JP2019047028A - 冷却装置および電子機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】 電子回路基板に実装される電子部品の温度上昇、及び温度上昇対策用の冷却制御機器による騒音を抑える必要がある。【解決手段】 冷却用流体の流路に沿って複数のフィンを有する放熱フィン列を複数列にわたって形成した放熱面を有する冷却装置であって、前記複数のフィンはそれぞれ断面が略流線型の柱状をなし、隣接する放熱フィン列間においては、前記流路に沿った方向における前記複数のフィンの形成位置がシフトした位置関係となるように構成され、前記放熱面において前記冷却用流体が流れる距離をLで定義される放熱領域において、前記流路に沿った方向にシフトした距離をaとしたとき、0.05×L≦a≦0.12×Lとする。【選択図】 図1

Description

本発明は、冷却装置およびそれを用いた電子機器に関する。
近年、デジタルカメラ等の電子機器の性能向上に伴い消費電力が増加する傾向にあり、内蔵されている発熱部品に対する効率のよい放熱対策が強く求められている。放熱対策において、ファンやポンプ等の冷却制御機器の使用が必須になりつつあるなか、小型化、低騒音化、低コスト化も求められており、より簡易で冷却効率のよい冷却制御機器の実現が望まれている。
従来から、電子機器に搭載される電子回路基板に実装される電子部品等の冷却手段の一つとして、ヒートシンクを発熱体である電子部品に取り付けて空冷または水冷する方法が知られている。
ヒートシンクの放熱性能の向上には、「熱伝導性能を上げる」、「表面積を大きくする」、及び「熱伝達係数を大きくする」ことの3点が主な手段となる。
「熱伝導性能を上げる」手段としては、ヒートシンク単体の熱伝導率を高い材質にする、熱源とヒートシンクの接触部の伝熱性を熱伝導シート等で向上させる等により、熱を伝わりやすくさせ放熱性能を向上させることが考えられる。
「表面積を大きくする」手段としてはヒートシンクのフィン枚数を増やす、サイズを大きくする等により、放熱面積を増やし放熱性能を向上させることが考えられる。
「熱伝達係数を大きくする」手段としては、空気や水等のヒートシンクに流れる冷却媒体の流速を上げる、ヒートシンクに流入させる冷却媒体の温度を下げる等により、より周囲の流体への伝熱を向上させ放熱性能を向上させることが考えられる。
よって、一般的にヒートシンクは、アルミニウムや銅等の熱伝導性の高い金属部材で作られ、発熱する電子部品に熱的に接続されるベース板にピンやフィンを立設させ表面積を上げた形状になっているものが多い。また、ピンやフィンはヒートシンクの冷却媒体としての空気や水等の流体をファンやポンプ等の冷却制御機器を用いた強制冷却を想定し、より強制冷却効率を上げるためにその断面形状や配置を工夫したものもある。
特許文献1には、電子部品に熱的に接続されるヒートシンクが流路ダクト内に設置され、そのヒートシンクには断面形状が菱形の複数のフィンが配列された構造が開示されている。
特許第5901343号公報
図5は一般的なヒートシンクの特性を説明するもので、ヒートシンク長さと熱抵抗、圧力損失の特性を表したグラフである。同図からわかるように、一般的に、ヒートシンクが大きい、即ちヒートシンクの強制冷却の有効長が長い場合は、熱抵抗が下がることで放熱量が増える傾向にあるが、同時に冷却媒体を流す際の圧力損失も増加する。
これは、圧力損失が増えるとヒートシンクのフィンに流れる冷却媒体の流速が下がるため冷却性能が落ちることを意味する。逆に、ヒートシンクが小さい、即ちヒートシンクの強制冷却の有効長さが短い場合は、ヒートシンクの表面積が少なくなるために冷却媒体との熱抵抗が上がり冷却性能が落ちることを意味する。そのため、特許文献1に用いられているヒートシンク構成は、ヒートシンク全体の大きさによらず、冷却性能が落ちてしまうという課題があった。
また、冷却性能が落ちないように冷却制御機器の性能を上げるという手段も考えられるが、その場合、冷却ファンの駆動手段の騒音や、フィンによる風切音等による騒音レベルが上昇してしまうという課題がある。
すなわち、特許文献1に開示されている構成では、ヒートシンクの大きさ、冷却媒体を流す際の圧力損失、冷却機器の能力を上げることによる騒音等、相反する要因によって冷却性能を最適化することが容易ではなかった。そのため、電子部品の温度上昇を抑える最善の効果を得ることが困難であった。
本発明はこのような課題を解決することを目的とするためになされたもので、冷却用流体の流路に沿って複数のフィンを有する放熱フィン列を複数列にわたって形成した放熱面を有する冷却装置であって、前記複数のフィンはそれぞれ断面が略流線型の柱状をなし、隣接する放熱フィン列間においては、前記流路に沿った方向における前記複数のフィンの形成位置が所定距離シフトした位置関係となるように構成され、前記放熱面において前記冷却用流体が流れる距離をLで定義する放熱領域において、前記流路に沿った方向にシフトした距離をaとしたとき、
0.05×L≦a≦0.12×L
であるように構成した冷却装置を特徴とする。
本発明における冷却装置によれば、ヒートシンク全体の大きさによらず、冷却制御機器の性能を上げることによる騒音レベルが上がることなく電子部品の温度上昇を抑える最善の効果が得ることができる。
本発明の実施形態1における冷却装置の分解斜視図である 本発明の実施形態1における冷却装置の外観斜視図である 本発明の実施形態1におけるダクトユニット部分の断面図である 本発明の実施形態1におけるダクトユニットの第1のダクトの断面図である ヒートシンクの長さと熱抵抗、圧力損失の特性図である ヒートシンクの表面積と温度の関係と、流量と温度の関係をそれぞれ示す特性図である 冷却ファンの流量と静圧(圧力損失)の関係と、流量と騒音レベルの関係をそれぞれ示す特性図である ヒートシンクのフィンの各寸法の寄与度を示す図である フィンの断面形状を示す説明図である 本発明の実施形態1におけるヒートシンクの冷却効果を説明するための図である 本発明の実施形態2におけるダクトユニット部分の断面図である 本発明の実施形態2におけるダクトユニットの第1のダクトの断面図である 本発明における冷却装置をデジタルカメラに実装した場合を示す図である
以下、本発明の実施形態について図を用いて詳述する。
(実施形態1)
図1,図2はそれぞれ本発明の実施形態における冷却装置の分解斜視図及び外観斜視図である。
冷却装置1は、それぞれ所定の角度をもって結合された第1のダクト11と第2のダクト12からなるダクトユニット10と、第2のダクト12側に取り付けられた第1,第2の冷却ファン13a,13bとからなる。ここで、ダクトユニット10内に空気が流れる流路を形成するように構成されている。
第1及び第2の冷却ファン13a,13bによって、外気が第1のダクト11の吸気口113a,113bより吸い込まれる。吸い込まれた外気は、第1及び第2のダクト11,12を通過させ、排気口121a,121bより排気される気流を生成し、その流路内に配設されたヒートシンク111の放熱フィンを冷却する。
図1の分解斜視図に示すように、第1のダクト11は、複数の放熱フィンを形成したヒートシンク111と、その放熱フィンが形成されている側に流路となる空間を確保する状態で固定されたダクト蓋16とによって、ダクト内の流路となる空間を形成している。
ヒートシンク111は、分離壁114によって上下に分離された第1のフィン領域111aと第2のフィン領域111bとからなり、各フィン領域にはそれぞれ複数のフィンからなる放熱フィン列112a,112bが形成される。吸気口113a,113bから取り込まれた外気が各放熱フィン領域を通過することにより、ヒートシンクの冷却が行われる。
またヒートシンク111の各放熱フィン列の形成された内面と反対側となる外面には発熱部品を取り付ける取付面115が形成され、発熱体である複数の電子部品15が実装された電子回路基板14が取り付けられている。これらの電子部品は不図示の熱伝導シートを介して取付面115に密着されており、ヒートシンクへと効率よく熱伝導が行われるように構成されている。
第2のダクト12は、第1のダクト11内を流れる気流を屈折するように、第1のダクト11に対して所定の角度で曲折して連設されており、第1のダクト11と同様、ダクト蓋16とともに内部に流路となる空間を形成している。この角度については、気流の流れに対する抵抗を生じない範囲で、実装する電子機器のレイアウト等により適宜決定すればよい。
第2のダクト12内も図示しない分離壁によって2室に分割され、それぞれ第1のダクトの第1のフィン領域111a、第2のフィン領域111bの下流側となる空間が形成されており、それぞれの空間には冷却ファン13a,13bが取り付けられている。これらの冷却ファンには面方向で空気を吸い込み、遠心方向へ送風する遠心ファンが用いられている。
以上の構成により、第1のダクト11及び第2のダクト12からなるダクトユニット10内部の空間は2個の冷却ファン13a,13bに対応して2分割されている。第1のダクト11の吸気口113a,113bから外気を吸い込み、それぞれ第1のフィン領域111a,第2のフィン領域111b及びそれらの下流となる第2のダクトを通過して第2のダクト側の排気口121a,121bより排気する気流を発生させる。そのため、内部のヒートシンクを冷却することができる。
また第1のダクト11及び第2のダクト12は、いずれも熱伝導性に優れ、且つ剛性も高いアルミダイキャスト等で構成されている。
電子回路基板14上の電子部品15は動作保証温度があり、電子回路基板上の回路が正常に動作するためには、電子部品15の温度を動作保証温度の範囲内にする必要がある。
これらの電子部品15で発生する熱は、第1のダクト11内のヒートシンク111の第1の放熱フィン列112a、及び第2の放熱フィン列112bへ伝熱し、第1の冷却ファン13a、第2の冷却ファン13bによる空気の流れによって放熱され、冷却される。
第1の冷却ファン13a及び第2の冷却ファン13bはその回転によって騒音が発生し、冷却能力を高めるために高速回転させれば騒音も大きくなる。しかし、冷却装置を実装した装置においては、騒音のレベルが低いほど好ましく、音響パワーレベル等の騒音レベルの規格が設定される。
これらの電子部品15の温度を下げることと騒音を下げることはトレードオフの関係にあり、例えば、第1の冷却ファン13a、第2の冷却ファン13bの回転数を上げると電子部品15の温度を下げやすいが騒音レベルが上がってしまう。
よって、騒音レベルをなるべく上げないようにし、電子部品の温度を下げるためには、ヒートシンクそのものの放熱(冷却)効率が極めて重要となる。そのため本発明では、第1のフィン列112a、第2のフィン列112bのフィン配列、及びフィンの断面形状を最適化し、低騒音で高冷却効率を実現している。
次に、図3,4を参照して本実施例に係るヒートシンク111の構造について説明する。図3は第1のダクト11内に配されたヒートシンク111をフィンの立設方向から見た平面図、図4は第1のフィン列112aが形成されている第1のフィン領域111aを拡大したものである。
図3に示すように、ヒートシンク111は分離壁114を介して第1のフィン領域111aと第2のフィン領域111bに分割されており、Faは第1のフィン領域における気流の流路方向、Fbは第2のフィン領域における気流の流路方向を示している。第1のフィン領域111aと第2のフィン領域111bは、その気流の方向が下流側に向かって所定の角度に広がるように配置されている。
図4において、第1のフィン領域111aに立設された複数の第1のフィン112aは、流路の方向Faに沿って複数列にわたって形成されている。隣接するフィン列間について見ると、フィンの形成位置が流路の方向Faにおいて所定の距離a、流路方向に直交する幅方向において所定の距離bだけシフトして形成されており、所謂千鳥配置となっている。
第1のフィン112aは、ヒートシンクの表面に平行な面方向における断面が略流線形の菱形の柱状をなしており、その長い対角線の長さをc、短い対角線の長さをdとする。
ここで、a,b,c及びdの各パラメータの決め方について説明する。ヒートシンクのサイズは実装する機器のスペースによって制限を受ける。また求められる剛性及び成形条件からフィンのサイズすなわちc,dを決定する。流体力学上でフィンの流路方向の長さcと幅dの比率は、1:6〜1:10程度がよいことが知られており、これらの条件からフィンのサイズを設定することができる。
次に機器に実装した際の目標とする温度からヒートシンクの総合的な表面積すなわち放熱面積を決定する。図6(a)はヒートシンクの表面積と温度の関係を示す特性図である。もとの発熱源の発熱量によって温度は変化するので、ヒートシンクに求める設計条件によって値は異なるが、特性としては、放熱面積が大きいほど温度が低下する。
しかしながら、ヒートシンクの表面積が大きくなると流路抵抗が大きくなり圧力損失が増大し、放熱効率が低下する。その結果として温度が逆に上昇する。
図6(b)はヒートシンク上の流体の流量と温度の関係を示すものである。ヒートシンクのフィンの表面積を減少させていくと、流路抵抗が減少して流量が増加するため、放熱効率が上がり温度を低下させることができるが、表面積がある範囲以上に小さくなると、逆にヒートシンクとしての放熱効果が低下し、温度が上昇する。
したがって、ヒートシンク全体のサイズ、ファンの能力、流体の流量を考慮して、目標とする温度を維持することの可能なフィンの総合的な表面積の適正範囲を決定することができる。
フィンのサイズと総合的な表面積が決まると、フィンの数を決定することができ、フィンの配列も決定することができる。設計思想として、フィンの流路方向に沿ったフィン列上の各フィンの間隔をほぼ等間隔とすれば、各列のフィンの数及び間隔a、各フィン列の間隔bが決定される。
ここで、千鳥配置とすると、各フィン列の間隔及び各フィン列上におけるフィンの間隔を、余裕をもって設定することができ、フィンの密集を回避し、流路抵抗すなわち圧力損失を軽減することができる。すなわち、流路方向上流からヒートシンクを見たときに各フィン列が重なり合うことなく、またフィン列を構成する複数のフィンが流路方向に並んではいるが可能な限り間隔aを広く取るようにし、流路抵抗を減少し圧力損失を低減する工夫がなされている。
フィンの間隔a,bを大きくしていくと、流路抵抗が減少して流量が増加し、放熱効率が上がるが、フィンの間隔を拡大するとフィンの総合的な表面積が減少するため、ある範囲を超えると逆に放熱効率が低下して温度が上昇する。したがってa,bは目標温度を維持できる許容範囲内で決定する必要がある。
尚、発明者の実験によれば、図8に示すように、上記a,bの放熱効果への寄与度は、流路方向におけるフィン間隔aが61%、フィン列の幅bが30%、それ以外が9%であり、フィンの流路方向における間隔aを広く取ることが効果的であることわかる。すなわち上述のようにc,dはほぼ剛性、成形条件等で決定され、実際に流路抵抗を小さくしながら放熱効率を上げることについては、フィンの位置及び間隔を決定するa,bの影響が支配的であることが確認された。
次に騒音という観点から本発明のヒートシンクを考察する。図7(a)はファンの回転数を一定に維持している状態における流体の流量と静圧(圧力損失)の関係を示す図、図7(b)は流体の流量と騒音レベルの関係を示す図である。
図7(a)に示すように、ファンの特性として、フィンの間隔が広く流路抵抗が小さいと、静圧(圧力損失)が小さくなる。またフィンの間隔が狭く、密集していると、流路抵抗が大きくなり、静圧(圧力損失)が増大する。
また、図7(b)に示すように、ファンが一定の速度で回転している状態で、流路抵抗が小さく流量が十分に得られている状態では、騒音レベルも低く抑えられている。しかし、流路抵抗が大きく圧力損失が増大し、流量が減少していくと、騒音レベルが増大する傾向にある。流路抵抗が大きく静圧が高いため、ファンによって発生された気流が円滑に流れず、気流が乱れ、ばたつくような騒音を発生させるためである。
したがって、ヒートシンクの設計にあたっては、その求められる放熱能力に基づき、流路抵抗すなわち圧力損失、ヒートシンクを組み込む電子機器に許容される騒音レベルを考慮する必要がある。これらを考慮した上で、ヒートシンクのフィンの総合的な表面積、フィンのサイズ、形状、配置が決定される。
以上の設計思想に基づいて、実験を行った結果の実施例について説明する。第1のフィン領域111a内における各フィンの配列間隔、及びフィン断面形状はフィン形成領域111aの大きさに基づいて決定される。
フィン形成領域111a各辺を辺X×辺Yと定義した場合、代表長Lは以下の数式1で算出される。
L = 2×X×Y/(X+Y)… (1)
代表長Lとは流体の流れる距離を表し、流体力学で汎用的に扱われる理論数式であり、流れる場所や流れ方向等により様々な理論数式がある。
本実施例においては、流体がフィンによって拡散しながら流れるため、面積を加味した理論数式として数式1を採用した。
本実施例では、例えば第1のフィン112aを立設した範囲を決めた結果、辺Xを65mm、辺Yを45mmとした。
この場合、数式1より、Lは53.2mmとなる(小数点第2位を四捨五入、以下同様に小数点第2位を四捨五入した値で表現する)。
Lの値からフィン列間の流路方向Faにおける所定のシフト距離aの範囲を数式2、フィン列間の流路幅方向における所定のシフト距離bの範囲を数式3で導出する。
0.05×L≦a≦0.12×L … (2)
0.01×L≦b≦0.02×L … (3)
本実施例では、数式2、数式3より、aは2.7mm〜6.4mmの範囲、bは0.5〜1.1mmの範囲と導出され、ここでは、aを6.0mm、bを1.0mmとした。また、第1のフィン112aの断面としての菱形の長い対角線の長さcは、最小値を任意の長さとして、フィン列間の流路方向Faにおける所定のシフト距離aより短くなるようにする。
さらに、第1のフィン112aの断面としての菱形の短い対角線の長さdは,最小値を任意の長さとして、フィン列間の流路幅方向における所定のシフト距離bより短くする。第1のフィン112aの断面としての菱形の長い対角線の長さc、及びフィン101aの断面としての菱形の短い対角線の長さdにおける最小値の決め方は、成形可能な長さや剛性を維持できる長さ等、任意に決めて良い。
本実施例においては、最小値は成形可能な長さとして0.1mmとした。よって、本実施例では、cをaの6.0mmより短い長さとして5.0mmとし、dをbの1.0mmより短い長さとして0.3mmとした。
第2のフィン領域111bにおいても、上述の第1のフィン領域111aと同様の方法で計算する。
本実施例では、第2のフィン領域111bは第1のフィン領域111aよりも小さく、たとえば辺Xを65mm、辺Yを40mmとし、Lを計算すると49.5mmとなる。
よって、第2のフィン形成領域111bにおけるフィン列間の流路方向Fbにおける所定のシフト距離aの範囲は2.5mm〜5.9mm、フィン列間の流路幅方向における所定のシフト距離bの範囲は0.5mm〜1.0mmとなる。本実施例では、第2のフィン形成領域111bにおけるaを5.8mm、bを1.0mmとした。
また、第2のフィン領域111bにおける第2のフィン112bの断面としての菱形の長い対角線の長さcはaの5.8mmより短い5.0mm、第2のフィン112bの断面としての菱形の短い対角線の長さdはbの1.0mmより短い0.3mmとした。
第1のフィン領域111a、第2のフィン領域112bにおいて、前述のa、b、c及びdの各長さで構成されたフィン配列、フィン断面形状を構成することで、効率の良い冷却が可能となり、低騒音でより電子部品15の温度を低減させることができる。
以下、本発明の機能及び効果について記述する。
図2における冷却装置1において、市販の熱気流解析ツールSTAR−CCM+(商品名)等を用いて電子回路基板14の平均温度を導出することで効果を確認した。
熱流体解析ツールは、対象とする装置の3DCADモデルデータから熱流体解析用に計算モデルを作成し、発熱条件や物性値等の計算条件を設定し、熱伝導・対流・輻射の3つの伝熱形態を数値解析手法によって解くことで対象の温度を予測することができる。
効果の確認は、本実施例によって構成可能な範囲でできる第1のフィン112a及び第2のフィン112bのパターンと、その範囲外でできるパターンをそれぞれ50パターン実施し、平均値、及び母平均の95%信頼区間を導出し比較した。
本実施例によれば、第1のフィン領域111a及び第2のフィン領域111bそれぞれにおいて、フィン列間の流路方向における所定のシフト距離aの範囲、フィン列間の流路幅方向における所定のシフト距離bの範囲が決まっている。
また、それに応じて、第1のフィン領域111a及び第2のフィン領域111bの各構成において、第1のフィン112aの断面としての菱形の長い対角線の長さcは、最小値を成形可能な長さから0.1mmと仮定して範囲が決められる。
さらに、第1のフィン112aの断面としての菱形の短い対角線の長さdは、最小値を成形可能な長さから0.1mmと仮定して範囲が決められる。
一方、本実施例で決まる前述のa,b,c及びdの各範囲外のパターンは、本実施例で決まる前述のa,b,c及びdの各範囲のうち、1つの範囲のみ、その最大値+0.1mm〜その最大値×1.1の範囲に変更したものとする。
例えば、第1のフィン領域111aの場合、フィン列間の流路方向Faにおける所定のシフト距離aの範囲のみ変更するとした場合、最大値は6.4mmであるため、6.5mm〜7.0mmの範囲に変更する。
以上のように、前述のa,b,c及びdの各範囲は、本実施例によって構成可能な範囲でできる第1のフィン112a及び第2のフィン112bのパターンと、その範囲外でできるパターンの2パターンが決まる。
前述のa,b,c及びdの各値は、決定した範囲内で、たとえばExcel(商品名:マイクロソフト社製)に代表される表計算シートを用いて、ランダム関数によってランダムに決定させる。
範囲外でできるパターンのa,b,c及びdのどの長さを範囲外にするかにおいてもランダムに決定させる。
この決定方法で、前述のa,b,c及びdの各値のパターンを本実施例によって構成可能な範囲内となる第1のフィン112a及び第2のフィン112bのパターンと、その範囲外でできるパターンの2パターンについて、各50パターン決定した。
図10は、各50パターンを熱気流シミュレーションした結果である。本実施例によって構成可能な範囲でできる第1のフィン112a及び第2のフィン112bのパターンと、それ以外の範囲でのパターンそれぞれについての平均値、及び母平均の95%信頼区間を導出した。
図10の範囲内の棒グラフは本実施例によって構成可能な範囲でできる第1のフィン112a及び第2のフィン112bのパターンでシミュレーションした平均温度結果である。一方、範囲外の棒グラフはそれ以外の範囲でのパターンでシミュレーションした平均温度結果である。また、それぞれに母平均の95%信頼区間の幅を示している。
図10から、本実施例によって構成可能な範囲でできる第1のフィン112a及び第2のフィン112bのパターンは、それ以外の範囲でのパターンに比べ温度が下がっており、母平均の95%信頼区間を見ても、本実施例の効果は明らかである。
以上、第1及び第2のフィン112a,112bの断面形状が「菱形」である場合について説明したが、断面形状はこれに限定されるわけではない。ダクト内を流れる気流に対して、放熱効率を考慮して接触面積を増やし、且つ流路抵抗を極力抑える思想のもとには、他の形状も適用可能である。たとえば図9(a)〜(c)に示すように、「流線形」、「楕円形状」、「円弧形状」であっても本発明を適用することが可能である。本発明においては、これらを総称して「略流線形」と称する。
(実施形態2)
実施例1では、電子回路基板14が1枚の片面配置の場合について説明したが、本実施例では電子回路基板を、ダクトユニットを挟んで両側に密着配置し、2枚の電子回路基板を冷却するようにしたものである。
図11は本実施例のダクトユニット30を上方(図1で見て上方)から見たときの模式図、図12は図11に示すA−A断面を表す。
ダクトユニット30内部の放熱フィンの構造、配置,機能は、図1における第1の実施例のダクトユニット10と実質的に同様であるが、本実施例においては、ダクトユニット30の両面側を電子回路基板27a,27bの取付面にする必要がある。そのため、アルミダイキャスト等で成形されたヒートシンク301a,301bを、それぞれフィン302a,302bが形成されている面を互いに対向させて配置した。また、それらの間に流路空間を形成し、ダクトユニット外部に露出している外面303a,303bを電子回路基板取付面としたものである。
図11において、第1のヒートシンク301aの外面303aには、電子回路基板27a上に実装された電子部品271aが不図示の熱伝導シート等を介して密着して固定されている。
同様に、第2のヒートシンク301bの外面303bには、電子回路基板27b上に実装された電子部品271bが不図示の熱伝導シート等を介して密着して固定されている。また第1のヒートシンク301aと第2のヒートシンク301bそれぞれに立設されている複数のフィンの断面形状は図4の第1の実施例と同様である。さらに、第1のヒートシンク301aと第2のヒートシンク301bを対向して組み合わせてダクトを構成した状態で図4に示す実施形態1におけるフィン配列と同様となるように構成されている。
すなわち、本実形態においては、複数のフィン302aからなるフィン列はヒートシンク301aに形成され、複数のフィン302bからなるフィン列はヒートシンク301bに形成されている。このような配列を交互に組み合わせることによって図4の第1の実施例と同様のフィン配列を実現している。この方法によれば、各ヒートシンク上のフィンの密度が粗くてよいため、成形が容易になるメリットもある。
尚、第1の電子回路基板27aに実装された第1の電子部品271aと、第2の電子回路基板27bに実装された第2の電子部品を271bとでは、その消費電力が同じであるとは限らない。たとえば第2の電子部品271bの方が第1の電子部品271aより消費電力が1.5倍大きいと仮定すると、放熱効果も第2の電子部品271bが第1の電子部品271aより1.5倍必要とすることになる。
したがって、電子部品の発熱を放熱して冷却するヒートシンクのフィン列数あるいは各列のフィン枚数も、冷却する対象となる電子部品の消費電力に応じて分配比を異ならせることが好ましい。
本実施例では、第2の電子部品が第1の電子部品に対して1.5倍の放熱効果を必要とする。そのため、図12に示すように、第2の電子部品271bに対応するヒートシンク301bのフィン302bの枚数は、第1の電子部品271aに対応するヒートシンク301aのフィン302aの枚数の略1.5倍となるようにしている。すなわち、フィン302bの列数をフィン302aの列数の1.5倍に設計することにより、放熱効果の適正化を図っている。
尚、本実施例では第1のダクト、第2のダクトそれぞれに立設するフィンを列ごとに変えたが、必要な放熱効果を得られれば良いので、発熱する電子部品の配置等も考慮して、どのフィンをどちらのダクトに立設させるかは適宜選択することができる。
例えば、2枚の電子回路基板の消費電力が同じ、且つ発熱分布が基板全体に均等であるなら、2つのダクトに立設するフィンはそれぞれ同じ数にすると良い。
また、電子回路基板の一部の領域で密集して発熱しているなら、その電子回路基板に接続するダクトのフィンをその密集した発熱箇所に集中して立設する等の方法が考えられる。
本実施例の構成においても、効率の良い冷却が可能となり、低騒音でより電気素子の温度を低減させることができる。
(他の実施形態)
次に、上述した本発明における冷却装置をデジタルカメラに実装した実施例について説明する。
図13において、撮像レンズ21の後方におけるデジタルカメラ本体20内には、撮像素子26が配され、さらにその後方に、本発明における第1のダクト11と第2のダクト12からなるダクトユニット10が配されている。
第2のダクト12の冷却ファン13a,13bの回転により、筐体吸気口24から取り込んだ外気を第1のダクト11,第2のダクト12内を通過させて筐体排気口25より排気する気流を発生させ、第1のダクト11内のヒートシンクを冷却する。
第1のダクト10の背面側には発熱する電子部品15を実装した電子回路基板14が取り付けられ、この電子回路基板上で発生した熱が第1のダクト11内のヒートシンクへと伝導し、放熱され冷却される。
デジタルカメラ等の映像機器は、高い画像処理能力を実現するために発熱量の多い電子部品を多く実装している反面、小型化、静音化に対する要求が強く、放熱能力の高い大型の放熱器や大型のファンを用いることができない。このような条件の下、本発明のように小型で高効率の放熱が可能で、且つ低騒音の冷却装置が極めて有効である。
1 冷却ユニット
10 ダクトユニット
11 第1のダクト
111 ヒートシンク
111a 第1のフィン領域
111b 第2のフィン領域
112a 第1の放熱フィン列
112b 第2の放熱フィン列
113a,113b 吸気口
114 分離壁
115 取付面
12 第2のダクト
13a,13b 冷却ファン
121a,121b 排気口
14 電子回路基板
15 電子部品
16 ダクト

Claims (15)

  1. 冷却用流体の流路に沿って複数のフィンを有する放熱フィン列を複数列にわたって形成した放熱面を有する冷却装置であって、
    前記複数のフィンはそれぞれ断面が略流線型の柱状をなし、隣接する放熱フィン列間においては、前記流路に沿った方向における前記複数のフィンの形成位置が所定距離シフトした位置関係となるように構成され、
    前記放熱面において前記冷却用流体が流れる距離をLで定義する放熱領域において、前記流路に沿った方向にシフトした距離をaとしたとき、
    0.05×L≦a≦0.12×L
    であることを特徴とする冷却装置。
  2. 前記冷却用流体が流れる距離Lは、前記放熱面において辺Lx×辺Lyで定義する放熱領域において、
    L=2×Lx×Ly/(Lx+Ly)
    であることを特徴とする請求項1に記載の冷却装置。
  3. 前記放熱フィン列を構成する複数のフィンは、互いに隣接する放熱フィン列間において千鳥配置となるように構成され、前記流路の幅方向にシフトした距離をbとしたとき、
    0.01×L≦b≦0.02×L
    であることを特徴とする請求項2に記載の冷却装置。
  4. 前記放熱フィン列を構成するフィンは、それぞれ断面が菱形、紡錘形、略楕円形状であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の冷却装置。
  5. 前記冷却用流体の流路がダクトになるように前記複数のフィンを有する前記放熱面の対抗面側にダクト蓋を備えたことを特徴とする請求項1に記載の冷却装置。
  6. 前記複数のフィンを有する前記放熱面の背面側に電子回路基板が配置され、前記電子回路基板で発生した熱を前記放熱面に伝導する構成を備えたことを特徴とする請求項1に記載の冷却装置。
  7. 前記冷却用流体の流路がダクトになるように前記放熱面に対向して、複数のフィンを有する第2の放熱面が配置されていることを特徴とする請求項1に記載の冷却装置。
  8. 前記第2の放熱面の背面側に第2の電子回路基板が配置され、当該第2の電子回路基板で発生した熱を前記第2の放熱面に伝導する構成を備えたことを特徴とする請求項7に記載の冷却装置。
  9. 前記対向する2つの放熱面は、それぞれその放熱面による放熱量と装着された電子回路基板の発熱量との割合に基づいて前記フィン数が設定され、前記2つの放熱面間において、前記割合が等しくなるように構成されていることを特徴とする請求項8に記載の冷却装置。
  10. 前記放熱面と、前記ダクト蓋あるいは前記第2の放熱面によって構成される前記ダクトの一端側に冷却流路の流入口を備え、他端側に前記冷却流路の流出口を備えたことを特徴とする請求項1または7に記載の冷却装置。
  11. 前記冷却用流体の流路の流入口または流出口側に複数の冷却制御機器を備えたことを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の冷却装置。
  12. 前記冷却用流体の流路に沿って複数のフィンを有する放熱フィン列を複数列にわたって形成した第1の放熱面を有する冷却装置であって、
    前記複数のフィンはそれぞれ断面が略流線形の柱状をなし、隣接する放熱フィン列の各フィンに対して千鳥配置となるように形成され、前記流路方向における配置間隔が前記各フィンの前記流路方向における長さよりも広く、かつ前記複数の放熱フィン列の間隔が前記各フィンの前記流路に対する幅よりも広くなるように形成されていることを特徴とする冷却装置。
  13. 前記第1の放熱面に対向して複数のフィンを有する第2の放熱面が配され、前記第1及び第2の放熱面により、前記冷却用流体の流路となるダクトを構成することを特徴とする請求項12に記載の冷却装置。
  14. 前記第1及び第2の放熱面は、それぞれ装着された電子回路基板の発熱量に基づいて前記フィン数が設定されることを特徴とする請求項13に記載の冷却装置。
  15. 請求項1乃至14のいずれか1項に記載の冷却装置を備えた電子機器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021097190A (ja) * 2019-12-19 2021-06-24 東芝電波プロダクツ株式会社 放熱装置

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