JP2019062409A - 音響処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 増幅器やスピーカを故障から保護することが出来るとともに、音質を向上させ部品点数を減らすことのできる音響処理装置を提供する。【解決手段】 音響処理装置100は、音響信号を増幅してスピーカ2を駆動する増幅器13と、増幅器13に流れる電流を検出する電流検出機能と、増幅器13に流れる電流のオンオフを行うスイッチング機能とを有する電流検出スイッチング素子14と、音響信号のレベルおよびボリューム設定から予測される電流予測値と、電流検出機能を用いて検出された電流検出値とに基づいて、スイッチング機能を用いて増幅器13に電源を供給するか否かを制御する制御部15を備える。【選択図】 図1

Description

本発明は、スピーカを駆動する増幅器を備えた音響処理装置に関する。
音響処理システムは、音響信号を増幅する増幅器と、増幅器からの出力信号に基づいて音響を再生するスピーカとを含んで構成される。仮に増幅器に過電流が流れると増幅器やスピーカが正常に動作せず、スピーカから音が出なくなってしまうことがある。
そこで、特許文献1、2には、アンプの出力電圧に基づいて保護動作を行う技術が提案されている。しかしながら、出力電圧に基づく保護動作の場合、瞬間的に過電流が流れた場合などには、保護動作が遅れてしまい、システムの誤作動や故障につながり、スピーカから音が出なくなってしまうおそれがある。
特開2009−219015号公報 特開2006−180049号公報
そこで、増幅器に流れる電流を検知して、過電流が流れた場合には電源を切ることで増幅器やスピーカを保護する方法が考えられる。しかし、増幅器に流れる電流を検知するために電流検知用抵抗を単に回路内に設けると、その抵抗値によって増幅器の電源ラインのインピーダンスが増加し、音質が劣化してしまう。また、インピーダンスを低下させるために、増幅器の前段に大容量コンデンサを追加すると、部品点数が増加してしまう。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたもので、増幅器やスピーカを故障から保護することが出来るとともに、音質を向上させ部品点数を減らすことのできる音響処理装置を提供することを目的とする。
本発明の音響処理装置は、音響信号を増幅してスピーカを駆動する増幅器と、前記増幅器に流れる電流を検出する電流検出機能と、前記増幅器に流れる電流のオンオフを行うスイッチング機能とを有する電流検出スイッチング素子と、前記音響信号のレベルおよびボリューム設定から予測される電流予測値と、前記電流検出機能を用いて検出された電流検出値とに基づいて、前記スイッチング機能を用いて前記増幅器に電源を供給するか否かを制御する制御部と、を備えている。
この構成によれば、増幅器に流れる電流の予測値(電流予測値)に基づいて増幅器に電源を供給するか否かを制御するため、出力電圧に基づいて保護動作を行う場合に比べて、時間遅れの影響を受けにくく、増幅器やスピーカを故障から保護することが出来る。また、電流検出用の抵抗を用いる場合に比べて、増幅器の電源ラインのインピーダンスを低く抑えて音質を向上させることができるとともに、インピーダンスを低く抑えるための大容量コンデンサも不要になり部品点数を減らすことができる。
また、本発明の音響処理装置では、前記制御部は、前記電流予測値に基づいて閾値を算出し、当該閾値と前記電流検出値との比較結果に応じて前記増幅器に電源を供給するか否かを制御してもよい。
この構成によれば、増幅器に流れる電流の予測値(電流予測値)から算出された閾値を用いて、増幅器に電源を供給するか否かを適切に制御することができる。
また、本発明の音響処理装置では、前記制御部は、前記電流検出値が前記閾値を上回った場合には、前記増幅器への電源供給を遮断してもよい。
この構成によれば、増幅器に流れる電流の予測値(電流予測値)から算出された閾値を用いて、増幅器に過剰な電流が流れると判断される場合に、増幅器への電源供給を適切に遮断して、増幅器を保護することができる。
また、本発明の音響処理装置では、前記制御部は、前記電流検出機能の温度に起因する誤差を補正するための補正値を用いて前記電流検出値を算出し、当該電流検出値と前記電流予測値との差が第1基準値を上回った場合には、前記電流検出値と前記電流予測値との差を小さくするように前記補正値を再設定してもよい。
この構成によれば、電流検出スイッチング素子の電流検出機能の温度に起因する誤差の影響を考慮にいれて電流検出値を算出することができる。そして、電流検出値と電流予測値との差が第1基準値より大きい場合には、補正値を再設定して、電流検出スイッチング素子の電流検出機能の温度に起因する誤差の影響を小さくすることができる。
また、本発明の音響処理装置では、前記制御部は、前記電流検出値と前記電流予測値との差が、前記第1の基準値より大きい第2基準値を上回った場合には、前記増幅器への電源供給を遮断してもよい。
この構成によれば、電流検出値と電流予測値との差が第2基準値より大きく、過電流または電流検出スイッチング素子の故障の可能性が高いと判断される場合には、増幅器への電源供給を適切に遮断して、増幅器を保護することができる。
本発明の方法は、音響信号を増幅する増幅器に流れる電流を検出する電流検出機能と、前記増幅器に流れる電流のオンオフを行うスイッチング機能とを有する電流検出スイッチング素子を備える音響処理装置で実行される方法において、前記電流検出スイッチング素子の電流検出機能を用いて、前記増幅器に流れる電流を検出し、前記音響信号のレベルおよびボリューム設定から予測される電流予測値と、前記電流検出機能を用いて検出された電流検出値とに基づいて、前記電流検出スイッチング素子のスイッチング機能を用いて前記増幅器に電源を供給するか否かを制御する。
この方法によっても、上記と同様に、増幅器に流れる電流の予測値(電流予測値)に基づいて増幅器に電源を供給するか否かを制御するため、出力電圧に基づいて保護動作を行う場合に比べて、時間遅れの影響を受けにくく、スピーカから音が出なくなることを抑制することができる。また、電流検出用の抵抗を用いる場合に比べて、増幅器の電源ラインのインピーダンスを低く抑えて音質を向上させることができるとともに、インピーダンスを低く抑えるための大容量コンデンサも不要になり部品点数を減らすことができる。
本発明によれば、増幅器やスピーカを故障から保護することが出来るとともに、音質を向上させ部品点数を減らすことができる。
本発明の実施の形態における音響処理装置の構成を示すブロック図 本発明の実施の形態における制御部の構成を示すブロック図 本発明の実施の形態における電流検出スイッチング素子の回路の一例を示す図 本発明の実施の形態における閾値の説明図 本発明の実施の形態における音響処理装置の動作を示すフロー図 本発明の実施の形態における通常処理の動作を示すフロー図 本発明の実施の形態における補正処理の動作を示すフロー図
以下、本発明の実施の形態の音響処理装置について、図面を用いて説明する。本実施の形態では、車両に搭載される電子機器等に用いられる音響処理装置の場合を例示する。
本発明の実施の形態の音響処理装置の構成を、図面を参照して説明する。図1は、本実施の形態の音響処理装置の構成を示すブロック図である。図1に示すように、音響処理装置100は、バッテリ電源1からの電源供給を受けて、車載のスピーカ2から音響を再生させる。図1では、便宜上、1つのスピーカ2が図示されているが、スピーカ2の数に特に制限はなく、例えば、車両の右前、左前、右奥、左奥の4つのスピーカ2に適用することもできる。
音響処理装置100は、音声処理部11と、DAC12(デジタルアナログコンバータ)と、増幅器13と、電流検出スイッチング素子14と、制御部15を備えている。なお、スピーカ2が複数ある場合には、DAC12、増幅器13、電流検出スイッチング素子14、制御部15が、スピーカ2の数に対応して複数設けられる。また、音響処理装置100は、装置全体が1つの筐体内に収納されて、コンソールボックスに装着されてもよい。または、音響処理装置100のうち、音声処理部11とDAC12と制御部15が1つの筐体内に収められて、コンソールボックスに装着され、増幅器13と電流検出スイッチング素子14が別の筐体に収納されてもよい。
音声処理部11は、例えばDSP(デジタルシグナルプロセッサ)であり、光ディスクなどの音源から読み出されたデジタル信号を処理(音量や音質の調整など)して、処理後のデジタル音響信号を生成するとともに、音響データを生成する。音響信号には、音声信号や音楽信号も含まれる。また、音響データは、少なくともそのデジタル音響信号のレベルに関する情報を含んでおり、デジタル音響信号そのものであってもよい。複数のスピーカ2から音響を再生する場合には、それぞれのスピーカ2に対応するデジタル音響信号と音響データが生成される。
DAC12は、音声処理部11に接続され、生成されたデジタル音響信号をアナログ音響信号に変換し、対応する増幅器13に供給する。なお、増幅器13がデジタル音響信号を増幅してアナログ信号を出力できる場合には、DAC12は不要である。
増幅器13は、例えばパワーアンプであり、バッテリ電源1によって動作する。増幅器13は、DAC12に接続され、アナログ音響信号を増幅して得られた電圧をスピーカ2に供給し、スピーカ2を駆動する。この電圧によりスピーカ2から音響が再生される。ただし、電源が増幅器13に供給されない場合、増幅器13はスピーカ2に電圧を供給できない。
電流検出スイッチング素子14は、例えばFET31(電界効果トランジスタ)を用いた回路(後述する)であり、バッテリ電源1と増幅器13との間に設けられる。電流検出スイッチング素子14は、制御部15に接続されており、制御部15からの電源制御信号に応じてバッテリ電源1から増幅器13に電源を供給するか否かを切り替える。すなわち、電流検出スイッチング素子14は、増幅器13に流れる電流のオンオフを行う機能(スイッチング機能)を有している。スイッチング機能がオンにされると、バッテリ電源1から増幅器13に電源が供給され、オフにされると、増幅器13への電源供給は遮断される。
また、電源検出スイッチング素子は、増幅器13に流れる電流を検出する機能(電流検出機能)を有している。電流検出機能により、バッテリ電源1から増幅器13に流れる電流の値、言い換えると、増幅器13の消費電流の値が検出される。検出された電流値は制御部15に通知される。
制御部15は、例えばマイクロコンピュータであり、電流検出スイッチング素子14を介して増幅器13への電源供給を制御する。制御部15は、電流検出スイッチング素子14と接続されており、スピーカ2や増幅器13の故障を防止するために、増幅器13の異常が検出されると、増幅器13への電源供給を遮断する。異常の検出は、増幅器13に流れる電流値を監視し、電流値が可変の閾値(後述する)を超えるか否かによって行われる。
増幅器13からスピーカ2に供給される交流電圧を監視したとしても、増幅器13自身の異常(この場合、電圧が低レベルとなる)や、大きな直流電圧が発生する異常を検出できず、増幅器13に電源が供給され続けてスピーカ2が故障するおそれがある。本実施の形態では、増幅器13に流れる電流値を監視するため、このような異常にも対処することができる。
また、閾値が固定であると、適切に閾値を設定することが困難である。例えば、閾値を低く設定すると、音響信号のレベルが大きい場合などに、異常が発生していないにもかかわらず異常と誤検出してしまい、増幅器13への電源供給の遮断が過度に発生してしまうおそれがある。一方、閾値を高く設定すると、スピーカ2が低インピーダンスでレアショートしたような異常を検出できず、増幅器13への電源供給が継続されてスピーカ2が故障してしまうおそれがある。本実施の形態では、閾値が可変であるため、音響信号のレベルなどに影響されることなく、適切に異常を検出して電源供給を制御できる。
具体的には、制御部15は、音声処理部11と電流検出スイッチング素子14に接続されており、音声処理部11および電流検出スイッチング素子14から、音響データおよび検出された電流値をそれぞれ受け取る。また、制御部15には、ユーザによるボリューム設定が入力される。なお、ボリューム設定は、ボリューム操作部やリモートコントローラやタッチパネルなどの任意の入力インターフェースを介して入力される。
さらに、制御部15は、スピーカ2の負荷を予め把握している。なお、スピーカ2の負荷は、既定の値でもよい。あるいは、例えば音声処理部11が既知の基準信号(パイロットトーン)を生成してスピーカ2から音響を再生させた場合に、電流検知スイッチング素子で検出される電流値に基づいて制御部15がスピーカ2の負荷を算出してもよい。これにより、スピーカ2が外付けである場合にも、精度よくスピーカ2の負荷を把握できる。
そして、制御部15は、音響データとボリューム設定とスピーカ2の負荷に基づいて、可変の閾値を設定する。そして、制御部15は、閾値と検出された電流値との比較を行って、電流検知スイッチング素子に入力される電源制御信号を生成する。
図2は、制御部15の構成を示すブロック図である。図2に示すように、制御部15は、閾値設定部21と、ADC22(アナログデジタルコンバータ)と、比較部23と、制御信号出力部24と、メモリ25を有している。なお、スピーカ2が複数ある場合には、閾値設定部21と、ADC22と、比較部23と、制御信号出力部24と、メモリ25が、スピーカ2の数に対応して複数設けられる。また、制御部15のこれらの構成の少なくとも一部は、プロセッサがプログラムを実行することによって実現されてもよい。
閾値設定部21は、まず、ボリューム設定および音声処理部11からの音響データに基づいて、増幅器13から出力される電圧(出力電圧)を予測する。すなわち、閾値設定部21は、ボリューム設定から把握されるボリュームと、音響データから把握される音響信号のレベルと、予め把握している増幅器13自身の増幅度との積に比例する出力電圧を算出する。閾値設定部21は、次に、出力電圧をスピーカ2の負荷で除して、増幅器13に流れる電流を予測する。このように、増幅器13の出力を用いることなく、その前段にある音響信号のレベルに基づいて増幅器13に流れる電流を予測する。そして、閾値設定部21は、予測した電流値に所定値を加算するなどにより、予測した電流値より大きい閾値を設定する。この閾値は比較部23に供給される。
ADC22は、電流検出スイッチング素子14からのアナログ電流値をデジタル電流値に変換する。比較部23は、ADC22からのデジタル電流値と、閾値設定部21からの閾値とを比較し、その比較結果を制御信号出力部24に通知する。
制御信号出力部24は、比較結果に基づいて電源制御信号を生成し、電流検出スイッチング素子14に出力する。より具体的には、制御信号出力部24は、デジタル電流値が閾値を超えない場合には、異常なしと判断し、増幅器13に電源を供給するための電源制御信号を生成する。一方、制御信号出力部24は、デジタル電流値が閾値を超えた場合、異常ありと判断し、増幅器13への電源供給を遮断するための電源信号を生成する。要するに、制御部15は、デジタル電流値が閾値を超えると増幅器13に電源を供給せず、スピーカ2に電圧が出力されない。メモリ25には、異常が検出された場合に、その旨が記録される。
図3は、電流検出スイッチング素子14の回路の一例を示す図である。図3に示すように、電流検出スイッチング素子14は、FET31とエラーアンプ32とLPF33(ローパスフィルタ)を備えており、バッテリ電源1に接続されるFET31によって、増幅器13に流れる電流のオンオフを行うスイッチング機能を実現している。FET31には、ドレイン電極とソース電極の間にオン抵抗が存在する。電流検出スイッチング素子14では、このFET31のオン抵抗を利用して、増幅器13に流れる電流を検出する電流検出機能を実現している。すなわち、FET31のドレイン・ソース間の電位差をエラーアンプ32によって検出する。検出した電位差はLPF33を通してノイズ成分(高周波成分)が除去され、制御部15に供給される。制御部15では、電位差とオン抵抗から電流が算出される。
FET31のオン抵抗は、温度や個体差によってばらつきが生じる。FET31の個体差によるオン抵抗のばらつきは、製造時のキャリブレーションによって補正する。例えば、工場での製造時に、定温・定負荷条件のもとで、ボリュームレベルを固定して基準音声信号を再生し、音声処理部11から音声レベルデータを取得する。つぎに、音声レベルとボリュームとスピーカ2の負荷から増幅器13の消費電流(電流予測値)を予測し、FET31のドレイン・ソース間の電位差を取得し、電位差とオン抵抗の初期値から増幅器13の実消費電流値(電流検出値)を算出する。そして、予測電流値が実消費電流値と等しくなるオン抵抗値を算出し、補正値として設定する。
FET31のオン抵抗は、温度に起因してばらつきが生じる。すなわち、上記の補正値は、温度に起因してばらつきが生じる。上述のように、制御部15は、音声処理部11から音声レベルデータを取得し、予め設定した増幅器13のゲインや負荷条件から増幅器13の消費電流を予測する。そして、予測した消費電流値(電流予測値)をもとに、実消費電流値(電流検出値)に補正をかけて(例えば補正値を加算して)、温度に起因するばらつきの影響を排除する。予測消費電流値(電流予測値)と実消費電流値(電流検出値)の比較は、定期的に(例えば1分ごとに)行われる。
比較の結果、電流検出値と電流予測値との差が第1基準値以下である場合には、許容範囲内であると判断して、特に補正を行わない。電流検出値と電流予測値との差が第1基準値を上回った場合には、温度に起因するばらつきが発生していると判断して、電流検出値と電流予測値との差を小さくするように補正値を再設定する。例えば、電流検出値が電流予測値と等しくなるように補正値を再設定する。電流検出値と電流予測値との差が第2基準値(第1の基準値より大きい基準値)を上回った場合には、異常(過電流)または故障が発生していると判断して、増幅器13への電源供給を遮断する。
図4は、可変の閾値を説明する図である。図4の横軸は時間である。図4(a)の縦軸は、音響データから把握される音響信号のレベルである。図4(b)の縦軸は、ボリューム設定から把握されるボリュームである。図4(c)の縦軸は、増幅器13に流れる電流の予測値(実線)および設定される可変の閾値(破線)である。
図4(a)に示すように、音響信号のレベルは、時間とともに変化する。そして、図4(b)に示すように、時刻t1においてユーザがボリュームを高くしたとすると、増幅器13に流れる電流は、音響信号のレベルとボリュームとの積に比例するため、図4(c)の実線で示すように変化する。その結果、設定される閾値は、固定値ではなく、図4(c)の破線に示すように、音響信号のレベルおよびボリュームに応じて変化する。
なお、制御部15は、音響信号のレベルを任意の単位でサンプリングしてもよい。好適な例として、制御部15は10msごとに音響信号のレベルを取得し、10msごとに閾値を設定してもよい。このように、本実施の形態では、音響信号のレベルに応じて動的に閾値を設定するため、スピーカ2の増幅器13ごとに、無段階かつ柔軟に閾値を設定できる。
以上のように構成された音響処理装置100について、図5〜図7のフロー図を参照してその動作を説明する。
図5は、本実施の形態の音響処理装置100の動作を示すフロー図である。図5に示すように、音響処理装置100では、タイマーのセットが行われ(S1)、所定時間(例えば1分)が経過したか否かが判定される(S2)。所定時間が経過するまでの間は、通常処理が繰り返し行われる(S3)。そして、所定時間が経過すると、補正処理が行われ(S4)、セットしたタイマーがクリアされる(S5)。
図6は、通常処理の動作を示すフロー図である。通常処理は、増幅器13を保護するための処理である。図6に示すように、通常処理では、まず、音声処理部11(DSP)から音声レベルデータを取得し(S10)、音声レベルとボリュームとスピーカ2の負荷から増幅器13(パワーアンプ)の消費電力を予測して(S11)、増幅器13(パワーアンプ)の電流閾値(可変の閾値)を設定する(S12)。つぎに、電流検知スイッチング素子のFET31(スイッチングFET)のドレイン・ソース間の電位差を測定し(S13)、FET31のドレイン・ソース間の電位差とオン抵抗値から増幅器13の実消費電力値を算出し(S14)、実消費電力値に補正値を加算することによって実消費電力値に補正をかける(S15)。そして、補正した実消費電力値が電流閾値を超えたか否かの判定を行って(S16)、補正した実消費電力値が電流閾値を超えた場合には、異常(過電流)と判断して、増幅器13への電源供給が遮断される(S17)。
図7は、補正処理の動作を示すフロー図である。補正処理は、温度に起因するばらつきの影響を排除するための処理である。図7に示すように、補正処理では、まず、音声処理部11(DSP)から音声レベルデータを取得し(S20)、音声レベルとボリュームとスピーカ2の負荷から増幅器13(パワーアンプ)の消費電力を予測する(S21)。つぎに、電流検知スイッチング素子のFET31(スイッチングFET)のドレイン・ソース間の電位差を測定し(S22)、FET31のドレイン・ソース間の電位差とオン抵抗値から増幅器13の実消費電力値を算出し(S23)。そして、予測消費電流値(電流予測値)と実消費電流値(電流検出値)の差と所定の基準値(第1基準値、第2基準値)とを比較して、所定の条件を満たすか否かが判定される(S24,S26,S27)。
予測消費電流値(電流予測値)と実消費電流値(電流検出値)の差が、第1基準値より大きく第2基準値より小さい場合(図7において条件1を満たす場合(S24))には、温度に起因するばらつきが発生していると判断して、電流検出値と電流予測値との差を小さくするように補正値を再設定する(S25)。電流検出値と電流予測値との差が第1基準値以下である場合(図7において条件2を満たす場合(S26))には、許容範囲内であると判断して、特に補正を行わない。電流検出値と電流予測値との差が第2基準値を上回った場合(図7において条件3を満たす場合(S27))には、異常(過電流)または故障が発生していると判断して(S28)、増幅器13への電源供給を遮断する(S29)。なお、補正値の再設定は、車両のアクセサリ電源のオン(ACCオン)のときにも行われてよい。
このような本実施の形態の音響処理装置100によれば、増幅器13に流れる電流の予測値(電流予測値)に基づいて増幅器13に電源を供給するか否かを制御するため、出力電圧に基づいて保護動作を行う場合に比べて、時間遅れの影響を受けにくく、増幅器13やスピーカ2を故障から保護することができる。また、電流検出用の抵抗を用いる場合に比べて、増幅器13の電源ラインのインピーダンスを低く抑えて音質を向上させることができるとともに、インピーダンスを低く抑えるための大容量コンデンサも不要になり部品点数を減らすことができる。
また、本実施の形態では、増幅器13に流れる電流の予測値(電流予測値)から算出された閾値を用いて、増幅器13に電源を供給するか否かを適切に制御することができる。
また、本実施の形態では、増幅器13に流れる電流の予測値(電流予測値)から算出された閾値を用いて、増幅器13に過剰な電流が流れると判断される場合に、増幅器13への電源供給を適切に遮断して、増幅器13を保護することができる。
また、本実施の形態では、電流検出スイッチング素子14の電流検出機能の温度に起因する誤差の影響を考慮にいれて電流検出値を算出することができる。そして、電流検出値と電流予測値との差が第1基準値より大きい場合には、補正値を再設定して、電流検出スイッチング素子14の電流検出機能の温度に起因する誤差の影響を小さくすることができる。
また、本実施の形態では、電流検出値と電流予測値との差が第2基準値より大きく、過電流または電流検出スイッチング素子14の故障の可能性が高いと判断される場合には、増幅器13への電源供給を適切に遮断して、増幅器13を保護することができる。
以上、本発明の実施の形態を例示により説明したが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではなく、請求項に記載された範囲内において目的に応じて変更・変形することが可能である。
以上のように、本発明にかかる音響処理装置は、増幅器やスピーカを故障から保護することができ、音質を向上させるとともに部品点数を減らすことができるという効果を有し、車両に搭載される電子機器用の音響処理装置等として有用である。
100 音響処理装置
1 バッテリ電源
2 スピーカ
11 音声処理部(DSP)
12 DAC(デジタルアナログコンバータ)
13 増幅器(パワーアンプ)
14 電流検出スイッチング素子
15 制御部
21 閾値設定部
22 ADC(アナログデジタルコンバータ)
23 比較部
24 制御信号出力部
25 メモリ
31 FET(電界効果コンデンサ)
32 エラーアンプ
33 LPF(ローパスフィルタ)

Claims (6)

  1. 音響信号を増幅してスピーカを駆動する増幅器と、
    前記増幅器に流れる電流を検出する電流検出機能と、前記増幅器に流れる電流のオンオフを行うスイッチング機能とを有する電流検出スイッチング素子と、
    前記音響信号のレベルおよびボリューム設定から予測される電流予測値と、前記電流検出機能を用いて検出された電流検出値とに基づいて、前記スイッチング機能を用いて前記増幅器に電源を供給するか否かを制御する制御部と、
    を備えることを特徴とする音響処理装置。
  2. 前記制御部は、前記電流予測値に基づいて閾値を算出し、当該閾値と前記電流検出値との比較結果に応じて前記増幅器に電源を供給するか否かを制御する、請求項1に記載の音響処理装置。
  3. 前記制御部は、前記電流検出値が前記閾値を上回った場合には、前記増幅器への電源供給を遮断する、請求項2に記載の音響処理装置。
  4. 前記制御部は、前記電流検出機能の温度に起因する誤差を補正するための補正値を用いて前記電流検出値を算出し、当該電流検出値と前記電流予測値との差が第1基準値を上回った場合には、前記電流検出値と前記電流予測値との差を小さくするように前記補正値を再設定する、請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の音響処理装置。
  5. 前記制御部は、前記電流検出値と前記電流予測値との差が、前記第1の基準値より大きい第2基準値を上回った場合には、前記増幅器への電源供給を遮断する、請求項4に記載の音響処理装置。
  6. 音響信号を増幅する増幅器に流れる電流を検出する電流検出機能と、前記増幅器に流れる電流のオンオフを行うスイッチング機能とを有する電流検出スイッチング素子を備える音響処理装置で実行される方法において、
    前記電流検出スイッチング素子の電流検出機能を用いて、前記増幅器に流れる電流を検出し、
    前記音響信号のレベルおよびボリューム設定から予測される電流予測値と、前記電流検出機能を用いて検出された電流検出値とに基づいて、前記電流検出スイッチング素子のスイッチング機能を用いて前記増幅器に電源を供給するか否かを制御する、ことを特徴とする方法。
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