JP2019061872A - 蓄電池状態監視システム及び蓄電池装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】蓄電池群の測定データの取得のための無線通信の際に、信号の干渉や輻輳を低減でき、正しい測定データを確実に取得できる技術を提供する。【解決手段】蓄電池状態監視システムは、蓄電池5と子機4(測定通信装置)とを備える複数の蓄電池装置6と、子機4に無線通信接続される親機3とを備える。子機4は、蓄電池5のパラメータを測定し、測定データを記憶する。親機3は、複数の蓄電池装置6のうち取得対象の蓄電池装置6(子機4)を指定した測定データ要求信号701を送信する。子機4は、受信した測定データ要求信号701において、自機が取得対象として指定されている場合には、測定データを含む測定データ応答信号702を送信し、指定されていない場合には、自機を応答禁止状態として、測定データ応答信号702を送信しないようにする。【選択図】図7

Description

本発明は、蓄電池の状態を監視する蓄電池状態監視システム等の技術に関し、特に、バックアップや出力変動等の用途で常に機器に接続された蓄電池に通電して状態を推定する技術に関する。
常時稼働の必要がある重要な機器やシステムでは、無停電電源装置(UPS:Uninterruptible Power Supply)や電力制御装置(PCS:Power Conditioning System)等の機器やシステムが用いられる場合がある。例えば、停電や瞬断等、商用電源(電力系統)からの電力供給が途絶えた場合、あるいはその電力を利用しない場合やできない場合(総称して「非常時等」と記載する場合がある)が発生し得る。その非常時等の場合でも、顧客拠点の機器やシステム等の負荷に電力供給を継続できるように、UPSやPCS等の機器やシステム(制御電源装置と記載する場合がある)が用いられる。制御電源装置には、蓄電池群を備える電源装置が接続または内蔵されている。電源装置及び制御電源装置等を含むシステムを、蓄電池システムと記載する場合がある。電源装置の蓄電池群は、制御電源装置を通じて、顧客拠点の機器等の負荷に常に接続されている。蓄電池群は、非常時等に負荷に対して供給するための電力を蓄積する。蓄電池群は、通常時には、制御電源装置の制御に基づいて、商用電源からの供給電力によって充電の動作が行われる。蓄電池群は、非常時等には、制御電源装置の制御に基づいて、負荷への放電の動作が行われる。
蓄電池は、非動作状態でも経年劣化する。一般的に、周囲温度が高いほど劣化が進むことが知られている。蓄電池の劣化による寿命や故障等が原因で、蓄電池の正常な放電等の動作が行われない事態が発生し得る。従って、蓄電池群を備える機器やシステムでは、その事態の発生を回避できるように、蓄電池群の状態監視等を行う方式の適用が有効である。蓄電池状態監視システムは、蓄電池群の状態を監視し、各蓄電池の充電状態や寿命を推定し、劣化や異常等を判定、検出し、ユーザに対して通知する。
上記蓄電池状態監視システム等に係わる先行技術例として、特開2005−26153号公報(特許文献1)が挙げられる。特許文献1には、蓄電池監視システムとして、複数の蓄電池からなる組電池の温度を検出し、各単電池の電圧や内部抵抗を測定し、これらの検出結果及び測定結果に応じて単電池の寿命を判定する旨が記載されている。また、特許文献1には、蓄電池監視ユニットの制御部から、判定結果等の情報を、インタフェースを介して、遠隔監視装置等に伝送や報知する旨が記載されている。
特開2005−26153号公報
従来技術例の蓄電池状態監視システムでは、蓄電池に通電して蓄電池の電圧、温度、内部抵抗等の所定のパラメータを測定する。そのシステムでは、それらの測定データを用いて、蓄電池の状態の推定や判定を行う。その際、なるべく高精度に推定等を行うためには、多数の各蓄電池の測定データを速やかに正しく取得する必要がある。このシステムでは、蓄電池の状態を測定して測定データを取得するための手段として、蓄電池に測定通信装置が設置される。測定通信装置は、蓄電池の電圧等のパラメータを測定する測定機能と、測定データを外部の上位の装置へ送信する通信機能とを有する。なお、測定装置と通信装置とで別体でもよい。
従来技術例の蓄電池状態監視システムでは、更に、蓄電池の測定通信装置としての無線通信子機と、その上位の装置としての無線通信親機とが設けられ、それらが無線通信を行う。例えば、子機は、測定タイミングで測定を行い、測定データを記憶する。親機は、子機と無線通信して子機から測定データを取得する。この方式では、複数の蓄電池を並行的に測定し、各蓄電池の測定データを、上位の装置へ収集できる。上位の装置は、収集した測定データを用いて各蓄電池の状態の推定等を行うことができる。
電源装置では、所定の空間内の比較的近接位置に多数の蓄電池が配置されている場合が多い。上記のように、蓄電池の測定通信装置として無線通信子機を用いる場合、所定の空間内の比較的近接位置に多数の子機が配置されることになる。このシステムでは、近距離/短距離の無線電波送信が行われる。そのため、親機と複数の子機との間で、測定データ等の信号を授受する際に、複数の信号が干渉や輻輳する場合がある。例えば、親機から子機へ測定データ要求信号を送信した場合に、複数の子機が反応して複数の測定データ応答信号が親機へ送信される。これにより、複数の信号が干渉や輻輳し、親機が速やかに正しい測定データを取得できない場合がある。その結果、上位の装置で蓄電池の状態の推定等の処理に用いるための正しい測定データが減るため、推定等の精度が低下する。即ち、蓄電池状態監視システムによる監視の精度が低下する。
上記のように、従来技術例の蓄電池状態監視システムでは、蓄電池群の測定データの取得のための無線通信を行う場合に、確実性や通信効率、監視精度等の観点で課題がある。
本発明の目的は、蓄電池状態監視システムの技術に関して、蓄電池群の測定データの取得のための無線通信の際に、信号の干渉や輻輳を低減でき、正しい測定データを確実に取得でき、監視精度を高めることができる技術を提供することである。
本発明のうち代表的な実施の形態は、蓄電池状態監視システム等であって、以下に示す構成を有することを特徴とする。
一実施の形態の蓄電池状態監視システムは、1つ以上の蓄電池と前記1つ以上の蓄電池に接続された測定通信装置とを備える複数の蓄電池装置と、前記複数の蓄電池装置における複数の測定通信装置の各々を子機として無線通信接続される親機である1つ以上の通信装置と、前記1つ以上の通信装置に対して通信接続されるサーバ装置と、を備え、前記測定通信装置は、前記1つ以上の蓄電池のパラメータを測定し、測定値を含む測定データを記憶する測定手段と、前記通信装置から信号を受信し、前記測定データを含む信号を、前記通信装置へ送信する通信手段と、を有し、前記通信装置は、前記複数の蓄電池装置のうち取得対象の蓄電池装置を指定した測定データ要求信号を送信し、前記取得対象の蓄電池装置から取得した前記測定データを、前記サーバ装置へ送信し、前記サーバ装置は、前記通信装置から取得した前記測定データを用いて、前記蓄電池の状態の監視処理を行い、監視情報をユーザに対して出力し、前記測定通信装置は、受信した前記測定データ要求信号において、自機が取得対象として指定されている場合には、前記測定データを含む測定データ応答信号を、前記通信装置へ送信し、指定されていない場合には、自機を応答禁止状態にして、前記測定データ応答信号を前記通信装置へ送信しないようにする。
本発明のうち代表的な実施の形態によれば、蓄電池群の測定データの取得のための無線通信の際に、信号の干渉や輻輳を低減でき、正しい測定データを確実に取得でき、監視精度を高めることができる。
本発明の実施の形態の蓄電池状態監視システムの構成を示す図である。 実施の形態で、クラウドサーバ及び統括親機の構成を示す図である。 実施の形態で、親機及び子機の構成を示す図である。 実施の形態で、無線通信網の第1構成を示す図である。 実施の形態の変形例で、無線通信網の第2構成を示す図である。 実施の形態に対する比較例における、無線通信網の構成を示す図である。 実施の形態で、無線通信の概要を示す図である。 実施の形態で、無線通信のシーケンス例を示す図である。 実施の形態で、無線通信のスケジュール設定例を示す図である。 実施の形態で、測定データの測定及び取得タイミング等を示す図である。 実施の形態で、無線通信のスケジュール及び周波数の設定例を示す図である。 実施の形態で、クラウドサーバの処理のフローを示す図である。 実施の形態で、統括親機の処理のフローを示す図である。 実施の形態で、親機の処理のフローを示す図である。 実施の形態で、子機の処理のフローを示す図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において同一部には原則として同一符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
(実施の形態)
図1〜図15を用いて、本発明の実施の形態の蓄電池状態監視システム及び蓄電池装置等について説明する。
[蓄電池状態監視システム(1)]
図1は、実施の形態の蓄電池状態監視システムの全体の構成を示す。実施の形態の蓄電池状態監視システムは、クラウドサーバ1及びDB100と、顧客拠点毎の複数の各々の蓄電池システムと、顧客毎の複数の各々のユーザ端末9とを有し、それらが広域通信網90を通じて接続されている。顧客拠点毎の蓄電池システムは、拠点制御装置20、複数の親機3(3A,3B)、電源装置40、制御電源装置60等を有し、それらが通信網70及び無線通信網80を通じて接続されている。拠点制御装置20は、ゲートウェイサーバ21及び統括親機2を含む。電源装置40は、複数(例えばn個)の蓄電池5による蓄電池群50と、複数(例えばm個)の子機4とを含む。蓄電池5と子機4とを含む部分は、測定通信装置付き蓄電池である蓄電池装置6である。言い換えると、電源装置40は、複数の蓄電池装置6を備える。
クラウドサーバ1は、言い換えると監視処理装置であり、監視処理を行うサーバ装置である。このサーバ装置は、OSやミドルウェア上に、クラウドサーバ1としての機能を実現するサーバプログラム等が実装されている。クラウドサーバ1は、拠点制御装置20を通じて各顧客拠点から収集した測定データに基づいて、各電源装置40の各蓄電池5の状態を推定や判定する監視処理を行う。クラウドサーバ1は、監視処理の結果、蓄電池5の状態等を表す監視情報を記録、出力する。クラウドサーバ1には、DB100が接続されている。DB100には、監視処理のための設定情報や測定データ、監視情報等が格納される。広域通信網90上には事業者のクラウドコンピューティングシステムを有し、クラウドコンピューティングシステムにおいてクラウドサーバ1及びDB100を含む。広域通信網90は、インターネット等を含み、クラウドサーバ1、ゲートウェイサーバ21、ユーザ端末9等が接続されている。なお、DB100は、DBサーバ等で構成されてもよいし、クラウドサーバ1のサーバ機器内に構成されてもよい。
クラウドサーバ1は、電源装置40の各蓄電池5の温度、電圧、内部抵抗等の測定データを取得し、測定データに基づいて、蓄電池5の劣化の度合いや傾向を判定し、蓄電池5の充電状態(SOC:state of charge)や寿命等を推定する。クラウドサーバ1は、判定に基づいて蓄電池5の異常や障害を検出する。なお、判定や推定等の処理の方式については特に限定しない。クラウドサーバ1は、ユーザからの指示等を受け付け、監視情報をユーザに出力するための、ユーザインタフェースを有する。
ユーザ端末9は、顧客拠点の管理者等のユーザが使用するPC等の任意の端末装置であり、Webブラウザやメールクライアント等を備える。ユーザは、ユーザ端末9を操作して、クラウドサーバ1や統括親機2に対する指示や設定の作業が可能である。ユーザは、ユーザ端末9を通じて、クラウドサーバ1や統括親機2から、設定情報や監視情報を参照可能である。例えば、ユーザ端末9のWebブラウザのWebページ画面には、設定情報や監視情報等が表示される。ユーザ端末9は、統括親機2等に接続される専用端末装置としてもよい。統括親機2にユーザインタフェース機能が実装された形態でもよい。
顧客拠点毎に、図示しないが顧客の機器やシステム(一例としては銀行システム)等の負荷を有する。顧客拠点毎に、蓄電池状態監視システムの一部を構成する蓄電池システムを有する。蓄電池システムは、拠点制御装置20、電源装置40、制御電源装置60を含む。電源装置40の蓄電池群50は、制御電源装置60を通じて、負荷及び電力系統(商用電源)に電気的接続されている。蓄電池システムは、顧客の機器やシステムのバックアップ等のために用いられる。即ち、停電等の非常時等には、制御電源装置60の制御を通じて、電源装置40の蓄電池群50から負荷へ放電による電力が供給される。また、停電からの復帰時等、通常時には、制御電源装置60の制御を通じて、電力系統から蓄電池群50へ電力が供給されて充電が行われる。通常時には、充電によって、蓄電池5の充電状態(SOC)が100%に近付けられる。
拠点制御装置20は、顧客拠点毎の蓄電池システムにおける制御を行う部分であり、クラウドサーバ1との連携や、下位の装置である親機3に対する制御を行う。ゲートウェイサーバ21は、広域通信網90及び統括親機2に対する通信インタフェースを有し、統括親機2との通信に基づいてクラウドサーバ1との通信を行う。なお、ゲートウェイサーバ21と統括親機2とが1つの拠点制御装置20として実装された形態でもよい。
統括親機2は、顧客拠点の蓄電池システムにおける複数の親機3(3A,3B)を統括する装置である。統括親機2は、例えば専用のサーバ機器で構成される。このサーバ機器は、OSやミドルウェア上に、統括親機2としての機能を実現するアプリケーションプログラム(サーバプログラム)等が実装されている。統括親機2は、ゲートウェイサーバ21及び通信網70に対する通信インタフェースを有し、クラウドサーバ1や親機3との通信処理を行う。通信網70には、統括親機2、複数の親機3、及び制御電源装置60が接続されている。通信網70は、有線または無線のLAN、専用線等である。実施の形態では、通信網70は、有線LANであり、例えばEthernet(登録商標)を用いる。なお、通信網70における有線/無線等の通信規格やプロトコルは、特に限定されず、公知技術を適用できる。
親機3は、無線通信網80における無線通信親機であり、言い換えると、統括親機2と子機4との間に配置された中継装置である。親機3は、統括親機2との通信インタフェース、及び子機4との無線通信インタフェースを備える。親機3は、統括親機2と通信を行い、統括親機2からの指示等の信号の受信や、統括親機2への測定データ等の信号の送信を行う。また、親機3は、関係付けられる複数の子機4と無線通信を行い、各子機4への要求信号等の送信や、各子機4からの測定データ等の応答信号の受信を行う。
実施の形態では、複数の親機3として、2台の親機3A,3Bを有する。後述するが(図4)、複数の親機3は、複数の子機4に対し、所定の対応関係で接続される。実施の形態では、無線通信網80における親機3と子機4との無線通信は、後述する所定の方式で行われる(図7)。これにより、無線通信における複数の信号の干渉や輻輳を低減し、親機3が複数の子機4から正しい測定データをより確実に取得できるようにする。
無線通信網80は、WPAN(Wireless Personal Area Network)であり、言い換えると近距離/短距離無線通信網である。実施の形態では、無線通信網80は、通信規格として、IEEE802.15.4に準拠する。空間内で比較的近接位置に複数の蓄電池5及び複数の子機4が配置されている。隣接する蓄電池5及び隣接する子機4の間隔は比較的狭い。WPANでは、近距離/短距離の無線通信が行われ、低消費電力を実現できる。
電源装置40は、複数(n個)の蓄電池5による蓄電池群50、及び複数(m個)の子機4を備える。蓄電池群50は、例えば直列接続された複数の蓄電池5から成る組電池である。なお、蓄電池群50は、更に、並列接続された組電池から構成されてもよい。実施の形態では、蓄電池5は、鉛蓄電池であるが、他の種類の蓄電池も適用可能である。本例では、顧客拠点に1つの電源装置40を備えるが、複数を備えてもよい。
各蓄電池5には、子機4が設置されている。子機4は、蓄電池5の所定の位置(例えば蓋部)に固定して設置されている。子機4は、所定数の蓄電池5毎に関係付けて設置されている。子機4は、測定対象の蓄電池5の端子に対して電線を通じて接続されている。実施の形態では、蓄電池5に対し子機4が一対一の関係で設置されている(m=nである)。即ち、1個の蓄電池5と1個の子機4とが接続されて、1個の蓄電池装置6が構成されている。測定通信装置付き蓄電池である蓄電池装置6は、測定機能及び無線通信機能を有する。
なお、子機4は、所定の複数の子機4から成るグループ毎に1つが設置されてもよい。例えば、所定の複数個の蓄電池5の直列接続による単位(蓄電池ブロック)毎に1つの子機4が設置されてもよい。子機4の設置数は、蓄電池5の電圧、蓄電池状態監視システムのコストや消費電力、実現したい監視精度、等の観点に応じて選択される。
子機4は、無線通信網80における無線通信子機であり、測定通信装置である。子機4は、蓄電池5の所定のパラメータを測定する測定機能を有し、所定の測定タイミングで測定を行い、測定データを記憶する。子機4は、親機3との無線通信を行う無線通信機能を有し、親機3からの測定データ要求信号に対し、測定データ応答信号を送信する。
なお、実施の形態の変形例として、子機4は、測定装置と通信装置とで構成されてもよい。その場合、測定装置は、蓄電池5を測定し、通信装置は、測定装置から測定データを取得して親機3へ送信する。
制御電源装置60は、電力制御装置(PCS)、無停電電源装置(UPS)、または直流電源装置等である。制御電源装置60は、電源装置40の蓄電池群50に接続されており、負荷及び電力系統に接続されている。負荷は、顧客拠点の機器やシステム等の電気的負荷であり、一例としては銀行システムが挙げられる。制御電源装置60は、停電等の状態を検出し、その状態に応じて、電源装置40の蓄電池群50から負荷への放電の動作や、電力系統から蓄電池群50への充電の動作を制御する。制御電源装置60は、基本的な制御として、電源装置40の蓄電池群50の充電状態(SOC)を100%に維持する。制御電源装置60は、例えば、停電の検出時に、蓄電池群50から負荷への放電を開始させ、停電からの復帰の検出時に、電力系統から蓄電池群50への充電を開始させる。充電状態(SOC)の値(%)は、放電に伴い低下し、充電に伴い増加する。
制御電源装置60は、上記のような制御機能を有するので、電源装置40の蓄電池群50の充電及び放電の有無やタイミング、その時に蓄電池群50に流れる電流値等を把握する機能を有する。制御電源装置60は、充電及び放電のタイミングや電流値等の情報(充放電情報と記載する)を出力する。例えば、制御電源装置60は、充放電情報を、通信網70を介して統括親機2へ通知する。あるいは、統括親機2は、通信網70を介して制御電源装置60にアクセスして充放電情報を取得できる。統括親機2やクラウドサーバ1は、充放電情報に基づいて、測定や測定データ取得を制御する。クラウドサーバ1は、充電や放電の際の電流値を取得して、蓄電池5の直流抵抗値を計算する。
なお、電源装置40と制御電源装置60とが1つの装置として併合されていてもよい。子機4の測定機能の一部として蓄電池5の電流値を測定する機能を有してもよい。
[蓄電池状態監視システム(2)]
図1の蓄電池状態監視システムでの主な機能は以下である。蓄電池状態監視システムの拠点制御装置20は、電源装置40の各蓄電池5の状態を監視、把握する。更に、拠点制御装置20とクラウドサーバ1とが連携することで、クラウドサーバ1は、複数の各々の顧客拠点毎の蓄電池システムにおける電源装置40の各蓄電池5の状態を、一元的に監視、把握する。クラウドサーバ1は、複数の顧客拠点の設定情報、測定データ、監視情報等を一元管理する。
蓄電池状態監視システムは、蓄電池群50の各蓄電池5について、子機4を用いて、自動的に、通電した状態で所定のパラメータを測定する。子機4は、蓄電池5の温度、電圧、内部抵抗(特にインピーダンス)について、所定の測定周期の測定タイミングで測定し、測定データを記憶する。蓄電池状態監視システムは、親機3や統括親機2を用いて、自動的に、測定データを取得する。親機3は、所定の取得周期の取得タイミングで、子機3から測定データを取得する。そして、蓄電池状態監視システムは、クラウドサーバ1を用いて、収集した測定データに基づいて各蓄電池5の状態を判定や推定し、監視情報を出力する。
クラウドサーバ1は、統括親機2から測定データを取得、収集し、DB100に格納する。クラウドサーバ1は、DB100の測定データ等に基づいて、電源装置40の各蓄電池5の状態の判定や推定等の監視処理を行い、その結果である監視情報をDB100に格納する。クラウドサーバ1は、監視情報をユーザに対して出力する。
クラウドサーバ1は、測定データの複数のパラメータの測定値または計算値に基づいて、所定の方式で、蓄電池5の劣化度合いや劣化傾向を多面的に判定し、蓄電池5の充電状態や寿命を推定する。また、クラウドサーバ1は、蓄電池5の劣化度合いや劣化傾向に基づいて、蓄電池5の故障や異常を判定する。また、クラウドサーバ1は、蓄電池5の余寿命を計算し、寿命が到来するよりも前の交換時期を計算する。クラウドサーバ1は、監視処理の際には、所定の時間関数の計算式やテーブルを用いて判定や推定の処理を行う。
クラウドサーバ1は、蓄電池5の状態の監視処理の結果を表す監視情報を作成し、DB100に、対応する測定データと関係付けて記録する。監視情報は、顧客拠点毎に、電源装置40の各蓄電池5のIDや位置、充電状態(SOC)、寿命、余寿命、交換時期、その他の関連情報を含む。
クラウドサーバ1は、監視情報を、ユーザインタフェースを介して、ユーザに対して出力する。クラウドサーバ1は、蓄電池5毎の状態をユーザに対して出力する。クラウドサーバ1は、蓄電池5の寿命や交換時期等をユーザに対して通知する。特に、クラウドサーバ1は、蓄電池5の故障や異常を検知した場合や、蓄電池5の寿命や交換時期が到来したと判定した場合には、その旨のアラートを即時に出力する。クラウドサーバ1は、例えば、監視情報を含むWebページを、ユーザ端末9のWebブラウザからのアクセスに対して提供する。あるいは、クラウドサーバ1は、監視情報を含むメールを、ユーザ端末9に送信する。クラウドサーバ1は、監視情報や測定データを、グラフ等の形式で作成して出力してもよい。ユーザは、監視情報及び必要に応じて測定データ等を参照することで、顧客拠点の電源装置40の各蓄電池5の状態を確認でき、蓄電池5の寿命時期や交換時期を前もって知ることができる。ユーザは、蓄電池5の交換時期に早めに新品の蓄電池との交換の対応を行うことができる。
統括親機2は、クラウドサーバ1からの指示に基づいて、複数の親機3からの測定データの取得、収集に係わるスケジュールを設定し、そのスケジュール情報を、クラウドサーバ1や親機3へ送信する。統括親機2は、スケジュールに従って、複数の親機3から測定データを取得する。なお、他の実施の形態としては、クラウドサーバ1がスケジュールを作成、設定してもよい。
親機3は、取得周期やスケジュールの設定、または上位からの測定取得指示に基づいて、複数の子機4との無線通信で測定データを取得し、統括親機2へ送信する。親機3は、測定項目(パラメータ)毎に、取得周期の取得タイミングで、測定データ要求信号を子機4へ送信する。親機3は、複数の子機4から取得対象を順次に指定して逐次的に測定データを取得する。
子機4は、測定周期及び通信周期の設定、または上位からの測定取得指示に基づいて、パラメータ毎に、測定周期(例えば常時測定)の測定タイミングで、蓄電池5のパラメータを測定し、測定データを記憶する。子機4は、通信周期のタイミングで、常時計測値に基づいた平均値等の測定データを記憶する。子機4は、親機3からの自機が指定された測定データ要求信号を受信した場合には、記憶しておいた測定データを含む測定データ応答信号を送信する。子機4は、測定取得指示の信号を受信した場合には、その時点で即時に測定を行い、測定データを含む信号を親機3へ送信する。
[蓄電池状態監視システム(3)]
図1では、蓄電池状態監視システムの主な通信や動作に関するステップA1〜A9も示している。必要に応じて、クラウドサーバ1から、拠点制御装置20(統括親機2)、親機3を通じて、子機4(蓄電池装置6)へと順に通信が行われる(ステップA2,A3,A4)。また、必要に応じて、その逆方向の通信が行われる(ステップA5,A6,A7)。クラウドサーバ1から下位の装置への通信は、種類として、設定、測定取得指示、測定データ取得要求等がある。設定は、測定周期、通信周期や取得周期等の設定がある。測定取得指示は、任意時点でのユーザ指示入力に基づいて即時に測定及び測定データ取得を行うための指示である。測定データ取得要求は、子機4で測定済みの測定データの取得要求である。
ステップA1は、ユーザ端末9からクラウドサーバ1(または統括親機2)への設定や指示等の通信を示す。ステップA2は、クラウドサーバ1から統括親機2への通信を示す。例えば、クラウドサーバ1は、設定またはユーザ指示入力に従って、統括親機2に設定や指示の信号を送信する。ステップA3は、統括親機2から親機3への通信を示す。例えば、統括親機2は、クラウドサーバ1からの設定や指示に基づいて、設定や指示の信号を親機3へ送信する。統括親機2は、スケジュールを設定し、そのスケジュール情報を親機3へ送信する。
ステップA4は、親機3から子機4への通信を示す。例えば、親機3は、統括親機2からの設定指示に基づいて、設定指示のための信号を子機4へ送信する。親機3は、統括親機2からの測定取得指示に基づいて、測定取得指示の信号を子機4へ送信する。親機3は、スケジュールに基づいて、複数の各子機4へ測定データ要求信号を送信する。その際、親機3は、特定の子機4を取得対象として指定した測定データ要求信号を送信する。
ステップA5は、子機4から親機3への通信を示す。例えば、子機4は、親機3からの測定データ要求信号に応じて、親機3へ測定データ応答信号を送信する。その際、子機4は、測定データ要求信号で自機が指定されている場合には、測定データ応答信号を親機3へ送信する。子機4は、測定データ要求信号で自機が指定されていない場合には、応答禁止状態とされ、測定データ応答信号等を送信しない。
ステップA6は、親機3から統括親機2への通信を示す。例えば、親機3は、子機4から取得し記憶した測定データを含む信号を、統括親機2へ送信する。ステップA7は、統括親機2からクラウドサーバ1への通信を示す。例えば、統括親機2は、親機3から取得し記憶した測定データを、クラウドサーバ1へ送信する。統括親機2は、設定したスケジュール情報を、クラウドサーバ1へ送信する。ステップA8は、クラウドサーバ1からDB100へのアクセスを示す。例えば、クラウドサーバ1は、設定情報や測定データや監視情報をDB100に格納する。クラウドサーバ1は、DB100から設定情報や測定データや監視情報を参照する。
ステップA9は、クラウドサーバ1等からユーザ端末9への通信を示す。例えば、クラウドサーバ1は、ユーザ端末9からのアクセスに応じて、設定情報や監視情報のWebページを、ユーザ端末9へ提供する。クラウドサーバ1は、蓄電池5の状態に応じたアラート等を、ユーザ端末9へ通知する。
なお、上位の装置から親機3や子機4へ与える他の種類の信号として、装置起動指示(電源オン指示)や装置停止指示(電源オフ指示)等を設けてもよい。その場合、遠隔で上位の装置から下位の各装置の状態を切り替え可能である。
[蓄電池状態監視システム(4)]
図1の蓄電池状態監視システムで、主な設定やその設定動作については以下である。設定は、蓄電池状態監視システムの機能及び動作に関する設定がある。この設定は、事業者による固定の設定(システム設計事項)としてもよいし、あるいはユーザ設定機能によるユーザ設定を可能としてもよい。実施の形態では、ユーザ設定機能を提供し、各種の設定を可能とする。ユーザがユーザ端末9から可変に設定可能とする。
基本設定項目として、顧客拠点毎の電源装置40、統括親機2、親機3、子機4(蓄電池装置6)、蓄電池5等の各要素についてのIDや通信アドレス等の情報を含む。また、設定の1つとして、蓄電池5と子機4との対応関係の設定や、親機3と子機4との対応関係の設定を含む、階層構成の設定が可能である。また、蓄電池5のグループや子機4のグループの設定が可能である。複数の蓄電池5や複数の子機4(蓄電池装置6)を、所望の適切な数や率でグルーピングする設定が可能である。例えば、子機グループ毎に測定周期や測定タイミングを設定可能である。例えば、ある子機グループ内の複数の子機4では同じ測定タイミングとし、異なる子機グループ間では異なる測定タイミングになるように設定可能である。
設定項目の1つとして、複数の子機4での測定周期及び通信周期がある。蓄電池5の測定項目(パラメータ)毎に測定周期及び通信周期等が設定可能である。設定例としては、電圧及び温度の常時測定の測定周期が例えば1秒毎であり、電圧及び温度の通信周期が5分であり、内部抵抗(インピーダンス)の測定周期及び通信周期が1日である。通信周期は、測定値に基づいて平均値等を計測し、子機4から親機3へ測定データを通信する際の時間間隔である。通信周期は、取得周期と対応させて設定される。
設定項目の1つとして、親機3と子機4との間の測定データの取得周期がある。取得周期は、親機3が子機4から測定データを取得する際の時間間隔である。取得周期は、広く言えば、クラウドサーバ1及び統括親機2が、親機3を介して子機4から測定データを取得、収集する時間間隔である。パラメータ毎に取得周期等が設定可能である。取得周期の設定例としては、電圧及び温度の測定データの取得周期が5分であり、内部抵抗(インピーダンス)の測定データの取得周期が1日である。
なお、子機4の通信周期と親機3の取得周期とを同じ値に設定することも、異なる値に設定すること(即ち通信周期よりも取得周期が長い設定)も可能である。後者の設定の場合、ある取得タイミングでは、前回の取得タイミング以後に測定された測定データがまとめて取得される。
設定項目の1つとして、子機4での測定の際の測定周波数がある。後述の内部抵抗の測定周波数として3種類の周波数が設定可能である。また、設定項目の1つとして、親機3と子機4との無線通信の際の無線周波数がある。
他の設定項目として、子機4の動作モードを設けてもよい。これは、子機4において切り替え可能な複数の動作モードがある場合における動作モードの指定である。動作モードは、例えば通常モードや省電力モードがある。省電力モードは、非動作時には回路等の部分をスリープ状態に遷移させることで電力消費を抑制し、必要時に復帰して動作を行うように制御するモードである。通常モードは、そのようなスリープ状態の制御を行わないモードである。
図1の蓄電池状態監視システムで、設定動作例は以下である。ユーザは、ユーザ端末9からクラウドサーバ1にアクセスし、蓄電池状態監視システムの設定を行う(ステップA1)。例えば、クラウドサーバ1は、ユーザ設定機能のWebページ画面(設定画面)をユーザ端末9に提供する。ユーザは、その設定画面をみながらユーザ設定操作を行う。その設定画面では、例えば設定可能な設定項目毎に情報やボタン等が表示される。クラウドサーバ1に設定が行われた場合、設定情報がDB100に保持される。
クラウドサーバ1に対する設定に基づいて、顧客拠点の階層構成の各装置へ設定が反映される。その場合の通信概要は以下である。クラウドサーバ1は、設定情報を含む設定指示を、統括親機2へ送信する(ステップA2)。統括親機2は、その信号を受信し、自機にその設定情報を設定する。統括親機2は、顧客拠点内の設定情報を管理する。統括親機2は、複数の各親機3へ設定情報の設定指示の信号を送信する(ステップA3)。各親機3は、その信号を受信し、自機に設定情報(例えば取得周期)を設定する。親機3は、複数の各子機4へ設定情報の設定指示の信号を送信する。各子機4は、その信号を受信し、自機にその設定情報(例えば測定周期、通信周期)を設定する。
なお、実施の形態では、ユーザ端末9からクラウドサーバ1に対するユーザ設定が可能であるが、これに限らず、ユーザ端末9から統括親機2に対するユーザ設定を同様に可能としてもよい。統括親機2に設定が行われた場合、統括親機2から設定情報がクラウドサーバ1へ通知され、クラウドサーバ1がその設定情報をDB100に保持する。そして、同様に統括親機2から親機3及び子機4へ設定情報が反映される。
[蓄電池状態監視システム(5)]
図1のように、実施の形態の蓄電池状態監視システムでは、装置及び通信の階層構成としてツリー構造を有する。1つの統括親機2に対し、複数(例えば2台)の親機3(3A,3B)が接続され、1つの親機3に対し、複数(m個)の子機4が接続されている。1つの子機4には1つ以上の蓄電池5が接続されている。
顧客拠点の機器やシステムの用途や規模に応じて、蓄電池システムの各装置(蓄電池5、子機4、親機3)の数や方式が決定される。例えば、監視対象の蓄電池5の種類及び数に応じて、一対一あるいはグループ等の単位で、対応する数の子機4が設置される。また、子機4の数に応じて、対応する数の親機3が用意される。親機3の数は、後述の分担または多重化等を考慮して、2台以上とされる。複数の親機3と複数の子機4とが、所定の方式で無線通信接続される。実施の形態では、後述の第1構成(図4)を採用し、複数の親機3で複数の子機4を分担する。親機3は、後述の所定の方式(図7)で複数の子機4との無線通信を行う。
実施の形態の蓄電池状態監視システムでは、電源装置40の多数の蓄電池5に対して、多数の子機4が容易に設置可能である。無線通信網80であるため、有線ケーブルの配線等が不要であり、スペースやコストを節約できる。本システムは、有線を用いるシステムに比べて、子機4の設置の際の容易性や柔軟性が高く、結線間違い等のリスクや配線経年劣化等による不具合発生のリスクが低い。また、クラウドサーバ1で一元管理を行うため、ユーザによる設定作業が容易であり、複数の親機3や子機4への設定が容易である。
他の実施の形態として、階層構成に関して、顧客拠点の規模、蓄電池5の数や必要な監視精度等に応じて、更に階層数を増やしてもよい。例えば、親機3と子機4との間に中継装置を追加してもよい。また、親機3を1台のみとしてもよい。また、親機3と統括親機2とを1つの装置として併合し、階層数を減らした形態としてもよい。この場合、コストを低減できる。
[クラウドサーバ]
図2は、クラウドサーバ1、及び統括親機2を含む拠点制御装置20の機能ブロック構成を示す。クラウドサーバ1は、監視制御部101、測定データ収集部102、監視処理部103、インタフェース部104を有する。DB100には、設定情報111、測定データ履歴情報112、監視情報113等が格納される。クラウドサーバ1は、サーバ機器のCPU、ROM、RAM等のハードウェアに基づいてソフトウェアプログラム処理を行うことで、監視制御部101等の各部を実現する。
監視制御部101は、クラウドサーバ1の監視処理の全体を制御する。監視制御部101は、ユーザ端末9からの設定に基づいて設定情報111を格納する。監視制御部101は、設定や指示の信号を、顧客拠点の統括親機2へ送信する。監視制御部101は、任意時点でのユーザによる指示入力を受け付けて、統括親機2等の各装置を制御する。測定データ収集部102は、各顧客拠点の統括親機2から、蓄電池5の測定データを収集し、測定データ履歴情報112に格納する。監視処理部103は、測定データ履歴情報112の測定データに基づいて、各蓄電池5の状態の監視処理を行い、その結果である監視情報113を生成し、DB100に格納する。
インタフェース部104は、広域通信網90に対応する通信インタフェースを有し、統括親機2に対する通信処理を行う。インタフェース部104は、ユーザ端末9に対するユーザインタフェースを有する。インタフェース部104は、蓄電池状態監視システムの設定や指示のためのGUI画面(例えばWebページ画面)をユーザ端末9に提供する。インタフェース部104は、ユーザ端末9からのアクセスに対し、そのWebページを提供する。また、インタフェース部104は、監視情報やアラート情報を、ユーザ端末9へメール等で送信する。
設定情報111は、蓄電池状態監視システムの機能や動作に係わる各種の設定情報(例えばファイルやレジストリ)である。設定情報111は、ユーザ設定情報を含む。ユーザ設定として、クラウドサーバ1、統括親機2、親機3、及び子機4等の動作条件の設定が可能である。設定情報111は、測定項目(パラメータ)毎の測定周期、通信周期、取得周期等を含む。
測定データ履歴情報112には、各顧客拠点で統括親機2及び親機3を通じて子機4から取得、収集された、各電源装置40の各蓄電池5の測定データが記録されている。測定データ履歴情報112において、測定データ毎に、測定日時、顧客拠点情報、電源装置40のID、蓄電池5のID、子機4のID、測定項目(パラメータ)、測定値、等の情報が記載される。また、DB100には、統括親機2を通じて制御電源装置60から取得された充放電情報が、測定データ履歴情報112の測定データと関係付けて記録される。
監視情報113は、監視処理部103による監視処理結果情報として、蓄電池5の状態を表す情報であり、ユーザに対して出力するための情報を含む。監視情報113において、蓄電池5毎に、充電状態(SOC)、稼働時間、劣化度合い、寿命時期、使用可能時間、交換時期、正常/異常等の状態、等の情報が記載されている。
[統括親機2]
図2で、統括親機2は、統括制御部201、測定データ取得部202、通信インタフェース部203、通信インタフェース部204、記憶部210を有する。記憶部210には、設定情報211(スケジュール情報を含む)、測定データ212、充放電情報213等が記憶される。統括親機2は、サーバ機器のCPU等に基づいてソフトウェアプログラム処理を行うことで、統括制御部201等の各部を実現する。
統括制御部201は、統括親機2の全体の処理を制御する。統括制御部201は、クラウドサーバ1からの設定に基づいて、設定情報211を記憶部210に格納する。統括制御部201は、測定データの取得、収集に係わるスケジュール情報を作成し、設定情報211の一部として格納する。
測定データ取得部202は、複数の親機3から測定データを取得し、測定データ212として記憶部210に格納する。測定データ取得部202は、測定データ212をクラウドサーバ1に送信する。また、測定データ取得部202は、制御電源装置60から取得した充放電情報213を記憶部210に格納する。
通信インタフェース部203は、ゲートウェイサーバ21と通信し、ゲートウェイサーバ21を介してクラウドサーバ1と通信処理を行う。通信インタフェース部204は、通信網70を通じて複数の各親機3と通信処理を行う。また、通信インタフェース部204は、通信網70を通じて制御電源装置60と通信処理を行う。
設定情報211は、統括親機2自体の動作条件の設定情報や、顧客拠点毎に設定されるスケジュール情報を含む。スケジュール情報は、後述するが、複数の親機3が複数の子機4との間でどのような取得タイミングで測定データを取得するかに係わる。測定データ212は、顧客拠点の複数の親機3から取得された測定データである。充放電情報213は、制御電源装置60から得られる前述の充電や放電の有無やタイミング、電流値等を含む情報である。
[親機3]
図3は、親機3及び子機4を含む機能ブロック構成を示す。図3で、親機3は、中継制御部301、測定データ取得部302、通信インタフェース部303、無線通信インタフェース部304、記憶部310を有する。記憶部310には、設定情報311、測定データ312等が記憶される。親機3は、CPU等に基づいてソフトウェアプログラム処理を行うことで、中継制御部301等の各部を実現する。なお、親機3や子機4の各部は、専用のLSIやFPGA等の回路で実現されてもよい。
中継制御部301は、親機3の全体の処理を制御する。中継制御部301は、統括親機2からの設定指示の信号に従って、設定情報311を記憶部に格納する。測定データ取得部302は、設定及びスケジュールに従って、複数の子機4から測定データを取得し、測定データ312として記憶部310に格納する。測定データ取得部302は、測定データ312を統括親機2へ送信する。
通信インタフェース部303は、通信網70に対する通信インタフェース(有線LANインタフェース)を有し、統括親機2との通信処理を行う。無線通信インタフェース部304は、無線通信網80に対する無線通信インタフェースを有し、子機4との無線通信処理を行う。無線通信インタフェース部304は、無線電波送信のためのアンテナや回路を含む。無線通信インタフェース部304は、設定された無線周波数のチャネルで、子機4との無線通信を行う。
設定情報311は、親機3自体の動作条件の設定情報や、統括親機2から設定されるスケジュール情報を含む。測定データ312は、関係付けられる複数の子機4から取得された測定データである。
[子機4]
図3で、子機4は、測定制御部401、測定データ提供部402、無線通信インタフェース部403、記憶部410、温度測定部421、電圧測定部422、内部抵抗測定部423、正弦波発生部424等を有する。記憶部410には、設定情報411、測定データ412等が記憶される。子機4は、CPU等に基づいてソフトウェアプログラム処理を行うことで、測定制御部401等の各部を実現する。
記憶部410は、例えば内部メモリ及び外部メモリを有する。内部メモリ及び外部メモリは、例えば不揮発性半導体記憶装置等から成る。子機4は、測定データ等を、内部メモリだけでなく、外部メモリ(例えばメモリカード)にコピーや移動で格納してもよい。その場合、ユーザは、必要時に外部メモリから測定データ等を読み出して取得可能である。
設定情報411は、子機4自体の動作条件の設定情報(例えば測定周期、通信周期)を含む。測定データ412は、各測定部によって測定された、蓄電池5の所定のパラメータの測定値を含むデータである。
測定制御部401は、子機4での所定のパラメータの測定を制御する。測定制御部401は、子機4の設定情報411に基づいて、温度測定部421等の各測定部を制御して、測定周期の測定タイミングで、蓄電池5のパラメータの測定を行わせる。例えば、測定制御部401は、測定項目毎の測定周期の測定タイミングで測定するように、対応する測定部に測定指示を与える。測定部は、その測定指示に従って、測定を行い、測定値を出力する。測定制御部401は、その測定値等を測定データ412に記載する。
測定データ提供部402は、記憶部410に対する測定データ412の記憶(書き込みや読み出し)を管理し、親機3からの要求に応じて測定データ412を親機3へ送信するための処理を行う。測定データ提供部402は、各測定日時での各パラメータの測定値を、測定データ412として、記憶部410のメモリ領域に逐次に格納する。このメモリ領域は、所定のサイズを有し、例えば循環的に利用され、古い測定データから順に上書きで消去される。
無線通信インタフェース部403は、無線通信網80に対する無線通信インタフェースを有し、親機3との無線通信処理を行う。無線通信インタフェース部403は、無線電波送信のためのアンテナや回路を含む。無線通信インタフェース部403は、設定された無線周波数のチャネルで、親機3との無線通信を行う。無線通信インタフェース部403は、親機3からの各種の信号を受信し、測定データ提供部402に渡す。無線通信インタフェース部403は、測定データ提供部402からの各種の信号を親機3へ送信する。
温度測定部421は、温度センサ425を用いて、蓄電池5の温度(温度値:T)を測定する。温度測定部421から配線されている温度センサ425は、例えば蓄電池5の蓋部(蓄電池5内の電極近く等でもよい)に設置されている。例えば、温度測定部421は、常時測定の測定タイミングで、蓄電池5の温度を測定する。なお、各測定の際には所定の計算を含む場合がある。
電圧測定部422は、正負の配線の端子が、蓄電池5の正負の電極の端子に接続されている。電圧測定部422は、蓄電池5の正負の端子間の電圧(電圧値:V)を測定する。
内部抵抗測定部423は、正負の配線の端子が、蓄電池5の正負の電極の端子に接続されている。内部抵抗測定部423は、蓄電池5の正負の端子間の内部抵抗(特に交流抵抗成分であるインピーダンス。インピーダンス値:Z)を測定する。
正弦波発生部424は、正負の配線の端子が、蓄電池5の正負の電極の端子に接続されている。正弦波発生部424は、内部抵抗測定部423の内部抵抗の測定の際に、測定周波数に対応する正弦波を発生して、その正弦波に対応する電流を蓄電池5に通電する。正弦波発生部424は、測定周波数として、複数種類の周波数の正弦波を発生させる機能を有する。実施の形態では、特に後述の3種類の周波数を用いる。正弦波発生部424は、測定制御部401からの制御に従って、指定の測定周波数の正弦波を発生する。その周波数に対応する交流電流(例えば3アンペア以下)が蓄電池5の端子間に流される。内部抵抗測定部423は、この際の蓄電池5の交流電流値と、電圧測定部422による測定電圧値とを用いて、測定周波数毎のインピーダンス値を計算する。
[無線通信−第1構成]
図4は、実施の形態における親機3と子機4との無線通信に関する構成(第1構成とする)を示す。この第1構成では、複数の親機3で複数の子機4を分担し、通信負荷分散を行う。親機3Aと親機3Bとでそれぞれ異なる複数の子機4が分担として関係付けられる。なお、説明上、親機3のIDをP1,P2で示す。子機4のIDをC1〜Cm等で示す。蓄電池5のIDをB1〜Bm等で示す。第1構成の分担の関係は、予めクラウドサーバ1に、ID及びMACアドレス等を用いて設定されている。
図4の例では、一方の親機3Aは、複数(例えばm個)の子機4{C1〜Cm}を担当し、それぞれと無線通信を行う。他方の親機3Bは、別の複数(例えば同じくm個)の子機4{C21〜C2m}を担当し、それぞれと無線通信を行う。各子機4は、一対一で蓄電池5に設置され、蓄電池装置6として構成されている。各子機4(蓄電池装置6)は、対応する蓄電池5のパラメータを測定する。例えば、子機C1は、蓄電池B1の測定データであるデータX1を記憶する。
親機3と子機4との無線通信リンクにおけるチャネル(Hとする)及び周波数(Fとする)を示す。例えば、親機3A(P1)と子機C1とのチャネルH1では周波数F1を使用し、親機3A(P1)と子機C2とのチャネルH2では周波数F2を使用する。親機P1と複数の子機C1〜Cmとの各チャネルH1〜Hmの周波数F1〜Fmを同じ周波数にしてもよいし、異ならせてもよい。親機P1と親機P2とでは異なる周波数を使用するようにしてもよい。
無線通信網80の通信負荷分散を優先する場合には、第1構成を採用する。第1構成では、親機3の数を増やすほど、1つの親機3が分担する子機4の数が少なくなる。即ち、1つの親機4が行う無線通信の数が少なくなり、通信負荷が減る。
[無線通信−第2構成]
図5は、実施の形態の変形例として、無線通信網80の親機3と子機4との無線通信に関する構成(第2構成とする)を示す。この第2構成は、複数の親機3で複数の子機4を重複するように担当して、多重化、特に二重化を行う。親機3と子機4との無線通信の方式については第1構成と同様である。この第2構成では、二重化によって、第1構成よりも全体の通信量が増えるが、測定データ取得等の確実性をより高くする。測定データ取得等の確実性、監視精度を高めることを重視する場合には、第2構成を採用する。
親機3Aと親機3Bは、通信網70または無線通信網80を通じて、適宜、相互通信を行う。相互通信は、例えば、親機3Aで取得した測定データと、親機3Bで取得した測定データとの同期等のために行われる。この二重化構成では、ある子機4の測定データについては、2台の親機3A,3Bとの無線通信でそれぞれ取得が行われるが、その際に一方の親機3で取得できない場合でも、他方の親機3で取得できればよい。
[比較例]
図6は、実施の形態に対する比較例の蓄電池状態監視システムにおける、無線通信網での親機と複数の子機との無線通信の概要を示す。本例では、1台の親機P1と複数(m個)の子機C1〜Cmとの無線通信を示す。この無線通信網は、近距離/短距離の無線通信網である。親機P1に対し、所定の半径距離の範囲内に、複数の子機C1〜Cmが配置されている。蓄電池の数と子機の数とが同じ場合である。親機と複数の子機との無線通信チャネルの周波数は、同じ周波数F0である。
親機P1は、複数の子機に対し、測定データ要求信号601を送信する。複数の子機C1〜Cmは、所定の空間内で比較的近接位置に存在し、無線電波送信であるため、親機からの信号は、複数の子機に到達する。親機から特定の子機のみに信号を届けることは難しい。子機C1は、親機P1からの測定データ要求信号601を受信する。その際、他の子機C2等も、同じ測定データ要求信号601を受信、即ち傍受する。
子機は、測定データ要求信号601に対し、自機での測定データを含む測定データ応答信号602を親機へ送信する。例えば、子機C1は、測定データ要求信号601に対し、自機での測定データであるデータX1を含む測定データ応答信号602aを親機P1へ送信する。この際、他の子機C2等も、同様に、自機での測定データを含む測定データ応答信号602を、親機へ送信する。例えば、子機C1の隣の子機C2は、データX2を含む測定データ応答信号602bを親機P1へ送信する。他の子機も同様である。即ち、親機P1からの測定データ要求信号601に対し、複数の子機C1〜Cmから殆ど同時に複数の測定データ応答信号602が送信される。これらの複数の測定データ応答信号602が干渉し、輻輳する場合がある。その場合、親機P1は、それらの複数の測定データ応答信号602を処理できず、それぞれの正しい測定データを速やかに取得することができない可能性がある。例えば、一部の測定データを取得できなかった場合、親機は、再度、測定データ要求信号601を送信し、目的の測定データが取得できるまで同様に繰り返す必要がある。
無線通信網の通信規格等にも依存するが、上記のように、親機からの信号に対して複数の子機から複数の信号が殆ど同時に発生する場合がある。親機がそれらの複数の信号を殆ど同時に処理できる場合には良いが、実際には上記のように干渉や輻輳によって速やかに正しい測定データを取得することは難しい。親機は、多数の子機と無線通信のセッションを持つため、無線通信負荷が高く、測定データの損失や遅延等の可能性がある。上記のように、比較例では、測定データ取得の際の無線通信の確実性や効率の点で課題がある。
[無線通信]
図7は、図6の比較例に対し、実施の形態の蓄電池状態監視システムにおける無線通信網80での親機3と複数の子機4との無線通信の概要を示す。一方の親機P1について示すが、他方の親機P2についても同様である。また、図7の下側には、併せて、子機4の測定データ等の内容を整理して示している。実施の形態では、無線通信網80(WPAN)の通信規格として、IEEE802.15.4に準拠する。無線通信網80で使用する周波数帯域としては例えば2.4GHzである。無線通信網80は、ツリー型のトポロジで構成される。親機3と各子機4との無線通信チャネルで使用する周波数は例えば同じ周波数F1である。親機3は、基本的な無線通信機能としては、複数の各子機4との無線通信を並行的に行う機能及び逐次的に行う機能を備えている。実施の形態では、親機3は、個別の子機4を順次に指定して、複数の各子機4との無線通信を逐次的に行う方式を用いる。
実施の形態の蓄電池状態監視システムでは、無線通信網80において、親機3から、ビーコン信号として、特定の子機4を取得対象として指定した測定データ要求信号701等を送信する。このビーコン信号は、比較例と同様に、対象の子機4を含む複数の子機4に到達する。対象以外の各子機4は、その信号を傍受する。実施の形態では、このビーコン信号は、指定した特定の子機4のみを反応させて測定データを応答させるようにする信号である。言い換えると、このビーコン信号は、指定した特定の子機4以外の各子機4については、信号を送信しないように応答禁止させる信号である。
図7の例では、親機3A(P1)は、最初、特定の子機C1を取得対象として指定した測定データ要求信号701を送信している。子機C1を含む複数の子機4{C1〜Cm}は、その測定データ要求信号701を殆ど同時に受信する。子機C1は、測定データ要求信号701の内容を参照し、自機が取得対象として指定されているかどうかを確認する。子機C1は、自機が取得対象として指定されていることを確認した場合、自機の測定データ(データX1)を含む測定データ応答信号702aを、親機P1へ送信する。一方、他の子機4、例えば子機C2は、傍受した測定データ要求信号701の内容を参照し、自機が取得対象として指定されていないことを確認した場合、応答禁止状態となり、測定データ応答信号702等のいずれの信号も送信しない。図中の×印は応答禁止を示す。
親機P1は、指定の取得対象の子機C1からの測定データ応答信号702aを受信し、その中の測定データ(データX1)を取得する。その後、親機P1は、取得対象の子機4を、別の子機4(子機C2,C3,……等)に順次に変更するように指定して、同様に上記のような無線通信の手順を繰り返す。これにより、親機P1は、複数の子機4{C1〜Cm}から複数の測定データ(データX1〜Xm)を収集できる。
この実施の形態の無線通信の方式では、親機3からの信号に対して複数の子機4から殆ど同時に複数の測定データ応答信号等の信号が送信されることが禁止される。そのため、使用する無線周波数にかかわらず、複数の信号の干渉や輻輳が防止される。親機3は、ある時点では取得対象の1つの子機4からの信号を処理すればよいので、通信負荷が低く、速やかに正しい測定データを取得できる。上記のように、実施の形態では、測定データ取得の際の無線通信の確実性や効率性を高めることができる。更には、後述するが、取得対象の子機4の指定の仕方を含むスケジュールの工夫等によって、より効率を高めることができる。
また、実施の形態では、各子機4は、省電力モードで動作し、測定や測定データ送信等の処理や動作が無い時にはスリープ状態であり、電力消費が抑制されている。測定データ要求信号701を受信した子機4(処理や動作に必要な回路等の部分)は、スリープ状態から復帰して通常状態となり、測定データ応答信号702等を送信後に、スリープ状態に戻る。
図1の蓄電池状態監視システムで、測定データの取得、収集の概要は以下である。各親機3は、統括親機2から設定されたスケジュールに従って、分担する複数の各子機4との間で図7のような所定の方式の無線通信を行って、各子機4から測定データを取得する。親機3は、スケジュールに従って、取得タイミングになった時に、取得対象の子機4を指定して、測定データ要求信号701を送信する(ステップA4)。子機4は、親機3からの測定データ要求信号701を受信して、その内容を確認し、自機が指定されている場合には、測定データ応答信号702を送信する(ステップA5)。子機4は、親機3からの測定データ要求信号701を受信し、自機が指定されていない場合には、応答禁止とされ、測定データ応答信号701等を送信しない。
親機3は、各子機4からの測定データ応答信号702に基づいて取得した測定データを、統括親機2へ送信する(ステップA6)。統括親機2は、各親機3から取得した測定データを、ゲートウェイサーバ21を通じて、クラウドサーバ1へ送信する(ステップA7)。クラウドサーバ1は、統括親機2から取得した測定データを、DB100の測定データ履歴情報112に格納する(ステップA8)。
[スケジュール設定]
統括親機2は、顧客拠点における電源装置40の蓄電池群50の測定データ取得、収集に係わるスケジュールを設定する機能を有する。このスケジュールは、無線通信網80の複数の親機3と複数の子機4との無線通信のスケジュールを含む。このスケジュールは、各親機3が各子機4との間でどのような取得タイミングで測定データを取得するか、どの子機4を指定して測定データ要求信号等を送信するか等に係わる。このスケジュールは、無線通信網80でなるべく信号の干渉等が生じないように作成される。このスケジュールは、統括親機2と複数の親機3との間の通信のスケジュールも含む。また、このスケジュールの設定と共に、無線通信網80の複数の親機3と複数の子機4との間の無線通信チャネルで使用する無線周波数について設定してもよい。
スケジュール設定を行う場合の動作等の概要は以下である。(1)統括親機2は、自機の設定またはクラウドサーバ1からの指示に基づいて、電源装置40の蓄電池群50の測定データの取得、収集に係わるスケジュールを設定する。その際、まず、統括親機2は、蓄電池システムにおけるその時点の通信状況等を確認する。統括親機2は、複数の親機3や複数の子機4の通信可否等の状況を確認する。(2)統括親機2は、確認に基づいて、複数の親機3が複数の子機4から測定データを取得するためのスケジュール情報を作成する。統括親機2は、そのスケジュール情報を自機に設定する。このスケジュールは、親機3による子機4の指定の順序や、取得タイミング等の規定を含む。また、統括親機2は、スケジュールと共に、無線通信網80の各チャネルで使用する無線周波数を設定してもよい。その場合、スケジュール情報の中に無線周波数設定情報を含むものとする。
(3)統括親機2は、設定するスケジュール情報を、クラウドサーバ1へ通知する。クラウドサーバ1は、そのスケジュール情報を、DB100に登録する。(4)また、統括親機2は、そのスケジュール情報の設定指示の信号を、複数の各親機3に送信する。各親機3は、その信号を受信し、自機にそのスケジュール情報(自機に必要な部分)を設定する。(5)各親機3は、そのスケジュール情報に基づいて、各子機4にも必要な設定(例えば無線周波数の設定、測定周期、通信周期や測定周波数の設定)がある場合には、その子機4のための設定情報の設定指示の信号を、子機4に送信する。なお、子機4での設定が不要な場合にはこのステップを省略できる。子機4は、その信号を受信し、自機にその設定情報を設定する。設定後には、設定されたスケジュール及び無線周波数等に従って、親機3と複数の子機4との間で測定データ取得等の無線通信が行われる。
なお、複数の各子機4において蓄電池5のパラメータの測定を行う際には、蓄電池5に対して微小ながらも通電するため、相応の電圧降下が生じる。そのため、複数の子機4での測定タイミングを設定する場合には、複数の子機4での測定タイミングについて、同じに設定するよりも、ずらすように設定する方が好ましい。
上記のように、蓄電池状態監視システムは、一元管理及び階層構成に対応した自動設定機能を有する。クラウドサーバ1から統括親機2、親機3及び子機4へと階層的に設定のための通信が自動的に行われることで、クラウドサーバ1の設定情報の内容が各装置の設定情報として反映される。ユーザとしては、クラウドサーバ1に対する設定作業を行えばよく、多数の個別の子機4等への設定作業を行う必要は無く、ユーザの手間が少ない。ユーザは、複数の子機4の測定タイミングや測定データの取得タイミング等を、容易に設定可能である。ユーザは、個別の親機3や子機4毎の詳細設定も可能であり、設定変更も容易である。
[測定]
図1の蓄電池状態監視システムで、子機3による蓄電池5のパラメータの測定の概要は以下である。図3のような構成で、子機4の測定制御部401は、自機の設定情報411に基づいて、測定周期の測定タイミング毎に、自動的に、関係付けられる蓄電池5の所定のパラメータを測定する。その際、測定制御部401は、温度測定部421等の各部を制御して測定を行わせ、測定値を得る。測定制御部401は、測定データ提供部402を通じて、測定値を含む測定データ412を、記憶部410に記憶する。
なお、実施の形態では、子機4が動作するための電力としては、その子機4に接続されている蓄電池5の電力を使用する。そのため、子機4では、動作モードとして、省電力モードを備え、その省電力モードを使用する設定とする。もしくは、子機4として、動作モードの切り替えが無い装置を用いる場合には、その子機4は、省電力モードに相当する動作をし続ける装置とする。子機4は、省電力モード時には、基本的にスリープ状態とし、必要時には通常状態に復帰して、測定や送信等の動作を行い、その後にスリープ状態に戻る。これにより、子機4の電力消費が抑制される。なお、他の実施の形態としては、子機4は、蓄電池5の電力を使用せず、子機4に備える電源部の電力を使用してもよい。
子機4の省電力モードのスリープ制御の方式としては、例えば以下の方式が挙げられる。実施の形態では、以下の方式を適用するが、変形例としては他の方式を適用してもよい。
本方式では、子機4のうち、無線通信を行う部分(図3の無線通信インタフェース部403等)と、測定を行う部分(図3の測定制御部401等)とで、別々に、スリープ状態と通常状態とが切り替えられる。本方式では、電圧や温度の計測部分については、常時測定(測定周期として例えば1秒毎)とし、通信周期は、それよりも長い時間(例えば5分)の設定とする。無線通信部分については、通信周期に対応して、適宜、例えば5分に1回の送信タイミング以外の時間で、スリープ状態になる。この場合、蓄電池5の継続的な測定と共に、無線通信の際の電力消費を抑制できる。
本システムにおいて、子機4や親機3の主な動作や機能等の部分は、大別すると、電圧や温度の計測部分と、内部抵抗の計測部分と、無線通信部分とに分けることができる。電圧等の計測部分では、消費電流が僅かであり、常時計測が可能である。常時計測のサイクルは、センサ等に応じて例えば1秒毎である。電圧や温度の計測部分については、常時計測に基づいて、通信周期として例えば5分(他には例えば10分、1時間、4時間等としてもよい)とする。即ち、例えば5分に1回のタイミングで、常時計測値における平均値を、子機4から親機3へ送信する。内部抵抗の計測部分では、測定周期及び通信周期として1日とし、1日に1回のタイミングで、内部抵抗測定値を送信する。無線通信部分については、親機3と子機4との無線通信毎に所定の電力消費があるので、電力消費抑制のためのスリープ制御が重要である。本方式では、無線通信部分を他の部分とは独立した単位としてスリープ制御を行う方式とし、通信周期に合わせてスリープ状態から復帰する方式とすることで、無線通信に係わる電力消費を抑制できる。
また、上位装置(例えばクラウドサーバ1)では、子機4及び親機3からの測定データ群について、所定の時間毎の測定データを記録してもよいし、所定の時間毎の平均値等を記録してもよい。
子機4での測定のうち内部抵抗の測定については以下である。なお、蓄電池5の内部抵抗は、主にインピーダンスであり、リアクタンスも測定時に含まれるが、総称して「内部抵抗」と記載する。
(1) 内部抵抗のうちの直流成分である直流抵抗値(R)については、制御電源装置60の充放電情報に基づいて、蓄電池5の充放電時の電圧値(V)及び電流値(I)を用いて計算できる(R=V/I)。
(2) 内部抵抗のうちの交流成分であるインピーダンス値(Z)については、測定周波数での交流電流値と、対応する電圧値とを用いて計算できる。
実施の形態では、図7のように、蓄電池5の種類等を考慮して、3種類の測定周波数(f1,f2,f3)を用い、子機4は、対応する3種類のインピーダンス値(Z1,Z2,Z3)を測定する。また、時間軸での傾向の判定のために、各測定周波数でのインピーダンスの初期値(Z1s,Z2s,Z3s)も用いる。その初期値については、測定データ履歴情報112における最初の測定データから得てもよい。その初期値については、設定情報111の1つとして予め蓄電池5毎に測定し記録した値やユーザ設定値を用いてもよい。
実施の形態では、測定周波数として以下の設定とする。
第1周波数f1: 350Hz以上2000Hz未満
第2周波数f2: 100Hz未満
第3周波数f3: 100Hz以上300Hz未満。
第1周波数f1は、相対的に高周波領域から選択された1つの周波数である。第2周波数f2は、相対的に低周波領域から選択された1つの周波数である。第3周波数f3は、相対的に中間周波領域から選択された1つの周波数である。第1周波数f1は、1kHz程度とすればよい。第1周波数f1は、好ましくは、800Hz以上1200Hz未満とする。第2周波数f2は、商用電源の周波数(50Hzや60Hz)と干渉しない周波数とする。
測定周波数について、特定の蓄電池5に限定しない一般的な表現としては以下である。第1周波数は、高周波領域として200Hz以上2000Hz未満から選択された1つ以上の周波数である。第2周波数は、低周波領域として200Hz未満から選択された1つ以上の周波数である。上記のように、複数種類の測定周波数を用いることにより、蓄電池5の劣化判定等の精度を高くできる。上記に限らず、より多くの測定周波数を用いてもよく、その場合、より精度を高くできる。
[無線通信シーケンス]
図8は、実施の形態における親機3と子機4との間の無線通信シーケンスを示す。本例では、特に子機C1,C2の部分を示すが、他の子機4も同様である。本例では、親機3が、スケジュールに従って、最初、子機C1を取得対象として無線通信(シーケンス801)を行い、次に子機C2を取得対象として無線通信(シーケンス802)を行う場合を示す。各子機4は、最初、測定後にスリープ状態であるとする。本シーケンスでは、所定の周波数F1を用いている。
ステップS1で、親機3は、まず、要求信号REQを送信する。この要求信号REQは、親機3の親機ID(例:P1)と、対象の子機4の子機ID(例:C1)と、無線通信要求の旨とを含む。この要求信号REQは、親機3が選択指定した特定の子機C1を測定データ取得対象として無線通信を要求する信号である。この要求信号REQは、対象の子機C1を含む複数の子機4へ到達する。例えば、ステップS1bは、子機C2に同じ要求信号REQが到達することを示す。言い換えると、子機C2等は、要求信号REQを傍受する。
ステップS2で、子機C1は、無線通信インタフェース部403で要求信号REQを受信し、スリープ状態から復帰する。子機C1の測定データ提供部402は、要求信号REQの内容を参照し、応答するかどうか確認する。子機C1は、要求信号REQ内の子機IDが、自機を取得対象として指定している場合、確認信号ACKを親機3へ送信する。確認信号ACKは、自機の子機ID(例:C1)と、相手の親機ID(例:P1)と、確認(応答可能)の旨とを含む。親機3は、確認信号ACKを受信し、その内容を参照し、対象の子機4(C1)が応答可能であることを確認する。これにより、親機P1と子機C1との無線通信セッションが確立される。
一方、対象の子機C1以外の子機C2等は、要求信号REQを受信してスリープ状態から復帰した後、要求信号REQの内容を参照して、自機が指定されているか否かを確認する。子機C2等は、要求信号REQの子機IDが自機を指定していない場合、その後に親機3へ信号を送信しないように応答禁止状態に入る。
ステップS3で、親機3は、データ要求信号DREQを送信する。このデータ要求信号DREQは、親機ID(P1)と、対象の子機ID(C1)と、測定データ取得要求の旨とを含む。このデータ要求信号DREQは、上記特定の子機C1からの測定データの取得を要求する信号である。このデータ要求信号DREQは、対象の子機C1を含む複数の子機4へ到達する。例えば、ステップS3bは、子機C2に同じデータ要求信号DREQが到達することを示す。言い換えると、子機C2等はデータ要求信号DREQを傍受する。
ステップS4で、子機C1は、データ要求信号DREQを受信し、データ要求信号DREQの内容を同様に確認する。その後、子機C1の測定データ提供部402は、記憶部410から取得対象の測定データ(データX1)を読み出し、その測定データを含むデータ応答信号DRESを作成し、無線通信インタフェース部403を通じて親機3へ送信する。データ応答信号DRESは、自機の子機ID(C1)、相手の親機ID(P1)、測定データ(データX1)を含む。親機3は、対象の子機C1からデータ応答信号DRESを受信し、その中の測定データ(データX1)を取り出し、記憶部310に格納する。
一方、子機C2等は、データ要求信号DREQを受信したとしても、応答禁止状態であるため、応答の信号を送信しない。
ステップS5で、親機3は、上記対象の子機C1からの測定データを取得した後に、測定データ受領確認のための受領確認信号DACKを送信する。この受領確認信号DACKは、親機ID(P1)と、対象の子機ID(C1)と、測定データ受領確認の旨とを含む。この受領確認信号DACKは、同様に、対象の子機C1だけでなく、他の子機C2等にも到達する(ステップS5b)。
子機C1は、受領確認信号DACKを受信し、その内容を確認する。即ち、子機C1は、親機P1の測定データの取得が終了したこと、及び親機P1とのセッションが終了することを確認する。子機C1は、その確認後、スリープ状態に遷移する。
以上、ステップS1〜S5を含むシーケンス801で、子機C1からの測定データ取得が終了する。ステップS6以降のシーケンス802は、同様に、子機C2からの測定データ取得のためのシーケンスである。ステップS6以降は、取得対象の子機4が変わるだけで同様である。ステップS6で、親機3は、取得対象の子機4として、次の子機C2を指定して、要求信号REQを送信する。この要求信号REQは、同様に、対象の子機C2だけでなく、他の子機C1,C3等にも到達する。ステップS7で、子機C2は、要求信号REQを受信して、スリープ状態から復帰した後、親機3へ確認信号ACKを送信する。他の子機C1,C3等は、応答禁止状態となり、信号を送信しない。
実施の形態の変形例として以下も可能である。変形例では、図8の無線通信シーケンスに関して、確認信号ACKや受領確認信号DACK等を省略する。変形例の無線通信シーケンスの概要は以下である。親機3は、最初から、取得対象の子機4を指定したデータ要求信号DREQを送信する。子機4は、親機3からのデータ要求信号DREQを受信し、スリープ状態から復帰し、取得対象の指定が自機であるかを確認する。子機4は、確認した場合、測定データ応答信号DRESを送信し、その後スリープ状態に戻る。親機3は、子機4から測定データ応答信号DRESを受信し、その中の測定データを得る。なお、親機3は、対象の子機4から測定データを取得できなかった場合、例えば、時間をあらためてから同様にリトライする。何回かリトライしても取得できない場合、親機3は、エラーと判定し、上位に通知する。
[スケジュール(1)]
図9は、測定データ取得、取得対象の子機4の指定に係わるスケジュールの設定例を示す。本例では、統括親機2が、予め設定された複数のパターンのスケジュールからいずれかのパターンのスケジュールを選択使用する。子機4の数としてm=200の場合を示す。このスケジュールは、パラメータ毎の取得周期毎に同様である。
図9の(A)は、第1パターンのスケジュールの設定例を示す。このスケジュールは、時間軸上、取得対象の子機4を、子機C1,C2,……,Cmといったように順次にずらして指定するものである。親機P1、親機P2の各スケジュールを、横軸を時間軸として示す。親機P1のスケジュールとして、複数の子機4{C1〜Cm}から1つずつ順次に指定する。例えば、取得タイミングとして、時点t1では子機C1(その測定データであるデータX1)が指定され、次の時点t2では子機C2(データX2)が指定されている。例えば、時点t1から時点t2までの時間は、子機C1(データX1)を対象とした無線通信を示す。同様に、順次に子機4が指定されて、最後の時点t100では子機C100(データX100)が指定されている。
一方、親機P2のスケジュールとして、同様に、複数の子機4{C1〜Cm}から1つずつ順次に指定される。ある取得タイミングでは、親機P1の指定とは異なる子機4が取得対象として指定される。例えば、取得タイミングとして、時点t1では子機C101(データX101)が指定され、次の時点t2では子機C102(データX102)が指定されている。同様に、順次に子機4が指定されて、最後の時点t100では子機C200(データX200)が指定されている。
上記例のように、複数の子機4からの測定データの取得タイミング(言い換えると測定データ要求信号の送信タイミング)をずらすようにスケジュールを設定すると好ましい。なお、本例では、子機IDを1ずつインクリメントするように対象を指定しているが、これに限らず、各種の指定が可能である。
図9の(B)は、第2パターンのスケジュールの設定例を示す。第2パターンは、第1パターンとは異なる子機4の指定の順序となっている。第2パターンは、例えば、第1パターンに対して、子機IDの指定を50ずらした場合である。親機P1のスケジュールでは、時点t1で取得対象として子機C51が指定されている。時点t50では子機C100、時点t51では子機C1、時点t100では子機C50が指定されている。親機P2のスケジュールでは、時点t1で取得対象として子機C151が指定されている。時点t50では子機C200、時点t51では子機C101、時点t100では子機C150が指定されている。
統括親機2は、通信状況等に応じて、使用するパターンのスケジュールを切り替えるようにしてもよい。例えば、統括親機2は、最初、第1パターンを使用して測定データ収集を行う。統括親機2は、そのスケジュール使用中に親機3と子機4との無線通信に何か問題が生じた場合等に、第2パターンのスケジュールに切り替える。
上記スケジュールにおける、複数の子機4の間での取得タイミングのずらしは、例えば、複数の子機4の間での測定タイミングのずらしに合わせて設定されてもよい。また、スケジュール情報において、各取得タイミングが時刻等で細かく設定されてもよいし、細かく設定せずに、子機4毎の取得処理が終了しだい次の子機4の取得処理を開始するようにしてもよい。
[スケジュール(2)]
図10は、更に、スケジュールに関し、測定タイミングや取得タイミング等の例を示す。図10の例では、ある子機C1の測定データ(データX1)に関する部分を示す。図10では、縦方向を時間軸とし、パラメータ毎に異なる測定タイミング及び取得タイミングを示す。また、本例では、測定タイミングと取得タイミングとの時間差がある場合を示す。測定データとして、温度値:T、電圧値:V、インピーダンス値:Zで示す。
通信周期及び取得周期の設定例として、温度及び電圧については、通信周期K1=5分、取得周期K4=5分である。インピーダンスについては、測定周期及び通信周期K3=1日、取得周期K6=1日である。本例では、パラメータ毎に通信周期と取得周期が同じである。図10の左側には、測定時間の時間軸を示す。例えば、測定タイミングとして、日時DT1,DT2,DT3,……等を有する。例えば、日時DT1,DT2の差が通信周期K1である。日時DT1,DT5の差が通信周期K3である。日時DT1,DT5等では、電圧、温度、及びインピーダンスが測定される。日時DT2〜DT4,DT6〜DT8等では、電圧及び温度が測定される。電圧及び温度については前述の常時測定に基づいた平均値である。
図10の右側には、取得時間の時間軸を示す。測定時間の測定タイミングに対し、取得時間の取得タイミングは、所定の時間差が設けられている。取得タイミングとして、例えば、日時DTa,DTb,DTc,……等を示す。例えば、日時DTaは、日時DT1,DT2の間にある。例えば、日時DTaでは、日時DT1の測定データ{V,T,Z}が取得される。次の日時DTbでは、日時DT2の測定データ{V,T}が取得される。例えば、日時DTa,DTbの差が取得周期K4である。日時DTa,DTeの差が取得周期K6である。
他の設定例として、通信周期よりも取得周期を長くする例は以下である。例えば、電圧及び温度の取得周期K4を、通信周期K1の数倍(例:5分×4=20分)としてもよい。例えば、日時DT1〜DT4で測定された4回分の測定データが、日時DTeでまとめて取得される。この設定の場合、測定データ取得のための無線通信の回数を少なくできる。なお、蓄電池5への負荷を考慮して、内部抵抗(インピーダンス)の通信周期K3は、通信周期K1に比べて比較的長い時間(例えば1日)に設定される。また、測定タイミングと取得タイミングとに時間差を設定することで、測定後に所定の時間差で測定データを取得可能である。
[スケジュール(3)]
図11は、スケジュール及び無線周波数の設定例を示す。図11では、無線通信網80の子機C1〜C4の部分のみを示すが、他の子機4についても同様である。親機3と子機4との無線通信では、所定の周波数帯域のチャネルを使用する。この周波数の設定については、任意の方式を適用できる。例えば、固定された同じ周波数を使用する方式である。あるいは、通信規格で使用可能な複数の周波数のうち選択した複数の周波数を使用する方式としてもよい。状況に応じて周波数を切り替える方式としてもよい。
図11の(A)のスケジュール及び周波数の設定例は、取得対象の子機4を、複数の子機C1〜C4の間で取得タイミングをずらして指定する場合である。例えば、最初の日時T1では、取得対象として子機C1が指定されており、次の日時T2では、子機C2が指定されている。同様に、1つの子機4毎に順次に指定されている。また、使用する無線周波数については複数の子機4で同じ所定の周波数F1が設定されている。この場合、ある時間では1つの子機4から測定データ応答信号702が送信される。そのため、子機4からの信号同士の干渉が無く、親機3は確実にその測定データ応答信号702を処理して正しい測定データを取得できる。ただし、測定データ収集の際には、子機4の数に応じた分の所要時間が必要になる。
図11の(B)は、他の設定例として、測定データ収集に係わる所要時間を削減する例を示す。この例では、同じ時間において、取得対象の子機4が2つ指定される。例えば、ある日時T1では、取得対象として子機C1及び子機C3が指定されており、その際には同じ周波数F1が使用される。次の日時T2では、取得対象として子機C2及び子機C4が指定されており、その際には同じ周波数F1が使用される。この例では、(A)の例よりも確実性は低くなるが、所要時間を短縮できる。取得対象の子機4を同時に3つ以上指定することや、子機グループ単位で指定すること等も同様に可能である。
図11の(C)は、他の設定例を示す。この例では、(A)と同様に、取得対象の子機4を1つずつ順次に指定し、更に、それぞれの取得タイミングでは異なる周波数を使用している。例えば、最初の日時T1では取得対象が子機C1で周波数F1を使用する。次の日時T2では取得対象が子機C2で周波数F2を使用する。更に、(B)と同様に、取得対象の子機4を同時に複数指定するようにしてもよい。
[クラウドサーバ−処理]
図12は、クラウドサーバ1の監視処理を含む処理フローを示す。図12は、ステップS11〜S20を有する。以下、ステップの順に説明する。
S11で、クラウドサーバ1(詳しくは監視処理部103)は、監視処理タイミングであるかどうかを確認し、そのタイミングである場合(Y)にはS12以下の処理を行い、そうでない場合(N)には他の処理を行う。クラウドサーバ1は、例えば、設定に基づいた、測定データの取得周期に合わせた定期タイミング、または任意時点でのユーザの監視処理指示入力がある場合には、監視処理を行う。
S12で、クラウドサーバ1は、DB100の測定データ履歴情報112から最新の測定データを参照し、また、対応する充放電情報を参照する。クラウドサーバ1は、測定データ中の所定のパラメータの測定値や、充放電情報における充放電時の電流値等の測定値を参照する。クラウドサーバ1は、蓄電池5毎に、各時点での温度値、電圧値、内部抵抗のインピーダンス値を参照する。また、クラウドサーバ1は、蓄電池5の充放電時における内部抵抗の直流抵抗値を参照する。あるいは、クラウドサーバ1は、ユーザ指示入力等に基づいて、最新の測定データを取得するための指示を統括親機2に送信することで、最新の測定データを取得する。
S13で、クラウドサーバ1は、測定データ等に基づいて、蓄電池5の初期故障または偶発故障等の突発的な故障/障害/異常が発生していないかどうかを判定する。この判定は、例えば、温度値や電圧値と閾値との比較による異常判定を含む。この判定は、所定の比較的短い通信周期(例えば5分)での測定値を用いる。クラウドサーバ1は、例えば、温度値及び電圧値を、それぞれ所定の閾値と比較し、閾値以上である場合には、異常状態と判定する。例えば、温度値が室温+10℃を超えた場合には、軽度の異常と判定され、室温+20℃を超えた場合には、重度の異常として直ちに交換が必要な状態と判定される。S13で、初期故障または偶発故障等の突発的な故障/障害/異常と判定された場合(Y)にはS14へ進む。
なお、変形例として、子機4は、上記のように測定値を用いて異常判定を行う機能を備えてもよい。子機4は、測定後に蓄電池5の異常状態と判定した場合、すぐに上位の装置(親機3)へ通知し、あるいはアラーム出力等を行う。
S14で、クラウドサーバ1は、上記判定の結果、初期故障/偶発故障、異常等と判定した場合、その初期故障/偶発故障、異常等の旨の監視情報を出力する。なお、蓄電池状態監視システムは、故障、障害、異常等と判定した蓄電池5の部分を、システムから切り離し(縮退)するように制御してもよい。
S15で、クラウドサーバ1は、測定データ等に基づいて、蓄電池5の劣化傾向及び劣化度合いを判定し、故障や寿命を推定及び判定する。この処理の際、クラウドサーバ1は、電圧値と所定の閾値とを用いて、所定の電圧降下や電圧上昇の有無を判定する。なお、この閾値は、蓄電池5の特性曲線、稼働時間(アレニウス則による換算時間)、設定電圧(平均電圧)、負荷状態等に基づいて設定できる。クラウドサーバ1は、例えば、電圧降下量が閾値以上である場合、所定の電圧降下があると判定し、即ち蓄電池5の故障や寿命であると判定する。S15で、故障や寿命と判定された場合(Y)にはS16へ進む。
S16で、クラウドサーバ1は、蓄電池5の故障や寿命等の旨の監視情報を出力する。
S17で、クラウドサーバ1は、S15の処理に基づいて、蓄電池5の余寿命(現在時点から推定寿命時点までの時間)を計算する。クラウドサーバ1は、例えば、各測定周波数での内部抵抗値(Z1,Z2,Z3)に基づいて、蓄電池容量を推定し、余寿命を計算する。クラウドサーバ1は、余寿命に基づいて、その蓄電池5の使用可能時間、交換時期を計算する。クラウドサーバ1は、蓄電池5毎に、推定寿命時期に対して所定の期間前を推奨交換時期として、蓄電池5の交換をユーザに推奨する。
S18で、クラウドサーバ1は、蓄電池5の余寿命の時間が、所定の閾値以上か否かを判断する。この閾値は、推定寿命時期(時点)または推奨交換時期(時点)との関係で設定できる。この閾値は、例えば、推定寿命時点または推奨交換時点よりも前の1つ以上の所定の期間(例えば1年、半年、3ヶ月等)として設定できる。
クラウドサーバ1は、余寿命が閾値以上である場合(Y)、例えばまだ交換時期に到達していない場合には、正常状態(余寿命がある状態)と判定し、S19へ進む。クラウドサーバ1は、余寿命が閾値未満である場合(N)、例えば交換時期に到達した場合(または交換時期に近い場合等)には、余寿命が少ない状態、例えば交換時期に到達した状態と判定し、S20へ進む。
S19で、クラウドサーバ1は、蓄電池5の正常状態(余寿命がある状態)の旨、余寿命に対応する使用可能時間、現時点の稼働時間等の情報を含む監視情報を出力する。
S20で、クラウドサーバ1は、蓄電池5の余寿命が少ない状態、例えば交換時期に到達した状態の旨、余寿命に対応する使用可能時間、推奨交換時期、現時点の稼働時間等の情報を含む監視情報を出力する。
[クラウドサーバ−監視処理]
クラウドサーバ1の監視処理例について補足する。実施の形態では、クラウドサーバ1は、主に下記の3種類の異なるタイミングでのパラメータの測定値に基づいて、蓄電池5の状態の判定や推定の処理を行う。クラウドサーバは、蓄電池5の様々な劣化モードに対応して、より高精度に判定や推定が可能なように、複数の測定周波数を用いて内部抵抗等の測定を行う。
(1) クラウドサーバ1は、比較的短い一定の周期(例えば5分)で継続して測定した温度及び電圧の測定値のデータに基づいて、蓄電池5の突発的な障害等を含む、蓄電池5の異常や寿命を判定、検知する。
(2) クラウドサーバ1は、比較的長い周期(例えば1日)または任意のタイミングで測定した内部抵抗(特にインピーダンス)の測定値に基づいて、蓄電池5の劣化傾向を推定する。特に、インピーダンスは、複数種類(例えば3種類)の周波数(測定周波数)を用いて測定される。各周波数でのインピーダンス値に基づいて、蓄電池5の各劣化モードでの劣化傾向が推定される。
(3) クラウドサーバ1は、蓄電池5の充放電の際の電圧、電流及び内部抵抗(特に直流抵抗)の測定値に基づいて、蓄電池5の劣化傾向を推定する。詳しくは、蓄電池5からの放電のタイミング、または蓄電池5への充電のタイミングにおける、蓄電池5の電圧値(V)と直流電流値(I)とを用いて、直流抵抗値(R)が計算される(R=V/I)。直流電流値(I)は、制御電源装置60の充放電情報から把握できる。クラウドサーバ1は、直流抵抗値(R)を用いて、蓄電池5の劣化傾向を、より高い精度で推定する。
クラウドサーバ1は、監視処理の際に、測定値に基づいて、予め規定された時間関数の計算式やテーブル(ルックアップテーブル)を用いて、蓄電池5の状態の推定値を出力してもよい。その計算式やテーブルは、例えば、稼働時間に応じた、温度と寿命との相関関係を表す。ルックアップテーブルには、予め、実験や計算等に基づいて、各パラメータ値の関係が設定されている。
クラウドサーバ1は、内部抵抗等のパラメータについて、時間軸上の変化の傾向をみて、蓄電池5の劣化等を判定し、寿命等を推定する。例えば、クラウドサーバ1は、測定周波数毎のインピーダンス値(Z1等)について、初期値(Z1s等)からの変化率を計算する。クラウドサーバ1は、その変化率に基づいて、蓄電池5の劣化傾向を判定し、劣化傾向から寿命時期(推定寿命時点を含む誤差を考慮した時間範囲)を推定する。
クラウドサーバ1は、寿命時期に対応した交換時期を計算する。クラウドサーバ1は、例えば、内部抵抗値が初期値から20%以上増加した場合には、軽度の劣化と判定し、50%以上増加した場合には、中程度の劣化と判定し、100%以上増加した場合には、重度の劣化と判定する。クラウドサーバ1は、中程度の劣化の場合には、所定の期間以内での速やかな交換が必要と判定し、重度の劣化の場合には、直ちに交換が必要であると判定する。蓄電池5の種類等に応じて内部抵抗の絶対値が異なることから、実施の形態では、上記のように相対値(初期値からの変化率)を用いた判定を行う。
クラウドサーバ1は、より高精度の推定等を行うために、蓄電池5の充放電時の直流抵抗値を測定する。クラウドサーバ1は、子機4で測定された電圧値及び電流値と、放電または充電の時の電圧値及び電流値との変化分の傾きを計算し、その傾きの比を計算する。そして、クラウドサーバ1は、その計算した比を、初期値の比と比較することで、蓄電池5の劣化度合いをより正確に判定する。
[統括親機−処理]
図13は、統括親機2の処理のフローを示す。図13は、ステップS21〜S29を有する。以下、ステップの順に説明する。
S21で、統括親機2は、顧客拠点の蓄電池システムの通信状況を確認する。例えば、統括親機2は、各親機3と通信し、親機3と複数の各子機4とが通信可能な状態か等を確認する。
S22で、統括親機2は、S21の確認結果に基づいて、顧客拠点の蓄電池システムにおける測定データ収集のためのスケジュールを作成し、スケジュール情報として設定する。統括親機2は、スケジュールと共に、親機3と複数の各子機4との間の無線周波数についても設定する。
S23で、統括親機2は、S22で作成したスケジュール情報を、クラウドサーバ1及び親機3へ送信する。クラウドサーバ1側は、そのスケジュール情報の通知に基づいて、その顧客拠点からの測定データ収集のスケジュールを把握できる。親機3側は、そのスケジュール情報を含む設定指示に基づいて、設定を行い、そのスケジュールに従って親機3と子機4との無線通信を行う。
S24で、統括親機2は、上位のクラウドサーバ1から信号を受信したかを確認する。
S25で、統括親機2は、受信した信号の内容を確認する。その信号の内容が、設定指示である場合にはS26へ進み、測定取得指示である場合にはS27へ進む。
S26で、統括親機2は、上位からの設定情報を自機に設定し、親機3のための設定指示の信号を親機3へ送信する。
S27で、統括親機2は、測定取得指示の信号を親機3へ送信する。
S28で、統括親機2は、下位の親機3から測定データ信号を受信したかを確認する。受信した場合にはS29へ進む。
S29で、統括親機2は、測定データ信号をクラウドサーバ1へ送信する。
[親機−処理]
図14は、親機3の処理のフローを示す。図14は、ステップS31〜S38を有する。以下、ステップの順に説明する。
S31で、親機3は、上位の統括親機2から信号を受信したかを確認する。
S32で、親機3は、受信した信号の内容を確認する。その信号の内容が設定指示(スケジュール設定を含む)である場合にはS33へ進み、測定取得指示である場合にはS34へ進む。
S33で、親機3は、スケジュール設定を含む設定情報を自機に設定し、子機4のための設定情報がある場合にはその設定指示の信号を子機4へ送信する。
S34で、親機3は、測定取得指示の信号を子機4へ送信する。
S35で、親機3は、スケジュールに基づいた取得周期の取得タイミングであるかどうかを確認する。取得タイミングである場合(Y)にはS36へ進む。なお、この確認は、タイマを用いて、取得タイミングになったら通知や起動を行うものでもよい。
S36で、親機3は、複数の子機4から取得対象の子機4を指定し、測定データ要求信号等を、その子機4へ向けて送信する。この際、親機3は、前述の所定の方式の無線通信シーケンスで順に信号を送信する。
S37で、親機3は、取得対象の子機4からの測定データ応答信号等の信号を受信したか確認する。受信した場合(Y)にはS38へ進む。
S38で、親機3は、測定データ応答信号から測定データを取得し、メモリに記憶し、測定データの信号を統括親機2へ送信する。
[子機−処理]
図15は、子機4の処理のフローを示す。図15は、ステップS41〜S53を有する。以下、ステップの順に説明する。
S41で、最初、子機4は、省電力モードであり、非動作、スリープ状態である。子機4は、無線通信によって上位の親機4から信号を受信したかどうかを確認する。例えば、子機4の無線通信インタフェース部403は、親機3からの信号を受信した場合、その信号を測定データ提供部402に渡す。
S42で、子機4は、スリープ状態から通常状態に復帰する。
S43で、子機4の測定データ提供部402は、受信した信号の内容を確認する。例えば、信号内には、送信元の親機3のID、取得対象の子機4のID、信号種類等が記載されている。信号種類等に基づいて、信号の内容が設定指示である場合にはS44へ進み、測定データ要求信号である場合にはS45へ進み、測定取得指示である場合にはS46へ進む。
S44で、子機4は、設定情報を自機に設定する。即ち、測定制御部401は、記憶部410に設定情報411を格納する。
S45で、子機4の測定データ提供部402は、測定データ要求信号の内容(取得対象の子機4のID等)を参照し、自機が取得対象として指定されているかを確認する。自機が取得対象として指定されている場合(Y)にはS47へ進み、自機が取得対象として指定されていない場合(N)にはS48へ進む。
S47で、子機4の測定データ提供部402は、記憶部410から、前回の測定データ送信時からの未送信分の測定データを読み出し、その測定データを含む測定データ応答信号を作成し、無線通信インタフェース部403を通じて親機3へ送信する。なお、測定データ要求信号において測定項目(パラメータ)の指定を含んでもよい。その場合、子機4は、指定されたパラメータの測定データを応答する。なお、S47の前に、自機が応答禁止状態であった場合には、S47で応答禁止状態が解除される。
S48で、子機4は、応答禁止状態となり、それ以降、解除されるまで、親機3へ信号を送信しないようにする。
S46で、子機4の測定制御部401は、測定取得指示で指定されたパラメータの測定を行い、測定データを記憶部410に格納する。子機4は、その測定データを含む信号を、親機4へ送信する。
S49で、子機4の測定制御部401は、設定された測定周期の測定タイミングであるかどうかを確認する。なお、この確認は、タイマを用いて、測定タイミングになったら通知や起動を行うものでもよい。測定タイミングである場合(Y)にはS50へ進む。
S50で、子機4の測定制御部401は、各測定部を制御することで、蓄電池5の所定のパラメータを測定して測定値を得て、測定データ411を記憶部410に格納する。その際、測定データ提供部402は、測定データ411を内部メモリの領域(ロックされた領域以外)に書き込む。なお、S50の際に、測定に係わる測定部等がスリープ状態であった場合には、スリープ状態から通常状態へ復帰する。
S50で、温度の測定タイミングの場合、温度測定部421は、蓄電池5の温度を測定する。電圧の測定タイミングの場合、電圧測定部422は、蓄電池5の端子間の電圧を測定する。内部抵抗の測定タイミングの場合、内部抵抗測定部423は、蓄電池5の端子間のインピーダンスを計算する。測定制御部401は、正弦波発生部424を用いて、3種類の測定周波数の正弦波を順に発生させて、それぞれのインピーダンスを測定させる。内部抵抗測定部423は、測定周波数に応じた交流電流値(例えば3アンペア以下)を蓄電池5に流し、その時の電圧値を測定し、その交流電流値及び電圧値からインピーダンス値を計算する。
S51で、子機4は、蓄電池5に充電または放電が発生しているかどうかを確認する。この確認は、蓄電池5の電圧降下/電圧上昇の判定としてもよいし、制御電源制御60の充放電情報に基づいて、親機3から充放電の有無が通知されることとしてもよい。充放電が有る場合にはS52へ進む。
S52で、子機4は、S51の充放電の有無に応じた処理として、測定データのロック/解除を行う。子機4は、蓄電池5の放電(電圧降下)または充電(電圧上昇)が有る場合には、その充放電時を含む所定時間範囲における測定データをロックする。このロックは、その時の測定データが消失しないように保護し、時間的に後で取得可能とすることである。子機4は、充放電が終わったと判定した場合、測定データのロックを解除する。
S53で、子機4は、必要な処理や動作の有無や時間の判定に基づいて、スリープ状態へ遷移する。
なお、蓄電池5は、通常時には一定電圧を維持するように制御されている。即ち、制御電源装置60の制御に基づいて、蓄電池5のSOCが100%になるように、充電が制御されている。非常時等には、制御電源装置60の制御に基づいて、電源装置40が稼動し、蓄電池5からの放電が開始される。この際、蓄電池5には大きな直流電流が流れて急峻な電圧降下が発生し、その後に漸次に電圧が低下してゆく。また、非常時等からの復旧時には、蓄電池5への充電が開始される。この際、蓄電池5には電圧上昇が発生する。上記放電/充電に伴う電圧降下/電圧上昇は、蓄電池5の種類に応じた所定の特性を有し、所定の電圧閾値や時間閾値を用いて判定可能である。上記充放電の際にロックした測定データを取得することで、より高精度の推定等が可能である。
ユーザまたはクラウドサーバ1や統括親機2は、制御電源装置60の充放電情報に基づいて、充放電の有無等を認識できる。ユーザまたはクラウドサーバ1等は、ロックされた測定データの取得の要求を、親機3を通じて子機4へ送信する。子機4は、ロックされた測定データを含む応答信号を親機4へ送信する。
[効果等]
上記のように、実施の形態の蓄電池状態監視システム等によれば、蓄電池群50の測定データの取得のための無線通信の際に、信号の干渉や輻輳を低減でき、正しい測定データを確実に取得でき、監視精度を高めることができる。本蓄電池状態監視システムによれば、階層構成において、親機3と子機4との無線通信を効率的に行い、正しい測定データを確実に取得できる。多数の子機4からの測定データを取得できるので、クラウドサーバ1で高精度の推定や判定が可能である。
本蓄電池状態監視システムによれば、顧客拠点の機器等の負荷に常に接続されている蓄電池群50について、各種のパラメータを自動的に測定及び取得でき、各蓄電池5の状態を高精度に推定できる。ユーザが手動で各蓄電池5の状態を測定や監視する手間も削減できる。各蓄電池5の寿命等を高精度に推定でき、早めに交換等の対応が可能である。これにより、顧客拠点の機器やシステムの安定性やセキュリティを高めることができる。
以上、本発明を実施の形態に基づいて具体的に説明したが、本発明は前述の実施の形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。本発明の構成要素の追加や削除や置換、分離や併合、組み合わせ等が可能である。他の実施の形態としては、クラウドサーバ1の監視処理の一部を、統括親機2、親機3、または子機4で実行する形態も可能である。
1…クラウドサーバ(監視処理装置)、2…統括親機、3…親機(中継装置)、4…子機(測定通信装置)、5…蓄電池、6…蓄電池装置(測定通信装置付き蓄電池)、9…ユーザ端末、20…拠点制御装置、40…電源装置、50…蓄電池群、60…制御電源装置、80…無線通信網、701…測定データ要求信号、702…測定データ応答信号。

Claims (11)

  1. 1つ以上の蓄電池と前記1つ以上の蓄電池に接続された測定通信装置とを備える複数の蓄電池装置と、
    前記複数の蓄電池装置における複数の測定通信装置の各々を子機として無線通信接続される親機である1つ以上の通信装置と、
    前記1つ以上の通信装置に対して通信接続されるサーバ装置と、
    を備え、
    前記測定通信装置は、
    前記1つ以上の蓄電池のパラメータを測定し、測定値を含む測定データを記憶する測定手段と、
    前記通信装置から信号を受信し、前記測定データを含む信号を、前記通信装置へ送信する通信手段と、
    を有し、
    前記通信装置は、前記複数の蓄電池装置のうち取得対象の蓄電池装置を指定した測定データ要求信号を送信し、前記取得対象の蓄電池装置から取得した前記測定データを前記サーバ装置へ送信し、
    前記サーバ装置は、前記通信装置から取得した前記測定データを用いて、前記蓄電池の状態の監視処理を行い、監視情報をユーザに対して出力し、
    前記測定通信装置は、受信した前記測定データ要求信号において、自機が取得対象として指定されている場合には、前記測定データを含む測定データ応答信号を、前記通信装置へ送信し、指定されていない場合には、自機を応答禁止状態にして、前記測定データ応答信号を前記通信装置へ送信しないようにする、
    蓄電池状態監視システム。
  2. 請求項1記載の蓄電池状態監視システムにおいて、
    前記通信装置は、前記複数の蓄電池装置について、前記取得対象の蓄電池装置を順次に変更しながら複数の前記測定データ要求信号を送信する、
    蓄電池状態監視システム。
  3. 請求項1記載の蓄電池状態監視システムにおいて、
    前記通信装置と前記サーバ装置との間に通信接続される統括装置を備え、
    前記統括装置は、前記1つ以上の通信装置と前記複数の蓄電池装置との間の無線通信のスケジュールを設定し、前記スケジュールに従って前記複数の蓄電池装置から取得された複数の測定データを、前記1つ以上の通信装置から取得し、前記サーバ装置へ送信する、
    蓄電池状態監視システム。
  4. 請求項1記載の蓄電池状態監視システムにおいて、
    前記測定通信装置は、省電力モードとして、前記測定を行わない時、及び前記測定データ応答信号の送信を行わない時にはスリープ状態となる、
    蓄電池状態監視システム。
  5. 請求項1記載の蓄電池状態監視システムにおいて、
    前記測定通信装置での前記パラメータ毎の前記測定の測定周期と、前記通信装置での前記測定データの取得周期と、を含む設定情報が設定可能である、
    蓄電池状態監視システム。
  6. 請求項1記載の蓄電池状態監視システムにおいて、
    前記測定手段は、前記蓄電池のパラメータとして、温度、電圧、及び内部抵抗としてインピーダンスを測定する、
    蓄電池状態監視システム。
  7. 請求項1記載の蓄電池状態監視システムにおいて、
    前記測定通信装置と前記通信装置とが2.4GHzの無線周波数帯域の周波数を使用して無線通信を行う、
    蓄電池状態監視システム。
  8. 請求項1記載の蓄電池状態監視システムにおいて、
    前記蓄電池は、鉛蓄電池である、
    蓄電池状態監視システム。
  9. 1つ以上の蓄電池と前記1つ以上の蓄電池に接続された測定通信装置とを備える蓄電池装置であって、
    前記測定通信装置を子機として、親機である1つ以上の通信装置に無線通信接続され、
    前記測定通信装置は、
    前記1つ以上の蓄電池のパラメータを測定し、測定値を含む測定データを記憶する測定手段と、
    前記通信装置から信号を受信し、前記測定データを含む信号を、前記通信装置へ送信する通信手段と、
    を有し、
    前記測定通信装置は、前記通信装置から送信された、取得対象の蓄電池装置を指定した測定データ要求信号を受信し、受信した前記測定データ要求信号において、自機が取得対象として指定されている場合には、前記測定データを含む測定データ応答信号を、前記通信装置へ送信し、指定されていない場合には、自機を応答禁止状態にして、前記測定データ応答信号を前記通信装置へ送信しないようにする、
    蓄電池装置。
  10. 請求項9記載の蓄電池装置において、
    前記測定手段は、前記蓄電池のパラメータとして、温度、電圧、及び内部抵抗としてインピーダンスを測定する、
    蓄電池装置。
  11. 請求項9記載の蓄電池装置において、
    前記蓄電池は、鉛蓄電池である、
    蓄電池装置。
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