JP2019051600A - 液体噴射装置、および、液体噴射方法 - Google Patents

液体噴射装置、および、液体噴射方法 Download PDF

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博士 大重
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伊藤 政俊
Masatoshi Ito
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Abstract

【課題】液体を収容するカートリッジから安定して液体を供給可能で、カートリッジに記録された情報に安定してアクセスできる液体噴射装置を提供する。
【解決手段】プリンター1は、印刷部10と、カートリッジを着脱可能な装着部4と、カートリッジを加圧する加圧部60と、読取端子を介してカートリッジ5A,5B,5C,5D,5Eの情報にアクセスする制御部と、を備え、制御部は、加圧部60により加圧することによってカートリッジの装着位置が移動して読取端子の接触状態が不安定位置から安定した安定位置に移動する場合には、加圧状態のときにはカートリッジの情報にアクセスし、非加圧状態のときにはカートリッジの情報にアクセスしない。
【選択図】図1

Description

本発明は、液体噴射装置、および、液体噴射方法に関する。
従来、インク等の液体を噴射する装置において、ポンプにより液体を加圧してカートリッジからインクを供給するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2007−90961号公報
上記従来の液体噴射装置のように、加圧を利用すると、カートリッジの液体を安定して供給できる。その一方で、カートリッジが加圧されることでカートリッジの変位を生じる可能性がある。例えば、液体に関する情報を記録したカートリッジに端子を設け、液体噴射装置がカートリッジの端子に接続して、情報を読み取る構成とした場合、加圧によるカートリッジの変位に起因して情報を読み取る動作が影響を受ける可能性がある。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、液体を収容するカートリッジから安定して液体を供給可能で、カートリッジに記録された情報に安定してアクセスできる液体噴射装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、液体を印刷媒体に噴射することで、印刷を実行する印刷部と、前記液体を液体収容部に収容し前記液体に関する情報を記録したカートリッジを着脱可能な装着部と、前記カートリッジの端子に接触することによって前記情報にアクセス可能な読取端子と、前記カートリッジの前記液体収容部を加圧することによって前記液体を前記印刷部へ供給する加圧部と、前記読取端子を介して前記カートリッジの情報にアクセスする制御部と、を備え、前記加圧部により加圧されることによって前記カートリッジの装着位置が移動して前記読取端子の接触状態が不安定位置から安定位置に移動する場合には、前記制御部は、当該加圧状態のときに前記カートリッジの情報にアクセスし、非加圧状態のときには前記カートリッジの情報にアクセスしないことを特徴とする。
本発明によれば、安定位置でカートリッジの情報にアクセスするので、加圧に起因してカートリッジが変位しても、カートリッジの情報に対して確実にアクセスできる。これにより、液体噴射装置において、加圧によってカートリッジから安定して液体を供給可能で、カートリッジに記録された情報に安定してアクセスできる構成を実現できる。
また、上記目的を達成するために、本発明は、液体を印刷媒体に噴射することで、印刷を実行する印刷部と、前記液体を液体収容部に収容し前記液体に関する情報を記録したカートリッジを着脱可能な装着部と、前記カートリッジの端子に接触することによって前記情報にアクセス可能な読取端子と、前記カートリッジの前記液体収容部を加圧することによって前記液体を前記印刷部へ供給する加圧部と、前記読取端子を介して前記カートリッジの情報にアクセスする制御部と、を備え、前記カートリッジが前記加圧部により加圧されることによって前記カートリッジの装着位置が移動して前記読取端子の接触状態が安定位置から不安定位置に移動する場合には、前記制御部は、当該加圧状態のときに前記カートリッジの情報にアクセスせず、非加圧状態のときには前記カートリッジの情報にアクセスすることを特徴とする。
本発明によれば、安定位置でカートリッジの情報にアクセスするので、加圧に起因してカートリッジが変位しても、カートリッジの情報に対して確実にアクセスできる。これにより、液体噴射装置において、加圧によってカートリッジから安定して液体を供給可能で、カートリッジに記録された情報に安定してアクセスできる構成を実現できる。
また、本発明は、前記装着部は、複数の前記カートリッジを装着可能であり、前記制御部は、前記複数の前記カートリッジがすべて装着された後に、前記複数の前記カートリッジすべてを加圧してから前記カートリッジの情報にアクセスし、前記複数の前記カートリッジすべてを加圧していないときには前記カートリッジからの情報にアクセスしない構成であってもよい。
本発明によれば、複数のカートリッジがそれぞれ変位する可能性がある場合であっても、それぞれのカートリッジに記録された情報に、より確実にアクセスできる。
また、本発明は、前記装着部には、前記複数の前記カートリッジは第1の方向にカートリッジ群として並んで着脱可能であり、前記カートリッジは前記加圧された際に前記第1の方向に膨らむ構成であってもよい。
本発明によれば、加圧に起因して複数のカートリッジが第1の方向に変位し、端に位置するカートリッジの変位が大きくなるような構成であっても、液体噴射装置が、カートリッジに記録された情報に確実にアクセスできる。
また、本発明は、前記装着部は、前記カートリッジよりも剛性が高い第1の仕切板を備え、前記第1の仕切板は、前記カートリッジ群の前記第1の方向における一端側にのみ配置される構成であってもよい。
本発明によれば、カートリッジの変位が第1の仕切板により規制されるため、カートリッジの変位の影響を、第1の方向において第1の仕切板とは反対側に集中させることができる。この構成において、加圧状態に対応してカートリッジの情報にアクセスすることで、カートリッジの変位の影響を回避し、カートリッジに記録された情報に確実にアクセスできる。
また、本発明は、前記装着部は、前記第1の仕切板よりも剛性の低い第2の仕切板を備え、前記第2の仕切板は、前記第2方向における他端側に配置される構成であってもよい。
本発明によれば、第2の仕切板を設けることにより、第1の仕切板と第2の仕切板とでカートリッジ群を装着部に保持することができる。また、第2の仕切板は第1の仕切板よりも剛性が低いため、カートリッジの変位の影響を第2の仕切板の側に集中させることができる。
また、本発明は、前記装着部へ装着する前記カートリッジのうち、最も前記他端側にある前記カートリッジは、前記印刷媒体に対する画像形成に使用しない前記液体が収容されている構成であってもよい。
本発明によれば、カートリッジ群の変位が集中する側に位置するカートリッジを、印刷媒体に対する画像形成に使用しない液体を収容する目的で使用するので、画像形成の処理に対し、カートリッジ群の変位の影響が及びにくい。このため、印刷媒体に対する画像形成に影響を与えないように加圧を行うことができる。
また、本発明は、前記印刷部に繋がる液体流路と、前記液体流路と前記液体収容部とを接続する液体供給経路を開閉する開閉弁と、を備え、前記制御部は、前記加圧部により前記液体収容部を加圧している状態であって前記開閉弁が閉じられた状態で、前記カートリッジの情報にアクセスする構成であってもよい。
本発明によれば、開閉弁の動作によるカートリッジへの圧力の変化に対応して、カートリッジに記録された情報にアクセスするので、カートリッジに記録された情報に、より確実にアクセスできる。
また、本発明は、前記液体流路において前記液体を貯留する貯留部と、前記貯留部における前記液体の量を検出する検出部と、を備え、前記制御部は、前記検出部により検出される前記液体の量に基づき前記開閉弁を開閉させる構成であってもよい。
本発明によれば、貯留部における液体の量を適切に調整することがで、印刷部に液体を安定して供給できる。
また、上記目的を達成するために、本発明は、液体を印刷媒体に噴射することで印刷を実行する印刷部、前記液体を液体収容部に収容し前記液体に関する情報を記録したカートリッジを着脱可能な装着部、前記カートリッジの端子に接触することによって前記情報にアクセス可能な読取端子、及び、前記カートリッジの前記液体収容部を加圧することによって前記液体を前記印刷部へ供給する加圧部と、を備える液体噴射装置の制御方法において、前記読取端子を介して前記カートリッジの情報にアクセスする動作を、前記加圧部により加圧されることによって前記カートリッジの装着位置が移動して前記読取端子の接触状態が不安定位置から安定位置に移動する場合には、当該加圧状態のときに前記カートリッジの情報にアクセスし、非加圧状態のときには前記カートリッジの情報にアクセスしないよう実行することを特徴とする。
本発明によれば、加圧に起因してカートリッジが変位しても、カートリッジの情報に対して確実にアクセスできる。これにより、液体噴射装置において、加圧によってカートリッジから安定して液体を供給可能で、カートリッジに記録された情報に安定してアクセスできる構成を実現できる。
本実施形態に係るプリンターの概略構成を示す図。 装着部の要部斜視図。 装着部の要部平面図。 加圧によるカートリッジの変位を示す説明図。 プリンターの制御系のブロック図。 プリンターの動作を示すフローチャート。 プリンターの動作を示すフローチャート。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
[1.印刷部の構成]
図1は、プリンター1の概略構成を示す図である。
プリンター1(液体噴射装置)は、印刷媒体Mに印刷する印刷部10を有する。印刷部10は、印刷媒体Mにインク(液体)を吐出して画像を形成する印刷ヘッド11、及び、印刷媒体Mを搬送する搬送ローラー12、13を備える。搬送ローラー12、13が印刷媒体Mを搬送する搬送方向を、符号Fで示す。
印刷ヘッド11は、図示しないキャリッジに搭載され、キャリッジとともに、キャリッジ駆動モーター17(図5)の動作によって、搬送方向Fと交差する方向に往復走査される。印刷ヘッド11の走査方向を符号FSで示す。
プリンター1は、印刷部10を含むプリンター1の各部を制御する制御装置100を備える。制御装置100の構成については図5を参照して後述する。
印刷ヘッド11の走査範囲の一端は、印刷ヘッド11のメンテナンスを行うためのホームポジションHPとされる。ホームポジションHPには、キャップ部15が設置される。印刷ヘッド11は、ノズル(図示略)が開口するノズル面(図示略)を有し、ノズルから印刷媒体Mに向けてインクを吐出する。キャップ部15は、印刷ヘッド11のノズル面に対向するように配置され、印刷ヘッド11がインクを吐出しない状態でノズル面に密着する。また、キャップ部15は、印刷ヘッド11のノズルからインクを強制的に吸い出すクリーニングを行う。
印刷部10が印刷する印刷媒体Mの種類は、紙に限らず、合成樹脂性のシート、表面処理が施された紙、複合材料からなるシート等、任意である。また、印刷媒体Mは、ロール紙等の連続シートであってもよいし、定型サイズのカットシートであってもよい。また、印刷ヘッド11が吐出するインクの色数は任意であり、K(黒、ブラック)一色であってもよいし、KとR(赤)との二色であってもよいし、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、Kの4色であってもよい。また、上記4色に特殊色のインクを加えた6色、8色、またはそれ以上の色のインクを使用する構成であってもよい。本実施形態のプリンター1は、印刷ヘッド11が、C、M、Y、Kの4色のインクを使用して印刷を行う構成として説明する。
また、キャップ部15には、メンテナンス液が供給される。キャップ部15において印刷ヘッド11に接する部分がメンテナンス液に浸潤され、メンテナンス液によって印刷ヘッド11のノズル面の乾燥が防止される。メンテナンス液は、いわば、印刷媒体Mに対する印刷(画像形成)に使用しない液体であって、プリンター1の性能保持のために利用される。
プリンター1は、印刷部10にインクを供給するため、インクを収容するカートリッジ5が着脱可能に装着される装着部4を有する。本実施形態のプリンター1は、4つの装着部4A、4B、4C、4Dを有する。装着部4A、4B、4C、4Dは共通の構成を有する。これら装着部4A、4B、4C、4Dを区別しない場合には装着部4と総称する。後述するカートリッジ5A、5B、5C、5D、5E、液体収容部51A、51B、51C、51D、51E、IC52A、52B、52C、52D、52E、端子53A、53B、53C、53D、53Eも同様である。
装着部4Aには、それぞれ異なる色のインクを収容するカートリッジ5A、5B、5C、5D及びメンテナンス液を収容するカートリッジ5Eを装着できる。装着部4B、4C、4Dも同様である。カートリッジ5A、5B、5C、5Dは、それぞれ、C、M、Y、Kのインクを収容する。なお、この構成はあくまで一例であり、装着部4は、印刷部10が使用するインクの色数に対応する数のカートリッジ5を装着可能であり、同一色のインクを収容する複数のカートリッジ5を装着可能な構成であってもよい。例えば、装着部4に、Kインクを収容するカートリッジ5を2個以上装着できる構成であってもよい。
図1に示すように、装着部4A〜4Dの各々では、カートリッジ5A、5B、5C、5D及びカートリッジ5Eが、第1の方向D1に沿って並べて配置される。
装着部4A〜4Dは、一方側に第1側壁41が配置され、他方側に第2側壁42が配置され、第1側壁41と第2側壁42との間にカートリッジ5A〜5Eが並んで収容される構成を有する。
装着部4Aにおけるカートリッジ5A〜5Eの配列順は任意であるが、第1の方向D1において第2側壁42側にカートリッジ5Eが配置されることが好ましい。また、カートリッジ5E以外のカートリッジ5A、5B、5C、5Dが収容するインクの色および配列順は任意である。
装着部4B、4C、4Dにおいても同様であり、カートリッジ5A〜5Eのうち、第1の方向D1において第2側壁42側にカートリッジ5Eが配置されることが好ましい。
[2.インク及びメンテナンス液を供給する構成]
印刷ヘッド11及びキャップ部15には、インク供給部20が接続される。インク供給部20(液体流路)は、印刷ヘッド11に4色のインクを供給するインク供給部20Aと、キャップ部15にメンテナンス液を供給するメンテナンス液供給部20Bとを含む。
インク供給部20Aは、供給路21と、供給路21に繋がるタンク23(貯留部)とを有する。
タンク23は、供給路21を通じて印刷ヘッド11にインクを供給する。タンク23は、カートリッジ5から印刷ヘッド11に供給されるインクを、一時的に貯留することにより、印刷ヘッド11へのインク供給を安定させる機能を有する。
タンク23は、インクの色ごとに設けられ、本実施形態のプリンター1は4色のインクに対応する4個のタンク23を備える。
タンク23は、供給管29(液体供給経路)によって装着部4A〜4Dのそれぞれに接続される。詳細には、Kインクを収容するタンク23には、4つの装着部4A〜4Dにそれぞれ装着される4つのカートリッジ5から、供給管29を通じてKインクが供給される。C、M、Yの各色についても同様である。つまり、タンク23は、装着部4A〜4Dのそれぞれと、供給管29を通じて接続され、装着部4A〜4Dに装着されたカートリッジ5A、5B、5C、5Dから供給管29を通じてタンク23にインクが供給される。図1では、理解の便宜を図るため、装着部4B、4C、4Dからタンク23及びタンク24に繋がる供給管29の図示を省略している。
これにより、プリンター1の動作中であってもカートリッジ5A、5B、5C、5Dを交換できる。例えば、装着部4A〜4Dのいずれかで、Cインクを貯留するカートリッジ5Aを交換する場合、印刷ヘッド11にはタンク23からCインクが供給されるので、カートリッジ5Aを取り外しても印刷ヘッド11へのインクの供給が影響を受けない。他の色についても同様であり、カートリッジ5B、5C、5Dを、プリンター1を停止させずに交換可能である。
また、メンテナンス液供給部20Bは、供給路22と、供給路22に繋がるタンク24(貯留部)とを有する。タンク24は、供給管29によって装着部4A〜4Dのそれぞれに接続される。装着部4A〜4Dに装着されたカートリッジ5Eから、供給管29を通じてタンク24にメンテナンス液が供給される。
タンク24は、カートリッジ5Eからキャップ部15に供給されるメンテナンス液を、一時的に貯留することにより、キャップ部15へのメンテナンス液の供給を安定させる機能を有する。例えば、装着部4A〜4Dのいずれかでカートリッジ5Eが取り外されても、タンク24からキャップ部15にメンテナンス液を安定して供給できる。このため、プリンター1を停止させずにカートリッジ5Eを交換できる。
タンク23には、タンク23内部のインクの量を検出する液量センサー26(検出部)が設置される。液量センサー26は、例えば、タンク23のインクの液面が設定された閾値(レベル)以下であるか否かを検出するセンサーであり、光センサー、超音波センサー、重量センサー等の各種のセンサーを用いることができる。
タンク24には、タンク24内部のメンテナンス液の量を検出する液量センサー26が設置される。液量センサー26は、タンク23に装着される液量センサー26と同様に構成され、タンク24のメンテナンス液の液面を検出する。
タンク23、24に設けられた液量センサー26は制御装置100に接続され、制御装置100は、液量センサー26の検出値を取得できる。
供給管29のそれぞれには、開閉弁28が設けられる。開閉弁28は、供給管29を開閉する弁であり、開閉弁28を閉鎖することで、タンク23、24と、装着部4に装着されたカートリッジ5とが分離される。
すなわち、開閉弁28により、装着部4A〜4Dに装着されるカートリッジ5A、5B、5C、5Dの各々からタンク23に繋がる供給管29を閉鎖できる。本実施形態では、装着部4B、4C、4Dから延びる供給管29は、開閉弁28よりも上流側(装着部4B、4C、4D側)で合流し、タンク23に繋がっている。このため、開閉弁28により、全ての装着部4A〜4Dからタンク23へのインクの供給路を開放および遮断できる。なお、プリンター1は、タンク23から装着部4A〜4Dの各々に延びる複数の供給管29を有し、これらの29の各々に開閉弁28を設ける構成であってもよい。
同様に、装着部4B、4C、4Dのカートリッジ5Eから延びる供給管29は、開閉弁28より上流側で合流するので、開閉弁28により、全ての装着部4A〜4Dからタンク24へのメンテナンス液の供給路を開放および遮断できる。
開閉弁28は、制御装置100の制御によって開閉され、例えば、タンク23にカートリッジ5からインクを供給する場合に開かれる。
制御装置100は、後述するように、液量センサー26により検出されたインクの量が少ない場合に、開閉弁28を開いて、カートリッジ5からタンク23にインクを供給する。また、制御装置100は、液量センサー26により検出されたメンテナンス液の量が少ない場合に、開閉弁28を開いて、カートリッジ5からタンク24にメンテナンス液を供給する。
プリンター1は、ポンプ61によってカートリッジ5を加圧する加圧部60を有する。ポンプ61には送気管63が接続され、送気管63は、装着部4A〜4Dに延びる送気管65に分岐する。ポンプ61は、空気を圧縮して送気管63に送出し、この圧縮された空気が送気管65を通じて装着部4A〜4Dの各々に送られる。
装着部4Aにおいて、送気管65は分岐して、装着部4Aに装着されたカートリッジ5A、5B、5C、5D、5Eのそれぞれに接続される。このため、カートリッジ5A、5B、5C、5D、5Eの各々に、圧縮空気が送り込まれる。装着部4B、4C、4Dにおいても同様に、送気管65からカートリッジ5A、5B、5C、5D、5Eのそれぞれに圧縮空気が送られる。
カートリッジ5Aは、合成樹脂製の中空の箱であり、内部に液体収容部51Aが収容される。液体収容部51Aは、Cインクを収容する可撓性の容器であり、例えばアルミ蒸着シートで構成される袋である。カートリッジ5Aが装着部4に装着されていない状態で、液体収容部51AはCインクを収容した状態で密封されている。カートリッジ5Aが装着部4に装着されると、液体収容部51Aの内部は供給管29に連通する。
送気管65は、カートリッジ5Aの中空部(内部空間)において液体収容部51Aの外側の空間に連通する。ポンプ61により圧縮された高圧の空気がカートリッジ5Aの中空部に供給されると、カートリッジ5Aの内部の気圧が高くなり、液体収容部51Aが圧縮され、液体収容部51A内のCインクを供給管29に送出する圧力が作用する。この状態で、制御装置100が開閉弁28を開弁すると、液体収容部51Aからタンク23にCインクが送られる。
カートリッジ5B、5C、5D、5Eもカートリッジ5Aと同様に構成される。カートリッジ5B、5C、5D、5Eは、インクを収容する液体収容部51B、51C、51Dを有し、カートリッジ5Eはメンテナンス液を収容する液体収容部51Eを有する。送気管65からカートリッジ5B、5C、5D、5Eに高圧の空気が送り込まれることにより、液体収容部51B、51C、51D、51Eには、供給管29にインクまたはメンテナンス液を送出する圧力が作用する。従って、M、Y、Kの各色のインク及びメンテナンス液は、ポンプ61により加圧されてタンク23、24に送出される。
加圧部60は、送気管63を開閉する開閉弁を有してもよい。開閉弁64は、例えば制御装置100の制御により開閉され、ポンプ61が送出する空気を遮断する。例えば、いずれかの装着部4でカートリッジ5を取り外す場合に、該当する送気管65に繋がる開閉弁64を閉じることで、高圧空気の供給を停止できる。これにより、カートリッジ5が交換されない装着部4における圧のリークを回避できる。また、カートリッジ5の交換作業が容易になるという利点がある。
また、ポンプ61は、制御装置100の制御により逆回転して、送気管63を通じて空気を吸引することが可能なものであってもよい。例えば、いずれかの装着部4でカートリッジ5を取り外す場合に、該当する送気管65からポンプ61により吸気することで、交換されるカートリッジ5から速やかに脱気できる。これにより、カートリッジ5をより速やかに交換できる。
なお、図1に示す送気管63、65の分岐形態や配置は任意に変更可能であり、ポンプ61により装着部4A〜4Dの各々に空気を圧送し、カートリッジ5A〜5Eを加圧できる構成であればよい。
[3.カートリッジ及び装着部の構成]
図2は、装着部4の要部斜視図である。また、図3は装着部4の要部平面図であり、カートリッジ5A〜5Eが装着部4に装着された状態を示す。装着部4A〜4Dは共通の構成を有するので、図2及び図3には一例として装着部4Aを示して説明する。
図2に示すように、装着部4Aは、カートリッジ5A〜5Eを収容する箱型のハウジング45を有し、ハウジング45の一端は第1側壁41(第1の仕切板)で構成され、他端は第2側壁42(第2の仕切板)で構成される。ハウジング45の前面は開口し、この開口から、図中に矢印で示すようにカートリッジ5A〜5Eが挿入される。ここで、カートリッジ5A〜5Eの挿入方向を、第2の方向D2とする。第2の方向D2は、ハウジング45の奥行き方向、及び、カートリッジ5の奥行き方向に相当する。
また、ハウジング45の底部には、カートリッジ5A〜5Eをそれぞれ案内するガイド44が配置される。カートリッジ5A〜5Eは、第1側壁41と第2側壁42との間に並ぶように収容され、ガイド44により底部を保持される。
図2及び図3に示すように、ハウジング45の上面にはホルダー46が設置される。ホルダー46は、カートリッジ5A〜5Eに対応する5つの窓部47を有し、各々の窓部47はホルダー46及びハウジング45の上面を貫通する貫通孔である。
図3に示すように、カートリッジ5A〜5Eは、それぞれ、上面にIC52A、52B、52C、52D、52Eを備える。IC52Aは、液体収容部51Aに収容したインクの色やインクの量を示す情報を記録する記録領域を有し、カートリッジ5Aの上面に取り付けられる。IC52Aは、接触型のICであり、端子53Aを有し、端子53Aに接続する機器により、IC52Aが記録する情報にアクセス可能である。
IC52B、52C、52Dも同様に、液体収容部51B、51C、51Dに収容されたインクの色やインクの量を示す情報を記録する記録領域を有し、カートリッジ5B、5C、5Dの上面に取り付けられる。IC52B、52C、52Dは端子53Aを有する。IC52Eは、液体収容部51Eに収容された液体の種類や量を示す情報を記録する記録領域を有し、カートリッジ5Eの上面に取り付けられる。IC52Eは端子53Eを有する。
カートリッジ5A〜5Eがハウジング45に収容された状態で、5つの窓部47の各々には、端子53A、53B、53C、53D、53Eが露出する。換言すれば、窓部47は、端子53A〜53Eを露出させるように位置合わせされている。
図2に示すように、各々の窓部47には、読取端子49が取り付けられる。読取端子49は導体からなる端子であり、制御装置100に接続される。
カートリッジ5A〜5Eがハウジング45に収容された状態で、5つの読取端子49は、窓部47のそれぞれに露出する端子53A〜53Eに接触して導通する。これにより、制御装置100は、読取端子49を介して端子53A〜53Eに電気的にアクセス可能となる。
制御装置100は、例えば、端子53A、53B、53C、53Dを介してIC52A、52B、52C、52Dにアクセスして、カートリッジ5A、5B、5C、5Dがそれぞれ収容するインクの色やインクの量に関する情報を読み出す。また、制御装置100は、IC52Eからメンテナンス液の量に関する情報等を読み出す。また、制御装置100は、印刷部10の動作に伴いカートリッジ5A〜5Eからインクやメンテナンス液を供給した場合、IC52A〜52Eのインクやメンテナンス液の残量を示す情報を更新する。また、制御装置100は、IC52A〜52Eに、プリンター1に装着された履歴を示す情報等を書き込んでもよい。
[4.加圧によるカートリッジの変位]
図4は、加圧によるカートリッジの変位を示す説明図であり、カートリッジ5A〜5Eが加圧されていない状態(非加圧状態)と加圧された状態(加圧状態)とを対比して示す。図中符号Aは、非加圧状態の装着部4の要部正面図であり、符号Bは加圧状態の装着部4の要部正面図である。装着部4A〜4Dは共通の構成を有するので、図4には一例として装着部4Aを示して説明する。
図中にAで示す非加圧状態におけるIC52A〜52Eの位置を、それぞれ一点鎖線で示す。
カートリッジ5は、加圧部60によって加圧されると、内圧の上昇に伴い膨張する。カートリッジ5は箱型形状であり、上面および下面と比較して側面の面積が大きいことから、側面方向(第1の方向D1)に膨らむ。換言すれば、カートリッジ5A〜5Eは、内部が加圧された場合に、第1の方向D1に膨らむよう構成されている。
カートリッジ5A〜5Eは、第1側壁41と第2側壁42との間に並べて配置されるため、カートリッジ5A〜5Eのそれぞれが第1の方向D1に膨張すると、カートリッジ5Aが第1側壁41に当接し、カートリッジ5Eが第2側壁42に当接する。
第1側壁41及び第2側壁42は、カートリッジ5A〜5Eの側壁よりも剛性が高い。第1側壁41及び第2側壁42は、その材料の剛性、及び、板材としての厚み及び/または断面構造の効果の少なくともいずれかにより、カートリッジ5A〜5Eの側壁より剛性が高い構成である。具体的には、第1側壁41及び第2側壁42は、カートリッジ5A〜5Eの側壁よりも剛性が高い材料で構成することができる。また、第1側壁41及び第2側壁42は、カートリッジ5A〜5Eの側壁よりも厚い板材で構成され、或いは、ハニカム構造等の高剛性の断面構造で構成される。
さらに、第1側壁41は、第2側壁42よりも剛性が高い。第1側壁41及び第2側壁42の剛性の差は、上記の通り、その材量及び/または構造により調整される。
カートリッジ5A〜5Eの側壁よりも、第1側壁41及び第2側壁42が高剛性であるため、カートリッジ5A、5Eが第1側壁41及び第2側壁42に接すると、各カートリッジ5A〜5Eの膨張はいったん止まる。
さらにカートリッジ5A〜5Eが加圧されると、第1側壁41よりも剛性の低い第2側壁42が変形する。第2側壁42の変形に伴い、カートリッジ5A〜5Eは第1の方向D1に変位する。
すなわち、図4に符号Bで示すように、カートリッジ5A〜5Eは、第1側壁41から第2側壁42に向かう方向に変位する。このため、カートリッジ5Aは第1側壁41側で変位せず、第1の方向D1において先端に位置するカートリッジ5Eの変位量が最も大きい。また、第1の方向D1において後端に位置するカートリッジ5Aの変位量が最も小さい。
図4に示す一点鎖線を基準として非加圧状態(A)と加圧状態(B)とを比較すると明らかなように、カートリッジ5A〜5Eの変位に伴って、IC52A〜52Eは、それぞれ第1の方向D1に変位する。IC52A〜52Eの変位量は、カートリッジ5A〜5Eの変位量に対応し、第1の方向D1において先端に位置するIC52Eの変位量が最も大きい。また、第1の方向D1において後端に位置するIC52Aの変位量が最も小さい。
一方、ホルダー46に設けられた窓部47(図3)の位置は、加圧状態と非加圧状態とで変わらないか、位置の差は小さい。
読取端子49を端子53A〜53Eに接触させるため、ホルダー46は、加圧状態または非加圧状態のいずれかで、読取端子49の位置が端子53A〜53Eの位置と重なるように設計および製造される。
プリンター1の加圧状態および非加圧状態のうち、読取端子49の位置と端子53A〜53Eの位置とが重なるよう設計された状態を、適合状態と呼ぶ。より狭義には、適合状態では、読取端子49の位置と端子53A〜53Eの位置とが重なって接触及び/または導通しているだけでなく、読取端子49が正常に情報を読み取れるように端子53A〜53Eと導通する状態を指す。つまり、ホルダー46は、適合状態(加圧状態および非加圧状態のいずれか)で、読取端子49が端子53A〜53Eの位置と重なり正常に情報を読み取れる安定位置に配置されるように製造されている。
適合状態では端子53A〜53Eの位置が読取端子49の位置と重なる状態であるから、制御装置100は、適合状態でIC52A〜52Eにアクセスすることにより、確実にIC52A〜52Eに対する読み取り及び書き込みを行うことができる。
反対に、適合状態と異なる状態では、読取端子49の位置と、端子53A〜53Eの各々の位置とは不整合を生じている。特に、端子53Eの位置は、読取端子49の位置から最も大きくずれて正常に情報を読み取れない不安定位置に配置されている。例えば、適合状態でない読取端子49と端子53A〜53Eとは、接触も導通もしていない状態であったり、接触または導通しているが、読取端子49による情報の読み取りに適していない状態であったりする。
安定位置および不安定位置は、加圧状態と非加圧状態とでカートリッジ5の装着位置が異なることに対応して、装着部4におけるカートリッジ5の装着位置を指す表現であり、端子53A〜53Eの位置を指すともいえる。プリンター1は、加圧状態及び非加圧状態のいずれか一方で、カートリッジ5の位置が安定位置となるように設計及び製造されるので、他方の状態ではカートリッジ5の位置は不安定位置となる。そして、カートリッジ5の位置が安定位置にある場合、端子53A〜53Eは、読取端子49の位置と重なって情報の読み取りに適する位置(すなわち、安定位置)にある。カートリッジ5の位置が不安定位置にある場合、端子53A〜53Eは、読取端子49からずれていて、情報の読み取りに適しない位置(すなわち、不安定位置)にある。
プリンター1は、制御装置100が適合状態でIC52A〜52Eにアクセスできるように動作する。この制御装置100の構成および動作を、図5〜図7を参照して説明する。
[5.プリンターの制御系]
図5は、プリンター1の制御系の構成を示すブロック図である。
制御装置100は、制御部101、記憶部102、印刷部駆動回路103、検出回路105、ポンプ駆動回路107、弁駆動回路109、IC読取部111、インターフェイス113、及び、入力部115を備える。
制御装置100には、制御装置100の制御対象である印刷部10、ポンプ61、開閉弁28、及び、開閉弁64が接続される。印刷部10は、印刷媒体Mに印刷を行うための機構部であり、上述した印刷ヘッド11のほか、制御装置100の制御対象である搬送モーター16、キャリッジ駆動モーター17、及び、キャップ駆動モーター18を含む。
搬送モーター16は、搬送ローラー12、13(図1)を回転させて印刷媒体Mを搬送する。キャリッジ駆動モーター17は、印刷ヘッド11を搭載するキャリッジ(図示略)を走査方向FSに移動させる。キャップ駆動モーター18は、キャップ部15(図1)を上下に移動させることにより、印刷ヘッド11のノズル面がキャップ部15でカバーされた状態と、印刷ヘッド11からキャップ部15が離れた状態とを切り替える。
また、制御装置100には、液量センサー26、及び、読取端子49が接続される。
制御部101は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサー(図示略)を備え、このプロセッサーによってプログラムを実行することにより、プリンター1を制御する。制御部101は、プロセッサーのほか、図示しないRAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等を備えてもよい。また、これらを統合した半導体デバイスにより制御部101を構成してもよい。RAMは、プロセッサーが実行するプログラムや処理対象のデータ等を一時的に記憶するワークエリアを形成する。ROMは、プロセッサーが実行する制御プログラム(ファームウェア)や各種設定値などを含むデータを不揮発的に記憶する。
記憶部102は、制御部101により実行されるプログラムや、制御部101により処理されるデータを不揮発的に記憶する。
印刷部駆動回路103は、制御部101の制御に従って、印刷ヘッド11を駆動してインクを吐出させる。印刷部駆動回路103は、制御部101の制御に従って搬送モーター16を回転させる。印刷部駆動回路103は、搬送モーター16の回転方向を切り替えることにより、印刷媒体Mの搬送方向を、搬送方向F、及び、その逆方向に切り替えることができる。また、印刷部駆動回路103は、キャリッジ駆動モーター17を駆動して印刷ヘッド11を移動させる。印刷部駆動回路103は、キャリッジ駆動モーター17の回転方向を切り替えることにより、印刷ヘッド11の移動方向を切り替えることができる。また、印刷部駆動回路103は、キャップ駆動モーター18を駆動してキャップ部15を移動させる。印刷部駆動回路103は、キャップ駆動モーター18の回転方向を切り替えることにより、キャップ部15の移動方向を上下に切り替えることができる。
検出回路105は、液量センサー26に接続される。検出回路105は、制御部101の制御に従って、それぞれの液量センサー26からタンク23及びタンク24の液量に関する検出値を取得し、取得した検出値を制御部101に出力する。
ポンプ駆動回路107は、制御部101の制御に従ってポンプ61を回転させる。ポンプ61の回転方向は、ポンプ駆動回路107によって正方向(CW)および逆方向(CCW)に切り替えることができる。ポンプ駆動回路107は、ポンプ61を正方向に回転させて、圧縮した空気を送気管63(図1)に送出させる。また、ポンプ駆動回路107は、ポンプ61を逆方向に回転させることで、送気管63から圧縮空気を排出させることにより、カートリッジ5A〜5Eに与えた圧力を開放(リリース)させることができる。
弁駆動回路109は、制御部101の制御によって開閉弁28を開閉する。また、弁駆動回路109は、制御部101の制御に従って開閉弁64を開閉する。
IC読取部111は、読取端子49(図2)の各々に接続される。IC読取部111は、制御部101の制御に従って、読取端子49により、IC52A〜52Eに対する情報の読み取り、及び、書き込みを行う。また、IC読取部111は、制御部101の制御により、端子53A〜53Eの各々と読取端子49との導通状態を検査することも可能である。例えば、IC読取部111は、IC52A〜52Eへの読み取り/書き込みを行う前に、読取端子49が端子53A〜53Eに接触しているかどうかを検査し、判定してもよい。
ここで、読取端子49を用いたIC52A〜52Eへのアクセスとは、IC52A〜52Eに対する情報の読み取りまたは書き込みを指すが、読取端子49が端子53A〜53Eに接触しているかどうかの検査を、アクセスに含めてもよい。
インターフェイス113は、プリンター1の外部の装置に接続されるインターフェイスであり、例えば、印刷指示のコマンドや印刷する画像やテキストのデータを含む印刷データをプリンター1に出力するホストコンピューター(図示略)が接続される。インターフェイス113は、イーサネット(登録商標)、USB(Universal Serial Bus)、シリアルインターフェイス等の有線通信インターフェイスであってもよい。また、WiFi(登録商標)等の無線通信インターフェイスであってもよい。
入力部115は、プリンター1を使用するオペレーターによる操作を受け付ける。すなわち、入力部115は、プリンター1の操作パネル(図示略)に対する操作を検出し、操作内容に対応する操作信号を制御部101に出力する。プリンター1の操作パネルは、例えば、タッチパネルディスプレイ(図示略)によりGUI(Graphical User Interface)を備えてもよい。
制御部101は、ポンプ駆動回路107を制御してポンプ61を動作させ、装着部4A〜4Dに装着された各々のカートリッジ5A〜5Eを加圧する。制御部101は、検出回路105を介して液量センサー26の検出値を取得し、タンク23及びタンク24のいずれかの液量が低いと判定した場合に、このタンクに対応する開閉弁28を弁駆動回路109により開弁させる。その後、制御部101は、当該タンクの液量が高くなったと判定した場合に、当該タンクに対応する開閉弁28を、弁駆動回路109により閉弁させる。制御部101は、弁駆動回路109を制御することにより、複数の供給管29の各々に設けられた開閉弁28を、独立して開弁、および、閉弁させる。
また、制御部101は、入力部115によって、装着部4A〜4Dに装着されたカートリッジ5A〜5Eのいずれかを取り外すことの入力を受け付けた場合、ポンプ61を逆回転させて、入力により指定されたカートリッジ5から、圧力をリリースする。この場合、制御部101は、指定されたカートリッジ5以外のカートリッジ5の圧力をリリースしないように、弁駆動回路109によって、いずれかの開閉弁64を閉弁させてもよい。制御部101は、カートリッジ5の内圧をリリースした後、弁駆動回路109により開閉弁64を閉弁させる。制御部101は、入力部115によって、新しいカートリッジ5が装着されたことの入力を受け付けた場合、弁駆動回路109により開閉弁64を開弁させ、ポンプ駆動回路107によりポンプ61を回転させて、カートリッジ5を加圧する。
制御部101は、インターフェイス113に入力される印刷データに基づき、印刷部駆動回路103を制御して、印刷部10を動作させ、印刷媒体Mに対する印刷を実行させる。
制御部101は、IC52A〜52Dに対し、読取端子49により、カートリッジ5A〜5Eのインクの残量や印刷ヘッド11によるインクの消費量等の情報の書き込みを行う。制御部101は、IC52A〜52Dの情報を、印刷ヘッド11によりインクが消費される場合に、予め設定された頻度(周期)で更新する。
制御部101は、IC52Eに対し、読取端子49により、カートリッジ5Eのメンテナンス液の残量や、キャップ部15によるメンテナンス液の消費量等の情報の書き込みを行う。制御部101は、IC52Eの情報を、予め設定された頻度(周期)で更新する。
制御部101は、印刷ヘッド11が使用するインクの量に関するIC52A〜52Dの情報を、メンテナンス液の量に関する情報よりも高頻度で更新する。言い換えれば、制御部101がIC52Eの情報を更新する頻度は、IC52A〜52Dの情報を更新する頻度より低い。
このように、IC読取部111がIC52Eにアクセスする頻度は、IC52A〜52Dに対するアクセスより低頻度である。
図3及び図4に示したように、IC52A〜52Eは、第1側壁41側より剛性が低い第2側壁42側に、IC52Eが位置するように収容されるので、加圧による変位量は、IC52Eが最も大きい。このため、読取端子49と端子53A〜53Eとの位置ずれの大きさは、端子53Eで最も大きく、端子53Eに対するアクセスが最も失敗しやすい。このように、装着部4A〜4Dでは、メンテナンス液を収容したカートリッジ5Eをアクセスに失敗しやすい位置に配置され、高頻度のアクセスが生じるカートリッジ5A〜5Dがアクセスしやすい位置に配置されている。
[6.プリンターの動作]
図6及び図7は、プリンターの1の動作を示すフローチャートである。図6は、制御装置100がカートリッジ5への加圧を制御する動作を示す。
プリンター1の電源OFF状態、またはスタンバイ、或いはスリープ状態から、電源がONに切り替えられると(ステップSA11)、制御部101は、ポンプ駆動回路107によりポンプ61を動作させて装着部4を加圧する(ステップSA12)。ステップSA12で、開閉弁64が閉弁している場合、制御部101は、ポンプ61の駆動開始に先立って弁駆動回路109により開閉弁64を開弁させる。ステップSA12で、制御部101は、弁駆動回路109により開閉弁64を順に開弁させて、装着部4A〜4Dを所定の順序で加圧してもよい。
続いて、制御部101は、検出回路105により液量センサー26の検出値を取得し、タンク23及びタンク24の内部の液量を検出する(ステップSA13)。制御部101は、タンク23の各々およびタンク24のいずれかで、液量が第1閾値以下となっているか否かを判定する(ステップSA14)。
液量が第1閾値以下となっているタンクがあると判定した場合(ステップSA14;YES)、制御部101は、弁駆動回路109により、該当するタンクに接続する供給管29に設けられた開閉弁28を開かせる(ステップSA15)。その後、制御部101は、該当するタンクに設けられた液量センサー26の検出値を取得し(ステップSA16)、液量が第2閾値以上であるか否かを判定する(ステップSA17)。液量が第2閾値より少ない場合(ステップSA17;NO)、制御部101はステップSA16に戻る。また、液量が第2閾値以上である場合(ステップSA17;YES)、制御部101は、ステップSA15で開弁した開閉弁28を閉弁させ(ステップSA18)、ステップSA19に移行する。
また、制御部101は、液量が第1閾値以下となっているタンクがないと判定した場合(ステップSA14;NO)、ステップSA19に移行する。
ステップSA19で、制御部101は、入力部115によってカートリッジ5を取り外すことの入力を受け付けたか否かを判定する(ステップSA19)。カートリッジ5の取り外しに関する入力を受け付けた場合(ステップSA19;YES)、制御部101は、入力により指定されたカートリッジ5を収容する装着部4の加圧を解除する(ステップSA20)。
ステップSA20で、制御部101は、弁駆動回路109によって、加圧を解除する装着部4以外の装着部4に対応する開閉弁64を、閉弁させる。続いて、制御部101は、ポンプ駆動回路107によりポンプ61を逆回転させて、圧縮空気を送気管63から排出させる。その後、制御部101は、弁駆動回路109によって、加圧を解除する装着部4に対応する開閉弁64を閉弁させ、他の装着部4に対応する開閉弁64を開弁させ、ポンプ駆動回路107によりポンプ61を回転させる。以上の制御により、カートリッジ5を交換する装着部4では、各カートリッジ5への加圧が解除され、他の装着部4ではカートリッジ5の加圧が維持される。
制御部101は、入力部115により、新しいカートリッジ5が装着されたことの入力の有無を判定し(ステップSA21)、入力がない場合は(ステップSA21;NO)、入力がなされるまで待機する。
入力部115によって新しいカートリッジ5が装着されたことの入力を受け付けた場合(ステップSA21;YES)、制御部101は、カートリッジ5が装着された装着部4への加圧を行い(ステップSA22)、ステップSA23に移行する。ステップSA22で、制御部101は、例えば、カートリッジ5が装着された装着部4に対応する開閉弁64を、弁駆動回路109によって開弁させる。
ステップSA22で、制御部101は、装着部4の全てのカートリッジ5が装着されてから、この装着部4に対する加圧を行う。例えば、装着部4から取り外され、その後に装着されていないカートリッジ5がある場合、制御部101は、この装着部4に対する加圧を行わない。
また、入力部115によりカートリッジ5を取り外すことの入力を受け付けていない場合(ステップSA19;NO)、制御部101は、ステップSA23に移行する。
ステップSA23で、制御部101は、入力部115によって、プリンター1を電源OFF、スタンバイ、或いはスリープ状態に移行させる操作を受け付けたか否かを判定する(ステップSA23)。操作を受け付けた場合(ステップSA23;YES)、制御部101は、全ての装着部4に対し加圧を解除する制御を行い(ステップSA24)、本処理を終了する。ステップSA24で、制御部101は、例えば、ポンプ駆動回路107によりポンプ61を逆回転させて、送気管63から圧縮空気を排出させる。ここで、制御部101は、圧縮空気の排出後に、弁駆動回路109により開閉弁64を閉弁させてもよい。
また、入力部115によって、プリンター1を電源OFF、スタンバイ、或いはスリープ状態に移行させる操作を受け付けていない場合(ステップSA23;NO)、制御部101はステップSA13に戻る。
図6の動作によれば、プリンター1の動作中は、装着部4に装着されたカートリッジ5に対し加圧が行われ、カートリッジ5が取り外される場合には、取り外されるカートリッジ5に対する加圧が解除される。また、新たにカートリッジ5が装着された場合には、装着されたカートリッジ5に対する加圧が行われる。また、タンク23及びタンク24の内部の液量が第1閾値以下になると、開閉弁28が開弁され、カートリッジ5からタンク23またはタンク24へ、液量が第2閾値以上になるまで液体が補充される。第1閾値、及び、第2閾値は、タンク23、24の液量を判定する基準値であり、液量センサー26の検出値に対応する値として設定され、例えば、記憶部102に記憶される。第1閾値と第2閾値とは同じ値であってもよいが、ヒステリシス制御を行うため、第2閾値が示す液量が、第1閾値が示す液量より大きくなるよう設定してもよい。
図6の動作で、制御部101は、ステップSA19及びSA21においてカートリッジ5A、5B、5C、5D、5Eの着脱をセンサー等で検出することにより、判定を行ってもよい。この場合、入力部115の入力に基づかない方法で、カートリッジ5A、5B、5C、5D、5Eの取り外し、及び、装着を検出でくる。
図7は、制御装置100がIC52にアクセスする動作を示す。図7の動作は、制御部101が、装着部4A〜4Dのいずれかに装着されているカートリッジ5A〜5Eのいずれかを対象として、IC52A〜52Eに対する情報の読み取り、または、書き込みを行う場合に、実行される。
制御部101は、記憶部102が記憶するアクセス条件を参照する(ステップSB11)。アクセス条件は、制御部101がIC52A〜52Eにアクセスする場合に、加圧状態でアクセスするか、非加圧状態でアクセスするかを定める情報を含む。アクセス条件は、例えば、上述した適合状態が、加圧状態であるか非加圧状態であるかを示す情報であってもよい。制御部101がアクセス条件の通りに、加圧状態または非加圧状態でIC52A〜52Eにアクセスすると、読取端子49が端子53A〜53Eに適切な状態で接触しているため、確実にアクセスできる。
制御部101は、アクセス条件が記憶部102に記憶されているか否かを判定し(ステップSB12)、アクセス条件がない場合(ステップSB12;NO)、後述するステップSB14に移行する。
制御部101は、アクセス条件があると判定した場合(ステップSB12;YES)、アクセス条件が、加圧状態でアクセスすることを示しているか否かを判定する(ステップSB13)。
アクセス条件が加圧状態でアクセスすることを示している場合(ステップSB13;YES)、制御部101は、アクセスする対象のカートリッジ5が収容された装着部4が加圧されているか否かを判定する(ステップSB14)。装着部4の加圧は、図6に示したように制御される。このため、制御部101は、対象のカートリッジ5が収容された装着部4が加圧されていないと判定した場合(ステップSB14;NO)、所定時間待機して、ステップSB14の判定を再度実行する。つまり、図6の動作で装着部4が加圧されるまで、待機する。ステップSB14で、制御部101は、アクセスする対象のカートリッジ5が収容された装着部4で、いずれかのカートリッジ5が加圧されていない場合は、非加圧状態と判定する。言い換えれば、装着部4の全てのカートリッジ5が加圧されている場合に、ステップSB14で肯定判定する。
アクセスする対象のカートリッジ5が収容された装着部4が加圧されていると判定した場合(ステップSB14;YES)、開閉弁28が閉じているか否かを判定する(ステップSB15)。ステップSB15で、制御部101は、アクセスする対象のカートリッジ5からタンク23またはタンク24に繋がる供給管29において、開閉弁28が閉弁状態であるか否かを判定する。この開閉弁28が閉弁状態でない場合(ステップSB15;NO)、制御部101は、所定時間待機して、ステップSB15の判定を再度実行する。つまり、図6の動作で開閉弁28が閉弁されるまで、待機する。
制御部101は、判定対象の開閉弁28が閉弁状態であると判定した場合(ステップSB15;YES)、IC読取部111によって、アクセスする対象のカートリッジ5の端子53に読取端子49が接触しているか否かを判定する(ステップSB16)。ステップSB16で、制御部101は、例えば、読取端子49が端子53に導通しているか否かを判定してもよいし、読取端子49によってIC52に対する情報の読み取りまたは書き込みが可能な状態であるか否かを判定してもよい。
また、ステップSB16で、制御部101は、アクセスする対象のカートリッジ5のIC52に限定して、読取端子49が接触しているか否かを判定してもよい。或いは、アクセス対象のカートリッジ5が装着された装着部4の全てのIC52A〜52Eについて、読取端子49が接触しているか否かを判定してもよい。
制御部101は、ステップSB16の判定結果に基づき、端子53に読取端子49が接触しているか否かを判定する(ステップSB17)。接触していると判定した場合(ステップSB17;YES)、アクセスする対象のカートリッジ5について、IC52に対する情報の読み取りまたは書き込みを実行する(ステップSB18)。
端子53に読取端子49が接触していないと判定した場合(ステップSB17;NO)、制御部101は、記憶部102のアクセス条件を変更し、或いは、アクセス条件を作成して記憶部102に記憶させる(ステップSB19)、ステップSB11に戻る。
すなわち、ステップSB16の動作は、アクセス条件により加圧状態でアクセスするよう指定された場合に実行され、加圧状態で端子53と読取端子49との接触状態を判定する。ステップSB17で端子53に読取端子49が接触していないと判定した場合、アクセス条件が装着部4の状態に適合していない。このため、制御部101は、アクセス条件を、非加圧状態でアクセスすることを示す情報に書き換える(ステップSB19)。
ステップSB12でアクセス条件がないと判定した後、ステップSB17で端子53に読取端子49が接触していないと判定した場合、制御部101は、非加圧状態でアクセスすることを示すアクセス条件を記憶部102に記憶させる(ステップSB19)。
これにより、ステップSB16の判定結果を利用して、アクセス条件を最適化できる。
なお、記憶部102は、全ての装着部4A、4B、4C、4Dに対応する1つのアクセス条件を記憶してもよいし、1または複数の装着部4ごとにアクセス条件を記憶してもよい。この場合、制御部101は、ステップSB11で、アクセスする対象のカートリッジ5を収容した装着部4に関するアクセス条件を参照すればよい。
一方、アクセス条件が非加圧状態でアクセスすることを示している場合(ステップSB13;NO)、制御部101は、アクセスする対象のカートリッジ5が収容された装着部4が加圧されているか否かを判定する(ステップSB20)。
装着部4の加圧は、図6に示したように制御される。このため、制御部101は、対象のカートリッジ5が収容された装着部4が加圧されていると判定した場合(ステップSB14;YES)、所定時間待機して、ステップSB20の判定を再度実行する。つまり、図6の動作で装着部4が非加圧状態となるまで、待機する。
アクセスする対象のカートリッジ5が収容された装着部4が加圧されていないと判定した場合(ステップSB20;NO)、制御部101は、対象のカートリッジ5の端子53に読取端子49が接触しているか否かを判定する(ステップSB21)。ステップSB21の判定は、ステップSB16と同様に行うことができる。
制御部101は、ステップSB21の判定結果に基づき、端子53に読取端子49が接触しているか否かを判定する(ステップSB22)。接触していると判定した場合(ステップSB22;YES)、アクセスする対象のカートリッジ5について、IC52に対する情報の読み取りまたは書き込みを実行する(ステップSB23)。
端子53に読取端子49が接触していないと判定した場合(ステップSB22;NO)、制御部101は、記憶部102のアクセス条件を変更し(ステップSB24)、ステップSB11に戻る。具体的には、制御部101は、アクセス条件を、加圧状態でアクセスすることを示す情報に書き換える(ステップSB24)。
以上説明したように、本発明を適用したプリンター1は、インクを印刷媒体Mに噴射することで印刷を実行する印刷部10と、液体を液体収容部51に収容し液体に関する情報を記録したカートリッジ5を着脱可能な装着部4とを備える。プリンター1は、端子53に接触することによって情報にアクセス可能な読取端子49と、カートリッジ5の液体収容部51を加圧することによって液体を印刷部10へ供給する加圧部60と、を備える。また、プリンター1は、読取端子49を介してカートリッジ5の情報にアクセスする制御部101を備える。加圧部60によりカートリッジ5が加圧されることによってカートリッジ5の装着位置が移動して読取端子49の接触状態が不安定位置から安定位置に移動する場合には、制御部101は、当該加圧状態のときにカートリッジ5の情報(すなわち、IC52に記録された情報))にアクセスし、非加圧状態のときにはカートリッジ5の情報にアクセスしない。
本発明の液体噴射装置、及び、液体噴射装置の制御方法を適用したプリンター1によれば、制御部101が安定位置でカートリッジ5(IC52)に記録された情報にアクセスするので、加圧に起因してカートリッジ5が変位しても、カートリッジ5の情報に対して確実にアクセスできる。これにより、液体噴射装置において、加圧によってカートリッジ5から安定して液体を供給可能で、カートリッジ5に記録された情報に安定してアクセスできる構成を実現できる。
また、本発明を適用したプリンター1で、加圧部60によりカートリッジ5が加圧されることによってカートリッジ5の装着位置が移動して読取端子49の接触状態が安定位置から不安定位置に移動する場合には、制御部101は、当該加圧状態のときにカートリッジ5の情報(すなわち、IC52に記録された情報))にアクセスせず、非加圧状態のときにはカートリッジ5の情報にアクセスすることもできる。
これにより、上述した構成と同様に、制御部101が安定位置でカートリッジ5(IC52)に記録された情報にアクセスするので、加圧に起因してカートリッジ5が変位しても、カートリッジ5の情報に対して確実にアクセスできるという効果が得られる。これにより、液体噴射装置において、加圧によってカートリッジ5から安定して液体を供給可能で、カートリッジ5に記録された情報に安定してアクセスできる構成を実現できる。
プリンター1において、装着部4は複数のカートリッジ5を装着可能である。制御部101は、複数のカートリッジ5がすべて装着された後に、複数のカートリッジ5すべてを加圧してからカートリッジ5の情報にアクセスする。制御部101は、複数のカートリッジ5すべてを加圧していないときにはカートリッジ5からの情報にアクセスしない。これにより、複数のカートリッジ5がそれぞれ変位する可能性がある場合であっても、それぞれのカートリッジ5に記録された情報に、より確実にアクセスできる。
装着部4には、複数のカートリッジ5A、5B、5C、5D、5Eを、第1の方向D1にカートリッジ群として並んで着脱可能である。カートリッジ5A、5B、5C、5D、5Eは、それぞれ、加圧された際に第1の方向D1に膨らむ。これにより、加圧に起因して、カートリッジ5A、5B、5C、5D、5Eは、それぞれ隣のカートリッジ5A、5B、5C、5D、5Eを押すように第1の方向に変位する。このため、第1の方向D1において端に位置するカートリッジ5Eの変位が大きく。この構成において、制御部101は、カートリッジ5に記録された情報に確実にアクセスできる。
また、装着部4は、カートリッジ5よりも剛性が高い第1側壁41を備え、第1側壁41は、カートリッジ5群の第1の方向D1における一端側にのみ配置される。これにより、カートリッジ5の変位が第1側壁41により規制されるため、カートリッジ5の変位の影響を、第1の方向D1において第1側壁41とは反対側に集中させることができる。この構成において、加圧状態に対応してカートリッジ5の情報にアクセスすることで、カートリッジ5の変位の影響を回避し、カートリッジ5に記録された情報に確実にアクセスできる。また、第1の方向D1においてカートリッジ5A、5B、5C、5D、5Eの両端に、剛性が高い壁を配置してしまうと、加圧状態においてカートリッジ5A、5B、5C、5D、5Eに高い負荷が加わる。プリンター1では、一端を第1側壁41とし、他端を、第1側壁41より剛性が低い第2側壁42としたことで、カートリッジ5A、5B、5C、5D、5Eへの過大な負荷を回避できる。また、加圧によるカートリッジ5A、5B、5C、5D、5Eの変位の方向を、第1側壁41から第2側壁42に向かう方向に限定できるので、変位量の予測が容易であり、読取端子49の位置ずれ以外の加圧による影響を回避できる。
また、装着部4は、第1側壁41よりも剛性の低い第2側壁42を備え、第2側壁42は、第2方向における他端側に配置される。これにより、第2側壁42を設けることにより、第1側壁41と第2側壁42とでカートリッジ5群を装着部4に保持することができる。また、第2側壁42は第1側壁41よりも剛性が低いため、カートリッジ5の変位の影響を第2側壁42の側に集中させることができる。
また、第2側壁42側には、第1側壁41へ向かって押圧力を持つように、バネなどの弾性体を配置してもよい。こうすることにより、加圧していないときのカートリッジ5の位置を安定させることができるため、カートリッジ5の非加圧時(非加圧状態)の位置ずれによる影響を抑えられ、カートリッジ5の非加圧時の安定した書き込み或いは読み取りができるようになる。
また、装着部4へ装着されるカートリッジ5A、5B、5C、5D、5Eのうち、最も他端側にあるカートリッジ5Eは、印刷媒体Mに対する画像形成に使用しない液体であるメンテナンス液を収容する。これにより、カートリッジ5群の変位が集中する側に位置するカートリッジ5を、印刷媒体Mに対する画像形成に使用しない液体を収容する目的で使用するので、画像形成の処理に対し、カートリッジ5群の変位の影響が及びにくい。このため、印刷媒体Mに対する画像形成に影響を与えないように加圧を行うことができる。また、メンテナンス液に関する情報を制御部101がIC52Eに書き込み、或いは読み取る頻度は、インクに関する情報をIC52A〜52Dに書き込み、或いは読み取る頻度より低頻度である。このため、カートリッジ5A、5B、5C、5D、5Eの変位の影響を最小限に抑えることができる。
さらに、メンテナンス液を収容したカートリッジ(例えば、カートリッジ5E)の代わりに、クリアインク、白インクなど、一定量のインクを吐出して下地や上地を形成することによって、画像形成に影響を与えるインクよりも消費量が予測しやすいインクを使うようにしてもよい。特に、クリアインク、白インクは消費量が予測しやすいため、インクに関する情報を頻繁に更新しなくてもよいため、メンテナンス液のカートリッジを装着する位置に設置するようにしてもよく、このような構成にすることによって、ユーザーのインクの選択の利便性を高めてもよい。
また、プリンター1は、印刷部10に繋がるインク供給部20と、インク供給部20と液体収容部51とを接続する供給管29を開閉する開閉弁28と、を備える。制御部101は、加圧部60により液体収容部51を加圧している状態であって開閉弁28が閉じられた状態で、カートリッジ5の情報にアクセスする。制御部101は、開閉弁28の動作によるカートリッジ5への圧力の変化に対応して、カートリッジ5に記録された情報にアクセスする。これにより、制御部101が、カートリッジ5に記録された情報に、より確実にアクセスできる。
また、プリンター1は、カートリッジ5が加圧されることによってカートリッジ5の装着位置が移動して読取端子49の接触状態が安定位置から不安定位置に移動する場合には、加圧部60により液体収容部51を加圧していない状態で、カートリッジ5の情報にアクセスすればよい。この場合も、加圧に起因してカートリッジ5が変位しても、制御部101が、カートリッジ5に記録された情報に、より確実にアクセスできる。
また、プリンター1は、インク供給部20において液体を貯留するタンク23、24と、タンク23、24における液体の量を検出する液量センサー26と、を備える。制御部101は、液量センサー26により検出される液体の量に基づき開閉弁28を開閉させる。これにより、タンク23、24における液体の量を適切に調整することがで、印刷部10にインクを安定して供給でき、キャップ部15に安定してメンテナンス液を供給できる。
なお、上述した実施の形態は、あくまでも本発明の一態様を示すものであり、本発明の範囲内で任意に変形および応用が可能である。
例えば、上記実施形態では4つの装着部4の各々にカートリッジ5A、5B、5C、5D、5Eを装着可能な構成を示したが、本発明はこれに限定されず、複数の装着部4で、装着されるカートリッジ5の構成が異なっていてもよい。例えば、印刷ヘッド11が使用するインク及びメンテナンス液を収容したカートリッジ5A、5B、5C、5D、5Eを、複数の装着部4に分割して装着可能な構成であってもよい。
また、上記実施形態では、装着部4とタンク23、24とを繋ぐ供給管29が分岐する構成を例示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、複数のタンク23、24から印刷部10にインクやメンテナンス液が供給される構成であってもよい。この場合、装着部4ごとに対応するタンク23、24を設けてもよい。また、1つの加圧部60が複数の装着部4を加圧する構成に限定されず、装着部4ごとに加圧部60を設けてもよい。
また、印刷部10は、印刷ヘッド11を走査方向FSに走査させて印刷媒体Mに印刷する構成に限定されず、例えば、印刷ヘッド11に代えてラインヘッドを備えた構成であってもよい。また、例えば、印刷中に印刷媒体Mの搬送を停止し、印刷ヘッド11を、走査方向FS及び搬送方向Fに移動させて印刷を行う構成であってもよい。
その他、カートリッジ5におけるIC52及び端子53の位置、ハウジング45の構成などの細部構成についても、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で任意に変更可能である。
また、制御部101の機能の一部または全部を、プリンター1に外部接続されるコンピューターにより実行してもよいし、プリンター1が複数の制御装置100を備え、各々の制御装置100が制御部101の機能を分担して実行してもよい。
また、上記実施形態では、液体噴射装置を適用した一例としてプリンター1を例示したが、本発明はこれに限定されず、インク以外の他の液体を噴射する液体噴射装置にも適用可能である。例えば、液晶ディスプレイ、ELディスプレイ、面発光ディスプレイ、カラーフィルターの製造等に用いられる電極材や色材等の材料を分散または溶融のかたちで含む液体を噴射する液体噴射装置がある。また、バイオチップ製造に用いられる生体有機物を噴射する液体噴射装置がある。また、精密ピペットとして用いられる試料となる液体を噴射する液体噴射装置がある。また、捺染装置やマイクロディスペンサー等の液体噴射装置がある。また、時計やカメラ等の精密機械にピンポイントで潤滑油を噴射する液体噴射装置がある。また、光通信素子等に用いられる微小半球レンズ(光学レンズ)等を形成するために紫外線硬化樹脂等の透明樹脂液を基板上に噴射する液体噴射装置がある。また、基板等のエッチングするための酸またはアルカリ等のエッチング液を噴射する液体噴射装置がある。
また、上記実施形態で説明および図示した機能ブロックはハードウェアとソフトウェアの協働により任意に実現可能であり、特定のハードウェア構成を示唆するものではない。また、プリンター1は、外部接続される記憶媒体に記憶させたプログラムを実行することにより、各種動作を実行してもよい。
1…プリンター(液体噴射装置)、4、4A、4B、4C、4D…装着部、5、5A、5B、5C、5D、5E…カートリッジ、10…印刷部、11…印刷ヘッド、12…搬送ローラー、13…搬送ローラー、15…キャップ部、16…搬送モーター、17…キャリッジ駆動モーター、18…キャップ駆動モーター、20…インク供給部(液体流路)、20A…インク供給部、20B…メンテナンス液供給部、21…供給路、22…供給路、23…タンク(貯留部)、24…タンク(貯留部)、26…液量センサー、28…開閉弁、29…供給管(液体供給路)、41…第1側壁(第1の仕切板)、42…第2側壁(第2の仕切板)、44…ガイド、45…ハウジング、46…ホルダー、47…窓部、49…端子、51、51A、51B、51C、51D、51E…液体収容部、52、52A、52B、52C、52D、52E…IC、53、53A、53B、53C、53D、53E…端子、60…加圧部、61…ポンプ、63…送気管、64…開閉弁、65…送気管、100…制御装置、101…制御部、102…記憶部、103…印刷部駆動回路、105…検出回路、107…ポンプ駆動回路、109…弁駆動回路、111…部、113…インターフェイス、115…入力部、D1…第1の方向、D2…第2の方向、F…搬送方向、FS…走査方向、HP…ホームポジション、M…印刷媒体。

Claims (10)

  1. 液体を印刷媒体に噴射することで、印刷を実行する印刷部と、
    前記液体を液体収容部に収容し前記液体に関する情報を記録したカートリッジを着脱可能な装着部と、
    前記カートリッジの端子に接触することによって前記情報にアクセス可能な読取端子と、
    前記カートリッジの前記液体収容部を加圧することによって前記液体を前記印刷部へ供給する加圧部と、
    前記読取端子を介して前記カートリッジの情報にアクセスする制御部と、を備え、
    前記加圧部により加圧されることによって前記カートリッジの装着位置が移動して前記読取端子の接触状態が不安定位置から安定位置に移動する場合には、前記制御部は、当該加圧状態のときに前記カートリッジの情報にアクセスし、非加圧状態のときには前記カートリッジの情報にアクセスしない液体噴射装置。
  2. 液体を印刷媒体に噴射することで、印刷を実行する印刷部と、
    前記液体を液体収容部に収容し前記液体に関する情報を記録したカートリッジを着脱可能な装着部と、
    前記カートリッジの端子に接触することによって前記情報にアクセス可能な読取端子と、
    前記カートリッジの前記液体収容部を加圧することによって前記液体を前記印刷部へ供給する加圧部と、
    前記読取端子を介して前記カートリッジの情報にアクセスする制御部と、を備え、
    前記カートリッジが前記加圧部により加圧されることによって前記カートリッジの装着位置が移動して前記読取端子の接触状態が安定位置から不安定位置に移動する場合には、前記制御部は、当該加圧状態のときに前記カートリッジの情報にアクセスせず、非加圧状態のときには前記カートリッジの情報にアクセスする液体噴射装置。
  3. 前記装着部は、複数の前記カートリッジを装着可能であり、
    前記制御部は、前記複数の前記カートリッジがすべて装着された後に、前記複数の前記カートリッジすべてを加圧してから前記カートリッジの情報にアクセスし、
    前記複数の前記カートリッジすべてを加圧していないときには前記カートリッジからの情報にアクセスしない、請求項1に記載の液体噴射装置。
  4. 前記装着部には、前記複数の前記カートリッジは第1の方向にカートリッジ群として並んで着脱可能であり、前記カートリッジは前記加圧された際に前記第1の方向に膨らむ、請求項1から3のいずれか1項に記載の液体噴射装置。
  5. 前記装着部は、前記カートリッジよりも剛性が高い第1の仕切板を備え、
    前記第1の仕切板は、前記カートリッジ群の前記第1の方向における一端側にのみ配置される、請求項4に記載の液体噴射装置。
  6. 前記装着部は、前記第1の仕切板よりも剛性の低い第2の仕切板を備え、
    前記第2の仕切板は、前記第1の方向における他端側に配置される、請求項5に記載の液体噴射装置。
  7. 前記装着部へ装着する前記カートリッジのうち、最も前記他端側にある前記カートリッジは、前記印刷媒体に対する画像形成に使用しない前記液体が収容されている、請求項5または6に記載の液体噴射装置。
  8. 前記印刷部に繋がる液体流路と、前記液体流路と前記液体収容部とを接続する液体供給経路を開閉する開閉弁と、を備え、
    前記制御部は、前記加圧部により前記液体収容部を加圧している状態であって前記開閉弁が閉じられた状態で、前記カートリッジの情報にアクセスする、請求項1または3記載の液体噴射装置。
  9. 前記液体流路において前記液体を貯留する貯留部と、
    前記貯留部における前記液体の量を検出する検出部と、を備え、
    前記制御部は、前記検出部により検出される前記液体の量に基づき前記開閉弁を開閉させる、請求項8記載の液体噴射装置。
  10. 液体を印刷媒体に噴射することで印刷を実行する印刷部、前記液体を液体収容部に収容し前記液体に関する情報を記録したカートリッジを着脱可能な装着部、前記カートリッジの端子に接触することによって前記情報にアクセス可能な読取端子、及び、前記カートリッジの前記液体収容部を加圧することによって前記液体を前記印刷部へ供給する加圧部と、を備える液体噴射装置の制御方法において、
    前記読取端子を介して前記カートリッジの情報にアクセスする動作を、
    前記加圧部により加圧されることによって前記カートリッジの装着位置が移動して前記読取端子の接触状態が不安定位置から安定位置に移動する場合には、当該加圧状態のときに前記カートリッジの情報にアクセスし、非加圧状態のときには前記カートリッジの情報にアクセスしないよう実行する、液体噴射装置の制御方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP7537232B2 (ja) 2020-11-04 2024-08-21 株式会社リコー 液体吐出装置及び画像形成装置

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