JP2019064868A - 車両用ドアガラス - Google Patents

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駿介 定金
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Abstract

【課題】車両用ドアガラスに形成された機能膜の摩耗を抑制すること。【解決手段】本車両用ドアガラスは、ガラス板と、前記ガラス板の少なくとも一方の主面上に形成された機能膜と、を有する昇降する車両用ドアガラスであって、前記ガラス板は楔形状の断面を有し、前記ガラス板の板厚が下辺部から上辺部に向かって漸減している。【選択図】図2

Description

本発明は、車両用ドアガラスに関する。
車両の開口部、特に車両用ドアガラスに所定の機能を付与するために、車両用ドアガラスの表面に所定の機能を有する機能膜をコーティングすることが提案されている。例えば、有機物及び無機酸化物を含む有機無機複合防曇膜を機能膜として備えた車両用ドアガラスを挙げることができる(例えば、特許文献1参照)。
特開2016−108523号公報
しかしながら、上記の車両用ドアガラスが昇降する場合、コーティングされた機能膜は、車両用ドアガラスの昇降により、車両ドアのベルトライン部のシール部材との擦れにより摩耗し、機能が劣化するおそれがある。
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、車両用ドアガラスに形成された機能膜の摩耗を抑制することを目的とする。
本車両用ドアガラスは、ガラス板と、前記ガラス板の少なくとも一方の主面上に形成された機能膜と、を有する昇降する車両用ドアガラスであって、前記ガラス板は楔形状の断面を有し、前記ガラス板の板厚が下辺部から上辺部に向かって漸減していることを要件とする。
開示の技術によれば、車両用ドアガラスに形成された機能膜の摩耗を抑制することができる。
昇降可能なドアガラスを有する車両を例示する側面図である。 第1の実施の形態に係るドアガラスを例示する断面図である。 第2の実施の形態に係るドアガラスを例示する断面図である。
以下、図面を参照して発明を実施するための形態について説明する。各図面において、同一構成部分には同一符号を付し、重複した説明を省略する場合がある。
〈第1の実施の形態〉
図1は、昇降可能なドアガラスを有する車両を例示する側面図であり、ドアガラス閉時の状態を示している。図2は、第1の実施の形態に係るドアガラスを例示する断面図であり、図1のA−A線に沿う断面を示している。又、図2(a)はドアガラス閉時の状態を示し、図2(b)はドアガラス開時の状態を示している。
図1に示す車両1において、前後のサイドドアSは、それぞれドアパネル12と、ドアパネル12に昇降可能に配設されたドアガラス11とを有する。車両1は、例えば、自動車、バス、鉄道用車両等である。
ドアパネル12は互いに対向する2枚のパネル板(図示せず)を備え、ドアガラス11は2枚のパネル板の間に昇降可能に配設されることで開閉自在とされている。なお、ドアガラス11が開閉自在であるとは、ドアガラス11が昇降することでサイドドアSの上方に位置する窓開口部Wの開閉が自在であることを意味する。
すなわち、ドアガラス11の閉時には窓開口部Wはドアガラス11により閉じられ、ドアガラス11の開時には窓開口部Wは開かれた状態となる。本明細書においては、ドアパネル12が有する2枚のパネル板のうち車内側に位置するパネル板をインナーパネル、車外側に位置するパネル板をアウターパネルという。
車両1において、ベルトラインLは前後のドアパネル12の上端を結ぶラインである。本明細書において、ベルトラインLに沿ってドアパネル12の上端から下方に所定の幅を有する領域をベルトライン部という。図1ではベルトライン部の幅の下端をLbとして示している。すなわち、ベルトライン部はベルトラインLとLbとで挟まれた領域を指す。
ドアパネル12は、図2に示すように、互いに対向する2枚のパネル板としてインナーパネル121及びアウターパネル122を備え、ドアガラス11はインナーパネル121及びアウターパネル122の間に昇降可能に配設されている。インナーパネル121及びアウターパネル122は、それぞれ対向面のベルトラインに沿った領域であるベルトライン部に、各々のベルトライン部とドアガラス11との間をシールするインナーシール部材141及びアウターシール部材142を有する。
インナーシール部材141は、ドアガラス11側の上下に2個のリップ部、すなわち上部インナーリップ411及び下部インナーリップ412を有する。同様に、アウターシール部材142は、ドアガラス11側に上部アウターリップ421及び下部アウターリップ422を有する。インナーシール部材141及びアウターシール部材142は、エチレン・プロピレンゴム(EPDMゴム)等の合成ゴムやポリオレフィン系エラストマー等の熱可塑性エラストマー等で形成することができる。
このように、ドアガラス11は、ドアパネル12を構成するインナーパネル121及びアウターパネル122間に昇降可能に配設されることで、車両1の窓開口部Wを開閉自在とすることができる。
ドアガラス11は、ガラス板110と、機能膜114及び115とを有する車両用ドアガラスである。ガラス板110は、楔角δの楔形状の断面を有する。ガラス板110の板厚は、ドアガラス11を車両1に取り付けたときの下辺部から上辺部に向かって漸減している。なお、楔角δは、ガラス板110に沿った垂直方向の下端の厚さと上端の厚さとの差を、ガラス板110に沿った垂直方向の距離で割ったもの(すなわち、平均楔角)である。
ガラス板110としては、例えば、ソーダライムガラス、アルミノシリケート、有機ガラス等を用いることができる。ガラス板110の最薄部(上端)の厚さは、ガラス板110の強度を保持する観点から、2.0mm以上であることが好ましい。
ガラス板110は、例えば、フロート法によって製造する際の条件を工夫することにより、楔形状の断面を有する形状とすることができる。すなわち、フロート法によって製造する際に、溶融金属上を進行するガラスリボンの幅方向の両端部に配置された複数のロールの周速度を調整することで、幅方向のガラス断面を凹形状や凸形状、或いはテーパー形状とし、任意の厚み変化を持つ箇所を切り出せばよい。
機能膜114は、ガラス板110の一方の主面上(車内側)に形成されている。又、機能膜115は、ガラス板110の他方の主面上(車外側)に形成されている。但し、機能膜は、ガラス板110の何れか一方の主面上に形成されていればよい。すなわち、ガラス板110には機能膜114と機能膜115の両方が形成されてもよいし、機能膜114と機能膜115の何れか一方のみが形成されてもよい。
機能膜114は、例えば、紫外線遮蔽膜、防曇膜、赤外線遮蔽膜、撥水膜、防汚膜、低放射膜等である。同様に、機能膜115は、例えば、紫外線遮蔽膜、防曇膜、赤外線遮蔽膜、撥水膜、防汚膜、低放射膜等である。
機能膜114及び115の各々の厚さは、数nm〜数100μm程度の範囲内で目的に応じて適宜設定することができる。機能膜114の厚さと機能膜115の厚さは、同一でなくても構わない。又、ドアガラス11の下辺部と上辺部とで、機能膜114の厚さを変えても構わない。同様に、ドアガラス11の下辺部と上辺部とで、機能膜115の厚さを変えても構わない。
機能膜114及び115は、例えば、スピンコート法、ディップコート法、スプレーコート法、フローコート法、ダイコート法等の一般的な塗布方法を用いて形成することができる。フローコート法は、ガラス板110が曲面形状を有する場合に特に好適に用いることができる。又、機能膜114及び115を構成する材料によっては、スパッタ法等の物理気相成長法を用いて形成してもよい。
ドアガラス11がインナーパネル121及びアウターパネル122の間で昇降する際に、機能膜114は上部インナーリップ411及び下部インナーリップ412と接しながら移動する。そのため、ガラス板110の板厚が一定であると、ドアガラス11の昇降時に、機能膜114と上部インナーリップ411及び下部インナーリップ412との間に常に大きな圧力がかかる。同様に、ドアガラス11の昇降時に、機能膜115と上部アウターリップ421及び下部アウターリップ422との間に常に大きな圧力がかかる。その結果、機能膜114及び115の表面が擦れて摩耗するおそれがある。
そこで、本実施の形態では、ガラス板110の断面を、ドアガラス11を車両1に取り付けたときの下辺部から上辺部に向かって板厚が漸減する楔形状としている。これにより、図2(a)に示す閉状態から図2(b)に示す開状態に至るに従って、機能膜114と上部インナーリップ411及び下部インナーリップ412との間の圧力、及び機能膜115と上部アウターリップ421及び下部アウターリップ422との間の圧力を低下させることができる。その結果、ドアガラス11の昇降時の機能膜114及び115の摩耗を抑制することができる。
なお、図2(a)に示す閉状態では、気密性を確保する観点から、機能膜114と上部インナーリップ411及び下部インナーリップ412との間の圧力、及び機能膜115と上部アウターリップ421及び下部アウターリップ422との間の圧力を従来と同様(すなわち、板厚が一定のガラス板を用いる場合と同様)に設定することが好ましい。
ガラス板110の楔角δは、0.2mrad以上1.0mrad以下であることが好ましい。楔角δが0.2mradより小さいと機能膜114及び115の摩耗が許容レベルを超えるが、楔角δを0.2mrad以上とすることで、機能膜114及び115の摩耗を許容レベルに収めることができる。又、楔角δが1.0mradより大きいと機能膜114及び115の上端が薄くなりすぎて遮音性低下、ドアガラス11の閉時の密閉性低下等の不具合が発生するが、楔角δを1.0mrad以下とすることで、機能膜114及び115の上端でも一定の厚さを確保することが可能となり遮音性、ドアガラス11の閉時の密閉性等の要求を満たすことができる。楔角δは、より好ましくは0.3mrad以上1.0mrad以下であり、更に好ましくは0.3mrad以上0.8mrad以下である。
なお、機能膜の摩耗防止のために、ガラス板の板厚を一定にしたまま単にガラス板を薄くする方法も考えられるが、この方法は、ガラス板の強度及び剛性の低下、質量則に基づく遮音性低下等の不具合が発生するため好ましくない。
本実施の形態に係るガラス板110では、ガラス板110の最薄部(上端)の厚さが2.0mm以上であり、下辺部の板厚は更に厚いため、ガラス板110の強度低下を抑制できる。又、図2(a)に示すドアガラス11の閉状態では、ドアガラス11が上部インナーリップ411及び下部インナーリップ412並びに上部アウターリップ421及び下部アウターリップ422と密接するため、気密性を確保することが可能となり、断熱性や遮音性の低下を抑制できる。
ドアガラス11において、ガラス板110の断面を楔形状としたことによる機能膜114及び115の摩耗抑制効果は、機能膜114及び115の硬度が弱いほど大きくなる。具体的には、機能膜114及び115のマルテンス硬度が1000N/mm以下の場合に摩耗抑制効果が大きく、マルテンス硬度が200N/mm以下の場合に特に摩耗抑制効果が大きい。例えば、防曇膜はマルテンス硬度が200N/mm以下であるため、機能膜114及び/又は115が防曇膜である場合、ガラス板110の断面を楔形状としたことによる摩耗抑制効果が特に大きくなる。
なお、マルテンス硬度は、機能膜の表面の柔らかさを表す指標であり、ISO14577に準拠した方法で測定可能である。本発明では、物品を20℃、相対湿度50%の環境下に1時間放置した後、微小硬度測定試験機(フィッシャー社製、ピコデンター)にビッカース圧子を装着し、基体上の樹脂層について、負荷速度・除荷速度F=0.05mN/5s、クリープC=5sの条件において、測定された最大試験力及び最大押し込み深さからマルテンス硬度を算出した。
機能膜114及び/又は115の膜厚は、ドアガラス11の上辺部に相当する部分が下辺部に相当する部分よりも厚くなっていてもよい。この場合、ドアガラス11の板厚が下辺部から上辺部に向かって漸減しているため、ドアガラス11の上辺部にかけて機能膜を厚くすることにより、必要な個所で更に機能膜の機能を発揮できる。
機能膜114及び/又は115の膜厚は、ドアガラス11の上辺部に相当する部分が下辺部に相当する部分よりも薄くなっていてもよい。ドアガラス11の下辺部の板厚が上辺部よりも相対的に厚いため、ドアガラス11の形状による効果との相乗効果により、更に機能膜の摩耗を抑制できる。
[比較例/実施例]
比較例として、楔角δが0mrad(板厚一定)のガラス板の両面に機能膜を形成したドアガラスを準備した。ドアガラスの板厚は3.50mmであった。そして、ドアガラスの昇降幅を350mmとし、ドアガラスの閉状態におけるシール−ガラス間圧力を2.14[N/100mm]としたときの、ドアガラスの開状態におけるシール−ガラス間圧力を測定した。又、所定回数の昇降を行った後、機能膜の摩耗状態を目視により確認した。
実施例1として、楔角δが0.2mradのガラス板の両面に機能膜を形成したドアガラスを準備した。ドアガラスの板厚は最薄部で3.41mmであった。そして、ドアガラスの昇降幅を350mmとし、ドアガラスの閉状態におけるシール−ガラス間圧力を2.14[N/100mm]としたときの、ドアガラスの開状態におけるシール−ガラス間圧力を測定した。又、所定回数の昇降を行った後、機能膜の摩耗状態を目視により確認した。
実施例2として、楔角δが0.3mradのガラス板の両面に機能膜を形成したドアガラスを準備した。ドアガラスの板厚は最薄部で3.37mmであった。そして、ドアガラスの昇降幅を350mmとし、ドアガラスの閉状態におけるシール−ガラス間圧力を2.14[N/100mm]としたときの、ドアガラスの開状態におけるシール−ガラス間圧力を測定した。又、所定回数の昇降を行った後、機能膜の摩耗状態を目視により確認した。
なお、シール−ガラス間圧力とは、図2における機能膜114と上部インナーリップ411及び下部インナーリップ412との間の圧力、及び機能膜115と上部アウターリップ421及び下部アウターリップ422との間の圧力を意味する。又、比較例、実施例1、及び実施例2において、機能膜の種類、厚さ、形成方法は同一である。又、比較例、実施例1、及び実施例2において、昇降を行った回数は同一である。
Figure 2019064868
結果を表1にまとめた。表1に示すように、ドアガラスの開状態におけるシール−ガラス間圧力は、比較例1が2.17[N/100mm]、実施例1が2.05[N/100mm]、実施例2が1.97[N/100mm]であった。つまり、比較例1>実施例1、比較例1>実施例2となり、実施例1及び2は比較例より、ドアガラスの開状態におけるシール−ガラス間圧力が低く、機能膜に摩耗による傷がつき難い状態であることが確認できた。
又、機能膜の摩耗状態を目視により確認したところ、比較例では摩耗状態が十分に視認できるレベルであった。一方、実施例1では、比較例よりは摩耗が少ないものの、若干の摩耗が視認できるレベルであった。又、実施例2では、摩耗は視認できないレベルであった。
このことから、ガラス板の断面を楔形状とすることで、ガラス板の板厚が一定の場合と比べて、ドアガラスの開状態におけるシール−ガラス間圧力を低下させることが可能となり、ドアガラスの昇降時の機能膜の摩耗を抑制する効果が得られるといえる。特に、ガラス板の楔角を0.3mrad以上とすると、ドアガラスの昇降時の機能膜の摩耗を抑制する効果が大きくなる。
なお、前述のように、ガラス板の楔角が1.0mradより大きいと機能膜の上端が薄くなりすぎて遮音性低下等の不具合が発生するため、ガラス板の楔角は1.0mrad以下であることが好ましい。
〈第2の実施の形態〉
第2の実施の形態では、合わせガラスを用いたドアガラスの例を示す。なお、第2の実施の形態において、既に説明した実施の形態と同一構成部についての説明は省略する場合がある。
図3は、第2の実施の形態に係るドアガラスを例示する断面図であり、図1のA−A線に沿う断面を示している。又、図3(a)はドアガラス閉時の状態を示し、図3(b)はドアガラス開時の状態を示している。
図3に示すように、ドアガラス21は、ガラス板110に代えて合わせガラス210を有する点が、ドアガラス11(図2参照)と相違する。ドアガラス21において、合わせガラス210は、ガラス板221と、ガラス板222と、中間膜223とを備えており、ガラス板221とガラス板222とは、中間膜223を挟持した状態で固着されている。機能膜114及び115については、ドアガラス11(図2参照)と同様である。
ドアガラス21において、ガラス板221及び222は、製造時の延伸により生じる筋目を有する。中間膜223は、ガラス板221とガラス板222との間に位置し、ガラス板221の筋目とガラス板222の筋目が例えば直交するようにガラス板221とガラス板222とを接着する膜である。
図3の例では、合わせガラス210において、ガラス板221及び222の板厚を一定とし、楔角δは中間膜223を楔膜とすることで形成されているが、これに加え、ガラス板221及び222の何れか一方又は双方を楔状に形成してもよい。又、中間膜223の厚さを一定とし、ガラス板221及び222の何れか一方又は双方を楔状に形成してもよい。ガラス板221、ガラス板222の一方又は双方を楔状に形成する場合の製造方法については、前述の通りである。
ガラス板221及び222としては、ガラス板110と同様に、例えば、ソーダライムガラス、アルミノシリケート、有機ガラス等を用いることができる。ドアガラス21の外側に位置するガラス板222の板厚は、1.8mm以上3mm以下であることが好ましい。ガラス板222の板厚が1.8mmより厚いと強度、剛性が十分となり、3mmより薄いと質量が大きくなり過ぎない。
ドアガラス21の内側に位置するガラス板221の板厚は、0.3mm以上2.3mm以下であることが好ましい。ガラス板221の板厚が0.3mmより厚いとハンドリングが容易となり、2.3mmより薄いと質量が大きくなり過ぎない。
ガラス板221とガラス板222とを接着する中間膜223としては熱可塑性樹脂が多く用いられ、例えば、可塑化ポリビニルアセタール系樹脂、可塑化ポリ塩化ビニル系樹脂、飽和ポリエステル系樹脂、可塑化飽和ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、可塑化ポリウレタン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体系樹脂、エチレン−エチルアクリレート共重合体系樹脂等の従来からこの種の用途に用いられている熱可塑性樹脂が挙げられる。
これらの中でも、透明性、耐候性、強度、接着力、耐貫通性、衝撃エネルギー吸収性、耐湿性、遮熱性、及び遮音性等の諸性能のバランスに優れたものを得られることから、可塑化ポリビニルアセタール系樹脂が好適に用いられる。これらの熱可塑性樹脂は、単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。上記可塑化ポリビニルアセタール系樹脂における「可塑化」とは、可塑剤の添加により可塑化されていることを意味する。その他の可塑化樹脂についても同様である。
上記ポリビニルアセタール系樹脂としては、ポリビニルアルコール(以下、必要に応じて「PVA」と言うこともある)とホルムアルデヒドとを反応させて得られるポリビニルホルマール樹脂、PVAとアセトアルデヒドとを反応させて得られる狭義のポリビニルアセタール系樹脂、PVAとn−ブチルアルデヒドとを反応させて得られるポリビニルブチラール樹脂(以下、必要に応じて「PVB」と言うこともある)等が挙げられ、特に、透明性、耐候性、強度、接着力、耐貫通性、衝撃エネルギー吸収性、耐湿性、遮熱性、及び遮音性等の諸性能のバランスに優れることから、PVBが好適なものとして挙げられる。なお、これらのポリビニルアセタール系樹脂は、単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。但し、中間膜223を形成する材料は、熱可塑性樹脂には限定されない。
中間膜223の厚みは、最薄部で0.5mm以上であることが好ましい。中間膜223の厚みが0.5mm以上であるとドアガラスとして必要な耐貫通性が担保できる。又、中間膜223の厚みは、最厚部で3mm以下であることが好ましい。中間膜223の厚みが3mm以下であると、質量が大きくなり過ぎない。
中間膜223は、遮音機能、赤外線遮蔽機能、紫外線遮蔽機能、シェードバンド(可視光透過率を低下させる機能)等を有する領域を備えていてもよい。又、中間膜223は、3層以上の層を有していてもよい。例えば、中間膜223を3層から構成し、真ん中の層の硬度を両側の層の硬度よりも低くすることにより、遮音性を向上できる。この場合、両側の層の硬度は同じでもよいし、異なってもよい。
中間膜223を作製するには、例えば、中間膜223となる上記の樹脂材料を適宜選択し、押出機を用い、加熱溶融状態で押し出し成形する。押出機の押出速度等の押出条件は均一となるように設定する。その後、押し出し成形された樹脂膜を、ドアガラス21のデザインに合わせて成形することで、中間膜223が完成する。
合わせガラス210を作製するには、ガラス板221とガラス板222との間に中間膜223を挟んで積層体とし、例えば、この積層体をゴム袋の中に入れ、−65〜−100kPaの真空中で温度約70〜110℃で接着する。
更に、例えば100〜150℃、圧力0.6〜1.3MPaの条件で加熱加圧する圧着処理を行うことで、より耐久性の優れた合わせガラス210を得ることができる。但し、場合によっては工程の簡略化、並びに合わせガラス210中に封入する材料の特性を考慮して、この加熱加圧工程を使用しない場合もある。
なお、ガラス板221とガラス板222との間に、中間膜223の他に、電熱線、赤外線反射、発光、発電、調光、可視光反射、散乱、加飾、吸収等の機能を持つフィルムやデバイスを有していてもよい。
このように、機能膜114及び115は単一のガラス板110に形成してもよいし、合わせガラス210に形成してもよい。機能膜114及び115を合わせガラス210に形成する場合でも、第1の実施の形態と同様の効果を奏する。
すなわち、合わせガラス210の断面を楔形状とすることで、合わせガラス210の板厚が一定の場合と比べて、ドアガラス21の開状態におけるシール−ガラス間圧力を低下させることが可能となり、ドアガラス21の昇降時の機能膜114及び115の摩耗を抑制することができる。この際、合わせガラス210の楔角δは、0.2mrad以上1.0mrad以下であることが好ましい。楔角δは、より好ましくは0.3mrad以上1.0mrad以下であり、更に好ましくは0.3mrad以上0.8mrad以下である。
以上、好ましい実施の形態等について詳説したが、上述した実施の形態等に制限されることはなく、特許請求の範囲に記載された範囲を逸脱することなく、上述した実施の形態等に種々の変形及び置換を加えることができる。
1 車両
12 ドアパネル
11、21 ドアガラス
110 ガラス板
114、115 機能膜
121 インナーパネル
122 アウターパネル
141 インナーシール部材
142 アウターシール部材
210 合わせガラス
221、222 ガラス板
223 中間膜
411 上部インナーリップ
412 下部インナーリップ
421 上部アウターリップ
422 下部アウターリップ
L ベルトライン
Lb ベルトライン部の幅の下端
S サイドドア
W 窓開口部

Claims (5)

  1. ガラス板と、前記ガラス板の少なくとも一方の主面上に形成された機能膜と、を有する昇降する車両用ドアガラスであって、
    前記ガラス板は楔形状の断面を有し、
    前記ガラス板の板厚が下辺部から上辺部に向かって漸減していることを特徴とする車両用ドアガラス。
  2. 前記ガラス板の断面の楔角が0.3mrad以上1.0mrad以下である請求項1に記載の車両用ドアガラス。
  3. 前記機能膜のマルテンス硬度が1000N/mm以下である請求項1又は2に記載の車両用ドアガラス。
  4. 前記機能膜が紫外線遮蔽膜、防曇膜、赤外線遮蔽膜、撥水膜、防汚膜、低放射膜の何れかである請求項1乃至3の何れか一項に記載の車両用ドアガラス。
  5. 前記ガラス板に代えて合わせガラスを有し、
    前記合わせガラスは、第1のガラス板と、第2のガラス板と、前記第1のガラス板と前記第2のガラス板との間に位置して前記第1のガラス板と前記第2のガラス板とを接着する中間膜と、を備える請求項1乃至4の何れか一項に記載の車両用ドアガラス。
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