JP2019051759A - 車両用照明装置および車両用灯具 - Google Patents

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Abstract

【課題】入力電圧が低下した際に、必要となる全光束を確保することができ、且つ、故障の発生に関する誤検出を抑制することができる車両用照明装置および車両用灯具を提供することである。【解決手段】実施形態に係る車両用照明装置は、少なくとも1つの発光素子を有する複数の回路部と;前記複数の回路部と電気的に接続された制御部と;を具備している。前記制御部は、入力電圧が所定の値を超えた場合には、前記複数の回路部を直列接続にし、前記入力電圧が所定の値以下となった場合には、前記複数の回路部の少なくとも一部を並列接続にする。前記所定の値は、車両用照明装置の故障判定に用いられる電流値に対応した電圧以上の値である。【選択図】図9

Description

本発明の実施形態は、車両用照明装置および車両用灯具に関する。
車両用照明装置が設けられる車両には、車両用照明装置の故障を検出する検出装置が設けられている。例えば、検出装置は、直列接続された複数の発光ダイオードに流れる電流を検出し、検出された電流が所定の値以下となった場合には、複数の発光ダイオードの少なくともいずれかに断線などの故障が発生したと判定する。そして、検出装置は、故障が発生したと判定した場合には、例えば、メータパネルなどに車両用照明装置の故障を知らせる表示を点灯させる。
この場合、車種のグレードなどによっては、白熱電球を備えた車両用照明装置と、発光ダイオードを備えた車両用照明装置とが使い分けられる場合がある。これに対して、車両用照明装置の故障を検出する検出装置は、車種のグレードなどに関係なく同一のものが用いられる場合が多い。検出装置を兼用にすると故障の判定に用いる閾値が1つとなるので、誤検出が生じるおそれがある。
ここで、車両用照明装置に印加される電圧(入力電圧)は変動する。入力電圧が低下すると、複数の発光ダイオードから照射される光の量が低下して、車両用照明装置の全光束が規定値未満となるおそれがある。また、白熱電球に流れる電流を基準にした閾値が故障の判定に用いられていると、入力電圧が低下した際に、故障がない場合であっても故障が発生したと判定されるおそれがある。
そのため、入力電圧が低下した際に、必要となる全光束を確保することができ、且つ、故障の発生に関する誤検出を抑制することができる技術の開発が望まれていた。
特開2015−63252号公報
本発明が解決しようとする課題は、入力電圧が低下した際に、必要となる全光束を確保することができ、且つ、故障の発生に関する誤検出を抑制することができる車両用照明装置および車両用灯具を提供することである。
実施形態に係る車両用照明装置は、少なくとも1つの発光素子を有する複数の回路部と;前記複数の回路部と電気的に接続された制御部と;を具備している。前記制御部は、入力電圧が所定の値を超えた場合には、前記複数の回路部を直列接続にし、前記入力電圧が所定の値以下となった場合には、前記複数の回路部の少なくとも一部を並列接続にする。前記所定の値は、車両用照明装置の故障判定に用いられる電流値に対応した電圧以上の値である。
本発明の実施形態によれば、入力電圧が低下した際に、必要となる全光束を確保することができ、且つ、故障の発生に関する誤検出を抑制することができる車両用照明装置および車両用灯具を提供することができる。
本実施の形態に係る車両用照明装置を例示するための模式斜視図である。 図1における車両用照明装置のA−A線方向の模式断面図である。 (a)は、比較例に係る発光モジュールを例示するための回路図である。(b)は、発光モジュールにおける入力電圧と全光束との関係を例示するためのグラフ図である。 (a)は、比較例に係る発光モジュールを例示するための回路図である。(b)は、発光モジュールにおける入力電圧と全光束との関係を例示するためのグラフ図である。 (a)は、発光モジュールを例示するための回路図である。(b)は、発光モジュールにおける入力電圧と全光束との関係を例示するためのグラフ図である。 他の実施形態に係る発光モジュールを例示するための回路図である。 他の実施形態に係る発光モジュールを例示するための回路図である。 他の実施形態に係る発光モジュールを例示するための回路図である。 定電流部の効果を例示するためのグラフ図である。 他の実施形態に係る発光モジュールを例示するための回路図である。 制御素子の効果を例示するためのグラフ図である。 制御素子の効果を例示するためのグラフ図である。 車両用灯具を例示するための模式部分断面図である。
以下、図面を参照しつつ、実施の形態について例示をする。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
本実施の形態に係る車両用照明装置1は、例えば、自動車や鉄道車両などに設けることができる。自動車に設けられる車両用照明装置1としては、例えば、フロントコンビネーションライト(例えば、デイタイムランニングランプ(DRL;Daytime Running Lamp)、ポジションランプ、ターンシグナルランプなどが適宜組み合わされたもの)や、リアコンビネーションライト(例えば、ストップランプ、テールランプ、ターンシグナルランプ、バックランプ、フォグランプなどが適宜組み合わされたもの)などに用いられるものを例示することができる。ただし、車両用照明装置1の用途は、これらに限定されるわけではない。
図1は、本実施の形態に係る車両用照明装置1を例示するための模式斜視図である。
図2は、図1における車両用照明装置1のA−A線方向の模式断面図である。
図1および図2に示すように、車両用照明装置1には、ソケット10、発光モジュール20、および給電部30が設けられている。
ソケット10は、収納部10aおよび放熱部10bを有する。
収納部10aは、装着部11、バヨネット12、および絶縁部13を有する。
装着部11は、例えば、円筒状を呈したものとすることができる。装着部11は、フランジ14の、放熱フィン16が設けられる側とは反対側に設けられている。装着部11は、載置部15を囲んでいる。
バヨネット12は、装着部11の側面に設けられ、車両用照明装置1の外側に向けて突出している。バヨネット12は、複数設けられている。バヨネット12は、ツイストロックにより車両用照明装置1を車両用灯具100に取り付ける際に用いられる。
絶縁部13は、装着部11の内部に設けられている。
収納部10aは、発光モジュール20を収納する機能と、給電端子31を絶縁する機能を有する。そのため、装着部11、バヨネット12、および絶縁部13は、絶縁性材料から形成することが好ましい。絶縁性材料は、例えば、樹脂などの有機材料、セラミックス(例えば、酸化アルミニウムや窒化アルミニウムなど)などの無機材料などとすることができる。
放熱部10bは、フランジ14、載置部15、放熱フィン16、および凸部17を有する。
フランジ14は、例えば、円板状を呈したものとすることができる。フランジ14の外側面は、バヨネット12の外側面よりも車両用照明装置1の外方に位置している。
載置部15は、円柱状を呈したものとすることができる。載置部15は、フランジ14の、放熱フィン16が設けられる側とは反対側の面14aに設けられている。載置部15の側面には、凹部15aが設けられている。凹部15aの内部には、絶縁部13が設けられている。載置部15の、フランジ14側とは反対側の面15bには、発光モジュール20(基板21)が設けられる。
放熱フィン16は、フランジ14の、載置部15が設けられる側とは反対側の面14bに設けられている。放熱フィン16は、複数設けることができる。複数の放熱フィン16は、互いに平行となるように設けることができる。放熱フィン16は、平板状を呈したものとすることができる。
凸部17は、給電端子31の端部を保護する機能と、コネクタ105を保持する機能とを有する。凸部17は、フランジ14の、放熱フィン16が設けられる面14bに設けられている。凸部17は、ブロック状を呈したものとすることができる。凸部17には、孔17aが設けられている。孔17aには、シール部材105aを有するコネクタ105が挿入される。
放熱部10bは、発光モジュール20を載置する機能と、発光モジュール20において発生した熱を外部に放出する機能を有する。そのため、熱を放出する機能を考慮して、フランジ14、載置部15、放熱フィン16、および凸部17は、熱伝導率の高い材料から形成することが好ましい。熱伝導率の高い材料は、例えば、アルミニウムやアルミニウム合金などの金属、酸化アルミニウムや窒化アルミニウムなどのセラミックス、高熱伝導性樹脂などとすることができる。高熱伝導性樹脂は、例えば、PET(Polyethylene terephthalate)やナイロン等の樹脂に、熱伝導率の高い酸化アルミニウムや炭素(カーボン)などからなるフィラーを混合させたものである。
また、放熱部10bは、収納部10aと接合される。収納部10aと放熱部10bは、嵌め合わされるようにしてもよいし、接着剤などを用いて接合してもよいし、インサート成型により収納部10aと放熱部10bを接合してもよいし、加熱溶着により収納部10aと放熱部10bを接合してもよい。
発光モジュール20は、載置部15の、フランジ14側とは反対側の面15bに設けられている。
発光モジュール20は、基板21、発光素子22、抵抗23a、抵抗23b、ダイオード24、制御部25、およびダイオード26を有する。
基板21は、載置部15の面15bの上に設けられている。基板21は、平板状を呈している。基板21の表面には、配線パターン27が設けられている。発光素子22において発生した熱を効率よく放熱部10bに伝えることを考慮すると、基板21は、熱伝導率の高い材料から形成することが好ましい。熱伝導率の高い材料は、例えば、セラミックス(例えば、酸化アルミニウムや窒化アルミニウムなど)、金属板の表面を絶縁性材料で被覆したものなどとすることができる。また、基板21は、単層構造であってもよいし、多層構造であってもよい。
発光素子22は、基板21の上に設けられている。発光素子22は、基板21の表面に設けられた配線パターン27と電気的に接続されている。発光素子22は、例えば、発光ダイオード、有機発光ダイオード、レーザダイオードなどとすることができる。
発光素子22の形式には特に限定はない。発光素子22は、例えば、PLCC(Plastic Leaded Chip Carrier)型などの表面実装型の発光素子とすることができる。なお、図1および図2に例示をした発光素子22は、表面実装型の発光素子である。
発光素子22は、例えば、砲弾型などのリード線を有する発光素子とすることもできる。
また、発光素子22は、COB(Chip On Board)により実装されるものとすることもできる。COBにより実装される発光素子22とする場合には、チップ状の発光素子22と、発光素子22と配線パターン27を電気的に接続する配線と、発光素子22と配線を囲む枠状の部材と、枠状の部材の内部に設けられた封止部などを基板21の上に設けることができる。この場合、封止部には、蛍光体を含めることができる。蛍光体は、例えば、YAG系蛍光体(イットリウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体)などとすることができる。なお、蛍光体の種類は、例示をしたものに限定されるわけではない。蛍光体の種類は、車両用照明装置1の用途などに応じて所望の発光色が得られるように適宜変更することができる。
抵抗23a、23bは、基板21の上に設けられている。抵抗23a、23bは、基板21の表面に設けられた配線パターン27と電気的に接続されている。抵抗23a、23bは、発光素子22に流れる電流を制御する。
発光素子22の順方向電圧特性には、ばらつきがあるので、アノード端子と、グランド端子と、の間の印加電圧を一定にすると、発光素子22の明るさ(光束、輝度、光度、照度)にばらつきが生じる。そのため、発光素子22の明るさが所定の範囲内に収まるように、抵抗23a、23bにより、発光素子22に流れる電流の値が所定の範囲内となるようにする。この場合、抵抗23a、23bの抵抗値を変化させることで、発光素子22に流れる電流の値が所定の範囲内となるようにすることができる。
抵抗23a、23bは、例えば、表面実装型の抵抗器、リード線を有する抵抗器(酸化金属皮膜抵抗器)、スクリーン印刷法などを用いて形成された膜状の抵抗器などとすることができる。なお、膜状の抵抗器とすれば、抵抗値の調整が容易となる。そのため、抵抗23a、23bは膜状の抵抗器とすることが好ましい。この場合、抵抗値の調整は、以下の様にして行うことができる。まず、スクリーン印刷法などを用いて、基板21の表面に膜状の抵抗器を形成する。次に、膜状の抵抗器にレーザ光を照射して、膜状の抵抗器の一部を除去する。そして、除去した部分の大きさなどにより、膜状の抵抗器の抵抗値を変化させる。この場合、膜状の抵抗器の一部を除去すれば、抵抗値は増加することになる。なお、図1および図2に例示をした抵抗23a、23bは、膜状の抵抗器である。抵抗23a、23bの数、大きさ、配置などは、例示をしたものに限定されるわけではなく、発光素子22の数や仕様などに応じて適宜変更することができる。
制御部25は、基板21の上に設けられている。制御部25は、基板21の表面に設けられた配線パターン27と電気的に接続されている。制御部25は、入力電圧が所定の値より高い場合には、複数の回路部(例えば、回路部20a、20b)を直列接続にし、入力電圧が所定の値となった場合には、複数の回路部の少なくとも一部を並列接続にする(図5〜図12を参照)。例えば、制御部25は、入力電圧を検出し、検出された入力電圧に基づいて複数の回路部の接続形態(直列接続または並列接続)を切り替えるものとすることができる。
また、制御部25は、トランジスタなどのスイッチング素子を用いたスイッチング回路を有し、入力電圧に応じて複数の回路部の接続形態が自動的に切り換わるものとすることもできる。なお、スイッチング回路には既知の技術を用いることができる。そのため、以下においては、制御部25が入力電圧を検出し、検出された入力電圧に基づいて複数の回路部の接続形態を切り換える場合を説明する。
ダイオード24は、基板21の上に設けられている。ダイオード24は、基板21の表面に設けられた配線パターン27と電気的に接続されている。ダイオード24は、複数の回路部の接続が直列接続から並列接続に切り換えられた際に、一部の発光素子22に逆方向電圧が印加されないようにするために設けられる(図5〜図8、図10を参照)。
ダイオード26は、基板21の上に設けられている。ダイオード26は、基板21の表面に設けられた配線パターン27と電気的に接続されている。ダイオード26は、発光モジュール20の入力側に設けられている。ダイオード26は、逆方向電圧が発光素子22に印加されないようにするため、および、逆方向からのパルスノイズが発光素子22に印加されないようにするために設けられる。
その他、配線パターン27や膜状の抵抗器などを覆う被覆部を設けることもできる。被覆部は、例えば、ガラス材料を含むものとすることができる。
なお、発光素子22、抵抗23a、抵抗23b、ダイオード24、制御部25、およびダイオード26の接続に関する詳細は、後述する。
給電部30は、複数の給電端子31を有する。複数の給電端子31は、ソケット10(絶縁部13)の内部に設けられている。複数の給電端子31の一方の端部は、絶縁部13の、フランジ14側とは反対側の端面から突出し、基板21に設けられた配線パターン27と電気的に接続されている。複数の給電端子31の他方の端部は、絶縁部13のフランジ14側の端面13aから突出している。複数の給電端子31の他方の端部は、孔17aの内部に露出している。なお、給電端子31の数、形状などは例示をしたものに限定されるわけではなく、適宜変更することができる。
次に、発光モジュール20についてさらに説明する。
まず、比較例に係る発光モジュール200、210について説明する。
図3(a)は、比較例に係る発光モジュール200を例示するための回路図である。
図3(b)は、発光モジュール200における入力電圧と全光束との関係を例示するためのグラフ図である。
図3(a)に示すように、発光モジュール200には、複数の発光素子22と抵抗23aが設けられている。前述した発光モジュール20と同様に、複数の発光素子22と抵抗23aは、基板21の表面に設けられた配線パターン27と電気的に接続されている。ただし、発光モジュール200には、ダイオード24および制御部25が設けられていない。
ここで、車両用照明装置1は、バッテリーを電源としているが、車両用照明装置1に印加される電圧(入力電圧)は変動する。例えば、一般的な自動車用の車両用照明装置1の動作標準電圧(定格電圧)は13.5V程度である。ところが、バッテリーの電圧低下、オルタネーターの動作、回路の影響などにより、入力電圧が変動する。そのため、自動車用の車両用照明装置1においては、動作電圧範囲(電圧変動範囲)が定められている。例えば、動作電圧範囲は、9V以上16V以下が一般的であり、中には7V以上16V以下の場合もある。
ここで、発光素子22には順方向の電圧降下がある。そのため、図3(b)に示すように、直列接続された複数の発光素子22の入力電圧(印加電圧)が低下すると、複数の発光素子22から照射される光の量が低下する。そして、動作電圧範囲の下限近傍において、車両用照明装置1の全光束が規定値未満となるおそれがある。例えば、発光素子22の順方向の電圧降下が3V程度の場合、3つの発光素子22を直列接続すると、9Vの電圧降下が生じることになる。また、3つの発光素子22には抵抗23aも直列接続されている。そのため、入力電圧が9V程度となると、3つの発光素子22にはほとんど電流が流れなくなり、車両用照明装置1の全光束が規定値未満となる。
図4(a)は、比較例に係る発光モジュール210を例示するための回路図である。
図4(b)は、発光モジュール210における入力電圧と全光束との関係を例示するためのグラフ図である。
図4(a)に示すように、発光モジュール210には、複数の発光素子22、抵抗23a、電圧計211、およびスイッチ212が設けられている。
電圧計211は、入力電圧を検出する。3つの発光素子22は、抵抗23aと直列接続されている。スイッチ212は、入力側に最も遠い1つの発光素子22と並列接続されている。
電圧計211により検出された入力電圧が所定の値を超えている場合には、スイッチ212を開くようにする。すると、直列接続された3つの発光素子22に電流Iaが流れ、3つの発光素子22から光が照射される。一方、電圧計211により検出された入力電圧が所定の値以下となった場合には、スイッチ212を閉じるようにする。すると、直列接続された2つの発光素子22に電流Ibが流れ、スイッチ212と並列接続された発光素子22にはほとんど電流が流れなくなる。そのため、2つの発光素子22に流れる電流を増加させることができる。その結果、動作電圧範囲の下限近傍において、車両用照明装置1の全光束が規定値未満となるのを抑制することができる。ところが、スイッチ212を閉じると、2つの発光素子22に流れる電流が急激に増加する。そのため、図4(b)に示すように、動作電圧範囲の下限近傍において、全光束が急激に増加することになる。
またさらに、自動車に設けられる車両用照明装置1の場合には、以下の問題がある。
一般的に、自動車には、発光モジュール20の故障を検出する検出装置106が設けられている。例えば、検出装置106は、直列接続された複数の発光素子22に流れる電流を検出し、検出された電流が所定の値以下となった場合には、複数の発光素子22の少なくともいずれかに断線などの故障が発生したと判定する。そして、検出装置106は、故障が発生したと判定した場合には、例えば、メータパネルなどに発光モジュール20(車両用照明装置1)の故障を知らせる表示を点灯させる。
ここで、車種のグレードなどによっては、白熱電球を備えた車両用照明装置と、発光素子22を備えた車両用照明装置とが使い分けられる場合がある。例えば、下位のグレードの車種には白熱電球を備えた安価な車両用照明装置を設け、上位のグレードの車種には発光素子22を備えた比較的高価な車両用照明装置を設ける場合がある。
一方、車両用照明装置の故障を検出する検出装置106は、車種のグレードなどに関係なく同一のものが用いられる場合が多い。この場合、検出装置106を兼用にすると故障の判定に用いる閾値(入力電流の値)が1つとなる。ところが、一般的に、直列接続された複数の発光素子22に流れる電流は、白熱電球に流れる電流よりも小さくなる。そのため、故障の判定に用いる閾値を1つにすると、誤検出が生じるおそれがある。例えば、複数の発光素子22に流れる電流を基準にした閾値を用いると、白熱電球を備えた車両用照明装置に故障が発生した場合であっても故障がないと判定されるおそれがある。白熱電球に流れる電流を基準にした閾値を用いると、複数の発光素子22を備えた車両用照明装置に故障がない場合であっても故障が発生したと判定されるおそれがある。この場合、安全性を考慮すると、白熱電球に流れる電流を基準にした閾値を用いることが好ましい。
そのため、複数の発光素子22を備えた車両用照明装置1には、入力電圧が低下した際に必要となる全光束を確保することができ、且つ、白熱電球に流れる電流を基準にした閾値が用いられていても故障の発生に関する誤検出を抑制できることが求められる。
またさらに、車両用照明装置1は、動作電圧範囲の下限近傍において、全光束が急激に増加するのを抑制できることが好ましい。
図5(a)は、発光モジュール20を例示するための回路図である。
図5(b)は、発光モジュール20における入力電圧と全光束との関係を例示するためのグラフ図である。
図5(a)に示すように、発光モジュール20は、回路部20a、回路部20b、ダイオード24、制御部25、およびダイオード26を有する。
回路部20aは、少なくとも1つの発光素子22を有する。なお、図5(a)に例示をした回路部20aは、1つの発光素子22を有する場合である。また、回路部20aは、発光素子22に直列接続された抵抗23aをさらに備えることができる。回路部20aに複数の発光素子22が設けられる場合には、直列接続された複数の発光素子22と抵抗23aとが直列接続される。
回路部20bは、少なくとも1つの発光素子22を有する。なお、図5(a)に例示をした回路部20bは、2つの発光素子22を有する場合である。また、回路部20bは、発光素子22に直列接続された抵抗23bをさらに備えることができる。回路部20bに複数の発光素子22が設けられる場合には、直列接続された複数の発光素子22と抵抗23bとが直列接続される。
ダイオード24は、回路部20aと回路部20bとの間に設けられている。ダイオード24のアノード側は回路部20aと電気的に接続されている。ダイオード24のカソード側は回路部20bと電気的に接続されている。ダイオード24は、回路部20aと回路部20bが並列接続された際に、回路部20aに逆方向電圧が印加されないようにするために設けられている。
制御部25は、入力電圧を検出し、検出された入力電圧が所定の値以下となった場合には、回路部20aと回路部20bを並列に接続する。また、制御部25は、検出された入力電圧が所定の値を超えた場合には、回路部20aと回路部20bを直列に接続する。そのため、制御部25は、入力電圧を検出する機能と、回路部20aと回路部20bの接続形態を切り替えるスイッチの機能を有する。
例えば、制御部25は、ツェナーダイオード(定電圧ダイオード)を用いた入力電圧判定回路や、オペレーショナル・アンプリファイアを用いたコンパレータなどを有し、入力電圧を検出するものとすることができる。例えば、制御部25は、スイッチング素子(例えば、トランジスタなど)であるスイッチ25a〜25cを有し、回路部20aと回路部20bの接続形態を切り換えるものとすることができる。例えば、制御部25は、CPU(Central Processing Unit)や記憶装置などを備え、検出された入力電圧に応じて各種の制御を行うものとすることができる。なお、各種の制御は、記憶装置に記憶されたプログラムに従い実行することができる。
制御部25は、検出された入力電圧が所定の値を超えた場合には、スイッチ25a、25bを開き(例えば、トランジスタをOFF状態にする)、スイッチ25cを閉じる(例えば、トランジスタをON状態にする)ことで、回路部20aと回路部20bを直列接続にする。すると、全ての発光素子22が直列接続され、全ての発光素子22から光が照射される。
一方、制御部25は、検出された入力電圧が所定の値以下となった場合には、スイッチ25a〜25cを閉じることで、回路部20aと回路部20bを並列に接続する。すると、回路部20aには電流I1が流れ、回路部20bには電流I2が流れる。この場合、ダイオード24により、電流I2が回路部20aに流れるのが防止される。この様にすれば、直列接続された発光素子22の数を減らすことができる。すなわち、複数の発光素子22における順方向の電圧降下を減らすことができる。そのため、動作電圧範囲の下限近傍において、車両用照明装置1の全光束が規定値未満となるのを抑制することができる。
ここで、制御部25が回路部20aと回路部20bの接続形態を切り替える電圧は、検出装置が発光モジュール20の故障判定に用いられる閾値(電流値)に対応した電圧以上とすることが好ましい。すなわち、前述した所定の値は、車両用照明装置1の故障判定に用いられる電流値に対応した電圧以上の値とすることが好ましい。例えば、故障判定に用いられる閾値を300mAとし、閾値の値に対応した電圧よりも高い電圧を12.5Vとすると、制御部25は、入力電圧が12.5Vとなった場合には回路部20aと回路部20bを並列に接続し、入力電圧が12.5Vより大きくなった場合には回路部20aと回路部20bを直列に接続することができる。(図5(b)を参照)
回路部20aと回路部20bの接続形態が直列接続から並列接続に切り替えられると、発光モジュール20に流れる電流(入力電流)が増加する。そのため、入力電流が故障判定に用いられる閾値以下となるのを抑制することができるので、故障の発生に関する誤検出を抑制できる。なお、制御部25が回路部20aと回路部20bの接続形態を切り替える電圧は、故障判定に用いられる閾値と、入力電圧の変動の程度などを考慮して、実験やシミュレーションを行うことで決定することができる。
また、回路部20aに抵抗を設ければ、電流I1の値を制御することができる。なお、回路部20aには、必要に応じて抵抗を設けるようにすればよい。また、抵抗23bの抵抗値を調整することで、電流I2の値を制御することができる。電流I1、I2の値を制御すれば、回路部20aと回路部20bを直列接続した際に発光素子22に流れる電流と、電流I1と電流I2の和が等しくなるようにすることができる。そのため、回路部20aと回路部20bを直列接続から並列接続に変更した際に、回路部20aおよび回路部20bに設けられた発光素子22に流れる電流が急激に増加するのを抑制することができる。その結果、動作電圧範囲の下限近傍において、全光束が急激に増加するのを抑制することができる。なお、電流I1と電流I2の値は同じとなるようにすることもできるし、異なるものとなるようにすることもできる。
以上に説明したように、本実施の形態に係る車両用照明装置1とすれば、図5(b)に示すように、入力電圧が低下した場合であっても、必要となる全光束を確保することができ、且つ、全光束の変動を抑制することができる。また、発光モジュール20に流れる入力電流が故障判定に用いられる閾値以下となるのを抑制することができるので、故障の発生に関する誤検出を抑制できる。
ここで、直列接続された複数の発光素子22の順方向の電圧降下の総和が、入力電圧に近くなるようにすれば、発光効率を向上させることができ、ひいては消費電力を低減させることができる。そのため、制御部25は、検出された入力電圧に基づいて、直列接続される回路部の数や組み合わせを適宜変更して、直列接続される発光素子の数(順方向の電圧降下の総和)が適切なものとなるようにすることができる。
なお、回路部の数や回路部に設けられる発光素子22の数は前述したものに限定されるわけではなく、車両用照明装置1の用途や大きさなどに応じて適宜変更することができる。
すなわち、制御部25は、入力電圧が所定の値を超えた場合には、複数の回路部を直列接続にし、入力電圧が所定の値以下となった場合には、複数の回路部の少なくとも一部を並列接続にすることができる。
図6は、他の実施形態に係る発光モジュール20を例示するための回路図である。
図6に示すように、発光モジュール20は、回路部20a、回路部20b、ダイオード24、制御部25、およびダイオード26を有する。
前述したように、回路部20aは、少なくとも1つの発光素子22を有していればよい。例えば、図5(a)に例示をした回路部20aは、1つの発光素子22を有している。図6に例示をした回路部20aは、直列接続された2つの発光素子22を有している。また、回路部20bは、少なくとも1つの発光素子22を有していればよい。例えば、図5(a)に例示をした回路部20bは、直列接続された2つの発光素子22を有している。図6に例示をした回路部20bは、1つの発光素子22を有している。なお、回路部20aおよび回路部20bに設けられる発光素子22の数は、図5(a)および図6に例示をしたものに限定されるわけではない。
本実施の形態によっても前述した効果を享受することができる。すなわち、入力電圧が低下した場合であっても、必要となる全光束を確保することができ、且つ、全光束の変動を抑制することができる。また、発光モジュール20に流れる入力電流が故障判定に用いられる閾値以下となるのを抑制することができるので、故障の発生に関する誤検出を抑制できる。
図7は、他の実施形態に係る発光モジュール20を例示するための回路図である。
図7に示すように、発光モジュール20は、回路部20a、回路部20b、回路部20c、ダイオード24、ダイオード24a、制御部25、およびダイオード26を有する。 回路部20cは、少なくとも1つの発光素子22を有する。なお、図7に例示をした回路部20cは、1つの発光素子22を有する場合である。また、回路部20cは、発光素子22に直列接続された抵抗23cをさらに備えることができる。なお、回路部20cに複数の発光素子22が設けられる場合には、直列接続された複数の発光素子22と抵抗23cとが直列接続される。
ダイオード24aは、回路部20bと回路部20cとの間に設けられている。ダイオード24aのアノード側は回路部20bと電気的に接続されている。ダイオード24aのカソード側は回路部20cと電気的に接続されている。ダイオード24aは、回路部20bと回路部20cが並列接続された際に、回路部20bに逆方向電圧が印加されないようにするために設けられている。
制御部25は、入力電圧を検出し、検出された入力電圧に基づいて、回路部20a、回路部20b、および回路部20cを直列接続としたり、直列並列接続としたり、並列接続としたりする。例えば、制御部25は、スイッチング素子(例えば、トランジスタなど)であるスイッチ25a〜25dを有し、回路部20a、回路部20b、および回路部20cの接続形態を切り替えるものとすることができる。
この場合、例えば、制御部25は、スイッチ25a、25b、25dを開き、スイッチ25cを閉じることで、回路部20a、回路部20b、および回路部20cを直列に接続する。例えば、制御部25は、スイッチ25a、25bを開き、スイッチ25c、25dを閉じることで、直列接続された回路部20aおよび回路部20bの発光素子22に、回路部20cを並列に接続する。例えば、制御部25は、スイッチ25dを開き、スイッチ25a、25b、25cを閉じることで、直列接続された回路部20bの発光素子22および回路部20cの発光素子22に、回路部20aを並列に接続する。例えば、制御部25は、スイッチ25a〜25dを閉じることで、回路部20aの発光素子22、回路部20bの発光素子22、および回路部20cの発光素子22を並列に接続するる。すなわち、制御部25は、直列接続させる回路部の数(または、並列接続させる回路部の数)や組み合わせを適宜変更することができる。
本実施の形態によっても前述した効果を享受することができる。すなわち、入力電圧が低下した場合であっても、必要となる全光束を確保することができ、且つ、全光束の変動を抑制することができる。また、発光モジュール20に流れる入力電流が故障判定に用いられる閾値以下となるのを抑制することができるので、故障の発生に関する誤検出を抑制できる。
図8は、他の実施形態に係る発光モジュール20を例示するための回路図である。
図8に示すように、発光モジュール20は、回路部20a、回路部20b、ダイオード24、制御部25、ダイオード26、および定電流部28を有する。
すなわち、本実施の形態に係る発光モジュール20は、定電流部28をさらに備えている。また、抵抗23aは制御部25の出力側に設けられている。抵抗23bは発光素子22の出力側に設けられている。
定電流部28は、回路部20bとスイッチ25cの間に電気的に接続されている。
制御部25により回路部20aと回路部20bが直列接続された場合には、定電流部28は、回路部20aと回路部20bに流れる電流(全ての発光素子22に流れる電流)が一定となるようにする。
制御部25により回路部20aと回路部20bが並列接続された場合には、定電流部28は、回路部20bに流れる電流が一定となるようにする。
すなわち、定電流部28は、複数の回路部に電気的に接続されている。定電流部28は、複数の回路部が直列接続された場合には複数の回路部に流れる電流を一定にし、複数の回路部の少なくとも一部が並列接続された場合には所定の回路部に流れる電流を一定にする。
定電流部28は、例えば、ミラー回路、定電流ダイオードを用いた定電流回路、トランジスタを用いたカレントリミッタ回路、定電流ICなどとすることができる。
定電流部28を設ければ、入力電圧が変動したとしても回路部20aおよび回路部20bに流れる電流を一定とすることができる。すなわち、発光モジュール20に流れる入力電流が変動するのを抑制することができる。そのため、発光モジュール20に流れる入力電流が故障判定に用いられる閾値以下となるのを抑制することが容易となる。
図9は、定電流部28の効果を例示するためのグラフ図である。
図9においては、入力電圧が10.5V以上の場合に回路部20aと回路部20bが直列接続され、入力電圧が10.5V未満の場合に回路部20aと回路部20bが並列接続されるものとしている。また、故障判定に用いられる閾値を300mAとしている。
図9に示すように、定電流部28を設ければ、入力電圧が変動したとしても回路部20aおよび回路部20bに流れる電流を一定とすることができる。
なお、図9においては、回路部20aに流れる電流の値と、回路部20bに流れる電流の値が等しくなるようにしている。そのため、入力電圧が10.5V未満となり回路部20aと回路部20bが並列接続されると、入力電流は2倍となる。
ただし、回路部20aと回路部20bが直列接続されても、回路部20aと回路部20bが並列接続されても、発光素子22に流れる電流は同じになる。そのため、図9に示すように、入力電圧が変動したとしても、全光束を一定にすることが容易となる。
図10は、他の実施形態に係る発光モジュール20を例示するための回路図である。
図11は、制御素子29a(第1の制御素子の一例に相当する)の効果を例示するためのグラフ図である。
図12は、制御素子29b(第2の制御素子の一例に相当する)の効果を例示するためのグラフ図である。
図10に示すように、発光モジュール20は、回路部20a、回路部20b、ダイオード24、制御部25、ダイオード26、定電流部28、制御素子29a、および制御素子29bを有する。
制御素子29aは、定電流部28と電気的に接続されている。制御素子29aは、基板21の、発光素子22が設けられる領域の近傍に設けることが好ましい。制御素子29aは、基板21を介して発光素子22の温度を検出する。また、制御素子29aは、発光素子22のジャンクション温度が最大定格を超えないようにする。すなわち、制御素子29aは、発光素子22のジャンクション温度が最大定格以下となるように入力電流を低減させる。
例えば、図11に示すように、基板21の温度が高くなった場合には、制御素子29aは、入力電流を低減させる。制御素子29aは、例えば、定電流部28に直列接続されたサーミスタとすることができる。
制御素子29aが設けられていれば、周囲温度が高くなった場合であっても、定格を超えない発光素子22の点灯を行うことができる。
制御素子29bは、定電流部28と電気的に接続されている。制御素子29bは、回路部20aおよび回路部20bと並列接続されている。制御素子29bは、基板21の、発光素子22が設けられる領域の近傍に設けることが好ましい。制御素子29bは、基板21を介して発光素子22の温度を検出する。この場合、全光束が大きくなると発光素子22の温度が高くなる。
制御素子29bは、発光素子22の温度が低いとき、すなわち、発光素子22の発光効率が高いときは、入力電流を減少させ、発光素子22の温度上昇に合わせて、徐々に入力電流を増加させる。すなわち、制御素子29bは、発光素子22の発光効率に応じて入力電流を増加させる。
例えば、図12に示すように、発光素子22の温度が低い場合には、制御素子29bは、入力電流を減少させる。制御素子29bは、例えば、回路部20aおよび回路部20bと並列接続されたサーミスタとすることができる。
制御素子29bが設けられていれば、全光束の変動を抑制することができる。
次に、図5〜図12において例示をした制御部25の作用についてさらに説明する。
複数の発光素子22の一部に故障が発生する場合がある。例えば、複数の発光素子22の一部に開放(オープン)故障が発生する場合がある。全ての発光素子22が直列接続されている場合に一部の発光素子に開放故障が発生すると、全ての発光素子22が消灯する。そのため、運転者や同乗者は、車両用照明装置1の故障を認識することができる。
ところが、前述したように、入力電圧が低下した場合には、発光素子22を有する回路部が並列接続される。そのため、故障が発生していない発光素子22を有する回路部と、故障が発生した発光素子22を有する回路部とが並列接続される場合が生じ得る。この場合、故障が発生していない発光素子22を有する回路部から光が照射されることになる。故障が発生していない発光素子22を有する回路部から光が照射されると、運転者や同乗者が車両用照明装置1の故障を認識することができない場合がある。
そのため、制御部25は、複数の回路部のそれぞれに流れる電流を検出し、発光素子22の故障の有無を判定する機能を備えることができる。例えば、発光素子22に開放故障が発生すると、故障が発生した発光素子22を有する回路部に電流が流れなくなる。そのため、回路部に流れる電流を検出すれば、発光素子22の故障の有無を判定することができる。
制御部25は、発光素子22に開放故障が発生したと判定した場合には、全ての発光素子22を消灯させるようにすることができる。例えば、制御部25は、前述したスイッチ25a〜25dを開いて、全ての回路部に流れる電流を遮断することができる。
また、制御部25は、前述したスイッチ25a〜25dを制御することで、開放故障が発生していない発光素子22を有する回路部に流れる電流を遮断することもできる。
また、制御部25は、発光素子22に開放故障が発生したと判定した場合には、外部の機器に警報信号300を送信することもできる。
ここで、発光素子22から照射される光の光束は、発光素子22に流れる電流の値にほぼ比例すると考えられる。
そのため、制御部25は、複数の回路部に流れる電流または複数の回路部に印加する電圧の少なくともいずれかを変化させる制御回路(例えば、増幅回路や減衰回路など)をさらに備えることもできる。なお、増幅回路および減衰回路には既知の技術を適用することができるので詳細な説明は省略する。
例えば、制御部25は、発光素子22に開放故障が発生したと判定した場合には、故障が発生していない発光素子22を有する回路部に流れる電流および当該回路部に印加する電圧の少なくともいずれかを増加させて、故障の発生により減少した光束を補うようにすることができる。すなわち、制御部25は、故障が発生していない発光素子22を有する回路部に流れる電流および当該回路部に印加する電圧の少なくともいずれかを増加させて、全光束が維持されるようにすることができる。
また、制御部25は、発光素子22に開放故障が発生したと判定した場合には、故障が発生していない発光素子22を有する回路部に流れる電流および当該回路部に印加する電圧の少なくともいずれかを低減させて、運転者や同乗者が車両用照明装置1の故障を認識することができるようにすることもできる。例えば、制御部25は、故障が発生していない発光素子22を有する回路部に流れる電流および当該回路部に印加する電圧の少なくともいずれかを1/10以下にすることができる。
以上に説明したように、制御部25は、複数の回路部のそれぞれに流れる電流を検出し、検出された電流に基づいて、発光素子22の故障の有無を判定する。
例えば、制御部25は、発光素子22に故障が発生したと判定した場合には、複数の回路部に流れる電流を遮断する。
例えば、制御部25は、発光素子22に故障が発生したと判定した場合には、故障が発生していない発光素子22を有する回路部に流れる電流を遮断する。
制御部25は、複数の回路部に流れる電流および複数の回路部に印加する電圧の少なくともいずれかを変化させる制御回路をさらに備えることができる。そして、制御部25は、発光素子22に故障が発生したと判定した場合には、制御回路により、故障が発生していない発光素子22を有する回路部に流れる電流、および当該回路部に印加する電圧の少なくともいずれかを増加させる。
また、制御部25は、発光素子22に故障が発生したと判定した場合には、制御回路により、故障が発生していない発光素子22を有する回路部に流れる電流、および当該回路部に印加する電圧の少なくともいずれかを低減させることもできる。
次に、車両用灯具100について例示する。
なお、以下においては、一例として、車両用灯具100が自動車に設けられるフロントコンビネーションライトである場合を説明する。ただし、車両用灯具100は、自動車に設けられるフロントコンビネーションライトに限定されるわけではない。車両用灯具100は、自動車や鉄道車両などに設けられる車両用灯具であればよい。
図13は、車両用灯具100を例示するための模式部分断面図である。
図13に示すように、車両用灯具100には、車両用照明装置1、筐体101、カバー102、光学要素部103、シール部材104、およびコネクタ105が設けられている。
筐体101は、一方の端部側が開口した箱状を呈している。筐体101は、例えば、光を透過しない樹脂などから形成することができる。筐体101の底面には、装着部11のバヨネット12が設けられた部分が挿入される取付孔101aが設けられている。取付孔101aの周縁には、装着部11に設けられたバヨネット12が挿入される凹部が設けられている。なお、筐体101に取付孔101aが直接設けられる場合を例示したが、取付孔101aを有する取付部材が筐体101に設けられていてもよい。
車両用照明装置1を車両用灯具100(筐体101)に取り付ける際には、装着部11のバヨネット12が設けられた部分を取付孔101aに挿入し、車両用照明装置1を回転させる。すると、取付孔101aの周縁に設けられた凹部にバヨネット12が保持される。この様な取り付け方法は、ツイストロックと呼ばれている。
車両用照明装置1を車両用灯具100に取り付けた際には、車両用照明装置1は、図1に例示をした方向に取り付けられる。
すなわち、複数の発光素子22は、水平方向に一列に並ぶ。そのため、水平方向に広く、鉛直方向に狭い車両用の配光特性を得ることができる。
また、複数の給電端子31は、鉛直方向に一列に並ぶ。複数の放熱フィン16は、水平方向に一列に並ぶ。放熱フィン16は、鉛直方向に真っ直ぐ延びた形態を有している。そのため、複数の放熱フィン16が設けられた領域における上昇気流の流れが、凸部17、コネクタ105、放熱フィン16により妨げられるのを抑制することができる。
カバー102は、筐体101の開口を塞ぐようにして設けられている。カバー102は、透光性を有する樹脂などから形成することができる。カバー102は、レンズなどの機能を有するものとすることもできる。
光学要素部103には、車両用照明装置1から出射した光が入射する。光学要素部103は、車両用照明装置1から出射した光の反射、拡散、導光、集光、所定の配光パターンの形成などを行う。
例えば、図13に例示をした光学要素部103はリフレクタである。この場合、光学要素部103は、車両用照明装置1から出射した光を反射して、所定の配光パターンが形成されるようにする。光学要素部103がリフレクタである場合には、光学要素部103は、筐体101の内部に、取付孔101aの中心軸と同芯となるように設けることができる。
シール部材104は、フランジ14と筐体101の間に設けられている。シール部材104は、環状を呈するものとすることができる。シール部材104は、ゴムやシリコーン樹脂などの弾性を有する材料から形成することができる。
車両用照明装置1が車両用灯具100に取り付けられた際には、シール部材104は、フランジ14と筐体101との間に挟まれる。そのため、シール部材104により、筐体101の内部空間が密閉される。また、シール部材104の弾性力により、バヨネット12が筐体101に押し付けられる。そのため、車両用照明装置1が、筐体101から脱離するのを抑制することができる。
コネクタ105は、孔17aの内部に露出している複数の給電端子31の端部に嵌め合わされる。コネクタ105には、図示しない電源などが電気的に接続されている。そのため、コネクタ105を給電端子31の端部に嵌め合わせることで、図示しない電源などと、発光素子22とが電気的に接続される。
また、コネクタ105は、段差部分を有している。そして、シール部材105aが、段差部分に取り付けられている(図2を参照)。シール部材105aは、孔17aの内部に水が侵入するのを防ぐために設けられている。シール部材105aを有するコネクタ105が孔17aに挿入された際には、孔17aが水密となるように密閉される。
シール部材105aは、環状を呈するものとすることができる。シール部材105aは、ゴムやシリコーン樹脂などの弾性を有する材料から形成することができる。コネクタ105は、例えば、接着剤などを用いてソケット10側の要素に接合することもできる。
検出装置106は、コネクタ105を介して車両用照明装置1(発光モジュール20)と電気的に接続されている。検出装置106は、車両用照明装置1の故障判定を行う。例えば、検出装置106は、複数の発光素子22に流れる電流を検出し、検出された電流が所定の値以下となった場合には、複数の発光素子22の少なくともいずれかに断線などの故障が発生したと判定する。そして、検出装置106は、故障が発生したと判定した場合には、例えば、メータパネルなどに車両用照明装置1の故障を知らせる表示を点灯させる。
以上、本発明のいくつかの実施形態を例示したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更などを行うことができる。これら実施形態やその変形例は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。また、前述の各実施形態は、相互に組み合わせて実施することができる。
1 車両用照明装置、10 ソケット、10a 収納部、10b 放熱部、20 発光モジュール、20a 回路部、20b 回路部、20c 回路部、21 基板、22 発光素子、23a 抵抗、23b 抵抗、24 ダイオード、24a ダイオード、25 制御部、25a〜25d スイッチ、28 定電流部、29a 制御素子、29b 制御素子、100 車両用灯具、106 検出装置、300 警報信号

Claims (7)

  1. 少なくとも1つの発光素子を有する複数の回路部と;
    前記複数の回路部と電気的に接続された制御部と;
    を具備し、
    前記制御部は、入力電圧が所定の値を超えた場合には、前記複数の回路部を直列接続にし、前記入力電圧が所定の値以下となった場合には、前記複数の回路部の少なくとも一部を並列接続にし、
    前記所定の値は、車両用照明装置の故障判定に用いられる電流値に対応した電圧以上の値である車両用照明装置。
  2. アノード側が一の前記回路部の出力側と電気的に接続され、カソード側が他の前記回路部の入力側と電気的に接続されたダイオードをさらに備えた請求項1記載の車両用照明装置。
  3. 前記複数の回路部に電気的に接続された定電流部をさらに備え、
    前記定電流部は、前記複数の回路部が直列接続された場合には前記複数の回路部に流れる電流を一定にし、前記複数の回路部の少なくとも一部が並列接続された場合には所定の前記回路部に流れる電流を一定にする請求項1または2に記載の車両用照明装置。
  4. 前記発光素子のジャンクション温度が最大定格以下となるように入力電流を低減させる第1の制御素子をさらに備えた請求項1〜3のいずれか1つに記載の車両用照明装置。
  5. 前記発光素子の全光束の増加に応じて入力電流を低減させる第2の制御素子をさらに備えた請求項1〜4のいずれか1つに記載の車両用照明装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか1つに記載の車両用照明装置と;
    前記車両用照明装置が取り付けられる筐体と;
    を具備した車両用灯具。
  7. 前記車両用照明装置の故障判定を行う検出装置をさらに備えた請求項6記載の車両用灯具。
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