JP2019057644A - コイルユニット - Google Patents
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Abstract
【課題】本明細書は、コイルの側面とケース内面との間に圧縮された状態の伝熱シートが挟まれているコイルユニットに関し、製造が容易な構造を提供する。【解決手段】本明細書が開示するコイルユニット2は、四角柱状のコイル5が直方体の内部空間SPを有するケース10に収容されている。ケース10は、コイル5の捲回軸線に平行な4個の内面のうち、少なくとも一対の対向面の夫々とコイル5の側面との間に伝熱シート7が圧縮状態で挟まれている。ケース10は、コイル5の捲回軸線と平行な4個の内面のうち、隣接する2個の内面(上内面31aと右内面33a)を有する上ケース3と、残りの2個の内面(下内面32aと左内面34a)を有する下ケース4に分割されている。上ケース3を下ケース4に組み合わせると、伝熱シート7が圧縮される。【選択図】図1
Description
本明細書が開示する技術は、四角柱状のコイルが直方体の内部空間を有するケースに収容されているコイルユニットに関する。
四角柱状のコイルが直方体の内部空間を有するケースに収容されているコイルユニットが知られている。そのようなコイルユニットの一例が特許文献1に開示されている。特許文献1のコイルユニットのコイルは、リアクトルとして使われる。特許文献1のコイルユニットでは、コイルの熱を外部に放出するため、ケースの6個の内面のうち、コイルの捲回軸線に平行な4個の側面の夫々とコイルの側面との間に放熱シート(伝熱シート)が挟まれている。ケースは、内部空間を画定する6個の内面のうち5個の内面を構成するケース本体と、残りの1個の内面を構成するカバーに分かれている。
伝熱シートは圧縮された状態でコイルの側面とケースの内面との間に挟まれていることが好ましい。伝熱シートは圧縮されている方が非圧縮の状態よりも伝熱性が高いからである。特許文献1のケースの場合、対向する内面がケース本体に設けられている。それゆえ、コイルをケース本体に収容してから、圧縮した状態に保持された伝熱シートをケース内面とコイル側面の間に挿入するか、あるいは、コイルの側面に伝熱シートを押し当てて圧縮させた状態でケース本体に収容する必要がある。いずれにしても、ケース本体に収容する前の伝熱シートを圧縮状態に保持する治具が必要となる。あるいは、ケース本体に収容されたコイルとケース内面との間に伝熱シートを無理に挿入しようとすると、伝熱シートが傷むおそれがある。本明細書は、コイルの側面とケース内面との間に圧縮された状態の伝熱シートが挟まれているコイルユニットに関し、製造が容易な構造を提供する。
本明細書が開示するコイルユニットの一態様では、四角柱状のコイルが直方体の内部空間を有するケースに収容されている。直方体の内部空間の6個の内面のうち、コイルの捲回軸線に平行な4個の内面の夫々とコイルの側面との間に伝熱シートが圧縮状態で挟まれている。なお、後述するように、コイルの捲回軸線に平行な4個の内面のうち、少なくとも一対の対向面の夫々とコイルの側面との間に伝熱シートが圧縮状態で挟まれていればよい。また、コイルの端面とケース内面(捲回軸線に直交する内面)との間には伝熱シートは必ずしも挟まれていなくてもよい。そのケースは、捲回軸線に平行な4個の内面のうち、隣接する2個の内面を有する第1分割ケースと、残りの2個の内面を有する第2分割ケースに分割されている。このケースは、コイルを挟んで対向する平行な一対の内面の一方に当接する伝熱シートとコイルを第1分割ケースに収容し、他方の内面に当接する伝熱シートは第2分割ケースに収容し、その後に第1分割ケースと第2分割ケースを組み合わせる。第1、第2分割ケースを組み合わせる前は、伝熱シートは圧縮されている必要はない。第1、第2分割ケースを組み合わせるときに、夫々の伝熱シートが圧縮される。本明細書が開示するコイルユニットは、伝熱シートを圧縮された状態でケースに収容する工程が不要であり、製造が容易である。
本明細書が開示するコイルユニットの別の一態様では、ケースは、内部空間に面する内面であってコイルの捲回軸線に平行な4個の内面のうち、少なくとも一対の対向面の夫々とコイルの側面との間に伝熱シートが圧縮状態で挟まれていてもよい。従来のケースは、内部空間を画定する6個の内面のうち5個の内面を構成するケース本体と、残りの1個の内面を構成するカバーに分かれている。ケース本体の底面とカバーの内面とは対向する。ケース本体の底面とコイル側面との間に伝熱シートを挟むとともに、カバーの内面とコイルの別の側面との間に伝熱シートを挟む場合は、従来のケースでも簡単に一対の伝熱シートを圧縮することができる。しかしながら、ケース本体の内面のうち、対向する一対の内面の夫々とコイル側面との間に伝熱シートを挟む場合は、前述した課題を生じる。本明細書が開示するコイルユニットでは、一対の伝熱シートをケースの対向する内面の夫々とコイル側面との間に挟む場合、ケースの底面と天面に限定されずに容易に製造できる点で優れている。
本明細書が開示する技術の詳細とさらなる改良は以下の「発明を実施するための形態」にて説明する。
(第1実施例)図面を参照して第1実施例のコイルユニット2を説明する。実施例のコイルユニット2のコイルは、リアクトルとして用いられている。そのリアクトルは、例えばチョッパ型の電圧コンバータの回路部品として用いられる。
図1(A)に、コイルユニット2の正面図を示し、図1(B)に、コイルユニット2の側面図を示す。説明の便宜上、図中の座標系のZ軸正方向を「上」と定義し、Z軸負方向を「下」と定義する。X軸正方向を「前」と定義し、X軸負方向を「後」と定義する。Y軸正方向を「右」と定義し、Y軸負方向を「左」と定義する。図中の座標系のX軸の方向は、コイル5の捲回軸線の方向に相当する。
コイルユニット2は、四角柱状のコイル5とコア6がケース10に収容されているデバイスである。コア6に、コイル5が捲回されている。コイル5は、銅または銅合金の平角線をエッジワイズに捲回したものである。平角線は絶縁コーティングされており、隣接するピッチの平角線同士が短絡しないようになっている。絶縁コーディングは、エナメル、ポリイミド、ポリアミドなどの樹脂である。コア6は、金属粉末を焼結したものである。コイル5とコア6がリアクトルを構成する。図1(及び、以降の図)では、コイル5の引き出し線は図示を省略している。ケース10には、引き出し線を外部へ導くスリットが設けられているが、そのスリットも図示を省略している。
ケース10は、直方体の内部空間SPを有しており、その内部空間SPに四角柱形状のコイル5とコア6が収容されている。ケース10は、上ケース3と下ケース4に分割されており、ボルト8a、8bで両者は連結されている。図1の符号PLが示す実線が、上ケース3と下ケース4の分割線(パーティングライン)を示している。図1に示されているように、分割線PLは、ケース10をコイル5の捲回軸線方向(X方向)からみたときに、概ね、直方体の内部空間SPの対角線に沿っている。
ケース10(上ケース3と下ケース4)は、伝熱性に優れたアルミニウム合金を使ったダイキャスト製法で作られている。なお、ケース10は、銅など別の金属で作られていてもよく、製造方法も鋳造やプレス成形であってもよい。
下ケース4は、下壁32と左側壁34を備えている。下壁32の内面(下内面32a)は、コイル5の4側面(上面51a、下面52a、右側面53a、左側面54a)のうち、下面52aと対向する。なお、本明細書では、「コイルの側面」とは、捲回軸線に平行な面を意味する。左側壁34の内面(左内面34a)は、コイル5の左側面54aと対向する。
上ケース3は、上壁31と右側壁33を備えている。上壁31の内面(上内面31a)は、コイル5の4側面(上面51a、下面52a、右側面53a、左側面54a)のうち、上面51aと対向する。右側壁33の内面(右内面33a)は、コイル5の右側面53aと対向する。別言すれば、下ケース4は、コイル5の捲回軸線(X軸)に平行な4個の内面(下内面32a、左内面34a、上内面31a、右内面33a)のうち、隣接する2個の内面(下内面32aと左内面34a)を備えており、上ケース3は、残りの2個の内面(上内面31a、右内面33a)を備えている。
コイル5の各側面とケース10の内面との間には伝熱シート7が挟まれている。伝熱シート7は、圧縮された状態でケース10の内面とコイル5の側面との間に挟まれている。伝熱シート7が圧縮された状態で挟まれていることで、伝熱シート7を介してコイル5からケース10へ熱が良く伝わる。上壁31(上内面31a)と右側壁33(右内面33a)を備えた上ケース3と、下壁32(下内面32a)と左側壁34(左内面34a)を備えた下ケース4に分割されているケース10は、伝熱シート7を圧縮状態に保持する治具を要せずにケース10の中で伝熱シート7を圧縮状態にすることができる。それゆえ、コイルユニット2は、組立容易性に優れている。次に、図2から図5を使ってコイルユニット2の製造方法を説明する。
まず、図2に示すように、下ケース4の隣接する左内面34aと下内面32aの夫々に伝熱シート7を貼着し、コイル5の隣接する2側面(左側面54aと下面52a)が夫々伝熱シート7に密着するようにコイル5とコア6を下ケース4に取り付ける。
次に、図3に示すように、上ケース3の隣接する上内面31aと右内面33aの夫々に伝熱シート7を貼着する。そして、図4に示すように、分割線PLを合わせるように、上ケース3を下ケース4に組み合わせる。最後に、図5に示すように、ボルト8a、8bで上ケース3を下ケース4に固定する。なお、このとき、図6に示すように、伝熱シート7が非圧縮状態の厚みのときには、上ケース3と下ケース4は、水平方向(Y方向)と垂直方向(Z方向)のいずれにも距離dWのずれを生じる。上ケース3を下ケース4に組み付けるには、上ケース3に下方向と左方向の荷重を加えて距離dWのずれを解消する必要がある。このときの荷重で全ての伝熱シート7は圧縮される。即ち、コイルユニット2は、上ケース3を下ケース4に組み付ける工程で同時に伝熱シート7を圧縮する。このようにコイルユニット2は、伝熱シート7を圧縮状態に保持する治具を要することなく伝熱シート7をケース10の内部空間で圧縮することができる。コイルユニット2は、組立容易性に優れている。なお、下方向の荷重は、ボルト8a、8bを締め付けることで加えられる。左方向の荷重は、作業者、あるいは組み付け機械が加える。なお、水平方向(Y方向)のずれdWと、垂直方向(Z方向)のずれdWは、厳密に一致していなくともよい。ケースの寸法誤差やその他の要因により、水平方向(Y方向)のずれdWと、垂直方向(Z方向)のずれdWには、ある程度の相違があってもよい。
図7に、ボルトの締め付けで垂直方向と水平方向の両方の荷重を加えることのできる構造の一例を説明する。図7は、コイルユニット2aの正面図と一部拡大図である。コイルユニット2aは、上ケース3aと下ケース4aの分割線PLが前のコイルユニット2の場合と異なっている。分割線PLは、コイル5の捲回軸線方向(X方向)からみて、中心部分では内部空間の一方の対角方向に沿って延びており(分割線PLa)、ボルト8bと重なる範囲では、中心部分(分割線PLa)とは逆方向に傾いている(分割線PLb)。ボルト8bを締め込んでいくと、上ケース3aは、矢印Aが示すように分割線PLbに沿って左下へ移動する。そうすると、上ケース3aは、垂直方向と水平方向の双方で下ケース4aに近づいていく。即ち、ボルト8bを締め付けていくと、ケース10aの上内面31aと下内面32aに貼着されている伝熱シート7には垂直方向の荷重が加わり、同時に、右内面33aと左内面34aに貼着されている伝熱シート7には水平方向の荷重が加わる。コイルユニット2aは、コイルの4側面の夫々に接触している4個の伝熱シート7をボルトの締め付けで同時に圧縮することができる。
なお、図7の英字Bが示す図は、ボルト8b付近の平面図であり、その下の一部拡大図に対応している。英字Bが示す平面図では、ボルト8bは仮想線で描いてある。符号21は、ボルト8bを入れる深孔を示しており、符号22は、ボルト8bを挿通する貫通孔を示している。貫通孔22は、図中のY方向に長い長孔となっており、ボルト8bの締め付け方向(Z方向)に対して上ケース3aがY方向に移動できるようになっている。
図8を参照して、ボルト(ネジ)で上ケースと下ケースを締結することによって水平方向と垂直方向の双方に荷重を加えることのできる別の例を説明する。図8は、コイルユニット2bの正面図である。コイルユニット2bのケース10bは、第1実施例のコイルユニット2と同様に、上ケース3bと下ケース4bに分割されている。上ケース3bは、コイル5の捲回軸線(X軸)と平行な4個の内面(上内面31a、右内面33a、下内面32a、左内面34a)のうち、隣接する2個の内面(上内面31a、右内面33a)を有しており、下ケース4bは、残りの2個の内面(下内面32a、左内面34a)を有している。コイル5の各側面と、各側面に対向する内面との間には、伝熱シート7が圧縮された状態で挟まれている。
上ケース3は皿ネジ18a、18bで下ケース4に固定される。皿ネジ18aは垂直方向(図中のZ方向)に締め込まれ、皿ネジ18bは水平方向(図中のY方向)に締め込まれる。それゆえ、皿ネジ18aを締めると上内面31aと下内面32aに貼着されている伝熱シート7に垂直方向の荷重が加わり、圧縮される。皿ネジ18bを締めると右内面33aと左内面34aに貼着されている伝熱シート7に水平方向の荷重が加わり、圧縮される。こうして、コイルユニット2bは、直交する2方向に締め込まれる皿ネジ18a、18bによって、上ケース3bと下ケース4bを組み付ける際に、4個の伝熱シート7の夫々を圧縮することができる。
図9を参照して、ボルト(ネジ)で上ケースと下ケースを締結することによって水平方向と垂直方向の双方に荷重を加えることのできるさらに別の例を説明する。図9は、コイルユニット2cの正面図である。上ケース3cは、隣接する2個の内面(上内面31aと右内面33a)を有しており、下ケース4cは、残りの隣接する2個の内面(下内面32aと左内面34a)を有している。上ケース3cは、皿ネジ18a、18bによって、下ケース4cに固定される。上ケース3cと下ケース4cの分割線PLは、コイル5の捲回軸線方向(図中のX方向)からみて、直方体の内部空間の右下がりの対角方向に延びている。皿ネジ18a、18bの締め付け方向は、分割線PLに対して直交する方向である。皿ネジ18a、18bを締め付けると、上ケース3cは、下ケース4cに対して左下方向に近づく。それゆえ、皿ネジ18a、18bを締め付けることによって、ケース10cには水平方向と垂直方向の双方に同時に荷重が加わる。皿ネジ18a、18bを締めると上内面31aと下内面32aに貼着されている伝熱シート7には垂直方向の荷重が加わり、右内面33aと左内面34aに貼着されている伝熱シート7には水平方向の荷重が加わる。4個の伝熱シート7は同時に圧縮される。コイルユニット2cは、分割線PLとは逆の対角方向に締め込まれる皿ネジ18a、18bによって、上ケース3cを下ケース4cに組み付ける際に、4個の伝熱シート7の夫々を同時に圧縮することができる。
なお、コイルユニット2bと2cは、ボルトの代わりに皿ネジを採用している。皿ネジは、ネジヘッドの下面にテーパを備えている。皿ネジに対応するネジ孔の入り口には、ネジヘッド下面のテーパに対応するテーパが設けられている。ネジヘッドのテーパとネジ孔の入り口のテーパによって、皿ネジは、締結する2個の部材に対して調芯機能を有する。図1の第1実施例のコイルユニット2のボルト8a、8bの代わりに皿ネジを用い、上ケース3に設けられるネジ孔の入り口にテーパを設けると、皿ネジの調芯機能により、皿ネジを締め付けることで伝熱シートに水平方向の荷重を加えることができる。
コイルユニット2、2a、2b、2cは、いずれも、上ケースと下ケースの分割線PLが直方体形状を有するケース内部空間SPの対角方向に直線的に延びている。分割線PLは、ケースの直方体の内部空間SPの対角方向に延びていることに限られない。図10に、第1変形例のコイルユニット2dの正面図を示す。コイルユニット2dのケース10dは、上ケース3dと下ケース4dに分割されており、その分割線PLは、コイル5の捲回軸線方向(X方向)からみたときにクランク状に屈曲している。そのようなコイルユニット2dでも、先の第1実施例のコイルユニット2と同様の効果を奏する。ただし、コイルユニットのケースの分割線PLは、捲回軸線方向からみたときに直方体の内部空間SPの概ね対角方向に延びていることが好ましい。
図11に、第2変形例のコイルユニット2eの正面図を示す。コイルユニット2eのケース10eは上ケース3eと下ケース4eに分割されている。分割線PLは、ケース10eの直方体の内部空間SPの対角方向に延びている。そして、ケース10eには、捲回軸線方向(図中のX方向)を向く壁に開口11を備えている。このように本明細書が開示するコイルケースは、その壁面に開口を備えていてもよい。
(第2実施例)図12と図13を参照して第2実施例のコイルユニット2fを説明する。図12と図13は、コイルユニット2fの斜視図である。図12は、上ケース3fと下ケース4fを分離した状態を示しており、図13は、上ケース3fと下ケース4fが結合した状態を示している。
コイルユニット2fは、2個のコイル5a、5bと、リング状のコア6aを備えている。リング状のコア6aは、一対の平行部分を有しており、夫々の平行部分にコイル5a、5bが捲回されている。なお、コイル5a、5bは、1本の平角線で作られており、電気的には1個のコイルである。
ケース10fは、上ケース3fと下ケース4fに分割されている。上ケース3fは、コイル5a、5bの捲回軸線方向(図中のX方向)に平行な4個の内面(上内面31a、下内面32a、右内面(符号は不図示であるが、便宜上、右内面33aとする。)、左内面34a)のうち、隣接する2個の内面(上内面31aと右内面33a)を有しており、下ケース4fは、残りの隣接する2個の内面(下内面32aと左内面34a)を有している。コイル5a、5bからは引き出し線56が延びている。下ケース4fには、コイルの引き出し線56が通るスリット41が設けられている。
コイル5a、5bを包括する直方体を仮想的なコイルとみなすと、その仮想的なコイルの側面と対向するケース10fの夫々の内面と仮想的なコイルの側面との間には、伝熱シート7が圧縮状態で挟まれる。なお、伝熱シート7は、ケース10fの内面に貼着されるが、理解を助けるため、図12では、コイルの側面に伝熱シート7を描いてある。
上ケース3fと下ケース4fは、ボルト8a、8bで締結される。ボルト8aは垂直方向に締め込まれ、ボルト8bは水平方向に締め込まれる。第2実施例のコイルユニット2fは、図8のコイルユニット2bと同様に、ボルト8a、8bを締め込むことによって、ケース10fの内部の伝熱シート7が圧縮される。
このように、本明細書が開示する技術は、複数のコイルを有するコイルユニットに適用することができる。その場合、複数のコイルを包含する直方体を仮想的なコイルとみなし、その仮想的なコイルの4個の側面の夫々と対向するケース内面との間に、伝熱シートが圧縮状態で挟まれる。
実施例で説明した技術に関する留意点を述べる。実施例のコイルユニットでは、いずれも、コイル軸線方向と平行なケースの4個の内面の夫々とコイル側面との間に伝熱シートが圧縮状態で挟まれている。本明細書が開示する技術は、コイル軸線方向と平行なケースの4個の内面のうち、少なくとも一対の対向面の夫々とコイル側面との間に伝熱シートが圧縮状態で挟まれているコイルユニットに適用することも好適である。例えば、図1に示したコイルユニットでは、上内面31aと下内面32aが、一対の対向面を構成し、右内面33aと左内面34aが、別の一対の対向面を構成する。二対の対向面のうち、一方の対向面の夫々とコイル側面との間に伝熱シートを挟み、他方の対向面には伝熱シートを配置しなくてもよい。図1に示したケース10(対角方向で分割されたケース)であれば、二対の対向面のうち、いずれの対向面であっても、圧縮された伝熱シートを容易に挟み込むことができる。従来のケースでは、ケース内面のうち、対向する底面及び天面の夫々とコイル側面との間に伝熱シートを圧縮した状態で挟むことは容易であるが、他の対向面の夫々とコイル側面との間に伝熱シートを圧縮された状態で挟むことは作業性が悪い。本明細書が開示する技術は、一対の伝熱シートを圧縮した状態で挟む場合であっても、内面を選ばないという利点がある。
実施例の上ケースが第1分割ケースの一例に相当する。実施例の下ケースが第2分割ケースの一例に相当する。コイルユニット2dを除き、実施例と変形例のコイルユニットでは、それらのケースは、コイルの捲回軸線方向からみて直方体のケース内部空間の一方の対角線に沿って上ケース(第1分割ケース)と下ケース(第2分割ケース)に分割されている。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
2、2a−2f:コイルユニット
3、3a−3f:上ケース
4、4a−4f:下ケース
5、5a、5b:コイル
6、6a:コア
7:伝熱シート
8a、8b:ボルト
10、10a−10f:ケース
11:開口
18a、18b:皿ネジ
31:上壁
31a:上内面
32:下壁
32a:下内面
33:右側壁
33a:右内面
34:左側壁
34a:左内面
41:スリット
51a:上面
52a:下面
53a:右側面
54a:左側面
56:引き出し線
PL、PLa、PLb:分割線
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3、3a−3f:上ケース
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8a、8b:ボルト
10、10a−10f:ケース
11:開口
18a、18b:皿ネジ
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31a:上内面
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32a:下内面
33:右側壁
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34:左側壁
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41:スリット
51a:上面
52a:下面
53a:右側面
54a:左側面
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PL、PLa、PLb:分割線
SP:内部空間
Claims (1)
- 四角柱状のコイルが直方体の内部空間を有するケースに収容されているコイルユニットであり、
前記ケースは、前記内部空間に面する内面であって前記コイルの捲回軸線と平行な4個の内面のうち、少なくとも一対の対向面の夫々と前記コイルの側面との間に伝熱シートが圧縮状態で挟まれており、
前記ケースは、前記4個の内面のうち隣接する2個の内面を有する第1分割ケースと、残りの2個の内面を有する第2分割ケースに分割されている、コイルユニット。
Priority Applications (1)
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JP2017181693A JP2019057644A (ja) | 2017-09-21 | 2017-09-21 | コイルユニット |
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Family Applications (1)
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2020181838A (ja) * | 2019-04-23 | 2020-11-05 | 新電元工業株式会社 | 巻線ユニット |
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2017
- 2017-09-21 JP JP2017181693A patent/JP2019057644A/ja active Pending
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