JP2019061533A - 座席管理システムおよび座席管理プログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】座っている利用者と立っている利用者が固定化するのを緩和・軽減して利用状況の流動化を促し、座っての利用もしくは立っての利用に対する利用者の多様なニーズに柔軟に対応することで利用者のストレスを軽減する。【解決手段】ポイント専用席を含む座席を有するサービスにおいて座席を管理する座席管理システム1であって、ポイント専用席への着席は、利用者が立席した場合に得られるポイントの消費が条件であり、立席している利用者に対してポイントを加算し、ポイント専用席に着席した利用者に対してポイントを減算する。【選択図】図1
Description
本発明は、混雑状況を管理する技術に関し、特に、座席に座れずに立った状態での利用者が存在し得るサービスにおいて混雑状況を管理する座席管理システムおよび座席管理プログラムに適用して有効な技術に関するものである。
電車やバス、船舶等の公共交通機関や、映画館、コンサートホール等の各種会場等では、サービスの提供にあたり、一定数の限られた座席に対してそれ以上の数の利用者を許容するものがある。この場合、座席に座ることができる利用者と、座れずに立った状態で利用する利用者とが存在し得る。このようなサービスでは、立った状態の利用者が受ける不公平感等のストレスを軽減する必要がある。
この点に関する技術として、例えば、特開2013−80308号公報(特許文献1)には、混雑時で座席に座れない場合と、空いていて座席に座っている場合とで乗車料金が同じであること等に対する不公平感を軽減するため、乗車した列車の混雑状況等に応じたインセンティブとしてポイントを付与する旨が記載されている。
従来技術では、利用者のICカードに記録された乗車履歴から取得した乗車区間や時間帯等の情報に基づいて、利用者が乗車した列車の混雑状況を推定し、これに応じたインセンティブポイントを付与している。この場合、当該利用者が実際に座っていたか立っていたかに関わらず、列車(もしくは車両)全体の混雑度に基づいてポイントが付与されることになる。すなわち、同じ混雑列車において、座ることができた利用者と立って乗車せざるを得なくなった利用者に対して区別なく同額のポイントが付与されるため、立って利用せざるを得なくなった利用者の不公平感は軽減されない。
そこで本発明の目的は、座っている利用者と立っている利用者が固定化するのを緩和・軽減して利用状況の流動化を促し、座っての利用もしくは立っての利用に対する利用者の多様なニーズに柔軟に対応することで利用者のストレスを軽減する座席管理システムおよび座席管理プログラムを提供することにある。
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、以下のとおりである。
本発明の代表的な実施の形態による座席管理システムは、ポイント専用席を含む座席を有するサービスにおいて座席を管理する座席管理システムであって、前記ポイント専用席への着席は、利用者が立席した場合に得られるポイントの消費が条件であり、立席している利用者に対してポイントを加算し、ポイント専用席に着席した利用者に対してポイントを減算するものである。
また、本発明は、コンピュータを上記のような座席管理システムとして動作させるプログラムにも適用することができる。
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば以下のとおりである。
すなわち、本発明の代表的な実施の形態によれば、座っている利用者と立っている利用者が固定化するのを緩和・軽減して利用状況の流動化を促し、座っての利用もしくは立っての利用に対する利用者の多様なニーズに柔軟に対応することで利用者のストレスを軽減することが可能となる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一部には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。一方で、ある図において符号を付して説明した部位について、他の図の説明の際に再度の図示はしないが同一の符号を付して言及する場合がある。
本発明の一実施の形態である座席管理システムは、所定の領域内の一定数の限られた座席に対してそれ以上の数の利用者を許容するサービスとして、例えば、自由席のみを有する列車による運送サービスを対象とする。そして、混雑時に立って乗車する利用者に対して、可能な限り座れるようにすることで満足させるのではなく、立って乗車することに対してインセンティブを与えることで、立って乗車せざるを得ない場合でもストレスを軽減することを可能とするものである。また、座って乗車している場合でも、立って席を譲ることに対してインセンティブを与えることで、座っている利用者と立っている利用者が固定化するのを緩和・軽減して利用状況の流動化を促すものである。
本実施の形態では、利用者に与えるインセンティブとして、立っているときの混雑状況等に応じてポイントを付与する。このポイントは、一般的なポイントサービスと同様の換金性や換価性を有するものであってもよいが、本実施の形態では、このポイントを利用することで、ポイント専用の座席に優先的に座ることができるようになるものとする。すなわち、本実施の形態では、利用者は、立席した(もしくは立席している)場合に得られるポイントの消費を条件として、その対価としてポイント専用席に着席することができる。
<システム構成>
図1は、本発明の一実施の形態である座席管理システムの構成例について概要を示した図である。座席管理システム1は、例えば、座席管理サーバ10に対して、インターネット等のネットワーク20を介して車両30および車両30の各利用者が保有するスマートフォン40が接続する構成を有する。
図1は、本発明の一実施の形態である座席管理システムの構成例について概要を示した図である。座席管理システム1は、例えば、座席管理サーバ10に対して、インターネット等のネットワーク20を介して車両30および車両30の各利用者が保有するスマートフォン40が接続する構成を有する。
車両30は、自由席のみを有する列車の車両であり、例えば、ドアに設置されたドアセンサ31、および各座席(複数人が着席できる長椅子タイプの場合は1人あたりの座席)の座面内部や背もたれ内部等に設置された座席センサ32を有する。また、4G等の移動体通信により、ネットワーク20を介して座席管理サーバ10に接続することができる。
ドアセンサ31は、例えば、赤外線や映像等を用いた通過センサを用いて構成され、ドアを通過した乗客の人数、および乗車/降車の区別を検知する。車両30のドアに設置する場合に限定されるものではなく、例えば、駅の改札など、車両30に対する乗降と対応付けることができる場所であれば適宜設置することができる。一方、座席センサ32は、例えば、赤外線等を用いた人感センサや、利用者が能動的に操作するスイッチ等を用いて構成され、座席に対する利用者の立席/着席を検知する。
これらのセンサは、さらに、Bluetooth(登録商標)ビーコン等の近距離無線通信機能を有して、利用者が保有するスマートフォン40と通信を行い、所定のアプリケーション41が導入されたスマートフォン40を保有している利用者を特定するようにしてもよい。そして、これらのセンサは、所定の事象を検知した場合に、その旨と検知した内容に係る情報を、ネットワーク20を介して座席管理サーバ10に送信する。
スマートフォン40は、利用者が携帯する情報処理端末であり、4G等の移動体通信により、ネットワーク20を介して座席管理サーバ10に接続することができる。車両30が車内にWi−Fi(登録商標)ネットワークを提供している場合は、これを利用してネットワーク20に接続するものであってもよい。また、スマートフォン40には、座席管理サーバ10にアクセスして座席管理システム1が提供するサービスを利用するための所定のアプリケーション41が予め導入されているものとする。
座席管理サーバ10は、例えば、サーバ機器やクラウドコンピューティングサービス上に構築された仮想サーバにより構成されたサーバシステムであり、利用者に対して車両での立席/着席とそのときの混雑状況に応じてポイントの付与/消費を制御する処理を行う。この座席管理サーバ10は、例えば、図示しないOS(Operating System)やDBMS(DataBase Management System)、Webサーバプログラム等のミドルウェア上で稼働するソフトウェアとして実装された混雑状況判定部110、乗降処理部120、着席処理部130、立席処理部140、継続処理部150、およびインタフェース部160等の各部を有する。
また、データベースやファイルテーブル等により実装された混雑履歴データベース(DB)171、乗降履歴DB172、座席状況DB173、立着席履歴DB174、ポイントDB175、ポイント付与テーブル(TB)176、および利用者マスタ177等の各データストアを有する。
混雑状況判定部110は、ある時点(例えば、車両30のドアが閉まって利用者の乗降が完了した時点等)における各車両30の利用者数(直近の利用者数合計+乗車してきた利用者数−降車した利用者数)の概算を集計することで、当該時点における各車両30の混雑状況を判定する機能を有する。この利用者数には、上述したアプリケーション41が導入されたスマートフォン40を保有していない一般の利用者の数も含まれる。混雑状況に係る情報は、混雑履歴DB171に記録する。混雑状況は、例えば、各車両30の利用者数の絶対値に基づいて判定してもよいし、車両30の定員に対する割合等に基づいて判定してもよい。
乗降処理部120は、アプリケーション41が導入されたスマートフォン40を保有する利用者が車両30から乗降した際の処理を行う機能を有する。具体的には、利用者が車両30に乗車した事象、および車両30から降車した事象を検知して、乗降履歴DB172に記録する。車両30に対する利用者の乗降の事象は、車両30のドア等に設置されたドアセンサ31により検知することができる。利用者毎の車両30に対する乗降の事象に係る情報は、乗降履歴DB172に記録する。
着席処理部130は、アプリケーション41が導入されたスマートフォン40を保有する利用者が車両30において座席に着席する/着席した際の処理を行う機能を有する。具体的には、ポイントを消費しなければ着席できないポイント専用席への着席について、消費ポイントの確認と、着席した際のポイントの消費に係る処理を行う。なお、ポイント専用席以外の一般の座席については、ポイントの消費なく通常通り着席できるものとする。すなわち、ポイント専用席は、例えば、JR(登録商標)の普通列車グリーン車等と類似するものと考えることができる。
立席処理部140は、アプリケーション41が導入されたスマートフォン40を保有する利用者が車両30において座席から立つ/立った際の処理を行う機能を有する。具体的には、着席中の利用者が、降車のためではなく、席を他の利用者に譲るために立席した場合に、そのときの車両30の混雑状況に応じて相応のポイントを付与する処理を行う。他の利用者に席を譲る状況としては、例えば、他の利用者がスマートフォン40のアプリケーション41を利用して着席希望を行った場合が含まれる。また、そのような事情がない状況で、着席中の利用者が混雑状況を考慮して任意に立席する場合も含まれる。
継続処理部150は、アプリケーション41が導入されたスマートフォン40を保有する利用者が車両30において着席中/立席中の状態が一定時間以上継続した際の処理を行う機能を有する。具体的には、例えば、ポイント専用席に着席中の利用者が着席してから一定時間以上経過してなお着席中の状態が継続している場合、経過時間に応じてさらにポイントを消費させる。もしくは、立席中の利用者が立席してから一定時間以上経過してなお立席中の状態が継続している場合、経過時間に応じてさらにポイントを付与する。
なお、ポイントをさらに付与/消費するまでの一定時間の長さは、着席中と立席中とで異なっていてもよい。また、車両30の混雑状況や利用者の属性情報等に応じて可変であってもよい。また、一定時間が経過してポイントの付与/消費を行った後、さらに一定時間が経過する毎に、ポイントの付与/消費を繰り返すようにしてもよい。
インタフェース部160は、例えば、ネットワーク20を介して車両30からデータを取得するデータ入力インタフェースの機能に加えて、スマートフォン40のアプリケーション41に対して情報表示および操作入力のための画面もしくはデータを提供するユーザインタフェースの機能を有する。情報表示の画面として、例えば、利用者が乗車した車両30における座席配置図を画像表示し、座席毎の着席状況等を着色により区分して表示するようにしてもよい。また、操作入力の画面として、後述するような、着席希望の入力と表示や、立席/着席に際して事前に付与/消費ポイントを確認する画面を表示するようにしてもよい。また、座席管理サーバ10の管理者等が、データベースやテーブルの内容を参照したり、データを登録・変更したりするための、管理者・開発者用インタフェースの機能を有していてもよい。
<処理の流れ>
図2は、本実施の形態の混雑状況判定部110による混雑状況判定処理の流れの例について概要を示したフローチャートである。処理を開始すると、混雑状況判定部110は、まず、混雑履歴DB171から各車両30(もしくは対象の車両30)の混雑履歴に係る情報を読み込む(S01)。その後、各車両30(もしくは対象の車両30)のドアセンサ31から、前回の処理時以降に検知された乗車してきた利用者および降車した利用者の数の情報を取得する(S02)。
図2は、本実施の形態の混雑状況判定部110による混雑状況判定処理の流れの例について概要を示したフローチャートである。処理を開始すると、混雑状況判定部110は、まず、混雑履歴DB171から各車両30(もしくは対象の車両30)の混雑履歴に係る情報を読み込む(S01)。その後、各車両30(もしくは対象の車両30)のドアセンサ31から、前回の処理時以降に検知された乗車してきた利用者および降車した利用者の数の情報を取得する(S02)。
そして、前回の処理時における直近の利用者数の合計に、乗車してきた利用者数を加算し、降車した利用者数を減算することで、現在の利用者数の概算の情報を算出し(S03)、これに基づいて混雑状況を判定する。混雑状況は、利用者数の合計の絶対値に基づいて判定してもよいし、車両30の定員に対する割合等に基づいて判定してもよい。その後、現在の混雑状況に係る情報を、履歴として混雑履歴DB171に書き込んで(S04)、一連の処理を終了する。なお、この一連の処理は、所定の間隔で定期的に実行してもよいし、車両30が停車して利用者の乗降が行われ、ドアが閉まったタイミング、すなわち車両30内の利用者が確定したタイミングで実行するようにしてもよい。
図3は、本実施の形態の乗降処理部120による乗降処理の流れの例について概要を示したフローチャートである。車両30のドアセンサ31により、アプリケーション41が導入されたスマートフォン40を保有する利用者が通過したことを検知すると(S11)、乗降処理部120は、その検知内容から、対象の利用者が車両30に乗車したのか車両30から降車したのかを判定する(S12)。判定に際しては、ドアセンサ31の情報のみでは乗車/降車の判定ができない場合も生じ得る。この場合は、ドアセンサ31の情報に加えて、例えば、駅の改札等に設置された他のセンサの検知内容や、駅の自動改札における入場/出場の記録等の他の情報も参照して、これらの情報の組み合わせから論理的に判定するようにしてもよい。
その後、ステップS12での判定結果を、対象の利用者の乗降の履歴として乗降履歴DB172に書き込む(S13)。さらに、乗降に伴う立席/着席の状況の変化を履歴として立着席履歴DB174に書き込む(S14)。例えば、対象の利用者が乗車してきた場合には、乗車直後は立席状態であることから、乗車によって立席状態となった旨を書き込む。また、対象の利用者が降車した場合は、立席状態でも着席状態でもなくなることから、その旨(乗車状態が終了した旨)を書き込むようにしてもよい。
そして、対象の利用者が車両30に乗車してきた場合は(S15:No)、そのまま乗降処理を終了する。一方、対象の利用者が車両30から降車した場合は(S15:Yes)、対象の利用者が乗車してから降車するまでの立着席の履歴情報を、立着席履歴DB174から読み込む(S16)。履歴情報の内容を解析し、乗車して以降、少なくとも1回以上は着席していると判定された場合は(S17:No)、そのまま乗降処理を終了する。一方、乗車して以降、1回も着席していないと判定された場合は(S17:Yes)、対象の利用者に対して所定額の追加のポイントを付与(加算)する旨を、ポイントDB175に書き込むようにしてもよい(S18)。その後、一連の乗降処理を終了する。
図4は、本実施の形態の着席処理部130による着席処理の流れの例について概要を示したフローチャートである。アプリケーション41が導入されたスマートフォン40を保有する利用者が着席するにあたり、事前にアプリケーション41の操作を介してポイント専用席への着席を希望している旨を座席管理サーバ10に対して通知した場合(S21:Yes)、着席処理部130は、混雑履歴DB171から対象の車両30の混雑状況に係る情報を取得する(S22)。そして、ポイント付与TB176を参照して、現在の混雑状況に応じた消費ポイントの情報を取得し(S23)、これをアプリケーション41の画面上に提示する(S24)。対象の利用者は、アプリケーション41の画面を介して消費ポイントの概算を事前に把握した上で、実際にポイントを消費してポイント専用席に着席するか否かを決定することができる。
事前にアプリケーション41の操作が行われなかった場合(S21:No)も含め、その後、利用者が通常の座席もしくはポイント専用席に着席したことを座席センサ32が検知すると(S25)、着席処理部130は、対象の座席が着席状態となった旨を座席状況DB173に書き込む(S26)。また、対象の利用者が着席状態となった旨を立着席履歴DB174に書き込む(S27)。そして、利用者が着席した座席がポイント専用席ではない場合は(S28:No)、そのまま着席処理を終了する。
一方、利用者が着席した座席がポイント専用席である場合は(S28:Yes)、着席処理部130は、混雑履歴DB171から対象の車両30の混雑状況に係る情報を取得する(S29)。そして、ポイント付与TB176を参照して、現在の混雑状況に応じた消費ポイントの情報を取得し(S30)、対象の利用者に対してこのポイントを消費(減算)した旨をポイントDB175に書き込んで(S31)、着席処理を終了する。
図5は、本実施の形態の立席処理部140による立席処理の流れの例について概要を示したフローチャートである。アプリケーション41が導入されたスマートフォン40を保有し、座席(通常の座席およびポイント専用席)に着席中の利用者が立席するにあたり、事前にアプリケーション41の操作を介して立席する(席を譲る)意思がある旨を座席管理サーバ10に対して通知した場合(S41:Yes)、立席処理部140は、対象の座席の利用者が立席する可能性がある旨を座席状況DB173に書き込む(S42)。
その後、混雑履歴DB171から対象の車両30の混雑状況に係る情報を取得する(S43)。そして、ポイント付与TB176を参照して、現在の混雑状況に応じた付与ポイントの情報を取得し(S44)、これをアプリケーション41の画面上に提示する(S45)。対象の利用者は、アプリケーション41の画面を介して付与ポイントの概算を事前に把握した上で、実際に立席して席を譲るか否かを決定することができる。
事前にアプリケーション41の操作が行われなかった場合(S41:No)も含め、その後、利用者が着席状態から立席したことを座席センサ32が検知すると(S46)、立席処理部140は、対象の座席が空席状態となった旨を座席状況DB173に書き込む(S47)。また、対象の利用者が立席状態となった旨を立着席履歴DB174に書き込む(S48)。
その後、対象の利用者について付与ポイントをポイントDB175に書き込むことでポイントを付与(加算)する(S51)。このとき、他の利用者がスマートフォン40のアプリケーション41を利用して着席希望を行っている場合は(S49:Yes)、対象の利用者が立席した時点でそのままポイントを付与する。一方、他の利用者から着席希望が行われていない場合は(S49:No)、自発的に立席したものとして、立席から一定時間ウェイトした後に(S50)、ポイントを付与する。これにより、降車するために必然的に立席した場合にも席を譲ったのと同様のポイントが付与されてしまうのを回避することができる。
図6は、本実施の形態の継続処理部150による継続処理の流れの例について概要を示したフローチャートである。継続処理部150は、一定時間毎に、立着席履歴DB174を読み込んで、アプリケーション41が導入されたスマートフォン40を保持している各利用者について、立席中か着席中かの情報を取得する(S61)。対象の利用者が立席中である場合において(S62:Yes)、当該利用者がアプリケーション41を操作して着席希望を行った場合は(S63:Yes)、当該利用者が乗車中の車両30内の各座席について着席希望がされている旨を座席状況DB173に書き込む(S64)。
対象の利用者が着席中である場合(S62:No)、および立席中であるが着席希望をしていない場合(S62:Yes、S63:No)も含めて、その後、対象の利用者が立席状態もしくは着席状態となってから一定時間が経過したか否かを判定する。経過していない場合は(S65:No)、そのまま継続処理を終了する。一方、一定時間が経過している場合は(S65:Yes)、混雑履歴DB171から対象の車両30の混雑状況に係る情報を取得する(S66)。そして、ポイント付与TB176を参照して、現在の混雑状況に応じた付与ポイントもしくは消費ポイントの情報を取得し(S67)、対象の利用者についてこのポイントを付与もしくは消費した旨をポイントDB175に書き込んで(S68)、継続処理を終了する。
なお、上述の図2〜図6で示した各フローチャートの処理内容はあくまで一例であり、同様の処理結果を得ることが可能なものであれば、具体的な処理順序や処理内容は異なっていてもよい。
<データ構成>
図7は、本実施の形態における混雑履歴DB171のデータ構成の例について概要を示した図である。混雑履歴DB171は、各車両30の混雑状況の履歴に係る情報を保持するテーブルであり、例えば、車両ID、乗車定員、現在利用者数、混雑状況、および判定日時等の各項目を有する。
図7は、本実施の形態における混雑履歴DB171のデータ構成の例について概要を示した図である。混雑履歴DB171は、各車両30の混雑状況の履歴に係る情報を保持するテーブルであり、例えば、車両ID、乗車定員、現在利用者数、混雑状況、および判定日時等の各項目を有する。
車両IDの項目は、混雑状況を管理する単位となる各車両30を一意に識別するIDやシーケンス番号等の情報を保持する。乗車定員の項目は、対象の車両30の乗車定員の情報を保持する。この値は混雑状況を求める際の基準となる。現在利用者数の項目は、対象の車両30における現在の利用者総数の概算の情報を保持する。混雑状況の項目は、対象の車両30の混雑状況を示す指標値を保持する。この値は、例えば、車両30の現在利用者数の絶対値に基づいて判定してもよいし、車両30の乗車定員に対する現在利用者数の割合等に基づいて判定してもよい。判定日時の項目は、対象の車両30に係る現在利用者数や混雑状況等を判定した時点のタイムスタンプの情報を保持する。
図8は、本実施の形態における乗降履歴DB172のデータ構成の例について概要を示した図である。乗降履歴DB172は、各利用者の車両30に対する乗降の履歴に係る情報を保持するテーブルであり、例えば、利用者ID、車両ID、乗降区分、および乗降日時等の各項目を有する。
利用者IDの項目は、乗降履歴を管理する対象となる利用者を一意に識別するIDやシーケンス番号等の情報を保持する。この値は、後述する利用者マスタ177に登録されている値となる。車両IDの項目は、対象の利用者が乗降を行った車両30を特定するID情報を保持する。乗降区分の項目は、対象の利用者が行ったのが乗車か降車かを区分するコード値等の情報を保持する。乗降日時の項目は、対象の利用者が乗車もしくは降車した時点のタイムスタンプの情報を保持する。
図9は、本実施の形態における座席状況DB173のデータ構成の例について概要を示した図である。座席状況DB173は、各車両30内の各座席についての着席状況等に係る情報を保持するテーブルであり、例えば、車両ID、座席番号、座席区分、着席状況、着席利用者ID、立席可能性、着席希望、および更新日時等の各項目を有する。
車両IDの項目は、対象の座席が設置された車両を特定するID情報を保持する。座席番号の項目は、対象の座席を一意に識別するシーケンス番号等の情報を保持する。上記の車両IDと合わせてユニークとなるようなものであってもよい。座席区分の項目は、対象の座席がポイント専用席か通常の座席か等を区分するコード値等の情報を保持する。着席状況の項目は、対象の座席に利用者が着席中であるか、空席であるかの状況を示すコード値等の情報を保持する。着席利用者IDの項目は、対象の座席に利用者が着席中である場合に、その利用者がアプリケーション41が導入されたスマートフォン40を保有する利用者である場合は、その利用者を特定するID情報を保持する。この値は、後述する利用者マスタ177に登録されている値となる。
立席可能性の項目は、対象の座席に上記の利用者が着席中である場合に、当該利用者がアプリケーション41において立席に係る操作(付与ポイントの確認等)を行っている状況であるか否かを示すコード値等の情報を保持する。着席希望の項目は、対象の座席の近傍(例えば、当該座席が設置された車両30内)で立席中の利用者がアプリケーション41において着席希望に係る操作を行っている状況であるか否かを示すコード値等の情報を保持する。更新日時の項目は、対象の座席に係る着席状況等の項目の値を更新した時点のタイムスタンプの情報を保持する。
図10は、本実施の形態における立着席履歴DB174のデータ構成の例について概要を示した図である。立着席履歴DB174は、各利用者の車両30内における立席/着席の履歴に係る情報を保持するテーブルであり、例えば、利用者ID、車両ID、立着席区分、立着席日時、および混雑状況等の各項目を有する。
利用者IDの項目は、立着席履歴を管理する対象となる利用者を特定するID情報を保持する。この値は、後述する利用者マスタ177に登録されている値となる。車両IDの項目は、対象の利用者が立着席を行った車両30を特定するID情報を保持する。立着席区分の項目は、対象の利用者が行ったのが立席か着席かを区分するコード値等の情報を保持する。立着席日時の項目は、対象の利用者が立席もしくは着席した時点のタイムスタンプの情報を保持する。混雑状況の項目は、対象の利用者が立席もしくは着席した時点の車両30の混雑状況に係る情報を保持する。この値は、同じ時間帯において上記の混雑履歴DB171における混雑状況の項目と同じ値となる。
図11は、本実施の形態におけるポイントDB175のデータ構成の例について概要を示した図である。ポイントDB175は、各利用者が保有するポイントの情報を保持するテーブルであり、例えば、利用者ID、保有ポイント、および更新日時等の各項目を有する。
利用者IDの項目は、ポイントを管理する利用者を特定するID情報を保持する。この値は、後述する利用者マスタ177に登録されている値となる。保有ポイントの項目は、対象の利用者が保有するポイント総額の情報を保持する。更新日時の項目は、対象の利用者の保有ポイントの値が更新された時点のタイムスタンプの情報を保持する。なお、上述したような保有ポイントの情報に加えて、ポイントの付与/消費の履歴情報を別途記録するようにしてもよい。
図12は、本実施の形態におけるポイント付与TB176のデータ構成の例について概要を示した図である。ポイント付与TB176は、車両30の混雑状況に応じて付与/消費されるポイントについての設定情報を保持するテーブルであり、例えば、車両ID、混雑状況、付与/消費区分、および付与/消費ポイント等の各項目を有する。
車両IDの項目は、対象の車両30を特定するID情報を保持する。混雑状況は、対象の車両30において付与/消費されるポイントの決定基準となる混雑状況に係る情報を保持する。混雑状況は、上述した混雑履歴DB171における混雑状況の項目と同じ内容であり、混雑状況を示す区分や値によって設定される。混雑状況が値によって表される場合は、その範囲によって設定されてもよい。付与/消費区分の項目は、対象のポイントを付与するのか消費するのかを区分するコード値等の情報を保持する。付与/消費ポイントの項目は、対象の混雑状況の場合に付与/消費されるポイントの値の情報を保持する。
図13は、本実施の形態における利用者マスタ177のデータ構成の例について概要を示した図である。利用者マスタ177は、座席管理システム1により提供されるサービスの利用者、すなわち、アプリケーション41が導入されたスマートフォン40を保有する利用者についてのマスタ情報を保持するテーブルであり、例えば、利用者ID、年齢、性別、デフォルト利用内容、および設定情報等の各項目を有する。
利用者IDの項目は、対象の利用者を一意に識別するIDやシーケンス番号等の情報を保持する。年齢および性別の各項目は、それぞれ、対象の利用者の年齢および性別を示す値やコード値等の情報を保持する。これらの属性情報の値に応じて、付与/消費するポイントに重み付けをしてもよい。例えば、高齢の利用者がポイント専用席に着席する際には消費ポイントを少なくする等の調整を行うことができる。デフォルト利用内容の項目は、対象の利用者が日常的に同じ内容の利用をする場合に、その利用内容に係る情報を保持する。例えば、乗降区間や利用時間帯等の情報を保持することで、その内容に応じて、付与・消費するポイントに重み付けしたり、立席可能性を予測したりすることも可能である。設定情報の項目は、対象の利用者におけるサービスの利用内容に係る各種のパーソナライズ情報を保持する。
なお、上述の図7〜図13で示した各テーブルのデータ構成(項目)はあくまで一例であり、同様のデータを保持・管理することが可能な構成であれば、他のテーブル構成やデータ構成であってもよい。
以上に説明したように、本発明の一実施の形態である座席管理システム1によれば、車両30において、立席により利用する場合もしくは立席して席を譲った場合に、そのときの混雑状況等に応じてポイントを付与する一方で、ポイントを消費しなければ着席できないポイント専用席を設ける。これにより、立席の状態で利用することに対してインセンティブを与えるとともに、着席したい場合にポイントを消費すれば着席できるという安心感を与え、立席状態でのストレスを軽減することが可能となる。また、立席の状態で利用することに対してインセンティブを与え、間接的に立席を促すことで、着席中の利用者と立席中の利用者が固定化するのを緩和・軽減して利用状況の流動化を促すことが可能となる。
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。例えば、上記の実施の形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、上記の実施の形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
例えば、上記の実施の形態では、利用者に付与もしくは消費するポイントの値を、車両30の混雑状況や、立席・着席の継続時間に応じて決定しているが、決定条件はこれらに限られない。これらの条件に加えて、もしくはこれらの条件に代えて、例えば、利用者の年齢等の属性情報や、その他の条件を用いるようにしてもよい。また、上記の実施の形態では、ポイント専用席を、ポイントを消費しなければ着席できない座席であるとしているが、これに限られず、着席する場合に所定の利用条件を満たさなければならない座席であればよい。例えば、一定のポイントを獲得した場合や、その他の所定の条件を満たしたような場合に限り特典的に着席できる座席であってもよい。また、その場合に、着席に際してポイントの消費を不要とするものであってもよい。
また、上記の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部または全部を、例えば、集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、上記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリやハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記録装置、またはICカード、SDカード、DVD等の記録媒体に置くことができる。
また、上記の各図において、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、必ずしも実装上の全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際にはほとんど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
本発明は、座席に座れずに立った状態での利用者が存在し得るサービスにおいて混雑状況を管理する座席管理システムおよび座席管理プログラムに利用可能である。
1…座席管理システム、
10…座席管理サーバ、20…ネットワーク、30…車両、31…ドアセンサ、32…座席センサ、40…スマートフォン、41…アプリケーション、
110…混雑状況判定部、120…乗降処理部、130…着席処理部、140…立席処理部、150…継続処理部、160…インタフェース部、171…混雑履歴DB、172…乗降履歴DB、173…座席状況DB、174…立着席履歴DB、175…ポイントDB、176…ポイント付与TB、177…利用者マスタ
10…座席管理サーバ、20…ネットワーク、30…車両、31…ドアセンサ、32…座席センサ、40…スマートフォン、41…アプリケーション、
110…混雑状況判定部、120…乗降処理部、130…着席処理部、140…立席処理部、150…継続処理部、160…インタフェース部、171…混雑履歴DB、172…乗降履歴DB、173…座席状況DB、174…立着席履歴DB、175…ポイントDB、176…ポイント付与TB、177…利用者マスタ
Claims (5)
- ポイント専用席を含む座席を有するサービスにおいて座席を管理する座席管理システムであって、
前記ポイント専用席への着席は、利用者が立席した場合に得られるポイントの消費が条件であり、
立席している利用者に対してポイントを加算し、
ポイント専用席に着席した利用者に対してポイントを減算する、
座席管理システム。 - ポイント専用席を含む座席を有するサービスにおいて座席を管理する座席管理システムであって、
前記ポイント専用席への着席は、利用者が立席した場合に得られるポイントの消費が条件であり、
前記サービスが提供される領域への利用者の出入りの情報に基づいて、前記サービスの利用者の総数の情報を取得し、その時点での前記サービスの混雑状況を判定する混雑状況判定部と、
各座席における利用者の立席および着席を検知し、また、利用者が保有する携帯端末に導入されたアプリケーションと通信を行うことができる座席センサにより、携帯端末を保持する第1の利用者が立席したことを検知した場合に、前記第1の利用者に対して、前記混雑状況判定部により判定されたその時点での混雑状況に応じて定められたポイントを加算した旨を記録する立席処理部と、
前記座席センサにより、携帯端末を保持する第2の利用者が、前記ポイント専用席に着席したことを検知した場合に、前記第2の利用者に対して、前記混雑状況判定部により判定されたその時点での混雑状況に応じて定められたポイントを減算した旨を記録する着席処理部と、
を有する、座席管理システム。 - 請求項2に記載の座席管理システムにおいて、
さらに、前記第1の利用者が立席してから所定の時間が経過する毎に、前記第1の利用者に対して、前記混雑状況判定部により判定されたその時点での混雑状況に応じて定められたポイントを加算した旨を記録し、もしくは、前記第2の利用者が着席してから所定の時間が経過する毎に、前記第2の利用者に対して、前記混雑状況判定部により判定されたその時点での混雑状況に応じて定められたポイントを減算した旨を記録する継続処理部を有する、
座席管理システム。 - 請求項2〜3のいずれか1項に記載の座席管理システムにおいて、
前記サービスは列車の運輸サービスであり、前記サービスが提供される前記領域は、前記列車の車両である、座席管理システム。 - ポイント専用席を含む座席を有するサービスにおいて座席を管理する座席管理システムとして機能するよう、コンピュータに処理を実行させる座席管理プログラムであって、
前記ポイント専用席への着席は、利用者が立席した場合に得られるポイントの消費が条件であり、
前記サービスが提供される領域への利用者の出入りの情報に基づいて、前記サービスの利用者の総数の情報を取得し、その時点での前記サービスの混雑状況を判定する混雑状況判定処理と、
各座席における利用者の立席および着席を検知し、また、利用者が保有する携帯端末に導入されたアプリケーションと通信を行うことができる座席センサにより、携帯端末を保持する第1の利用者が立席したことを検知した場合に、前記第1の利用者に対して、前記混雑状況判定処理により判定されたその時点での混雑状況に応じて定められたポイントを加算した旨を記録する立席処理と、
前記座席センサにより、携帯端末を保持する第2の利用者が、前記ポイント専用席に着席したことを検知した場合に、前記第2の利用者に対して、前記混雑状況判定処理により判定されたその時点での混雑状況に応じて定められたポイントを減算した旨を記録する着席処理と、
を前記コンピュータに実行させる、座席管理プログラム。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2017186245A Pending JP2019061533A (ja) | 2017-09-27 | 2017-09-27 | 座席管理システムおよび座席管理プログラム |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2021012608A (ja) * | 2019-07-08 | 2021-02-04 | 株式会社パインベース | プログラム及び情報処理装置 |
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- 2017-09-27 JP JP2017186245A patent/JP2019061533A/ja active Pending
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