JP2019060760A - レンズ特性測定装置及びレンズ特性測定装置の作動方法 - Google Patents

レンズ特性測定装置及びレンズ特性測定装置の作動方法 Download PDF

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【課題】被検レンズの光軸の偏心及び傾きが発生した場合でも誤差の少ない被検レンズの光学特性の測定値が得られるレンズ特性測定装置、及びレンズ特性測定装置の作動方法を提供する。【解決手段】被検レンズに対して入射角度が異なる複数の測定光を異なるタイミングで入射させる照明光学系と、複数のピンホールを有するハルトマンプレートと、複数のピンホールを透過した測定光の複数の測定光束が投影されるスクリーンと、照明光学系が入射角度の異なる測定光を被検レンズに入射させるごとに、複数の測定光束が投影されているスクリーンを撮影する撮影光学系と、撮影光学系により撮影された入射角度ごとの撮影画像を解析して、被検レンズのコマ収差を含む複数の光学特性を入射角度ごとに取得し、コマ収差が最小となる他の光学特性を決定する光学特性決定制御部と、を備える。【選択図】図4

Description

本発明は、被検レンズの光学特性を測定するレンズ特性測定装置及びレンズ特性測定装置の作動方法に関する。
被検レンズとして例えば眼鏡フレームに保持されている眼鏡レンズの光学特性を測定するレンズ特性測定装置が知られている。このレンズ特性測定装置には、左右の眼鏡レンズの光学特性を片方ずつ個別に測定するタイプ(特許文献1参照)と、左右の眼鏡レンズの光学特性を同時測定するタイプ(特許文献2参照)とが存在している。
レンズ特性測定装置にて眼鏡レンズの光学特性を測定する場合に、レンズ特性測定装置の光軸に対して眼鏡レンズの光軸が傾いていると、収差の影響などにより測定結果に誤差が含まれてしまう。このため、レンズ特性測定装置にて眼鏡レンズの光学特性を精度よく測定するためには、レンズ特性測定装置の光軸と眼鏡レンズの光軸とを一致させる必要がある。
特許文献1に記載のレンズ特性測定装置は、眼鏡フレームのブリッジ部を支持するフレーム支持部と、眼鏡フレームの左右のリム部を挟み込むフレームグリッパと、眼鏡レンズの光学特性を測定する測定部と、を備える。このレンズ特性測定装置では、フレーム支持部等に支持されている眼鏡フレームの位置及び姿勢を調整可能に保持し、レンズアライナーに押圧することで、眼鏡レンズとレンズ特性測定装置の光軸とを一致させた状態での眼鏡レンズの光学特性を測定することができる。
特許文献2に記載のレンズ特性測定装置には、眼鏡フレームを水平に保持する保持部が設けられている。
特許文献3には、斜め方向から眼鏡レンズに測定光を入射可能なレンズ特性測定装置が開示されている。また、特許文献4には、眼鏡レンズに対して複数の方向から測定光を入射して得た眼鏡レンズの光学特性の測定結果に基づき、累進多焦点型の眼鏡レンズの複数箇所の光学特性を得るレンズ特性測定装置が開示されている。
米国特許第9366884号明細書 特開2002−202219号公報 特開2003−106937号公報 特開2006−226736号公報
ところで、特許文献1に記載のレンズ特性測定装置のように、眼鏡フレームを移動及び回転可能に保持し、その位置及び姿勢を調整可能にする場合、眼鏡フレームを移動及び回転するための機構が複雑になるので、レンズ特性測定装置の耐久性及びコストアップという問題が発生する。
図19は、特許文献2に記載のレンズ特性測定装置、すなわち眼鏡フレーム101の左右の眼鏡レンズ102の光学特性を同時測定するレンズ特性測定装置200の課題を説明するための説明である。図19に示すように、レンズ特性測定装置200では、左右の眼鏡レンズ102の裏面に当接する一対の支持ピン201と、眼鏡フレーム101の鼻当てパッド部106に当接する鼻当て支持部材202とにより、眼鏡フレーム101を水平な姿勢で支持している。そして、一対の光源203からそれぞれ一対のコリメータレンズ204を介して、左右の眼鏡レンズ102に平行光束の測定光を照射する。左右の眼鏡レンズ102を透過した測定光は、レンズ特性測定装置200の一対の測定系205で検出される。
この際に、眼鏡フレーム101に保持されている左右の眼鏡レンズ102は、その使用者の瞳孔間距離(Pupil Distance:PD)等の処方に合わせて位置調整されている。このため、左右の眼鏡レンズ102の光学中心位置の間の光学中心間距離(Optical Center Distance:OCD)は使用者ごとに異なる。また、左右の眼鏡レンズ102は眼鏡フレーム101の左右のリムにそれぞれ個別に保持されているので、左右の眼鏡レンズ102の光軸OAは必ずしも互いに平行ではない。従って、左右の眼鏡レンズ102の度数が大きい場合又は眼鏡フレーム101の反りが大きい場合、レンズ特性測定装置200に眼鏡フレーム101を水平にセットしても、レンズ特性測定装置200の光軸OBに対して左右の眼鏡レンズ102の光軸OAが偏心あるいは傾いてしまう。その結果、眼鏡レンズ102の光学特性の測定結果に誤差が含まれてしまう。
一方、特許文献3には眼鏡レンズに対して斜め方向から測定光を入射する構成が開示されているが、眼鏡レンズの光学特性を測定する際に、眼鏡レンズの光軸の偏心及び傾きによる光学特性の測定値の誤差を補正する構成については開示及び示唆されていない。また、特許文献4においても同様に、眼鏡レンズの光学特性を測定する際に、眼鏡レンズの光軸の偏心及び傾きによる光学特性の測定値の誤差を補正する構成については開示及び示唆されていない。従って、仮に特許文献3又は特許文献4のレンズ特性測定装置を特許文献2のレンズ特性測定装置に組み合わせたとしても、眼鏡レンズの光学特性を測定する際に、眼鏡レンズの光軸の偏心及び傾きによる光学特性の測定値の誤差は補正できない。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、被検レンズの光軸の偏心及び傾きが発生した場合でも誤差の少ない被検レンズの光学特性の測定値が得られるレンズ特性測定装置、及びレンズ特性測定装置の作動方法を提供することを目的とする。
本発明の目的を達成するためのレンズ特性測定装置は、被検レンズに対して入射角度が異なる複数の測定光を異なるタイミングで入射させる照明光学系と、被検レンズに対して照明光学系とは反対側に設けられ、被検レンズを透過した測定光を透過させる複数のピンホールを有するハルトマンプレートと、複数のピンホールを透過した測定光の複数の測定光束が投影されるスクリーンと、スクリーンに対してハルトマンプレートとは反対側に設けられ、照明光学系が入射角度の異なる測定光を被検レンズに入射させるごとに、複数の測定光束が投影されているスクリーンを撮影する撮影光学系と、撮影光学系により撮影された入射角度ごとのスクリーンの撮影画像を解析して、被検レンズのコマ収差とコマ収差以外の他の光学特性とを含む複数の光学特性を入射角度ごとに取得し、コマ収差が最小となる他の光学特性を決定する光学特性決定制御部と、を備える。
このレンズ特性測定装置によれば、眼鏡レンズの光軸の偏心及び傾きによる他の光学特性の測定値の誤差を補正することができるので、誤差の少ない光学特性が得られる。
本発明の他の態様に係るレンズ特性測定装置において、照明光学系は、照明光学系の光軸に直交する平面内に配置された複数の光源を備え、複数の光源から異なるタイミングで被検レンズへ測定光を出射する。これにより、被検レンズに対して入射角度が異なる複数の測定光を異なるタイミングで入射させることができる。
本発明の他の態様に係るレンズ特性測定装置において、照明光学系は、照明光学系の光軸上に配置された1つの光源と、光源と被検レンズの間に設けられ、光源から被検レンズに入射する測定光の入射角度を変化させる入射角度調整部であって、入射角度を複数の角度に異なるタイミングで変化させる入射角度調整部と、を備える。これにより、被検レンズに対して入射角度が異なる複数の測定光を異なるタイミングで入射させることができる。
本発明の他の態様に係るレンズ特性測定装置において、光学特性決定制御部は、入射角度ごとのスクリーンの撮影画像を解析して、入射角度ごとの複数の光学特性を取得する光学特性取得部と、光学特性取得部が取得した入射角度ごとの複数の光学特性に基づき、複数の光学特性が未取得の他の入射角度ごとの複数の光学特性を推定する推定部と、光学特性取得部が取得した入射角度ごとの複数の光学特性と、推定部により推定された他の入射角度ごとの複数の光学特性と、に基づき、コマ収差が最小となる他の光学特性を決定する決定部と、を備える。これにより、複数の光学特性が未取得の他の複数の入射角度に対応する被検レンズの複数の光学特性を推定できるので、被検レンズへの測定光の入射数を増やすことなく、コマ収差に対応した被検レンズの他の光学特性を決定することができる。
本発明の他の態様に係るレンズ特性測定装置において、光学特性決定制御部は、入射角度ごとの撮影画像を解析して、スクリーンに投影される複数の測定光束の中から測定光の入射角度の方向に沿った特定測定光束を判別する判別処理を、入射角度ごとに実行する光束判別部と、光束判別部が入射角度ごとに判別した特定測定光束に基づき、コマ収差を入射角度ごとに取得するコマ収差取得部と、を備える。これにより、被検レンズが非球面レンズ及び累進レンズのように部位によって屈折力が異なる場合でも、この被検レンズの光軸の偏心及び傾きによる他の光学特性の測定値の誤差を補正することができる。
本発明の他の態様に係るレンズ特性測定装置において、照明光学系は、平行光束の測定光を被検レンズに入射させる。
本発明の他の態様に係るレンズ特性測定装置において、光学特性決定制御部は、入射角度ごとの撮影画像を解析して、スクリーンに投影された複数の測定光束の各々の投影位置を入射角度ごとに取得する投影位置取得部と、投影位置取得部による入射角度ごとの投影位置の取得結果と、ハルトマンプレート、複数のピンホール、及びスクリーンの既知の位置情報とに基づき、入射角度ごとに複数の光学特性を解析する解析部と、を備える。
本発明の目的を達成するためのレンズ特性測定装置の作動方法は、被検レンズの一面側に配置され、複数のピンホールを有するハルトマンプレートと、ハルトマンプレートに対して被検レンズとは反対側に設けられたスクリーンと、スクリーンに対してハルトマンプレートとは反対側に設けられ、スクリーンの撮影を行う撮影光学系と、を備えるレンズ特性測定装置の作動方法において、被検レンズの一面側とは反対側の他面側に配置された照明光学系が、被検レンズに対して入射角度が異なる複数の測定光を異なるタイミングで入射させるステップと、撮影光学系が、照明光学系から入射角度の異なる測定光が被検レンズに入射されるごとに、被検レンズ及び複数のピンホールを透過した測定光の複数の測定光束が投影されるスクリーンを撮影するステップと、光学特性決定制御部が、撮影光学系により撮影された入射角度ごとのスクリーンの撮影画像を解析して、被検レンズのコマ収差とコマ収差以外の他の光学特性とを含む複数の光学特性を入射角度ごとに取得し、コマ収差が最小となる他の光学特性を決定するステップと、を有する。
本発明は、被検レンズの光軸の偏心及び傾きが発生した場合でも誤差の少ない被検レンズの光学特性の測定値が得られる。
第1実施形態のレンズ特性測定装置の外観斜視図である。 セット部の斜視図である。 セット部の上面図である。 照明光学系、ハルトマンプレート、スクリーン、及び撮影光学系の概略図である。 ハルトマンプレートの上面図である。 第1実施形態のレンズ特性測定装置の統括制御部の機能ブロック図である。 解析部による光源(入射角度)ごとの眼鏡レンズのコマ収差の解析の一例を説明するための説明図である。 解析部による光源(入射角度)ごとの眼鏡レンズの光学特性であるバックフォーカスの解析の一例を説明するための説明図である。 眼鏡レンズの光軸の偏心及び傾きが無い一致状態での眼鏡レンズのコマ収差を説明するための説明図である。 眼鏡レンズの光軸の偏心及び傾きが有る不一致状態での眼鏡レンズのコマ収差を説明するための説明図である。 不一致状態での光学特性決定部による眼鏡レンズの光学特性の決定処理を説明するための説明図である。 第1実施形態のレンズ特性測定装置による眼鏡フレームの左右の眼鏡レンズの光学特性の測定処理の流れを示すフローチャートである。 第2実施形態のレンズ特性測定装置の統括制御部の機能ブロック図である。 第2実施形態の推定部及び決定部の機能を説明するための説明図である。 ハルトマンプレートの同一のピンホールを透過する光源(入射角度)ごとの測定光及び光束の光線図である。 第3実施形態のレンズ特性測定装置の統括制御部の機能ブロック図である。 光束判別部による特定測定光束の判別処理を説明するための説明図である。 第4実施形態のレンズ特性測定装置の照明光学系の概略図である。 眼鏡フレームの左右の眼鏡レンズの光学特性を同時測定するレンズ特性測定装置の課題を説明するための説明である。
[第1実施形態のレンズ特性測定装置の構成]
図1は、第1実施形態のレンズ特性測定装置10の外観斜視図である。レンズ特性測定装置10は、眼鏡フレーム101に保持されている左右の眼鏡レンズ102(本発明の被検レンズに相当)の双方の光学特性を、眼鏡フレーム101の置き換えをせずに測定する。この光学特性は、例えばバックフォーカスBf(図9参照)、球面屈折力、円柱屈折力(乱視屈折力)、円柱軸角度(乱視軸角度)、プリズム値(プリズム屈折力及びプリズム基底方向)、及びコマ収差等である。
眼鏡フレーム101は、左右の眼鏡レンズ102をそれぞれ保持する左右のリム104(レンズ枠ともいう)と、左右のリム104を接続するブリッジ部105と、左右のリム104にそれぞれ設けられた鼻当てパッド部106及びテンプル107と、を備える。
レンズ特性測定装置10は、図中上下方向に間隔をあけて設けられた上側筐体11及び下側筐体12と、上側筐体11及び下側筐体12の背面側に設けられた背部筐体13と、を備える。
上側筐体11の前面側には、眼鏡レンズ102の光学特性の測定結果等を表示するモニタ15と、レンズ特性測定装置10の各種操作を行う各種の操作スイッチ16と、を備える。また、上側筐体11の内部には、後述のセット部20に支持された眼鏡フレーム101の左右の眼鏡レンズ102に対してそれぞれ測定光LIR,LG(図4参照)を照射する一対の照明光学系35(図4参照)が設けられている。なお、一対の照明光学系35の一部は背部筐体13の内部に設けられている。
下側筐体12の上面には、既述の上側筐体11の下方位置[上側筐体11からの測定光LIR,LG(図4参照)の照射位置]にセット部20が設けられている。このセット部20には、光学特性の測定対象となる眼鏡フレーム101がセット及び支持される。
下側筐体12及び背部筐体13の内部には、後述の図4に示すように、一対のハルトマンプレート32と、一対のスクリーン36と、一対の撮影光学系37と、が設けられている。
図2はセット部20の斜視図である。図3はセット部20の上面図である。図2及び図3に示すように、セット部20には、一対の挟持部材21,22がレンズ特性測定装置10の前後方向に間隔をあけて配置されている。挟持部材21,22は、互いに接近する方向と互いに離間する方向とに変位可能であり、両者の間にセットされた眼鏡フレーム101を挟持する。これにより、眼鏡フレーム101の上下方向をレンズ特性測定装置10の前後方向に揃え、且つ眼鏡レンズ102の表面を上側筐体11に対向させることができる。なお、眼鏡レンズ102の裏面とは眼鏡フレーム101の使用者(装着者)の顔面に対向する面であり、その反対側の面が眼鏡レンズ102の表面である。
また、セット部20には、眼鏡フレーム101の左右の眼鏡レンズ102の裏面側をそれぞれ支持する一対の支持ピン23が立設されている。各支持ピン23は、挟持部材21,22の前後方向の略中間点に配置されている。挟持部材21,22は、左右の眼鏡レンズ102のフレーム中点が各支持ピン23を結んだ線上に配置されるように、眼鏡フレーム101の位置決めを行う。これにより、左右の眼鏡レンズ102をレンズ特性測定装置10による測定位置に保持できる。なお、既述の図19に示したように左右の眼鏡レンズ102の光軸OAは、レンズ特性測定装置10の光軸に対して非平行となる場合がある。
挟持部材21,22の左右の両側には、眼鏡フレーム101の一部に当接して、眼鏡フレーム101を安定した姿勢で維持するフレームサポート25,26が設けられている。
また、挟持部材21,22の間であって、左右方向の略中央部には、前側の挟持部材21に対向する面が円柱周面として形成された鼻当て支持部材24が配置されている。この鼻当て支持部材24は、前後方向略中央位置から後方に摺動可能であって且つ不図示のバネ等により前方向に付勢されている。そして、鼻当て支持部材24は、挟持部材21,22により眼鏡フレーム101をその前後から挟持した場合に、眼鏡フレーム101の鼻当てパッド部106に当接する。
背部筐体13には、セット部20よりも上方向側の位置において、一対のアーム27をそれぞれ回転自在に支持する一対の回転軸28が設けられている。各アーム27の先端部にはそれぞれ押えピン29が設けられている。各アーム27がそれぞれ回転軸28を中心として回転すると、各アーム27の各々の押えピン29が、支持ピン23に支持されている左右の眼鏡レンズ102の表面に当接して、各眼鏡レンズ102を下方向側へ押圧する。これにより、左右の眼鏡レンズ102が支持ピン23に押さえ付けられて固定される。
各支持ピン23は、セット部20の底部に設けられた一対のカバーガラス30上に立設されている。各カバーガラス30は、各支持ピン23によりそれぞれ支持されている左右の眼鏡レンズ102をそれぞれ透過した測定光LIR,LG(図4参照)が入射する位置に設けられている。各カバーガラス30にそれぞれ入射した測定光LIR,LGは、カバーガラス30の下方側に設けられているハルトマンプレート32(図4参照)に照射される。
[照明光学系、ハルトマンプレート、スクリーン、及び撮影光学系]
図4は、左右の眼鏡レンズ102の光学特性の測定に用いられる一対の「照明光学系35、ハルトマンプレート32、スクリーン36、及び撮影光学系37」の一方を代表例として示した概略図である。なお、レンズ特性測定装置10の光軸OBは、本実施形態ではレンズ特性測定装置10の上下方向に平行であり、照明光学系35(コリメータレンズ44等)の照明光軸と一致し、且つ撮影光学系37の撮影光軸と平行に配置される。
図4に示すように、照明光学系35は、セット部20にセットされた眼鏡レンズ102の上方側(本発明の他面側)に配置されている。この照明光学系35には、光源群40Aと、コリメータレンズ44とが、光軸OBに沿って上方側から下方側に向けて順に設けられている。
光源群40Aは、光軸OBに直交する仮想的な平面PL内に配置(すなわち光軸OBに直交する方向に配置)された複数の光源40を備える。例えば各光源40は、平面PL内において、例えば図19に示したような光軸OBに対する眼鏡レンズ102の光軸OAの左右方向の傾き等に対応して、左右方向に沿って1次元配列されている。
なお、各光源40の配列パターン及び配置数は特に限定はされない。例えば、光軸OBに対する眼鏡レンズ102の光軸OAの左右方向の傾きだけでなく、前後方向(図1の手前及び奥方向)の傾きも考慮した場合、各光源40を、平面PL内において左右方向及び前後方向に2次元配列してもよい。さらに、各光源40を1次元配列又は2次元配列する場合、1つの光源40を光軸OB上に配置してもよい。
各光源40は、図示は省略するが、例えば、可視波長域の光(例えば緑色光)を測定光LGとして出射する可視波長域光源と、所定の赤外波長域の光を測定光LIRとして出射する赤外波長域光源と、測定光LG及び測定光LIRの一方を反射し且つ他方を透過するダイクロイックミラーと、を備えている。このため、各光源40は、測定光LG及び測定光LIRを選択的に出射することができる。なお、可視波長域光源及び赤外波長域光源としては、例えば、発光ダイオード(light emitting diode:LED)、レーザ光源、及びSLD(Super luminescent diode)光源等が用いられる。
各光源40は、後述の統括制御部58の制御の下、1個ずつ順番に作動される。また、個々の光源40は、統括制御部58の制御の下、最初に測定光LIRを出射し、次に測定光LGを出射する。このため、測定光LIR及び測定光LGの出射が、各光源40の数だけ繰り返し実行される。そして、各光源40からそれぞれ出射された測定光LIR,LGは、コリメータレンズ44を経て眼鏡レンズ102に照射される。
コリメータレンズ44は、各光源40からそれぞれ入射した測定光LIR,LGをその入射方向に平行な平行光束とした後、支持ピン23上に支持されている眼鏡レンズ102に向けて出射する。これにより、眼鏡レンズ102の表面側に測定光LIR,LGの各々の平行光束が入射する。
各光源40が測定光LIR,LGの出射を順番に行うと、光源40ごとに異なる入射角度θで測定光LIRの平行光束と測定光LGの平行光束とが眼鏡レンズ102の表面に対して異なるタイミングで入射される。なお、入射角度θは、光源40の光軸OBからの距離をxとし、コリメータレンズ44の焦点距離をfとした場合、θ=arctan(x/f)で表される。
眼鏡レンズ102に入射した測定光LIR及び測定光LGは、眼鏡レンズ102及びカバーガラス30を透過して、双方の下方側(本発明の一面側)に位置するハルトマンプレート32に入射する。
図5は、ハルトマンプレート32の上面図(下面図)である。図4及び図5に示すように、ハルトマンプレート32は、眼鏡レンズ102及びカバーガラス30に対して照明光学系35とは反対側の位置、より具体的にはカバーガラス30の下面に当接して設けられている。また、ハルトマンプレート32は、その中心32Oが光軸OBに一致するように予め位置調整されている。
ハルトマンプレート32は、例えばガラス基板にクロム等を蒸着させた遮光部材である。このハルトマンプレート32には、その中心32Oを囲む仮想的な矩形枠の四隅位置にそれぞれ形成された4個のピンホール32Aの他に、多数のピンホール32BがX方向(既述の左右方向)及びY方向(既述の前後方向)にそれぞれ等間隔でマトリクス状に形成されている。例えば本実施形態では、直径0.5mmのピンホール32A,32Bが2mmピッチで13×23個配列されている。なお、ハルトマンプレート32内の各ピンホール32A,32Bの配列方向及び配列パターンは特に限定はされず、例えば円周パターン或いは放射パターン等で配列されていてもよい。また、各ピンホール32A,32Bにはそれぞれ集光レンズが配置されていてもよい。
各ピンホール32Bは、測定光LG,LIRの中で測定光LGを選択的に透過する不図示の誘電体フィルタを備える。一方、各ピンホール32Aは、誘電体フィルタを備えないので測定光LG,LIRの双方を透過可能であるが、各ピンホール32Aを利用する場合に各光源40は測定光LIRの出射をONし且つ測定光LGの出射はOFFしている。
そして、各ピンホール32Aのみを透過した測定光LIRの4本の測定光束SIRと、各ピンホール32A,32Bを透過した測定光LGの複数の測定光束SGとはそれぞれスクリーン36に投影される。これにより、各ピンホール32Aを透過した4本の測定光束SIRに基づき、スクリーン36に4輝点像が投影され、且つ各ピンホール32A,32Bを透過した複数の測定光束SGに基づき、スクリーン36に多輝点像が投影される。
撮影光学系37は、スクリーン36に対してハルトマンプレート32とは反対側、すなわちスクリーン36の下方側に設けられており、光源40ごとに測定光LIR,LG(4輝点像及び多輝点像)が投影されているスクリーン36をその下面側から撮影する。この撮影光学系37は、光軸OBに沿って、フィールドレンズ48とミラー49とカメラ50とを備える。フィールドレンズ48及びミラー49は、光源40ごとにスクリーン36に投影される4輝点画像及び多輝点画像をカメラ50に入射する。
カメラ50は、結像レンズ50Aと、CCD(Charge Coupled Device)型又はCMOS(complementary metal oxide semiconductor)型の撮像素子50Bと、を備える。結像レンズ50Aは、ミラー49等を経て入射した光源40ごとの4輝点画像及び多輝点画像を撮像素子50Bの撮像面に入射する。
撮像素子50Bは、眼鏡レンズ102に対する光源40ごとの測定光LIR,LGの入射が実行されるごとにスクリーン36、すなわちスクリーン36に投影される4輝点画像及び多輝点画像を撮像する。これにより、カメラ50により撮影された光源40ごとの4輝点画像の撮影画像52及び多輝点画像の撮影画像52が、カメラ50から後述の統括制御部58へ順次出力される。
光源40ごとの4輝点像の撮影画像52を公知の手法で解析することで、スクリーン36上の4輝点像の位置(すなわち、ハルトマンプレート32内の各ピンホール32Aの位置)と、眼鏡レンズ102の概略の光学特性と、をそれぞれ検出可能である。また、光源40ごとの多輝点像の撮影画像52を公知の手法で解析することで、眼鏡レンズ102のコマ収差及びコマ収差以外の各種の光学特性(例えばバックフォーカスBf:図8参照)と、をそれぞれ検出可能である。
[統括制御部]
図6は、レンズ特性測定装置10の下側筐体12又は背部筐体13の内部に設けられている第1実施形態の統括制御部58の機能ブロック図である。図6に示すように、統括制御部58は、例えばCPU(Central Processing Unit)又はFPGA(field-programmable gate array)等を含む各種の演算部及びメモリ等から構成された演算回路であり、操作スイッチ16に入力された各種の操作指示に基づきレンズ特性測定装置10の各部を統括制御する。また、統括制御部58には記憶部59が接続されている。
統括制御部58は、記憶部59内の不図示のソフトウェアプログラムを実行することで、光学系制御部62、撮影制御部64、画像取得部66、及び光学特性決定制御部69として機能する。
光学系制御部62は、照明光学系35の各光源40による測定光LIR,LGの出射を制御する。光学系制御部62は、操作スイッチ16への測定開始操作の入力に応じて、光源40からの測定光LIRの出射と測定光LGの出射と、を眼鏡レンズ102に対する測定光LIR,LGの入射角度θが異なる光源40ごと、すなわち入射角度θごとに異なるタイミングで実行させる。これにより、光源40(入射角度θ)ごとに4本の測定光束SIRと複数の測定光束SGとが繰り返しスクリーン36に投影される。
撮影制御部64は、カメラ50によるスクリーン36の撮影を制御する。撮影制御部64は、カメラ50を制御して、光源40からの測定光LIRの出射に応じてスクリーン36に投影された4本の測定光束SIR(4輝点像)の撮影と、光源40からの測定光LGの出射に応じてスクリーン36に投影された複数の測定光束SG(多輝点像)の撮影と、を光源40(入射角度θ)ごとに繰り返し実行させる。これにより、カメラ50から後述の画像取得部66に対して、4輝点画像の撮影画像52と多輝点画像の撮影画像52とが光源40(入射角度θ)ごとに順次出力される。
画像取得部66は、カメラ50から4輝点画像の撮影画像52及び多輝点画像の撮影画像52を逐次取得する。また同時に、画像取得部66は、測定光LIR及び測定光LGの出射を行った光源40に関する情報を、光学系制御部62等から逐次取得する。そして、画像取得部66は、カメラ50から取得した4輝点画像の撮影画像52及び多輝点画像の撮影画像52を、光源40を識別可能な状態で記憶部59内の画像情報72に記憶させる。これにより、画像情報72には、光源40の種類と、4輝点画像の撮影画像52及び多輝点画像の撮影画像52とが対応付けられた状態で記憶される。
光学特性決定制御部69は、4輝点画像の撮影画像52及び多輝点画像の撮影画像52を解析して、眼鏡レンズ102のコマ収差を含む複数の光学特性を光源40(入射角度θ)ごとに取得する。そして、光学特性決定制御部69は、光源40(入射角度θ)ごとのコマ収差の取得結果に基づき、光源40(入射角度θ)ごとの他の光学特性の測定値(コマ収差以外)の中から最適な他の光学特性の測定値を決定する。この光学特性決定制御部69は、光学特性取得部70及び光学特性決定部71として機能する。
光学特性取得部70は、画像情報72に新たな4輝点画像の撮影画像52及び多輝点画像の撮影画像52が記憶されるごとに、この新たな両撮影画像52を解析して、眼鏡レンズ102のコマ収差及びバックフォーカスBf(図8参照)等の複数の光学特性の測定値を得る。すなわち、光学特性取得部70は、眼鏡レンズ102の複数の光学特性の測定値を、光源40(入射角度θ)ごとに得る。この光学特性取得部70は、投影位置取得部70A及び解析部70Bを備える。以下、複数の光学特性の中でコマ収差以外の他の光学特性(バックフォーカスBf等)を、単に「光学特性」という。
投影位置取得部70Aは、画像情報72に新たに記憶された4輝点画像の撮影画像52を解析して、スクリーン36上に投影された4本の測定光束SIRの投影位置の位置座標を取得する。また、投影位置取得部70Aは、画像情報72に新たに記憶された多輝点画像の撮影画像52を解析して、スクリーン36上に投影された複数本の測定光束SGの投影位置の位置座標を取得する。従って、投影位置取得部70Aは、4本の測定光束SIRの投影位置の位置座標の取得と、複数本の測定光束SGの投影位置の位置座標の取得と、を光源40(入射角度θ)ごとに行う。なお、各投影位置の位置座標は、例えばスクリーン36上で光軸OBと交差する点を原点とした座標である。
解析部70Bは、光源40(入射角度θ)ごとの各測定光束SIRの投影位置及び各測定光束SGの投影位置の取得結果に基づき、記憶部59内の装置情報77を参照して、眼鏡レンズ102のコマ収差及び光学特性を光源40(入射角度θ)ごとに得る。
最初に解析部70Bは、同一の光源40における各測定光束SIRの投影位置と各測定光束SGの投影位置とを比較して、各ピンホール32Aを透過した各測定光束SIRの投影位置に基づき、各ピンホール32Aを透過した各測定光束SGの投影位置を判別する。これにより、解析部70Bは、スクリーン36に投影された各測定光束SGがそれぞれ透過したピンホール32Bを判別することができる。その結果、解析部70Bは、光源40ごとに、スクリーン36に投影された各測定光束SGがそれぞれ透過したピンホール32A,32Bを判別することができる。
次いで、解析部70Bは、光源40ごとのスクリーン36上での各測定光束SGの投影位置と、光源40ごとの上述のピンホール32A,32Bの判別結果とに基づき、記憶部59内の装置情報77を参照して、光源40ごとに眼鏡レンズ102のコマ収差及び光学特性を解析する。
装置情報77には、ハルトマンプレート32及びスクリーン36の光軸OB上での位置情報(位置座標等)、及びハルトマンプレート32内の各ピンホール32A,32Bの位置情報(位置座標等)が予め記憶されている。なお、各ピンホール32A、32Bの位置座標は、ハルトマンプレート32の中心32O(光軸OBに合わせて位置決めされている中心32O)を原点とした座標である。
図7は、解析部70Bによる光源40(入射角度θ)ごとの眼鏡レンズ102のコマ収差の解析の一例を説明するための説明図である。なお、図7では、眼鏡レンズ102に対して入射角度θ=0°で測定光LGの入射を行う光源40と、眼鏡レンズ102に対して入射角度θ=+10°で測定光LGの入射を行う光源40とにそれぞれ対応するコマ収差の解析を例に挙げている。
図7に示すように、スクリーン36上での各測定光束SGの投影位置は、既に光源40(入射角度θ)別に得られている。また、各測定光束SGがそれぞれ透過したピンホール32A,32Bについても、光源40(入射角度θ)別に判別されている。このため、解析部70Bは、装置情報77を参照することで、各測定光束SGがそれぞれ透過したピンホール32A,32Bの位置座標を、光源40(入射角度θ)別に判別することができる。
また、解析部70Bは、装置情報77を参照することで、ハルトマンプレート32及びスクリーン36の間の距離ΔLも判別できる。これにより、解析部70Bは、光源40(入射角度θ)ごとに、各測定光束SGの傾き角を求められる。そして、解析部70Bは、光源40(入射角度θ)ごとに、各測定光束SGの傾き角から各測定光束SGの交差状況を求めることにより、眼鏡レンズ102のコマ収差を演算できる。なお、コマ収差の具体的な演算方法は公知技術であるので、ここでは具体的な説明は省略する。
図8は、解析部70Bによる光源40(入射角度θ)ごとの眼鏡レンズ102の光学特性であるバックフォーカスBfの解析の一例を説明するための説明図である。なお、図8では、入射角度θ=0°の場合のバックフォーカスBfの解析を例に挙げて説明を行う。
図8に示すように、各測定光束SGがそれぞれ透過したピンホール32A,32Bの位置座標(図中、符号「W」で表示)と、各測定光束SGのスクリーン36上での投影位置(図中、符号「Q」で表示)とは既に求められている。また、装置情報77に基づきハルトマンプレート32とスクリーン36との間の距離ΔLは既知であり、且つ眼鏡レンズ102の裏面とハルトマンプレート32との間の距離ΔLAも既知である。さらに、スクリーン36に投影された測定光束SGごとに、ピンホール32A,32Bの位置と投影位置との差(光軸OBに対して垂直方向の差)であるΔHも求められる。従って、これらの情報に基づき、解析部70Bは、公知の手法を用いて入射角度θ=0°に対応する眼鏡レンズ102のバックフォーカスBfを解析することができる。
また、解析部70Bは、同様にして他の光源40(入射角度θ)ごとの眼鏡レンズ102のバックフォーカスBfも解析することができる。なお、解析部70Bは、バックフォーカスBf以外の眼鏡レンズ102の光学特性についても、従来と同様の解析方法で求められる。さらに、解析部70Bは、眼鏡レンズ102内での光学特性値の分布を示すマッピング画像についても、従来の装置と同様に求められる。
解析部70Bにより解析された光源40(入射角度θ)ごとの眼鏡レンズ102のコマ収差及びバックフォーカスBf等の光学特性の解析結果は、この解析部70Bから光学特性決定部71へ出力される。
図6に戻って、光学特性決定部71は、解析部70Bにより解析された光源40(入射角度θ)ごとの眼鏡レンズ102のコマ収差及び光学特性の解析結果に基づき、光軸OBに対する眼鏡レンズ102の光軸OAの偏心及び傾きによる誤差が補正された最適な眼鏡レンズ102の光学特性を決定する。
図9は、光軸OBに対する眼鏡レンズ102の光軸OAの偏心及び傾きが無い一致状態での眼鏡レンズ102のコマ収差を説明するための説明図である。図10は、光軸OBに対する眼鏡レンズ102の光軸OAの偏心及び傾きが有る不一致状態での眼鏡レンズ102のコマ収差を説明するための説明図である。図11は、不一致状態での光学特性決定部71による眼鏡レンズ102の光学特性(バックフォーカスBf:度数)の決定処理を説明するための説明図である。なお、図9の符号9A及び図10の符号XAは、光源40(入射角度θ)ごとの測定光LG及び各測定光束SGの光線図である。また、図9の符号9B及び図10の符号XBは、光源40(入射角度θ)ごとのコマ収差の解析結果(収差図)である。
コマ収差は、眼鏡レンズ102の光軸OAに対してある角度をもって眼鏡レンズ102に入射する測定光LGにより発生する収差である。このため、図9に示すように、光軸OBに対する眼鏡レンズ102の光軸OAの偏心及び傾きが無い一致状態では、点線枠で示した入射角度θ=0°に対応するコマ収差が最小となり、入射角度θの絶対値が大きくなるのに従ってコマ収差が大きくなる。
一方、図10に示すように、例えば光軸OBに対して眼鏡レンズ102の光軸OAが−10°傾いている不一致状態では、点線枠で示した入射角度θ=−10°に対応するコマ収差が最小となり、この−10°からの入射角度θのずれか大きくなるのに従ってコマ収差が大きくなる。
従って、コマ収差が最小となる入射角度θが眼鏡レンズ102の光軸OAの傾き角度であると推定できる。そして、この入射角度θで得られた光学特性が、眼鏡レンズ102に対してその光軸OAに平行(略平行を含む)な測定光LGを入射して得られる光学特性、すなわち光軸OBに対する光軸OAの偏心及び傾きによる誤差が無い状態での眼鏡レンズ102の光学特性であると推定できる。
そこで、図11に示すように、光学特性決定部71は、符号XIAに示す光源40(入射角度θ)ごとのコマ収差と、符号XIBに示す光源40(入射角度θ)ごとの光学特性(度数等)とを比較して、コマ収差が最小となる入射角度θに対応する光学特性を、眼鏡レンズ102の光学特性として決定する。これにより、光軸OBに対する眼鏡レンズ102の光軸OAの偏心及び傾きによる誤差が補正された眼鏡レンズ102の光学特性が得られる。
そして、光学特性決定部71は、決定した眼鏡レンズ102の光学特性に関する情報をモニタ15に出力して表示させる。
[第1実施形態のレンズ特性測定装置の作用]
図12は、第1実施形態のレンズ特性測定装置10による眼鏡フレーム101の左右の眼鏡レンズ102の光学特性の測定処理(レンズ特性測定装置の作動方法)の流れを示すフローチャートである。なお、レンズ特性測定装置10は、左右の眼鏡レンズ102の光学特性を同時測定するが、ここでは左右の眼鏡レンズ102のいずれか一方の光学特性の測定を例に挙げて説明を行う。
検者は、測定対象の眼鏡フレーム101をセット部20にセットして、挟持部材21,22により眼鏡フレーム101を挟持し、且つ支持ピン23により支持されている眼鏡レンズ102を押えピン29で押さえ付けて固定する(ステップS1)。なお、眼鏡フレーム101をセット部20にセットした後、操作スイッチ16での測定開始操作に応じて、挟持部材21、22、及び押えピン29を不図示のモータ駆動機構等で駆動して自動的に眼鏡フレーム101を固定してもよい。
次いで、検者が操作スイッチ16で測定開始操作を入力すると、光学系制御部62が予め定めた各光源40の作動順番に従って、各光源40の中から測定光LIR及び測定光LGの出射を行う1個の光源40を選択する(ステップS2)。
そして、光学系制御部62は、選択した光源40から最初に測定光LIRを出射させ、その後、選択した光源40から測定光LGを出射させる(ステップS3)。これにより、光源40から順次出射された測定光LIR及び測定光LGは、コリメータレンズ44を経て平行光束とされた後、支持ピン23上に支持されている眼鏡レンズ102に対して入射角度θで順次入射する。
眼鏡レンズ102に対する測定光LIRの入射に応じて、眼鏡レンズ102を透過した測定光LIRがハルトマンプレート32に入射し、このハルトマンプレート32の各ピンホール32Aを透過した各測定光束SIRの4輝点像がスクリーン36に投影される。また、眼鏡レンズ102に対する測定光LGの入射に応じて、眼鏡レンズ102を透過した測定光LGがハルトマンプレート32に入射し、このハルトマンプレート32の各ピンホール32A,32Bを透過した各測定光束SGの多輝点像がスクリーン36に投影される。
一方、撮影制御部64は、光源40からの測定光LIR及び測定光LGの出射に応じて、スクリーン36に投影された4輝点像の撮影と、スクリーン36に投影された多輝点像の撮影と、をカメラ50に順次実行させる(ステップS4)。これにより、1番目の光源40(入射角度θ)に対応した4輝点画像の撮影画像52及び多輝点画像の撮影画像52が、カメラ50から画像取得部66へ出力される。そして、画像取得部66は、カメラ50から取得した4輝点画像の撮影画像52及び多輝点画像の撮影画像52を、光源40(入射角度θ)を識別可能な状態で記憶部59内の画像情報72に記憶させる。
新たな4輝点画像の撮影画像52及び多輝点画像の撮影画像52が画像情報72に記憶されると、投影位置取得部70Aは、各撮影画像52を解析して、スクリーン36上に投影された4本の測定光束SIRの投影位置の位置座標と、スクリーン36上に投影された複数本の測定光束SGの投影位置の位置座標と、を取得する(ステップS5)。そして、投影位置取得部70Aは、各投影位置の位置座標の取得結果を解析部70Bへ出力する。
最初に解析部70Bは、投影位置取得部70Aから入力された各投影位置の位置座標の取得結果に基づき、スクリーン36に投影された各測定光束SGがそれぞれ透過したピンホール32A,32Bの判別を行う。
次いで、解析部70Bは、各測定光束SG(多輝点像)の投影位置の位置座標と、各ピンホール32A,32Bの判別結果とに基づき、記憶部59内の装置情報77を参照して、既述の図7に示した眼鏡レンズ102のコマ収差の解析と、既述の図8に示した眼鏡レンズ102のバックフォーカスBf等の光学特性の解析と、を行う。これにより、1番目の光源40(入射角度θ)に対応した眼鏡レンズ102の複数の光学特性(コマ収差及び光学特性)が得られる(ステップS6)。そして、解析部70Bは眼鏡レンズ102のコマ収差及び光学特性の解析結果(測定結果)を光学特性決定部71へ出力する。
光学系制御部62は、既述の光源40の作動順番に従って、各光源40の中から次に測定光LIR及び測定光LGの出射を行う2番目の光源40を選択する(ステップS7でYES、ステップS2)。そして、ステップS3からステップS6までの各処理が繰り返し実行され、2番目の光源40(入射角度θ)に対応した眼鏡レンズ102の複数の光学特性(コマ収差及び光学特性)が得られ、これらの解析結果(測定結果)が光学特性決定部71へ出力される。
以下同様に、残りの各光源40(各入射角度θ)についても同様に、ステップS2からステップS6までの各処理が繰り返し実行される。これにより、全ての光源40(入射角度θ)に対応した眼鏡レンズ102の複数の光学特性(コマ収差及び光学特性)がそれぞれ得られ、これらの解析結果(測定結果)が光学特性決定部71へ出力される(ステップS7でNO)。
次いで、光学特性決定部71は、既述の図11に示したように、コマ収差が最小となる入射角度θに対応する光学特性を眼鏡レンズ102の光学特性として決定する(ステップS8)。これにより、光軸OAに平行な測定光LGを眼鏡レンズ102に入射した際に得られる光学特性、すなわち眼鏡レンズ102の光軸OAの偏心及び傾きによる誤差が補正された光学特性が得られる。この光学特性決定部71が決定した眼鏡レンズ102の光学特性は、モニタ15に出力されて表示される。
なお、上記実施形態では、光源40(入射角度θ)ごとにステップS5及びステップS6を繰り返し実行しているが、ステップS7でNOと判定された後、ステップS5及びステップS6をまとめて実行してもよい。
[第1実施形態の効果]
以上のように第1実施形態のレンズ特性測定装置10では、複数の光源40(入射角度θ)に対応した眼鏡レンズ102のコマ収差及び光学特性をそれぞれ取得し、最小のコマ収差に対応する光学特性を眼鏡レンズ102の光学特性として決定するので、眼鏡レンズ102の光軸OAの偏心及び傾きによる光学特性の測定値の誤差を補正できる。これにより、誤差の少ない光学特性が得られる。その結果、左右の眼鏡レンズ102の度数が大きい場合或いは眼鏡フレーム101の反りが大きい場合でも、左右の眼鏡レンズ102の光学特性を正確に測定することができる。
また、眼鏡レンズ102の光軸OAの偏心及び傾きが発生している場合でも、眼鏡フレーム101の支持、移動、及び回転のため機構は不要となるので、レンズ特性測定装置10のコストアップが防止される。
[第2実施形態のレンズ特性測定装置]
図13は、第2実施形態のレンズ特性測定装置10Aの統括制御部58の機能ブロック図である。上記第1実施形態のレンズ特性測定装置10の光学特性決定部71は、光源40(入射角度θ)ごとの眼鏡レンズ102のコマ収差及び光学特性の実測値に基づき、各コマ収差の実測値の中で最小値に対応する光学特性を、眼鏡レンズ102の光学特性として決定している。この場合、光源40の数を増やして入射角度θのピッチを小さくしなければ、各コマ収差の実測値の最小値が十分に小さくならず、その結果、光軸OAの偏心及び傾きが十分に補正された光学特性が得られないおそれがある。
そこで、第2実施形態のレンズ特性測定装置10Aでは、複数の光源40(入射角度θ)に対応した眼鏡レンズ102のコマ収差及び光学特性から、コマ収差及び光学特性が未取得(未測定)の他の複数の入射角度θに対応する眼鏡レンズ102のコマ収差及び光学特性を推定する。
図13に示すように、第2実施形態のレンズ特性測定装置10Aは、光学特性決定部71が推定部71Aと決定部71Bとを備える点を除けば第1実施形態のレンズ特性測定装置10と基本的に同じ構成である。このため、上記第1実施形態と機能又は構成上同一のものについては、同一符号を付してその説明は省略する。
図14は、第2実施形態の推定部71A及び決定部71Bの機能を説明するための説明図である。図14に示すように、推定部71Aは、複数の光源40(入射角度θ)に対応した眼鏡レンズ102のコマ収差及び光学特性の実測値から、公知の最小二乗法等の近似法を用いて各実測値をそれぞれ近似曲線C1,C2で結ぶ。これにより、推定部71Aは、コマ収差及び光学特性が未取得(未測定)の他の複数の入射角度θに対応する眼鏡レンズ102のコマ収差の推定値(符号XIVA参照)と光学特性の推定値(符号XIVB参照)とをそれぞれ推定することができる。
なお、推定部71Aは、最小二乗法等の近似法を用いる代わりに、公知の各種の補間処理法を用いて、他の複数の入射角度θに対応する眼鏡レンズ102のコマ収差及び光学特性を推定してもよい。
決定部71Bは、解析部70Bが取得した光源40(入射角度θ)ごとの眼鏡レンズ102のコマ収差及び光学特性の実測値と、推定部71Aが推定した他の入射角度θごとの眼鏡レンズ102のコマ収差及び光学特性の推定値と、に基づき、コマ収差が最小となる入射角度θに対応する光学特性を決定する。
このように第2実施形態では、コマ収差及び光学特性が未取得の他の複数の入射角度θに対応する眼鏡レンズ102のコマ収差及び光学特性を推定できるので、光源40の数を増やすことなく、十分に小さいコマ収差(例えば約零)に対応した眼鏡レンズ102の光学特性を決定することができる。その結果、光軸OAの偏心及び傾きによる眼鏡レンズ102の光学特性の測定値の誤差が十分に補正されるので、誤差のより少ない眼鏡レンズ102の光学特性が得られる。
[第3実施形態のレンズ特性測定装置]
図15は、ハルトマンプレート32の同一のピンホール32A,32Bを透過する光源40(入射角度θ)ごとの測定光LG及び測定光束SGの光線図である。上記各実施形態では、各光源40からそれぞれ眼鏡レンズ102の全面を透過した測定光LG及び測定光束SGに基づき、光源40(入射角度θ)ごとの眼鏡レンズ102のコマ収差の評価と、眼鏡レンズ102の光学特性の決定とを行っている。
この際に、図15に示すように、セット部20にセットされた眼鏡フレーム101の左右の眼鏡レンズ102の光軸OAは光軸OBに対して傾くと共に偏心している。また、眼鏡レンズ102とハルトマンプレート32は互いに距離をあけて配置されている。このため、ハルトマンプレート32の同一のピンホール32A,32Bを透過する光源40(入射角度θ)ごとの測定光LGは、それぞれ眼鏡レンズ102の異なる領域を透過する。この場合、眼鏡レンズ102が単焦点レンズであれば特に問題ない。
一方、眼鏡レンズ102が例えば非球面レンズ又は累進レンズのように部位によって屈折力が異なる場合、上記各実施形態の方法では、光源40(入射角度θ)ごとの眼鏡レンズ102のコマ収差として、眼鏡レンズ102内の屈折力が異なる領域のコマ収差を比較してしまう。このため、上記各実施形態の方法では、光源40(入射角度θ)ごとの眼鏡レンズ102のコマ収差を直接比較することができない。
そこで、第3実施形態では、光源40(入射角度θ)ごとの眼鏡レンズ102のコマ収差として、眼鏡レンズ102内の同一領域同士のコマ収差を比較した結果に基づき、眼鏡レンズ102の光学特性を決定する。なお、一般的なレンズ特性測定装置では約8φ(mm)の測定光LGで眼鏡レンズ102の光学特性を測定するため、第3実施形態では、眼鏡レンズ102内の同一の約8φ(mm)の領域のコマ収差を比較する。
図16は、第3実施形態のレンズ特性測定装置10Bの統括制御部58の機能ブロック図である。図16に示すように、第3実施形態のレンズ特性測定装置10Bは、光学特性取得部70が既述の投影位置取得部70A及び解析部70Bの他に光束判別部70Cとして機能し、且つ解析部70Bがコマ収差取得部80として機能する点を除けば、第1実施形態のレンズ特性測定装置10と基本的に同じ構成である。このため、上記第1実施形態と機能又は構成上同一のものについては、同一符号を付してその説明は省略する。
光束判別部70Cは、画像情報72に新たな4輝点像の撮影画像52及び多輝点像の撮影画像52が記憶されるごとに、これら各撮影画像52を解析して、ハルトマンプレート32の各ピンホール32A,32Bを透過した各測定光束SGの中から、測定光LGの入射角度θの方向に沿った特定測定光束SGAを判別する判別処理を行う(図17参照)。そして、光束判別部70Cは、光源40(入射角度θ)ごとに上述の判別処理を繰り返し行う。
図17は、光束判別部70Cによる特定測定光束SGAの判別処理を説明するための説明図である。図17に示すように、光束判別部70Cは、既述の解析部70Bと同様に光源40(入射角度θ)ごとの4輝点像の撮影画像52及び多輝点像の撮影画像52を解析することで、光源40(入射角度θ)ごとに各測定光束SGの傾き角を求める。そして、光束判別部70Cは、光源40(入射角度θ)ごとの各測定光束SGの傾き角に基づき、光源40(入射角度θ)ごとに、測定光LGの入射角度θの方向に沿った測定光束SGである特定測定光束SGAを判別する。
特定測定光束SGAは、各測定光束SGの中で測定光LGの入射角度θと等しい角度又は最も近い角度の複数の測定光束SGの集合体であり、本実施形態では約8φ(mm)の直径である。このため、光源40(入射角度θ)ごとの特定測定光束SGAは、それぞれ眼鏡レンズ102内の同一領域(約8φ(mm))、すなわち屈折力が同じ領域を透過している。そして、光束判別部70Cは、光源40(入射角度θ)ごとの特定測定光束SGAの判別結果79をコマ収差取得部80へ出力する。
コマ収差取得部80は、基本的には既述の図7で説明した第1実施形態と同様に、光源40(入射角度θ)ごとに、特定測定光束SGA(複数の測定光束SGの集合体)の傾き角から特定測定光束SGAを構成する各測定光束SGの交差状況を求めることで、眼鏡レンズ102のコマ収差を光源40(入射角度θ)ごとに演算する。これにより、光源40(入射角度θ)ごとに、眼鏡レンズ102の同一領域におけるコマ収差が得られる。この光源40(入射角度θ)ごとのコマ収差の解析結果は、コマ収差取得部80から光学特性決定部71へ出力される。
以下、第1実施形態と同様に、コマ収差取得部80は、眼鏡レンズ102の同一領域における光源40(入射角度θ)ごとのコマ収差と、解析部70Bから入力された光源40(入射角度θ)ごとの光学特性とを比較して、コマ収差が最小となる入射角度θに対応する光学特性を、眼鏡レンズ102の光学特性として決定する。
以上のように第3実施形態では、光源40(入射角度θ)ごとの眼鏡レンズ102のコマ収差として、眼鏡レンズ102内の同一領域同士のコマ収差を比較することができるので、眼鏡レンズ102が非球面レンズ等のように部位によって屈折力が異なる場合でも、この眼鏡レンズ102の光軸OAの偏心及び傾きによる眼鏡レンズ102の光学特性の測定値の誤差が補正される。その結果、誤差の少ない光学特性が得られる。
なお、上記第2実施形態のレンズ特性測定装置10Aにおいても、上記第3実施形態と同様に、光源40(入射角度θ)ごとの特定測定光束SGAの判別と、眼鏡レンズ102内の同一領域同士のコマ収差の比較とを行ってもよい。
[第4実施形態のレンズ特性測定装置]
図18は、第4実施形態のレンズ特性測定装置10Cの照明光学系35Rの概略図である。上記各実施形態の照明光学系35では、複数の光源40から測定光LIR,LGの出射を異なるタイミングで行うことで、眼鏡レンズ102の表面に対して測定光LIR,LGをそれぞれ異なる入射角度θでそれぞれ異なるタイミングで入射させている。これに対して、第4実施形態の照明光学系35Rでは、光源40を複数設けることなく、眼鏡レンズ102の表面に対して測定光LIR,LGをそれぞれ異なる入射角度θでそれぞれ異なるタイミングで入射させる。
なお、第4実施形態のレンズ特性測定装置10Cは、上記各実施形態の照明光学系35とは異なる照明光学系35Rを備えている点を除けば、上記各実施形態のレンズ特性測定装置10,10A,10Bと基本的に同じ構成である。このため、上記各実施形態と機能又は構成上同一のものについては、同一符号を付してその説明は省略する。
図18に示すように、第4実施形態の照明光学系35Rは、光軸OB上に配置された1個の光源40と、既述のコリメータレンズ44と、本発明の入射角度調整部に相当するロータリプリズム90と、プリズム駆動機構92とを備える。上記各実施形態と同様に、光源40はコリメータレンズ44に向けて測定光LIR,LGを出射し、コリメータレンズ44は、光源40から入射した測定光LIR及び測定光LGをその入射方向(光軸OB)に平行な平行光束とした後、ロータリプリズム90に向けて出射する。これにより、測定光LIR及び測定光LGの平行光束は、ロータリプリズム90を透過して眼鏡レンズ102の表面に入射する。
ロータリプリズム90は、コリメータレンズ44と眼鏡レンズ102との間に配置されており、2個(2個以外でも可)の回転プリズム90Aを備えている。各回転プリズム90Aは、光軸OBに対して平行な測定光LIR及び測定光LGの平行光束を、光軸OBに対して傾きを持った平行光束に屈折させる。また、各回転プリズム90Aは、それぞれ光軸OBを中心としてその軸周り方向に回転自在である。
図18の符号XVIIIA及び符号XVIIIBに示すように、プリズム駆動機構92は、光学系制御部62の制御の下、各回転プリズム90Aを、光軸OBを中心としてその軸周り方向に個別に回転させる。これにより、各回転プリズム90Aの回転角度が個別に調整されることで、ロータリプリズム90は、コリメータレンズ44から入射する測定光LIR及び測定光LGの平行光束を任意の方向及び任意の角度で屈折することができる。従って、各回転プリズム90Aを回転駆動することで、眼鏡レンズ102の表面に入射する測定光LIR,LGの平行光束の入射角度θを変化させることができる。
そこで、予め定めた複数の入射角度θで測定光LIR,LGの平行光束を眼鏡レンズ102の表面に入射させるために、入射角度θごとの各回転プリズム90Aの回転角度の設定を予め求めておく。そして、光学系制御部62は、上述の回転角度の設定に従ってプリズム駆動機構92を駆動して、各回転プリズム90Aの回転角度の調整を繰り返し実行し、且つ個々の回転角度の調整が完了するごとに光源40から測定光LIR,LGを順次出射させる。これにより、上記各実施形態と同様に、眼鏡レンズ102の表面に入射する測定光LIR,LGの入射角度θを順次変化させることができる。
このように第4実施形態のレンズ特性測定装置10Cでは、ロータリプリズム90を設けることで、光源40を複数設けることなく、眼鏡レンズ102に対して入射角度θが異なる複数の測定光LIR,LGを異なるタイミングで入射させることができる。なお、ロータリプリズム90を用いる代わりに、眼鏡レンズ102に対する測定光LIR,LGの入射角度を変更な各種の光学部材を本発明の入射角度調整部として用いてもよい。
[その他]
照明光学系35,35R、ハルトマンプレート32、スクリーン36、及び撮影光学系37等の配置については、図4及び図18等に示した配置に特に限定されず、適宜変更してもよい。
上記各実施形態では、眼鏡フレーム101の左右の眼鏡レンズ102の光学特性を同時に測定するレンズ特性測定装置10等を例にあげて説明したが、例えば左右の眼鏡レンズ102の光学特性を片方ずつ測定するレンズ特性測定装置、及び生地レンズの光学特性を測定するレンズ特性測定装置等の各種の被検レンズを測定するレンズ特性測定装置に本発明を適用できる。また、眼鏡以外の各種用途の被検レンズの光学特性を測定するレンズ特性測定装置に対しても本発明を適用できる。
10,10A,10B,10C…レンズ特性測定装置,
32…ハルトマンプレート,
32A、32B…ピンホール,
35,35R…照明光学系,
36…スクリーン,
37…撮影光学系,
40…光源,
40A…光源群,
44…コリメータレンズ,
50…カメラ,
52…撮影画像,
58…統括制御部,
62…光学系制御部,
64…撮影制御部,
69…光学特性決定制御部,
70…光学特性取得部,
70A…投影位置取得部,
70B…解析部,
70C…光束判別部,
71…光学特性決定部,
71A…推定部,
71B…決定部,
72…画像情報,
77…装置情報,
80…コマ収差取得部,
90…ロータリプリズム,
92…プリズム駆動機構,
101…眼鏡フレーム,
102…眼鏡レンズ

Claims (8)

  1. 被検レンズに対して入射角度が異なる複数の測定光を異なるタイミングで入射させる照明光学系と、
    前記被検レンズに対して前記照明光学系とは反対側に設けられ、前記被検レンズを透過した前記測定光を透過させる複数のピンホールを有するハルトマンプレートと、
    前記複数のピンホールを透過した前記測定光の複数の測定光束が投影されるスクリーンと、
    前記スクリーンに対して前記ハルトマンプレートとは反対側に設けられ、前記照明光学系が入射角度の異なる前記測定光を前記被検レンズに入射させるごとに、前記複数の測定光束が投影されている前記スクリーンを撮影する撮影光学系と、
    前記撮影光学系により撮影された前記入射角度ごとの前記スクリーンの撮影画像を解析して、前記被検レンズのコマ収差と前記コマ収差以外の他の光学特性とを含む複数の光学特性を前記入射角度ごとに取得し、前記コマ収差が最小となる前記他の光学特性を決定する光学特性決定制御部と、
    を備えるレンズ特性測定装置。
  2. 前記照明光学系は、前記照明光学系の光軸に直交する平面内に配置された複数の光源を備え、前記複数の光源から異なるタイミングで前記被検レンズへ前記測定光を出射する請求項1に記載のレンズ特性測定装置。
  3. 前記照明光学系は、
    前記照明光学系の光軸上に配置された1つの光源と、
    前記光源と前記被検レンズの間に設けられ、前記光源から前記被検レンズに入射する前記測定光の前記入射角度を変化させる入射角度調整部であって、前記入射角度を複数の角度に異なるタイミングで変化させる入射角度調整部と、
    を備える請求項1に記載のレンズ特性測定装置。
  4. 前記光学特性決定制御部は、
    前記入射角度ごとの前記スクリーンの撮影画像を解析して、前記入射角度ごとの前記複数の光学特性を取得する光学特性取得部と、
    前記光学特性取得部が取得した前記入射角度ごとの前記複数の光学特性に基づき、前記複数の光学特性が未取得の他の入射角度ごとの前記複数の光学特性を推定する推定部と、
    前記光学特性取得部が取得した前記入射角度ごとの前記複数の光学特性と、前記推定部により推定された前記他の入射角度ごとの前記複数の光学特性と、に基づき、前記コマ収差が最小となる前記他の光学特性を決定する決定部と、
    を備える請求項1から3のいずれか1項に記載のレンズ特性測定装置。
  5. 前記光学特性決定制御部は、
    前記入射角度ごとの前記撮影画像を解析して、前記スクリーンに投影される前記複数の測定光束の中から前記測定光の前記入射角度の方向に沿った特定測定光束を判別する判別処理を、前記入射角度ごとに実行する光束判別部と、
    前記光束判別部が前記入射角度ごとに判別した前記特定測定光束に基づき、前記コマ収差を前記入射角度ごとに取得するコマ収差取得部と、
    を備える請求項1から4のいずれか1項に記載のレンズ特性測定装置。
  6. 前記照明光学系は、平行光束の前記測定光を前記被検レンズに入射させる請求項1から5のいずれか1項に記載のレンズ特性測定装置。
  7. 前記光学特性決定制御部は、
    前記入射角度ごとの前記撮影画像を解析して、前記スクリーンに投影された前記複数の測定光束の各々の投影位置を前記入射角度ごとに取得する投影位置取得部と、
    前記投影位置取得部による前記入射角度ごとの前記投影位置の取得結果と、前記ハルトマンプレート、前記複数のピンホール、及び前記スクリーンの既知の位置情報とに基づき、前記入射角度ごとに前記複数の光学特性を解析する解析部と、
    を備える請求項1から6のいずれか1項に記載のレンズ特性測定装置。
  8. 被検レンズの一面側に配置され、複数のピンホールを有するハルトマンプレートと、前記ハルトマンプレートに対して前記被検レンズとは反対側に設けられたスクリーンと、前記スクリーンに対して前記ハルトマンプレートとは反対側に設けられ、前記スクリーンの撮影を行う撮影光学系と、を備えるレンズ特性測定装置の作動方法において、
    前記被検レンズの前記一面側とは反対側の他面側に配置された照明光学系が、前記被検レンズに対して入射角度が異なる複数の測定光を異なるタイミングで入射させるステップと、
    前記撮影光学系が、前記照明光学系から入射角度の異なる前記測定光が前記被検レンズに入射されるごとに、前記被検レンズ及び前記複数のピンホールを透過した前記測定光の複数の測定光束が投影される前記スクリーンを撮影するステップと、
    光学特性決定制御部が、前記撮影光学系により撮影された前記入射角度ごとの前記スクリーンの撮影画像を解析して、前記被検レンズのコマ収差と前記コマ収差以外の他の光学特性とを含む複数の光学特性を前記入射角度ごとに取得し、前記コマ収差が最小となる前記他の前記光学特性を決定するステップと、
    を有するレンズ特性測定装置の作動方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110567681A (zh) * 2019-09-26 2019-12-13 中国科学院长春光学精密机械与物理研究所 一种检测非共视场自准直光学系统的装置及方法
CN116067628A (zh) * 2023-02-24 2023-05-05 北京至格科技有限公司 一种入射空间角度测量方法及系统
JP7452037B2 (ja) 2020-01-29 2024-03-19 株式会社ニデック 眼鏡レンズ情報取得装置及び眼鏡レンズ情報取得プログラム

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