<システム概要>
図1は、本実施の形態に係る指導システムの概要を説明するための模式図である。本実施の形態に係る指導システムは、医師又は管理栄養士等の指導者による、生活習慣病患者などの被指導者の遠隔指導を支援するシステムである。なお本実施の形態においては、遠隔指導を行う人を指導者と呼び、この指導者により指導される被指導者を単にユーザと呼ぶ。本実施の形態に係る指導システムでは、指導者が使用するスマートフォン3と、ユーザが使用するスマートフォン4とが生活習慣指導サーバ装置1を介したメッセージ交換、いわゆるチャットを行うことによって、指導者によるユーザの遠隔指導を実現する。
本実施の形態に係る指導システムは、例えばユーザが病院7にて医師による診療を受けて生活習慣病であると判断され、定期的な生活指導が必要であると判断された場合に利用が開始される。このときに医師は、ユーザに対して指導が必要な項目、指導の頻度及び指導の担当者等を決定し、これらの情報を生活習慣指導サーバ装置1のデータベースに登録する。ユーザの指導項目は、例えば血圧、体重、運動量、睡眠時間又は食生活等とすることができる。指導の頻度は、例えば病院7に通院しての医師による直接指導を1ヶ月〜数ヶ月に1回、スマートフォン3,4を利用した指導者による遠隔指導を1週間〜数週間に1回などの頻度とすることができる。担当者については必ずしも医師が決定しなくてもよく、登録された指導項目に適した指導者を生活習慣指導サーバ装置1又はシステムの管理者等が選ぶ構成としてもよい。
遠隔指導を受けることとなったユーザは、自身のスマートフォン4に遠隔指導のためのアプリケーションプログラム(以下、遠隔指導アプリという)をインストールし、ユーザIDなどの初期情報を入力する。入力された情報はスマートフォン4から生活習慣指導サーバ装置1へ送信され、生活習慣指導サーバ装置1のデータベースに登録される。このときに生活習慣指導サーバ装置1は、病院7の医師が登録した情報と、ユーザがスマートフォン4にて登録した情報を対応付ける。初期情報の登録完了後、ユーザは遠隔指導アプリの利用を開始することができる。
遠隔指導アプリの利用を開始したユーザは、例えば毎日又は2日に一度等の頻度で自身のバイタルデータ(生体情報)の入力を行う。ユーザにより入力されたバイタルデータは、スマートフォン4から生活習慣指導サーバ装置1へ送信され、生活習慣指導サーバ装置1のデータベースに記憶されて蓄積される。バイタルデータは、例えばユーザの血圧又は体重等の情報とすることができる。またユーザは、睡眠時間、運動量又は食事の内容等の情報を入力して生活習慣指導サーバ装置1のデータベースに登録することができ、更には食事の写真画像などのデータをデータベースに登録することができる。本実施の形態においては、ユーザの血圧又は体重等の情報に加えて、これらの睡眠時間、運動量、食事の内容及び食事の写真画像等の情報をもバイタルデータに含むものとする。
またユーザは、スマートフォン4のソフトウェアキーボードなどの入力機能を用いてバイタルデータを直接的に入力するが、スマートフォン4に連動する活動量計5を併用することも可能である。活動量計5は、例えばユーザが体に装着して使用する装置、いわゆるウェアラブル端末とすることができる。活動量計5は、ユーザが歩いた歩数及び消費カロリー等の活動量を計測し、スマートフォン4へ計測結果を無線送信する機能を有している。スマートフォン4は活動量計5により計測された活動量をバイタルデータとして生活習慣指導サーバ装置1へ送信する。
ユーザの遠隔指導を担当する指導者は、遠隔指導アプリがインストールされたスマートフォン3を利用し、生活習慣指導サーバ装置1にアクセスすることで指導担当のユーザに関する種々の情報を確認することができる。指導者は、医師が決定した指導項目、及び、ユーザが登録したバイタルデータ等の情報を生活習慣指導サーバ装置1から取得し、スマートフォン3に表示して確認することができる。
ユーザは、スマートフォン3を利用してバイタルデータを定期的に入力し続け、例えば1週間に1度などの頻度で、予め取り決めた日時にスマートフォン3を利用して指導者とのチャットを行う。本実施の形態に係る指導システムでは、チャットを行うユーザ及び指導者は、スマートフォン3,4のソフトウェアキーボードなどの入力機能を用いて、文字によるメッセージを交換する。ただしメッセージ交換は文字情報に限らず、絵文字、アイコン又は写真等が含まれていてもよい。指導者は、生活習慣指導サーバ装置1のデータベースに蓄積されたユーザのバイタルデータをスマートフォン3にて確認し、ユーザに対して質問又はアドバイス等のメッセージを送信することで、ユーザの指導を行う。本実施の形態において指導者によるユーザの指導は、指導者及びユーザの間でのメッセージ交換が主であり、どのような指導を行うかは指導者にある程度委ねられている。
ただし本実施の形態に係る指導システムは、ユーザ及び指導者のメッセージ交換中に、生活習慣指導サーバ装置1が生成したメッセージをスマートフォン3,4に送信して表示させることにより、指導者によるユーザの指導を支援する機能を備えている。以下、生活習慣指導サーバ装置1がスマートフォン3,4に表示させるメッセージを「AI(Artificial Intelligence)メッセージ」と呼ぶ。生活習慣指導サーバ装置1は、指導者及びユーザのメッセージ交換が開始された場合に、このユーザに関してデータベースに蓄積されたバイタルデータを読み出し、バイタルデータが所定条件を満たす場合にAIメッセージを送信する。例えば生活習慣指導サーバ装置1は、ユーザの血圧が閾値より高い場合にバイタルデータが所定条件を満たすと判定し、血圧が高い旨を通知するAIメッセージをスマートフォン3,4に送信して表示させる。また例えば生活習慣指導サーバ装置1は、ユーザの体重が閾値より高い場合、ユーザの睡眠時間が閾値より少ない場合、又は、ユーザの活動量が閾値より少ない場合等に、バイタルデータが所定条件を満たすと判定してもよい。なおこれらは一例であり、判定に用いるバイタルデータの種別及び判定の条件等はこれら以外の種々のものであってよい。AIメッセージはバイタルデータを判定するための所定条件と共にデータベースに記憶されており、生活習慣指導サーバ装置1は、バイタルデータが所定条件を満たすと判定した場合に、対応するAIメッセージをデータベースから取得して送信することができる。
また生活習慣指導サーバ装置1は、指導者及びユーザの間で交換されたメッセージをデータベースに記憶して蓄積している。生活習慣指導サーバ装置1は、指導者及びユーザのメッセージ交換が開始された後、例えば開始から所定時間が経過するまでの間又は交換されたメッセージの数が所定数を超えるまでの間に交換されたメッセージの内容を調べる。生活習慣指導サーバ装置1は、所定期間内に交換されたメッセージに、特定のキーワードが含まれていたか否かを調べる。キーワードは、ユーザの指導項目毎に定められて生活習慣指導サーバ装置1のデータベースに登録されている。交換されたメッセージにキーワードが含まれていない場合、生活習慣指導サーバ装置1は、このキーワードに対応付けてデータベースに記憶されているAIメッセージを取得してスマートフォン3,4へ送信する。例えば生活習慣指導サーバ装置1は、ユーザの指導項目が血圧である場合に、所定期間内に交換されたメッセージ中に”血圧”のキーワードが含まれているか否かを判定し、このキーワードが含まれていない場合に血圧に関する指導を促すAIメッセージを送信する。
また生活習慣指導サーバ装置1は、バイタルデータが所定条件を満たし、且つ、交換されたメッセージに特定のキーワードが含まれていないと判定した場合に、AIメッセージを送信する構成としてもよい。例えば生活習慣指導サーバ装置1は、指導項目が血圧であるユーザについて、バイタルデータとして登録された血圧が閾値を超え、且つ、メッセージ交換開始から所定期間内に交換されたメッセージに”血圧”のキーワードが含まれていないと判定した場合に、血圧が高いことを通知するAIメッセージを送信してもよい。
生活習慣指導サーバ装置1が送信するAIメッセージには、文字の情報のみでなく、画像データなどが含まれ得る。例えば生活習慣指導サーバ装置1は、ユーザの血圧が閾値を超えたと判定してAIメッセージを送信する場合、このユーザの1週間の血圧の変動を示すグラフなどの画像データを、血圧が高いことを通知する文字情報と共に送信してもよい。
また生活習慣指導サーバ装置1は、ユーザが病院7にて医師の直接的な診療を受けるスケジュールなどをデータベースに記憶して管理している。例えばユーザが3ヶ月に1回の医師による直接的な診療を受ける必要があり、前回の診療から3ヶ月が経過するまでの猶予が1週間より少なくなり、且つ、次回の診療の予約が病院7に対してなされていない場合に、生活習慣指導サーバ装置1は、診療の予約を促すAIメッセージを送信する。また例えばユーザが1ヶ月に1回の血液検査を受ける又は自ら実施する必要があり、前回の検査から1ヶ月を経過しても検査が実施されていない場合に、生活習慣指導サーバ装置1は、検査の実施を促すAIメッセージを送信する。生活習慣指導サーバ装置1は、ユーザのスケジュールに関する種々の通知をAIメッセージとして送信してよい。
指導者が使用するスマートフォン3はユーザに対するメッセージを送信し、このメッセージは生活習慣指導サーバ装置1にて中継されて、ユーザのスマートフォン4にて受信される。スマートフォン3は、スマートフォン4から送信されて生活習慣指導サーバ装置1にて中継されたメッセージを受信すると共に、生活習慣指導サーバ装置1が生成して送信したAIメッセージを受信する。同様に、ユーザが使用するスマートフォン3は指導者に対するメッセージを送信し、このメッセージは生活習慣指導サーバ装置1にて中継されて、指導者のスマートフォン3にて受信される。スマートフォン4は、スマートフォン3から送信されて生活習慣指導サーバ装置1にて中継されたメッセージを受信すると共に、生活習慣指導サーバ装置1が生成して送信したAIメッセージを受信する。
これらのメッセージを受信したスマートフォン3,4は、受信したメッセージを表示部に表示する処理を行う。このときにスマートフォン3,4は、指導者が送信したメッセージと、ユーザが送信したメッセージと、生活習慣指導サーバ装置1が送信したAIメッセージとを識別可能な態様で表示する。例えばスマートフォン3,4は、表示するメッセージの色又はフォント等を異なるものとすることにより、3つのメッセージを識別可能に表示することができる。また例えばスマートフォン3,4は、送信元を示す情報を付してメッセージを表示することにより、3つのメッセージを識別可能に表示することができる。3つのメッセージを識別可能に表示する方法は、これらに限るものではなく、様々な方法を採用し得る。
なお生活習慣指導サーバ装置1は、AIメッセージを送信すべきと判定した場合に、指導者が使用するスマートフォン3及びユーザが使用するスマートフォン4の両方にAIメッセージを送信してもよいが、指導者のスマートフォン3にのみAIメッセージを送信し、ユーザのスマートフォン4にはAIメッセージを送信しなくてもよい。生活習慣指導サーバ装置1は、AIメッセージの内容などに応じて、スマートフォン3,4の両方に送信するか、又は、スマートフォン3へのみ送信するかを決定してもよい。例えば生活習慣指導サーバ装置1は、血圧が閾値より高いなどバイタルデータが所定条件を満たした場合に送信するAIメッセージについては、スマートフォン3,4の両方に送信すると決定することができる。これにより、指導者及びユーザの両方が知ることが望ましい情報を、スマートフォン3,4の両方に表示することができる。これに対して、例えばメッセージ中に特定のキーワードが含まれていない場合に送信するAIメッセージについては、生活習慣指導サーバ装置1は、指導者のスマートフォン3へ送信し、ユーザのスマートフォン4へは送信しないと決定することができる。これにより、ユーザに対して表示することが好ましくない情報を、指導者のスマートフォン3にのみ表示することができる。
本実施の形態に係る指導システムは、指導者及びユーザがスマートフォン3,4を利用してメッセージ交換を行うことによって遠隔指導を実現すると共に、ユーザのバイタルデータ又は交換されたメッセージの内容等に応じて生活習慣指導サーバ装置1がAIメッセージを送信することによって指導者によるユーザの指導を支援することができる。
<装置構成>
図2は、生活習慣指導サーバ装置1の構成を示すブロック図である。本実施の形態に係る生活習慣指導サーバ装置1は、処理部11、記憶部12及び通信部13等を備えて構成されている。生活習慣指導サーバ装置1は、汎用的なサーバコンピュータにサーバプログラム12aをインストールすることによって実現され得る。生活習慣指導サーバ装置1の処理部11は、CPU(Central Processing Unit)又はMPU(Micro-Processing Unit)等の演算処理装置を用いて構成されており、記憶部12に記憶されたプログラムを実行することにより、種々の演算処理及び制御処理等を行うことができる。本実施の形態において処理部11は、記憶部12に記憶されたサーバプログラム12aを読み出して実行することにより、指導者及びユーザによるメッセージ送受信の中継処理、並びに、AIメッセージの送信処理等を行う。
記憶部12は、大容量のハードディスクドライブなどの記憶装置を用いて構成されている。記憶部12は、処理部11が実行するプログラム及びこのプログラムの実行に必要なデータ等を記憶する。記憶部12は、複数の記憶装置を用いて構成されていてもよい。本実施の形態において記憶部12には、サーバプログラム12aが記憶されている。サーバプログラム12aは、例えば光ディスク又はメモリカード等の記録媒体に記録されて提供され、図示しないディスクドライブ又はカードスロット等に装着された記録媒体から読み出されて記憶部12にインストールされる。またサーバプログラム12aは、ネットワークNWを介して他のサーバ装置からダウンロードされてもよい。
また本実施の形態において記憶部12には、サーバプログラム12aを実行する処理部11の処理に用いられるデータを記憶するユーザ情報DB(データベース)12b、バイタルデータDB12c、判定条件DB12d、メッセージDB12e、キーワードDB12f及びAIメッセージDB12g等が設けられている。これら複数のデータベースは、1つのサーバ装置に全てのデータベースを設ける構成としてもよく、複数のサーバ装置に複数のデータベースを分散して設ける構成としてもよい。
通信部13は、インターネットなどのネットワークNWを介して、指導者のスマートフォン3、ユーザのスマートフォン4及び病院7に設けられた通信装置等との間で通信を行う。通信部13は、処理部11から送信用のメッセージを与えられた場合にこのメッセージを送信すると共に、ネットワークNWを介して他の装置から受信したメッセージを処理部11へ与える。
図3は、ユーザ情報DB12bの構成例を示す模式図である。本実施の形態においてユーザ情報DB12bは、指導対象となるユーザに関する種々の情報が対応付けて記憶されたデータベースである。図示のユーザ情報DB12bでは、ユーザID、担当医師、診療周期、前回診療、診療予約、指導者ID、指導項目、指導周期及び前回指導等の情報が対応付けて記憶されている。ユーザ情報DB12bのユーザIDの項目には、ユーザに対して一意的に付される識別情報、例えば”user123”、”user456”等が登録される。担当医師の項目には、病院7にてこのユーザを診療した医師の名前又は識別情報等の情報、例えば”医師A”、”医師B”等が登録される。診療周期の項目には、ユーザが病院7にて医師による直接的な診療を受けるべき周期、例えば”3ヶ月”などが登録される。前回診療の項目には、ユーザが病院7にて医師による診療を受けた最新の日付が登録される。診療予約の項目には、ユーザが次回の医師による診療の予約を行っているか否か、及び、予約済みであればその日付が登録される。
またユーザ情報DB12bの指導者IDの項目には、ユーザの遠隔指導を行う指導者に対して一意的に付される識別情報、例えば”mentor135”、”mentor246”等が登録される。指導項目の項目には、ユーザに対して指導者が遠隔指導を行うべき項目が登録される。指導周期の項目には、ユーザが指導者による遠隔指導を受けるべき周期、例えば”1週間”などが登録される。前回指導の項目には、ユーザ及び指導者の間で遠隔指導が行われた最新の日付が登録される。
ユーザ情報DB12bの各項目は、例えばユーザが病院7にて医師の直接的な診療を受けた際に、医師により病院7内のコンピュータを利用して登録され得る。ただし診療予約の項目については、病院7内の予約システムなどから取得されてもよい。また前回指導の項目については、指導者及びユーザの遠隔指導が行われる都度、生活習慣指導サーバ装置1により更新される。
図4は、バイタルデータDB12cの構成例を示す模式図である。本実施の形態においてバイタルデータDB12cは、ユーザがスマートフォン4にて入力したバイタルデータを記憶するデータベースである。図示のバイタルデータDB12cでは、ユーザID、取得日及びバイタルデータが対応付けて記憶されており、バイタルデータには例えば血圧、体重及び活動量等の種々のデータが含まれ得る。ユーザは、定期的にスマートフォン4にてバイタルデータの入力を行い、入力したバイタルデータを生活習慣指導サーバ装置1へ送信する。生活習慣指導サーバ装置1は、スマートフォン4からユーザのバイタルデータを取得し、取得したバイタルデータをバイタルデータDB12cに登録する。このときに生活習慣指導サーバ装置1は、バイタルデータを送信したユーザのユーザID及びバイタルデータを取得した日付と共に、バイタルデータを登録する。
図5は、判定条件DB12dの構成例を示す模式図である。本実施の形態において判定条件DB12dは、遠隔指導中に生活習慣指導サーバ装置1によるAIメッセージを表示するか否かを判定する際の条件を指導項目毎に記憶したデータベースである。判定条件DB12dには、指導項目、判定条件及び条件成立番号等が対応付けて記憶されている。例えば指導項目に血圧が含まれるユーザに対しては、このユーザのバイタルデータに含まれる収縮期血圧が135mmHgを超えることを判定条件とし、この判定条件が成立する場合にAIメッセージの表示を行う。また各判定条件に対しては条件成立番号が付されており、この条件成立番号を基にAIメッセージDB12gを参照することによって、表示すべきAIメッセージを決定することができる。
また例えば指導項目の血圧に対しては、ユーザのバイタルデータに含まれる拡張期血圧が85mmHgを超えることが判定条件として設定され得る。指導項目の体重に対しては、前回指導時の体重に対する今回指導時の体重の増減量が3kg以上であることが判定条件として設定され得る。指導項目の睡眠に対しては、過去1か月間の平均睡眠時間より直近1週間の平均睡眠時間が2時間を超えて減少していることが判定条件として設定され得る。指導項目の飲酒に対しては、ユーザの1週間の飲酒量が閾値を超えることが判定条件として設定され得る。指導項目の運動量に対しては、ユーザの1週間の運動量の合計が閾値を超えることが判定条件として設定され得る。なおこれらの指導項目及び判定条件は一例であって、これに限るものではない。
図6は、メッセージDB12eの構成例を示す模式図である。本実施の形態においてメッセージDB12eは、指導者のスマートフォン3及びユーザのスマートフォン4の間で送受信されたメッセージを蓄積するデータベースである。生活習慣指導サーバ装置1は、スマートフォン3,4からメッセージを受信した場合に、このメッセージの送信者のIDと、受信者のIDと、送信日時との情報を付して受信したメッセージをメッセージDB12eに蓄積すると共に、このメッセージを受信すべきスマートフォン3,4へ送信する。本実施の形態においてメッセージDB12eに蓄積されるメッセージは、文字情報であるものとするが、画像情報又は音声情報等の文字以外の情報を蓄積してもよい。
図7は、キーワードDB12fの構成例を示す模式図である。本実施の形態においてキーワードDB12fは、指導者によるユーザの遠隔指導において、メッセージに含まれるべきキーワードを指導項目毎に記憶したデータベースである。生活習慣指導サーバ装置1は、遠隔指導において指導者及びユーザの間で送受信されたメッセージについて、キーワードDB12fに登録されている必要キーワードが含まれているか否かを判定し、必要キーワードが不足している場合にAIメッセージの表示を行う。キーワードDB12fには、指導項目、必要キーワード及び不足番号等が対応付けて記憶されている。例えば指導項目に血圧が含まれるユーザに対しては、メッセージ中に”血圧”及び”高い”等のキーワードが含まれているか否かを判定する。また各キーワードに対しては不足番号が付されており、この不足番号を基にAIメッセージDB12gを参照することによって、表示すべきAIメッセージを決定することができる。
また例えば指導項目の体重に対しては、”体重”、”太った”及び”痩せた”等が必要キーワードとして設定され得る。指導項目の睡眠に対しては、”睡眠”、”減った”、”少なくなった”及び”眠れない”等が必要キーワードとして設定され得る。指導項目の飲酒に対しては、”飲酒”、”お酒”、”飲み会”、”多い”及び”増えた”等が必要キーワードとして設定され得る。指導項目の運動量に対しては、”歩数”、”運動”、”歩く”及び”達成”等が必要キーワードとして設定され得る。なおこれらの指導項目及び必要キーワードは一例であって、これに限るものではない。
図8は、AIメッセージDB12gの構成例を示す模式図である。本実施の形態においてAIメッセージDB12gは、図5に示した判定条件が成立した場合、及び/又は、図7に示したキーワードが不足している場合に、生活習慣指導サーバ装置1が表示させるAIメッセージを記憶したデータベースである。AIメッセージDB12gには、条件成立番号、不足番号、AIメッセージ、データ表示有無及びユーザ表示可否等が対応付けて記憶されている。AIメッセージDB12gの条件成立番号は判定条件DB12dに関連付けられた情報であり、不足番号はキーワードDB12fに関連付けられた情報である。条件成立番号及び不足番号の両方が設定されているAIメッセージは、判定条件が成立し且つキーワードが不足している場合に表示される。条件成立番号が設定され、不足番号が設定されていないAIメッセージは、キーワードの有無に関係なく、判定条件が成立した場合に表示される。条件成立番号が設定されておらず、不足番号が設定されているAIメッセージは、判定条件に関係なく、キーワードが不足している場合に表示される。
AIメッセージDB12gのAIメッセージの項目には、生活習慣指導サーバ装置1からスマートフォン3,4へ送信され、スマートフォン3,4にて表示されるAIメッセージの具体的な文章が登録されている。本例のAIメッセージは「最近血圧が高いですね」、「睡眠時間が減っていますね」、「飲酒量が増えていますね」及び「今週はよく運動しましたね」等の文章が登録されている。AIメッセージDB12gのデータ表示有無の項目には、AIメッセージと共に、このAIメッセージを表示する契機となったデータを表示するか否かが設定される。データを表示する場合には、例えば血圧グラフ又は睡眠時間グラフ等のようにデータの表示態様が設定される。AIメッセージDB12gのユーザ表示可否の項目は、このAIメッセージをユーザのスマートフォン3に表示するか否かが設定されている。生活習慣指導サーバ装置1は、ユーザ表示が許可されている場合にAIメッセージをスマートフォン3,4の両方へ送信し、ユーザ表示が許可されていない場合にAIメッセージを指導者のスマートフォン3へ送信するが、ユーザのスマートフォン4には送信しない。
また本実施の形態に係る生活習慣指導サーバ装置1は、記憶部12に記憶されたサーバプログラム12aを処理部11が実行することにより、メッセージ中継処理部11a、バイタルデータ取得処理部11b、バイタルデータ判定部11c、キーワード判定部11d、AIメッセージ送信処理部11e及びスケジュール判定部11f等がソフトウェア的な機能ブロックとして処理部11に設けられる。
メッセージ中継処理部11aは、指導者によるユーザの遠隔指導において、指導者のスマートフォン3から送信されたメッセージを受信してユーザのスマートフォン4へ送信すると共に、ユーザのスマートフォン4から送信されたメッセージを受信して指導者のスマートフォン3へ送信する処理を行う。またこのときにメッセージ中継処理部11aは、中継したメッセージを記憶部12のメッセージDB12eに記憶して蓄積する。なおスマートフォン3,4が送信するメッセージには、送信元のID、送信先のID及びメッセージの内容等の情報が含まれており、メッセージ中継処理部11aは、メッセージに含まれる送信先のIDに基づいて、メッセージの中継を行う。バイタルデータ取得処理部11bは、ユーザのスマートフォン3から送信されたバイタルデータを受信して取得し、取得したバイタルデータを記憶部12のバイタルデータDB12cに記憶して蓄積する処理を行う。
バイタルデータ判定部11cは、指導者によるユーザの遠隔指導が開始された場合に、ユーザ情報DB12bに設定されたこのユーザの指導項目に対応するバイタルデータをバイタルデータDB12cから読み出す。バイタルデータ判定部11cは、読み出したバイタルデータが判定条件DB12dに設定された判定条件を満たすか否かを判定する。バイタルデータ判定部11cは、判定条件を満たすと判定した場合に、この判定条件に対応する条件成立番号をAIメッセージ送信処理部11eに通知する。
キーワード判定部11dは、指導者によるユーザの遠隔指導が開始されてから所定時間が経過した後、メッセージDB12eに蓄積された今回の遠隔指導に関するメッセージを読み出す。またキーワード判定部11dは、ユーザ情報DB12bに設定されたユーザの指導項目に対応するキーワードをキーワードDB12fから読み出す。キーワード判定部11dは、メッセージDB12eから読み出したメッセージの文章中に、キーワードDB12fから読み出したキーワードが含まれているか否かを判定する。キーワード判定部11dは、キーワードが含まれていないと判定した場合、このキーワードに対応する不足番号をAIメッセージ送信処理部11eに通知する。
AIメッセージ送信処理部11eは、バイタルデータ判定部11cからの通知及びキーワード判定部11dからの通知に基づいて、AIメッセージDB12gに登録されているAIメッセージを取得し、取得したAIメッセージを送信する処理を行う。このときにAIメッセージ送信処理部11eは、AIメッセージDB12gにてユーザ表示が許可されているAIメッセージを、指導者のスマートフォン3及びユーザのスマートフォン4の両方へ送信する。またAIメッセージ送信処理部11eは、AIメッセージDB12gにてユーザ表示が許可されていないAIメッセージを、指導者のスマートフォン3へ送信し、ユーザのスマートフォン4へは送信しない。更にAIメッセージ送信処理部11eは、AIメッセージDB12gにデータ表示ありの設定がなされている場合、AIメッセージDB12gにて指定されたグラフなどの画像を生成し、AIメッセージと共に送信する。
なお生活習慣指導サーバ装置1が送信するAIメッセージには、メッセージの内容である文章と共に、このメッセージの送信元が生活習慣指導サーバ装置1であることを示す情報(例えばサーバIDなど)が含まれている。同様に、スマートフォン3が送信するメッセージには送信元が指導者であることを示す情報(例えば指導者IDなど)が含まれており、スマートフォン4が送信するメッセージには送信元がユーザであることを示す情報(例えばユーザIDなど)が含まれている。これにより、メッセージを受信したスマートフォン3,4は、受信したメッセージの送信元を判断することができ、送信元が識別可能となるようにメッセージを表示することができる。
スケジュール判定部11fは、指導者によるユーザの遠隔指導が開始された場合に、ユーザ情報DB12bに記憶された診療周期、前回診療及び診療予約の情報を読み出す。スケジュール判定部11fは、診療周期及び前回診療の情報から次回診療の推奨日を算出し、この推奨日までの残り日数が閾値より少ない場合、AIメッセージ送信処理部11eに対してAIメッセージの送信を要求する。この要求に対してAIメッセージ送信処理部11eは、例えば「次回の診療を予約してください」などのAIメッセージをスマートフォン3,4へ送信する。なおスケジュール判定部11fが判定するスケジュールは、診療以外のものであってよい。
例えば、ユーザが定期的に血液検査を受ける又は自身で実施する必要がある場合に、スケジュール判定部11fは、血液検査の実施の有無を判定し、血液検査が実施されていない場合にAIメッセージの送信をAIメッセージ送信処理部11eに対して要求してもよい。この場合、ユーザ情報DB12bには、血液検査の周期及び前回の血液検査の実施日等の情報をユーザ情報DB12bに登録する構成とすればよい。
図9は、指導者が使用するスマートフォン3の構成を示すブロック図である。本実施の形態に係るスマートフォン3は、処理部31、記憶部32、表示部33、操作部34及び通信部35等を備えて構成されている。処理部31は、CPU又はMPU等の演算処理装置を用いて構成されており、記憶部32に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、種々の演算処理、画像処理及び制御処理等を行うことができる。本実施の形態において処理部31は、記憶部32に記憶された遠隔指導アプリ32aを読み出して実行することにより、ユーザの遠隔指導に係る種々の処理を行う。
記憶部32は、フラッシュメモリなどの不揮発性のメモリ素子を用いて構成されている。記憶部32は、処理部31が実行するプログラム及びこのプログラムの実行に必要なデータ等を記憶する。本実施の形態において記憶部32には、処理部31が実行する遠隔指導アプリ32aがインストールされている。遠隔指導アプリ32aは、例えばスマートフォン3用のアプリケーションプログラムを配信するサーバ装置(図示は省略する)からネットワークNWを介して取得される。ただし遠隔指導アプリ32aは、例えばスマートフォン3の製造段階において記憶部32に記憶される、いわゆるプリインストールされるものであってもよく、また例えばメモリカードなどの記録媒体に記録されたものをスマートフォン3が読み出して記憶部32に記憶してもよい。
表示部33は、液晶パネルなどを用いて構成されており、処理部31の処理に応じて種々の画像を表示する。操作部34は、ユーザによる操作を受け付けて、受け付けた操作内容を処理部31へ通知する。操作部34は、例えば表示部33の表面に設けられたタッチパネル、及び、スマートフォン3の筐体に設けられたプッシュスイッチ等を用いて構成される。通信部35は、例えば携帯電話通信網又は無線LAN(Local Area Network)等の無線通信網を利用し、インターネットなどのネットワークNWを介して他の装置との通信を行う。本実施の形態において通信部35は、ネットワークNWを介して生活習慣指導サーバ装置1との間で通信を行う。通信部35は、処理部31から与えられた送信用のデータを変調して得られた信号をアンテナへ出力することでデータを送信する。また通信部35は、アンテナにて受信した信号を復調してデジタルのデータに変換し、このデータを受信データとして処理部31へ与える。
また本実施の形態に係るスマートフォン3は、記憶部32に記憶された遠隔指導アプリ32aを処理部31が実行することにより、メッセージ受付部31a、メッセージ送受信部31b及びメッセージ表示処理部31c等がソフトウェア的な機能ブロックとして処理部31に設けられる。メッセージ受付部31aは、指導者及びユーザの間で遠隔指導が行われている際に、操作部34にて指導者によるメッセージの入力を受け付ける処理を行う。
メッセージ送受信部31bは、メッセージ受付部31aが受け付けた指導者のメッセージを、通信部35にて生活習慣指導サーバ装置1へ送信する。このメッセージは生活習慣指導サーバ装置1にて中継されて、指導対象のユーザのスマートフォン4にて受信される。またメッセージ送受信部31bは、ユーザのスマートフォン4から送信されて生活習慣指導サーバ装置1にて中継されたメッセージを通信部35にて受信すると共に、生活習慣指導サーバ装置1から送信されたAIメッセージを通信部35にて受信する。メッセージ表示処理部31cは、メッセージ受付部31aが受け付けた指導者のメッセージ、メッセージ送受信部31bが受信したユーザのメッセージ、及び、メッセージ送受信部31bが受信した生活習慣指導サーバ装置1のAIメッセージを、識別可能な態様で表示部33に表示する。
図10は、ユーザが使用するスマートフォン4の構成を示すブロック図である。本実施の形態に係るスマートフォン4は、処理部41、記憶部42、表示部43、操作部44、第1通信部45及び第2通信部46等を備えて構成されている。処理部41は、CPU又はMPU等の演算処理装置を用いて構成されており、記憶部32に記憶された遠隔指導アプリ42aを読み出して実行することにより、指導者によるユーザの遠隔指導に係る種々の処理を行う。記憶部42は、フラッシュメモリなどの不揮発性のメモリ素子を用いて構成されている。記憶部42には、処理部41が実行する遠隔指導アプリ42aがインストールされている。遠隔指導アプリ42aは、例えばスマートフォン4用のアプリケーションプログラムを配信するサーバ装置(図示は省略する)からネットワークNWを介して取得される。また記憶部42には、ユーザのバイタルデータ42bが記憶される。記憶部42に記憶されたバイタルデータ42bは、適宜のタイミングで生活習慣指導サーバ装置1へ送信され、生活習慣指導サーバ装置1のバイタルデータDB12cに登録される。
表示部43は、液晶パネルなどを用いて構成されており、処理部41の処理に応じて種々の画像を表示する。操作部44は、ユーザによる操作を受け付けて、受け付けた操作内容を処理部41へ通知する。操作部44は、例えば表示部43の表面に設けられたタッチパネル、及び、スマートフォン4の筐体に設けられたプッシュスイッチ等を用いて構成される。第1通信部45は、例えば携帯電話通信網又は無線LAN等の無線通信網を利用し、インターネットなどのネットワークNWを介して生活習慣指導サーバ装置1との間で通信を行う。第2通信部46は、例えば無線LAN又はBluetooth(登録商標)等の無線通信により、活動量計5との間でデータの送受信を行う。
また本実施の形態に係るスマートフォン4は、記憶部42に記憶された遠隔指導アプリ42aを処理部41が実行することにより、メッセージ受付部41a、メッセージ送受信部41b、メッセージ表示処理部41c及びバイタルデータ取得部41d等がソフトウェア的な機能ブロックとして処理部41に設けられる。メッセージ受付部41aは、指導者及びユーザの間で遠隔指導が行われている際に、操作部44にてユーザによるメッセージの入力を受け付ける処理を行う。
メッセージ送受信部41bは、メッセージ受付部41aが受け付けたユーザのメッセージを、第1通信部45にて生活習慣指導サーバ装置1へ送信する。このメッセージは生活習慣指導サーバ装置1にて中継されて、指導者のスマートフォン3にて受信される。またメッセージ送受信部41bは、指導者のスマートフォン3から送信されて生活習慣指導サーバ装置1にて中継されたメッセージを第1通信部45にて受信すると共に、生活習慣指導サーバ装置1から送信されたAIメッセージを第1通信部45にて受信する。メッセージ表示処理部41cは、メッセージ受付部41aが受け付けたユーザのメッセージ、メッセージ送受信部41bが受信した指導者のメッセージ、及び、メッセージ送受信部41bが受信した生活習慣指導サーバ装置1のAIメッセージを、識別可能な態様で表示部43に表示する。
バイタルデータ取得部41dは、例えば操作部44に対する操作によるーザから直接的な入力に基づいて、ユーザのバイタルデータを取得し、取得したバイタルデータを記憶部42に記憶する。またバイタルデータ取得部41dは、第2通信部46にて活動量計5との通信を行い、活動量計5が計測したユーザの活動量のデータを取得して記憶部42に記憶する。記憶部42に記憶されたバイタルデータ42bは、例えばユーザにより生活習慣指導サーバ装置1への送信を行う操作がなされた場合に、記憶部42から読み出されて第1通信部45にて生活習慣指導サーバ装置1へ送信される。
なお、指導者が使用するスマートフォン3とユーザが使用するスマートフォン4とは、ハードウェアとして同じ又は類似の装置であってもよい。指導者のスマートフォン3にインストールされる遠隔指導アプリ32aとユーザのスマートフォン4にインストールされる遠隔指導アプリ42aとは、異なるアプリであってよい。即ち指導者用の遠隔指導アプリ32aとユーザ用の遠隔指導アプリ42aとが別に提供されてもよい。逆に、遠隔指導アプリ32a及び遠隔指導アプリ42aを同一のアプリケーションプログラムとし、このプログラムが利用者に応じて指導者モード又はユーザモード等の切り替えを行う構成としてもよい。
<遠隔指導>
図11は、遠隔指導の表示例を示す模式図であり、指導者が使用するスマートフォン3の表示部33に表示されたメッセージ交換の様子を一例として図示してある。本実施の形態においては、指導者のメッセージと、ユーザのメッセージと、AIメッセージとが表示部33の上下方向に時系列順で並べて表示される。各メッセージは、いわゆる吹き出しの図形の内部に文章又は画像等を収める態様で表示される。各メッセージの吹き出しは、指導者のメッセージであるか、ユーザのメッセージであるか、AIメッセージであるかを区別できるように、例えば色又は形状等に差異を設けてある。また吹き出しには根元部分(引き出し部分)が設けられており、この根元部分の向きに応じて、メッセージの送信者を識別することができる。吹き出しの根元部分が表示部33の右向きである場合、この吹き出しのメッセージは指導者のメッセージ又はAIメッセージである。吹き出しの根元部分が左向きである場合、この吹き出しのメッセージはユーザのメッセージである。更に、各吹き出しの根元部分の先には、この吹き出しのメッセージの送信者を示すラベルが表示される。本例では「指導者」、「ユーザ」及び「AI」の3種のラベルのいずれかが吹き出しの根元部分に表示されている。
図示の例では、表示部33の最上部に表示されたメッセージ101が最も古いメッセージである。メッセージ101は、「今週は運動されましたか?」の文章が吹き出し内に収められている。メッセージ101の吹き出しの根元部分は右向きとされ、根元部分の先には「指導者」のラベルが表示されており、これによりメッセージ101は指導者が送信したメッセージであることを識別できる。時系列的に次のメッセージであるメッセージ102は、「週末にウォーキングしました。」の文章が吹き出し内に収められている。メッセージ102の吹き出しの根元部分は左向きとされ、根元部分の先には「ユーザ」のラベルが表示されており、これによりメッセージ102はユーザが送信したメッセージであることを識別できる。
次のメッセージ103は、生活習慣指導サーバ装置1が送信したAIメッセージである。生活習慣指導サーバ装置1は、例えばこのユーザのバイタルデータに含まれる血圧が閾値を超えると判定し、且つ、遠隔指導の開始から所定期間が経過してもメッセージ中に「血圧」などのキーワードが含まれていなかった場合に、図示のようなAIメッセージ103を送信する。AIメッセージ103は、「最近血圧が少し高いようですね。」の文章と、ユーザのバイタルデータに基づいて作成された血圧の変化を示すグラフの画像とが吹き出し内に収められている。AIメッセージ103の吹き出しの根元部分は右向きとされ、根元部分の先には「AI」のラベルが表示されており、これによりメッセージ103は生活習慣指導サーバ装置1が送信したAIメッセージであることを識別できる。
このようなAIメッセージ103を生活習慣指導サーバ装置1が自動的に送信することによって、指導者は血圧を話題としてユーザとのメッセージ交換を行うことができる。次のメッセージ104は、AIメッセージ103を受けて指導者が送信したメッセージであり、「いつもより少し高いですね。最近お忙しいですか?」の文章が吹き出し内に収められている。更に次のメッセージ105は、指導者の問いかけに答えるユーザのメッセージであり、「少し寝不足です。」の文章が吹き出し内に収められている。
図12及び図13は、遠隔指導の表示例を示す模式図であり、指導者にのみ表示されるAIメッセージの例である。図12には指導者が使用するスマートフォン3の表示部33に表示されるメッセージの例を図示し、図13には同じ状況においてユーザが使用するスマートフォン4の表示部43に表示されるメッセージの例を図示してある。本例においては、まず、ユーザが「今日の血圧は135/88mmHGでした。」のメッセージ111を送信している。なお生活習慣指導サーバ装置1は、遠隔指導のメッセージ交換において、メッセージ111のようなバイタルデータを示すメッセージがユーザにより送信された場合、このメッセージからバイタルデータを取得してバイタルデータDB12cに登録してもよい。
次いで、「Aさんの血圧は正常値範囲内ですがいつもより少し高めのようです。」の文章と血圧のグラフ画像とを含むAIメッセージ112を生活習慣指導サーバ装置1が送信している。ただしこのAIメッセージ112は、AIメッセージDB12gにてユーザ表示が許可されておらず、指導者のスマートフォン3にのみ送信され、ユーザのスマートフォン4には送信されない。このため、図12に示すように指導者のスマートフォン3にはAIメッセージ112が表示されているが、図13に示すようにユーザのスマートフォン4にはAIメッセージ112が表示されていない。
次のメッセージ113は、AIメッセージ112を受けて指導者が送信したメッセージであり、「いつもより少し高いですね。最近お忙しいですか?」の文章が吹き出し内に収められている。更に次のメッセージ114は、指導者の問いかけに答えるユーザのメッセージであり、「少し寝不足です。」の文章が吹き出し内に収められている。
なおスマートフォン3は、指導者のスマートフォン3及びユーザのスマートフォン4の両方に表示されるAIメッセージと、指導者のスマートフォン3にのみ表示されるAIメッセージとを、識別可能な態様で表示してもよい。例えば吹き出しの色若しくは形状等に差異を設ける、又は、ユーザには秘密のメッセージであることを示すアイコンを付す等の手段により、指導者及びユーザの両方に表示されるAIメッセージと、指導者にのみ表示されるAIメッセージを区別することができる。
図14は、遠隔指導の表示例を示す模式図である。本例においては、まず、ユーザが「最近疲れがとれません。」のメッセージ121を送信している。次いで、「睡眠時間が最近減っていますね。」の文章と睡眠時間のグラフ画像とを含むAIメッセージ122を生活習慣指導サーバ装置1が送信している。次いで、「寝る前に飲酒することが多かったです。」のメッセージ123をユーザが送信し、「寝る前の飲酒は睡眠の質も落とします。控えた方がよいですね。」のメッセージ124を指導者が送信している。
本例は、ユーザのバイタルデータに含まれる睡眠時間に基づいて生活習慣指導サーバ装置1がAIメッセージ122を送信している。ユーザの睡眠時間は、例えばユーザが自己申告としてスマートフォン4にて直接的に数値を入力してもよく、また例えば活動量計5などによる測定結果をスマートフォン4が取得して生活習慣指導サーバ装置1へ送信してもよい。
図15は、遠隔指導の表示例を示す模式図である。本例においては、まず、ユーザが「昨日は一万歩歩きました。」のメッセージ131を送信している。次いで、「月平均の体重が3kg減りました。」の文章と平均体重のグラフ画像とを含むAIメッセージ132を生活習慣指導サーバ装置1が送信している。次いで、「運動の成果が出ていますね。体調の変化はないですか?」のメッセージ133を指導者が送信し、「体調はよいです。よく眠れます。」のメッセージ134をユーザが送信している。
なお生活習慣指導サーバ装置1は、ユーザのメッセージ131に含まれる一万歩の歩数をバイタルデータとして取得してバイタルデータDB12cに登録してもよい。ユーザが1日に歩いた歩数をバイタルデータとして生活習慣指導サーバ装置1のバイタルデータDB12cに蓄積する場合、例えばユーザが自己申告としてスマートフォン4にて直接的に歩数を入力してもよく、また例えば活動量計5などによる測定結果をスマートフォン4が取得して生活習慣指導サーバ装置1へ送信してもよい。
本例では、ユーザのメッセージ131による運動の申告と、AIメッセージ132による体重減少の通知とに基づいて、指導者は体重の減少が運動の成果であると判断し、その旨を伝えるメッセージ133を送信している。仮に、ユーザが全く運動していない旨を申告しているにも関わらず、体重が減少している場合などには、指導者はユーザの体調異常を疑い、ユーザに病院7での診療を進めるなどのメッセージを送信することができる。
<処理手順>
以下、本実施の形態に係る指導システムの生活習慣指導サーバ装置1及びスマートフォン3,4が行う処理の手順を、フローチャートを用いて説明する。図16は、スマートフォン3,4が行うメッセージ交換の処理手順を示すフローチャートである。本フローチャートは、指導者のスマートフォン3及びユーザのスマートフォン4との間で遠隔指導に係るメッセージ交換が開始された後の処理を示したものである。本処理は、指導者のスマートフォン3及びユーザのスマートフォン4にてそれぞれ行われる処理である。以下の説明では、”スマートフォン3(4)の処理部31(41)”のように、スマートフォン3に関する符号を主に記載し、スマートフォン4に関する符号を括弧書きで記載する。
本実施の形態に係るスマートフォン3(4)の処理部31(41)のメッセージ受付部31a(41a)は、操作部34(44)にてメッセージの入力がなされたか否かを判定する(ステップS1)。メッセージの入力がなされた場合(S1:YES)、メッセージ受付部31a(41a)は、入力されたメッセージを受け付ける(ステップS2)。メッセージ受付部31a(41a)は、受け付けたメッセージを通信部35(第1通信部45)にて生活習慣指導サーバ装置1へ送信する(ステップS3)。また処理部31(41)のメッセージ表示処理部31c(41c)は、入力を受け付けたメッセージを、自身が入力したメッセージとして表示部33(43)に表示し(ステップS4)、ステップS1へ処理を戻す。
メッセージの入力がなされていない場合(S1:NO)、処理部31(41)のメッセージ送受信部31b(41b)は、通信部35(第1通信部45)にて生活習慣指導サーバ装置1からのメッセージを受信したか否かを判定する(ステップS5)。メッセージを受信した場合(S5:YES)、メッセージ送受信部31b(41b)は、受信したメッセージに含まれる情報に基づいて、このメッセージが生活習慣指導サーバ装置1によるAIメッセージであるか否かを判定する(ステップS6)。受信メッセージがAIメッセージである場合(S6:YES)、メッセージ表示処理部31c(41c)は、受信したメッセージを、AIメッセージとして表示部33(43)に表示し(ステップS7)、ステップS1へ処理を戻す。受信メッセージがAIメッセージではない場合(S6:NO)、メッセージ表示処理部31c(41c)は、受信したメッセージを、相手のメッセージとして表示し(ステップS8)、ステップS1へ処理を戻す。
メッセージを受信していない場合(S5:NO)、処理部31(41)は、遠隔指導を終了する操作がなされたか否かなどに基づいて、遠隔指導に係る処理を終了すべきか否かを判定する(ステップS9)。遠隔指導に係る処理を終了すべきでないと判定した場合(S9:NO)、処理部31(41)は、ステップS1へ処理を戻す。遠隔指導に係る処理を終了すべきと判定した場合(S9:YES)、処理部31(41)は、処理を終了する。
図17は、生活習慣指導サーバ装置1が行うメッセージ交換の処理手順を示すフローチャートである。指導者のスマートフォン3及びユーザのスマートフォン4との間で遠隔指導に係るメッセージ交換が開始された場合、生活習慣指導サーバ装置1の処理部11のスケジュール判定部11fは、記憶部12のユーザ情報DB12bを参照して、ユーザのスケジュールを判定する(ステップS21)。また処理部11のバイタルデータ判定部11cは、記憶部12のバイタルデータDB12cを参照して所定期間におけるユーザのバイタルデータを読み出し、ユーザ情報DB12bに設定されたユーザの指導項目と、判定条件DB12dに設定された判定条件とに基づいて、ユーザのバイタルデータが判定条件を満たすか否かのバイタルデータ判定を行う(ステップS22)。
次いで、処理部11のメッセージ中継処理部11aは、通信部13にてスマートフォン3,4からのメッセージを受信したか否かを判定する(ステップS23)。メッセージを受信した場合(S23:YES)、メッセージ中継処理部11aは、受信したメッセージを記憶部12のメッセージDB12eに記憶する(ステップS24)。またメッセージ中継処理部11aは、受信したメッセージを送信先となるスマートフォン3,4へ送信することにより、このメッセージを中継し(ステップS25)、ステップS23へ処理を戻す。
メッセージを受信していない場合(S23:NO)、処理部11のキーワード判定部11dは、遠隔指導のメッセージ交換開始から又は前回のキーワード判定を実施してから所定時間が経過したか否かを判定する(ステップS26)。所定時間が経過した場合(S26:YES)、キーワード判定部11dは、所定時間内に記憶部12のメッセージDB12eに蓄積されたメッセージを読み出し、ユーザ情報DB12bに設定されたユーザの指導項目に基づいてキーワードDB12fからキーワードを取得し、蓄積されたメッセージにキーワードが含まれているか否かのキーワード判定を行い(ステップS27)、ステップS23へ処理を戻す。
所定期間が経過していない場合(S26:NO)、処理部11のAIメッセージ送信処理部11eは、ステップS21のスケジュール判定、ステップS22のバイタルデータ判定及びステップS27のキーワード判定の判定結果と、記憶部12のAIメッセージDB12gとに基づいて、AIメッセージの送信が必要であるか否かを判定する(ステップS28)。AIメッセージの送信が必要である場合(S28:YES)、AIメッセージ送信処理部11eは、AIメッセージDB12gから読み出したAIメッセージを、通信部13にてスマートフォン3及び/又はスマートフォン4へ送信し(ステップS29)、ステップS23へ処理を戻す。
AIメッセージの送信が必要ない場合(S28:NO)、処理部11は、スマートフォン3,4から遠隔指導を終了する旨の通知がなされたか否かなどに基づいて、遠隔指導に係る処理を終了すべきか否かを判定する(ステップS30)。遠隔指導に係る処理を終了すべきでないと判定した場合(S30:NO)、処理部11は、ステップS23へ処理を戻す。遠隔指導に係る処理を終了すべきと判定した場合(S30:YES)、処理部11は、処理を終了する。
図18は、スマートフォン4が行うバイタルデータ登録の処理手順を示すフローチャートである。ユーザが利用するスマートフォン4の処理部41のバイタルデータ取得部41dは、操作部44にてユーザによるバイタルデータの入力がなされたか否かを判定する(ステップS41)。バイタルデータの入力がなされた場合(S41:YES)、バイタルデータ取得部41dは、入力されたバイタルデータを取得する(ステップS42)。バイタルデータ取得部41dは、取得したバイタルデータを記憶部42に記憶し(ステップS43)、ステップS41へ処理を戻す。なおバイタルデータの入力は、活動量計5を利用して行われてもよい。
バイタルデータの入力がなされていない場合(S41:NO)、バイタルデータ取得部41dは、操作部44にてユーザによるバイタルデータの送信が指示されたか否かを判定する(ステップS44)。バイタルデータの送信が指示されていない場合(S44:NO)、バイタルデータ取得部41dは、ステップS41へ処理を戻す。バイタルデータの送信が指示された場合(S44:YES)、バイタルデータ取得部41dは、記憶部42に記憶されたバイタルデータ42bを読み出す(ステップS45)。バイタルデータ取得部41dは、読み出したバイタルデータ42bを第1通信部45にて生活習慣指導サーバ装置1へ送信し(ステップS46)、ステップS41へ処理を戻す。
図19は、生活習慣指導サーバ装置1が行うバイタルデータ取得処理の手順を示すフローチャートである。生活習慣指導サーバ装置1の処理部11のバイタルデータ取得処理部11bは、スマートフォン4から送信されるユーザのバイタルデータを通信部13にて受信したか否かを判定する(ステップS51)。バイタルデータを受信していない場合(S51:NO)、バイタルデータ取得処理部11bは、バイタルデータを受信するまで待機する。バイタルデータを受信した場合(S51:YES)、バイタルデータ取得処理部11bは、受信したバイタルデータを記憶部12のバイタルデータDB12cに記憶して(ステップS52)、ステップS51へ処理を戻す。
<まとめ>
以上の構成の本実施の形態に係る指導システムでは、指導者が使用するスマートフォン3及び指導されるユーザが使用するスマートフォン4との間で送受信されるメッセージを、生活習慣指導サーバ装置1が中継すると共に、中継したメッセージをメッセージDB12eに記憶して蓄積する。また生活習慣指導サーバ装置1は、ユーザのスマートフォン4を介して、ユーザのバイタルデータを取得する。生活習慣指導サーバ装置1は、取得したバイタルデータに基づいて、指導者のスマートフォン3及びユーザのスマートフォン4の少なくとも一方にAIメッセージを送信する。スマートフォン3,4は、指導者のメッセージ、ユーザのメッセージ及び生活習慣指導サーバ装置1のAIメッセージを表示する。これらにより指導者は、ユーザのバイタルデータに基づく生活習慣指導サーバ装置1からのAIメッセージを活用してユーザの指導を行うことができる。またユーザは、指導者からのメッセージと、自身のバイタルデータに基づいて生活習慣指導サーバ装置1から送信されたAIメッセージとを参考に、例えば生活習慣の改善などに取り組むことができる。
また生活習慣指導サーバ装置1は、ユーザのバイタルデータに加えて、指導者のスマートフォン3及びユーザのスマートフォン4の間で送受信されたメッセージの内容に基づいて、AIメッセージを送信する。これにより、指導者及びユーザの間で交換されたメッセージの愛用に適した情報、メッセージの内容に追加すべき情報又はメッセージの内容に不足している情報等を、生活習慣指導サーバ装置1がAIメッセージとして送信することができる。
また生活習慣指導サーバ装置1は、ユーザに対する指導項目と、この指導項目に対応するAIメッセージとを、記憶部12のAIメッセージDB12gに記憶しておく。生活習慣指導サーバ装置1は、ユーザのバイタルデータ及び中継したメッセージの内容に基づいて、AIメッセージDB12gに記憶されたAIメッセージを取得して送信する。これにより生活習慣指導サーバ装置1は、ユーザの指導項目に適した内容のAIメッセージを送信することができる。
また生活習慣指導サーバ装置1は、指導者のスマートフォン3及びユーザのスマートフォン4の間で送受信されるメッセージに所定のキーワードが含まれていない場合に、このキーワードに応じたAIメッセージを送信する。キーワードは、生活習慣指導サーバ装置1のキーワードDB12fに登録されている。これにより生活習慣指導サーバ装置1は、指導者によるユーザの指導に不足している情報をAIメッセージとして送信することができる。
また生活習慣指導サーバ装置1は、ユーザのバイタルデータが所定条件を満たすか否かを判定し、所定条件を満たす情報に応じたAIメッセージを送信する。これにより、ユーザのバイタルデータに基づく指導の要否を生活習慣指導サーバ装置1が判定してAIメッセージを送信することができる。
また生活習慣指導サーバ装置1は、ユーザのバイタルデータが所定条件を満たすと判定してAIメッセージを送信する際に、所定条件を満たすバイタルデータに関する情報を例えばグラフ化するなどしてAIメッセージと共に送信する。これによりAIメッセージを受信したスマートフォン3,4は、AIメッセージと共に、このAIメッセージが送信される要因となった情報を表示することができる。
また生活習慣指導サーバ装置1は、指導者のスマートフォン3が送信したメッセージと、ユーザのスマートフォン4が送信したメッセージと、自身が送信するAIメッセージとを識別可能なように、スマートフォン3,4へ送信する。例えばこれらのメッセージに送信元を示すIDを付すことによって、このメッセージを受信したスマートフォン3,4は、受信したメッセージの送信元がいずれであるかを識別することができる。これによりメッセージを受信したスマートフォン3,4は、指導者のメッセージと、ユーザのメッセージと、生活習慣指導サーバ装置1のAIメッセージとを識別可能な態様で表示することができる。指導者及びユーザは、スマートフォン3,4に表示されたメッセージが、いずれのメッセージであるかを容易に判断することができる。
また生活習慣指導サーバ装置1が送信するAIメッセージには、指導者のスマートフォン3及びユーザのスマートフォン4の両方にて表示されるものと、指導者のスマートフォン3にて表示されるがユーザのスマートフォン4では表示されないものとが含まれる。これにより、ユーザに対して提示すべきでない情報について、生活習慣指導サーバ装置1は指導者へのみ提示することができる。
また生活習慣指導サーバ装置1は、ユーザ情報DB12bにユーザが行うべき診療の予約の有無を記憶している。生活習慣指導サーバ装置1は、ユーザ情報DB12bを参照して、ユーザが行うべき診療について予約がなされていない場合にAIメッセージを送信する。生活習慣指導サーバ装置1のAIメッセージによってユーザに診療の予約を促すことができる。
なお本実施の形態においては、指導者及びユーザが遠隔指導に用いる端末装置をスマートフォン3,4としたが、これに限るものではない。指導者及びユーザは、例えば携帯電話機、タブレット型端末装置、パーソナルコンピュータ又はゲーム機等の種々の端末装置を利用することができる。これらの端末装置には、遠隔指導のための遠隔指導アプリがインストールされる。また生活習慣指導サーバ装置1は、1つの装置として構成されるのではなく、複数の装置の協働により実現される構成であってもよい。生活習慣指導サーバ装置1の記憶部12に設けられた複数のデータベースは、複数の装置が分散管理する構成であってよい。
また図3〜図8に示したデータベースの構成及びデータベースに記憶された値等は、一例であって、これに限るものではない。また図11〜図15に示した遠隔指導の表示画面の構成及び表示されたメッセージ等は、一例であって、これに限るものではない。またユーザのバイタルデータは、指導者との遠隔指導を行う前にユーザが生活習慣指導サーバ装置1に送信しておくものとしたが、例えば遠隔指導の開始後にユーザがバイタルデータをメッセージとして送信し、生活習慣指導サーバ装置1がユーザのメッセージからバイタルデータを抽出して取得してもよい。
また本実施の形態に係る指導システムは、指導者がユーザの生活習慣病に関する指導を行う構成としたが、これに限るものではない。例えば指導システムは、介護において指導者がユーザの生活を指導する構成とすることができる。また指導システムは、例えばスポーツ又は学習等の遠隔指導のように、医療以外の環境で指導を行うものであってよい。
また生活習慣指導サーバ装置1は、ユーザのバイタルデータに基づくAIメッセージ、中継したメッセージにキーワードが含まれるか否かに基づくAIメッセージ、及び、ユーザの診療予約などのスケジュールに基づくAIメッセージを送信する構成としたが、AIメッセージはこれらに限らない。生活習慣指導サーバ装置1は、以下の変形例1に示すAIメッセージの送信、及び、更にこれ以外のAIメッセージの送信を行う構成であってよい。
(変形例1)
図20及び図21は、変形例1に係るAIメッセージを説明するための模式図である。図20には指導者が使用するスマートフォン3の表示部33に表示されるメッセージの例を図示し、図21には同じ状況においてユーザが使用するスマートフォン4の表示部43に表示されるメッセージの例を図示してある。変形例1に係る生活習慣指導サーバ装置1は、指導者がスマートフォン3にてメッセージを入力した際に、入力内容のチェックを行い、メッセージが不適切と推定した場合には入力されたメッセージをユーザのスマートフォン4へ送信せずに、指導者に対して送信の可否を確認する。生活習慣指導サーバ装置1は、例えば指導者のメッセージの内容が、過去に送信されたメッセージと同じである場合に、指導者への確認を行うことができる。
本例においては、まず、ユーザが「今日の血圧は135/88mmHGでした。」のメッセージ141を送信している。このメッセージ141に対して指導者は、「少し高いですね。最近お忙しいですか?」のメッセージ142を入力して送信している。しかし生活習慣指導サーバ装置1は、メッセージ142の内容と、メッセージDB12eに蓄積されたメッセージの内容とを比較し、メッセージ142の内容が以前に送信したメッセージと同じであると判断し、メッセージ142のユーザのスマートフォン3への送信を見合わせる。このため、図20に示すように指導者のスマートフォン3にはメッセージ142が表示されるが、図21に示すようにユーザのスマートフォン4にはメッセージ142が表示されない。
この場合に生活習慣指導サーバ装置1は、メッセージ142を入力した指導者に対して送信の可否を確認するAIメッセージ143をスマートフォン3へ送信する。図示のAIメッセージ143は、「前回と同じメッセージになっています。」の文章と、”そのまま送信”のラベルが付されたボタンと、”キャンセル”のラベルが付されたボタンとが吹き出し内に収められている。指導者が”そのまま送信”のボタンに対するタッチ操作などを行った場合、生活習慣指導サーバ装置1は、メッセージ142をユーザのスマートフォン4へ送信する。指導者が”キャンセル”のボタンに対するタッチ操作などを行った場合、生活習慣指導サーバ装置1は、メッセージ124を破棄する。このAIメッセージ143は、指導者のスマートフォン3へのみ送信され、ユーザのスマートフォン4へは送信されない。
本例においては、指導者が”キャンセル”のボタンを操作し、メッセージ142が破棄されている。その後、指導者は「今回も少し高いですね。睡眠は十分ですか?」のメッセージ144を入力してユーザへ送信している。ユーザのスマートフォン4には、指導者のメッセージ142及び生活習慣指導サーバ装置1のAIメッセージ143は表示されないため、図21に示すように、ユーザのメッセージ141に続いて指導者のメッセージ144が表示される。これに対してユーザは、「少し寝不足です。」のメッセージ145を送信している。
このように、変形例1に係る生活習慣指導サーバ装置1は、指導者が入力したメッセージの内容をチェックし、内容が不適切であれば送信の可否を指導者に確認する構成である。これにより、指導者からユーザへ不適切なメッセージなどが送信されることを未然に防ぐことができる。なお上記の例では、指導者が入力したメッセージの内容と以前に送信したメッセージの内容が同じである場合に生活習慣指導サーバ装置1がAIメッセージを送信する構成としたが、これに限るものではない。例えば生活習慣指導サーバ装置1は、不適切なキーワードをデータベースに記憶しておき、データベースのキーワードが指導者の入力メッセージに含まれている場合に、AIメッセージを指導者へ送信して送信の再確認を行う構成としてもよい。また生活習慣指導サーバ装置1は、不適切なメッセージについては指導者への再確認を行わずに送信禁止とする構成であってもよい。
(変形例2)
変形例2に係る指導システムは、生活習慣指導サーバ装置1が指導者のスマートフォン3へのみAIメッセージを表示した場合に、このAIメッセージをユーザのスマートフォン4へも送信するか否かを指導者が選択することが可能な構成である。図22は、変形例2に係るAIメッセージを説明するための模式図である。図22の表示例に示す4つのメッセージ151〜154は、図12に示したメッセージ111〜114と略同じ内容である。
ただし変形例2に係る指導システムでは、指導者のスマートフォン3へ送信され且つユーザのスマートフォン4へ送信されないAIメッセージ152には、指導者に対してこのAIメッセージ152をユーザに表示するか否かを選択させる手段が設けられている。本例のAIメッセージ152には、吹き出し内に「AI表示」、「指導者表示」及び「非表示」の文字が付された3つのボタンが表示される。スマートフォン3は、これら3つのボタンのうちのいずれか1つに対するタッチ操作などを受け付けることによって、AIメッセージ152のユーザへの表示の有無及び表示態様の選択を受け付ける。
「AI表示」のボタンに対する操作がなされた場合、スマートフォン3は、AIメッセージ152をAIメッセージとして表示する指示を、生活習慣指導サーバ装置1へ送信する。この指示を受信した生活習慣指導サーバ装置1は、同じ内容のAIメッセージをユーザのスマートフォン4へ送信する。生活習慣指導サーバ装置1からこのメッセージを受信したスマートフォン4は、受信したメッセージをAIメッセージとして表示する。
「指導者表示」のボタンに対する操作がなされた場合、スマートフォン3は、AIメッセージ152を指導者のメッセージとして表示する指示を、生活習慣指導サーバ装置1へ送信する。この指示を受信した生活習慣指導サーバ装置1は、AIメッセージ152と同じ内容のメッセージを、送信元が指導者である旨の情報を付して、ユーザのスマートフォン4へ送信する。このメッセージを受信したスマートフォン4は、受信したメッセージを指導者のメッセージとして表示する。
「非表示」のボタンに対する操作がなされた場合、スマートフォン3は、AIメッセージ152をユーザに対して表示しない旨の指示を、生活習慣指導サーバ装置1へ送信する。この指示を受信した生活習慣指導サーバ装置1は、AIメッセージ152をユーザのスマートフォン3へ送信しない。
図23は、変形例2に係る指導者のスマートフォン3が行う処理の手順を示すフローチャートである。なお本フローチャートには、スマートフォン3が生活習慣指導サーバ装置1からAIメッセージを受信する段階からの処理を示してある。
変形例2に係るスマートフォン3の処理部31のメッセージ送受信部31bは、生活習慣指導サーバ装置1が送信したAIメッセージを通信部35にて受信する(ステップS61)。処理部31のメッセージ表示処理部31cは、受信したAIメッセージを表示する(ステップS62)。このAIメッセージには、ユーザへの表示の有無及び表示態様の選択を受け付けるための3つのボタンが設けられる。
次いで処理部31は、表示したAIメッセージに設けた3つのボタンに対する操作を受け付けることにより、AIメッセージのユーザに対する表示の選択を受け付ける(ステップS63)。処理部31は、受け付けた選択結果を生活習慣指導サーバ装置1へ送信し(ステップS64)、処理を終了する。
図24は、変形例2に係る生活習慣指導サーバ装置1が行う処理の手順を示すフローチャートである。なお本フローチャートには、指導者のスマートフォン3の未送信するAIメッセージについて送信を行う段階からの処理を示してある。
変形例2に係る生活習慣指導サーバ装置1の処理部11のAIメッセージ送信処理部11eは、指導者のスマートフォン3に対してAIメッセージを送信する(ステップS71)。処理部11は、このAIメッセージのユーザへの表示に係る選択結果を指導者のスマートフォン3から受信したか否かを判定する(ステップS72)。選択結果を受信していない場合(S72:NO)、処理部11は、選択結果を受信するまで待機する。
指導者のスマートフォン3から選択結果を受信した場合(S72:YES)、処理部11は、受信した選択結果がAIメッセージとして表示する旨の選択であるか否かを判定する(ステップS73)。AIメッセージとして表示する旨の選択がなされた場合(S73:YES)、処理部11は、スマートフォン3へ送信したものと同様のAIメッセージをユーザのスマートフォン4へ送信し(ステップS74)、処理を終了する。
AIメッセージとして表示する旨の選択がなされていない場合(S73:NO)、処理部11は、指導者のメッセージとして表示する旨の選択がなされたか否かを判定する(ステップS75)。指導者のメッセージとして表示する旨の選択がなされた場合(S75:YES)、処理部11は、スマートフォン3へ送信したものと同内容のメッセージを、指導者のメッセージとしてユーザのスマートフォン4へ送信し(ステップS76)、処理を終了する。また、指導者のメッセージとして表示する旨の選択がなされなかった場合(S75:NO)、即ちユーザに対して非表示の選択がなされた場合、処理部11は、ユーザのスマートフォン4へのメッセージ送信を行わずに、処理を終了する。
このように、変形例2に係る指導システムは、生活習慣指導サーバ装置1が指導者のスマートフォン4へのみ送信したAIメッセージについて、指導者がこのAIメッセージをユーザのスマートフォン4へ送信するか否かを選択することが可能な構成である。これにより指導者は、AIメッセージの内容などに応じて、適宜にこのAIメッセージをユーザに表示するか否かを選択することができる。またAIメッセージをユーザのスマートフォン4にて表示する場合に、AIメッセージとして表示するか又は指導者のメッセージとして表示するかを選択可能としたことにより、指導者は生活習慣指導サーバ装置1が生成したメッセージを自らのメッセージとしてユーザのスマートフォン4に表示することができる。
なお変形例2においては、AIメッセージをユーザに対してAIメッセージとして表示する、指導者のメッセージとして表示する、又は、表示しない、の3通りから選択可能としたが、これに限るものではない。例えば表示又は非表示の2通りから選択可能とし、表示する場合にはAIメッセージとして表示する構成としてもよい。また例えば表示又は非表示の2通りから選択可能とし、表示する場合には指導者のメッセージとして表示する構成としてもよい。