JP2019054384A - 半導体装置および電子制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】通電経路上に直列に挿入される2個のトランジスタを含んだ電子制御装置において、2個のトランジスタの両端の片側電位しか設定できない場合であっても、2個のトランジスタのショート故障を検出する。【解決手段】電圧印加回路VAP_Hは、電力用トランジスタQH1,QH2が共にオフに制御された状態で、電力用トランジスタQH1と電力用トランジスタQH2の共通接続ノードNxに、診断用電位Vxh(例えば、ボディダイオードDh1,Dh2が共にオフ状態を維持できるレベル)を印加する。電圧判定回路VJG_Hは、共通接続ノードNxに印加された診断用電位Vxhの変化を検出することで、電力用トランジスタQH1,QH2のショート故障の有無を判定する。【選択図】図3

Description

本発明は、半導体装置および電子制御装置に関し、例えば、通電経路上に直列に挿入される2個のトランジスタの故障検出技術に関する。
特許文献1、特許文献2および特許文献3には、バッテリ(主電源)とモータ駆動回路(電子制御部)との間の通電経路上に直列に挿入される2個のスイッチング素子を対象に、各スイッチング素子のショート故障/オープン故障を検出する方式が示される。具体的には、2個のスイッチング素子のバッテリとは異なる側の電位がコンデンサ(補助電源)によって保持される構成を前提として、2個のスイッチング素子のオン/オフを適宜制御しながら、2個のスイッチング素子の間の電位や、2個のスイッチング素子の両端の電位が所望の値となったか否かが判定される。また、2個のスイッチング素子のそれぞれは、共通接続ノード側をアノードとするダイオードを備える。
特許第5742356号公報 特許第6009665号公報 特開2007−145208号公報
例えば、車両用の電子制御装置(ECU:Electronic Control Unit)等は、特許文献1〜特許文献3に示されるように、通電経路上に直列に挿入される2個のトランジスタを備える場合がある。当該2個のトランジスタには、互い向きが異なる2個のダイオードが接続される。これにより、例えば、バッテリの逆接続に伴う逆方向の通電等を防止することが可能になる。
一方、当該2個のトランジスタでは、特に、ショート故障が生じ易く、機能安全の観点から、それを検出することが求められる。しかし、特許文献1〜特許文献3に示される方式は、2個のトランジスタの両端の電位を個々に設定できる構成を前提としており、2個のトランジスタの両端の片側電位(例えば、バッテリ側電位)しか設定できないような構成には適用困難となる。
後述する実施の形態は、このようなことに鑑みてなされたものであり、その他の課題と新規な特徴は、本明細書の記述及び添付図面から明らかになるであろう。
一実施の形態による半導体装置は、電源と負荷との間の通電経路上に直列に挿入される第1および第2のトランジスタと、第1および第2のトランジスタを診断する診断回路とを備える。診断回路は、電圧印加回路と電圧判定回路とを有する。電圧印加回路は、第1および第2のトランジスタが共にオフに制御された状態で、第1のトランジスタと第2のトランジスタの共通接続ノードに診断用電位を印加する。電圧判定回路は、共通接続ノードに印加された診断用電位の変化を検出することで、第1および第2のトランジスタのショート故障の有無を判定する。
前記一実施の形態によれば、通電経路上に直列に挿入される2個のトランジスタを含んだ電子制御装置において、2個のトランジスタの両端の片側電位しか設定できない場合であっても、2個のトランジスタのショート故障を検出することが可能になる。
本発明の実施の形態1による電子制御装置の主要部の構成例を示す概略図である。 図1とは異なる電子制御装置の主要部の構成例を示す概略図である。 本発明の実施の形態1による半導体装置の主要部の構成例および動作例を示す模式図である。 図3の変形例を示す模式図である。 図3の半導体装置における主要部の構成例を示す回路図である。 本発明の実施の形態2による半導体装置における主要部の構成例を示す回路図である。 図6の電圧判定回路の変形例を示す回路図である。 (a)、(b)および(c)は、図6における定電流源のそれぞれ異なる構成例を示す回路図である。 本発明の実施の形態2による半導体装置の各種実装形態の一例を示す概略図である。 本発明の実施の形態2による半導体装置の各種実装形態の一例を示す概略図である。 本発明の実施の形態2による半導体装置の各種実装形態の一例を示す概略図である。 本発明の実施の形態3による半導体装置において、診断回路の構成例を示す回路図である。 図12の診断回路の動作例を示す模式図である。 図12の診断回路とそのシーケンスを制御する診断制御回路とを含めた診断回路ユニットの構成例を示す回路図である。 電力用トランジスタにショート故障が無い場合の図14の診断回路ユニットの動作例を示すタイミングチャートである。 上流側の電力用トランジスタにショート故障が有る場合の図14の診断回路ユニットの動作例を示すタイミングチャートである。 下流側の電力用トランジスタにショート故障が有る場合の図14の診断回路ユニットの動作例を示すタイミングチャートである。 図14の診断回路ユニットを含んだ半導体装置の構成例を示す概略図である。 本発明の実施の形態4による半導体装置の構成例を示す概略図である。 本発明の実施の形態4による半導体装置の別の構成例を示す概略図である。 本発明の実施の形態5による半導体装置において、診断回路の構成例を示す回路図である。 本発明の実施の形態5による半導体装置において、診断回路の別の構成例を示す回路図である。 本発明の比較例となる電子制御装置の構成例を示す概略図である。
以下の実施の形態においては便宜上その必要があるときは、複数のセクションまたは実施の形態に分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それらは互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細、補足説明等の関係にある。また、以下の実施の形態において、要素の数等(個数、数値、量、範囲等を含む)に言及する場合、特に明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でも良い。
さらに、以下の実施の形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。同様に、以下の実施の形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に明らかにそうでないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含むものとする。このことは、上記数値および範囲についても同様である。
また、実施の形態の各機能ブロックを構成する回路素子は、特に制限されないが、公知のCMOS(相補型MOSトランジスタ)等の集積回路技術によって、単結晶シリコンのような半導体基板上に形成される。実施の形態では、MISFET(Metal Insulator Semiconductor Field Effect Transistor)の一例としてMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)(MOSトランジスタと略す)を用いるが、ゲート絶縁膜として非酸化膜を除外するものではない。また、明細書では、nチャネル型のMOSトランジスタをnMOSトランジスタと呼び、pチャネル型のMOSトランジスタをpMOSトランジスタと呼ぶ。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の部材には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
(実施の形態1)
《電子制御装置(比較例)の概略および問題点》
まず、実施の形態の電子制御装置の説明に先立ち、比較例となる電子制御装置について説明する。図23は、本発明の比較例となる電子制御装置の構成例を示す概略図である。図23に示す電子制御装置は、負荷であるモータMTを駆動するモータ駆動回路MDVと、バッテリBATへの接続をオン/オフするイグニッションスイッチSWpと、電源スイッチとして機能するトランジスタQ1,Q2と、モータ駆動回路MDVの入力電位を保持するコンデンサC1とを備える。トランジスタQ1,Q2は、ソースを共通接続ノードとして直列接続される2個のnMOSトランジスタで構成される。また、トランジスタQ1,Q2には、ぞれぞれ、共通接続ノード側をアノードとするボディダイオードD1,D2が並列に接続される。
トランジスタQ1,Q2の共通接続ノード(ソース)の電位は、分圧抵抗を介してモニタ電位V1として監視される。また、トランジスタQ2のドレインの電位も、分圧抵抗を介してモニタ電位V2として監視される。当該電子制御装置は、各トランジスタQ1,Q2のオン・オフと、これに応じて得られるモニタ電位V1,V2とを用いて、トランジスタQ1,Q2のオープン故障およびショート故障を検出する。
具体的には、まず、トランジスタQ1のショート故障を検出するため、電子制御装置は、トランジスタQ1,Q2がオフの状態で、イグニッションスイッチSWpをオンに制御し、モニタ電位V1を監視する。モニタ電位V1は、トランジスタQ1にショート故障が無ければ接地電源電位GNDのレベルとなるが、ショート故障が有れば、トランジスタQ1のショート抵抗値と、分圧抵抗とに応じた所定の電位レベルとなる。
続いて、トランジスタQ1のオープン故障を検出するため、電子制御装置は、トランジスタQ1,Q2をオフからオンに制御し、モニタ電位V1を監視する。この際に、モータ駆動回路MDV(例えば3相インバータ)の各駆動トランジスタは、オフ状態である。モニタ電位V1は、トランジスタQ1のオープン故障が無ければ、分圧抵抗で決まる所定の電位レベルとなり、オープン故障が有れば、接地電源電位GNDのレベルとなる。
次に、この状態を維持したまま、トランジスタQ1が正常であることを前提として、トランジスタQ2(およびボディダイオードD2)のオープン故障を検出するため、電子制御装置は、モニタ電位V2を監視する。モニタ電位V2は、トランジスタQ2(およびボディダイオードD2)のオープン故障が無ければ、分圧抵抗で決まる所定の電位レベルとなり、オープン故障が有れば、接地電源電位GNDのレベルとなる。
最後に、トランジスタQ2のショート故障を検出するため、電子制御装置は、トランジスタQ1,Q2をオンからオフに制御し、モニタ電位V1を監視する。モニタ電位V1は、トランジスタQ2のショート故障が無ければ接地電源電位GNDのレベルとなり、ショート故障が有れば、コンデンサC1で保持されている電源電位と、トランジスタQ2のショート抵抗値と、分圧抵抗とに応じた所定の電位レベルとなる。
しかし、図23の方式では、補助電源として機能するコンデンサC1が無ければ(すなわち、トランジスタQ2のドレイン電位を設定できなければ)、トランジスタQ2のショート故障を検出できない。さらに、オープン故障/ショート故障を検出する際には、トランジスタQ1,Q2の接続先のユニット(この例では、モータ駆働回路MDV)をオフ状態に制御できることが必要となる。仮にオフ状態に制御できない場合、オープン故障/ショート故障の検出に伴いモータMTの駆動が生じる恐れがある。このため、電子制御装置の構成によっては、図23のような方式を適用することが困難となる場合がある。
具体的に説明すると、後述する実施の形態では、例えば、図23に示したようなトランジスタQ1,Q2を、電源スイッチに限らず、ドライバの駆動トランジスタ(例えば、モータ駆動回路MDVの一部)として使用することを想定する。この場合、バッテリBATからの電力が駆動トランジスタ(トランジスタQ1,Q2)を介して負荷に供給されることになる。この際に、駆動トランジスタと負荷の間には、通常、コンデンサC1は設けられないため、図23の方式は適用困難となる。さらに、負荷は、一般的に、モータやランプ等の受動部品であるため、オフ状態には制御できない場合が多い。このため、図23の方式をそのまま適用すると、オープン故障/ショート故障の検出に伴い負荷の駆動が生じる恐れがある。
《電子制御装置(実施の形態1)の概略》
図1は、本発明の実施の形態1による電子制御装置の主要部の構成例を示す概略図である。図1に示す電子制御装置ECUは、マイクロコントローラMCUと、半導体装置(半導体リレー装置とも呼ぶ)RLY_Hと、電源レギュレータVREGと、外部抵抗Reとを含み、これらが配線基板上に実装された構成となっている。当該電子制御装置ECUには、コネクタ等を介して、バッテリBATからの正極側の電源(電源電位とも呼ぶ)VD1pと、負極側の電源(電源電位とも呼ぶ)VD1nとが供給される。電源電位VD1nを0Vとした場合、電源電位VD1pは、例えば、12V等である。
電源レギュレータVREGは、電源電位VD1pからマイクロコントローラMCU用の電源電位(例えば5V等)を生成する。マイクロコントローラMCUは、広く知られているように、各種プログラムやデータを格納するメモリや、メモリに格納されたプログラムを実行するプロセッサや、各種アナログ周辺回路および各種ディジタル周辺回路を備える。半導体リレー装置RLY_Hは、マイクロコントローラMCUからの指示に応じて電源VD1pと負荷LDとの間の通電を制御する。この例では、半導体リレー装置RLY_Hは、負荷LDへの通電オン・オフを指示する制御入力信号INをマイクロコントローラMCUから受けて通電を制御する。
また、半導体リレー装置RLY_Hは、詳細は後述するが、自己診断を実行する診断回路を備える。半導体リレー装置RLY_Hは、当該診断回路による診断結果となる結果通知信号PFをマイクロコントローラMCUへ出力する。この例では、半導体リレー装置RLY_Hは、診断結果が異常である場合、結果通知信号PFの電位レベルを外部抵抗Reを介して所定のレベルに制御することで、マイクロコントローラMCUへ異常を通知する。マイクロコントローラMCUは、結果通知信号PFの電位レベルをアナログ・ディジタル変換回路によってディジタル信号に変換することで異常を認識する。
負荷LDは、半導体リレー装置RLY_Hの出力端子Noutと、電源VD1nとの間に、コネクタ等を介して接続される。負荷LDは、自動車用の各種電装部品であり、例えば、DCモータや、ランプや、ヒータや、各種インダクタンス負荷等が挙げられる。ここで、図1の半導体リレー装置RLY_Hは、図23のトランジスタQ1,Q2に示したような電源スイッチとしての機能ではなく、負荷LDを駆動するドライバとしての機能を担う。
図2は、図1とは異なる電子制御装置の主要部の構成例を示す概略図である。図2に示す電子制御装置ECUは、図1と異なり、負荷となるモータMTをHブリッジ回路で駆動する構成となっている。このため、当該電子制御装置ECUは、Hブリッジ回路の2個の上アームをそれぞれ構成する2個の半導体リレー装置RLY_H1,RLY_H2と、Hブリッジ回路の2個の下アームをそれぞれ構成する2個の電力用トランジスタ(この例ではnMOSトランジスタ)QL11,QL12とを備える。
マイクロコントローラMCUは、図1の場合と同様に、2個の半導体リレー装置RLY_H1,RLY_H2へ制御入力信号IN1,IN2をそれぞれ送信し、2個の半導体リレー装置RLY_H1,RLY_H2からの結果通知信号PF1,PF2をそれぞれ受信する。これに伴い、当該電子制御装置ECUは、2個の外部抵抗Re1,Re2を備える。図2の半導体リレー装置RLY_H1,RLY_H2も、図1の場合と同様に、電源スイッチとしての機能ではなく、モータMTを駆動するドライバとしての機能を担う。
《半導体装置(実施の形態1)の概略》
図3は、本発明の実施の形態1による半導体装置の主要部の構成例および動作例を示す模式図である。図3に示す半導体装置(半導体リレー装置)RLY_Hは、例えば、図1に示したような電子制御装置ECUに適用される。当該半導体リレー装置RLY_Hは、電力用トランジスタQH1,QH2と、診断回路DIG_Hと、プリドライバPDVと、制御回路CTLとを備える。
電力用トランジスタQH1,QH2は、この例では、nMOSトランジスタで構成され、電源VD1pと負荷LDとの間の通電経路上に直列に挿入される。具体的には、電力用トランジスタQH1は、電源VD1pと共通接続ノードNxとの間に設けられ、電力用トランジスタQH2は、共通接続ノードNxと負荷LD(出力端子Nout)との間に設けられる。また、電力用トランジスタQH1,QH2は、ソース・ドレイン間に、それぞれ、ボディダイオードDh1,Dh2を備える。電力用トランジスタQH1,QH2がnMOSトランジスタの場合、ボディダイオードDh1,Dh2は、例えば、ソースをアノード、ドレインをカソードとする寄生ダイオードによって構成される。この例では、ボディダイオードDh1,Dh2のカソード(言い換えれば、電力用トランジスタQH1,QH2のドレイン)が、共通接続ノードNxに接続される。
診断回路DIG_Hは、電圧印加回路VAP_Hと、電圧判定回路VJG_Hとを備え、電力用トランジスタQH1,QH2を自己診断する。電圧印加回路VAP_Hは、電力用トランジスタQH1,QH2が共にオフに制御された状態で、共通接続ノードNxに診断用電位Vxhを印加する。診断用電位Vxhは、具体的には、ボディダイオードDh1,Dh2が共にオフ状態を維持できるレベル(言い換えれば、各ダイオードが共に順バイアスとならないレベル)である。診断用電位Vxhは、ボディダイオードDh1の順方向電圧を“VFh”として、“VD1p−VFh”よりも大きければよく、例えば、“VD1p−VFh”よりも大きく“VD1p”よりも小さいレベルに設定される。
電圧判定回路VJG_Hは、共通接続ノードNxに印加された診断用電位Vxhの変化を検出することで、電力用トランジスタQH1,QH2のショート故障の有無を判定する。具体的には、診断用電位Vxhは、電力用トランジスタQH1にショート故障がある場合、電源電位VD1p側に近づき、電力用トランジスタQH2にショート故障がある場合、電源電位VD1n側に近づく。そこで、電圧判定回路VJG_Hは、診断用電位Vxhが上昇した場合に電力用トランジスタQH1をショート故障と判定し、低下した場合に電力用トランジスタQH2をショート故障と判定する。
ここで、より具体的な診断方式として、例えば、次の2つの方式が挙げられる。1つ目の方式は、電圧印加回路VAP_Hが所定の基準電位Vrefh(VD1p>Vrefh>VD1p−VFh)よりもΔVだけ低い診断用電位Vxh_Lと、ΔVだけ高い診断用電位Vxh_Hとを順に印加し、電圧判定回路VJG_Hが1個の基準電位Vrefhを比較対象として大小判定を行う方式である。すなわち、電圧判定回路VJG_Hは、印加した低い側の診断用電位Vxh_Lが基準電位Vrefhを超えて上昇した場合、電力用トランジスタQH1をショート故障と判定することができる。一方、電圧判定回路VJG_Hは、印加した高い側の診断用電位Vxh_Hが基準電位Vrefhを超えて低下した場合、電力用トランジスタQH2をショート故障と判定することができる。
2つ目の方式は、電圧印加回路VAP_Hが1個の診断用電位Vxhを印加し、電圧判定回路VJG_Hが当該診断用電位VxhよりもΔVだけ高い基準電位Vrefh_Hと、ΔVだけ低い基準電位Vrefh_Lとを比較対象として大小判定を行う方式である。すなわち、電圧判定回路VJG_Hは、印加した診断用電位Vxhが高い側の基準電位Vrefh_Hを超えて上昇した場合、電力用トランジスタQH1をショート故障と判定することができる。一方、電圧判定回路VJG_Hは、印加した診断用電位Vxhが低い側の基準電位Vrefh_Lを超えて低下した場合、電力用トランジスタQH2をショート故障と判定することができる。
プリドライバPDVは、電力用トランジスタQH1,QH2を駆動する。前述したように、診断回路DIG_Hによってショート故障の判定を行う場合、プリドライバPDVは、電力用トランジスタQH1,QH2を共にオフに駆動する。制御回路CTLは、外部(例えばマイクロコントローラMCU)からの制御入力信号INに応じて、プリドライバPDVを介して電力用トランジスタQH1,QH2のオン・オフを制御する。また、制御回路CTLは、必要に応じて診断回路DIG_Hを起動し、診断回路DIG_Hの診断シーケンスを適宜制御しながら、診断回路DIG_Hに自己診断を行わせる。そして、制御回路CTLは、診断回路DIG_Hからの診断結果に基づいて、外部(例えばマイクロコントローラMCU)へ結果通知信号PFを出力する。
以上のように、診断回路DIG_Hは、共通接続ノードNxがハイインピーダンス状態になるような電位レベルを設定することで電力用トランジスタQH1,QH2のショート故障を検出する。このため、図23に示したようなコンデンサC1が設けられず、2個の電力用トランジスタQH1,QH2の両端の片側電位(電力用トランジスタQH1のソース電位)しか設定できない場合であっても、各トランジスタのショート故障を検出することが可能になる。
また、これにより、電力用トランジスタQH1,QH2が、図23に示されるような電源スイッチではなく、図1および図3に示されるような負荷LDを駆動するドライバの一部となる場合(この場合、コンデンサC1は通常設けられない)であっても、各トランジスタのショート故障を検出することが可能になる。さらに、電力用トランジスタQH1,QH2がオフ状態で診断を行えるため、診断に伴い負荷LDが不必要に駆動されるような事態が生じず、負荷LDに関わらない自己診断を行うことが可能になる。
なお、ここでは、電力用トランジスタQH1,QH2がドライバの一部である場合を想定して説明を行ったが、勿論、図23に示したような電源スイッチである場合でも、図3の診断方式を適用することが可能である。ただし、前述した説明から判るように、電力用トランジスタQH1,QH2が電源スイッチである場合よりもドライバの一部である場合の方が、より有益な効果が得られる。
ここで、電力用トランジスタが電源スイッチとして機能する場合、当該トランジスタのゲートには、当該トランジスタを完全にオンさせるための電位か完全にオフさせるための電位が印加される。これに応じて、当該トランジスタは、単に、負荷LDを電源に接続するか否かを制御し、例えば、DCモータの回転有無やランプの点灯有無等を定めることになる。一方、電力用トランジスタがドライバの一部として機能する場合、当該トランジスタのゲートは、プリドライバを介して、例えば、制御されたアナログ電位や、または、PWM(Pulse Width Modulation)信号等によっても駆動される。この場合、当該トランジスタは、負荷LDの駆動電力(負荷LDに供給する電源電位(または電源電流)のレベル)を制御することができ、例えば、DCモータの回転有無やランプの点灯有無等に限らず、DCモータの回転数や、ランプの明るさ等も制御することができる。
また、電力用トランジスタQH1,QH2に関しては、電力用トランジスタQH2側のボディダイオードDh2のカソードが共通接続ノードNxに接続されていれば、その他の箇所は、トランジスタの種類(nMOSトランジスタ、pMOSトランジスタ等)およびボディダイオードの向きを含めて適宜変更可能である。すなわち、ボディダイオードDh2の向きが反対の場合、共通接続ノードNxをハイインピーダンス状態に保つことが困難となり得る。一方、例えば、ボディダイオードDh1の向きが反対の場合、診断用電位Vxhを“VD1p+VFh”よりも小さいレベルに設定することで、共通接続ノードNxをハイインピーダンス状態に保てる。
図3において、電力用トランジスタQH1およびボディダイオードDh1は、図1のバッテリBATが逆極性で接続された際の逆流電流を遮断する役目を担う。例えば、電力用トランジスタQH1,QH2は、通常動作の際には共にオンに制御され、逆流電流が検出された際には共にオフに制御される。このため、図3のボディダイオードDh1は、カソードが共通接続ノードNxに接続される向きに配置される。一方、ボディダイオードDh1の向きを入れ替える(言い換えれば、電力用トランジスタQH2およびボディダイオードDh2を2段積みにする)ことで、トランジスタに冗長性を持たせる構成も考えられる。この場合、一方のトランジスタにショート故障が生じた場合であっても、他方のトランジスタで通電制御を行うことができる。図3の診断方式は、このような構成に対しても適用可能である。また、このような構成は、例えば、図2の電子制御装置ECUに適用することができる。
図4は、図3の変形例を示す模式図である。実施の形態1の半導体リレー装置は、図3に示したようなハイサイド(上アーム側)に限らず、図4に示されるようなロウサイド(下アーム側)に適用することも可能である。図4に示す半導体装置(半導体リレー装置)RLY_Lは、電力用トランジスタQL1,QL2と、診断回路DIG_Lと、プリドライバPDVと、制御回路CTLとを備える。
電力用トランジスタQL1,QL2は、この例では、nMOSトランジスタで構成され、電源VD1nと負荷LDとの間の通電経路上に直列に挿入される。具体的には、電力用トランジスタQL1は、電源VD1nと共通接続ノードNxとの間に設けられ、電力用トランジスタQL2は、共通接続ノードNxと負荷LD(出力端子Nout)との間に設けられる。また、電力用トランジスタQL1,QL2は、ソース・ドレイン間に、それぞれ、ボディダイオードDl1,Dl2を備える。この例では、ボディダイオードDl1,Dl2のアノード(言い換えれば、電力用トランジスタQL1,QL2のソース)が、共通接続ノードNxに接続される。
診断回路DIG_Lは、図3の場合と同様の電圧印加回路VAP_Lおよび電圧判定回路VJG_Lを備え、電力用トランジスタQL1,QL2を自己診断する。電圧印加回路VAP_Lは、電力用トランジスタQL1,QL2が共にオフに制御された状態で、共通接続ノードNxに診断用電位Vxlを印加する。診断用電位Vxlは、具体的には、ボディダイオードDl1,Dl2が共にオフ状態を維持できるレベルである。診断用電位Vxlは、ボディダイオードDl1の順方向電圧を“VFl”として、“VD1n+VFl”よりも小さければよく、例えば、“VD1n+VFl”よりも小さく“VD1n”よりも大きいレベルに設定される。
電圧判定回路VJG_Lは、図3の場合と同様にして、共通接続ノードNxに印加された診断用電位Vxlの変化を検出することで、電力用トランジスタQL1,QL2のショート故障の有無を判定する。具体的には、診断用電位Vxlは、電力用トランジスタQL1にショート故障がある場合、電源電位VD1n側に近づき、電力用トランジスタQL2にショート故障がある場合、電源電位VD1p側に近づく。そこで、電圧判定回路VJG_Lは、診断用電位Vxlが低下した場合に電力用トランジスタQL1をショート故障と判定し、上昇した場合に電力用トランジスタQL2をショート故障と判定する。
勿論、図3と同様に、共通接続ノードNxに、電力用トランジスタQL1,QL2のボディダイオードDl1,Dl2のカソード(言い換えれば、電力用トランジスタQL1,QL2のドレイン)が接続されてもよい。その場合、診断用電位Vx1は、“VD1p”より小さく“VD1n”より大きいレベルに設定される。
《診断回路(実施の形態1)の構成および動作》
図5は、図3の半導体装置における主要部の構成例を示す回路図である。図5に示す診断回路DIG_Haは、例えば、図1の電子制御装置ECUを構成する配線基板上に、複数のディスクリート部品を実装することで構成される。また、この例では、電力用トランジスタQH1,QH2のゲート・ソース間に、それぞれ、ディスクリート部品となる抵抗素子R8,R9が接続される。抵抗素子R8,R9は、プリドライバPDVが電力用トランジスタQH1,QH2をオンに駆動しない期間で、電力用トランジスタQH1,QH2をオフに制御する(すなわちゲート・ソース間をショートさせる)ために設けられる。
診断回路DIG_Haは、電源VD1pと電源(電源電位とも呼ぶ)VD3とに接続され、抵抗素子R1〜R7と、スイッチSW1〜SW4と、コンパレータCMP1と、アンプAMP1と、複数のバイポーラトランジスタBN1〜BN4,BP1,BP2とを備える。バイポーラトランジスタBN1〜BN4は、npnバイポーラトランジスタであり、バイポーラトランジスタBP1,BP2は、pnpバイポーラトランジスタである。電源電位VD3は、例えば、電源電位VD1nと同一電位(例えばグラウンド電位)である。
バイポーラトランジスタBN1,BN2は、それぞれ、電流I1,I2を流す。この電流I1,I2は、アンプAMP1、抵抗素子R6,R7およびバイポーラトランジスタBN4で生成される定電流を、カレントミラー回路を構成するバイポーラトランジスタBP1,BP2で折り返し、さらに、バイポーラトランジスタBN3で折り返すことで供給される。バイポーラトランジスタBN3は、バイポーラトランジスタBN1,BN2のそれぞれとの間でカレントミラー回路を構成する。電流I1,I2は、同じ電流値であってもよい。
アンプAMP1の非反転入力端子には、図示されないレギュレータ電位が入力される。スイッチSW1,SW4は、それぞれ、アンプAMP1およびコンパレータCMP1の暗電流カット用として設けられる。抵抗素子R4,R5は、アンプAMP1の非動作時にバイポーラトランジスタBN1,BN2,BN3およびバイポーラトランジスタBP1,BP2のベース電位がフローティングとならないように(これに伴う暗電流や誤動作を防止するために)設けられる。
電圧印加回路VAP_Haは、スイッチSW2,SW3、抵抗素子R2,R3およびバイポーラトランジスタBN2によって構成される。スイッチSW2および抵抗素子R2は、電源VD1pと共通接続ノードNxとの間に直列に接続される。スイッチSW3および抵抗素子R3は、電源VD1pと共通接続ノードNxとの間に直列に接続され、スイッチSW2および抵抗素子R2と並列に接続される。バイポーラトランジスタBN2は、定電流源として機能し、共通接続ノードNxと、電源VD3との間に電流I2を流す。
共通接続ノードNxの電位は、スイッチSW2のオン(スイッチSW3のオフ)に伴い抵抗素子R2に電流I2が流れた場合には、電源電位VD1pからドロップ電圧Vdrp2(=R2×I2)分降下した電位レベルとなる。また、共通接続ノードNxの電位は、スイッチSW3のオン(スイッチSW2のオフ)に伴い抵抗素子R3に電流I2が流れた場合には、電源電位VD1pからドロップ電圧Vdrp2(=R3×I2)分降下した電位レベルとなる。
電圧判定回路VJG_Haは、コンパレータCMP1で構成される。コンパレータCMP1の反転入力端子には、抵抗素子R1および電流I1によって、電源電位VD1pからドロップ電圧Vdrp1(=R1×I1)分降下した電位が入力される。コンパレータCMP1は、この反転入力端子の電位と、非反転入力端子に入力される共通接続ノードNxの電位とを比較することで、ショート故障の判定を行う。
具体的には、抵抗素子R1〜R3の各抵抗値および電流I1,I2の各電流値は、式(1)および式(2)を満たすように設定される。その結果、コンパレータCMP1の反転入力端子の電位を基準電位(Vrefh)として、共通接続ノードNxの電位は、抵抗素子R2に電流I2が流れた場合には、当該基準電位よりも低い電位レベルとなり、抵抗素子R3に電流I2が流れた場合には、当該基準電位よりも高い電位レベルとなる。また、ドロップ電圧Vdrp1,Vdrp2は、図3で説明したように共通接続ノードNxがハイインピーダンス状態となるような電圧に設定するため、ボディダイオードDh1の温度特性等も考慮して、例えば、0.1V前後の小さい値に定められる。
Vdrp2(=R2×I2)>Vdrp1(=R1×I1) (1)
Vdrp2(=R3×I2)<Vdrp1(=R1×I1) (2)
なお、ここでは、ドロップ電圧Vdrp2をスイッチSW2,SW3によって切り替える構成を用いたが、図3で述べたように、共通接続ノードNxを固定電位とし、ドロップ電圧Vdrp1をスイッチによって切り替える構成を用いてもよい。
以下、電力用トランジスタQH1,QH2のそれぞれに対するショート故障の検出方法について具体的に説明する。このショート故障の検出期間では、電力用トランジスタQH1,QH2は、オフ状態を維持する。
まず、電力用トランジスタQH1のショート故障の検出に際し、スイッチSW2はオン(スイッチSW3はオフ)に制御される。電力用トランジスタQH1にショート故障が無ければ、式(1)の関係がそのまま成立し、コンパレータCMP1の出力は“L”レベルとなる。一方、電力用トランジスタQH1にショート故障が有れば、共通接続ノードNxに生じるドロップ電圧Vdrp2は、ショート抵抗を“RS1”として、式(3)となる。式(3)のドロップ電圧Vdrp2は、“RS1”が並列抵抗として寄与するため、式(1)のドロップ電圧Vdrp2よりも小さい値となる。そして、式(3)のドロップ電圧Vdrp2が式(1)のドロップ電圧Vdrp1よりも小さくなる程度に“RS1”の値が小さい場合、コンパレータCMP1の出力が“H”レベルとなることで、電力用トランジスタQH1のショート故障が検出される。
Vdrp2=I2×(R2×RS1)/(R2+RS1) (3)
次に、電力用トランジスタQH2のショート故障の検出に際し、スイッチSW3はオン(スイッチSW2はオフ)に制御される。電力用トランジスタQH2にショート故障が無ければ、式(2)の関係がそのまま成り立ち、コンパレータCMP1の出力は“H”レベルとなる。一方、電力用トランジスタQH2にショート故障が有れば、共通接続ノードNxに生じるドロップ電圧Vdrp2は、リーク電流を“Ilk”として、式(4)となる。式(4)のドロップ電圧Vdrp2は、“Ilk”の分だけ式(2)のドロップ電圧Vdrp2よりも大きい値となる。そして、式(4)のドロップ電圧Vdrp2が式(2)のドロップ電圧Vdrp1よりも大きくなる程度に“Ilk”の値が大きい場合、コンパレータCMP1の出力が“L”レベルとなることで、電力用トランジスタQH2のショート故障が検出される。
Vdrp2=R3×(I2+Ilk) (4)
なお、この場合、コンパレータCMP1から出力される論理レベルは、電力用トランジスタQH1のショート故障時と、電力用トランジスタQH2のショート故障時とで異なる。このため、実際には、例えば、スイッチSW2,SW3の制御に併せて論理レベルを整合させるような論理回路を別途設けることが望ましい。
ここで、図5の構成(図3および図4の構成も同様)では、ショート故障の検出に限らず、オープン故障の検出を行うことも可能である。電力用トランジスタQH1のオープン故障の検出に際し、ショート故障の検出時と同じく、スイッチSW2はオン(スイッチSW3はオフ)に制御される。そして、この状態で、ショート故障の検出時と異なり、電力用トランジスタQH1はオン(電力用トランジスタQH2はオフ)に駆動される。
電力用トランジスタQH1にオープン故障が有れば、前述した電力用トランジスタQH1にショート故障が無い場合と同じ電位関係となり、コンパレータCMP1の出力は“L”レベルとなる。一方、電力用トランジスタQH1にオープン故障が無ければ、共通接続ノードNxに生じるドロップ電圧Vdrp2は、電力用トランジスタQH1のオン抵抗を“Ron1”として、式(5)となる。その結果、当該ドロップ電圧Vdrp2は、“Ron1”が並列抵抗として寄与するため、前述した電力用トランジスタQH1にショート故障が有る場合と同じ電位関係となり、コンパレータCMP1の出力は“H”レベルとなる。
Vdrp2=I2×(R2×Ron1)/(R2+Ron1) (5)
同様にして、スイッチSW3をオン(スイッチSW2をオフ)に制御し、電力用トランジスタQH2をオン(電力用トランジスタQH1をオフ)に駆動することで、電力用トランジスタQH2のオープン故障を検出することも可能である。ただし、この場合、電力用トランジスタQH2のオンに伴い、図23の場合と同様に、負荷LDの不必要な駆動が生じ得るため、負荷LDによっては適用困難となる場合がある。そこで、電力用トランジスタQH2のオープン故障の検出は、例えば、通常動作時の非通電を検出すること等で行ってもよい。
なお、通常は、オープン故障よりもショート故障の方が生じ易く、また、ショート故障が生じた場合には、その他の部品の破損等を招く恐れがある。このため、ショート故障の検出の方がオープン故障の検出よりも優先度が高い場合が多く、オープン故障の検出は適宜省略できる場合がある。また、図5の構成を用いてオープン故障の検出を行う場合、ショート故障時とオープン故障時とでコンパレータCMP1から出力される論理レベルが不整合となるため、実際には、例えば、オープン故障の検出を行なっているという信号(ショート故障が無かったという信号)を用いて論理レベルを整合させることが望ましい。
《実施の形態1の主要な効果》
以上、実施の形態1の方式を用いることで、代表的には、2個の電力用トランジスタの両端の片側電位しか設定できない場合であっても、各トランジスタのショート故障を検出することが可能になる。この際には、式(1)および式(2)に示した各ドロップ電圧Vdrp1,Vdrp2の差分値を適切に調整することで、低抵抗のショート故障が生じる前段階の高抵抗のショート故障(すなわちショート故障の予兆)を検出することも可能である。また、2個の電力用トランジスタがオフ状態でショート故障の検出を行えるため、負荷LDに関わらない自己診断が行えるようになる。
(実施の形態2)
《診断回路(実施の形態2)の構成および動作》
図6は、本発明の実施の形態2による半導体装置における主要部の構成例を示す回路図である。図6に示す診断回路DIG_Hbは、図5に示した診断回路DIG_Haと異なり、プリドライバPDVを含めて同一の半導体チップCHPに実装される。当該診断回路DIG_Hbの基本的な回路方式および回路動作は、図5の場合と同様であるため、以下、主な相違点に着目して説明を行う。
診断回路DIG_Hbは、電源VD1p(例えば12V等)と電源(電源電位とも呼ぶ)VD2とに接続される。電源VD2は、各回路素子を低圧素子で構成できるように、例えば、電源電位VD1pをツェナーダイオード等を用いてドロップした電位レベル(例えば6V等)に設定される。さらに、電源VD2の電位レベルは、当該ドロップした電位レベル(例えば6V等)か、電源VD1pと同じ電位レベルのいずれかに切り替え可能となっている。具体的には、例えば、電源VD1pと電源VD2とをショートするスイッチ等を設ければよい。
電源VD2は、診断回路DIG_Hbの動作が必要な期間(すなわち活性状態の期間)では、所定の電位レベル(6V等)に設定される。一方、電源VD2は、診断回路DIG_Hbの動作が不必要な期間(すなわち非活性状態の期間)では電源VD1pと同じ電位レベル(12V等)に設定される。その結果、非活性状態の期間では、診断回路DIG_Hbに対する電源供給が停止するため、診断回路DIG_Hbの消費電力を低減すると共に診断回路DIG_Hbの誤作動を防止することが可能となる。また、非活性状態の期間では、診断回路DIG_Hbが共通接続ノードNxを介して電力用トランジスタQH1,QH2の通常動作に与える影響も実質的に無視できる。
電圧印加回路VAP_Hbは、抵抗素子R2,R3と、pMOSトランジスタMP3,MP4と、定電流源IS2(およびpMOSトランジスタMP2)とを備える。pMOSトランジスタMP3,MP4は、それぞれ、図5のスイッチSW2,SW3に対応する。定電流源IS2(およびpMOSトランジスタMP2)は、図5において定電流源として機能するバイポーラトランジスタBN2に対応する。
電圧判定回路VJG_Hbは、抵抗素子R1の一端(基準ノードNr)に接続されるpMOSトランジスタMP1と、共通接続ノードNxに接続されるpMOSトランジスタMP2と、pMOSトランジスタMP1,MP2にそれぞれ電流を供給する定電流源IS1,IS2と、インバータ回路IV1とを備える。当該電圧判定回路VJG_Hbは、コンパレータとして機能し、インバータ回路IV1の出力がコンパレータの出力となり、基準ノードNrおよび共通接続ノードNxが、それぞれ、コンパレータの反転入力端子および非反転入力端子となる。
pMOSトランジスタMP1,MP2のサイズは、同一であり、定電流源IS1,IS2の電流値も同一である。pMOSトランジスタMP2は、ダイオード接続となっており、pMOSトランジスタMP1は、ゲートがpMOSトランジスタMP2と共通化される。インバータ回路IV1の論理閾値電位は、非反転入力端子と反転入力端子の電位が等しい場合のpMOSトランジスタMP1のドレイン電位と等しくなるように設定される。
ここで、例えば、非反転入力端子(共通接続ノードNx)の電位が反転入力端子(基準ノードNr)よりも高い場合を想定する。この場合、pMOSトランジスタMP1のゲート・ソース間電圧はpMOSトランジスタMP2に比べて小さいため、pMOSトランジスタMP1のドレイン電位は、電源電位VD2に近い電位レベルとなる。その結果、インバータ回路IV1の入力電位(pMOSトランジスタMP1のドレイン電位)は、論理閾値電位よりも“L”レベル側にシフトし、インバータ回路IV1の出力は“H”レベルとなる。なお、仮に、図1のバッテリBATが逆極性で接続された場合、電源VD2から電源VD1pへの逆流電流の発生が懸念される。このような場合であっても、図6の構成例では、pMOSトランジスタMP1,MP2がオフとなるため、逆流電流を遮断できる。
プリドライバPDVは、例えば、チャージポンプ回路CPと、電力用トランジスタQH1,QH2をそれぞれ駆動するドライバ回路DV1,DV2とを備える。チャージポンプ回路CPは、例えば、発振回路、コンデンサおよびダイオード等を用いて電源電位VD1pを昇圧した昇圧電源を生成する。ドライバ回路DV1は、当該昇圧電源と電源VD1pとに接続される。ドライバ回路DV2は、当該昇圧電源と出力端子Noutとに接続される。
図7は、図6の電圧判定回路の変形例を示す回路図である。図7の電圧判定回路VJG_Hb2において、pMOSトランジスタMP1a,MP2aは、共にダイオード接続であり、それぞれ、基準ノードNrおよび共通接続ノードNxの電位を一定の電圧だけドロップさせるレベルシフタとして機能する。コンパレータCMP2は、図6のインバータ回路IV1の代わりに設けられ、レベルシフタでドロップした2個の電位を比較する。基準ノードNrおよび共通接続ノードNxの電位は、電源電位VD1pに近い電位レベルとなるため、レベルシフタによってコンパレータCMP2の同相入力範囲内にレベル変換される。また、pMOSトランジスタMP1a,MP2aは、図6の場合と同様に、逆流電流を遮断することができる。
電圧判定回路には、図6および図7のような構成の他にも様々な構成を用いることができる。ただし、回路規模を低減する観点からは、図6の構成例が有益となる。前述したように、診断回路DIG_Hbは活性状態の期間で動作するため、その消費電力も特に問題とならない。
図8(a)、図8(b)および図8(c)は、図6における定電流源のそれぞれ異なる構成例を示す回路図である。図8(a)において、抵抗素子R11には、電源電位VD1pと電源電位VD2の差電圧から、nMOSトランジスタMN11の両端電圧を引いた電圧が印加され、それによって定める電流が抵抗素子R11に流れる。nMOSトランジスタMN12,MN13は、nMOSトランジスタMN11とのサイズ比に応じたミラー電流を流すことで、それぞれ、図6の定電流源IS1,IS2として機能する。ここで、抵抗素子R11と、図6における抵抗素子R1〜R3とを同一構造にすることで、温度依存性等に伴う相対的な電位変動等を低減することが可能になる。
図8(b)では、図8(a)の抵抗素子R11の代わりにnMOSトランジスタMN14が設けられる。nMOSトランジスタMN14は、ノーマリーオンのデプレッションタイプのトランジスタであり、ゲートとソースが接続されることで定電流源として機能する。nMOSトランジスタMN14は飽和領域で動作するため、抵抗素子R11を用いる場合と比較して、電源電位VD1pと電源電位VD2の差電圧変動に対する依存性が小さくなる。
図8(c)では、図8(a)の構成に対して、バンドギャップリファレンス回路BGR11およびpMOSトランジスタMP11が追加されている。pMOSトランジスタMP11のゲートにバンドギャップリファレンス回路BGR11の出力電位を印加することで、抵抗素子R11の両端電圧は一定になる。その結果、図8(a)の場合と比較して、高精度な定電流源を得ることが可能になる。すなわち、図8(a)の場合、電源電位VD1pと電源電位VD2の差電圧変動や、nMOSトランジスタMN11の閾値ばらつきや、抵抗素子R11自身のばらつきによって抵抗素子R11の両端電圧が変動するが、図8(c)では、この両端電圧の変動を抑制できる。
以上のように、診断回路DIG_HbをプリドライバPDVを含めて1個の半導体チップCHPに搭載することで、図5の場合のように複数のディスクリート部品で構成した場合と比較して、電子制御装置ECUとしての実装面積の低減やコストの低減が図れる。具体的に説明すると、例えば、プリドライバPDVは、図6に示されるように、チャージポンプ回路CPや、互いにプルダウン側の電位レベルが異なるドライバ回路DV1,DV2といった特殊な回路が必要とされるため、1個の半導体チップCHPで構成されることが望ましい。そこで、この半導体チップCHPを利用して、さらに診断回路DIG_Hbを搭載することで、実装面積やコストの観点で効率化が図れる。
また、診断回路DIG_Hbを1個の半導体チップCHPに搭載することで、各種特性ばらつきの補償を行うことが可能になる。具体的に説明すると、例えば、図6に示されるドロップ電圧Vdrp1,Vdrp2は、ボディダイオードDh1の順方向電圧に対して十分なマージンを持たせるため、ボディダイオードDh1の温度特性に連動して、低温では大きく、高温では小さくなるように設定されるのが望ましい。図5のようなディスクリート部品の組み合わせでは、このような微妙な温度係数の調整は困難となるが、半導体チップCHP内であれば、各抵抗素子R1〜R3や各定電流源IS1,IS2の設計パラメータまたは製造パラメータの調整によって微妙な温度係数の調整が可能となる。
なお、この各種特性ばらつきの補償の観点では、制御対象となる電力用トランジスタQH1,QH2が予め定まっていることが望まれる。したがって、図6の半導体チップCHP内に、更に、電力用トランジスタQH1,QH2を搭載することや、または、電力用トランジスタQH1,QH2を別チップとして、それと図6の半導体チップCHPとを同一のパッケージに搭載することが望ましい。
《半導体装置(実施の形態2)の各種実装形態》
図9、図10および図11は、本発明の実施の形態2による半導体装置の各種実装形態の一例を示す概略図である。図9のタイプ1〜タイプ4では、直列接続される2個の電力用トランジスタQHmn1,QHmn2は、共にnMOSトランジスタで構成され、ボディダイオードDh1,Dh2は、カソードが共通に接続される。タイプ1では、1個の半導体チップCHP1に、診断回路DIG_Hと電力用トランジスタQHmn1,QHmn2が搭載される。タイプ2では、1個のパッケージに2個の半導体チップCHP2a,CHP2bが搭載され、半導体チップCHP2aには、診断回路DIG_Hと下流側の電力用トランジスタQHmn2が搭載され、半導体チップCHP2bには、上流側の電力用トランジスタQHmn1が搭載される。
タイプ3では、1個のパッケージに2個の半導体チップCHP3a,CHP3bが搭載され、半導体チップCHP3aには、診断回路DIG_Hが搭載され、半導体チップCHP3bには、電力用トランジスタQHmn1,QHmn2が搭載される。タイプ4では、1個のパッケージに3個の半導体チップCHP4a,CHP4b,CHP4cが搭載される。半導体チップCHP4aには、診断回路DIG_Hが搭載され、半導体チップCHP4bには、上流側の電力用トランジスタQHmn1が搭載され、半導体チップCHP4cには、下流側の電力用トランジスタQHmn2が搭載される。
図9のタイプ5〜タイプ8では、それぞれ、タイプ1〜タイプ4の場合と同様の形態で各半導体チップが分割されている。タイプ5〜タイプ8では、タイプ1〜タイプ4と異なり、上流側の電力用トランジスタQHmn1のソースとドレインが入れ替えられ、これに伴い、ボディダイオードDh1のアノードとボディダイオードDh2のカソードが接続される。すなわち、タイプ5〜タイプ8の構成は、実施の形態1で述べたように、2段積みのトランジスタによって冗長性を確保する構成となっている。
図10のタイプ9〜タイプ12では、それぞれ、図9のタイプ1〜タイプ4の場合と同様の形態で各半導体チップが分割されている。タイプ9〜タイプ12では、タイプ1〜タイプ4と異なり、上流側の電力用トランジスタQHmp1がpMOSトランジスタで構成される。図10のタイプ13〜タイプ16では、それぞれ、図9のタイプ5〜タイプ8の場合と同様の形態で各半導体チップが分割されている。タイプ13〜タイプ16では、タイプ5〜タイプ8と異なり、上流側の電力用トランジスタQHmp1がpMOSトランジスタで構成される。
図9および図10では、電力用トランジスタとしてMOSトランジスタを用いたが、図11に示されるように、適宜、バイポーラトランジスタやIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)を用いることも可能である。例えば、図11のタイプAでは、上流側の電力用トランジスタQHbp1がpnpバイポーラトランジスタで構成され、タイプBでは、上流側の電力用トランジスタQHib1がIGBTで構成される。また、図11のタイプCでは、タイプAに対して、さらに、下流側の電力用トランジスタQHbn2がnpnバイポーラトランジスタで構成され、タイプDでは、タイプBに対して、さらに、下流側の電力用トランジスタQHib2がIGBTで構成される。
なお、図示は省略されているが、診断回路DIG_Hが搭載されるチップには、実際には、診断回路DIG_Hに加えて、プリドライバPDV等、他の回路も併せて搭載される。その詳細に関しては、図18等で後述する。
《実施の形態2の主要な効果》
以上、実施の形態2の方式を用いることで、実施の形態1で述べた各種効果に加えて、電子制御装置ECUとしての実装面積の低減や、コストの低減が実現可能になる。また、各種特性ばらつきの補償が可能になり、電子制御装置ECUの様々な使用環境(例えば温度環境)において安定した自己診断を行うことが可能になる。
(実施の形態3)
《診断回路(実施の形態3)の構成および動作》
図12は、本発明の実施の形態3による半導体装置において、診断回路の構成例を示す回路図である。図12に示す診断回路DIG_Hcは、図6に示した診断回路DIG_Hbとは次ぎの点が異なっている。1点目として、抵抗素子R1と電源VD1pとの間にpMOSトランジスタMP7が追加されている。2点目として、電圧印加回路VAP_Hcが、さらに、スイッチとして機能するpMOSトランジスタMP5,MP6を備える。
pMOSトランジスタMP5は、共通接続ノードNxと電源VD2との間に接続され、詳細は後述するが、所定の期間オンに制御されることで、共通接続ノードNxの電位を抵抗素子R2を用いた電位レベル(電力用トランジスタQH1のショート故障検出用の電位レベル)に定める際の前準備を行う。また、pMOSトランジスタMP6は、電源VD1pと共通接続ノードNxとの間に接続され、詳細は後述するが、所定の期間オンに制御されることで、共通接続ノードNxの電位を抵抗素子R3を用いた電位レベル(電力用トランジスタQH2のショート故障検出用の電位レベル)に定める際の前準備を行う。
pMOSトランジスタMP7は、pMOSトランジスタMP3,MP4とインピーダンス整合を行うためのダミートランジスタであり、pMOSトランジスタMP3,MP4と同一サイズを備える。pMOSトランジスタMP7のゲートは、例えば、オン抵抗がpMOSトランジスタMP3,MP4と同等になるように、電源VD2に常時接続される。
ここで、電力用トランジスタQH1,QH2は、大電流を扱うことが多いため、一般的に低オン抵抗の素子となり、非常に大きなサイズを備える。このため、電力用トランジスタQH1,QH2の寄生容量(出力容量(Coss)、入力容量(Ciss)、帰還容量(Crss)は、一般的に大きくなる。また、共通接続ノードNxでは、例えば、電源電位VD1pに変動があった場合、当該寄生容量により過渡的な電位変動が発生する場合がある。一方、図12のドロップ電圧Vdrp2は、図5で述べたように、例えば、0.1V前後に設定される。消費電流を考慮すると、定電流源IS2は、小さい電流値(例えば数μA程度)に設定されることが望ましく、当該0.1V前後の電圧を生成するため、抵抗素子R2,R3は、高い抵抗値(例えば数10kΩ程度)に設定される。
したがって、実施の形態2の図6の構成例では、電力用トランジスタQH1,QH2の寄生容量と、抵抗素子R2,R3と、定電流源IS2とで決まる時定数が非常に大きくなり得る。これに加えて、電源電位の変動を考慮すると、ショート故障の検出に要する時間が非常に長くなる恐れがある。例えば、電力用トランジスタQH1のショート故障(またはオープン故障)の検出時には、(基準ノードNrの電位)>(共通接続ノードNxの電位)に定める必要があり、電力用トランジスタQH2のショート故障(またはオープン故障)の検出時には、その逆の電位関係に定める必要がある。共通接続ノードNxに対する寄生容量が大きいと、この電位関係に定めるのに多くの時間を要する恐れがある。そこで、図12に示したようなpMOSトランジスタMP5,MP6を設けることが有益となる。
図13は、図12の診断回路の動作例を示す模式図である。図13では、共通接続ノードNxの初期値が電源電位VD1p寄りである場合を例として、順に、電力用トランジスタQH1のショート故障の検出と、電力用トランジスタQH2のショート故障の検出とを行っている。期間T1では、電力用トランジスタQH1のショート故障の検出に際しての前準備として、pMOSトランジスタMP5がオンに制御され、これに応じて共通接続ノードNxの電位は、基準ノードNrの電位よりも低下する。この際の過渡的な電位変動は、電力用トランジスタQH1,QH2の寄生容量とpMOSトランジスタMP5の電流駆動能力に依るが、当該電流駆動能力をある程度大きく設定することで、共通接続ノードNxの電位は、十分な速度で低下する。
次いで、期間T2では、pMOSトランジスタMP5がオフに制御され、pMOSトランジスタMP3がオンに制御される。ただし、pMOSトランジスタMP3は、予め、期間T1において、pMOSトランジスタMP5と同時にオンに制御されてもよい。この場合であっても、期間T1で流れる電流は、pMOSトランジスタMP5によって支配される。pMOSトランジスタMP5がオフに制御された後の過渡的な電位変動は、抵抗素子R2と、定電流源IS2と、電力用トランジスタQH1,QH2の寄生容量に依る。ただし、過渡的な状態でショート故障の検出を行なっても、ショート抵抗値の検出感度が低下するだけで動作上特に大きな問題は生じない。すなわち、低抵抗のショート故障は、問題なく検出でき、高抵抗のショート故障の検出感度に影響が生じる。
電力用トランジスタQH1が正常であった場合、電力用トランジスタQH2に対するショート故障の検出が行われる。期間T3では、電力用トランジスタQH2のショート故障の検出に際しての前準備として、pMOSトランジスタMP6がオンに制御され、これに応じて共通接続ノードNxの電位は、基準ノードNrの電位よりも上昇する。この際の過渡的な電位変動は、電力用トランジスタQH1,QH2の寄生容量と、pMOSトランジスタMP6の電流駆動能力に依るが、当該電流駆動能力をある程度大きく設定することで、共通接続ノードNxの電位は、十分な速度で上昇する。
次いで、期間T4では、pMOSトランジスタMP6がオフに制御され、pMOSトランジスタMP4がオンに制御される。pMOSトランジスタMP4は、予め、期間T3において、pMOSトランジスタMP6と同時にオンに制御されてもよい。pMOSトランジスタMP6がオフに制御された後の過渡的な電位変動は、抵抗素子R3と、定電流源IS2と、電力用トランジスタQH1,QH2の寄生容量に依る。ただし、過渡的な状態でショート故障の検出を行なっても、電力用トランジスタQH1の場合と同様、動作上特に大きな問題は生じない。
なお、電力用トランジスタQH1のオープン故障を検出する場合は、その前準備として、期間T4の後に、再度、pMOSトランジスタMP5をオンに制御することで、共通接続ノードNxの電位を下げればよい。また、効率化の観点からは、期間T2における電力用トランジスタQH1のショート故障の検出後に続けてオープン故障の検出を行ってもよい。
《診断回路(実施の形態3)のシーケンス制御方式》
図14は、図12の診断回路とそのシーケンスを制御する診断制御回路とを含めた診断回路ユニットの構成例を示す回路図である。図14の診断回路ユニットDIGUでは、図12の診断回路DIG_Hcにおける一部の構成が抽出して示されている。診断制御回路DCTLは、図2の制御回路CTLに含まれる。診断制御回路DCTLは、タイマ回路TMR1〜TMR5と、インバータ回路IV21〜IV23と、ナンド演算回路ND1と、RSフリップフロップRSFF1,RSFF2とを備える。
図15は、電力用トランジスタにショート故障が無い場合の図14の診断回路ユニットの動作例を示すタイミングチャートである。診断イネーブル信号EN_DIGは、“H”レベルがアサートレベルである。診断制御回路DCTLは、診断イネーブル信号EN_DIGのアサートに応じて診断回路DIG_Hcを順次制御しながらショート故障の検出を行い、ショート故障が無い場合には、診断出力信号OUT_DIGを“L”レベルにアサートし、ショート故障が有る場合には、診断出力信号OUT_DIGを“H”レベルにネゲートする。
具体的には、まず、診断イネーブル信号EN_DIGのアサートに応じて電源VD2が有効化され(電源電位VD2が電源電位VD1pと同一レベルから異なるレベル(6V等)に推移し)、タイマ回路TMR1が動作を開始する(時刻t1)。タイマ回路TMR1は、RSフリップフロップRSFF1,RSFF2の初期化とタイマ回路TMR2の初期化を行う機能を担う。タイマ回路TMR1のタイマ期間が満了すると、電力用トランジスタQH1のショート故障を検出するための前準備として、タイマ回路TMR2が動作を開始し、そのタイマ期間でpMOSトランジスタMP5はオンに制御される(時刻t2)。pMOSトランジスタMP5のオンに伴い、共通接続ノードNxは低電位側(電源電位VD2寄り)に推移する(時刻t3〜t4)。
タイマ回路TMR2のタイマ期間が満了すると、続いてタイマ回路TMR3が動作を開始し、pMOSトランジスタMP3がオンに制御される(時刻t4)。これに応じて、共通接続ノードNxは、抵抗素子R2および定電流源IS2で定まる電位に推移する。タイマ回路TMR3のタイマ期間中で電力用トランジスタQH1のショート故障の検出が行われ、ショート故障が無ければ、共通接続ノードNxと基準ノードNrの電位関係が変わらないまま、タイマ回路TMR3のタイマ期間が満了する(時刻t5)。RSフリップフロップRSFF1は、この時刻t5のタイミングで“H”レベルとなる。これは、電力用トランジスタQH1にショート故障が無いことを意味する。
なお、図14の診断制御回路DCTLは、タイマ回路TMR2のタイマ期間でpMOSトランジスタMP3,MP5をオンに制御し、タイマ回路TMR3のタイマ期間でpMOSトランジスタMP5をオフに制御するような構成であってもよい。また、電力用トランジスタQH1のオープン故障を検出する場合は、タイマ回路TMR3の後に動作するタイマ回路およびRSフリップフロップを別途追加すればよい。そして、これらを用いて、ショート故障の検出を行えた後に電力用トランジスタQH1をオンに制御し、タイマ回路のタイマ期間中に、共通接続ノードNxと基準ノードNrの電位関係が変わることを確認すればよい。電力用トランジスタQH1がnMOSトランジスタの場合、図6のチャージポンプ回路CPの起動に時間を要する場合があるため、ある程度のタイマ期間が必要とされる場合がある。続いて、電力用トランジスタQH2のショート故障の検出に移る。
電力用トランジスタQH2のショート故障の検出に際し、その前準備として、タイマ回路TMR4が動作を開始し、そのタイマ期間でpMOSトランジスタMP6がオンに制御される(時刻t5)。タイマ回路TMR4のタイマ期間中、共通接続ノードNxは基準ノードNrの電位を超え、高電位側(電源電位VD1p寄り)に推移する(時刻t6)。タイマ回路TMR4のタイマ期間が満了すると、続いて、タイマ回路TMR5が動作を開始し、そのタイマ期間で、pMOSトランジスタMP4はオンに制御される(時刻t7)。これに応じて、共通接続ノードNxは、抵抗素子R3および定電流源IS2で定まる電位に推移する。なお、図14の診断制御回路DCTLは、タイマ回路TMR4のタイマ期間でpMOSトランジスタMP4,MP6をオンに制御し、タイマ回路TMR5のタイマ期間でpMOSトランジスタMP6をオフに制御するような構成であってもよい。
タイマ回路TMR5のタイマ期間中に電力用トランジスタQH2のショート故障の検出が行われ、ショート故障が無ければ、共通接続ノードNxと基準ノードNrの電位関係が変わらないまま、タイマ回路TMR5のタイマ期間が満了する(時刻t8)。RSフリップフロップRSFF2の出力(診断結果信号R_DIG)は、この時刻t8のタイミングで“H”レベルとなる。これは、電力用トランジスタQH2(加えてQH1)にショート故障が無いことを意味する。診断出力信号OUT_DIGは、このRSフリップフロップRSFF2の“H”レベルを受けて“L”レベルにアサートされる。また、電源VD2は、タイマ回路TMR5のタイマ期間の満了を受けて、無効化される(電源電位VD1pと同一レベルに戻される)。
図16は、上流側の電力用トランジスタにショート故障が有る場合の図14の診断回路ユニットの動作例を示すタイミングチャートである。図16において、タイマ回路TMR1のタイマ期間が満了するまで(時刻t2まで)は、図15の場合と同じである。その後、タイマ回路TMR2の動作に伴い、共通接続ノードNxの電位は低電位側に推移するが、電力用トランジスタQH1のショート抵抗値が小さい場合には、基準ノードNrよりも高電位側に位置することもある。
タイマ回路TMR2がタイマ期間が満了した後、タイマ回路TMR3が動作を開始し(時刻t4)、電力用トランジスタQH1のショート故障の検出が行われる。電力用トランジスタQH1にショート故障が有ると、共通接続ノードNxの電位は、基準ノードNrを超えて、高電位側(電源電位VD1p寄り)に推移する(時刻t5)。すなわち、タイマ回路TMR3のタイマ期間中に(基準ノードNrの電位)<(共通接続ノードNxの電位)となり、これに伴い、RSフリップフロップRSFF1の出力は“L”レベルに固定される。これは、電力用トランジスタQH1のショート故障有りを意味する。
なお、電力用トランジスタQH1のショート抵抗値が低く、タイマ回路TMR3が動作する前から、(基準ノードNrの電位)<(共通接続ノードNxの電位)となっている場合、タイマ回路TMR3の動作直後に、RSフリップフロップRSFF1の出力は“L”レベルに固定される。図14の診断制御回路DCTLでは、RSフリップフロップRSFF1の出力が“H”レベルになることで、次の診断に移るため、次の診断は行われず、RSフリップフロップRSFF2の出力(診断結果信号R_DIG)は“L”レベルを維持する。その結果、診断出力信号OUT_DIGは、“H”レベル(ネゲートレベル)を維持する。
図17は、下流側の電力用トランジスタにショート故障が有る場合の図14の診断回路ユニットの動作例を示すタイミングチャートである。RSフリップフロップRSFF1の出力が“H”レベルとなるまで(時刻t4まで)は、図15の場合と同じである。その後、タイマ回路TMR4が動作を開始し、pMOSトランジスタMP6のオンに伴い共通接続ノードNxの電位は、高電位側に推移する。ただし、図17では、電力用トランジスタQH2のショート抵抗値が小さく、共通接続ノードNxの電位が基準ノードNrの電位を超えられない場合を例示している。
タイマ回路TMR4のタイマ期間が満了した後、タイマ回路TMR5が動作を開始し(時刻t5)、電力用トランジスタQH2のショート故障の検出が行われる。電力用トランジスタQH2のショート故障が有ると、共通接続ノードNxの電位は、基準ノードNrよりも低い電位を維持する。このため、タイマ回路TMR5が動作を開始したタイミング(時刻t5)で、RSフリップフロップRSFF2の出力(診断結果信号R_DIG)は“L”レベル固定となる。これは、電力用トランジスタQH2(またはQH1)のショート故障有りを意味する。
なお、電力用トランジスタQH2のショート抵抗値が大きく、時刻t4〜t5の期間で(基準ノードNrの電位)<(共通接続ノードNxの電位)となった場合も、タイマ回路TMR5のタイマ期間中に、(基準ノードNrの電位)>(共通接続ノードNxの電位)となることで、RSフリップフロップRSFF2の出力は“L”レベル固定となる。RSフリップフロップRSFF2の出力が“L”レベル固定の場合、診断出力信号OUT_DIGは、“H”レベル(ネゲートレベル)を維持する。
《半導体装置(実施の形態3)の構成》
図18は、図14の診断回路ユニットを含んだ半導体装置の構成例を示す概略図である。図18のような半導体装置(半導体リレー装置)RLY_Haは、インテリジェントパワーデバイス(IPD)とも呼ばれる。当該半導体リレー装置RLY_Haは、外部端子PN1〜PN4と、入力バッファIBF1と、レベルシフタLSaと、全体制御回路ACTLaと、診断回路ユニットDIGUと、プリドライバPDVと、診断出力回路PFOUTと、電力用トランジスタQH1,QH2とを備える。
外部端子PN2は、負荷LDに接続される出力端子Noutである。外部端子PN3は、例えば、図1に示した外部抵抗Reが接続される端子である。入力バッファIBF1、レベルシフタLSa、全体制御回路ACTLa、診断出力回路PFOUT、および診断回路ユニットDIGU内の診断制御回路DCTLは、例えば、図3の制御回路CTLに対応する。外部端子PN4はバッテリBATに接続される端子である。
外部端子PN1には、例えば、マイクロコントローラMCUから、負荷LDへの通電のオン・オフを指示するための制御入力信号INが入力される。制御入力信号INが通電オンの指示を表す“H”レベルになると、当該信号は、入力バッファIBF1で反転されたのち、レベルシフタLSaで、再度反転され、かつ電源電位VD1pと電源電位VD3との間の信号レベルに変換される。これにより、レベルシフタLSaは、診断回路ユニットDIGUに向けて、“H”レベル(アサートレベル)の診断イネーブル信号EN_DIGを出力する。なお、電源電位VD3は、例えば、電源電位VD1nと同電位(グラウンド電位)である。
診断回路ユニットDIGUは、図14〜図17に示したように、診断イネーブル信号EN_DIGのアサートに応じて、電力用トランジスタQH1,QH2のショート故障を検出する。全体制御回路ACTLaは、電源電位VD1pと電源電位VD4とに接続される。電源電位VD4は、例えば、6V等であり、診断回路ユニットDIGUの電源電位VD2と異なり、切り替えが行われない電位である。
全体制御回路ACTLaは、診断回路ユニットDIGUからの診断出力信号OUT_DIGが“L”レベル(アサートレベル)であれば、プリドライバPDVを介して電力用トランジスタQH1,QH2をオンに制御する。一方、全体制御回路ACTLaは、診断出力信号OUT_DIGが“H”レベル(ネゲートレベル)であれば、電力用トランジスタQH1,QH2をオンに制御せず、診断回路ユニットDIGUで異常を検知したことを診断出力回路PFOUTへ通知する。これを受けて、診断出力回路PFOUTは、外部端子PN3を介して外部抵抗Reに所定の電流を流すことで、所定の電圧レベルを持つ結果通知信号PFを生成する。なお、全体制御回路ACTLaは、その他にも各種保護回路(例えば、過熱検知回路等)を備えており、異常の種類に応じて結果通知信号PFの電圧レベルを変化させる場合もある。
マイクロコントローラMCUは、当該結果通知信号PFの電圧レベルを監視することで、半導体リレー装置にショート故障が発生したことを検知することが可能となる。この場合、マイクロコントローラMCUは、例えば、制御入力信号INを通電オフの指示を表す“L”レベルに変更し、自動車のインパネのインジケータ等に異常を知らせる等の処理を行う。
このように、半導体リレー装置RLY_Haの制御回路(IBF1,LSa,ACTLa,PFOUT、DIGU内のDCTL)は、概略的には、負荷LDへの通電オンを指示する外部からの制御信号(制御入力信号IN)を受けて、診断回路(DIGU内のDIG_Hc)を起動する。そして、当該制御回路は、診断回路による診断結果が正常である場合に電力用トランジスタQH1,QH2をオンに制御し、診断結果が異常である場合に、電力用トランジスタQH1,QH2をオンに制御せずに、外部へ異常を通知する。これにより、電力用トランジスタQH1,QH2にショート故障が有る状態で、電力用トランジスタQH1,QH2がオンに駆動されるような事態を防止でき、半導体リレー装置および電子制御装置としての信頼性の向上が図れる。
《実施の形態3の主要な効果》
以上、実施の形態3の方式を用いることで、実施の形態2で述べた各種効果に加えて、診断回路による診断時間を短縮することが可能になる。また、電力用トランジスタにショート故障が有る状態で、電力用トランジスタがオンに駆動されるような事態を防止することができる。
(実施の形態4)
《半導体装置(各種変形例)の構成》
図19は、本発明の実施の形態4による半導体装置の構成例を示す概略図である。図19に示す半導体装置(半導体リレー装置)RLY_Hbは、図18に示した構成例と比較して、外部端子PN5および入力バッファIBF2が追加され、これに伴い、レベルシフタLSbおよび全体制御回路ACTLbの構成および動作が若干異なっている。外部端子PN5には自己診断の実行を指示する診断入力信号IN_DIGが入力される。これにより、半導体リレー装置RLY_Hbは、制御入力信号INとは独立に自己診断を行うことが可能となっている。
具体的には、自己診断を行なわない通常動作では、レベルシフタLSbは、マイクロコントローラMCUからの“H”レベル(通電オン)の制御入力信号INを入力バッファIBF1を介して受け、それをレベルシフトした信号となる内部制御信号INsを全体制御回路ACTLbへ出力する。全体制御回路ACTLbは、内部制御信号INsに応じてプリドライバPDVを介して電力用トランジスタQH1,QH2をオンに制御する。
一方、マイクロコントローラMCUは、必要に応じて、制御入力信号INとは独立に“H”レベル(アサートレベル)の診断入力信号IN_DIGを出力する。当該診断入力信号IN_DIGは、入力バッファIBF2およびレベルシフタLSbを介して診断イネーブル信号EN_DIGとして診断回路ユニットDIGUへ入力される。ここで、制御入力信号INが“H”レベル(電力用トランジスタQH1,QH2がオン)の期間では、自己診断を行えないため、マイクロコントローラMCUは、制御入力信号INが“L”レベルの期間で診断入力信号IN_DIGをアサートする必要がある。また、このようにマイクロコントローラMCUが排他的な制御を行う場合、図14のナンド演算回路ND1は不要である。
ここで、前述した図18の構成例では、電力用トランジスタQH1,QH2をオンに制御する際に、毎回、ショート故障の検出を経てオンに制御されるため、制御入力信号INに対する応答遅延が生じ得る。そこで、診断入力信号IN_DIG用の外部端子PN5を別途設けると、電力用トランジスタQH1,QH2のオフ期間における任意のタイミングで自己診断を行えるため、応答遅延の問題が生じず、自己診断の実行頻度も任意に設定できるようになる。
例えば、自動車がパーキング状態の期間で、マイクロコントローラMCUが診断入力信号IN_DIGを定期的に生成することで、一定間隔で自己診断を行うことができる。すなわち、停車時(キーオフ時)に、電力用トランジスタQH1,QH2の異常を検知することが可能となる。その結果、例えば、運転手が自動車に乗る前に、所有者のモバイル端末やディーラーなどに異常を知らせ、事前にメンテナンスの必要性を判断するといったようなサービスを実施することができる。また、ライドシェアでのメンテナンス方法への応用も図れる。また、異常検知後の処理自体もマイクロコントローラMCUに委ねることが可能となり、例えば、異常検知された場合であっても負荷LDへの通電が必要な場合には通電を実行するなど、自由度が高い処理が行えるようになる。
図20は、本発明の実施の形態4による半導体装置の別の構成例を示す概略図である。図20に示す半導体装置(半導体リレー装置)RLY_Hcは、図18に示した構成例と比較して、スタンバイ回路SBYCが追加され、これに伴い、レベルシフタLScおよび全体制御回路ACTLbの構成および動作が若干異なっている。スタンバイ回路SBYCは、例えば、コンデンサの充電時間または放電時間を利用して所定の期間を計測するタイマ回路等を備える。そして、スタンバイ回路SBYCは、制御入力信号INの“L”レベル(ネゲートレベル)期間で、当該タイマ回路からのトリガに基づいて、診断イネーブル信号EN_DIGを介して定期的に診断回路ユニットDIGUを起動する。
すなわち、図19に示した構成例では、診断入力信号IN_DIGを定期的に生成するため、マイクロコントローラMCUを動作させる必要があったが、図20の構成例では、マイクロコントローラMCUを動作させずとも、定期的に自己診断を行うことが可能になる。その結果、例えば、停車時等での電子制御装置ECUの待機電流を低減することができ、バッテリBATの電圧低下等を抑制することが可能になる。
《実施の形態4の主要な効果》
以上、実施の形態4の方式を用いることで、実施の形態3の場合と比べて、制御入力信号INに対する応答遅延を低減することが可能になる。さらに、ユーザの要求に応じて柔軟に自己診断を実行することが可能になる。なお、信頼性の観点や、外部端子数の削減の観点からは、実施の形態3の方式が有益となる。ただし、例えば、図19の構成例においても、マイクロコントローラMCUが、制御入力信号INをアサートする前に、毎回、診断入力信号IN_DIGをアサートすれば、制御入力信号INをアサートした後の遅延を無くした状態で、図18とほぼ等価な動作が行える。
(実施の形態5)
《診断回路(各種変形例)の構成および動作》
図21は、本発明の実施の形態5による半導体装置において、診断回路の構成例を示す回路図である。図21において、電圧印加回路VAP_Hdは、実施の形態1等の場合と同様に、電力用トランジスタQH1,QH2が共にオフに制御された状態で、共通接続ノードNxに、ボディダイオードDh1,Dh2が共にオフ状態を維持できるレベル(図21の場合、ボディダイオードDh1,Dh2の逆方向耐圧以下)の診断用電位を印加する。この例では、電圧印加回路VAP_Hdは、例えば、外付け部品(すなわち図6のようなプリドライバPDVを含む半導体チップCHPの外付け部品)となるコンデンサC31と、その一端に接続されるインバータ回路IV31とを備える。
インバータ回路IV31は、電源(電源電位とも呼ぶ)VD5と電源VD3とに接続され、電源電位VD5は、例えば、図1の電源レギュレータVREGからの電位(例えば5V等)であり、電源電位VD3は、グラウンド電位である。インバータ回路IV31には、例えば、マイクロコントローラMCUからの診断用制御信号TINが入力される。
初期状態では、コンデンサC31の一端は、インバータ回路IV31を介して電源電位VD3となっており、コンデンサC31の他端は、ボディダイオードDh1を介して電源電位VD1p(例えば12V等)に近いレベルとなっている。ショート故障の検出に際し、診断用制御信号TINを“H”レベルから“L”レベルに変更することで、コンデンサC31の一端は、電源電位VD3のレベルから、電源電位VD5のレベルとなり、これに応じて、共通接続ノードNxの電位も電源電位VD5と電源電位VD3の電位差分だけ昇圧される。
電力用トランジスタQH1,QH2に共にショート故障が無ければ、共通接続ノードNxは、ボディダイオードDh1,Dh2の逆バイアスに伴いハイインピーダンス状態であるため、昇圧された電位(例えば、17V等)を保持する。一般的に電力用トランジスタの寄生容量(Coss)は大きいため、コンデンサC31も、大きな容量値(例えば10nF)を用いる必要がある。また、インバータ回路IV31もこのようなコンデンサC31を駆動するのに十分な電流駆動能力を有する必要がある。なお、マイクロコントローラMCUが十分な電流駆動能力を有していれば、コンデンサC31の一端をマイクロコントローラMCUに直接接続することも可能である。
電圧判定回路VJG_Hdは、実施の形態1等の場合と同様に、共通接続ノードNxに印加された診断用電位の変化を検出することで、電力用トランジスタQH1,QH2のショート故障の有無を判定する。電圧判定回路VJG_Hdは、図6のようなプリドライバPDVを含む半導体チップCHP内に実装される。この例では、電圧判定回路VJG_Hdは、ツェナーダイオードZD31、抵抗素子R31、nMOSトランジスタMN31,MN32、定電流源IS31およびインバータ回路IV32を備える。
電力用トランジスタQH1,QH2に共にショート故障が無い場合、共通接続ノードNxに昇圧電位が保持される。この場合、当該昇圧電位をツェナーダイオードZD31で降圧した電位と、抵抗素子R31およびnMOSトランジスタMN31の特性とで定まる電流がnMOSトランジスタMN32にミラーされる。定電流源IS31の電流は、当該ミラー電流よりも小さい値に設定され、これに伴い、インバータ回路IV32の出力は正常状態を意味する“H”レベルとなる。なお、抵抗素子R31およびnMOSトランジスタMN31で定まる電流は、昇圧電位に与える影響を無視できるように、微小な電流値に設定される。
一方、電力用トランジスタQH1,QH2のいずれか一方または両方にショート故障が有る場合、共通接続ノードNxの昇圧電位は、ショート故障に伴うリーク電流によって低下していく。これに伴い、nMOSトランジスタMN32のミラー電流も減少するため、共通接続ノードNxの電位がある閾値を下回ると、当該ミラー電流が定電流源IS31の電流よりも小さくなり、インバータ回路IV32の出力は“L”レベルとなる。
このように、診断用制御信号TINを推移させたのち、一定時間内にインバータ回路IV32の出力が“L”レベルになるか否かで電力用トランジスタQH1,QH2のショート故障を検出することが可能になる。図21のような構成例を用いると、外付けコンデンサC31が必要となる(これに伴い半導体チップの外部端子が増加する)ものの、半導体チップの内部回路は簡素化できる。
図22は、本発明の実施の形態5による半導体リレー装置において、診断回路の別の構成例を示す回路図である。図22では、図21と比較して、電圧印加回路VAP_Heの構成が異なっている。当該電圧印加回路VAP_Heは、図21の場合と異なり電圧判定回路VJG_Hdと同一の半導体チップに実装され、発振回路OSC、コンデンサC32、ツェナーダイオードZD32およびダイオードD33を含んだ昇圧回路を備える。共通接続ノードNxがハイインピーダンス状態であることを利用することでショート故障を検出するという基本方式は、図21の場合と同様である。
ここでは、ショート故障の検出を行う場合、発振回路OSCの動作を有効化することで、共通接続ノードNxの電位を昇圧する。電力用トランジスタQH1,QH2に共にショート故障が無ければ、共通接続ノードNxの電位は、徐々に昇圧されるため、電圧判定回路VJG_Hd内のインバータ回路IV32の出力は、一定時間経過後に“L”レベルから“H”レベルに遷移する。一方、電力用トランジスタQH1,QH2のいずれか一方または両方にショート故障が有る場合、共通接続ノードNxの電位は、昇圧されないため、一定時間経過後もインバータ回路IV32の出力は“L”レベルのままとなる。このように、発振回路OSCの動作を有効化したのち、一定時間経過後に、インバータ回路IV32の出力が“H”レベルか“L”レベルかによって、電力用トランジスタQH1,QH2のショート故障を検出することが可能になる。
《実施の形態5の主要な効果》
以上、実施の形態5の方式を用いることで、実施の形態2の場合とほぼ同様の効果が得られる。ただし、実施の形態5の方式では、電力用トランジスタQH1,QH2のどちら側にショート故障が有るかを特定することが困難となる。また、電源電位VD1pを超える電位を生成するため、例えば、耐圧等の観点で好まれない場合がある。さらに、例えば、図9のタイプ5のような2段積みの構成には、適用困難となる。したがって、このような観点からは、実施の形態2の方式が望ましい。
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。例えば、前述した実施の形態は、本発明を分かり易く説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施の形態の構成の一部を他の実施の形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施の形態の構成に他の実施の形態の構成を加えることも可能である。また、各実施の形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
《付記》
(1)電源と負荷との間の通電経路上に直列に挿入される第1のトランジスタおよび第2のトランジスタと、
前記第1のトランジスタおよび前記第2のトランジスタを診断する診断回路と、
を備える半導体装置であって、
前記診断回路は、
前記第1のトランジスタおよび前記第2のトランジスタが共にオフに制御された状態で、前記第1のトランジスタと前記第2のトランジスタの共通接続ノードに、診断用電位を印加する電圧印加回路と、
前記共通接続ノードに印加された前記診断用電位の変化を検出することで、前記第1のトランジスタおよび前記第2のトランジスタのショート故障の有無を判定する電圧判定回路と、
を有する。
(2)前記(1)において、さらに、前記負荷への通電オンを指示する外部からの第1の制御信号を受けて、前記第1のトランジスタおよび前記第2のトランジスタをオンに制御し、自己診断の実行を指示する外部からの第2の制御信号を受けて、前記診断回路を起動し、前記診断回路による診断結果を外部へ通知する第2の制御回路を有する。
(3)マイクロコントローラと、
前記マイクロコントローラからの指示に応じてバッテリ電源と負荷との間の通電を制御する半導体リレー装置と、
を有する電子制御装置であって、
前記半導体リレー装置は、
前記バッテリ電源と前記負荷との間の通電経路上に直列に挿入される第1のトランジスタおよび第2のトランジスタと、
前記第1のトランジスタおよび前記第2のトランジスタを診断する診断回路と、
を備え、
前記診断回路は、
前記第1のトランジスタおよび前記第2のトランジスタが共にオフに制御された状態で、前記第1のトランジスタと前記第2のトランジスタの共通接続ノードに、診断用電位を印加する電圧印加回路と、
前記共通接続ノードに印加された前記診断用電位の変化を検出することで、前記第1のトランジスタおよび前記第2のトランジスタのショート故障の有無を判定する電圧判定回路と、
を有する。
(4)前記(3)において、前記半導体リレー装置は、さらに、前記マイクロコントローラからの指示が無い期間で定期的に前記診断回路を起動するスタンバイ回路を有する。
ACTL 全体制御回路
BAT バッテリ
BN,BP バイポーラトランジスタ
CHP 半導体チップ
CMP コンパレータ
CTL 制御回路
DCTL 診断制御回路
DIG 診断回路
DIGU 診断回路ユニット
Dh,Dl ボディダイオード
ECU 電子制御装置
IN 制御入力信号
IN_DIG 診断入力信号
IS 定電流源
LD 負荷
MCU マイクロコントローラ
MN,MP MOSトランジスタ
Nx 共通接続ノード
PDV プリドライバ
PF 結果通知信号
PFOUT 診断出力回路
PN 外部端子
QH,QL 電力用トランジスタ
R 抵抗素子
RLY 半導体リレー装置
VAP 電圧印加回路
VD 電源
VJG 電圧判定回路
Vxh,Vxl 診断用電位

Claims (20)

  1. 電源と負荷との間の通電経路上に直列に挿入される第1のトランジスタおよび第2のトランジスタと、
    前記第1のトランジスタおよび前記第2のトランジスタを診断する診断回路と、
    を備える半導体装置であって、
    前記診断回路は、
    前記第1のトランジスタおよび前記第2のトランジスタが共にオフに制御された状態で、前記第1のトランジスタと前記第2のトランジスタの共通接続ノードに、診断用電位を印加する電圧印加回路と、
    前記共通接続ノードに印加された前記診断用電位の変化を検出することで、前記第1のトランジスタおよび前記第2のトランジスタのショート故障の有無を判定する電圧判定回路と、
    を有する、
    半導体装置。
  2. 請求項1記載の半導体装置において、
    前記第1のトランジスタおよび前記第2のトランジスタは、それぞれ、第1のボディダイオードおよび第2のボディダイオードを有し、
    前記電圧印加回路の前記診断用電位は、前記第1のボディダイオードおよび前記第2のボディダイオードが共にオフ状態を維持できるレベルである、
    半導体装置。
  3. 請求項2記載の半導体装置において、
    前記第1のトランジスタは、高電位側の前記電源となる第1の電源と前記共通接続ノードとの間に設けられ、
    前記第2のトランジスタは、前記共通接続ノードと前記負荷との間に設けられ、
    前記第2のボディダイオードのカソードは、前記共通接続ノードに接続される、
    半導体装置。
  4. 請求項3記載の半導体装置において、
    前記第1のボディダイオードのカソードは、前記共通接続ノードに接続される、
    半導体装置。
  5. 請求項4記載の半導体装置において、
    前記電圧印加回路は、前記第1の電源の電位レベルを“VD”、前記第1のトランジスタの順方向電圧を“VF”として、“VD−VF”よりも大きく、“VD”よりも小さい前記診断用電位を前記共通接続ノードに印加し、
    前記電圧判定回路は、前記診断用電位が上昇した場合に前記第1のトランジスタをショート故障と判定し、低下した場合に前記第2のトランジスタをショート故障と判定する、
    半導体装置。
  6. 請求項5記載の半導体装置において、
    前記電圧印加回路は、
    前記第1の電源と前記共通接続ノードとの間に直列に接続される第1のスイッチおよび第1の抵抗素子と、
    前記第1の電源と前記共通接続ノードとの間に直列に接続され、前記第1のスイッチおよび前記第1の抵抗素子と並列に接続される第2のスイッチおよび第2の抵抗素子と、
    前記共通接続ノードと、前記第1の電源よりも低電位である第2の電源との間に第1の電流を流す定電流源と、
    を有し、
    前記共通接続ノードの電位は、前記第1の抵抗素子に前記第1の電流が流れた場合には、所定の基準電位よりも低い第1の電位レベルとなり、前記第2の抵抗素子に前記第1の電流が流れた場合には、前記所定の基準電位よりも高い第2の電位レベルとなり、
    前記電圧判定回路は、前記第1のスイッチがオン、前記第2のスイッチがオフの状態で前記共通接続ノードの電位が前記所定の基準電位よりも高い場合には前記第1のトランジスタをショート故障と判定し、前記第1のスイッチがオフ、前記第2のスイッチがオンの状態で前記共通接続ノードの電位が前記所定の基準電位よりも低い場合には前記第2のトランジスタをショート故障と判定する、
    半導体装置。
  7. 請求項6記載の半導体装置において、
    前記電圧印加回路は、さらに
    前記共通接続ノードと前記第2の電源との間に接続され、所定の期間オンに制御されることで、前記共通接続ノードの電位を前記第1の電位レベルに定める際の前準備を行う第3のスイッチと、
    前記第1の電源と前記共通接続ノードとの間に接続され、所定の期間オンに制御されることで、前記共通接続ノードの電位を前記第2の電位レベルに定める際の前準備を行う第4のスイッチと、
    を有する、
    半導体装置。
  8. 請求項3記載の半導体装置において、
    前記診断回路は、前記第1の電源と、第2の電源とに接続され、
    前記第2の電源の電位レベルは、前記第1の電源よりも低電位である所定の電位レベルか、前記第1の電源と同じ電位レベルのいずれかに切り替え可能となっている、
    半導体装置。
  9. 請求項1記載の半導体装置において、
    前記診断回路は、1個の半導体チップに実装され、
    前記半導体チップには、さらに、前記第1のトランジスタおよび前記第2のトランジスタを駆動するプリドライバが実装される、
    半導体装置。
  10. 請求項1記載の半導体装置において、
    前記第1のトランジスタおよび前記第2のトランジスタは、前記負荷を駆動するドライバの一部である、
    半導体装置。
  11. 請求項1記載の半導体装置において、
    さらに、前記負荷への通電オンを指示する外部からの第1の制御信号を受けて、前記診断回路を起動し、前記診断回路による診断結果が正常である場合に前記第1のトランジスタおよび前記第2のトランジスタをオンに制御し、前記診断結果が異常である場合に、前記第1のトランジスタおよび前記第2のトランジスタをオンに制御せずに、外部へ異常を通知する第1の制御回路を有する、
    半導体装置。
  12. マイクロコントローラと、
    前記マイクロコントローラからの指示に応じてバッテリ電源と負荷との間の通電を制御する半導体リレー装置と、
    を有する電子制御装置であって、
    前記半導体リレー装置は、
    前記バッテリ電源と前記負荷との間の通電経路上に直列に挿入される第1のトランジスタおよび第2のトランジスタと、
    前記第1のトランジスタおよび前記第2のトランジスタを診断する診断回路と、
    を備え、
    前記診断回路は、
    前記第1のトランジスタおよび前記第2のトランジスタが共にオフに制御された状態で、前記第1のトランジスタと前記第2のトランジスタの共通接続ノードに、診断用電位を印加する電圧印加回路と、
    前記共通接続ノードに印加された前記診断用電位の変化を検出することで、前記第1のトランジスタおよび前記第2のトランジスタのショート故障の有無を判定する電圧判定回路と、
    を有する、
    電子制御装置。
  13. 請求項12記載の電子制御装置において、
    前記第1のトランジスタおよび前記第2のトランジスタは、それぞれ、第1のボディダイオードおよび第2のボディダイオードを有し、
    前記電圧印加回路の前記診断用電位は、前記第1のボディダイオードおよび前記第2のボディダイオードが共にオフ状態を維持できるレベルである、
    電子制御装置。
  14. 請求項13記載の電子制御装置において、
    前記診断回路は、一つの半導体チップに実装され、
    前記半導体チップには、さらに、前記第1のトランジスタおよび前記第2のトランジスタを駆動するプリドライバ回路が実装される、
    電子制御装置。
  15. 請求項14記載の電子制御装置において、
    前記第1のトランジスタは、高電位側の前記バッテリ電源となる第1の電源と前記共通接続ノードとの間に設けられ、
    前記第2のトランジスタは、前記共通接続ノードと前記負荷との間に設けられ、
    前記第1のボディダイオードおよび前記第2のボディダイオードのカソードは、前記共通接続ノードに接続される、
    電子制御装置。
  16. 請求項15記載の電子制御装置において、
    前記電圧印加回路は、前記第1の電源の電位レベルを“VD”、前記第1のトランジスタの順方向電圧を“VF”として、“VD−VF”よりも大きく、“VD”よりも小さい前記診断用電位を前記共通接続ノードに印加し、
    前記電圧判定回路は、前記診断用電位が上昇した場合に前記第1のトランジスタをショート故障と判定し、低下した場合に前記第2のトランジスタをショート故障と判定する、
    電子制御装置。
  17. 請求項15記載の電子制御装置において、
    前記診断回路は、前記第1の電源と、第2の電源とに接続され、
    前記第2の電源の電位レベルは、前記第1の電源よりも低電位である所定の電位レベルか、前記第1の電源と同じ電位レベルのいずれかに切り替え可能となっている、
    電子制御装置。
  18. 請求項12記載の電子制御装置において、
    前記第1のトランジスタおよび前記第2のトランジスタは、前記負荷を駆動するドライバの一部である、
    電子制御装置。
  19. 請求項12記載の電子制御装置において、
    前記半導体リレー装置は、さらに、前記第1のトランジスタおよび前記第2のトランジスタのオンを指示する前記マイクロコントローラからの第1の制御信号を受けて、前記診断回路を起動し、前記診断回路による診断結果が正常である場合に前記第1のトランジスタおよび前記第2のトランジスタをオンに制御し、前記診断結果が異常である場合に、前記第1のトランジスタおよび前記第2のトランジスタをオンに制御せずに、前記マイクロコントローラへ異常を通知する第1の制御回路を有する、
    電子制御装置。
  20. 請求項12記載の電子制御装置において、
    前記半導体リレー装置は、さらに、前記第1のトランジスタおよび前記第2のトランジスタのオンを指示する前記マイクロコントローラからの第1の制御信号を受けて、前記第1のトランジスタおよび前記第2のトランジスタをオンに制御し、診断の実行を指示する前記マイクロコントローラからの第2の制御信号を受けて、前記診断回路を起動し、前記診断回路による診断結果を前記マイクロコントローラへ通知する第2の制御回路を有する、
    電子制御装置。
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