JP2019052120A - 新規シランカップリング剤、及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】特定の構造を有するシランカップリング剤の製造方法の提供。
【解決手段】式(2)で表される化合物と、式(3)で表される化合物とを、触媒存在下で反応させる製造方法。
[R1はH又はメチル基]
[ZはC1〜6のアルキル基又は−(R2O)a−R3;R2はC1〜6のアルキレン基;R3はC1〜6のアルキル基;aは1以上の整数;YはH、ヒドロキシル基、ハロゲン原子又は炭化水素基;nは0〜3の整数]
【選択図】なし
【解決手段】式(2)で表される化合物と、式(3)で表される化合物とを、触媒存在下で反応させる製造方法。
[R1はH又はメチル基]
[ZはC1〜6のアルキル基又は−(R2O)a−R3;R2はC1〜6のアルキレン基;R3はC1〜6のアルキル基;aは1以上の整数;YはH、ヒドロキシル基、ハロゲン原子又は炭化水素基;nは0〜3の整数]
【選択図】なし
Description
本発明は、特定の構造を有する化合物からなる新規シランカップリング剤、及びその製造方法に関する。
従来から、各種シランカップリング剤が、接着剤の接着性の向上、無機フィラーの表面改質、成形材料における分散性向上、ゴム組成物における各種物性の向上等を目的として、用いられている。その中でも、エポキシ基含有シランカップリング剤は、接着剤、シーラント及びプライマーの添加剤として幅広く利用されている。
例えば、エポキシ基含有シランカップリング剤をリチウムイオンバッテリーに用いることで、サイクル寿命や保存寿命を改善することが記載されている(特許文献1参照)。このようにシランカップリング剤は様々な分野で用いられているが、より一層の各種性能を向上させる新規シランカップリング剤の開発が求められている。
本発明は上記の点に鑑み、新規な構造を有する化合物からなる新規シランカップリング剤、及び該化合物の製造方法を提供する。
本発明者らは、上記問題点を解決すべく鋭意検討の結果、特定の構造を有する化合物からなる新規シランカップリング剤が上記課題を解決できることを見出した。
本発明は以下のように記載することができる。
項1. 式(2)で表される化合物と、
[式(2)中、R1は水素原子又はメチル基を示す。]
式(3)で表される化合物とを、触媒存在下で反応させ、
[式(3)中、Zは炭素数1〜6のアルキル基、又は−(R2O)a−R3(式中、R2は、炭素数1〜6のアルキレン基であり、R3は炭素数1〜6のアルキル基であり、aは1以上の整数を示す)、Yは、水素原子、ヒドロキシル基、ハロゲン原子又は炭化水素基を示し、nは0〜3の整数を示す。]
式(1)で表される化合物の製造方法。
[式(1)中、Xは、下記式(a)〜(c)で表される構造のいずれかであって、少なくとも1つは式(a)で表される構造である。]
[式(a)〜(c)中、R1は水素原子又はメチル基を示し、式(a)中、Zは炭素数1〜6のアルキル基、又は−(R2O)a−R3(式中、R2は、炭素数1〜6のアルキレン基であり、R3は炭素数1〜6のアルキル基であり、aは1以上の整数を示す)、Yは、水素原子、ヒドロキシル基、ハロゲン原子又は炭化水素基を示し、nは0〜3の整数を示す。]
項1. 式(2)で表される化合物と、
式(3)で表される化合物とを、触媒存在下で反応させ、
式(1)で表される化合物の製造方法。
本発明における化合物をシランカップリング剤として用いることで、接着剤の接着性の向上、無機フィラーの表面改質、成形材料における分散性向上、ゴム組成物における各種物性の向上等させることが期待できる。また、本発明の化合物(シランカップリング剤)の製造方法は、目的とする化合物を効率よく簡便に製造することが可能である。
以下、本発明について詳細に説明する。
式(1)で表される化合物
本発明は、式(1)で表される化合物に関するものである。
[式(1)中、Xは、下記式(a)〜(c)で表される構造のいずれかであって、少なくとも1つは式(a)で表される構造である。]
[式(a)〜(c)中、R1は水素原子又はメチル基を示し、式(a)中、Zは炭素数1〜6のアルキル基、又は−(R2O)a−R3(式中、R2は、炭素数1〜6のアルキレン基であり、R3は炭素数1〜6のアルキル基であり、aは1以上の整数を示す)、Yは、水素原子、ヒドロキシル基、ハロゲン原子又は炭化水素基を示し、nは0〜3の整数を示す。]
本発明は、式(1)で表される化合物に関するものである。
式(1)中、Xは、式(a)〜(c)で表される構造のいずれかであって、少なくとも1つは式(a)で表される構造である。Xの少なくとも1つは式(a)で表される構造であればよく、Xのいずれもが式(a)で表される構造であってもよく、Xの1つは式(a)で表される構造であり、もう一方は式(b)で表される構造であってもよく、Xの1つは式(a)で表される構造であり、もう一方は式(c)で表される構造であってもよい。中でも、Xのいずれもが式(a)で表される構造であることが好ましい。式(a)〜(c)中、R1は水素原子又はメチル基である。
式(a)中のZは炭素数1〜6のアルキル基、又は−(R2O)a−R3(式中、R2は、炭素数1〜6のアルキレン基であり、R3は炭素数1〜6のアルキル基であり、aは1以上の整数を示す)。
Zがアルキル基である場合、炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、炭素数1〜2のアルキル基がより好ましい。
Zが−(R2O)a−R3である場合、R2は、炭素数1〜6のアルキレン基であり、炭素数2〜4のアルキレン基が好ましい。R3は炭素数1〜6のアルキル基であり、炭素数2〜4のアルキル基が好ましい。aは1以上の整数を示し、aは1〜6の整数を示し、1〜3の整数であることが好ましい。Yは、水素原子、ヒドロキシル基、ハロゲン原子又は炭化水素基を示し、炭化水素基であることが好ましい。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子等を例示できる。また、炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、イソオクチル基、ノニル基、デシル基、イソデシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、イソトリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、イソオクタデシル基、ヘキサデセニル基、オクタデセニル基、フェニル基等を例示でき、好ましいものとしては、メチル其、エチル其、フェニル基である。
nは0〜3の整数であり、0〜1の整数であることが好ましい。
Zがアルキル基である場合、炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、炭素数1〜2のアルキル基がより好ましい。
Zが−(R2O)a−R3である場合、R2は、炭素数1〜6のアルキレン基であり、炭素数2〜4のアルキレン基が好ましい。R3は炭素数1〜6のアルキル基であり、炭素数2〜4のアルキル基が好ましい。aは1以上の整数を示し、aは1〜6の整数を示し、1〜3の整数であることが好ましい。Yは、水素原子、ヒドロキシル基、ハロゲン原子又は炭化水素基を示し、炭化水素基であることが好ましい。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子等を例示できる。また、炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、イソオクチル基、ノニル基、デシル基、イソデシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、イソトリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、イソオクタデシル基、ヘキサデセニル基、オクタデセニル基、フェニル基等を例示でき、好ましいものとしては、メチル其、エチル其、フェニル基である。
nは0〜3の整数であり、0〜1の整数であることが好ましい。
式(1)で表される化合物としては、例えば、グリセリン[ビス−(トリメトキシシリルプロピル)]グリシジルエーテル、グリセリン[ビス−(トリエトキシシリルプロピル)]グリシジルエーテル、グリセリン[ビス−(トリメトキシシリル−2−メチルプロピル)]グリシジルエーテル、グリセリン[ビス−(トリエトキシシリル−2−メチルプロピル)]グリシジルエーテル、グリセリンアリルグリシジル(トリメトキシシリルプロピル)エーテル、グリセリンアリルグリシジル(トリエトキシシリルプロピル)エーテル、グリセリンアリルグリシジル(トリメトキシシリル−2−メチルプロピル)エーテル、グリセリンアリルグリシジル(トリエトキシシリル−2−メチルプロピル)エーテル、グリセリン(2−メチルビニル)グリシジル(トリメトキシシリルプロピル)エーテル、グリセリン(2−メチルビニル)グリシジル(トリエトキシシリルプロピル)エーテル、グリセリン(2−メチルビニル)グリシジル(トリメトキシシリル−2−メチルプロピル)エーテル、グリセリン(2−メチルビニル)グリシジル(トリエトキシシリル−2−メチルプロピル)エーテル等を例示することができる。
上述した式(1)で表される化合物は、シランカップリング剤として用いることができる。式(1)で表される化合物からなるシランカップリン剤の用途としては、通常シランカップリング剤が用いられる用途であれば、特に限定されないが、例えば、ガラス繊維強化樹脂に添加することで、衝撃強度の向上、耐熱性の向上、耐水性の向上、電気特性(電気絶縁性)の向上、長期間の強度保持、成形材料の形状保持性の向上の効果が期待できる。また、無機フィラーを配合する樹脂に添加することで、電気的特性の向上、機械的強度の向上、耐熱性・耐酸化性の向上、表面平滑性の増大、相溶性の改善等の効果が期待できる。エラストマーに添加することで、引張強度の改良、可撓性の改良、耐候性の改良、長期柔軟性の保持、耐水性の向上、接着性・耐剥離性の改良、体積膨張率の低減、コンパウンド性、押出性の向上等の効果が期待できる。さらに、タイヤコンパウンドに添加することで、耐摩耗性の向上、転がり抵抗の低下、燃費の向上、グリップ力の向上等の効果が期待できる。塗料やコーティング剤に添加することで、接着性の改良、被膜強度の向上、耐久性・耐候性の改良、顔料・フィラーの分散性改良、流動性・作業性の改良等の効果が期待できる。接着剤に添加することで、膨潤・乾燥接着強度の改良、熱水安定性の改良、フィラー及び顔料分散性の改良、粘弾性の改良等の効果を期待できる。シーラント用に用いた場合、引張強度・引き裂き強度・耐摩耗性の改良、伸び・追従性の改良、長期間の接着性の保持等の効果を期待できる。
式(1)で表される化合物の製造方法
本発明の式(1)で表される化合物は、
[式(1)中、Xは、下記式(a)〜(c)で表される構造のいずれかであって、少なくとも1つは式(a)で表される構造である。]
[式(a)〜(c)中、R1は水素原子又はメチル基を示し、式(a)中、Zは炭素数1〜6のアルキル基、又は−(R2O)a−R3(式中、R2は、炭素数1〜6のアルキレン基であり、R3は炭素数1〜6のアルキル基であり、aは1以上の整数を示す)、Yは、水素原子、ヒドロキシル基、ハロゲン原子又は炭化水素基を示し、nは0〜3の整数を示す。]
式(2)で表される化合物と、
[式(2)中、R1は水素原子又はメチル基を示す。]
式(3)で表される化合物と、
[式(3)中、Zは炭素数1〜6のアルキル基、又は−(R2O)a−R3(式中、R2は、炭素数1〜6のアルキレン基であり、R3は炭素数1〜6のアルキル基であり、aは1以上の整数を示す)、Yは、水素原子、ヒドロキシル基、ハロゲン原子又は炭化水素基を示し、nは0〜3の整数を示す。]
を触媒存在下で反応させることによって得ることができる。
本発明の式(1)で表される化合物は、
式(2)で表される化合物と、
式(3)で表される化合物と、
を触媒存在下で反応させることによって得ることができる。
式(2)で表される化合物
本発明の式(1)で表される化合物の原料として、式(2)で表される化合物を用いることができる。
[式(2)中、R1は水素原子又はメチル基を示す。]
本発明の式(1)で表される化合物の原料として、式(2)で表される化合物を用いることができる。
式(2)中、R1は水素原子又はメチル基である。
式(2)で表わされる化合物としては、例えば、グリセリンジアリルグリシジルエーテル、グリセリンジメタリルグリシジルエーテルを例示することができる。式(2)で表わされる化合物は、市販されているものを又は合成したもののいずれかを用いることができる。
式(3)で表される化合物
本発明の式(1)で表される化合物の原料として、式(3)で表される化合物を用いることができる。
[式(3)中、Zは炭素数1〜6のアルキル基、又は−(R2O)a−R3(式中、R2は、炭素数1〜6のアルキレン基であり、R3は炭素数1〜6のアルキル基であり、aは1以上の整数を示す)、Yは、水素原子、ヒドロキシル基、ハロゲン原子又は炭化水素基を示し、nは0〜3の整数を示す。]
本発明の式(1)で表される化合物の原料として、式(3)で表される化合物を用いることができる。
式(3)中のZは炭素数1〜6のアルキル基又は−(R2O)a−R3(式中、R2は、炭素数1〜6のアルキレン基であり、R3は炭素数1〜6のアルキル基であり、aは1以上の整数を示す)。
Zがアルキル基である場合、炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、炭素数1〜2のアルキル基がより好ましい。
Zが−(R2O)a−R3である場合、R2は、炭素数1〜6のアルキレン基であり、炭素数2〜4のアルキレン基が好ましい。R3は炭素数1〜6のアルキル基であり、炭素数2〜4のアルキル基が好ましい。aは1以上の整数を示し、aは1〜6の整数を示し、1〜3の整数であることが好ましい。Yは、水素原子、ヒドロキシル基、ハロゲン原子又は炭化水素基を示し、炭化水素基であることが好ましい。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子等を例示できる。また、炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、イソオクチル基、ノニル基、デシル基、イソデシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、イソトリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、イソオクタデシル基、ヘキサデセニル基、オクタデセニル基、フェニル基等を例示でき、好ましいものとしては、メチル其、エチル其、フェニル基である。
nは0〜3の整数であり、0〜1の整数であることが好ましい。
Zがアルキル基である場合、炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、炭素数1〜2のアルキル基がより好ましい。
Zが−(R2O)a−R3である場合、R2は、炭素数1〜6のアルキレン基であり、炭素数2〜4のアルキレン基が好ましい。R3は炭素数1〜6のアルキル基であり、炭素数2〜4のアルキル基が好ましい。aは1以上の整数を示し、aは1〜6の整数を示し、1〜3の整数であることが好ましい。Yは、水素原子、ヒドロキシル基、ハロゲン原子又は炭化水素基を示し、炭化水素基であることが好ましい。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子等を例示できる。また、炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、イソオクチル基、ノニル基、デシル基、イソデシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、イソトリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、イソオクタデシル基、ヘキサデセニル基、オクタデセニル基、フェニル基等を例示でき、好ましいものとしては、メチル其、エチル其、フェニル基である。
nは0〜3の整数であり、0〜1の整数であることが好ましい。
式(3)で表わされる化合物としては、例えば、トリクロロシラン、トリメトキシシラン、トリエトキシシラン、ジメチルクロロシラン、ジエチルクロロシラン、ジメチルエトキシシラン、エチルジクロロシラン、ジクロロメチルシラン、シクロヘキシルジクロロシラン、シクロペンチルジクロロシラン、ジクロロシラン、ジイソプロピルクロロシラン、ヘキサデシルジクロロシラン、ヘキシルジクロロシラン、ヘキシルジメトキシシラン、イソブチルジエトキシシラン、メチルジエトキシシラン、メチルジメトキシシランおよびフェニルジクロロシランを例示することができる。中でも、トリメトキシシラン、トリエトキシシランが好ましい。式(3)で表わされる化合物は、市販されているものを又は合成したもののいずれかを用いることができる。
式(2)で表わされる化合物を式(3)の化合物でヒドロシリル化して、式(1)で表わされる化合物を得るため方法として、一般的に以下の合成方法を例示することができる。
攪拌装置、温度計、還流冷却装置、滴下ロート、メカニカルスターラー等が装着された適当な反応容器(例えば、3つ口、4つ口フラスコ等)に、反応触媒、式(2)の化合物0.1〜1.5mol、有機溶媒(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ヘキサン、ヘプタン、トルエン、キシレン等が挙げられる)を仕込み、攪拌しながら、室温〜100℃程度に加熱し、式(3)で表される化合物0.2〜3.0molを滴下して加え、1〜10時間程度反応させる。反応終了後、反応液をエバポレーターで濃縮し、式(1)で表わされる化合物の粗生成物を得る。得られた粗生成物は必要に応じて、蒸留、抽出、再結晶、液体クロマトグラフィー等の常法により精製することができる。
式(2)で表わされる化合物と式(3)の化合物の反応に用いることのできる反応触媒(ヒドロシリル化触媒)としては、公知のものを制限なく使用できる。例えば、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、及び白金からなる群より選択される少なくとも1種の金属(白金族金属)を含むヒドロシリル化触媒である。より具体的には、白金(白金黒を含む)、ロジウム、パラジウム等の白金族金属単体;H2PtCl4・nH2O、H2PtCl6・nH2O、NaHPtCl6・nH2O、KHPtCl6・nH2O、Na2PtCl6・nH2O、K2PtCl4・nH2O、PtCl4・nH2O、PtCl2、Na2HPtCl4・nH2O(上式中、nは0〜6の整数であり、好ましくは0又は6である。)等の塩化白金、塩化白金酸及び塩化白金酸塩;アルコール変性塩化白金酸(米国特許第3,220,972号明細書参照);塩化白金酸とオレフィンとのコンプレックス(米国特許第3,159,601号明細書、同第3,159,662号明細書、同第3,775,452号明細書参照);白金黒、パラジウム等の白金族金属をアルミナ、シリカ、カーボン等の担体に担持させたもの;ロジウム−オレフィンコンプレックス;クロロトリス(トリフェニルフォスフィン)ロジウム(ウィルキンソン触媒);塩化白金、塩化白金酸又は塩化白金酸塩とビニル基含有シロキサン、例えば、ジビニルテトラメチルジシロキサン白金錯体、ビニル基含有環状シロキサンとのコンプレックス等が挙げられる。中でも、H2PtCl6・nH2Oが好ましい。これらの反応触媒は、1種類で用いてもよいし、2種以上の反応触媒を混合して用いてもよい。また、白金族金属以外に、マンガン、鉄、コバルト及びニッケル等を金属種とする錯体からなるヒドロシリル触媒も用いることも可能である。
反応に用いる反応触媒は有効量を用いればよく、通常、1mmol%〜10mmol%の範囲であり、1mmol%〜5mmol%の範囲であることが好ましい。反応触媒は、上記範囲となるように反応溶液中に直接添加してもよく、あらかじめ所定の濃度に調整したものを上記範囲となるように反応液に添加してもよい。
以下、本発明を実施例及び比較例により具体的に説明する。但し、本発明はその要旨を逸脱しない限り以下の実施例に限定されるものではない。
式(1)で表される化合物1の合成
グリセリンとアリルクロライドをアルカリ条件下で反応させることにより1,3−ジアリルグリセリンを得た。これにエピクロルヒドリンをアルカリ条件下で付加反応させることによりグリセリンジアリルグリシジルエーテルを合成した。得られた合成品を次の反応に用いた。
温度計、磁気攪拌装置を備えた100mLの三口フラスコに4.17gのグリセリンジアリルグリシジルエーテル(合成品)、10%塩化白金酸溶液(和光純薬工業株式会社製)を4.6μl(0.0014mmol)、酢酸(和光純薬工業株式会社製)4.5μlを加え、フラスコ内を磁気攪拌装置で攪拌しながらオイルバスで90℃に加熱した。10mlシリンジにトリエトキシシラン(東京化成工業株式会社製)5.8mLを仕込み、反応液の温度が85℃に達した時点で、トリエトキシシランの滴下を開始し、1.5時間かけて滴下した。滴下後90℃で30分反応させた。反応終了後、反応溶液を減圧濃縮して化合物1を(5.6)mg得た(収率55%)。得られた化合物1の物性値を以下に示す。
1H NMR(500MHz、CDCl3)δ(ppm) 0.63(4H)、1.23(18H)、1.68(4H)、2.63(1H)、2.78(1H)、3.15(1H)、3.42(4H)、3.47(4H)、3.61(1H)、3.69(1H)、3.82(12H)、3.87(1H) であった。
グリセリンとアリルクロライドをアルカリ条件下で反応させることにより1,3−ジアリルグリセリンを得た。これにエピクロルヒドリンをアルカリ条件下で付加反応させることによりグリセリンジアリルグリシジルエーテルを合成した。得られた合成品を次の反応に用いた。
温度計、磁気攪拌装置を備えた100mLの三口フラスコに4.17gのグリセリンジアリルグリシジルエーテル(合成品)、10%塩化白金酸溶液(和光純薬工業株式会社製)を4.6μl(0.0014mmol)、酢酸(和光純薬工業株式会社製)4.5μlを加え、フラスコ内を磁気攪拌装置で攪拌しながらオイルバスで90℃に加熱した。10mlシリンジにトリエトキシシラン(東京化成工業株式会社製)5.8mLを仕込み、反応液の温度が85℃に達した時点で、トリエトキシシランの滴下を開始し、1.5時間かけて滴下した。滴下後90℃で30分反応させた。反応終了後、反応溶液を減圧濃縮して化合物1を(5.6)mg得た(収率55%)。得られた化合物1の物性値を以下に示す。
1H NMR(500MHz、CDCl3)δ(ppm) 0.63(4H)、1.23(18H)、1.68(4H)、2.63(1H)、2.78(1H)、3.15(1H)、3.42(4H)、3.47(4H)、3.61(1H)、3.69(1H)、3.82(12H)、3.87(1H) であった。
式(1)で表される化合物を効率よく製造することができる。得られた化合物をシランカップリング剤として、様々な用途に用いることで上述した効果を期待できる。
本発明における式(1)で表される化合物をシランカップリング剤は、樹脂(ガラス繊維強化樹脂や無機フィラー配合樹脂)、エラストマー、接着剤、塗料・コーティング剤
シーラント等の用途に好適である。
シーラント等の用途に好適である。
Claims (1)
- 式(2)で表される化合物と、
式(3)で表される化合物とを、触媒存在下で反応させ、
式(1)で表される化合物の製造方法。
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2017
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