JP2019048820A - メチルナルトレキソンの経口組成物を用いたオピオイド誘導性便秘症の治療及び予防のための方法 - Google Patents

メチルナルトレキソンの経口組成物を用いたオピオイド誘導性便秘症の治療及び予防のための方法 Download PDF

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Abstract

【課題】レスキューなしに排便を生じさせ、オピオイド誘導性便秘症を治療する又は予防するための方法の提供。
【解決手段】下式に示すメチルナルトレキソンの経口組成物の投与によるオピオイド誘導性便秘症を治療する又は予防するための方法。
Figure 2019048820

[式中、A-は、両親媒性の薬学的に許容される賦形剤の陰イオンである]
【選択図】なし

Description

オピオイドは、疼痛を伴う患者の治療において広く用いられる。かかる患者には、進行癌及び他の末期の疾患を伴う患者、また、慢性非悪性疼痛及び急性非悪性疼痛を伴う患者が含まれる。オピオイドは、中枢神経系にあるオピオイド受容体を活性化して痛みを緩和する麻薬性医薬である。しかしながら、オピオイドはまた、中枢神経系の外側の受容体と反応し、したがって、便秘、悪心、嘔吐、尿閉、及び重症そう痒を含めた副作用をもたらす。胃腸(GI)管におけるオピオイドの影響は注目すべきであり、これらの薬物は、腸の中の胃内容排出及び蠕動を抑制し、それによって、腸の通過の速度を低下させ、便秘を起こす。疼痛の治療においてオピオイドを用いると、こうした望まれない副作用により制限されることが多く、衰弱し、しばしば患者がオピオイド鎮痛薬の使用を拒む恐れがある。
外因性オピオイドによって誘導される副作用のほかに、内因性オピオイド及びオピオイド受容体も胃腸(GI)管に影響を与えることがあり、腸運動及び体液の粘膜輸送を正常に調節することに関与し得ることが研究によって示唆されている。従って、異常な生理的レベルの内因性オピオイド及び/又は受容体活性によって、腸機能障害をももたらしかねない。例えば、外科手技、特に、腹部の手術を受けた患者は、自然なオピオイドレベルの揺らぎによって引き起こされ得る、術後イレウスと呼ばれるある特定の腸機能障害に罹ることが多い。同様に、最近出産した女性は、一般に産後イレウスに罹り、これは、出産のストレスの結果として自然なオピオイドレベルの同様の揺らぎによって引き起こされ得る。術後若しくは産後イレウスを伴う胃腸障害は、通常、3〜5日間続き、一部の重症な症例では、1週間を超えることがある。疼痛を治療するために手術後に患者にオピオイドを投与することは、今やほぼ普遍的な慣行であるが、腸機能障害を悪化させることがあり、それによって、正常な腸機能の回復が遅れ、病院滞在が延び、医療費が増える。
ナロキソン、ナルトレキソン、及びナルメフェンなどのオピオイド受容体アンタゴニストは、オピオイドの望ましくない末梢の副作用を拮抗する手段として研究されてきた。しかしながら、これらの薬剤は、末梢のオピオイド受容体だけでなく、中枢神経系中のオピオイド受容体にも働き、オピオイドの有益な及び所望の鎮痛効果を時には無効にする又はオピオイドの離脱症状を引き起こす。オピオイドによって誘導される副作用を制御するのに用いるための好ましいアプローチには、血液脳関門に容易に達しない末梢作用オピオイド受容体アンタゴニストの投与が含まれる。
末梢μオピオイド受容体アンタゴニストメチルナルトレキソンは、1970年代後半から研究されてきた。メチルナルトレキソンは、便秘症、そう痒、悪心、及び尿閉などのオピオイドによって誘導される副作用を減じるために患者に用いられている(例えば、米国特許第5,972,954号、同第5,102,887号、同第4,861,781号、及び同第4,719,215号;並びにYuanら、Drug and Alcohol Dependence 1998年、52巻、161頁を参照のこと)。これらの研究に最もよく用いられるメチルナルトレキソンの剤形は、静脈内注射用のメチルナルトレキソンの溶液であった。
米国特許第5,972,954号 米国特許第5,102,887号 米国特許第4,861,781号 米国特許第4,719,215号
Yuanら、Drug and Alcohol Dependence 1998年、52巻、161頁
本明細書に記載されているのは、メチルナルトレキソンの経口組成物の投与によるオピオイド誘導性便秘症の治療又は予防のための方法である。本発明は、かかる治療に特に感受性がある対象の同定及びオピオイド誘導性便秘症を治療又は予防し、さらに、かかる治療に関連する有害事象の発生を最小限にするかかる経口組成物の至適な投与量の同定に、少なくとも部分的に基づいている。
従って、本明細書に記載されているのは、
式(I):
Figure 2019048820
[式中、A-は、両親媒性の薬学的に許容される賦形剤の陰イオンである]
の塩を含む医薬組成物を対象に経口投与するステップを含む、オピオイド誘導性便秘症を有する対象を治療する方法であり、医薬組成物を投与して、レスキューなしに排便を生じさせ;それによって対象を治療する。
別の態様では、本明細書で提供するのは、対象がオピオイド誘導性便秘症にならないようにする方法であって、
式(I):
Figure 2019048820
[式中、A-は、両親媒性の薬学的に許容される賦形剤の陰イオンである]の塩を含む医薬組成物を対象に経口投与し、それによって、対象がオピオイド誘導性便秘症にならないようにするステップを含む。
一実施形態では、A-は、ナトリウムドデシル(ラウリル)スルファートである。
別の実施形態では、医薬組成物は、メチルナルトレキソン及びブロミドを含む第1の塩、並びにメチルナルトレキソン及びナトリウムドデシル(ラウリル)スルファートを含む第2の塩の組み合わせを含む。
別の実施形態では、医薬組成物は、約150mgのメチルナルトレキソン又はその塩を含む。
別の実施形態では、医薬組成物は、炭酸水素ナトリウム、微結晶セルロース、クロスポビドン、ポリソルベート80、エデト酸カルシウム二ナトリウム無水物、ケイ化微結晶セルロース、タルク、コロイド状二酸化ケイ素、ステアリン酸マグネシウム、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1種の薬剤をさらに含む。
別の実施形態では、医薬組成物は、錠剤である。
一実施形態では、本方法は、約150mgのメチルナルトレキソン又はその塩を経口投与するステップを含む。関連する一実施形態では、約150mgのメチルナルトレキソンは、約150mgのメチルナルトレキソンを含む1つの錠剤として投与される。
一実施形態では、本方法は、約300mgのメチルナルトレキソン又はその塩を経口投与するステップを含む。関連する一実施形態では、約300mgのメチルナルトレキソンは、約150mgのメチルナルトレキソンをそれぞれ含む2つの錠剤として投与される。
一実施形態では、本方法は、約450mgのメチルナルトレキソン又はその塩を経口投与するステップを含む。一実施形態では、約450mgのメチルナルトレキソンは、約150mgのメチルナルトレキソンをそれぞれ含む3つの錠剤として投与される。
一実施形態では、対象は、慢性非悪性疼痛を有する。
別の実施形態では、対象は、医薬組成物の投与前の少なくとも2カ月間慢性非悪性疼痛を有していた。
一実施形態では、対象は、医薬組成物の投与前にオピオイド治療を受けている。関連する一実施形態では、対象は、少なくとも1カ月間オピオイド治療を受けている。
別の実施形態では、対象は、1日当たりの経口モルヒネ当量を少なくとも50mg含むオピオイド治療を少なくとも14日間受けている。
一実施形態では、対象は、1、2、3若しくは4週間未満にオピオイド治療を開始する。
一実施形態では、対象は、少なくとも30日間オピオイド誘導性便秘症である。
別の実施形態では、対象は、1週間当たり3回未満のレスキューなしの排便を連続して少なくとも4週間経験している。
一実施形態では、対象は、排便中しぶり腹を経験している。
別の実施形態では、対象は、不完全な排泄を経験している。
一実施形態では、対象は、レスキューなしの排便のうち少なくとも25%についてブリストル便形状スケール(Bristol Stool Form Scale)1型又は2型を経験している。
一実施形態では、本方法によって、医薬組成物の投与の4時間以内にレスキューなしで排便が起こる。
別の実施形態では、本方法によって、医薬組成物の投与前の1週間当たりのレスキューなしの排便の回数に比べて、1週間当たりのレスキューなしの排便が少なくとも1回増加する。
別の実施形態では、本方法によって、1週間当たりのレスキューなしの排便が少なくとも2、3、4又は5回増加する。
別の実施形態では、本方法によって、医薬組成物のそれぞれ最初の4週間の連日投与に対して、1週間当たりのレスキューなしの排便が少なくとも1回増加する。
別の実施形態では、対象は、医薬組成物のそれぞれ最初の4週間の連日投与においてレスキューなしの排便を少なくとも3回経験し;医薬組成物の投与前の1週間当たりのレスキューなしの排便の回数に比べて、対象は、最初の4週間の連日投与のうち少なくとも3回に対して、1週間当たりのレスキューなしの排便が少なくとも1回増加することを経験する。
別の態様では、本明細書で提供するのは、オピオイド誘導性便秘症に罹患した対象においてレスキューなしの排便を誘発する方法であって、
式(I):
Figure 2019048820
[式中、A-は、両親媒性の薬学的に許容される賦形剤の陰イオンである]の塩を含む医薬組成物を対象に経口投与し、それによって、レスキューなしの排便を誘発するステップを含む。一実施形態では、本方法は、投与の4時間以内にレスキューなしの排便を誘発する。
別の態様では、本明細書で提供するのは、対象によって経験されるレスキューなしの排便の回数を増やす方法であって、
式(I):
Figure 2019048820
[式中、A-は、両親媒性の薬学的に許容される賦形剤の陰イオンである]の塩を含む医薬組成物を対象に経口投与し、それによって、対象によって経験されるレスキューなしの排便の回数を増やすステップを含む。
一実施形態では、対象は、少なくとも1日1回少なくとも4週間医薬組成物を投与される。
別の実施形態では、4週間を超えて少なくとも3回あるのに対して、対象は、レスキューなしの排便が少なくとも1回増加することを経験し、対象は、それぞれ4週間に対して少なくとも3回のレスキューなしの排便を経験する。
一実施形態では、投与前に対象によって経験されるレスキューなしの排便の回数に比べて、レスキューなしの排便の回数は、それぞれの4週間で増加する。
別の態様では、本明細書で提供するのは、オピオイド誘導性便秘症に罹患した対象を治療するための、本明細書に開示される医薬組成物の効果を評価するものであり、
式(I):
Figure 2019048820
[式中、A-は、両親媒性の薬学的に許容される賦形剤の陰イオンである]の塩を含む医薬組成物を対象に経口投与するステップを含み、
(i)医薬組成物の投与の4時間以内のレスキューなしの排便;
(ii)医薬組成物の連日投与前の1週間当たりのレスキューなしの排便の回数に比べて、医薬組成物の連日投与後の1週間当たりのレスキューなしの排便の回数の増加;又は
(iii)最初の4週間の連日投与のうち少なくとも3回;及び最初の4週間の連日投与に対して、1週間当たり少なくとも3回のレスキューなしの排便において、医薬組成物の投与前の1週間当たりのレスキューなしの排便の回数と比較した、医薬組成物の連日投与後の1週間当たりのレスキューなしの排便の回数の増加、これらのうち少なくとも1つが、医薬組成物の有効性を示している。
別の態様では、本明細書で提供するのは、オピオイド誘導性便秘症を有する対象を治療するための方法であり、対象は、
(i)慢性非悪性疼痛がある;
(ii)少なくとも2カ月間慢性非悪性疼痛がある;
(iii)オピオイド治療を受けている;
(iv)少なくとも1カ月間オピオイド治療を受けている;
(v)1日当たりの経口モルヒネ当量少なくとも50mgを含むオピオイド治療を少なくとも14日間受けている;
(vi)オピオイド誘導性便秘症がある;
(vii)少なくとも30日間オピオイド誘導性便秘症がある;
(viii)1週間当たり3回未満のレスキューなしの排便が少なくとも4週間連続している;
(ix)排便中しぶり腹を経験している;
(x)不完全な排泄を経験している;
(xi)レスキューなしの排便のうち少なくとも25%についてブリストル便形状スケール1型又は2型を経験している;
(xii)オピオイド治療の開始前に慢性便秘症の既往歴がない;又は
(xiii)(i)-(xii)の任意の組み合わせ
であるかどうか同定するステップと、
式(I):
Figure 2019048820
[式中、A-は、両親媒性の薬学的に許容される賦形剤の陰イオンである]の塩を含む医薬組成物を対象に経口投与するステップを含み、対象は、(i)〜(x)のうちいずれか1つを示す。
別の態様では、本明細書で提供するのは、オピオイド誘導性便秘症の治療に関連する有害事象の発生を減らす方法であって、
式(I):
Figure 2019048820
[式中、A-は、両親媒性の薬学的に許容される賦形剤の陰イオンである]の塩を含む医薬組成物を対象に経口投与するステップを含み、医薬組成物は、両親媒性の薬学的に許容される賦形剤の陰イオンを含まない医薬組成物に比べて有害事象の発生を減少させる。
一実施形態では、A-は、ナトリウムドデシル(ラウリル)スルファートである。
別の実施形態では、医薬組成物は、メチルナルトレキソン及びブロミドを含む第1の塩、並びにメチルナルトレキソン及びナトリウムドデシル(ラウリル)スルファートを含む第2の塩の組み合わせを含む。
一実施形態では、医薬組成物は、約150mgのメチルナルトレキソン又はその塩を含む。
別の実施形態では、医薬組成物は、炭酸水素ナトリウム、微結晶セルロース、クロスポビドン、ポリソルベート80、エデト酸カルシウム二ナトリウム無水物、ケイ酸化微結晶セルロース、タルク、コロイド状二酸化ケイ素、ステアリン酸マグネシウム、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1種の薬剤をさらに含む。
別の実施形態では、医薬組成物は、錠剤である。
一実施形態では、本方法は、約150mgのメチルナルトレキソン又はその塩を経口投与するステップを含む。関連する一実施形態では、約150mgのメチルナルトレキソンは、約150mgのメチルナルトレキソンを含む1つの錠剤として投与される。
一実施形態では、本方法は、約300mgのメチルナルトレキソン又はその塩を経口投与するステップを含む。関連する一実施形態では、約300mgのメチルナルトレキソンは、約150mgのメチルナルトレキソンをそれぞれ含む2つの錠剤として投与される。
一実施形態では、本方法は、約450mgのメチルナルトレキソン又はその塩を経口投与するステップを含む。一実施形態では、約450mgのメチルナルトレキソンは、約150mgのメチルナルトレキソンをそれぞれ含む3つの錠剤として投与される。
別の態様では、本明細書で提供するのは、オピオイド誘導性便秘症を有する対象を治療する方法であって、
(a)約150mgのメチルナルトレキソン、又はその塩、及びナトリウムドデシル(ラウリル)スルファートを含む医薬組成物を対象に経口投与するステップと;
(b)組成物が、対象を治療するか否かを決定するステップ[(i)〜(iii)からなる群から選択される少なくとも1つの反応は、
組成物が、
(i)医薬組成物の投与の4時間以内のレスキューなしの排便;
(ii)医薬組成物の連日投与前の1週間当たりのレスキューなしの排便の回数に比べて、医薬組成物の連日投与後の1週間当たりのレスキューなしの排便の回数の増加;又は
(iii)最初の4週間の連日投与のうち少なくとも3回;及び最初の4週間の連日投与に対して、1週間当たり少なくとも3回のレスキューなしの排便において、医薬組成物の投与前の1週間当たりのレスキューなしの排便の回数と比較した、医薬組成物の連日投与後の1週間当たりのレスキューなしの排便の回数の増加
の対象を治療することを示している]と;
c)対象が、ステップ(a)の後に(b)(i)〜(iii)からなる群から選択される反応を示さない場合、メチルナルトレキソン若しくはその塩、及び300mg又は450mgのナトリウムドデシル(ラウリル)スルファートを含む医薬組成物を経口投与するステップとを含む。
別の態様では、本明細書で提供するのは、メチルナルトレキソン、又はその塩を含む医薬組成物を経口投与するステップを含む、オピオイド誘導性便秘症を有する対象を治療する方法であり、医薬組成物は、式(I):
Figure 2019048820
[式中、A-は、両親媒性の薬学的に許容される賦形剤の陰イオンである]の塩を含み、組成物は、約300mg〜約400mgの範囲の用量のメチルナルトレキソン又はその塩を提供し;(i)本方法によって、医薬組成物の投与の4時間以内にレスキューなしの排便がもたらされ;(ii)この結果から、連日投与により少なくとも4週間持続可能である。
一実施形態では、本方法は、さらに、対象に(i)医薬組成物の4週間の連日投与のうち少なくとも3回に対して、1週間当たり少なくとも3回のレスキューなしの排便をもたらし;(ii)対象は、医薬組成物の投与前の1週間当たりのレスキューなしの排便の回数に比べて、1週間当たりのレスキューなしの排便の少なくとも1回の増加を経験する。
別の態様では、本明細書で提供するのは、経口で対象にMNTXを投与するステップを含む、対象においてMNTX及びその代謝産物のバイオアベイラビリティを高める方法である。
一実施形態では、MNTXは、1〜7日の間に経口投与される。
一実施形態では、MNTXは、1〜28日の間に経口投与される。
一実施形態では、皮内注射によってより少ない量のMNTXを投与された対象のAUC及びCmaxに比べて、MNTX及びその代謝産物のうちの1つ以上のAUC及びCmaxは、対象において増加する。
一実施形態では、経口投与されるMNTXは、皮内注射によってより少ない量のMNTXを投与された対象に比べて、MNTX、M2、M4又はM5のうちの1つ以上の蓄積値が高い。
一実施形態では、経口投与後の蓄積値は、MNTXでは約1.20を含む。一実施形態では、経口投与後の蓄積値は、M2では約1.30を含む。一実施形態では、経口投与後の蓄積値は、M4では、約1.62を含む。一実施形態では、経口投与後の蓄積値は、M5では約1.76を含む。一実施形態では、経口投与後の蓄積値は、MNTXでは約1.20、M2では約1.30、M4では約1.62、M5では約1.76を含む。
別の態様では、本明細書で提供するのは、それを必要とする対象に食物なしでMNTXを投与するステップを含む、MNTXのバイオアベイラビリティを高める方法である。
一実施形態では、MNTX450mgは、1日1回経口投与される。一実施形態では、MNTXは、3×150mg錠として投与される。
一実施形態では、MNTXは、対象の最後の食事の少なくとも約10時間後に投与される。一実施形態では、対象は、10時間以内に食事を摂っていないものと同定される。一実施形態では、MNTXは、対象の次の食事の少なくとも約4時間前に投与される。一実施形態では、対象は、MNTXの投与の少なくとも約10時間前及び投与の約4時間後に高脂肪及び/又は高カロリーの食事を避けるよう指示される。
一実施形態では、食物と共に投与すると、MNTX吸収がかなり遅延する。
一実施形態では、食物なしでMNTXを投与すると、食物と共にMNTXを投与するのに比べて、2分の1から4分の3まで全身の吸収が高まる。一実施形態では、食物なしでMNTXを投与すると、食物と共にMNTXを投与するのに比べてTmaxが約35%〜60%まで減少する。一実施形態では、食物なしでMNTXを投与すると、食物と共にMNTXを投与するのに比べてCmaxが1倍〜3倍まで増加する。一実施形態では、食物なしでMNTXを投与すると、食物と共にMNTXを投与するのに比べてAUCが1倍〜3倍まで増加する。
別の態様では、本明細書で提供するのは、治療を必要とする対象に食物なしでMNTXを投与するステップを含む、MNTXの便通効果を高める方法である。
一実施形態では、MNTX450mgは、1日1回経口投与される。一実施形態では、MNTXは、3×150mg錠として投与される。一実施形態では、MNTXは、対象の最後の食事の少なくとも約10時間後に投与される。一実施形態では、MNTXは、対象の次の食事の少なくとも約4時間前に投与される。
一実施形態では、対象は、MNTXの投与の少なくとも約10時間前及び投与の約4時間後に高脂肪及び/又は高カロリーの食事を避けるよう指示される。一実施形態では、対象は、10時間以内に食事を摂っていないものと同定される。
実施例1によって、MNTX3356配合物と比較した、試験薬(MNTX3201)の投与の最初の4週間以内の、すべての用量の4時間以内の対象当たりのレスキューなしの排便の平均割合を示す図である。 実施例1によって、MNTX3356配合物と比較した、試験薬(MNTX3201)の第1の用量後のレスキューなしの排便時間についてのカプラン・マイヤー曲線を示す図である。 実施例1によって、3200A3-2201-US経口IR錠、3200A3-2202-WW経口IRカプセル、及び3200A3-200-WW経口カプセルと比較した、試験薬(MNTX3201)の投与の最初の4週間以内の、すべての用量の4時間以内の対象当たりのレスキューなしの排便の平均割合を示す図である。 実施例1によって、3200A3-2201-US経口IR錠(図4A)と比較した、試験薬(MNTX3201)の第1の用量後のレスキューなしの排便までの時間のカプラン・マイヤー曲線を示す図である。 実施例1によって、3200A3-2202-WW経口IRカプセル(図4B)と比較した、試験薬(MNTX3201)の第1の用量後のレスキューなしの排便までの時間のカプラン・マイヤー曲線を示す図である。 実施例1によって、3200A3-200-WW経口カプセル(図4A)と比較した、試験薬(MNTX3201)の第1の用量後のレスキューなしの排便までの時間のカプラン・マイヤー曲線を示す図である。 実施例1に記載の試験に組み入れられた対象についての、例えば、不適格、プロトコール違反など、対象の内訳をまとめて示す図である(表1)。 実施例1に記載の試験に組み入れられたすべての対象の人口統計を示す図である(表2)。 図6−1の続きである。 図6−2の続きである。 試験に組み入れられたすべての対象についてのベースライン疾患特性を示す図である(表3)。特に、図7は、対象によって経験された非悪性慢性疼痛の性質、各対象の1週間当たりの平均のレスキューなしの排便回数及び1週間当たりのレスキューなしの排便が3回未満である対象の平均人数を示す。 図7−1の続きである。 図7−2の続きである。 主要有効性評価項目、すなわち、実施例1に記載の試験の最初の4週間のすべての用量の4時間以内の対象当たりのレスキューなしの排便の平均割合に関するデータを示す図である(表4)。 男性の対象に特有の主要有効性評価項目、すなわち、実施例1に記載の試験の最初の4週間のすべての用量の4時間以内の男性の対象当たりのレスキューなしの排便の平均割合に関するデータを示す図である(表5)。 女性の対象に特有の主要有効性評価項目、すなわち、実施例1に記載の試験の最初の4週間のすべての用量の4時間以内の女性の対象当たりのレスキューなしの排便の平均割合に関するデータを示す図である(表6)。 65歳以下の対象に特有の主要有効性評価項目、すなわち、実施例1に記載の試験の最初の4週間のすべての用量の4時間以内の65歳以下の対象当たりのレスキューなしの排便の平均割合に関するデータを示す図である(表7)。 65歳を超える対象に特有の主要有効性評価項目、すなわち、実施例1に記載の試験の最初の4週間のすべての用量の4時間以内の65歳を超える対象当たりのレスキューなしの排便の平均割合に関するデータを示す図である(表8)。 体重86kg未満の対象に特有の主要有効性評価項目、すなわち、実施例1に記載の試験の最初の4週間のすべての用量の4時間以内の体重86kg未満の対象当たりのレスキューなしの排便の平均割合に関するデータを示す図である(表9)。 体重86kg以上の対象に特有の主要有効性評価項目、すなわち、実施例1に記載の試験の最初の4週間のすべての用量の4時間以内の体重86kg以上の対象当たりのレスキューなしの排便の平均割合に関するデータを示す図である(表10)。 1週間当たりレスキューなしの排便が3回未満である対象に特有の主要有効性評価項目、すなわち、実施例1に記載の試験の最初の4週間のすべての用量の4時間以内の1週間当たりのレスキューなしの排便が3回未満である対象当たりのレスキューなしの排便の平均割合に関するデータを示す図である(表11)。 1週間当たりのレスキューなしの排便が3回以上である対象に特有の主要有効性評価項目、すなわち、実施例1に記載の試験の最初の4週間のすべての用量の4時間以内の1週間当たりのレスキューなしの排便が3回以上である対象当たりのレスキューなしの排便の平均割合に関するデータを示す図である(表12)。 ブリストル便形状スケールスコアが3未満である対象に特有の主要有効性評価項目、すなわち、実施例1に記載の試験の最初の4週間のすべての用量の4時間以内のブリストル便形状スケールスコアが3未満である対象当たりのレスキューなしの排便の平均割合に関するデータを示す図である(表13)。 図17−1の続きである。 最重要な副次的有効性評価項目、すなわち、実施例1に記載の試験の最初の4週間にわたってベースラインからの週1回のレスキューなしの排便回数の変化に関するデータを示す図である(表14)。 図18−1の続きである。 図18−2の続きである。 別の最重要な副次的有効性評価項目、すなわち、試験薬に応答する対象の割合に関するデータを示す図であり(表15)、応答は、実施例1に記載の試験の最初の4週間のうち少なくとも3週間のベースラインにわたってレスキューなしの排便が少なくとも1回増加すると共に、それぞれの4週間の試験に対して1週間当たりレスキューなしの排便が少なくとも3回あると定義される(表15)。 副次的有効性評価項目、すなわち、実施例1に記載の試験薬の第1の用量の4時間以内にレスキューなしの排便がある対象の割合に関するデータを示す図である(表16)。 実施例1に記載の全対象の間で生じた有害事象をまとめて示す図である(表17)。 実施例1に記載の全対象の間で生じたシステム臓器クラスによる重篤な有害事象をまとめて示す図である(表18)。 図22−1の続きである。 図22−2の続きである。 実施例1に記載の全対象の間で生じたシステム臓器クラスによる有害事象をまとめて示す図である(表19)。 図23−1の続きである。 図23−2の続きである。 実施例1に記載の臨床的に重要なECG結果をまとめて示す図である(表20)。 図24−1の続きである。 ヒトにおけるメチルナルトレキソン(MNTX)の代謝経路の概要図である。 絶食及び摂食条件下で450mg(3×150mg)錠を単回の経口投与した後のMNTXの平均血漿濃度対時間プロファイルを示すプロットである。 150mg、300mg又は450mg錠を単回経口投与した後及び皮下注射12mgを単回投与した後の、MNTXの平均血漿濃度対時間プロファイルを示すプロットである。薬物動態学的な母集団は、片対数スケールにおいて示される。
本明細書に記載されているのは、メチルナルトレキソンの経口配合物、例えば、両親媒性の薬学的に許容される賦形剤の陰イオンを含めたメチルナルトレキソンの塩を含む配合物を投与することによってオピオイド誘導性便秘症を治療するための方法の同定である。さらに、本明細書に記載されているのは、メチルナルトレキソン、例えば、メチルナルトレキソンブロミド及びナトリウムドデシル(ラウリル)スルファートを含む組成物150mg、300mg又は450mgの連日経口投与が、対象において有害事象を誘発せずにオピオイド誘導性便秘症を治療する又は予防する上で有効であるということを同定することである。
本明細書で別段定義されない限り、本明細書に用いられる科学用語及び技術用語は、当業者によって一般に理解される意味を有するものとする。用語の意味及び範囲は、明らかにすべきであるが、しかしながら、任意の潜在的なあいまいさのある事象において、本明細書で示される定義は、任意の辞書又は付帯的な定義に沿って慣例に従う。さらに、文脈によって別段必要とされない限り、単数形の用語は、複数が含まれるものとし、複数形の用語は、単数形が含まれるものとする。本出願において、「又は」の使用は、別段の記載がない限り「及び/又は」を意味する。さらに、「含めて(including)」という用語並びに「含む(includes)」及び「含まれる(included)」などの用語の他の形態は、制限されない。
定義
本明細書で使用される場合、「便秘症」という用語は、対象が、不定期の排便又は有痛性である及び/又は出にくい排便に罹っている状態を意味する。便秘症を経験している対象は、排便中にしぶり腹及び/又は排便後に排泄が不完全な感じに悩まされることが多い。ある特定の実施形態において、便秘症は、レスキューなしの排便(RFBM)が1週間当たり平均して3回(3)未満を経験している対象を意味し、「レスキューなしの排便」は、糞便の通過及び排泄、又は便通を意味する。
本明細書で使用される場合、「オピオイド誘導性便秘症」(OIC)という用語は、オピオイド療法によって生じる便秘症に罹っている対象を意味する。例えば、対象は、アルフェンタニル、アニレリジン、アシマドリン(asimadoline)、ブレマゾシン、ブルプレノルフィン(burprenorphine)、ブトルファノール、コデイン、デゾシン、ジアセチルモルフィン(ヘロイン)、ジヒドロコデイン、ジフェノキシラート、フェドトジン(fedotozine)、フェンタニル、フナルトレキサミン(funaltrexamine)、ヒドロコドン、ヒドロモルホン、レバロルファン、酢酸レボメタジル、レボルファノール、ロペラミド、メペリジン(ペチジン)、メサドン、モルヒネ、モルヒネ-6-グルコロニド(glucoronide)、ナルブフィン、ナロルフィン、アヘン、オキシコドン、オキシモルホン、ペンタゾシン、プロピラム(propiram)、プロポキシフェン、レミフェンタニル(remifentanyl)、スフェンタニル、チリジン、トリメブチン、及び/又はトラマドールによるオピオイド療法によって生じるオピオイド誘導性便秘症に罹り得る。
本明細書で使用される場合、メチルナルトレキソンの経口組成物の「有効量」は、オピオイド誘導性便秘症の1つ以上の症状を治療する又は予防するのに要するレベルを意味する。いくつかの実施形態では、「有効量」は、メチルナルトレキソンの経口組成物の少なくとも最小限の量であり、これは、本明細書で定義する通り、オピオイド誘導性便秘症の1つ以上の症状を治療する又は予防するのに十分である。いくつかの実施形態では、メチルナルトレキソン、その塩、又はメチルナルトレキソン若しくはその塩の組成物の量に関連して用いられる「有効量」という用語は、対象においてレスキューなしの排便を達成するのに十分なメチルナルトレキソン、その塩、又はメチルナルトレキソン若しくはその塩の組成物の量を意味する。
本明細書で使用される場合、「治療する(treat)」又は「治療している(treating)」という用語は、オピオイド誘導性便秘症、又はオピオイド誘導性便秘症の1つ以上の症状の発生を部分的に又は完全に緩和する、抑制する、遅延すること、オピオイド誘導性便秘症、又はオピオイド誘導性便秘症の1つ以上の症状の発生率を低減すること、オピオイド誘導性便秘症、又はオピオイド誘導性便秘症の1つ以上の症状を寛解させる及び/又は軽減することを意味する。
本明細書で使用される場合、「単位剤形」という表現は、治療しようとする対象に適切なメチルナルトレキソンの組成物又は配合物の物理的に分離した単位を意味する。しかしながら、提供される配合物の1日分の合計の使用は、主治医が健全な医学的判断の範囲内で決定するということが理解される。任意の特定の対象についての特定の有効量レベルは、オピオイド誘導性便秘症の重症度;組成物の性質及び活性;使用される特定の配合物;対象の年齢、体重、全体的な健康、性別及び食事;投与時間、及び使用される特定の有効な薬剤の排出率;治療の期間;使用される(1つ若しくは複数の)特定の化合物と組み合わせて又はそれらと同時に用いられる、薬物及び/又は追加の療法、医療技術において周知の因子などを含めて、種々の因子に依存する。
本明細書で使用される場合、「非悪性疼痛」という用語は、癌などの非悪性起源に由来する疼痛を意味する。
本明細書で使用される場合、「対象」という用語は、哺乳動物を意味し、ヒトの対象並びに家畜(例えば、ウマ、イヌ、ネコなど)及び実験動物(例えば、マウス、ラット、イヌ、チンパンジー、サルなど)などの動物対象が含まれる。ある特定の実施形態において、対象は、ヒトである。
本明細書で使用される場合「罹る(suffer)」又は「罹っている(suffering)」という用語は、患者が、特に、オピオイド誘導性便秘症があると診断されている又はオピオイド誘導性便秘症の疑いがある1つ以上の状態を意味する。
分子を記述するために本明細書で使用される「両親媒性の」という用語は、分子の疎水性及び親水性の2つの特性を意味する。通常、両親媒性分子は、無極性の水不溶性の基(例えば、炭化水素)に結合した極性の水溶性の基(例えば、ホスファート、カルボン酸、スルファート)を有する。両親媒性(amphiphilic)という用語は、両親媒性(amphipathic)と同義である。両親媒性分子の例には、ナトリウムドデシル(ラウリル)スルファート、脂肪酸、リン脂質、及び胆汁酸が含まれる。両親媒性分子は、無電荷の陽イオン性又は陰イオン性となり得る。
本明細書で使用される場合、「親油性(liphophilicity)」という用語は、脂肪、脂質、油、又は無極性溶媒と会合する又はそれらに溶解する化合物の能力を意味する。親油性及び疎水性は、脂肪、油、脂質、及び無極性溶媒に溶解する分子の同一の傾向を述べるために用いてもよい。
メチルナルトレキソンの組成物
特定の実施形態では、本明細書に記載されている方法は、メチルナルトレキソンのイオン対及び両親媒性の薬学的に許容される賦形剤を含むメチルナルトレキソンの経口組成物を投与することを含む。例えば、本明細書に記載されている方法に用いるための組成物は、次式のメチルナルトレキソンの塩となり得る。
Figure 2019048820
[メチルナルトレキソンは、この塩の陽イオンであり、A-は、国際公開WO2011/112816に記載された両親媒性の薬学的に許容される賦形剤の陰イオンである(この全内容を参照により本明細書に組み込む)]。ある実施形態では、メチルナルトレキソンは、上記の式に示される通り、(R)-N-メチルナルトレキソンであり、末梢作用μオピオイド受容体アンタゴニストである。(R)-N-メチルナルトレキソン陽イオン及び両親媒性の薬学的に許容される賦形剤の陰イオンは、イオン対として組成物中に存在し得る又はブロミド及びナトリウム、若しくはそれらの混合物などの他の対イオンと対になった別々の塩として存在し得るということが理解される。
経口投与用の組成物には、両親媒性の薬学的に許容される賦形剤の陰イオン(A-)がさらに含まれる。両親媒性の薬学的に許容される賦形剤は、組成物の親油性を高め、それにより、GI管中で拡散層が撹拌されないことにより輸送を増大させることが可能になり、その結果、生体膜への浸透が高まる。ある実施形態では、賦形剤は、薬物の親油性を高める。
ある実施形態では、両親媒性の薬学的に許容される賦形剤には、スルファート、スルホナート、ニトラート、ニトライト、ホスファート、又はホスホナート部分が含まれ得る。一実施形態では、薬学的に許容される賦形剤は、(-OSO3 -)基を含む。ある実施形態では、陰イオンは、硫酸ブチル、硫酸ペンチル、硫酸ヘキシル、硫酸ヘプチル、硫酸オクチル、硫酸ノニル、硫酸デシル、硫酸ウンデシル、硫酸ドデシル、硫酸トリデシル、硫酸テトラデシル、硫酸ペンタデシル、硫酸ヘキサデシル、硫酸ヘプタデシル、硫酸オクタデシル、硫酸エイコシル、硫酸ドコシル、硫酸テトラコシル、硫酸ヘキサコシル、硫酸オクタコシル、及び硫酸トリアコンチルである。
ある実施形態では、A-は、ブレンステッド酸の陰イオンである。模範的なブレンステッド酸には、ハロゲン化水素、カルボン酸、スルホン酸、硫酸、及びリン酸が含まれる。ある実施形態では、A-は、塩化物塩、臭化物塩、ヨウ化物塩、フッ化塩、硫酸塩、重硫酸塩、酒石酸塩、硝酸塩、クエン酸塩、酒石酸水素塩、炭酸塩、リン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、スルホン酸塩、メチルスルホン酸塩、ギ酸塩、カルボン酸塩、硫酸塩、メチル硫酸塩又はコハク酸塩である。ある実施形態では、A-は、トリフルオロ酢酸塩である。
ある実施形態では、組成物中のメチルナルトレキソンは、そこで会合する複数の陰イオン(例えば、臭化物及びドデシル(ラウリル)スルファート)を有することができる。
ある実施形態では、組成物、及びそれらの配合物が、(R)-N-メチルナルトレキソンブロミドを含むように、A-は、臭化物である。(R)-N-メチルナルトレキソンブロミドは、「MNTX」としても知られ、国際PCT特許出願公開WO2006/12789に記載されており、これは参照により本明細書に組み込まれる。(R)-N-メチルナルトレキソンブロミドの化学名は、(R)-N-(シクロプロピルメチル)ノルオキシモルホンメトブロミドである。(R)-N-メチルナルトレキソンブロミドは、分子式がC21H26NO4Brであり、分子量436.36g/molである。(R)-N-メチルナルトレキソンブロミドは、以下の構造
Figure 2019048820
を有し、化合物は、4級窒素に対して(R)立体配置である。本明細書に記載されているある実施形態では、化合物の少なくとも約99.6%、99.7%、99.8%、99.85%、99.9%、又は99.95%は、窒素に対して(R)立体配置である。同一のサンプル中に存在する(S)-N-メチルナルトレキソンブロミドの量と比較して、サンプル中に存在する(R)-N-メチルナルトレキソンブロミドの量を決定するための方法は、参照により本明細書に組み込まれるWO2006/127899に詳細に記載されている。他の実施形態では、メチルナルトレキソンは、(S)-N-メチルナルトレキソンブロミド0.15%、0.10%以下を含有する。
ある実施形態では、A-は、酸性の両親媒性の薬学的に許容される賦形剤である。ある実施形態では、薬学的に許容される賦形剤は、pKaが約3以下である。ある実施形態では、薬学的に許容される賦形剤は、pKaが約2以下である。ある実施形態では、薬学的に許容される賦形剤は、pKaが約1〜約2である。ある実施形態では、薬学的に許容される賦形剤は、pKaが約1以下である。
いくつかの実施形態では、経口投与用の組成物は、錠剤配合物である。いくつかの実施形態では、経口投与用の組成物は、カプセル配合物である。かかる組成物及び配合物に用いるためのメチルナルトレキソンは、種々の形態のいずれかとなり得る。例えば、本発明の組成物及び配合物に用いるために適したメチルナルトレキソンの形態には、薬学的に許容される塩、プロドラッグ、多形(すなわち、結晶形)、共結晶、水和物、溶媒和物などが含まれる。メチルナルトレキソンの任意の形態は、組成物又は配合物に用いることができるが、形態は、両親媒性の薬学的に許容される賦形剤とイオン対にすることが可能になるものとする。ある実施形態では、メチルナルトレキソンイオン対は、室温で固体である塩である。いくつかの実施形態では、組成物は、医薬組成物である。
一般に、経口投与用の配合物は、メチルナルトレキソン、前述した両親媒性の薬学的に許容される賦形剤、及び崩壊剤を含み、場合によっては、例えば、国際公開WO2011/112816(その全内容を参照により本明細書に組み込む)に記載の、結合剤、担体、キレート化剤、抗酸化剤、充填剤、滑沢剤、湿潤剤、又はそれらの組み合わせなどの、1つ以上の他の構成成分をさらに含む。
ある特定の実施形態において、経口投与用の組成物、例えば、医薬組成物は、(SDS又はSLSとしても公知の)メチルナルトレキソンブロミド及びナトリウムドデシル(ラウリル)スルファートを含む。ある実施形態では、組成物には、崩壊剤として炭酸水素ナトリウムがさらに含まれる。上記に記載の通り、追加の賦形剤は、それだけには限らないが、微結晶セルロース、クロスポビドン、ポリソルベート80、エデト酸カルシウム二ナトリウム無水物、ケイ酸化微結晶セルロース、タルク、コロイド状二酸化ケイ素及びステアリン酸マグネシウムの少なくとも1つを含めて組み込むことができる。一実施形態では、経口投与用の組成物は、メチルナルトレキソンブロミド、ラウリル硫酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、微結晶セルロース、クロスポビドン、ポリソルベート80、エデト酸カルシウム二ナトリウム無水物、ケイ酸化微結晶セルロース、タルク、コロイド状二酸化ケイ素及びステアリン酸マグネシウムをそれぞれ含む。
本明細書に記載した通りに使用するための組成物及びそれらの配合物は、国際公開WO2011/112816に記載される通り生成することができ、その全内容を参照により本明細書に組み込む。さらに、組成物、及びそれらの配合物は、本明細書の実施例2〜4に記載される通り生成することができる。
治療のための対象の選択
ある態様では、メチルナルトレキソンの経口組成物による治療、その後の経口組成物の投与のためにオピオイド誘導性便秘症に罹患している特定の対象の選択は、本明細書において示されている。
本明細書で定義する通り、オピオイド誘導性便秘症に罹患している対象は、オピオイド活性、例えば、外因性オピオイド療法又は内因性オピオイド活性によって生じる便秘症に罹患する対象を意味する。「便秘症」は、対象が、不定期の排便又は有痛性である及び/又は出にくい排便に悩まされている状態を意味する。便秘症を経験している対象は、硬い若しくは粗い便、排便中のしぶり腹及び/又は排便後に排泄が不完全な感じに悩まされることが多い。ある特定の実施形態において、便秘症は、例えば、最後の連続した4週間にわたって、レスキューなしの排便(RFBM)が1週間当たり平均して3回(3)未満を経験している対象を意味し、「レスキューなしの排便」は、糞便の通過及び排泄、又は便通を意味する。
ある実施形態では、対象は、オピオイド療法の開始前に慢性便秘症の既往歴がない。
オピオイド療法後の対象、最近オピオイド療法をしている対象又はオピオイド療法を予定している対象は、メチルナルトレキソンの経口組成物を投与することができる。一実施形態では、スクリーニング時の対象は、オピオイド治療レジメンに関してであり、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、65、70、75、80 85、90、95又は100日間のかかるレジメンに関してである。ある特定の実施形態において、対象は、少なくとも1カ月間オピオイドを投与されている。別の実施形態では、スクリーニング時の対象は、スクリーニングの少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、65、70、75、80 85、90、95又は100日後にオピオイド治療レジメンを開始する。さらに別の実施形態において、スクリーニング時の対象は、スクリーニング前に1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、65、70、75、80 85、90、95又は100日未満オピオイド治療レジメンを中止している。
対象は、種々の目的のためのオピオイドレジメンに関してとなり得る。例えば、対象は、癌若しくは外科患者、(HIV感染患者を含めた)免疫抑制若しくは免疫無防備状態の患者、進行性の内科的疾患を伴う患者、末期患者、ニューロパチーを伴う患者、関節リウマチを伴う患者、変形性関節症を伴う患者、慢性パック痛(pack pain)を伴う患者、脊髄損傷を伴う患者、慢性腹痛を伴う患者、慢性膵臓疼痛を伴う患者、骨盤会陰(pelvic perineal)疼痛を伴う患者、線維筋痛症を伴う患者、慢性疲労症候群を伴う患者、片頭痛若しくは緊張性頭痛を伴う患者、血液透析中の患者、又は鎌状赤血球貧血を伴う患者となり得る。
様々な実施形態では、対象は、疼痛を緩和するためのオピオイドを投与されている。ある特定の実施形態において、対象は、慢性非悪性疼痛を緩和するためのオピオイドを投与されている。本明細書で使用される場合、「非悪性疼痛」という用語は、癌などの非悪性起源に由来する疼痛を意味する。特定の実施形態において、非悪性疼痛には、背痛、子宮頚部痛、頚部痛、線維筋痛症、下肢(low extremity)痛、臀部痛、片頭痛、頭痛、神経障害性疼痛、又は変形性関節症が含まれる。
本明細書で使用される場合、「慢性」という用語は、長期間持続する状態を意味する。様々な実施形態では、慢性は、少なくとも1、2、3又は4週間続く状態を意味することもある。あるいは、慢性は、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、18、24、30又は36カ月続く状態を意味することもある。ある特定の実施形態において、対象は、少なくとも2カ月間持続している慢性非悪性疼痛を軽減するためにオピオイドを投与されている。
様々な実施形態では、対象は、それだけには限らないが、アルフェンタニル、アニレリジン、アシマドリン、ブレマゾシン、ブルプレノルフィン、ブトルファノール、コデイン、デゾシン、ジアセチルモルフィン(ヘロイン)、ジヒドロコデイン、ジフェノキシラート、フェドトジン、フェンタニル、フナルトレキサミン、ヒドロコドン、ヒドロモルホン、レバロルファン、酢酸レボメタジル、レボルファノール、ロペラミド、メペリジン(ペチジン)、メサドン、モルヒネ、モルヒネ-6-グルコロニド、ナルブフィン、ナロルフィン、アヘン、オキシコドン、オキシモルホン、ペンタゾシン、プロピラム、プロポキシフェン、レミフェンタニル、スフェンタニル、チリジン、トリメブチン、及び/又はトラマドールを含めて、オピオイド療法中となり得る。
様々な実施形態では、対象は、1日量の経口モルヒネ当量を少なくとも10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290又は300mg投与している。ある特定の実施形態において、対象は、経口モルヒネ当量を少なくとも50mg投与している。経口モルヒネ当量の算出は、当技術分野で周知である。表Aによって、公知のオピオイドに関するモルヒネ経口当量表が示される。
Figure 2019048820
Figure 2019048820
Figure 2019048820
対象のオピオイド治療レジメンは、任意の投与モードによるものとなり得る。例えば、対象は、オピオイドを経口投与、経皮投与、静脈内投与、又は皮下投与することができる。
投与量及び投与
組成物及び配合物は、有効量のメチルナルトレキソンを提供する必要に応じて患者に投与することができる。上記で定義した通り、「有効量」の化合物又は薬学的に許容される組成物は、所望の治療及び/又は予防効果を達成することができる。いくつかの実施形態では、「有効量」は、化合物、又は化合物を含有する組成物の少なくとも最小限の量であり、本明細書で定義する通り、オピオイド誘導性便秘症の1つ以上の症状を治療する又は予防するのに十分である。いくつかの実施形態では、メチルナルトレキソン、その塩、又はメチルナルトレキソン若しくはその塩の組成物の量に関連して用いられる「有効量」という用語は、対象においてレスキューなしの排便を達成するのに十分なメチルナルトレキソン、その塩、又はメチルナルトレキソン若しくはその塩の組成物の量を意味する。
いくつかの実施形態では、メチルナルトレキソンの経口組成物は、前記患者への投与の約24時間以内、約12時間以内、約8時間以内、約5時間以内、約4時間以内、約3時間以内、約2時間以内、又は約1時間以内に、対象においてレスキューなしの排便を達成するのに十分である。ある特定の実施形態において、メチルナルトレキソンの経口組成物は、患者への投与の約4時間以内にレスキューなしの排便を達成するのに十分である。いくつかの実施形態では、メチルナルトレキソンの経口組成物は、すべての用量の少なくとも100%、99%、少なくとも95%、少なくとも90%、少なくとも85%、少なくとも80%、少なくとも75%、又は少なくとも50%が投与される場合、患者への投与の約4時間以内にレスキューなしの排便を達成するのに十分である。ある実施形態では、メチルナルトレキソンの経口組成物は、投与の最初の1、2、3、4、5、6、7、8、9若しくは10週間の間に4時間以内にレスキューなしの排便を達成するのに十分である。ある特定の実施形態において、メチルナルトレキソンの経口組成物は、すべての用量が投与の最初の4週間に投与される場合、患者への投与の約4時間以内にレスキューなしの排便を達成するのに十分である。
オピオイド誘導性便秘症を治療する上で本明細書に記載されている経口組成物の有効性は、対象によって経験されるレスキューなしの排便の回数の増加によってさらに評価することができる。例えば、いくつかの実施形態では、メチルナルトレキソンの経口組成物は、対象によって経験される週1回のレスキューなしの排便回数を少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10回まで増加させるのに十分である。特定の実施形態において、メチルナルトレキソンの経口組成物は、対象によって経験されるレスキューなしの週1回の排便の回数を少なくとも1回まで増加させるのに十分である。別の実施形態では、メチルナルトレキソンの経口組成物は、対象によって経験されるレスキューなしの週1回の排便の回数を少なくとも2回まで増加させるのに十分である。さらなる別の実施形態では、メチルナルトレキソンの経口組成物は、対象によって経験されるレスキューなしの週1回の排便の回数を少なくとも3回まで増加させるのに十分である。ある実施形態では、メチルナルトレキソンの経口組成物は、投与の最初の1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10週間の間に対象によって経験されるレスキューなしの週1回の排便の回数を増加させるのに十分である。ある特定の実施形態において、メチルナルトレキソンの経口組成物は、投与の最初の4週間に対象によって経験されるレスキューなしの週1回の排便の回数を少なくとも1回まで増加させるのに十分である。別の特定の実施形態では、メチルナルトレキソンの経口組成物は、週1回のレスキューなしの排便回数が1週間に少なくとも1回から少なくとも3回まで増加させるのに十分である。さらなる実施形態では、メチルナルトレキソンの経口組成物は、投与の最初の4週間後に少なくとも3回の場合、週1回のレスキューなしの排便回数を1週間に少なくとも1回から少なくとも3回まで増加させるのに十分である。
本明細書において示される経口組成物の有効性は、便秘症の治療を評価するために当業者に利用可能な様々な評価ツールを用いてさらに評価することができる。
ある特定の実施形態において、メチルナルトレキソンの経口組成物の効果は、便秘症患者評価(Patient Assessment of Constipation)(PAC)質問票によって評価される。PACは、2種類の相補的な質問票、すなわち、PAC-症状(SYM)及びPAC-生活の質(QoL)質問票からなる。PAC-SYMは、3つのドメインにわたる便秘症症状の重症度、すなわち、便症状、直腸症状及び腹部症状を測定する12項目の調査である。PAC-SYMスケールは、慢性便秘症を評価するために主に用いられている。PAC-SYMスケールは、Frankら、Scand J Gastroenterol(1999年)34巻(9号):870〜877頁及びSlappendelら、European Journal of Pain(2006年)10巻(3号):209〜217頁にさらに記載されており、それぞれのその全内容を参照により本明細書に組み込む。PAC-QoLは、4つのドメインにわたる便秘症に特有の生活の質、すなわち、心配及び憂慮、身体的な不快感、心理社会的な不快感、並びに満足感を測定する28項目の調査である。PAC-QoLスケールは、Marquisら、SJG(2005年)40巻:540〜551頁にさらに記載されており、その全内容を参照により本明細書に組み込む。
代替的に又は組み合わせて、メチルナルトレキソンの経口組成物の効果は、EQ-5D (European Quality of Life-5 Dimensions)分析によって評価される。EQ-5Dは、患者報告アウトカム(PRO)の一尺度として用いるための5項目の標準化された手法である。広範囲の健康条件及び治療に適用可能で、この手法は、簡単な記述的プロファイル及び健康状態の単一の指標の値を示す。EQ-5D手法は、Dolan P.Medical Care(1997年)35巻:1095〜1108頁、Rabin R.Ann.Med.(2001年)33巻(5号):537〜543頁及びShawら、Medical Care(2005年)43巻:203〜220頁にさらに記載されており、それぞれのその全内容を、参照により本明細書に組み込む。
代替的に又は組み合わせて、メチルナルトレキソンの経口組成物の効果は、仕事の生産性及び活動障害(Work Productivity and Activity Impairment General Health)V2.0(WPAI:GH)に関する質問票によって評価される。WPAI:GHは、損失労働時間及び健康上の問題のための生産性の損失を定量化する6項目の質問票である。WPAI:GHによって、4タイプのスコア、すなわち、アブセンティーイズム(働けなかった作業時間)、「プレゼンティーイズム」(作業時の支障(impairment at work)/仕事における効率の低下)、作業生産性の損失(作業全体の支障/プレゼンティーイズムをプラスしたアブセンティーイズム)、及び活動の支障が得られる。WPAI:GH質問票は、Reillyら、PharmacoEconomics(1993年)4巻(5号):353〜365頁にさらに記載されており、その全内容を参照により本明細書に組み込む。
代替的に又は組み合わせて、メチルナルトレキソンの経口組成物の有効性を、GCIC(Global Clinical Impression of Change)スケールによって評価する。GCICは、試験薬を投与中に、対象の腸の状態の変化の対象及び臨床医の印象を評価するために設計された7点の点数評価スケールである。スケールは、1(より悪い)〜7(より良い)までの範囲である。このスケールは、連日投与の終了時に及び治療の終了時に対象及び臨床医によって完了された。
ある実施形態では、患者は、メチルナルトレキソンの組成物を少なくとも1日1回経口投与される。ある実施形態では、対象は、メチルナルトレキソンの経口組成物を1日少なくとも1回、2回、3回、4回又は5回投与される。ある特定の実施形態において、対象は、メチルナルトレキソンの経口組成物を1日3回投与される。
様々な実施形態では、対象は、メチルナルトレキソン、又はその塩150mgを連日経口投与される。例えば、対象は、メチルナルトレキソン又はその塩150mgを含む錠剤を連日投与することができる。別の実施形態では、対象は、メチルナルトレキソン又はその塩300mgを連日経口投与される。例えば、対象は、メチルナルトレキソン又はその塩150mgをそれぞれ含む2つの錠剤を、連日投与することができる。さらなる別の実施形態では、対象は、メチルナルトレキソン又はその塩450mgを、連日経口投与される。例えば、対象は、メチルナルトレキソン又はその塩150mgをそれぞれ含む3つの錠剤を連日投与することができる。
有害事象
本明細書に記載されているのは、メチルナルトレキソンの経口組成物、例えば、150mg、300mg又は450mgの、少なくとも1日1回、例えば、1日3回投与が、有害事象を起こさずにオピオイド誘導性便秘症を治療するのに十分であるという同定において少なくとも部分的に予測でき得る方法である。経口メチルナルトレキソンを投与することによって誘導される模範的な有害事象は、実施例1に記載される。本発明はまた、以前の経口メチルナルトレキソン配合物、例えば、メチルナルトレキソンの腸溶性(enterically coated)経口配合物又は両親媒性の薬学的に許容される賦形剤の陰イオン、特に、ナトリウムドデシル(ラウリル)スルファートの陰イオンを含めないメチルナルトレキソンの他の経口配合物で観察された有害事象の頻度と比較して、有害事象の発生を減少させる本明細書に記載したメチルナルトレキソンの経口配合物を用いて対象を治療する方法を提供する。
従って、実施例1に記載されるデータによって、本明細書に記載したメチルナルトレキソンの経口配合物を投与する方法が、先に論じたメチルナルトレキソンの経口配合物、例えば、メチルナルトレキソンの腸溶性経口配合物又は両親媒性の薬学的に許容される賦形剤の陰イオン、特に、ナトリウムドデシル(ラウリル)スルファートの陰イオンを含めないメチルナルトレキソンの他の経口配合物を投与する方法よりも安全であるということが実証されている。
本明細書において示される態様のそれぞれのすべての特徴は、他のすべての態様に準用して適用される。本出願全体で引用されるすべての参照文献、特許、係属中の特許出願及び公開された特許の内容を、参照により明確に組み込む。
[実施例1]
オピオイド誘導性便秘症の治療における経口メチルナルトレキソンの有効性及び投与量試験
目的
主要な目的
本試験の主要な目的は、オピオイド誘導性便秘症(OIC)を有する慢性非悪性疼痛を伴う対象において経口メチルナルトレキソン(OM)対プラセボの安全性及び有効性を評価することであった。
副次的な目的
本試験の副次的な目的は、OICを有する慢性非悪性疼痛を伴う対象においてOM投与レジメンを決定することであった。
試験デザイン
慢性非悪性疼痛を伴う対象およそ802名におけるOICの治療のための第3相多施設無作為化二重盲検プラセボ-対照平行群OM試験を実施した。
適格な対象は、インフォームドコンセントフォーム(ICF)に署名し、14日のスクリーニング期間(±2日)に参加し、この間、便秘の客観的証拠を評価し、登録の基準として用いた。
スクリーニング期間中のオピオイド使用による便秘症:便秘症は、(対象の日誌による報告に基づいた)以下の1つ以上を伴った1週間当たりのレスキューなしの排便(RFBM)が平均して<3回と定義される(排便前24時間以内に緩下薬を使用しない)。
a.レスキューなしの排便について少なくとも25%がブリストル便形状スケール1型又は2型。
b.レスキューなしの排便中の少なくとも25%がしぶり腹。
c.レスキューなしの排便後の少なくとも25%の排泄が不完全な感じ。
ベースライン来院時(1日目)に依然として適格であった対象を、最初に1:1:1:1の割り付け比で、OM錠剤配合物150mg、300mg、450mg、又はプラセボのいずれかに無作為に割り付けた。対象は、朝一番に(朝食前の)空腹の胃に1日3錠を服用することが求められた。対象には、錠剤を丸ごと飲み込み、それらを噛まず、分割せず又は破砕せず、任意の食物を摂取する前の少なくとも30分待つことを指示した。対象は、84日間まで試験に参加した。最初の28日は、1日1回投与し;残りの56日は、必要に応じて投与した(PRN)。投与は、12週間(84日)の期間を通して二重盲検のまま行った。84日の治療期間を、14日の治療後追跡期間(±2日)までフォローした。総計およそ802名の対象を無作為化し投与するまで登録を続けた。
試験実施
本試験を、スクリーニング期間(期間は14日[±2日]間)、二重盲検の毎日投与する期間(期間は28日間)、二重盲検のPRN投与期間(期間は56日間)、及びフォローアップ来院(14日治療後フォローアップ来院[±2日])に分けた。
a.試験実施-スクリーニング期間
スクリーニング期間は、投与前の14日(±2日)の期間であった。対象が署名し日付入りで記入したICFを受領した後、対象に対して、試験の参加前に適格性の状態を評価した。本試験の目的のためのスクリーニングの失敗は、インフォームドコンセントフォームに署名したが、任意の試験薬を投与しなかった任意の対象と定義された。スクリーニングの開始時にすべての緩下薬療法を中止し、試験で認められたレスキュー緩下薬のみを、スクリーニング及び二重盲検期間全体で用いた。
b.試験実施-二重盲検期間
ベースライン来院時に、対象を、OM又はプラセボのいずれかに無作為に割り付けた。ベースライン来院時(1日目)にすべての組み入れ及び非除外基準に適う対象に、試験医薬を投与した。すべての用量は、朝、朝食前に投与されることになっており[ベースライン来院時に投与される最初の用量は、正午(12:00pm)以降に投与されることもある]、対象は、任意の食物を摂取する前に少なくとも30分待つよう指示された。対象は、84日間まで試験に参加し、最初の28日は、二重盲検の1日1回投与であり;残りの56日は、二重盲検のPRN投与であった。
c.試験実施-治療の終了
対象が試験を完了した又は中止したとき、84日目又は早期終了来院時に、すべての評価を行った。この評価には、以下が含まれる。すなわち、バイタルサイン測定値、試験室による判定用の検体収集、身体的検査、(適用可能な場合は)血清妊娠検査、AEの記録及び調整、併用のオピオイド、非オピオイド治療、OOWS、SOWS、疼痛強度スケール、生活の質及び便秘症状評価、変化の全般的な臨床所見(GCIC)、並びに対象によって報告された日誌の情報及びコンプライアンスの検討。
d.試験実施-フォローアップ来院
12週間(84日)の二重盲検相を完了した対象は、84日後の14日(±2日)にフォローアップのために再び来院して、対象の全般的な安全状態を評価した。
調査的な計画-全般的な試験デザイン及び理論的根拠、対照群の選択、並びに測定の適切さ
本第3相試験の主要有効性評価項目は、投与の最初の4週間のすべての用量の4時間以内の対象当たりのレスキューなしの便通反応の平均割合であった。階層的順序の最重要な副次的有効性評価項目は、以下の通りであった。
1.1週〜4週の間のベースラインからの週1回のRFBMの回数の変化
2.1週〜4週の間の試験薬に対する応答(応答者/非応答者)(応答者は、1週間当たりのRFBMが≧3であり、最初の4週間を超えて少なくとも3回あるのに対して、ベースラインに対してRFBMが1週間当たり少なくとも1回増加すると定義された)。
治療群の選択
評価された活性の経口メチルナルトレキソン(OM)用量には、150、300、及び450mgが含まれ、これらは、OMの安全性及び有効性を評価するプラセボ-対照デザインの一部であった。(盲検化、無作為化が許容され、不活性な治療を受ける群が含まれる)プラセボ-対照デザインによって、試験薬の薬理作用から生じるもの以外の潜在的な影響が制御された。こうした影響には、基礎症状に関連する安全性所見、自発変動(状態の自然経過及び平均値への回帰)、対象又は研究者の期待、試験に参加していることによる効果、他の療法の使用、及び診断又は評価の主観的要素が含まれる。こうした理由のため、プラセボ-対照デザインは、倫理的に受け入れられており、2002年のワシントンで行われた世界医師会の総会で明らかにされた、ヘルシンキ宣言と合致した。
試験基準
適格基準に適った対象のみを試験に登録した。
対象がベースライン来院時の組み入れ基準に適った場合のみ、対象を継続して本試験に含めることを許可した。
対象がスクリーニング来院時の除外基準のいずれか1つに適った場合、対象を本試験から除外した。
対象がベースライン来院時の除外基準のいずれか1つに適った場合、対象を本試験から除外した。
スクリーニング
必要とされる組み入れ基準があること及びすべての除外基準がないことを保証する適格性の評価を、原資料(the source)及びCRFに対して行い検証した。スクリーニング来院時に、本試験に適格であった対象に第1日目に再来院するよう依頼した。
有効性の評価
有効性を評価するために、排便の日付及び時間、ブリストル便形状スケール、しぶり腹スケール、完全に排泄した感覚のスケール、並びに試験薬の記録及びレスキューの緩下薬の使用を含めて、対象によって報告された情報を用いた。
主要有効性評価項目
主要有効性評価項目は、投与の最初の4週間のすべての用量の4時間以内の対象当たりのレスキューなしの便通反応の平均割合であった。
副次的有効性評価項目
階層的順序における2つの最重要な副次的有効性評価項目は、以下の通りであった。
1.投与の最初の4週間(28日)全体にわたるベースラインからの週1回のRFBMの回数の変化。
2.1週〜4週の間の試験薬に対する応答(応答者/非応答者)(応答者は、1週間当たりのRFBMが≧3であり、最初の4週間を超えて少なくとも3回あるのに対して、ベースラインに対してRFBMが1週間当たり少なくとも1回増加すると定義される)。
他の副次的有効性評価項目
他の評価項目には、以下が含まれる。
・RFBMを1週間当たり少なくとも3回達成している対象の割合
・絶食状態によって試験薬の第1の用量の4時間以内にレスキューなしの便通応答がある対象の割合
・24時間の時点で又は第2の用量の時間に検閲された、第1の用量後の最初のRFBMまでの時間(絶食状態によりいずれか最初に起こる方)
・12週の治療期間全体にわたる試験薬に対する応答(応答者/非応答者)(応答者は、1週間当たりのRFBMが≧3回あり、週≧75%に対して、ベースラインに対して1週間当たりのRFBMが少なくとも1回増加する)。
・1、2、3、4、6、8及び24時間以内に任意のRFBMをもたらす用量の百分率。
安全性の評価
オピオイドの使用及びレスキュー緩下薬、並びにすべての来院時のバイタルサイン測定を含めた有害事象(AE)、重篤な有害事象(SAE)の併用治療について対象をモニターした。バイタルサイン、(直腸診を含めた)身体検査、検査値の評価(laboratory evaluation)、血清検査、尿検査、妊娠検査、ECG、客観的なオピオイド離脱スケール(Objective Opioid Withdrawal Scale)(OOWS)、主観的なオピオイド離脱スケール(Subjective Opioid Withdrawal Scale)(SOWS)及び疼痛強度スケールを試験中に予定された間隔で行った。
心電図
対象が試験のための来院及び評価の予定で指定された来院時に少なくとも5分間休憩をした後、標準的な12誘導ECGを得た。研究者は、報告のハードコピーを審査する、解析する、及び保管することに関して責任を負った。正常な又は臨床的に重要でないECGをスクリーニングした後の任意の時点の臨床的に重要な異常を、下記で定義される通り、有害事象として記録した。
患者報告アウトカム
対象の便秘症症状、便秘症に関連する生活の質、全般的な生活の質、腸の状態の変化、並びに作業能力を妨げる度合いを定量化する、PAC-SYM、PAC-QoL、EQ-5D、WPAI:GH、及び(臨床医によって投与される)GCIC評価によって、自己投与のPRO評価項目を測定した。
疼痛強度スケール
疼痛強度スケールの数値による評点(Numerical Rating of Pain Intensity Scale)を用いて疼痛の測定を記録した。このスケール、つまり、0(なし)〜10(最も悪い疼痛の可能性)の範囲の11点の点数評価スケールは、対象評価ツールであり、対象は、スケールを完了する前の24時間中に経験した疼痛に基づいた評価を終えるべきである。
ブリストル便スケール
便コンシステンシー及びしぶり腹の尺度を、ブリストル便スケールを用いてそれぞれの排便について記録した。ブリストル便スケールは、便サンプルの特性を評定する7点スケールである。この範囲は、1型(木の実のような別個の硬い塊(出にくい))から7型(水様性の固形分が認められない全くの液体)までである。ブリストル便スケールは、認識された、便コンシステンシー又は形態の一般的な尺度である。
しぶり腹スケール
しぶり腹の尺度を、しぶり腹スケールを用いてそれぞれの排便について記録した。スケール、つまり、しぶり腹の量を評定する5点スケール(なしから非常に重症まで)は、対象評価ツールであり、対象は、それぞれの排便に関する評価を終えるものとした。
完全に排泄した感覚のスケール
完全に排泄した感覚の測定値を、完全に排泄した感覚のスケールを用いてそれぞれの排便について記録した。このスケールは、対象評価ツールであり、対象は、それぞれの排便に関する評価を終えるものとした。
患者報告アウトカム(PRO)
PROは、便秘症症状の対象の経験並びに生活の質及び作業生産性に対する便秘症の影響を探索する目的のためである。偏りのない評価を保つためにあらゆる努力がなされるものとした。研究者は、対象の自己評価に影響を与えないものとした。
便秘症患者評価(PAC):PACは、2つの相補的な質問票から構成される。すなわち、PAC-症状(SYM)及びPAC-生活の質(QoL)である。PAC-SYMは、3つのドメインにわたる便秘症症状の重症度、すなわち、便症状、直腸症状及び腹部症状を測定する12項目の調査である。PAC-SYMスケールは、慢性便秘症を評価するために主に用いられている。PAC-QoLは、4つのドメインにわたる便秘症に特有の生活の質、すなわち、心配及び憂慮、身体的な不快感、心理社会的な不快感、並びに満足感を測定する28項目の調査である。
欧州における5つの側面の生活の質(EQ-5D):EQ-5Dは、PROの一尺度として用いるための5項目の標準化された手法である。広範囲の健康条件及び治療に適用可能で、簡単な記述的プロファイル及び健康状態の単一の指標の値を示す。
仕事の生産性及び活動障害V2.0(WPAI:GH):WPAI:GHは、損失労働時間及び健康上の問題のための生産性の損失を定量化する6項目の質問票である。WPAI:GHによって、4タイプのスコア、すなわち、アブセンティーイズム(働けなかった作業時間)、「プレゼンティーイズム」(作業時の支障/仕事における効率の低下)、作業生産性の損失(作業全体の支障/プレゼンティーイズムをプラスしたアブセンティーイズム)、及び活動の支障が得られる。
変化の全般的な臨床所見(GCIC):GCICは、試験薬を投与中に、対象の腸の状態の変化の対象及び臨床医の印象を評価するために設計された7点の点数評価スケールである。スケールは、1(より悪い)〜7(より良い)までの範囲である。このスケールは、連日投与の終了時(来院4回目)及び治療の終了時(来院7日目)に対象及び臨床医によって完了された。
試験薬は、活性がある試験薬150mg錠及び/又はプラセボを含有するブリスターカードとして提供された。各カードは、試験薬の錠剤を21錠有し、これは、7日分の試験医薬であった。3つの錠剤は、一度に投与される。
データ分析
評価項目及び評価
主要評価項目:投与の最初の4週間のすべての用量の4時間以内の対象当たりレスキューなしの便通反応の平均割合
副次的評価項目:
1.投与の最初の4週間(28日)全体にわたるベースラインからの週1回のRFBMの回数の変化。
2.1週〜4週の間の試験薬の応答(応答者/非応答者)(応答者は、1週間当たりRFBMが≧3であり、最初の4週間を超えて少なくとも3回あるのに対して、ベースラインに対してRFBMが1週間当たり少なくとも1回増加すると定義される)。
他の副次的評価項目:
・RFBMを1週間当たり少なくとも3回達成している対象の割合
・絶食状態によって試験薬の第1の用量の4時間以内のレスキューなしの便通応答がある対象の割合
・24時間の時点で又は第2の用量の時間で検閲された、第1の用量後の最初のRFBMまでの時間(絶食状態によりいずれか最初に起こる方)
・12週の治療期間全体にわたる試験薬に対する応答(応答者/非応答者)(応答者は、1週間当たりのRFBMが≧3回あり、週≧75%に対して、ベースラインに対して1週間当たりのRFBMが少なくとも1回増加する)。
・1、2、3、4、6、8、及び24時間以内に任意のRFBMをもたらす用量の百分率
・週1回のRFBM率が≧3回で、ベースラインからの週1回のRFBM率が少なくとも1回増加する対象の割合
・ベースラインからの週1回のRFBM率が少なくとも1回増加する対象の割合
・週1回のBM(排便)率
・週1回の質の良いRFBMの回数(すなわち、ブリストル便形状スケール:3型及び4型が「理想的な便」である)
・週1回の完全なRFBM(CRFBM)の回数、すなわち、完全に排泄した感覚があるRFBM
・RFBMのブリストル便形状スケールの平均値
・RFBMのしぶり腹スケールの平均値
・RFBMのブリストル便形状スケールがレベル≧1まで改善する対象の割合
・RFBMのしぶり腹スケールがレベル≧1まで改善する対象の割合
・ブリストル便形状スケールが3型又は4型であるRFBMの平均百分率
・下痢又は水様性の便として分類されるRFBMの平均百分率
・任意の下痢又は水様性のRFBM(ブリストル便形状スケール6型若しくは7型)である対象の割合
・しぶり腹スケールスコアが0又は1(なし、若しくは軽度)であるRFBMの平均百分率
・完全に排泄した感覚があるRFBMの平均百分率
・第1の投与(dose administration)からの最初のRFBMまでの時間
・第1の投与からの最初のBMまでの時間
・以前のMNTXの使用による応答
・PAC-SYM
・PAC-QoL
・EQ-5D
・WPAI:GH
・GCIC
安全性の評価
・バイタルサイン
・レスキュー医薬の使用
・併用薬物
・重篤な有害事象を含めた有害事象
・ECG
・身体検査
・検査値の評価
患者報告アウトカム(PRO)
PROは、PAC-SYM、PAC-QoL、EQ-5D、WPAI:GH、及びGCICによって測定された。これらの評価は、対象の便秘症症状、便秘症に関連する生活の質、全般的な生活の質、腸の状態の変化、及び作業能力を妨げる度合いを定量化した。総スケールスコア及び関連するサブスケールをベースラインからのこれらのそれぞれの変化と同様に算定した。
結果
対象
対象803名を本試験に組み入れた。図5(表1)に記載の通り、プラセボを投与する対象201名のうち、対象186名は本試験を完了した。経口メチルナルトレキソン150mgを連日投与する対象201名のうち、対象187名は、本試験を完了した。経口メチルナルトレキソン300mgを連日投与する対象201名のうち、対象189名は、本試験を完了した。最後に、経口メチルナルトレキソン450mgを連日投与する対象200名のうち、対象179名は、本試験を完了した。
図6(表2)は、年齢、性別、人種、民族性、身長、体重及び肥満度指数を含めて、本試験に組み入れられたすべての対象に関する人口統計を示している。
図7(表3)は、試験に組み入れられたすべての対象のベースライン疾患の特性を示している。特に、図7は、例えば、背痛、関節/四肢の疼痛、関節炎、神経性疼痛/神経障害性疼痛又は線維筋痛症を含めて、対象によって経験される非悪性慢性疼痛の性質を示している。図7は、(i)各対象についての1週間当たりのレスキューなしの平均排便回数、(ii)1週間当たりレスキューなしの排便が3回未満である対象の平均人数、(iii)レスキューなしの排便中にしぶり腹を経験する対象の百分率;(iv)レスキューなしの排便中の少なくとも25%がしぶり腹を経験する対象の百分率;(v)レスキューなしの排便後に不完全に排泄した感覚を経験している対象の百分率;(vi)レスキューなしの排便後の少なくとも25%が不完全に排泄した感覚を経験している対象の百分率;(vii)レスキューなしの排便中にブリストル便形状スケール1型又は2型を経験している対象の百分率;及び(vii)レスキューなしの排便中の少なくとも25%がブリストル便形状スケール1型又は2型を経験している対象の百分率をさらに示している。
主要有効性評価項目
結果から、メチルナルトレキソンの経口組成物のそれぞれの試験される投与量、すなわち、メチルナルトレキソン150mg、300mg及び450mgの有効性が実証される。かかる有効性は、主要有効性評価項目、すなわち、投与の最初の4週間のすべての用量の4時間以内の対象当たりのレスキューなしの排便の平均割合を実証することによって証明される。
図8(表4)は、主要有効性評価項目に関する結果、すなわち、実施例1に記載の試験の最初の4週間のすべての用量の4時間以内の対象当たりのレスキューなしの排便の平均割合をまとめて示している。
図9〜図17(表5〜13)は、主要有効性評価項目に関する結果をさらにまとめて示し、これらの結果は、対象の人口統計又はオピオイド誘導性便秘症の重症度によって分類される。
特に、図9及び図10(表5及び表6)は、それぞれ、男性及び女性の対象についての結果を示し、男性及び女性両方の有効性を証明している。図11(表7)では、65歳以下の対象についての有効性が実証され、図12(表8)は、65歳を超える対象について実証される。図13及び図14(表9及び表10)は、86kg未満である対象及び86kg以上である対象についての結果をそれぞれ示しており、その各クラスは、主要有効性評価項目に関する有効性を示した。研究によって、主要有効性評価項目によって証明される通り、白人の対象間の有効性がさらに実証される。
図16(表11)では、1週間当たりレスキューなしの排便が3回未満である対象についての主要な有効性が確認されている。最後に、図17(表13)では、ブリストル便形状スケールスコアが3未満である対象についての主要な有効性が確認されている。
副次的有効性評価項目
結果から、以下を含めて副次的有効性評価項目を確認することによって証明される通り、メチルナルトレキソンの経口組成物のそれぞれの試験される投与量、すなわち、メチルナルトレキソン150mg、300mg及び450mgの有効性がさらに実証される。
(a)試験の1週〜4週の間のベースラインからの週1回のレスキューなしの排便回数の変化(図18;表14を参照のこと);及び
(b)試験薬に対する応答(本試験のそれぞれの最初の4週間に対して1週間当たりのレスキューなしの排便が少なくとも3回あり、本試験の最初の4週間のうち少なくとも3回あるのに対して、ベースラインに対してレスキューなしの排便が少なくとも1回増加すると定義される)(図19;表15を参照のこと)。
さらに、別の副次的評価項目では、図20(表16)に図示される通り、試験薬の有効性をさらに確認し、試験薬の第1の用量の4時間以内にレスキューなしの排便がある対象の割合を記載している。
有害事象
結果から、投与量150mg、300mg及び450mgの試験薬は、図21(すべての有害事象)、図22(臓器系クラスによって構成される重篤な有害事象)及び図23(臓器系クラスによって構成される有害事象)のそれぞれに記載の有害事象を生じなかったということがさらに実証されている。
最後に、図24(表20)は、実施例1に記載の臨床的に重要な心電図結果をまとめて示す。
[実施例2]
メチルナルトレキソンブロミドの錠剤の調製
メチルナルトレキソンブロミドは、国際PCT特許出願公開WO 2006/127899に詳細に記載の方法に従って調製することができる。メチルナルトレキソンを含有する配合物を、薬学的に許容される賦形剤を用いて調製した。メチルナルトレキソンを含有するスフェロイドを調製した。錠剤を、従来の技法を用いて、スフェロイドから調製した。錠剤は、10分未満で溶解する。
スフェロイドを、以下の一般的な方法に記載の通り、湿式造粒プロセスによって調製し、その後押出しを行い、球形化した。メチルナルトレキソンブロミド及び薬学的に許容される賦形剤を、水溶液に合わせた。押出しに適した湿った塊が得られるまで水を加えた。湿った塊を押出機に通し、押出物をスフェロナイザー(spheronizer)において球形化した。得られたスフェロイドを、流動床乾燥機において乾燥し、ふるいに通した。コーティングしていないスフェロイドを、適切な容器中で貯蔵した。
[実施例3]
経口投与されるメチルナルトレキソンの臨床薬物動態
本明細書に記載されているのは、臨床薬物動態試験、試験C、並びに試験A及びBである。試験Aは、メチルナルトレキソン(MNTX)12mgを皮下投与した後、メチルナルトレキソンの単回及び多回投与薬物動態並びにその代謝産物(M2:硫酸メチルナルトレキソン;M4:6α-メチルナルトレキソール;及びM5:6β-メチルナルトレキソール)を調査した。試験Bにおいて、メチルナルトレキソン(MNTX)の単回及び多回投与薬物動態及びその代謝産物(M2、M4、及びM5)を、メチルナルトレキソン(MNTX)24mgの20分の短時間静脈内注入後に試験した。
試験Cでは、メチルナルトレキソン(MNTX)の薬物動態及びその3つの代謝産物(M2、M4及びM5)を以下の2つの段階で調査した。1)MNTX450mg PO×7日の投与後の、MNTXの単回及び多回投与薬物動態及び3つの代謝産物(M2、M4及びM5)並びに2)MNTX150mgの素錠及びフィルムコーティング錠としてMNTX450mgを単回経口投与した後の相対的MNTXバイオアベイラビリティ。さらに、MNTXの泌尿器排出が特徴付けられた。
薬物動態パラメータには、下記で定義される通りCmax、AUCt、AUCinf、tmax、t1/2、%Re24、濃縮係数(R)及び代謝産物/親ドラッグ比が含まれた。
R=濃縮係数(AUC0-24(ng.h/mLに基づいた):7日目AUC AUC0-24/1日目AUC0-24
代謝産物-親ドラッグ比(ng.h/mLに基づいた)(%)=100*(代謝産物AUC24/MNTX AUC24)
注:AUCinfを、IV投与後のR及び代謝産物-親ドラッグ比の算出のためにAUC AUC0-24の代わりに用いた。結果を、表21及び表22においてまとめて示す。
Figure 2019048820
Figure 2019048820
表21及び表22によって、経口投与及び皮下投与後、MNTXは、経口の用量及び皮下投与のそれぞれ2h後及び0.25h後に観察された最大MNTX血漿濃度で容易に吸収されたことが示されている。経口投与された用量の4%未満は、未反応のMNTXとして尿中で回収されたが、これは、IV投与後の尿中で回収された31.5%〜49.6%よりも著しく低い(Yuanら、2005年J Clin Pharm 45巻:538〜546頁)。試験間のAUCinfの比較では、MNTX錠剤は、(静注に対する)絶対的バイオアベイラビリティが4.24%、SC注射に対するバイオアベイラビリティが3.7%であることが実証され、多回用量投与後、SC及びIV多回用量投与に対するこれらの値(より高値のAUCinf)が4.8%及び5.8%とわずかに増加したことが示された。MNTX皮下注射を行うと、短期間注入に対するバイオアベイラビリティは高くなった(112%)。
MNTX経口投与によって、高代謝になり、その結果、硫酸メチルナルトレキソン(M2)を形成し、立体特異的にヒドロキシル化されて、6α-メチルナルトレキソール(M4)及び6β-メチルナルトレキソール(M5)を形成し、そのうち、M4は代謝産物の形成の好都合な経路であることが判明した。代謝酵素であるAKRC1C、SULT2A1及びSULT1E1酵素は、M2、M4及びM5中でMNTX代謝を担っていることが報告された(図25)。
平均Cmax及びTmaxの実質的な差は、経口、SC若しくはIV経路の1日目〜7日目の間でMNTX及びM2では観察されなかった。これらの結果から、多回経口投与してから、明らかな定常状態に達した後の観察された蓄積度(R)が、AUC値の増加及び排出の減少によるものであり、これは、7日目の薬物動態において観察されたAUCinfの増加及び排出t1/2の遅延によって証明されたことが示されている。皮下投与後、MNTX及びその代謝産物のCmax及びAUCinfは、1日目〜7日目の間で類似し、MNTX錠剤を経口投与した後、AUC及びCmaxがかなり増加したことが、7日目にMNTX及びその代謝産物について観察された。多回用量経口投与後のMNTX及びその代謝産物についての蓄積がより高いことは、皮下投与後の蓄積係数(R)値(MNTXでは1.05、M2では1.13、M4では1.25及びM5では1.42)と比較して、経口用量後のR値がより高いこと(MNTXでは1.20、M2では1.30、M4では1.62及びM5では1.76)により証明された。皮下投与後の代謝産物-MNTX比がより低かったのに比べて(M2では29.30%、M4では18.75%、及びM5では8.72%)、MNTXの経口投与後の代謝産物対MNTX比は、3つの代謝産物すべてが高かった、すなわち、M2では81.0%、M4では54.21%、及びM5では29.78%であった。
試験Cでは、2つのメチルナルトレキソン配合物(フィルムコーティング錠及び素錠)の相対的バイオアベイラビリティを、メチルナルトレキソン血漿薬物動態及び90%CIアプローチを用いて評価した。表23に示された平均血漿濃度-時間プロファイル及び結果では、フィルムコーティングされたメチルナルトレキソン錠は、LSM(最小二乗平均)比が90〜105%になることが示された。MNTX配合物についての被験者内変動は、29〜36%であった。
Figure 2019048820
[実施例4]
食物と共に又は食物なしで経口投与されるメチルナルトレキソンの臨床薬物動態
MNTXの経口吸収は制限される。経口投与後のMNTXの推定されるバイオアベイラビリティは、ラットでは1%未満であり、MNTXの腸溶性錠及び腸溶性顆粒充てんカプセルの相対的経口バイオアベイラビリティは、安定したメサドン維持療法中の対象における皮下配合物と比較して、それぞれ2.27%及び2.43%であった。
MNTX錠の薬物動態は、個人間で変動が大きく、経口投与後の吸収が少なく、全身曝露が少ないという結果になる可能性が最も高い。食物の影響を、即時放出(IR)錠及びIRカプセル配合物に配合されたMNTXについて前もって調査した。高脂肪の食事の後、MNTXの平均Cmaxは、IRカプセル配合物では33%まで減少し、IR錠剤配合物ではおよそ45%まで減少し;AUC0-∞は、IRカプセル配合物では11%まで減少し、IR錠剤配合物では30%を超えるまで減少した。Tmax中央値及び最終t1/2は、食物によって有意に変化しなかった。
経口150mgイオン対配合物中のMNTXの薬物動態を、2名のヒトの試験において調査した。
2部の試験を、安定したメサドン維持療法における対象において実施した。第1部では、患者にMNTXイオン対錠150mgを単回投与し;第2部では、イオン対技術を用いないMNTX IR錠の単回投与と比較した、クロスオーバーデザインの同一のイオン対錠を患者に投与した。試験薬による治療に先だって、≧10時間の終夜の絶食を行った。イオン対錠について、第1部試験では、平均Cmaxは、42.8ng/mLであり、Tmax中央値は1時間であり、平均AUC0-∞は、180hr・ng/mLであり;第2部試験では、平均Cmaxは、41.5ng/mLであり、中央値Tmaxは、2時間であり、平均AUC0-∞は、176.8hr・ng/mLであった。排出t1/2は変動があり、平均値は第1部で18.2時間であり、第2部で25.5時間であった。
別々の試験によって、慢性非悪性疼痛を伴う対象において経口MNTXの薬物動態及び薬力学を評価した。MNTX150mg錠イオン対配合物を、2時間及び10時間の絶食後に、イオン対技術を用いないMNTX150mg IR錠配合物と比較した。MNTX150mg錠イオン対配合物(10時間絶食)についての結果は、以下の通りであった。300mg(2×150mg錠)及び450mg(3×150mg錠)で、平均Cmaxは、それぞれ32.5ng/mL及び54.7ng/mLであり、AUC0-∞は、156hr・ng/mL及び223hr・ng/mLであった。
本明細書に記載されているのは、MNTX450mg(3×150mg錠)の単回経口投与の薬物動態に対する標準的な高脂肪の朝食の影響を評価する単回投与2周期クロスオーバー試験である。試験は2アームであり、2つの投与期間であった。
対象32名を本試験に組み込んだ。対象を、アーム1(絶食後に摂食)又はアーム2(摂食後に絶食)の1:1の比で無作為化した。無作為化は、性別によって層別化した。各対象は、高脂肪食と共に(摂食させたMNTX)及び絶食後に(絶食させたMNTX)、MNTX450mgを単回投与された(3×150mg錠として投与された)。絶食させる/摂食させる試験期間を、7日に分けた。1日目及び8日目に絶食させた/摂食させた後投与する又は摂食させた/絶食させた後投与する順序を、1日目に無作為化によって決定した。
絶食させる治療の場合、監督された少なくとも10時間の終夜の絶食後、対象にMNTX錠450mg(3×150mg)の単回経口投与した。投与後少なくとも4時間、食物は認めなかった。
摂食させる治療の場合、監督された少なくとも10時間の終夜の絶食後、対象は、標準的な高脂肪の朝食を摂った。食事を開始して30分後に、対象にMNTX錠450mg(3×150mg)を単回経口投与した。薬物投与後少なくとも4時間、食物は認めなかった。
対象は、0日目から14日目まで臨床研究ユニット(CRU)に滞在し、15日目に退院し、試験への参加を終わらせた。
対象を、以下の通り、1日目及び8日目に高脂肪の食事の後又は絶食後MNTX錠(450mg)を単回経口投与した。(a)高脂肪(高カロリー)の朝食後に、MNTX450mgを(3×150mg錠剤として経口で)投与した、又は(b)絶食後にMNTX450mgを(3×150mg錠剤として経口で)投与した。
MNTX450mgの単回投与を受ける対象は、高脂肪/高カロリーの食事を摂った直後(摂食させたMNTX)及び絶食後(絶食させたMNTX)に、3×150mg錠剤として経口投与された。7日間の洗い出し期間によって、絶食させる/摂食させるクロスオーバー期間を区切った。1日目及び8日目に絶食させた/摂食させた後投与する又は摂食させた/絶食させた後投与する順序を、1日目に無作為化によって決定した。試験薬の単回投与と共に高脂肪の食事を摂る(摂食させるMNTX)前の最低10時間又は試験薬を単回投与する(絶食させたMNTX)前の最低10時間、終夜対象を絶食させた。
対象を2つの投与順序のうち一方に無作為化し;投与順序は、標準的なクロスオーバーデザインに基づいた。投与のタイミングを、ヒトにおいて観察された経口MNTXのt1/2のおよそ7倍として算出された洗い出し相の長さによって決定した。
1日目及び8日目における各用量を、室温の飲料水240mLと共に投与し、対象に、水をすべて飲むことを指示した。薬物投与後4時間は、食事を摂ることを認めず、薬物投与の前後1時間以外は、所望通り水を飲むことを認めた。投与のおよそ4時間後、正常な食事スケジュールを再開することができた。
高脂肪/高カロリー食事には、食事中の総カロリーのおよそ50%の脂肪含有量(合計およそ800〜1000カロリー)が含まれる。摂食させたMNTX治療レジメンを受けている対象は、朝食前に少なくとも10時間絶食することを必要とし、次いで、投与の30分前に開始するプロトコールによって指定された朝食を食べた。高脂肪、高カロリー朝食は、以下の通り構成される:
・トースト2枚(各1枚にバター1/2塊)
・バターで焼いた目玉焼き
・ベーコン2枚
・ハッシュブラウンポテト4オンス(113g)
・全乳8オンス(240mL)
計画された食事内容は、以下の通りであった。
・脂肪=500〜600カロリー(50%)。
・タンパク質=150カロリー。
・炭水化物=250カロリー。
・総カロリー=800〜1000カロリー。
試験中に摂る実際の食事内容は、食事の影響の試験に関するFDA指針と一致し、総カロリーが972、すなわち、脂肪540カロリー、炭水化物299カロリー、及びタンパク質125カロリーが含まれる。上記に述べたことを除いて、正常な食事スケジュール及び食事を維持した。
MNTXの血漿濃度を、タンデム型四極質量分析の検出と共に高速液体クロマトグラフィーを要する検証済みの分析手順を用いて決定した。血漿中のMNTX濃度を決定するための血液サンプルを、1日目の投与前(predose)(投与のおよそ1時間前)並びに1日目及び8日目の各投与の0.25、0.5、1、2、4、6、8、10、12、16、24、36、48、72、96、120、144及び168時間後に得た。測定し算出された薬物動態パラメータには、以下が含まれる。
パラメータ 説明
Cmax 血漿濃度で観察された最高値
Tmax 血漿濃度で観察された最高値までの時間(Cmax時間)
AUClast線形台形公式を用いて算出した、血漿濃度対時間0(投与前)から最終の定量化可能な濃度-時点までの時間曲線下の面積
AUC0-∞ AUClastと最終の定量化可能な血漿濃度の和/λzとして算出された血漿濃度対時間0(投与前)から無限大の時間の時間曲線下の面積
λz 血漿の最終対数-直線部分対時間曲線の(直線回帰による)傾きから算出された、最終速度定数又は消失速度定数(disposition rate constant)
t1/2 ln2/λzとして算出された最終若しくは消失半減期
CL/F 見かけの経口クリアランス。
絶食及び摂食条件下の450mg単回経口投与後のMNTXの平均血漿濃度-時間プロファイルを表24中に示す。
MNTX薬物動態パラメータ-食物の影響
絶食させた状態で投与したものと比較したとき、摂食させた状態のMNTX経口投与では、MNTX血漿濃度が低くなった(表24及び表25)。摂食させた対象におけるCmaxの算術平均値は、絶食させた対象について測定した値のおよそ4分の1(28%)であった(それぞれ12.91ng/mL対45.55ng/mL)。AUClast及びAUC0-∞によって測定された通り、全身曝露は、絶食させた対象よりも摂食させた対象においておよそ50%低かった。AUC0-∞の平均値は、摂食させた状態では169.0ng.h/mLであり、絶食させた状態では364.3ng.h/mLであった。Tmax中央値は、絶食させた状態と比較したとき、摂食させた状態では遅延した(それぞれ4.0hr対2.0hr)。経口クリアランス(CL/F)値は、絶食させた状態に比べて、摂食させた状態下でほぼ2倍高かった。最終的な速度定数は、摂食させた条件下及び絶食させた条件下で類似し(それぞれλz=0.04h-1)、食物と共に又は食物なしで投与したときMNTXの最終t1/2は類似することが示された(それぞれおよそ17h)。
Figure 2019048820
表25は、絶食させた(参照)条件及び摂食させた(試験)条件下で投与したとき、MNTX450mg単回投与の生物学的同等性についての統計学的評価の結果を示す。Cmax、AUClast、及びAUC0-∞について、絶食対摂食の比の90%CIは、許容される生物学的同等性の範囲が80%〜125%を外れ、摂食させた条件及び絶食させた条件下で生物学的同等性を示さなかった。全身曝露パラメータ(Cmax、AUClast、及びAUC0-∞)は、摂食させた対象と比べて絶食させた対象において高かった。
Figure 2019048820
絶食させた条件下のMNTX投与と比較したとき、摂食させた条件下で健康な対象へのMNTX450mgの単回投与では、全身曝露が実質的に減少した。AUClast比とAUC0-∞比はどちらも、生物学的同等性がなく(絶食対摂食の比の90%CIは、80%〜125%の範囲を外れた)、2つのパラメータは、摂食させた対象と比較すると、絶食させた対象においておよそ2倍高かった。同様に、経口クリアランス値は、絶食させた状態に比べて摂食させた状態下でほぼ2倍高かった。
さらに、MNTX Cmaxは、摂食させた状態と絶食させた状態との間で生物学的同等性がなかった(例えば、幾何平均比=273.6%;90%CI=222.6%〜336.3%)。摂食させた対象におけるCmaxの算術平均値は、絶食させた対象について測定した値のおよそ4分の1(28%)であった(それぞれ、12.91ng/mL対45.55ng/mL)。
Tmax中央値は、絶食させた状態と比較したとき、摂食させた状態で遅延した(それぞれ4.0hr対2.0hr)。
最終速度定数は、絶食させた条件及び摂食させた条件下で類似し(それぞれの場合λz=0.04h-1)、食物と共に又は食物なしで投与したときMNTXの最終t1/2が類似することが示されたデータ(それぞれの場合およそ17h)と一致した。
対象32名のうち5名(16%)は、試験中にTEAEを少なくとも1回経験した。対象4名は、絶食した投与期間中TEAEがあり、対象3名は、摂食した投与期間中TEAEがあった。最も高頻度で経験されるTEAEは、頭痛であった(対象2名、6%)。すべてのTEAEは、研究者によって軽度とみなされた。TEAEは、研究者によってMNTXに関連するとみなされなかった。試験の中断をもたらす死亡、SAE、又はTEAEはなかった。
試験経過中、対象について臨床検査結果の最小限の変化を観察した。臨床検査結果は、研究者によってTEAEであるとみなされなかった。
MNTXの心臓の安全性パラメータ又はバイタルサインに対する有意な影響は、本試験で観察されなかった。
他の試験の結果では、経口投与されるMNTXの薬物動態は、低いバイオアベイラビリティ、(制限された中枢神経系の曝露を含めた)GI管外の限定された組織分布及び低血漿タンパク質結合を特徴とすることが示されている。用量が増加するに伴い、ピーク血漿濃度及びAUCは増加すると思われる。
本試験において観察されたMNTX450mgの単回経口投与の薬物動態に対する高脂肪の食事の影響は、MNTXの他の経口配合物(IR錠及びカプセル)について前もって観察されたものと一致する。前の試験では、絶食すると、MNTXの全身吸収がおよそ25%まで増加した。現在の試験では、食物の存在によって、MNTX吸収が有意に遅延し(例えば、Tmaxの増加)、(AUC及びCmaxによって決定された通り)MNTX全身曝露がおよそ2分の1から4分の3まで減少した。経口のMNTXは、絶食させた状態と摂食させた状態との間で生物学的同等性がなかった。
MNTXの便通効果はまた、第3相試験中に\試験薬の第1の用量の後絶食させなかった対象に比べて、絶食させた対象において高まった。この結果から、MNTXの治療効果は、全身の吸収の範囲と相関することが示唆される。
絶食が、MNTXへの全身曝露を増加させたにもかかわらず、TEAEの発生率は、摂食させた条件と絶食させた条件との間で類似した。MNTX450mgの単回投与は、良好な耐容性を示し;TEAEは、対象5名によって報告され、すべて、強度は軽度であった。
[実施例5]
メチルナルトレキソンの皮下投与と比較したメチルナルトレキソンの経口投与の臨床薬物動態
ここで評価したMNTXの経口投与量レベル及び配合物は、MNTX錠の機能を有しないコーティングを除き、経口MNTX錠の第3相試験におけるものと同一であった。この機能を有しないコーティングは、非活性成分ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、及び二酸化チタンからなる。第3相試験に用いた素錠及び現在の試験に用いられるコーティング錠の薬物動態を、別々の試験において比較した。現在の試験を、MNTX150、300、及び450mg用量の経口投与対MNTXの12mg皮下(SC)注射の比較バイオアベイラビリティを評価するためにデザインした。経口MNTX錠の単回投与薬物動態プロファイルはまた、本試験における評価のために計画された。
本試験の目的は、MNTX錠の150、300、及び450mg単回経口投与対MNTXの12mg単回SC投与の比較バイオアベイラビリティを評価し、健康な対象における単回経口投与後のMNTX錠の薬物動態を特徴付けることであった。
本明細書に記載されているのは、それぞれ2通りの投与期間を有する6通りの投与順序からなる無作為化オープンラベルクロスオーバー試験であり;投与期間を7日に分けた。すべての対象を、1日目から14日目まで臨床研究ユニットに収容し、15日目に退院させ、試験への参加を完了させた。1日目及び8日目に試験薬を投与する前に、対象は、それぞれ0日目及び7日目に開始する、終夜少なくとも10時間絶食を行った。どちらの投与期間においても、対象に、MNTX錠(150、300、若しくは450mg)を単回経口投与した又はMNTXを単回SC注射(12mg)した。クロスオーバーのやり方で投与を行った(例えば、1回目の来院時に錠剤を投与し、別の来院時にSC注射を投与した)。各対象についての経口メチルナルトレキソン用量(150mg、300mg、又は450mg)の強度及び投与順序(1日目:経口錠剤;8日目:SC注射対代替の投与順序)を、ランダム割り付けによって決定した。各経口用量を室温の飲料水240mLで投与した。対象には、水をすべて飲むよう指示し、錠剤全体を飲み込むこと(例えば、錠剤を噛み砕かない、分けない、又は破砕しないこと)を伝えた。血液サンプルを、1日目の投与前(およそ1時間前)並びに1日目及び8日目の投与の0.25、0.5、1、2、4、6、8、10、12、16、24、36、48、72、96、120、144、及び168時間後の薬物動態分析のために収集した。
各錠剤は、原薬、MNTX150mgを含有した。さらに、各錠剤は、以下の非活性成分、すなわち、コロイド状二酸化ケイ素、クロスポビドン、エデト酸二ナトリウムカルシウム二水和物、ステアリン酸マグネシウム、微結晶セルロース、ポリソルベート80、シリコン処理した微結晶セルロース、炭酸水素ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、及びタルクを含有した。
各注射バイアルは、溶液0.6mL当たり原薬MNTX12mgを含有した(すなわち、20mg/mL溶液)。配合物はまた、以下の非活性成分、すなわち、エデト酸カルシウム二ナトリウム、塩化ナトリウム、グリシン塩酸塩、及び水酸化ナトリウムを含有した。
本試験では、組み込まれた対象48名全員に2つの試験期間のそれぞれにおいて試験薬を投与し、対象全員を安全性及び薬物動態分析に含めた。
MNTXの平均Cmaxを、12mgSC注射の15分後に観察し、次いで、血漿濃度は、初回投与後期間内に速やかに減弱した(表26;略語:PO=経口で、SC=皮下で)。投与のおよそ4時間後に開始し、投与の少なくとも72時間後まで継続すると、300mg及び450mg用量の場合、SC注射のMNTXの平均血漿濃度に対して経口MNTX投与後の平均血漿濃度の方が高かったが、150mg経口用量では高くなかった。
経口MNTXと比較したSC MNTXの単回投与薬物動態パラメータによって、Cmaxは4〜13倍高く、Tmaxは6〜8倍短く、t1/2は、SC MNTX12mg対経口MNTX150、300、及び450mg投与後5〜7時間まで短かったことが実証された(表26)。
Cmax及びAUCによって測定されたMNTXへの全身曝露は、一般に、経口投与間で直線の用量依存傾向を示した(表26)。MNTX錠単回経口投与を150mg〜450mgまで増加すると共に、平均AUC及びCmax値は増加し;Cmax13.2〜39.9ng/mLまで増加し、AUC0-∞は、MNTX150mg及びMNTX450mgではそれぞれ106.9〜373.3ng・h/mLまで増加した。Tmax中央値は、投与後およそ1.5〜2.0時間の範囲で一定であった。平均CL/F値はまた、経口投与群にわたって類似した。経口MNTX用量がそれぞれ150mg〜450mgまで増加したため、平均t1/2は、14.0時間〜16.6時間までわずかに増加した。
Cmaxは、試験薬の経口投与後のいずれか(Tmax中央値は、1.5〜2.0時間に及んだ)よりもSC注射の投与後速やかに起こった(Tmax中央値=15分)(表26)。
全身曝露パラメータ(Cmax及びAUC)を比較すると、SC MNTX12mg後の平均Cmaxは、経口MNTX投与それぞれに対して少なくとも4倍高いことを実証するが;SC MNTX12mg後の平均AUC0-∞は、経口MNTX300mgに対して16%高かったに過ぎず、経口MNTX450mgに対して28%低かった(表26)。平均Cmax値は、経口MNTX300mg及び450mg投与後それぞれ26.2ng/mL及び39.9ng/mLであったのに対して、SC MNTX12mg投与後174.0ng/mLであり;経口MNTX300mg及び450mg投与後の平均AUC0-∞値がそれぞれ231.2及び373.3ng・h/mLであったのに対して、SC MNTX12mg投与後の平均AUC0-∞値は、269.1ng・h/mLであった。
さらに、SC MNTX12mgと経口MNTX450mg、300mg、又は150mgとの間のCmax及びAUCにおいて観察された差と一致し、MNTXの排出は、経口投与に対してSC後に迅速であった(表26)。経口MNTX450mgと比較してSC MNTX12mgの方が、MNTXクリアランス速度(CL/F)は迅速であり、45698.7mL/h対1664001.3mL/hであり、t1/2値はより短く、9.2時間対16.6時間であった。
Figure 2019048820
経口MNTX450mgは、SC MNTX12mgから得られたCmaxのおよそ20%であったCmax並びにSC MNTX12mgから得られたAUC0-∞のおよそ123%であったAUC0-∞になり;経口錠剤(試験)対SC注射(参照)の幾何平均比は、Cmaxが20.0%であり、AUC0-∞が123.2%であった(表27)。Cmax(4.3%)の90%信頼区間の下界は、80%をかなり下回り、AUC0-∞(150.7%)の90%信頼区間の上界は、125%を超え、2つのパラメータは、80%〜125%の法則によって生物学的同等性がなかったことを示している。
また、Cmax値は、経口MNTX300mg及び150mgがそれぞれ、SC MNTX12mg投与後のCmaxのおよそ13%及び6%であり、これらの経口投与後のAUC0-∞値は、SC MNTX12mg投与後のAUC0-∞の、それぞれおよそ75%及び36%であった(表27中の幾何平均比)。Cmax及びAUC0-∞幾何平均比の90%信頼区間は、80%〜125%の法則によって300mg及び150mg経口投与のSC MNTX12mgとの生物学的同等性がないことを示した(90%信頼区間の下界は、<80%であった)。
経口MNTX450mgの算術的な平均AUC0-∞値をSC MNTX12mgと比較し、SC MNTXに対する経口MNTXのバイオアベイラビリティは、3.7%であった(以下の算出:373.3ng・h/mL/[450mg/81kg]÷269.1ng・h/mL/[12mg/81kg]×100により[対象平均人口統計に基づいた、体重81kgを平均と仮定して]mg/kgの用量に標準化した)。300mg及び150mg用量の場合の、SC MNTXに対する経口MNTXの用量標準化バイオアベイラビリティは、それぞれ3.4%及び3.2%であった。
Figure 2019048820
Cmax及びAUCによって測定されるMNTXへの全身曝露は、一般に、経口投与間で直線の用量依存傾向を示した。MNTX錠の単回経口投与が150mg〜450mgまで増加すると共に、平均AUC及びCmax値は増加し;Cmaxは、13.2〜39.9ng/mLまで増加し、AUC0-∞は、MNTX150mg及びMNTX450mg用量ではそれぞれ106.9〜373.3ng・h/mLまで増加した。
Cmaxは、試験薬の経口投与後のいずれか(Tmax中央値は、1.5〜2.0時間に及んだ)よりも12mgSC MNTX注射の投与後速やかに起こった(Tmax中央値=15分)。
全身曝露パラメータ(Cmax及びAUC)を比較すると、SC MNTX12mg後の平均Cmaxは、経口MNTX投与それぞれに対して4〜13倍高いことを実証するが;SC MNTX12mg後の平均AUC0-∞は、経口MNTX300mgに対して16%高かったに過ぎず、経口MNTX450mgに対して28%低かった。平均Cmax値は、経口MNTX300mg及び450mg投与後それぞれ26.2ng/mL及び39.9ng/mLであったのに対して、SC MNTX12mg投与後174.0ng/mLであり;経口MNTX300mg及び450mg投与後の平均AUC0-∞値がそれぞれ231.2及び373.3ng・h/mLであったのに対して、SC MNTX12mg投与後の平均AUC0-∞値は、269.1ng・h/mLであった。
SC MNTX注射(参照)に対する経口MNTX錠(試験)についての幾何平均比の算出により、経口MNTX450mg投与から得られたCmaxは、12mgSC MNTX注射について観察されたCmaxのおよそ20%であり、経口MNTX450mg投与から得られたAUC0-∞は、12mgSC MNTX注射から観察されたAUC0-∞のおよそ123%であることが示された。また、Cmax値は、経口MNTX300mg及び150mg後がそれぞれ、SC MNTX12mg投与後のCmaxのおよそ13%及び6%であり、これらの経口投与後のAUC0-∞値は、SC MNTX12mg投与後のAUC0-∞の、それぞれおよそ75%及び36%であった。
12mgSC MNTX注射と経口MNTX450mg、300mg、及び150mg投与との間のCmax及びAUCにおいて観察された差と一致し、MNTXの排出は、経口投与に対してSC注射後に迅速であった。つまり、経口MNTX450mg用量と比較して12mgSC MNTX注射の方が、MNTXクリアランス速度(CL/F)は迅速であり、45698.7mL/h対1664001.3mL/hであり、t1/2値はより短く、9.2時間対16.6時間であった。
経口MNTX450mg、300mg、又は150mg投与の算術的な平均AUC0-∞値を12mgSC MNTX注射と比較し、SC MNTX注射に対する経口MNTXの用量-標準化バイオアベイラビリティは、それぞれ3.7%、3.4%、及び3.2%であった。
これは、それぞれ2通りの投与期間を有する6通りの投与順序からなる第1相無作為化オープンラベルクロスオーバー試験であった。どちらの投与期間においても、対象に、MNTX錠(150、300、若しくは450mg)を単回経口投与した又はMNTX(12mg)を単回SC注射した。クロスオーバーのやり方で投与を行った(すなわち、1回目の来院時に錠剤を投与し、別の来院時にSC注射を投与した)。
対象48名を組み込み、対象47名(97.9%)は、試験を完了し;対象1名は、両方の試験期間に試験薬を投与後一身上の都合により中止した。無作為化スケジュールに従って試験薬を対象に投与し;特に、対象16名にそれぞれ、150、300及び450mg MNTX錠を単回経口投与し、対象48名全員がMNTXの単回12mgSC注射を受けた。
経口MNTXと比較したSC MNTXの単回投与薬物動態パラメータによって、Cmaxは、4〜13倍高く、Tmaxは、6〜8倍短く、t1/2は、SC MNTX12mg対経口MNTX150、300、及び450mg投与後5〜7時間まで短いことが実証された。
Cmax及びAUC(AUClast及びAUC0-∞の両方)によって測定されたMNTXへの全身曝露は、一般に、経口投与間で直線の用量依存傾向を示した。
全身曝露パラメータ(Cmax及びAUC)を比較すると、SC MNTX12mg後のCmaxが、経口MNTX用量それぞれに対して少なくとも4倍高いことを実証するが;SC MNTX12mg後の平均AUC0-∞は、経口MNTX300mgに対して16%高かったに過ぎず、経口MNTX450mgに対して28%低かった。Tmaxは、経口MNTX150mg 300mg、又は450mgの投与後(それぞれ2、1.5、及び2時間)より、SC MNTX12mgの投与後が短かった(15分)。また、Cmax及びAUCにおいて観察された差と一致して、t1/2値は、経口MNTX450mgと比較してSC MNTX12mgの方がより短く、9.2時間対16.6時間であった(t1/2は、経口MNTX300mg及び150mgの投与後それぞれ14.2時間及び14.0時間であった)。
経口MNTX150mg錠(イオン対)配合物の単回投与薬物動態はまた、健康な成人の最近の試験において及び非癌性疼痛及びOICを伴う対象並びに安定したメサドン維持療法中の対象の先行する試験においても試験された。非癌性疼痛及びOICを伴う対象並びに安定したメサドン維持療法中の対象の先行する試験と比較したとき、健康な成人の現在の試験及び最近の試験においてCmax及びAUCの定量的な差がいくつかあったにもかかわらず、経口MNTXの単回投与薬物動態パラメータは、現在の試験において及びこうした他の試験において一般に類似した。
SC注射によるメチルナルトレキソンを、安定したメサドン維持療法中の対象の薬物動態試験において経口投与されたMNTXと比較した。経口MNTX配合物は、現在の試験が以前の試験と異なり、経口配合物は、カプセル及び腸溶性錠中の腸溶性顆粒であった。異なる経口MNTX配合物により現在の試験及び以前の試験を比較することは難しいが、SC投与と経口投与との間の比較薬物動態プロファイルは、試験間で類似した。特に、現在の試験におけるように、経口投与と比較してSC投与後の、Tmaxは短く、Cmaxは高く、t1/2は短く;SCと経口投与との間のAUC値の差は、Cmax、Tmax、及びt1/2の差よりも明らかに低かった。SC注射に対する用量-標準化経口バイオアベイラビリティは、現在の試験において経口錠剤(イオン対)配合物では3.7%であったことを比較すると、以前の試験において腸溶性カプセルでは2.43%であり、腸溶錠では2.27%であった。
150、300、及び450mgMNTX錠の経口投与及び12mgMNTX SC注射並びにこの2周期クロスオーバー試験においてMNTX錠の3通りのうちの1つを経口投与及びMNTXをSC注射された健康なボランティアにおける良好な耐容性。
当業者は、本発明の本質的な特性を容易に確認し、前述の説明及び実施例が、提示した発明を実施する例示的なものであることを理解している。当業者は、せいぜい通常の実験を用いて確認することができ、本明細書において詳細に示される多くの変形が、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、本明細書に記載した本発明の特定の実施形態になされ得る。
一実施形態では、MNTXは、対象の最後の食事の少なくとも約10時間後に投与される。一実施形態では、対象は、10時間以内に食事を摂っていないものと同定される。一実施形態では、MNTXは、対象の次の食事の少なくとも約4時間前に投与される。一実施形態では、対象は、MNTXの投与少なくとも約10時間及び投与約4時間高脂肪及び/又は高カロリーの食事を避けるよう指示される。
一実施形態では、対象は、MNTXの投与少なくとも約10時間及び投与約4時間高脂肪及び/又は高カロリーの食事を避けるよう指示される。一実施形態では、対象は、10時間以内に食事を摂っていないものと同定される。
当業者は、本発明の本質的な特性を容易に確認し、前述の説明及び実施例が、提示した発明を実施する例示的なものであることを理解している。当業者は、せいぜい通常の実験を用いて確認することができ、本明細書において詳細に示される多くの変形が、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、本明細書に記載した本発明の特定の実施形態になされ得る。
本発明は以下の発明を包含する。
(1) 式(I):
Figure 2019048820
[式中、A - は、両親媒性の薬学的に許容される賦形剤の陰イオンである]
の塩を含む医薬組成物を対象に経口投与するステップを含む、オピオイド誘導性便秘症を有する対象を治療する方法であって、医薬組成物を投与して、レスキューなしに排便を生じさせ;それによって対象を治療する、上記方法。
(2) 対象をオピオイド誘導性便秘症から予防する方法であって、
式(I):
Figure 2019048820
[式中、A - は、両親媒性の薬学的に許容される賦形剤の陰イオンである]
の塩を含む医薬組成物を対象に経口投与し、それによって、対象をオピオイド誘導性便秘症から予防するステップを含む、上記方法。
(3) A - が、ナトリウムドデシル(ラウリル)スルファートである、(1)又は(2)に記載の方法。
(4) 医薬組成物が、メチルナルトレキソン及びブロミドを含む第1の塩、並びにメチルナルトレキソン及びナトリウムドデシル(ラウリル)スルファートを含む第2の塩の組み合わせを含む、(1)〜(3)のいずれかに記載の方法。
(5) 医薬組成物が、約150mgのメチルナルトレキソン、又はその塩を含む、(1)〜(4)のいずれかに記載の方法。
(6) 医薬組成物が、炭酸水素ナトリウム、微結晶セルロース、クロスポビドン、ポリソルベート80、エデト酸カルシウム二ナトリウム無水物、ケイ化微結晶セルロース、タルク、コロイド状二酸化ケイ素、ステアリン酸マグネシウム、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1種の物質をさらに含む、(1)〜(5)のいずれかに記載の方法。
(7) 医薬組成物が、錠剤である、(1)〜(6)のいずれかに記載の方法。
(8) 約150mgのメチルナルトレキソン、又はその塩を経口投与するステップを含む、(1)〜(7)のいずれかに記載の方法。
(9) 約150mgのメチルナルトレキソンが、約150mgのメチルナルトレキソンを含む1つの錠剤として投与される、(8)に記載の方法。
(10) 約300mgのメチルナルトレキソン、又はその塩を経口投与するステップを含む、(1)〜(7)のいずれかに記載の方法。
(11) 約300mgのメチルナルトレキソンが、約150mgのメチルナルトレキソンをそれぞれ含む2つの錠剤として投与される、(10)に記載の方法。
(12) 約450mgのメチルナルトレキソン、又はその塩を経口投与するステップを含む、(1)〜(7)のいずれかに記載の方法。
(13) 約450mgのメチルナルトレキソンが、約150mgのメチルナルトレキソンをそれぞれ含む3つの錠剤として投与される、(12)に記載の方法。
(14) 対象が、慢性非悪性疼痛を有する、(1)〜(13)のいずれかに記載の方法。
(15) 対象が、医薬組成物の投与前の少なくとも2カ月間慢性非悪性疼痛を有していた、(14)に記載の方法。
(16) 対象が、医薬組成物の投与前にオピオイド治療を受けている、(1)〜(15)のいずれかに記載の方法。
(17) 対象が、少なくとも1カ月間オピオイド治療を受けている、(16)に記載の方法。
(18) 対象が、1日当たりの経口モルヒネ当量を少なくとも50mg含むオピオイド治療を少なくとも14日間受けている、(1)〜(17)のいずれかに記載の方法。
(19) 対象が、1、2、3若しくは4週間未満にオピオイド治療を開始する、(2)に記載の方法。
(20) 対象が、少なくとも30日間オピオイド誘導性便秘症である、(1)及び(3)〜(18)のいずれかに記載の方法。
(21) 対象が、1週間当たり3回未満のレスキューなしの排便を連続して少なくとも4週間経験している、(1)、(3)〜(18)及び(20)のいずれかに記載の方法。
(22) 対象が、排便中しぶり腹を経験している、(1)、(3)〜(18)、(20)及び(21)のいずれかに記載の方法。
(23) 対象が、不完全な排泄を経験している、(1)、(3)〜(18)及び(20)〜(22)のいずれかに記載の方法。
(24) 対象が、レスキューなしの排便のうち少なくとも25%についてブリストル便形状スケール(Bristol Stool Form Scale)1型又は2型を経験している、(1)、(3)〜(18)及び(20)〜(23)のいずれかに記載の方法。
(25) 医薬組成物の投与の4時間以内にレスキューなしで排便が起こる、(1)〜(24)のいずれかに記載の方法。
(26) 医薬組成物の投与前の1週間当たりのレスキューなしの排便の回数に比べて、1週間当たりのレスキューなしの排便が少なくとも1回増加する、(1)〜(25)のいずれかに記載の方法。
(27) 1週間当たりのレスキューなしの排便が少なくとも2、3、4又は5回増加する、(26)に記載の方法。
(28) 医薬組成物のそれぞれ最初の4週間の連日投与に対して、1週間当たりのレスキューなしの排便が少なくとも1回増加する、(1)〜(27)のいずれかに記載の方法。
(29) (i)対象が、医薬組成物のそれぞれ最初の4週間の連日投与においてレスキューなしの排便を少なくとも3回経験し;(ii)医薬組成物の投与前の1週間当たりのレスキューなしの排便の回数に比べて、対象が、最初の4週間の連日投与のうち少なくとも3回に対して、1週間当たりのレスキューなしの排便が少なくとも1回増加することを経験する、(1)〜(28)のいずれかに記載の方法。
(30) オピオイド誘導性便秘症に罹患した対象においてレスキューなしの排便を誘発する方法であって、
式(I):
Figure 2019048820
[式中、A - は、両親媒性の薬学的に許容される賦形剤の陰イオンである]
の塩を含む医薬組成物を対象に経口投与し、それによって、レスキューなしの排便を誘発するステップを含む、上記方法。
(31) 投与の4時間以内にレスキューなしの排便を誘発する、(30)に記載の方法。
(32) 対象によって経験されるレスキューなしの排便の回数を増やす方法であって、式(I):
Figure 2019048820
[式中、A - は、両親媒性の薬学的に許容される賦形剤の陰イオンである]
の塩を含む医薬組成物を対象に経口投与し、それによって、対象によって経験されるレスキューなしの排便の回数を増やすステップを含む、上記方法。
(33) 対象が、少なくとも1日1回少なくとも4週間医薬組成物を投与される、(32)に記載の方法。
(34) 対象が、4週間を超えて少なくとも3回あるのに対して、レスキューなしの排便が少なくとも1回増加することを経験し、対象が、それぞれ4週間に対して少なくとも3回のレスキューなしの排便を経験する、(33)に記載の方法。
(35) 投与前に対象によって経験されるレスキューなしの排便の回数に比べて、レスキューなしの排便の回数が、それぞれの4週間で増加する、(32)に記載の方法。
(36) オピオイド誘導性便秘症に罹患した対象を治療するための、(1)〜(5)のいずれかに記載される医薬組成物の効果を評価する方法であって、
式(I):
Figure 2019048820
[式中、A - は、両親媒性の薬学的に許容される賦形剤の陰イオンである]
の塩を含む医薬組成物を対象に経口投与するステップを含み、
(i)医薬組成物の投与の4時間以内のレスキューなしの排便;
(ii)医薬組成物の連日投与前の1週間当たりのレスキューなしの排便の回数に比べて、医薬組成物の連日投与後の1週間当たりのレスキューなしの排便の回数の増加;又は
(iii)最初の4週間の連日投与のうち少なくとも3回;及び最初の4週間の連日投与に対して、1週間当たり少なくとも3回のレスキューなしの排便において、医薬組成物の投与前の1週間当たりのレスキューなしの排便の回数と比較した、医薬組成物の連日投与後の1週間当たりのレスキューなしの排便の回数の増加、これらのうち少なくとも1つが、医薬組成物の有効性を示している、上記方法。
(37) オピオイド誘導性便秘症を有する対象を治療するための方法であり、対象が、 (i)慢性非悪性疼痛がある;
(ii)少なくとも2カ月間慢性非悪性疼痛がある;
(iii)オピオイド治療を受けている;
(iv)少なくとも1カ月間オピオイド治療を受けている;
(v)1日当たりの経口モルヒネ当量少なくとも50mgを含むオピオイド治療を少なくとも14日間受けている;
(vi)オピオイド誘導性便秘症がある;
(vii)少なくとも30日間オピオイド誘導性便秘症がある;
(viii)1週間当たり3回未満のレスキューなしの排便が少なくとも4週間連続している;
(ix)排便中しぶり腹を経験している;
(x)不完全な排泄を経験している;
(xi)レスキューなしの排便のうち少なくとも25%についてブリストル便形状スケール1型又は2型を経験している;
(xii)オピオイド治療の開始前に慢性便秘症の既往歴がない;又は
(xiii)(i)-(xii)の任意の組み合わせ
であるかどうか同定するステップと、
式(I):
Figure 2019048820
[式中、A - は、両親媒性の薬学的に許容される賦形剤の陰イオンである]
の塩を含む医薬組成物を対象に経口投与するステップを含み、対象が、(i)〜(x)のうちいずれか1つを示す、上記方法。
(38) オピオイド誘導性便秘症の治療に関連する有害事象の発生を減らす方法であって、
式(I):
Figure 2019048820
[式中、A - は、両親媒性の薬学的に許容される賦形剤の陰イオンである]
の塩を含む医薬組成物を対象に経口投与するステップを含み、医薬組成物は、両親媒性の薬学的に許容される賦形剤の陰イオンを含まない医薬組成物に比べて有害事象の発生を減少させる、上記方法。
(39) A - が、ナトリウムドデシル(ラウリル)スルファートである、(30)〜(38)のいずれかに記載の方法。
(40) 医薬組成物が、メチルナルトレキソン及びブロミドを含む第1の塩、並びにメチルナルトレキソン及びナトリウムドデシル(ラウリル)スルファートを含む第2の塩の組み合わせを含む、(30)〜(39)のいずれかに記載の方法。
(41) 医薬組成物が、約150mgのメチルナルトレキソン、又はその塩を含む、(30)〜(40)のいずれかに記載の方法。
(42) 医薬組成物が、炭酸水素ナトリウム、微結晶セルロース、クロスポビドン、ポリソルベート80、エデト酸カルシウム二ナトリウム無水物、ケイ酸化微結晶セルロース、タルク、コロイド状二酸化ケイ素、ステアリン酸マグネシウム、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1種の物質をさらに含む、(30)〜(41)のいずれかに記載の方法。
(43) 医薬組成物が、錠剤である、(30)〜(42)のいずれかに記載の方法。
(44) 約150mgのメチルナルトレキソン、又はその塩を経口投与するステップを含む、(30)〜(43)のいずれかに記載の方法。
(45) 約150mgのメチルナルトレキソンが、約150mgのメチルナルトレキソンを含む1つの錠剤として投与される、(44)に記載の方法。
(46) 約300mgのメチルナルトレキソン、又はその塩を経口投与するステップを含む、(30)〜(43)のいずれかに記載の方法。
(47) 約300mgのメチルナルトレキソンが、約150mgのメチルナルトレキソンをそれぞれ含む2つの錠剤として投与される、(46)に記載の方法。
(48) 約450mgのメチルナルトレキソン、又はその塩を経口投与するステップを含む、(30)〜(43)のいずれかに記載の方法。
(49) 約450mgのメチルナルトレキソンが、約150mgのメチルナルトレキソンをそれぞれ含む3つの錠剤として投与される、(48)に記載の方法。
(50) オピオイド誘導性便秘症を有する対象を治療する方法であって、
(a)約150mgのメチルナルトレキソン、又はその塩、及びナトリウムドデシル(ラウリル)スルファートを含む医薬組成物を対象に経口投与するステップと;
(b)組成物が、対象を治療するか否かを決定するステップ[(i)〜(iii)からなる群から選択される少なくとも1つの反応は、
組成物が、
(i)医薬組成物の投与の4時間以内のレスキューなしの排便;
(ii)医薬組成物の連日投与前の1週間当たりのレスキューなしの排便の回数に比べて、医薬組成物の連日投与後の1週間当たりのレスキューなしの排便の回数の増加;又は
(iii)最初の4週間の連日投与のうち少なくとも3回;及び最初の4週間の連日投与に対して、1週間当たり少なくとも3回のレスキューなしの排便において、医薬組成物の投与前の1週間当たりのレスキューなしの排便の回数と比較した、医薬組成物の連日投与後の1週間当たりのレスキューなしの排便の回数の増加
の対象を治療することを示している]と;
c)対象が、ステップ(a)の後に(b)(i)〜(iii)からなる群から選択される反応を示さない場合、メチルナルトレキソン若しくはその塩、及び300mg又は450mgのナトリウムドデシル(ラウリル)スルファートを含む医薬組成物を経口投与するステップとを含む、上記方法。
(51) メチルナルトレキソン、又はその塩を含む医薬組成物を経口投与するステップを含む、オピオイド誘導性便秘症を有する対象を治療する方法であり、医薬組成物は、式(I):
Figure 2019048820
[式中、A - は、両親媒性の薬学的に許容される賦形剤の陰イオンである]
の塩を含み、組成物は、約300mg〜約400mgの範囲の用量のメチルナルトレキソン又はその塩を提供し;(i)本方法によって、医薬組成物の投与の4時間以内にレスキューなしの排便がもたらされ;(ii)この結果から、連日投与により少なくとも4週間持続可能である、上記方法。
(52) さらに、対象に(i)医薬組成物の4週間の連日投与のうち少なくとも3回に対して、1週間当たり少なくとも3回のレスキューなしの排便をもたらし;(ii)対象は、医薬組成物の投与前の1週間当たりのレスキューなしの排便の回数に比べて、1週間当たりのレスキューなしの排便の少なくとも1回の増加を経験する、(51)に記載の方法。
(53) 経口で対象にMNTXを投与するステップを含む、対象においてMNTX及びその代謝産物のバイオアベイラビリティを高める方法。
(54) MNTXが、1〜7日の間に経口投与される、(53)に記載の方法。
(55) MNTXが、1〜28日の間に経口投与される、(53)に記載の方法。
(56) 皮内注射によってより少ない量のMNTXを投与された対象のAUC及びC max に比べて、MNTX及びその代謝産物のうちの1つ以上のAUC及びC max が、対象において増加する、(53)に記載の方法。
(57) 経口投与されるMNTXが、皮内注射によってより少ない量のMNTXを投与された対象に比べて、MNTX、M2、M4又はM5のうちの1つ以上の蓄積値が高い、(53)に記載の方法。
(58) 経口投与後の蓄積値が、MNTXでは約1.20を含む、(57)に記載の方法。
(59) 経口投与後の蓄積値が、M2では約1.30を含む、(57)に記載の方法。
(60) 経口投与後の蓄積値が、M4では、約1.62を含む、(57)に記載の方法。
(61) 経口投与後の蓄積値が、M5では約1.76を含む、(57)に記載の方法。
(62) 経口投与後の蓄積値が、MNTXでは約1.20、M2では約1.30、M4では約1.62、M5では約1.76を含む、(53)に記載の方法。
(63) それを必要とする対象に食物なしでMNTXを投与するステップを含む、MNTXのバイオアベイラビリティを高める方法。
(64) MNTX450mgが、1日1回経口投与される、(63)に記載の方法。
(65) MNTXが、3×150mg錠として投与される、(63)に記載の方法。
(66) MNTXが、対象の最後の食事の少なくとも約10時間後に投与される、(63)に記載の方法。
(67) 対象が、10時間以内に食事を摂っていないものと同定される、(66)に記載の方法。
(68) MNTXが、対象の次の食事の少なくとも約4時間前に投与される、(66)に記載の方法。
(69) 対象が、MNTXの投与の少なくとも約10時間前及び投与の約4時間後に高脂肪及び/又は高カロリーの食事を避けるよう指示される、(63)に記載の方法。
(70) 食物と共に投与すると、MNTX吸収がかなり遅延する、(63)に記載の方法。
(71) 食物なしでMNTXを投与すると、食物と共にMNTXを投与するのに比べて、2分の1から4分の3まで全身の吸収が高まる、(63)に記載の方法。
(72) 食物なしでMNTXを投与すると、食物と共にMNTXを投与するのに比べてT max が約35%〜60%まで減少する、(63)に記載の方法。
(73) 食物なしでMNTXを投与すると、食物と共にMNTXを投与するのに比べてC max が1倍〜3倍まで増加する、(63)に記載の方法。
(74) 食物なしでMNTXを投与すると、食物と共にMNTXを投与するのに比べてAUCが1倍〜3倍まで増加する、(63)に記載の方法。
(75) 治療を必要とする対象に食物なしでMNTXを投与するステップを含む、MNTXの便通効果を高める方法。
(76) MNTX450mgが、1日1回経口投与される、(75)に記載の方法。
(77) MNTXが、3×150mg錠として投与される、(75)に記載の方法。
(78) MNTXが、対象の最後の食事の少なくとも約10時間後に投与される、(75)に記載の方法。
(79) MNTXが、対象の次の食事の少なくとも約4時間前に投与される、(75)に記載の方法。
(80) 対象が、MNTXの投与の少なくとも約10時間前及び投与の約4時間後に高脂肪及び/又は高カロリーの食事を避けるよう指示される、(75)に記載の方法。
(81) 対象が、10時間以内に食事を摂っていないものと同定される、(80)に記載の方法。

Claims (81)

  1. 式(I):
    Figure 2019048820
    [式中、A-は、両親媒性の薬学的に許容される賦形剤の陰イオンである]
    の塩を含む医薬組成物を対象に経口投与するステップを含む、オピオイド誘導性便秘症を有する対象を治療する方法であって、医薬組成物を投与して、レスキューなしに排便を生じさせ;それによって対象を治療する、上記方法。
  2. 対象をオピオイド誘導性便秘症から予防する方法であって、
    式(I):
    Figure 2019048820
    [式中、A-は、両親媒性の薬学的に許容される賦形剤の陰イオンである]
    の塩を含む医薬組成物を対象に経口投与し、それによって、対象をオピオイド誘導性便秘症から予防するステップを含む、上記方法。
  3. A-が、ナトリウムドデシル(ラウリル)スルファートである、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 医薬組成物が、メチルナルトレキソン及びブロミドを含む第1の塩、並びにメチルナルトレキソン及びナトリウムドデシル(ラウリル)スルファートを含む第2の塩の組み合わせを含む、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  5. 医薬組成物が、約150mgのメチルナルトレキソン又はその塩を含む、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
  6. 医薬組成物が、炭酸水素ナトリウム、微結晶セルロース、クロスポビドン、ポリソルベート80、エデト酸カルシウム二ナトリウム無水物、ケイ化微結晶セルロース、タルク、コロイド状二酸化ケイ素、ステアリン酸マグネシウム、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1種の薬剤をさらに含む、請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
  7. 医薬組成物が、錠剤である、請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
  8. 約150mgのメチルナルトレキソン又はその塩を経口投与するステップを含む、請求項1〜7のいずれかに記載の方法。
  9. 約150mgのメチルナルトレキソンが、約150mgのメチルナルトレキソンを含む1つの錠剤として投与される、請求項8に記載の方法。
  10. 約300mgのメチルナルトレキソン又はその塩を経口投与するステップを含む、請求項1〜7のいずれかに記載の方法。
  11. 約300mgのメチルナルトレキソンが、約150mgのメチルナルトレキソンをそれぞれ含む2つの錠剤として投与される、請求項10に記載の方法。
  12. 約450mgのメチルナルトレキソン又はその塩を経口投与するステップを含む、請求項1〜7のいずれかに記載の方法。
  13. 約450mgのメチルナルトレキソンが、約150mgのメチルナルトレキソンをそれぞれ含む3つの錠剤として投与される、請求項12に記載の方法。
  14. 対象が、慢性非悪性疼痛を有する、請求項1〜13のいずれかに記載の方法。
  15. 対象が、医薬組成物の投与前の少なくとも2カ月間慢性非悪性疼痛を有していた、請求項14に記載の方法。
  16. 対象が、医薬組成物の投与前にオピオイド治療を受けている、請求項1〜15のいずれかに記載の方法。
  17. 対象が、少なくとも1カ月間オピオイド治療を受けている、請求項16に記載の方法。
  18. 対象が、1日当たりの経口モルヒネ当量を少なくとも50mg含むオピオイド治療を少なくとも14日間受けている、請求項1〜17のいずれかに記載の方法。
  19. 対象が、1、2、3若しくは4週間未満にオピオイド治療を開始する、請求項2に記載の方法。
  20. 対象が、少なくとも30日間オピオイド誘導性便秘症である、請求項1及び3〜18のいずれかに記載の方法。
  21. 対象が、1週間当たり3回未満のレスキューなしの排便を連続して少なくとも4週間経験している、請求項1、3〜18及び20のいずれかに記載の方法。
  22. 対象が、排便中しぶり腹を経験している、請求項1、3〜18、20及び21のいずれかに記載の方法。
  23. 対象が、不完全な排泄を経験している、請求項1、3〜18及び20〜22のいずれかに記載の方法。
  24. 対象が、レスキューなしの排便のうち少なくとも25%についてブリストル便形状スケール(Bristol Stool Form Scale)1型又は2型を経験している、請求項1、3〜18及び20〜23のいずれかに記載の方法。
  25. 医薬組成物の投与の4時間以内にレスキューなしで排便が起こる、請求項1〜24のいずれかに記載の方法。
  26. 医薬組成物の投与前の1週間当たりのレスキューなしの排便の回数に比べて、1週間当たりのレスキューなしの排便が少なくとも1回増加する、請求項1〜25のいずれかに記載の方法。
  27. 1週間当たりのレスキューなしの排便が少なくとも2、3、4又は5回増加する、請求項26のいずれかに記載の方法。
  28. 医薬組成物のそれぞれ最初の4週間の連日投与に対して、1週間当たりのレスキューなしの排便が少なくとも1回増加する、請求項1〜27のいずれかに記載の方法。
  29. (i)対象が、医薬組成物のそれぞれ最初の4週間の連日投与においてレスキューなしの排便を少なくとも3回経験し;(ii)医薬組成物の投与前の1週間当たりのレスキューなしの排便の回数に比べて、対象が、最初の4週間の連日投与のうち少なくとも3回に対して、1週間当たりのレスキューなしの排便が少なくとも1回増加することを経験する、請求項1〜28のいずれかに記載の方法。
  30. オピオイド誘導性便秘症に罹患した対象においてレスキューなしの排便を誘発する方法であって、
    式(I):
    Figure 2019048820
    [式中、A-は、両親媒性の薬学的に許容される賦形剤の陰イオンである]
    の塩を含む医薬組成物を対象に経口投与し、それによって、レスキューなしの排便を誘発するステップを含む、上記方法。
  31. 投与の4時間以内にレスキューなしの排便を誘発する、請求項30に記載の方法。
  32. 対象によって経験されるレスキューなしの排便の回数を増やす方法であって、
    式(I):
    Figure 2019048820
    [式中、A-は、両親媒性の薬学的に許容される賦形剤の陰イオンである]
    の塩を含む医薬組成物を対象に経口投与し、それによって、対象によって経験されるレスキューなしの排便の回数を増やすステップを含む、上記方法。
  33. 対象が、少なくとも1日1回少なくとも4週間医薬組成物を投与される、請求項32に記載の方法。
  34. 対象が、4週間を超えて少なくとも3回あるのに対して、レスキューなしの排便が少なくとも1回増加することを経験し、対象が、それぞれ4週間に対して少なくとも3回のレスキューなしの排便を経験する、請求項33に記載の方法。
  35. 投与前に対象によって経験されるレスキューなしの排便の回数に比べて、レスキューなしの排便の回数が、それぞれの4週間で増加する、請求項32に記載の方法。
  36. オピオイド誘導性便秘症に罹患した対象を治療するための、請求項1〜5のいずれかに記載される医薬組成物の効果を評価する方法であって、
    式(I):
    Figure 2019048820
    [式中、A-は、両親媒性の薬学的に許容される賦形剤の陰イオンである]
    の塩を含む医薬組成物を対象に経口投与するステップを含み、
    (i)医薬組成物の投与の4時間以内のレスキューなしの排便;
    (ii)医薬組成物の連日投与前の1週間当たりのレスキューなしの排便の回数に比べて、医薬組成物の連日投与後の1週間当たりのレスキューなしの排便の回数の増加;又は
    (iii)最初の4週間の連日投与のうち少なくとも3回;及び最初の4週間の連日投与に対して、1週間当たり少なくとも3回のレスキューなしの排便において、医薬組成物の投与前の1週間当たりのレスキューなしの排便の回数と比較した、医薬組成物の連日投与後の1週間当たりのレスキューなしの排便の回数の増加、これらのうち少なくとも1つが、医薬組成物の有効性を示している、上記方法。
  37. オピオイド誘導性便秘症を有する対象を治療するための方法であり、対象が、
    (i)慢性非悪性疼痛がある;
    (ii)少なくとも2カ月間慢性非悪性疼痛がある;
    (iii)オピオイド治療を受けている;
    (iv)少なくとも1カ月間オピオイド治療を受けている;
    (v)1日当たりの経口モルヒネ当量少なくとも50mgを含むオピオイド治療を少なくとも14日間受けている;
    (vi)オピオイド誘導性便秘症がある;
    (vii)少なくとも30日間オピオイド誘導性便秘症がある;
    (viii)1週間当たり3回未満のレスキューなしの排便が少なくとも4週間連続している;
    (ix)排便中しぶり腹を経験している;
    (x)不完全な排泄を経験している;
    (xi)レスキューなしの排便のうち少なくとも25%についてブリストル便形状スケール1型又は2型を経験している;
    (xii)オピオイド治療の開始前に慢性便秘症の既往歴がない;又は
    (xiii)(i)-(xii)の任意の組み合わせ
    であるかどうか同定するステップと、
    式(I):
    Figure 2019048820
    [式中、A-は、両親媒性の薬学的に許容される賦形剤の陰イオンである]
    の塩を含む医薬組成物を対象に経口投与するステップを含み、対象が、(i)〜(x)のうちいずれか1つを示す、上記方法。
  38. オピオイド誘導性便秘症の治療に関連する有害事象の発生を減らす方法であって、
    式(I):
    Figure 2019048820
    [式中、A-は、両親媒性の薬学的に許容される賦形剤の陰イオンである]
    の塩を含む医薬組成物を対象に経口投与するステップを含み、医薬組成物は、両親媒性の薬学的に許容される賦形剤の陰イオンを含まない医薬組成物に比べて有害事象の発生を減少させる、上記方法。
  39. A-が、ナトリウムドデシル(ラウリル)スルファートである、請求項30〜38のいずれかに記載の方法。
  40. 医薬組成物が、メチルナルトレキソン及びブロミドを含む第1の塩、並びにメチルナルトレキソン及びナトリウムドデシル(ラウリル)スルファートを含む第2の塩の組み合わせを含む、請求項30〜39のいずれかに記載の方法。
  41. 医薬組成物が、約150mgのメチルナルトレキソン又はその塩を含む、請求項30〜40のいずれかに記載の方法。
  42. 医薬組成物が、炭酸水素ナトリウム、微結晶セルロース、クロスポビドン、ポリソルベート80、エデト酸カルシウム二ナトリウム無水物、ケイ酸化微結晶セルロース、タルク、コロイド状二酸化ケイ素、ステアリン酸マグネシウム、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1種の薬剤をさらに含む、請求項30〜41のいずれかに記載の方法。
  43. 医薬組成物が、錠剤である、請求項30〜42のいずれかに記載の方法。
  44. 約150mgのメチルナルトレキソン又はその塩を経口投与するステップを含む、請求項30〜43のいずれかに記載の方法。
  45. 約150mgのメチルナルトレキソンが、約150mgのメチルナルトレキソンを含む1つの錠剤として投与される、請求項44に記載の方法。
  46. 約300mgのメチルナルトレキソン又はその塩を経口投与するステップを含む、請求項30〜43のいずれかに記載の方法。
  47. 約300mgのメチルナルトレキソンが、約150mgのメチルナルトレキソンをそれぞれ含む2つの錠剤として投与される、請求項46に記載の方法。
  48. 約450mgのメチルナルトレキソン又はその塩を経口投与するステップを含む、請求項30〜43のいずれかに記載の方法。
  49. 約450mgのメチルナルトレキソンが、約150mgのメチルナルトレキソンをそれぞれ含む3つの錠剤として投与される、請求項48に記載の方法。
  50. オピオイド誘導性便秘症を有する対象を治療する方法であって、
    (a)約150mgのメチルナルトレキソン、又はその塩、及びナトリウムドデシル(ラウリル)スルファートを含む医薬組成物を対象に経口投与するステップと;
    (b)組成物が、対象を治療するか否かを決定するステップ[(i)〜(iii)からなる群から選択される少なくとも1つの反応は、
    組成物が、
    (i)医薬組成物の投与の4時間以内のレスキューなしの排便;
    (ii)医薬組成物の連日投与前の1週間当たりのレスキューなしの排便の回数に比べて、医薬組成物の連日投与後の1週間当たりのレスキューなしの排便の回数の増加;又は
    (iii)最初の4週間の連日投与のうち少なくとも3回;及び最初の4週間の連日投与に対して、1週間当たり少なくとも3回のレスキューなしの排便において、医薬組成物の投与前の1週間当たりのレスキューなしの排便の回数と比較した、医薬組成物の連日投与後の1週間当たりのレスキューなしの排便の回数の増加
    の対象を治療することを示している]と;
    c)対象が、ステップ(a)の後に(b)(i)〜(iii)からなる群から選択される反応を示さない場合、メチルナルトレキソン若しくはその塩、及び300mg又は450mgのナトリウムドデシル(ラウリル)スルファートを含む医薬組成物を経口投与するステップとを含む、上記方法。
  51. メチルナルトレキソン、又はその塩を含む医薬組成物を経口投与するステップを含む、オピオイド誘導性便秘症を有する対象を治療する方法であり、医薬組成物は、式(I):
    Figure 2019048820
    [式中、A-は、両親媒性の薬学的に許容される賦形剤の陰イオンである]
    の塩を含み、組成物は、約300mg〜約400mgの範囲の用量のメチルナルトレキソン又はその塩を提供し;(i)本方法によって、医薬組成物の投与の4時間以内にレスキューなしの排便がもたらされ;(ii)この結果から、連日投与により少なくとも4週間持続可能である、上記方法。
  52. さらに、対象に(i)医薬組成物の4週間の連日投与のうち少なくとも3回に対して、1週間当たり少なくとも3回のレスキューなしの排便をもたらし;(ii)対象は、医薬組成物の投与前の1週間当たりのレスキューなしの排便の回数に比べて、1週間当たりのレスキューなしの排便の少なくとも1回の増加を経験する、請求項51に記載の方法。
  53. 経口で対象にMNTXを投与するステップを含む、対象においてMNTX及びその代謝産物のバイオアベイラビリティを高める方法。
  54. MNTXが、1〜7日の間に経口投与される、請求項53に記載の方法。
  55. MNTXが、1〜28日の間に経口投与される、請求項53に記載の方法。
  56. 皮内注射によってより少ない量のMNTXを投与された対象のAUC及びCmaxに比べて、MNTX及びその代謝産物のうちの1つ以上のAUC及びCmaxが、対象において増加する、請求項53に記載の方法。
  57. 経口投与されるMNTXが、皮内注射によってより少ない量のMNTXを投与された対象に比べて、MNTX、M2、M4又はM5のうちの1つ以上の蓄積値が高い、請求項53に記載の方法。
  58. 経口投与後の蓄積値が、MNTXでは約1.20を含む、請求項57に記載の方法。
  59. 経口投与後の蓄積値が、M2では約1.30を含む、請求項57に記載の方法。
  60. 経口投与後の蓄積値が、M4では、約1.62を含む、請求項57に記載の方法。
  61. 経口投与後の蓄積値が、M5では約1.76を含む、請求項57に記載の方法。
  62. 経口投与後の蓄積値が、MNTXでは約1.20、M2では約1.30、M4では約1.62、M5では約1.76を含む、請求項53に記載の方法。
  63. それを必要とする対象に食物なしでMNTXを投与するステップを含む、MNTXのバイオアベイラビリティを高める方法。
  64. MNTX450mgが、1日1回経口投与される、請求項63に記載の方法。
  65. MNTXが、3×150mg錠として投与される、請求項63に記載の方法。
  66. MNTXが、対象の最後の食事の少なくとも約10時間後に投与される、請求項63に記載の方法。
  67. 対象が、10時間以内に食事を摂っていないものと同定される、請求項66に記載の方法。
  68. MNTXが、対象の次の食事の少なくとも約4時間前に投与される、請求項66に記載の方法。
  69. 対象が、MNTXの投与の少なくとも約10時間前及び投与の約4時間後に高脂肪及び/又は高カロリーの食事を避けるよう指示される、請求項63に記載の方法。
  70. 食物と共に投与すると、MNTX吸収がかなり遅延する、請求項63に記載の方法。
  71. 食物なしでMNTXを投与すると、食物と共にMNTXを投与するのに比べて、2分の1から4分の3まで全身の吸収が高まる、請求項63に記載の方法。
  72. 食物なしでMNTXを投与すると、食物と共にMNTXを投与するのに比べてTmaxが約35%〜60%まで減少する、請求項63に記載の方法。
  73. 食物なしでMNTXを投与すると、食物と共にMNTXを投与するのに比べてCmaxが1倍〜3倍まで増加する、請求項63に記載の方法。
  74. 食物なしでMNTXを投与すると、食物と共にMNTXを投与するのに比べてAUCが1倍〜3倍まで増加する、請求項63に記載の方法。
  75. 治療を必要とする対象に食物なしでMNTXを投与するステップを含む、MNTXの便通効果を高める方法。
  76. MNTX450mgが、1日1回経口投与される、請求項75に記載の方法。
  77. MNTXが、3×150mg錠として投与される、請求項75に記載の方法。
  78. MNTXが、対象の最後の食事の少なくとも約10時間後に投与される、請求項75に記載の方法。
  79. MNTXが、対象の次の食事の少なくとも約4時間前に投与される、請求項75に記載の方法。
  80. 対象が、MNTXの投与の少なくとも約10時間前及び投与の約4時間後に高脂肪及び/又は高カロリーの食事を避けるよう指示される、請求項75に記載の方法。
  81. 対象が、10時間以内に食事を摂っていないものと同定される、請求項80に記載の方法。
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