JP2019049284A - スプール弁装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】コストの上昇を抑えつつ寿命の向上を図ることができるスプール弁装置を提供する。【解決手段】方向制御弁31のハウジング32には、複数のポート38,39A,39B,40A,40Bが設けられている。スプール41には、軸方向に離間して油溝44,44とランド42,43A,43Bとが設けられている。右側ランド43Bには、油溝44との境界部に位置してノッチ43B1が設けられている。右アクチュエータポート39Bと右タンクポート40Bとがノッチ43B1を通じて連通したときに、高圧側の右アクチュエータポート39Bから流れ込む作動油が衝突する右端側凹溝36Bの内周面36B1には、複数の有底状の小穴53A,53Aからなる気泡溜り53が設けられている。【選択図】図3

Description

本発明は、例えば、油圧ショベル等の建設機械に搭載される油圧システム(液圧システム)の方向制御弁、圧力制御弁、流量制御弁等として用いられるスプール弁装置に関する。
一般に、油圧ショベル、油圧クレーン、ホイールローダ等の建設機械には、油圧駆動装置(液圧駆動装置)とも呼ばれる油圧システム(液圧システム)が搭載されている。このような油圧システムは、例えば、油圧ポンプ等の油圧源(液圧源)と、油圧源から供給される圧油により駆動される油圧モータ、油圧シリンダ等の油圧アクチュエータ(液圧アクチュエータ)と、油圧源と油圧アクチュエータとの間に設けられ油圧アクチュエータに対する圧油の供給と排出を切換える方向制御弁等のスプール弁(スプール弁装置)とを含んで構成されている。
ここで、油圧システムに用いられるスプール弁は、入力された指令に応じてスプールと呼ばれる弁体を軸方向に変位させることで開口量を調整し、油圧システムの流速、圧力および方向を制御する役割を持っている。このスプール弁を作動油等の液体が通過するとき、液体の粘性抵抗や動圧(いわゆる、流体力)によってスプールの軸回転方向に力が発生し、スプールが回転する場合がある。
この場合に、スプールが回転し続けると、スプールとハウジングとの摺動部が摩耗する可能性がある。そして、この摩耗が進行すると、スプールとハウジングとの間の漏れによる流量損失の増加、スプールの変形による機器寿命の低下を招くおそれがある。さらに、摩耗によって発生した摩耗粉が摺動部に噛み込まれることにより、スプールがスティック(固着)する可能性もある。この場合には、液圧回路の制御ができなくなるおそれも考えられる。
これらの問題を解決する技術として、例えば、特許文献1には、スプールの回転を規制する回転規制部を設けたスプール弁が記載されている。このスプール弁は、スプールの軸方向の摺動は自在とし、回転方向のみを規制する構造となっている。即ち、スプールの軸方向位置がいかなる位置であっても、スプールの回転を阻止することができる。この技術によれば、回転規制部によりスプールの回転を阻止することができ、スプール摺動部の摩耗を低減できると考えられる。
しかし、特許文献1に記載された技術の場合、スプールの端部に回転規制部を有しており、また、スプールには流量制御性能向上や油撃防止のためにノッチと呼ばれる切り欠が設けられている。そして、このノッチを流体(作動油)が通過するとき、ベルヌーイの法則に従い流速が急激に増加し、同時に圧力が急激に低下する。このとき、この急激な圧力低下に伴って、液体の圧力が、その液体の種類(液種)によって決定される飽和蒸気圧よりも低くなると、液体中に気泡が発生し膨張するキャビテーションが発生する。
さらに、ノッチ(絞り部)で発生した気泡は、高速流体噴流に乗ってノッチの下流部へと流される。このとき、キャビテーションが発生しているノッチよりも下流部の圧力の方が高くなるため、気泡周囲の圧力は徐々に回復し、やがて気泡はこの回復してきた圧力によって押しつぶされる。この気泡が押しつぶされて崩壊した瞬間、局所的に高い衝撃圧が発生し、これが機器部材表面を損傷させ、エロージョン(壊食)が発生する可能性がある。
特許文献1の技術では、スプールが回転しない構造となっているため、ノッチで発生したキャビテーション噴流が下流側のハウジング壁面に衝突し続ける状態となり、ハウジング壁面でエロージョンが発生する可能性がある。しかも、キャビテーション噴流は、同位置に集中して噴射され続けるため、エロージョンの進行(浸食速度)は速く、機器寿命を過度に低下させるおそれがある。
このようなエロージョンの問題を解決するために、例えば、特許文献2に記載された技術を採用することが考えられる。特許文献2には、弁のキャビテーションが発生する部品を耐エロージョン性の高い高硬度の素材で形成することにより、エロージョンの発生を抑制する技術が記載されている。
特開平03−163274号公報(特許第2873841号公報) 特開2010−5495号公報(特許第5540475号公報)
上述のように、スプール弁は、スプールの回転による摩耗とエロージョンとがトレードオフの関係にある。特許文献1の技術のように、スプールの回転を規制して回転による摩耗を抑制すると、ノッチの回転位置が固定されるため、エロージョンが発生し易くなる可能性がある。ここで、例えば、特許文献2に記載された耐エロージョン性の高い材料(材質)を使用することが有効な対策として挙げることができる。しかし、耐エロージョン性の高い材料は、一般的に用いられる材料(例えば、鉄等)と比較して高価であり、エロージョンの発生が予測される部品(例えば、ハウジング)にその材料を採用することは、スプール弁の生産性の低下やコストの上昇に繋がる可能性がある。
本発明の目的は、コストの上昇を抑えつつ寿命の向上を図ることができるスプール弁装置を提供することにある。
本発明のスプール弁装置は、スプール摺動穴を有し、切換部を挟んで前記スプール摺動穴の軸方向に複数のポートが設けられた筒状のハウジングと、前記ハウジングのスプール摺動穴に移動可能に挿嵌され前記各ポート間を連通または遮断させるため軸方向に離間して油溝とランドとが設けられたスプールと、前記スプールの前記ランドと前記油溝との境界部に位置して前記ランドに設けられ、前記スプールが移動するときに前記各ポート間を連通させるクラッキング位置で前記各ポート間を小流量で連通させるノッチとを備えてなるスプール弁装置において、前記各ポートが前記ノッチを通じて連通したときに高圧側のポートから流れ込む作動油が衝突する低圧側のポートの内周面には、少なくとも1つの有底状の小穴からなる気泡溜りが設けられている。
本発明によれば、コストの上昇を抑えつつ寿命の向上を図ることができる。即ち、キャビテーション噴流が衝突するハウジング壁面には、少なくとも1つの小穴が設けられている。この小穴は、内部にキャビテーションによる気泡が入り込むことにより気泡溜りとなると共に、その小穴の開口側に乱流場を形成することができる。即ち、キャビテーション噴流が衝突する噴流衝突部には、ハウジング壁面に設けられた少なくとも1つの小穴によって、気泡溜りと乱流場が形成される。これにより、噴流衝突部に気泡の崩壊や崩壊時の衝撃圧を低減する流れを惹起(引き起こす)ことができ、エロージョンの発生を抑制することができる。この結果、材料の変更によるコストの上昇を抑えつつ、寿命を向上することができる。
第1の実施の形態によるスプール弁装置が搭載された油圧ショベルを示す正面図である。 レバー操作装置、スプール弁装置等を示す油圧アクチュエータ駆動用の油圧回路図である。 スプールが中立位置でのスプール弁装置を示す縦断面図である。 スプールが中立位置から右側に変位したときの図3中の(IV)部に相当する拡大断面図である。 図4中の矢示V方向からみた矢視図である。 キャビテーション噴流と小穴との関係を示す説明図(断面図)である。 第2の実施の形態によるスプール弁装置を示す要部断面図である。 図7中の矢示VIII方向からみた矢視図である。
以下、本発明のスプール弁装置の実施の形態を、油圧ショベルに搭載された方向制御弁に適用した場合を例に挙げ、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1ないし図6は、第1の実施の形態を示している。図1において、建設機械の代表例である油圧ショベル1は、自走可能なクローラ式の下部走行体2と、下部走行体2上に設けられた旋回装置3と、下部走行体2上に旋回装置3を介して旋回可能に搭載された上部旋回体4と、上部旋回体4の前側に設けられ掘削作業等を行う多関節構造の作業装置5とを含んで構成されている。この場合、下部走行体2と上部旋回体4は、油圧ショベル1の車体を構成している。
下部走行体2は、例えば、履帯2Aと、該履帯2Aを周回駆動させることにより油圧ショベル1を走行させる左,右の走行用油圧モータ(図示せず)とを含んで構成されている。下部走行体2は、後述のメイン油圧ポンプ13(図2参照)からの圧油の供給に基づいて、油圧モータ(油圧アクチュエータ)である走行用油圧モータが回転することにより、上部旋回体4および作業装置5と共に走行する。
作業機またはフロントとも呼ばれる作業装置5は、例えば、ブーム5A、アーム5B、作業具としてのバケット5Cと、これらを駆動する油圧アクチュエータ(液圧アクチュエータ)としてのブームシリンダ5D、アームシリンダ5E、バケットシリンダ(作業具シリンダ)5Fとを含んで構成されている。作業装置5は、メイン油圧ポンプ13(図2参照)からの圧油の供給に基づいて、油圧シリンダであるシリンダ5D,5E,5Fが伸長または縮小することにより、俯仰動(揺動)する。なお、後述の図2の油圧回路図では、図面が複雑になることを避けるために、主としてブームシリンダ5Dに関する油圧回路を示しており、アームシリンダ5E、バケットシリンダ5F、前述の左,右の走行用油圧モータ、後述の旋回用油圧モータに関する油圧回路を省略している。
上部旋回体4は、旋回軸受、旋回用油圧モータ、減速機構等を含んで構成される旋回装置3を介して、下部走行体2上に搭載されている。上部旋回体4は、メイン油圧ポンプ13(図2参照)からの圧油の供給に基づいて、油圧モータ(油圧アクチュエータ)である旋回用油圧モータが回転することにより、下部走行体2上で作業装置5と共に旋回する。上部旋回体4は、上部旋回体4の支持構造体(ベースフレーム)となる旋回フレーム6と、旋回フレーム6上に搭載されたキャブ7、カウンタウエイト8等とを含んで構成されている。この場合、旋回フレーム6上には、エンジン12に加えて、図2に示す油圧ポンプ13,19、作動油タンク14等が搭載されている。
旋回フレーム6は、旋回装置3を介して下部走行体2に取付けられている。旋回フレーム6の前部左側には、内部が運転室となったキャブ7が設けられている。旋回フレーム6の後端側には、作業装置5との重量バランスをとるためのカウンタウエイト8が設けられている。キャブ7とカウンタウエイト8との間は、エンジン12、油圧ポンプ13,19(図2参照)等が収容される機械室9となっている。さらに、上部旋回体4(旋回フレーム6)のほぼ中央(中心)には、後述の制御弁装置21が設置されている。
ここで、キャブ7内には、オペレータが着席する運転席(図示せず)が設けられている。運転席の周囲には、油圧ショベル1を操作するための操作装置(図2にブーム用レバー操作装置22のみ図示)が設けられている。操作装置は、例えば、運転席の前側に設けられた左,右の走行用レバー・ペダル操作装置と、運転席の左右両側にそれぞれ設けられた左,右の作業用レバー操作装置とを含んで構成されている。
左,右の走行用レバー・ペダル操作装置は、下部走行体2を走行させるときにオペレータにより操作される。左,右の作業用レバー操作装置は、作業装置5を動作させるとき、および、上部旋回体4を旋回させるときにオペレータにより操作される。なお、後述の図2の油圧回路図では、各種の操作装置(走行用操作装置および作業用操作装置)のうち作業装置5のブーム5Aを操作(揺動)するためのブーム用レバー操作装置22のみを示している(左右の走行用レバー・ペダル操作装置、旋回用レバー操作装置、アーム用レバー操作装置、バケット用レバー操作装置等を省略している)。ブーム用レバー操作装置22は、例えば、右側の作業用レバー操作装置の前後方向の操作に対応するものである。
操作装置は、オペレータの操作(レバー操作、ペダル操作)に応じたパイロット信号(パイロット圧)を、複数の方向制御弁(図2にブーム用方向制御弁31のみ図示)からなる制御弁装置21に出力する。これにより、オペレータは、走行用油圧モータ、作業装置5のシリンダ5D,5E,5F、旋回装置3の旋回用油圧モータを動作(駆動)させることができる。なお、後述の図2の油圧回路図では、制御弁装置21を構成する複数の方向制御弁のうち、ブーム用方向制御弁31のみを示している(例えば、左走行用方向制御弁、右走行用方向制御弁、旋回用方向制御弁、アーム用方向制御弁、バケット用方向制御弁等を省略している)。
次に、油圧ショベル1を駆動するための油圧駆動装置(油圧システム)について、図1に加え、図2も参照しつつ説明する。
図2に示すように、油圧ショベル1は、油圧ポンプ13から供給される圧油に基づいて油圧ショベル1を動作(駆動)させる油圧回路11を備えている。油圧回路11は、油圧アクチュエータ(以下、単にシリンダ5Dともいう)を含むメイン油圧回路11Aと、シリンダ5Dを操作するためのパイロット油圧回路11Bとを含んで構成されている。
即ち、油圧回路11は、シリンダ5Dと、エンジン12(図1参照)と、メイン油圧ポンプ13と、タンクとしての作動油タンク14と、パイロット油圧ポンプ19と、制御弁装置21(ブーム用方向制御弁31)と、操作装置(以下、単にレバー操作装置22ともいう)とを含んで構成されている。そして、油圧回路11のメイン油圧回路11Aは、シリンダ5Dに加え、エンジン12と、メイン油圧ポンプ13と、作動油タンク14と、制御弁装置21(ブーム用方向制御弁31)と、ポンプ管路としてのメイン吐出管路15と、タンク管路としての戻り管路16と、一側アクチュエータ管路としてのボトム側管路17と、他側アクチュエータ管路としてのロッド側管路18とを備えている。一方、油圧回路11のパイロット油圧回路11Bは、エンジン12と、パイロット油圧ポンプ19と、作動油タンク14と、レバー操作装置22と、パイロット吐出管路20と、一側パイロット管路としての伸長側パイロット管路23と、他側パイロット管路としての縮小側パイロット管路24とを備えている。
エンジン12(図1参照)は、旋回フレーム6に搭載されている。エンジン12は、例えばディーゼルエンジン等の内燃機関によって構成されている。エンジン12の出力側には、メイン油圧ポンプ13、および、パイロット油圧ポンプ19が取付けられている。これら油圧ポンプ13,19は、エンジン12によって回転駆動される。なお、油圧ポンプ13,19を駆動するための駆動源(動力源)は、内燃機関となるエンジン12単体で構成できる他、例えば、エンジンと電動モータ、または、電動モータ単体により構成してもよい。
メイン油圧ポンプ13は、エンジン12に機械的に(即ち、動力伝達可能に)接続されている。メイン油圧ポンプ13は、シリンダ5Dを含むメイン油圧回路11Aに圧油を供給する。メイン油圧ポンプ13は、例えば、可変容量型の油圧ポンプ、より具体的には、可変容量型の斜板式、斜軸式またはラジアルピストン式油圧ポンプによって構成されている。なお、図2では、メイン油圧ポンプ13を1台の油圧ポンプで示しているが、例えば、2台以上の複数の油圧ポンプにより構成することができる。
メイン油圧ポンプ13は、制御弁装置21(ブーム用方向制御弁31)を介してシリンダ5Dに接続されている。メイン油圧ポンプ13は、シリンダ5Dに圧油を供給する。なお、図示は省略するが、メイン油圧ポンプ13は、例えば、ブームシリンダ5Dの他、走行用油圧モータ、旋回用油圧モータ、アームシリンダ5E、バケットシリンダ5Fにも圧油を供給する。
メイン油圧ポンプ13は、作動油タンク14に貯溜された作動油を圧油としてメイン吐出管路15に吐出する。メイン吐出管路15に吐出された圧油は、制御弁装置21(ブーム用方向制御弁31)を介してブームシリンダ5D(のボトム側油室またはロッド側油室)に供給され、ブームシリンダ5D(のロッド側油室またはボトム側油室)の圧油は、制御弁装置21(ブーム用方向制御弁31)および戻り管路16を介して作動油タンク14に戻る。このように、メイン油圧ポンプ13は、作動油を貯留する作動油タンク14と共に、メインの油圧源を構成している。
パイロット油圧ポンプ19は、メイン油圧ポンプ13と同様に、エンジン12に機械的に接続されている。パイロット油圧ポンプ19は、シリンダ5Dを操作するためのパイロット油圧回路11Bに圧油を供給する。パイロット油圧ポンプ19は、例えば、固定容量型の歯車ポンプまたは斜板式油圧ポンプによって構成されている。パイロット油圧ポンプ19は、作動油タンク14に貯溜された作動油を圧油としてパイロット吐出管路20に吐出する。即ち、パイロット油圧ポンプ19は、作動油タンク14と共にパイロット油圧源を構成している。
パイロット油圧ポンプ19は、レバー操作装置22と接続されている。パイロット油圧ポンプ19は、レバー操作装置22に圧油(1次圧)を供給する。この場合、パイロット油圧ポンプ19の圧油は、レバー操作装置22を介して、制御弁装置21(ブーム用方向制御弁31の油圧パイロット部31A,31B)に供給される。
制御弁装置21は、ブーム用方向制御弁31を含む複数の方向制御弁からなる制御弁群である。制御弁装置21は、メイン油圧ポンプ13から吐出された圧油を、ブーム用レバー操作装置22を含む各種の操作装置の操作に応じて、ブームシリンダ5D、アームシリンダ5E、バケットシリンダ5F、走行用油圧モータ、および、旋回用油圧モータに分配する。なお、以下の説明は、ブーム用方向制御弁31(以下、単に方向制御弁31ともいう)を制御弁装置21の代表例として説明する。
方向制御弁31は、キャブ7内に配置されたレバー操作装置22の操作による切換信号(パイロット圧)に応じて、メイン油圧ポンプ13からシリンダ5Dに供給される圧油の方向を制御する。これにより、シリンダ5Dは、メイン油圧ポンプ13から供給(吐出)される圧油(作動油)によって駆動(伸長、縮小)される。方向制御弁31は、パイロット操作式の方向制御弁、例えば、5ポート3位置(または、6ポート3位置、4ポート3位置)の油圧パイロット式方向制御弁により構成されている。
方向制御弁31は、メイン油圧ポンプ13とシリンダ5Dとの間でシリンダ5Dに対する圧油の供給と排出を切換えることにより、シリンダ5Dを伸長または縮小させる。方向制御弁31の油圧パイロット部31A,31Bには、レバー操作装置22の操作に基づく切換信号(パイロット圧)が供給される。これにより、方向制御弁31は、中立位置(A)から切換位置(B),(C)に切換操作される。
レバー操作装置22は、上部旋回体4のキャブ7内に配置されている。レバー操作装置22は、例えば、レバー式の減圧弁型パイロット弁により構成されている。レバー操作装置22には、パイロット油圧ポンプ19からの圧油(1次圧)がパイロット吐出管路20を通じて供給される。レバー操作装置22は、オペレータのレバー操作に応じたパイロット圧(2次圧)を、伸長側パイロット管路23または縮小側パイロット管路24を介して方向制御弁31に出力する。
即ち、レバー操作装置22は、オペレータによって操作されることにより、その操作量に比例したパイロット圧を方向制御弁31の油圧パイロット部31A,31Bに供給(出力)する。例えば、レバー操作装置22がシリンダ5Dを伸長させる方向に操作されると(即ち、ブーム5Aを上げるための上げ操作がされると)、この操作により発生したパイロット圧は、伸長側パイロット管路23を介して方向制御弁31の油圧パイロット部31Aに供給される。これにより、方向制御弁31は、中立位置(A)から切換位置(B)に切換わり、メイン油圧ポンプ13からの圧油がボトム側管路17を介してシリンダ5Dのボトム側油室に供給され、シリンダ5Dのロッド側油室の圧油がロッド側管路18、戻り管路16を介して作動油タンク14に戻る。
これに対して、例えば、レバー操作装置22がシリンダ5Dを縮小させる方向に操作されると(即ち、ブーム5Aを下げるための下げ操作がされると)、この操作により発生したパイロット圧は、縮小側パイロット管路24を介して方向制御弁31の油圧パイロット部31Bに供給される。これにより、方向制御弁31は、中立位置(A)から切換位置(C)に切換わり、メイン油圧ポンプ13からの圧油がロッド側管路18を介してシリンダ5Dのロッド側油室に供給され、シリンダ5Dのボトム側油室の圧油がボトム側管路17、戻り管路16を介して作動油タンク14に戻る。
次に、スプール弁装置としての方向制御弁31について、図1および図2に加え、図3ないし図6も参照しつつ説明する。
方向制御弁31は、油圧源(メイン油圧ポンプ13および作動油タンク14)と油圧アクチュエータ(シリンダ5D)との間に設けられている。方向制御弁31は、スプール41を図2の(A)に示す中立位置から例えば(B)または(C)に示す切換位置に摺動変位させることにより、シリンダ5Dに供給、排出する圧油の方向および流量を制御する。方向制御弁31は、ポンプポート38を境にしてスプール41の軸方向で対称に形成されている。方向制御弁31は、ハウジング32と、スプール41と、左,右のキャップ45A,45Bと、左,右のスプリング47A,47Bと、左,右の回転規制部48A,48Bとを含んで構成されている。
ハウジング32は、方向制御弁31の弁本体を構成するものである。図3に示すように、ハウジング32は、筒状に形成されており、ハウジング32の内周側は、スプール摺動穴33となっている。換言すれば、ハウジング32は、軸方向(図2の左,右方向)に延びるスプール摺動穴33を有している。ハウジング32の一側(図2の左側)には、スプール摺動穴33の一側開口(左側開口)に対面するように一方のキャップとしての左キャップ45Aが取付けられている。ハウジング32の他側(図2の右側)には、スプール摺動穴33の他側開口(右側開口)に対面するように他方のキャップとしての右キャップ45Bが取付けられている。
スプール摺動穴33の軸方向の中央部には、中央凹溝34が形成されている。スプール摺動穴33のうち中央凹溝34よりも軸方向の一側(左側)には、一側凹溝としての左側凹溝35Aが形成されている。また、スプール摺動穴33のうち左側凹溝35Aよりも軸方向の一側、即ち、スプール摺動穴33の一端側(左端側)には、一端側凹溝としての左端側凹溝36Aが形成されている。これに対して、スプール摺動穴33のうち中央凹溝34よりも軸方向の他側(右側)には、他側凹溝としての右側凹溝35Bが形成されている。また、スプール摺動穴33のうち右側凹溝35Bよりも軸方向の他側、即ち、スプール摺動穴33の他端側(右端側)には、他端側凹溝としての右端側凹溝36Bが形成されている。
これら各凹溝34,35A,35B,36A,36Bは、いずれもスプール摺動穴33の全周にわたって環状に形成されている。また、各凹溝34,35A,35B,36A,36Bは、スプール摺動穴33の軸方向にわたってそれぞれ離間して設けられている。この場合、各凹溝34,35A,35B,36A,36Bの間は、それぞれスプール摺動穴33の内径側に向けて全周にわたって突出する切換部37,37となっている。
さらに、ハウジング32には、スプール摺動穴33の軸方向にそれぞれ離間して5つのポート、即ち、ポンプポート38、一対のアクチュエータポート39A,39B、および、一対のタンクポート40A,40Bが設けられている。ハウジング32の軸方向の中央部に設けられたポンプポート38は、ハウジング32の外面に開口する一側がメイン吐出管路15に接続され、スプール摺動穴33に開口する他側が中央凹溝34に連通している。
一対のアクチュエータポート39A,39Bのうち一方(左方)のアクチュエータポートとしての左アクチュエータポート39Aは、ハウジング32の外面に開口する一側がボトム側管路17に接続され、スプール摺動穴33に開口する他側が左側凹溝35Aに連通している。これに対して、他方(右方)のアクチュエータポートとしての右アクチュエータポート39Bは、ハウジング32の外面に開口する一側がロッド側管路18に接続され、スプール摺動穴33に開口する他側が右側凹溝35Bに連通している。
一対のタンクポート40A,40Bのうち一方(左方)のタンクポートとしての左タンクポート40Aは、ハウジング32の外面に開口する一側が戻り管路16に接続され、スプール摺動穴33に開口する他側が左端側凹溝36Aに連通している。これに対して、他方(右方)のタンクポートとしての右タンクポート40Bは、ハウジング32の外面に開口する一側が戻り管路16に接続され、スプール摺動穴33に開口する他側が右端側凹溝36Bに連通している。これにより、ハウジング32には、切換部37,37を挟んでスプール摺動穴33の軸方向に複数のポート38,39A,39B,40A,40Bが設けられている。
スプール41は、ハウジング32のスプール摺動穴33に移動可能(摺動可能)に挿嵌されている。スプール41は、油圧パイロット部31A,31Bに供給されるパイロット圧に応じて、スプール摺動穴33内を軸方向に摺動変位する。スプール41の軸方向中間部には、ランド(第1のランド)としての中央ランド42が設けられている。また、スプール41の軸方向両端側にも、ランド(第2のランド、第3のランド)としての左側ランド43A、右側ランド43Bが設けられている。これら各ランド42,43A,43Bは、スプール摺動穴33に対して軸方向に摺動する。この場合、各ランド42,43A,43Bの間は、スプール41の内径側に向けて全周にわたって凹入する油溝44,44となっている。即ち、スプール41には、各ポート間38,39A,39B,40A,40Bを連通または遮断させるため、軸方向に離間して油溝44,44とランド42,43A,43Bとが設けられている。
中央ランド42の一端側(左端側)には、軸方向に延びる複数個のノッチ42A(図3では1個のみ図示)が周方向に等間隔に離間して形成されている。中央ランド42の他端側(右端側)にも、軸方向に延びる複数個のノッチ42B(図3では1個のみ図示)が周方向に等間隔に離間して形成されている。これら各ノッチ42A,42Bは、中央ランド42と油溝44との境界部に位置して中央ランド42に設けられている。一方(左方)のノッチ42Aは、中央凹溝34と左側凹溝35Aとの間、即ち、ポンプポート38と左アクチュエータポート39Aとの間を流れる圧油を小流量で連通させる。他方(右方)のノッチ42Bは、中央凹溝34と右側凹溝35Bとの間、即ち、ポンプポート38と右アクチュエータポート39Bとの間を流れる圧油を小流量で連通させる。即ち、これら各ノッチ42A,42Bは、スプール41が移動するときに各ポート38,39A,39B間を連通させる位置(クラッキング位置)で各ポート38,39A,39B間を小流量で連通させる。
左側ランド43Aの右端側(他端側)には、軸方向に延びる複数個のノッチ43A1(図3では1個のみ図示)が周方向に等間隔に離間して形成されている。ノッチ43A1は、左側ランド43Aと油溝44との境界部に位置して左側ランド43Aに設けられている。ノッチ43A1は、左側凹溝35Aと左端側凹溝36Aとの間、即ち、左アクチュエータポート39Aと左タンクポート40Aとの間を流れる圧油を小流量で連通させる。即ち、ノッチ43A1は、スプール41が移動するときに各ポート39A,40A間を連通させる位置(クラッキング位置)で各ポート39A,40A間を小流量で連通させる。左側ランド43Aの左端部(一端部)、即ち、スプール41の左端部(一端部)には、左突出軸部49Aが設けられている。
一方、右側ランド43Bの左端側(一端側)にも、軸方向に延びる複数個のノッチ43B1(図3では1個のみ図示)が周方向に等間隔に離間して形成されている。ノッチ43B1は、右側ランド43Bと油溝44との境界部に位置して右側ランド43Bに設けられている。ノッチ43B1は、右側凹溝35Bと右端側凹溝36Bとの間、即ち、右アクチュエータポート39Bと右タンクポート40Bとの間を流れる圧油を小流量で連通させる。即ち、ノッチ43B1は、スプール41が移動するときに各ポート39B,40B間を連通させる位置(クラッキング位置)で各ポート39B,40B間を小流量で連通させる。右側ランド43Bの右端部(他端部)、即ち、スプール41の右端部(他端部)には、右突出軸部49Bが設けられている。
ここで、例えば、スプール41が、図3に示す中立位置から右方向に変位すると、中央ランド42と左側ランド43Aとの間の油溝44を介して中央凹溝34と左側凹溝35Aとの間が連通される。これと共に、中央ランド42と右側ランド43Bとの間の油溝44を介して右側凹溝35Bと右端側凹溝36Bとの間が連通される。この場合、メイン油圧ポンプ13から吐出された圧油は、メイン吐出管路15、ポンプポート38、中央凹溝34、切換部37と油溝44との間、および、左側凹溝35Aを介して左アクチュエータポート39Aへと導かれ、ボトム側管路17を介してシリンダ5Dのボトム側油室に供給される。これにより、シリンダ5Dを伸長させることができる。このとき、シリンダ5Dのロッド側油室の圧油は、ロッド側管路18、右アクチュエータポート39B、右側凹溝35B、切換部37と油溝44との間、および、右端側凹溝36Bを介して右タンクポート40Bへと導かれ、戻り管路16を介して作動油タンク14に戻される。
左キャップ45Aは、有底筒状に形成され、スプール摺動穴33の左端開口を塞ぐようにハウジング32に取付けられている。左キャップ45Aには、伸長側パイロット管路23が接続される接続ポート45A1が設けられている。左キャップ45Aの内部は、スプール41を軸方向に摺動変位させるための油圧パイロット部31Aとなっている。油圧パイロット部31A内には、左ばね受46Aと、左スプリング47Aとが設けられている。左ばね受46Aは、左突出軸部49Aの外周側に嵌合している。左スプリング47Aは、左突出軸部49Aの外周側で左キャップ45Aの底部と左ばね受46Aとの間に設けられている。左スプリング47Aは、左ばね受46Aを介してスプール41を中立位置(A)に向けて付勢している。
右キャップ45Bは、有底筒状に形成され、スプール摺動穴33の右端開口を塞ぐようにハウジング32に取付けられている。右キャップ45Bには、縮小側パイロット管路24が接続される接続ポート45B1が設けられている。右キャップ45Bの内部は、スプール41を軸方向に摺動変位させるための油圧パイロット部31Bとなっている。油圧パイロット部31B内には、右ばね受46Bと、右スプリング47Bとが設けられている。右ばね受46Bは、右突出軸部49Bの外周側に嵌合している。右スプリング47Bは、右突出軸部49Bの外周側で右キャップ45Bの底部と右ばね受46Bとの間に設けられている。右スプリング47Bは、右ばね受46Bを介してスプール41を中立位置(A)に向けて付勢している。
次に、スプール41の軸方向変位を許容すると共にスプール41の回転を規制(阻止)するための左,右の回転規制部48A,48Bについて説明する。なお、一方の回転規制部としての左回転規制部48Aと他方の回転規制部としての右回転規制部48Bは、左右が相違する以外同様の構成である。このため、右回転規制部48Bについては、左回転規制部48Aと同一の構成要素に符号「B」を付すことにより、その説明を省略する。
左回転規制部48Aは、スプール41の左端と左キャップ45Aとの間に設けられている。左回転規制部48Aは、スプール41が左キャップ45A側に向けて変位したときに、スプール41のスプール摺動穴33内における回転を規制する。左回転規制部48Aは、一方の突出軸部としての左突出軸部49Aと、一方の突部としての左突部50Aとを備えている。
左突出軸部49Aは、スプール41の左端に設けられ、左キャップ45A内に向けて軸方向に突出している。左突出軸部49Aは、円柱体からなり左側ランド43Aと一体に形成されている。左突出軸部49Aには、左突部50Aと係合する係合溝49A1が設けられている。
左突部50Aは、左キャップ45Aの底部に設けられている。左突部50Aは、左キャップ45Aの底部から係合溝49A1に向けて突出している。左突部50Aは、左突出軸部49Aの係合溝49A1に対応して形成されている。左突部50Aは、例えば、板状に形成されている。左突部50Aは、スプール41が中立位置から左方向に変位したときに係合溝49A1内に入り込む。これにより、スプール41は、軸方向の変位が許容され、かつ、スプール41の回転が阻止(規制)される。
ところで、スプール41の回転を規制する構成の場合、スプール41の回転に伴うスプール41とハウジング32との摩耗を抑制することができる。しかし、この場合、例えば、左,右のランド43A,43Bのノッチ43A1,43B1の回転方向の位置が固定される。このため、ノッチ43A1,43B1で発生したキャビテーション噴流が、下流側のハウジング壁面の同じ位置に衝突する傾向となる。即ち、ノッチ43A1で発生したキャビテーション噴流は、左端側凹溝36Aの内面(内周面、底面)の同じ位置に衝突する傾向となり、ノッチ43B1で発生したキャビテーション噴流は、右端側凹溝36Bの内面(内周面、底面)の同じ位置に衝突する傾向となる。これにより、左端側凹溝36Aの内面および右端側凹溝36Bの内面でエロージョンが発生し易くなる可能性がある。
即ち、スプール41が右方に変位すると、右アクチュエータポート39Bと右タンクポート40Bとがスプール41の右側ランド43Bのノッチ43B1を介して連通する。このとき、このノッチ43B1によって形成される油路の断面積は、他の部分の油路の断面積よりも小さくなる。このため、ノッチ43B1で作動油の流速の増加および圧力の低下が発生し、これによりキャビテーションが発生する可能性がある。そして、図6に示すように、ノッチ43B1で発生したキャビテーションは、気泡51を伴った作動油の流れとなるキャビテーション噴流52となって、右端側凹溝36Bの内周面36B1に衝突する。これにより、右端側凹溝36Bの内周面36B1にエロージョンが発生する可能性がある。しかも、スプール41の回転が規制されている構成の場合には、キャビテーション噴流52が同位置に集中して噴射されることにより、エロージョンの進行(浸食速度)が速くなる可能性がある。
これに対して、実施の形態では、ハウジング壁面(左端側凹溝36Aの内周面36A1および右端側凹溝36Bの内周面36B1)に、有底の小穴53A,53Aからなる気泡溜り53を設けている。即ち、図4に示すように、右端側凹溝36Bの底面となる内周面36B1には、複数の有底状の小穴53A,53Aからなる気泡溜り53が設けられている。この場合、右端側凹溝36Bの内周面36B1は、右アクチュエータポート39Bと右タンクポート40Bとがノッチ43B1を通じて連通したときに、高圧側の右アクチュエータポート39Bから流れ込む作動油が衝突する低圧側の右タンクポート40B側の内周面(油路壁面)に対応する。
また、図3に示すように、左端側凹溝36Aの内周面36A1にも、右端側凹溝36Bの内周面36B1と同様に、複数の有底状の小穴53A,53Aからなる気泡溜り53が設けられている。なお、左端側凹溝36Aの小穴53A,53Aは、左右が相違する以外、右端側凹溝36Bの小穴53A,53Aと同様の構成であるため、以下、主として右端側凹溝36Bの小穴53A,53Aを代表例として説明する。また、図3ないし図6(後述する図7および図8)では、小穴53A、気泡51、噴流52等を誇張して示している。
図6に示すように、小穴53A,53Aは、キャビテーションによる気泡51が入り込むことにより、気泡溜り53となるものである。気泡溜り53は、キャビテーションの気泡51の崩壊時に生じる衝撃圧を吸収する。即ち、気泡溜り53の気泡51が、崩壊する気泡51の衝撃圧を吸収することで、エロージョンに寄与(関与)する力を減衰する。また、小穴53A,53Aの縁(開口縁)を液体(作動油)が流れることにより渦54が発生する。この渦54の発生によって、キャビテーション噴流52が衝突する噴流衝突部(即ち、右端側凹溝36Bの内周面36B1の近辺)の圧力場が乱れる(換言すれば、内周面36B1の近辺に乱流場が形成される)。これにより、噴流衝突部付近の圧力回復が起こりにくくなり、気泡51の崩壊による衝撃力の発生を抑制することができる。
ここで、気泡溜り53を構成する小穴53A,53Aは、右端側凹溝36Bの内周面36B1のうちノッチ43B1に対応する部位に設けられている。即ち、小穴53A,53Aは、スプール41の周方向に関して、ノッチ43B1と対応する位置に設けられている。このため、スプール41が軸方向に変位したときに、ノッチ43B1と小穴53A,53Aとは、スプール41およびスプール摺動穴33の径方向で対面する。
また、図4および図6に示すように、気泡溜り53を構成する小穴53Aの穴径をDとし、ノッチ43B1を作動油(油液)が通過するときのキャビテーションによって発生する気泡51の直径をDbとし、ノッチ43B1から噴出して右端側凹溝36Bの内周面36B1へと向かう噴流52の直径をDcとする。このとき、次の数1式に示すように、小穴53Aの穴径Dは、気泡51の直径Dbよりも大きく、かつ、噴流52の直径Dcよりも小さく設定されている。これにより、小穴53A内に気泡51が溜り易くなる(入り込み易くなる)ようにしている。なお、キャビテーション噴流52の直径Dcは、右端側凹溝36Bの内周面36B1に衝突する直前の位置でのキャビテーション噴流52の直径Dcとすることができる。例えば、Dbは10μm程度となり、Dcは10mm程度となることから、Dは0.5〜3mm程度(より好ましくは、1mm程度)とすることが考えられる。
Figure 2019049284
また、右端側凹溝36Bの内周面36B1からの小穴53Aの深さをLとしたときに、次の数2式に示すように、小穴53Aの深さLは、小穴53Aの穴径Dよりも大きく設定されている。これにより、小穴53A内の深さ方向に気泡51を溜める(深さ方向に気泡51を積層させる)ことができるようにしている。なお、小穴53Aの深さLは、例えば、穴径Dの1.5倍ないし3倍程度とすることが考えられる。
Figure 2019049284
また、図5および図6に示すように、右端側凹溝36Bの軸方向(図5および図6の左,右方向)に関する小穴53Aが設けられた部位の寸法をXとし、右端側凹溝36Bの周方向(図5の上,下方向)に関する小穴53Aが設けられた部位の寸法をYとする。このとき、例えば、次の数3式に示すように、小穴53Aが設けられた部位の寸法X,Yを、キャビテーション噴流52の直径をDcよりも大きく設定することができる。この場合には、噴流52が、小穴53Aを設けた範囲内で衝突するようにできる。
Figure 2019049284
なお、実施の形態では、小穴53Aを複数設けているが、1個(単数)の小穴を設ける構成としてもよい。即ち、1個の有底状の小穴により気泡溜りを構成してもよい。また、複数の小穴53Aを設ける場合、各小穴53Aの径寸法D、深さ寸法Lは、全ての小穴53Aで同じにしてもよいし、必要に応じて異ならせてもよい。また、図5に示すように、実施の形態では、複数の小穴53Aを等間隔に、かつ、全体として矩形(四角形)の陣形となるように配置しているが、これに限らず、円形、楕円形、三角形、または、五角形以上の多角形等、他の形状の陣形となるように配置してもよい。即ち、小穴53Aの径寸法D、深さ寸法L、小穴53Aを設ける位置、範囲、小穴53Aの配置、陣形は、エロージョンを抑制することができるように(換言すれば、気泡51の崩壊や崩壊時の衝撃圧を低減する流れを惹起できるように)、設計者の意図や方向制御弁31の仕様等に応じて適宜設定することができる。
第1の実施の形態による油圧ショベル1および方向制御弁31は、上述の如き構成を有するもので、次に、その動作について説明する。
キャブ7に搭乗したオペレータがエンジン12を始動させると、エンジン12によって油圧ポンプ13,19が駆動される。これにより、油圧ポンプ13,19から吐出した圧油は、キャブ7内に設けられた走行用操作装置および作業用操作装置(レバー操作装置22)のレバー操作、ペダル操作に応じて、走行油圧モータ、旋回油圧モータ、作業装置5のブームシリンダ5D、アームシリンダ5E、バケットシリンダ5Fに向けて吐出する。これにより、油圧ショベル1は、下部走行体2による走行動作、上部旋回体4の旋回動作、作業装置5による掘削作業等を行うことができる。
ここで、例えば、レバー操作装置22がシリンダ5Dを伸長させる方向に操作される(即ち、ブーム5Aを上げ動作させるための上げ操作がされる)と、レバー操作装置22から方向制御弁31の油圧パイロット部31Aにパイロット圧が供給される。これにより、方向制御弁31は、中立位置(A)から切換位置(B)に切換わる。即ち、図3に示すように、レバー操作装置22から左キャップ45A内の油圧パイロット部31Aにパイロット圧が供給され、スプール41が右キャップ45B内の右スプリング47Bに抗して右方向に摺動変位する。
これにより、ハウジング32のポンプポート38と左アクチュエータポート39Aとが、中央凹溝34、中央ランド42のノッチ42A、中央ランド42と左側ランド43Aとの間の油溝44、左側凹溝35Aを介して連通する。また、右アクチュエータポート39Bと右タンクポート40Bとが、右側凹溝35B、中央ランド42と右側ランド43Bとの間の油溝44、右側ランド43Bのノッチ43B1、右端側凹溝36Bを介して連通する。この結果、シリンダ5Dのボトム側油室には、メイン油圧ポンプ13からの圧油が、メイン吐出管路15、ポンプポート38、左アクチュエータポート39A、ボトム側管路17を介して供給される。また、シリンダ5Dのロッド側油室の圧油は、ロッド側管路18,右アクチュエータポート39B、右タンクポート40B、戻り管路16を介して作動油タンク14内に排出される。この結果、シリンダ5Dが伸長する。
このとき、右側ランド43Bのノッチ43B1によって形成される油路の断面積が他の部分の油路の断面積よりも小さくなることから、ノッチ43B1で作動油の流速の増加および圧力の低下が発生し、これによりキャビテーションが発生する可能性がある。そして、図6に示すように、ノッチ43B1で発生したキャビテーション噴流52は、右端側凹溝36Bの内周面36B1に衝突する。これに対して、レバー操作装置22がシリンダ5Dを縮小させる方向に操作される(即ち、ブーム5Aを下げ動作させるための下げ操作がされる)と、左側ランド43Aのノッチ43A1で発生したキャビテーション噴流(図示省略)は、左端側凹溝36Aの内周面36A1に衝突する。
この場合、第1の実施の形態では、キャビテーション噴流52が衝突するハウジング壁面、即ち、低圧側のタンクポート40A,40B側の内周面(油路壁面)となる凹溝36A,36Bの内周面36A1,36B1には、複数の小穴53A,53Aが設けられている。このため、スプール41と切換部37との開口部となるノッチ43A1,43B1で発生したキャビテーション噴流52は、複数の小穴53A,53Aを有する部材表面(凹溝36A,36Bの内周面36A1,36B1)に衝突する。この場合に、キャビテーションによる気泡51は、小穴53A,53A内に入り込むことにより、小穴53A,53A内に気泡溜り53が形成される。
この気泡溜り53は、キャビテーションの気泡51の崩壊時に生じる衝撃圧を吸収することで、エロージョンに関与(寄与)する力を減衰することができる。また、小穴53A,53Aの縁(開口縁)を液体(作動油)が流れることにより渦54,54が発生し、この渦54,54の発生によってキャビテーション噴流52が衝突する噴流衝突部(即ち、凹溝36A,36Bの内周面36A1,36B1の近辺)の圧力場が乱れる(乱流場が形成される)。これにより、噴流衝突部付近の圧力回復が起こりにくくなり、気泡51の崩壊による衝撃力の発生が抑制される。この結果、噴流衝突部でのエロージョンを抑制することができ、エロージョンに対する方向制御弁31の寿命を長くすることができる。この場合、耐エロージョン性の高い高価な材料を用いずに、エロージョンを抑制することができるため、コストの上昇を抑えつつ寿命の向上を図ることができる。
第1の実施の形態では、気泡溜り53を構成する小穴53A,53Aは、低圧側のタンクポート40A,40Bの内周面(凹溝36A,36Bの内周面36A1,36B1)のうちノッチ43A1,43B1に対応する部位に設けられている。このため、ノッチ43A1,43B1で発生したキャビテーション噴流52を小穴53A,53Aに向けて進むようにできる。これにより、エロージョンに関与(寄与)する力の減衰と気泡51の崩壊による衝撃力の発生の抑制とを噴流衝突部(凹溝36A,36Bの内周面36A1,36B1の近辺)で安定して行うことができる。
第1の実施の形態では、小穴53A,53Aの穴径Dを気泡51の直径Dbよりも大きく、かつ、噴流52の直径Dcよりも小さく設定している。このため、「小穴53A,53A内に気泡溜り53を形成すること」と「小穴53A,53Aの開口縁で渦54,54を発生させること」とを両立することができる。即ち、小穴53A,53Aで気泡51を安定して溜めることができ、かつ、小穴53A,53Aの開口縁で渦54,54を安定して発生させることができる。
さらに、第1の実施の形態では、小穴53A,53Aの深さLを穴径Dよりも大きく設定している。このため、小穴53A,53Aの深さ方向に気泡51を溜める(深さ方向気泡51を積層させる)ことができる。これにより、小穴53A,53A内に安定して気泡溜り53を形成することができる。
次に、図7および図8は、第2の実施の形態を示している。第2の実施の形態の特徴は、ハウジングに対して着脱が可能なプラグの内壁面に複数の有底状の小穴からなる気泡溜りを設ける構成としたことにある。なお、第2の実施の形態では、上述した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
ハウジング32には、スプール摺動穴33の軸方向と直交する方向に延びる貫通孔61が設けられている。貫通孔61は、右端側凹溝36Bの内周面36B1、即ち、右アクチュエータポート39Bと右タンクポート40Bとがノッチ43B1を通じて連通したときに、高圧側の右アクチュエータポート39Bから流れ込む作動油が衝突する低圧側の右タンクポート40B側の内周面(油路壁面)に開口している。そして、ハウジング32の貫通孔61には、ハウジング32とは別部材からなり貫通孔61を液密に封止するプラグ62が設けられている。
プラグ62は、例えば、貫通孔61に螺合により取付けられている。そして、プラグ62の内壁面62Aには、複数の有底状の小穴53A,53Aからなる気泡溜り53が設けられている。この場合、プラグ62の内壁面62Aは、低圧側のポート40Bの内周面となる右端側凹溝36Bの内周面36B1と同一面として形成することが好ましい。即ち、プラグ62を貫通孔61に取付けたときに、プラグ62の内壁面62Aが右端側凹溝36Bの内周面36B1と同一面となるように、プラグ62の寸法、形状を設定することが好ましい。換言すれば、プラグ62の内壁面62Aと右端側凹溝36Bの内周面36B1とを滑らかに連続する周面とすることが好ましい。
さらに、貫通孔61の内周面とプラグ62の外周面との間には、例えば、シールリング(オーリング)とも呼ばれるシール部材(図示せず)を設けることにより、これらの間を液密に封止することができる。プラグ62は、例えば、ハウジング32と同じ材質(素材)により構成してもよいし、ハウジング32とは異なる材質(素材)により構成してもよい。例えば、プラグ62は、ハウジング32よりもエロージョンに対する耐久性の高い材質(例えば、高硬度の材料)を用いてもよいし、プラグ62の表面(内壁面62A)に熱処理、表面処理等の硬化処理を施してもよい。
第2の実施の形態は、上述のようなプラグ62に複数の有底状の小穴53A,53Aからなる気泡溜り53を設ける構成としたもので、その基本的作用については、上述した第1の実施の形態によるものと格別差異はない。即ち、第2の実施の形態も、第1の実施の形態と同様に、コストの上昇を抑えつつ寿命の向上を図ることができる。
特に、第2の実施の形態では、気泡溜り53を構成する小穴53Aは、ハウジング32とは別部材のプラグ62の内壁面62Aに設けられている。このため、ハウジング32内の油路壁面に直接小穴を設ける構成よりも、小穴53Aの加工を容易(簡単)に行うことができる。また、小穴53Aによりエロージョンを抑制できたとしても、例えば、非常に長い時間噴流52(図6参照)に曝され続けると、エロージョンが進行する場合も考えられる。この場合でも、エロージョンの発生部位となるプラグ62を交換するだけで、方向制御弁31の油路の状態を元の状態(新品の状態)に戻すことができる。このように、実施の形態では、方向制御弁31の内部(スプール摺動穴33の内面)に小穴53Aを容易に形成することができ、かつ、長時間の稼働によって噴流衝突部でエロージョンが進行した場合にも簡単に油路を再生することができる。これにより、「低コスト化」と「長寿命化」とを高い次元で両立することができる。
第2の実施の形態では、プラグ62の内壁面62Aを低圧側のポート40Bの内周面となる右端側凹溝36Bの内周面36B1と同一面として形成している。このため、プラグ62の内壁面62Aと右端側凹溝36Bの内周面36B1とを滑らかに連続させることができる。これにより、この面からも、「小穴53A内に気泡溜り53を形成すること」と「小穴53Aの開口縁で渦54を発生させること」とを両立することができる。
なお、各実施の形態では、左端側凹溝36Aと右端側凹溝36Bとに複数の有底状の小穴53Aからなる気泡溜り53を設ける構成とした場合を例に挙げて説明した。しかし、これに限らず、例えば、左側凹溝35Aと右側凹溝35Bとに複数の有底状の小穴からなる気泡溜りを設けてもよい。即ち、ポンプポート38とアクチュエータポート39A,39Bとがノッチ42A,42Bを通じて連通したときに、高圧側のポンプポート38から流れ込む作動油が衝突する低圧側のアクチュエータポート39A,39B側の内周面(即ち、左側凹溝35Aの内周面、右側凹溝35Bの内周面)に複数の小穴を設けてもよい。
各実施の形態では、左端側凹溝36Aと右端側凹溝36Bとに複数の小穴53Aからなる気泡溜り53を設ける構成とした場合を例に挙げて説明した。しかし、これに限らず、単数(1個)の小穴からなる気泡溜りを設ける構成としてもよい。即ち、低圧側のポート側の内周面に単数(1個)の小穴からなる気泡溜りを設ける構成としてもよい。
各実施の形態では、気泡溜り53を構成する小穴53A,53Aを、右端側凹溝36Bの内周面36B1のうちノッチ43B1に対応する部位に設ける構成とした場合を例に挙げて説明した。しかし、これに限らず、例えば、右端側凹溝36Bの内周面36B1の全周にわたって設ける構成としてもよい。
各実施の形態では、スプール弁装置として、ブームシリンダ5Dに対する圧油の供給と排出を切換える方向制御弁31を例に挙げて説明した。しかし、これに限らず、例えば、アームシリンダ5E、バケットシリンダ5F、走行用油圧モータ、旋回用油圧モータ等に用いる方向制御弁に適用してもよい。また、これ以外にも、圧力制御弁、流量制御弁等の各種のスプール弁装置(スプール弁)に適用することもできる。
各実施の形態では、建設機械として、エンジン12により駆動されるエンジン式の油圧ショベル1を例に挙げて説明した。しかし、これに限らず、例えば、エンジンと電動モータとにより駆動されるハイブリッド式の油圧ショベル、電動モータにより駆動される電動式の油圧ショベルに適用することができる。また、油圧ショベルに限らず、ホイールローダ、油圧クレーン、ブルドーザ等、各種の建設機械に広く適用することができる。さらに、各実施の形態は例示であり、異なる実施の形態で示した構成の部分的な置換または組み合わせが可能であることは言うまでもない。
1 油圧ショベル(建設機械)
5D ブームシリンダ(油圧アクチュエータ)
11 油圧回路
11A メイン油圧回路
11B パイロット油圧回路
31 方向制御弁(スプール弁装置)
32 ハウジング
33 スプール摺動穴
37 切換部
34 中央凹溝(凹溝)
35A 左側凹溝(凹溝、一側凹溝)
35B 右側凹溝(凹溝、他側凹溝)
36A 左端側凹溝(凹溝、一端側凹溝)
36B 右端側凹溝(凹溝)他端側凹溝)
36A1,36B1 内周面(低圧側のポートの内周面)
38 ポンプポート(ポート)
39A 左アクチュエータポート(ポート)
39B 右アクチュエータポート(ポート)
40A 左タンクポート(ポート)
40B 右タンクポート(ポート)
41 スプール
42 中央ランド(ランド)
43A 左側ランド(ランド)
43B 右側ランド(ランド)
42A,42B,43A1,43B1 ノッチ
44 油溝
51 気泡
52 キャビテーション噴流(噴流)
53 気泡溜り
53A 小穴
61 貫通孔
62 プラグ
62A 内壁面

Claims (6)

  1. スプール摺動穴を有し、切換部を挟んで前記スプール摺動穴の軸方向に複数のポートが設けられた筒状のハウジングと、
    前記ハウジングのスプール摺動穴に移動可能に挿嵌され前記各ポート間を連通または遮断させるため軸方向に離間して油溝とランドとが設けられたスプールと、
    前記スプールの前記ランドと前記油溝との境界部に位置して前記ランドに設けられ、前記スプールが移動するときに前記各ポート間を連通させるクラッキング位置で前記各ポート間を小流量で連通させるノッチとを備えてなるスプール弁装置において、
    前記各ポートが前記ノッチを通じて連通したときに高圧側のポートから流れ込む作動油が衝突する低圧側のポートの内周面には、少なくとも1つの有底状の小穴からなる気泡溜りが設けられていることを特徴とするスプール弁装置。
  2. 前記ハウジングには、前記スプール摺動穴の軸方向と直交し前記低圧側のポートの内周面に開口する貫通孔が設けられ、
    前記ハウジングには、前記ハウジングとは別部材からなり前記貫通孔を液密に封止するプラグが設けられ、
    前記プラグの内壁面には、前記気泡溜りが設けられていることを特徴とする請求項1に記載のスプール弁装置。
  3. 前記気泡溜りを構成する小穴は、前記低圧側のポートの内周面のうち前記ノッチに対応する部位に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のスプール弁装置。
  4. 前記気泡溜りを構成する小穴の穴径をDとし、前記ノッチを作動油が通過するときのキャビテーションによって発生する気泡の直径をDbとし、前記ノッチから噴出して前記低圧側のポートの内周面へと向かう噴流の直径をDcとしたときに、前記小穴の穴径Dは、前記気泡の直径Dbよりも大きく前記噴流の直径Dcよりも小さく設定されていることを特徴とする請求項1に記載のスプール弁装置。
  5. 前記気泡溜りを構成する小穴の穴径をDとし、前記低圧側のポートの内周面からの前記小穴の深さをLとしたときに、前記小穴の深さLは、前記小穴の穴径Dよりも大きく設定されていることを特徴とする請求項1に記載のスプール弁装置。
  6. 前記プラグの内壁面は、前記低圧側のポートの内周面と同一面として形成されていることを特徴とする請求項2に記載のスプール弁装置。
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