以下に、本発明の実施の形態にかかる換気扇を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1にかかる換気扇100の断面図である。図2は、図1に示す換気扇100の背面図である。図3は、図1に示す意匠グリル6が取り外されている換気扇100の前方斜視図である。図4は、図1に示す意匠グリル6が取り外されている換気扇100の正面図である。換気扇100は、建物の壁あるいは天井に据え付けられる。図1には、壁に据え付けられている換気扇100を示している。
以下の説明にて、換気扇100のうち意匠グリル6が向けられている方向を前方、前方とは逆の方向を後方とする。また、前方および後方を前後方向と称することがある。前後方向は、第1の方向とする。図4に示す矢印A,Bは、据え付けられた換気扇100を正面から見たときの方向を表し、矢印Aの方向を上方向、矢印Bの方向を下方向とする。また、上方向および下方向を上下方向と称することがある。上下方向は、前後方向に垂直な方向であって、第2の方向とする。また、図4の紙面に平行かつ矢印Aと矢印Bとに垂直な方向を、左右方向とする。左右方向は、前後方向に垂直かつ上下方向に垂直な方向であって、第3の方向とする。
換気扇100は、室内と屋外とを繋いで配設されたパイプ1に室内側から挿入されて、室内の壁面である据付面2に据え付けられる。パイプ1のうち室内側の開放端は、据付面2に形成されている開口3に繋げられている。換気扇100は、室内から屋外への排気あるいは屋外から室内への給気により、室内を換気する。なお、換気扇100は、パイプ1に代えて、室内と屋外とを繋いで配設されたダクトに据え付けられても良い。
換気扇100は、空気流を発生させる送風機4と、送風機4が取り付けられた本体フレーム5と、室内にて本体フレーム5を覆う意匠グリル6とを備える。送風機4と本体フレーム5とは、換気扇100の本体を構成している。
送風機4は、回転軸7に連結されている羽根車8と、回転軸7を回転駆動する電動機9とを備える。羽根車8は、プロペラファンである。本体フレーム5は、空気流が通過する円筒状の風洞10と、風洞10の前方端である開口部12に繋げられたフランジ部11とを備える。本体フレーム5は、樹脂により一体成形されている。風洞10は、換気扇100の通風路である。開口部12は、後方から前方へ向かうにしたがい開口径が拡張されたベルマウス形状をなしている。送風機4は、風洞10の円筒中心に回転軸7が一致するように配置されている。送風機4は、風洞10内にて羽根車8を回転させて、風洞10を通る空気流を発生させる。
風洞10の後方端には、互いに間隔をなして配置された4つの脚部14が後方へ向けて立てられている。4つの脚部14は、風洞10の円筒外周よりも円筒半径方向における円筒中心側に位置している。各脚部14の後方端には、脚部14から円筒中心側への向きである内向きに延びる橋絡部15が取り付けられている。電動機9に取り付けられている電動機カバー16は、橋絡部15により支持されている。板バネ17は、4つの橋絡部15のうちの1つに取り付けられている。板バネ17のうち橋絡部15とは逆側の端部はパイプ1の内壁に当接される。換気扇100の本体は、板バネ17の弾性力によりパイプ1内にて保持されている。
フランジ部11は、風洞10の前方端である開口部12に繋げられた平坦部25を含む。平坦部25は、開口部12から円筒半径方向における外向きに広がりを持たせて設けられている。平坦部25の外縁全体には、平坦部25から後方へ向けて立てられた立ち上がり部13が設けられている。立ち上がり部13の後方端は、据付面2に当接する。本体を正面から見たときに、フランジ部11の外形は、正方形あるいは長方形である矩形をなしている。なお、フランジ部11の外形は、矩形以外の形状であっても良く、円形であっても良い。
図2に示すフランジ部11の背面の一角部分には、電動機9に接続された内部配線と外部電源電線とを接続可能な回転式の端子台19が設けられている。また、フランジ部11の背面には、閉端接続子等の電気接続部品が収納されてリード線、リード線結線部または電気接続部品への接触を防止する結線部保護カバー20が取り付けられている。図1から図4では、電気接続部品、リード線およびリード線結線部の図示を省略している。
図3および図4に示すように、立ち上がり部13のうちフランジ部11の矩形における上部の1辺をなす部分には、2つの掛け留め部22が設けられている。立ち上がり部13のうちフランジ部11の矩形における下部の1辺をなす部分には、2つの掛け留め部23が設けられている。掛け留め部22,23は、フランジ部11に設けられている第1の嵌合部である。意匠グリル6には、掛け留め部22,23へ嵌め合い可能な第2の嵌合部が設けられている。第2の嵌合部については後述する。
フランジ部11には、4つの当接部24a,24b,24c,24dが設けられている。4つの当接部24a,24b,24c,24dは、平坦部25のうち立ち上がり部13に隣接する一部領域を後方へ凹ませた形状をなして、据付面2に当接可能とされている。
当接部24aは、第1の当接部である。当接部24aは、フランジ部11の矩形における左右の2辺のうち一方の辺の中央付近に位置している。当接部24bは、第2の当接部である。当接部24bは、当該左右の2辺のうち他方の辺の中央付近に位置している。第1の当接部および第2の当接部以外の2つの当接部24c,24dは、フランジ部11の矩形における対角に位置している。
各当接部24a,24b,24c,24dには、木ネジ21が通される孔18が設けられている。換気扇100の本体は、孔18を通された木ネジ21によって据付面2に固定される。木ネジ21は、換気扇100の出荷時において、図2に示すようにフランジ部11の背面に収納されている。木ネジ21は、換気扇100が据え付けられる際にフランジ部11の背面から取り外されて使用される。
幅L1は、立ち上がり部13のうち当接部24aに隣接する部分13aの前後方向における幅であって、立ち上がり部13のうち据付面2へ当接される後方端13eと、部分13aの前方端13fとの間の幅とする。立ち上がり部13のうち当接部24bに隣接する部分13bも、部分13aと同じ幅L1をなす。幅L2は、立ち上がり部13のうち部分13a,13b,13c,13d以外の部分における幅であって、立ち上がり部13のうち据付面2へ当接される後方端13eから平坦部25までの幅とする。幅L2は、前後方向におけるフランジ部11の厚みに相当する。幅L1は、幅L2より狭く、L1<L2の関係が成り立つ。
図4において、中心線N1は、上下方向におけるフランジ部11の中心を表す。中心線N2は、左右方向におけるフランジ部11の中心を表す。中心線N1と中心線N2との交点の位置は、回転軸7の位置に一致している。
長さL11は、当接部24aのうち中心線N2側の側端と中心線N2との間の左右方向における長さである。当接部24aは、中心線N2との間に長さL11の間隔を設けて配置されている。当接部24aは、中心線N1上に位置している。長さL12は、当接部24aの第1端である上方端と中心線N1との間の上下方向における長さである。長さL13は、当接部24aの第2端である下方端と中心線N1との間の上下方向における長さである。長さL12は長さL13より長く、L12>L13の関係が成り立つ。当接部24aは、中心線N1から長さL12の位置と中心線N1から長さL13の位置との間の範囲に位置している。上下方向における当接部24aの中心位置は、中心線N1から上方へシフトしている。当接部24bは、中心線N2に対して当接部24aとは対称な位置であって、中心線N2から長さL11の位置に設けられている。当接部24bは、当接部24aと同様に、中心線N1上に配置されており、中心線N1から長さL12の位置と中心線N1から長さL13の位置との間の範囲に位置している。
図5は、図1に示す意匠グリル6の後方斜視図である。図6は、図1に示す意匠グリル6の背面図である。図5には、意匠グリル6の全体の構成を示すとともに、意匠グリル6のうち突起36aを含む部分を拡大して示している。
意匠グリル6は、フランジ部11に着脱可能に取り付けられて本体フレーム5を前方から覆う。意匠グリル6は、格子33を有する格子タイプの意匠グリルである。意匠グリル6は、樹脂により成形される。意匠グリル6は、フランジ部11と同様の矩形をなしており、フランジ部11の全体を被覆可能とされている。意匠グリル6は、格子33が設けられ本体フレーム5を覆う前面部31と、前面部31の外縁全体に設けられ前面部31から後方へ向けて立てられた枠部32とを備える。意匠グリル6がフランジ部11に取り付けられることにより、枠部32の後方端32aは、据付面2へ当接される。
意匠グリル6は、第1の嵌合部である掛け留め部22,23に嵌め合い可能な第2の嵌合部である爪部34,35を備える。爪部34は、枠部32のうち意匠グリル6の矩形における上部の1辺をなす部分であって、図3および図4に示す掛け留め部22に対応する2箇所に設けられている。爪部35は、枠部32のうち意匠グリル6の矩形における下部の1辺をなす部分であって、図3および図4に示す掛け留め部23に対応する2箇所に設けられている。
意匠グリル6は、換気扇100の本体に対して意匠グリル6が特定の向きとされて意匠グリル6の爪部34,35とフランジ部11の掛け留め部22,23とが互いに嵌まり合うことにより、本体に正常に取り付けられる。掛け留め部22,23へ爪部34,35を正常に嵌め合わせ可能であって、本体へ意匠グリル6を正しく取り付け可能であるときの意匠グリル6の向きを、第1の向きとする。図5および図6には、第1の向きとされた意匠グリル6を示している。
突起36a,36bは、意匠グリル6の取り付け向きの誤りを防止するために設けられた突起である。突起36a,36bは、前面部31の背面31aのうち枠部32に隣接する位置にて、後方へ向けて立てられている。第1の突起である突起36aは、意匠グリル6の矩形における左右の2辺のうちの一方に隣接する位置に設けられている。突起36aの位置は、図3および図4に示す立ち上がり部13のうち当接部24aに隣接する部分13aに対応する位置である。第2の突起である突起36bは、当該左右の2辺のうちの他方に隣接する位置に設けられている。突起36bの位置は、立ち上がり部13のうち当接部24bに隣接する部分13bに対応する位置である。
複数の突起37は、換気扇100が梱包された状態にて、本体フレーム5のうち意匠グリル6との接触によるキズが生じ得る範囲を抑制するために設けられた突起である。各突起37は、前面部31の背面31aから後方へ向けて立てられている。複数の突起37は、意匠グリル6の矩形の4辺において分散されて、枠部32に隣接する位置に配置されている。図6に示す意匠グリル6では、矩形のうち4辺の1つである上辺に隣接する2つの突起37が設けられている。矩形のうち下辺に隣接する位置には、2つの突起37が設けられている。左右2辺のうち突起36aがある1辺に隣接する位置には、1つの突起37が設けられている。左右2辺のうち突起36bがある1辺に隣接する隣接する位置には、2つの突起37が設けられている。なお、前後方向における突起37の長さは、意匠グリル6がフランジ部11に取り付けられたときにフランジ部11の立ち上がり部13に当たらない長さに設定されている。意匠グリル6に設けられる突起37の位置と数とは、任意であるものとする。
換気扇100の流通過程にて、輸送時の振動により、本体フレーム5と意匠グリル6とが互いに接触することがある。実施の形態1において、本体フレーム5のうち意匠面となるフランジ部11には、意匠グリル6のうち複数の突起37が接触する。意匠グリル6のうちフランジ部11と接触する部分の面積は、突起37が設けられていない場合に比べて低減される。これにより、換気扇100は、突起37が設けられていることで、輸送時の振動によりフランジ部11にてキズが生じ得る範囲を抑制することができる。
突起36a,36bは、輸送時の振動があった場合に部分13a,13bに接触することで、突起37と同様に、キズが生じ得る範囲を抑制させる役割を果たす。換気扇100は、突起37と突起36a,36bとが設けられていることで、輸送時の振動によりフランジ部11にキズが生じ得る範囲を抑制することができる。
間隔L3は、前後方向における突起36aの後方端36cと枠部32の後方端32aとの間隔である。前後方向における突起36aの長さは、前後方向における枠部32の幅から間隔L3を差し引いた長さである。間隔L3は、フランジ部11の部分13aの前後方向における幅である後方端13eと前方端13fとの間の幅L1より長く、かつ立ち上がり部13の幅L2より短い。フランジ部11の各幅L1,L2と、意匠グリル6の間隔L3との間には、L1<L3<L2の関係が成り立つ。なお、間隔L3は、幅L1と同じであっても良く、L1=L3の関係が成り立つこととしても良い。
図6において、中心線N3は、意匠グリル6を正面から見たときの上下方向における意匠グリル6の中心位置を表す。中心線N4は、意匠グリル6を正面から見たときの左右方向における意匠グリル6の中心位置を表す。意匠グリル6の中心線N3と中心線N4との交点の位置は、フランジ部11の中心線N1と中心線N2との交点の位置に一致している。
長さL14は、突起36aのうち中心線N4側の側端と中心線N4との間の左右方向における長さである。突起36aは、中心線N4との間に長さL14の間隔を設けて配置されている。長さL14は、フランジ部11における当接部24aと中心線N2との間の長さL11より長く、L14>L11の関係が成り立つ。
第1の長さである長さL15は、上下方向における意匠グリル6の中心である中心線N3と突起36aとの間の長さである。突起36aは、中心線N3から長さL15だけ上方の位置に立てられている。突起36bは、中心線N4に対して突起36aとは対称な位置であって、中心線N4との間に長さL14の間隔を設けて配置されている。突起36bは、突起36aと同様に、中心線N3から長さL15だけ上方の位置に立てられている。
第2の長さである長さL12は、第1の長さである長さL15より長い。長さL12は、当接部24aのうち上下方向における第1端である上方端とフランジ部11の中心線N1との間の長さである。第3の長さであるL13は、長さL15より短い。長さL13は、当接部24aのうち上下方向における第2端である下方端と中心線N1との間の長さである。フランジ部11の各長さL12,L13と意匠グリル6のL15との間には、L12>L15>L13の関係が成り立つ。
意匠グリル6の取り付け作業において、意匠グリル6が第1の向きとは異なる誤った向きとされることがある。意匠グリル6の取り付け向きの誤りには、意匠グリル6が第1の向きの状態に対し中心位置回りに180度回転された状態とされる誤りと、意匠グリル6が第1の向きの状態に対し中心位置回りに90度回転された状態とされる誤りとがあり得る。第1の向きの状態に対し90度回転された状態には、本体を前方から見て右回りに90度回転された状態と、左回りに90度回転された状態との双方が含まれる。
第1の向きに対して意匠グリル6が180度回転されている場合、換気扇100の本体を正面から見たときにおいて、意匠グリル6は、第1の向きとされた場合に対して上下が逆となる。第1の向きに対して180度回転されているときの意匠グリル6の向きを、逆向きと称する。かかる逆向きは、第1の向きとは異なる向きである第2の向きの1つである。本体正面の外形および意匠グリル6の外形が矩形である場合、意匠グリル6が逆向きであっても、意匠グリル6の外形は本体正面の外形に合致する。このため、意匠グリル6の取り付けのときに、意匠グリル6が逆向きとされる誤りが起こり得る。
第1の向きに対して90度回転されているときの意匠グリル6の向きを、横向きと称する。かかる横向きは、第1の向きとは異なる向きである第2の向きの1つである。本体正面の外形および意匠グリル6の外形が正方形である場合、意匠グリル6が横向きであっても、意匠グリル6の外形は本体正面の外形に合致する。このため、意匠グリル6の取り付けのときに、意匠グリル6が横向きとされる誤りが起こり得る。なお、本体正面の外形と意匠グリル6の外形とが長方形である場合、意匠グリル6が横向きとされたときに、意匠グリル6の外形は本体正面の外形に合致しないこととなる。この場合も、双方の外形が合致していないことが見過ごされることがあり得るため、本体正面の外形と意匠グリル6の外形とが長方形である場合でも意匠グリル6が横向きとされる誤りは起こり得る。
実施の形態1では、突起36a,36bは、第2の向きである逆向きあるいは横向きとされた意匠グリル6が本体フレーム5へ押し当てられたときにフランジ部11に当接可能に設けられている。突起36a,36bの位置は、意匠グリル6が第1の向きとされた場合において当接部24a,24bに対向する位置である。また、突起36a,36bの位置は、意匠グリル6が逆向きあるいは横向きとされた場合において当接部24a,24b以外の平坦部25に対向する位置である。
第1の向きとされた意匠グリル6がフランジ部11に押し当てられた際において、突起36a,36bがフランジ部11に当接せずに、意匠グリル6はフランジ部11に取り付けられる。その一方、第2の向きである逆向きあるいは横向きとされた意匠グリル6がフランジ部11へ押し当てられた場合、フランジ部11のうち嵌め合わせ可能な位置である立ち上がり部13に爪部34,35が到達する前に、突起36a,36bがフランジ部11に当接する。
図7は、図3に示すフランジ部11への意匠グリル6の取り付けについて説明する第1の図である。図7では、正しい取り付け向きである第1の向きとされた意匠グリル6がフランジ部11へ押し当てられて、フランジ部11へ意匠グリル6が取り付けられた状態を示している。図7には、意匠グリル6が取り付けられた換気扇100の全体の構成を示すとともに、換気扇100のうち当接部24aと突起36aとを含む部分を拡大して示している。
作業者は、意匠グリル6の背面31aを、据付面2に固定された本体に対向させて、第1の向きとされた意匠グリル6をフランジ部11へ押し当てる。第1の向きとされた意匠グリル6の爪部34,35の位置がフランジ部11の掛け留め部22,23の位置と一致することで、爪部34,35が掛け留め部22,23へ嵌め込まれる。これにより、意匠グリル6はフランジ部11へ取り付けられる。
意匠グリル6は、第1の向きとされることで、意匠グリル6の矩形のうち突起36aに隣接する1辺が、フランジ部11の矩形のうち当接部24aが設けられている1辺に合わせられて、フランジ部11へ押し当てられる。上述するように、左右方向において、フランジ部11と意匠グリル6とにL14>L11の関係が成り立つことで、左右方向における突起36aの位置は、当接部24aに位置する。
また、上下方向において、フランジ部11と意匠グリル6とにL12>L15の関係が成り立つことで、上下方向における突起36aの位置は、当接部24aの上方端と中心線N1との間の位置となる。突起36aの位置は、立ち上がり部13のうち当接部24aに隣接する部分13aに対向する位置となる。
さらに、上述するように、前後方向において、フランジ部11と意匠グリル6とにL1<L3の関係が成り立つことで、突起36aの後方端36cと部分13aの前方端13fとの間に隙間が設けられる。当接部24bと突起36bとの位置関係も、当接部24aと突起36aとの位置関係と同様であるため、突起36bおよび部分13bの間にも、突起36aおよび部分13aの間と同様に隙間が設けられる。突起36a,36bと部分13a,13bとの間に隙間が設けられて、突起36a,36bがフランジ部11に当たらないことで、本体フレーム5に対する意匠グリル6の不安定な浮きが無いようにするとともに、意匠グリル6の後方端32aの全体を据付面2に当接させて、意匠グリル6の安定した設置が可能となる。さらに、爪部34,35が掛け留め部22,23へ正しく嵌め込まれることで、換気扇100は、意匠グリル6をがたつき無く安定して保持することができる。
なお、L1=L3の関係が成り立つ場合は、突起36aの後方端36cは、部分13aに当接する。この場合、前後方向における突起36aと部分13aを合わせた長さは、前後方向における枠部32の長さと同じとなる。前後方向における突起36bと部分13bを合わせた長さも、前後方向における枠部32の長さと同じとなる。この場合も、本体フレーム5に対する意匠グリル6の不安定な浮きが無いようにすることができるとともに、意匠グリル6の後方端32aの全体を据付面2に当接させて、意匠グリル6の安定した設置が可能となる。
図8は、図3に示すフランジ部11への意匠グリル6の取り付けについて説明する第2の図である。図8では、第2の向きの1つである逆向きとされた意匠グリル6がフランジ部11へ押し当てられた状態を示している。図8には、意匠グリル6が押し当てられているときの換気扇100の全体の構成を示すとともに、換気扇100のうち当接部24bと突起36aとを含む部分を拡大して示している。
意匠グリル6が逆向きとされていることで、掛け留め部22,23に対する爪部34,35の位置は、意匠グリル6が第1の向きとされる場合とは上下が逆となる。掛け留め部22,23へ爪部34,35を正常に嵌め込み可能な第1の向きのときとは爪部34,35と掛け留め部22,23との位置関係が異なることで、掛け留め部22,23への爪部34,35の正常な嵌め込みはなされない。
意匠グリル6は、逆向きとされることで、意匠グリル6の矩形のうち突起36aに隣接する1辺が、フランジ部11の矩形のうち当接部24bが設けられている1辺に合わせられて、フランジ部11へ押し当てられる。上述するように、上下方向において、フランジ部11と意匠グリル6とにL15>L13の関係が成り立つことで、上下方向における突起36aの位置は、当接部24bの下方端より下方の位置となる。突起36aの位置は、立ち上がり部13のうち当接部24bより下方の部分に対向する位置となる。突起36aの後方端36cは、立ち上がり部13に当接する。このように、意匠グリル6が逆向きとされてフランジ部11へ押し当てられたときに、嵌め合わせ可能な位置に爪部34,35が到達する前に突起36aがフランジ部11に当接可能とされている。意匠グリル6が逆向きとされた場合における爪部34,35が嵌め合わせ可能な位置は、立ち上がり部13とされる。
意匠グリル6のうち突起36aが設けられている位置では、意匠グリル6の後方端32aが、長さL2−L3の分、フランジ部11の後方端13eより前方へ浮いた状態となる。このため、後方端32aと据付面2との間には、長さL2−L3の隙間38が生じる。前後方向における枠部32の幅が立ち上がり部13の幅L2と同じであるとした場合、前後方向における隙間38の幅は、幅L2から上記の間隔L3を差し引いた長さL2−L3に相当する。
当接部24aと突起36bとの位置関係も、当接部24bと突起36aとの位置関係と同様であるため、突起36bは、立ち上がり部13のうち当接部24aの下方端より下方の部分に当接する。突起36a,36bが立ち上がり部13に当接することで、本体フレーム5に対して意匠グリル6に不安定な浮きが生じる。このように、第2の方向とされた意匠グリル6がフランジ部11へ押し当てられた場合には、意匠グリル6に不安定な浮きが生じることで、作業者は、意匠グリル6の取り付けにおける異常を認識することができる。
図9は、図3に示すフランジ部11への意匠グリル6の取り付けについて説明する第3の図である。図9では、第2の向きの1つである横向きとされた意匠グリル6がフランジ部11へ押し当てられた状態を示している。図9には、意匠グリル6が押し当てられているときの換気扇100の全体の構成を示すとともに、換気扇100のうち立ち上がり部13と突起36aとを含む部分を拡大して示している。
意匠グリル6が横向きとされていることで、爪部34,35の位置は、掛け留め部22,23の位置とは異なる位置となる。爪部34,35の位置が掛け留め部22,23の位置とは異なる位置となることで、掛け留め部22,23への爪部34,35の正常な嵌め込みはなされない。
意匠グリル6は、横向きとされることで、意匠グリル6の矩形のうち突起36aに隣接する1辺が、フランジ部11の矩形のうち上部の1辺あるいは下部の1辺に合わせられて、フランジ部11へ押し当てられる。図9には、意匠グリル6の矩形のうち突起36aに隣接する1辺が、フランジ部11の矩形のうち下部の1辺に合わせられている状態を示している。フランジ部11のうち突起36aに対応する位置には、当接部24a,24b,24c,24dが設けられていないため、突起36aの後方端36cは、立ち上がり部13に当接する。このように、意匠グリル6が横向きとされてフランジ部11へ押し当てられたときに、嵌め合わせ可能な位置に爪部34,35が到達する前に突起36aがフランジ部11に当接可能とされている。意匠グリル6が横向きとされた場合における爪部34,35が嵌め合わせ可能な位置は、立ち上がり部13とされる。
意匠グリル6のうち突起36aが設けられている位置では、意匠グリル6の後方端32aが、長さL2−L3の分、フランジ部11の後方端13eより前方へ浮いた状態となる。このため、後方端32aと据付面2との間には、長さL2−L3の隙間39が生じる。前後方向における枠部32の幅が立ち上がり部13の幅L2と同じであるとした場合、前後方向における隙間39の幅は、幅L2から上記の間隔L3を差し引いた長さL2−L3に相当する。
意匠グリル6のうち突起36aに隣接する1辺がフランジ部11のうち下部の1辺に合わせられている場合、意匠グリル6のうち突起36bに隣接する1辺は、フランジ部11のうち上部の1辺に合わせられている。突起36bは、突起36aと同様に、立ち上がり部13に当接する。
突起36a,36bが立ち上がり部13に当接することで、本体フレーム5に対して意匠グリル6に不安定な浮きが生じる。このように、横向きとされた意匠グリル6がフランジ部11へ押し当てられた場合には、意匠グリル6に不安定な浮きが生じることで、作業者は、意匠グリル6の取り付けにおける異常を認識することができる。
仮に、意匠グリル6に突起36a,36bが設けられていない場合に、意匠グリル6が第2の向きとされてフランジ部11へ押し当てられた場合に、掛け留め部22,23へ爪部34,35が正常に嵌め込まれていなくても、掛け留め部22,23以外の立ち上がり部13に爪部34,35が引っ掛かることがある。この場合、フランジ部11に意匠グリル6が正常に取り付けられたように見受けられて、意匠グリル6の取り付け向きの誤りが見過ごされることがある。誤った向きで意匠グリル6が取り付けられた後に、意匠グリル6が本体から外れることがあり得る。
誤った向きとされた意匠グリル6がフランジ部11へ強く押し当てられて、意匠グリル6が変形した状態のまま放置されることで、意匠グリル6は、塑性変形により、フランジ部11に正常に嵌め込み可能な形状とは異なる形状となる場合がある。塑性変形の後に意匠グリル6の取り付け向きを修正しても、意匠グリル6の嵌合不良によって、意匠グリル6の安定した保持が困難となることがあり得る。
意匠グリル6が正しい取り付け向きとされてフランジ部11へ押し当てられた場合には、爪部34,35が掛け留め部22,23へ嵌まり込むときの手応えとなるクリック感を作業者が感じ取る。作業者は、意匠グリル6の後方端32a全体が据付面2へ当接することで意匠グリル6が安定な状態となるとともに、意匠グリル6をフランジ部11へ嵌め込むときのクリック感を感じ取ることで、意匠グリル6が正しい取り付け向きとされて取り付けられたことを認識する。
一方、意匠グリル6が誤った向きとされてフランジ部11へ押し当てられた場合に、据付面2からの意匠グリル6の浮きにより意匠グリル6が不安定な状態になるとともに、立ち上がり部13への突起36a,36bの当接による抵抗感を作業者が感じ取る。作業者は、据付面2からの意匠グリル6の浮きができており、かつ上述のクリック感に代えて抵抗感を感じ取ることから、意匠グリル6の向きの誤りを認識することができる。換気扇100の据え付け位置が室内の高所であるときのように、本体へ取り付けられるときの意匠グリル6を間近に見られない場合でも、作業者は、意匠グリル6が正しい取り付け向きであるか誤った向きであるかを容易に認識できる。これにより、換気扇100の据え付けのときあるいはメンテナンスのときに意匠グリル6が誤った向きで取り付けられることを防止できる。
実施の形態1では、本体正面の外形および意匠グリル6の外形は、矩形以外の形状であっても良い。本体正面の外形および意匠グリル6の外形が円形である場合、意匠グリル6を正しい向きの状態から回転させても、意匠グリル6の外形は本体正面の外形に合致することになる。この場合にも、換気扇100は、意匠グリル6が誤った向きで取り付けられることを防止できる。
第1の当接部である当接部24aと、第2の当接部である当接部24bとは、フランジ部11の矩形における左右の2辺に代えて、矩形における上下の2辺に設けられていても良い。当接部24aと当接部24bとは、左右方向におけるフランジ部11の中心である中心線N2上に位置している。この場合において、左右方向は、第1の方向に垂直な第2の方向であるものとする。また、突起36a,36bは、意匠グリル6の矩形における左右の2辺に隣接する位置に代えて、矩形における上下の2辺に隣接する位置にそれぞれ設けられる。第1の突起である突起36aは、上下の2辺のうちの一方に隣接する位置であって、左右方向において中心線N4から長さL15の位置に立てられる。第2の突起である突起36bは、上下の2辺のうちの他方に隣接する位置であって、左右方向において中心線N4から長さL15の位置に立てられる。この場合も、換気扇100は、突起36a,36bが設けられていることで、意匠グリル6が誤った向きで取り付けられることを防止できる。
また、意匠グリル6は、第1の突起である突起36aと第2の突起である突起36bとのうちの一方のみを備えるものであっても良い。換気扇100は、突起36aと突起36bとのうちの一方が設けられていることで、意匠グリル6が誤った向きで取り付けられることを防止できる。
実施の形態1によると、換気扇100は、突起36a,36bを有する意匠グリル6を備える。突起36a,36bは、正しい取り付け向きとは異なる向きとされた意匠グリル6が本体フレーム5に押し当てられたときにフランジ部11に当接可能に設けられている。突起36a,36bが設けられていることにより、換気扇100は、意匠グリル6の取り付け向きの誤りを容易に認識でき、意匠グリル6の確実な取り付けが可能となるという効果を奏する。
また、意匠グリル6の背面31aには、突起36a,36b以外の複数の突起37が設けられている。これにより、換気扇100は、フランジ部11と意匠グリル6との接触によりフランジ部11にキズが生じ得る範囲を抑制することができる。
実施の形態2.
図10は、本発明の実施の形態2にかかる換気扇100に備えられた意匠グリル40の後方斜視図である。実施の形態2にかかる換気扇100は、格子タイプの意匠グリル6に代えて、格子33を持たないインテリアパネルタイプの意匠グリル40を備える。実施の形態2にかかる換気扇100のうち意匠グリル40以外の構成は、実施の形態1にかかる換気扇100と同様である。実施の形態2では、上記の実施の形態1と同様の構成要素には同一の符号を付し、実施の形態1と重複する説明を省略する。
意匠グリル40は、図1に示す本体フレーム5を覆う前面部41と、前面部41の外縁全体に設けられ前面部41から後方へ向けて立てられた枠部42と、前面部41の正面側に設けられたインテリアパネル43とを備える。第2の嵌合部である爪部34,35は、枠部42に設けられている。意匠グリル40の取り付け向きの誤り防止のための突起36a,36bは、前面部41に設けられている。前面部41における突起36a,36bの位置は、実施の形態1の前面部31における突起36a,36bの位置と同様である。
実施の形態2においても、換気扇100は、突起36a,36bが設けられていることで、意匠グリル40の取り付け向きの誤りを容易に認識でき、意匠グリル40の確実な取り付けが可能となるという効果を奏する。
なお、意匠グリル40には、実施の形態1の意匠グリル6と同様に、複数の突起37が設けられていても良い。換気扇100は、突起37が設けられていることで、本体フレーム5のうち意匠グリル40との接触によるキズが生じ得る範囲を抑制することができる。
以上の実施の形態に示した構成は、本発明の内容の一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。