JP2019058924A - ボトル缶の製造方法及び縮径用金型 - Google Patents

ボトル缶の製造方法及び縮径用金型 Download PDF

Info

Publication number
JP2019058924A
JP2019058924A JP2017184796A JP2017184796A JP2019058924A JP 2019058924 A JP2019058924 A JP 2019058924A JP 2017184796 A JP2017184796 A JP 2017184796A JP 2017184796 A JP2017184796 A JP 2017184796A JP 2019058924 A JP2019058924 A JP 2019058924A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
diameter
forming
reduced diameter
reduced
reducing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2017184796A
Other languages
English (en)
Inventor
益広 吉野
Masuhiro Yoshino
益広 吉野
山下 淳
Atsushi Yamashita
淳 山下
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Altemira Can Co Ltd
Original Assignee
Universal Can Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Universal Can Corp filed Critical Universal Can Corp
Priority to JP2017184796A priority Critical patent/JP2019058924A/ja
Publication of JP2019058924A publication Critical patent/JP2019058924A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Containers Having Bodies Formed In One Piece (AREA)

Abstract

【課題】製造工程の短縮を図ることができ、缶軸方向に沿う広い領域における縮径加工を安定して施すことができ、美麗な外観を有するボトル缶の製造方法を提供する。【解決手段】縮径部成形工程は、胴部の開口端部から縮径予定部までの領域全体を縮径する縮径加工を成形面の加工径を段階的に小さくしながら複数回に分けて行い、縮径部の一部となる各局部縮径部を下部側から上部側にかけて位置をずらしながら成形する工程とされ、各成形面は、局部縮径部を成形する成形凸曲面を有しており、複数回の縮径加工のうち、先行の縮径加工の後に行われる少なくとも1回の後行の縮径加工において使用される縮径用金型の成形面が縮径部に沿って形成されたテーパ面を有しており、成形凸曲面により後行の縮径加工において新たな局部縮径部を成形するとともに、テーパ面により先行の縮径加工において成形された局部縮径部を再成形し、縮径部の一部を成形する。【選択図】 図6

Description

本発明は、開口部に金属製キャップが装着され、飲料等の内容物が充填されるボトル缶の製造方法及び縮径用金型に関する。
飲料等の内容物が充填される容器として、ボトル形状の缶(ボトル缶)の開口部に、金属製キャップを装着して密封する容器が知られている。ボトル缶は、一般に、胴部(ウォール)と底部(ボトム)とを有する有底円筒状に形成され、その胴部の開口部側に上方へ向かうに従い漸次縮径する肩部、縮径部(ネック部)が設けられ、縮径部の上端に口部が設けられた構成とされている。このようなボトル缶は、金属板材(アルミニウム合金材料の板材)にカッピング工程(絞り工程)及びDI工程(絞りしごき工程、Drawing & Ironing)を施すことにより、胴部及び底部を有する有底円筒状の缶に形成され、その有底円筒状の缶の胴部に縮径加工を施すことにより縮径部が形成される。
縮径部を成形する縮径加工として、例えば特許文献1又は特許文献2に記載されているように、複数の成形金型を使用して缶の胴部を逐次変形させることにより、縮径部を階段状に形成することなくテーパ面状の滑らかな形状(スムースネック)とする成形方法が提案されている。これらの縮径加工では、有底円筒状の缶と各成形金型との間に缶の軸線方向に沿う相対移動を生じさせ、各成形金型の成形面を複数回にわたって缶の胴部外面に押し当てることにより胴部の開口部側を段階的に縮径して縮径部を成形する。
このうち、特許文献1には、成形金型の成形面を小円弧部と大円弧部とを滑らかに接続して円環状の成形面を形成し、この円環状の成形面により前の成形工程において成形された肩部とネック部との接続部を曲げ戻しつつ、成形面に沿う新たなネック部と肩部とを成形し、かつ、前の成形工程において成形された肩部の傾斜を漸次増大させて成形することが記載されている。また、特許文献1には、最終成形工程よりも前の成形工程においては、成形面の小円弧部と大円弧部との共通接線が目標とする肩部のテーパ角度よりも小さく設定され、最終成形工程において使用される成形金型にあっては、小円弧部と大円弧部との共通接線が他の成形工程の成形金型と比較して若干大きく、目標テーパと同等となるように設定されており、前工程までに成形された肩部の傾斜角度を最終成形工程において目標テーパまで変形させることが記載されている。
一方、特許文献2には、縮径ダイ(成形金型)の成形面をテーパ面により形成し、第1の縮径ダイのテーパ面により缶の開口端に第1テーパを形成した後、第2の縮径ダイのテーパ面を第1テーパの上部のみを整形(再成形)するまで押し付けて第1テーパを伸長させ、この操作を繰り返して、拡大した滑らかに整形された縮径形状を生じさせることが記載されている。また、特許文献2には、縮径部分の下部の弓形区分が複数回の縮径操作において最小限自由に整形され、上部の弓形区分を含む縮径部分の上部が繰り返し整形されることで、既に整形された部分と一体化されて縮径部分の上部と下部の弓形区分間に滑らかに内方にテーパ付された平坦な区分が形成されることが記載されており、製造されたカン(缶)のテーパ角度CT(特許文献2の表2、表4参照)は、縮径操作を繰り返すことにより、最終工程において目標とされるテーパに形成されることが記載されている。
特開平7‐185707号公報 特表平3‐502551号公報
特許文献1又は特許文献2に記載されるように、従来より、複数の成形金型を使用して缶の胴部を逐次変形させることにより、縮径部を階段状に形成することなくテーパ面状の滑らかな形状とする成形方法が提案されている。しかし、縮径部を広い領域(缶軸方向に沿う長い領域)で形成しようとすると、増加した領域の分だけ成形回数を増やす必要があり、製造コストが増加する。そこで、一回の成形による加工量を大きくして成形工程の短縮を図ることも考えられるが、この場合には、一回の成形における胴部と成形金型との摩擦が大きくなり、成形部分に成形痕が生じることで、滑らかな加工面を形成することが難しくなる。また、一回の成形に必要な成形荷重が増加することで、胴部の座屈を引き起こすおそれもある。さらに、胴部の缶軸と縮径部とがなす角度が例えば24°以下に小さく設定されるような場合には、縮径部が立った状態となり、成形金型との接触領域を確保しにくくなるため、成形痕がより顕著に生じやすくなる。このため、従来の製造方法において成形できるボトル缶の形状は非常に制限されており、ボトル缶のデザインを行う上での制約となっている。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、製造工程の短縮を図ることができるとともに、缶軸方向に沿う広い領域における縮径加工を安定して施すことができ、美麗な外観を有するボトル缶の製造方法及び縮径用金型を提供することを目的とする。
本発明のボトル缶の製造方法は、円筒状の胴部を備える筒体の該胴部の縮径予定部に、缶軸方向に沿って前記胴部の下部側から開口端部側に配置される上部側に向かうに従い漸次縮径された縮径部を成形する縮径部成形工程を備え、前記縮径部成形工程は、前記胴部の外面に縮径用金型の環状の成形面を押し付けて缶軸方向に相対移動させることにより、該胴部の前記開口端部から前記縮径予定部までの領域全体を縮径する縮径加工を、前記成形面の加工径を段階的に小さくしながら複数回に分けて行い、前記縮径加工を施す度に、各縮径用金型により前記縮径部の一部となる各局部縮径部を下部側から上部側にかけて位置をずらしながら成形する工程とされ、各縮径用金型の前記成形面は、前記局部縮径部を成形する成形凸曲面を有しており、複数回行われる前記縮径加工のうち、先行の縮径加工の後に行われる少なくとも1回の後行の縮径加工において使用される前記縮径用金型の前記成形面が前記縮径部に沿って形成されたテーパ面を有しており、前記成形凸曲面により前記後行の縮径加工において新たな局部縮径部を成形するとともに、前記テーパ面により先行の縮径加工において成形された局部縮径部を再成形し、前記縮径部の一部を成形する。
本発明のボトル缶の製造方法においては、複数回に分けて行われる縮径加工のうち、先行の縮径加工の後に行われる少なくとも1回の後行の縮径加工において、新たな局部縮径部を成形するとともに、その前に先行して成形された局部縮径部も併せて再成形(リフォーム)するので、各局部縮径部の間を滑らかに接続でき、縮径部に成形痕(圧痕)が残されることを防止できる。またこの際、後行の縮径用金型の成形凸曲面により、新たな局部縮径部を成形しながら、先行して成形された局部縮径部を縮径部に沿って再形成するので、別途のリフォーム工程を必要とせず、製造工程を簡略化でき、製造工程の短縮を図ることができる。また、各縮径加工において縮径部の一部を複数回に分けて段階的に成形及び再成形するので、一度の成形量及び再成形量を小さくできる。このため、各縮径工程における縮径用金型の成形荷重(再成形荷重)を小さく抑えることができる。さらに、各縮径加工において、先行して成形された局部縮径部を順に再成形するので、既に再成形された縮径部の一部分について真円度を高めることができ、各縮径加工時における胴部の座屈を円滑に防止できる。したがって、1回の縮径加工による加工量を大きくして縮径部成形工程の短縮を図ることができるとともに、加工量の大きな縮径部や広範囲に傾斜した縮径部等、種々の形状の縮径部を安定して成形できる。
また、本発明によれば、胴部の缶軸と縮径部とがなす角度が例えば24°以下に小さく設定され、縮径部が立った状態とされた形状でも、縮径部に成形痕を残すことなく形成でき、美麗な外観を有するボトル缶を製造できる。なお、縮径部が立った状態(傾斜角度が24°以下)、好ましくは縮径部の傾斜角度が6°以上20°以下では、胴部のコラム強度(缶軸方向の荷重に対する強度)を確保しやすくなるので、複数回に分けて縮径及び再成形を行う本発明により、縮径部の加工時における胴部の座屈を確実に防止できる。
本発明のボトル缶の製造方法の好ましい実施形態において、前記後行の縮径加工は、前記テーパ面により、前記先行の縮径加工において成形された局部縮径部から前記新たな局部縮径部までの間を成形する。
後行の縮径加工において、成形凸曲面により新たな局部縮径部を成形するとともに、テーパ面によりその前に先行して成形された局部縮径部と新たな局部縮径部との間も併せて成形するので、先行して成形された局部縮径部と新たな局部縮径部との間を滑らかに接続でき、縮径部に成形痕が形成されることを防止できる。
本発明のボトル缶の製造方法の好ましい実施形態は、前記先行の縮径加工が複数回行われ、前記後行の縮径加工は、前記テーパ面により、前記複数回の先行の縮径加工において成形された複数箇所の各局部縮径部の間を再成形する。
先行の縮径用金型により、縮径部の一部となる局部縮径部を下部側から上部側にかけて位置をずらしながら間隔をあけて成形した場合、これらの先行の縮径加工において成形された局部縮径部の間には、先行の縮径用金型の成形面に接触しない未成形領域が残りやすくなる。このため、先行の縮径用金型による各加工径の間隔を大きくした場合、未成形領域が大きく残りやすくなる。しかし、本発明のボトル缶の製造方法においては、後行の縮径用金型のテーパ面により、先行して成形された複数の局部縮径部の間の未成形領域を縮径部に沿って再成形できるので、未成形領域を残すことなく縮径部を成形できる。したがって、1回の縮径加工による加工量を大きくしても、縮径部に未成形領域を残すことなく、缶軸方向に沿う広い領域における縮径加工を安定して施すことができ、美麗な外観を有するボトル缶を製造できる。また、1回の縮径加工による加工量を大きくできるので、縮径部成形工程の短縮を図ることができる。
本発明のボトル缶の製造方法の好ましい実施形態は、複数回行われる前記縮径加工において使用される各縮径用金型の各成形面がそれぞれ前記成形凸曲面に連続して形成された前記テーパ面を有しており、各縮径加工は、各縮径用金型の前記成形凸曲面及び前記テーパ面により、直前の縮径加工において成形された局部縮径部に連続して新たな局部縮径部を成形する。
各縮径加工において使用される各縮径用金型の各成形面に成形凸曲面に連続するテーパ面を形成しておくことで、各テーパ面により、直前の縮径加工において成形された局部縮径部に連続して新たな局部縮径部を成形できるので、各局部縮径部の間に未成形領域が生じることを防止でき、滑らかに接続された縮径部を成形できる。
本発明のボトル缶の製造方法の好ましい実施形態として、前記縮径部と前記胴部の缶軸とがなす角度αに対し、前記テーパ面と前記胴部の缶軸とがなす角度βが−2°以上0°以下の大きさに設定されるとよい。
角度βを、縮径部の傾斜角度(角度α)と同じ(β=α)か、それよりも僅かに小さい角度(α−2°<β<α)としておくことにより、各縮径工程において生じるスプリングバックを吸収して各局部縮径部を成形でき、縮径部を高精度に成形できる。
本発明のボトル缶の製造方法の好ましい実施形態として、前記角度αが6°以上20°以下である場合において、前記縮径部成形工程は、1回の縮径量を0.8mm以上1.5mm以下で段階的に小さくしながら行うとよい。
1回の縮径加工において加工する胴部の縮径量が1.5mmを超えると、各縮径加工時における胴部の座屈が生じやすくなる。一方、1回の縮径量が0.8mm未満では、加工回数が多くなり、必要な縮径用金型の数が多くなる。したがって、1回の縮径加工において加工する縮径量を0.8mm以上1.5mm以下にすることで、角度α(傾斜角度)が6°以上20°以下とされる立った形状の縮径部も安定して成形できる。また、この観点では、1回の縮径量は、好ましくは1.0mm以上1.4mm以下とすることが望ましい。
本発明の縮径用金型は、円筒状の胴部と備える筒体の該胴部の縮径予定部に、缶軸方向に沿って前記胴部の下部側から開口端部側に配置される上部側に向かうに従い漸次縮径された縮径部の一部となる複数の局部縮径部を下部側から上部側にかけて位置をずらしながら成形するために用いられる複数の縮径用金型のうちの一つであり、環状の成形面を有し、前記成形面が、前記縮径予定部に新たな局部縮径部を成形する成形凸曲面と、前記縮径部に沿って形成され、先行して成形された局部縮径部を再成形するテーパ面と、を有する。
本発明の縮径用金型の好ましい実施形態として、前記テーパ面は、前記縮径部と前記胴部の缶軸とがなす角度αに対し、前記テーパ面と前記胴部の缶軸とがなす角度βが−2°以上0°以下の大きさに設定されているとよい。
本発明の縮径用金型の好ましい実施形態として、前記角度αが6°以上20°以下である場合において、前記成形面が、径方向に0.8mm以上1.5mm以下の大きさで形成されているとよい。
本発明によれば、1回の縮径加工による加工量(縮径量)を大きくして製造工程の短縮を図ることができるとともに、缶軸方向に沿う広い領域における縮径加工を安定して施すことができ、美麗な外観を有するボトル缶を製造できる。
本発明の第1実施形態に係るボトル缶の製造方法により製造されるボトル缶を用いた容器の半分を缶軸を通る断面にした正面図である。 第1実施形態のボトル缶の製造方法のうち、カップを形成して筒体を形成するまでの工程を順に示す模式図であり、右半分については缶軸を通る縦断面にした正面図である。 第1実施形態のボトル缶の製造方法のうち、小径筒部を形成してカール部を形成するまでの工程を順に示す模式図であり、右半分については缶軸を通る縦断面にした正面図である。 ボトル缶製造装置の正面図である。 図4のA‐A線に沿う断面図である。 本発明の第1実施形態の縮径部成形工程における各縮径用金型と中間成形体との関係を説明する缶軸を通る缶胴の要部断面図である。 本発明の第1実施形態の縮径部成形工程を説明する缶軸を通る要部断面図であり、縮径用金型を有底円筒状缶の上方に離間させて配置した状態を示す。 本発明の第1実施形態の縮径部成形工程を説明する缶軸を通る要部断面図であり、1回目の縮径加工の状態を示す。 本発明の第1実施形態の縮径部成形工程を説明する缶軸を通る要部断面図であり、2回目の縮径加工の状態を示す。 本発明の第1実施形態の縮径部成形工程を説明する缶軸を通る要部断面図であり、3回目の縮径加工の状態を示す。 本発明の第1実施形態の縮径部成形工程を説明する缶軸を通る要部断面図であり、4回目の縮径加工の状態を示す。 本発明の第1実施形態の縮径部成形工程を説明する缶軸を通る要部断面図であり、5回目の縮径加工の状態を示す。 縮径加工における縮径量を説明する縮径部の部分模式図であり、縮径部の缶軸を通る断面図である。 本発明の第2実施形態に係るボトル缶の製造方法により製造されるボトル缶の缶軸を通る要部断面図である。 本発明の第2実施形態の縮径部成形工程を説明する缶軸を通る要部断面図であり、1回目の縮径加工の状態を示す。 本発明の第2実施形態の縮径部成形工程を説明する缶軸を通る要部断面図であり、2回目の縮径加工の状態を示す。 本発明の第2実施形態の縮径部成形工程を説明する缶軸を通る要部断面図であり、3回目の縮径加工の状態を示す。 本発明の第2実施形態の縮径部成形工程を説明する缶軸を通る要部断面図であり、4回目の縮径加工の状態を示す。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係る缶の製造方法において製造されるボトル缶101と、ボトル缶101の開口端部10aに装着されるキャップ201と、を備える容器301の正面図であり、右半分を缶軸Oを通る断面にして示した半断面図である。図2、図3、図6〜図12は、第1実施形態のボトル缶の製造方法の各工程を示す説明図である。このうち、図2はカップを成形して筒体41を形成するまでの工程を順に示す模式図、図3は有底円筒状の中間成形体42を成形してボトル缶101を製造するまでの工程を順に示す模式図、図6〜図12は縮径部成形工程を説明する要部断面図を示している。また、図13は、縮径部成形工程の各縮径加工による縮径量を説明する模式図を示している。
ボトル缶101は、アルミニウム又はアルミニウム合金等の薄板金属からなり、図1に示すように、円筒状をなす胴部(ウォール)10とドーム状をなす底部(ボトム)20とを備える有底円筒状に形成されている。
図1に示すように、胴部10及び底部20は互いに同軸に配置されており、本実施形態において、これらの共通軸を缶軸Oと称して説明を行う。また、缶軸Oに沿う方向(缶軸O方向)のうち、胴部10の開口端部10aから底部20側へ向かう方向を下方、底部20から開口端部10a側へ向かう方向を上方とし、以下の説明においては、図1〜図3及び図6〜図12に示す向きと同様に上下方向を定めるものとする。また、缶軸Oに直交する方向を径方向といい、径方向のうち、缶軸Oに接近する向きを径方向の内側(内方)、缶軸Oから離間する向きを径方向の外側(外方)とする。また、缶軸O回りに周回する方向を周方向とする。
胴部10は、図1に示されるように、底部20側において円筒状に形成された円筒部11と、円筒部11の上端で径方向内方に屈曲するように縮径された肩部12と、缶軸O方向の上方(開口端部10a側)に向けて漸次縮径する縮径部13と、これらの肩部12の上端と縮径部13との間を接続する変曲部14と、縮径部13の上端に形成された口部15と、を備える。図1に示すように、縮径部13と胴部10の缶軸Oとがなす角度(傾斜角度)をαとすると、傾斜角度αは例えば6°以上24°以下に設けられており、縮径部13は缶軸O方向に立った形状に形成されている。なお、円筒部11、肩部12、変曲部14、縮径部13は、それぞれ胴部10の周方向全周にわたって延びる環状をなしている。
また、これら円筒部11と、肩部12と、変曲部14と、縮径部13とは、互いに滑らかに連なっており、互いの間に段差を形成することなく滑らかに接続されている。具体的には、図1に示される縦断面視において、肩部12が胴部10の外側(径方向の外側)かつ上側へ向けて凸となる凸曲面状に形成されており、この肩部12の下端と円筒部11の上端とが接して設けられ、円筒部11が肩部12の接線とされ、下方に向かって直線状に設けられている。変曲部14は、胴部10の内側(径方向の内側)かつ下側へ向けて凹となる凹曲面状に形成されており、変曲部14の下端と肩部12の上端とが接して設けられ、これら肩部12の上端と変曲部14の下端とが共通の接線を有するように形成されている。また、変曲部14の上端と縮径部13の下端とは接して設けられ、縮径部13が変曲部14の接線となっている。
また、胴部10の上部に配置された口部15は、縮径部13の上端で一旦拡径された大径部31と、大径部31の上端で再度縮径された小径部32と、小径部32の上端の開口端部10aに形成されたカール部33とを有している。このように、口部15は開口端部10aにより外部に開口しており、飲料等の内容物は口部15を通じてボトル缶101の内部に充填される。また、図1に示すように、口部15にキャップ201を装着することにより、ボトル缶101の内部に充填された内容物が密封されるようになっている。
なお、ボトル缶101の底部20は、缶軸O上に位置するとともに、上方(胴部10の内部)に向けて膨出するように形成されたドーム部21と、該ドーム部21の外周縁部と胴部10の下端部とを接続するヒール部22とを備えている。また、ドーム部21とヒール部22との接続部分は、ボトル缶101が正立姿勢(図1に示される、胴部10の開口端部10aが上方を向く姿勢)となるように接地面(載置面)上に載置されたときに、接地面に接する接地部23となっている。接地部23は、底部20において最も下方に向けて突出しているとともに、周方向に沿って延びる環状をなしている。
このように構成されるボトル缶101のその他の諸寸法について一例を挙げると、ボトル缶101の板厚は、成形前の元板厚が0.250mm〜0.500mmである。また、図1に示されるボトル缶101の缶軸Oを通る縦断面視において、製品となる円筒部11の外径Dbが52mm〜68mm、肩部12の曲率半径R11(肩部12の外面における曲率半径)が12mm〜30mm、変曲部14の曲率半径R12(変曲部14の外面における曲率半径)が10mm〜24mmとされる。なお、縮径部13の下端の外径Ds1(縮径部13と変曲部14との接点)は例えば30mm〜45mmの範囲内とされ、縮径部13の上端の外径Ds2(縮径部13と口部15との接点)は例えば22mm〜30mmの範囲内とされる。ただし、上記寸法は、上記数値範囲に限られるものではない。
図1に示される第1実施形態のボトル缶101の場合、円筒部11の外径Dbが66mm、肩部12の曲率半径R11が24mm、変曲部14の曲率半径R12が18mm、縮径部13の傾斜角度αが10°とされる。
このように、縮径部13を有するボトル缶101を製造するには、まず、アルミニウム合金等のアルミニウム板材を打ち抜いて絞り加工することにより、図2(a)に示すように比較的大径で浅いカップ40を成形した後、このカップ40に再度の絞り加工及びしごき加工(DI加工)を加えて、図2(b)に示すように所定高さの有底円筒状の筒体41を成形し、その上端をトリミングにより切り揃える。このDI加工により、筒体41の底部は最終のボトル缶101としての底部20の形状に成形される。
次いで、例えば図4及び図5に示すボトル缶製造装置501により、ボトル缶101を製造する。このボトル缶製造装置501について次に説明する。なお、このボトル缶製造装置501は、前述のようにして形成した筒体41を最終形状のボトル缶101に加工するためのものであり、加工の進捗に応じて缶の形状が変化していくが、以下では、この筒体41からボトル缶101に至るまでの間で有底円筒状の缶(本発明における胴部を備える筒体)の形状を特に限定しない場合は、中間成形体42として説明する。また、以下では、中間成形体42の胴部と底部とに、ボトル缶101の胴部10及び底部20と共通の符号を用いて説明する。
このボトル缶製造装置501は、複数の中間成形体42を、その缶軸O方向を水平に配置して保持するワーク保持部511と、これら中間成形体42に各種成形加工を施す複数の成形ツール512を保持するツール保持部513と、両保持部511,513を駆動する駆動部514とを備えている。中間成形体42を保持するワーク保持部511のワーク保持側と、成形ツール512を保持するツール保持部513のツール保持側とが対向して配置されている。
ワーク保持部511は、支持軸515に支持された円盤516におけるツール保持部513と対向する表面に、中間成形体42を保持する複数の保持装置517が周方向に沿う環状に配列された構成とされている。この円盤516が駆動部514によって支持軸515を中心として間欠的に回転されることにより、供給部518から供給側スターホイール519を介して供給された中間成形体42の底部が保持装置517に1個ずつ保持されて円盤516の周方向に搬送される。中間成形体42は、円盤516による搬送中にツール保持部513の各成形ツール512によって成形された後、成形後のボトル缶101として排出側スターホイール601を介して排出部611に順次排出される。
ツール保持部513は、支持軸612に支持された円盤613におけるワーク保持部511と対向する表面に、複数の各種成形ツール512が周方向に沿う環状に配列され、駆動部514によって円盤613が支持軸612の軸方向に進退する構成とされている。支持軸612は支持軸515の内部において支持軸515と同軸上に設けられる。
このツール保持部513には、中間成形体42の開口部を縮径加工(ネックイン加工)するための複数の縮径用金型、及びカール部33を形成するためのカール部成形ツール等の、各加工段階に応じた加工を行うための成形ツール512が複数備えられている。これらの成形ツール512は、工程順に円盤613上に周方向に並んで環状に配置されている。
支持軸515の軸線を回転中心とするワーク保持部511(円盤516)の間欠的な回転停止位置は、開口部をツール保持部513側に向けた各中間成形体42の缶軸Oが各成形ツール512の中心軸にそれぞれ一致するように設定される。そして、駆動部514による円盤516の間欠的回転によって、各中間成形体42は次工程用の各成形ツール512に対向する位置に回転移動されて、次の段階の加工が施される。
すなわち、ツール保持部513が前進してワーク保持部511とツール保持部513とが互いに接近したときに、各成形ツール512が各工程に応じた加工を中間成形体42に施し、両保持部511,513が互いに離間した状態のときに各中間成形体42に次工程の成形ツール512が対向するようにワーク保持部511が回転移動される。このように、両保持部511,513が接近して加工を行い、離間及び回転するという動作が繰り返されることにより、中間成形体42に肩部12、変曲部14、縮径部13、口部15が順次形成されてボトル缶101が形成される。
次に、このボトル缶製造装置501を用いてボトル缶101を製造する方法について工程順に詳細を説明する。
アルミニウム合金等の薄板の絞り加工及びしごき加工(DI成形)により図2(b)に示す状態まで形成した筒体41の上端部に対して、ツール保持部513の周方向に並ぶ複数の成形ツール512を順次使用しながら、この成形ツール512を缶軸O方向に沿って移動してダイネッキング加工を施すことにより、筒体41の高さ方向の途中位置から上部を縮径して肩部12、変曲部14、及び、変曲部14の上方部分を徐々にテーパ状に縮径した縮径部13を順に形成し(図3(a))、その縮径部13の上に大径部31を形成した後に再度縮径して、上方に向かうにしたがって徐々に縮径する小径部32を形成し、その小径部32の上方に延びる筒状の小径筒部34を形成する(図3(b))。
このうち、縮径部13を成形する縮径部成形工程では、図6及び図7に示すように、肩部12と変曲部14とが成形された中間成形体42の胴部10のうち、底部20側に配置された下部43(円筒部11、肩部12、変曲部14)よりも上側の部分に加工を施し、下部43と開口端部42a側に配置された上部45との間に位置する縮径予定部44に、缶軸O方向に沿って下部側から上部側に向かうに従い漸次縮径された、すなわち漸次小径となる縮径部13を成形するとともに、縮径部13に隣接配置される上部45にその上部45よりも径方向の内側に縮径した円筒状の上部16を成形する。なお、図7に破線で示した形状が、縮径部13と上部16とを形成した中間成形体42である。
縮径部成形工程では、下部43と上部45との間を接続する広い領域の縮径予定部44(缶軸O方向に沿う長い領域)に縮径部13を成形するため、中間成形体42の上部45及び縮径予定部44の外面に加工径の異なる環状の成形面を有する複数個の縮径用金型(ダイネッキング型)を、加工径の大きい側から順に嵌合させて複数回の縮径加工を施す。
図1に示すように、縮径部13の傾斜角度α(縮径部13と胴部10の缶軸Oとがなす角度α)が6°以上20°以下とされる立った形状を成形する場合には、1回の縮径量(加工量)を好ましくは0.8mm以上1.5mm以下(片側幅で0.4mm以上0.75mm以下)で段階的に小さくしながら行う。
以下、本実施形態では、図6〜図12等に示されるように、加工径の異なる10個の縮径用金型701A〜701E等(成形ツール512)を用い、傾斜角度α=10°の縮径部13を10回に分けて、すなわち10回の縮径加工を経て、縮径部13及び上部16を成形する場合を例にして説明を行う。この場合、1回の縮径加工の縮径量は、図6に示すように、径の片側幅g1〜g10(図6では、このうちのg1〜g5のみ図示)でそれぞれ0.4mm以上0.75mm以下(直径差で0.8mm以上1.5mm以下)とされる。
なお、複数回行われる各縮径加工において、それぞれの縮径量は次のように算出される。図13に縮径部13の部分模式図を示したように、1回目の縮径加工の縮径量g1は、1回目の縮径加工前の中間成形体42の縮径予定部44(及び上部45)の外面の最小径と、縮径用金型701Aの外面(成形面)の最小径と、の差分となる。また、2回目の縮径加工の縮径量g2は、1回目で用いた縮径用金型701Aの外面(成形面)の最小径と、縮径用金型701Bの外面(成形面)の最小径と、の差分となる。3回目以降の各縮径加工の縮径量g3〜g10は、2回目の縮径量g2と同様に算出され、それぞれ直前の縮径用金型の外面(成形面)の最小径と、それぞれの縮径加工で用いる縮径用金型の外面(成形面)の最小径と、の差分となる。なお、これらの縮径部13の角度αと各縮径量g1〜g10とから、各縮径量金型の缶軸O方向へのずらし量s1〜s10(図13では、このうちのs1〜s3のみ図示)を算出することができる。
このように、縮径部成形工程では、合計10回の縮径加工を経ることにより、外径差(Ds1−Ds2)で8mm〜15mm程度、径の片側幅g0で4mm〜7.5mm程度の縮径部13が成形される。なお、縮径加工の回数は10回に限定されず、縮径部13の加工領域の大きさに応じて適宜調整される。以下、第1実施形態の説明においては、縮径部成形工程で行われる10回の縮径加工のうち、6回〜10回の縮径加工の説明を省略し、1回〜5回の縮径加工を例にして説明を行う。
各縮径用金型701A〜701Eは、具体的には、それぞれ中間成形体42の内部に嵌合するパンチ72A〜72Eと、中間成形体42の外部に嵌合するダイス71A〜71Eと、を有する構成とされる。各縮径用金型701A〜701Eの各パンチ72A〜72Eと各ダイス71A〜71Eの中心軸は缶軸Oと同軸に配置されており、各縮径加工では、図6〜図12に示すように、中間成形体42と各縮径用金型701A〜701Eを缶軸O方向に相対的に接近移動(相対移動)させ、第1パンチ72Aと第1ダイス71A、第2パンチ72Bと第2ダイス71B、第3パンチ72Cと第3ダイス71C、第4パンチ72Dと第4ダイス71D、第5パンチ72Eと第5ダイス71Eの間に、順に中間成形体42の上部45及び縮径予定部44を進入させることにより、中間成形体42の開口端部42aから縮径予定部44までの領域全体(上部45及び縮径予定部44)を縮径加工する。また、前述したように、各縮径加工は、縮径用金型701A〜701Eの加工径、具体的には、各ダイス71A〜71Eの成形面710a〜710eの加工径を段階的に小さくしながら複数回(この場合は5回、全体で10回)に分けて行い、1回の縮径加工を施す度に、縮径部13の一部となる局部縮径部を符号46a〜46eの順に示すように、縮径予定部44の下部側から上部側にかけて位置をずらしながら成形する。
なお、各ダイス71A〜71Eのそれぞれの先端部730には、中間成形体42の下部43に形成された円筒部11の外面と係合する円環状のガイド面731が形成されており、ガイド面731と円筒部11の外面とを係合させることにより、各縮径用金型701A〜701Eと中間成形体42との位置合わせがなされるようになっている。
成形面710a〜710eは各ダイス71A〜71Eの内周面に形成されており、図8〜図12の縦断面視に示すように、径方向内側かつ下方に向けて突出する凸曲面状の成形凸曲面711a〜711eと、この成形凸曲面711a〜711eの上端に連続した円柱状の直線成形面712a〜712eと、各成形凸曲面711a〜711eの下端に連続したテーパ状のテーパ面713a〜713eと、各テーパ面713a〜713eの下端に連続した凸曲面状のリフォーム凸曲面714a〜714eと、が周方向全周にわたり形成されている。
直線成形面712a〜712eは、各成形凸曲面711a〜711eの上端に滑らかに接続され、各成形面710a〜710eの最も内側(径方向の内側)において缶軸O方向と平行な直線状に形成されている。また、テーパ面713a〜713eは、各成形凸曲面711a〜711eの下端に滑らかに接続され、縮径部13に沿ったテーパ状に形成されている。また、リフォーム凸曲面714a〜714eの曲率半径R22は、変曲部14の曲率半径R12と同じか、それよりも小さい曲率半径に形成されており、成形面710a〜710eの下端に滑らかに接続されている。
第1実施形態の成形面710a〜710eの諸寸法について一例を挙げると、成形凸曲面711a〜711eの曲率半径R21は4mm〜10mmとされ、リフォーム凸曲面714a〜714eの曲率半径R22は5mm〜24mmとされる。また、各直線成形面712a〜712eの間隔(片側幅)g1〜g5は0.4mm以上0.75mm以下(直径差で0.8mm以上1.5mm以下)に設けられる。また、各テーパ面713a〜713eの傾斜角度β(テーパ面713a〜713eと缶軸Oとがなす角度)は、縮径部13の傾斜角度αに対し、−2°以上0°以下の大きさに設定される。すなわち、テーパ面713a〜713eの傾斜角度βは、成形される縮径部13の傾斜角度αと同じ角度(β=α)か、それよりも僅かに小さい角度(α−2°<β<α)に形成される。
なお、成形面710a〜710eの下端に隣接配置される各ダイス71A〜71Eの先端側には、リフォーム凸曲面714a〜714eの下端に連続したテーパ状の先端逃げ面715a〜715eが形成されている。先端逃げ面715a〜715eは、リフォーム凸曲面714a〜714eの下端に滑らかに接続されており、下側に向かうにつれて変曲部14及び肩部12から離間するように形成されている。なお、前述したように、各ダイス71A〜71Eの先端部730には、円筒部11と係合するガイド面731が設けられている。
一方、成形面710a〜710eの上端に隣接配置される各ダイス71A〜71Eの基端側は、直線成形面712a〜712eよりも径方向の内側に縮径して設けられた基端逃げ面718a〜718eが形成されている。
また、このように構成されるダイス71A〜71Eのうち、変曲部14に連続した局部縮径部46aを成形する第1ダイス71Aでは、図7及び図8に示すように、成形面710aを構成する成形凸曲面711aとテーパ面713aとが局部縮径部46aを成形する加工面とされ、テーパ面713aの下端に連続するリフォーム凸曲面714aの上部側が変曲部14を再成形する再成形面とされる。
一方、局部縮径部46aに連続する局部縮径部46bの成形を行う第2ダイス71Bは、図9に示すように、成形面710bを構成する成形凸曲面711bとテーパ面713bの上部側とが局部縮径部46bを成形する加工面とされ、テーパ面713bの下部側は、第1ダイス71Aにより成形された局部縮径部46aを再成形する再成形面とされる。つまり、テーパ面713bは、その下部側が局部縮径部46aに重なる位置まで延在して設けられている。これにより、第2ダイス71Bによる後行の縮径加工により新たな局部縮径部46bを成形する際に、テーパ面713bの上部側が第1ダイス71Aによる先行の縮径加工(直前の縮径加工)において成形された局部縮径部46aに連続して新たな局部縮径部46bを成形する。また、このようにテーパ面713bの上部側により、直前の局部縮径部46aから新たな局部縮径部46bまでの間を成形するとともに、テーパ面713bの下部側が先行の縮径加工において成形された局部縮径部46aの外面に当接して、先行して成形された直前の局部縮径部46aの形状が整えられる。したがって、直前の局部縮径部46aと新たな局部縮径部46bと間に未成形領域を生じさせることなく、新たな局部縮径部46bが直前の局部縮径部46aに滑らかに接続され、接続部分に成形痕(圧痕)が形成されることを防止できる。
また同様に、第3ダイス71Cの成形面710cは、図10に示すように、成形凸曲面711cとテーパ面713cの上部側とが局部縮径部46cを成形する加工面とされ、テーパ面713cの下部側は、第2ダイス71Bにより成形された局部縮径部46bを再成形する再成形面とされる。また、第4ダイス71Dの成形面710dも、図11に示すように、成形凸曲面711dとテーパ面713dの上部側とが局部縮径部46dを成形する加工面とされ、テーパ面713dの下部側は、第3ダイス71Cにより成形された局部縮径部46cを再成形する再成形面とされる。さらに、第5ダイス71Eの成形面710eも、図12に示すように、成形凸曲面711eとテーパ面713eの上部側とが局部縮径部46eを成形する加工面とされ、テーパ面713eの下部側は、第4ダイス71Dにより成形された局部縮径部46dを再成形する再成形面とされる。
そして、縮径部成形工程は、まず、図7に示すように加工径の最も大きい縮径用金型701Aを中間成形体42の上方に離間させて配置した状態から、中間成形体42と縮径用金型701Aとを缶軸O方向に相対的に接近移動(相対移動)させつつ、図8に示すように、中間成形体42の上部45及び縮径予定部44を第1ダイス71Aと第1パンチ72Aとの間に進入させて行う。この縮径用金型701Aによる先行の縮径加工では、中間成形体42の開口端部42aから縮径予定部44の下端までの領域全体(上部45及び縮径予定部44の全体)を縮径加工する。なお、本実施形態では、縮径用金型701Aを中間成形体42に対して缶軸O方向に接近(前進)移動させる。
縮径用金型701Aを中間成形体42に接近させると、成形面710aのテーパ面713aの途中位置に中間成形体42の開口端部42aが接触し、テーパ面713aから成形凸曲面711a、直線成形面712aの順に成形面710aに沿って成形されることで、開口端部42aから縮径予定部44の下端までの領域が径方向内方に縮径されて縮径加工が施されていく。そして、縮径予定部44の下部側に、中間成形体42の変曲部14に連続する局部縮径部46aが成形される。
なお、縮径用金型701Aによる縮径加工後は、縮径用金型701Aを中間成形体42に対して缶軸O方向に離間(後退)させる。これにより、中間成形体42は第1ダイス71Aと第1パンチ72Aとの間から離脱させられ、元の位置(下降準備位置、待機位置)に戻される。
縮径用金型701Aによる先行の縮径加工により局部縮径部46aを成形した後、縮径用金型701Aよりも片側幅g2だけ加工径が小さい縮径用金型701Bにより縮径加工(縮径用金型701Aによる先行の縮径加工に対し、後行の縮径加工である。)を行う。図9に示すように、縮径用金型701Bの第2ダイス71Bと第2パンチ72Bとの間に中間成形体42の開口端部42aを進入させ、成形凸曲面711bとテーパ面713bの上部側とにより、先行して成形された直前の局部縮径部46aの上部側に、この局部縮径部46aに連続して新たな局部縮径部46bを成形するとともに、テーパ面713bの下部側を先行して成形された局部縮径部46aの外面に当接させて形状を整えることにより、局部縮径部46aと新たな局部縮径部46bとを滑らかに接続する。この際、テーパ面713bの傾斜角度βが成形予定の縮径部13の傾斜角度αに対して−2°以上0°以下の大きさ(α−2°<β<α)に設定されているので、縮径加工の際のスプリングバックを吸収して新たな局部縮径部46bを成形でき、局部縮径部46aと新たな局部縮径部46bとを滑らかに接続できる。
続けて、縮径用金型701Bよりも片側幅g3だけ加工径が小さい縮径用金型701Cにより、縮径加工を行う。図10に示すように、成形凸曲面711cとテーパ面713cの下部側とにより、先行して成形された直前の局部縮径部46bの上部側に、この局部縮径部46bに連続して新たな局部縮径部46cを成形するとともに、テーパ面713bの上部側を先行して成形された局部縮径部46bの外面に当接させて形状を整えることにより、局部縮径部46bと新たな局部縮径部46cとを滑らかに接続する。
また、縮径用金型701Cよりも片側幅g4だけ加工径が小さい縮径用金型701Dにより、縮径加工を行う。図11に示すように、成形凸曲面711dとテーパ面713dの上部側とにより先行して成形された局部縮径部46cに連続して新たな局部縮径部46dを成形するとともに、テーパ面713dの下部側を先行して成形された局部縮径部46cの外面に当接させて形状を整え、局部縮径部46cと新たな局部縮径部46dとを滑らかに接続する。
さらに、縮径用金型701Dよりも片側幅g5だけ加工径が小さい縮径用金型701Eにより、縮径加工を行う。図12に示すように、成形凸曲面711eとテーパ面713eの上部側とにより先行して成形された局部縮径部46dに連続して新たな局部縮径部46eを成形するとともに、テーパ面713eの下部側を先行して成形された局部縮径部46dの外面に当接させて形状を整え、局部縮径部46dと新たな局部縮径部46eとを滑らかに接続する。以降、縮径用金型701Dや縮径用金型701Eと同様の構成の縮径用金型を用いて6回目〜10回目の縮径加工を行うことにより、順次、成形凸曲面とテーパ面の上部側とによって直前に成形された局部縮径部よりも上側に新たな局部縮径部を成形するとともに、テーパ面の下部側によって先行して成形された局部縮径部と新たな局部縮径部との間を滑らかに接続する。これにより、それぞれの局部縮径部46a〜46e等が滑らかに接続された縮径部13が成形されるとともに、縮径部13の上端に連続して径方向の内側に縮径された円筒状の上部16が成形される。
また、このようにして成形された中間成形体42の上部16には、図3(b)に示すように、縮径部13の上端よりも大径の大径部31を形成し、この大径部31を形成した後に再度縮径することにより、上方に向かうにしたがって徐々に縮径する小径部32を形成し、その小径部32の上方に延びる円筒状の小径筒部34を形成する。そして、最後に、小径筒部34に対してカーリング加工を施してカール部33を形成し、口部15を有するボトル缶101を製造する。
なお、このようにして製造されたボトル缶101の内部には、飲料等の内容物が充填され、口部15にキャップ201が巻き締められ、内部が密封された容器301が製造される。
以上説明した本実施形態に係るボトル缶の製造方法によれば、複数回に分けて行われる縮径加工のうち、先行の縮径加工の後に行われる少なくとも1回の後行の縮径加工において、縮径部13の一部となる新たな局部縮径部46b〜46eを成形するとともに、その前に先行して成形された局部縮径部46a〜46dも併せて再成形するので、各局部縮径部46a〜46eの間を滑らかに接続でき、縮径部13に成形痕が残されることを防止できる。また、この際、後行の縮径用金型701B〜701Eの成形凸曲面711b〜711eにより、新たな局部縮径部46b〜46eを成形しながら、先行して成形された局部縮径部46a〜46dを縮径部13に沿って再成形(リフォーム)するので、別途のリフォーム工程を必要としない。このため、ボトル缶101の製造工程を簡略化でき、製造工程の短縮を図ることができる。
さらに、第1実施形態では、各縮径加工において使用される各縮径用金型701A〜701Eの各成形面710a〜710eに、成形凸曲面711a〜711eに連続するテーパ面713a〜713eを形成したので、各テーパ面713a〜713eにより、直前の縮径加工において成形された局部縮径部46a〜46dに連続して新たな局部縮径部46b〜46eを成形できる。したがって、各局部縮径部46a〜46eの間に未成形領域が生じることを防止でき、滑らかに接続された縮径部13を成形できる。
また、本実施形態の製造方法では、各縮径工程において縮径部13の一部を複数回に分けて段階的に成形及び再成形するので、一度の成形量及び再成形量をそれぞれ小さくできる。このため、各縮径工程における縮径用金型701A〜701Eの成形荷重(再成形荷重)を小さく抑えることができる。さらに、各縮径加工において、先行して成形された局部縮径部46a〜46dを順に再成形するので、既に再成形された縮径部13の一部分について真円度を高めることができ、各縮径加工時おける胴部10の座屈を円滑に防止できる。したがって、1回の縮径加工による加工量(縮径量)を大きくして縮径部成形工程の短縮を図ることができるとともに、加工量の大きな縮径部や広範囲に傾斜した縮径部等、種々の形状の縮径部を安定して成形できる。
また、本実施形態の製造方法によれば、縮径部13の傾斜角度αが例えば24°以下に小さく設定され、縮径部13が立った状態とされた形状でも、縮径部13に成形痕を残すことなく形成でき、美麗な外観を有するボトル缶101を製造できる。なお、縮径部13が立った状態(傾斜角度α≦24°)、好ましくは傾斜角度αが6°以上20°以下では、胴部10のコラム強度(缶軸O方向の荷重に対する強度)を確保しやすくなるので、複数回に分けて縮径及び再成形を行う本実施形態の製造方法により、縮径部13の加工時における胴部の座屈を確実に防止できる。
なお、1回の縮径加工において加工する胴部10(縮径予定部44及び上部45)の縮径量はそれぞれ0.8mm以上1.5mm以下(片側幅g1〜g5で0.4mm以上0.75mm以下)、好ましくは1.0mm以上1.4mm以下で行うことが望ましい。このように縮径量を設定することで、傾斜角度αが6°以上20°以下とされる立った形状の縮径部13も安定して成形できる。なお、1回の縮径量が1.5mmを超えると、各縮径加工時における胴部の座屈が生じやすくなる。一方、1回の縮径量が0.8mm未満では、加工回数が多くなり、必要な縮径用金型の数が多くなる。
(第2実施形態)
図14は、本発明の第2実施形態に係るボトル缶の製造方法において製造されるボトル缶102を示す缶軸Oを通る断面図であり、第1実施形態の図6同様の要部断面図である。以下、第2実施形態において、第1実施形態と共通する部分には同一の符号を付して説明を簡略化する。
この第2実施形態の製造方法により製造されるボトル缶102の胴部10は、図14に示すように、縮径部13の傾斜角度αが、第1実施形態のボトル缶101と比較して急勾配(図示例では6°)に設定されている。この第2実施形態においても、縮径部成形工程は、図15〜図18に示すように、複数の縮径用金型701A〜701Dを用いて、それぞれの縮径用金型701A〜701Dによる加工径を段階的に小さくしながら複数回の縮径加工を行い、1回の縮径加工を施す度に、縮径部13の一部となる局部縮径部を符号46a〜46dの順に示すように、縮径予定部44の下部側から上部側にかけて位置をずらしながら成形する。なお、図14〜図18には、4回分の縮径加工の様子を図示しているが、縮径加工の回数は4回に限定されず、縮径部13の加工領域の大きさに応じて、図18に示す状態から局部縮径部46dに連続して新たな局部縮径部を成形できる。
なお、第2実施形態においては、ボトル缶の製造方法のうち、第1実施形態と異なる部分である縮径部13を成形する縮径部成形工程について説明する。
第2実施形態においては、図15に示すように、最初の局部縮径部46aの成形を行う縮径用金型701Aは、第1ダイス71Aの成形面710aが成形凸曲面711aと、この成形凸曲面711aの上端に連続した直線成形面712aとで形成され、テーパ面を有していない。また、第1ダイス71Aには、成形面710aの下端に連続してテーパ状の先端逃げ面715aが形成されている。
一方、この先行する局部縮径部46aの上側に順に新たな局部縮径部46b〜46dを成形する各縮径用金型701B〜701Dは、図16〜図18に示すように、各ダイス71B〜71Dの成形面710b〜710dが、成形凸曲面711b〜711dと、各成形凸曲面711b〜711dの上端に連続した直線成形面712b〜712bと、各成形凸曲面711b〜711dの下端に連続した円柱状の直線面716b〜716dと、各直線面716b〜716dの下端に連続した凸曲面717b〜717dと、各凸曲面717b〜717dの下端に連続したテーパ状のテーパ面713b〜713dと、各テーパ面713b〜713dの下端に連続したリフォーム凸曲面714b〜714dと、で形成されている。このように、各成形凸曲面711b〜711dと各テーパ面713b〜713dとは、各直線面716b〜716d及び各凸曲面714b〜714dを挟んで離れて配置され、各テーパ面713b〜713dは各成形凸曲面711b〜711dの下側に形成されている。また、ダイス71B〜71Dには、成形面710b〜710dの下端に連続してテーパ状の先端逃げ面715b〜715dが形成されている。
直線成形面712a〜712dは、第1実施形態と同様に、各成形凸曲面711a〜711dの上端に滑らかに接続され、各成形面710a〜710dの最も内側(径方向の内側)において缶軸O方向と平行な直線状に形成されている。また、テーパ面713b〜713dは、縮径部13に沿ったテーパ状に形成されている。そして、各成形凸曲面711b〜711dと各テーパ面713b〜713dとの間に形成される各直線面716b〜716dは、それぞれ先行する縮径加工において使用される各ダイス71A〜71Cの直線成形面712a〜712cと同程度の直径に形成されている。また、各凸曲面717b〜717dも、それぞれ先行する縮径加工において使用される各ダイス71A〜71Cの成形凸曲面711a〜711cど同程度の曲率半径に形成されている。リフォーム凸曲面714b〜714dの曲率半径R22は、変曲部14の曲率半径R12と同じか、それよりも小さい曲率半径に形成されており、テーパ面713b〜713dの下端に滑らかに接続されている。
なお、第1ダイス71Aの先端逃げ面715aは成形凸曲面711aの下端に滑らかに接続され、その他のダイス71B〜71Dの先端逃げ面715b〜715dはリフォーム凸曲面714b〜714dの下端に滑らかに接続されており、それぞれ下側に向かうにつれて変曲部14及び肩部12から離間するように形成されている。
第2実施形態の成形面710a〜710dの諸寸法について一例を挙げると、成形凸曲面711a〜711dの曲率半径R21は4mm〜10mmとされ、凸曲面717b〜717dの曲率半径R23は6mm〜20mmとされ、リフォーム凸曲面714b〜714dの曲率半径R22は5mm〜24mmとされる。また、各直線成形面712a〜712dの間隔(片側幅)g1〜g4は0.4mm以上0.75mm以下(直径差で0.8mm以上1.5mm以下)に設けられる。また、各テーパ面713b〜713dの傾斜角度β(テーパ面713b〜713dと缶軸Oとがなす角度)は、縮径部13の傾斜角度αに対し、−2°以上0°以下の大きさに設定される。
また、このように構成されるダイス71A〜71Eのうち、変曲部14に連続した局部縮径部46aを成形する第1ダイス71Aでは、図15に示すように、成形面710aを構成する成形凸曲面711aが局部縮径部46aを成形する加工面とされる。
一方、局部縮径部46aの上側に形成される局部縮径部46bの成形を行う第2ダイス71Bは、図16に示すように、成形凸曲面711bが局部縮径部46bを成形する加工面とされるが、さらに凸曲面717b、テーパ面713b及びリフォーム凸曲面714bが、新たに成形される局部縮径部46bよりも下側の部分、つまり、先行する縮径加工において成形された局部縮径部46aから下側の部分(先行して成形された局部縮径部46aを含む縮径予定部44の下側の部分)を、縮径部13に沿って再成形する再成形面とされる。つまり、テーパ面713bは、変曲部14の上端と局部縮径部46aとに重なる位置(跨る位置)に形成されている。これにより、第2ダイス71Bによる縮径加工により新たな局部縮径部46bを成形する際に、テーパ面713bが先行の縮径加工において成形された局部縮径部46aを含む縮径予定部44の下部の外面に当接して、その直前の局部縮径部46aの形状が整えられるとともに、局部縮径部46aよりも下側の部分もテーパ面713bに対応して縮径部13に沿った形状に再成形される。したがって、変曲部14の上端から直前の局部縮径部46aまでの間が滑らかに接続され、これらの間に成形痕が残されることを防止できる。
また同様に、第3ダイス71Cの成形面710cは、図17に示すように、成形凸曲面711cが直前に形成された局部縮径部46bの上側に形成される局部縮径部46cを成形する加工面とされる。そして、凸曲面717c、テーパ面713c及びリフォーム凸曲面714cが、新たに成形される局部縮径部46cよりも下側の部分であり、最初に行われた先行の縮径加工において成形された局部縮径部46aから最も最後(直前)に行われた先行の縮径加工において成形された局部縮径部46bまでの間を、縮径部13に沿って再成形する再成形面とされる。つまり、テーパ面713cは、最初に成形された局部縮径部46aと直前に成形された局部縮径部46bとに重なる位置に形成されている。これにより、第3ダイス71Cによる後行の縮径加工により新たな局部縮径部46cを成形する際に、テーパ面713cが縮径予定部44の外面に当接して、先行の縮径加工において成形された局部縮径部46aから局部縮径部46bまでの間が、テーパ面713cに対応して縮径部13に沿った形状に再成形される。したがって、各局部縮径部46a,46bの間が滑らかに接続され、これらの間に成形痕が残されることを防止できる。
また、第4ダイス71Dの成形面710dは、図18に示すように、成形凸曲面711dが直前に形成された局部縮径部46cの上側に形成される局部縮径部46dを成形する加工面とされる。そして、凸曲面717d、テーパ面713d及びリフォーム凸曲面714dが、新たに成形される局部縮径部46dよりも下側の部分であり、2回目に行われた先行の縮径加工において成形された局部縮径部46bから直前の3回目に行われた先行の縮径加工において成形された局部縮径部46cまでの間を、縮径部13に沿って再成形する再成形面とされる。つまり、テーパ面713dは、2回目に成形された先行の局部縮径部46bと直前の3回目に成形された先行の局部縮径部46cとに重なる位置に形成されている。これにより、第4ダイス71Dによる後行の縮径加工により新たな局部縮径部46dを成形する際に、テーパ面713dが縮径予定部44の外面に当接して、先行の縮径加工において成形された局部縮径部46bから局部縮径部46cまでの間が、テーパ面713dに対応して縮径部13に沿った形状に再成形される。したがって、各局部縮径部46b,46cの間が滑らかに接続され、これらの間に成形痕が残されることを防止できる。
以降、第3ダイス71Cや第4ダイス71Dと同様の構成のダイスを用いて縮径加工を行うことにより、順次、成形凸曲面によって直前に成形された局部縮径部よりも上側に新たな局部縮径部を成形するとともに、テーパ面によって複数回の先行の縮径加工において成形された各局部縮径部の間を再成形することができる。これにより、それぞれの局部縮径部が滑らかに接続された縮径部13全体が成形される。
この第2実施形態のように、テーパ面を有しない先行の縮径用金型701Aにより縮径部13の一部となる局部縮径部46a成形し、次工程の縮径用金型701Bにより先行して成形された局部縮径部46aから離して局部縮径部46bを成形した場合、つまり、このように先行の縮径加工において、各局部縮径部46a〜46cを縮径予定部44の下部側から上部側にかけて位置をずらしながら間隔をあけて成形した場合、これらの先行の縮径加工において成形された局部縮径部46a〜46cの間には、それぞれ先行の縮径用金型701A〜701Cの成形面710a〜710cに接触しない未成形領域が残りやすくなる。このため、先行の縮径用金型701A〜701Cによる各加工径の間隔を大きくした場合、未成形領域が大きく残りやすくなる。しかし、本実施形態のボトル缶の製造方法においては、後行の縮径用金型701C〜701Dのテーパ面713c,713dにより、先行して成形された複数の局部縮径部46a〜46cの間の未成形領域を縮径部13に沿って再成形できるので、未成形領域を残すことなく縮径部13を成形できる。したがって、1回の縮径加工による加工量を大きくしても、縮径部13に未成形領域を残すことなく、缶軸O方向に沿う広い領域における縮径加工を安定して施すことができ、美麗な外観を有するボトル缶102を製造できる。また、この場合、1回の縮径加工による加工量を大きくできるので、縮径部成形工程の短縮を図ることができる。
なお、上述した第2実施形態では、後行の縮径加工は、新たな局部縮径部を成形するとともに、複数回行われる先行の縮径工程において直前に成形された局部縮径部とその直前の前に成形された局部縮径部との間を再成形することとしていたが、再成形箇所はこれに限定されるものではない。例えば、後行の縮径加工において、複数回の先行の縮径加工のうち最も最初に行われる先行の縮径加工において成形された局部縮径部から、最も最後に行われる先行の縮径加工において成形された局部縮径部までの間を再成形することもできる。この場合、複数回行われる後行の縮径加工の度に、最初に成形された局部縮径部から最後に成形された局部縮径部までの領域を重ねて再成形できる。
なお、本発明は前記実施形態の構成のものに限定されるものではなく、細部構成においては、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、ボトル缶として、予め有底円筒状の筒体41を形成して、その開口端部を成形したが、筒体は底部を有していないものも含むものとし、縮径部を成形した後に、筒体の胴部に、別に形成した底部を巻き締めるようにしてもよい。
10 胴部
11 円筒部
12 肩部
13 縮径部
14 変曲部
15 口部
16 上部
20 底部
21 ドーム部
22 ヒール部
23 接地部
31 小径部
32 大径部
33 カール部
34 小径筒部
40 カップ
41 筒体
42 中間成形体(筒体)
43 下部
44 縮径予定部
45 上部
46a〜47e 局部縮径部
71A〜71E ダイス
72A〜72E パンチ
101,102 ボトル缶
201 キャップ
301 容器
501 ボトル缶製造装置
511 ワーク保持部
512 成形ツール
513 ツール保持部
514 駆動部
515 支持軸
516 円盤
517 保持装置
518 供給部
519 供給側スターホイール
601 排出側スターホイール
611 排出部
612 支持軸
613 円盤
701A〜701E 縮径用金型
710a〜710e 成形面
711a〜711e 成形凸曲面
712a〜712e 直線成形面
713a〜713e テーパ面
714a〜714e リフォーム凸曲面
715a〜715e 先端逃げ面
716b〜716d 直線面
717b〜717d 凸曲面
718a〜718e 基端逃げ面
730 先端部
731 ガイド面

Claims (9)

  1. 円筒状の胴部を備える筒体の該胴部の縮径予定部に、缶軸方向に沿って前記胴部の下部側から開口端部側に配置される上部側に向かうに従い漸次縮径された縮径部を成形する縮径部成形工程を備え、
    前記縮径部成形工程は、前記胴部の外面に縮径用金型の環状の成形面を押し付けて缶軸方向に相対移動させることにより、該胴部の前記開口端部から前記縮径予定部までの領域全体を縮径する縮径加工を、前記成形面の加工径を段階的に小さくしながら複数回に分けて行い、前記縮径加工を施す度に、各縮径用金型により前記縮径部の一部となる各局部縮径部を下部側から上部側にかけて位置をずらしながら成形する工程とされ、
    各縮径用金型の前記成形面は、前記局部縮径部を成形する成形凸曲面を有しており、
    複数回行われる前記縮径加工のうち、先行の縮径加工の後に行われる少なくとも1回の後行の縮径加工において使用される前記縮径用金型の前記成形面が前記縮径部に沿って形成されたテーパ面を有しており、
    前記成形凸曲面により前記後行の縮径加工において新たな局部縮径部を成形するとともに、前記テーパ面により先行の縮径加工において成形された局部縮径部を再成形し、前記縮径部の一部を成形することを特徴とするボトル缶の製造方法。
  2. 前記後行の縮径加工は、前記テーパ面により、前記先行の縮径加工において成形された局部縮径部から前記新たな局部縮径部までの間を成形することを特徴とする請求項1に記載のボトル缶の製造方法。
  3. 前記先行の縮径加工が複数回行われ、
    前記後行の縮径加工は、前記テーパ面により、前記複数回の先行の縮径加工において成形された複数箇所の各局部縮径部の間を再成形することを特徴とする請求項1又は2に記載のボトル缶の製造方法。
  4. 複数回行われる前記縮径加工において使用される各縮径用金型の各成形面がそれぞれ前記成形凸曲面に連続して形成された前記テーパ面を有しており、
    各縮径加工は、各縮径用金型の前記成形凸曲面及び前記テーパ面により、直前の縮径加工において成形された局部縮径部に連続して新たな局部縮径部を成形することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のボトル缶の製造方法。
  5. 前記縮径部と前記胴部の缶軸とがなす角度αに対し、前記テーパ面と前記胴部の缶軸とがなす角度βが−2°以上0°以下の大きさに設定されることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のボトル缶の製造方法。
  6. 前記角度αが6°以上20°以下である場合において、
    前記縮径部成形工程は、1回の縮径量を0.8mm以上1.5mm以下で段階的に小さくしながら行うことを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載のボトル缶の製造方法。
  7. 円筒状の胴部を備える筒体の該胴部の縮径予定部に、缶軸方向に沿って前記胴部の下部側から開口端部側に配置される上部側に向かうに従い漸次縮径された縮径部の一部となる複数の局部縮径部を下部側から上部側にかけて位置をずらしながら成形するために用いられる複数の縮径用金型のうちの一つであり、
    環状の成形面を有し、
    前記成形面が、前記縮径予定部に新たな局部縮径部を成形する成形凸曲面と、前記縮径部に沿って形成され、先行して成形された局部縮径部を再成形するテーパ面と、を有することを特徴とする縮径用金型。
  8. 前記テーパ面は、前記縮径部と前記胴部の缶軸とがなす角度αに対し、前記テーパ面と前記胴部の缶軸とがなす角度βが−2°以上0°以下の大きさに設定されていることを特徴とする請求項7に記載の縮径用金型。
  9. 前記角度αが6°以上20°である場合において、
    前記成形面が、径方向に0.8mm以上1.5mm以下の大きさで形成されていることを特徴とする請求項7又は8に記載の縮径用金型。
JP2017184796A 2017-09-26 2017-09-26 ボトル缶の製造方法及び縮径用金型 Pending JP2019058924A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017184796A JP2019058924A (ja) 2017-09-26 2017-09-26 ボトル缶の製造方法及び縮径用金型

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017184796A JP2019058924A (ja) 2017-09-26 2017-09-26 ボトル缶の製造方法及び縮径用金型

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2019058924A true JP2019058924A (ja) 2019-04-18

Family

ID=66178333

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017184796A Pending JP2019058924A (ja) 2017-09-26 2017-09-26 ボトル缶の製造方法及び縮径用金型

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2019058924A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100500254B1 (ko) 용기를넥킹가공하기위한방법및장치
AU2007265132B2 (en) Method of manufacturing containers
JP3828033B2 (ja) 金属製ボトル缶の製造方法および製造装置
US8683837B2 (en) Methods of pressure forming metal containers and the like from preforms having wall thickness gradient
JP6414957B2 (ja) 缶の製造方法、ボトムリフォーム機構及びこれに用いるトップ支持部材
US10315242B2 (en) Apparatus and method for simultaneously forming a contoured shoulder and neck portion in a closed end of a metallic container
IE52072B1 (en) Containers
WO1983002577A1 (en) Method of forming containers
EA025944B1 (ru) Фигурная металлическая емкость и способ ее изготовления
JP2005536411A (ja) アルミニウム製エアゾール缶及びアルミニウム製ボトル並びにこれらをコイル材から製造する方法
JP2016107339A (ja) Di缶の製造方法
US11724302B2 (en) Method and apparatus for can expansion
JP6414958B2 (ja) 缶の製造方法、ボトムリフォーム機構及びこれに用いるボトム支持部材
JP2019058924A (ja) ボトル缶の製造方法及び縮径用金型
JP2016107341A (ja) 缶の製造方法
JP7060349B2 (ja) ボトル缶の製造方法
JP6650283B2 (ja) 缶の製造方法及び缶
JP3788376B2 (ja) 金属製ボトル缶の製造装置
JP6948843B2 (ja) 缶の製造方法
JP7207873B2 (ja) ボトル缶の製造方法
JP2019181549A (ja) 缶体の製造方法
JP2018001253A (ja) 缶の製造方法
JP2016107340A (ja) パンチスリーブ及びこれを用いたdi缶の製造方法