望ましい。クラック線CLのうち、表面(表側主面M1)に露出している表面クラックSCの単位面積あたりの部分合計長さ(Lc)と全体合計長さ(Lt)との比(Lc/Lt)は、0.7以下であることが望ましい。以下、この比Lc/Ltを、クラック表面露出率という。評価工程S9において、画像処理装置10は、全体合計長さLtに基づいて、破壊工程S7により破壊されたガラス構造体6の良否を判定する。
以上説明した本実施形態に係る強化ガラス板2及びデバイス1によれば、支持体8に貼付された状態で一度の加衝撃により表面(主面M1,M2)と内部とにクラック線CLを伝播派生させた場合に、単位面積当たりのクラック線の全体合計長さが2.7mm/mm2以上である場合に、クラック表面露出率(Lc/Lt)を0.7以下とすることができる。すなわち、発生したクラックIC,SCのうち、露出する表面クラックSCの割合を可及的に低減できる。したがって、本実施形態では、強化ガラス板2に破壊が生じた場合であってもクラックが強化ガラス板2の表面に表出しにくくなる。
なお、本発明は、上記実施形態の構成に限定されるものではなく、上記した作用効果に限定されるものでもない。本発明は、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
上記の実施形態では、ナトリウムイオンとカリウムイオンとをイオン交換して化学強化する場合を例示したが、これに限らず、任意のイオンを交換することが可能である。例えば、リチウムイオンとナトリウムイオンのイオン交換、或いはリチウムイオンとカリウムイオンのイオン交換により強化ガラス板2を製造してもよい。この場合、強化ガラス板2は、組成として質量%でLiO2を0.5〜7.5%含有することが望ましく、より好ましくは3.0%以上、或いは4.5%以上のLiO2を含有する。
強化ガラス板2の応力特性は、既述のように折原製作所製FSM−6000LEを用いて測定することができる。しかしながら、アルミノシリケート系ガラスの圧縮応力層の深さDOLが100μmを超える場合や、リチウムイオンとナトリウムイオンのイオン交換、或いはリチウムイオンとカリウムイオンのイオン交換を行った場合は、強化ガラス板2の応力特性は、例えば折原製作所製SLP−1000を用いて測定することができる。強化ガラス板2を切断する等して断面試料を作製できる場合は、例えばフォトニックラティス社製WPA−microや東京インスツルメンツ社製Abrioを用いて内部応力分布を観測し、応力深さを確認することが望ましい。
以下、本発明に係る強化ガラス板の実施例を示すが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。本発明者らは、強化ガラス板について複数の試料1〜13を作製し、各試料について破壊試験を実施した。
各試料1〜13は、次のようにして作製した。ガラス組成として質量%で、SiO2 66.3%、Al2O3 11.4%、Na2O 15.2%、B2O3 0.5%、Li2O 0.2%、K2O 1.4%、MgO 4.8%、SnO2 0.2%を含むように、ガラス原料を調合し、白金ポットを用いて1600℃で21時間溶融した。その後、得られた溶融ガラスを、オーバーフローダウンドロー法を用いて耐火物成形体から流下して板状に成形および切断し、長さ65mm、幅130mm、厚さ0.8mmの強化用ガラス板を得た。
次に、得られた強化用ガラス板を所定の面取り角および面取り幅の形状となるよう回転砥石で端面を研削および研磨加工した。
その後、各強化用ガラス板を490℃の硝酸カリウム溶融塩に所定時間(1、24、48、120時間)浸漬して厚さ0.8mmの強化ガラス板を得た。
得られた強化ガラス板の各試料1〜13について、圧縮応力層の深さDOL、圧縮応力CSおよび引張応力CTを、折原製作所製のFSM−6000LEおよびFsmVを用いて測定し、その最大値CSmax、CTmaxを特定した。
その後、各強化ガラス板を支持体にOCAを用いて接着し、各試料1〜13に係るガラス構成体を得た。支持体としては、長さ70mm、幅140mm、厚さ8mmの寸法のポリカーボネート製板状部材を用いた。OCAとしては、厚さ25μmのものを用いた。
各試料1〜13のそれぞれについて落下破壊試験を実施し、破壊された各試料1〜13について、クラック線の全体合計長さLt及びクラック表面露出率Lc/Lt並びに圧縮応力層の深さDOLと強化ガラス板の厚みtとの比DOL/tを求めた。試験結果を表1に示す。各試料1〜13のうち、No.1〜9は実施例であり、No.10〜13は比較例である。
表1に示すように、実施例である試料No.1〜9では、いずれもクラック線の単位面積当たりの全体合計長さLtが2.7mm/mm2以上15mm/mm2以下であり、クラック表面露出率Lc/Ltが0.7以下を示した。各実施例1〜9では、引張応力層における引張応力CTmaxが90MPa以上360MPa以下を示した。さらに、実施例No.1、2、4、5、7、9は、引張応力CTmaxが200MPa以下を示した。また、各実施例1〜9では、圧縮応力層における圧縮応力CSmaxが、180MPa以上550MPa以下を示した。
一方、比較例である試料No.10〜13では、いずれもクラック線の単位面積当たりの全体合計長さLtが2.7未満であり、クラック表面露出率Lc/Ltが0.7を超える結果となった。
なお、図9は、実施例である試料No.1の表面を電子顕微鏡で撮像した画像である。同様に、図10は、実施例である試料No.3の画像である。
1 強化ガラス板
1a 圧縮応力層
1b 引張応力層
4 支持体
CL クラック線
1a 圧縮応力層
1b 引張応力層
4 支持体
CL クラック線
Claims (8)
- 表面に圧縮応力層を備え、内部に引張応力層を備える強化ガラス板であって、
支持体に貼付された状態で一度の加衝撃により前記表面と前記内部とにクラック線を伝播派生させた場合に、平面視における前記クラック線の単位面積あたりの全体合計長さ(Lt)が2.7mm/mm2以上であることを特徴とする、強化ガラス板。 - 前記クラック線のうち、前記表面に露出している表面クラックの単位面積あたりの部分合計長さ(Lc)と前記全体合計長さ(Lt)との比(Lc/Lt)が、0.7以下である、請求項1に記載の強化ガラス板。
- 前記全体合計長さ(Lt)が15mm/mm2以下である、請求項1又は2に記載の強化ガラス板。
- 前記引張応力層における引張応力(CT)が90MPa以上であり、
前記圧縮応力層の深さ(DOL)と、厚み(t)との関係が、DOL≧0.125tとされる、請求項1から3のいずれか一項に記載の強化ガラス板。 - 前記引張応力(CT)が200MPa以下であり、
前記圧縮応力層の深さ(DOL)と、前記厚み(t)と関係が、DOL≦0.25tとされる、請求項4に記載の強化ガラス板。 - 厚み(t)が0.05〜1.0mmである、請求項1から5のいずれか一項に記載の強化ガラス板。
- 前記圧縮応力層の前記深さ(DOL)が100μm以上であり、
前記圧縮応力層における圧縮応力(CS)が400MPa以上である、請求項1から6のいずれか一項に記載の強化ガラス板。 - 請求項1から7のいずれか一項に記載の強化ガラス板を備えることを特徴とする、強化ガラス板付デバイス。
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