JP2019060619A - 位置計測装置、電子時計、位置補正方法及びプログラム - Google Patents

位置計測装置、電子時計、位置補正方法及びプログラム Download PDF

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【課題】より継続的に精度よくぶれの少ない位置情報を取得可能な位置計測装置、電子時計、位置補正方法及びプログラムを提供する。【解決手段】位置計測装置は、測位衛星からの電波の受信部51と、位置情報に対応する物理量の計測部64と、モジュール制御部52とを備える。モジュール制御部は、衛星測位を行い現在位置及びその誤差範囲を取得する第1の位置同定処理と、物理量計測値を用いて現在位置を取得する第2の位置同定処理とを行い、誤差範囲が所定の精度条件を満たす場合に第2の位置同定処理で得られる現在位置と物理量との対応関係を補正し、現在位置の取得時には補正後の第2の位置同定処理の結果を取得する。誤差範囲は、複数の測位衛星の各位置に対して各受信状態をそれぞれ組み合わせて得られる測位精度と、自機の移動状況に応じた予測位置に対する取得現在位置のずれとをそれぞれ考慮して算出される。【選択図】図1

Description

この発明は、位置計測装置、電子時計、位置補正方法及びプログラムに関する。
測位情報を送信する測位衛星からの電波を受信して測位動作を行う測位装置(位置計測装置)がある。測位装置では、複数の測位衛星の現在位置と、当該測位衛星からの送信電波の伝搬時間(擬似距離)の差とに基づいて、世界各地で測位が可能となっている。
測位装置では、周囲の地形や高層建築物などの影響により電波を受信可能な測位衛星の分布が偏ったり、これら高層建築物などにより反射された電波が受信されたりして、測位精度が低下する場合がある。測位装置では、取得された現在位置の使用用途によっては、基準となる位置精度以下の位置情報を出力することが好ましくない場合がある。特許文献1には、測位に用いる測位衛星の数を変更して各々測位演算を行って比較したり、測位衛星の配置に応じた測位精度の低下を示すパラメータであるDOP(Dilution of Precision)を用いて精度判定を行ったりする技術が開示されている。
一方で、気圧センサ、加速度センサや地磁気センサといった他の物理センサを用いて位置に対応する情報や移動情報を取得して、現在位置を推定する位置計測装置がある。測位装置においても、衛星電波の受信によるぶれの少ない安定した測位が困難な場合や、衛星測位による電力消費を低減する場合などにこれらを併用して継続的に位置情報を取得する技術が知られている。
特開2003−167043号公報
しかしながら、他の物理センサを用いて現在位置を推定する場合、当該他の物理センサの計測値を位置情報に係るパラメータに換算する処理が必要になる。この換算処理におけるオフセット値や係数などは、補正される必要があり、この補正に衛星測位の結果が用いられる場合、その精度が低いと、補正が不正確になって、現在位置の推定精度も低下するという課題がある。
この発明の目的は、より継続的に精度よくぶれの少ない位置情報を取得することのできる位置計測装置、電子時計、位置補正方法及びプログラムを提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明は、
測位衛星からの電波を受信する受信部と、
位置情報に対応する物理量を計測する計測部と、
制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記受信部が受信した電波を用いて測位を行って現在位置及び当該現在位置の誤差範囲を取得する第1の位置同定処理と、
前記計測部が計測する物理量を用いて現在位置の少なくとも一成分を取得する第2の位置同定処理と、
を行い、
前記誤差範囲が所定の精度条件を満たす場合に、前記第2の位置同定処理で得られる現在位置の前記少なくとも一成分と前記物理量との対応関係を補正し、
現在位置の取得時には、前記少なくとも一成分については、前記対応関係が補正された前記第2の位置同定処理の結果を取得し、
前記誤差範囲は、電波が受信された複数の測位衛星の各位置に対して電波の各受信状態をそれぞれ組み合わせて得られる測位精度と、自機の移動状況に応じて求められる予測位置に対する取得された現在位置のずれとをそれぞれ考慮して算出される
ことを特徴とする位置計測装置である。
本発明に従うと、より継続的に精度よくぶれの少ない位置情報を取得することができるという効果がある。
本発明の実施形態の電子時計の機能構成を示すブロック図である。 第1の測位精度算出方法について説明する図である。 測位衛星から受信される電波のSNRと、このSNRで受信される測位衛星の測距精度との関係の例を示す図である。 第2の測位精度算出方法について説明する図である。 高度計測制御処理の制御手順を示すフローチャートである。 位置精度判定処理の制御手順を示すフローチャートである。 高度計測制御処理の変形例を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施形態の電子時計1の機能構成を示すブロック図である。
電子時計1は、本発明の実施形態の位置計測装置を含むものであり、ここでは、ユーザの移動に応じて自機の現在位置が変化する携帯型のものである。
電子時計1は、マイコン40と、衛星電波受信処理部50及びアンテナA1と、操作受付部61と、表示部62と、ROM63(Read Only Memory)と、計測部64と、電力供給部70などを備える。
マイコン40は、電子時計1の制御動作、記憶動作及び日時の計数動作などに係る各種処理を行う。マイコン40は、ホスト制御部41と、発振回路45と、分周回路46と、計時回路47(計時部)などを備える。
ホスト制御部41は、電子時計1の全体動作を統括制御する。ホスト制御部41は、CPU411(Central Processing Unit)と、RAM412(Random Access Memory)などを備える。
CPU411は、各種演算処理を行って制御動作を行う。制御動作としては、通常の日時表示動作に加え、電子時計1が有する各種機能に応じた動作、例えば、アラーム報知機能、タイマ機能、ストップウォッチ機能が含まれ得る。また、CPU411は、衛星電波受信処理部50による測位動作や日時取得動作などの結果に応じた表示動作、報知動作や位置補正などに係る制御処理を行う。
RAM412は、CPU411に作業用のメモリ空間を提供し、一時データを記憶する。一時データには、現在位置などの設定された世界の地域における現在日時(地方時)を表示、利用する際のタイムゾーン設定や夏時間設定を含む地方時設定に係る情報などが含まれる。これらの地方時設定は、取得された現在位置の情報に従って更新され得る。RAM412は、マイコン40に対して外付けされてもよい。このRAM412には、DRAMに加えて書き換え可能な不揮発性メモリが含まれていてもよい。
RAM412には、気圧補正値4121(気圧オフセット値)が記憶されている。気圧補正値4121は、ホスト制御部41が気圧/高度換算データ633による気圧値から高度値へ換算する際に、基準となるデータから気象状況などによる大気圧の変動分を補正するための値である。すなわち、この気圧補正値4121は、低気圧の通過などで気圧(海面気圧)が基準値(基準気圧)よりも低い場合には、ある気圧に対して高度値が低く算出されるように補正し、高気圧のエリア内で気圧(海面気圧)が基準値よりも高い場合には、ある気圧に対して高度値が基準よりも高く算出されるように補正するように適宜更新設定される。
発振回路45は、所定周波数、ここでは、例えば、32.768kHzの信号(クロック信号)を生成して出力する。クロック信号の生成には、例えば、水晶発振子などが用いられる。この水晶発振子は、マイコン40に対して外付けされてよい。この発振回路45から出力されるクロック信号の周波数には、電子時計1で定められた許容範囲内のオフセット誤差が含まれ得る。また、このクロック信号の周波数は、外部環境、主に温度によって変化する。
分周回路46は、発振回路45から入力されたクロック信号を設定された分周比で分周した分周信号を出力する。分周比の設定は、CPU411により変更されてよい。
計時回路47は、分周回路46から入力された所定の周波数の信号(クロック信号と同一周波数であってもよい)を計数することで現在の日時(時刻及び日付)を計数、保持する。計時回路47による日時の計数精度は、発振回路45からのクロック信号の精度、すなわち、上述のオフセット誤差や変化の度合に依存し、正確な日時からの誤差を含み得る。CPU411は、衛星電波受信処理部50が取得した現在日時に基づいて、計数されている日時を修正することが可能である。
衛星電波受信処理部50は、米国のGPS(Global Positioning System)といった各種衛星測位システム(GNSS;Global Navigation Satellite System)に係る測位衛星からの送信電波を受信可能であり、受信したこれらの電波を処理する受信動作を行って現在日時や現在位置の情報を取得し、ホスト制御部41(CPU411)から要求された情報を所定のフォーマットでホスト制御部41に出力する。衛星電波受信処理部50は、受信部51と、モジュール制御部52(制御部)と、記憶部53などを備える。
受信部51は、受信対象の測位衛星からの送信電波を受信、捕捉(検出)してその測位衛星の識別及び送信電波に含まれる信号(航法メッセージ)の位相を同定する捕捉処理を行い、また、捕捉した測位衛星の識別情報及び位相に基づいて当該測位衛星からの送信電波を追尾して継続的に信号を復調、取得する。
モジュール制御部52は、CPUとRAMなどを備え、衛星電波受信処理部50の動作に係る各種制御を行う。モジュール制御部52は、ホスト制御部41からの指示に従って適切なタイミングで測位衛星からの電波受信を受信部51により行わせ、受信した電波から必要な情報を取得、演算する各種処理により測位を行って、現在日時や電子時計1(自機)の現在位置を取得する。モジュール制御部52は、各種演算処理を行う構成として専用のハードウェア回路を有していてもよい。測位結果の出力は、例えば、NMEA−0183などの共通フォーマットに従ってなされてもよいし、電子時計1に独自のフォーマットであってもよい。また、ハードウェア回路が出力した所定のフォーマットのデータをCPUが適宜加工して処理し、また、出力してもよい。RAMは、モジュール制御部52の制御チップ(基板)上に設けられるが、制御チップに対して外付けされてもよい。モジュール制御部52は、現在日時及び現在位置の取得時に、各測位衛星からの電波のSNR(シグナルノイズ比、ここではC/N比と同義)、各測位衛星の位置及びDOP、並びに現在位置の移動速度を算出可能である。
記憶部53には、各種設定データや受信情報などの受信制御情報531と、衛星電波受信処理部50においてモジュール制御部52が実行する制御に係るプログラムなどが記憶される。設定データとしては、例えば、各測位衛星の航法メッセージのフォーマットデータなどと、上述の気圧補正値532(気圧オフセット値)が含まれる。この気圧補正値532は、モジュール制御部52が気圧を高度に換算する場合に用いられる。また、受信情報としては、例えば、取得されている各測位衛星の予測軌道情報(アルマナック)や精密軌道情報(エフェメリス)などが含まれる。記憶部53は、不揮発性メモリなどであり、モジュール制御部52の制御チップ(基板)に対して外付けされてもよい。
なお、ここでは、ホスト制御部41が気圧から高度への換算を伴う各種処理を行う場合と、モジュール制御部52が気圧から高度への換算を伴う各種処理を行う場合とにそれぞれ対応して気圧補正値4121、気圧補正値532が各々記憶されることとしているが、以下では、モジュール制御部52がこの換算を伴う各種処理を行う場合についてのみ説明する。気圧補正値4121、532の一方が更新された場合には、他方も更新される。いずれか一方の制御部でしかこの換算を伴う各種処理を行わない場合には、当該各種処理が行われない方の制御部に参照されるRAM412や記憶部53には、気圧補正値が記憶保持されなくてもよい。
操作受付部61は、ユーザ操作などの外部からの入力操作を受け付ける。操作受付部61は、押しボタンスイッチやりゅうずなどを備え、押しボタンスイッチの押下動作や、りゅうずの引き出し、回転及び押し戻しの各動作に応じた操作信号をホスト制御部41(CPU411)に出力する。あるいは、操作受付部61は、タッチセンサなどを有していても良い。
表示部62は、ホスト制御部41の制御に基づいて各種情報の表示を行う。表示部62は、表示ドライバ622と、表示画面621などを備える。表示画面621は、例えば、セグメント方式若しくはドットマトリクス方式又はこれらの組み合わせによる液晶表示画面(LCD)などによりデジタル表示を行う。あるいは、表示部62として、表示画面621によるデジタル表示に代えて、指針及びこれを回転動作させるステッピングモータなどによる表示が可能な構成を有していても良い。表示ドライバ622は、CPU411からの制御信号に基づいて、表示画面621に表示を行わせるための駆動信号を表示画面621に出力する。表示部62により表示可能な内容には、少なくとも計時回路47により計数される日時に応じた日時情報(特に、現在日時)が含まれ、また、アラーム報知機能、タイマ機能やストップウォッチ機能に係る設定日時、設定時間や計測時間などが含まれる。また、測位動作に応じて得られた現在位置に係る情報や地方時設定などが表示可能とされ得る。
ROM63は、ホスト制御部41やモジュール制御部52が制御動作を実行するためのプログラム631や初期設定データなどを格納する。ROM63としては、マスクROMに加えて又は代えてデータの書き換え更新が可能なフラッシュメモリなどの不揮発性メモリを有していてもよい。ROM63は、ホスト制御部41及びモジュール制御部52のいずれからも読み書きアクセスが可能に設けられており、スロットなどの取り付け部に対して着脱可能であってもよい。
プログラム631には、現在日時の取得や位置計測動作(測位動作)に係る制御プログラムが含まれる。また、ROM63には、設定データとして、測距精度/SNR換算データ632と、気圧/高度換算データ633(基準換算データ)などが記憶されている。測距精度/SNR換算データ632は、衛星電波受信処理部50による電波受信強度と当該電波受信強度に応じた測距精度、すなわち、測位衛星と電子時計1(自機)との間の距離の測定精度との対応関係を示す。この測距精度/SNR換算データ632は、複数のSNRに対して各々測距精度の値が対応付けられたテーブルデータであってもよいし、SNRから測距精度を算出する計算式(近似式を含む)であってもよい。測距精度/SNR換算データ632は、衛星電波受信処理部50の記憶部53に記憶されていてもよい。
気圧/高度換算データ633は、計測された気圧値を高度値に変換するための基準となるデータである。通常では、このデータにおいて、海水面(高度がゼロ)での気圧が基準気圧として1013.0hPa又は1013.25hPaとされ、高度が上昇するにつれて気圧が低下していく。気圧/高度換算データ633は、複数の気圧に対応する高度値を各々記憶するテーブルデータであってもよいし、変換用の計算式であってもよい。テーブルデータの場合、記憶されている気圧値の間の気圧値に対応する高度値は、線形補間により求められればよい。
気圧補正値532を記憶する記憶部53(及び/又は気圧補正値4121を記憶するRAM412)と気圧/高度換算データ633を記憶するROM63とにより、本発明の位置計測装置の実施形態における記憶部が構成される。また、気圧補正値532(気圧補正値4121)及び気圧/高度換算データ633が本実施形態における換算データを構成する。
計測部64は、センサにより各種物理量を計測して計測値や計測結果に基づく判定データなどをホスト制御部41に出力する。計測部64は、位置情報(ここでは、海水面からの高度)に対応する物理量を計測可能なものとして、気圧センサ641を有する。また、計測部64は、加速度センサ642を有する。気圧センサ641は、気圧を計測して計測データをホスト制御部41に出力する。加速度センサ642は、3軸方向の加速度を計測してホスト制御部41に出力する。ここでいう位置情報に対応する物理量とは、3次元空間内の位置のうち所定の3軸に対して1軸方向の成分のみを示すものを含む。また、直接位置に換算可能なものに加えて、直接又は積分することにより移動量を示すもの、すなわち、初期位置に加算されて位置情報が得られるものも含む。
電力供給部70は、電子時計1のマイコン40や衛星電波受信処理部50などの各部に所定の駆動電圧でバッテリ71から電力供給を行う。ここでは、衛星電波受信処理部50への電力供給有無は、ホスト制御部41の制御によりマイコン40への電力供給とは別に制御され得る。バッテリ71としては、ここでは、着脱可能な乾電池や充電池などが用いられるが、ソーラパネルと充電部(蓄電部)などを備えていてもよい。
次に、本実施形態の電子時計1における位置計測動作について説明する。
電子時計1では、所定の時間間隔、ここでは、1秒ごとに、気圧センサ641が計測した気圧値を高度(現在位置の少なくとも一成分)に換算して現在位置の高度を取得する第2の位置同定処理を行う。衛星電波受信処理部50のモジュール制御部52は、気圧値を計測部64の気圧センサ641からホスト制御部41を介して取得して、気圧/高度換算データ633及び気圧補正値532を参照して気圧値を高度に換算する。
一方で、電子時計1では、衛星電波受信処理部50が複数(4機以上)の測位衛星からの電波を受信して取得された航法メッセージとそのタイミングに基づいて測位演算を行い、現在位置を取得する第1の位置同定処理を行う。電子時計1において継続的に繰り返し測位動作を行う場合には、所定時間に一度、例えば、気圧計測による高度の取得と合わせて毎秒1回ずつ測位結果を取得する。これにより、毎秒3次元位置が取得される。高度値のみを取得する場合には、気圧補正値532(気圧補正値4121)を更新する場合に測位動作を行う。また、電子時計1では、測位演算の際に、測位結果の精度、すなわち、現在位置の誤差範囲を算出する。
測位演算は、周知のように、4機以上の測位衛星から受信される航法メッセージ中に含まれる精密軌道情報(エフェメリス)に基づく各機の現在位置と、各測位衛星からの受信タイミングの差(擬似距離)とを用いて、電子時計1の現在位置3成分と現在日時の合計4つの未知数を求める。この演算は、所定の初期値から数値的に収束させていく反復計算(逐次近似)、例えば、ニュートン・ラフソン法(ニュートン法)により行われる。
測位結果の精度算出では、電波が受信された複数の測位衛星の位置関係、受信された電波の各受信状態、及び電子時計1(自機)の運動状態(移動状況)に応じて求められる予測位置に対する取得された現在位置のずれをそれぞれ考慮して、以下の2通りの精度の算出方法で誤差範囲を算出して、より適切な値を定める。適切な値としては、ここでは、単純に大きいほう(精度の悪いほう)に定めることとして、想定され得る最大誤差範囲をカバーする。
3次元データを取得する場合、一般的に、上空の測位衛星からの電波を用いた測位では、高度方向(水平面に垂直な鉛直方向)についての位置精度は水平面内での位置精度よりも低いことが多い。また、実際に高度方向の移動がなくても、測位衛星の移動やユーザの移動に伴う電波の伝搬経路の変化により測位演算を行うごとに高度にぶれを生じる場合がある。そこで、本実施形態の電子時計1では、水平面内位置を測位により取得し、高度方向の位置を気圧センサ641の計測値に基づいて取得する。そして、適切な条件で所定の補正時間間隔を開けて気圧補正値532(気圧補正値4121)を更新することで、気象条件などによる気圧のオフセット値の変化の影響を排除する。
図2は、本実施形態の電子時計1における第1の測位精度算出方法について説明する図である。
第1の測位精度算出方法では、測位衛星からの電波の受信状態に基づいて第1の誤差範囲が求められる。
電波受信が可能な測位衛星は、仰角φ(現在位置から測位衛星への線分の水平面Eに対する角度。水平面Eに垂直な鉛直方向をx方向とする)及び方位角λ(ここでは、上記線分の水平面E内成分の北極方向Nとの角度。北極方向をx方向、水平面E内でx方向に直交する方向をx方向とする)を用いて現在位置に対する相対方向が特定される。このとき、現在位置の3成分及び時間成分を精度よく得るには、電波が受信される複数の測位衛星が適切に分散した位置関係であることが好ましい。すなわち、複数の測位衛星が現在位置に対して一方向に偏在している場合には、測位精度が低下する。
通常、測位精度の評価に用いられるDOPは、各測位衛星s(i=1〜n;nは測位に用いられる測位衛星の機数)の現在位置からの方向3成分(xij;j=1〜3)及び時間成分(xi4;ここでは、xi4=1)からなるn行4列行列A(x)について、D=A・A、すなわち、jk成分がDjk=Σ(i=1〜n)(xij・xik)で表される4行4列の行列Dの逆行列D−1=Uの対角成分を用いて表される。すなわち、DOPは、各測位衛星sの配置にのみ依存して定まる。方向3成分は、(xi1、xi2、xi3)=(cosλ・cosφ、sinλ・cosφ、sinφ)により長さ1で求められ、水平方向に係るHDOPは行列Uの対角成分uiiにより(|u11|+|u22|)1/2となり、鉛直方向に係るVDOPは(|u33|)1/2となり、位置座標に係るPDOPは(Σ(i=1〜3)|uii|)1/2となる。これらDOPの各値は、最良の状態で1程度となり、値が大きくなるほど精度が低下する。
しかしながら、実際には、DOPを小さくする測位衛星の配置では、現在位置から見た複数の測位衛星の間で角度差が大きくなり、その結果、仰角φが小さいものが含まれるのが通常である。一方で、仰角φが小さいほど電波受信強度が低下しやすい。本実施形態の電子時計1では、第1の測位精度算出方法として、各測位衛星の配置(現在位置に対する相対位置)と、当該測位衛星からの電波受信強度にそれぞれ応じた前記測距精度との組み合わせに基づいて、各相対位置のばらつきに対して更にそれぞれSNRに基づく重み付けを行った精度計算を行う。
図3は、測位衛星から受信される電波のSNRと、このSNRで受信される測位衛星の測距精度との関係の例を示す図である。
SNRが低下すると擬似距離の同定精度(測距精度e[km])が悪化(値が増加)し、すなわち、測位により求められる位置に見込まれる最大ずれ量が増加する。ここでは、実線(a)に示すように、SNRが上昇するにつれて指数関数に従って測距精度eが改善(値が減少)するものとされている。このような関係は、実測値(検査値)などに基づいて得られたテーブルデータ又は計算式が予め製品出荷前にROM63に測距精度/SNR換算データ632として記憶保持される。測距精度/SNR換算データ632がテーブルデータの場合、当該テーブルに含まれるSNRの値の中間値に対応する測距精度eは、適宜線形補間されて求められればよい。計算式の場合には、必要な精度が維持される限りで近似式であってよく、例えば、破線(b)に示すように、複数の直線の組み合わせで容易に表現、算出され得る。
上述のように、測位は複数の測位衛星からの電波受信により行われるので、各測位衛星のSNR、すなわち、測距精度eの組み合わせによって最終的に測位結果に含まれ得る最大ずれ量が変化する。ここでは、行列Dの各成分Djk=Σ(i=1〜n)(xij・xik)の各要素(xij・xik)に対し、測位衛星sごとにそれぞれSNRに対応する測距精度eを用いてe −2の重み付けを行う。すなわち、対角成分wii=e −2となるn行n列の重み付け行列W(非対角成分は全て「0」)を用いて、D=A・W・A(各成分Djk=Σ(i=1〜n)(xij・wii・xik))の逆行列D−1=Uにより受信強度で重み付けされた測位精度値を第1のずれ見積もり量Δx(第1の誤差範囲)として算出する。上述のように、最良の状態でのDOPは、ほぼ1となるので、得られる第1のずれ見積もり量Δxは、測距精度eの二乗の平方根、すなわち、測距精度eと同じオーダーの値となる。あるいは、第1のずれ見積もり量Δxは、適宜所定の係数倍されてもよい。ここでは、高度方向の誤差範囲を考慮するので、第1のずれ見積もり量Δxには、VDOPに対応する(|u33|)1/2又はPDOPに対応する(Σ(i=1〜3)|uii|)1/2が用いられる。
第1の測位精度算出方法で得られる第1のずれ見積もり量Δxは、このように受信強度及び測位衛星の配置に応じて直接求められる値とすることができる。
図4は、本実施形態の電子時計1における第2の測位精度算出方法について説明する図である。
第2の測位精度算出方法では、予測位置と現在位置とのずれに応じて第2の誤差範囲が求められる。
複数回(少なくとも2回)の位置情報が取得されると、これらの位置の変化に応じて電子時計1(自機)の移動速度が算出可能となる。大きな加速度が生じていない場合には、直近の位置(測位位置)からこの移動速度で移動した場合の次の測位時の位置が予測される。この予測された位置(予測位置)と次の測位位置とを比較することで、測位結果のずれが得られる。求められる予測速度vf(t)は、ここでは、直近(過去)の二回の測位により求められた測位位置pm(t−1)、pm(t−2)(測位結果)の差分を当該二回の測位の時間差Δtで除した一回前の計測速度vm(t−1)と等しいと仮定し、すなわち、vf(t)=vm(t−1)=(pm(t−1)−pm(t−2))/Δtにより得られる。
このように求められた予測速度vf(t)を用いて予測位置pf(t)=pm(t−1)+vf(t)・Δtが得られる。この予測位置pf(t)と測位位置pm(t)とのずれ量が第2のずれ見積もり量Δp=|pf(t)−pm(t)|(第2の誤差範囲)となる。第1のずれ見積もり量Δxにおいて高度成分(x方向)のみを考慮する場合には、第2のずれ見積もり量Δp=|(pf(t)−pm(t))x3|となる。
なお、前回の測位位置pm(t−1)をそのまま用いて予測位置pf(t)を求めるのではなく、測位位置pm(t−1)と前回の予測位置pf(t−1)とを用いてよりもっともらしい推定位置pe(t−1)を得て、予測位置pf(t)=pe(t−1)+vf(t)・Δtを得てもよい。推定位置pe(t−1)は、適宜な方法、例えば、カルマンフィルタなどを用いて得ることができる。カルマンフィルタを用いない場合であっても、推定位置pe(t)は、当該カルマンフィルタにおける誤差の共分散行列と同様に、予測位置と測位位置とのずれ量に基づく両者の適度な重み付けにより求められるものとすることができる。
また、予測位置pf(t)を算出する際に、速度の差分に基づいて加速度を考慮してもよい。また、測位衛星との位置関係に基づいて当該測位衛星からの距離方向の移動速度がドップラー効果による周波数変化として計測可能な場合には、この周波数変化に基づいて速度を求めてもよい。また、直近2回(加速度を含む場合には3回)の測位位置だけではなく、それ以前の位置の履歴に基づいて移動傾向などを統計処理してもよい。
このような第2の測位精度算出方法としては、速度やその履歴に応じて予測される現在位置と実際の測位位置とのずれやその影響を考慮したものとすることができる。
また、高度方向についての移動速度は、通常の道などの傾斜を考慮すると水平移動と比較して速度が上がりにくく、短時間の時間間隔では、計測精度に比して大きな変化が想定されにくい。一方で、地形(傾斜)などに応じて一定速度になりにくいので、長時間の時間間隔では一定の移動速度との仮定が成立しにくくなる。したがって、ここでは、高度の計測間隔及び高度の予測間隔を、移動手段に応じて適切な中間程度の長さ(例えば、数秒〜10秒など)に設定することができる。
次に、本実施形態の高度計測動作について説明する。
本実施形態の電子時計では、上述のように、現在位置の取得時に、位置3成分のうち高度(気圧センサ641の計測により取得される少なくとも一成分)は、気圧センサ641の計測する気圧を高度値に換算することで取得、出力される。気圧から高度への換算は、気圧/高度換算データ633及び気圧補正値532(気圧補正値4121)を用いて行われる。気圧補正値532(気圧補正値4121)は、測位衛星を用いた測位の結果により適宜な補正時間間隔で補正される。すなわち、高度(少なくとも一成分)は、適宜補正された気圧と高度との対応関係に基づいて気圧センサ641の計測値により(第2の位置同定処理の結果として)取得される。
しかしながら、測位精度が低い状況で気圧補正値532(気圧補正値4121)を更新すると、得られる高度の精度がかえって悪化し得る。したがって、本実施形態の電子時計1では、補正量を更新したい場合には、上述のように得られた測位精度(推定誤差範囲ε)が所定の基準値Rth内にある場合(所定の精度条件を満たす場合)にのみ補正量の更新(高度と気圧との対応関係の補正)を行うこととする。推定誤差範囲εが基準値Rth内にない場合(誤差範囲が精度条件を満たさない場合)には、基準値Rth内に収まって精度が良好であると判断されるまで測位及び測位精度の取得を繰り返し実行する。なお、所定の回数測位精度の取得を繰り返しても誤差範囲が精度条件を満たさない状況が続く場合には、一度補正時間間隔より短い時間測位を中断させることとしてもよい。
図5は、本実施形態の電子時計1で実行される高度計測制御処理のモジュール制御部52による制御手順を示すフローチャートである。
この高度計測制御処理は、ここでは、操作受付部61が所定の入力を受け付けたことをホスト制御部41が検出した場合に、ホスト制御部41が衛星電波受信処理部50に対して開始命令を出力することで、継続的な測位動作を行わせる測位制御処理と連動して開始される。
高度計測制御処理が開始されると、モジュール制御部52(CPU)は、気圧センサ641が計測した1秒分の気圧の平均値を計測部64(気圧センサ641)からホスト制御部41を介して取得する(ステップS101)。モジュール制御部52は、気圧/高度換算データ633及び気圧補正値532に基づいて、取得された気圧の1秒平均値を高度値に変換する(ステップS102;第2の位置同定ステップ、第2の位置同定手段)。なお、この高度計測制御処理の実行中には、気圧/高度換算データ633は、読み出されてモジュール制御部52のRAMにロードされてもよく、また、気圧補正値532を反映した補正済み気圧/高度換算データがRAMに記憶保持されていてもよい。
モジュール制御部52は、直近の補正、すなわち、気圧補正値532の更新から30分(所定の補正時間間隔)以上経過しているか否かを判別する(ステップS103)。30分以上経過していないと判別された場合には(ステップS103で“NO”)、モジュール制御部52の処理は、ステップS107に移行する。30分以上経過していると判別された場合には(ステップS103で“YES”)、モジュール制御部52は、衛星電波受信処理部50から測位結果と精度評価を取得する(ステップS104)。
モジュール制御部52は、位置精度判定処理で得られた判定結果により、位置精度が基準内であるか否かを判別する(ステップS105)。ここでは、位置精度とは上述のように高度の精度又は3次元位置の精度を意味する。基準内ではないと判別された場合には(ステップS105で“NO”)、モジュール制御部52は、カウント値c1を「0」に初期化し(ステップS106)、それから、処理をステップS107に移行させる。
ステップS107の処理に移行すると、モジュール制御部52は、気圧値に応じて得られた高度値を最新の高度値として取得する(ステップS107)。モジュール制御部52は、取得された高度が測位結果の高度値と所定の基準以上のずれがあるか否かを判別する(ステップS108)。基準以上のずれがないと判別された場合には(ステップS108で“NO”)、モジュール制御部52の処理は、ステップS121に移行する。基準以上のずれがあると判別された場合には(ステップS108で“YES”)、モジュール制御部52は、取得した高度値に対して精度警告のフラグを付加する(ステップS109)。取得された高度を表示部62により表示させる場合には、モジュール制御部52から高度及びフラグを取得したホスト制御部41が、当該表示に対して警告表示を追加して行わせることができる。それから、モジュール制御部52の処理は、ステップS121に移行する。
位置精度が基準内であると判別された場合には(ステップS105で“YES”)、モジュール制御部52は、カウント値c1に「1」を加算する(ステップS111)。モジュール制御部52は、カウント値c1が所定の基準数以上であるか否かを判別する(ステップS112)。この基準数は、例えば、「10」であるが、電子時計1の運動状態、主に、高度方向の移動速度に応じて変化され得る。高度方向の移動が大きい運動状態にある場合には、基準数がより小さく定められる。基準数以上ではないと判別された場合には(ステップS112で“NO”)、モジュール制御部52の処理は、ステップS107に移行する。
基準数以上であると判別された場合には(ステップS112で“YES”)、モジュール制御部52は、直近10回(10秒)の測位により取得された高度値の平均値を算出する。また、モジュール制御部52は、カウント値c1を「0」に初期化する(ステップS113)。モジュール制御部52は、計測されている気圧値と、算出された測位高度の平均値とに基づいて気圧補正値532(気圧補正値4121)を更新する(ステップS114)。モジュール制御部52は、更新された気圧補正値532と気圧/高度換算データ633とに基づいて、現在の気圧値に応じた高度を再算出して取得する(ステップS115;現在位置決定ステップ、現在位置決定手段)。それから、モジュール制御部52の処理は、ステップS121に移行する。
ステップS107、S115の処理からステップS121の処理に移行すると、モジュール制御部52は、高度計測の終了命令が取得されたか否かを判別する(ステップS121)。この終了命令は、操作受付部61により所定の入力操作が受け付けられた場合や、電力供給部70から供給電圧が所定の基準電圧未満となるなどでバッテリ切れ間近との情報が入力された場合などに取得される。終了命令が取得されていないと判別された場合には(ステップS121で“NO”)、モジュール制御部52の処理は、ステップS101に戻る。終了命令が取得されたと判別された場合には、モジュール制御部52は、高度計測の終了動作を行い(ステップS122)、そして、高度計測制御処理を終了する。
なお、高度のみを取得する場合には、高度計測制御処理は、測位制御処理とは別個に単独で起動されてもよい。この場合、衛星電波受信処理部50は、例えば、高度計測制御処理のステップS103の処理で“YES”に分岐したタイミングからステップS113の処理が終了するまでの間で一時的に測位を行う。また、ステップS108、S109の処理は省略されてもよい。
上記の高度計測制御処理のうち、ステップS105、S106、S111〜S114の処理が本実施形態の位置計測装置(電子時計1)の位置補正方法における対応補正ステップ及びプログラム631における対応補正手段を構成する。
図6は、高度計測制御処理のステップS104の処理に応じて行われる位置精度判定処理のモジュール制御部52による制御手順を示すフローチャートである。
ここでは、上述のように、位置精度判定処理が呼び出されるタイミングでは、衛星電波受信処理部50では、受信部51が起動されて測位動作を行っている。
位置精度判定処理が呼び出されると、モジュール制御部52は、測位演算結果を取得し(第1の位置同定ステップ、第1の位置同定手段)、上述の第1のずれ見積もり量Δx及び第2のずれ見積もり量Δpを算出する(ステップS201)。モジュール制御部52は、第1のずれ見積もり量Δxと第2のずれ見積もり量Δpとを比較し、大きい方を推定誤差範囲εとして設定する(ステップS202)。
モジュール制御部52は、推定誤差範囲εが所定の基準値Rthより小さいか否かを判別する(ステップS203)。基準値Rthよりも小さいと判別された場合には(ステップS203で“YES”)、モジュール制御部52は、カウント値c2に「1」を加算する(ステップS204)。モジュール制御部52は、カウント値c2が「3」以上であるか否かを判別し(ステップS205)、「3」以上であると判別された場合には(ステップS205で“YES”)、モジュール制御部52は、位置精度がOKであると判定する(ステップS206)。
モジュール制御部52は、適宜なタイミングで測位結果と位置精度判定結果をホスト制御部41に対して出力する(ステップS207)。移動履歴をモジュール制御部52で保持し、ホスト制御部41に出力する必要がない場合にはステップS207の処理は省略され得る。
モジュール制御部52は、位置精度判定処理の終了命令が取得されたか否かを判別する(ステップS208)。この位置精度判定処理の終了命令は、例えば、位置精度OKが得られた場合、位置精度NGが所定回数繰り返された場合、操作受付部61が所定の入力操作を受け付けた場合及び電力供給部70の供給電圧が低下して測位動作の継続を中止させるとホスト制御部41が判断した場合などにホスト制御部41から入力される。終了命令が取得されていないと判別された場合には(ステップS208で“NO”)、モジュール制御部52の処理は、ステップS201に戻り、モジュール制御部52は、1秒ごとにステップS201の処理を行う。終了命令が取得されたと判別された場合には(ステップS208で“YES”)、モジュール制御部52は、終了動作を行い(ステップS209)、位置精度判定処理を終了する。
なお、高度計測制御処理とは別個に測位制御処理が継続されている場合には、モジュール制御部52は、測位制御処理に不要な処理動作のみを中止する。
カウント値c2が「3」以上ではない(1又は2である)と判別された場合には(ステップS205で“NO”)、モジュール制御部52は、位置精度がNGであると判定する(ステップS215)。それから、モジュール制御部52の処理は、ステップS207に移行する。
ステップS203の判別処理で、第2のずれ見積もり量Δpが基準値Rthより小さくない(基準値Rth以上である)と判別された場合には(ステップS203で“NO”)、モジュール制御部52は、カウント値cを「0」とする(ステップS214)。それから、モジュール制御部52の処理は、ステップS215に移行して位置精度がNGであると判定する(ステップS215)。それから、モジュール制御部52の処理は、ステップS207に移行する。
[変形例]
図7は、本実施形態の電子時計1における高度計測制御処理の変形例を示すフローチャートである。
この変形例の高度計測制御処理は、上述の実施形態の高度計測制御処理と比較して、ステップS108、S109の処理がそれぞれステップS108a、S109aに置き換えられた点が異なり、その他の処理は同一である。同一の処理内容には同一の符号を付して説明を省略する。なお、この変形例の高度計測制御処理は、測位制御処理と並列に実行されて衛星電波受信処理部50が測位動作を行っており、かつ加速度センサ642から加速度の計測データがホスト制御部41を介して取得されている場合に実行される。
ステップS107の処理で 気圧センサ641の計測値に基づく高度が取得されると、モジュール制御部52は、取得された高度と測位結果の高度との差が所定の基準(所定の基準ずれ量)以上であり、かつ直近のステップS114における気圧補正値の更新以後に鉛直方向(すなわち高度方向)の加速度(重力加速度を除いたもの)の絶対値(大きさ)が所定の基準値以上となっていないか否かを判別する(ステップS108a)。この場合の高度差に係る基準は、基準値Rth以上の値に定めることができる。また、鉛直方向加速度の絶対値に係る基準値は、「0」に十分に近い値とすることができる。また、鉛直方向加速度の絶対値の最大値ではなく、積分値を用いることとしてもよい。
測位結果との差が基準以上であり、かつ鉛直方向加速度の絶対値が所定の基準値以上となっていないと判別された場合には(ステップS108aで“YES”)、モジュール制御部52は、前回(直近)の気圧補正値532の更新時(対応関係が補正されたとき)の高度(位置の一成分)と現在の気圧(計測値)とに基づいて気圧補正値532(気圧補正値4121)を更新(対応関係を補正)する(ステップS109a)。それから、モジュール制御部52の処理は、ステップS121に移行する。測位結果との差が基準未満か、又は鉛直方向加速度の絶対値が所定の基準値未満であると判別された場合には(ステップS108aで“NO”)、モジュール制御部52の処理は、ステップS121に移行する。
以上のように、本実施形態の位置計測装置を含む電子時計1は、測位衛星からの電波を受信する受信部51と、位置(高度)情報に対応する物理量(気圧)を計測する気圧センサ641を有する計測部64と、モジュール制御部52と、を備える。モジュール制御部52は、受信部51が受信した電波を用いて測位を行って現在位置及び当該現在位置の推定誤差範囲εを取得する第1の位置同定処理と、計測部64が計測する気圧を用いて現在位置の少なくとも一成分である高度を取得する第2の位置同定処理と、を行う。モジュール制御部52は、推定誤差範囲εが所定の精度条件を満たす場合に、気圧補正値532を更新することで第2の位置同定処理で得られる高度と気圧との対応関係を補正し、現在位置の取得時には、高度については、対応関係が補正された第2の位置同定処理の結果を取得する。推定誤差範囲εは、電波が受信された複数の測位衛星の各位置に対して電波の各受信状態をそれぞれ組み合わせて得られる第1のずれ見積もり量Δxと、電子時計1(自機)の移動状況に応じて求められる予測位置pfに対する取得された測位位置pmのずれである第2のずれ見積もり量Δpとをそれぞれ考慮して算出される。
このように、高度を測位ではなく気圧計測によって取得することで、電子時計1(ユーザ)の静止状態や、位置精度に対して低速での移動中の場合に測位結果のばらつきによる不自然な高度変化を防ぐことができる。また、気圧を高度に換算する気圧/高度換算データ633を更に補正する気圧補正値532、4121の補正を30分以上の間隔で間欠的かつ測位精度が所定の精度条件を満たす程度にはよい場合のみに限ることで、気圧計測により取得される高度の精度がかえって悪化することを防ぐことができる。特に、推定誤差範囲εの算出において、測位衛星の配位(DOP)などだけでなく、個々の電波受信強度を考慮し、さらに、予測位置を用いた多面的な評価を行うことで、不正確な気圧補正値532(気圧補正値4121)の補正を適切に抑制し、取得高度値に大きなずれを生じさせ難くすることができる。
また、特に、電子時計1は、気圧を高度に換算する換算データを記憶する記憶部53及びROM63を備える。計測部64は、気圧センサ641を有する。換算データには、基準気圧に対する高度の対応関係を記憶する基準換算データである気圧/高度換算データ633と、基準気圧に対する大気圧の変動の影響を補正するための気圧オフセット値である気圧補正値532とが含まれる。モジュール制御部52は、気圧センサ641により計測された気圧と換算データとに基づいて現在位置のうち高度を取得する。
気圧を用いた高度計測は、測位衛星を用いた現在位置の取得(測位)とは独立に実施可能であり、オフセット値が正しく設定されれば測位で得られる高度と比較してもよい精度が得られる。また、基準となる気圧からの相対変化、すなわち、換算される現在位置のオフセット誤差が秒単位から1時間程度の短時間では、あまり想定されない。したがって、測位精度がよい場合に限定して間欠的にオフセット値の設定が適切になされることで、継続的により正確かつ不自然なぶれのない高度値を取得することが可能となる。
また、モジュール制御部52は、第1の位置同定処理(測位及び測位精度の取得)を所定の補正時間間隔(ここでは、30分)で実行して、継続的に行われている第2の位置同定処理(気圧計測値の高度換算)で用いられる気圧補正値532の更新を行う。第1の位置同定処理で得られた推定誤差範囲εが精度条件を満たさない場合には、第1の位置同定処理を繰り返し実行する。このように、補正時間間隔は、通常の大気圧の変化に係るタイムスケールに応じて、継続的に(ここでは毎秒)行われる第2の位置同定処理の動作間隔に比して十分に広く定めることができる。一方で、推定誤差範囲εが大きく精度が悪い場合には、測位精度が再び向上するまで繰り返し測位を行う。したがって、測位衛星からの電波を受信可能な環境であれば、電子時計1(ユーザ)や測位衛星の移動に伴って精度が向上したタイミングを逃さずに可能な限り速やかに気圧補正値532の更新を行って取得高度の精度低下を抑えることができる。
また、計測部64は、加速度センサ642を有する。モジュール制御部52は、第2の位置同定処理(気圧計測値の高度換算)で得られた高度と、第1の位置同定処理(測位動作)で得られた高度との差が所定の基準ずれ量以上であり、かつ直近に気圧補正値532が更新されてから計測された加速度の高度成分の大きさが所定の基準値以上となっていない場合には、直近に気圧補正値532が更新されたときの高度と現在の計測部64(気圧センサ641)による計測値とに基づいて気圧補正値532を更新する。
上述のように、原則的には測位精度が低下している場合には、気圧補正値532を更新しないが、長時間測位精度が悪い場合、大気圧の変化によって、気圧補正値532の正確な値からのずれが大きくなることもあり得る。測位による高度と気圧計測により求められる高度との差が測位による推定誤差範囲εを超えて異なる場合に、ユーザが高度方向に移動していないことが加速度センサ642の計測により明らかであるならば、先の更新時の高度に対する気圧のみが変化していることになるので、当該先の更新時の高度と現在の気圧とに基づいて気圧補正値532を更新することができる。このような処理を可能とすることで、例えば、室内で休息している場合などに自動的に高度と気圧との関係を調整していくことができ、再び屋外に出て移動を開始するタイミングなどでも速やかに適切な高度計測や記録を継続、再開させることができる。
また、モジュール制御部52は、第1のずれ見積もり量Δxと、予測位置pfと測位位置pmとのずれに応じた第2のずれ見積もり量Δpとをそれぞれ算出し、これら第1のずれ見積もり量Δxと第2のずれ見積もり量Δpとに基づいて推定誤差範囲εを算出する。このように、複数の誤差要因を考慮し、特に、適切に受信強度の誤差に対する影響を考慮することで、誤差範囲として従来よりもより適切な数値を得ることができ、不正確な気圧補正値532の更新を行わないようにすることができる。したがって、電子時計1では、より正確な高度をより長い時間計測することができる。
また、モジュール制御部52は、第1のずれ見積もり量Δx及び第2のずれ見積もり量Δpのうち大きいほうを推定誤差範囲εとする。このような簡単な処理で最大の誤差を容易に想定し得るので、測位結果(特に高度)のずれを過小評価せずに、所望の精度を維持可能と見込まれる場合にのみ気圧補正値532の更新を行わせることができる。これにより、電子時計1では、容易に適切な高度取得をより長い時間維持することができる。
また、電子時計1は、測位衛星からの電波受信強度(SNR)と当該電波受信強度に応じた当該測位衛星の測距精度eとの対応関係を示す測距精度/SNR換算データ632を記憶するROM63(又は記憶部53)を備える。モジュール制御部52は、現在位置の算出に用いられた複数の測位衛星の現在位置に対する相対位置と、当該複数の測位衛星からの電波受信強度にそれぞれ応じた測距精度との組み合わせに基づいて、第1のずれ見積もり量Δxを算出する。
このように、DOPに準じた測位衛星の配置に基づく第1のずれ見積もり量Δxの算出に、各測位衛星の測距精度eを各々組み込むことで、各測位衛星の配置だけでなく、当該複数の測位衛星からの電波受信強度の強弱の影響を各々適切に考慮して、より精度の高い位置精度の見積もりを行うことができる。したがって、より正確に現在位置(高度)の精度を評価して、気圧補正値532の更新可否を判断することができる。
また、モジュール制御部52は、複数の測位衛星の現在位置に対する相対位置のばらつきを測距精度eで各々重み付け演算することで第1のずれ見積もり量Δxを算出する。このように、各測位衛星のSNRに応じた測距精度を各々反映して第1のずれ見積もり量Δxを算出するので、より適切に誤差範囲を定量的に示す判断とすることができる。
また、モジュール制御部52は、過去の測位結果に基づいて電子時計1(自機)の移動速度を算出し、前回の測位位置から当該移動速度で移動した場合の位置を新たな予測位置pfとして求める。これにより、より適切にSNRに応じて推定誤差範囲εを定量的に評価して気圧補正値532の補正可否を判断することができる。
また、本実施形態の電子時計1は、上述の構成に加えて日時を計数する計時回路47と、計時回路47が計数する日時を表示可能な表示部62と、を備える。
このように、電子時計1において、気圧センサ641を用いた高度計測に係るオフセット値である気圧補正値532の更新が、衛星位置及び電波受信強度を各々反映し、また、予測位置と計測された現在位置とのずれを考慮して求められる推定誤差範囲εが十分に小さい場合にのみなされる。これにより、電子時計1のように携帯される電子機器での高度変化の精度をより継続的に高く維持し、ユーザに大きな誤差を含んだ情報を伝える可能性を低減させることができる。
また、本実施形態の位置補正方法は、受信部51が受信した電波を用いて測位を行って現在位置及び当該現在位置の推定誤差範囲εを取得する第1の位置同定ステップ、計測部64が計測する物理量(気圧)を用いて現在位置の少なくとも一成分(高度)を取得する第2の位置同定ステップ、推定誤差範囲εが所定の精度条件を満たす場合に、第2の位置同定ステップ(気圧計測値の高度換算)で得られる現在位置(高度)と物理量(気圧)との対応関係(気圧補正値532)を補正する対応補正ステップ、現在位置の少なくとも一成分(高度)については、気圧補正値532が更新(補正)された第2の位置同定ステップの結果を現在位置として取得する現在位置決定ステップ、を含み、推定誤差範囲εは、電波が受信された複数の測位衛星の各位置に対して電波の各受信状態をそれぞれ組み合わせて得られる測位精度と、自機の移動状況に応じて求められる予測位置に対する取得された現在位置のずれとをそれぞれ考慮して算出される。
このように、物理量計測を基本として位置計測を行い、当該物理量を位置に換算する際のオフセット値の補正を、測位精度が基準以上によい場合にのみ限定することで、精度の低下を防ぎつつ測位衛星から電波受信による測位で生じやすい測位動作ごとのばらつきを排除した継続的な現在位置データの取得が可能になる。そして、測位精度として、複数の測位衛星の各位置及び当該複数の測位衛星からの電波受信状態を各々反映し、さらに位置計測装置の移動状況から推測される予測位置pfと測位位置pmとのずれを考慮して推定誤差範囲εを求めることで、誤差の推定精度自体を向上させ、より正確に誤差が小さい場合に限定してオフセット値の更新を行うことが可能になる。よって、位置のばらつきを防ぎつつ、取得精度をより一層高い状態で維持することが可能となる。
また、上述の位置補正方法に係るプログラム631をコンピュータにインストールして実行することで、容易により適切に定量的な誤差評価を行い、当該誤差評価に基づいてソフトウェア的にぶれの少ないより正確な現在位置を継続的に得ることができる。
なお、本発明は、上記実施の形態に限られるものではなく、様々な変更が可能である。
例えば、上記実施の形態では、気圧計測に基づいて現在位置のうち高度を取得する場合について説明したが、これに限られない。例えば、車輪の回転数などやジャイロセンサの計測による回転角度により移動距離(移動ベクトル)を初期位置に加算していくものなどについても本発明を適用することができる。また、航空機などの高速移動時における地磁場の伏角や方位角の変化を用いて水平方向の位置を推定することとしてもよい。この場合には、例えば、地磁場の日変化や地磁気擾乱の度合いなどに応じて基準地磁場からのオフセット値が考慮されたり、地磁気モデルのパラメータが変更されたりすればよい。
また、上記実施形態では推定誤差範囲εが精度条件を満たさない場合に、精度条件が満たされるまで繰り返し測位及び測位精度の評価を取得することとしたが、単純に一回気圧補正値532の更新を省略してもよいし、省略された回数に応じて徐々に測位動作の間隔を短縮していくこととしてもよい。
また、上記実施の形態では、推定誤差範囲εが精度条件を満たさない場合について、加速度センサ642を併用してユーザが高度方向に移動していない場合には気圧補正値532を更新可能としたが、これに限られない。測位結果の精度の低さを補完可能な追加情報が物理センサなどにより取得可能な場合には、これらに基づいて気圧補正値532を補正可能とするパターンを追加することができる。
また、上記実施の形態では、モジュール制御部52が衛星電波受信処理部50で取得された測位結果及び精度評価と計測部64からホスト制御部41を介して取得された計測データとに基づいて現在位置を求め、また気圧補正値532を更新することとしたが、ホスト制御部41が衛星電波受信処理部50と計測部64からそれぞれデータを取得して現在位置を求め、また気圧補正値4121を更新して利用することとしてもよい。また、例えば、3次元位置を求める場合に継続的に測位を行う場合には、衛星電波受信処理部50で現在位置を決定し、高度位置のみを求める場合には、ホスト制御部41で現在位置を決定することとするなど、切り替え可能としてもよい。
また、上記実施の形態では、所定の精度基準として第1のずれ見積もり量Δx及び第2のずれ見積もり量Δpのうち大きいほうを推定誤差範囲εとして測位精度(誤差範囲)を表す指標としたが、単純に大きい方に設定するのではなく、平均値などが用いられてもよいし、電子時計1(衛星電波受信処理部50)の運動状態、特に加速度変化などに応じて重み付け平均された値が用いられてもよい。また、加速度変化については、測位の結果だけではなく、別個に備える加速度センサの計測値を参照したりしてもよい。
また、第1のずれ見積もり量Δx及び第2のずれ見積もり量Δpは、上述した算出方法以外で求められるものであってもよい。例えば、NMEA−0183のGSTメッセージフォーマット(Pseudorange Noise Statistics)における誤差範囲(Error ellipse)のうち長軸方向の値や、当該誤差範囲に従って得られる緯度誤差の標準偏差と経度誤差の標準偏差のうちの大きいほうの値などが用いられてもよい。あるいは、第2のずれ見積もり量Δpに係る予測位置の見積もり方法が異なっていてもよく、この見積もりの際に第1のずれ見積もり量Δxに係る測位衛星の配位や受信強度が考慮されてもよい。また、各測位衛星からの電波の受信強度に応じた重み付けの代わりに3軸方向へのオフセット値を設定して、各軸方向について各々誤差範囲を算出することとしてもよい。
また、上記実施の形態では、電子時計1が備える衛星電波受信処理部50による測位制御動作を例に挙げて説明したが、衛星電波受信処理部50は、電子時計1に設けられているものに限られない。他の電子機器に設けられるものであってもよく、また、これら電子機器に搭載される衛星電波受信用のモジュール単体であってもよい。また、受信対象の測位衛星は特に限定されるものではなく、複数の全地球測位システムに係る測位衛星やこれらを補完する地域測位衛星などからの受信電波が混在していてもよい。
また、以上の説明では、現在日時情報の取得時における本発明の衛星電波受信制御に係るプログラム631を記憶するコンピュータ読み取り可能な媒体としてフラッシュメモリなどの不揮発性メモリやマスクROMなどからなるROM63を例に挙げて説明したが、これらに限定されない。その他のコンピュータ読み取り可能な媒体として、HDD(Hard Disk Drive)、CD−ROMやDVDディスクなどの可搬型記録媒体を適用することが可能である。また、本発明に係るプログラムのデータを通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウェーブ(搬送波)も本発明に適用される。
その他、上記実施の形態で示した構成、制御手順や表示例などの具体的な細部は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、本発明の範囲は、上述の実施の形態に限定するものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲とその均等の範囲を含む。
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
[付記]
<請求項1>
測位衛星からの電波を受信する受信部と、
位置情報に対応する物理量を計測する計測部と、
制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記受信部が受信した電波を用いて測位を行って現在位置及び当該現在位置の誤差範囲を取得する第1の位置同定処理と、
前記計測部が計測する物理量を用いて現在位置の少なくとも一成分を取得する第2の位置同定処理と、
を行い、
前記誤差範囲が所定の精度条件を満たす場合に、前記第2の位置同定処理で得られる現在位置の前記少なくとも一成分と前記物理量との対応関係を補正し、
現在位置の取得時には、前記少なくとも一成分については、前記対応関係が補正された前記第2の位置同定処理の結果を取得し、
前記誤差範囲は、電波が受信された複数の測位衛星の各位置に対して電波の各受信状態をそれぞれ組み合わせて得られる測位精度と、自機の移動状況に応じて求められる予測位置に対する取得された現在位置のずれとをそれぞれ考慮して算出される
ことを特徴とする位置計測装置。
<請求項2>
気圧を高度に換算する換算データを記憶する記憶部を備え、
前記計測部は、気圧センサを有し、
前記換算データには、基準気圧に対する高度の対応関係を記憶する基準換算データと、前記基準気圧に対する大気圧の変動の影響を補正するための気圧オフセット値とが含まれ、
前記制御部は、前記気圧センサにより計測された気圧と前記換算データとに基づいて現在位置のうち高度を取得する
ことを特徴とする請求項1記載の位置計測装置。
<請求項3>
前記制御部は、
前記第1の位置同定処理を所定の補正時間間隔で実行して前記対応関係の補正を行い、
前記誤差範囲が前記精度条件を満たさない場合には、前記第1の位置同定処理を繰り返し実行する
ことを特徴とする請求項1又は2記載の位置計測装置。
<請求項4>
前記計測部は、加速度センサを有し、
前記制御部は、前記第2の位置同定処理で得られた現在位置の前記少なくとも一成分と、前記第1の位置同定処理で得られた現在位置の前記少なくとも一成分との差が所定の基準ずれ量以上であり、かつ直近に前記対応関係が補正されてから計測された加速度の前記少なくとも一成分の大きさが所定の基準値以上となっていない場合には、直近に前記対応関係が補正されたときの現在位置の前記少なくとも一成分と現在の前記計測部による計測値とに基づいて前記対応関係を補正する
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の位置計測装置。
<請求項5>
前記制御部は、前記測位精度に係る第1の誤差範囲と、前記予測位置と現在位置とのずれに応じた第2の誤差範囲とをそれぞれ算出し、前記第1の誤差範囲と前記第2の誤差範囲とに基づいて前記現在位置の誤差範囲を算出することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の位置計測装置。
<請求項6>
前記制御部は、前記第1の誤差範囲及び前記第2の誤差範囲のうち大きいほうを前記現在位置の誤差範囲とすることを特徴とする請求項5記載の位置計測装置。
<請求項7>
前記測位衛星からの電波受信強度と当該電波受信強度に応じた当該測位衛星の測距精度との対応関係を記憶する記憶部を備え、
前記制御部は、現在位置の算出に用いられた複数の測位衛星の現在位置に対する相対位置と、当該複数の測位衛星からの電波受信強度にそれぞれ応じた前記測距精度との組み合わせに基づいて、前記第1の誤差範囲を算出する
ことを特徴とする請求項5又は6記載の位置計測装置。
<請求項8>
前記制御部は、前記複数の測位衛星の現在位置に対する相対位置のばらつきを前記測距精度で各々重み付け演算することで前記第1の誤差範囲を算出することを特徴とする請求項7記載の位置計測装置。
<請求項9>
前記制御部は、過去の測位結果に基づいて自機の移動速度を算出し、前回の測位位置から当該移動速度で移動した場合の位置を新たな予測位置として求めることを特徴とする請求項5〜8のいずれか一項に記載の位置計測装置。
<請求項10>
請求項1〜9のいずれか一項に記載の位置計測装置と、
日時を計数する計時部と、
前記計時部が計数する日時を表示可能な表示部と、
を備えることを特徴とする電子時計。
<請求項11>
測位衛星からの電波を受信する受信部と、位置情報に対応する物理量を計測する計測部と、を備える位置計測装置の位置補正方法であって、
前記受信部が受信した電波を用いて測位を行って現在位置及び当該現在位置の誤差範囲を取得する第1の位置同定ステップ、
前記計測部が計測する物理量を用いて現在位置の少なくとも一成分を取得する第2の位置同定ステップ、
前記誤差範囲が所定の精度条件を満たす場合に、前記第2の位置同定ステップで得られる現在位置と前記物理量との対応関係を補正する対応補正ステップ、
前記少なくとも一成分については、前記対応関係が補正された前記第2の位置同定ステップの結果を現在位置として取得する現在位置決定ステップ、
を含み、
前記誤差範囲は、電波が受信された複数の測位衛星の各位置に対して電波の各受信状態をそれぞれ組み合わせて得られる測位精度と、自機の移動状況に応じて求められる予測位置に対する取得された現在位置のずれとをそれぞれ考慮して算出される
ことを特徴とする位置補正方法。
<請求項12>
測位衛星からの電波を受信する受信部と、位置情報に対応する物理量を計測する計測部と、を備えるコンピュータを
前記受信部が受信した電波を用いて測位を行って現在位置及び当該現在位置の誤差範囲を取得する第1の位置同定手段、
前記計測部が計測する物理量を用いて現在位置の少なくとも一成分を取得する第2の位置同定手段、
前記誤差範囲が所定の精度条件を満たす場合に、前記第2の位置同定手段により得られる現在位置と前記物理量との対応関係を補正する対応補正手段、
前記少なくとも一成分については、前記対応関係が補正された前記第2の位置同定手段による結果を現在位置として取得する現在位置決定手段、
として機能させ、
前記誤差範囲は、電波が受信された複数の測位衛星の各位置に対して電波の各受信状態をそれぞれ組み合わせて得られる測位精度と、自機の移動状況に応じて求められる予測位置に対する取得された現在位置のずれとをそれぞれ考慮して算出される
ことを特徴とするプログラム。
1 電子時計
40 マイコン
41 ホスト制御部
411 CPU
412 RAM
4121 気圧補正値
45 発振回路
46 分周回路
47 計時回路
50 衛星電波受信処理部
51 受信部
52 モジュール制御部
53 記憶部
531 受信制御情報
532 気圧補正値
61 操作受付部
62 表示部
621 表示画面
622 表示ドライバ
63 ROM
631 プログラム
632 測距精度/SNR換算データ
633 気圧/高度換算データ
64 計測部
641 気圧センサ
642 加速度センサ
70 電力供給部
71 バッテリ
A1 アンテナ
測距精度
pe 推定位置
pf 予測位置
pm 測位位置
Rth 基準値
vf 予測速度
vm 計測速度
W 重み付け行列
Δp 第2のずれ見積もり量
Δt 時間差
Δx 第1のずれ見積もり量

Claims (12)

  1. 測位衛星からの電波を受信する受信部と、
    位置情報に対応する物理量を計測する計測部と、
    制御部と、
    を備え、
    前記制御部は、
    前記受信部が受信した電波を用いて測位を行って現在位置及び当該現在位置の誤差範囲を取得する第1の位置同定処理と、
    前記計測部が計測する物理量を用いて現在位置の少なくとも一成分を取得する第2の位置同定処理と、
    を行い、
    前記誤差範囲が所定の精度条件を満たす場合に、前記第2の位置同定処理で得られる現在位置の前記少なくとも一成分と前記物理量との対応関係を補正し、
    現在位置の取得時には、前記少なくとも一成分については、前記対応関係が補正された前記第2の位置同定処理の結果を取得し、
    前記誤差範囲は、電波が受信された複数の測位衛星の各位置に対して電波の各受信状態をそれぞれ組み合わせて得られる測位精度と、自機の移動状況に応じて求められる予測位置に対する取得された現在位置のずれとをそれぞれ考慮して算出される
    ことを特徴とする位置計測装置。
  2. 気圧を高度に換算する換算データを記憶する記憶部を備え、
    前記計測部は、気圧センサを有し、
    前記換算データには、基準気圧に対する高度の対応関係を記憶する基準換算データと、前記基準気圧に対する大気圧の変動の影響を補正するための気圧オフセット値とが含まれ、
    前記制御部は、前記気圧センサにより計測された気圧と前記換算データとに基づいて現在位置のうち高度を取得する
    ことを特徴とする請求項1記載の位置計測装置。
  3. 前記制御部は、
    前記第1の位置同定処理を所定の補正時間間隔で実行して前記対応関係の補正を行い、
    前記誤差範囲が前記精度条件を満たさない場合には、前記第1の位置同定処理を繰り返し実行する
    ことを特徴とする請求項1又は2記載の位置計測装置。
  4. 前記計測部は、加速度センサを有し、
    前記制御部は、前記第2の位置同定処理で得られた現在位置の前記少なくとも一成分と、前記第1の位置同定処理で得られた現在位置の前記少なくとも一成分との差が所定の基準ずれ量以上であり、かつ直近に前記対応関係が補正されてから計測された加速度の前記少なくとも一成分の大きさが所定の基準値以上となっていない場合には、直近に前記対応関係が補正されたときの現在位置の前記少なくとも一成分と現在の前記計測部による計測値とに基づいて前記対応関係を補正する
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の位置計測装置。
  5. 前記制御部は、前記測位精度に係る第1の誤差範囲と、前記予測位置と現在位置とのずれに応じた第2の誤差範囲とをそれぞれ算出し、前記第1の誤差範囲と前記第2の誤差範囲とに基づいて前記現在位置の誤差範囲を算出することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の位置計測装置。
  6. 前記制御部は、前記第1の誤差範囲及び前記第2の誤差範囲のうち大きいほうを前記現在位置の誤差範囲とすることを特徴とする請求項5記載の位置計測装置。
  7. 前記測位衛星からの電波受信強度と当該電波受信強度に応じた当該測位衛星の測距精度との対応関係を記憶する記憶部を備え、
    前記制御部は、現在位置の算出に用いられた複数の測位衛星の現在位置に対する相対位置と、当該複数の測位衛星からの電波受信強度にそれぞれ応じた前記測距精度との組み合わせに基づいて、前記第1の誤差範囲を算出する
    ことを特徴とする請求項5又は6記載の位置計測装置。
  8. 前記制御部は、前記複数の測位衛星の現在位置に対する相対位置のばらつきを前記測距精度で各々重み付け演算することで前記第1の誤差範囲を算出することを特徴とする請求項7記載の位置計測装置。
  9. 前記制御部は、過去の測位結果に基づいて自機の移動速度を算出し、前回の測位位置から当該移動速度で移動した場合の位置を新たな予測位置として求めることを特徴とする請求項5〜8のいずれか一項に記載の位置計測装置。
  10. 請求項1〜9のいずれか一項に記載の位置計測装置と、
    日時を計数する計時部と、
    前記計時部が計数する日時を表示可能な表示部と、
    を備えることを特徴とする電子時計。
  11. 測位衛星からの電波を受信する受信部と、位置情報に対応する物理量を計測する計測部と、を備える位置計測装置の位置補正方法であって、
    前記受信部が受信した電波を用いて測位を行って現在位置及び当該現在位置の誤差範囲を取得する第1の位置同定ステップ、
    前記計測部が計測する物理量を用いて現在位置の少なくとも一成分を取得する第2の位置同定ステップ、
    前記誤差範囲が所定の精度条件を満たす場合に、前記第2の位置同定ステップで得られる現在位置と前記物理量との対応関係を補正する対応補正ステップ、
    前記少なくとも一成分については、前記対応関係が補正された前記第2の位置同定ステップの結果を現在位置として取得する現在位置決定ステップ、
    を含み、
    前記誤差範囲は、電波が受信された複数の測位衛星の各位置に対して電波の各受信状態をそれぞれ組み合わせて得られる測位精度と、自機の移動状況に応じて求められる予測位置に対する取得された現在位置のずれとをそれぞれ考慮して算出される
    ことを特徴とする位置補正方法。
  12. 測位衛星からの電波を受信する受信部と、位置情報に対応する物理量を計測する計測部と、を備えるコンピュータを
    前記受信部が受信した電波を用いて測位を行って現在位置及び当該現在位置の誤差範囲を取得する第1の位置同定手段、
    前記計測部が計測する物理量を用いて現在位置の少なくとも一成分を取得する第2の位置同定手段、
    前記誤差範囲が所定の精度条件を満たす場合に、前記第2の位置同定手段により得られる現在位置と前記物理量との対応関係を補正する対応補正手段、
    前記少なくとも一成分については、前記対応関係が補正された前記第2の位置同定手段による結果を現在位置として取得する現在位置決定手段、
    として機能させ、
    前記誤差範囲は、電波が受信された複数の測位衛星の各位置に対して電波の各受信状態をそれぞれ組み合わせて得られる測位精度と、自機の移動状況に応じて求められる予測位置に対する取得された現在位置のずれとをそれぞれ考慮して算出される
    ことを特徴とするプログラム。
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