JP2019056453A - 回転伝達装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】2方向クラッチと電磁クラッチとを組み合わせて、動力の伝達と遮断の切り換えをおこなう回転伝達装置において、電磁クラッチの通電解除時にアーマチュアをロータから離反させる離反ばねが、アーマチュアとロータとの回転差により磨耗するのを防止する。【解決手段】離反ばね24の一端部をアーマチュア21のロータ22との吸着面に接触させて支持するとともに、ロータ22に近接する他端部を、内輪2の小径軸部5の係合溝31にはめ込んだ止め輪33で支持する構成を採用する。内輪2とアーマチュア21とは電磁クラッチ20の通電解除時に一体に回転することから、離反ばね24両端を支持する部材の間に回転差が生じることはない。したがって、離反ばね24の片方の端部がロータ22に接触して支持されている場合とは異なり、回転差により離反ばね24に磨耗が生じることはない。【選択図】図2
Description
本発明は、動力伝達経路における動力の伝達と遮断の切り換えに用いられる回転伝達装置に関する。
回転伝達装置として、特許文献1に記載されているように、2方向クラッチと電磁クラッチとを組み合わせた装置が知られている。この種の回転伝達装置は、入力側部材としての内方部材の外側に、出力側部材としての外方部材を設け、その内方部材と外方部材の間に2方向クラッチを組込み、その2方向クラッチのトルク伝達状態とトルク遮断状態との切り替えを電磁クラッチにより制御するようにしている。
ここで、2方向クラッチは、内方部材の外周に、外方部材の内周に形成された円筒面との間でくさび形空間を形成するカム面を設け、そのカム面と円筒面との間に組込まれた係合子としてのローラを、保持器で保持する構成を採用している。
その保持器には、スイッチばねのばね力が付与されて、ローラのカム面および円筒面に対する噛みこみが解除される中立位置に保持器を弾性的に保持している。
その保持器には、スイッチばねのばね力が付与されて、ローラのカム面および円筒面に対する噛みこみが解除される中立位置に保持器を弾性的に保持している。
また、電磁クラッチは、電磁石に対する通電により、保持器に対して回り止めされ、かつ軸方向にスライド可能に支持されたアーマチュアを、外方部材に回り止めされたロータに吸着して、保持器を外方部材に対して結合可能な構成を採用している。
いま、電磁石に通電すると、ロータに吸着したアーマチュアには、回転方向の摩擦抵抗が生じ、このアーマチュアに回り止めされた保持器が、内方部材に対し相対回転するため、中立位置から変位する。保持器に保持されたローラは、保持器の変位に伴なって円筒面およびカム面に噛みこむため、2方向クラッチはトルク伝達状態となって、内方部材の回転がローラを介して外方部材へと伝達されることになる。
一方、電磁石に対する通電を解除すると、アーマチュアのロータに対する吸着力は消失する。この際に、アーマチュアをロータから速やかに離反させるために、離反ばねのばね力が利用されている。
ロータとアーマチュアとの接触に伴なう摩擦抵抗から解放された保持器は、スイッチばねのばね力により中立位置に戻される。したがって、保持器に保持されたローラの円筒面およびカム面に対する噛みこみが解除され、2方向クラッチはトルク遮断状態となって内方部材が空転することになる。
ロータとアーマチュアとの接触に伴なう摩擦抵抗から解放された保持器は、スイッチばねのばね力により中立位置に戻される。したがって、保持器に保持されたローラの円筒面およびカム面に対する噛みこみが解除され、2方向クラッチはトルク遮断状態となって内方部材が空転することになる。
ところで、従来のこの種の回転伝達装置では、電磁クラッチにおける電磁石の通電解除時に、アーマチュアのロータからの離反を補助する離反ばねは、その一端部がアーマチュアのロータとの吸着面に接触することで支持され、その他端部がロータのアーマチュアとの対向面に接触することで支持されていた。
このような構成を採用した場合、2方向クラッチをトルク伝達状態からトルク遮断状態に切り替える際、ともに高速回転している内方部材から外方部材への動力の伝達が遮断されることで、内方部材と一体に回転するアーマチュアと外方部材と一体に回転するロータとの間に大きな回転差が生じる。
したがって、両端部がアーマチュアとロータにそれぞれ支持されている離反ばねは、この回転差により摩耗することが懸念される。離反ばねのばね力が低下すると、電磁クラッチにおける電磁石の通電を解除した場合にも、アーマチュアがロータから離れにくくなるため、2方向クラッチにおけるトルク伝達状態とトルク遮断状態との切り替えがスムーズに行われなくなるおそれがある。
したがって、両端部がアーマチュアとロータにそれぞれ支持されている離反ばねは、この回転差により摩耗することが懸念される。離反ばねのばね力が低下すると、電磁クラッチにおける電磁石の通電を解除した場合にも、アーマチュアがロータから離れにくくなるため、2方向クラッチにおけるトルク伝達状態とトルク遮断状態との切り替えがスムーズに行われなくなるおそれがある。
そこで本発明の解決すべき課題は、2方向クラッチと電磁クラッチとを組み合わせて、動力の伝達と遮断の切り換えをおこなう回転伝達装置において、電磁クラッチの通電解除時にアーマチュアをロータから離反させる離反ばねが、アーマチュアとロータとの回転差により磨耗するのを防止することである。
上記した課題を解決するため、発明にかかる回転伝達装置を、内方部材と、前記内方部材の外側に、前記内方部材と同軸上に配置された外方部材と、前記内方部材から前記外方部材へと、正逆両方向への回転トルクを伝達するトルク伝達状態と回転トルクを遮断するトルク遮断状態との間で切り替え可能な2方向クラッチと、前記2方向クラッチの作動時と非作動時との切り替えを制御する電磁クラッチと、を備えるものとしたのである。
そして、前記2方向クラッチは、前記内方部材の外径面と前記外方部材の内径面の間に配置された係合子と、前記係合子を保持する保持器と、前記保持器を中立位置に付勢するスイッチばねと、を有するものとしたのである。ここで、前記2方向クラッチは、前記トルク伝達状態のときには、前記保持器が前記スイッチばねの付勢に抗して中立位置から変位することで、前記係合子が前記内方部材と前記外方部材の対向面間に噛みこみ、前記トルク遮断状態のときには、前記保持器は前記スイッチばねの付勢により中立位置に復帰することで、前記係合子の前記内方部材と前記外方部材の対向面間への噛みこみは解除されるものとする。
また、前記電磁クラッチは、前記内方部材に軸方向にスライド可能に嵌合され、かつ前記保持器に回り止めされたアーマチュアと、前記外方部材に回り止めされて前記アーマチュアと軸方向に対向するロータと、前記アーマチュアを前記ロータから離反する方向に付勢する離反ばねと、前記ロータと軸方向に対向し、通電により前記ロータに前記アーマチュアを吸着させ、通電遮断により前記ロータへの前記アーマチュアの吸着を解除する電磁石と、を有するものとしたのである。ここで前記電磁クラッチは、前記電磁石の通電時には、前記アーマチュアの前記ロータへの吸着により、アーマチュアに回り止めされた前記保持器はロータからの回転抵抗を受けて前記中立位置から変位し、前記電磁石の通電遮断時には、前記離反ばねの付勢により前記アーマチュアは前記ロータから離反して、ロータからの回転抵抗から解放された前記保持器は前記スイッチばねの付勢で前記中立位置へと復帰するものとする。
さらに、前記離反ばねは、その一端部が前記アーマチュアのロータへの吸着面に支持されており、その他端部が前記内方部材の外周に形成されたばね受け凸部に支持されているものとしたのである。
そして、前記2方向クラッチは、前記内方部材の外径面と前記外方部材の内径面の間に配置された係合子と、前記係合子を保持する保持器と、前記保持器を中立位置に付勢するスイッチばねと、を有するものとしたのである。ここで、前記2方向クラッチは、前記トルク伝達状態のときには、前記保持器が前記スイッチばねの付勢に抗して中立位置から変位することで、前記係合子が前記内方部材と前記外方部材の対向面間に噛みこみ、前記トルク遮断状態のときには、前記保持器は前記スイッチばねの付勢により中立位置に復帰することで、前記係合子の前記内方部材と前記外方部材の対向面間への噛みこみは解除されるものとする。
また、前記電磁クラッチは、前記内方部材に軸方向にスライド可能に嵌合され、かつ前記保持器に回り止めされたアーマチュアと、前記外方部材に回り止めされて前記アーマチュアと軸方向に対向するロータと、前記アーマチュアを前記ロータから離反する方向に付勢する離反ばねと、前記ロータと軸方向に対向し、通電により前記ロータに前記アーマチュアを吸着させ、通電遮断により前記ロータへの前記アーマチュアの吸着を解除する電磁石と、を有するものとしたのである。ここで前記電磁クラッチは、前記電磁石の通電時には、前記アーマチュアの前記ロータへの吸着により、アーマチュアに回り止めされた前記保持器はロータからの回転抵抗を受けて前記中立位置から変位し、前記電磁石の通電遮断時には、前記離反ばねの付勢により前記アーマチュアは前記ロータから離反して、ロータからの回転抵抗から解放された前記保持器は前記スイッチばねの付勢で前記中立位置へと復帰するものとする。
さらに、前記離反ばねは、その一端部が前記アーマチュアのロータへの吸着面に支持されており、その他端部が前記内方部材の外周に形成されたばね受け凸部に支持されているものとしたのである。
発明にかかる回転伝達装置では、離反ばねのロータに近接する側の端部が、内方部材の外周に形成されたばね受け凸部に支持されているところ、内方部材とアーマチュアとは電磁クラッチの通電解除時に一体に回転することから、離反ばねの両端を支持する部材の間に回転差が生じることはない。したがって、離反ばねの片方の端部がロータに接触して支持されている場合とは異なり、回転差により離反ばねに磨耗が生じることはない。
このため、離反ばねのばね力が長期にわたって維持され、電磁石の通電を解除した場合に、アーマチュアがロータから速やかに離反し、内方部材から外方部材への動力の遮断がスムーズに行われる。
このため、離反ばねのばね力が長期にわたって維持され、電磁石の通電を解除した場合に、アーマチュアがロータから速やかに離反し、内方部材から外方部材への動力の遮断がスムーズに行われる。
発明にかかる回転伝達装置では、前記内方部材のばね受け凸部は、前記内方部材の外周に外嵌された止め輪である構成を採用するのが好ましい。
このようにすると、安価かつ簡単にばね受け凸部を形成することができる。
このようにすると、安価かつ簡単にばね受け凸部を形成することができる。
発明にかかる回転伝達装置では、前記アーマチュアは、前記ロータへの吸着面に、前記離反ばねの一端部が格納されるばね端格納溝を有している構成を採用するのが好ましい。このようにすると、アーマチュアの回転に伴ない、離反ばねに遠心力が生じるなどしても、ばねの端部がばね端格納溝に格納されて位置決めされていることから、アーマチュアの径方向にずれ動くことが防止される。したがって、離反ばねの片当りなどに伴なう、偏荷重の負荷が抑制され、破損を防止することができる。
発明にかかる回転伝達装置を以上のように構成したので、電磁クラッチの通電解除時にアーマチュアをロータから離反させる離反ばねが、アーマチュアとロータとの回転差により磨耗するのを防止することが可能となった。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態について説明する。
図1から図3に示す、実施形態の回転伝達装置では、ハウジング1内に内方部材としての内輪2が組込まれている。この内輪2は、カムリング3を軸方向の中央部に有し、そのカムリング3の両端に一対の小径軸部4,5を設けた構成とされている。
内輪2の内径面には、スプライン2aが形成されており、ここに図示省略の入力軸が嵌合されている。また、内輪2の内径面には、シール2bが設けられている。
内輪2の内径面には、スプライン2aが形成されており、ここに図示省略の入力軸が嵌合されている。また、内輪2の内径面には、シール2bが設けられている。
内輪2の外側には外方部材としての外輪6が設けられ、その外輪6と内輪2は軸受7を介して相対的に回転自在に支持されている。また、外輪6はハウジング1内に組込まれた軸受8を介して回転自在に支持されている。外輪6とハウジング1の開放端との間には、シール9が設けられている。
外輪6の内径面には、スプライン6aが形成されており、ここに図示省略の出力軸が嵌合されている。入力軸とハウジング1の間は、オイルシール1aにより閉塞されている。
外輪6の内径面には、スプライン6aが形成されており、ここに図示省略の出力軸が嵌合されている。入力軸とハウジング1の間は、オイルシール1aにより閉塞されている。
内輪2と外輪6との間には2方向クラッチ10が設けられ、その2方向クラッチ10の作動および非作動を制御する電磁クラッチ20が上記2方向クラッチ10と回転伝達装置の軸方向に隣接して並設されている。
図3に示すように、2方向クラッチ10は、外輪6の内径面に円筒面11を形成し、カムリング3の外径面には円筒面11との間でくさび形空間を形成する複数のカム面12を周方向に間隔をおいて設け、各カム面12と円筒面11間に係合子としてのローラ13を組込み、そのローラ13を内輪2と外輪6の間に組込まれた保持器14で保持したローラクラッチからなる。
内輪2と保持器14の相互間には、ローラ13が円筒面11およびカム面12に対して係合解除される中立位置に保持器14を弾性保持するためのスイッチばね15が組込まれている。
このスイッチばね15は、C形リング部15aの両端に一対の押圧片15bを外向きに形成した構成とされている。
このスイッチばね15は、C形リング部15aの両端に一対の押圧片15bを外向きに形成した構成とされている。
図2および図3に示すように、スイッチばね15は、カムリング3の端面に形成されたばね収納凹部16内にC形リング部15aが嵌合される組付けとされている。
一対の押圧片15bは、ばね収納凹部16の周壁に形成された切欠き部17を通じて保持器14の端面に設けられた切欠き18内に挿入されている。これにより、スイッチばね15は、切欠き部17および切欠き18の周方向で対向する端面を相反する方向に押圧し、ローラ13を中立位置に保持している。
スイッチばね15は、内輪2の小径軸部5に嵌合されたばね押え19により、軸方向に固定されている。ばね押え19は、保持器14と係合することで保持器14に対して回り止めされている。
一対の押圧片15bは、ばね収納凹部16の周壁に形成された切欠き部17を通じて保持器14の端面に設けられた切欠き18内に挿入されている。これにより、スイッチばね15は、切欠き部17および切欠き18の周方向で対向する端面を相反する方向に押圧し、ローラ13を中立位置に保持している。
スイッチばね15は、内輪2の小径軸部5に嵌合されたばね押え19により、軸方向に固定されている。ばね押え19は、保持器14と係合することで保持器14に対して回り止めされている。
図1および図2に示すように、電磁クラッチ20は、内輪2の小径軸部5にスライド自在に嵌合されて保持器14の端面と軸方向で対向するアーマチュア21と、そのアーマチュア21と軸方向で対向するロータ22と、そのロータ22と軸方向で対向する電磁石23と、アーマチュア21をロータ22から離反する方向に押圧する離反ばね24とからなる。
図1および図2に示すように、アーマチュア21には係合孔25が形成され、その係合孔25にばね押え19の外縁に設けられた突片26が挿入されている。
その突片26と係合孔25の係合によって、アーマチュア21はばね押え19を介して保持器14に対して回り止めされ、かつ、軸方向にスライド可能となっている。
その突片26と係合孔25の係合によって、アーマチュア21はばね押え19を介して保持器14に対して回り止めされ、かつ、軸方向にスライド可能となっている。
図1に示すように、ロータ22は、内周および外周に円筒部22a、22bを有し、外周の円筒部22bが外輪6の開口端部内に取付けられた非磁性体から成るロータガイド27内に圧入されて外輪6に回り止めされている。
ロータ22の内側の円筒部22aの内径面には、図示省略の入力軸を回転可能に支持するための軸受22cが設けられている。
ロータ22の内側の円筒部22aの内径面には、図示省略の入力軸を回転可能に支持するための軸受22cが設けられている。
電磁石23は、フィールドコア23aと、そのフィールドコア23aに支持された電磁コイル23bから成る。この電磁石23は、ロータ22の内外の円筒部22a、22bの間に配置され、そのフィールドコア23aがハウジング1の閉塞端に非回転に支持されている。フィールドコア23aとハウジング1の間には、ワッシャ29が介在している。
図2に示すように、内輪2の一端側の小径軸部5には、係合溝30および係合溝31が二列に形成されており、それぞれ止め輪32及び止め輪33が嵌め込まれている。
カムリング3に近い側の止め輪32は、アーマチュア21がロータ22から離反した際に当接してその離反量を制限するものである。また、カムリング3から遠い側の止め輪33は、後述するように離反ばね24の端部を支持するものである。
カムリング3に近い側の止め輪32は、アーマチュア21がロータ22から離反した際に当接してその離反量を制限するものである。また、カムリング3から遠い側の止め輪33は、後述するように離反ばね24の端部を支持するものである。
図2のように、離反ばね24は、アーマチュア21とロータ22との間に設けられている。離反ばね24の両端部のうち一端部は、アーマチュア21のロータ22への吸着面に接触することで支持されている。また、離反ばね24の他端部は、ばね受け凸部としての止め輪33に接触することで支持されている。図示のように、離反ばね24とロータ22とは、非接触の状態にある。
実施形態の回転伝達装置の構成は以上のようであり、いま電磁石23の電磁コイル23bに対する通電の遮断状態では、図3のように、スイッチばね15のばね力によりローラ13は中立状態に保持されるため、内輪2の回転は外輪6に伝達されず、2方向クラッチはトルク遮断状態となって、内輪2が空転する。
このような内輪2の空転状態から、電磁石23の電磁コイル23bに通電すると、アーマチュア21に吸引力が付与され、アーマチュア21は離反ばね24の弾性に抗して軸方向にスライドして、図4に示すように、ロータ22に吸着される。
ロータ22とアーマチュア21の吸着面に作用する摩擦抵抗は保持器14の回転抵抗となるが、その摩擦抵抗は、スイッチばね15のばね力より予め大きな値に設定されている。このため、スイッチばね15は弾性変形して、内輪2と保持器14とが相対回転する。その相対回転により、保持器14は中立位置から変位し、ローラ13がくさび形空間の狭小部に押し込まれて円筒面11およびカム面12に噛みこむ。したがって、2方向クラッチはトルク伝達状態となって、内輪2の回転はローラ13を介して外輪6に伝達されることになる。
このような内輪2から外輪6へのトルク伝達状態から、電磁コイル23bに対する通電を遮断すると、離反ばね24の押圧により、アーマチュア21はロータ22から離反して、図2に示すように、止め輪32に当接する位置まで移動する。
また、アーマチュア21がロータ22から離反すると、スイッチばね15のばね力により保持器14が内輪2に対して係合時の逆方向に回転され、ローラ13は円筒面11およびカム面12への噛みこみが解除されて中立位置に復帰する。このため、内輪2から外輪6への回転伝達が遮断される。
内輪2から外輪6への回転伝達が遮断されると、内輪2と外輪6との間に回転差が生じ、内輪2と一体に回転するアーマチュア21と外輪6と一体に回転するロータ22との間にも回転差が生じることになる。
離反ばね24の両端部がアーマチュア21とロータ22にそれぞれ支持されている場合、その両端部における回転差により離反ばね24が摩耗し、ばね力が低下してしまう恐れがあるが、本実施形態では、離反ばね24の両端部は内輪2に設けられた止め輪33と内輪2と一体に回転するアーマチュア21にそれぞれ支持されているため、離反ばね24の両端部間に回転差が生じず、摩耗を抑制することができる。したがって、離反ばね24のばね力の低下が防止され、2方向クラッチ10の応答性がよく、信頼性の高い回転伝達装置を得ることができる。
離反ばね24の両端部がアーマチュア21とロータ22にそれぞれ支持されている場合、その両端部における回転差により離反ばね24が摩耗し、ばね力が低下してしまう恐れがあるが、本実施形態では、離反ばね24の両端部は内輪2に設けられた止め輪33と内輪2と一体に回転するアーマチュア21にそれぞれ支持されているため、離反ばね24の両端部間に回転差が生じず、摩耗を抑制することができる。したがって、離反ばね24のばね力の低下が防止され、2方向クラッチ10の応答性がよく、信頼性の高い回転伝達装置を得ることができる。
図5に、他の実施形態の回転伝達装置を示す。
この実施形態では、アーマチュア21のロータ22への吸着面の内径側にばね端格納溝34が設けられており、離反ばね24のアーマチュア21に支持される側の端部が、このばね端格納溝34に格納されている。
内輪2が回転すると、内輪2と一体的に回転するアーマチュア21に支持される離反ばね24の端部には、遠心力が生じるなどして、アーマチュア21の径方向にずれ動きやすくなるが、その端部がばね端格納溝34に格納されることで、径方向へのずれ動きが防止される。
このように、離反ばね24がアーマチュア21に対してずれ動かないように位置決めすることで、片当たり状態が発生するなどして離反ばね24に偏荷重が負荷される事態が防がれ、その破損が防止される。したがって、離反ばね24のばね力の低下が一層防止され、一層信頼性の高い回転伝達装置を得ることができる。
この実施形態では、アーマチュア21のロータ22への吸着面の内径側にばね端格納溝34が設けられており、離反ばね24のアーマチュア21に支持される側の端部が、このばね端格納溝34に格納されている。
内輪2が回転すると、内輪2と一体的に回転するアーマチュア21に支持される離反ばね24の端部には、遠心力が生じるなどして、アーマチュア21の径方向にずれ動きやすくなるが、その端部がばね端格納溝34に格納されることで、径方向へのずれ動きが防止される。
このように、離反ばね24がアーマチュア21に対してずれ動かないように位置決めすることで、片当たり状態が発生するなどして離反ばね24に偏荷重が負荷される事態が防がれ、その破損が防止される。したがって、離反ばね24のばね力の低下が一層防止され、一層信頼性の高い回転伝達装置を得ることができる。
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲内およびこれと均等の意味でのすべての修正と変形を含む。
実施形態では、離反ばね24のアーマチュア21に支持される側の逆側の端部を支持するためのばね受け凸部の一例として止め輪を示したが、これに限定されず、たとえば内輪2の外径面に一体に形成されたばね受け凸部としてもよい。また、ばね受け凸部は内輪の外径面の全周に設ける必要はなく、断続的に設けたり、一部に設けたりしてもよい。
実施形態では、内方部材や外方部材の一例として、入力軸や出力軸と別体の内輪と外輪を示したが、これに限定されず、内方部材や外方部材を入力軸や出力軸と一体としてもよい。
実施形態では、2方向クラッチの係合子の一例として、ローラを示したが、これに限定されず、ボール等でもよい。
実施形態では、2方向クラッチの係合子の一例として、ローラを示したが、これに限定されず、ボール等でもよい。
1 ハウジング、1a オイルシール、2 内輪、2a スプライン、2b シール、3 カムリング、4 小径軸部、5 小径軸部、6 外輪、6a スプライン、7 軸受、8 軸受、9 シール、10 2方向クラッチ、11 円筒面、12 カム面、13 ローラ、14 保持器、15 スイッチばね、15a C形リング部、15b 押圧片、16 ばね収納凹部、17 切欠き部、18 切欠き、19 ばね押え、20 電磁クラッチ、21 アーマチュア、22 ロータ、22a 円筒部、22b 円筒部、22c 軸受、23 電磁石、23a フィールドコア、23b 電磁コイル、24 離反ばね、25 係合孔、26 突片、27 ロータガイド、28 軸受、29 ワッシャ、30 係合溝、31 係合溝、32 止め輪、33 止め輪、34 ばね端格納溝
Claims (3)
- 内方部材と、
前記内方部材の外側に、前記内方部材と同軸上に配置された外方部材と、
前記内方部材から前記外方部材へと、正逆両方向への回転トルクを伝達するトルク伝達状態と回転トルクを遮断するトルク遮断状態との間で切り替え可能な2方向クラッチと、
前記2方向クラッチのトルク伝達状態とトルク遮断状態との切り替えを制御する電磁クラッチと、を備え、
前記2方向クラッチは、
前記内方部材の外径面と前記外方部材の内径面の間に配置された係合子と、
前記係合子を保持する保持器と、
前記保持器を中立位置に付勢するスイッチばねと、を有し、
前記電磁クラッチは、
前記内方部材に軸方向にスライド可能に嵌合され、かつ前記保持器に回り止めされたアーマチュアと、
前記外方部材に回り止めされて前記アーマチュアと軸方向に対向するロータと、
前記アーマチュアを前記ロータから離反する方向に付勢する離反ばねと、
前記ロータと軸方向に対向し、通電により前記ロータに前記アーマチュアを吸着させ、通電遮断により前記ロータへの前記アーマチュアの吸着を解除する電磁石と、を有し、
前記離反ばねは、
その一端部が前記アーマチュアのロータへの吸着面に支持されており、
その他端部が前記内方部材の外周に形成されたばね受け凸部に支持されている、回転伝達装置。 - 前記内方部材のばね受け凸部は、
前記内方部材の外周に外嵌された止め輪である請求項1に記載の回転伝達装置。 - 前記アーマチュアは、
前記ロータへの吸着面に、前記離反ばねの一端部が格納されるばね端格納溝を有している請求項1または2に記載の回転伝達装置。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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