JP2019052250A - 熱膨張性耐火樹脂組成物 - Google Patents

熱膨張性耐火樹脂組成物 Download PDF

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彰人 土肥
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Abstract

【課題】既存の成分の配合を大きく変更せずとも膨張速度が向上する熱膨張性耐火樹脂組成物及び熱膨張性耐火材を提供すること。
【解決手段】熱膨張性耐火樹脂組成物は、マトリクス成分と、熱膨張性黒鉛と、発火点80〜250℃の発火性物質とを含有する。
【選択図】なし

Description

本発明は、熱膨張性耐火樹脂組成物に関する。
住宅分野、車輌分野、IT分野などに使われる熱膨張性耐火材として、例えば特許文献1に記載されたような、樹脂成分に、リン化合物、熱膨張性黒鉛、及び無機充填剤を含有する難燃性樹脂組成物から形成された熱膨張性耐火材が使用されている。このような熱膨張性耐火材は、加熱時に即座に膨張して断熱層を形成する必要がある。
特開平10-95887
熱膨張性耐火材の膨張開始後の膨張速度を上昇させると、熱膨張性耐火材が早く膨張するため、熱膨張性耐火材の耐火性能が向上することが発明者らの研究により分かってきたが、従来は、膨張速度を向上させるために、熱膨張性耐火材中の既存の成分の配合を変更することで対応していた。
しかしながら、配合設計を変更すると、熱膨張性耐火材の他の性能が劣る等、製造上作りにくいことが多い。また、成形性が悪くなるという問題がある。
本発明者らは、上記の課題を達成すべく、発火点80〜250℃の発火性物質を熱膨張性耐火樹脂組成物に配合すると、膨張開始後の膨張速度を向上できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち本発明は、以下の項に記載の主題を包含する。
項1.マトリクス成分と、熱膨張性黒鉛と、発火点80〜250℃の発火性物質とを含有する熱膨張性耐火樹脂組成物。
項2.前記発火性物質の発火点と熱膨張性黒鉛の膨張開始温度の差が50℃以内である項1に記載の熱膨張性耐火樹脂組成物。
項3.マトリクス成分100質量部に対し、熱膨張性黒鉛を10〜350質量部質量部、発火点80〜250℃の発火性物質を1〜150質量部含有する項1または2に記載の熱膨張性耐火樹脂組成物。
項4.無機充填剤をさらに含有する項1〜3のいずれか一項に記載の熱膨張性耐火樹脂組成物。
項5.項1〜4のいずれか一項に記載の熱膨張性耐火樹脂組成物を成形してなる熱膨張性耐火材。
本発明によれば、熱膨張性耐火樹脂組成物の成分の配合を大きく変更せずとも、膨張開始後の膨張速度が向上した熱膨張性耐火樹脂組成物を提供することができる。かかる熱膨張性耐火樹脂組成物は容易に製造することができる。
本発明の熱膨張性耐火樹脂組成物は、マトリクス成分と、熱膨張性黒鉛と、発火点80〜250℃の発火性物質とを含有する。
マトリクス成分としては、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、エラストマー、ゴム物質、およびそれらの組み合わせが挙げられる。
熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリ(1−)ブテン樹脂、ポリペンテン樹脂等のポリオレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリアミド樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、塩素化塩化ビニル樹脂、ノボラック樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイソブチレン等の合成樹脂が挙げられる。
熱硬化性樹脂としては、例えば、ポリウレタン、ポリイソシアネート、ポリイソシアヌレート、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリイミド等の合成樹脂が挙げられる。
エラストマーの例としてはオレフィン系エラストマー(TPO)、スチレン系エラストマー、エステル系エラストマー、アミド系エラストマー、塩化ビニル系エラストマー、これらの組み合わせ等が挙げられる。
ゴム物質としては、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、1,2−ポリブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、ブチルゴム、塩素化ブチルゴム、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、クロロスルホン化ポリエチレン、アクリルゴム、エピクロルヒドリンゴム、多加硫ゴム、非加硫ゴム、シリコンゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴム等のゴム物質等が挙げられる。
これらの合成樹脂及び/又はゴム物質は、一種もしくは二種以上を使用することができる。
これらの合成樹脂及び/又はゴム物質の中でも、樹脂自体の難燃性を上げて防火性能を向上させるという観点からは、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、塩化ビニル樹脂、塩素化塩化ビニル樹脂、エポキシ樹脂が好ましい。マトリクス成分に他の成分を高充填するためには、より柔軟で扱い易い樹脂組成物を得るために、ブチルゴム及びEPDMを初めとするゴム物質、オレフィン系エラストマーが好適に用いられる。
熱膨張性黒鉛は、加熱時に膨張する従来公知の物質であり、天然鱗状グラファイト、熱分解グラファイト、キッシュグラファイト等の粉末を、強酸化剤とで酸処理してグラファイト層間化合物を生成させたものである。熱膨張性黒鉛は炭素の層状構造を維持したままの結晶化合物の一種である。強酸化剤としては、濃硫酸、硝酸、セレン酸等の無機酸と、濃硝酸、過塩素酸、過塩素酸塩、過マンガン酸塩、重クロム酸塩、重クロム酸塩、過酸化水素等が挙げられる。
上記のように酸処理して得られた熱膨張性黒鉛は、更にアンモニア、脂肪族低級アミン、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物等でさらに中和してもよい。熱膨張性黒鉛の粒度は、20〜200メッシュが好ましい。粒度が200メッシュかそれより値が小さいと、黒鉛の膨張度が膨張断熱層を得るのに十分であり、また粒度が20メッシュかそれより値が大きいと、樹脂に配合する際の分散性が良く、物性が良好である。熱膨張性黒鉛の市販品としては、例えば、東ソー社製「GREP−EG」、GRAFTECH社製「GRAFGUARD」等が挙げられる。
熱膨張性黒鉛の含有量は特に限定されないが、マトリクス成分100質量部に対して、熱膨張性黒鉛を10〜350質量部、好ましくは50〜250質量部の範囲で含むことが好ましい。
発火点80〜250℃の発火性物質は、熱膨張性耐火樹脂組成物が外部からの熱又は炎等による加熱により膨張を開始したときの膨張速度を増大させるよう作用する。発火点とは、発火する限界温度のことで、発火温度とも言う。発火点の下限値は、熱膨張性耐火樹脂組成物を成形するときには成形温度よりも高い方が好ましいため、80℃以上が好ましく、120℃以上であることがより好ましい。また、発火点の上限値は、より速い段階から熱膨張性耐火樹脂組成物の膨張を促進し、膨張速度を向上させることが好ましいため、250℃以下である。好ましくは、本発明の熱膨張性耐火樹脂組成物及びこれを成形してなる熱膨張性耐火材は、膨張開始後5分後までの膨張速度が、発火性物質を含まない熱膨張性耐火樹脂組成物及び熱膨張性耐火材と比べて有意に大きい。膨張速度は、発火性物質の含有量、マトリックス成分の種類、熱膨張性黒鉛の種類及び含有量等を適宜変更することにより調整することができる。
発火点はASTM E 659に基づいて測定することができる。
発火性物質としては、例えばココア、ジエチルエーテル、シクロヘキサン、二硫化炭素、などが挙げられる。ココアは純ココアであることが好ましい。
一実施形態では、発火性物質の発火点は、140〜220℃である。これにより、熱膨張性耐火樹脂組成物の成形時の発火を抑制しつつ、熱膨張性耐火樹脂組成物の加熱による膨張をより早い段階から促進することができる。
別の実施形態では、発火性物質の発火点と熱膨張性黒鉛の膨張開始温度の差が50℃以内である。熱膨張性黒鉛の膨張開始温度は低いもので160℃、高いもので220℃程度であるが、熱膨張性黒鉛の膨張開始温度に対して差が±50℃とすれば、熱膨張性黒鉛の膨張に合わせて発火性物質が発火するため、熱膨張性耐火樹脂組成物の膨張速度を熱膨張性黒鉛の膨張に合わせてより効果的に増大させることができる。
発火性物質の含有量は特に限定されないが、マトリクス成分100質量部に対して、発火性物質を1〜150質量部、好ましくは5〜100質量部の範囲で含むことが好ましい。
熱膨張性耐火樹脂組成物は、上記の各成分に加えて、無機充填剤をさらに含んでもよい。無機充填剤は、膨張断熱層が形成される際、熱容量を増大させ伝熱を抑制するとともに、骨材的に働いて膨張断熱層の強度を向上させる。無機充填剤としては特に限定されず、例えば、アルミナ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化鉄、酸化錫、酸化アンチモン、フェライト等の金属酸化物;水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、ハイドロタルサイト等の金属水酸化物;塩基性炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、炭酸ストロンチウム、炭酸バリウム等の金属炭酸塩;難燃剤としての無機リン酸塩;硫酸カルシウム、石膏繊維、ケイ酸カルシウム等のカルシウム塩;シリカ、珪藻土、ドーソナイト、硫酸バリウム、タルク、クレー、マイカ、モンモリロナイト、ベントナイト、活性白土、セピオライト、イモゴライト、セリサイト、ガラス繊維、ガラスビーズ、シリカ系バルーン、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素、カーボンブラック、グラファイト、炭素繊維、炭素バルーン、木炭粉末、各種金属粉、チタン酸カリウム、硫酸マグネシウム、チタン酸ジルコン酸鉛、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、アルミニウムボレート、硫化モリブデン、炭化ケイ素、ステンレス繊維、ホウ酸亜鉛、各種磁性粉、スラグ繊維、フライアッシュ、脱水汚泥等が挙げられる。これらの無機充填剤は一種もしくは二種以上を使用することができる。
無機充填剤の平均粒径としては、0.5〜100μmが好ましく、より好ましくは1〜50μmである。無機充填剤は、添加量が少ないときは、分散性が性能を大きく左右するため、粒径の小さいものが好ましいが、0.5μm未満では二次凝集が起こり分散性が悪くなるため、0.5μm以上であることが好ましい。添加量が多いときは、高充填が進むにつれて、樹脂組成物の粘度が高くなり成形性が低下するが、粒径を大きくすることで樹脂組成物の粘度を低下させることができる点から、粒径の大きいものが好ましいが、粒径が100μmを超えると、成形体の表面性や樹脂組成物の力学的性能が低下するため、平均100μm以下であることが望ましい。
無機充填剤の平均粒径は例えば電界放出形走査電子顕微鏡(FE−SEM)を用いて一定数(通常10個)以上の粒子の粒径を測定し、これを平均することにより求めることができる。
無機充填剤のうち、水酸化アルミニウムの具体例としては、例えば、水酸化アルミニウムでは、粒径18μmの「ハイジライトH−31」(昭和電工社製)、粒径25μmの「B325」(ALCOA社製)、炭酸カルシウムの具体例としては、粒径1.8μmの「ホワイトンSB赤」(備北粉化工業社製)、粒径8μmの「BF300」(備北粉化工業社製)等が挙げられる。
無機充填剤の含有量は特に限定されないが、マトリクス成分100質量部に対して、無機充填剤を10〜400質量部、好ましくは、50〜300質量部の範囲で含むことが好ましい。
また、熱膨張性黒鉛および無機充填剤の合計は、マトリクス成分100質量部に対し、50〜600質量部の範囲が好ましい。50質量部以上では燃焼後の残渣量を満足して十分な耐火性能が得られ、600質量部以下であると機械的物性が維持される。
熱膨張性耐火樹脂組成物は、膨張断熱層の強度を増加させ防火性能を向上させるために、上記の各成分に加えて、さらにリン化合物を含むことができる。リン化合物としては、特に限定されず、例えば、赤リン;トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、キシレニルジフェニルホスフェート等の各種リン酸エステル;リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸マグネシウム等のリン酸金属塩;ポリリン酸アンモニウム;ポリリン酸メラミン、ポリリン酸メラム、ポリリン酸メレム;低級リン酸塩;下記化学式(1)で表される化合物等が挙げられる。これらのうち、防火性能の観点から、赤リン、ポリリン酸アンモニウム、及び、下記化学式(1)で表される化合物が好ましく、性能、安全性、コスト等の点においてポリリン酸アンモニウムがより好ましい。
化学式(1)中、R1およびR3は、同一又は異なって、水素、炭素数1〜16の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、または、炭素数6〜16のアリール基を示す。R2は、水酸基、炭素数1〜16の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、炭素数1〜16の直鎖状あるいは分岐状のアルコキシル基、炭素数6〜16のアリール基、または、炭素数6〜16のアリールオキシ基を示す。
赤リンとしては、市販の赤リンを用いることができるが、耐湿性、混練時に自然発火しない等の安全性の点から、赤リン粒子の表面を樹脂でコーティングしたもの等が好適に用いられる。ポリリン酸アンモニウムとしては特に限定されず、例えば、ポリリン酸アンモニウム、メラミン変性ポリリン酸アンモニウム等が挙げられるが、取り扱い性等の点からポリリン酸アンモニウムが好適に用いられる。市販品としては、例えば、クラリアント社製「AP422」、「AP462」、Budenheim Iberica社製「FR CROS 484」、「FR CROS 487」等が挙げられる。
化学式(1)で表される化合物としては特に限定されず、例えば、メチルホスホン酸、メチルホスホン酸ジメチル、メチルホスホン酸ジエチル、エチルホスホン酸、n−プロピルホスホン酸、n−ブチルホスホン酸、2−メチルプロピルホスホン酸、t−ブチルホスホン酸、2,3−ジメチル−ブチルホスホン酸、オクチルホスホン酸、フェニルホスホン酸、ジオクチルフェニルホスホネート、ジメチルホスフィン酸、メチルエチルホスフィン酸、メチルプロピルホスフィン酸、ジエチルホスフィン酸、ジオクチルホスフィン酸、フェニルホスフィン酸、ジエチルフェニルホスフィン酸、ジフェニルホスフィン酸、ビス(4−メトキシフェニル)ホスフィン酸等が挙げられる。中でも、t−ブチルホスホン酸は、高価ではあるが、高難燃性の点において好ましい。リン化合物は、単独で用いることもできるし、2種以上を併用することもできる。なお、リン化合物には、難燃剤としての無機リン酸塩である無機充填剤は含まれない。
樹脂組成物において、リン化合物の含有量は特に限定されないが、マトリクス成分100質量部に対して、30〜300質量部であり、40〜250質量部であることがより好ましい。
熱膨張性樹脂組成物はさらに可塑剤を含有してもよい。
可塑剤としては、例えば、ジ−2−エチルヘキシルフタレート(DOP)、ジブチルフタレート(DBP)、ジヘプチルフタレート(DHP)、ジイソデシルフタレート(DIDP)等のフタル酸エステル可塑剤、
ジ−2−エチルヘキシルアジペート(DOA)、ジイソブチルアジペート(DIBA)、ジブチルアジペート(DBA)等の脂肪酸エステル可塑剤、
エポキシ化大豆油等のエポキシ化エステル可塑剤、
アジピン酸エステル、アジピン酸ポリエステル等のポリエステル可塑剤、
トリー2−エチルヘキシルトリメリテート(TOTM)、トリイソノニルトリメリテート(TINTM)等のトリメリット酸エステル可塑剤、
トリメチルホスフェート(TMP)、トリエチルホスフェート(TEP)、リン酸トリクレジル(TCP)等の燐酸エステル可塑剤、
鉱油等のプロセスオイルなどが挙げられる。
可塑剤は一種もしくは二種以上を使用することができる。
可塑剤の添加量は、少なくなると押出成形性が低下する傾向があり、多くなると得られた成形体が柔らかくなり過ぎる傾向がある。このため可塑剤の添加量は限定されないが、マトリクス成分100質量部に対して、可塑剤の添加量は20〜200質量部の範囲であることが好ましい。
さらに本発明の熱膨張性耐火樹脂組成物は、本発明の目的を損なわない範囲で、必要に応じて、フェノール系、アミン系、イオウ系等の酸化防止剤の他、金属害防止剤、帯電防止剤、安定剤、架橋剤、滑剤、軟化剤、顔料、粘着付与樹脂、成型補助材等の添加剤、ポリブテン、石油樹脂等の粘着付与剤を含むことができる。
好ましくは、熱膨張性耐火樹脂組成物は、マトリクス成分100質量部に対し、熱膨張性黒鉛を10〜350質量部、発火点80〜250℃の発火性物質を1〜150質量部含有する。より好ましくは、熱膨張性耐火樹脂組成物は、マトリクス成分100質量部に対し、熱膨張性黒鉛を50〜250質量部、発火点80〜250℃の発火性物質を5〜100質量部含有する。
この構成によれば、熱膨張性耐火樹脂組成物は増大した膨張速度を備えつつ、必要な体積膨張率を得ることができ、膨張後は所定の断熱性能を有すると共に所定の強度を有する残渣を形成することができる。
熱膨張性耐火樹脂組成物及び熱膨張性耐火材の体積膨張率は、50kW/m2の加熱条件下で30分間加熱した後の体積膨張率が3〜50倍のものであれば好ましい。体積膨張率が3倍以上であると、膨張体積がマトリクス成分の焼失部分を十分に埋めることができ、また50倍以下であると、膨張層の強度が維持され、火炎の貫通を防止する効果が保たれる。
本発明の熱膨張性耐火材は、上記マトリクス樹脂、上記熱膨張性黒鉛、上記発火性物質及び任意選択の他の成分を混合し、得られた熱膨張性耐火樹脂組成物を成形することにより製造することができる。成形体の成形方法は、射出成形、押出成形、カレンダー成形、プレス成形等の公知の成形方法であってよい。
本発明の熱膨張性耐火樹脂組成物及び熱膨張性耐火材は、住宅(特には建具);船舶;車両;並びに電子機器等の構造体に耐火性を付与するために使用することができる。例えば、本発明の熱膨張性耐火樹脂組成物は、これらの構造体に塗布して耐火性コーティングとして使用することもできる。また、本発明の熱膨張性耐火樹脂組成物及び熱膨張性耐火材は、これらの構造体の開口部又は間隙の密封及び防火のための気密材として使用することもできる。
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
1.熱膨張性耐火材の作成
[実施例1]
表1に示した配合量で、合成樹脂としてポリ塩化ビニル100重量部(信越化学工業株式会社製 TK−1000)、可塑剤としてジイソデシルフタレート(DIDP ジェイプラス社製 DOP)50重量部、熱膨張性黒鉛(東ソー社製「GREP−EG」)100重量部、発火性物質としてココア粉末(発火点180℃)を50重量部、および無機充填剤としてシリカ(白石カルシウム社製「シベライトM−6000」)50量部をニーダーにて混合した。その後、その混合物をシート状に押出成形し、厚さ1.0mmの耐火樹脂成形体としてシート状の熱膨張性耐火材を得た。なお、表1中の各成分は明記がない限り質量部で示している。
[実施例2〜8、比較例1,2]
実施例2〜8および比較例1〜2についても、表1に示した配合量で成分を混合および押出成形し、熱膨張性耐火材を得た。エポキシ樹脂は三菱化学株式会社 FL−079、ブチルゴムは日本ブチル株式会社製 Butyl065、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)は住友化学株式会社製 E601、オレフィン系エラストマー(TPO)はJSR株式会社製 1600B、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)は三井デュポンポリケミカル製 EV260とした。シクロヘキサンの発火点は225℃、ポリプロピレン(分子量10000)の発火点は300℃である。
2.熱膨張性耐火材の膨張速度の測定
10cm×10cmに切断した実施例2〜8および比較例1〜2の熱膨張性耐火材を600℃で2分間加熱した後、試験片の厚さを測定し、(加熱後の試験片の厚さ)/(加熱前の試験片の厚さ)を膨張倍率として算出した。膨張倍率が10倍以上であれば○、10倍未満であれば×とした。
3.熱膨張性耐火材の耐火性の評価
(膨張倍率)
10cm×10cmに切断した実施例2〜8および比較例1〜2の熱膨張性耐火材を600℃で30分間加熱した後、試験片の厚さを測定し、(加熱後の試験片の厚さ)/(加熱前の試験片の厚さ)を膨張倍率として算出した。
(形状保持性)
膨張倍率を測定した加熱後の試験片を90°に傾け、試験片が崩れず、形状保持ができたものを○、崩れてしまったものを×と評価した。

Claims (5)

  1. マトリクス成分と、熱膨張性黒鉛と、発火点80〜250℃の発火性物質とを含有する熱膨張性耐火樹脂組成物。
  2. 前記発火性物質の発火点と熱膨張性黒鉛の膨張開始温度の差が50℃以内である請求項1に記載の熱膨張性耐火樹脂組成物。
  3. マトリクス成分100質量部に対し、熱膨張性黒鉛を10〜350質量部質量部、発火点80〜250℃の発火性物質を1〜150質量部含有する請求項1または2に記載の熱膨張性耐火樹脂組成物。
  4. 無機充填剤をさらに含有する請求項1〜3のいずれか一項に記載の熱膨張性耐火樹脂組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の熱膨張性耐火樹脂組成物を成形してなる熱膨張性耐火材。
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