JP2019058050A - 充電量調整装置、電池装置、充電量調整方法及びコンピュータプログラム - Google Patents

充電量調整装置、電池装置、充電量調整方法及びコンピュータプログラム Download PDF

Info

Publication number
JP2019058050A
JP2019058050A JP2017182882A JP2017182882A JP2019058050A JP 2019058050 A JP2019058050 A JP 2019058050A JP 2017182882 A JP2017182882 A JP 2017182882A JP 2017182882 A JP2017182882 A JP 2017182882A JP 2019058050 A JP2019058050 A JP 2019058050A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
unit
voltage
battery
calculated
charge
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2017182882A
Other languages
English (en)
Inventor
裕章 武智
Hiroaki Takechi
裕章 武智
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Electric Industries Ltd filed Critical Sumitomo Electric Industries Ltd
Priority to JP2017182882A priority Critical patent/JP2019058050A/ja
Publication of JP2019058050A publication Critical patent/JP2019058050A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Landscapes

  • Secondary Cells (AREA)
  • Charge And Discharge Circuits For Batteries Or The Like (AREA)

Abstract

【課題】組電池に含まれる単位電池の内部抵抗にばらつきが生じた場合であっても、組電池に充電されたエネルギーを効率よく利用することが可能な充電量調整装置、電池装置、充電量調整方法及びコンピュータプログラムを提供する。【解決手段】充電量調整装置は、各単位電池の電圧を取得する電圧取得部と、組電池の充放電電流を取得する電流取得部と、取得した電圧及び充放電電流に基づいて各単位電池の充電率を算出する充電率算出部と、算出した充電率に基づいて各単位電池の開放電圧を算出する開放電圧算出部と、取得した電圧及び充放電電流に基づいて各単位電池の内部抵抗を算出する内部抵抗算出部と、算出した開放電圧から、算出した内部抵抗に所定の負荷電流を乗じた結果を減じることにより、各単位電池の負荷電圧を算出する負荷電圧算出部と、算出した負荷電圧が最も低い単位電池に他の単位電池から所定の充電エネルギーを移動させる移動部とを備える。【選択図】図1

Description

本発明は、単位電池が複数直列に接続された組電池の充電量を調整する充電量調整装置、電池装置、充電量調整方法及びコンピュータプログラムに関する。
二次電池は、1個あたりの電池電圧及び充放電容量に限りがあるが、複数の二次電池を直並列に接続すれば、トータルの電池電圧及び充放電容量を増大させることができる。このような組電池では、各二次電池の内部抵抗、劣化度等の特性の違い、及び電池温度等の使用状態の違いにより、充放電が繰り返される間に二次電池間で充電量(残容量)のバランスが崩れることがある。
上記のような原因により充電量のバランスが崩れた状態で充放電を繰り返した場合、各二次電池の充放電時の端子電圧が不均等になってバランスの崩れが助長されたり、劣化による内部抵抗の違いが拡大したりする傾向がある。また、端子電圧が不均等になれば、充電時の端子電圧が最も高い二次電池に合わせて充電し、放電時の端子電圧が最も低い二次電池に合わせて放電しなければならないため、実質的な充放電容量が減少することになる。
これに対し、特許文献1には、組電池にて直列接続された複数の二次電池のうち、充電時の端子電圧が最も低い二次電池と比較して端子電圧の電圧差が第1の所定値を超える二次電池について、抵抗及びトランジスタの直列回路からなるバイパス回路を導通させて充電電流を減少させる組電池の充電装置が開示されている。バイパス回路は、上記の電圧差が第1の所定値より小さい第2の所定値以下となった場合に遮断される。第2の所定値は、内部抵抗による電圧降下分を除いた正味の電池電圧が等しくなる場合における両二次電池の端子電圧の差と一致するように設定される。即ち、充電中に両二次電池の正味の電池電圧が等しくなったときにバイパスが解除されるようになっている。
特開平8−19188号公報
しかしながら、特許文献1に開示された技術によって充電時に正味の電池電圧を揃えた場合であっても、内部抵抗の違いにより放電時に各二次電池の端子電圧にばらつきが生じることが避けられない。このため、内部抵抗が大きい二次電池の端子電圧が先に下限電圧に達して組電池としての放電が終止することとなり、組電池に充電されたエネルギーを有効に利用することができないという問題があった。
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、組電池に含まれる単位電池の内部抵抗にばらつきが生じた場合であっても、組電池に充電されたエネルギーを効率よく利用することが可能な充電量調整装置、電池装置、充電量調整方法及びコンピュータプログラムを提供することにある。
本発明の一態様に係る充電量調整装置は、単一の又は複数並列に接続された二次電池を含む単位電池が複数直列に接続された組電池の充電量を調整する充電量調整装置であって、各単位電池の電圧を取得する電圧取得部と、前記組電池の充放電電流を取得する電流取得部と、前記電圧取得部で取得した電圧、及び前記電流取得部で取得した充放電電流に基づいて各単位電池の充電率を算出する充電率算出部と、該充電率算出部で算出した充電率に基づいて各単位電池の開放電圧を算出する開放電圧算出部と、前記電圧取得部で取得した電圧、及び前記電流取得部で取得した充放電電流に基づいて各単位電池の内部抵抗を算出する内部抵抗算出部と、前記開放電圧算出部で算出した開放電圧から、前記内部抵抗算出部で算出した内部抵抗に所定の負荷電流を乗じた結果を減じることにより、各単位電池の負荷電圧を算出する負荷電圧算出部と、該負荷電圧算出部で算出した負荷電圧が最も低い単位電池に他の単位電池から所定の充電エネルギーを移動させる移動部とを備える。
本発明の一態様に係る電池装置は、上述の充電量調整装置と、該充電量調整装置によって複数直列に接続された単位電池の充電量が調整される組電池と、前記単位電池の電圧を各別に検出する電圧センサと、前記組電池の充放電電流を検出する電流センサとを備える。
本発明の一態様に係る充電量調整方法は、単一の又は複数並列に接続された二次電池を含む単位電池が複数直列に接続された組電池の充電量を調整する方法であって、各単位電池の電圧を取得し、前記組電池の充放電電流を取得し、取得した電圧及び充放電電流に基づいて各単位電池の充電率を算出し、算出した充電率に基づいて各単位電池の開放電圧を算出し、取得した電圧及び充放電電流に基づいて各単位電池の内部抵抗を算出し、算出した開放電圧から、算出した内部抵抗に所定の負荷電流を乗じた結果を減じることにより、各単位電池の負荷電圧を算出し、算出した負荷電圧が最も低い単位電池に他の単位電池から所定の充電エネルギーを移動させる。
本発明の一態様に係るコンピュータプログラムは、コンピュータに、単一の又は複数並列に接続された二次電池を含む単位電池が複数直列に接続された組電池の充電量を調整させるためのコンピュータプログラムであって、コンピュータに、各単位電池の電圧を取得するステップと、前記組電池の充放電電流を取得するステップと、取得した電圧及び充放電電流に基づいて各単位電池の充電率を算出するステップと、算出した充電率に基づいて各単位電池の開放電圧を算出するステップと、取得した電圧及び充放電電流に基づいて各単位電池の内部抵抗を算出するステップと、算出した開放電圧から、算出した内部抵抗に所定の負荷電流を乗じた結果を減じることにより、各単位電池の負荷電圧を算出するステップと、算出した負荷電圧が最も低い単位電池に他の単位電池から所定の充電エネルギーを移動させる指令を行うステップと
を実行させる。
なお、本願は、このような特徴的な処理部を備える充電量調整装置及び電池装置として実現したり、特徴的な処理をステップとする充電量調整方法として実現したり、係るステップをコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムとして実現したりすることができるだけでなく、充電量調整装置の一部又は全部を半導体集積回路として実現したり、充電量調整装置を含むシステムとして実現したりすることができる。
上記によれば、組電池に含まれる単位電池の内部抵抗にばらつきが生じた場合であっても、組電池に充電されたエネルギーを効率よく利用することが可能となる。
実施形態1に係る電池装置が搭載された車両の構成例を示すブロック図である。 実施形態1に係る充電量調整装置の構成例を示すブロック図である。 実施形態1に係る二次電池のインピーダンススペクトルの一例を示す説明図である。 実施形態1に係る二次電池の等価回路モデルの一例を示す説明図である。 実施形態1に係る二次電池の開放電圧と充電量との相関関係の一例を示す説明図である。 実施形態1に係る二次電池の電圧波形及び電流波形の一例を示す説明図である。 実施形態1に係る単位電池の内部抵抗及び開放電圧を模式的に示す説明図である。 実施形態1に係る単位電池の充電量調整前後における負荷電圧を模式的に示す説明図である。 実施形態1に係る電池装置の一部を示す回路図である。 実施形態1に係る充電量調整装置で各単位電池の充電率、開放電圧及び内部抵抗を算出するCPUの処理手順を示すフローチャートである。 実施形態1に係る充電量調整装置で充電エネルギーを移動させるCPUの処理手順を示すフローチャートである。 実施形態2に係る単位電池の充電量調整前後における負荷電圧を模式的に示す説明図である。 実施形態2に係る充電量調整装置で充電エネルギーを移動させるCPUの処理手順を示すフローチャートである。 実施形態3に係る充電量調整装置で充電量の調整要否を判定するCPUの処理手順を示すフローチャートである。
[本発明の実施形態の説明]
最初に本発明の実施態様を列記して説明する。また、以下に記載する実施形態の少なくとも一部を任意に組み合わせてもよい。
(1)本発明の一態様に係る充電量調整装置は、単一の又は複数並列に接続された二次電池を含む単位電池が複数直列に接続された組電池の充電量を調整する充電量調整装置であって、各単位電池の電圧を取得する電圧取得部と、前記組電池の充放電電流を取得する電流取得部と、前記電圧取得部で取得した電圧、及び前記電流取得部で取得した充放電電流に基づいて各単位電池の充電率を算出する充電率算出部と、該充電率算出部で算出した充電率に基づいて各単位電池の開放電圧を算出する開放電圧算出部と、前記電圧取得部で取得した電圧、及び前記電流取得部で取得した充放電電流に基づいて各単位電池の内部抵抗を算出する内部抵抗算出部と、前記開放電圧算出部で算出した開放電圧から、前記内部抵抗算出部で算出した内部抵抗に所定の負荷電流を乗じた結果を減じることにより、各単位電池の負荷電圧を算出する負荷電圧算出部と、該負荷電圧算出部で算出した負荷電圧が最も低い単位電池に他の単位電池から所定の充電エネルギーを移動させる移動部とを備える。
(9)本発明の一態様に係る充電量調整方法は、単一の又は複数並列に接続された二次電池を含む単位電池が複数直列に接続された組電池の充電量を調整する方法であって、各単位電池の電圧を取得し、前記組電池の充放電電流を取得し、取得した電圧及び充放電電流に基づいて各単位電池の充電率を算出し、算出した充電率に基づいて各単位電池の開放電圧を算出し、取得した電圧及び充放電電流に基づいて各単位電池の内部抵抗を算出し、算出した開放電圧から、算出した内部抵抗に所定の負荷電流を乗じた結果を減じることにより、各単位電池の負荷電圧を算出し、算出した負荷電圧が最も低い単位電池に他の単位電池から所定の充電エネルギーを移動させる。
(10)本発明の一態様に係るコンピュータプログラムは、コンピュータに、単一の又は複数並列に接続された二次電池を含む単位電池が複数直列に接続された組電池の充電量を調整させるためのコンピュータプログラムであって、コンピュータに、各単位電池の電圧を取得するステップと、前記組電池の充放電電流を取得するステップと、取得した電圧及び充放電電流に基づいて各単位電池の充電率を算出するステップと、算出した充電率に基づいて各単位電池の開放電圧を算出するステップと、取得した電圧及び充放電電流に基づいて各単位電池の内部抵抗を算出するステップと、算出した開放電圧から、算出した内部抵抗に所定の負荷電流を乗じた結果を減じることにより、各単位電池の負荷電圧を算出するステップと、算出した負荷電圧が最も低い単位電池に他の単位電池から所定の充電エネルギーを移動させる指令を行うステップとを実行させる。
本態様にあっては、1又は複数並列の二次電池を含む単位電池を複数直列に接続してある組電池について、各単位電池の電圧と組電池全体の充放電電流とに基づいて単位電池の充電率と内部抵抗とを各別に算出し、算出した充電率に基づいて単位電池の開放電圧を各別に算出する。その上で、各単位電池について、算出した開放電圧から、算出した内部抵抗と所定の負荷電流との積で示される電圧降下を減じて負荷電圧(即ち放電時の端子電圧)を算出し、算出した負荷電圧が最も低い単位電池を特定し、特定した単位電池に対して他の単位電池から所定の充電エネルギーを移動させる。これにより、同じ負荷電流を放電させたときに最も端子電圧が低い単位電池の端子電圧がより高くなるように充電量が調整されるため、放電中に何れかの単位電池が下限電圧に達するタイミングがより遅くなる。
(2)前記他の単位電池は、前記負荷電圧算出部で算出した負荷電圧が最も高い単位電池を含むことが好ましい。
負荷電圧が最も低い単位電池に対する充電エネルギーの移動元に、負荷電圧が最も高い単位電池が含まれるため、負荷電圧の差が効率的に狭まるように調整されて、放電中に各単位電池が下限電圧に達するタイミングがより近くなる。
(3)前記移動部は、第1周期毎に所定の充電エネルギーを移動させ、前記負荷電圧算出部は、前記第1周期より長い第2周期毎に負荷電圧を算出することが好ましい。
第1周期より第2周期が長いため、エネルギーの移動先に一旦特定された単位電池に対して少なくとも一定以上の充電エネルギーが移される。そして、第2周期毎に充電エネルギーの移動元及び移動先が新たに特定されるため、最終的に各単位電池の負荷電圧が揃うように調整される。
(4)前記負荷電流は、前記負荷電圧算出部で算出される負荷電圧が前記単位電池の放電を終止すべき放電終止電圧より高くなるように特定されることが好ましい。
最も負荷電圧が低い単位電池の負荷電圧が放電終止電圧以下である場合は、充電エネルギーの移動後に各単位電池の負荷電圧が揃った段階で負荷電圧が放電終止電圧より低いことがあり得るため、負荷電圧の算出結果が放電終止電圧以下とならない範囲で負荷電流が特定される。
(5)前記充電率算出部で算出した充電率の何れかが第1閾値より小さいか否か、又は前記充電率算出部で算出した充電率の最大値と最小値の差分若しくは充電率の偏差の最大値が第2閾値より大きいか否かを判定する充電率判定部を更に備え、前記移動部は、前記充電率判定部が第1閾値より小さいと判定するか、又は第2閾値より大きいと判定した場合、前記充電エネルギーを移動させることが好ましい。
各単位電池の充電率の最小値が第1閾値より小さい場合、又は充電率のばらつき幅若しくは充電率の平均値に対する最大の偏差が第2閾値より大きい場合に充電量の調整を行う。これにより、充電率の調整による効果が顕著ではない場合に不要な調整が保留される。
(6)前記開放電圧算出部で算出した開放電圧の最大値と最小値の差分若しくは開放電圧の偏差の最大値が第3閾値より大きいか否か、又は前記開放電圧算出部で算出した開放電圧の何れかが第4閾値より小さいか否かを判定する開放電圧判定部を更に備え、前記移動部は、前記開放電圧判定部が第3閾値より大きいと判定するか、又は第4閾値より小さいと判定した場合、前記充電エネルギーを移動させることが好ましい。
各単位電池の開放電圧のばらつき幅若しくは開放電圧の平均値に対する最大の偏差が第3閾値より大きい場合、又は開放電圧の最小値が第4閾値より小さい場合に充電量の調整を行う。これにより、充電率の調整による効果が顕著ではない場合に不要な調整が保留される。
(7)前記内部抵抗算出部で算出した内部抵抗の最大値と最小値の差分若しくは内部抵抗の偏差の最大値が第5閾値より大きいか否か、又は前記内部抵抗算出部で算出した内部抵抗を正規化した値の何れかが第6閾値を越えるか否かを判定する内部抵抗判定部を更に備え、前記移動部は、前記内部抵抗判定部が第5閾値より大きいと判定するか、又は第6閾値を越えると判定した場合、前記充電エネルギーを移動させることが好ましい。
各単位電池の内部抵抗のばらつき幅若しくは内部抵抗の平均値に対する最大の偏差が第5閾値より大きい場合、又は内部抵抗を例えば最小値で正規化した値の何れかが第6閾値を上回るか、若しくは内部抵抗を例えば最大値で正規化した値の何れかが第6閾値を下回る場合に充電量の調整を行う。これにより、充電率の調整による効果が顕著ではない場合に不要な調整が保留される。
(8)本発明の一態様に係る電池装置は、上述の充電量調整装置と、該充電量調整装置によって複数直列に接続された単位電池の充電量が調整される組電池と、前記単位電池の電圧を各別に検出する電圧センサと、前記組電池の充放電電流を検出する電流センサとを備える。
本態様にあっては、単位電池が複数直列に接続された組電池における各単位電池の充電量を上述の充電量調整装置が調整するため、組電池に含まれる単位電池の内部抵抗にばらつきが生じた場合であっても、組電池に充電されたエネルギーを効率よく利用することが可能な充電量調整装置が電池装置に適用される。
[本発明の実施形態の詳細]
本発明の実施形態に係る充電量調整装置、電池装置、充電量調整方法及びコンピュータプログラムの具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。また、各実施形態で記載されている技術的特徴は、お互いに組み合わせることが可能である。
(実施の形態1)
図1は、実施形態1に係る電池装置が搭載された車両の構成例を示すブロック図である。車両は、電池装置200の正極側が一端に接続されたリレー61及び62と、リレー61の他端及び基準電位の間に接続されたインバータ63及びモータ64の直列回路並びに電気負荷65と、リレー62の他端及び基準電位の間に接続された充電器66とを含んでなる。電池装置200の負極側は基準電位に接続されている。電池装置200は、組電池50と、該組電池の充電量を調整する充電量調整装置100とを含んでなる。
組電池50は、リチウムイオン電池等の二次電池である単位電池51を複数直列に接続してあり、各単位電池51の電圧を各別に検出する電圧センサ52と、基準電位との間に流れる組電池50の充電電流及び放電電流(充放電電流)を検出する電流センサ53と、各単位電池51の表面温度を検出する温度センサ54とを更に備える。各単位電池51は、同じ数の二次電池が並列に接続されていてもよい。温度センサ54は、各単位電池51夫々に1つずつ設けられていてもよいし、何れか1つの単位電池51に設けられていてもよい。
電圧センサ52は、例えば各単位電池51にクランプダイオードを介して二次巻線が接続されたトランスの一次側にパルスを印加し、そのときに1次側コイルに発生するクランプ電圧を各別に計測するようにしてもよいし、リニアテクノロジ社製のマルチセル・バッテリ・スタック・モニタ(LTC6803/6804)等の汎用のICを用いてもよい。電圧センサ52の検出結果は、充電量調整装置100に出力される。電圧センサ52が充電量調整装置100に含まれていてもよい。
電流センサ53は、例えば、シャント抵抗又はホールセンサで構成されている。温度センサ54は、例えば、サーミスタで構成されている。電流センサ53及び温度センサ54夫々の検出結果は、充電量調整装置100に出力される。
リレー61及び62のオン/オフは、不図示のリレー制御部が行う。インバータ63は、不図示の車両コントローラからの指令により、モータ64への通電制御を行う。充電器66は、車両の停止時に車外の電源から電力供給を受けて組電池50を充電する。不図示のオルタネータが発電した電力、又はモータ64の回生電力によって、組電池50が充電されてもよい。
図2は、実施形態1に係る充電量調整装置100の構成例を示すブロック図である。充電量調整装置100は、CPU(Central Processing Unit)を含む制御部10が装置全体を制御する。制御部10には、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically EPROM:登録商標)等の不揮発性メモリを用いたROM21と、DRAM(Dynamic Random Access Memory)、SRAM(Static Random Access Memory)等の書き換え可能なメモリを用いたRAM(記憶部に相当)22と、時間を計時するタイマ23とが接続されている。
制御部10には、また、電圧センサ52で検出された電圧を取得する電圧取得部32と、電流センサ53で検出された電流を取得する電流取得部33と、温度センサ54で検出された温度を取得する温度取得部34と、SPI(登録商標:Serial Peripheral Interface)に準拠する通信を行う汎用のSPIコントローラ35とが接続されている。SPIコントローラ35は、各単位電池51の充電量を調整する充電量調整回路(移動部に相当)36に接続されている。なお、制御部10が制御する電圧、電流の取得頻度は、例えば10msであるが、これに限定されるものではない。
制御部10は、予めROM21に記憶された制御プログラムに従って不図示のCPUが実行するソフトウェア処理により、充電率算出部11、内部抵抗算出部12、開放電圧算出部13、負荷電圧算出部14及び移動指令部15の機能を実現する。これらの機能の一部又は全部が、集積回路化によって実現されてもよい。ソフトウェア処理により発生した情報の一部は、RAM22に一時的に記憶される。CPUによるソフトウェア処理の手順を定めたコンピュータプログラムを、不図示の手段を用いて予めRAM22にロードし、コンピュータプログラムをCPUで実行するようにしてもよいし、制御部10全体を専用のハードウェア回路で構成してもよい。
充電率算出部11は、電圧取得部32で取得した各単位電池51の電圧Vbn(nは自然数)と、電流取得部33で取得した充放電電流Ib(以下、単に電流Ibとも言う)とに基づいて、各単位電池51の充電率(SOC:State Of Charge)を各別に算出する。充電率は、満充電時の充電量に対するその時の充電量の比率として表される。電流の取得頻度をΔtとし、取得される電流をIbi(i=1,2,・・)、満充電時の充電量をFCCとすると、一般的に充電率の変化量は(ΣIbi×Δt)/FCCなる式で算出することができる。これにより、組電池50全体の充電率を都度算出することができるが、ここでは各単位電池51の充電率を各別に算出する必要がある。
そこで、本実施形態1では、カルマンフィルタを用いて単位電池51毎に充電率を算出する。具体的には、各単位電池51をモデル化した等価回路モデルに含まれる複数の要素によって各単位電池51の状態を表した状態ベクトルと、各単位電池51の電圧Vbn及び電流Ibの検出結果に基づく観測値を表した観測ベクトルとに基づき、カルマンフィルタを用いて各単位電池51の状態を更新して各単位電池51の充電率を各別に推定する。カルマンフィルタを用いた充電率の推定については、特開2015−224927号公報に詳しいので、詳細な説明を省略する。なお、取得される電圧Vbni及び電流Ibiの積である電力を各単位電池51について各別に積算(ΣIbi×Vbni×Δt)し、満充電時の充電電力量に対する蓄電されている電力量の比として充電率を算出してもよい。
内部抵抗算出部12は、電圧取得部32で取得した各単位電池51の電圧Vbnと、電流取得部33で取得した電流Ibとに基づいて、各単位電池51の内部抵抗を各別に算出する。図3は、実施形態1に係る二次電池のインピーダンススペクトルの一例を示す説明図である。以下では、二次電池と単位電池51とを特に区別せずに説明する。図3において、横軸はインピーダンスZの実数成分Zrを示し、縦軸はインピーダンスZの虚数成分Ziを示す。破線は比較的新しい二次電池の特性を表し、実線は劣化した二次電池の特性を表す。図3に示すように、二次電池が劣化するとインピーダンススペクトルの円弧が大きくなり、インピーダンスが大きくなる。
二次電池の内部抵抗は、電解液バルクの抵抗Rs及び界面電荷移動抵抗Rcが主要部分を占める。一方、交流インピーダンス法での周波数を高周波数から低周波数へ(例えば、2kHzから0.1Hzへ)変化させた場合、図3に示すように、二次電池のインピーダンスはある周波数域(境界周波数域と称する:図3の符号A,A’で示す付近)で極値をとり、その後増加する。この増加は拡散インピーダンスが寄与することが知られている。つまり、境界周波数域は、二次電池のインピーダンスが、電解液バルクの抵抗Rsと界面電荷移動抵抗Rcとの合計値で表すことができ、拡散インピーダンスによる影響が少ない又は無視することができる程度となる周波数域を意味する。そして、境界周波数域でのインピーダンスZを、二次電池の内部抵抗Rとして推定することができる。
図4は、実施形態1に係る二次電池の等価回路モデルの一例を示す説明図である。等価回路モデルは、二次電池のインピーダンスを表す等価回路であり、例えば、図4に示すように、開放電圧OCVを有する電圧源と、抵抗R1と、抵抗R2〜R5夫々とキャパシタC2〜C5夫々との並列回路が4個直列に接続された回路との組み合わせで構成される。二次電池は、開放電圧OCVを有する電圧源、内部インピーダンスの直列抵抗等で決定付けられる。開放電圧OCVは、正極、負極及び電解質の静的なつり合いで決まり、内部インピーダンスは動的なメカニズムで決まる。
より具体的には、抵抗R1は、例えば、電解液バルクの抵抗を表し、抵抗R2〜R5は、例えば、界面電荷移動抵抗及び拡散インピーダンスを表し、キャパシタC2〜C5は、例えば、電気二重層キャパシタンスを表す。電解液バルクの抵抗は、電解液中でのリチウム(Li)イオンの伝導抵抗、正極及び負極での電子抵抗などを含む。界面電荷移動抵抗
は、活物質表面における電荷移動抵抗及び被膜抵抗などを含む。拡散インピーダンスは、活物質粒子内部へのリチウム(Li)イオンの拡散過程に起因するインピーダンスである。
なお、二次電池の電圧Vbと開放電圧OCVとの差の電圧を過電圧という。過電圧は、二次電池の内部で生じる電圧降下に相当する。取得(検出)される電圧Vb、過電圧及び開放電圧OCVの間には「OCV=Vb−過電圧」、という関係が成り立つ。充電時の電流Ibを正の電流とすると、過電圧は正の電圧となる。
上述の内容から、単位電池51の内部抵抗Rは、境界周波数域に対応する周波数fで測定されるインピーダンスZで表される。一方、交流インピーダンス法での周波数fと、直流を通電してから測定するまでの待機時間Tとの間には、T=1/2fという関係がある。待機時間Tは、二次電池のインピーダンススペクトル(図3参照)を鑑みた場合に、単位電池51全体としてのインピーダンスが、単位電池51におけるイオンの拡散インピーダンスの影響を無視することができる程度となるまでの、充放電の切り替え時点からの経過時間である。例えば、周波数fが5Hzの場合、待機時間Tは0.1秒となる。
具体的には、各単位電池51が充電から放電に、又は放電から充電に切り換わると、各単位電池51の内部抵抗Rのうち、例えば、拡散インピーダンス及び界面電荷移動抵抗が一旦リセットされて過電圧の影響が小さくなり、その後の通電時間に応じて内部抵抗Rが増加し始める。そこで、充放電の切り替えがあった場合、切り替え前に記憶した単位電池51の電圧Vbn及び電流Ibと、切り替えから待機時間T後に取得した単位電池51の電圧Vcn及び電流Icとに基づいて、各単位電池51の内部抵抗Rを各別に算出することができる。
より具体的には、内部抵抗Rは、2点間の電圧及び電流から求められる直線の傾きの絶対値として表されるから、内部抵抗Rは以下の式(1)で算出することができる。これにより、充放電が頻繁に繰り返される場合であっても、各単位電池51の内部抵抗Rを精度よく算出することができる。以上の算出方法は、国際公開第2017/047192号に詳しい。
R=(Vcn−Vbn)/(Ic−Ib)・・・・・・・・・・・・・・・・・・(1)
待機時間Tは、各単位電池51の充電率(SOC)が大きくなるほど短くなることが分かっているので、予め単位電池51毎に、充電率に対応付けて待機時間TをROM21又はRAM22に記憶させておくことが好ましい。また、待機時間Tは、各単位電池51の温度にも依存する。そこでROM21又はRAM22には、単位電池51毎に、且つ充電率の範囲及び温度範囲別に、待機時間Tをテーブルにして記憶させておくことが好ましい。より厳密には、図3にA及びA’で示す境界周波数が、単位電池51の劣化度によって多少変化するため、各単位電池51の劣化度を算出し、算出した劣化度に応じて待機時間を補正することが好ましい。
図2に戻って、開放電圧算出部13は、以下の式(2)により、各単位電池51の開放電圧(以下、OCVとも言う)を算出する。式(2)における係数K0,K1,K2,K3,K4は、各単位電池51に対して予め実測したSOC−OCVの対応に基づいて最小二乗法で求めた係数である。式(2)によるOCVの算出については、“第59回システム制御情報学会研究発表講演会資料「パラメータ依存状態空間モデルに基づく蓄電池のSoC推定」、2015年5月”及び“足立修一、廣田幸嗣編著「バッテリマネージメント工学」東京電機大学出版局、p160−162”に詳しい。
OCV=K0+K1×ln(SOC)+K2×ln(1−SOC)
+K3/SOC+K4×SOC・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(2)
開放電圧算出部13は、また、ROM21又はRAM22に予め記憶されているSOC−OCV特性を示すテーブルを参照して、各単位電池51のOCVを算出してもよい。図5は、実施形態1に係る二次電池の開放電圧と充電量との相関関係の一例を示す説明図である。図5において、横軸は開放電圧(OCV)を示し、縦軸は充電率(SOC)を示す。図5に示すように、二次電池は開放電圧が大きいほど充電率が増加する。図5に例示する開放電圧と充電率との相関関係は、開放電圧算出部13によって参照されるようにROM21又はRAM22にテーブルとして記憶してもよく、あるいは制御部10で演算するようにしてもよい。
負荷電圧算出部14は、開放電圧算出部13で算出した各単位電池51の開放電圧から、内部抵抗算出部12で算出した内部抵抗と所定の負荷電流との積で示される電圧降下を減じて、放電時の端子電圧である負荷電圧を算出する。算出された負荷電圧は、実際に負荷電流を放電させたときの各単位電池51の端子電圧として推定されるものである。
移動指令部15は、SPIコントローラ35を介して充電量調整回路36と通信することにより、負荷電圧算出部14で算出した負荷電圧が最も低い単位電圧51に対して、他の単位電池51から所定の充電エネルギーを移動させる。これにより、実際に負荷電流を放電させたときに最も端子電圧が低い単位電池51の端子電圧がより高くなるように充電量が調整される。
図6は、実施形態1に係る二次電池の電圧波形及び電流波形の一例を示す説明図である。図の上段に電圧波形を示し、下段に電流波形を示す。図6において、横軸は時間を表し、縦軸は電圧又は電流を表す。図の下段に示す電流波形では、電流が正の場合は充電状態であり、電流が負の場合は放電状態である。この電流波形における充電状態及び放電状態と照合させて、図の上段に示す電圧波形を見ると、二次電池の電圧は、OCVに対し、内部抵抗による電圧降下(即ち過電圧)により、上下に大きく変動することがわかる。
従来、二次電池間のバランス調整は、二次電池の無通電状態、且つ過電圧の解消時に計測したOCVを揃えるように行われていたが、二次電池の使用中はバランス調整が可能な機会が少なく、バランスが崩れやすいのが問題であった。図7は、実施形態1に係る単位電池51の内部抵抗及び開放電圧を模式的に示す説明図である。図の上段にセル_1(基準電位から数えて1番目の単位電池51に相当、以下同様)からセル_nまでの内部抵抗を示し、下段に開放電圧を示す。ここでは、各セルの開放電圧が3Vに揃っている場合を想定する。図7では、各セルの内部抵抗を模式的に示してあり、例えばセル_1は1mΩ、セル_2は1.3mΩ、セル_3は2mΩ、・・セル_nは1.1mΩである。以下では、代表的な例としてセル_1及びセル_3について説明する。
図8は、実施形態1に係る単位電池51の充電量調整前後における負荷電圧を模式的に示す説明図である。図の横軸は充電時の電流を正とする電流を表し、縦軸は電圧を表す。電流が0のときの電圧はOCVである。放電電流の絶対値を増大させると、細い実線で示すセル_1は−200Aで端子電圧が2.8Vに降下するのに対し、太い実線で示すセル_3は−100Aで端子電圧が2.8Vまで降下する。例えば2.8Vが放電終止電圧である場合、図8に実線で示す例では、−100Aの放電電流、即ち100Aの負荷電流しか流すことができない。そこで、例えばセル_2,セル_4,・・セル_nからセル_3に充電エネルギーを少しずつ移動させて、太い一点鎖線で示すようにセル_3のOCVを3.2Vまで上昇させることができれば、セル_3についても200Aの負荷電流を流すことができる。但し、簡単のためにセル_1の充電量の減少は無視する。
次に、各単位電池51間で充電エネルギーを移動させるための充電量調整回路36について詳細に説明する。図9は、実施形態1に係る電池装置200の一部を示す回路図である。図9では、充電量調整装置100のうち、制御部10、SPIコントローラ35、及び充電量調整回路36のみが図示されている。また、組電池50のうち、各単位電池51のみが図示されている。単位電池51の数が6つの場合を例として記載してあるが、これに限定されるものではない。なお、6つの単位電池51夫々は、基準電位側から順に、図7に示すセル_1、セル_2、・・セル_6に相当する。
充電量調整回路36は、各単位電池51に対する充電及び放電を行う6つの充放電回路361,362,・・365,366と、これらによる充放電を制御する制御回路360とを備える。制御回路360は、SPIコントローラ35との間でSPIに準拠する通信を行うものであり、SPIコントローラ35から端子SCKに入力されるクロックに同期して、端子SDIに入力されるシリアルデータを受信し、SPIコントローラ35に送信するシリアルデータを端子SDOから出力する。本実施形態1では、制御回路360にリニアテクノロジ社製のLTC3300−1を用いた場合を例示するが、これに限定されるものではない。
上記6つの充放電回路361,362,・・365,366の夫々は、構成が同一であるため、基準電位からk番目(k=1,2,・・6)の充放電回路36kの構成、及び該充放電回路36kと制御回路360の接続について説明する。k番目の充放電回路36kは、一次巻線の一端(巻始め)がk番目の単位電池51の正極側に接続されたトランスTkと、上記一次巻線の他端にドレインが接続された一次側トランジスタQkPと、該一次側トランジスタQkPのソース及びk番目の単位電池51の負極側の間に接続された一次側抵抗RkPとを有する。k番目の充放電回路36kは、また、トランスTkの二次巻線の一端(巻始め)にドレインが接続された二次側トランジスタQkSと、該二次側トランジスタQkSのソース及び基準電位の間に接続された二次側抵抗RkSとを有する。
一次側トランジスタQkPのゲートは、制御回路360の端子GkPに接続されている。一次側トランジスタQkPのソース及び一次側抵抗RkPの接続点は、制御回路360の端子IkPに接続されている。二次側トランジスタQkSのゲートは、制御回路360の端子GkSに接続されている。二次側トランジスタQkSのソース及び二次側抵抗RkSの接続点は、制御回路360の端子IkSに接続されている。k番目の単位電池51の正極側及び負極側夫々は、更に、制御回路360の端子Ck及びCk−1に接続されている。上記二次巻線の他端は、6番目の単位電池51の正極側に接続されている。この接続は、どの充放電回路36kについても共通である。
制御回路360は、一次側トランジスタQkP及び二次側トランジスタQkS夫々を駆動するためのゲート信号を、端子GkP及びGkSから出力し、トランスTkの一次側巻線電流及び二次側巻線電流夫々を測定するための電圧信号を端子IkP及びIkSから入力する。
上述の構成において、k番目の単位電池51を放電させる場合、一次側トランジスタQkPがオンしている間にk番目の単位電池51からトランスTkの一次巻線に所定のエネルギーが蓄えられ、一次側トランジスタQkPがオフした後にトランスTkの二次巻線からエネルギーが放出されて、6つ直列接続された単位電池51に所定のエネルギーが回収される。これにより、k番目の単位電池51から他の単位電池51に所定の充電エネルギーが移動させられる。
このようなエネルギーの移動は、単位電池51の数、単位電池51の電圧、トランスTkの巻数比、トランスTkの一次巻線のインダクタンス、一次側巻線のピーク電流値等によって決まる周期で繰り返し実行させたり、任意の回数で停止させたりすることができる。本実施形態1では、トランスTkの各巻線のインダクタンスが10μHであり、約5μsの間だけ一次側トランジスタQkPがオンし、約420nsの間にトランスTkの二次巻線からエネルギーが放出される。なお、k番目の単位電池51については、放出されたエネルギーの1/6が戻されるが、差し引きではエネルギーが放出される。
一方、k番目の単位電池51を充電する場合、二次側トランジスタQkSがオンしている間に6つ直列接続された単位電池51からトランスTkの二次巻線に所定のエネルギーが蓄えられ、二次側トランジスタQkSがオフした後にトランスTkの一次巻線からエネルギーが放出されて、k番目の単位電池51に所定のエネルギーが充電される。これにより、k番目の単位電池51を除く他の単位電池51からk番目の単位電池51に所定の充電エネルギーが移動させられる。
このようなエネルギーの移動は、単位電池51の数、単位電池51の電圧、トランスTkの巻数比、トランスTkの一次巻線のインダクタンス、二次側巻線のピーク電流値等によって決まる周期で繰り返し実行させたり、任意の回数で停止させたりすることができる。本実施形態1では、約420nsの間だけ二次側トランジスタQkSがオンし、約5μsの間にトランスTkの一次巻線からエネルギーが放出される。なお、k番目の単位電池51については、充電されるエネルギーの1/6が先に放出されるが、差し引きではエネルギーが注入される。
本実施形態1では、最も負荷電圧が低い単位電池51に対して他の単位電池51から充電エネルギーを移動させるために、充電量調整回路36によって、最も負荷電圧が低い単位電池51を充電することとする。この場合、他の単位電池51には、最も負荷電圧が高い単位電池51が常に含まれている。
以下では、上述した制御部10の動作を、それを示すフローチャートを用いて説明する。図10は、実施形態1に係る充電量調整装置100で各単位電池51の充電率、開放電圧及び内部抵抗を算出するCPUの処理手順を示すフローチャートであり、図11は、実施形態1に係る充電量調整装置100で充電エネルギーを移動させるCPUの処理手順を示すフローチャートである。ここでいうCPUは、制御部10が有する不図示のCPUである(以下同様)。
図10に示す処理は、例えば10ms毎に起動されて周期的に実行される。図11に示す処理は、例えば10msより長い50ms毎に起動されて周期的に実行される。各ステップにおける取得結果及び算出結果は、適宜RAM22に記憶される。なお、図11に示す処理の実行周期(第2周期に相当)は、図9を用いて説明した充電量調整回路36による各単位電池51の充電周期及び放電周期(第1周期に相当:何れも最短で約5.5μs)より十分長い。このため、充電エネルギーを移動させる指令を更新する間に、任意の単位電池51の充電又は放電を繰り返し行わせることができる。
図10の処理が起動された場合、CPUは、電圧取得部32により各単位電池51の電圧を取得し(S11)、更に電流取得部33により組電池50の充放電電流を取得する(S12)。次いで、CPUは、取得した充放電電流に基づいて充放電の切り替わりがあったか否かを判定する(S13)。具体的には、前回取得して記憶した充放電電流と比較して電流の向きが逆であるか否かを判定する。この場合、ノイズの影響をなくすために、絶対値が0より有意に大きい充放電電流について判定することが好ましい。
充放電の切り替わりがなかった場合(S13:NO)、CPUは、取得した電圧を切り替わり前の各単位電池51の電圧としてRAM22に記憶する(S14)と共に、取得した充放電電流を切り替わり前の組電池50の充放電電流としてRAM22に記憶する(S15)。これにより、記憶される電圧及び充放電電流が更新される。
その後、CPUは、RAM22に記憶した各単位電池51の状態表す状態ベクトルと、検出した電圧及び充放電電流を表す観測ベクトルとに基づき、カルマンフィルタを用いて各単位電池51の状態を更新して(S16)、各単位電池51の充電率(SOC)を算出する(S17:充電率算出部に相当)。次いで、CPUは、上述した式(2)によって各単位電池51の開放電圧(OCV)を算出して(S18:開放電圧算出部に相当)、図10の処理を終了する。
ステップS13で充放電の切り替わりがあった場合(S13:YES)、CPUは、切り替わり後の電圧及び充放電電流を取得するまでの待機時間を特定して(S20)、タイマ23による計時を開始する(S21)。上述したように、待機時間は、単位電池51毎に、且つ充電率の範囲及び温度範囲別に、ROM21又はRAM22に記憶されたテーブルを参照して特定することが好ましい。
その後、CPUは、特定した待機時間が経過したか否かを判定し(S22)、経過しない場合(S22:NO)、待機時間が経過するまで判定を繰り返す。特定した待機時間が経過した場合(S22:YES)、CPUは、電圧取得部32により各単位電池51の電圧を取得し(S23)、更に電流取得部33により組電池50の充放電電流を取得する(S24)。
次いで、CPUは、上述した式(1)によって各単位電池51の内部抵抗(R)を算出して(S25:内部抵抗算出部に相当)、図10の処理を終了する。式(1)の適用に際し、Vbnには切り替え前にRAM22に記憶した各単位電池51の電圧を代入し、Ibには切り替え前にRAM22に記憶した組電池50の充放電電流を代入する。また、Vcnには待機時間後に取得した各単位電池51の電圧を代入し、Icには待機時間後に取得した組電池50の充放電電流を代入する。
次に、図11に示す処理が起動された場合、CPUは、RAM22に記憶されている各単位電池51の内部抵抗と、所定の負荷電流との積を算出する(S31)。ここでの負荷電流は、一定の電流であってもよいし、他の処理から適時指定される電流であってもよい。次いで、CPUは、RAM22に記憶されている各単位電池51の開放電圧(OCV)から、各単位電池51についてステップS31で算出した積を減算して負荷電圧を算出する(S32:負荷電圧算出部に相当)。
次いで、CPUは、負荷電圧が最も低い単位電池51を特定し(S33)、最も低い負荷電圧が放電終止電圧より高いか否かを判定する(S34)。放電終止電圧より高い場合(S34:YES)、CPUは、充電エネルギーの移動を行う必要がないものとして図11の処理を終了する。
一方、最も低い負荷電圧が放電終止電圧より高くない場合(S34:NO)、CPUは、最も負荷電圧が低いと特定した単位電池51に、所定の充電エネルギーを移動させるべく(S35:移動指令部及び移動させる指令を行うステップに相当)、SPIコントローラ35を用いて充電量調整回路36に指令を行う。具体的には、最も負荷電圧が低い単位電池51が50msの間に所要回数だけ充電されるように指令する。この場合、充電量調整回路36による1回の充電で移動可能な充電エネルギーが一定であるから、最も負荷電圧が低い単位電池51の負荷電圧が、他の単位電池51と同程度まで上昇するように、所要回数を決定すればよい。その後、CPUは、図11の処理を終了する。
以上のように本実施形態1によれば、1又は複数並列の二次電池を含む単位電池51をn個(6個)直列に接続してある組電池50について、各単位電池51の電圧Vbnと組電池50全体の充放電電流Ibとに基づいて単位電池51の充電率(SOC)と内部抵抗とを各別に算出し、算出した充電率(SOC)に基づいて単位電池51の開放電圧(OCV)を各別に算出する。その上で、各単位電池51について、算出した開放電圧(OCV)から、算出した内部抵抗と所定の負荷電流との積で示される電圧降下を減じて負荷電圧(放電時の端子電圧)を算出し、算出した負荷電圧が最も低い単位電池51を特定し、特定した単位電池51に対して他の単位電池51から所定の充電エネルギーを移動させる。これにより、同じ負荷電流を放電させたときに最も端子電圧が低い単位電池51の端子電圧がより高くなるように充電量が調整されるため、放電中に何れかの単位電池51が下限電圧に達するタイミングがより遅くなる。従って、組電池50に含まれる単位電池51の内部抵抗にばらつきが生じた場合であっても、組電池50に充電されたエネルギーを効率よく利用することが可能となる。
また、実施形態1によれば、負荷電圧が最も低い単位電池51に対する充電エネルギーの移動元に、負荷電圧が最も高い単位電池51が含まれるため、負荷電圧の差が効率的に狭まるように調整される。これにより、放電中に各単位電池51が下限電圧に達するタイミングがより近くなるようにすることができる。
更に、実施形態1によれば、充電量調整回路36による充電の最短周期よりも、負荷電圧を更新して負荷電圧が最も低い単位電池51を新たに特定する周期の方が十分に長いため、エネルギーの移動先に一旦特定された単位電池51に対して少なくとも一定以上の充電エネルギーが移される。そして、負荷電圧を更新する毎に充電エネルギーの移動元及び移動先が新たに特定されるため、最終的に各単位電池51の負荷電圧が揃うように調整することが可能となる。
更に、実施形態1によれば、単位電池51が複数直列に接続された組電池50における各単位電池51の充電量を充電量調整装置100が調整するため、組電池50に含まれる単位電池51の内部抵抗にばらつきが生じた場合であっても、組電池50に充電されたエネルギーを効率よく利用することが可能な充電量調整装置100を電池装置200に適用することができる。
(実施形態2)
実施形態1が、負荷電圧が最も低い単位電池51に対し、他の全ての単位電池51から充電エネルギーを移動させる形態であるのに対し、実施形態2は、負荷電圧が最も低い単位電池51に対し、特定の他の単位電池51から充電エネルギーを移動させる形態である。また、実施形態1では、負荷電圧が放電終止電圧より低い場合に、充電エネルギーを移動させるのに対し、本実施形態2では、負荷電圧ができるだけ均等になるように、周期的に充電エネルギーを移動させる。実施形態2に係る電池装置200及び充電量調整装置100夫々のブロック構成は、実施形態1の図1及び2,9に示す構成と同様である。その他、実施の形態1に対応する箇所には同様の符号を付してその説明を省略する。
図12は、実施形態2に係る単位電池51の充電量調整前後における負荷電圧を模式的に示す説明図である。図の横軸は充電時の電流を正とする電流を表し、縦軸は電圧を表す。実施形態1の図8に示す場合と同様に、放電電流の絶対値を増大させると、細い実線で示すセル_1は−200Aで端子電圧が2.8Vに降下するのに対し、太い実線で示すセル_3は−100Aで端子電圧が2.8Vまで降下する。そこで、例えばセル_1からセル_3に充電エネルギーを移動させて、細い一点鎖線で示すようにセル_1のOCVを2.95V程度まで低下させる代わりに、太い一点鎖線で示すようにセル_3のOCVを3.1V程度まで上昇させることができれば、セル_1及びセル_3の何れについても150A程度の負荷電流を流すことができる。
実施形態1の図8に示す充電量調整装置100によれば、上記のような充電エネルギーの移動が可能である。具体的には、基準電位から1番目の単位電池51を放電させる場合、1番目の単位電池51から放電された所定のエネルギーが、6つ直列接続された単位電池51に回収される。また、3番目の単位電池51を充電する場合、6つ直列接続された単位電池51から供給された所定のエネルギーが、3番目の単位電池51に充電される。このような充放電の期間を通じて、2,4,5,6番目の単位電池51は、エネルギーの出入りが相殺されるため、実質的には1番目の単位電池51から3番目の単位電池51に所定の充電エネルギーが移動される。
以下では、上述した制御部10の動作を、それを示すフローチャートを用いて説明する。図13は、実施形態2に係る充電量調整装置100で充電エネルギーを移動させるCPUの処理手順を示すフローチャートである。図13に示す処理は、例えば10msより長い50ms毎に起動されて周期的に実行される。各ステップによる取得結果及び算出結果は、適宜RAM22に記憶される。なお、図13のステップS41からS44までの処理は、実施形態1の図11に示すステップS31からS34までの処理と同様であるため、これらのステップの説明を簡略化する。
図13の処理が起動されてステップS41からS44までの処理が順次実行され、最も低い負荷電圧が放電終止電圧より高くない場合(S44:NO)、CPUは、負荷電流を所定の電流だけ低減して(S45)、ステップS41に処理を移す。ステップS41からS45までの処理が繰り返される間に、負荷電流が適当な大きさになるように低減される。なお、負荷電流を低減すべきではない場合は、ステップS44における判定を行わずに常に後述のステップS46に処理を移すようにしてもよい。この場合は、充電エネルギーの移動後に、何れかの単位電池51の電圧が放電終止電圧まで低下したときに、放電を停止すればよい。
一方、ステップS44で、最も低い負荷電圧が放電終止電圧より高い場合(S44:YES)、CPUは、負荷電圧が最も高い単位電池51を特定する(S46)。次いで、CPUは、負荷電圧が最も高い単位電池51が50msの間に所要回数だけ放電されるように制御回路360に設定を行い(S47)、更に、負荷電圧が最も低い単位電池51が50msの間に所要回数だけ充電されるように制御回路360に設定を行って(S48)図13の処理を終了する。
なお、本実施形態2にあっては、負荷電圧が最も高い単位電池51から、負荷電圧が最も低い単位電池51に充電エネルギーを移動させたが、これら以外の単位電池51から、負荷電圧が最も低い単位電池51に充電エネルギーを移動させてもよいし、2つ以上の単電池を放電させて、負荷電圧が最も低い単位電池51に充電エネルギーを移動させてもよい。
以上のように本実施形態2によれば、実施形態1の場合と同様に、同じ負荷電流を放電させたときに最も端子電圧が低い単位電池51の端子電圧がより高くなるように充電量が調整されるため、放電中に何れかの単位電池51が下限電圧に達するタイミングがより遅くなる。従って、組電池50に含まれる単位電池51の内部抵抗にばらつきが生じた場合であっても、組電池50に充電されたエネルギーを効率よく利用することが可能となる。
また、実施形態2によれば、実施形態1の場合と同様に、負荷電圧が最も低い単位電池51に対する充電エネルギーの移動元に、負荷電圧が最も高い単位電池51が含まれるため、負荷電圧の差が効率的に狭まるように調整される。これにより、放電中に各単位電池51が下限電圧に達するタイミングがより近くなるようにすることができる。
更に、実施形態2によれば、最も負荷電圧が低い単位電池51の負荷電圧が放電終止電圧以下である場合は、負荷電圧の算出結果が放電終止電圧以下とならない範囲で負荷電流が低減される。このため、充電エネルギーの移動後に各単位電池51の負荷電圧が揃った段階で負荷電圧が放電終止電圧より高くなるようにすることができる。
(実施形態3)
実施形態2が、負荷電圧を算出する毎に充電エネルギーを移動させる形態であるのに対し、実施形態3は、特定の条件が成立する場合に充電エネルギーの移動を行わない形態である。実施形態3に係る電池装置200及び充電量調整装置100夫々のブロック構成は、実施形態1の図1及び2,9に示す構成と同様である。なお、制御部10には、後述する充電率判定部、開放電圧判定部、及び内部抵抗判定部が含まれるが、これらについては後述のフローチャートにてソフトウェア処理との対応を明示する。その他、実施の形態1に対応する箇所には同様の符号を付してその説明を省略する。
各単位電池51の状態によっては、充電エネルギーを移動させる効果が顕著に表れない場合がある。例えば、各単位電池51の充電率が十分に高い場合、又は充電率のばらつき幅若しくは偏差が小さい場合は、受電エネルギーの移動を行わなくても大きな問題が生じないと考えられる。各単位電池51の開放電圧のばらつき幅若しくは偏差が小さい場合、又は開放電圧が十分に高い場合も同様であり、各単位電池51の内部抵抗のばらつき幅若しくは偏差が小さい場合、又は内部抵抗が十分に低い場合も同様である。
以下では、実施形態1及び2夫々にて起動された図11及び13に示す充電エネルギーの移動処理を起動しない場合について、フローチャートを用いて説明する。図14は、実施形態3に係る充電量調整装置100で充電量の調整要否を判定するCPUの処理手順を示すフローチャートである。図14に示す処理は、例えば10msより長い50ms毎に起動されて周期的に実行される。
図14の処理が起動された場合、CPUは、各単位電池51の充電率(SOC)の最小値を算出し(S51)、算出した最小値が第1閾値より小さいか否かを判定する(S52:充電率判定部に相当)。第1閾値より小さい場合(S52:YES)、即ち、何れかの単位電池51のSOCが十分に高くない場合、後述するステップS67に処理を移す。
一方、算出したSOCの最小値が第1閾値より小さくない場合(S52:NO)、CPUは、SOCの最大値又は平均値を算出し(S53)、算出した最大値と最小値の差分又は最大偏差を算出する(S54)。ここでの最大偏差は、算出した平均値との偏差の最大値である(以下同様)。次いで、CPUは、算出した差分又は最大偏差が第2閾値より大きいか否かを判定し(S55:充電率判定部に相当)、第2閾値より大きい場合(S55:YES)、ステップS67に処理を移す。
一方、算出したSOCの差分又は最大偏差が第2閾値より大きくない場合(S55:NO)、CPUは、各単位電池51の開放電圧(OCV)の最大値と最小値又は平均値を算出し(S56)、算出した最大値と最小値の差分又は最大偏差を算出する(S57)。次いで、CPUは、算出した差分又は最大偏差が第3閾値より大きいか否かを判定し(S58:開放電圧判定部に相当)、第3閾値より大きい場合(S58:YES)、ステップS67に処理を移す。
一方、算出したOCVの差分又は最大偏差が第3閾値より大きくない場合(S58:NO)、CPUは、算出したOCVの最小値が第4閾値より小さいか否かを判定し(S59:開放電圧判定部に相当)、第4閾値より小さい場合(S59:YES)、即ち、何れかの単位電池51のOCVが十分に高くない場合、ステップS67に処理を移す。
一方、算出したOCVの最小値が第4閾値より小さくない場合(S59:NO)、CPUは、各単位電池51の内部抵抗の最大値と最小値又は平均値を算出し(S61)、算出した最大値と最小値の差分又は最大偏差を算出する(S62)。次いで、CPUは、算出した差分又は最大偏差が第5閾値より大きいか否かを判定し(S63:内部抵抗判定部に相当)、第5閾値より大きい場合(S63:YES)、ステップS67に処理を移す。
一方、算出した内部抵抗の差分又は最大偏差が第5閾値より大きくない場合(S63:NO)、CPUは、各単位電池51の内部抵抗を最小値で正規化し(S64)、正規化した値の最大値を算出する(S65)。次いで、CPUは、算出した最大値が第6閾値を上回るか否かを判定し(S66:内部抵抗判定部に相当)、第6閾値を上回る場合(S66:YES)、ステップS67に処理を移す。
一方、算出した最大値が第6閾値を上回らない場合(S66:NO)、CPUは、図11及び13に示す充電エネルギーの移動処理を起動せずに、図14の処理を終了する。これに対し、ステップS52,S55,S58,S59,S63,S66から処理が移されたステップS67にて、CPUは、図11及び13に示す充電エネルギーの移動処理を起動して、図14の処理を終了する。
なお、ステップS64からS66では、各単位電池51の内部抵抗を最大値で正規化し、正規化した値の最小値を算出し、算出した最小値が第6閾値を下回るか否かを判定し、下回る場合にステップS67に処理を移すようにしてもよい。このような正規化は、最小値又は最大値以外の値で行ってもよい。
以上のように本実施形態3によれば、各単位電池51の充電率(SOC)の最小値が第1閾値より小さい場合、又は充電率のばらつき幅若しくは充電率の平均値に対する最大の偏差が第2閾値より大きい場合に充電量の調整を行う。従って、充電率の調整による効果が顕著ではない場合に不要な調整を保留することができる。
また、実施形態3によれば、各単位電池51の開放電圧(OCV)のばらつき幅若しくは開放電圧の平均値に対する最大の偏差が第3閾値より大きい場合、又は開放電圧の最小値が第4閾値より小さい場合に充電量の調整を行う。従って、充電率の調整による効果が顕著ではない場合に不要な調整を保留することができる。
更に、実施形態3によれば、各単位電池51の内部抵抗のばらつき幅若しくは内部抵抗の平均値に対する最大の偏差が第5閾値より大きい場合、又は内部抵抗を最小値で正規化した値の最大値が第6閾値を上回るか、若しくは内部抵抗を最大値で正規化した値の最小値が第6閾値を下回る場合に充電量の調整を行う。従って、充電率の調整による効果が顕著ではない場合に不要な調整を保留することができる。
100 充電量調整装置
200 電池装置
10 制御部
11 充電率算出部
12 内部抵抗算出部
13 開放電圧算出部
14 負荷電圧算出部
15 移動指令部
21 ROM
22 RAM
23 タイマ
32 電圧取得部
33 電流取得部
34 温度取得部
35 SPIコントローラ
36 充電量調整回路
360 制御回路
361、362、・・366 充放電回路
50 組電池
51 単位電池(二次電池)
52 電圧センサ
53 電流センサ
54 温度センサ
Q1P、Q2P、・・Q5P、Q6P 一次側トランジスタ
Q1S、Q2S、・・Q5S、Q6S 二次側トランジスタ
R1P、R2P、・・R5P、R6P 一次側抵抗
R1S、R2S、・・R5S、R6S 二次側抵抗
T1、T2、・・T5、T6 トランス

Claims (10)

  1. 単一の又は複数並列に接続された二次電池を含む単位電池が複数直列に接続された組電池の充電量を調整する充電量調整装置であって、
    各単位電池の電圧を取得する電圧取得部と、
    前記組電池の充放電電流を取得する電流取得部と、
    前記電圧取得部で取得した電圧、及び前記電流取得部で取得した充放電電流に基づいて各単位電池の充電率を算出する充電率算出部と、
    該充電率算出部で算出した充電率に基づいて各単位電池の開放電圧を算出する開放電圧算出部と、
    前記電圧取得部で取得した電圧、及び前記電流取得部で取得した充放電電流に基づいて各単位電池の内部抵抗を算出する内部抵抗算出部と、
    前記開放電圧算出部で算出した開放電圧から、前記内部抵抗算出部で算出した内部抵抗に所定の負荷電流を乗じた結果を減じることにより、各単位電池の負荷電圧を算出する負荷電圧算出部と、
    該負荷電圧算出部で算出した負荷電圧が最も低い単位電池に他の単位電池から所定の充電エネルギーを移動させる移動部と
    を備える充電量調整装置。
  2. 前記他の単位電池は、前記負荷電圧算出部で算出した負荷電圧が最も高い単位電池を含む請求項1に記載の充電量調整装置。
  3. 前記移動部は、第1周期毎に所定の充電エネルギーを移動させ、
    前記負荷電圧算出部は、前記第1周期より長い第2周期毎に負荷電圧を算出する
    請求項1又は2に記載の充電量調整装置。
  4. 前記負荷電流は、前記負荷電圧算出部で算出される負荷電圧が前記単位電池の放電を終止すべき放電終止電圧より高くなるように特定される請求項1から3の何れか1項に記載の充電量調整装置。
  5. 前記充電率算出部で算出した充電率の何れかが第1閾値より小さいか否か、又は前記充電率算出部で算出した充電率の最大値と最小値の差分若しくは充電率の偏差の最大値が第2閾値より大きいか否かを判定する充電率判定部を更に備え、
    前記移動部は、前記充電率判定部が第1閾値より小さいと判定するか、又は第2閾値より大きいと判定した場合、前記充電エネルギーを移動させる請求項1から4の何れか1項に記載の充電量調整装置。
  6. 前記開放電圧算出部で算出した開放電圧の最大値と最小値の差分若しくは開放電圧の偏差の最大値が第3閾値より大きいか否か、又は前記開放電圧算出部で算出した開放電圧の何れかが第4閾値より小さいか否かを判定する開放電圧判定部を更に備え、
    前記移動部は、前記開放電圧判定部が第3閾値より大きいと判定するか、又は第4閾値より小さいと判定した場合、前記充電エネルギーを移動させる請求項1から5の何れか1項に記載の充電量調整装置。
  7. 前記内部抵抗算出部で算出した内部抵抗の最大値と最小値の差分若しくは内部抵抗の偏差の最大値が第5閾値より大きいか否か、又は前記内部抵抗算出部で算出した内部抵抗を正規化した値の何れかが第6閾値を越えるか否かを判定する内部抵抗判定部を更に備え、
    前記移動部は、前記内部抵抗判定部が第5閾値より大きいと判定するか、又は第6閾値を越えると判定した場合、前記充電エネルギーを移動させる請求項1から6の何れか1項に記載の充電量調整装置。
  8. 請求項1から7の何れか1項に記載の充電量調整装置と、
    該充電量調整装置によって複数直列に接続された単位電池の充電量が調整される組電池と、
    前記単位電池の電圧を各別に検出する電圧センサと、
    前記組電池の充放電電流を検出する電流センサと
    を備える電池装置。
  9. 単一の又は複数並列に接続された二次電池を含む単位電池が複数直列に接続された組電池の充電量を調整する方法であって、
    各単位電池の電圧を取得し、
    前記組電池の充放電電流を取得し、
    取得した電圧及び充放電電流に基づいて各単位電池の充電率を算出し、
    算出した充電率に基づいて各単位電池の開放電圧を算出し、
    取得した電圧及び充放電電流に基づいて各単位電池の内部抵抗を算出し、
    算出した開放電圧から、算出した内部抵抗に所定の負荷電流を乗じた結果を減じることにより、各単位電池の負荷電圧を算出し、
    算出した負荷電圧が最も低い単位電池に他の単位電池から所定の充電エネルギーを移動させる
    充電量調整方法。
  10. コンピュータに、単一の又は複数並列に接続された二次電池を含む単位電池が複数直列に接続された組電池の充電量を調整させるためのコンピュータプログラムであって、
    コンピュータに、
    各単位電池の電圧を取得するステップと、
    前記組電池の充放電電流を取得するステップと、
    取得した電圧及び充放電電流に基づいて各単位電池の充電率を算出するステップと、
    算出した充電率に基づいて各単位電池の開放電圧を算出するステップと、
    取得した電圧及び充放電電流に基づいて各単位電池の内部抵抗を算出するステップと、
    算出した開放電圧から、算出した内部抵抗に所定の負荷電流を乗じた結果を減じることにより、各単位電池の負荷電圧を算出するステップと、
    算出した負荷電圧が最も低い単位電池に他の単位電池から所定の充電エネルギーを移動させる指令を行うステップと
    を実行させるコンピュータプログラム。
JP2017182882A 2017-09-22 2017-09-22 充電量調整装置、電池装置、充電量調整方法及びコンピュータプログラム Pending JP2019058050A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017182882A JP2019058050A (ja) 2017-09-22 2017-09-22 充電量調整装置、電池装置、充電量調整方法及びコンピュータプログラム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017182882A JP2019058050A (ja) 2017-09-22 2017-09-22 充電量調整装置、電池装置、充電量調整方法及びコンピュータプログラム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2019058050A true JP2019058050A (ja) 2019-04-11

Family

ID=66107850

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017182882A Pending JP2019058050A (ja) 2017-09-22 2017-09-22 充電量調整装置、電池装置、充電量調整方法及びコンピュータプログラム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2019058050A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7317247B1 (ja) 2022-06-10 2023-07-28 三菱電機株式会社 並列電池管理装置および並列電池制御システム

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7317247B1 (ja) 2022-06-10 2023-07-28 三菱電機株式会社 並列電池管理装置および並列電池制御システム

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI762522B (zh) 控制裝置、平衡校正裝置及蓄電系統
CN103872398B (zh) 充电电池的充电方法及其相关的充电结构
US8228042B2 (en) Battery pack charging method
JP6113145B2 (ja) バランス補正装置及び蓄電システム
JP2017125813A (ja) 蓄電素子管理装置、蓄電素子モジュール、車両および蓄電素子管理方法
US11196271B2 (en) Full-charge-capacity estimating device for power supply device
KR101702824B1 (ko) 축전 소자의 충전 방법 및 축전 장치
US20220060029A1 (en) Battery Control Device and Battery System
JP2014068468A (ja) 充電制御装置
US20200136196A1 (en) Power supply system
JP2015070653A (ja) 電池電圧均等化制御装置及び方法
JP5477366B2 (ja) 電池充電量制御装置および方法
JP3702575B2 (ja) 組電池の充放電制御装置
US10749363B2 (en) Semiconductor device, battery system, and battery control method
JP5561268B2 (ja) 電池充電量制御装置および方法
WO2013084663A1 (ja) 電池充電量制御装置および方法
JP2019058050A (ja) 充電量調整装置、電池装置、充電量調整方法及びコンピュータプログラム
CN117543756A (zh) 电池的充放电方法、装置、电子设备及介质
JP2019041497A (ja) 電源管理装置
JP2015177615A (ja) 電池電圧均等化装置及び方法
JP2012228047A (ja) 組電池の容量調節回路
JP6559463B2 (ja) 充電制御装置、充電制御方法、およびバッテリーパック
JP6763195B2 (ja) 充電率推定装置
JP5673470B2 (ja) 充電装置
JP2017200312A (ja) キャパシタセルの制御装置及び制御方法並びにバッテリーセルの制御装置及び制御方法

Legal Events

Date Code Title Description
RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20191108

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20191223