JP2019058047A - 永久磁石 - Google Patents
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Abstract
【課題】回転電機への組付けの複雑化やトルクの減少を伴うことなく永久磁石の表面に流れる渦電流を減少させる。【解決手段】回転電機用の永久磁石1は、一対の磁極面10の内、少なくとも一方の磁極面10の複数箇所にスリット2が形成され、スリット2の幅であるスリット幅Wは、スリット2の磁極面10からの深さであるスリット深さDよりも小さい。【選択図】図3
Description
本発明は、回転電機用の永久磁石に関する。
永久磁石を用いた回転電機の損失として、渦電流損が知られている。渦電流は、エアギャップにおける高調波磁束の影響によって磁石の表面に流れる。近年、利用が拡大している希土類磁石は、フェライト磁石に比べて導電率が高いために、渦電流も流れ易い。渦電流が流れることによって磁石が発熱すると、磁石の減磁を招く可能性があるため、渦電流を抑制することが求められる。例えば、軸方向において永久磁石を複数に分割して、1つの永久磁石の表面を流れる渦電流の電流ループを小さくする場合がある。また、特開2004−260951号公報には、永久磁石の表面に、軸方向に延びる複数本の溝を設けて永久磁石の表面を区切り、永久磁石の表面を流れる渦電流の大きな電流ループを遮断することによって渦電流を抑制することが開示されている。
しかし、永久磁石を軸方向に分割すると部品点数が増加し、組付けが複雑化してしまう。また、永久磁石の表面に大きな溝を形成すると、溝の分だけ磁石材料の量が減少し、磁力が低下して回転電機のトルクも低下する。トルクを維持するために永久磁石を軸方向に長くすると回転電機が大型化してしまう。
上記背景に鑑みて、回転電機への組付けの複雑化やトルクの減少を伴うことなく永久磁石の表面に流れる渦電流を減少させることが望まれる。
上記に鑑みた回転電機用の永久磁石は、一対の磁極面の内、少なくとも一方の磁極面の複数箇所にスリットが形成され、当該スリットの幅であるスリット幅は、当該スリットの当該磁極面からの深さであるスリット深さよりも小さい。
永久磁石の磁極面に狭幅のスリットを設けることによって、永久磁石の磁極面を流れる渦電流の電流ループを遮断して、渦電流を抑制することができる。永久磁石が複数に分割されることなく、スリットを設けることで電流ループが遮断されるので、部品点数が増加して組付けが複雑化することも抑制される。スリットは、そのスリット幅がスリット深さよりも小さく、狭幅である。従って、スリットを設けることによる磁石表面積の減少が抑制され、磁力の低下も抑制されて、回転電機のトルクの低下も抑制される。即ち、本構成によれば、回転電機への組付けの複雑化やトルクの減少を伴うことなく永久磁石の表面に流れる渦電流を減少させることができる。
回転電機用の永久磁石のさらなる特徴と利点は、図面を参照して説明する実施形態についての以下の記載から明確となる。
以下、ロータに永久磁石が埋め込まれた埋込磁石型回転電機を例として、回転電機用の永久磁石の実施形態を図面に基づいて説明する。図1及び図2は、永久磁石型の回転電機8の一例を示す軸直交部分断面図である。ここでは、ロータ81に用いられる永久磁石1を例として説明するが、永久磁石1はステータ83に用いられるものであってもよい。以下、回転軸に沿った方向を軸方向L、回転方向に沿った方向を周方向C、回転軸を中心とした径に沿った方向を径方向Rと称して説明する。
ここでは、ステータ83の径方向内側に間隙88(エアギャップ)を介してロータ81が配置されたインナーロータ型の回転電機8を例示する。永久磁石1は、例えば図1に示すように、一方の磁極面10(第1磁極面11)が周方向Cに沿うように、周方向Cに並べて配置される。つまり、第1磁極面11は径方向外側(間隙88の側)を向いており、他方の磁極面10である第2磁極面12は径方向内側を向いている。非磁極面13は、第1磁極面11と第2磁極面12とをつないでいる。
また、永久磁石1は、例えば図2に示すように、2つの永久磁石1が間隙88の側に開いたV字型となるように配置される形態であってもよい。この場合、当該2つの永久磁石1によって1つの磁極が形成される。この場合も、相対的に径方向外側を向いている磁極面10を第1磁極面11と称し、相対的に径方向内側を向いている磁極面10を第2磁極面12と称する。この場合、第1磁極面11と第2磁極面12とをつなぐ非磁極面13も、相対的に径方向外側(間隙88の側)を向いた第1非磁極面14と、径方向内側を向いた第2非磁極面15とに区別することができる。
詳細については、図3以下を参照して後述するが、永久磁石1には、一対の磁極面10の内、少なくとも一方の磁極面10の複数箇所にスリット2が形成されている。図1及び図2には、第1磁極面11の複数箇所に、軸方向Lに沿って延びるように複数本のスリット2が形成されている形態を模式的に示している。これらのスリット2は、永久磁石1を流れる渦電流を低減するために設けられている。
永久磁石1を用いた回転電機8の損失として、渦電流損が知られている。渦電流は、間隙88における高調波磁束の影響によって磁石の表面に流れる。渦電流が流れることによって磁石が発熱すると、磁石の減磁を招く可能性がある。このようなスリット2を設けることによって、渦電流のループを遮断して、渦電流を抑制することができる。多くのスリット2が形成される方が、渦電流のループが多数の箇所で遮断されるために、渦電流の抑制効果が高くなる。しかし、スリット2を多く形成すると、その分磁力も減少するため、抑制した渦電流の値に応じて適切にスリット2を設けることが好適である。
尚、スリット2は、ステータ83とロータ81との間隙88の側を向いた磁極面10、即ち第1磁極面11に少なくとも形成されていると好適である。渦電流は、磁界の高調波成分によって発生するが、磁界の高調波成分はロータ81とステータ83との間隙88に近い側に与える影響が大きい。つまり、渦電流は、間隙88の側に多く発生するので、スリット2は少なくとも間隙88の側の第1磁極面11に設けられることが好ましい。もちろん、第1磁極面11及び第2磁極面12の両方にスリット2が設けられてもよい。
また、図2に示すように、例えば2つの永久磁石1が径方向外側に開いたV字型に形成される場合には、スリット2は、一対の磁極面10をつなぐ非磁極面13の内、少なくとも間隙88の側を向いた面(第1非磁極面14)にも形成されていると好適である。上述したように、渦電流は、間隙88の側に多く発生するので、スリット2は間隙88の側に設けられることが好ましい。第1磁極面11だけではなく、間隙88の側を向いた第1非磁極面14にもスリット2が形成されることによって、適切に渦電流が抑制される。
図3の斜視図は、スリット2が形成された永久磁石1の一例を模式的に示している。図3に示すように、スリット2の幅であるスリット幅Wは、磁極面10からのスリット2の深さであるスリット深さDよりも小さい。スリット2を設けるとその分、磁性体材料が少なくなり、磁力が弱くなって回転電機8のトルクを低下させる可能性があるが、スリット幅Wを狭くすることによって、磁性体材料が減少することを抑制することができる。例えば、スリット幅Wは、スリット2の対向面が接触しない程度の極小幅であると好適である。スリット幅Wが狭いほど、スリット2を設けることによる磁力の低下を抑制することができる。
尚、スリット深さDは、第1磁極面11と第2磁極面12との間の距離Tの1/2よりも長いと好適である。当然ながら、スリット深さDは、“T/2”以下であってもよいが、“T/2”より大きくすることによって、渦電流をより適切に遮断することができる。スリット深さDが浅い場合には、スリット2の底部を通って電流が流れる可能性もある。距離Tに対して充分なスリット深さDを有することによって、適切に渦電流を遮断することができる。
また、スリット深さDは、対策を要する磁束の高調波成分の周波数(f)が特定できる場合には、下記式(1)で規定される浸透深さδ以上の値に設定すると好適である。式(1)において、σは導電率、μは透磁率、ωは角周波数(=2πf)である。
尚、図6等を参照して後述するように、スリット2は、非磁極面13にも形成される場合がある。上述した距離Tは、第1磁極面11と第2磁極面12との間の距離に限らず、第1非磁極面14と第2非磁極面15との間の距離であってもよい。つまり、距離Tは、第1磁極面11及び第1非磁極面14を第1面とし、第2磁極面12及び第2非磁極面15を第2面として、第1面と第2面との間の距離とすることができる。第1面と第2面とは、互いに反対方向を向く面であり、図1〜図3に例示するように、スリット2は、第1面と第2面との少なくとも一方に形成されている。
永久磁石1には、磁性体材料の粉末を樹脂等のバインダと混ぜ合わせて、成型固化して製造されるボンド磁石や、磁性体材料の粉末を高温で焼き固めた焼結磁石等がある。ボンド磁石の場合には、成形後の後加工や、押し出し成形時の熱間加工によってスリット2を形成することができる。焼結磁石の場合には、ワイヤカットなどによる後加工によってスリット2が形成される。
このようにして形成されるスリット2は直線状に形成されていると好適である。スリット2が直線状であると、後加工であっても、成形時であっても容易にスリットを設けることができる。また、複数本の前記スリット2が平行状であると好適である。複数本のスリット2が平行状であると、同様に、後加工であっても、成形時であっても容易にスリットを設けることができる。また、渦電流のループを多くの箇所で遮断することができ、渦電流を適切に低減させることができる。
図3に示すように、スリット2は、磁極面10を分断するように、磁極面10の一端から他端まで連続して形成されていると好適である。スリット2が磁極面10の両端に形成されていない場合、当該両端を通って大きな渦電流のループが形成される可能性がある。スリット2が磁極面10の一端から他端まで連続して形成されることによって、磁極面10を分断して適切に渦電流のループを遮断することができる。但し、磁極面10の一端から他端まで連続してスリット2が形成されていなくても、図4や図5に例示するように交互に一端側と他端側とに達するようにスリット2形成されることによっても、大きな渦電流のループを遮断することが可能である。
図3から図5に示すように、磁極面10が長方形状の場合、スリット2は、磁極面10に直交する方向視で、磁極面10の長辺LSに平行な成分(長辺成分d1)が、短辺SSに平行な成分(短辺成分d2)よりも大きくなるように形成されていると好適である。尚、図5の例における短辺成分d2はゼロである。図3には、長辺成分d1及び短辺成分d2を示していないが、図5と同様に短辺成分d2はゼロである。スリット2の長辺成分d1が短辺成分d2よりも大きいと、スリット2に沿って導かれる電流の経路が長くなり、渦電流を適切に遮断することができる。
尚、図3には、磁極面10が長方形状であって、スリット2が、磁極面10を分断するように、磁極面10の一方の長辺LSの側の端部からその対辺である長辺LSの端部まで連続して形成されている形態を例示した。しかし、スリット2が、磁極面10を分断するように、磁極面10の一端から他端まで連続して形成されている形態には、対辺同士を結ぶ形態に限定されるものではない。例えば、隣り合う辺の一方を一端とし、他方を他端として連続して形成されてもよい。例えば、図4に示す例において、スリット2が隣り合う2辺の間及び対辺の間を結ぶように連続して形成されていてもよい。
スリット2は、図6に示すように、非磁極面13の少なくとも1つの面に一対の磁極面10をつなぐ方向に延びるように形成されていてもよい。非磁極面13にスリット2を設けることで、磁極面10に設けるスリット2を減らしても、渦電流を適切に抑制することができる。磁極面10のスリット2を少なくする分、永久磁石1の磁力の低下を抑え、渦電流を抑制することができる。
尚、一方の磁極面10(例えば第1磁極面11)と他方の磁極面10(例えば第2磁極面12)をつないで、非磁極面13にスリット2が形成されると、深さ方向(スリット深さD2)へ延伸するスリット2が磁極面10にも現れる。従って、図3に示すように磁極面10を分断するようにスリット2が形成されていなくても、或いは図4や図5に示すように磁極面10の1つの周縁に達するようにスリット2が形成されていなくても、非磁極面13に形成されるスリット2の一部が磁極面10にも現れる。従って、磁極面10にもスリット2が形成されていることになる。
図3から図5を参照して例示した形態では、スリット2は、互いに反対方向を向く第1面(第1磁極面11又は第1非磁極面14)と第2面(第2磁極面12又は第2非磁極面15)との何れか一方に形成されている形態を例示した。しかし、スリット2は、第1面と第2面と双方に形成されていてもよい。ここで、スリット深さDが、互いに反対方向を向く第1面(第1磁極面11又は第1非磁極面14)と第2面(第2磁極面12又は第2非磁極面15)との間の距離Tの1/2よりも長く、スリット2が、第1面及び第2面の双方に形成される場合、第1面又は第2面に直交する方向視で、第1面に形成された前記スリット2(第1面側スリット21)と第2面に形成されたスリット2(第2面側スリット22)とが重複していないと好適である。
図7の部分斜視図は、第1磁極面11に形成される第1面側スリット21及び第2磁極面12に形成される第2面側スリット22の一例を模式的に示している。図8の平面図は、第1磁極面11に形成される第1面側スリット21及び第2磁極面12に形成される第2面側スリット22の一例を磁極面10に直交する方向視で模式的に示している。このように、第1面側スリット21と第2面側スリット22とが磁極面に直交する方向視で平行状である場合に、同方向視で第1面側スリット21と第2面側スリット22とが重複すると、永久磁石1が分割されてしまったり、強度が大きく低下したりする可能性がある。第1面側スリット21と第2面側スリット22とが重複しないようにすることによって、渦電流の抑制に充分なスリット幅Wを与えると共に永久磁石1が分割されることを防ぎ、強度の低下も抑制することができる。
尚、この重複には、第1面に形成されたスリット2(第1面側スリット21)と第2面に形成されたスリット2(第2面側スリット22)とが交差する点は含まない。図9の平面図は、図8と同様に、第1磁極面11に形成される第1面側スリット21及び第2磁極面12に形成される第2面側スリット22の一例を磁極面10に直交する方向視で模式的に示している。このように、第1面側スリット21と第2面側スリット22とが磁極面に直交する方向視で平行状ではなく、90°前後の角度で(概ね45°〜135°程度の角度で)交差するような関係にある場合、第1面側スリット21と第2面側スリット22とが交差する点は、「重複」には含まない。同方向視で第1面側スリット21と第2面側スリット22とが交差しても、永久磁石1が分割されてしまうことはなく、強度が大きく低下する可能性も低い。
以上説明したように永久磁石1にスリット2を設けることによって、回転電機8への組付けの複雑化やトルクの減少を伴うことなく永久磁石1の表面に流れる渦電流を抑制することができる。尚、上記の説明では、直線状のスリット2を例示したが、当然ながらスリット2が曲線状に形成されていることを妨げるものではない。当然ながら、曲線状のスリット2が互いに平行に形成されていてもよい。
〔実施形態の概要〕
以下、上記において説明した永久磁石(1)の概要について簡単に説明する。
以下、上記において説明した永久磁石(1)の概要について簡単に説明する。
1つの態様として、回転電機用の永久磁石(1)は、一対の磁極面(10(11,12))の内、少なくとも一方の磁極面(10)の複数箇所にスリット(2)が形成され、当該スリット(2)の幅であるスリット幅(W)は、当該スリット(2)の当該磁極面(10)からの深さであるスリット深さ(D)よりも小さい。
永久磁石(1)の磁極面(10)に狭幅のスリット(2)を設けることによって、永久磁石(1)の磁極面(10)を流れる渦電流の電流ループを遮断して、渦電流を抑制することができる。永久磁石(1)が複数に分割されることなく、スリット(2)を設けることで電流ループが遮断されるので、部品点数が増加して組付けが複雑化することも抑制される。スリット(2)は、そのスリット幅(W)がスリット深さ(D)よりも小さく、狭幅である。従って、スリット(2)を設けることによる磁石表面積の減少が抑制され、磁力の低下も抑制されて、回転電機(8)のトルクの低下も抑制される。即ち、本構成によれば、回転電機(8)への組付けの複雑化やトルクの減少を伴うことなく永久磁石の表面(1)に流れる渦電流を減少させることができる。
ここで、前記磁極面(10)が長方形状の場合、前記スリット(2)は、前記磁極面(10)に直交する方向視で、前記磁極面(10)の長辺(LS)に平行な成分(d1)が、短辺(SS)に平行な成分(d2)よりも大きくなるように形成されていると好適である。
スリット(2)の長辺(LS)に平行な成分(d1)が短辺(SS)に平行な成分(d2)よりも大きいと、スリット(2)に沿って導かれる電流の経路が長くなり、渦電流を適切に減少させることができる。
また、前記スリット(2)は、前記磁極面(10)を分断するように、前記磁極面(10)の一端から他端まで連続して形成されていると好適である。
スリット(2)が磁極面(10)の両端に存在していない場合、両端を通って大きな渦電流のループが形成される可能性がある。スリット(2)が磁極面(10)の一端から他端まで連続して形成されることによって、磁極面(10)を分断して適切に渦電流を減少させることができる。
また、前記スリット(2)は、非磁極面(13)の少なくとも1つの面に前記一対の磁極面(10)をつなぐ方向に延びるように形成されていると好適である。
非磁極面(13)にスリット(2)を設けることで、磁極面(10)に設けるスリット(2)を減らしても、渦電流を適切に抑制することができる場合がある。磁極面(10)のスリット(2)を少なくする分、永久磁石(1)の磁力の低下を抑え、渦電流も減少させることができる。
また、前記スリット(2)は直線状に形成されていると好適である。
スリット(2)が直線状であると、例えば後加工によって永久磁石(1)にスリット(2)を形成する場合であっても、押し出し成形等によって永久磁石(1)と共にスリット(2)を形成する場合であっても容易にスリット(2)を形成することができる。
また、複数本の前記スリット(2)は平行状であると好適である。
複数本のスリット(2)が平行状であると、例えば後加工によって永久磁石(1)にスリット(2)を形成する場合であっても、押し出し成形等によって永久磁石(1)と共にスリット(2)を形成する場合であっても容易にスリット(2)を形成することができる。また、渦電流のループを多くの箇所で遮断することができ、渦電流を適切に低減させることができる。
また、前記スリット(2)は、互いに反対方向を向く第1面(11,14)と第2面(12,15)との少なくとも一方に形成されており、当該スリット(2)の前記スリット深さ(D)は、前記第1面(11,14)と前記第2面(12,15)との間の距離(T)の1/2よりも長いと好適である。
スリット深さ(D)が浅い場合には、スリット(2)の底部を通って電流が流れる可能性がある。永久磁石(1)の第1面(11,14)と第2面(12,15)との間の距離(T)に対して充分なスリット深さ(D)を有することによって、適切に渦電流を遮断することができる。
前記スリット深さ(D)が、互いに反対方向を向く第1面(11,14)と第2面(12,15)との間の距離(T)の1/2よりも長く、前記スリット(2)が、前記第1面(11,14)及び前記第2面(12,15)の双方に形成される場合、前記第1面(11,14)又は前記第2面(12,15)に直交する方向視で、前記第1面(11,14)に形成された前記スリット(2(21))と前記第2面(12,15)に形成された前記スリット(22(2))とが重複していないと好適である。尚、この重複には、第1面(11,14)に形成されたスリット(2(21))と第2面(12,15)に形成されたスリット(22(2))とが同方向視において交差する点は含まない。
スリット(2)が重複すると永久磁石(1)が分割されてしまったり、強度が大きく低下したりする可能性がある。第1面(11,14)に形成されたスリット(2(21))と第2面(12,15)に形成されたスリット(22(2))とが重複しないようにすることによって、永久磁石(1)が分割されることを防ぎ、強度の低下も抑制することができる。
また、永久磁石(1)が、前記回転電機(8)のステータ(83)又はロータ(81)に備えられる場合、前記スリット(2)は、前記ステータ(83)と前記ロータ(81)との間隙(88)の側を向いた前記磁極面(11)に少なくとも形成されていると好適である。
渦電流は、磁束の高調波成分によって発生するが、磁束の高調波成分はロータ(81)とステータ(83)との間隙(88)に近い側に与える影響が大きい。つまり、渦電流は、間隙(88)の側に多く発生するので、スリット(2)は間隙(88)の側に設けられることが好ましい。
永久磁石(1)が、前記回転電機(8)のステータ(83)又はロータ(81)に備えられる場合、前記スリット(2)は、前記一対の磁極面(10)をつなぐ非磁極面(13)の内、少なくとも前記ステータ(83)と前記ロータ(81)との間隙(88)の側を向いた面(14)にも形成されていると好適である。
上述したように、渦電流は、間隙(88)の側に多く発生するので、スリット(2)は間隙(88)の側に設けられることが好ましい。永久磁石(1)は、ロータ(81)やステータ(83)のコアの周方向(C)に沿うように配置される形態や、例えば2つの永久磁石(1)が間隙(88)の側に開いたV字型となるように配置される形態など、種々の形態でコアに配置される。例えば、2つの永久磁石(1)が間隙(88)の側に開いたV字型となるように配置される場合、磁極面(10)だけではなく、非磁極面(13)も間隙(88)の側を向くことになる。このような場合には、当該非磁極面(13)にもスリット(2)が形成されることによって、適切に渦電流が抑制される。
1 :永久磁石
2 :スリット
8 :回転電機
10 :磁極面
11 :第1磁極面
12 :第2磁極面
13 :非磁極面
14 :第1非磁極面
15 :第2非磁極面
21 :第1面側スリット
22 :第2面側スリット
81 :ロータ
83 :ステータ
88 :間隙
D :スリット深さ
LS :長辺
SS :短辺
T :距離
W :スリット幅
d1 :長辺成分
d2 :短辺成分
2 :スリット
8 :回転電機
10 :磁極面
11 :第1磁極面
12 :第2磁極面
13 :非磁極面
14 :第1非磁極面
15 :第2非磁極面
21 :第1面側スリット
22 :第2面側スリット
81 :ロータ
83 :ステータ
88 :間隙
D :スリット深さ
LS :長辺
SS :短辺
T :距離
W :スリット幅
d1 :長辺成分
d2 :短辺成分
Claims (10)
- 回転電機用の永久磁石であって、
一対の磁極面の内、少なくとも一方の磁極面の複数箇所にスリットが形成され、当該スリットの幅であるスリット幅は、当該スリットの当該磁極面からの深さであるスリット深さよりも小さい永久磁石。 - 前記磁極面が長方形状の場合、前記スリットは、前記磁極面に直交する方向視で、前記磁極面の長辺に平行な成分が、短辺に平行な成分よりも大きくなるように形成されている請求項1に記載の永久磁石。
- 前記スリットは、前記磁極面を分断するように、前記磁極面の一端から他端まで連続して形成されている請求項1又は2に記載の永久磁石。
- 前記スリットは、非磁極面の少なくとも1つの面に前記一対の磁極面をつなぐ方向に延びるように形成されている請求項1から3の何れか一項に記載の永久磁石。
- 前記スリットは直線状に形成されている請求項1から4の何れか一項に記載の永久磁石。
- 複数本の前記スリットは平行状である請求項1から5の何れか一項に記載の永久磁石。
- 前記スリットは、互いに反対方向を向く第1面と第2面との少なくとも一方に形成されており、当該スリットの前記スリット深さは、前記第1面と前記第2面との間の距離の1/2よりも長い請求項1から6の何れか一項に記載の永久磁石。
- 前記スリットは、前記第1面及び前記第2面の双方に形成され、前記第1面又は前記第2面に直交する方向視で、前記第1面に形成された前記スリットと前記第2面に形成された前記スリットとが重複していない請求項7に記載の永久磁石。
- 前記回転電機のステータ又はロータに備えられ、
前記スリットは、前記ステータと前記ロータとの間隙の側を向いた前記磁極面に少なくとも形成されている請求項1から8の何れか一項に記載の永久磁石。 - 前記スリットは、前記一対の磁極面をつなぐ非磁極面の内、少なくとも前記ステータと前記ロータとの間隙の側を向いた面にも形成されている請求項9に記載の永久磁石。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2022237809A1 (zh) * | 2021-05-11 | 2022-11-17 | 烟台东星磁性材料股份有限公司 | 用于永磁电机的低涡流损耗的永磁体以及永磁电机 |
-
2017
- 2017-09-22 JP JP2017182862A patent/JP2019058047A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2022237809A1 (zh) * | 2021-05-11 | 2022-11-17 | 烟台东星磁性材料股份有限公司 | 用于永磁电机的低涡流损耗的永磁体以及永磁电机 |
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