JP2019062057A - インプリント用下層膜形成用組成物、キット、積層体、積層体の製造方法、硬化物パターンの製造方法、回路基板の製造方法 - Google Patents

インプリント用下層膜形成用組成物、キット、積層体、積層体の製造方法、硬化物パターンの製造方法、回路基板の製造方法 Download PDF

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【課題】インプリント用硬化性組成物の基板上への濡れ性およびモールドへの充填性を向上させる新規なインプリント用下層膜形成用組成物、キット、積層体、積層体の製造方法、硬化物パターンの製造方法、回路基板の製造方法を提供する。【解決手段】化合物αと、化合物βと、23℃で液体であって沸点が250℃以下の化合物とを含む、インプリント用下層膜形成用組成物であって、インプリント用下層膜形成用組成物に含まれる化合物αの総含有量が化合物βの総含有量よりも多く、23℃で液体であって沸点が250℃以下の化合物の含有量がインプリント用下層膜形成用組成物の99.0質量%以上であり、インプリント用下層膜形成用組成物中、23℃で液体であって沸点が250℃以下の化合物を除いた成分からなる組成物の23℃における粘度が5〜1000mPa・sであり、化合物βよりも表面張力が大きく、化合物αよりも表面張力が小さいインプリント用硬化性組成物の下層膜に用いる、インプリント用下層膜形成用組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、インプリント用下層膜形成用組成物、キット、積層体、積層体の製造方法、硬化物パターンの製造方法、回路基板の製造方法に関する。
インプリント法は、光透過性モールドや光透過性基板を通して光照射して硬化性組成物を光硬化させた後、モールドを剥離することで微細パターンを光硬化物に転写するものである。この方法は、室温でのインプリントが可能になるため、半導体集積回路の作製などの超微細パターンの精密加工分野に応用できる。最近では、上記の長所を組み合わせたナノキャスティング法や3次元積層構造を作製するリバーサルインプリント法などの新しい展開も報告されている。
インプリント用硬化性組成物の塗布方法としてはインクジェット塗布が検討されている(例えば、特許文献1)。インクジェット塗布を採用することにより、インプリントパターンの粗密に対応して塗布量を調整することができ、均一なインプリントパターンを確保することが可能となる。
インプリントプロセスを半導体リソグラフィなどの産業用用途に導入するうえでの技術課題の1つとしてスループットの向上が挙げられる。スループットの向上にはインプリントパターンへの充填性を改善する必要がある。そのため、インプリント用硬化性組成物の濡れ性(流動性)の向上を狙った技術の開発が進められている(特許文献2〜4)。
特表2005−533393号公報 特開2017−055108号公報 特開2009−083172号公報 国際公開公報第2016/152600号パンフレット
かかる状況のもと、本発明は、インプリント用硬化性組成物の濡れ性およびモールド(テンプレート)への充填性を向上させることを目的とする。これにより、新規なインプリント用下層膜形成用組成物、キット、積層体、積層体の製造方法、硬化物パターンの製造方法、回路基板の製造方法を提供することを目的とする。また、モールドへの充填性が向上した結果、好ましい使用形態であるナノインプリントプロセスにおいて、高速な加工処理を実現しスループットの向上につなげることができるインプリント用下層膜形成用組成物、キット、積層体、積層体の製造方法、硬化物パターンの製造方法、回路基板の製造方法の提供を目的とする。
上記課題のもと、本発明者が検討を行った結果、インプリント用下層膜形成用組成物の成分や物性を規定することにより、上記課題を解決しうることを見出した。具体的には、下記手段<1>により、好ましくは<2>〜<24>により、上記課題は解決された。
<1> 化合物αと、化合物βと、23℃で液体であって沸点が250℃以下の化合物とを含む、インプリント用下層膜形成用組成物であって、上記インプリント用下層膜形成用組成物に含まれる化合物αの総含有量が化合物βの総含有量よりも多く、上記23℃で液体であって沸点が250℃以下の化合物の含有量が上記インプリント用下層膜形成用組成物の99.0質量%以上であり、上記インプリント用下層膜形成用組成物中、23℃で液体であって沸点が250℃以下の化合物を除いた成分からなる組成物の23℃における粘度が5〜1000mPa・sであり、上記化合物βよりも表面張力が大きく、上記化合物αよりも表面張力が小さいインプリント用硬化性組成物の下層膜に用いる、インプリント用下層膜形成用組成物。
<2>上記インプリント用硬化性組成物の表面張力がインプリント用下層膜形成用組成物の23℃で液体であって沸点が250℃以下の化合物を除いた成分からなる組成物の表面張力よりも大きい、<1>に記載のインプリント用下層膜形成用組成物。
<3>上記インプリント用下層膜形成用組成物の23℃で液体であって沸点が250℃以下の化合物を除いた成分からなる組成物の表面張力が、38.0mN/m以下である、<2>に記載のインプリント用下層膜形成用組成物。
<4>インプリント用硬化性組成物の最大量成分とインプリント用下層膜形成用組成物の23℃で液体であって沸点が250℃以下の化合物を除いた成分からなる組成物の最大量成分とのハンセン溶解度パラメータ間距離である|ΔHSP|が4.5以下である、<1>〜<3>のいずれか1つに記載のインプリント用下層膜形成用組成物;
ΔHSP=(4.0×ΔD2+ΔP2+ΔH20.5
ΔD:インプリント用硬化性組成物の最大量成分とインプリント用下層膜形成用組成物の23℃で液体であって沸点が250℃以下の化合物を除いた成分からなる組成物の最大量成分のHSPベクトルの分散項成分の差;
ΔP:インプリント用硬化性組成物の最大量成分とインプリント用下層膜形成用組成物の23℃で液体であって沸点が250℃以下の化合物を除いた成分からなる組成物の最大量成分のHSPベクトルの極性項成分の差;
ΔH:インプリント用硬化性組成物の最大量成分とインプリント用下層膜形成用組成物の23℃で液体であって沸点が250℃以下の化合物を除いた成分からなる組成物の最大量成分のHSPベクトルの水素結合項成分の差。
<5>上記化合物βが、表面張力が38.0mN/m以下の化合物を含む、<1>〜<4>のいずれか1つに記載のインプリント用下層膜形成用組成物。
<6>上記化合物βの総含有量が、インプリント用下層膜形成用組成物の23℃で液体であって沸点が250℃以下の化合物を除いた成分からなる組成物の45質量%以下である<1>〜<5>のいずれか1つに記載のインプリント用下層膜形成用組成物。
<7>インプリント用下層膜形成用組成物中の23℃で液体であって沸点が250℃以下の化合物を除いた成分からなる組成物に含まれる少なくとも1種がインプリント用硬化性組成物との結合性基を有する化合物である、<1>〜<6>のいずれか1つに記載のインプリント用下層膜形成用組成物。
<8>インプリント用下層膜形成用組成物中の23℃で液体であって沸点が250℃以下の化合物を除いた成分からなる組成物に含まれる少なくとも1種が芳香族環を含む化合物である、<1>〜<7>のいずれか1つに記載のインプリント用下層膜形成用組成物。
<9>上記インプリント用下層膜形成用組成物が光重合開始剤を含む、<1>〜<8>のいずれか1つに記載のインプリント用下層膜形成用組成物。
<10>化合物αと、化合物βと、23℃で液体であって沸点が250℃以下の化合物とを含む、インプリント用下層膜形成用組成物と、インプリント用硬化性組成物を有するキットであって、上記インプリント用下層膜形成用組成物に含まれる化合物αの総含有量が化合物βの総含有量よりも多く、上記23℃で液体であって沸点が250℃以下の化合物の含有量が上記インプリント用下層膜形成用組成物の99.0質量%以上であり、上記インプリント用下層膜形成用組成物中、23℃で液体であって沸点が250℃以下の化合物を除いた成分からなる組成物の23℃における粘度が5〜1000mPa・sであり、上記インプリント用硬化性組成物は、上記化合物βよりも表面張力が大きく、上記化合物αよりも表面張力が小さいキット。
<11>上記インプリント用硬化性組成物の表面張力がインプリント用下層膜形成用組成物の23℃で液体であって沸点が250℃以下の化合物を除いた成分からなる組成物の表面張力よりも大きい、<10>に記載のキット。
<12>上記インプリント用下層膜形成用組成物の23℃で液体であって沸点が250℃以下の化合物を除いた成分からなる組成物の表面張力が、38.0mN/m以下である、<11>に記載のキット。
<13>インプリント用硬化性組成物の最大量成分とインプリント用下層膜形成用組成物の23℃で液体であって沸点が250℃以下の化合物を除いた成分からなる組成物の最大量成分とのハンセン溶解度パラメータ間距離である|ΔHSP|が4.5以下である、<10>〜<12>のいずれか1つに記載のキット;
ΔHSP=(4.0×ΔD2+ΔP2+ΔH20.5
ΔD:インプリント用硬化性組成物の最大量成分とインプリント用下層膜形成用組成物の23℃で液体であって沸点が250℃以下の化合物を除いた成分からなる組成物の最大量成分のHSPベクトルの分散項成分の差;
ΔP:インプリント用硬化性組成物の最大量成分とインプリント用下層膜形成用組成物の23℃で液体であって沸点が250℃以下の化合物を除いた成分からなる組成物の最大量成分のHSPベクトルの極性項成分の差;
ΔH:インプリント用硬化性組成物の最大量成分とインプリント用下層膜形成用組成物の23℃で液体であって沸点が250℃以下の化合物を除いた成分からなる組成物の最大量成分のHSPベクトルの水素結合項成分の差。
<14>上記化合物βが、表面張力が38.0mN/m以下の化合物を含む、<10>〜<13>のいずれか1つに記載のキット。
<15>上記化合物βの総含有量が、インプリント用下層膜形成用組成物の23℃で液体であって沸点が250℃以下の化合物を除いた成分からなる組成物の45質量%以下である<10>〜<14>のいずれか1つに記載のキット。
<16>インプリント用下層膜形成用組成物中の23℃で液体であって沸点が250℃以下の化合物を除いた成分からなる組成物に含まれる少なくとも1種がインプリント用硬化性組成物との結合性基を有する化合物である、<10>〜<15>のいずれか1つに記載のキット。
<17>インプリント用下層膜形成用組成物中の23℃で液体であって沸点が250℃以下の化合物を除いた成分からなる組成物に含まれる少なくとも1種が芳香族環を含む化合物である、<10>〜<16>のいずれか1つに記載のキット。
<18>上記インプリント用下層膜形成用組成物が光重合開始剤を含む、<10>〜<17>のいずれか1つに記載のキット。
<19><10>〜<18>のいずれか1つに記載のキットから形成される積層体であって、上記インプリント用下層膜形成用組成物から形成された下層膜と、上記インプリント用硬化性組成物から形成され、上記下層膜の表面に位置するインプリント層とを有する、積層体。
<20><10>〜<18>のいずれか1つに記載のキットを用いて積層体を製造する方法であって、上記インプリント用下層膜形成用組成物から形成された下層膜の表面に、インプリント用硬化性組成物を適用することを含む、積層体の製造方法。
<21>上記インプリント用硬化性組成物は、インクジェット法により、上記下層膜の表面に適用する、<20>に記載の積層体の製造方法。
<22>さらに、上記インプリント用下層膜形成用組成物を基板上に層状に適用する工程を含み、上記層状に適用したインプリント用下層膜形成用組成物を40〜70℃で、加熱することを含む、<20>または<21>に記載の積層体の製造方法。
<23><10>〜<18>のいずれか1つに記載のキットを用いて硬化物パターンを製造する方法であって、基板上に、インプリント用下層膜形成用組成物を適用して下層膜を形成する下層膜形成工程と、上記下層膜の表面に、インプリント用硬化性組成物を適用する適用工程と、上記インプリント用硬化性組成物と、パターン形状を転写するためのパターンを有するモールドとを接触させるモールド接触工程と、上記インプリント用硬化性組成物に光を照射して硬化物を形成する光照射工程と、上記硬化物と上記モールドとを引き離す離型工程と、を有する硬化物パターンの製造方法。
<24><23>に記載の製造方法により硬化物パターンを得る工程を含む、回路基板の製造方法。
本発明により、インプリント用硬化性組成物の濡れ性およびモールドへの充填性を向上させることができる。これにより、新規なインプリント用下層膜形成用組成物、キット、積層体、積層体の製造方法、硬化物パターンの製造方法、回路基板の製造方法を提供することが可能になった。また、モールドへの充填性が向上した結果、好ましい使用形態であるナノインプリントプロセスにおいて、高速な加工処理を実現しスループットの向上につなげることができる。
本発明の好ましい実施形態にかかる液滴の濡れ広がりを模式的に説明する側面図である。 本発明の好ましい実施形態にかかる液滴の濡れ広がりを模式的に説明する側面図である(図1のつづき、図1のIIの部分の拡大図)。 本発明の好ましい実施形態にかかる液滴の濡れ広がりを模式的に説明する側面図である(図2のつづき)。 濡れ性の低い下層膜の表面にインプリント用硬化性組成物をインクジェット法により塗布した場合の、インプリント用硬化性組成物の濡れ広がりの状態を模式的に示す平面図である。 硬化物パターンの形成、および、得られた硬化物パターンをエッチングによる基板の加工に用いる場合の製造プロセスの一例を示す工程説明図である。
以下において、本発明の内容について詳細に説明する。尚、本明細書において「〜」とはその前後に記載される数値を下限値および上限値として含む意味で使用される。
本明細書において、「(メタ)アクリレート」は、アクリレートおよびメタクリレートを表す。
本明細書において、「インプリント」は、好ましくは、1nm〜10mmのサイズのパターン転写をいい、より好ましくは、およそ10nm〜100μmのサイズのパターン転写(ナノインプリント)をいう。
本明細書における基(原子団)の表記において、置換および無置換を記していない表記は、置換基を有さないものと共に置換基を有するものをも包含するものである。例えば、「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含するものである。
本明細書において、「光」には、紫外、近紫外、遠紫外、可視、赤外等の領域の波長の光や、電磁波だけでなく、放射線も含まれる。放射線には、例えばマイクロ波、電子線、極端紫外線(EUV)、X線が含まれる。また248nmエキシマレーザー、193nmエキシマレーザー、172nmエキシマレーザーなどのレーザー光も用いることができる。これらの光は、光学フィルタを通したモノクロ光(単一波長光)を用いてもよいし、複数の波長の異なる光(複合光)でもよい。
本発明における重量平均分子量(Mw)は、特に述べない限り、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)で測定したものをいう。
本発明における温度は、特に述べない限り、23℃とする。
本発明における沸点とは、1気圧(1atm=1013.25hPa)における沸点をいう。
本発明のインプリント用下層膜形成用組成物は、化合物αと、化合物βと、23℃で液体であって沸点が250℃以下の化合物とを含む、インプリント用下層膜形成用組成物であって、上記インプリント用下層膜形成用組成物に含まれる化合物αの総含有量が化合物βの総含有量よりも多く、上記23℃で液体であって沸点が250℃以下の化合物の含有量が上記インプリント用下層膜形成用組成物の99.0質量%以上であり、上記インプリント用下層膜形成用組成物中、23℃で液体であって沸点が250℃以下の化合物を除いた成分からなる組成物の23℃における粘度が5〜1000mPa・sであり、上記化合物βよりも表面張力が大きく、上記化合物αよりも表面張力が小さいインプリント用硬化性組成物の下層膜に用いることを特徴とする。すなわち、本発明のインプリント用下層膜形成用組成物は、下記(i)〜(v)の条件を満たす。
(i)化合物αと、化合物βと、23℃で液体であって沸点が250℃以下の化合物(以下、この化合物を「下層膜用溶剤」と呼ぶことがある)とを含む
(ii)インプリント用下層膜形成用組成物に含まれる化合物αの総含有量(Wα)が化合物βの総含有量(Wβ)よりも多い;すなわち、Wα>Wβの関係が成り立つ
(iii)下層膜用溶剤の含有量がインプリント用下層膜形成用組成物の99.0質量%以上である
(iv)インプリント用下層膜形成用組成物中、下層膜用溶剤を除いた成分(不揮発性成分)からなる組成物の23℃における粘度が5〜1000mPa・sである
(v)下層膜の上に適用するインプリント用硬化性組成物の表面張力(γResist)が、化合物βの表面張力(γβ)よりも大きく、化合物αの表面張力(γα)よりも小さい;すなわち下記数式(1)の関係が成り立つ
γα>γResist>γβ ・・・数式(1)
ただし、化合物αが複数ある場合には、複数の化合物αのうち最も含有量の多い化合物の表面張力γαとの間で上記数式(1)の関係が成り立てばよく、下層膜形成用組成物に含まれる90質量%以上(より好ましくは95質量%以上、さらに好ましくは100質量%)の化合物αについて上記数式(1)の関係が成り立つことがより好ましい。化合物βにおいても同様であり、複数の化合物βのうち最も含有量の多い化合物の表面張力γβとの間で上記数式(1)の関係が成り立てばよく、下層膜形成用組成物に含まれる90質量%以上(より好ましくは95質量%以上、さらに好ましくは100質量%)の化合物βについて上記数式(1)の関係が成り立つことがより好ましい。
本発明のインプリント用下層膜形成用組成物が上記条件を満たすことにより、本発明の課題を解決できた理由は以下のように推定される。本発明の好ましい実施形態を示す図面を参照しながら説明する。本発明の構成が図面に記載の形態に限定されるものではないことは言うまでもない。
図1〜図3は、本発明の好ましい実施形態にかかる液滴の濡れ広がりを模式的に説明する側面図である。図2は図1のIIの部分を拡大して示している。図1では基板34に下層膜35がすでに配設されている状態を示している。この下層膜35の形成には本発明の好ましい実施形態にかかるインプリント用下層膜形成用組成物が用いられている。インクジェットノズル31からは、インプリント用硬化性組成物の液滴(吐出時)32が吐出される。吐出された液滴は、基板の下層膜35の上に着弾する(着弾液滴33)。本発明の好ましい実施形態においては、下層膜中に特定量の化合物α(図示せず)と化合物β39とが含まれている(図2)。着弾液滴33は下層膜に付与された濡れ性により面方向に濡れ広がっていく(濡れ広がる方向36)。このとき本発明の好ましい実施形態によれば、下層膜中の化合物βがその表面張力の関係で、着弾液滴33の方に移行するものと推定される(図2の細い矢印参照)。これにより、インプリント用下層膜形成用組成物の化合物βは流動界面に偏析し、混合液流動部(特に液滴流動先端部33b)の界面張力を低減させ、基板(または下層膜)上の濡れ性が向上する。また、インプリント用下層膜形成用組成物の界面張力を低減させるため、形成膜の安定性向上にも寄与する。濡れ広がりだした液滴には上述した化合物β39だけでなく、より表面張力が高い化合物αも溶解していく。下層膜の成分(化合物αおよびβ)が混合した液滴33aが形成される(図3参照)。このようにしてインプリント用下層膜形成用組成物の化合物αおよびβはインプリント用硬化性組成物に相溶する。この相溶した液はもとのインプリント用硬化性組成物よりも界面張力が上がっており、テンプレートのパターンへの充填やテンプレート/基板(または下層膜)ギャップ部分への充填に寄与する毛細管力が上昇する。そのため、高速かつ的確なパターン充填が可能となると考えられる。
図4は、下層膜の表面にインプリント用硬化性組成物をインクジェット法により塗布した場合の、インプリント用硬化性組成物の濡れ広がりの状態を模式的に示す平面図である。インプリント用硬化性組成物がインクジェット(IJ)法により適用される場合、例えば、同図に示すように、下層膜21の表面にインプリント用硬化性組成物22の液滴を等間隔に滴下する(図4(a))。そこに、モールドを接触させると、上記液滴が下層膜21上で広がり、膜状のインプリント用硬化性組成物22a、22b、22cとなっていく(図4(b)、(c)、(d))。しかし、インプリント用硬化性組成物が均一に広がらないで、例えば、図4(c)で濡れ広がりが止まってしまうと、下層膜21上にはインプリント用硬化性組成物22bの状態の完全に広がっていない膜が形成される。つまり、膜厚が薄いあるいは膜のない領域23が生じてしまう場合がある。このようになると、モールドのパターンにインプリント用硬化性組成物が十分に充填されない部分が生じ、インプリント層にパターンのない部分ができてしまう。例えば、このような一部において欠損あるいは厚みの不十分な部分のあるインプリント層のパターンをマスクにしてエッチングを実施した場合、膜厚の薄い領域ないし膜のない領域23とそれ以外の領域22bとでエッチングのムラが発生し、インプリント領域全面にわたって均一に所望のパターン形状をエッチングし転写することが困難となる。
これに対し、本発明のインプリント用下層膜形成用組成物によれば、これにより形成される下層膜とインプリント用硬化性組成物との界面張力が改善され濡れ性が向上している。そのため、より確実に図4(d)の状態の隅々にまで広がったインプリント用硬化性組成物22cとなる。その結果、全体にわたってインプリント用硬化性組成物がモールドに的確かつ十分に充填され、形成されたインプリント層において厚さにムラのない良好なパターニングを達成することができる。また、充填性の良化により高速のインプリントが可能となりスループットの改善にもつなげることができる。
なお、上記の説明では、インクジェット法によりインプリント用硬化性組成物を下層膜上に適用する例を挙げて本発明の好ましい実施形態にかかる作用機序について説明したが、これにより本発明が限定して解釈されるものではない。例えば、スクリーン塗布やスピンコートなどにおいても、良好な濡れ性と優れた充填性は加工上および製品品質上の利点につながり、発明の効果を好適に発揮し得るものである。
<インプリント用下層膜形成用組成物>
本発明にかかるインプリント用下層膜形成用組成物は、23℃で液体であって沸点が250℃以下の化合物(下層膜用溶剤)を99.0質量%以上の割合で含み、さらに、上記下層膜用溶剤を除いた成分からなる組成物(不揮発性成分)を含む。通常、不揮発性成分が最終的に下層膜を形成する。
<<不揮発性成分>>
インプリント用下層膜形成用組成物の不揮発性成分は23℃において液体であり、インプリント用硬化性組成物の表面張力(γResist)よりも表面張力の大きい化合物(化合物α)とγResistよりも表面張力の小さい化合物(化合物β)とを含む。さらに、このような不揮発性成分は、通常、常温(例えば、23℃)で、液体の状態であって、かつ、加熱により容易に揮発しない。そのため、室温で液体の状態の下層膜を形成することができる。
<<<化合物α>>>
化合物αの表面張力(γα)は後述するインプリント用硬化性組成物の表面張力(γResist)および化合物βの表面張力(γβ)より大きい。化合物αの表面張力(γα)は特に限定されないが、35.0mN/m以上であることが好ましく、36.0mN/m以上であることがより好ましく、37.0mN/m以上であることがさらに好ましい。上限としては、60.0mN/m以下であることが好ましく、50.0mN/m以下であることがより好ましく、45.0mN/m以下であることがさらに好ましく、43.0mN/m以下であることが一層好ましい。インプリント用下層膜形成用組成物が2種以上の化合物αを含む場合、最も含有量の多い成分が上記表面張力を満たすことが好ましく、インプリント用下層膜形成用組成物に含まれる化合物αの90質量%以上(より好ましくは95質量%以上、さらに好ましくは100質量%)が上記表面張力を満たすことが好ましい(以下、化合物αの物性について同じ)。
化合物αの表面張力(γα)とインプリント用硬化性組成物の表面張力(γResist)との差(γα−γResist)は特に限定されないが、1.0mN/m以上であることが好ましく、2.0mN/m以上であることがより好ましく、2.5mN/m以上であることがさらに好ましい。上限としては、25.0mN/m以下であることが好ましく、15.0mN/m以下であることがより好ましく、10.0mN/m以下であることがさらに好ましく、7.0mN/m以下であることが一層好ましい。
化合物αの表面張力(γα)と化合物βの表面張力(γβ)との差(γα−γβ)は特に限定されないが、0.5mN/m以上であることが好ましく、1.0mN/m以上であることがより好ましく、5.0mN/m以上であることがさらに好ましく、10.0mN/m以上であることが一層好ましく、20.0mN/m以上であってもよい。上限としては、30.0mN/m以下であることが好ましく、25.0mN/m以下であることがより好ましい。
なお、表面張力は後記実施例における測定方法によって測定した値とする。
化合物αは、詳細を後述するとおり、インプリント用硬化性組成物との結合性基を有する基、好ましくは重合性基であり、より好ましくはエチレン性不飽和基を有することが好ましい。エチレン性不飽和基としては、ビニル基、アリル基、フェニルビニル基、(メタ)アクリロイル基(これらの例示置換基をエチレン性不飽和基Eと呼ぶ)が好ましい。
化合物αは、芳香族環を含む化合物(炭素数7〜50が好ましく、7〜40がより好ましく、7〜30がさらに好ましい)、芳香族複素環を含む化合物(炭素数7〜50が好ましく、7〜40がより好ましく、7〜30がさらに好ましい)、脂環含有化合物(炭素数7〜50が好ましく、7〜40がより好ましく、7〜30がさらに好ましい)、(ポリ)アルキレンオキシ基含有化合物(炭素数7〜40が好ましく、7〜30がより好ましく、7〜20がさらに好ましい)であることが好ましい。なかでも、芳香族環を含む化合物および(ポリ)アルキレンオキシ基含有化合物がより好ましい。ここで、(ポリ)アルキレンオキシ基とは、アルキレンオキシ基でもポリアルキレンオキシ基でもよいことを意味する。
芳香族環を含む化合物に含まれる芳香族環としては、炭素数6〜22が好ましく、6〜18がより好ましく、6〜10がさらに好ましい。芳香族環の具体例としては、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、フェナレン環、フルオレン環、アセナフチレン環、ビフェニレン環、インデン環、インダン環、トリフェニレン環、ピレン環、クリセン環、ペリレン環、テトラヒドロナフタレン環(以下、この芳香族環の例を芳香族環aCyと呼ぶ)などが挙げられる。なかでも、ベンゼン環またはナフタレン環が好ましく、ベンゼン環がより好ましい。芳香族環は複数が連結した構造を取っていてもよく、例えば、ビフェニル環、ビスフェニル環が挙げられる。
芳香族複素環としては、炭素数1〜12が好ましく、1〜6がより好ましく、1〜5がさらに好ましい。その具体例としては、チオフェン環、フラン環、ピロール環、イミダゾール環、ピラゾール環、トリアゾール環、テトラゾール環、チアゾール環、オキサゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、イソインドール環、インドール環、インダゾール環、プリン環、キノリジン環、イソキノリン環、キノリン環、フタラジン環、ナフチリジン環、キノキサリン環、キナゾリン環、シンノリン環、カルバゾール環、アクリジン環、フェナジン環、フェノチアジン環、フェノキサジン環など(以上の例示を環hCyと称する)が挙げられる。
脂環としては炭素数3〜22が好ましく、4〜18がより好ましく、6〜10がさらに好ましい。その具体例としては、シクロプロパン環、シクロブタン環、シクロブテン環、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、シクロヘキセン環、シクロヘプタン環、シクロオクタン環、ジシクロペンタジエン環、テトラヒドロジシクロペンタジエン環、オクタヒドロナフタレン環、デカヒドロナフタレン環、ヘキサヒドロインダン環、ボルナン環、ノルボルナン環、ノルボルネン環、イソボルナン環、トリシクロデカン環、テトラシクロドデカン環、アダマンタン環など(以上の例示を環fCyと称する)が挙げられる。これらの環aCy、hCy、fCyを総称して環Czと称する。
(ポリ)アルキレンオキシ基含有化合物のアルキレンオキシ基の繰り返し数は、1〜12が好ましく、1〜6がより好ましく、1〜3がさらに好ましい。構成繰返し単位中のアルキレン基の炭素数は、1〜12が好ましく、1〜6がより好ましく、1〜3がさらに好ましい。
芳香族環を含む化合物、芳香族複素環を含む化合物および(ポリ)アルキレンオキシ基含有化合物は末端にインプリント用硬化性組成物の成分と共有結合しうる基、好ましくは重合性基であり、より好ましくはエチレン性不飽和基を有することが好ましい。エチレン性不飽和基としては、ビニル基、アリル基、フェニルビニル基、(メタ)アクリロイル基(これらの例示置換基をエチレン性不飽和基Eと呼ぶ)が好ましい。
化合物αは下記の式(1)または(2)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2019062057
式(1)中、Arは芳香族環(炭素数6〜22が好ましく、6〜18がより好ましく、6〜10がさらに好ましい)もしくは芳香族環が複数連結した構造、芳香族複素環(炭素数1〜12が好ましく、1〜6がより好ましく、1〜5がさらに好ましい)、芳香族環と芳香族複素環が連結した構造、もしくは芳香族複素環が複数連結した構造、または、脂環(炭素数3〜22が好ましく、4〜18がより好ましく、6〜10がさらに好ましい)、脂環と芳香族環とが連結した構造、脂環と芳香族複素環とが連結した構造、もしくは脂環が複数連結した構造である。各環の連結においては後記連結基Lが介在していてもよい。芳香族環として具体的には、上記芳香族環aCyの例が挙げられる。芳香族複素環の例としては上記hCyの例が挙げられる。脂環の例としては上記fCyの例が挙げられる。Arは、本発明の効果を奏する範囲で下記の置換基Tを有していてもよい。置換基Tは連結基Lを介してまたは介さずに互いに結合して環を形成していてもよい。また、Arまたは置換基Tが連結基L1、L2と連結基Lを介してまたは介さずに結合して環を形成していてもよい。連結基L1、L2は後記連結基Lの例が挙げられる。なかでも、L1はアルキレン基(炭素数1〜12が好ましく、1〜6がより好ましく、1〜3がさらに好ましい)が好ましい。L2はO、NRN、Sが好ましく、Oがより好ましい。Y1はエチレン性不飽和基であり、上記エチレン性不飽和基Eの例が挙げられ、なかでも(メタ)アクリロイル基が好ましい。n1は1〜6の整数を表し、1〜4の整数が好ましく、2または3が好ましい。
芳香族環、芳香族複素環、または脂環が複数連結した構造としては、下記式AR−1またはAR−2が挙げられる。
Figure 2019062057
式中、Ar1は芳香族環、芳香族複素環、または脂環であり、その好ましい例としては、芳香族環aCy、芳香族複素環hCy、脂環fCyが挙げられる。Aは連結基であり、連結基Lの例が挙げられ、−CH2−、−O−、−S−、−SO2−、およびハロゲン原子(特にフッ素原子)で置換されてもよい−C(CH32−からなる群から選択される2価の基であることが好ましい。Ar1で表される芳香族環は置換基Tを有していてもよい。置換基Tは複数あるとき互いに結合して、あるいは連結基Lを介してまたは介さずに式中の環Ar1と結合して環を形成していてもよい。また、置換基Tは、連結基Aや上記連結基L1,L2と連結基Lを介してまたは介さずに結合して環を形成していてもよい。*はL1との結合位置を表す。n3〜n6はそれぞれ独立に1〜3の整数であり、2または3であることが好ましく、1がより好ましい。
式(2)中、Y3およびY4はそれぞれ独立にアルキル基(炭素数1〜12が好ましく、1〜6がより好ましく、1〜3がさらに好ましい)、アリール基(炭素数6〜22が好ましく、6〜18がより好ましく、6〜10がさらに好ましい)、またはエチレン性不飽和基である。エチレン性不飽和基としては、エチレン性不飽和基Eの例が好ましい。なかでもY3およびY4の少なくとも1つはエチレン性不飽和基(好ましくはエチレン性不飽和基E)であることが好ましい。連結基L3は後記連結基Lの例が挙げられる。なかでも、O、NRN(RNは水素原子またはアルキル基(炭素数1〜12が好ましく、1〜6がより好ましく、1〜3がさらに好ましく、メチル基が一層好ましい)を表す。)、Sが好ましく、Oがより好ましい。L4は直鎖もしくは分岐のアルキレン基(炭素数1〜12が好ましく、1〜6がより好ましく、1〜3がさらに好ましい)、直鎖もしくは分岐のアルケニレン基(炭素数2〜12が好ましく、2〜6がより好ましく、2〜3がさらに好ましい)である。L4は置換基Tを有していてもよい。置換基Tは複数あるとき互いに結合して、あるいは連結基Lを介してまたは介さずに式中のY3、Y4、L3、L4と結合して環を形成していてもよい。n2は1〜6の整数であり、1〜4の整数が好ましく、3または4がより好ましい。
連結基Lは、直鎖または分岐のアルキレン基(炭素数1〜24が好ましく、1〜12がより好ましく、1〜6がさらに好ましい)、アリーレン基(炭素数6〜22が好ましく、6〜18がより好ましく、6〜10がさらに好ましい)、−O−、−S−、−SO2−、−CO−、−NRN−、およびそれらの組み合わせにかかる連結基が挙げられる。アルキレン基は下記置換基Tを有していてもよい。例えば、アルキレン基がフッ素原子を有するフッ化アルキレン基になっていてもよい。連結基Lに含まれる原子数は1〜24が好ましく、1〜12がより好ましく、1〜6がさらに好ましい。
置換基Tとしては、アルキル基(炭素数1〜24が好ましく、1〜12がより好ましく、1〜6がさらに好ましい)、シクロアルキル基(炭素数3〜24が好ましく、3〜12がより好ましく、3〜6がさらに好ましい)、アラルキル基(炭素数7〜21が好ましく、7〜15がより好ましく、7〜11がさらに好ましい)、アルケニル基(炭素数2〜24が好ましく、2〜12がより好ましく、2〜6がさらに好ましい)、シクロアルケ二ル基(炭素数3〜24が好ましく、3〜12がより好ましく、3〜6がさらに好ましい)、ヒドロキシル基、アミノ基(炭素数0〜24が好ましく、0〜12がより好ましく、0〜6がさらに好ましい)、チオール基、カルボキシル基、アリール基(炭素数6〜22が好ましく、6〜18がより好ましく、6〜10がさらに好ましい)、アシル基(炭素数2〜12が好ましく、2〜6がより好ましく、2〜3がさらに好ましい)、アシルオキシ基(炭素数2〜12が好ましく、2〜6がより好ましく、2〜3がさらに好ましい)、アリーロイル基(炭素数7〜23が好ましく、7〜19がより好ましく、7〜11がさらに好ましい)、アリーロイルオキシ基(炭素数7〜23が好ましく、7〜19がより好ましく、7〜11がさらに好ましい)、カルバモイル基(炭素数1〜12が好ましく、1〜6がより好ましく、1〜3がさらに好ましい)、スルファモイル基(炭素数0〜12が好ましく、0〜6がより好ましく、0〜3がさらに好ましい)、スルホ基、アルキルスルホニル基(炭素数1〜12が好ましく、1〜6がより好ましく、1〜3がさらに好ましい)、アリールスルホニル基(炭素数6〜22が好ましく、6〜18がより好ましく、6〜10がさらに好ましい)、ヘテロ環基(炭素数1〜12が好ましく、1〜8がより好ましく、2〜5がさらに好ましい、5員環または6員環を含むことが好ましい)、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイルオキシ基、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、オキソ基(=O)、イミノ基(=NRN)、アルキリデン基(=C(RN2)などが挙げられる。RNは、上記と同義である。各置換基に含まれるアルキル部位およびアルケニル部位は直鎖でも分岐でもよく、鎖状でも環状でもよい。上記置換基Tが置換基を取りうる基である場合にはさらに置換基Tを有してもよい。例えば、アルキル基はハロゲン化アルキル基となってもよいし、(メタ)アクリロイルオキシアルキル基、アミノアルキル基やカルボキシアルキル基になっていてもよい。置換基がカルボキシル基やアミノ基などの塩を形成しうる基の場合、その基が塩を形成していてもよい。
化合物αの分子量は特に限定されないが、1000以下であることが好ましく、800以下であることがより好ましく、600以下であることがさらに好ましく、400以下であることが一層好ましい。下限は、100以上であることが実際的である。
化合物αの配合量は特に限定されないが、インプリント用下層膜形成用組成物の不揮発性成分中で、50質量%以上であることが好ましく、60質量%以上であることがより好ましく、70質量%以上であることがさらに好ましく、80質量%以上であることが一層好ましく、90質量%以上であることがより一層好ましく、95質量%以上であることがさらに一層好ましい。上限は特にないが、99.99質量%以下が実際的である。この量を上記の範囲とすることで、インプリント用硬化性組成物との混合液の界面張力の上昇効果が十分に得られ、良好な充填性を確保することができ好ましい。
化合物αは1種を用いても複数のものを用いてもよい。複数のものを用いる場合はその合計量が上記の範囲となることが好ましい。
<<<化合物β>>>
化合物βの表面張力(γβ)はインプリント用硬化性組成物の表面張力(γResist)および化合物αの表面張力(γα)より低い。化合物βの表面張力(γβ)は、5.0mN/m以上であることが好ましく、10.0mN/m以上であることがより好ましく、15.0mN/m以上であることがさらに好ましい。上限としては、38.0mN/m以下であることが好ましく、36.0mN/m以下であることがより好ましく、33.0mN/m以下であることがさらに好ましく、30.0mN/m以下であることが一層好ましく、27.0mN/m以下であることがより一層好ましく、24.0mN/m以下であることがさらに一層好ましい。インプリント用下層膜形成用組成物が2種以上の化合物βを含む場合、最も含有量の多い成分が上記表面張力を満たすことが好ましく、インプリント用下層膜形成用組成物に含まれる化合物βの90質量%以上(より好ましくは95質量%以上、さらに好ましくは100質量%)が上記表面張力を満たすことが好ましい(以下、化合物βの物性について同じ)。
化合物βの表面張力(γβ)とインプリント用硬化性組成物の表面張力(γResist)の差(γResist−γβ)は特に限定されないが、1.0mN/m以上であることが好ましく、2.0mN/m以上であることがより好ましく、3.0mN/m以上であることがさらに好ましく、5.0mN/m以上であることが一層好ましく、9.0mN/m以上であることがさらに一層好ましい。上限としては、30.0mN/m以下であることが好ましく、25.0mN/m以下であることがより好ましく、20.0mN/m以下であることがさらに好ましく、15.0mN/m以下であることが一層好ましい。
なお、表面張力は後記実施例における測定方法によって測定した値とする。
化合物βは、詳細を後述するとおり、インプリント用硬化性組成物との結合性基を有する基、好ましくは重合性基であり、より好ましくはエチレン性不飽和基を有することが好ましい。エチレン性不飽和基としては、ビニル基、アリル基、フェニルビニル基、(メタ)アクリロイル基が好ましい。
化合物βは疎水的な構造を有することが好ましい。
化合物βを構成する化合物は特に限定されないが、具体例としては、ラウリル(メタ)アクリレート、ミリスチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレートなどの長鎖炭化水素構造を有するアクリレート(炭素数6〜40が好ましく、8〜30がより好ましく、10〜20がさらに好ましい)、2−(パーフルオロブチル)エチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロヘキシル)エチル(メタ)アクリレート、ペンタフルオロフェニル(メタ)アクリレート、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロ−1,6−ヘキシルジ(メタ)アクリレートなどの含フッ素(メタ)アクリレート(炭素数5〜40が好ましく、6〜30がより好ましく、8〜20がさらに好ましい;フッ素原子数は、1〜20が好ましく、2〜10がより好ましく、2〜8がさらに好ましい)、HYPERTECHシリーズ(日産化学工業株式会社製)、サーフロンシリーズ(AGCサイミケミカル製)、メガファックシリーズ(DIC株式会社)などの含フッ素材料(下記分子量の含フッ素原子高分子化合物であることが好ましい)などが挙げられる。
化合物βが(メタ)アクリレートである場合、アクリレートであっても、メタクリレートであってもよいが、アクリレートが好ましい。
化合物βは下記式(3)または(4)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2019062057
式(3)中、R31は水素原子またはメチル基である。L31は連結基Lであり、なかでもO、S、NRNが好ましい。m3は1〜3の整数である。R32はm3価の基であり、直鎖もしくは分岐のアルカン構造の基(炭素数2〜40が好ましく、4〜30がより好ましく、6〜25がさらに好ましい)、直鎖もしくは分岐のアルケン構造の基(炭素数2〜40が好ましく、4〜30がより好ましく、6〜25がさらに好ましい)、直鎖もしくは分岐のアルキン構造の基(炭素数2〜40が好ましく、4〜30がより好ましく、6〜25がさらに好ましい)が好ましい。R32は置換基Tを有していてもよく、例えばフッ素原子が置換していることが好ましい。フッ素原子の置換数は1〜24が好ましく、1〜12がより好ましく、1〜6がさらに好ましい。置換基Tは複数あるとき互いに結合して、あるいは連結基Lを介してまたは介さずに式中のR32と結合して環を形成していてもよい。
式(4)中、R41およびR42はそれぞれ独立に水素原子またはメチル基である。m4およびm5はそれぞれ独立に0〜60の整数を表し、5〜50の整数が好ましい。ただし、両者が0であることはない。m6は0〜20の整数を表し、2〜18の整数が好ましい。L41はL31と同義の連結基である。Rfはフルオロアルキル基(炭素数1〜20が好ましく、1〜15がより好ましく、1〜10がさらに好ましい;フッ素原子数は、1〜20が好ましく、1〜10がより好ましく、1〜8がさらに好ましい)を表す。L42は直鎖もしくは分岐のアルキレン基(炭素数1〜12が好ましく、1〜6がより好ましく、1〜3がさらに好ましい)または直鎖もしくは分岐のアルケニレン基を表す。R43は水素原子、環状または鎖状(直鎖もしくは分岐)のアルキル基(炭素数1〜12が好ましく、1〜6がより好ましく、1〜3がさらに好ましい)、環状または鎖状(直鎖もしくは分岐)のフルオロアルキル基(炭素数1〜12が好ましく、1〜6がより好ましく、1〜3がさらに好ましい;フッ素原子数は、1〜20が好ましく、1〜10がより好ましく、1〜8がさらに好ましい)である。
化合物βの分子量は特に限定されないが、低分子化合物であっても、高分子化合物であってもよい。
アクリル酸エステル等の低分子化合物の場合、5,000以下であることが好ましく、3,000以下であることがより好ましく、1,000以下であることがさらに好ましく、800以下であることが一層好ましく、500以下であることがより一層好ましい。下限としては、100以上であることが実際的である。
アクリルポリマー等の高分子化合物である場合、重量平均分子量で、1,000以上であることが好ましく、3,000以上であることがより好ましく、5,000以上であることがさらに好ましい。上限としては、100,000以下であることが好ましく、50,000以下であることがより好ましく、30,000以下であることがさらに好ましい。
化合物βの配合量は特に限定されないが、インプリント用下層膜形成用組成物の不揮発性成分中で、45質量%以下が好ましく、20質量%以下であることがより好ましく、15質量%以下であることがさらに好ましく、10質量%以下であることが一層好ましく、5質量%以下であることがより一層好ましく、3質量%以下であることがさらに一層好ましい。下限は特に定めるものではないが、例えば0.01質量%以上であることが好ましく、0.1質量%以上であることがより好ましく、0.5質量%以上であることがさらに好ましく、1質量%以上であることが一層好ましい。
化合物α100質量部に対する化合物βの配合量は、100質量部未満であることが好ましく、80質量部以下であることがより好ましく、30質量部以下であることがさらに好ましく、20質量部以下であることが一層好ましく、10質量部以下であることがより一層好ましく、5質量部以下であることがさらに一層好ましく、4質量部以下であることがさらに好ましく、3質量部以下であることが特に好ましい。下限値としては、0.01質量部以上であることが好ましく、0.1質量部以上であることがより好ましく、0.5質量部以上であることがさらに好ましく、1質量部以上であることが一層好ましい。
化合物βは1種を用いても複数のものを用いてもよい。複数のものを用いる場合はその合計量が上記の範囲となることが好ましい。
化合物βの配合量を上記の範囲とすることで、インプリント用硬化性組成物との混合時に、流動界面のみではなく混合液自体の界面張力を低減させず、毛細管力も高く維持され、充分な充填性を確保することができ好ましい。
<<<結合性基を有する化合物>>>
インプリント用下層膜形成用組成物中の下層膜用溶剤(23℃で液体であって沸点が250℃以下の化合物)を除いた成分からなる組成物(不揮発性成分)に含まれる少なくとも1種はインプリント用硬化性組成物との結合性基を有する化合物であることが好ましい。本発明では、上記化合物αおよび化合物βの少なくとも1種がインプリント用硬化性組成物との結合性基を有する化合物であることが好ましく、化合物αおよび化合物βの合計量の90質量%以上がインプリント用硬化性組成物との結合性基を有する化合物であることが好ましく、95質量%以上がインプリント用硬化性組成物との結合性基を有する化合物であることがより好ましく、98質量%以上がインプリント用硬化性組成物との結合性基を有する化合物であることがさらに好ましい。上限としては、100質量%であってもよい。
このような結合性基としては、重合性基が例示され、エチレン性不飽和基(エチレン性不飽和結合を含む基をいう)、エポキシ基等が例示され、エチレン性不飽和基が好ましい。エチレン性不飽和基としては、上記エチレン性不飽和基Eの例が挙げられる。上記結合性基を有する化合物は、1つの分子中に2種以上の結合性基を含んでいてもよいし、同じ種類の結合性基を2つ以上含んでいてもよい。上記結合性基を有する化合物は、一分子中に結合性基を1〜3つ含む化合物であることが好ましく、2つ含む化合物であることがより好ましい。
また、インプリント用硬化性組成物と結合性基を有する化合物は、分子量が200〜1000であることが好ましく、200〜900であることがより好ましい。
本発明で用いられる結合性基を有する化合物は、後述する実施例で用いる化合物の他、後述するインプリント用硬化性組成物のところで述べる重合性化合物S−1〜S−22、M−1〜M−29などが例示される。
結合性基を有する化合物は、不揮発性成分の90質量%以上であることが好ましく、95質量%以上であることがより好ましく、98質量%以上であることがさらに好ましい。上限としては、100質量%であってもよい。
結合性を有する化合物は、1種のみ用いてもよいし、2種以上用いてもよい。2種以上用いる場合、合計量が上記範囲となることが好ましい。
<<<芳香族環を含む化合物>>>
インプリント用下層膜形成用組成物中の不揮発性成分の少なくとも1種が芳香族環を含む化合物であることが好ましい。芳香族環を含む化合物は、上記化合物αまたは化合物βに該当する化合物であることが好ましく、上記化合物αに該当する化合物が芳香族環を含む化合物であることがより好ましい。芳香族環を含む化合物における芳香環は、上記芳香族環aCyが例示される。
<<<アルキレングリコール化合物>>>
上記不揮発性成分は、アルキレングリコール化合物を含んでいてもよい。アルキレングリコール化合物は、アルキレングリコール構成単位を3〜1000個有していることが好ましく、4〜500個有していることがより好ましく、5〜100個有していることがさらに好ましく、5〜50個有していることが一層好ましい。アルキレングリコール化合物の重量平均分子量(Mw)は150〜10000が好ましく、200〜5000がより好ましく、300〜3000がさらに好ましく、300〜1000が一層好ましい。
アルキレングリコール化合物は、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、これらのモノまたはジメチルエーテル、モノまたはジオクチルエーテル、モノまたはジノニルエーテル、モノまたはジデシルエーテル、モノステアリン酸エステル、モノオレイン酸エステル、モノアジピン酸エステル、モノコハク酸エステルが例示され、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールが好ましい。
アルキレングリコール化合物の23℃における表面張力は、38.0mN/m以上であることが好ましく、40.0mN/m以上であることがより好ましい。表面張力の上限は特に定めるものではないが、例えば48.0mN/m以下である。このような化合物を配合することにより、下層膜の直上に設けるインプリント用硬化性組成物の濡れ性をより向上させることができる。
アルキレングリコール化合物は、含有する場合、不揮発性成分の40質量%以下であり、30質量%以下であることが好ましく、20質量%以下であることがより好ましく、5〜15質量%であることがさらに好ましい。
アルキレングリコール化合物は、1種のみ用いてもよいし、2種以上用いてもよい。2種以上用いる場合、合計量が上記範囲となることが好ましい。
<<<重合開始剤>>>
不揮発性成分は、重合開始剤を含んでいてもよい。重合開始剤としては熱重合開始剤や光重合開始剤等が挙げられるが、インプリント用硬化性組成物との架橋反応性を向上させる観点から光重合開始剤が好ましい。光重合開始剤としては、ラジカル重合開始剤、カチオン重合開始剤が好ましく、ラジカル重合開始剤がより好ましい。また、本発明において、光重合開始剤は複数種を併用してもよい。
光ラジカル重合開始剤としては、公知の化合物を任意に使用できる。例えば、ハロゲン化炭化水素誘導体(例えば、トリアジン骨格を有する化合物、オキサジアゾール骨格を有する化合物、トリハロメチル基を有する化合物など)、アシルホスフィンオキサイド等のアシルホスフィン化合物、ヘキサアリールビイミダゾール、オキシム誘導体等のオキシム化合物、有機過酸化物、チオ化合物、ケトン化合物、芳香族オニウム塩、ケトオキシムエーテル、アミノアセトフェノン化合物、ヒドロキシアセトフェノン、アゾ系化合物、アジド化合物、メタロセン化合物、有機ホウ素化合物、鉄アレーン錯体などが挙げられる。これらの詳細については、特開2016−027357号公報の段落0165〜0182の記載を参酌でき、この内容は本明細書に組み込まれる。
アシルホスフィン化合物としては、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−ホスフィンオキサイドなどが挙げられる。また、市販品であるIRGACURE−819やIRGACURE1173、IRGACURE−TPO(商品名:いずれもBASF製)を用いることができる。
上記インプリント用下層膜形成用組成物に用いられる光重合開始剤の含有量は、配合する場合、不揮発性成分中、例えば、0.01〜15質量%であり、好ましくは0.1〜12質量%であり、さらに好ましくは0.2〜7質量%である。2種以上の光重合開始剤を用いる場合は、その合計量が上記範囲となる。
<<<その他の不揮発性成分>>>
インプリント用下層膜形成用組成物に配合される不揮発性成分としては、上記化合物の他に、熱重合開始剤、重合禁止剤、酸化防止剤、レベリング剤、増粘剤、界面活性剤等を1種または2種以上含んでいてもよい。
熱重合開始剤等については、後述する実施例に記載の成分の他、特開2013−036027号公報、特開2014−090133号公報、特開2013−189537号公報に記載の各成分を用いることができる。含有量等についても、上記公報の記載を参酌できる。
また、本発明では、インプリント用下層膜形成用組成物が実質的に界面活性剤を含まない構成とすることもできる。実質的に含まないとは、インプリント用下層膜形成用組成物中の不揮発性成分の0.1質量%以下であることをいう。
<<<粘度(ηUL)>>>
本発明のインプリント用下層膜形成用組成物において、下層膜用溶剤を除いた成分(不揮発性成分)の粘度(ηUL)は、1000mPa・s以下であり、600mPa・s以下であることが好ましく、200mPa・s以下であることがより好ましく、100mPa・s以下であることがさらに好ましく、50mPa・s以下であることが一層好ましく、30mPa・s以下であってもよく、さらには15mPa・s以下であってもよい。粘度(ηUL)の下限は、5mPa・s以上であり、7mPa・s以上であることが好ましく、8mPa・s以上であってもよく、さらには9mPa・s以上であってもよい。
この粘度(ηUL)を上記の範囲とすることにより、適度な濡れ性を示す下層膜とすることができ好ましい。
上記インプリント用下層膜形成用組成物の不揮発性成分の粘度は、後述する実施例に記載の方法に従って測定される。
<<<表面張力(γUL)>>>
インプリント用下層膜形成用組成物の下層膜用溶剤を除いた成分(不揮発性成分)の表面張力(γUL)は、5.0mN/m以上であることが好ましく、10.0mN/m以上であることがより好ましく、15.0mN/m以上であることがさらに好ましく、20.0mN/m以上であることが一層好ましく、23.0mN/m以上であることがより一層好ましい。表面張力(γUL)の上限は、40.0mN/m以下であることが好ましく、38.0mN/m以下であることがより好ましく、37.0mN/m以下であることがさらに好ましく、36.0mN/m以下であることが一層好ましく、30.0mN/m以下であってもよい。
インプリント用下層膜形成用組成物の不揮発性成分の表面張力(γUL)はインプリント用硬化性組成物の表面張力(γResist)より大きいことが好ましく、その差が特定の範囲にあることがより好ましい。この差(γResist−γUL)は、1.0mN/m以上であることが好ましく、2.0mN/m以上であることがより好ましく、3.0mN/m以上であることがさらに好ましい。上限は特に限定されないが、10.0mN/m以下であることが実際的である。
γULの表面張力を上記の範囲とすることにより、インプリント用硬化性組成物との界面張力の差を十分に確保でき、より良好な残膜均一性を達成することができる。
上記インプリント用下層膜形成用組成物の不揮発性成分の表面張力は、後述する実施例に記載の方法に従って測定される。
<<ハンセン溶解度パラメータ>>
本発明のインプリント用下層膜形成用組成物は、その下層膜用溶剤を除いた成分(不揮発性成分)の最大量成分のハンセン溶解度パラメータと、インプリント用硬化性組成物の最大量成分のハンセン溶解度パラメータ間距離(下記数式(2)、(3)で定義される値)が4.5以下であることが好ましく、4.3以下であることがより好ましく、4.2以下であることがさらに好ましく、2.0以下であることが一層好ましく、1.0以下であることがさらに一層好ましい。下限値は0であってもよい。
|ΔHSP|≦4.5 数式(2)
ΔHSP=(4.0×ΔD2+ΔP2+ΔH20.5 数式(3)
ΔD:インプリント用硬化性組成物の最大量成分とインプリント用下層膜形成用組成物の23℃で液体であって沸点が250℃以下の化合物を除いた成分からなる組成物の最大量成分のHSPベクトルの分散項成分の差;
ΔP:インプリント用硬化性組成物の最大量成分とインプリント用下層膜形成用組成物の23℃で液体であって沸点が250℃以下の化合物を除いた成分からなる組成物の最大量成分のHSPベクトルの極性項成分の差;
ΔH:インプリント用硬化性組成物の最大量成分とインプリント用下層膜形成用組成物の23℃で液体であって沸点が250℃以下の化合物を除いた成分からなる組成物の最大量成分のHSPベクトルの水素結合項成分の差。
なお、インプリント用硬化性組成物とインプリント用下層膜形成用組成物の不揮発性成分のハンセン溶解度パラメータの設定は後記実施例で示した手法によるものとする。
インプリント用下層膜形成用組成物において不揮発性成分のハンセン溶解度パラメータ(HSP)ベクトルの:
(i)分散項成分(d成分)は、14.0〜20.0であることが好ましく、15.0〜19.0であることがより好ましく、16.0〜18.5であることがさらに好ましい;
(ii)極性項成分(p成分)は、3.5〜8.0であることが好ましく、3.8〜6.0であることがより好ましく、4.0〜5.0であることがさらに好ましい;
(iii)水素結合項成分(h成分)は、4.0〜8.0であることが好ましく、4.7〜7.0であることがより好ましく、5.2〜6.5であることがさらに好ましい。
上記不揮発性成分の、HSPベクトルの分散項成分、極性項成分、水素結合項成分は、それぞれ、後述する実施例に記載の方法で設定される。
インプリント用下層膜形成用組成物中の下層膜用溶剤以外の成分(不揮発性成分)の割合は、1質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以下であることがより好ましく、0.4質量%以下であってもよい。下限値としては、0.01質量%以上であることが実際的である。不揮発性成分は、1種のみ含んでいてもよいし、2種以上含んでいてもよい。2種以上含む場合は、合計量が上記範囲となることが好ましい。
<<下層膜用溶剤>>
本発明で用いるインプリント用下層膜形成用組成物は、23℃で液体であって沸点が250℃以下の化合物(下層膜用溶剤)を99.0質量%以上の割合で含む。通常、不揮発性成分が最終的に下層膜を形成する。インプリント用下層膜形成用組成物は、下層膜用溶剤を99.5質量%以上含むことが好ましく、99.6質量%以上であってもよい。本発明において、液体とは、23℃における粘度が100000mPa・s以下であることをいう。
溶剤は、インプリント用下層膜形成用組成物に、1種のみ含まれていてもよいし、2種以上含まれていてもよい。2種以上含む場合、合計量が上記範囲となることが好ましい。
下層膜用溶剤の沸点は、230℃以下であることが好ましく、200℃以下であることがより好ましく、180℃以下であることがさらに好ましく、160℃以下であることが一層好ましく、130℃以下であることがより一層好ましい。下限値は23℃であるが、60℃以上であることが実際的である。沸点を上記の範囲とすることにより、下層膜から溶剤を容易に除去でき好ましい。
下層膜用溶剤は、有機溶剤が好ましい。溶剤は、好ましくは、エステル基、カルボニル基、ヒドロキシル基およびエーテル基のいずれか1つ以上を有する溶剤である。
具体例としては、アルコキシアルコール、プロピレングリコールモノアルキルエーテルカルボキシレート、プロピレングリコールモノアルキルエーテル、乳酸エステル、酢酸エステル、アルコキシプロピオン酸エステル、鎖状ケトン、環状ケトン、ラクトン、およびアルキレンカーボネートが選択される。
アルコキシアルコールとしては、メトキシエタノール、エトキシエタノール、メトキシプロパノール(例えば、1−メトキシ−2−プロパノール)、エトキシプロパノール(例えば、1−エトキシ−2−プロパノール)、プロポキシプロパノール(例えば、1−プロポキシ−2−プロパノール)、メトキシブタノール(例えば、1−メトキシ−2−ブタノール、1−メトキシ−3−ブタノール)、エトキシブタノール(例えば、1−エトキシ−2−ブタノール、1−エトキシ−3−ブタノール)、メチルペンタノール(例えば、4−メチル−2−ペンタノール)などが挙げられる。
プロピレングリコールモノアルキルエーテルカルボキシレートとしては、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、および、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテートからなる群より選択される少なくとも1つが好ましく、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートであることが特に好ましい。
また、プロピレングリコールモノアルキルエーテルとしては、プロピレングリコールモノメチルエーテルまたはプロピレングリコールモノエチルエーテルが好ましい。
乳酸エステルとしては、乳酸エチル、乳酸ブチル、または乳酸プロピルが好ましい。
酢酸エステルとしては、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸プロピル、酢酸イソアミル、蟻酸メチル、蟻酸エチル、蟻酸ブチル、蟻酸プロピル、または酢酸3−メトキシブチルが好ましい。
アルコキシプロピオン酸エステルとしては、3−メトキシプロピオン酸メチル(MMP)、または、3−エトキシプロピオン酸エチル(EEP)が好ましい。
鎖状ケトンとしては、1−オクタノン、2−オクタノン、1−ノナノン、2−ノナノン、アセトン、4−ヘプタノン、1−ヘキサノン、2−ヘキサノン、ジイソブチルケトン、フェニルアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセチルアセトン、アセトニルアセトン、イオノン、ジアセトニルアルコール、アセチルカービノール、アセトフェノン、メチルナフチルケトンまたはメチルアミルケトンが好ましい。
環状ケトンとしては、メチルシクロヘキサノン、イソホロンまたはシクロヘキサノンが好ましい。
ラクトンとしては、γ−ブチロラクトンが好ましい。
アルキレンカーボネートとしては、プロピレンカーボネートが好ましい。
上記成分の他、炭素数が7以上(7〜14が好ましく、7〜12がより好ましく、7〜10がさらに好ましい)、かつ、ヘテロ原子数が2以下のエステル系溶剤を用いることが好ましい。
炭素数が7以上かつヘテロ原子数が2以下のエステル系溶剤の好ましい例としては、酢酸アミル、酢酸2−メチルブチル、酢酸1-メチルブチル、酢酸ヘキシル、プロピオン酸ペンチル、プロピオン酸ヘキシル、プロピオン酸ブチル、イソ酪酸イソブチル、プロピオン酸ヘプチル、ブタン酸ブチルなどが挙げられ、酢酸イソアミルを用いることが特に好ましい。
また、引火点(以下、fpともいう)が30℃以上である溶剤を用いることも好ましい。このような成分としては、プロピレングリコールモノメチルエーテル(fp:47℃)、乳酸エチル(fp:53℃)、3−エトキシプロピオン酸エチル(fp:49℃)、メチルアミルケトン(fp:42℃)、シクロヘキサノン(fp:30℃)、酢酸ペンチル(fp:45℃)、2−ヒドロキシイソ酪酸メチル(fp:45℃)、γ−ブチロラクトン(fp:101℃)またはプロピレンカーボネート(fp:132℃)が好ましい。これらのうち、プロピレングリコールモノエチルエーテル、乳酸エチル、酢酸ペンチルまたはシクロヘキサノンがさらに好ましく、プロピレングリコールモノエチルエーテルまたは乳酸エチルが特に好ましい。
下層膜用溶剤として中でも好ましい溶剤としては、水、1−メトキシ−2−プロパノール、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、エトキシエチルプロピオネート、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、γ−ブチロラクトン、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、乳酸エチルおよび4−メチル−2−ペンタノールからなる群から選択される少なくとも1種であり、1−メトキシ−2−プロパノール、PGMEA、酢酸ブチルからなる群から選択される少なくとも1種がさらに好ましい。
インプリント用下層膜形成用組成物の収納容器としては従来公知の収納容器を用いることができる。また、収納容器としては、原材料や組成物中への不純物混入を抑制することを目的に、容器内壁を6種6層の樹脂で構成された多層ボトルや、6種の樹脂を7層構造にしたボトルを使用することも好ましい。このような容器としては例えば特開2015−123351号公報に記載の容器が挙げられる。
<インプリント用硬化性組成物>
次に、本発明で用いることができるインプリント用硬化性組成物について説明する。インプリント用硬化性組成物は、特に定めるものではなく、公知のインプリント用硬化性組成物を用いることができ、少なくとも重合性化合物を含むことが好ましい。
<<粘度>>
インプリント用硬化性組成物の粘度は、20.0mPa・s以下であることが好ましく、15.0mPa・s以下であることがより好ましく、11.0mPa・s以下であることがさらに好ましく、9.0mPa・s以下であることが一層好ましい。上記粘度の下限値としては、特に限定されるものでは無いが、例えば、5.0mPa・s以上とすることができる。粘度は、後述する実施例に記載の方法に従って測定される。
<<表面張力>>
インプリント用硬化性組成物の表面張力(γResist)は30.0mN/m以上であることが好ましく、31.0mN/m以上であることがより好ましい。表面張力の高いインプリント用硬化性組成物を用いることで毛細管力が上昇し、モールドパターンへのインプリント用硬化性組成物の高速な充填が可能となる。上記表面張力の上限値としては、特に限定されるものではないが、下層膜との関係およびインクジェット適性を付与するという観点では、40.0mN/m以下であることが好ましく、38.0mN/m以下であることがより好ましく、36.0mN/m以下であってもよい。インプリント用硬化性組成物の表面張力は、後述する実施例に記載の方法に従って測定される。
<<大西パラメータ>>
インプリント用硬化性組成物の大西パラメータは、5.0以下であることが好ましく、4.0以下であることがより好ましく、3.7以下であることがさらに好ましい。インプリント用硬化性組成物の大西パラメータの下限値は、特に定めるものではないが、例えば、1.0以上、さらには、2.0以上であってもよい。大西パラメータは、後述する実施例に記載の方法で算出される。
<<含有率等>>
本発明では、インプリント用硬化性組成物における溶剤の含有量は、インプリント用硬化性組成物の5質量%以下であることが好ましく、3質量%以下であることがより好ましく、1質量%以下であることがさらに好ましい。
インプリント用硬化性組成物は、ポリマー(好ましくは、重量平均分子量が1,000を超える、より好ましくは重量平均分子量が2,000を超える、さらに好ましくは重量平均分子量が10,000以上のポリマー)を実質的に含有しない態様とすることもできる。ポリマーを実質的に含有しないとは、例えば、ポリマーの含有量がインプリント用硬化性組成物の0.01質量%以下であることをいい、0.005質量%以下が好ましく、全く含有しないことがより好ましい。
<<重合性化合物>>
インプリント用硬化性組成物は、重合性化合物を含むことが好ましく、インプリント用硬化性組成物に含まれる重合性化合物は、単官能重合性化合物であっても、多官能重合性化合物であっても、両者の混合物であってもよい。また、インプリント用硬化性組成物に含まれる重合性化合物の少なくとも一部は23℃で液体であることが好ましく、インプリント用硬化性組成物に含まれる重合性化合物の15質量%以上が23℃で液体であることがさらに好ましい。
重合性化合物は、環構造を含むことが好ましく、芳香族環または芳香族複素環を含むことがより好ましい。
<<<単官能重合性化合物>>>
インプリント用硬化性組成物に用いる単官能重合性化合物の分子量は、50以上が好ましく、100以上がより好ましく、150以上がさらに好ましい。分子量は、また、1,000以下が好ましく、800以下がより好ましく、300以下がさらに好ましく、270以下が一層好ましい。分子量を上記下限値以上とすることで、揮発性を抑制できる傾向がある。分子量を上記上限値以下とすることで、粘度を低減できる傾向がある。
インプリント用硬化性組成物に用いる単官能重合性化合物の沸点は、85℃以上であることが好ましく、110℃以上がより好ましく、130℃以上がさらに好ましい。沸点を上記下限値以上とすることで、揮発性を抑制することができる。沸点の上限値については、特に定めるものでは無いが、例えば、沸点を350℃以下とすることができる。
インプリント用硬化性組成物に用いる単官能重合性化合物が有する重合性基の種類は特に定めるものでは無いが、エチレン性不飽和基、エポキシ基等が例示され、エチレン性不飽和基が好ましい。エチレン性不飽和基としては、上記のエチレン性不飽和基Eの例が挙げられる、なかでも(メタ)アクリロイル基が好ましく、アクリロイル基がより好ましい。
インプリント用硬化性組成物に用いる単官能重合性化合物を構成する原子の種類は特に定めるものでは無いが、炭素原子、酸素原子、水素原子およびハロゲン原子から選択される原子のみで構成されることが好ましく、炭素原子、酸素原子および水素原子から選択される原子のみで構成されることがより好ましい。
インプリント用硬化性組成物に用いる単官能重合性化合物の好ましい第一の実施形態は、炭素数4以上の直鎖または分岐の炭化水素鎖を有する化合物である。
本発明における炭化水素鎖とは、アルキル鎖、アルケニル鎖、アルキニル鎖を表し、アルキル鎖、アルケニル鎖が好ましく、アルキル鎖がより好ましい。
本発明において、アルキル鎖とは、アルキル基およびアルキレン基を表す。同様に、アルケニル鎖とは、アルケニル基およびアルケニレン基を表し、アルキニル鎖とはアルキニル基およびアルキニレン基を表す。これらの中でも、直鎖または分岐のアルキル基、アルケニル基がより好ましく、直鎖または分岐のアルキル基がさらに好ましく、直鎖のアルキル基が一層好ましい。
上記直鎖または分岐の炭化水素鎖(好ましくは、アルキル基)は、炭素数4以上であり、炭素数6以上が好ましく、炭素数8以上がより好ましく、炭素数10以上がさらに好ましく、炭素数12以上が一層好ましい。炭素数の上限値については、特に定めるものではないが、例えば、炭素数25以下とすることができる。
上記直鎖または分岐の炭化水素鎖は、エーテル基(−O−)を含んでいてもよいが、エーテル基を含んでいない方が離型性向上の観点から好ましい。
このような炭化水素鎖を有する単官能重合性化合物を用いることで、比較的少ない添加量で、硬化物(パターン)の弾性率を低減し、離型性が向上する。また、直鎖または分岐のアルキル基を有する単官能重合性化合物を用いると、モールドと硬化物(パターン)の界面エネルギーを低減して、さらに離型性を向上することができる。
インプリント用硬化性組成物に用いる単官能重合性化合物が有する好ましい炭化水素基として、(1)〜(3)を挙げることができる。
(1)炭素数8以上の直鎖アルキル基
(2)炭素数10以上の分岐アルキル基
(3)炭素数1以上の直鎖または分岐のアルキル基が置換した脂環、芳香族環または芳香族複素環
(1)炭素数8以上の直鎖アルキル基
炭素数8以上の直鎖アルキル基は、炭素数10以上のものがより好ましく、炭素数11以上がさらに好ましく、炭素数12以上が一層好ましい。また、炭素数20以下が好ましく、炭素数18以下がより好ましく、炭素数16以下がさらに好ましく、炭素数14以下が一層好ましい。
(2)炭素数10以上の分岐アルキル基
上記炭素数10以上の分岐アルキル基は、炭素数10〜20のものが好ましく、炭素数10〜16がより好ましく、炭素数10〜14がさらに好ましく、炭素数10〜12が一層好ましい。
(3)炭素数1以上の直鎖または分岐のアルキル基が置換した脂環、芳香族環または芳香族複素環
炭素数1以上の直鎖または分岐のアルキル基は、直鎖のアルキル基がより好ましい。アルキル基の炭素数は、14以下が好ましく、12以下がより好ましく、10以下がさらに好ましい。
脂環、芳香族環または芳香族複素環の環は、単環であっても縮環であってもよいが、単環であることが好ましい。縮環である場合は、環の数は、2つまたは3つが好ましい。環は、3〜8員環が好ましく、5員環または6員環がより好ましく、6員環がさらに好ましい。環の具体例としては、上記環Czの例が挙げられる。
インプリント用硬化性組成物に用いる単官能重合性化合物は、炭素数4以上の直鎖または分岐の炭化水素鎖と重合性基が、直接にまたは連結基を介して結合している化合物が好ましく、上記(1)〜(3)の基のいずれか1つと、重合性基が直接に結合している化合物がより好ましい。連結基としては、−O−、−C(=O)−、−CH2−またはこれらの組み合わせが例示される。本発明で用いる単官能重合性化合物としては、(1)炭素数8以上の直鎖アルキル基と、(メタ)アクリロイルオキシ基とが直接結合している、直鎖アルキル(メタ)アクリレートが、特に好ましい。
単官能重合性化合物は下記式(I−1)で表される化合物が好ましい。
Figure 2019062057
12は、アルキル基(炭素数1〜36が好ましく、1〜30がより好ましく、1〜24がさらに好ましい)、脂環(炭素数3〜24が好ましく、3〜12がより好ましく、3〜6がさらに好ましい)、芳香族環(炭素数6〜22が好ましく、6〜18がより好ましく、6〜10がさらに好ましい)および芳香族複素環(炭素数2〜12が好ましく、2〜6がより好ましく、2〜5がさらに好ましい)から選ばれる少なくとも1種、またはそれらの組合せによる基を表す。R11は水素原子またはメチル基を表す。L11は単結合または上記連結基Lを表し、アルキレン基またはアルケニレン基が好ましい。R12とL11は連結基Lを介してまたは介さずに結合して環を形成していてもよい。R12、L11は上記置換基Tを有していてもよい。置換基Tは複数が結合して環を形成してもよく、R12と結合して、またはL11と結合して環を形成してもよい。置換基Tが複数あるとき互いに同じでも異なっていてもよい。R12における脂環、芳香族環または芳香族複素環の好ましい範囲は、上記環Czと同様である。
第一の実施形態の単官能重合性化合物としては、下記第1群および第2群を例示することができる。しかしながら、本発明がこれらに限定されるものでは無いことは言うまでもない。また、第1群の方が第2群よりもより好ましい。
第1群
Figure 2019062057
第2群
Figure 2019062057
インプリント用硬化性組成物に用いる単官能重合性化合物の好ましい第二の実施形態は、環状構造を有する化合物である。環状構造としては、3〜8員環の単環または縮合環が好ましい。上記縮合環を構成する環の数は、2つまたは3つが好ましい。環状構造は、5員環または6員環がより好ましく、6員環がさらに好ましい。また、単環がより好ましい。
重合性化合物一分子中の環状構造の数は、1つであっても、2つ以上であってもよいが、1つまたは2つが好ましく、1つがより好ましい。尚、縮合環の場合は、縮合環を1つの環状構造として考える。
第二の実施形態の単官能重合性化合物としては、下記化合物を例示することができる。しかしながら、本発明がこれらに限定されるものでは無いことは言うまでもない。
Figure 2019062057
本発明では、本発明の趣旨を逸脱しない限り、上記単官能重合性化合物以外の単官能重合性化合物を用いてもよく、特開2014−170949号公報に記載の重合性化合物のうちの単官能重合性化合物が例示され、これらの内容は本明細書に含まれる。
インプリント用硬化性組成物に用いる単官能重合性化合物の全重合性化合物に対する含有量は、含有する場合、6質量%以上が好ましく、8質量%以上がより好ましく、10質量%以上がさらに好ましく、12質量%以上が一層好ましい。また、上記含有量は、60質量%以下がより好ましく、55質量%以下であってもよい。
本発明では単官能重合性化合物を1種のみ含んでいてもよいし、2種以上含んでいてもよい。2種以上含む場合、合計量が上記範囲となることが好ましい。
<<<多官能重合性化合物>>>
インプリント用硬化性組成物に用いる多官能重合性化合物は、特に定めるものではないが、脂環、芳香族環および芳香族複素環の少なくとも1種を含むことが好ましく、芳香族環および芳香族複素環の少なくとも1種を含むことがより好ましい。脂環、芳香族環および芳香族複素環の少なくとも1種を含む化合物を、以下の説明において、環含有多官能重合性化合物ということがある。
インプリント用硬化性組成物に用いる環含有多官能重合性化合物の分子量は、1,000以下であることが好ましく、800以下であることがより好ましく、500以下がさらに好ましく、350以下が一層好ましい。分子量の上限値を1,000以下とすることで、粘度を低減できる傾向がある。分子量の下限値については、特に定めるものでは無いが、例えば、200以上とすることができる。
インプリント用硬化性組成物に用いる環含有多官能重合性化合物が有する重合性基の数は、2以上であり、2〜7が好ましく、2〜4がより好ましく、2または3がさらに好ましく、2が一層好ましい。
インプリント用硬化性組成物に用いる環含有多官能重合性化合物が有する重合性基の種類は特に定めるものでは無いが、エチレン性不飽和基、エポキシ基等が例示され、エチレン性不飽和基が好ましい。エチレン性不飽和基としては、上記エチレン性不飽和基Eの例が挙げられ、(メタ)アクリロイル基がより好ましく、アクリロイル基がさらに好ましい。1つの分子中に2種以上の重合性基を含んでいてもよいし、同じ種類の重合性基を2つ以上含んでいてもよい。
インプリント用硬化性組成物に用いる環含有多官能重合性化合物を構成する原子の種類は特に定めるものでは無いが、炭素原子、酸素原子、水素原子およびハロゲン原子から選択される原子のみで構成されることが好ましく、炭素原子、酸素原子および水素原子から選択される原子のみで構成されることがより好ましい。
インプリント用硬化性組成物に用いる環含有多官能重合性化合物に含まれる環は、単環であっても縮環であってもよいが、単環であることが好ましい。縮環である場合は、環の数は、2つまたは3つが好ましい。環は、3〜8員環が好ましく、5員環または6員環がより好ましく、6員環がさらに好ましい。また、環は、脂環であっても、芳香族環または芳香族複素環であってもよいが、芳香族環または芳香族複素環であることが好ましく、芳香族環であることがさらに好ましい。環の具体例としては、環Czの例が挙げられる。
インプリント用硬化性組成物に用いる環含有多官能重合性化合物における環の数は、1つであっても、2つ以上であってもよいが、1つまたは2つが好ましく、1つがより好ましい。尚、縮合環の場合は、縮合環を1つとして考える。
インプリント用硬化性組成物に用いる環含有多官能重合性化合物の構造は、(重合性基)−(単結合または2価の連結基)−(環を有する2価の基)−(単結合または2価の連結基)−(重合性基)で表されることが好ましい。ここで、連結基としては、アルキレン基がより好ましく、炭素数1〜3のアルキレン基がさらに好ましい。
インプリント用硬化性組成物に用いる環含有多官能重合性化合物は、下記式(I−2)で表されることが好ましい。
Figure 2019062057
Qは、脂環(炭素数3〜24が好ましく、3〜12がより好ましく、3〜6がさらに好ましい)、芳香族環(炭素数6〜22が好ましく、6〜18がより好ましく、6〜10がさらに好ましい)および芳香族複素環(炭素数2〜12が好ましく、2〜6がより好ましく、2〜5がさらに好ましい)から選ばれる少なくとも1種を有する1+q価の基を表す。R21およびR22はそれぞれ独立に水素原子またはメチル基を表す。L21およびL22はそれぞれ独立に単結合または上記連結基Lを表す。QとL21またはL22は連結基Lを介してまたは介さずに結合して環を形成していてもよい。Q、L21およびL22は上記置換基Tを有していてもよい。置換基Tは複数が結合して環を形成してもよく、Qと結合して、またはL21またはL22と結合して環を形成してもよい。置換基Tが複数あるとき互いに同じでも異なっていてもよい。Qにおける脂環、芳香族環または芳香族複素環の好ましい範囲は、上記環Czと同様である。qは1〜5の整数であり、1〜3の整数が好ましく、1または2がより好ましく、1がさらに好ましい。
Qは、複数の脂環、複数の芳香族環、複数の芳香族複素環、脂環と芳香族環、脂環と芳香族複素環、芳香族環と芳香族複素環が連結した構造を有していてもよい。芳香族環が連結した構造としては、上記式AR−1またはAR−2の構造が挙げられる。
インプリント用硬化性組成物に用いる多官能重合性化合物としては、下記第1群および第2群を例示することができる。しかし、本発明がこれらに限定されるものでは無いことは言うまでもない。第1群の方がより好ましい。
第1群
Figure 2019062057
第2群
Figure 2019062057
インプリント用硬化性組成物は、上記環含有多官能重合性化合物以外の他の多官能重合性化合物を含んでいてもよい。他の多官能重合性化合物としては、下記式(I−3)で表される化合物が好ましい。
Figure 2019062057
30は、直鎖もしくは分岐のアルカン構造の基(炭素数1〜12が好ましく、1〜6がより好ましく、1〜3がさらに好ましい)、直鎖もしくは分岐のアルケン構造の基(炭素数2〜12が好ましく、2〜6がより好ましく、2〜3がさらに好ましい)、直鎖もしくは分岐のアルキン構造の基(炭素数2〜12が好ましく、2〜6がより好ましく、2〜3がさらに好ましい)から選ばれる少なくとも1種を有する1+r価の基を表す。R25およびR26はそれぞれ独立に水素原子またはメチル基を表す。L25およびL26はそれぞれ独立に単結合または上記連結基Lを表す。L30とL25またはL26とは連結基Lを介してまたは介さずに結合して環を形成していてもよい。L25、L26およびL30は上記置換基Tを有していてもよい。置換基Tは複数が結合して環を形成してもよく、他の連結基と結合して環を形成してもよい。置換基Tが複数あるとき互いに同じでも異なっていてもよい。rは1〜4の整数であり、1〜3の整数が好ましく、1または2がより好ましく、1がさらに好ましい。なお、L30にはヘテロ連結基(O、S、NRN)が介在していてもよい。ヘテロ連結基が介在する数は、L30の炭素数1〜6個に1つの割合であることが好ましい。
インプリント用硬化性組成物に用いる他の多官能重合性化合物としては、特開2014−170949号公報に記載の重合性化合物のうち、環を有さない多官能重合性化合物が例示され、これらの内容は本明細書に含まれる。より具体的には、例えば、下記化合物が例示される。
Figure 2019062057
多官能重合性化合物は、インプリント用硬化性組成物中の全重合性化合物に対して、30質量%以上含有することが好ましく、45質量%以上がより好ましく、50質量%以上がさらに好ましく、55質量%以上が一層好ましく、60質量%以上であってもよく、さらに70質量%以上であってもよい。また、上限値は、95質量%未満であることが好ましく、90質量%以下であることがさらに好ましく、85質量%以下とすることもできる。
インプリント用硬化性組成物は、多官能重合性化合物を1種のみ含んでいてもよいし、2種以上含んでいてもよい。2種以上含む場合、合計量が上記範囲となることが好ましい。
本発明で用いるインプリント用硬化性組成物は、組成物の85質量%以上が重合性化合物であることが好ましく、90質量%以上が重合性化合物であることがより好ましく、93質量%以上が重合性化合物であることがさらに好ましい。
インプリント用硬化性組成物の最大量成分のハンセン溶解度パラメータ(HSP)ベクトルの:
(i)分散項成分(d成分)は、14.0〜20.0であることが好ましく、15.0〜19.0であることがより好ましく、16.0〜18.5であることがさらに好ましい;
(ii)極性項成分(p成分)は、3.5〜8.0であることが好ましく、3.8〜6.0であることがより好ましく、4.0〜5.0であることがさらに好ましい;
(iii)水素結合項成分(h成分)は、4.0〜8.0であることが好ましく、4.7〜7.0であることがより好ましく、5.2〜6.5であることがさらに好ましい。
上記不揮発性成分の、HSPベクトルの分散項成分、極性項成分、水素結合項成分は、それぞれ、後述する実施例に記載の方法で設定される。
<<他の成分>>
インプリント用硬化性組成物は、重合性化合物以外の添加剤を含有してもよい。他の添加剤としては、界面活性剤、増感剤、離型剤、酸化防止剤、重合禁止剤等を含んでいてもよい。
本発明で用いることができるインプリント用硬化性組成物の具体例としては、後述する実施例に記載の組成物、特開2013−036027号公報、特開2014−090133号公報、特開2013−189537号公報に記載の組成物が例示され、これらの内容は本明細書に組み込まれる。また、インプリント用硬化性組成物の調製、膜(パターン形成層)の形成方法についても、上記公報の記載を参酌でき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
本発明で用いるインプリント用硬化性組成物の収納容器としては従来公知の収納容器を用いることができる。また、収納容器としては、原材料や組成物中への不純物混入を抑制することを目的に、容器内壁を6種6層の樹脂で構成された多層ボトルや、6種の樹脂を7層構造にしたボトルを使用することも好ましい。このような容器としては例えば特開2015−123351号公報に記載の容器が挙げられる。
<キット>
本発明においては、上記条件(i)〜(v)を満たすインプリント用下層膜形成用組成物とインプリント用硬化性組成物とを有するキットとすることも好ましい。インプリント用下層膜形成用組成物の各物性および成分組成、インプリント用硬化性組成物の各物性および成分組成、両組成物の関係の好ましい範囲は上記で述べたのと同じである。
<積層体およびその製造方法>
本発明のキットの好ましい実施形態として、このキットから形成される積層体が挙げられる。本実施形態の積層体は、上記インプリント用下層膜形成用組成物から形成された下層膜と、上記インプリント用硬化性組成物から形成され、上記下層膜の表面に位置するインプリント層とを有することが好ましい。その製造方法は特に限定されないが、上記のキットを用いて、インプリント用下層膜形成用組成物から形成された下層膜の表面に、インプリント用硬化性組成物を適用することを含む製造方法が挙げられる。このとき、インプリント用硬化性組成物は、インクジェット法(IJ法)により、上記下層膜の表面に適用することが好ましい。さらに、積層体の製造方法は、上記インプリント用下層膜形成用組成物を基板上に層状に適用する工程を含み、上記層状に適用したインプリント用下層膜形成用組成物を40〜70℃(好ましくは50〜65℃)で加熱することを含むことが好ましい。
<硬化物パターンおよびその製造方法>
本発明の好ましい実施形態にかかる硬化物パターンの製造方法は、上記のキットを用いて硬化物パターンを製造する方法であって、基板上に、インプリント用下層膜形成用組成物を適用して下層膜を形成する下層膜形成工程と、上記下層膜の表面に、インプリント用硬化性組成物を適用する適用工程と、上記インプリント用硬化性組成物と、パターン形状を転写するためのパターンを有するモールドとを接触させるモールド接触工程と、上記インプリント用硬化性組成物に光を照射して硬化物を形成する光照射工程と、上記硬化物と上記モールドとを引き離す離型工程と、を有する。
以下、硬化物パターンを形成する方法(硬化物パターンの製造方法)について、図5に従って説明する。本発明の構成が図面により限定されるものではないことは言うまでもない。
<<下層膜形成工程>>
下層膜形成工程では、図5(2)に示す様に、基板1上に、下層膜2を形成する。下層膜は、インプリント用下層膜形成用組成物を基板上に層状に適用して形成することが好ましい。下層膜は、また、基板1の表面に直接に形成してもよいし、基板1の表面に密着膜が設けられていてもよい。密着膜が設けられている場合、密着膜の表面に、下層膜を設けることが好ましい。密着膜は、例えば、特開2014−24322号公報に記載のインプリント用下層膜形成用組成物から形成される膜を密着膜として用いることができる。
基板上へのインプリント用下層膜形成用組成物の適用方法としては、特に定めるものではなく、一般によく知られた適用方法を採用できる。具体的には、適用方法としては、例えば、ディップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法、エクストルージョンコート法、スピンコート法、スリットスキャン法、あるいはインクジェット法が例示され、スピンコート法が好ましい。
また、基板上にインプリント用下層膜形成用組成物を層状に適用した後、好ましくは、熱によって溶剤を揮発(乾燥)させて、薄膜である下層膜を形成する。層状に適用したインプリント用下層膜形成用組成物を30〜90℃(好ましくは、40℃以上、また、70℃以下)で、加熱(ベイク)することが好ましい。加熱時間は、30秒〜5分とすることができる。
下層膜2の厚さは、2nm以上であることが好ましく、3nm以上であることがより好ましく、4nm以上であることがさらに好ましく、5nm以上であってもよく、7nm以上であってもよい。また、下層膜の厚さは、40nm以下であることが好ましく、30nm以下であることがより好ましく、20nm以下であることがさらに好ましく、15nm以下であってもよく、さらには10nm以下であってもよい。膜厚を上記下限値以上とすることにより、インプリント用硬化性組成物の下層膜上での拡張性(濡れ性)が向上し、インプリント後の均一な残膜形成が可能となる。膜厚を上記上限値以下とすることにより、インプリント後の残膜が薄くなり、膜厚ムラが発生しにくくなり、残膜均一性が向上する傾向にある。
基板の材質としては、特に定めるものでは無く、特開2010−109092号公報(対応US出願の公開番号は、US2011/199592)の段落0103の記載を参酌でき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。本発明では、シリコン基板、ガラス基板、サファイア基板、シリコンカーバイド(炭化ケイ素)基板、窒化ガリウム基板、アルミニウム基板、アモルファス酸化アルミニウム基板、多結晶酸化アルミニウム基板、ならびに、GaAsP、GaP、AlGaAs、InGaN、GaN、AlGaN、ZnSe、AlGa、InP、または、ZnOから構成される基板が挙げられる。なお、ガラス基板の具体的な材料例としては、アルミノシリケートガラス、アルミノホウケイ酸ガラス、バリウムホウケイ酸ガラスが挙げられる。本発明では、シリコン基板が好ましい。
<<適用工程>>
適用工程では、例えば、図5(3)に示すように、上記下層膜2の表面に、インプリント用硬化性組成物3を適用する。
インプリント用硬化性組成物の適用方法としては、特に定めるものでは無く、特開2010−109092号公報(対応US出願の公開番号は、US2011/199592)の段落0102の記載を参酌でき、この内容は本明細書に組み込まれる。上記インプリント用硬化性組成物は、インクジェット法により、上記下層膜の表面に適用することが好ましい。また、インプリント用硬化性組成物を、多重塗布により塗布してもよい。インクジェット法などにより下層膜の表面に液滴を配置する方法において、液滴の量は1〜20pL程度が好ましく、液滴間隔をあけて下層膜表面に配置することが好ましい。液滴間隔としては、10〜1000μmの間隔が好ましい。液滴間隔は、インクジェット法の場合は、インクジェットのノズルの配置間隔とする。
さらに、下層膜2と、下層膜上に適用した膜状のインプリント用硬化性組成物3の体積比は、1:1〜500であることが好ましく、1:10〜300であることがより好ましく、1:50〜200であることがさらに好ましい。
また、本発明の積層体の製造方法は、本発明のキットを用いて製造する方法であって、上記インプリント用下層膜形成用組成物から形成された下層膜の表面に、インプリント用硬化性組成物を適用することを含む。さらに、本発明の積層体の製造方法は、上記インプリント用下層膜形成用組成物を基板上に層状に適用する工程を含み、上記層状に適用したインプリント用下層膜形成用組成物を30〜90℃(好ましくは、40℃以上、また、70℃以下)で、加熱(ベイク)することを含むことが好ましい。加熱時間は、30秒〜5分とすることができる。
<<モールド接触工程>>
モールド接触工程では、例えば、図5(4)に示すように、上記インプリント用硬化性組成物3とパターン形状を転写するためのパターンを有するモールド4とを接触させる。このような工程を経ることにより、所望の硬化物パターン(インプリントパターン)が得られる。
具体的には、膜状のインプリント用硬化性組成物に所望のパターンを転写するために、膜状のインプリント用硬化性組成物3の表面にモールド4を押接する。
モールドは、光透過性のモールドであってもよいし、光非透過性のモールドであってもよい。光透過性のモールドを用いる場合は、モールド側から硬化性組成物3に光を照射することが好ましい。一方、光非透過性のモールドを用いる場合は、基板として、光透過性基板を用い、基板側から光を照射することが好ましい。本発明では、光透過性モールドを用い、モールド側から光を照射することがより好ましい。
本発明で用いることのできるモールドは、転写されるべきパターンを有するモールドである。上記モールドが有するパターンは、例えば、フォトリソグラフィや電子線描画法等によって、所望する加工精度に応じて形成できるが、本発明では、モールドパターン製造方法は特に制限されない。また、本発明の硬化物パターン製造方法によって形成したパターンをモールドとして用いることもできる。
本発明において用いられる光透過性モールドを構成する材料は、特に限定されないが、ガラス、石英、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリカーボネート樹脂などの光透過性樹脂、透明金属蒸着膜、ポリジメチルシロキサンなどの柔軟膜、光硬化膜、金属膜等が例示され、石英が好ましい。
本発明において光透過性の基板を用いた場合に使われる非光透過型モールド材としては、特に限定されないが、所定の強度を有するものであればよい。具体的には、セラミック材料、蒸着膜、磁性膜、反射膜、Ni、Cu、Cr、Feなどの金属基板、SiC、シリコン、窒化シリコン、ポリシリコン、酸化シリコン、アモルファスシリコンなどの基板などが例示され、特に制約されない。
上記硬化物パターンの製造方法では、インプリント用硬化性組成物を用いてインプリントリソグラフィを行うに際し、モールド圧力を10気圧以下とするのが好ましい。モールド圧力を10気圧以下とすることにより、モールドや基板が変形しにくくパターン精度が向上する傾向にある。また、加圧が低いため装置を縮小できる傾向にある点からも好ましい。モールド圧力は、モールド凸部にあたるインプリント用硬化性組成物の残膜が少なくなる一方で、モールド転写の均一性が確保できる範囲から選択することが好ましい。
また、インプリント用硬化性組成物とモールドとの接触を、ヘリウムガスまたは凝縮性ガス、あるいはヘリウムガスと凝縮性ガスの両方を含む雰囲気下で行うことも好ましい。
<<光照射工程>>
光照射工程では、上記インプリント用硬化性組成物に光を照射して硬化物を形成する。光照射工程における光照射の照射量は、硬化に必要な最小限の照射量よりも十分大きければよい。硬化に必要な照射量は、インプリント用硬化性組成物の不飽和結合の消費量などを調べて適宜決定される。
照射する光の種類は特に定めるものではないが、紫外光が例示される。
また、本発明に適用されるインプリントリソグラフィにおいては、光照射の際の基板温度は、通常、室温とするが、反応性を高めるために加熱をしながら光照射してもよい。光照射の前段階として、真空状態にしておくと、気泡混入防止、酸素混入による反応性低下の抑制、モールドとインプリント用硬化性組成物との密着性向上に効果があるため、真空状態で光照射してもよい。また、上記硬化物パターン製造方法中、光照射時における好ましい真空度は、10-1Paから常圧の範囲である。
露光に際しては、露光照度を1〜500mW/cm2の範囲にすることが好ましく、10〜400mW/cm2の範囲にすることがより好ましい。露光の時間は特に限定されないが、0.01〜10秒であることが好ましく、0.5〜1秒であることがより好ましい。露光量は、5〜1000mJ/cm2の範囲にすることが好ましく、10〜500mJ/cm2の範囲にすることがより好ましい。
上記硬化物パターン製造方法においては、光照射により膜状のインプリント用硬化性組成物(パターン形成層)を硬化させた後、必要に応じて、硬化させたパターンに熱を加えてさらに硬化させる工程を含んでいてもよい。光照射後にインプリント用硬化性組成物を加熱硬化させるための温度としては、150〜280℃が好ましく、200〜250℃がより好ましい。また、熱を付与する時間としては、5〜60分間が好ましく、15〜45分間がさらに好ましい。
<<離型工程>>
離型工程では、上記硬化物と上記モールドとを引き離す(図5(5))。得られた硬化物パターンは後述する通り各種用途に利用できる。
すなわち、本発明では、上記下層膜の表面に、さらに、インプリント用硬化性組成物から形成される硬化物パターンを有する、積層体が開示される。また、本発明で用いるインプリント用硬化性組成物からなるパターン形成層の膜厚は、使用する用途によって異なるが、0.01μm〜30μm程度である。
さらに、後述するとおり、エッチング等を行うこともできる。
<硬化物パターンとその応用>
上述のように上記硬化物パターンの製造方法によって形成された硬化物パターンは、液晶表示装置(LCD)などに用いられる永久膜や、半導体素子製造用のエッチングレジスト(リソグラフィ用マスク)として使用することができる。
特に、本発明では、本発明の硬化物パターンの製造方法により硬化物パターンを得る工程を含む、回路基板の製造方法を開示する。さらに、本発明の回路基板の製造方法では、上記硬化物パターンの製造方法により得られた硬化物パターンをマスクとして基板にエッチングまたはイオン注入を行う工程と、電子部材を形成する工程と、を有していてもよい。上記回路基板は、半導体素子であることが好ましい。さらに、本発明では、上記回路基板の製造方法により回路基板を得る工程と、上記回路基板と上記回路基板を制御する制御機構とを接続する工程と、を有する電子機器の製造方法を開示する。
また、上記硬化物パターン製造方法によって形成されたパターンを利用して液晶表示装置のガラス基板にグリッドパターンを形成し、反射や吸収が少なく、大画面サイズ(例えば55インチ、60インチ超)の偏光板を安価に製造することが可能である。例えば、特開2015−132825号公報やWO2011/132649号に記載の偏光板が製造できる。なお、1インチは25.4mmである。
本発明で形成された硬化物パターンは、図5(6)(7)に示す通り、エッチングレジスト(リソグラフィ用マスク)としても有用である。硬化物パターンをエッチングレジストとして利用する場合には、まず、基板として例えばSiO2等の薄膜が形成されたシリコン基板(シリコンウェハ等)等を用い、基板上に上記硬化物パターン製造方法によって、例えば、ナノまたはミクロンオーダーの微細な硬化物パターンを形成する。本発明では特にナノオーダーの微細パターンを形成でき、さらにはサイズが50nm以下、特には30nm以下のパターンも形成できる点で有益である。上記硬化物パターン製造方法で形成する硬化物パターンのサイズの下限値については特に定めるものでは無いが、例えば、1nm以上とすることができる。
また、本発明では、基板上に、本発明の硬化物パターンの製造方法により硬化物パターンを得る工程と、得られた上記硬化物パターンを用いて上記基板にエッチングを行う工程と、を有する、インプリント用モールドの製造方法も開示する。
ウェットエッチングの場合にはフッ化水素等、ドライエッチングの場合にはCF4等のエッチングガスを用いてエッチングすることにより、基板上に所望の硬化物パターンを形成することができる。硬化物パターンは、特にドライエッチングに対するエッチング耐性が良好である。すなわち、上記硬化物パターン製造方法によって形成されたパターンは、リソグラフィ用マスクとして好ましく用いられる。
本発明で形成されたパターンは、具体的には、磁気ディスク等の記録媒体、固体撮像素子等の受光素子、LED(light emitting diode)や有機EL(有機エレクトロルミネッセンス)等の発光素子、液晶表示装置(LCD)等の光デバイス、回折格子、レリーフホログラム、光導波路、光学フィルタ、マイクロレンズアレイ等の光学部品、薄膜トランジスタ、有機トランジスタ、カラーフィルタ、反射防止膜、偏光板、偏光素子、光学フィルム、柱材等のフラットパネルディスプレイ用部材、ナノバイオデバイス、免疫分析チップ、デオキシリボ核酸(DNA)分離チップ、マイクロリアクター、フォトニック液晶、ブロックコポリマーの自己組織化を用いた微細パターン形成(directed self−assembly、DSA)のためのガイドパターン等の作製に好ましく用いることができる。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜、変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例に限定されるものではない。
実施例1〜11、比較例1〜5
<下層膜形成用組成物の調製>
表1または表2に示した各化合物(不揮発性成分:A−1〜A−9、B−1〜B−2、溶剤C−1〜C−3)を配合し、孔径0.1μmのポリテトラフルオロエチレン(PTFE)フィルタと孔径0.003μmのPTFEフィルタにて二段ろ過を実施し、実施例および比較例に示すインプリント用下層膜形成用組成物を調製した。
<インプリント用硬化性組成物の調製>
表3において構造式を示す各種化合物を混合し、さらに重合禁止剤として4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシルフリーラジカル(東京化成製)を表3に示す化合物のうち、重合性化合物の合計量に対して200質量ppm(0.02質量%)となるように加えて調製した。これを孔径0.1μmのポリテトラフルオロエチレン(PTFE)フィルタと孔径0.003μmのPTFEフィルタにて二段ろ過を実施し、インプリント用硬化性組成物を調製した。
<表面張力の測定>
各組成物または化合物の表面張力は、協和界面科学(株)製、表面張力計 SURFACE TENS−IOMETER CBVP−A3を用い、ガラスプレートを用いて23℃で行った。単位は、mN/mで示した。インプリント用下層膜形成用組成物の不揮発性成分の表面張力(γUL)に関しては、溶剤以外の成分を混合した組成物にて表面張力の測定を行った。1水準につき2つの試料を作製し、それぞれ3回測定した。合計6回の算術平均値を評価値として採用した。化合物が固体の場合には、23℃で、PGMEAに1質量%の濃度となるように調整した溶液の表面張力を化合物の表面張力とした。なお、23℃でPGMEAに1質量%の濃度で溶けない場合は、表面張力が30mN/m以上の溶剤を選択してもよい。具体的には、シクロヘキサノン、シクロヘキサンも溶けない場合は、γ−ブチロラクトン、γ−ブチロラクトンも溶けない場合は、乳酸エチル、乳酸エチルも溶けない場合、エチレングリコールを用いる。
<粘度の測定>
粘度は、東機産業(株)製のE型回転粘度計RE85L、標準コーン・ロータ(1°34'×R24)を用い、サンプルカップを23℃に温度調節して測定した。単位は、mPa・sで示した。インプリント用下層膜形成用組成物の不揮発性成分の粘度(ηUL)に関しては、溶剤以外の成分を混合した組成物にて粘度の測定を行った。測定に関するその他の詳細はJISZ8803:2011に準拠した。1水準につき2つの試料を作製し、それぞれ3回測定した。合計6回の算術平均値を評価値として採用した。
<ハンセン溶解度パラメータ間距離(ΔHSP)の算出>
ハンセン溶解度パラメータはHSP計算ソフトHSPiPにて計算した。
各化合物の構造式をSMILES形式にて上記ソフトに入力することで、ハンセン溶解度パラメータベクトルの各成分(ΔD、ΔP、ΔH)を算出した。算出したハンセン溶解度パラメータを下記式にあてはめることでハンセン溶解度パラメータ間距離(ΔHSP)を算出した。
ΔHSP=(4.0×ΔD2+ΔP2+ΔH20.5
インプリント用硬化性組成物の成分およびインプリント用下層膜形成用組成物の不揮発性成分のハンセン溶解度パラメータベクトルは各組成物中に含まれる最も配合量の多い化合物(最大量成分)での計算値を採用した(配合量が同一の場合は表面張力の高い化合物の計算値を採用した。)。
<大西パラメータ>
インプリント用硬化性組成物の不揮発性成分について、それぞれ、全構成成分の炭素原子、水素原子および酸素原子の数を下記式に代入して求めた。
大西パラメータ=炭素原子、水素原子および酸素原子の数の和/(炭素原子の数−酸素原子の数)
<密着層および下層膜の形成/膜厚安定性>
シリコンウェハ上に、特開2014−24322号公報の実施例6に示す密着層形成用組成物をスピンコートし、220℃のホットプレートを用いて1分間加熱し、厚さ5nmの密着層を形成した。次いで、密着層の表面に、表1または表2に示すインプリント用下層膜形成用組成物をスピンコートし、表1または表2に記載のベイク条件でホットプレートを用いて加熱し、密着層上に下層膜を形成した。下層膜の膜厚(FT1)はエリプソメータおよび原子間力顕微鏡により測定した。
さらに下層膜を形成したウエハを室温にて60時間放置し再度膜厚(FT2)を測定することで塗布直後との膜厚差(ΔFT=|FT1‐FT2|)を確認した。
A:ΔFT≦0.5nm
B:0.5nm<ΔFT≦1.0nm
C:ΔFT>1.0nm
D:測定不可(60時間後に薄膜を形成していない)
<IJ(インクジェット)液滴の濡れ性の評価>
上記で得られた下層膜表面に、表3に示すインプリント用硬化性組成物V1〜V3であって、23℃に温度調整したインプリント用硬化性組成物を、富士フイルムダイマティックス製インクジェットプリンターDMP−2831を用いて、ノズルあたり6pLの液滴量で吐出して、下層膜の表面に液滴が約880μm間隔の正方配列となるように塗布した。塗布後、3秒後の液滴形状を撮影し、液滴直径を測定した。1水準につき2つの試料を用い、それぞれ3回測定した。合計6回の算術平均値を評価値として採用した。
A:IJ液滴の平均直径>500μm
B:400μm<IJ液滴の平均直径≦500μm
C:320μm<IJ液滴の平均直径≦400μm
D:IJ液滴の平均直径≦320μm
<残膜均一性の評価>
上記で得られた下層膜表面に、23℃に温度調整したインプリント用硬化性組成物V1〜V3のいずれかを、富士フイルムダイマティックス製インクジェットプリンターDMP−2831を用いて、ノズルあたり6pLの液滴量で吐出して、上記下層膜上に液滴が約100μm間隔の正方配列となるように塗布し、パターン形成層とした。次に、パターン形成層に、石英モールド(線幅20nm、深さ50nmのラインパターン)をHe雰囲気下(置換率90%以上)で押接し、インプリント用硬化性組成物をモールドに充填した。押印後10秒が経過した時点で、モールド側から高圧水銀ランプを用い、300mJ/cm2の条件で露光した後、モールドを剥離することでパターン形成層にパターンを転写させた。
その後、パターン形成層部分について、基板と密着層の層間の一部ををケガキ棒にて剥がし取り、シリコンウエハ表面を析出させ、インプリント残膜(パターンボトム部と基板表面間の膜厚)を電子間力顕微鏡(AFM)にて測定した。同一ショット内で30点測定し、密着膜と下層膜とパターンボトムの合計厚み(残膜)の3σを算出した。
A:3σ≦1.5
B:1.5<3σ≦3.0
C:3.0<3σ≦5.0
D:3σ>5.0
<解像性の評価>
上記で得られた下層膜表面に、25℃に温度調整したインプリント用硬化性組成物V1〜V3のいずれかを、富士フイルムダイマティックス製インクジェットプリンターDMP−2831を用いて、ノズルあたり6pLの液滴量で吐出して、上記下層膜上に液滴が約100μm間隔の正方配列となるように塗布し、パターン形成層とした。次に、パターン形成層に、石英モールド(線幅28nm、深さ60nmのラインパターン)をHe雰囲気下(置換率90%以上)で押接し、インプリント用硬化性組成物をモールドに充填した。押印後10秒が経過した時点で、モールド側から高圧水銀ランプを用い、150mJ/cm2の条件で露光した後、モールドを剥離することでパターン形成層にパターンを転写させた。転写したパターンのパターン形状倒れ有無を走査型電子顕微鏡(SEM)観察にて確認した。
A:パターン倒れもパターンエッジ荒れも確認されなかった。
B:パターン倒れはなかったがパターンエッジ荒れが確認された。
C:パターン転写領域内の一部で倒れが確認された。
D:パターン転写領域の全域にわたり倒れが確認された。
<充填性の評価>
上記で得られた下層膜表面に、23℃に温度調整した表3に示すインプリント用硬化性組成物を、富士フイルムダイマティックス製、インクジェットプリンターDMP−2831を用いて、ノズルあたり1pLの液滴量で吐出して、上記下層膜の表面に液滴が約100μm間隔の正方配列となるように塗布し、インプリント用硬化性組成物を層状にした。次に、パターン形成層に、石英基板を押接し、インプリント用硬化性組成物を平坦化した。さらに、モールド側から高圧水銀ランプを用い、300mJ/cm2の条件で露光した後、石英基板を剥離することで平坦膜を得た。
光学顕微鏡(オリンパス製STM6−LM)を用いて上記平坦膜表面を観察して、充填性を下記の基準で評価した。
A:インプリントエリアにおいて、未充填の領域(インプリント用硬化性組成物の硬化物が存在しない領域)が発生していなかった。
B:インプリントエリアの一部の領域において、インクジェット液滴境界での未充填が確認された。
C:インプリントエリアの全面に渡って、インクジェット液滴境界での未充填が確認された。
D:インクジェット液滴同士がつながらず平坦膜を形成できていない領域が確認された。
<エッチング加工耐性の評価>
上記で得られた下層膜の表面に、23℃に温度調整したインプリント用硬化性組成物を、富士フイルムダイマティックス製、インクジェットプリンターDMP−2831を用いて、ノズルあたり6pLの液滴量で吐出して、上記下層膜の表面に液滴が約100μm間隔の正方配列となるように塗布し、インプリント用硬化性組成物を層状にした。次に、層状のインプリント用硬化性組成物に、石英基板(パターンなし)をヘリウム雰囲気下(置換率90体積%以上)で押接した。押印後10秒が経過した時点で、モールド側から高圧水銀ランプを用い、300mJ/cm2の条件で露光した後、モールドを剥離することでインプリント用硬化性組成物の薄膜(膜厚約300nm)を得た。
上記サンプルをエッチング装置(APPLIED MATERIALS製 Centura−DPS)に導入し、下記条件にてエッチングを行った。
エッチング後の薄膜の表面状態を非接触型干渉顕微鏡にて観察した。
A:膜厚ムラがなく、全面が均一にエッチングされていた。
B:一部領域のIJ液滴境界が過剰にエッチングされ、膜厚ムラが発生していた。
C:全面に渡って、IJ液滴境界が過剰にエッチングされ、膜厚ムラが発生していた。
Figure 2019062057
Figure 2019062057
表1または表2中の記載について:
A−1〜A−12、B−1、B−2の配合量は質量部である。
粘度はいずれも23℃での測定値であり単位はmPa・sである。
表面張力はいずれも23℃での測定値であり単位はmN/mである。
γULはインプリント用下層膜形成用組成物中の溶剤(C−1〜C−3)を除いた成分の組成物における表面張力(mN/m)である。
γResitはインプリント用硬化性組成物の表面張力である。
d成分、p成分、h成分は、それぞれ、HSPベクトルの分散項成分D、極性項成分P、水素結合項成分Hを示している。
インプリント用下層膜形成用組成物の不揮発性成分の粘度ηULは、組成物中の溶剤(C−1〜C−3)を除いた成分の組成物における粘度(mPa・s)である。
Figure 2019062057
Figure 2019062057
A−8:HYPERTECH FA−E−50(日産化学工業株式会社)(Mw:8,000)
含フッ素ポリマー表面改質剤(Fluoro Polymeric Surface Modifier)
A−9:メガファック F−556(DIC株式会社)
Figure 2019062057
A−10
Figure 2019062057
A−11
Figure 2019062057
A−12
重合開始剤
Figure 2019062057
下層膜用溶剤
C−1:1−メトキシ−2−プロパノール(沸点:120℃)
C−2:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(沸点:146℃)
C−3:酢酸ブチル(沸点:126℃)
Figure 2019062057
表3の記載について:
沸点はいずれも1気圧(1atm=1013.25hPa)での測定値であり単位は℃である。
各化合物の配合量は質量部である。
d成分、p成分、h成分は、それぞれ、HSPベクトルの分散項成分D、極性項成分P、水素結合項成分Hを示している。
上記結果から明らかなとおり、本発明のインプリント用下層膜形成用組成物によれば、インプリント用硬化性組成物に対する濡れ性が高まり優れた充填性を示すことが分かる(実施例1〜17)。特に、化合物αと化合物βの配合比が特定の範囲にある場合には、その特性が一層高まることが分かる(実施例1〜6、8、9)。一方、本発明に規定する化合物αおよびβの配合等の条件(i)〜(v)を満たさないものでは、濡れ性および充填性に劣っていた(比較例1〜6)。さらに、本発明の好ましい実施形態にかかるインプリント用下層膜形成用組成物によれば、膜厚の安定性と残膜の均一性に優れ、加工上必要により求められる解像性や加工耐性においても良好な性能が得られることが分かる(実施例1〜17)。
1 基板
2 下層膜
3 インプリント用硬化性組成物
4 モールド
21 下層膜
22 インプリント用硬化性組成物
22a、22b、22c 膜状のインプリント用硬化性組成物
23 膜厚が薄いあるいは膜のない領域
31 ノズル
32 液滴(吐出時)
33 液滴(着弾後)
33a 下層膜成分と混ざり合った液滴
33b 液滴流動先端部
34 基板
35 下層膜
36 液滴の濡れ広がる方向
39 化合物β

Claims (24)

  1. 化合物αと、化合物βと、23℃で液体であって沸点が250℃以下の化合物とを含む、インプリント用下層膜形成用組成物であって、
    前記インプリント用下層膜形成用組成物に含まれる化合物αの総含有量が化合物βの総含有量よりも多く、
    前記23℃で液体であって沸点が250℃以下の化合物の含有量が前記インプリント用下層膜形成用組成物の99.0質量%以上であり、
    前記インプリント用下層膜形成用組成物中、23℃で液体であって沸点が250℃以下の化合物を除いた成分からなる組成物の23℃における粘度が5〜1000mPa・sであり、
    前記化合物βよりも表面張力が大きく、前記化合物αよりも表面張力が小さいインプリント用硬化性組成物の下層膜に用いる、インプリント用下層膜形成用組成物。
  2. 前記インプリント用硬化性組成物の表面張力がインプリント用下層膜形成用組成物の23℃で液体であって沸点が250℃以下の化合物を除いた成分からなる組成物の表面張力よりも大きい、請求項1に記載のインプリント用下層膜形成用組成物。
  3. 前記インプリント用下層膜形成用組成物の23℃で液体であって沸点が250℃以下の化合物を除いた成分からなる組成物の表面張力が、38.0mN/m以下である、請求項2に記載のインプリント用下層膜形成用組成物。
  4. インプリント用硬化性組成物の最大量成分とインプリント用下層膜形成用組成物の23℃で液体であって沸点が250℃以下の化合物を除いた成分からなる組成物の最大量成分とのハンセン溶解度パラメータ間距離である|ΔHSP|が4.5以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のインプリント用下層膜形成用組成物;
    ΔHSP=(4.0×ΔD2+ΔP2+ΔH20.5
    ΔD:インプリント用硬化性組成物の最大量成分とインプリント用下層膜形成用組成物の23℃で液体であって沸点が250℃以下の化合物を除いた成分からなる組成物の最大量成分のHSPベクトルの分散項成分の差;
    ΔP:インプリント用硬化性組成物の最大量成分とインプリント用下層膜形成用組成物の23℃で液体であって沸点が250℃以下の化合物を除いた成分からなる組成物の最大量成分のHSPベクトルの極性項成分の差;
    ΔH:インプリント用硬化性組成物の最大量成分とインプリント用下層膜形成用組成物の23℃で液体であって沸点が250℃以下の化合物を除いた成分からなる組成物の最大量成分のHSPベクトルの水素結合項成分の差。
  5. 前記化合物βが、表面張力が38.0mN/m以下の化合物を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載のインプリント用下層膜形成用組成物。
  6. 前記化合物βの総含有量が、インプリント用下層膜形成用組成物の23℃で液体であって沸点が250℃以下の化合物を除いた成分からなる組成物の45質量%以下である請求項1〜5のいずれか1項に記載のインプリント用下層膜形成用組成物。
  7. インプリント用下層膜形成用組成物中の23℃で液体であって沸点が250℃以下の化合物を除いた成分からなる組成物に含まれる少なくとも1種がインプリント用硬化性組成物との結合性基を有する化合物である、請求項1〜6のいずれか1項に記載のインプリント用下層膜形成用組成物。
  8. インプリント用下層膜形成用組成物中の23℃で液体であって沸点が250℃以下の化合物を除いた成分からなる組成物に含まれる少なくとも1種が芳香族環を含む化合物である、請求項1〜7のいずれか1項に記載のインプリント用下層膜形成用組成物。
  9. 前記インプリント用下層膜形成用組成物が光重合開始剤を含む、請求項1〜8のいずれか1項に記載のインプリント用下層膜形成用組成物。
  10. 化合物αと、化合物βと、23℃で液体であって沸点が250℃以下の化合物とを含む、インプリント用下層膜形成用組成物と、インプリント用硬化性組成物を有するキットであって、
    前記インプリント用下層膜形成用組成物に含まれる化合物αの総含有量が化合物βの総含有量よりも多く、
    前記23℃で液体であって沸点が250℃以下の化合物の含有量が前記インプリント用下層膜形成用組成物の99.0質量%以上であり、
    前記インプリント用下層膜形成用組成物中、23℃で液体であって沸点が250℃以下の化合物を除いた成分からなる組成物の23℃における粘度が5〜1000mPa・sであり、
    前記インプリント用硬化性組成物は、前記化合物βよりも表面張力が大きく、前記化合物αよりも表面張力が小さいキット。
  11. 前記インプリント用硬化性組成物の表面張力がインプリント用下層膜形成用組成物の23℃で液体であって沸点が250℃以下の化合物を除いた成分からなる組成物の表面張力よりも大きい、請求項10に記載のキット。
  12. 前記インプリント用下層膜形成用組成物の23℃で液体であって沸点が250℃以下の化合物を除いた成分からなる組成物の表面張力が、38.0mN/m以下である、請求項11に記載のキット。
  13. インプリント用硬化性組成物の最大量成分とインプリント用下層膜形成用組成物の23℃で液体であって沸点が250℃以下の化合物を除いた成分からなる組成物の最大量成分とのハンセン溶解度パラメータ間距離である|ΔHSP|が4.5以下である、請求項10〜12のいずれか1項に記載のキット;
    ΔHSP=(4.0×ΔD2+ΔP2+ΔH20.5
    ΔD:インプリント用硬化性組成物の最大量成分とインプリント用下層膜形成用組成物の23℃で液体であって沸点が250℃以下の化合物を除いた成分からなる組成物の最大量成分のHSPベクトルの分散項成分の差;
    ΔP:インプリント用硬化性組成物の最大量成分とインプリント用下層膜形成用組成物の23℃で液体であって沸点が250℃以下の化合物を除いた成分からなる組成物の最大量成分のHSPベクトルの極性項成分の差;
    ΔH:インプリント用硬化性組成物の最大量成分とインプリント用下層膜形成用組成物の23℃で液体であって沸点が250℃以下の化合物を除いた成分からなる組成物の最大量成分のHSPベクトルの水素結合項成分の差。
  14. 前記化合物βが、表面張力が38.0mN/m以下の化合物を含む、請求項10〜13のいずれか1項に記載のキット。
  15. 前記化合物βの総含有量が、インプリント用下層膜形成用組成物の23℃で液体であって沸点が250℃以下の化合物を除いた成分からなる組成物の45質量%以下である請求項10〜14のいずれか1項に記載のキット。
  16. インプリント用下層膜形成用組成物中の23℃で液体であって沸点が250℃以下の化合物を除いた成分からなる組成物に含まれる少なくとも1種がインプリント用硬化性組成物との結合性基を有する化合物である、請求項10〜15のいずれか1項に記載のキット。
  17. インプリント用下層膜形成用組成物中の23℃で液体であって沸点が250℃以下の化合物を除いた成分からなる組成物に含まれる少なくとも1種が芳香族環を含む化合物である、請求項10〜16のいずれか1項に記載のキット。
  18. 前記インプリント用下層膜形成用組成物が光重合開始剤を含む、請求項10〜17のいずれか1項に記載のキット。
  19. 請求項10〜18のいずれか1項に記載のキットから形成される積層体であって、
    前記インプリント用下層膜形成用組成物から形成された下層膜と、前記インプリント用硬化性組成物から形成され、前記下層膜の表面に位置するインプリント層とを有する、積層体。
  20. 請求項10〜18のいずれか1項に記載のキットを用いて積層体を製造する方法であって、前記インプリント用下層膜形成用組成物から形成された下層膜の表面に、インプリント用硬化性組成物を適用することを含む、積層体の製造方法。
  21. 前記インプリント用硬化性組成物は、インクジェット法により、前記下層膜の表面に適用する、請求項20に記載の積層体の製造方法。
  22. さらに、前記インプリント用下層膜形成用組成物を基板上に層状に適用する工程を含み、前記層状に適用したインプリント用下層膜形成用組成物を40〜70℃で、加熱することを含む、請求項20または21に記載の積層体の製造方法。
  23. 請求項10〜18のいずれか1項に記載のキットを用いて硬化物パターンを製造する方法であって、基板上に、インプリント用下層膜形成用組成物を適用して下層膜を形成する下層膜形成工程と、前記下層膜の表面に、インプリント用硬化性組成物を適用する適用工程と、前記インプリント用硬化性組成物と、パターン形状を転写するためのパターンを有するモールドとを接触させるモールド接触工程と、前記インプリント用硬化性組成物に光を照射して硬化物を形成する光照射工程と、前記硬化物と前記モールドとを引き離す離型工程と、を有する硬化物パターンの製造方法。
  24. 請求項23に記載の製造方法により硬化物パターンを得る工程を含む、回路基板の製造方法。
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