JP2019049166A - 液漏れ抑制構造及び液漏れ抑制構造の施工方法 - Google Patents

液漏れ抑制構造及び液漏れ抑制構造の施工方法 Download PDF

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宏之 桜井
Hiroyuki Sakurai
宏之 桜井
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Abstract

【課題】コンクリート製の構造体に形成された隙間からの液漏れを安定して抑制できる液漏れ抑制構造及び液漏れ抑制構造の施工方法を提供することを目的とする。【解決手段】コンクリート製の構造体10における隙間20が形成された部分に液漏れを抑制する液漏れ抑制部材11が設けられ、液漏れ抑制部材11が、隙間20を覆うように設けられる伸縮性シート12と、伸縮性シート12を構造体10の内面10aと接した状態で保持するエポキシ系接着剤からなる保持部14a,14bとを備え、保持部14a,14bが伸縮性シート12の端部12a,12bに沿って形成され、隙間20が伸縮性シート12における隙間20とは反対側と液密に隔離されている、液漏れ抑制構造1。【選択図】図1

Description

本発明は、液漏れ抑制構造及び液漏れ抑制構造の施工方法に関する。
液漏れ対策が要求されるコンクリート製の構造体としては、例えば農業用水路や道路側溝等に用いられる、複数のU字溝が連結された水路部材が挙げられる。U字溝同士の連結部分の目地には隙間があるため、一般にシーリング材が充填されて該隙間からの漏水が抑制される。しかし、U字溝の自重による不均一な沈下、自動車等の走行や地震による振動等によりU字溝同士の連結部分がずれることで、充填したシーリング材に亀裂が入るなどして漏水が発生することがある。
特許文献1には、U字溝同士の目地の隙間に、パッキンをU字溝の内面よりも落ち込んだ状態で充填し、さらに無溶剤ポリウレタン樹脂塗料からなる塗膜帯で目地を覆うことが提案されている。特許文献2には、U字溝同士の目地(継目)に生じた亀裂にシーリング材を充填し、さらに目地を覆うようにU字溝の内面にシールを貼着することが提案されている。特許文献3には、基材層及び接着材層を含む漏水防止層を備える漏水防止部材を、目地を覆うようにU字溝の内面に貼着することが提案されている。
特許第2812900号公報 実用新案登録第3204748号公報 特開2016−169590号公報
しかし、特許文献1のような対策では、施工後にU字溝がずれた際に、塗膜帯に亀裂が生じたり、パッキンとU字溝の間に隙間が生じたりして漏水が生じるおそれがある。また、特許文献2、3のような対策では、施工後にU字溝がずれた際に、U字溝に貼着したシールや漏水防止部材に亀裂が生じたり剥離したりすることで漏水が生じるおそれがある。
本発明は、コンクリート製の構造体に形成された隙間からの液漏れを安定して抑制できる液漏れ抑制構造及び液漏れ抑制構造の施工方法を提供することを目的とする。
本発明は、以下の態様を有する。
[1]コンクリート製の構造体における隙間が形成された部分に液漏れを抑制する液漏れ抑制部材が設けられ、
前記液漏れ抑制部材が、前記隙間を覆うように設けられる伸縮性シートと、前記伸縮性シートを前記構造体の表面に接した状態で保持するエポキシ系接着剤からなる保持部とを備え、
前記保持部が前記伸縮性シートの端部に沿って形成され、前記隙間が前記伸縮性シートにおける前記隙間とは反対側と液密に隔離されている、液漏れ抑制構造。
[2]前記構造体に、水が収容される収容部又は水が流れる溝部が形成され、
前記隙間の少なくとも一部が水面下に位置するように、前記隙間が前記構造体に形成されている、[1]に記載の液漏れ抑制構造。
[3]前記伸縮性シートの端部に貫通孔が形成され、前記貫通孔に前記エポキシ系接着剤が充填されて前記保持部が形成されている、[1]又は[2]に記載の液漏れ抑制構造。
[4]前記伸縮性シートの少なくとも一部に、前記伸縮性シートの形状を前記構造体の表面形状に沿った形状に保持する金属製の形状保持部材が設けられている、[1]〜[3]のいずれかに記載の液漏れ抑制構造。
[5]前記伸縮性シートがシリコーンシートである、[1]〜[4]のいずれかに記載の液漏れ抑制構造。
[6]コンクリート製の構造体に形成された隙間を伸縮性シートで覆い、
エポキシ系接着剤により前記伸縮性シートの端部に沿うように保持部を形成して前記伸縮性シートを前記構造体に保持させて、前記隙間を前記伸縮性シートにおける前記隙間とは反対側と液密に隔離する、液漏れ抑制構造の施工方法。
[7]前記エポキシ系接着剤による前記保持部の形成を流れのある水中で行う、[6]に記載の液漏れ抑制構造の施工方法。
[8]前記エポキシ系接着剤の23℃における粘度が200Pa・s〜400Pa・sである、[6]又は[7]に記載の液漏れ抑制構造の施工方法。
本発明の液漏れ抑制構造及び液漏れ抑制構造の施工方法によれば、コンクリート製の構造体に形成された隙間からの液漏れを安定して抑制できる。
本発明の液漏れ抑制構造の一例を示した斜視図である。 図1の液漏れ抑制構造のA−A断面図である。 本発明の液漏れ抑制構造の一例を示した斜視図である。 図3の液漏れ抑制構造のB−B断面図である。
[液漏れ抑制構造]
本発明の液漏れ抑制構造は、コンクリート製の構造体における隙間が形成された部分に液漏れを抑制する液漏れ抑制部材が設けられている構造である。液漏れ抑制部材は、隙間を覆うように設けられる伸縮性シートと、伸縮性シートを構造体の表面に接した状態で保持するエポキシ系接着剤からなる保持部とを備えている。本発明の液漏れ抑制構造では、保持部が伸縮性シートの端部に沿って形成されて、構造体に形成された隙間が伸縮性シートにおける隙間とは反対側と液密に隔離されている。
本発明の液漏れ抑制構造は、構造体の製造時に施工されたものであってもよく、構造体にずれや亀裂等が生じることで形成された隙間に対して補修として施工されたものであってもよい。
コンクリート製の構造体は、液漏れ対策が必要なコンクリート製の構造体であればよく、特に限定されない。コンクリート製の構造体の具体例としては、複数のU字溝で形成される水路部材、トンネルの壁、貯水槽等が挙げられる。
以下、本発明の液漏れ抑制構造の一例を示して説明する。なお、以下の説明において例示される図の寸法等は一例であって、本発明はそれらに必ずしも限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲で適宜変更して実施することが可能である。
本実施形態の液漏れ抑制構造1は、図1及び図2に示すように、コンクリート製の構造体10と、構造体10に設けられた液漏れ抑制部材11とを備えている。
構造体10は、複数のU字溝16が、長手方向に連続して連結されて形成された水路部材である。U字溝16は、長手方向に垂直な断面形状がU字状のコンクリート製のブロックである。構造体10におけるU字溝16同士の連結部分に形成される目地18には隙間20が形成されている。
液漏れ抑制部材11は、伸縮性シート12と、保持部14a,14bと、形状保持部材15a,15bと、を備えている。
液漏れ抑制構造1では、伸縮性シート12は一方が長手方向となる帯状であり、目地18に沿って延び、かつ隙間20を覆うように構造体10の内面10aに設けられている。保持部14a,14bは、伸縮性シート12の幅方向の両方の端部12a,12bのそれぞれに、端部12a,12bに沿って延びるように形成されている。保持部14a,14bにより、伸縮性シート12の幅方向の両方の端部12a,12bが構造体10の内面10aに接した状態で保持されることで、構造体10の隙間20が伸縮性シート12における隙間20とは反対側の構造体10の溝部10bと隔離されている。これにより、構造体10の溝部10bを流れる水が隙間20を通じて漏れることが抑制されるようになっている。
このように、液漏れ抑制構造1では、水が流れる溝部10bが形成された構造体10において、少なくとも一部が水面下に位置するように形成された隙間20からの液漏れが液漏れ抑制部材11により抑制されるようになっている。
液漏れ抑制構造1では、伸縮性シート12が伸縮性を有し、幅方向の端部12a,12bが部分的に保持部14a,14bによって保持されているため、構造体10のU字溝16の位置がずれたとしても、そのずれを伸縮性シート12の伸びによって吸収することができる。そのため、施工後にU字溝16の位置がずれても、伸縮性シート12に亀裂が生じたり剥離したりしにくく、構造体10の溝部10bを流れる水が隙間20を通じて漏れることを安定して抑制することができる。
伸縮性シート12の平面視形状は、帯状には限定されず、隙間20を充分に覆うことができるように、隙間20の平面視での形状及び大きさに応じて適宜設計すればよく、例えば矩形状等としてもよい。
伸縮性シート12の大きさは、特に限定されず、隙間20を充分に覆うことができるように、隙間20の平面視での形状及び大きさに応じて適宜設計すればよい。
帯状の伸縮性シート12の場合、伸縮性シート12の幅は、例えば、50〜200mmとすることができる。
伸縮性シート12の厚さは、0.5〜5mmが好ましく、1〜3mmがより好ましい。伸縮性シート12の厚さが前記範囲の下限値以上であれば、伸縮性シート12が損傷しにくくなることで、液漏れを安定して抑制しやすくなる。伸縮性シート12の厚さが前記範囲の上限値以下であれば、伸縮性シート12の伸縮性が向上し、U字溝16のずれ等を吸収しやすくなることで、液漏れを安定して抑制しやすくなる。
伸縮性シート12としては、伸縮性を有し、液漏れを抑制できるシートであればよく、シリコーンシート、硬質塩化ビニルと軟質塩化ビニルとを含む塩化ビニルシートを例示することができる。伸縮性シート12としては、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
伸縮性シート12としては、シリコーンシートが好ましい。伸縮性シート12をシリコーンシートとすれば、伸縮性シート12と保持部14a,14bとが強固に接着されない。そのため、U字溝16のずれ等により伸縮性シート12が引き延ばされた際でも、伸縮性シート12と保持部14a,14bとの境界部分に過度に負荷がかかりにくく、伸縮性シート12が破断しにくくなる。
伸縮性シート12のJIS K6251に準拠して測定した切断時伸びは、5〜500%が好ましく、200〜400%がより好ましい。切断時伸びが前記範囲の下限値以上であれば、施工後の振動等によってU字溝16の位置がずれても、伸縮性シート12の伸びによりずれを吸収する効果が高まる。伸縮性シート12や保持部14a,14bに亀裂が生じたり、伸縮性シート12が構造体10から剥離したりすることを抑制しやすい。切断時伸びが前記範囲の上限値以下であれば、水圧による変形を防止することができる。
伸縮性シート12のJIS K6251に準拠して測定した硬度は、30〜60が好ましく、40〜50がより好ましい。硬度が前記範囲の下限値以上であれば、水圧による変形を防止することができ、上限値以下であれば、U字溝16の位置がずれてもずれを吸収する効果がある。
この例の伸縮性シート12には、幅方向の両方の端部12a,12bのそれぞれに、金属製の形状保持部材15a,15bが設けられている。形状保持部材15aは、帯状であり、幅方向の一部が伸縮性シート12の端部12a内に挿入され、幅方向の残部が伸縮性シート12の端部12aから突き出た状態で設けられている。同様に、形状保持部材15bは、帯状であり、幅方向の一部が伸縮性シート12の端部12b内に挿入され、幅方向の残部が伸縮性シート12の端部12bから突き出た状態で設けられている。
伸縮性シート12に形状保持部材15a,15bが設けられることで、伸縮性シート12が構造体10の内面10aに沿うように湾曲させて配置された状態において、伸縮性シート12がその形状を保持しやすくなる。そのため、特に構造体10の溝部10bにおける底の隅部で伸縮性シート12が構造体10の内面10aから部分的に浮き上がって離間することが抑制されやすく、液漏れ抑制効果をより安定して発現させることができる。
形状保持部材15a,15bを形成する金属としては、アルミニウム、ステンレス、チタン、銅を例示することができる。なかでも、形状保持部材15a,15bを形成する金属としては、錆や腐食の点から、ステンレスが好ましい。
形状保持部材15a,15bを形成する金属は、1種であってもよく、2種以上であってもよい。
形状保持部材15a,15bの厚さは、0.5〜3mmが好ましく、1〜1.5mmがより好ましい。形状保持部材15a,15bの厚さが前記範囲の下限値以上であれば、伸縮性シート12を構造体10の内面10aに沿った形状に保持することが容易になる。形状保持部材15a,15bの厚さが前記範囲の上限値以下であれば、軽量化でき、取扱いや施工が容易となる。
形状保持部材15a,15bの幅は、例えば、10〜200mmとすることができる。
形状保持部材15a,15bは、伸縮性シート12の長さ方向の一方の端部から他方の端部まで連続的に設けてもよく、伸縮性シート12の長さ方向において断続的に設けてもよい。また、形状保持部材15a,15bは、構造体10の内面10aに沿って湾曲させる部分のみに設けてもよい。
形状保持部材の数は、この例では2つであるが、1つであってもよく、3つ以上であってもよい。
なお、伸縮性シートに形状保持部材を設ける態様は、伸縮性シートの少なくとも一部に形状保持部材が設けられている態様であればよく、この例の態様には限定されない。例えば、1枚の帯状の形状保持部材が平面視で伸縮性シートの全体に設けられた態様であってもよい。伸縮性シートの伸縮性を損ないにくい点から、この例のように伸縮性シートの端部に部分的に形状保持部材を設ける態様が好ましい。また、形状保持部材のすべての部分が伸縮性シート内に位置している態様であってもよい。また、伸縮性シートの構造体側の面、又は構造体とは反対側の面に形状保持部材が接着されている態様であってもよい。
形状保持部材は、帯状には限定されず、棒状等であってもよい。
保持部14a,14bは、エポキシ系接着剤からなり、この例ではそれぞれ伸縮性シート12の幅方向の両方の端部12a,12bに沿って、それら端部12a,12bを覆うように帯状に形成されている。
この例では、伸縮性シート12の幅方向において、形状保持部材15a,15bの伸縮性シート12から突き出た部分が、それぞれ保持部14a,14bにおける伸縮性シート12よりも外側の部分に埋没した状態になっている。本発明では、伸縮性シートに形状保持部材を設ける場合、この例のように形状保持部材の一部が伸縮性シートから突き出て、保持部内に埋没していることが好ましい。金属製の形状保持部材とエポキシ系接着剤とは強固に接着されるため、このような態様とすることで、伸縮性シートとしてシリコーンシートを用いた場合でも伸縮性シートを安定して保持しやすくなる。
なお、保持部14の態様は、この態様には限定されず、伸縮性シート12の幅方向の両方の端部12a,12bの構造体10側の面にエポキシ系接着剤を塗布して形成された態様であってもよい。
保持部14を形成するエポキシ系接着剤としては、硬化後に伸縮性シート12の端部12a,12bを安定して保持できるものであればよく、1液型エポキシ系接着剤であってもよく、2液型エポキシ系接着剤であってもよい。
エポキシ系接着剤の具体例としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂等の液状の変性エポキシ樹脂から選ばれる主剤と、鎖状脂肪族アミン、環状脂肪族アミン、芳香族アミン等のアミン系硬化剤や、アミドアミン硬化剤等を組み合わせた接着剤が挙げられる。
エポキシ系接着剤の比重は、1.3〜2.0が好ましく、1.5〜1.7がより好ましい。エポキシ系接着剤の比重が前記範囲の下限値以上であれば、エポキシ系接着剤が水に沈んで流れにくくなるため、伸縮性シート12の構造体10への接着作業を水中でも行いやすくなる。そのため、構造体に収容されている水を排出したり、構造体の溝部を流れる水を堰き止めたりせずに、液漏れ抑制構造の施工を簡便に行うことができる。エポキシ系接着剤の比重が前記範囲の上限値以下であれば、伸縮性シート12の接着作業が容易となり、伸縮性シートのたわみも発生しにくく施工性が向上する。
なお、エポキシ系接着剤の比重とは、2液型エポキシ系接着剤の場合は主剤と硬化剤を配合した状態の比重を意味するものとする。エポキシ系接着剤の比重は、JIS K 7112に準拠して測定される。
2液型エポキシ系接着剤の場合、主剤の比重は、1.3〜2.0が好ましく、1.5〜1.7がより好ましい。
硬化剤の比重は、1.3〜2.0が好ましく、1.5〜1.7がより好ましい。
主剤の比重及び硬化剤の比重は、JIS K 6835に準拠して測定される。
エポキシ系接着剤は硬化前の23℃における粘度は、200Pa・s〜400Pa・sが好ましく、300Pa・s〜380Pa・sがより好ましい。エポキシ系接着剤の粘度が前記範囲の下限値以上であれば、流れのある水中でもエポキシ系接着剤が流れにくくなるため、伸縮性シート12の構造体10への保持作業を行いやすくなる。そのため、構造体の溝部を流れる水を堰き止めたりせずに、液漏れ抑制構造の施工を簡便に行うことができる。エポキシ系接着剤の比重が前記範囲の上限値以下であれば、伸縮性シート12や構造体10へエポシキ系接着剤を伸ばしながら施工でき、水中での作業性が向上する。
エポキシ系接着剤の粘度は、JIS Z 8803(2011)の単一円筒形回転粘度計による粘度測定を行った。粘度測定機はリオン(株)製ビスコテスタVT−06を用い、ローターとして2号ローターを用いて測定される。
エポキシ系接着剤としては、市販品を使用してもよい。エポキシ系接着剤の市販品としては、サンユボンドA−400シリーズ(サンユレック社製)を例示することができる。
エポキシ系接着剤としては、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
特許文献2、3のような、シートや漏水防止部材を全体的に目地を覆うようにU字溝に貼着する従来の液漏れ抑制構造では、施工後にU字溝がずれたときにシートや漏水防止部材の目地に対応する部分が局所的に引き延ばされるため、亀裂等の破損が生じるおそれがある。
これに対して、本発明の液漏れ抑制構造では、構造体に形成された隙間を覆う伸縮性シートの端部に沿ってエポキシ系接着剤からなる保持部が形成されて、構造体の隙間が伸縮性シートにおける前記隙間とは反対側と液密に隔離されている。これにより、伸縮性シートにおける保持部が設けられた端部以外の部分では優れた伸縮性が確保される。そのため、施工後にU字溝等がずれたりすることで伸縮性シートを引き延ばす力が加わっても、伸縮性シートの伸びによってその力を充分に吸収できることから、伸縮性シートに亀裂等の破損が生じにくく、構造体の隙間から液体が漏れることを安定して抑制することができる。
なお、本発明の液漏れ抑制構造は、前記した液漏れ抑制構造1には限定されない。
本発明の液漏れ抑制構造は、図3及び図4に例示した液漏れ抑制構造2であってもよい。図3及び図4における図1及び図2と同じ部分には同符号を付して説明を省略する。
液漏れ抑制構造2は、液漏れ抑制部材11の代わりに液漏れ抑制部材11Aが設けられている以外は、液漏れ抑制構造1と同じ態様である。
液漏れ抑制部材11Aは、伸縮性シート12と、保持部14c,14dとを備えている。液漏れ抑制部材11Aにおいては、伸縮性シート12における幅方向の両方の端部12a,12bのそれぞれに、それら端部12a,12bに沿って間隔を開けて複数の貫通孔13a,13bが形成されている。伸縮性シート12の幅方向のそれぞれの端部12a,12bに形成された各貫通孔13a,13bにエポキシ系接着剤が充填されることで、保持部14c,14dが形成されている。
液漏れ抑制部材11Aでは、各々の保持部14c,14dが杭として機能することで、伸縮性シート12の幅方向のそれぞれの端部12a,12bが構造体10の内面10aと接した状態で保持される。これにより、構造体10の隙間20が伸縮性シート12における隙間20と反対側の構造体10の溝部10bと隔離され、構造体10の溝部10bを流れる水が隙間20を通じて漏れることが抑制されるようになっている。
貫通孔13a,13bの平面視形状は、この例では円形状であるが、円形状には限定されず、矩形状、長方形の長さ方向のそれぞれの端部が外側に凸の円弧状に切り欠かれた形状等であってもよい。
貫通孔13a,13bの平面視での大きさは、伸縮性シート12の伸縮性を損なわない範囲で適宜設定することができる。
平面視における貫通孔13a,13bの開口面積は、5〜1000mmが好ましく、200〜400mmがより好ましい。貫通孔13a,13bの開口面積が前記範囲の下限値以上であれば、伸縮性シート12を構造体10にしっかりと保持しやすい。貫通孔13a,13bの開口面積が前記範囲の上限値以下であれば、伸縮性シート12の伸縮性を損ないにくい。
伸縮性シート12の端部12aにおいて隣り合う貫通孔13a同士の間隔は、30〜180mmが好ましく、50〜100mmがより好ましい。貫通孔13a同士の間隔が前記範囲の下限値以上であれば、伸縮性シート12を構造体10にしっかりと保持しやすい。貫通孔13a同士の間隔が前記範囲の上限値以下であれば、伸縮性シート12の伸縮性を損ないにくい。
伸縮性シート12の端部12bにおいて隣り合う貫通孔13b同士の間隔の好ましい範囲は、伸縮性シート12の端部12aにおいて隣り合う貫通孔13a同士の間隔の好ましい範囲と同じである。
保持部14c,14dを形成するエポキシ系接着剤としては、前記した保持部14a,14bを形成するエポキシ系接着剤と同じものが挙げられ、好ましい態様も同じである。
保持部14c,14dは、貫通孔13a,13bに充填されているだけでなく、さらに前述の保持部14a,14bのように伸縮性シート12の幅方向の端部12a,12bをその長手方向に沿って帯状に保持するように形成されていてもよい。
液漏れ抑制構造2においても、液漏れ抑制構造1と同様に、施工後にU字溝16等がずれたりすることで伸縮性シート12を引き延ばす力が加わっても、伸縮性シート12の伸びによってその力を充分に吸収できる。そのため、構造体10の隙間20から液体が漏れることを安定して抑制することができる。
本発明の液漏れ抑制構造は、液漏れ抑制構造2において、伸縮性シート12に形状保持部材を設けた態様であってもよい。この場合、貫通孔は伸縮性シートとともに形状保持部材も貫通するように設けることが好ましい。
本発明の液漏れ抑制構造は、水が流れる溝部が形成された構造体を備えるものには限定されず、貯水槽等の水を収容する収容部が形成された構造体を備えるものであってもよく、トンネルの壁であってもよい。本発明の液漏れ抑制構造を、水を収容する収容部が形成された構造体に適用した場合、該収容部に収容された液体が亀裂等によって構造体に形成された隙間から漏れることを抑制できる。本発明の液漏れ抑制構造を、トンネルの壁に適用した場合、亀裂等によって該壁に形成された隙間から地下水が漏れ出してくることを抑制できる。
本発明の液漏れ抑制構造を貯水槽やトンネルの壁等に適用する場合には、伸縮性シートの全周にわたって、該伸縮性シートの端部に沿うように保持部を設けることが好ましい。
本発明の液漏れ抑制構造は、液漏れ抑制部材が形状保持部材を備えていないものであってもよい。
本発明の液漏れ抑制構造は、液漏れ抑制構造1、2における目地18にシーリング材が充填された態様であってもよい。
[液漏れ抑制構造の施工方法]
本発明の液漏れ抑制構造の施工方法は、コンクリート製の構造体に形成された隙間を伸縮性シートで覆い、エポキシ系接着剤により前記伸縮性シートの端部に沿うように保持部を形成して前記伸縮性シートを前記構造体に保持させて、前記隙間を前記伸縮性シートにおける前記隙間とは反対側と液密に隔離する方法である。本発明の液漏れ抑制構造の施工方法により、前記した本発明の液漏れ抑制構造を形成することができる。
本発明の液漏れ抑制構造の施工方法は、コンクリート製の構造体の製造時に行ってもよく、コンクリート製の構造体が亀裂等によって損傷して液漏れ対策が必要な隙間が形成されたときの補修として行ってもよい。
以下、本発明の液漏れ抑制構造の施工方法の一例として、前記した液漏れ抑制構造1を施工する方法について説明する。
まず、構造体10におけるU字溝16同士の連結部分に形成された目地18の隙間20を覆うように、構造体10の内面10aに沿って帯状の伸縮性シート12を配置する。次いで、伸縮性シート12の幅方向の両方の端部12a,12bをそれぞれ覆うようにエポキシ系接着剤を帯状に塗布し、該エポキシ系接着剤を硬化させる。これにより、伸縮性シート12の幅方向の両方の端部12a,12bに沿って保持部14a,14bを形成し、伸縮性シート12を構造体10に保持させて、隙間20を伸縮性シート12における隙間20とは反対側の溝部10bと液密に隔離する。
エポキシ系接着剤による保持部14a,14bの形成は、前記した好ましい粘度のエポキシ系接着剤を用いて、溝部10bを流れる水中で行うことが好ましい。これにより、溝部10bを流れる水を堰き止める必要がなくなり、作業が簡便になる。
以上説明した本発明の液漏れ抑制構造の施工方法によれば、構造体の隙間から液体が漏れることを安定して抑制できる液漏れ抑制構造を形成することができる。
なお、本発明の液漏れ抑制構造の施工方法は、液漏れ抑制構造1を施工する方法には限定されず、例えば、前記した液漏れ抑制構造1以外の液漏れ抑制構造を施工する方法であってもよい。
1,2…液漏れ抑制構造、10…構造体、11,11A…液漏れ抑制部材、12…伸縮性シート、13a,13b…貫通孔、14a〜14d…保持部、15a,15b…形状保持部材、16…U字溝、18…目地、20…隙間。

Claims (8)

  1. コンクリート製の構造体における隙間が形成された部分に液漏れを抑制する液漏れ抑制部材が設けられ、
    前記液漏れ抑制部材が、前記隙間を覆うように設けられる伸縮性シートと、前記伸縮性シートを前記構造体の表面に接した状態で保持するエポキシ系接着剤からなる保持部とを備え、
    前記保持部が前記伸縮性シートの端部に沿って形成され、前記隙間が前記伸縮性シートにおける前記隙間とは反対側と液密に隔離されている、液漏れ抑制構造。
  2. 前記構造体に、水が収容される収容部又は水が流れる溝部が形成され、
    前記隙間の少なくとも一部が水面下に位置するように、前記隙間が前記構造体に形成されている、請求項1に記載の液漏れ抑制構造。
  3. 前記伸縮性シートの端部に貫通孔が形成され、前記貫通孔に前記エポキシ系接着剤が充填されて前記保持部が形成されている、請求項1又は2に記載の液漏れ抑制構造。
  4. 前記伸縮性シートの少なくとも一部に、前記伸縮性シートの形状を前記構造体の表面形状に沿った形状に保持する金属製の形状保持部材が設けられている、請求項1〜3のいずれか一項に記載の液漏れ抑制構造。
  5. 前記伸縮性シートがシリコーンシートである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の液漏れ抑制構造。
  6. コンクリート製の構造体に形成された隙間を伸縮性シートで覆い、
    エポキシ系接着剤により前記伸縮性シートの端部に沿うように保持部を形成して前記伸縮性シートを前記構造体に保持させて、前記隙間を前記伸縮性シートにおける前記隙間とは反対側と液密に隔離する、液漏れ抑制構造の施工方法。
  7. 前記エポキシ系接着剤による前記保持部の形成を流れのある水中で行う、請求項6に記載の液漏れ抑制構造の施工方法。
  8. 前記エポキシ系接着剤の23℃における粘度が200Pa・s〜400Pa・sである、請求項6又は7に記載の液漏れ抑制構造の施工方法。
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