JP2019048257A - 膜蒸留用膜モジュール及びそれを具備する膜蒸留装置 - Google Patents

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貴子 高橋
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Abstract

【課題】被処理水が中空糸膜全体に均一に流れる膜蒸留用膜モジュールの提供、及びそれを用いた膜蒸留装置の提供。【解決手段】円筒状ハウジング12内に、疎水性多孔質中空糸膜11の束が、その長手方向の両端で固定用樹脂13a、13bにより、固定・収容された膜蒸留用膜モジュール10であって、被処理水取出し口123の近傍の中空糸膜11の束とハウジング12の隙間に、中空糸膜11の束の外周の全部又は一部を囲むように固定用樹脂13a、13bに埋設された筒状の目皿125a、125bを有し、及び/又は膜モジュール10が、中空糸膜11の束の長手方向の一端の固定用樹脂13aと他端の固定用樹脂13bの間に、かつ、中空糸膜11の束とハウジング12の隙間に、中空糸膜11の束の外周の全部を取り囲む網目状のネット126を有する、前記膜蒸留用モジュール10、並びにモジール10を具備する膜蒸留装置。【選択図】図4

Description

本発明は、膜蒸留用膜モジュール及びそれを具備する膜蒸留装置に関する。より詳しくは、本発明は、貫通孔を有する複数の疎水性多孔質中空糸膜の束が円筒形ハウジング内に収容され、該中空糸膜の外側に被処理水を通し、中空糸膜の内側(すなわち中空部)から水蒸気を取出して冷却・凝集させ、透過水として回収する膜蒸留用膜モジュール及びそれを用いた膜蒸留装置に関する。
膜蒸留(Membrane Distillation (MD))法とは、被処理水のうち水蒸気のみを透過する疎水性多孔質膜を用いて、加温された高温の被処理水(以下、原水ともいう。)から、飽和水蒸気圧差により疎水性多孔質膜を通過した水蒸気を冷却・凝縮させ、凝縮水を透過水として回収する方法である。つまり、膜蒸留法とは、疎水性多孔質膜を介して生じる蒸気圧差を駆動力として、被処理水中の溶質(塩類)と水とを分離する技術であり、多孔質膜を介して水を蒸留、精製する技術ともいえる。膜蒸留法では、分離駆動力が蒸気圧差のため、原水に圧力を掛けて逆浸透膜で濾過して精製水を得る逆浸透法と比べて、高圧を必要とせず、動力エネルギーを低減することができ、溶質は膜を透過せず、水蒸気のみが膜を透過するため、極めて高い純度の透過水を得ることができる。
膜蒸留法に用いる疎水性多孔質膜としては、中空糸膜に限らず、平膜を使用することもできるが、膜蒸留装置全体のコンパクト化、かかる膜蒸留装置の主要部材である、膜を含む膜蒸留用膜モジュールの単位体積当たりの処理量を増加させるために、一般には、疎水性多孔質中空糸膜の束が用いられている。疎水性多孔質中空糸膜を用いる場合、高温の被処理水を中空糸膜の内側に通し、水蒸気を外側に回収する方式や、反対に、高温の被処理水を中空糸の外側に通し、水蒸気を内側に回収する方式があるが、いずれの方式においても、膜蒸留用膜モジュールの単位体積当たりの造水量の増加、即ち生産性の増加が求められている。
以下の特許文献1には、中空糸多孔質膜が物理的接触による摩擦によって損傷を受けることで生産性が低減することを防止するために膜を保護することが開示されている。
特開平9−150041号公報
前記したように、特許文献1には、膜蒸留法の生産性の向上を多孔質膜が物理的接触による摩擦によって生じる損傷を防止するための手段が検討されているが、これに対して、本発明では、膜蒸留法の生産性向上のために、膜全面が有効利用されていない可能性を排除すべく、原水を膜全面に常に均一に流すことができる設備的手段を設けることによって、生産性の向上を図るものである。
すなわち、本発明が解決しようとする課題は、原水を膜全面に常に均一に流すことができる設備的手段を設けた膜蒸留用膜モジュール、及びそれを具備する膜蒸留装置を提供することである。
本件発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討し実験を重ねた結果、膜蒸留用膜モジュールを構成する円筒状ハウジング内での原水の流れの均一性を確保すべくモジュール構造を最適化することにより生産性の向上を達成し、本発明を完成するに至ったものである。
すなわち、本発明は以下のとおりのものである。
[1]円筒状ハウジング(12)内に、疎水性多孔質中空糸膜(11)の束が、その長手方向の両端で固定用樹脂により、固定・収容された膜蒸留用膜モジュール(10)であって、
該膜モジュール(10)は、該中空糸膜(11)の束の長手方向の一端に、被処理水導入口(122)を有し、ここで、該一端においては、該固定用樹脂により該中空糸膜(11)の内側が封止され、該被処理水は、該中空膜糸(11)の外側に導入される;
該膜モジュール(10)は、該中空糸膜(11)の束の長手方向の他端に、該中空糸膜(11)の束の長手方向と直交する方向に、少なくとも一つの被処理水取出し口を、かつ、該中空糸膜(11)の束の長手方向に、蒸気取出し口(123)を有し、ここで、該他端においては、該固定用樹脂により該中空糸膜(11)の外側が封止され、該蒸気は、該中空糸膜(11)の内側から排出され、かつ、少なくとも一つの該被処理水取出し口の近傍の該中空糸膜(11)の束と該ハウジング(12)の隙間に、該中空糸膜(11)の束の外周の全部又は一部を囲むように該固定用樹脂に埋設された筒状の目皿を有する;
ことを特徴とする前記膜蒸留用膜モジュール(10)。
[2]円筒状ハウジング(12)内に、疎水性多孔質中空糸膜(11)の束が、その長手方向の両端で固定用樹脂により、固定・収容された膜蒸留用膜モジュール(10)であって、
該膜モジュール(10)は、該中空糸膜(11)の束の長手方向の一端に、該中空糸膜(11)の束の長手方向と直交する方向に、被処理水導入口(124a)を、かつ、該中空糸膜(11)の束の長手方向に、蒸気取出し口(123)を有し、ここで、該一端においては、該固定用樹脂により該中空糸膜(11)の外側が封止され、該被処理水は、該中空膜糸(11)の外側に導入され、かつ、該蒸気は、該中空糸膜(11)の内側から排出され、かつ、該被処理水導入口(124a)の近傍の該中空糸膜(11)の束と該ハウジング(12)の隙間に、該中空糸膜(11)の束の外周の全部又は一部を囲むように該固定用樹脂に埋設された筒状の目皿(125a)を有し;
該膜モジュール(10)は、該中空糸膜(11)の束の長手方向の他端に、該中空糸膜(11)の束の長手方向と直交する方向に、被処理水取出し口(124b)を、かつ、該中空糸膜(11)の束の長手方向に、蒸気取出し口(123)を有し、ここで、該他端においては、該固定用樹脂により該中空糸膜(11)の外側が封止され、該被処理水は、該中空膜糸(11)の外側から排出され、かつ、該蒸気は、該中空糸膜(11)の内側から排出され、かつ、該被処理水取出し口(124b)の近傍の該中空糸膜(11)の束と該ハウジング(12)の隙間に、該中空糸膜(11)の束の外周の全部又は一部を囲むように該固定用樹脂に埋設された筒状の目皿(125b)を有する;
ことを特徴とする前記膜蒸留用膜モジュール(10)。
[3]円筒状ハウジング(12)内に、疎水性多孔質中空糸膜(11)の束が、その長手方向の両端で固定用樹脂により、固定・収容された膜蒸留用膜モジュール(10)であって、
該膜モジュール(10)は、該中空糸膜(11)の束の長手方向の一端に、被処理水導入口(122)を有し、ここで、該一端においては、該固定用樹脂により該中空糸膜(11)の内側が封止され、該被処理水は、該中空膜糸(11)の外側に導入される;
該膜モジュール(10)は、該中空糸膜(11)の束の長手方向の他端に、該中空糸膜(11)の束の長手方向と直交する方向に、少なくとも一つの被処理水取出し口を、かつ、該中空糸膜(11)の束の長手方向に、蒸気取出し口(123)を有し、ここで、該他端においては、該固定用樹脂により該中空糸膜(11)の外側が封止され、該蒸気は、該中空糸膜(11)の内側から排出され、かつ、該膜モジュール(10)は、該中空糸膜(11)の束の長手方向の一端の固定用樹脂と他端の固定用樹脂の間に、かつ、該中空糸膜(11)の束と該ハウジング(12)の隙間に、該中空糸膜(11)の束の外周の全部を取り囲む網目状のネット(126)を有する;
ことを特徴とする前記膜蒸留用膜モジュール(10)。
[4]円筒状ハウジング(12)内に、疎水性多孔質中空糸膜(11)の束が、その長手方向の両端で固定用樹脂により、固定・収容された膜蒸留用膜モジュール(10)であって、
該膜モジュール(10)は、該中空糸膜(11)の束の長手方向の一端に、該中空糸膜(11)の束の長手方向と直交する方向に、被処理水導入口(124a)を、かつ、該中空糸膜(11)の束の長手方向に、蒸気取出し口(123)を有し、ここで、該一端においては、該固定用樹脂により該中空糸膜(11)の外側が封止され、該被処理水は、該中空膜糸(11)の外側に導入され、かつ、該蒸気は、該中空糸膜(11)の内側から排出され、かつ、
該膜モジュール(10)は、該中空糸膜(11)の束の長手方向の他端に、該中空糸膜(11)の束の長手方向と直交する方向に、被処理水取出し口(124b)を、かつ、該中空糸膜(11)の束の長手方向に、蒸気取出し口(123)を有し、ここで、該他端においては、該固定用樹脂により該中空糸膜(11)の外側が封止され、該被処理水は、該中空膜糸(11)の外側から排出され、かつ、該蒸気は、該中空糸膜(11)の内側から排出され、かつ、
該膜モジュール(10)は、該中空糸膜(11)の束の長手方向の一端の固定用樹脂と他端の固定用樹脂の間に、かつ、該中空糸膜(11)の束と該ハウジング(12)の隙間に、該中空糸膜(11)の束の外周の全部を取り囲む網目状のネット(126)を有する;
ことを特徴とする前記膜蒸留用膜モジュール(10)。
[5]
前記膜モジュール(10)は、該中空糸膜(11)の束の長手方向の一端の固定用樹脂と他端の固定用樹脂の間に、かつ、該中空糸膜(11)の束と該ハウジング(12)の隙間に、該中空糸膜(11)の束の外周の全部を取り囲む網目状のネット(126)をさらに有する;
前記[1]に記載の前記膜蒸留用膜モジュール(10)。
[6]
前記膜モジュール(10)は、該中空糸膜(11)の束の長手方向の一端の固定用樹脂と他端の固定用樹脂の間に、かつ、該中空糸膜(11)の束と該ハウジング(12)の隙間に、該中空糸膜(11)の束の外周の全部を取り囲む網目状のネット(126)をさらに有する;
前記[2]に記載の前記膜蒸留用膜モジュール(10)。
[7]前記膜モジュール(10)内で、膜束の断面方向の内径が最も狭い部分の内径(Dmin)における膜モジュール断面積基準での中空糸膜の充填率(%)=(中空糸膜総断面積)÷(Dminを画定する膜モジュール部位の内径断面積)×100が、45〜80%である、前記[1]〜[6]のいずれかに記載の膜蒸留用膜モジュール。
[8]前記中空糸膜(11)の有効長Lが、60〜1200mmである、前記[1]〜[7]のいずれかに記載の膜蒸留用膜モジュール。
[9]前記蒸気取出し口(123)の断面積Spと、他端における中空糸膜(11)の内側開口部の総断面積Smとの比Sp/Smが、0.25〜7である、前記[1]〜[8]のいずれかに記載の膜蒸留用膜モジュール。
[10]前記中空糸膜(11)の有効長Lと、前記中空糸膜(11)の内径Dmとの比L/Dmが、15〜10,000である、前記[1]〜[9]のいずれかに記載の膜蒸留用膜モジュール。
[11]前記被処理水導入口(122)の総断面積Sfと、前記ハウジング(12)の断面積Shとの比Sf/Shが、0.03〜0.3である、前記[1]、[3]、及び[5]のいずれかに記載の膜蒸留用膜モジュール。
[12]前記被処理水取出し口(124b)の総断面積Scと、前記被処理水導入口(124a)の総断面積Sfとの比Sc/Sfが、0.1〜3である、前記[2]、[4]、及び[6]のいずれかに記載の膜蒸留用膜モジュール。
[13]前記被処理水導入口(124a)と前記被処理水取出し口(124b)における前記ハウジング(12)の内径D2と、前記ハウジング(12)の本体部(121)の最小内径D1との比D2/D1が、1.05〜1.5である、前記[2]、[4]、及び[6]のいずれかに記載の膜蒸留用膜モジュール。
[14]前記ネット(126)は、網目状の形状であり、かつ、その素材は、ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリフッ化ビニリデン、エトレン−テトラフルオロエチレン共重合体、ポリテトラフルオロエチレン、及びテトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルエーテル共重合体からなる群から選ばれる、前記[1]〜[13]のいずれかに記載の膜蒸留用膜モジュール。
[15]前記[1]〜[14]のいずれかに記載の膜蒸留用膜モジュール(10);該膜蒸留用膜モジュール(10)の被処理水導入口(122又は124a)及び被処理水取出し口(124b)に配管で接続された被処理水タンク(30)及びポンプ(40)からなる被処理水循環系;並びに該膜蒸留用膜モジュール(10)の蒸気取出し口(122及び/又は123)に配管で接続された蒸気凝縮部(20)、採水容器(50)、内圧調整器(60)、及び減圧装置(70)からなる排気及び採水系;を具備する膜蒸留装置(1)。
本発明に係る膜蒸留用膜モジュールは、膜蒸留用膜モジュールを構成する円筒状ハウジング内での原水の流れの均一性を確保できるので生産性が向上している。
第一の実施形態(片端集水式)の膜蒸留装置の概略図である。 第一の実施形態(片端集水式)の膜蒸留装置の膜蒸留用膜モジュールの概略図である。 第二の実施形態(両端集水式)の膜蒸留装置の概略図である。 第二の実施形態(両端集水式)の膜蒸留装置の膜蒸留用膜モジュールの概略図である。 図2における被処理水導入口(E1)の断面図である。 図2における蒸気取出し口(E2)の断面図である。 目皿(125a、125b)の斜視図である。 流れムラの推定発生原因と目皿の効果を模式した図である。 流れムラの推定発生原因とネットの効果を模式した図である。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「実施形態」ともいう。)について詳細に説明する。本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。本開示において、図面に付与された同一の符号は同様の要素を示す。
図2に示すように、第一の実施形態の係る膜蒸留用膜モジュール(10)は、円筒状ハウジング(12)内に、疎水性多孔質中空糸膜(11)の束が、その長手方向の両端で固定用樹脂により、固定・収容された膜蒸留用膜モジュール(10)であって、
該膜モジュール(10)は、該中空糸膜(11)の束の長手方向の一端に、被処理水導入口(122)を有し、ここで、該一端においては、該固定用樹脂により該中空糸膜(11)の内側が封止され、該被処理水は、該中空膜糸(11)の外側に導入される;
該膜モジュール(10)は、該中空糸膜(11)の束の長手方向の他端に、該中空糸膜(11)の束の長手方向と直交する方向に、被処理水取出し口(124b)を、かつ、該中空糸膜(11)の束の長手方向に、蒸気取出し口(123)を有し、ここで、該他端においては、該固定用樹脂により該中空糸膜(11)の外側が封止され、該蒸気は、該中空糸膜(11)の内側から排出され、かつ、該被処理水取出し口(124b)の近傍の該中空糸膜(11)の束と該ハウジング(12)の隙間に、該中空糸膜(11)の束の外周の全部又は一部を囲むように該固定用樹脂に埋設された筒状の目皿(125b)を有し;そして
該膜モジュール(10)は、該中空糸膜(11)の束の長手方向の一端の固定用樹脂と他端の固定用樹脂の間に、かつ、該中空糸膜(11)の束と該ハウジング(12)の隙間に、該中空糸膜(11)の束の外周の全部を取り囲む網目状のネット(126)を有する;
ことを特徴とする。第一の実施形態は、図1に示す片端集水式膜蒸留装置(1)に用いる膜蒸留用膜モジュール(10)である。片端集水式の膜蒸留用膜モジュールにおいては、被処理水は、該膜モジュールの下端において、中空糸膜の外側(外部)に導入され、蒸気は、該膜モジュールの上端において、該中空糸膜の内側(内部)から取り出される。
図2においては、膜蒸留用膜モジュール(10)の被処理水取出し口(124a)は封止キャップ(128)により封止されており、使用されていない形態を例示しているが、被処理水取出し口(124b)と同様に、近傍に目皿(125a)を設置することで、被処理水取出し口(124a)も使用することができる。
図4に示すように、第二の実施形態の係る膜蒸留用膜モジュール(10)は、円筒状ハウジング(12)内に、疎水性多孔質中空糸膜(11)の束が、その長手方向の両端で固定用樹脂により、固定・収容された膜蒸留用膜モジュール(10)であって、
該膜モジュール(10)は、該中空糸膜(11)の束の長手方向の一端に、該中空糸膜(11)の束の長手方向と直交する方向に、被処理水導入口(124a)を、かつ、該中空糸膜(11)の束の長手方向に、蒸気取出し口(123)を有し、ここで、該一端においては、該固定用樹脂により該中空糸膜(11)の外側が封止され、該被処理水は、該中空膜糸(11)の外側に導入され、かつ、該蒸気は、該中空糸膜(11)の内側から排出され、かつ、該被処理水導入口(124a)の近傍の該中空糸膜(11)の束と該ハウジング(12)の隙間に、該中空糸膜(11)の束の外周の全部又は一部を囲むように該固定用樹脂に埋設された筒状の目皿(125a)を有し;
該膜モジュール(10)は、該中空糸膜(11)の束の長手方向の他端に、該中空糸膜(11)の束の長手方向と直交する方向に、被処理水取出し口(124b)を、かつ、該中空糸膜(11)の束の長手方向に、蒸気取出し口(123)を有し、ここで、該他端においては、該固定用樹脂により該中空糸膜(11)の外側が封止され、該被処理水は、該中空膜糸(11)の外側から排出され、かつ、該蒸気は、該中空糸膜(11)の内側から排出され、かつ、該被処理水取出し口(124b)の近傍の該中空糸膜(11)の束と該ハウジング(12)の隙間に、該中空糸膜(11)の束の外周の全部又は一部を囲むように該固定用樹脂に埋設された筒状の目皿(125b)を有し;そして
該膜モジュール(10)は、該中空糸膜(11)の束の長手方向の一端の固定用樹脂と他端の固定用樹脂の間に、かつ、該中空糸膜(11)の束と該ハウジング(12)の隙間に、該中空糸膜(11)の束の外周の全部を取り囲む網目状のネット(126)を有する;ことを特徴とする。第二の実施形態は、図2に示す両端集水式膜蒸留装置(1)に用いる膜蒸留用膜モジュール(10)である。両端集水式の膜蒸留用膜モジュールにおいては、被処理水は、該膜モジュールの下端において、ハウジングの側方から中空糸膜の外側(外部)に導入され、蒸気は、片端集水式と同様に、該膜モジュールの上端と下端において、該中空糸膜の内側(内部)から取り出される。図4においては、該膜モジュールの上端と下端の両方の蒸気取出し口(123)から蒸気を取り出される形態を例示しているが、設備の配置の都合上、蒸気取出し口(123)は片端のみでもよい。
以下、第一の実施形態と第二に実施形態をまとめて実施形態ともいう。
図8に示すように、膜モジュールの構造上、被処理水(原水)の流路と原水の排出方向が垂直方向に近い(つまり、ほぼ直交する)ため、膜束内を流れてきた原水が糸束内から排出口へ最短距離で流れ出てしまい、糸束と接触する原水の流れにムラ(流量の変化)が生じやすくなる(つまり、膜束内で原水の滞留時間が短くなる)。
また、図9に示すように、原水の流路の直線部分(中空糸膜(11)の束の長手方向)においても、ハウジングと膜束の間が広ければ広いほど、膜束内を通る原水が、ハウジングと膜束の間に抜けてしまい、糸束と接触する原水の流れにムラ(流量の変化)が生じやすくなる(つまり、膜束内で原水の滞留時間が短くなる)。前記したように膜蒸留法では、分離駆動力である蒸気圧差を発生させるために、原水温度は60℃〜95℃の高温にしているため、流れムラが生じると、それによって熱ムラも生じることとなり、流れのムラ(流量の変化)による膜蒸留量の低下に加え、熱ムラによる膜蒸留量の低下をも誘引する結果として、全体としての膜蒸留量の低下、即ち生産性が大きく低下するおそれがある。そこで、本実施形態では、膜蒸留用膜モジュールを構成する円筒状ハウジング内、特に膜と接触する膜束内での原水の流れの均一性を確保するために、膜モジュール構造中に目皿とネットと称する設備手段を配置することで前記の問題を解決した。
[疎水性多孔質中空糸膜]
本実施形態の膜蒸留用膜モジュールに使用する疎水性多孔質中空糸膜は、貫通孔を有し、中空糸膜の外側(外部)から内側(内部)に向かって連通孔を有する。連通孔は、中空糸膜を構成する疎水性ポリマー等の膜材料のネットワークにより形成されるものでもよく、枝分かれした孔又は直通孔であることができる。
疎水性多孔質中空糸膜の内側表面、及び貫通孔表面の少なくとも一部分は、撥水剤でコーティングされていることが好ましい。本実施形態の膜蒸留用膜モジュールでは、中空糸膜の外側に被処理水(原水)が通過し、その内側に水蒸気のみが透過していくため、貫通孔を有する多孔質膜材料自体が疎水性であることに加え、被処理水が接する中空糸膜の内側表面、及び貫通孔表面の少なくとも一部分が撥水剤でコーティングされていれば、膜蒸留時に被処理水に含有される塩等の透過を抑制することができる。
疎水性多孔質中空糸膜の疎水性の観点から、該膜の水接触角は、液滴法により測定されたときに、好ましくは95°以上150°以下、より好ましくは100°以上150°以下である。液滴法は、例えば、23℃の温度及び50%の相対湿度で、2μLの純水を中空糸膜等の多孔性膜に滴下することにより行なわれる。
撥水剤でコーティングされている中空糸膜の表面張力は、10mN/m〜25mN/mであることが好ましい。膜の表面張力は直接測定できないため、様々な表面張力を持つ液体サンプルを準備して、その接触角(θ)を測定する。この各種液体の表面張力(γ)とCosθとをプロットすると直線関係になり、θ→0(ゼロ)に外挿した時の表面張力をその膜の表面張力とする。
多孔質膜の疎水性は、例えば、(i)多孔質膜材料の選定又は精練、(ii)多質性膜の内側、及び多孔質膜の貫通孔の表面の少なくとも一部分に対する疎水性コーティング等により調整することができる。
多孔質であり貫通孔を有し、かつ、疎水性である膜は、主たる構成成分として疎水性高分子を含む。疎水性高分子は、水に対する親和性が低い高分子であり、例えば、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、及びエチレン・四フッ化エチレン共重合体から成る群から選ばれる少なくとも1つの樹脂を含むことができる。疎水性の観点からは、ポリフッ化ビニリデン、エチレン四フッ化エチレン共重合体が好ましく、これらの高分子の重合後又はこれらから膜を形成した後の精練によって可塑剤等の不純物を除去することにより多孔質となり貫通孔が形成される。
本明細書中、「主たる構成成分として」とは、疎水性多孔質中空糸膜を構成する成分において、疎水性高分子を90質量%以上含むことをいい、膜強度の観点で、95質量%以上であることが好ましく、99質量%以上であることがより好ましい。
撥水剤は、基材の表面又は内部に疎水性の被膜を形成して、基材に撥水性を与えるか、又は基材の撥水性を向上させるものである。多孔質膜等の基材に撥水剤を適用する方法としては、例えば、以下の方法がある:
(ア)シロキサン結合をもつ撥水剤、例えば、ジメチルシロキサン及びそれに官能基を導入した、いわゆるシリコンオイル等を基材表面に塗布する方法;
(イ)フルオロアルキル基、アルキルシリル基、フルオロシリル基等を持つポリマーを溶剤に溶かした状態で又はエマルジョン化して基材に塗布する方法;
(ウ)方法(ア)又は(イ)を行うときに、ブロックドイソシアネート系架橋剤で被膜を架橋することにより強固な被膜を得る方法;
(エ)シランカップリング剤を基材と反応させた後に、フルオロアルキル基、アルキルシリル基、フルオロシリル基等を持つポリマーを結合させる方法;及び
(オ)アルコキシシランを基材と反応させた後に、方法(エ)と同様に、フルオロアルキル基、アルキルシリル基、フルオロシリル基等を持つポリマーを結合させる方法。
中空糸膜の外径は、例えば、300μm以上5,000μm以下、好ましくは350μm以上4,000μm以下であり、中空糸膜の内径(Dm)は、例えば、200μm以上4,000μm以下、好ましくは250μm以上3,000μm以下であることができる。
疎水性多孔質中空糸膜の多孔は、平均孔径に対する最大孔径の比が1.2〜2.5の範囲内である孔径分布を有することが好ましく、塩透過を抑制するという観点から、平均孔径は、好ましくは0.01μm〜1μmの範囲内であり、かつ、膜の空孔率は、好ましくは50%以上85%以下である。特別な理論に拘束されることを望まないが、膜蒸留時に溶質(例えば、NaCl)のイオン結晶径が水のイオン径より小さくなる場合、膜蒸留用多孔質中空糸膜の孔径分布及び最大孔径に応じて塩透過の発生率が決まる。したがって、塩透過を抑制することができる膜構造として、比較的シャープな孔径分布、すなわち比較的大きな孔径を有しないものが好ましい。
中空糸膜の外面及び内面の各々における表面開口率は、膜蒸留における透水性能の観点から、20%以上であることが好ましい。他方、膜の機械的強度の観点、減圧下使用における漏水防止の観点から、中空糸膜の表面開口率は70%以下であることが好ましく、35%以下であることがより好ましい。
中空糸膜の外径、内径(Dm)、平均孔径、最大孔径、及び表面開口率は、下記に記載の方法に準拠して、電子顕微鏡写真の画像を画像解析処理ソフトで解析することにより測定することができる。また、膜の空孔率は、下記に記載の方法に準拠して、中空糸膜の重量と中空糸膜を構成する材料の密度とから算出できる。
(外径、内径、膜厚)
疎水性多孔中空糸膜の外径、内径(Dm)は、中空糸膜長手方向に垂直な向きにカミソリ等で薄く切り、顕微鏡を用いて断面の外径、内径(Dm)をそれぞれ測定する。膜厚(mm)を算術平均により下記式(1):
により算出し、膜厚(μm)に換算した。
(空隙率)
疎水性多孔中空糸膜を一定長さにカミソリで切り、電子天秤を用いて中空糸の重量を測定し、空隙率を下記式(2):
により求めた。
(平均孔径)
ASTM:F316−86に記載されている平均孔径の測定方法(別称:ハーフドライ法)により測定した。
約10cm長の疎水性多孔中空糸膜に対し、液体としてエタノールを用いて、25℃、昇圧速度0.01atm/秒での標準測定条件で行った。
平均孔径は、下記式:
平均孔径[μm]=2860×(使用液体の表面張力[dyne/cm])/(ハーフドライ空気圧力[Pa])
により求めることができるが、エタノールの25℃における表面張力は21.97dyne/cmであるので、下記式により求めた。
平均孔径[μm]=62834/(ハーフドライ空気圧力[Pa])
(最大孔径)
中空糸多孔膜の最大孔径を、バブルポイント法を用いて測定した。長さ8cmの多孔質中空糸膜の一方の末端を閉塞し、他方の末端に圧力計を介して窒素ガス供給ラインを接続した。この状態で窒素ガスを供給してライン内部を窒素に置換した後、多孔質中空糸膜をエタノールに浸漬した。この時、エタノールがライン内に逆流しないように極僅かに窒素で圧力を掛けた状態で、多孔質中空糸膜を浸漬した。多孔質中空糸膜を浸漬した状態で、窒素ガスの圧力をゆっくりと増加させ、多孔質中空糸膜から窒素ガスの泡が安定して出始めた圧力Pを記録した。これより、多孔質中空糸膜の最大孔径dを、下記式(I):
d=C1γ/P・・・(I)
{式中、C1は定数、γは表面張力、そしてPは圧力である。}によりを算出した。エタノールを浸漬液としたときのC1γ=0.632(kg/cm)であり、式(I)にP(kg/cm)を代入することにより、最大孔径d(μm)を求めた。
(表面開口率)
疎水性多孔中空糸膜の膜表面の電子顕微鏡写真は走査型電子顕微鏡(日立社製S−4700)を用いて、加速電圧1.0kV、二次電子検出条件にて倍率5000〜50000倍で撮影した。疎水性多孔中空糸膜の内表面及び外表面の表面開口率は電子顕微鏡写真の画像を画像解析処理ソフトで処理して求めた。画像解析ソフトは、例えば、ImageJ(フリーソフト)を使用して処理を行う。とり込んだ画像の孔部分を黒、非孔部分を白となるように強調・フィルタ操作を実施する。その後、孔部をカウントし、孔内部に下層のポリマー鎖が見て取れる場合には、ポリマー鎖を非孔部分とみなしてカウントする。表面開口率を、下記式:
表面開口率[%]=100×(各孔面積の総和)/(測定範囲の面積)
により求めた。
上記式中、(測定範囲の面積)=(各孔面積の総和)+(各非孔部分面積の総和)である。また、測定範囲境界上の孔は除外しないものとした。
前記した孔径分布、表面開口率及び空孔率を有する疎水性多孔質中空糸膜は、例えば、以下のように、入手又は製造することできる:
(ア)市販の孔径分布がシャープな疎水性多孔質中空糸膜を購入する;
(イ)いわゆる大孔径カット法、例えば、原料樹脂から形成された膜を多孔質化するときに可塑剤の抽出量又は抽出挙動を制御する方法、多孔質膜にケイ素粉末を押し付けることにより大孔径部分を埋める方法などを用いて製造する。
疎水性多孔質膜の形態としては、平膜型、管状型、中空糸型及びスパイラル型等が挙げられるが、本実施形態の膜蒸留用膜モジュールでは、コンパクト化の観点から、単位体積当たりの膜面積を大きくすることができる中空糸膜を用いる。
本実施形態において、膜蒸留における透水性能と膜の機械的強度の観点から、疎水性多孔質中空糸膜の膜厚は、10μm〜500μmであることが好ましく、15μm〜300μmであることがより好ましい。膜厚が500μm以下であれば、透過水生産効率の低下を抑制することができる。他方、膜厚が10μm以上であれば、減圧下使用において膜が変形したり、流路が閉塞されたりすることを防止することができる。
膜蒸留で実現しうる透過水量(Flux)は、被処理水の温度に応じて適宜設定されものであるが、透過水生産効率向上と塩透過抑制をバランスさせる観点から、被処理水(原水)として65℃、3.5質量%の塩水を線速100cm/秒で有効長が8cmの多孔質膜の外側に接触させ、かつ、内側を−90kPa(G)で減圧する条件下で1時間に亘り運転したときの透過水量(Flux)は、10kg/m/hr以上であることが好ましく、10kg/m/hr以上1000kg/m/hr以下であることがより好ましい。同条件下で多孔質膜の外側に析出する塩(溶質)の重量は、0.4mg/cm/hr以下であることが好ましい。
尚、Fluxや塩の析出量は、被処理水に接する膜表面の面積を基準とする。
Fluxは、膜蒸留を行い、下記式:
Flux=1時間の運転で得られた水の重さ÷膜面積÷1時間
により算出できる。
疎水性多孔質中空糸膜の製造方法としては、樹脂膜を冷却することにより相分離を起こし多孔質層を形成させる熱誘起相分離法、又は樹脂膜を貧溶剤と接触させることで相分離を起こし多孔質層を形成させる乾湿式法(非溶媒相分離法)を好適に用いることができる。透過水生産効率向上と塩透過抑制をバランスさせる観点から、熱誘起相分離法又は非溶媒相分離法により得られた多孔質膜に疎水性コーティングを適用することが好ましい。
[膜蒸留装置]
前記したように、図1は、第一実施形態(片端集水式)の膜蒸留装置の一例を説明する概略図、そして図3は、第二実施形態(両端集水式)の膜蒸留装置の一例を説明する概略図である。図1、図3に示すように、本実施形態に係る膜蒸留装置(1)は、複数の疎水性多孔質中空糸膜(11)の束をハウジング内に収納した膜蒸留用膜モジュール(10)と、該中空糸膜の内側から取出した蒸気を冷却・凝縮させるための蒸気凝縮部(20)とを少なくとも含む。典型的な態様においては、膜蒸留装置(1)は、被処理水を加温・加圧し、また、循環させるための被処理水タンク(30)及びポンプ(40)からなる被処理水循環(配管)系;蒸気凝縮部(20)の冷却媒(例えば、水)を供給するための装置(図示せず)、蒸気凝縮部(20)内を減圧にするための減圧装置(70)、圧力調整器(60)、回収した透過水を貯留するための採水容器(50)、並びにこれらを接続する配管系(排水及び採水系)を含むことができる。
本実施形態に係る膜蒸留用膜モジュール又は膜蒸留装置は、被処理水に含まれるイオン、有機物、無機物等を高度に除去して精製する用途、又は被処理水から水を除去して濃縮する用途に好適に用いることができる。これらの用途として、例えば、海水淡水化、船舶用水製造、超純水製造(半導体工場等)、ボイラー水製造(火力発電所等)、燃料電池システム内水処理、産業廃水処理(食品工場、化学工場、電子産業工場、製薬工場及び清掃工場)、透析用水製造、注射用水製造、随伴水処理(例えば、重質油、シェールオイル、シェールガス及び天然ガス等)並びに海水からの有価物回収等が挙げられる。天然ガスとしては、従来のガス田から得られる在来型の天然ガスに加え、コールベッドメタン(別名:コールシームガス)に代表される非在来型の天然ガスも含まれる。
本実施形態の膜蒸留用膜モジュールを用いて透過水を生産する運転を長時間続けると、被処理水に含まれる無機塩、有機物、微粒子、油分、金属などが疎水性多孔質中空糸膜の内側、膜内部、外側に析出、付着することで、貫通孔が閉塞し、透過水生産効率が低下することがある。その場合、運転を一旦中断し、目詰まりの原因となる物質を溶解し得る溶液を、中空糸膜の表面(外面及び内面)や膜内部に高流で流す等の洗浄操作を行うことで、中空糸膜を初期状態に再生することができる場合もある。目詰まりの原因物質が無機塩や金属の場合、溶解能力のある酸などを用いることができる。例えば、スケールとして一般的な炭酸カルシウムの場合、塩酸やクエン酸などの溶液で膜を洗浄してもよい。有機物や微生物(スライム)の場合、例えば、酸化剤として次亜塩素酸ナトリウム水溶液を用いて洗浄してもよい。微粒子の場合、洗浄溶媒を高流速で流すことで膜表面から微粒子を排除してもよい。
膜の内部の多孔(細孔)内に析出、付着した目詰まり原因物質を洗浄する場合には、多孔質膜は疎水性であり溶液を浸透させることができないため、例えば、アルコール又はアルコールと水の混合溶液で親水化して濡らした後、洗浄溶媒を流す方法で洗浄してもよい。膜に対して圧力をかけて細孔内に溶媒を流すことで洗浄してもよい。また、真水を被処理水(原水)として膜蒸留を行うことで、目詰まり原因物質を膜表面に移動させ、次いで該膜表面を洗浄することで目詰まり原因物質を除去してもよい。
典型的な態様において、前記したように、膜蒸留装置(1)では、被処理水が被処理水タンク(30)及びポンプ(40)を介して膜蒸留用膜モジュール(10)に再循環されるように構成されている。被処理水タンク(30)は、膜蒸留用膜モジュール(10)の被処理水取出し部から取出された被処理水を収容する。被処理水タンク(30)は、ピットのような貯水槽、被処理水の流路の一部等であってよい。貯水槽においては、当該貯水槽の水位を一定になるように制御しておけば、一定の条件で膜蒸留処理を行えるため、安定した浄水効率を得ることが可能となる。他方、被処理水タンク(30)が被処理水の流路の一部である場合には、膜蒸留条件を一定に保つことは容易であるが、被処理水の量が多く必要となる。以上のことから、被処理水タンクの形態としては、貯水槽型で、且つ、水位を一定に保つ制御装置を備えたものが好ましい。ポンプ(40)は、例えば、ピストンポンプ、プランジャーポンプ、ダイアフラムポンプ、ギアポンプ、ロータリーポンプ、ベーンポンプ等であることができ、被処理水タンク(30)内の水を膜モジュール10に再び供給する。
蒸気凝縮部(20)の内部空間には、通常、管である冷却体(21)と、これに接続されたヘッド部(22)とが設けられ、冷却体の内部に、冷却媒(例えば、水)が流される。冷却体(21)の外部が、凝縮部内部に供給される蒸気に接触すれば、冷却体により該蒸気は冷却、凝集され、水(透過水)となり、これを採水容器(50)内に貯留して、回収すれば、高温の被処理水から、膜蒸留装置を介して、透過水を回収することができる。
冷却媒は、冷却体(21)の内部を流れ、蒸気を冷却することができるものであれば特に限定されないが、例えば、水道水、工業用水、河川水、井水、湖沼水、海水、産業廃水(食品工場、化学工場、電子産業工場、製薬工場及び清掃工場等の工場からの廃水)並びに石油や天然ガス生産時に排出される随伴水等が挙げられる。尚、石油又は天然ガスとしては、従来の油田又はガス田から得られる在来型資源に加え、シェールオイル又はシェールガス、コールベッドメタン(別名:コールシームガス)、タイトサンドガス、メタンハイドレート等に代表される非在来型資源も含まれる。尚、被処理水として使用する水を、冷却媒として使用することもできる。冷却媒は、冷却、凝縮効率の観点から、30℃以下の温度であることが好ましく、より好ましくは20℃以下である。冷却媒は、熱交換器やヒーター等の熱源により加熱してもよい。好ましい態様において、蒸気凝縮部(20)における冷却媒は、蒸気の流通方向と対向する方向に流通させる。
減圧装置(70)としては、ダイアフラム真空ポンプ、ドライポンプ、油回転真空ポンプ、エジェクタ、アスピレーター等が挙げられる。圧力調整器(60)を含む圧力制御方法としては、真空レギュレーターやリークバルブを用いる方法、電子式真空コントローラーと電磁弁を用いる方法等が挙げられる。
膜蒸留用膜モジュール(10)における疎水性多孔質中空糸膜(11)の内面側(すなわち、中空部)の圧力、及び中空糸膜と連通している蒸気凝縮部(20)の圧力は、それぞれ、減圧装置の減圧に要する消費エネルギーを抑えることができるという観点から、好ましくは1kPa以上、より好ましくは5kPa以上であり、良好な造水量を得る観点から、被処理水導入部での被処理水温度における水の飽和蒸気圧以下である。
膜蒸留装置(1)において、疎水性多孔質中空糸膜(11)の他端(図2中の他端E2)と、蒸気凝縮部(20)との最短距離は、膜蒸留装置の設計の自由度が高く、コンパクトでかつ造水量が多い膜蒸留装置を実現できるという観点から、好ましくは50mm以上、より好ましくは100mm以上であり、膜蒸留装置のコンパクト性の観点から、好ましくは、3000mm以下、より好ましくは1000mm以下である。
疎水性多孔質中空糸膜(11)の外側を流れる被処理水は、特に制限されないが、精製又は濃縮を必要とする水であり、例えば、水道水、工業用水、河川水、井水、湖沼水、海水、産業廃水(食品工場、化学工場、電子産業工場、製薬工場及び清掃工場等の工場からの廃水)並びに石油や天然ガス生産時に排出される随伴水等であることができる。尚、石油又は天然ガスとしては、従来の油田又はガス田から得られる在来型資源に加え、シェールオイル又はシェールガス、コールベッドメタン(別名:コールシームガス)、タイトサンドガス、メタンハイドレート等に代表される非在来型資源も含まれる。
膜蒸留装置(1)において、被処理水導入口(122又は124a)における被処理水の温度は、良好な造水効率を得る観点から、好ましくは50℃以上、より好ましくは65℃以上であり、造水に要する消費エネルギーを抑えることができるという観点から、好ましくは95℃以下、より好ましくは90℃以下である。被処理水の温度は、熱交換器、ヒーター等の熱源により加熱してもよく、太陽熱の利用、産業プロセス等の排熱を活用して水温を制御することが、加熱に要する熱エネルギーコストをなくしたり、低減したりすることができるため好ましい。加熱前の被処理水の温度が50℃以上であれば、排熱を有効利用することができる。
[膜蒸留用膜モジュール]
図2に第一の実施形態(片端集水式)の膜モジュール、図4に第二の実施形態(両端集水式)の膜モジュールを示す。本実施形態の膜蒸留用膜モジュール(10)は、疎水性多孔質中空糸膜(11)と、該疎水性多孔質中空糸膜(11)を収容する円筒状ハウジング(12)とを備える。中空糸膜は、単位体積当たりの膜面積が大きいため、膜モジュールのコンパクト化の点で有利である。中空糸が疎水性であることは、蒸気の良好な取出しの観点で有利である。
本実施形態の膜蒸留用膜モジュール(10)では、片端集水式と両端集水式のどちらにおいても、被処理水が、好ましくは高温に加熱されて、中空糸膜の外面側に供給される。中空糸膜の膜壁は、不揮発性の溶質(例えば、塩等)は通過できず、蒸気は通過できるように構成されており、これにより、中空糸膜の内面側には実質的に蒸気のみが透過する。膜モジュールによって生成された高純度の蒸気は、蒸気凝縮部(20)で液化され、高純度の水として回収される。
疎水性多孔質中空糸膜(11)は、一端E1と他端E2を有する中空糸膜が、一端同士及び他端同士で複数本束ねられてなる束となっている。一端と他端においては、中空糸膜同士の隙間、及び中空糸膜の外側面とハウジング(12)との隙間に、固定用樹脂(13a、13b)が充填されている。これにより、中空糸膜の束が構成されるとともに膜束がハウジングに固定されている。膜束の断面形状は特に限定されないが、ハウジング内に収納し、膜束の外縁部とハウジングの本体部内壁との隙間の形状を、円周方向に均一なものとし、膜束への被処理水の供給を均一にするために、概略円形であることが好ましい。
円筒状ハウジング(12)は、円筒形の本体部(121)と、本体部(121)に接続した被処理水導入口又は被処理水取出し口を有する。尚、本明細書中、「円筒形」とは、長手方向において、断面の径が異なる円筒形が組み合わされた形状(例えば、図2中の本体部121におけるハウジングの最小内径D1と、被処理水取出し口(124a)の接続部分における本体部121の最大内径D2は、異なる)も包含する。円筒形は、モジュール単位体積当たりの透過水生産量(効率)を高める点で有利である。例示の態様において、膜モジュール(10)は、円筒状ハウジング(12)の両端に装着された、通水口を有するヘッド部(14a、14b)を有する。
図2に示す第一実施形態に係る片端集水式の膜モジュールにおいては、ハウジング(12)は、被処理水導入流路となる被処理水導入口(122)と、蒸気取出し流路となる蒸気取出し口(123)と、被処理水取出し流路となる被処理水取出し口(124b)を有する。被処理水取出し流路は、1つでも複数でもよい。図2では、該被処理水取出し口(124a)は封止キャップ(128)により封止され、使用されていない例を示している。
図2では、一端E1においては、中空糸膜の内面側が固定用樹脂(13a)で封止されており(すなわち、中空部に固定用樹脂が充填されており)、且つ、中空糸膜の外面側が被処理水導入口(122)の被処理水導入流路と流体連通している。また、他端E2においては、中空糸膜の内面(すなわち、中空部を構成する面)側が蒸気取出し口(123)の蒸気取出し流路と流体連通しており、且つ、中空糸膜の外面(すなわち、中空糸の糸表面)が被処理水取出し口(124aと124b)の被処理水取出し流路と流体連通している。これにより、被処理水が中空糸膜外側から供給され、多孔質である中空糸膜を介することで水蒸気が中空部に入り、水蒸気は中空部を移動して他端E2から蒸気取出し口(123)の蒸気取出し流路を介して膜モジュール(10)から取り出される。
図2における被処理水導入口(122)は、1つ又は複数、典型的には複数の、被処理水導入流路を有する。例示の態様においては、被処理水導入流路は中空糸膜の一端E1近傍に配置されている。
他方、図4に示す、第二実施形態に係る両端集水式膜モジュールにおいては、ハウジング(12)は、被処理水導入流路となる被処理水導入口(124a)と、蒸気取出し流路となる蒸気取出口(123)と、被処理水取出し流路となる被処理水取出し口(124b)を有する。
図4では、両端E1とE2はどちらも、中空糸膜の外面側が固定用樹脂(13aと13b)で封止されており、且つ、中空糸膜の内面側が蒸気取出し口(123)と流体連通している。これにより、被処理水が中空糸膜外側から供給され、多孔質である中空糸膜を介することで水蒸気が中空部に入り、当該水蒸気は中空部を移動して両端E1とE2から蒸気取出し部(123)の蒸気取出し流路を介して膜モジュール(10)から取り出される。図4においては、該膜モジュールの上端と下端の両方の蒸気取出し口(123)から蒸気を取り出される形態を例示しているが、設備の配置の都合上、蒸気取出し口(123)は片端のみでもよい。
膜束が収容されている膜モジュール(10)内で、膜束の断面方向の内径が最も狭い部分D3(Dmin)における膜モジュール断面積基準での中空糸膜の充填率は、膜モジュールの小型化の観点から、好ましくは45%以上、より好ましくは50%以上、更に好ましくは55%以上であり、また、中空糸膜に対する均一な被処理水供給によって中空糸膜1本当たりの良好な造水量を得る観点から、好ましくは80%以下、より好ましくは75%以下、更に好ましくは70%以下である。膜束が収容されている膜モジュール(10)内で、膜束の断面方向の内径が最も狭い部分(Dmin)とは、具体的には、円筒状ハウジング(12)の本体部(121)の内径(D1)、被処理水取出し口(124a、124b)におけるハウジング本体部(121)の内径(D2)、目皿(125a、125b)の内径(D3)のうち、最も狭い部分の内径を示す。図2、図4に記載の第一及び第二の実施形態において、膜モジュール(10)内で、膜束の断面方向の内径が最も狭い部分(Dmin)とは、目皿(125a、125b)の内径(D3)のことである。
Dminを画定する部位の内径断面積に対する、中空糸膜総断面積(中空部含む)の比率である充填率(%)=(中空糸膜総断面積)÷(Dminを画定する膜モジュール部位の内径断面積)×100で計算される。
中空糸膜の有効長L(すなわち、中空糸膜の一端から他端までの長さから固定用樹脂によって中空部又は外側面が封止されている部位の長さを減じた長さ)は、高純度の水を生成する観点から、好ましくは60mm以上、より好ましくは100mm以上、更に好ましくは200mm以上であり、中空部での蒸気の滞留を防止して良好な蒸気取出しを確保する観点から、好ましくは2000mm以下、好ましくは1500mm以下、更に好ましくは1200mm以下である。
蒸気取出し口(123)の蒸気取出し流路の中空糸膜の他端E2との連通部における総断面積Spと、他端E2における複数の中空糸膜の開口部の総断面積Smとの比Sp/Smは、良好な蒸気取出し効率の観点から、好ましくは0.25以上、より好ましくは0.3以上、更に好ましくは0.5以上であり、また、モジュール当たりの蒸気取り出し量の観点から、好ましくは7以下、より好ましくは5以下、更に好ましくは3以下である。尚、流路の断面積とは、流路内を流れる流体の流通方向に対して実質的に垂直な方向の断面の断面積である。
中空糸膜の有効長Lと中空糸膜内径Dmとの比L/Dmは、高純度の水を生成する観点から、好ましくは15以上、より好ましくは40以上、更に好ましくは150以上、より更に好ましくは175以上、特に好ましくは200以上であり、また、中空部での蒸気の滞留を防止して良好な蒸気取出しを確保する観点から、好ましくは10,000以下、より好ましくは3,100以下、更に好ましくは1500以下である。
第一の実施形態(片端集水式)においては、被処理水導入口(122)の被処理水導入流路は、例えば、図2に示すように、断面積が被処理水流通方向に沿って漸減するようにテーパーを有してもよい。被処理水導入口(122)は、接着層を形成する際に導入経路と同型の導入棒を配置し、接着層形成後に導入棒を取り除くことにより被処理水導入口(122)を形成することができる。導入棒の材質は、ポリエチレン、ポリプロピレン、フッ素樹脂などが挙げられ、テーパー有無に応じて任意に加工して使用することができる。接着層形成時に高温に発熱する場合は、耐熱性と取り除き性の観点からフッ素樹脂が好ましい。
図5は、図2に示す被処理水導入口(122)の被処理水導入流路の流路入口Ewを通る径断面である3−3断面を示す。この断面において、被処理水導入口(122)の被処理水導入流路の総断面積Sfとハウジング12の断面積Shとの比Sf/Shは、良好な造水量を得るための被処理水供給の観点から、好ましくは0.03以上、より好ましくは0.04以上、更に好ましくは0.05以上であり、被処理水の流れが乱れることによる造水効率の低下を良好に防止する観点から、好ましくは0.3以下、より好ましくは0.25以下、更に好ましくは0.2以下である。
好ましい態様においては、被処理水導入口(122)は、被処理水導入流路を複数本有し、最小断面積が800mm以下である被処理水導入流路が1本以上存在する。上記最小断面積は、各被処理水導入流路内の最も断面積が小さい箇所での断面積である。好ましい態様においては、図2に示すように、複数本の被処理水導入流路の全てが膜束内部に含まれる。
好ましい態様においては、被処理水導入口(122)は、直径15mm以下の円形断面を流路入口断面とする2本以上50本以下の被処理水導入流路を有する。直径15mm以下の流路は、中空糸膜の充填率を確保する点で有利であり、このような流路を2本以上50本有することで、被処理水を膜束内に均一に流すことができる。
図2における被処理水取出し口(124aと124b)、及び図4における被処理水取出し口(124b)とハウジング本体部(121)との接続部位における被処理水取出し流路の総断面積Scと、被処理水導入口(124a)の被処理水導入流路の総断面積Sfとの比Sc/Sfは、被処理水の取出しをスムーズに行う観点から、好ましくは0.1以上、より好ましくは0.15以上であり、被処理水の流れの均一性を良好にする観点から、好ましくは3以下、より好ましくは1.5以下である。この態様において、被処理水導入流路の方向d1と被処理水取出し流路の方向d2とが成す角度は、被処理水のスムーズな流れを得る観点から、好ましくは90度以下である。例えば、図2では、d1が鉛直方向であり、d2が水平方向であるため90度である。他方、図4では、d1とd2が共に逆向き水平方向であるため180度である。
好ましい態様においては、被処理水取出し口(124aと124b)は、図2に示すように、ハウジングの本体部(121)の側面に接続されたノズルである。該ノズルとハウジングの本体部との接続部を含む部位のハウジングの内径D2は、被処理水の良好な取出しの観点から、ハウジング本体部(121)の最小内径D1の好ましくは1.05倍以上、より好ましくは1.10倍以上であり、好ましくは1.5倍以下、より好ましくは1.3倍以下である。
図2に示すように、好ましい態様において、膜モジュール(10)は、他端E2において、中空糸膜と固定用樹脂(13b)との間、かつ、膜束内にスペーサー(15)を有する。スペーサー(15)によって、被処理水を各中空糸膜に対してより均一に供給することできる。図6は、図2中の4−4断面を示す。スペーサー(15)は、例えば、図6に示すように円柱棒の形状で複数本設けられてよい。スペーサー(15)は、中空糸膜と固定用樹脂との間であれば、どの場所にも設けることができ、例えば、図2、図4の一端E1と他端E2の両端部にも、図6に示すような形態で有することができる。またスペーサーの形状としては、円柱棒だけでなく、板形状でもよい。
スペーサーとしては、固定用樹脂と同素材を使用することができる。例えば、エポキシ樹脂、ビニルエステル樹脂、ウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、オレフィン系ポリマー、シリコーン樹脂及びフッ素含有樹脂からなる群から選択される少なくとも一つを含むことが好ましく、耐熱性の観点からエポキシ樹脂、フッ素含有樹脂を含むことがより好ましい。
[目皿]
図2、図4において、目皿(125a、125b)は、被処理水導入口又は被処理水取出し口(124a)、及び被処理水取出し口(124b)の近傍において中空糸膜束とハウジング(12)の内面との間隔を保持するために設けられる。目皿(125a、125b)は、中空糸膜束の外周を囲むように設けた筒状体であり、その一部が固定用樹脂層(13a、13b)に埋設されている。目皿(125a、125b)は、中空糸膜ともハウジング(12)とも離間していることが好ましいが、成型の都合上、ハウジング(12)との接着面を有してもよい。
目皿(125a、125b)の厚みは、耐圧性の観点から1mm以上が好ましく、他方、モジュール内に糸束をより多く充填し生産性を上げるために30mm以下が好ましい。
目皿(125a、125b)は、図2に示す第一の実施形態(片端集水式)においては、被処理水取出し口(124b)の近傍に目皿(125b)が設置され、被処理水取出し口(124a)を使用する場合は、被処理水取出し口(124a)の近傍にも目皿(125a)が設置される。図4に示す第二の実施形態(両端集水式)においては、被処理水導入口(124a)と被処理水取出し口(124b)の近傍に設置される。
ハウジング本体(12)の長手方向における目皿(125a、125b)の長さは、固定用樹脂(13a)の内端面から124aの開口を越える位置まで、固定用樹脂(13b)の内端面から124bの開口を越える位置まで、延びていることが好ましく、開口に対向するように、流体の流れに干渉する程度の長さであることが好ましい。そうすることで、被処理水取り出し口(124a、124b)、又は被処理水導入口(124a)の近傍に発生する流れのムラを抑制することができ、中空糸の熱ムラやフラックスの低下を抑制することができる。
図2、4、7、8に示すように、目皿(125a、125b)は、膜束の円周部分を全て囲う円筒状でもよいが、少なくとも、被処理水導入口又は被処理水取出し口(124a、124b)の内側の開口に対向する面を有することができればよいので、開口に対向する面以外の部分、どのような形態でもよい。開口に対向する面の形状は、ハウジング本体(12)に沿うような曲面でもよいし、平面でもよい。
目皿(125a、125b)は、固定用樹脂(13a、13b)との接触部に固定用樹脂導入孔(127)をもつことが好ましい。固定用樹脂導入孔(127)を設けることで、アンカー効果により、目皿(125a、125b)を強固に固定用樹脂(13a、13b)に固定することができる。固定用樹脂(13a、13b)として硬度の異なる二種類の接着剤を用いる場合には、図7に示すように、固定用樹脂導入孔(127)を2列設けることもできる。孔の形は、図7に例示するように、円形でもよいし、スリット状又は網目状でもよい。固定用樹脂導入孔(127)は固定用樹脂(13a、13b)に埋設されている。目皿(125a、125b)の、固定用樹脂(13a、13b)に埋没していない部分には、孔がないことが好ましいが、必要に応じて流れの均一性のための孔が開いていてもよい。孔の形は、円形でもよいし、スリット状又は網目状でもよい。
目皿(125a、125b)の素材は、特に制限はなく、例えば、樹脂、金属等であることができる。樹脂としては、膜蒸留用膜モジュールが使い捨てされる場合のコスト低減、及び耐圧性の観点から、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフッ化ビニリデン、ABS樹脂、繊維強化プラスチック及び塩化ビニル樹脂からなる群から選択されることが好ましい。金属としては、一般的な金属を用いることができ、例えば、ステンレス、銅、真鍮、チタン、ニッケル、プラチナ、純銀、モリブデン、タングステン、ハステロイ、アルミ、亜鉛、タンタルがあげられ、加工の容易性の観点から好ましくは、ステンレス、アルミ、鉄、チタンからなる群から選択される少なくとも一つを含む。
[ネット]
本実施形態に係る膜モジュールにおいては、図2、図4に示すように、中空糸膜(11)の膜束の長手方向の外周には、ネット(126)が巻き付けられて装着されている。ネット(126)は、中空糸膜と同様に固定用樹脂(13a、13b)でハウジング(12)に固定されている。
図9に示すように、ネット(126)は、膜束の外周を全て覆うような円筒状であることが好ましく、そうすることで原水の流路の直線部分(中空糸膜(11)の束の長手方向)において、原水の流路が、ハウジングと膜束の間部分と、膜束内での流量が均一になり、流れのムラ(流量の変化)を抑制することができる。
また、ネットは二次元もしくは三次元の網目状構造物で、網目を構成する機材の繊維径は、運転中の膜束の揺れへの追従性の観点から、0.01mm〜10mmが好ましく、単一の繊維径で構成されていてもよいし、流れの均一性の向上のため、厚み方向に繊維径が異なる層がいくつかあってもよい。
ネットの厚みは、基材の繊維径と同等か同等以上であることが望ましい。
巻数は特に規定しないが、製造コストの観点から一重で装着できることが好ましい。
ネットの素材としては、特に制限はなく、例えば、樹脂、金属等であることができるが、単一の素材で構成されていてもよいし、異なる素材同士が組み合わさった構成でもよい。樹脂としては、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアクリロニトリル、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリアミド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ(4−メチルペンテン)、エチレン−ビニルアルコール共重合体、エチレン酢酸ビニル、ナイロン、ポリエステル、サラン、セルロース、酢酸セルロース、ポリフッ化ビニリデン、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体等が挙げられ、また、これらの複合素材であってもよい。尚、中空糸膜束への装着性と耐熱性を考慮すれば、ネット(126)の素材としては、ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリフッ化ビニリデン、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体等が好ましい。金属としては、網目状に加工できる一般的な金属を用いることができ、例えば、ステンレス、銅、真鍮、チタン、ニッケル、プラチナ、純銀、モリブデン、タングステン、ハステロイ、アルミ、亜鉛、タンタルがあげられ、加工の容易性の観点から好ましくは、ステンレス、アルミ、鉄、チタンからなる群から選択される少なくとも一つを含む。
[ハウジング]
ハウジング(12)の素材としては、特に制限はなく、例えば、樹脂、金属等であることができるが、膜蒸留用膜モジュールが使い捨てされる場合のコスト低減、及び耐圧性の観点から、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフッ化ビニリデン、ABS樹脂、繊維強化プラスチック及び塩化ビニル樹脂からなる群から選択されることが好ましい。
[固定用樹脂]
固定用樹脂(13a、13b)は、中空糸膜を互いに密に固定することができ、かつ耐水性、耐熱性を有するという観点から、エポキシ樹脂、ビニルエステル樹脂、ウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、オレフィン系ポリマー、シリコーン樹脂及びフッ素含有樹脂からなる群から選択される少なくとも一つを含むことが好ましく、シリコーン樹脂を含むことがより好ましい。また、膜の保護のために、樹脂を接着剤と可撓性樹脂の2層にしてもよい。可撓性樹脂とは、前記接着剤よりも軟らかい材質であることが必要であり、例えば、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂等のように可撓性を有するものであればよい。
本実施形態の膜蒸留用膜モジュールの瞬時破壊試験における耐圧性は、膜蒸留の安定的な運転を可能にする観点から好ましくは0.2MPa以上、より好ましくは0.5MPa以上である。上記耐圧性は大きい方が好ましいが、モジュールの製造容易性の観点からは、好ましくは2.0MPa以下、より好ましくは1.5MPa以下であることができる。
本実施形態に係る膜蒸留用膜モジュール、及びこれを主要部材として具備する膜蒸留装置は、他の水処理技術と組み合わせた複合システムとして使用してもよい。例えば、RO(Reverse Osmosis)法で処理した際に生成する濃縮水を、本実施形態に係る膜蒸留装置を用いてさらに精製することにより、水の回収率をより高めることができる。また、FO(Forward Osmosis)法で使用するDS(Draw Solution)の回収手段として本実施形態に係る膜蒸留装置を使用することもできる。
本発明に係る膜蒸留用膜モジュールは、膜蒸留用膜モジュールを構成する円筒状ハウジング内での原水の流れの均一性を確保できるので生産性が向上している。それゆえ、膜蒸留装置の主要部材として好適に利用可能である。
1 膜蒸留装置
10 膜蒸留用膜モジュール
11 疎水性多孔質中空糸膜
12 円筒状ハウジング
121 円筒状ハウジング(12)の本体部
122 被処理水導入口(第一の実施形態)
123 蒸気取出し部(第一及び第二の実施形態)
124a 被処理水導入口(第二の実施形態)、但し、第一の実施形態では、使用しなくても、追加の被処理水取出し口として使用してもよい。
124b 被処理水取出し口(第一及び第二の実施形態)
125a 疎水性多孔質中空糸膜の長手方向一端の目皿
125b 疎水性多孔質中空糸膜の長手方向他端の目皿
126 ネット
127 固定用樹脂導入孔
128 封止キャップ
13a 疎水性多孔質中空糸膜の長手方向一端の固定用樹脂
13b 疎水性多孔質中空糸膜の長手方向他端の固定用樹脂
14a 疎水性多孔質中空糸膜の長手方向一端のヘッド部
14b 疎水性多孔質中空糸膜の長手方向他端のヘッド部
15 スペーサー
20 蒸気凝縮部
21 冷却体
22 ヘッド部
30 被処理水タンク
40 ポンプ
50 採水容器
60 圧力調整器
70 減圧装置
E1 疎水性多孔質中空糸膜の長手方向一端
E2 疎水性多孔質中空糸膜の長手方向他端
L 中空糸膜(11)の有効長
Sp 蒸気取出し口(123)の断面積
Sm 他端における中空糸膜(11)の内側開口部の総断面積Sm
Dm 中空糸膜(11)の内径
Sf 被処理水導入口(122)の総断面積
Sh ハウジングの断面積
Sc 被処理水取出し口(124b)の総断面積
D2 被処理水導入口(124a)と被推理水取出し口(124b)におけるハウジングの内径
D1 円筒状ハウジング(12)の本体部(121)の内径
D2 被処理水取出し口(124b)におけるハウジング本体部(121)の内径
D3 目皿(125a、125b)の内径
Dmin 膜モジュール(10)内で、膜束の断面方向の内径が最も狭い部分を示し、第一及び第二の実施形態では、目皿(125a、125b)の内径D3が該当する
Ew 被処理水導入口(122)の被処理水導入流路の流路入口
d1 被処理水導入流路の方向
d2 被処理水取出し流路の方向

Claims (15)

  1. 円筒状ハウジング(12)内に、疎水性多孔質中空糸膜(11)の束が、その長手方向の両端で固定用樹脂により、固定・収容された膜蒸留用膜モジュール(10)であって、
    該膜モジュール(10)は、該中空糸膜(11)の束の長手方向の一端に、被処理水導入口(122)を有し、ここで、該一端においては、該固定用樹脂により該中空糸膜(11)の内側が封止され、該被処理水は、該中空膜糸(11)の外側に導入される;
    該膜モジュール(10)は、該中空糸膜(11)の束の長手方向の他端に、該中空糸膜(11)の束の長手方向と直交する方向に、少なくとも一つの被処理水取出し口を、かつ、該中空糸膜(11)の束の長手方向に、蒸気取出し口(123)を有し、ここで、該他端においては、該固定用樹脂により該中空糸膜(11)の外側が封止され、該蒸気は、該中空糸膜(11)の内側から排出され、かつ、該少なくとも一つの被処理水取出し口の近傍の該中空糸膜(11)の束と該ハウジング(12)の隙間に、該中空糸膜(11)の束の外周の全部又は一部を囲むように該固定用樹脂に埋設された筒状の目皿を有する;
    ことを特徴とする前記膜蒸留用膜モジュール(10)。
  2. 円筒状ハウジング(12)内に、疎水性多孔質中空糸膜(11)の束が、その長手方向の両端で固定用樹脂により、固定・収容された膜蒸留用膜モジュール(10)であって、
    該膜モジュール(10)は、該中空糸膜(11)の束の長手方向の一端に、該中空糸膜(11)の束の長手方向と直交する方向に、被処理水導入口(124a)を、かつ、該中空糸膜(11)の束の長手方向に、蒸気取出し口(123)を有し、ここで、該一端においては、該固定用樹脂により該中空糸膜(11)の外側が封止され、該被処理水は、該中空膜糸(11)の外側に導入され、かつ、該蒸気は、該中空糸膜(11)の内は側から排出される、かつ、該被処理水導入口(124a)の近傍の該中空糸膜(11)の束と該ハウジング(12)の隙間に、該中空糸膜(11)の束の外周の全部又は一部を囲むように該固定用樹脂に埋設された筒状の目皿(125a)を有し;
    該膜モジュール(10)は、該中空糸膜(11)の束の長手方向の他端に、該中空糸膜(11)の束の長手方向と直交する方向に、被処理水取出し口(124b)を、かつ、該中空糸膜(11)の束の長手方向に、蒸気取出し口(123)を有し、ここで、該他端においては、該固定用樹脂により該中空糸膜(11)の外側が封止され、該被処理水は、該中空膜糸(11)の外側から排出され、かつ、該蒸気は、該中空糸膜(11)の内側から排出され、かつ、該被処理水取出し口(124b)の近傍の該中空糸膜(11)の束と該ハウジング(12)の隙間に、該中空糸膜(11)の束の外周の全部又は一部を囲むように該固定用樹脂に埋設された筒状の目皿(125b)を有する;
    ことを特徴とする前記膜蒸留用膜モジュール(10)。
  3. 円筒状ハウジング(12)内に、疎水性多孔質中空糸膜(11)の束が、その長手方向の両端で固定用樹脂により、固定・収容された膜蒸留用膜モジュール(10)であって、
    該膜モジュール(10)は、該中空糸膜(11)の束の長手方向の一端に、被処理水導入口(122)を有し、ここで、該一端においては、該固定用樹脂により該中空糸膜(11)の内側が封止され、該被処理水は、該中空膜糸(11)の外側に導入される;
    該膜モジュール(10)は、該中空糸膜(11)の束の長手方向の他端に、該中空糸膜(11)の束の長手方向と直交する方向に、少なくとも一つの被処理水取出し口を、かつ、該中空糸膜(11)の束の長手方向に、蒸気取出し口(123)を有し、ここで、該他端においては、該固定用樹脂により該中空糸膜(11)の外側が封止され、該蒸気は、該中空糸膜(11)の内側から排出され、かつ、該膜モジュール(10)は、該中空糸膜(11)の束の長手方向の一端の固定用樹脂と他端の固定用樹脂の間に、かつ、該中空糸膜(11)の束と該ハウジング(12)の隙間に、該中空糸膜(11)の束の外周の全部を取り囲む網目状のネット(126)を有する;
    ことを特徴とする膜蒸留用膜モジュール。
  4. 円筒状ハウジング(12)内に、疎水性多孔質中空糸膜(11)の束が、その長手方向の両端で固定用樹脂により、固定・収容された膜蒸留用膜モジュール(10)であって、
    該膜モジュール(10)は、該中空糸膜(11)の束の長手方向の一端に、該中空糸膜(11)の束の長手方向と直交する方向に、被処理水導入口(124a)を、かつ、該中空糸膜(11)の束の長手方向に、蒸気取出し口(123)を有し、ここで、該一端においては、該固定用樹脂により該中空糸膜(11)の外側が封止され、該被処理水は、該中空膜糸(11)の外側に導入され、かつ、該蒸気は、該中空糸膜(11)の内側から排出される、かつ、該膜モジュール(10)は、該中空糸膜(11)の束の長手方向の他端に、該中空糸膜(11)の束の長手方向と直交する方向に、被処理水取出し口(124b)を、かつ、該中空糸膜(11)の束の長手方向に、蒸気取出し口(123)を有し、ここで、該他端においては、該固定用樹脂により該中空糸膜(11)の外側が封止され、該被処理水は、該中空膜糸(11)の外側から排出され、かつ、該蒸気は、該中空糸膜(11)の内側から排出され、かつ、
    該膜モジュール(10)は、該中空糸膜(11)の束の長手方向の一端の固定用樹脂と他端の固定用樹脂の間に、かつ、該中空糸膜(11)の束と該ハウジング(12)の隙間に、該中空糸膜(11)の束の外周の全部を取り囲む網目状のネット(126)を有する;
    ことを特徴とする膜蒸留用膜モジュール。
  5. 前記膜モジュール(10)は、該中空糸膜(11)の束の長手方向の一端の固定用樹脂と他端の固定用樹脂の間に、かつ、該中空糸膜(11)の束と該ハウジング(12)の隙間に、該中空糸膜(11)の束の外周の全部を取り囲む網目状のネット(126)をさらに有する;
    請求項1に記載の膜蒸留用膜モジュール。
  6. 前記膜モジュール(10)は、該中空糸膜(11)の束の長手方向の一端の固定用樹脂と他端の固定用樹脂の間に、かつ、該中空糸膜(11)の束と該ハウジング(12)の隙間に、該中空糸膜(11)の束の外周の全部を取り囲む網目状のネット(126)をさらに有する;
    請求項2に記載の膜蒸留用膜モジュール。
  7. 前記膜モジュール(10)内で、膜束の断面方向の内径が最も狭い部分の内径(Dmin)における膜モジュール断面積基準での中空糸膜の充填率(%)=(中空糸膜総断面積)÷(Dminを画定する膜モジュール部位の内径断面積)×100が、45〜80%である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の膜蒸留用膜モジュール。
  8. 前記中空糸膜(11)の有効長Lが、60〜1200mmである、請求項1〜7のいずれか1項に記載の膜蒸留用モジュール。
  9. 前記蒸気取出し口(123)の断面積Spと、他端における中空糸膜(11)の内側開口部の総断面積Smとの比Sp/Smが、0.25〜7である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の膜蒸留用膜モジュール。
  10. 前記中空糸膜(11)の有効長Lと、前記中空糸膜(11)の内径Dmとの比L/Dmが、15〜10,000である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の膜蒸留用膜モジュール。
  11. 前記被処理水導入口(122)の総断面積Sfと、前記ハウジング(12)の断面積Shとの比Sf/Shが、0.03〜0.3である、請求項1、3、及び5のいずれか1項に記載の膜蒸留用膜モジュール。
  12. 前記被処理水取出し口(124b)の総断面積Scと、前記被処理水導入口(124a)の総断面積Sfとの比Sc/Sfが、0.1〜3である、請求項2、4、及び6のいずれか1項に記載の膜蒸留用膜モジュール。
  13. 前記被処理水導入口(124a)と前記被処理水取出し口(124b)における前記ハウジング(12)の内径D2と、前記ハウジング(12)の本体部(121)の最小内径D1との比D2/D1が、1.05〜1.5である、請求項2、4、及び6のいずれか1項に記載の膜蒸留用膜モジュール。
  14. 前記ネットは、網目状の形状であり、かつ、その素材は、ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリフッ化ビニリデン、エトレン−テトラフルオロエチレン共重合体、ポリテトラフルオロエチレン、及びテトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルエーテル共重合体からなる群から選ばれる、請求項1〜13のいずれか1項に記載の膜蒸留用膜モジュール。
  15. 請求項1〜14のいずれか1項に記載の膜蒸留用膜モジュール(10);該膜蒸留用モジュール(10)の被処理水導入口(122又は124a)及び被処理水取出し口(124b)に配管で接続された被処理水タンク(30)及びポンプ(40)からなる被処理水循環系;並びに該膜蒸留用膜モジュール(10)の蒸気取出し口(122及び/又は123)に配管で接続された蒸気凝縮部(20)、採水容器(50)、内圧調整器(60)、及び減圧装置(70)からなる排気及び採水系;を具備する膜蒸留装置(1)。
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