JP2019063118A - 男性用吸収性物品 - Google Patents

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Abstract

【課題】適切な装着位置を把握しやすく、位置ずれや尿漏れを生じにくい、薄型で幅広な男性用吸収性物品を提供する【解決手段】腹側部Aから股部Bにかけて、幅方向の寸法が漸減する略凧型形状を有し、二本の折り線により3つ折りにされて個別包装される男性用吸収性物品1であって、液透過性のトップシート2と、液不透過性のバックシート5と、トップシート2及びバックシート5の間に配置された吸収体4とを有し、男性用吸収性物品1の、幅方向の最大寸法が130mm以上200mm以下、長手方向の最大寸法が210mm以上290mm以下、厚みが2.5mm以上9.0mm以下であり、トップシート2の身体側の幅方向両端部において、長手方向に沿って、立体ギャザー7を有し、二本の立体ギャザー7の身体側端部の間に、トップシート2から吸収体4にかけて、複数のチャネルエンボスを有する、男性用吸収性物品を提供する。【選択図】図1

Description

本発明は、適切な装着位置を把握しやすく、位置ずれや尿漏れを生じにくい、薄型で幅広な男性用吸収性物品に関する。
近年、高齢化の進行に伴い、尿失禁に悩む中高年者が増加している。一般に、女性中高年者の場合、出産に伴う骨盤底筋の障害に伴って、咳やくしゃみをしたときや、重いものを持ったときに尿失禁を起こす腹圧性尿失禁が一般的である。一方、男性の場合においても、加齢に伴う前立腺肥大症の発症により、尿失禁を起こす場合がある。このような尿失禁をきたした場合、たとえ少量の尿失禁であっても下着で吸収しきれないことも多く、ズボンや下着へのシミになったり、においが生じたりすることから、その対策として、尿吸収パッドのような吸収性物品を装着することが勧められている。
尿失禁用の吸収性物品は、生理用ナプキン等の吸収性物品と同形状の、略長方形かつ平面状のものが多い(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、男性中高年者の場合、略長方形状かつ平面状の吸収性物品は、局部へのフィット感が得られにくいため、尿失禁が生じた際に、横漏れが起こりやすい、という問題があった。このため、男女間における局部の構造上の相違点を踏まえた吸収性物品も開発されており、男性用の、尿失禁用の吸収性物品も多く市販されている。
しかしながら、男性は生理用品を日常的に使用する女性と異なり、吸収性物品を下着に装着することに不慣れであることが多く、その結果、吸収性物品が不適切な位置に装着されることにより尿漏れが生じるという問題があった。そのため、これまでに、適切に装着できる吸収性物品に関する検討がなされてきた。
このような観点で検討された吸収性物品として、例えば、特許文献2には、トップシートとバックシートとの間に吸収体が介在されるとともに、トップシートの面側に略長手方向に沿う左右一対のエンボスが施された吸収性物品において、エンボスは、装着者の排尿口部に対応する領域の両側に形成される排尿口対応エンボスと、排尿口対応エンボスの前側及び後側に形成される前側エンボス及び後側エンボスとから構成され、排尿口対応エンボスは、吸収性物品の幅方向外側に膨出する形状で形成されるとともに、左右のエンボス同士の離間幅が最大となる最大エンボス離間幅が前側エンボス及び後側エンボスの各最大エンボス離間幅以上に形成され、前側エンボス及び後側エンボスはそれぞれ、少なくとも排尿口対応エンボスに近接する部分が、吸収性物品の幅方向外側に曲率中心を有するとともに排尿口対応エンボスの長手寸法以上の曲率半径を有する曲線状又は直線状に形成されていることを特徴とする吸収性物品、が開示されている。さらに、当該吸収性物品によれば、排尿口対応エンボスで囲まれた部分を的として排尿口部に当接させるようにして装着することによって、吸収性物品が身体の適正な位置に容易に装着できるようになり、その結果、漏れの発生や装着感の悪化が防止できると記載されている。
また、例えば、特許文献3には、透液性のトップシートと、バックシートと、トップシートとバックシートの間に介在される吸収体と、吸収体の長手方向両側縁近傍において長手方向に沿ってバックシートを覆うように配置された立体ギャザーと、から成り、バックシートの巻き込み部には長手方向の位置合わせ用目印が形成されていることを特徴とする吸収性物品が開示されている。さらに、紙おむつ等のアウターの長手方向の適正な位置に当該吸収性物品を迅速かつ確実に装着可能となる旨が記載されている。
特開2009−148441号公報 特開2013−176509号公報 特開2005−287791号公報
しかしながら、特許文献1に開示されている吸収性物品は、当該吸収性物品の中央部のエンボス幅が上下のエンボス幅より広く設けられることで装着時の幅方向圧縮変形を抑制し漏れを抑制するものであるが、略長方形の製品形状である。そのため、女性用の軽失禁パッドを前提としており、男性用の吸収性物品としては、装着時の漏れを防止する効果に問題を生じる。また、特許文献2及び特許文献3に記載の吸収性物品も、特許文献1と同様に、男性用の吸収性物品に適した形状、装着目安位置を提供するものではなかった。したがって、本発明は、以上の課題に鑑みてなされたものであり、適切な装着位置を把握しやすく、位置ずれや尿漏れを生じにくい、薄型で幅広な男性用吸収性物品を提供することを目的とする。
本発明の発明者らは、上記課題に鑑み、鋭意研究を行った。その結果、薄型で略凧型形状の吸収性物品であって、二本の立体ギャザーの身体側端部の間に、トップシートから吸収体にかけて、複数のチャネルエンボスを有する男性用吸収性物品によれば、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。具体的には、本発明は、以下のものを提供する。
(1)本発明の第1の態様は、腹側部と股部とを有し、腹側部から股部にかけて、幅方向の寸法が漸減する略凧型形状を有し、二本の折り線により3つ折りにされて個別包装される男性用吸収性物品であって、液透過性のトップシートと、液不透過性のバックシートと、トップシート及びバックシートの間に配置された吸収体とを有し、男性用吸収性物品の、幅方向の最大寸法が130mm以上200mm以下、長手方向の最大寸法が210mm以上290mm以下、厚みが2.5mm以上9.0mm以下であり、前記トップシートの身体側の幅方向両端部において、長手方向に沿って、立体ギャザーを有し、二本の前記立体ギャザーの身体側端部の間に、トップシートから吸収体にかけて、複数のチャネルエンボスを有する、男性用吸収性物品。
(2)本発明の第2の態様は、(1)に記載の男性用吸収性物品であって、複数のチャネルエンボスは、腹側部端部近傍に位置する第一のチャネルエンボスと、男性用吸収性物品の長手方向中心線近傍であって、かつ、腹側部に位置する第二のチャネルエンボスと、股部に位置する第三のチャネルンエンボスと、に区分して形成され、前記第一のチャネルエンボスは、腹側部端部の外側に向けて凸となる略円弧形状であり、前記第二のチャネルエンボスは、幅方向中心線を境に略線対称となるチャネルエンボスから構成され、幅方向端部の外側に向けて凸となる、略円弧形状であり、前記第三のチャネルエンボスは、長手方向中心線の近傍から股部側端部に向けて形成される略U字形状のチャネルエンボスと、当該略U字形状のチャネルエンボスの内方の股部側端部方向に位置し、股部側端部の外側に凸となる略円弧形状のチャネルエンボスと、を有し、前記略U字形状のチャネルエンボスの幅方向両端部が、幅方向の端部に向けて凹となるように略円弧状に形成され、かつ、当該略円弧状部分の曲率半径が、前記第一のチャネルエンボス及び前記第二のチャネルエンボスの曲率半径よりも大きく、各チャネルエンボスの太さが、1.0mm以上3.0mm以下であることを特徴とするものである。
(3)本発明の第3の態様は、(2)に記載の男性用吸収性物品であって、前記第一のチャネルエンボス及び/又は前記第二のチャネルエンボスは、略同一形状の1以上3以下のチャネルエンボスがそれぞれ同心円上に隣接して構成され、隣接するチャネルエンボスの間隔が10mm以上40mm以下であることを特徴とするものである。
(4)本発明の第4の態様は、(2)又は(3)に記載の男性用吸収性物品であって、複数の前記チャネルエンボスは、幅方向略中央部に設けられ、前記第二のチャネルエンボス同士の幅方向の最大離間距離が、男性用吸収性物品の幅方向の最大寸法に対して、15%以上50%以下であり、複数の前記チャネルエンボス同士の長手方向の最大離間距離が、男性用吸収性物品の長手方向の最大寸法に対して、50%以上70%以下であることを特徴とするものである。
(5)本発明の第5の態様は、(1)から(4)のいずれかに記載の男性用吸収性物品であって、二本の前記立体ギャザーの身体側端部の間隔が25mm以上90mm以下であることを特徴とするものである。
(6)本発明の第6の態様は、(1)から(5)のいずれかに記載の男性用吸収性物品であって、股部側端部から腹側部端部に向けて、長手方向の総寸法の50%の位置における、吸収体の幅方向の寸法が10cm以上11cm以下、長手方向の総寸法の25%の位置における、吸収体の幅方向の寸法が8cm以上9cm以下、長手方向の総寸法の10%の位置における、吸収体の幅方向の寸法が6cm以上7cm以下であることを特徴とするものである。
本発明の男性用吸収性物品は、薄型のものであり、幅方向の最大寸法が大きく、幅広のものであるため、身体の運動に伴って、尿漏れ等が生じることもない。さらに、本発明の男性用吸収性物品は、トップシートの身体側の幅方向両端部において、長手方向に沿って、立体ギャザーを有し、二本の前記立体ギャザーの身体側端部の間に複数のチャネルエンボスを有するため、吸収性物品を下着に装着することに不慣れな男性であっても、適切な装着位置を把握しやすく、位置ずれや尿漏れを生じにくい。よって、本発明によれば、適切な装着位置を把握しやすく、位置ずれや尿漏れを生じにくい、薄型で幅広な男性用吸収性物品を提供することができる。
本発明の男性用吸収性物品の平面図である。 図1のX−X線における本発明の男性用吸収性物品の断面図である。
以下、本発明の男性用吸収性物品1について、図面を参照して詳細に説明する。なお、本発明の実施形態の説明の全体を通して、同じ要素には同じ番号又は符号を付している。
<男性用吸収性物品>
図1は、本発明の男性用吸収性物品1の表面図であり、図2は、図1のX−X線における本発明の男性用吸収性物品1の断面図である。男性用吸収性物品1は、図1に示すように、腹側部Aと股部Bとを有し、身体側表面に配置された液透過性のトップシート2と、トップシート2に対向し、衣類側表面に配置された液不透過性のバックシート5、トップシート2及びバックシート5の間に配置された吸収体4と、を備え、これにより、吸収体4は、トップシート2とバックシート5との間に挟まれた構造となっている。また、本明細書の説明において、男性用吸収性物品1の長手方向とは、男性用吸収性物品1が装着されたときに装着者の臍から股部に亘る方向であり、図中、符号Yで示す方向である。また、男性用吸収性物品1の幅方向とは、長手方向に対して横又は直交する方向であり、図中、符号Xで示す方向である。また、男性用吸収性物品1の身体側表面とは、装着時に装着者の肌に当接する表面を指し、衣類側表面とは、装着時に装着者の衣類に接触する表面を指す。
[男性用吸収性物品の形状及び寸法]
本発明の男性用吸収性物品1の形状は、腹側部Aから股部Bにかけて、幅方向の寸法が漸減する略凧型形状を有するものである。男性用吸収性物品1が、このような略凧型形状を有することにより、男性用吸収性物品1が、男性の局部を効果的に包み込むことができるとともに、身体の運動に伴って、排尿位置が移動したとしても、腹側部Aで尿を効果的に受け止めることができる。
また、本発明の男性用吸収性物品1は腹側部Aに位置する腹側部端部11を含む辺が、外側に凸となるように弧を描き、幅方向両端部から股部Bに至る辺が、内側に凸となるように弧を描くことが好ましい。特に、幅方向両端部から股部Bに至る辺が、内側に凸となるように弧を描いていることにより、男性用吸収性物品1が両脚の内側と接触せず、通常の装着時においても、万が一位置ずれが生じたときにおいても、装着時の圧迫感が生じることを効果的に回避することができる。
本発明の男性用吸収性物品1の寸法は、幅方向の最大寸法が、130mm以上200mm以下であり、長手方向の最大寸法が、210mm以上290mm以下である。幅方向の最大寸法が上記の範囲内のものであることにより、男性用吸収性物品1の装着時の違和感を一定程度以下に抑えつつ、男性用吸収性物品1の装着時に、装着者の運動に伴って排尿部位が移動したとしても、男性用吸収性物品1が、全ての移動部位を覆うことができ、尿漏れが生じることを有効に防止することができる。また、男性用吸収性物品1の長手方向の最大寸法が、上記の範囲内のものであることにより、尿漏れを効果的に防止しつつ、座位における股間部の圧迫感を効果的に低減することができる。また、本発明の男性用吸収性物品1では、厚みが2.5mm以上9.0mm以下であるように調整されているため、薄型化を実現することができる。
本発明の男性用吸収性物品1は、長手方向の対角線の長さに対する、幅方向の対角線の長さの比が0.5以上0.9以下であり、長手方向の対角線と幅方向の対角線の交点は長手方向の腹側部端部11と股部側端部12を1:4以上1:7以下の比に分割するように位置していることが好ましい。男性用吸収性物品1が、このような寸法を有することにより、男性用吸収性物品1が、男性の局部を効果的に包み込むことができるとともに、身体の運動に伴って、排尿位置が移動したとしても、腹側部Aで尿を効果的に受け止めることができる。
[折り線]
本発明の男性用吸収性物品1は、二本の折り線100により3つ折りにされて個別包装されるものである。ここで、二本の折り線100は、幅方向に平行に延びるように設けられているものであることが好ましく、二本の折り線100のうちの腹側部側の折り線は、腹側部端部11から70mm以上90mm以下の位置に設けられていることが好ましく、二本の折り線100のうちの股部側の折り線は、股部側端部12から70mm以上90mm以下の位置に設けられていることが好ましい。折り線100の位置を上記の範囲内のものとすることにより、男性用吸収性物品1をコンパクトに折り畳むことができるとともに、装着時の折り癖が、男性用吸収性物品1の下着への固定に与える影響をより低減することができる。
[トップシート]
トップシート2は、体液が吸収体4へと移動するような液透過性を備えた基材から形成すればよく、例えば、サーマルボンド不織布、スパンボンド不織布等の不織布、サーマルボンド/スパンボンドを積層した複合不織布、開口ポリエチレンフィルム等の開口性フィルム、ポリエチレンフォーム、ウレタンフォーム等の発泡フィルムや、これらを積層した複合シート等の材料から形成される。また、トップシート2には、液透過性を向上させるために、表面にエンボス加工や穿孔加工を施してもよい。これらのエンボス加工や穿孔加工を施すための方法としては、公知の方法を制限なく実施することができる。また、肌への刺激を低減させるため、トップシート2には、ローション、酸化防止剤、抗炎症成分、pH調整剤、抗菌剤、保湿剤等を含有させてもよい。さらに、強度及び加工性の点から、トップシート2の坪量は、18g/m以上40g/m以下であることが好ましい。
なお、本発明においては、吸収体4の上面への体液の拡散を促進するため、トップシート2と吸収体4との間に、液拡散性シート6を設けてもよい。斯かる液拡散性シート6としては、例えば、エアスルー不織布、ポイントボンド不織布、スパンボンド不織布、メルトブロー不織布等の不織布や、スパンボンド/メルトブロー、スパンボンド/メルトブロー/スパンボンドを積層した複合不織布を挙げることができる。液拡散性シート6の厚さは0.1mm以上であることが好ましく、その坪量は15g/m以上であることが好ましい。
[立体ギャザー]
本発明の男性用吸収性物品1においては、男性の局部が男性用吸収性物品1の吸収エリアから外れないよう、トップシート2の身体側の幅方向両端部において、長手方向に沿って、立体ギャザー7を有する。ここで、幅方向両側に位置する2つの立体ギャザー7の身体側端部の間隔(図1中のL)は25mm以上90mm以下であることが好ましく、40mm以上80mm以下であることが更に好ましい。立体ギャザー7の身体側端部の間隔が上記の範囲内のものであることにより、男性の局部を効果的に吸収エリア内に収めつつ、男性の局部の全体を立体ギャザー7で覆うことができる。これにより、男性用吸収性物品1における尿漏れを効果的に防止することができる。
立体ギャザー7としては、疎水性繊維にて形成された撥水性又は不透液性のシート、例えば、スパンボンド不織布、メルトブロー不織布、ポリエチレンフィルムを用いることができ、選択した一種又は二種以上のシートを接合したものが使用される。また、立体ギャザー7の坪量は、加工性及び強度の点から、8g/m以上20g/m以下であることが好ましい。立体ギャザー7の外側のシートはバックシート5に固定され、立体ギャザー7の内側のシートはトップシート2に固定され、トップシート2及びバックシート5に固定されない部分は身体側となるように、立体ギャザー7は、男性用吸収性物品1に配置される。
(伸縮弾性部材)
また、立体ギャザー7は、身体側及び基端側に少なくとも一本ずつの伸縮弾性部材を長手方向に沿って有することが好ましい。伸縮弾性部材を長手方向に沿って設けることで、立体ギャザー7が起立性を有し、装着者の体型に合わせて変形可能なものとなり、フィット性が向上する。伸縮弾性部材としては、例えば、ポリウレタン糸、帯状のポリウレタンフィルム、糸状又は帯状の天然ゴム等が使用される。なお、伸縮弾性部材の太さは、470dtex以上1240dtex以下であることが好ましい。
[バックシート]
バックシート5は、吸収体4が保持している体液が衣類を濡らさないような液不透過性を備えた基材を用いて形成すればよく、樹脂フィルムや、樹脂フィルムと不織布とを積層した複合シートといった材料から形成される。複合シートに用いられる不織布としては、製法を特に限定せず、例えば、スパンボンド不織布やメルトブロー不織布、あるいは、スパンボンド/メルトブロー、スパンボンド/メルトブロー/スパンボンドを積層した複合不織布及びこれらの複合材料が挙げられる。また、樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエステル、ポリビニルアルコール、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンとポリプロピレンの複合フィルム等が挙げられる。
強度及び加工性の点から、バックシート5の坪量は、15g/m以上40g/m以下であることが好ましい。また、装着時の蒸れを防止するため、バックシート5は、通気性を持たせることが好ましい。バックシート5に通気性を備えさせるためには、例えば、基材の樹脂フィルムにフィラーを配合したり、バックシート5にエンボス加工を施したりすればよい。なお、フィラーとしては炭酸カルシウムを挙げることができ、その配合方法は、公知の方法を制限なく行うことができる。
[吸収体]
吸収体4は、基材としての吸収性繊維と、高吸水性ポリマー(SAP)と、を含有することが好ましい。なお、本発明の男性用吸収性物品1は、高い吸収量で、かつ薄型のものであって、吸収体4の総吸収量が70g以上900g以下であり、厚みが6mm以下であることが好ましい。総吸収量は、予め重量を測定しておいた吸収性物品を、20リットルの0.9%、37度の食塩水に5分間浸漬し、水切りした後の重量変化の値である。吸収性繊維は、一般に生理用ナプキンや紙おむつ、尿取りパッド等の吸収性物品に使用されるものであれば特に制限はなく、例えば、フラッフパルプ、コットン、レーヨン、アセテート、ティシュ、吸収紙、親水性不織布等を挙げることができる。これらの中でも、吸収性の観点から、フラッフパルプを使用することが好ましい。斯かるフラッフパルプとしては、木材パルプ、合成繊維、ポリマー繊維、非木材パルプ等を綿状に解繊したものを挙げることができる。
吸収体4の高吸水性ポリマーとしては、体液を吸収し、かつ、逆流を防止できるものであれば特に制限はなく、ポリアクリル酸ナトリウム系、ポリアスパラギン酸塩系、(デンプン−アクリル酸)グラフト共重合体、(アクリル酸−ビニルアルコール)共重合体、(イソブチレン−無水マレイン酸)共重合体及びそのケン化物等の材料から形成されたものを使用することができる。これらの中でも、重量当たりの吸収量の観点から、ポリアクリル酸ナトリウム系が好ましい。吸収体4のSAP量は、吸収性能及び肌触りを損なわないよう、90g/m以上500g/m以下の坪量とすることが好ましく、30質量%以上50質量%以下の含有量とすることが好ましい。
吸収体4において、吸収性繊維及びSAPの形態は、吸収性繊維中にSAP粒子を混合して形成したもの、あるいは、吸収性繊維間にSAP粒子を固着したSAPシートとしたものであることが好ましい。また、SAP粒子の漏洩防止や吸収体4の形状の安定化の目的から、吸収体4をキャリアシートに包むことが好ましい。キャリアシートの基材としては親水性を有するものであればよく、ティシュ、吸収紙、エアレイド不織布等の親水性不織布を挙げることができる。キャリアシートを複数備える場合は、キャリアシートの基材は同一のものであっても異なるものであってもよい。
(吸収体の寸法)
本発明の男性用吸収性物品1においては、股部側端部12から腹側部端部11に向けて、長手方向の総寸法の50%の位置における、吸収体4の幅方向の寸法が10cm以上11cm以下であることが好ましく、長手方向の総寸法の25%の位置における、吸収体4の幅方向の寸法が8cm以上9cm以下であることが好ましく、長手方向の総寸法の10%の位置における、吸収体4の幅方向の寸法が6cm以上7cm以下であることが好ましい。吸収体4の幅方向の寸法を、上記の範囲内のものとすることにより、男性用吸収性物品1の装着時における、違和感を効果的に防止することができる。また、男性用吸収性物品1は地面に対して延直方向に位置する状態で保持される一方で、排泄された体液は主に下に向かい拡散する。吸収体4の幅方向の寸法を上記の範囲内のものとすることにより、そのような体液を効果的に吸収することができる。
[吸収性シート]
本発明の男性用吸収性物品1は、さらに、吸収性シート3を有していることが好ましい。吸収性シート3は、親水性不織布(上層親水性不織布及び下層親水性不織布)の間に高吸水性ポリマーを含む吸水層が挟持されたものである。吸収性シート3は、フラッフパルプ等の吸収性繊維を含んでいないため、所定以上の吸収量であっても厚みが薄く、これを用いることにより、男性用吸収性物品1を薄型化することができる。また、本発明において、男性用吸収性物品1は、二本の折り線100により3つ折りにされるが、吸収性シート3を用いていることにより、通常の吸収体を使用した場合と比較し、3つ折りにしても折り癖がつきにくくなる傾向にあり、男性用吸収性物品1の下着への固定をより容易にすることができる。なお、吸収性シート3は、吸収体4とバックシート5の間に設けることが好ましい。
吸収性シート3が有する吸水層は、高吸水性ポリマー及びホットメルト接着剤を含んでいてもよく、このホットメルト接着剤によって、上記上層親水性不織布、吸水層、及び下層親水性不織布は、相互に接着されていることが好ましい。
吸収性シート3に使用される高吸水性ポリマーの中位粒子径は、100μm以上600μm以下が好ましく、200μm以上500μm以下がより好ましい。高吸水性ポリマーの中位粒子径を斯かる数値の範囲内のものとすることにより、流動性の悪い微粉末の使用を避けて、吸収性シート3の基本性能を高めつつも、吸収性シート3が堅くなることを防ぐとともに、ゴツゴツした感触を低減して、触感を改善することができる。
吸収性シート3が含有する高吸水性ポリマーの含有量は、要求される吸収性能に応じて適宜設定することができるが、100g/m以上1000g/m以下であることが好ましく、200g/m以上800g/m以下であることがより好ましい。高吸水性ポリマーの含有量を斯かる数値の範囲内のものとすることにより、十分な吸収性能を発揮できる上に、体液吸収後のさらさら感も保持され、かつ超薄型に成形可能で、柔らかく動きやすい装着感を有する吸収性シート3を提供することができる。
高吸水性ポリマーとしては、吸収体4に用いたものと同様のものを用いることができる。
親水性不織布と高吸水性ポリマーとの接着のために用いることができるホットメルト接着剤としては、融点が100℃から180℃程度の、スチレン−ブタジエン−スチレン系共重合体、スチレン−イソプレン−スチレン系共重合体等の合成ゴム系接着剤、又はエチレン−酢酸ビニル共重合体等のオレフィン系接着剤等を使用することができる。ホットメルト接着剤の塗布方法としては、溶融状態のホットメルト接着剤をノズルから非接触式で塗布するカーテンコート法やスパイラル法、接触式で塗布するスロット法等、公知の方法を使用することができる。
本発明においては、上層親水性不織布、吸水層、及び下層親水性不織布をホットメルト接着剤によって一体化した吸収性シート3全体に熱エンボス加工を施すことが好ましい。これにより、吸収性シート3全体への体液の拡散の効率を高めることができ、吸収性シート3中での高吸水性ポリマーの固定が強化される。エンボス形状としては、直線、曲線、ドット状等、特に限定されず、またエンボスパターン形状も格子状、波状、エイコンパターン(どんぐりの連続形状)等、液体の拡散を効率よくするためのものが適宜選択される。
吸収性シート3を構成する上層親水性不織布、及び下層親水性不織布は、10g/m以上の、親水性材料から構成された不織布や、親水化処理がなされた不織布を制限なく使用できるが、少なくとも1枚は、親水性が高く、それ自身が保水して一時的に液体を保持するスパンレース不織布であることが好ましく、バックシート側に位置する下層親水性不織布がスパンレース不織布であることが更に好ましい。スパンレース不織布はレーヨンやコットンのセルロース系、及び合成繊維系等の不織布を使用することができ、その坪量は適宜選択できるものの、10g/m以上のものが好ましい。スパンレース不織布以外としては、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル等の合成繊維系からなるエアスルー不織布、ポイントボンド不織布、スパンボンド不織布を使用することができる。本発明においては、特に液戻りの防止性能に優れるエアスルー不織布を使用することが好ましい。
[チャネルエンボス]
本発明の男性用吸収性物品1は、図1及び図2に示すように、二本の立体ギャザー7の身体側端部の間に、トップシート2から吸収体4にかけて、複数のチャネルエンボスを有する。このように、二本の立体ギャザー7の身体側端部の間に複数のチャネルエンボスを有することにより、適切な装着位置を把握しやすく、位置ずれや尿漏れを生じにくくすることができる。また、複数のチャネルエンボスを設けることにより、装着時に男性用吸収性物品1を屈曲しやすくすることで、フィット性を向上させ、尿漏れを生じにくくすることができる。なお、複数のチャネルエンボスは、プレス加工等の従来公知の方法により形成することができる。
また、複数のチャネルエンボスは、腹側部端部11近傍に位置する第一のチャネルエンボス21と、男性用吸収性物品1の長手方向中心線近傍であって、かつ、腹側部Aに位置する第二のチャネルエンボス22と、股部Bに位置する第三のチャネルエンボス23と、に区分して形成されることが好ましい。このように、複数のチャネルエンボスが3つの領域に区分されることにより、3つに区分されたチャネルエンボスのそれぞれが、装着位置の把握、位置ずれ防止、尿漏れの防止に機能的に寄与し、より効果的に、装着位置を把握しやすく、位置ずれや尿漏れを生じにくくすることができる。
なお、各チャネルエンボスの太さは、1.0mm以上3.0mm以下であることが好ましい。各チャネルエンボスの太さを上記の範囲に調整することにより、チャネルエンボスを明確に把握でき、装着位置を容易に把握することができ、また、装着感を損なわずに、吸収体4への尿の拡散を向上させることができる。また、一つのチャネルエンボスは、連続的に形成されていてもよいし、点線状に形成されていてもよい。
(第一のチャネルエンボスと第二のチャネルエンボス)
複数のチャネルエンボスのうち、第一のチャネルエンボス21は、腹側部端部11近傍に位置するものであり、第二のチャネルエンボス22は、男性用吸収性物品1の長手方向中心線近傍であって、かつ、腹側部Aに位置するものである。第一のチャネルエンボス21は、腹側部端部11の外側に向けて凸となる略円弧形状であり、第二のチャネルエンボス22は、幅方向中心線を境に略線対称となるチャネルエンボスから構成され、幅方向端部の外側に向けて凸となる、略円弧形状である。
上記の態様で、第一のチャネルエンボス21と第二のチャネルエンボス22を設けることにより、装着時において、略同心円上に位置する第一のチャネルエンボス21と第二のチャネルエンボス22の円心に、男性の局部の排尿部を視覚的に誘導することで、装着位置を容易に把握するができ、適切な位置に装着することで尿漏れを防止することができる。また、装着時に屈曲しやすくすることにより、フィット性を向上させ、排尿部へ密着しやすくなり、尿漏れを防止することができる。
また、第一のチャネルエンボス21は、腹側部端部11の外側に向けて凸となる略円弧形状となるため、トップシート2上における腹側部端部11側への尿の拡散をせき止め、尿漏れを抑制することができる。また、第二のチャネルエンボス22は、幅方向中心線を境に略線対称となるチャネルエンボスから構成され、幅方向端部の外側に向けて凸となる、略円弧形状であるため、立体ギャザー7と同様に、トップシート2上における幅方向への尿の拡散をせき止め、尿漏れを抑制することができ、また、吸収体4の長手方向への尿の拡散を向上させることができる。
また、第一のチャネルエンボス21及び/又は第二のチャネルエンボス22は、略同一形状の1以上3以下のチャネルエンボスがそれぞれ同心円上に隣接して構成され、隣接するチャネルエンボスの間隔が10mm以上40mm以下であることが好ましい。隣接するチャネルエンボスの数が多いほうが、トップシート2上における尿の拡散をより抑制することができるが、男性用吸収性物品1の寸法や二本の立体ギャザー7の身体側端部の間隔により、適宜選択することができる。
(第三のチャネルエンボス)
第三のチャネルエンボス23は、複数のチャネルエンボスのうち、上記のとおり、股部Bに位置するものである。さらに、第三のチャネルエンボス23は、長手方向中心線の近傍から股部側端部12に向けて形成される略U字形状のチャネルエンボスと、当該略U字形状のチャネルエンボスの内方の股部側端部12方向に位置し、股部側端部12の外側に凸となる略円弧形状のチャネルエンボスと、を有することが好ましい。さらに、略U字形状のチャネルエンボスの幅方向両端部が、幅方向の端部に向けて凹となるように略円弧状に形成され、かつ、当該略円弧状部分の曲率半径が、第一のチャネルエンボス21及び第二のチャネルエンボス22の曲率半径よりも大きいことが好ましい。第三のチャネルエンボスの形状を上記のように調整することにより、装着時に股部及び足回りに男性用吸収性物品1が沿うように屈曲し、フィット感及び密着性が向上し、より効果的に漏れを抑制することができる。
上記の態様で、第三のチャネルエンボス23を設けることにより、装着時に屈曲しやすくすることにより、フィット性を向上させ、排尿部へ密着しやすくなり、尿漏れを防止することができる。また、装着時に男性用吸収性物品1を挟んだ場合に、幅方向に狭くなるように屈曲し、足回りの異物感や座位時の圧迫感を軽減することができる。また、吸収体4への長手方向への尿の拡散を向上させることができる。さらに、トップシート2上における股部側端部12への尿の拡散をせき止め、尿漏れを防止することができる。
また、複数のチャネルエンボスは、幅方向略中央部に設けられ、第二のチャネルエンボス22同士の幅方向の最大離間距離が、男性用吸収性物品1の幅方向の最大寸法に対して、15%以上50%以下であり、複数のチャネルエンボス同士の長手方向の最大離間距離が、男性用吸収性物品の長手方向の最大寸法に対して、50%以上70%以下であることが好ましい。複数のチャネルエンボスの寸法・位置を、上記の範囲に調整することにより、上記した複数のチャネルエンボスの形状と相まって美粧性および視認性が向上する。特に、トイレで排尿する際に、下着をおろし、再度装着するときに男性の局部の位置を合わせやすい。また、複数のチャネルエンボスの寸法・位置を、上記の範囲に調整することにより、装着時に男性用吸収性物品1が屈曲したときのカーブが男性の局部を覆いやすくすることができる。第二のチャネルエンボス22同士の幅方向の最大離間距離が、男性用吸収性物品1の幅方向の最大寸法に対して、15%未満で、かつ、複数のチャネルエンボス同士の長手方向の最大離間距離が、男性用吸収性物品1の長手方向の最大寸法に対して70%を超えると、男性用吸収性物品1は長手方向の中心で長手方向に折れやすく、尿が股部側端部12の方向に流れやすくなる。
[粘着層]
本発明の男性用吸収性物品1は、バックシート5の衣類側表面に粘着層を有することが好ましい(図示しない)。粘着層は、男性用吸収性物品1を下着に確実に固定し、男性用吸収性物品1の位置ずれを防止する機能を発揮するものである。本発明の男性用吸収性物品1においては、バックシート5の衣類側表面には、複数の粘着層が設けられていることが好ましく、これらの複数の粘着層の全てが、二本の折り線100のうちの少なくとも1本の折り線100を跨ぐように設けられていることがより好ましい。本発明の好ましい態様においては、粘着層は、長手方向に平行に3列設けられており、中央の粘着層が、二本の折り線100を跨ぐように設けられており、両端の2列の粘着層が、二本の折り線100のうちの腹側部側の1本の折り線100を跨いでいることが好ましい。男性用吸収性物品1は薄型のものである場合、折り線100による折りじわが残りやすくなり、男性用吸収性物品1が下着から浮いて、これが、位置ずれの原因にもなるが、折り線100を跨いで粘着層が設けられていることにより、男性用吸収性物品1を効果的に、下着に固定することができる。なお、通常、従来の男性用吸収性物品は、幅広のものではないため、幅方向両端部近傍に粘着層を設けることはない。本発明の男性用吸収性物品1においては、幅方向両端部近傍の2か所に粘着層を設けることにより、幅方向の全体に亘って男性用吸収性物品1を下着に固定することができる。
<男性用吸収性物品の製造方法>
男性用吸収性物品1の製造方法としては、吸収体4をトップシート2とバックシート5との間に挟持し、立体ギャザー7を設け、トップシート2とバックシート5とを一部又は全周に亘ってホットメルト接着剤やヒートエンボス、超音波エンボス、高周波エンボス等を用いて固定し、さらに、二本の立体ギャザー7の間に複数のチャネルエンボスをプレス加工で設けることにより製造することができる。
以上、本発明を、実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記の実施形態に記載の発明の範囲には限定されないことは言うまでもなく、上記実施形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。また、そのような変更又は改良を加えた発明も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
以下、本発明について、実施例を挙げて詳細に説明する。なお、本発明は、以下に示す実施例に何ら限定されるものではない。
[実施例1]
トップシートとして、エアスルー不織布(坪量22g/m)を用意し、トップシートの身体側の幅方向両端部において、長手方向に沿って、立体ギャザーを設けた。立体ギャザーシートしては、撥水性のスパンボンド不織布/メルトブロー不織布/スパンボンドをそれぞれ接合した複合シート(坪量15g/m)と、太さ940dtexの糸ゴムである伸縮弾性部材と、を有するものを用いた。なお、二本の立体ギャザーの身体側端部の間隔は50mmとした。
また、吸収性シートについて、上層親水性不織布として、エアスルー不織布(坪量60g/m)、下層親水性不織布として、スパンボンド不織布(坪量15g/m)を、両不織布の間に高吸水性ポリマー(坪量380g/m)を含む吸水層を挟持した。なお、ホットメルト接着剤により、上記上層親水性不織布、吸水層、及び下層親水性不織布を、相互に接着した。
また、吸収体としては、フラッフパルプ(坪量300g/m)と高吸水性ポリマー(130g/m)を混合し、キャリアシート(ティシュ、坪量16g/m)で全体を包んだものを用いた。
液拡散性シートとしては、エアスルー不織布(坪量22g/m)を用いた。
バックシートは、通気性ポリエチレンフィルム(坪量32g/m)を用い、バックシートの衣類側表面に粘着層を設けた。
その後、トップシート、液拡散性シート、吸収体、吸収性シート、バックシートの順で積層し、トップシートとバックシートとを全周に亘ってホットメルト接着剤を用いて固定し、さらに、二本の立体ギャザーの身体側端部の間に、トップシートから吸収体にかけて、複数のチャネルエンボスをプレス加工により形成し、長手方向の最大寸法が251mm、幅方向の最大寸法が157mm、厚みが4.5mmの実施例1の略凧型形状の男性用吸収性物品1を得た。
ここで、実施例1の男性用吸収性物品に設けた複数のチャネルエンボスについて、詳細に説明する。複数のチャネルエンボスは、上記した、第一のチャネルエンボスと、第二のチャネルエンボスと、第三のチャネルンエンボスと、に区分して形成し、太さが2.0mmとなるように形成した。第一のチャネルエンボスについては、2つのチャネルエンボスがそれぞれ同心円上に隣接して構成され、隣接するチャネルエンボスの間隔が12mmとなるように形成した。
[比較例1]
第三のチャネルエンボスを設けず、第二チャネルエンボス同士の最大離間距離が、二本の前記立体ギャザーの身体側端部の間隔を超えた点以外は、実施例1と同様に、比較例1の男性用吸収性物品を得た。
[比較例2]
複数のチャネルエンボスを設けなかった点以外は、実施例1と同様に、比較例2の男性用吸収性物品を得た。
[官能評価]
軽度の失禁症状があり、軽失禁製品の専用品を使用したことのない男性20名のパネラーを対象に、実施例1、比較例1及び2の略凧型形状の男性用吸収性物品の装着評価を行った。装着時の位置決め容易性、フィット性(装着時の密着性、違和感の少なさ)、尿漏れのなさ(装着時の尿漏れによる下着、ズボンへのシミ発生の程度)について、以下の基準で評価を行い、結果を表1に示した。なお、装着者は各々のパッドを1日当たり14時間、一週間装着し、日常動作における評価を行った。
(装着時の位置決め容易性)
「装着時の位置決めが容易である」又は「装着時の位置決めが容易でない」の選択で調査を行い、以下の基準により評価を行った。なお、◎及び○を合格とした。
◎:「装着時の位置決めが容易である」が16人以上20人以下のとき
○:「装着時の位置決めが容易である」が11人以上15人以下のとき
△:「装着時の位置決めが容易である」が6人以上10人以下のとき
×:「装着時の位置決めが容易である」がいないか、1人以上5人以下のとき
(フィット性)
「フィット性がよい」または「フィット性が悪い」の選択で調査を行い、以下の基準により評価を行った。なお、◎及び○を合格とした。
◎:「フィット性がよい」が16人以上20人以下のとき
○:「フィット性がよい」が11人以上15人以下のとき
△:「フィット性がよい」が6人以上10人以下のとき
×:「フィット性がよい」がいないか、1人以上5人以下のとき
(尿漏れのなさ)
「尿漏れがない」または「尿漏れがある」の選択で調査を行い、以下の基準により評価を行った。なお、◎及び○を合格とした。
◎:「尿漏れがない」が16人以上20人以下のとき
○:「尿漏れがない」が11人以上15人以下のとき
△:「尿漏れがない」が6人以上10人以下のとき
×:「尿漏れがない」がいないか、1人以上5人以下のとき
実施例1については、第一のチャネルエンボス及び第二のチャネルエンボスにより、トイレで下着を再装着する際に、装着位置を把握しやすくなり、装着時の位置決めが容易であった。また、第三のチャネルエンボスにより、男性用吸収性物品が股に挟まれた際の幅方向の変形により身体にパッドが密着し、動作の違和感を抑えられ、フィット性が良好であった。さらに第一のチャネルエンボス及び第二のチャネルエンボスの誘導により、適切な位置に男性用吸収性物品が装着され、股部の密着性が得られることで尿漏れを抑制し、ズボンや下着への排尿後のシミの発生を抑えることができた。比較例1では、第二のチャネルエンボスが大きく、見た目のバランスも悪くなるとともに、第二のチャネルエンボスの一部が、二本の立体ギャザーに隠れてしまい、装着位置を把握しづらくなり装着時の位置決め容易性が、実施例1よりはやや劣り、第三のチャネルエンボスが設けられていないことから、フィット性が劣り、尿漏れを十分に抑制できるものではなかった。比較例2ではチャネルエンボスが設けられていないため、総じて実施例1よりも劣る結果であった。
A 腹側部
B 股部
1 男性用吸収性物品
11 腹側部端部
12 股部側端部
2 トップシート
21 第一のチャネルエンボス
22 第二のチャネルエンボス
23 第三のチャネルエンボス
3 吸収性シート
4 吸収体
5 バックシート
6 液拡散性シート
7 立体ギャザー
100 折り線

Claims (6)

  1. 腹側部と股部とを有し、腹側部から股部にかけて、幅方向の寸法が漸減する略凧型形状を有し、二本の折り線により3つ折りにされて個別包装される男性用吸収性物品であって、
    液透過性のトップシートと、液不透過性のバックシートと、トップシート及びバックシートの間に配置された吸収体とを有し、
    男性用吸収性物品の、幅方向の最大寸法が130mm以上200mm以下、長手方向の最大寸法が210mm以上290mm以下、厚みが2.5mm以上9.0mm以下であり、
    前記トップシートの身体側の幅方向両端部において、長手方向に沿って、立体ギャザーを有し、
    二本の前記立体ギャザーの身体側端部の間に、トップシートから吸収体にかけて、複数のチャネルエンボスを有する、男性用吸収性物品。
  2. 複数のチャネルエンボスは、腹側部端部近傍に位置する第一のチャネルエンボスと、男性用吸収性物品の長手方向中心線近傍であって、かつ、腹側部に位置する第二のチャネルエンボスと、股部に位置する第三のチャネルンエンボスと、に区分して形成され、
    前記第一のチャネルエンボスは、腹側部端部の外側に向けて凸となる略円弧形状であり、
    前記第二のチャネルエンボスは、幅方向中心線を境に略線対称となるチャネルエンボスから構成され、幅方向端部の外側に向けて凸となる、略円弧形状であり、
    前記第三のチャネルエンボスは、長手方向中心線の近傍から股部側端部に向けて形成される略U字形状のチャネルエンボスと、当該略U字形状のチャネルエンボスの内方の股部側端部方向に位置し、股部側端部の外側に凸となる略円弧形状のチャネルエンボスと、を有し、
    前記略U字形状のチャネルエンボスの幅方向両端部が、幅方向の端部に向けて凹となるように略円弧状に形成され、かつ、当該略円弧状部分の曲率半径が、前記第一のチャネルエンボス及び前記第二のチャネルエンボスの曲率半径よりも大きく、
    各チャネルエンボスの太さが、1.0mm以上3.0mm以下である、請求項1に記載の男性用吸収性物品。
  3. 前記第一のチャネルエンボス及び/又は前記第二のチャネルエンボスは、略同一形状の1以上3以下のチャネルエンボスがそれぞれ同心円上に隣接して構成され、隣接するチャネルエンボスの間隔が10mm以上40mm以下である、請求項2に記載の男性用吸収性物品。
  4. 複数の前記チャネルエンボスは、幅方向略中央部に設けられ、
    前記第二のチャネルエンボス同士の幅方向の最大離間距離が、男性用吸収性物品の幅方向の最大寸法に対して、15%以上50%以下であり、
    複数の前記チャネルエンボス同士の長手方向の最大離間距離が、男性用吸収性物品の長手方向の最大寸法に対して、50%以上70%以下である、請求項2又は3に記載の男性用吸収性物品。
  5. 二本の前記立体ギャザーの身体側端部の間隔が25mm以上90mm以下である、請求項1から4のいずれかに記載の男性用吸収性物品。
  6. 股部側端部から腹側部端部に向けて、
    長手方向の総寸法の50%の位置における、吸収体の幅方向の寸法が10cm以上11cm以下、
    長手方向の総寸法の25%の位置における、吸収体の幅方向の寸法が8cm以上9cm以下、
    長手方向の総寸法の10%の位置における、吸収体の幅方向の寸法が6cm以上7cm以下である、請求項1から5のいずれかに記載の男性用吸収性物品。
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