JP2019049465A - 建物構造安全性能評価方法と建物構造安全性能評価システム - Google Patents

建物構造安全性能評価方法と建物構造安全性能評価システム Download PDF

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【課題】地震が発生した時に建物に残存する耐震性能である残存耐震性能を簡易に評価する建物耐震性能評価方法と建物耐震性能評価システムを提供しようとする。【解決手段】従来の建物耐震性能評価方法にかわって、建物の特定層間での相対的な水平変位を時系列に測定できる水平変位測定機器100を準備し、予め建物の設計情報を基に構造解析して建物の前記特定層間での上から見て周囲360°の方向での限界水平変位値である全方向限界水平変位値を求め、地震による揺れが生じてから収束するまでの間に前記水平変位測定機器が前記特定層間での相対的な水平変位を時系列に測定して得られた水平変位値を連続して記録し、地震が収束したときに時系列に並んだ複数の前記水平変位値と前記全方向限界水平変位値とを比較して建物の構造安全性能を評価するものとした。【選択図】図1

Description

本発明は、地震が発生した直後に建物の構造安全性能である構造安全性能を評価する建物構造安全性能評価方法と建物構造安全性能評価システムとに関する。
地震が発生すると、地震動によって建物が揺れ、建物の各階の水平変位の差分が建物の層間変形角となって現れる。
地震による地震動が大きくなると、建物の揺れる程度も大きくなり、建物の層間変形角も大きくなる。
建物の層間変形角が大きくなると、建物を構成する部材の内部歪みも大きくなり、例えば、建物の構造部材の一部が弾性変形を越えて塑性変形し、部材が塑性化することによって建物が不可逆な損傷を被る。
建物の揺れる程度がさらに大きくなると、建物を構成する部材の内部歪みもさらに大きくなり、部材の塑性化がさらに進んで建物が不可逆な損傷を被り続ける結果、建物の層間変形角が拡大する。
現行の耐震基準に基づいて設計された建物の耐震性能は、建物供用期間に極めて稀に発生するような大地震に対しては建物の崩壊を防止し人命を保護するという水準にあるが、一般には、被災した後の余震に対する性能まで考慮して設計されることはない。しかも地震後の建物の外観から実際に本震として作用した地震動の大きさを知ることは容易でなく、建物がどの程度まで被災したかを理解するには、相当の時間をかけ、専門的な知識に基づいて調査しなければならない。そのうえ被災し損傷した建物がその後の余震に対してどのような耐震性能を示すかは設計では明かにしていないので、実際に二次災害の危険性があるかもしれないなかで、一般の人々が最大級の地震による揺れを経験したと思われる建物の内部に立ち入ることが可能かどうかを知ることは容易ではない。
本震の後で余震が発生することが経験的に知られている。一般に、余震による地震動の大きさは本震による地震動の大きさより小さい。
本震が発生し収束した際に、建物が倒壊を免れた場合、その後に余震があっても建物がさらなる損傷を受けることはなく倒壊しないと考えられてきた。
しかし、近年の地震被害の報告から、本震の後で、本震よる地震動と同程度の余震が発生することもあり得ることが分かってきた。
大きな地震が発生した後、時をおかずに専門家が、損壊を受けたかもしれない建物について建物内部に入らずに外観検査を中心に調査し、建物が継続使用可能かを評価する。
専門家の調査の結果、一見損傷の程度が微小であると思われた建物が「立ち入り禁止」の評価を受けることもある。
さらにその後、専門家による詳細な調査により精度の高い評価を受けることができるが、評価対象の建物が多い場合、評価に時間がかかる場合がある。
地震が発生した後、専門家の評価を受けるまでの間に、建物に入れるかどうかを知りたいという要請があった。また、建物の内部に入らずに建物の室内(例えば、天井などの非構造部材あるいは収容物、生産設備のライン)の状態を知りたいという要請があった。
特開2015−127707号 特開2009−258038号 特開2016−164703号
プレスリリース 2012年7月18日 「『写震器』を開発−余震に対する建物健全性をを遠隔評価」
本発明は以上に述べた要請に鑑み案出されたもので、地震が発生した直後に建物の構造安全性能である構造安全性能を簡易に評価する建物構造安全性能評価方法と建物構造安全性能評価システムを提供しようとする。
上記目的を達成するため、本発明に係る地震が発生した直後に建物の構造安全性能である構造安全性能を評価する建物構造安全性能評価方法を、建物の特定の層間である特定層間での相対的な水平変位を時系列に測定できる水平変位測定機器を準備する準備工程と、
予め建物の設計情報を基に構造解析して建物の前記特定層間での上から見て周囲360°の方向での限界水平変位値D(θ)である全方向限界水平変位値D(0〜360°)を求める解析工程と、地震による揺れが生じてから地震による揺れが収束するまでの間に前記水平変位測定機器が前記特定層間での相対的な水平変位を時系列に測定して得られた時系列に並んだ複数の水平変位値を連続して記録する記録工程と、地震が収束したときに時系列に並んだ複数の前記水平変位値と前記全方向限界水平変位値とを比較して建物の構造安全性能を評価する評価工程と、を備えるものとした。
上記本発明の構成において、準備工程が、建物の特定の層間である特定層間での相対的な水平変位を時系列に測定できる水平変位測定機器を準備する。解析工程が、予め建物の設計情報を基に構造解析して建物の前記特定層間での上から見て周囲360°の方向での限界水平変位値D(θ)である全方向限界水平変位値D(0〜360°)を求める。記録工程が、地震による揺れが生じてから地震による揺れが収束するまでの間に前記水平変位測定機器が前記特定層間での相対的な水平変位を時系列に測定して得られた時系列に並んだ複数の水平変位値を連続して記録する。評価工程が、地震が収束したときに時系列に並んだ複数の前記水平変位値と前記全方向限界水平変位値とを比較して建物の構造安全性能を評価する。
その結果、地震が発生して収まったときに建物の構造安全性能を簡易に評価できる。
以下に、本発明の実施形態に係る建物構造安全性能評価方法を説明する。本発明は、以下に記載した実施形態のいずれか、またはそれらの中の二つ以上が組み合わされた態様を含む。
また、本発明の実施形態に係る建物構造安全性能評価方法は、特定方向θの前記限界水平変位値D(θ)は、設計情報を基に作成した数値モデルを用いて仮に第一の地震による揺れが生じた直後に同程度の規模の第二の地震による揺れが生じたとしたら第二の地震の揺れにより建物の構造部材の水平方向の変形が増加し続ける状態となるときの第一の地震による揺れが生じている間の前記特定層間での前記特定方向θの時系列の相対的水平変位の最大振幅値を上回らない値である。
上記本発明に係る実施形態の構成により、特定方向θの前記限界水平変位値D(θ)は、設計情報を基に作成した数値モデルを用いて仮に第一の地震による揺れが生じた直後に同程度の規模の第二の地震による揺れが生じたとしたら第二の地震の揺れにより建物の構造部材の水平方向の変形が増加し続ける状態となるときの第一の地震による揺れが生じている間の前記特定層間での前記特定方向θの時系列の相対的水平変位の最大振幅値を上回らない値である。
その結果、地震が発生して収まったときに建物の構造安全性能を簡易に評価できる。
また、本発明の実施形態に係る建物構造安全性能評価方法は、特定方向θの前記限界水平変位値D(θ)は、設計情報を基に作成した数値モデルを用いて仮に第一の地震による揺れが生じた直後に同程度の規模の第二の地震による揺れが生じたとしたら第二の地震の揺れにより建物の構造部材が不可逆な損傷を被り続ける状態となるときの第一の地震による揺れが生じている間の前記特定層間での前記特定方向θの時系列の相対的水平変位の最大振幅値を上回らない値である。
上記本発明に係る実施形態の構成により、特定方向θの前記限界水平変位値D(θ)は、設計情報を基に作成した数値モデルを用いて仮に第一の地震による揺れが生じた直後に同程度の規模の第二の地震による揺れが生じたとしたら第二の地震の揺れにより建物の構造部材が不可逆な損傷を被り続ける状態となるときの第一の地震による揺れが生じている間の前記特定層間での前記特定方向θの時系列の相対的水平変位の最大振幅値を上回らない値である。
その結果、地震が発生して収まったときに建物の構造安全性能を簡易に評価できる。
また、本発明の実施形態に係る建物構造安全性能評価方法は、予め地震による揺れが収束したときに特定層間に残存する相対的な水平変位の許容できる限界値である残存限界水平変位値σ0と該残存限界水平変位値σ0より小さい残存限界水平変位下限値とを定め、
特定方向θの前記限界水平変位値D(θ)は、設計情報を基に作成した数値モデルを用いて仮に第一の地震による揺れが収束したときに特定層間に残存した相対的な水平変位である残存水平変位値が前記残存限界水平変位値σ0以下であり前記残存限界水平変位下限値より大きい状態となるときの第一の地震による揺れが生じている間の前記特定層間での前記特定方向θの時系列の相対的水平変位の最大振幅値である。
上記本発明に係る実施形態の構成により、予め地震による揺れが収束したときに特定層間に残存する相対的な水平変位の許容できる限界値である残存限界水平変位値σ0と該残存限界水平変位値σ0より小さい残存限界水平変位下限値とを定める。
特定方向θの前記限界水平変位値D(θ)は、設計情報を基に作成した数値モデルを用いて仮に第一の地震による揺れが収束したときに特定層間に残存した相対的な水平変位である残存水平変位値が前記残存限界水平変位値σ0以下であり前記残存限界水平変位下限値より大きい状態となるときの第一の地震による揺れが生じている間の前記特定層間での前記特定方向θの時系列の相対的水平変位の最大振幅値である。
その結果、地震が発生して収まったときに建物の構造安全性能を簡易に評価できる。
また、本発明の実施形態に係る建物構造安全性能評価方法は、予め地震による揺れが収束したときに特定層間に残存する相対的な水平変位の許容できる限界値である残存限界水平変位値σ0を定め、特定方向θの前記限界水平変位値D(θ)は、設計情報を基に作成した数値モデルを用いて仮に第一の地震による揺れが収束したときに特定層間に残存した相対的な水平変位である残存水平変位値が前記残存限界水平変位値σ0に一致する状態となるときの第一の地震による揺れが生じている間の前記特定層間での前記特定方向θの時系列の相対的水平変位の最大振幅値である。
上記本発明に係る実施形態の構成により、予め地震による揺れが収束したときに特定層間に残存する相対的な水平変位の許容できる限界値である残存限界水平変位値σ0を定め、特定方向θの前記限界水平変位値D(θ)は、設計情報を基に作成した数値モデルを用いて仮に第一の地震による揺れが収束したときに特定層間に残存した相対的な水平変位である残存水平変位値が前記残存限界水平変位値σ0に一致する状態となるときの第一の地震による揺れが生じている間の前記特定層間での前記特定方向θの時系列の相対的水平変位の最大振幅値である。
その結果、地震が発生して収まったときに建物の構造安全性能を簡易に評価できる。
また、本発明の実施形態に係る建物構造安全性能評価方法は、予め地震による揺れが収束したときに特定層間に残存する相対的な水平変位の許容できる限界値である残存限界水平変位値σ0を定め、予め地震の揺れにより建物に作用するであろう特定方向θの水平荷重の高さ方向の分布である建物設計用水平荷重分布を定め、特定方向θの前記限界水平変位値D(θ)は、設計情報を基に作成した数値モデルを用いて仮に高さ方向に建物建物設計用水平荷重分布をもつ荷重である特定荷重を静的に作用させた後で常用される履歴法則に基づき除荷したときに前記特定層間に残存する特定の方向θの水平変位が前記残存限界水平変位値σ0に一致する状態となるときの前記特定荷重を静的に作用させたときの特定層間での前記特定方向θの相対的水平変位の値である。
上記本発明に係る実施形態の構成により、予め地震による揺れが収束したときに特定層間に残存する相対的な水平変位の許容できる限界値である残存限界水平変位値σ0を定める。予め地震の揺れにより建物に作用するであろう前記特定方向θの水平荷重の高さ方向の分布である建物設計用水平荷重分布を定める。特定方向θの前記限界水平変位値D(θ)は、設計情報を基に作成した数値モデルを用いて仮に高さ方向に建物建物設計用水平荷重分布をもつ荷重である特定荷重を静的に作用させた後で常用される履歴法則に基づき除荷したときに前記特定層間に残存する特定の方向θの水平変位が前記残存限界水平変位値σ0に一致する状態となるときの前記特定荷重を静的に作用させたときの特定層間での前記特定方向θの相対的水平変位の値である。
その結果、前記限界水平変位値D(θ)を簡易に求めることができる。
また、本発明の実施形態に係る建物構造安全性能評価方法は、前記評価工程で上から見て時系列に並んだ複数の前記水平変位値と前記全方向限界水平変位値とを比較して単数または複数の前記水平変位値が前記全方向限界水平変位値を少なくとも1回は越えたか否かを基に建物の構造安全性能を評価する。
上記本発明に係る実施形態の構成により、前記評価工程で上から見て時系列に並んだ複数の前記水平変位値と前記全方向限界水平変位値とを比較して単数または複数の前記水平変位値が前記全方向限界水平変位値を少なくとも1回は越えたか否かを基に建物の構造安全性能を評価する。
その結果、地震が発生して収まったときに建物の構造安全性能を簡易に評価できる。
また、本発明の実施形態に係る建物構造安全性能評価方法は、予め地震による揺れが収束したときに特定層間に残存する相対的な水平変位の許容できる限界値である残存限界水平変位値σ0を定め、前記評価工程で上から見て地震による揺れが収束したときの水平変位値が前記残存限界水平変位値σ0を越えたか否かを基に建物の構造安全性能を評価する。
上記本発明に係る実施形態の構成により、予め地震による揺れが収束したときに特定層間に残存する相対的な水平変位の許容できる限界値である残存限界水平変位値σ0を定める。前記評価工程で上から見て地震による揺れが収束したときの水平変位値が前記残存限界水平変位値σ0を越えたか否かを基に建物の構造安全性能を評価する。
その結果、地震が発生して収まったときに建物の構造安全性能を簡易に評価できる。
また、本発明の実施形態に係る建物構造安全性能評価方法は、地震が収束したときに室内の状態を撮影する撮影工程と、を備え、前記水平変位測定機器は前記特定層間の天井又は床のうちの一方に固定されるマーカーと前記特定層間の天井又は床のうちの他方に固定されマーカーを撮影できる撮影機器とを有し、前記撮影工程で地震が収束したときに前記撮影機器が視線を振って室内の状態を撮影する。
上記本発明に係る実施形態の構成により、撮影工程が、地震が収束したときに室内の状態を撮影する。前記水平変位測定機器は前記特定層間の天井又は床のうちの一方に固定されるマーカーと前記特定層間の天井又は床のうちの他方に固定されマーカーを撮影できる撮影機器とを有する。前記撮影工程で地震が収束したときに前記撮影機器が視線を振って室内の状態を撮影する。
その結果、地震が収束したときの建物の室内の状態を簡易に評価できる。
上記目的を達成するため、本発明に係る建物の地震発生後の構造安全性能を評価する建物構造安全性能評価システムを、建物の特定の層間である特定層間での相対的な水平変位を時系列に測定できる水平変位測定機器と、を備え、予め建物の設計情報を基に構造解析して建物の前記特定層間での上から見て周囲360°の方向での限界水平変位値D(θ)である全方向限界水平変位値D(0〜360°)を求め、地震が発生してから地震が収束するまでの間に前記水平変位測定機器が前記特定層間の前記特定箇所での相対的な水平変位を時系列に測定して得られた時系列に並んだ複数の水平変位値を記録することを連続して行い、地震が収束したときに時系列に並んだ複数の前記水平変位値と前記全方向限界水平変位値とを比較して建物の構造安全性能を評価する、ものとした。
上記本発明の構成において水平変位測定機器が、水平変位測定機器は、建物の特定の層間である特定層間での相対的な水平変位を時系列に測定できる。予め建物の設計情報を基に構造解析して建物の前記特定層間での上から見て周囲360°の方向での限界水平変位値D(θ)である全方向限界水平変位値D(0〜360°)を求める。地震が発生してから地震が収束するまでの間に前記水平変位測定機器が前記特定層間の前記特定箇所での相対的な水平変位を時系列に測定して得られた時系列に並んだ複数の水平変位値を記録することを連続して行う。地震が収束したときに時系列に並んだ複数の前記水平変位値と前記全方向限界水平変位値とを比較して建物の構造安全性能を評価する。
その結果、地震が発生して収まったときに建物の構造安全性能を簡易に評価できる。
以下に、本発明の実施形態に係る建物構造安全性能評価システムを説明する。本発明は、以下に記載した実施形態のいずれか、またはそれらの中の二つ以上が組み合わされた態様を含む。
また、本発明の実施形態に係る建物構造安全性能評価システムは、特定方向θの前記限界水平変位値D(θ)は、設計情報を基に作成した数値モデルを用いて仮に第一の地震による揺れが生じた直後に同程度の規模の第二の地震による揺れが生じたとしたら第二の地震の揺れにより建物の構造部材の水平方向の変形が増加し続ける状態となるときの第一の地震による揺れが生じている間の前記特定層間での前記特定方向θの時系列の相対的水平変位の最大振幅値を上回らない値である。
上記本発明に係る実施形態の構成により、特定方向θの前記限界水平変位値D(θ)は、設計情報を基に作成した数値モデルを用いて仮に第一の地震による揺れが生じた直後に同程度の規模の第二の地震による揺れが生じたとしたら第二の地震の揺れにより建物の構造部材の水平方向の変形が増加し続ける状態となるときの第一の地震による揺れが生じている間の前記特定層間での前記特定方向θの時系列の相対的水平変位の最大振幅値を上回らない値である。
その結果、地震による揺れが建物に与える損傷を推測して建物の構造安全性能を簡易に評価できる。
また、本発明の実施形態に係る建物構造安全性能評価システムは、特定方向θの前記限界水平変位値D(θ)は、設計情報を基に作成した数値モデルを用いて仮に第一の地震による揺れが生じた直後に同程度の規模の第二の地震による揺れが生じたとしたら第二の地震の揺れにより建物の構造部材が不可逆な損傷を被り続ける状態となるときの第一の地震による揺れが生じている間の前記特定層間での前記特定方向θの時系列の相対的水平変位の最大振幅値を上回らない値である。
上記本発明に係る実施形態の構成により、特定方向θの前記限界水平変位値D(θ)は、設計情報を基に作成した数値モデルを用いて仮に第一の地震による揺れが生じた直後に同程度の規模の第二の地震による揺れが生じたとしたら第二の地震の揺れにより建物の構造部材が不可逆な損傷を被り続ける状態となるときの第一の地震による揺れが生じている間の前記特定層間での前記特定方向θの時系列の相対的水平変位の最大振幅値を上回らない値である。
その結果、地震による揺れが建物に与える損傷を推測して建物の構造安全性能を簡易により評価できる。
また、本発明の実施形態に係る建物構造安全性能評価システムは、予め地震による揺れが収束したときに特定層間に残存する相対的な水平変位の許容できる限界値である残存限界水平変位値σ0を定め、特定方向θの前記限界水平変位値D(θ)は、設計情報を基に作成した数値モデルを用いて仮に第一の地震による揺れが収束したときに特定層間に残存した相対的な水平変位である残存水平変位値が前記残存限界水平変位値σ0に一致する状態となるときの第一の地震による揺れが生じている間の前記特定層間での前記特定方向θの時系列の相対的水平変位の最大振幅値である。
上記本発明に係る実施形態の構成により、予め地震による揺れが収束したときに特定層間に残存する相対的な水平変位の許容できる限界値である残存限界水平変位値σ0を定める。特定方向θの前記限界水平変位値D(θ)は、設計情報を基に作成した数値モデルを用いて仮に第一の地震による揺れが収束したときに特定層間に残存した相対的な水平変位である残存水平変位値が前記残存限界水平変位値σ0に一致する状態となるときの第一の地震による揺れが生じている間の前記特定層間での前記特定方向θの時系列の相対的水平変位の最大振幅値である。
その結果、地震が発生して収まったときに建物の構造安全性能を簡易に評価できる。
また、本発明の実施形態に係る建物構造安全性能評価システムは、予め地震による揺れが収束したときに特定層間に残存する相対的な水平変位の許容できる限界値である残存限界水平変位値σ0と該残存限界水平変位値σ0より小さい残存限界水平変位下限値とを定め、特定方向θの前記限界水平変位値D(θ)は、設計情報を基に作成した数値モデルを用いて仮に第一の地震による揺れが収束したときに特定層間に残存した相対的な水平変位である残存水平変位値が前記残存限界水平変位値σ0以下であり前記残存限界水平変位下限値より大きい状態となるときの第一の地震による揺れが生じている間の前記特定層間での前記特定方向θの時系列の相対的水平変位の最大振幅値である。
上記本発明に係る実施形態の構成により、予め地震による揺れが収束したときに特定層間に残存する相対的な水平変位の許容できる限界値である残存限界水平変位値σ0と該残存限界水平変位値σ0より小さい残存限界水平変位下限値とを定める。特定方向θの前記限界水平変位値D(θ)は、設計情報を基に作成した数値モデルを用いて仮に第一の地震による揺れが収束したときに特定層間に残存した相対的な水平変位である残存水平変位値が前記残存限界水平変位値σ0以下であり前記残存限界水平変位下限値より大きい状態となるときの第一の地震による揺れが生じている間の前記特定層間での前記特定方向θの時系列の相対的水平変位の最大振幅値である。
その結果、地震が発生して収まったときに建物の構造安全性能を簡易に評価できる。
また、本発明の実施形態に係る建物構造安全性能評価システムは、予め地震による揺れが収束したときに特定層間に残存する相対的な水平変位の許容できる限界値である残存限界水平変位値σ0を定め、予め地震の揺れにより建物に作用するであろう特定方向θの水平荷重の高さ方向の分布である建物設計用水平荷重分布を定め、特定方向θの前記限界水平変位値D(θ)は、設計情報を基に作成した数値モデルを用いて仮に高さ方向に建物建物設計用水平荷重分布をもつ荷重である特定荷重を静的に作用させた後で常用される履歴法則に基づき除荷したときに前記特定層間に残存する特定の方向θの水平変位が前記残存限界水平変位値σ0に一致する状態となるときの前記特定荷重を静的に作用させたときの特定層間での前記特定方向θの相対的水平変位の値である。
上記本発明に係る実施形態の構成により、予め地震による揺れが収束したときに特定層間に残存する相対的な水平変位の許容できる限界値である残存限界水平変位値σ0を定める。予め地震の揺れにより建物に作用するであろう特定方向θの水平荷重の高さ方向の分布である建物設計用水平荷重分布を定める。特定方向θの前記限界水平変位値D(θ)は、設計情報を基に作成した数値モデルを用いて仮に高さ方向に建物建物設計用水平荷重分布をもつ荷重である特定荷重を静的に作用させた後で常用される履歴法則に基づき除荷したときに前記特定層間に残存する特定の方向θの水平変位が前記残存限界水平変位値σ0に一致する状態となるときの前記特定荷重を静的に作用させたときの特定層間での前記特定方向θの相対的水平変位の値である。
その結果、地震が収束したときの建物の室内の状態を簡易に評価できる。
また、本発明の実施形態に係る建物構造安全性能評価システムは、地震が収束したときに上から見て時系列に並んだ複数の前記水平変位値と前記全方向限界水平変位値とを比較して単数または複数の前記水平変位値が前記全方向限界水平変位値を少なくとも1回は越えたか否かを基に建物の構造安全性能を評価する。
上記本発明に係る実施形態の構成により、地震が収束したときに上から見て時系列に並んだ複数の前記水平変位値と前記全方向限界水平変位値とを比較して単数または複数の前記水平変位値が前記全方向限界水平変位値を少なくとも1回は越えたか否かを基に建物の構造安全性能を評価する。
その結果、地震が収束したときの建物の室内の状態を簡易に評価できる。
また、本発明の実施形態に係る建物構造安全性能評価システムは、予め地震による揺れが収束したときに特定層間に残存する相対的な水平変位の許容できる限界値である残存限界水平変位値σ0を定め、前記評価工程で上から見て地震による揺れが収束したときの水平変位値が前記残存限界水平変位値σ0を越えたか否かを基に建物の構造安全性能を評価する。
上記本発明に係る実施形態の構成により、予め地震による揺れが収束したときに特定層間に残存する相対的な水平変位の許容できる限界値である残存限界水平変位値σ0を定める。前記評価工程で上から見て地震による揺れが収束したときの水平変位値が前記残存限界水平変位値σ0を越えたか否かを基に建物の構造安全性能を評価する。
その結果、地震が発生して収まったときに建物の構造安全性能を簡易に評価できる。
また、本発明の実施形態に係る建物構造安全性能評価システムは、前記水平変位測定機器は前記特定層間の天井又は床のうちの一方に固定されるマーカーと前記特定層間の天井又は床のうちの他方に固定され前記マーカーを撮影できる撮影機器とを有し、前記撮影工程で地震が収束したときに前記撮影機器が視線を振って室内の状態を撮影する。
上記本発明に係る実施形態の構成により、前記水平変位測定機器は前記特定層間の天井又は床のうちの一方に固定されるマーカーと前記特定層間の天井又は床のうちの他方に固定され前記マーカーを撮影できる撮影機器とを有する。地震が収束したときに前記撮影機器が視線を振って室内の状態を撮影する。
その結果、地震が収束したときの建物の室内の状態を簡易に評価できる。
以上説明したように、本発明に係る建物構造安全性能評価方法と建物構造安全性能評価システムは、その構成により、以下の効果を有する。
予め建物を構造解析し建物の前記特定層間での上から見て周囲360°の方向での限界水平変位値D(θ)である全方向限界水平変位値D(0〜360°)を求め、地震が発生してから地震が収束するまでの間に前記水平変位測定機器が時系列に測定して得られた時系列に並んだ複数の前記特定層間での相対的な水平変位を連続して記録し、地震が収束したときに時系列に並んだ複数の前記水平変位値と前記全方向限界水平変位値とを比較して建物の構造安全性能を評価する様にしたので、地震が発生して収まったときに建物の構造安全性能を簡易に評価できる。
また、限界水平変位値D(θ)は、設計情報を基に作成した数値モデルを用いて仮に第一の地震による揺れが生じた直後に同程度の規模の第二の地震による揺れが生じたとしたら第二の地震の揺れにより建物の構造部材の水平方向の変形が増加し続ける状態となるときの第一の地震による揺れが生じている間の前記特定層間での前記特定方向θの時系列の相対的水平変位の最大振幅値を上回らない値である様にしたので、地震が発生して収まったときに建物の構造安全性能を簡易に評価できる。
また、前記限界水平変位値D(θ)は、設計情報を基に作成した数値モデルを用いて仮に第一の地震による揺れが生じた直後に同程度の規模の第二の地震による揺れが生じたとしたら第二の地震の揺れにより建物の構造部材が不可逆な損傷を被り続ける状態となるときの第一の地震による揺れが生じている間の前記特定層間での前記特定方向θの時系列の相対的水平変位の最大振幅値を上回らない値である様にしたので、地震が発生して収まったときに建物の構造安全性能を簡易に評価できる。
また、前記限界水平変位値D(θ)は、設計情報を基に作成した数値モデルを用いて仮に第一の地震による揺れが収束したときに特定層間に残存した相対的な水平変位である残存水平変位値が前記残存限界水平変位値σ0以下で前記残存限界水平変位下限値より大きい状態となるときの第一の地震による揺れが生じている間の前記特定層間での前記特定方向θの時系列の相対的水平変位の最大振幅値である様にしたので、地震が発生して収まったときに建物の構造安全性能を簡易に評価できる。
また、前記限界水平変位値D(θ)は、設計情報を基に作成した数値モデルを用いて仮に第一の地震による揺れが収束したときに特定層間に残存した相対的な水平変位である残存水平変位値が前記残存限界水平変位値σ0に一致する状態となるときの第一の地震による揺れが生じている間の前記特定層間での前記特定方向θの時系列の相対的水平変位の最大振幅値である様にしたので、地震が発生して収まったときに建物の構造安全性能を簡易に評価できる。
また、前記限界水平変位値D(θ)は、設計情報を基に作成した数値モデルを用いて仮に高さ方向に建物建物設計用水平荷重分布をもつ荷重である特定荷重を静的に作用させた後で常用される履歴法則に基づき除荷したときに前記特定層間に残存する特定の方向θの水平変位が前記残存限界水平変位値σ0に一致する状態となるときの前記特定荷重を静的に作用させたときの特定層間での前記特定方向θの相対的水平変位の値である様にしたので、前記限界水平変位値D(θ)を簡易に求めることができる。
また、上から見て時系列に並んだ複数の前記水平変位値と前記全方向限界水平変位値とを比較して単数または複数の前記水平変位値が前記全方向限界水平変位値を少なくとも1回は越えたか否かを基に建物の構造安全性能を評価する様にしたので、地震が発生して収まったときに建物の構造安全性能を簡易に評価できる。
また、予め地震による揺れが収束したときに特定層間に残存する相対的な水平変位の許容できる限界値である残存限界水平変位値σ0を定め、上から見て地震による揺れが収束したときの水平変位値が前記残存限界水平変位値σ0を越えたか否かを基に建物の構造安全性能を評価する様にしたので、地震が発生して収まったときに建物の構造安全性能を簡易に評価できる。
また、地震が収束したときに前記撮影機器が視線を振って室内の状態を撮影する様にしたので、地震が収束したときの建物の室内の状態を簡易に評価できる。
その結果、地震が発生した直後に建物の構造安全性能である構造安全性能を簡易に評価する建物構造安全性能評価方法と建物構造安全性能評価システムを提供できる。
本発明の実施形態に係る建物構造安全性能評価システムをもつ建物の概念図である。 本発明の実施形態に係る建物構造安全性能評価システムの概念図である。 本発明の建物構造安全性能評価システムのマーカーの部分拡大図である。 本発明の建物構造安全性能評価システムの機能ブロック図である。 本発明の建物構造安全性能評価方法のフローチャート図である。 本発明の建物構造安全性能評価システムが想定する第一乃至第二の地震の概念図である。 本発明の実施形態に係る建物の数値モデルの一例の概念図である。 本発明の建物構造安全性能評価システムの地震荷重/水平変位のグラフ図である。 本発明の実施形態に係る建物の水平荷重−水平変位グラフ図である。 本発明の実施形態に係る残留限界水平変位値と限界水平変位値の関係図である。 本発明の建物構造安全性能評価システムのクライテリアの一例である。 本発明の建物構造安全性能評価システムのxyデータの一例である。 本発明の建物構造安全性能評価システムの水平変位の一例である。 本発明の建物構造安全性能評価システムの残留水平変位の一例である。 本発明の建物構造安全性能評価システムの他の機能説明図その1である。
以下、本発明を実施するための最良の形態を、図面を参照して説明する。
最初に、本発明の実施形態に係る建物構造安全性能評価方法と建物構造安全性能評価システムとを、図を基に、説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る建物構造安全性能評価システムをもつ建物の概念図である。図2は、本発明の実施形態に係る建物構造安全性能評価システムの概念図である。図3は、本発明の建物構造安全性能評価システムのマーカーの部分拡大図である。図4は、本発明の建物構造安全性能評価システムの機能ブロック図である。図5は、本発明の建物構造安全性能評価方法のフローチャート図である。図7は、本発明の実施形態に係る建物の数値モデルの一例の概念図である。図8は、本発明の建物構造安全性能評価システムの地震荷重/水平変位のグラフ図である。図9は、本発明の実施形態に係る建物の水平荷重−水平変位グラフ図である。図10は、本発明の実施形態に係る残留限界水平変位値と限界水平変位値の関係図である。図11は、本発明の建物構造安全性能評価システムのクライテリアの一例である。図12は、本発明の建物構造安全性能評価システムのxyデータの一例である。図13は、本発明の建物構造安全性能評価システムの水平変位の一例である。
本発明の実施形態にかかる建物構造安全性能評価方法と建物構造安全性能評価システムとは、地震が発生した直後に建物10に残存する構造安全性能である構造安全性能を評価するものである。
最初に、本発明の実施形態にかかる建物構造安全性能評価方法と建物構造安全性能評価システムが適用される建物10を説明する。
建物10は、基礎面に据え付けられるものである。
建物10は、複数の層間が重なったものである。
上下1対の床スラブ14が1つの層を挟む。
図1は、建物10の一例を示す。
図1(A)は、6層の層間をもち、1階の床が地表面に位置する建物10を示す。
図1(B)は、6層の層間をもち、地下1階が地表面に位置する建物10を示す。図1(B)はサンクンガーデンあり建物10を示している。
層間は層を挟む上下1対のスラブで挟まれる。上下1対のスラブは、室内空間を形成する様に柱部材、梁部材、壁部材等の構造部材13で支えられる。
また、層間には天井部材(図示せず)等の室内等の非構造部材15が設けられることがある。非構造部材15は、建物の構造部材のうち建物構造安全性能評価の対象としない部材である。
本発明の実施形態にかかる建物構造安全性能評価方法は、準備工程S10と解析工程S20と記録工程S30と評価工程S40とで構成される。
準備工程S10は、水平変位測定機器100を準備する工程である。
水平変位測定機器100は、建物10の特定の層間である特定層間11での相対的な水平変位を時系列に測定できる機器である。
水平変位測定機器100は、建物10の特定の層間である特定層間11での上から見て全周囲での相対的な水平変位を時系列に測定できる機器であってもよい。
水平変位測定機器100は、建物10の特定の層間である特定層間11での特定の箇所である特定箇所12での相対的な水平変位を時系列に測定できてもよい。
後述する建物構造安全性能評価システムは、水平変位測定機器100を備える。
後述する建物構造安全性能評価システムは、水平変位測定機器100とサーバ200を備えてもよい。
水平変位測定機器100とサーバ200とは電子通信網400を介してデータをやりとりできてもよい。
水平変位測定機器100は、撮影機器110とマーカー120とで構成されてもよい。
マーカー120は、特定層間11の上層の床の下面又は下層の床の上面のうちの一方に固定される目印である。
撮影機器110は、特定層間11の上層の床の下面又は下層の床の上面のうちの他方に固定されマーカー120を撮影できる機器である。
例えば、撮影機器110は、WEBカメラである。
図3は、マーカーの一例を示す。
X軸走査線121xを設定すると、水平変位測定機器100はX軸走査線121xの軸線上の変位をX軸水平変位値として求めることができる。
Y軸走査線121yを設定すると、水平変位測定機器100はY軸走査線121yの軸線上の変位をY軸水平変位値として求めることができる。
解析工程S20は、予め建物10の設計情報を基に構造解析して建物10の特定層間11での上から見て周囲360°の方向での限界水平変位値D(θ)である全方向限界水平変位値D(0〜360°)を求める工程である。
解析工程S20は、予め建物10の設計情報を基に構造解析して建物10の特定層間11の特定箇所での上から見て周囲360°の方向での限界水平変位値D(θ)である全方向限界水平変位値D(0〜360°)を求めてもよい。
特定方向θの限界水平変位値D(θ)は、設計情報を基に作成した数値モデルを用いて仮に第一の地震による揺れが生じた直後に同程度の規模の第二の地震による揺れが生じたとしたら第二の地震の揺れにより建物の構造部材の水平方向の変形が増加し続ける状態となるときの第一の地震による揺れが生じている間の特定層間での特定方向θの時系列の相対的水平変位の最大振幅値を上回らない値であってもよい。
特定方向θの限界水平変位値D(θ)は、設計情報を基に作成した数値モデルを用いて仮に第一の地震による揺れが生じた直後に同程度の規模の第二の地震による揺れが生じたとしたら第二の地震の揺れにより建物の構造部材が不可逆な損傷を被り続ける状態となるときの第一の地震による揺れが生じている間の特定層間での特定方向θのの時系列の相対的水平変位の最大振幅値を上回らない値であってもよい。
特定方向θの限界水平変位値D(θ)は、設計情報を基に作成した数値モデルを用いて仮に第一の地震による揺れが生じた直後に同程度の規模の第二の地震による揺れが生じたとしたら第二の地震の揺れにより建物の構造部材が不可逆な損傷を被り続けて水平方法の変形が増加し続ける状態となるときの第一の地震による揺れが生じている間の特定層間での特定方向θの時系列の相対的水平変位の最大振幅値を上回らない値であってもよい。
予め地震による揺れが収束したときに特定層間に残存する相対的な水平変位の許容できる限界値である残存限界水平変位値σ0を定め、特定方向θの限界水平変位値D(θ)は、設計情報を基に作成した数値モデルを用いて仮に第一の地震による揺れが収束したときに特定層間に残存した相対的な水平変位である残存水平変位値が残存限界水平変位値σ0に一致する状態となるときの第一の地震による揺れが生じている間の特定層間での特定方向θの時系列の相対的水平変位の最大振幅値であってもよい。
予め地震による揺れが収束したときに特定層間に残存する相対的な水平変位の許容できる限界値である残存限界水平変位値σ0を定め、特定方向θの限界水平変位値D(θ)は、設計情報を基に作成した数値モデルを用いて仮に第一の地震による揺れが収束したときに特定層間に残存した相対的な水平変位である残存水平変位値が残存限界水平変位値を上まわらない状態となるときの第一の地震による揺れが生じている間の特定層間での特定方向θの時系列の相対的水平変位の最大振幅値であってもよい。
経験則によれば、震度4程度の地震では、特定方向θの限界水平変位値D(θ)と特定層間の高さとの比は1/200を越えることが稀である。
上記の手法により求めた特定方向θの限界水平変位値D(θ)と特定層間の高さとの比が1/200を越えるときは、特定方向θの限界水平変位値D(θ)を特定層間の高さに1/200を乗じた値を基に決定しても良い。
例えば、上記の手法により求めた特定方向θの限界水平変位値D(θ)と特定層間の高さとの比が1/200を越えるときは、特定方向θの限界水平変位値D(θ)を特定層間の高さに1/200を乗じた値とする。
予め地震による揺れが収束したときに特定層間に残存する相対的な水平変位の許容できる限界値である残存限界水平変位値σ0を定め、予め地震の揺れにより建物に作用するであろう特定方向θの水平荷重の高さ方向の分布である建物設計用水平荷重分布を定め、特定方向θの限界水平変位値D(θ)は、設計情報を基に作成した数値モデルを用いて仮に高さ方向に建物建物設計用水平荷重分布をもつ特定の荷重である特定荷重を静的に作用させた後で常用される履歴法則に基づき除荷したときに特定層間に残存する特定の方向θの水平変位が残存限界水平変位値σ0に一致する状態となるときの特定荷重を静的に作用させたときの特定層間での特定方向θの相対的水平変位の値であってもよい。
建物設計用水平荷重分布は、建物を設計する際の設計基準として定められる水平荷重の高さ方向の分布である。
例えば、建物設計用水平荷重分布は、建築基準法でで定められる建物を設計する際の設計基準として定められる水平荷重の高さ方向の分布である。
常用される履歴法則は、静的に作用させた荷重を除荷したときに構造体が変形を戻す履歴特性である。
例えば、常用される履歴法則は、例えば武田モデルに示される建物に作用した荷重を除荷したときに構造体が変形を戻す履歴の法則である。
武田モデルを採用する履歴法則は以下の論文に開示される。
論文名「鉄筋コンクリート建造物の弾塑性地震応答フレーム解析」
日本建築学会大会学術講演梗概集2691P
(中国)昭和52年10月
江戸宏彰、武田壽一
武田らは、論文の序において、武田モデルの履歴法則を以下の様に説明している。
「1.序 本解析法は、連層耐震壁を含むRCフレームを対象とする弾塑性フレーム解析法で、柱及び梁部材(壁は線材置換して、柱部材として扱う)を材軸に直交分割し、さらに、材端に柱梁接合部(パネル)からの引張鉄材の抜け出しによる付加変形を考慮するための仮想の剛弾性バネを挿入したものである。弾塑性性状は、(i)柱・梁部材の直交分割点のモーメント(M)〜曲率(1/ρ)関係、(ii)柱・梁部材の材端バネのモーメント(M)〜回転角(θ)関係、(iii)柱・梁・パネル部材のせん断力(τ)〜せん断変形(Υ)関係について、それぞれ独立に定義した復元力特性によって表し、各増分計算ステップごとに弾塑性判定を行う。本解析法では、曲げに対する弾塑性性状を各直交分割点ごとに定義しているので、耐震壁のように反曲点位置が部材中央にこない部材や、弾塑性地震応答時に反曲点位置の変動がある部材を含むフレームの弾塑性挙動を、実状により忠実に追跡できる。解析例として、十字形柱梁接合部試験体の静的応答解析を行い、解析結果と実験結果とを比較した。」
図10は、特定方向(θ)での残存限界水平変位値σ0と限界水平変位値D(θ)との関係を示す。
構造体の層間変形と層剪断力の関係はトリリニアに近似しても良い。
トリリニアは、3つの直線で構造体の層間変形と層せん断力の関係を近似するモデルである。
以下に、限界水平変位値D(0)の概念を示す。
図8(A)左は、第一の地震による揺れが建物に作用し、特定層間11に最大振幅が限界水平変位値D(0)を越えない水平変位をその方向に生じさせる揺れが生じ、時系列の水平変位は一定のヒステリシスカーブを描き、建物10は破壊にいたらない様子を示す。
第一の地震が収束すると建物の変形は地震が発生する前の状態に戻る。
図8(A)右は、その後、同程度の規模の第二の地震が発生すると、建物10が地震による揺れが建物に作用し、特定層間11に最大振幅が限界水平変位値D(0)を越えない水平変位をその方向に生じさせる揺れが生じ、時系列の水平変位は一定のヒステリシスカーブを描き、建物10は破壊にいたらない様子を示す。
これは、建物10が地震により設計限界に近い揺れを受けると建物10の一部の領域の構造部材が弾性変形から塑性変形に移行するとしても、残りの領域は弾性変形をする。その結果、建物全体の揺れが一定の範囲に抑えられ、構造部材の変形が弾性変形から塑性変形に移行する領域が拡がらず、結果として建物10が安定した変形を繰り返し、建物10の構造安全性能に影響を与える不可逆な損傷を被らないと考えられる。
この現象は、構造部材に高強度の材料を採用した場合に顕著である。
図8(B)左は、第一の地震による揺れが建物に作用し、特定層間11に最大振幅が限界水平変位値D(0)を越える水平変位をその方向に生じさせる揺れが生じたが、それでも時系列の水平変位は一定のヒステリシスカーブを描き、建物10は破壊にいたらない様子を示す。
第一の地震が収束すると建物の変形は地震が発生する前の状態に戻る。
図8(B)右は、その後、同程度の規模の第二の地震が発生すると、建物10が地震による揺れが建物に作用し、時系列の水平変位は発散するヒステリシスカーブを描き、建物10の変形が拡大する様子を示す。
これは、建物10に設計限界を越える揺れを受けると建物10の多くの領域の構造部材が弾性変形から塑性変形に移行し、建物全体の揺れが増加すると、構造部材の変形が弾性変形から塑性変形に移行する領域がさらに拡がり、建物10の変形が拡大する、と考えられる。
建物10の設計情報を基に上から見て特定層間11の特定箇所での一定の向きの水平変形を0°から360°の間でに夫々に解析すると、建物10の特定層間11の特定箇所での上から見て周囲360°の方向での限界水平変位値D(θ)である全方向限界水平変位値D(0〜360)を求めることができる。
例えば、限界水平変位値D(0°)、D(90°)、D(180°)、D(270°)を各々に求めて、上から見てXY平面上の4つの限界水平変位値D(θ)を滑らかな曲線で繋ぐことで全方向限界水平変位値D(0〜360)を求めてもよい。
図示しないが、第一の地震により特定層間11に限界水平変位値D(0)をはるかに越える水平変位を特定方向に生じさせる一定振幅の揺れが生ずると、時系列の水平変位は発散するヒステリシスカーブを描き、建物10の部材の塑性変形がより進んで破壊に至る。
この場合、最初の地震による揺れで建物の損傷は明らかなので、本願発明の建物構造安全性能評価方法、建物構造安全性能評価システムを用いる余地はない。
XY平面上で全方向限界水平変位値D(0〜360)を結んだ軌跡をクライテリアCと呼称する。
図11(A)は、特定層間11の特定箇所12でのクライテリアCの一例を示す。
通例、クライテリアCは、特定箇所12を中心とする円形となる。
特定箇所12の近くの壁構造の剛性が特別に高いといった事情があると、クライテリアCは、円形から少し歪んだ形状になる場合がある。
図11(B)は、クライテリアCは、円形から少し歪んだ形状になる例を示す。
記録工程S30は、地震が発生してから地震が収束するまでの間に水平変位測定機器100が特定層間11での相対的な水平変位を時系列に測定して得られた時系列に並んだ複数の水平変位値を連続して記録する工程である。
記録工程S30は、地震が発生してから地震が収束するまでの間に水平変位測定機器100が特定層間11の特定箇所での相対的な水平変位を時系列に測定して得られた時系列に並んだ複数の水平変位値を連続して記録してもよい。
記録工程S30は、地震が発生する一定時間前から地震が収束して一定時間後での間に水平変位測定機器100が特定層間11での相対的な水平変位を時系列に測定して得られた時系列に並んだ複数の水平変位値を連続して記録してもよい。
記録工程S30は、地震発生判定工程S31とデータ記録工程S32と地震収束判定工程S33とで構成されてもよい。
地震発生判定工程S31は、地震の発生を判断する工程である。
例えば、地震発生判定工程S31は、水平変位測定機器100の測定する水平変位に一定の変化があったとき地震が発生したと判断する。
データ記録工程S32は、水平変位測定機器100が特定層間11の特定箇所での相対的な水平変位を時系列に測定して得られた時系列に並んだ複数の水平変位値を連続して記録する工程である。
地震収束判定工程323は、地震が収束したことを判断する工程である。
例えば、地震収束判定工程S33は、水平変位測定機器100の測定する水平変位に一定の変化がなくなったとき地震が収束したと判断する。
地震発生判定工程S31で地震が発生したと判断すると、データ記録工程S22を実行する。
地震収束工程S33で地震が収束したと判断すると、データ記録工程S22の実行を停止する。
評価工程S40は、地震が収束したときに時系列に並んだ複数の水平変位値と全方向限界水平変位値とを比較して建物10の構造安全性能を評価する工程である。
図13は、第一の地震が収束したときに評価をする様子を示す。評価をする時点では、第二の地震が発生するかどうかは不明である。
構造安全性能が不足しているときに第二の地震が発生すると、建物が回復不能になる恐れがある。
評価工程S40で、上から見て時系列に並んだ複数の水平変位値と全方向限界水平変位値とを比較して単数または複数の水平変位値が全方向限界水平変位値を少なくとも1回は越えたか否かを基に建物の構造安全性能を評価してもよい。
例えば、上から見て時系列に並んだ複数の水平変位値と全方向限界水平変位値とを比較して単数または複数の水平変位値が全方向限界水平変位値を越えなかったかときに建物10の構造安全性能が十分であると評価する。
例えば、上から見て時系列に並んだ複数の水平変位値と全方向限界水平変位値とを比較して単数または複数の水平変位値が全方向限界水平変位値を少なくとも1回越えたときに建物10の構造安全性能が不足していると評価する。
評価工程で上から見て地震による揺れが収束したときの水平変位値が残存限界水平変位値σ0を越えたか否かを基に建物の構造安全性能を評価してもよい。
予め地震による揺れが収束したときに特定層間に残存する相対的な水平変位の許容できる限界値である残存限界水平変位値σ0を定める。
例えば、残存限界水平変位値σ0は、特定層間の高さ寸法の1/1500である。
例えば、上から見て地震による揺れが収束したときの水平変位値が残存限界水平変位値σ0を越えなかったときに建物の構造安全性能は十分であると評価する。
例えば、上から見て地震による揺れが収束したときの水平変位値が残存限界水平変位値σ0を越えたときに建物の構造安全性能が不足していると評価する。
評価工程S40で、上から見て時系列に並んだ複数の水平変位値と全方向限界水平変位値とを比較して単数または複数の水平変位値が全方向限界水平変位値を少なくとも1回は越えたか否か、かつ上から見て地震による揺れが収束したときの水平変位値が残存限界水平変位値σ0を越えたか否かを基に建物の構造安全性能を評価してもよい。
例えば、上から見て時系列に並んだ複数の水平変位値と全方向限界水平変位値とを比較して単数または複数の水平変位値が全方向限界水平変位値を越えなかったかとき、かつ上から見て地震による揺れが収束したときの水平変位値が残存限界水平変位値σ0を越えなかったときに建物10の構造安全性能が十分であると評価する。
例えば、上から見て時系列に並んだ複数の水平変位値と全方向限界水平変位値とを比較して単数または複数の水平変位値が全方向限界水平変位値を越えたかとき、または上から見て地震による揺れが収束したときの水平変位値が残存限界水平変位値σ0を越えたときに建物10の構造安全性能が不足していると評価する。
撮影工程S50は、地震が収束したときに室内15の状態を撮影する工程である。
撮影工程S50は、地震が収束したときに撮影機器が室内15の状態を撮影する、
撮影工程S50は、地震が収束したときに撮影機器が視線を振って室内15の状態を撮影してもよい。
特定層間11は、建物10の地上部分の最下層の層間であってもよい。
建物10の地上部分の最下層の層間は他の層間より地震力が大きいので、ここでの層間の水平変位から建物の建物構造安全性能を評価することが合理的である。
次に、本発明の実施形態にかかる建物構造安全性能評価システムを、説明する。
本発明の実施形態にかかる建物構造安全性能評価システムは、水平変位測定機器100とサーバ200とで構成される。
水平変位測定機器100は、建物10の特定の層間である特定層間11での相対的な水平変位を時系列に測定できる機器である。
水平変位測定機器100は、建物10の特定の層間である特定層間11での特定の箇所である特定箇所12での相対的な水平変位を時系列に測定できてもよい。
水平変位測定機器100は、撮影機器110とマーカー120と地震検知PC130とで構成されてもよい。
撮影機器110は、特定層間11の天井又は床のうちの他方に固定されマーカーを撮影できる機器である。
例えば、撮影機器110は、WEBカメラである。
マーカー120は、特定層間11の天井又は床のうちの一方に固定される。
マーカー120は、撮影機器110の視界のなかに位置する様に、特定層間11の天井又は床のうちの他方に固定される。
図3は、マーカー120の一例を示す。
図2は、撮影機器110は天井に固定され、マーカー20は床に固定される様子を示す。
地震検知PC130は、撮影機器110から画像データを受け取り、水平変位を抽出するPCである。
地震検知PC130にインストールされるソフトウエアは、水平変位測定機器100に、記録機能F30を実現させる。
記録機能F30は、画像取得機能F31と移動検知機能F32と地震検知機能F33と時刻補正機能F34とエラー処理機能F35と走査線設定機能F36とログ機能F37と検知状況機能F38とで構成されてもよい。
画像取得機能F31は、ドライバを介して撮影機器110を制御して撮影機器110の撮影した映像とX軸水平変位値とY軸水平変位値とを取得する。
画像取得機能F31は、ドライバを介して撮影機器110に撮影信号をおくり、撮影機器110から撮影信号に対応して撮影したマーカーの映像とマーカーの映像を解析して得たX軸水平変位値とY軸水平変位値とを取得する。
例えば撮影信号は、WEBカメラの撮影スピードに対応して送られる。
移動検知機能F32は、水平変位が生じたことを検知する機能である。
ここで、水平変位値は原点からの変位量である。
水平変位値は、X軸水平変位値とY軸水平変位値とを含む。
X軸水平変位値xは、原点からのX軸方向の変位量である。
Y軸水平変位値yは、原点からのY軸方向の変位量である。
地震が発生しないときの原点をゼロとしてもよい。
例えば、地震がないとき、X軸水平変位値とY軸水平変位値とはゼロである。
地震が発生すると、水平変位が生じ、X軸水平変位値とY軸水平変位値とがゼロから離れる。
地震検知機能F33は、地震が発生したことを検知し、その後で地震が収束したことを検知して、水平変位と画像を記録する機能である。
地震が発生すると、トリガーがかかり、「トリガー検知の設定秒前」から「揺れ終了後の設定秒後」までの時間にわたって移動量を水平変位値として保存する。
さらに、「トリガー開始」と「事後記録終了」時の画像を保存する。
事録区間の水平変位値をソフトウエアのメモリ上にストアキープし、トリガーがかかったときにこれらを記録する。
画像取得毎に検知した移動量(x、y)が設定した閾値を越えたとき、又は画像所得ができなかったときに最後に取得した画像を参考にした移動量(x、y)が設定した閾値を越えたとき、トリガーをかける。
例えば、X軸水平変位値xまたはY軸水平変位値yのどちらか一方が閾値を越えたとき、トリガーをかける。
画像取得毎に検知した移動量(x、y)の変化量が設定した閾値以下になったときトリガー記録区間を終了する。
例えば、X軸水平変位値xの変化量とY軸水平変位値の変化量とが共に閾値を超えなかったらトリガー記録区間を終了する。
保存するデータ区間は、トリガーがかかる前の測定時間から開始される。その測定時間はパラメータにより指示される。データは事前にメモリにストアキープされる。
揺れが収まった後(トリガー記録区間終了後)、設定された時間だけ記録を続ける。この期間に再度揺れが発生したとき、トリガー記録区間が延長され、事後記録区間ではなくなる。
データ保存の最短時間が設定される。
パラメータ設定させ、事後記録区間を含めての時間になる。
図12に、トリガーがかかった時がtで、トリガーが終了する時がt+nのときに、記録を開始する時t−mから記録を終了する時t+n+mまでのX軸水平変位値またはY軸水平変位値の例を示す。
時刻補正機能F34は、システムの時刻を補正する機能である。
時刻補正機能F34は、撮影機器110の内部時刻を補正する。
エラー処理機能F35は、システムにエラーが生じたときエラー処理をする機能である。
走査線設定機能F36は、画像上のマーカー120に走査線を設定する機能である。
走査線は、X軸走査線とY軸走査線である。
図3は、X軸走査線121xとY軸走査線121yとが設定される様子を示す。
ログ機能F37は、画像取得機能F31と移動検知機能F32と地震検知機能F33が生成するログを取得し、記録する機能である。
検知状況機能F38は、地震検知機構F33が記録した時系列の水平変位値と画像を読み取る機能である。
後述するサーバ200の指令により読み取った時系列の水平変位値と画像を指令元へメール送信する。
サーバ200は、地震検知PC130、その他外部と通信可能なサーバである。
サーバ200は、サーバPC210とメイルPC220とで構成される。
サーバPC210は、電子通信網を介して地震検知PC130とデータの受送信をすることができる。
メールPC220は、外部PC300にメールを送ることができる。
サーバPC210は、画像と時系列に並んだ複数の水平変位値を受け取る。
例えば、画像は、地震発生時の画像と地震収束時の画像である。
サーバPC210は、予め求めた全方向限界水平変位値を記憶する。
サーバPC210は、地震が収束したときに時系列に並んだ複数の水平変位値と全方向限界水平変位値とを比較する。
サーバPC210は、地震が収束したときに時系列に並んだ複数の水平変位値と全方向限界水平変位値とを比較して建物10の構造安全性能を評価する。
サーバPC210は、評価結果をメールサーバを介して外部PC300へ送る。
水平変位軌跡xyは、複数の水平変位値を時系列に繋げた軌跡である。
図13は、データ記録区間の水平変位軌跡xyとクライテリアCとを重ねて描いた図である。
図13(A)は、水平変位軌跡xyがクライテリアCを越えていないことを示す。。
図13(B)は、水平変位軌跡xyが1回クライテリアCを越えていたことを示す。
水平変位値軌跡xyがすくなくとも1回クライテリアCを越えたか否かを基に建物10の構造安全性能を、技術的または経験則により評価できる。
例えば、水平変位値軌跡xyがクライテリアCを越えなかったとき、今後同程度の規模の地震が発生しても、建物の変形が拡大しないことを予測できる。
例えば、水平変位値軌跡xyがすくなくとも1回クライテリアCを越えたとき、建物10の一部の領域の構造部材が弾性変形から塑性変形へ遷移しており、今後同程度の規模の地震が発生すると、建物の変形が拡大するが予測される。
また、図を見ると、水平変位軌跡xyの最終値が原点(地震発生前の位置)からずれていることが読み取れる。
図14(A)は、上から見て地震による揺れが収束したときの水平変位値が残存限界水平変位値σ0を越えていないことを示す。
図14(B)は、上から見て地震による揺れが収束したときの水平変位値が残存限界水平変位値σ0を越えていることを示す。
例えば、上から見て地震による揺れが収束したときの水平変位値が残存限界水平変位値σ0を越えていないとき、今後同程度の規模の地震が発生しても、建物の変形が拡大しないことを予測できる。
例えば、上から見て地震による揺れが収束したときの水平変位値が残存限界水平変位値σ0を越えてたとき、建物10の一部の領域の構造部材が弾性変形から塑性変形へ遷移しており、今後同程度の規模の地震が発生すると、建物の変形が拡大するが予測される。
本発明の建物構造安全性能評価システムの他の機能その1を、図を基に、説明する。
図15は、本発明の建物構造安全性能評価システムの他の機能説明図その1である。
地震が収束したときに撮影機器が室内15の状態を撮影する。
地震が収束したときに撮影機器が視線を振って室内15の状態を撮影してもよい。
例えば、地震が収束したときに撮影機器が視線を振って天井部材等の非構造部材の状態を撮影する。
オペレータは、外部PC300により室内15の状態を観察し、その後の作業計画の参考にすることができる。
以上説明したように、本発明の実施形態に係る建物構造安全性能評価方法と建物構造安全性能評価システムは、その構成により、以下の効果を有する。
予め建物10を構造解析し建物の特定層間11での上から見て周囲360°の方向での限界水平変位値D(θ)である全方向限界水平変位値D(0〜360°)を求め、地震が発生してから地震が収束するまでの間に水平変位測定機器100が時系列に測定して得られた時系列に並んだ複数の特定層間での相対的な水平変位を連続して記録し、地震が収束したときに時系列に並んだ複数の水平変位値と全方向限界水平変位値とを比較して建物の構造安全性能を評価する様にしたので、地震が発生して収まったときに建物の構造安全性能を簡易に評価できる。
また、限界水平変位値D(θ)は、設計情報を基に作成した数値モデルを用いて仮に第一の地震による揺れが生じた直後に同程度の規模の第二の地震による揺れが生じたとしたら第二の地震の揺れにより建物10の構造部材の水平方向の変形が増加し続ける状態となるときの第一の地震による揺れが生じている間の特定層間での特定方向θの時系列の相対的水平変位の最大振幅値を上回らない値である様にしたので、地震が発生して収まったときに建物の構造安全性能を簡易に評価できる。
また、限界水平変位値D(θ)は、設計情報を基に作成した数値モデルを用いて仮に第一の地震による揺れが生じた直後に同程度の規模の第二の地震による揺れが生じたとしたら第二の地震の揺れにより建物の構造部材が不可逆な損傷を被り続けて水平方法の変形が増加し続ける状態となるときの第一の地震による揺れが生じている間の特定層間での特定方向θの時系列の相対的水平変位の最大振幅値を上回らない値である様にしたので、地震が発生して収まったときに建物の構造安全性能を簡易に評価できる。
また、前記限界水平変位値D(θ)は、設計情報を基に作成した数値モデルを用いて仮に第一の地震による揺れが収束したときに特定層間に残存した相対的な水平変位である残存水平変位値が前記残存限界水平変位値σ0以下で前記残存限界水平変位下限値より大きい状態となるときの第一の地震による揺れが生じている間の前記特定層間での前記特定方向θの時系列の相対的水平変位の最大振幅値である様にしたので、地震が発生して収まったときに建物の構造安全性能を簡易に評価できる。
また、限界水平変位値D(θ)は、設計情報を基に作成した数値モデルを用いて仮に第一の地震による揺れが収束したときに特定層間に残存した相対的な水平変位である残存水平変位値が残存限界水平変位値σ0に一致する状態となるときの第一の地震による揺れが生じている間の特定層間での特定方向θの時系列の相対的水平変位の最大振幅値である様にしたので、地震が発生して収まったときに建物の構造安全性能を簡易に評価できる。
また、限界水平変位値D(θ)は、設計情報を基に作成した数値モデルを用いて仮に高さ方向に建物建物設計用水平荷重分布をもつ荷重である特定荷重を静的に作用させた後で常用される履歴法則に基づき除荷したときに特定層間に残存する特定の方向θの水平変位が残存限界水平変位値σ0に一致する状態となるときの特定荷重を静的に作用させたときの特定層間での特定方向θの相対的水平変位の値である様にしたので、限界水平変位値D(θ)を簡易に求めることができる。
また、評価工程S40で上から見て時系列に並んだ複数の水平変位値と全方向限界水平変位値とを比較して単数または複数の水平変位値が全方向限界水平変位値を越えたか否かを基に建物の構造安全性能を評価する様にしたので、地震が発生して収まったときに建物の構造安全性能を簡易に評価できる。
また、予め地震による揺れが収束したときに特定層間に残存する相対的な水平変位の許容できる限界値である残存限界水平変位値σ0を定め、上から見て地震による揺れが収束したときの水平変位値が残存限界水平変位値σ0を越えたか否かを基に建物の構造安全性能を評価する様にしたので、地震が発生して収まったときに建物の構造安全性能を簡易に評価できる。
また、地震が収束したときに撮影機器110が視線を振って室内の状態を撮影する様にしたので、地震が収束したときの建物の室内の状態を簡易に評価できる。
本発明は以上に述べた実施形態に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で各種の変更が可能である。
C クライテリア
σ0 残存限界水平変位値
D(θ)限界水平変位値
XY 水平変位軌跡
10 建物
11 特定層間
12 特定箇所
13 柱、壁部材
14 床スラブ
15 非構造部材
100 水平変位測定機器
110 撮影機器
120 マーカー
121x X軸走査線
121y y軸走査線
130 地震検知PC
200 サーバ
210 サーバPC
220 メイルPC
300 外部PC
400 電子通信網
S10 準備工程
S20 解析工程
S30 記録工程
S40 評価工程
F30 記録機能
F31 画像取得機能
F32 移動検知機能
F33 地震検知機能
F34 時刻補正機能
F35 エラー処理機能
F36 走査線設定機能
F37 ログ機能
F38 検知状況機能

Claims (32)

  1. 地震が発生した直後に建物の構造安全性能である構造安全性能を評価する建物構造安全性能評価方法であって、
    建物の特定の層間である特定層間での相対的な水平変位を時系列に測定できる水平変位測定機器を準備する準備工程と、
    予め建物の設計情報を基に構造解析して建物の前記特定層間での上から見て周囲360°の方向での限界水平変位値D(θ)である全方向限界水平変位値D(0〜360°)を求める解析工程と、
    地震による揺れが生じてから地震による揺れが収束するまでの間に前記水平変位測定機器が前記特定層間での相対的な水平変位を時系列に測定して得られた時系列に並んだ複数の水平変位値を連続して記録する記録工程と、
    地震が収束したときに時系列に並んだ複数の前記水平変位値と前記全方向限界水平変位値とを比較して建物の構造安全性能を評価する評価工程と、
    を備えることを特徴とする建物構造安全性能評価方法。
  2. 特定方向θの前記限界水平変位値D(θ)は、設計情報を基に作成した数値モデルを用いて仮に第一の地震による揺れが生じた直後に同程度の規模の第二の地震による揺れが生じたとしたら第二の地震の揺れにより建物の構造部材の水平方向の変形が増加し続ける状態となるときの第一の地震による揺れが生じている間の前記特定層間での前記特定方向θの時系列の相対的水平変位の最大振幅値を上回らない値である、
    ことを特徴とする請求項1に記載の建物構造安全性能評価方法。
  3. 特定方向θの前記限界水平変位値D(θ)は、設計情報を基に作成した数値モデルを用いて仮に第一の地震による揺れが生じた直後に同程度の規模の第二の地震による揺れが生じたとしたら第二の地震の揺れにより建物の構造部材が不可逆な損傷を被り続ける状態となるときの第一の地震による揺れが生じている間の前記特定層間での特定方向θのの時系列の相対的水平変位の最大振幅値を上回らない値である、
    ことを特徴とする請求項2に記載の建物構造安全性能評価方法。
  4. 予め地震による揺れが収束したときに特定層間に残存する相対的な水平変位の許容できる限界値である残存限界水平変位値σ0と該残存限界水平変位値σ0より小さい残存限界水平変位下限値とを定め、
    特定方向θの前記限界水平変位値D(θ)は、設計情報を基に作成した数値モデルを用いて仮に第一の地震による揺れが収束したときに特定層間に残存した相対的な水平変位である残存水平変位値が前記残存限界水平変位値σ0以下であり前記残存限界水平変位下限値より大きい状態となるときの第一の地震による揺れが生じている間の前記特定層間での前記特定方向θの時系列の相対的水平変位の最大振幅値である、
    ことを特徴とする請求項3に記載の建物構造安全性能評価方法。
  5. 予め地震による揺れが収束したときに特定層間に残存する相対的な水平変位の許容できる限界値である残存限界水平変位値σ0を定め、
    特定方向θの前記限界水平変位値D(θ)は、設計情報を基に作成した数値モデルを用いて仮に第一の地震による揺れが収束したときに特定層間に残存した相対的な水平変位である残存水平変位値が前記残存限界水平変位値σ0に一致する状態となるときの第一の地震による揺れが生じている間の前記特定層間での前記特定方向θの時系列の相対的水平変位の最大振幅値である、
    ことを特徴とする請求項4に記載の建物構造安全性能評価方法。
  6. 予め地震による揺れが収束したときに特定層間に残存する相対的な水平変位の許容できる限界値である残存限界水平変位値σ0を定め、
    予め地震の揺れにより建物に作用するであろう特定方向θの水平荷重の高さ方向の分布である建物設計用水平荷重分布を定め、
    特定方向θの前記限界水平変位値D(θ)は、設計情報を基に作成した数値モデルを用いて仮に高さ方向に建物建物設計用水平荷重分布をもつ荷重である特定荷重を静的に作用させた後で常用される履歴法則に基づき除荷したときに前記特定層間に残存する特定の方向θの水平変位が前記残存限界水平変位値σ0に一致する状態となるときの前記特定荷重を静的に作用させたときの特定層間での前記特定方向θの相対的水平変位の値である、
    ことを特徴とする請求項5に記載の建物構造安全性能評価方法。
  7. 前記評価工程で上から見て時系列に並んだ複数の前記水平変位値と前記全方向限界水平変位値とを比較して単数または複数の前記水平変位値が前記全方向限界水平変位値を少なくとも1回は越えたか否かを基に建物の構造安全性能を評価する、
    ことを特徴とする請求項6に記載の建物構造安全性能評価方法。
  8. 予め地震による揺れが収束したときに特定層間に残存する相対的な水平変位の許容できる限界値である残存限界水平変位値σ0を定め、
    前記評価工程で上から見て地震による揺れが収束したときの水平変位値が前記残存限界水平変位値σ0を越えたか否かを基に建物の構造安全性能を評価する、
    ことを特徴とする請求項7に記載の建物構造安全性能評価方法。
  9. 地震が収束したときに室内の状態を撮影する撮影工程と、
    を備え、
    前記水平変位測定機器は前記特定層間の天井又は床のうちの一方に固定されるマーカーと前記特定層間の天井又は床のうちの他方に固定されマーカーを撮影できる撮影機器とを有し、
    前記撮影工程で地震が収束したときに前記撮影機器が視線を振って室内の状態を撮影する、
    ことを特徴とする請求項8に記載の建物構造安全性能評価方法。
  10. 特定方向θの前記限界水平変位値D(θ)は、設計情報を基に作成した数値モデルを用いて仮に第一の地震による揺れが生じた直後に同程度の規模の第二の地震による揺れが生じたとしたら第二の地震の揺れにより建物の構造部材が不可逆な損傷を被り続ける状態となるときの第一の地震による揺れが生じている間の前記特定層間での特定方向θのの時系列の相対的水平変位の最大振幅値を上回らない値である、
    ことを特徴とする請求項1に記載の建物構造安全性能評価方法。
  11. 予め地震による揺れが収束したときに特定層間に残存する相対的な水平変位の許容できる限界値である残存限界水平変位値σ0と該残存限界水平変位値σ0より小さい残存限界水平変位下限値とを定め、
    特定方向θの前記限界水平変位値D(θ)は、設計情報を基に作成した数値モデルを用いて仮に第一の地震による揺れが収束したときに特定層間に残存した相対的な水平変位である残存水平変位値が前記残存限界水平変位値σ0以下であり前記残存限界水平変位下限値より大きい状態となるときの第一の地震による揺れが生じている間の前記特定層間での前記特定方向θの時系列の相対的水平変位の最大振幅値である、
    ことを特徴とする請求項1に記載の建物構造安全性能評価方法。
  12. 予め地震による揺れが収束したときに特定層間に残存する相対的な水平変位の許容できる限界値である残存限界水平変位値σ0を定め、
    特定方向θの前記限界水平変位値D(θ)は、設計情報を基に作成した数値モデルを用いて仮に第一の地震による揺れが収束したときに特定層間に残存した相対的な水平変位である残存水平変位値が前記残存限界水平変位値σ0に一致する状態となるときの第一の地震による揺れが生じている間の前記特定層間での前記特定方向θの時系列の相対的水平変位の最大振幅値である、
    ことを特徴とする請求項1に記載の建物構造安全性能評価方法。
  13. 予め地震による揺れが収束したときに特定層間に残存する相対的な水平変位の許容できる限界値である残存限界水平変位値σ0を定め、
    予め地震の揺れにより建物に作用するであろう特定方向θの水平荷重の高さ方向の分布である建物設計用水平荷重分布を定め、
    特定方向θの前記限界水平変位値D(θ)は、設計情報を基に作成した数値モデルを用いて仮に高さ方向に建物建物設計用水平荷重分布をもつ荷重である特定荷重を静的に作用させた後で常用される履歴法則に基づき除荷したときに前記特定層間に残存する特定の方向θの水平変位が前記残存限界水平変位値σ0に一致する状態となるときの前記特定荷重を静的に作用させたときの特定層間での前記特定方向θの相対的水平変位の値である、
    ことを特徴とする請求項1に記載の建物構造安全性能評価方法。
  14. 前記評価工程で上から見て時系列に並んだ複数の前記水平変位値と前記全方向限界水平変位値とを比較して単数または複数の前記水平変位値が前記全方向限界水平変位値を少なくとも1回は越えたか否かを基に建物の構造安全性能を評価する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の建物構造安全性能評価方法。
  15. 予め地震による揺れが収束したときに特定層間に残存する相対的な水平変位の許容できる限界値である残存限界水平変位値σ0を定め、
    前記評価工程で上から見て地震による揺れが収束したときの水平変位値が前記残存限界水平変位値σ0を越えたか否かを基に建物の構造安全性能を評価する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の建物構造安全性能評価方法。
  16. 地震が収束したときに室内の状態を撮影する撮影工程と、
    を備え、
    前記水平変位測定機器は前記特定層間の天井又は床のうちの一方に固定されるマーカーと前記特定層間の天井又は床のうちの他方に固定されマーカーを撮影できる撮影機器とを有し、
    前記撮影工程で地震が収束したときに前記撮影機器が視線を振って室内の状態を撮影する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の建物構造安全性能評価方法。
  17. 建物の地震発生後の構造安全性能を評価する建物構造安全性能評価システムであって、
    建物の特定の層間である特定層間での相対的な水平変位を時系列に測定できる水平変位測定機器と、
    を備え、
    予め建物の設計情報を基に構造解析して建物の前記特定層間での上から見て周囲360°の方向での限界水平変位値D(θ)である全方向限界水平変位値D(0〜360°)を求め、
    地震が発生してから地震が収束するまでの間に前記水平変位測定機器が前記特定層間での相対的な水平変位を時系列に測定して得られた時系列に並んだ複数の水平変位値を記録することを連続して行い、
    地震が収束したときに時系列に並んだ複数の前記水平変位値と前記全方向限界水平変位値とを比較して建物の構造安全性能を評価する、
    ことを特徴とする建物構造安全性能評価システム。
  18. 特定方向θの前記限界水平変位値D(θ)は、設計情報を基に作成した数値モデルを用いて仮に第一の地震による揺れが生じた直後に同程度の規模の第二の地震による揺れが生じたとしたら第二の地震の揺れにより建物の構造部材の水平方向の変形が増加し続ける状態となるときの第一の地震による揺れが生じている間の前記特定層間での前記特定方向θの時系列の相対的水平変位の最大振幅値を上回らない値である、
    ことを特徴とする請求項17に建物構造安全性能評価システム。
  19. 特定方向θの前記限界水平変位値D(θ)は、設計情報を基に作成した数値モデルを用いて仮に第一の地震による揺れが生じた直後に同程度の規模の第二の地震による揺れが生じたとしたら第二の地震の揺れにより建物の構造部材が不可逆な損傷を被り続ける状態となるときの第一の地震による揺れが生じている間の前記特定層間での前記特定方向θの時系列の相対的水平変位の最大振幅値を上回らない値である、
    ことを特徴とする請求項18に記載の建物構造安全性能評価システム。
  20. 予め地震による揺れが収束したときに特定層間に残存する相対的な水平変位の許容できる限界値である残存限界水平変位値σ0と該残存限界水平変位値σ0より小さい残存限界水平変位下限値とを定め、
    特定方向θの前記限界水平変位値D(θ)は、設計情報を基に作成した数値モデルを用いて仮に第一の地震による揺れが収束したときに特定層間に残存した相対的な水平変位である残存水平変位値が前記残存限界水平変位値σ0以下であり前記残存限界水平変位下限値より大きい状態となるときの第一の地震による揺れが生じている間の前記特定層間での前記特定方向θの時系列の相対的水平変位の最大振幅値である、
    ことを特徴とする請求項19に記載の建物構造安全性能評価システム。
  21. 予め地震による揺れが収束したときに特定層間に残存する相対的な水平変位の許容できる限界値である残存限界水平変位値σ0を定め、
    特定方向θの前記限界水平変位値D(θ)は、設計情報を基に作成した数値モデルを用いて仮に第一の地震による揺れが収束したときに特定層間に残存した相対的な水平変位である残存水平変位値が前記残存限界水平変位値σ0に一致する状態となるときの第一の地震による揺れが生じている間の前記特定層間での前記特定方向θの時系列の相対的水平変位の最大振幅値である、
    ことを特徴とする請求項20に記載の建物構造安全性能評価システム。
  22. 予め地震による揺れが収束したときに特定層間に残存する相対的な水平変位の許容できる限界値である残存限界水平変位値σ0を定め、
    予め地震の揺れにより建物に作用するであろう特定方向θの水平荷重の高さ方向の分布である建物設計用水平荷重分布を定め、
    特定方向θの前記限界水平変位値D(θ)は、設計情報を基に作成した数値モデルを用いて仮に高さ方向に建物建物設計用水平荷重分布をもつ荷重である特定荷重を静的に作用させた後で常用される履歴法則に基づき除荷したときに前記特定層間に残存する特定の方向θの水平変位が前記残存限界水平変位値σ0に一致する状態となるときの前記特定荷重を静的に作用させたときの特定層間での前記特定方向θの相対的水平変位の値である、
    ことを特徴とする請求項21に記載の建物構造安全性能評価システム。
  23. 地震が収束したときに上から見て時系列に並んだ複数の前記水平変位値と前記全方向限界水平変位値とを比較して単数または複数の前記水平変位値が前記全方向限界水平変位値を少なくとも1回は越えたか否かを基に建物の構造安全性能を評価する、
    ことを特徴とする請求項22に記載の建物構造安全性能評価方法。
  24. 予め地震による揺れが収束したときに特定層間に残存する相対的な水平変位の許容できる限界値である残存限界水平変位値σ0を定め、
    前記評価工程で上から見て地震による揺れが収束したときの水平変位値が前記残存限界水平変位値σ0を越えたか否かを基に建物の構造安全性能を評価する、
    ことを特徴とする請求項23に記載の建物構造安全性能評価システム。
  25. 前記水平変位測定機器は前記特定層間の天井又は床のうちの一方に固定されるマーカーと前記特定層間の天井又は床のうちの他方に固定され前記マーカーを撮影できる撮影機器とを有し、
    地震が収束したときに前記撮影機器が視線を振って室内の状態を撮影する、
    ことを特徴とする請求項24に記載の建物構造安全性能評価システム。
  26. 特定方向θの前記限界水平変位値D(θ)は、設計情報を基に作成した数値モデルを用いて仮に第一の地震による揺れが生じた直後に同程度の規模の第二の地震による揺れが生じたとしたら第二の地震の揺れにより建物の構造部材が不可逆な損傷を被り続ける状態となるときの第一の地震による揺れが生じている間の前記特定層間での前記特定方向θの時系列の相対的水平変位の最大振幅値を上回らない値である、
    ことを特徴とする請求項17に記載の建物構造安全性能評価システム。
  27. 予め地震による揺れが収束したときに特定層間に残存する相対的な水平変位の許容できる限界値である残存限界水平変位値σ0と該残存限界水平変位値σ0より小さい残存限界水平変位下限値とを定め、
    特定方向θの前記限界水平変位値D(θ)は、設計情報を基に作成した数値モデルを用いて仮に第一の地震による揺れが収束したときに特定層間に残存した相対的な水平変位である残存水平変位値が前記残存限界水平変位値σ0以下であり前記残存限界水平変位下限値より大きい状態となるときの第一の地震による揺れが生じている間の前記特定層間での前記特定方向θの時系列の相対的水平変位の最大振幅値である、
    ことを特徴とする請求項17に記載の建物構造安全性能評価システム。
  28. 予め地震による揺れが収束したときに特定層間に残存する相対的な水平変位の許容できる限界値である残存限界水平変位値σ0を定め、
    特定方向θの前記限界水平変位値D(θ)は、設計情報を基に作成した数値モデルを用いて仮に第一の地震による揺れが収束したときに特定層間に残存した相対的な水平変位である残存水平変位値が前記残存限界水平変位値σ0に一致する状態となるときの第一の地震による揺れが生じている間の前記特定層間での前記特定方向θの時系列の相対的水平変位の最大振幅値である、
    ことを特徴とする請求項17に記載の建物構造安全性能評価システム。
  29. 予め地震による揺れが収束したときに特定層間に残存する相対的な水平変位の許容できる限界値である残存限界水平変位値σ0を定め、
    予め地震の揺れにより建物に作用するであろう特定方向θの水平荷重の高さ方向の分布である建物設計用水平荷重分布を定め、
    特定方向θの前記限界水平変位値D(θ)は、設計情報を基に作成した数値モデルを用いて仮に高さ方向に建物建物設計用水平荷重分布をもつ荷重である特定荷重を静的に作用させた後で常用される履歴法則に基づき除荷したときに前記特定層間に残存する特定の方向θの水平変位が前記残存限界水平変位値σ0に一致する状態となるときの前記特定荷重を静的に作用させたときの特定層間での前記特定方向θの相対的水平変位の値である、
    ことを特徴とする請求項17に記載の建物構造安全性能評価システム。
  30. 地震が収束したときに上から見て時系列に並んだ複数の前記水平変位値と前記全方向限界水平変位値とを比較して単数または複数の前記水平変位値が前記全方向限界水平変位値を少なくとも1回は越えたか否かを基に建物の構造安全性能を評価する、
    ことを特徴とする請求項17に記載の建物構造安全性能評価システム。
  31. 予め地震による揺れが収束したときに特定層間に残存する相対的な水平変位の許容できる限界値である残存限界水平変位値σ0を定め、
    前記評価工程で上から見て地震による揺れが収束したときの水平変位値が前記残存限界水平変位値σ0を越えたか否かを基に建物の構造安全性能を評価する、
    ことを特徴とする請求項17に記載の建物構造安全性能評価システム。
  32. 前記水平変位測定機器は前記特定層間の天井又は床のうちの一方に固定されるマーカーと前記特定層間の天井又は床のうちの他方に固定され前記マーカーを撮影できる撮影機器とを有し、
    地震が収束したときに前記撮影機器が視線を振って室内の状態を撮影する、
    ことを特徴とする請求項17に記載の建物構造安全性能評価システム。
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