JP2019046872A - パッケージ部品、光半導体装置、光半導体送信装置、及び光半導体送受信装置 - Google Patents

パッケージ部品、光半導体装置、光半導体送信装置、及び光半導体送受信装置 Download PDF

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浩一 児山
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Abstract

【課題】光素子と光透過部品との位置ずれを抑制することができるパッケージ部品を提供する。【解決手段】パッケージ部品2は、ベース5と、リード部材6と、を備えている。ベース5は、レンズ32が設けられたキャップ部品3と共に密封空間Sを形成する。ベース5の密封空間S側には光素子4が設けられている。リード部材6は、ベース5に固定され、光素子4との導通を確保している。ベース5は、溶接台8と、ステムベース9と、を有している。溶接台8は、板状を呈しておりキャップ部品3とベース5とが並ぶZ軸方向に沿った第1側面8cを含んでいる。ステムベース9は、溶接台8に固定され、少なくとも一部が密封空間S及び密封空間Sの外部に露出している。溶接台8は、キャップ部品3が溶接されることによって光素子4を収容する密封空間Sを形成している。溶接台8の剛性は、ステムベース9の剛性よりも大きい。【選択図】図1

Description

本発明は、パッケージ部品、光半導体装置、光半導体送信装置、及び光半導体送受信装置に関する。
光素子が設けられたパッケージ部品にレンズが設けられたキャップ部品を溶接することによって、光素子を収容する密封空間が形成された光半導体装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。このような光半導体装置では、光素子が発する熱を外部に効率的に逃がすため、パッケージ部品を構成するステムベースが、熱伝導率の高い銅や銅合金とされている。
国際公開第2013/080396号
しかしながら、剛性が低い銅や銅合金により形成されたステムベースは、荷重に対して変形し易くなる。例えば、光半導体装置を固定する際に、ステムベースを保持すると、ステムベースに荷重が加わるので、ステムベースが変形してしまう。この変形は、パッケージ部品に設けられた光素子とキャップ部品に設けられたレンズのような光透過部品との位置関係にずれをもたらす。
そこで、本発明は、光素子と光透過部品との位置ずれを抑制することができるパッケージ部品、光半導体装置、光半導体送信装置、及び光半導体送受信装置を提供することを目的とする。
本発明の一態様に係るパッケージ部品は、光透過部品が設けられたキャップ部品と共に密封空間を形成し、密封空間側に光素子が設けられるベースと、ベースに固定され、光素子との導通を確保するリード部材と、を備え、ベースは、板状を呈しておりキャップ部品とベースとが並ぶ第1方向に沿った第1側面を含む溶接台と、溶接台に固定され、少なくとも一部が密封空間及び密封空間の外部に露出しているステムベースと、を有し、溶接台は、キャップ部品が溶接されることによって光素子を収容する密封空間を形成し、溶接台の剛性は、ステムベースの剛性よりも大きい。
本発明の一態様に係る光半導体装置は、上記パッケージ部品と、パッケージ部品と共に密封空間を形成し、第1方向においてベースと対向する天壁に光透過部品が設けられたキャップ部品と、密封空間内において光透過部品と対向するようにベースに設けられた光素子と、を備える。
本発明の一態様に係る光半導体送信装置は、第1光半導体装置と、第1光半導体装置を収容するハウジング部品と、を備え、第1光半導体装置は、上記パッケージ部品と、パッケージ部品と共に密封空間を形成し、第1方向においてベースと対向する天壁に光透過部品が設けられたキャップ部品と、密封空間内において光透過部品と対向するようにベースに設けられた発光素子と、を有し、ハウジング部品は、パッケージ部品の溶接台を保持する保持部を有する。
本発明の一態様に係る光半導体送受信装置は、第1光半導体装置と、第2光半導体装置と、第1光半導体装置及び第2光半導体装置を収容するハウジング部品と、を備え、第1光半導体装置は、上記パッケージ部品と、パッケージ部品と共に密封空間を形成し、第1方向においてベースと対向する天壁に光透過部品が設けられたキャップ部品と、密封空間内において光透過部品と対向するようにベースに設けられた発光素子と、を有し、第2光半導体装置は、上記パッケージ部品と、上記キャップ部品と、密封空間内において光透過部品と対向するようにベースに設けられた受光素子と、を有し、ハウジング部品は、第1光半導体装置及び第2光半導体装置のそれぞれのパッケージ部品の溶接台を保持する保持部を有する。
本発明によれば、光素子と光透過部品との位置ずれを抑制することが可能なパッケージ部品、光半導体装置、光半導体送信装置、及び光半導体送受信装置を提供することが可能となる。
本実施形態の一態様に係る光半導体装置の構成を示す斜視図である。 図1に示されるパッケージ部品を分解して示す斜視図である。 図1に示されるパッケージ部品の斜視図である。 図1に示されるパッケージ部品の平面図である。 図4のV−V線に沿っての断面図である。 図4のVI−VI線に沿っての断面図である。 本実施形態の一態様に係る光半導体送受信装置の一部断面図である。 本実施形態に係る光半導体送受信装置の変形例を示す図である。 本実施形態に係る光半導体送受信装置の他の変形例を示す図である。 本実施形態に係る光半導体装置の変形例を示す図である。 本実施形態に係る光半導体装置の他の変形例を示す図である。 本実施形態に係る光半導体装置の他の変形例を示す図である。 本実施形態に係る光半導体送信装置の変形例を示す図である。
[本発明の実施形態の説明]
最初に本発明の実施形態を列記して説明する。本発明の一態様に係るパッケージ部品は、光透過部品が設けられたキャップ部品と共に密封空間を形成し、密封空間側に光素子が設けられるベースと、ベースに固定され、光素子との導通を確保するリード部材と、を備え、ベースは、板状を呈しておりキャップ部品とベースとが並ぶ第1方向に沿った第1側面を含む溶接台と、溶接台に固定され、少なくとも一部が密封空間及び密封空間の外部に露出しているステムベースと、を有し、溶接台は、キャップ部品が溶接されることによって光素子を収容する密封空間を形成し、溶接台の剛性は、ステムベースの剛性よりも大きい。
このパッケージ部品では、溶接台は、第1方向に沿った第1側面を含んでいる。しかも、溶接台の剛性は、ステムベースの剛性よりも大きい。これにより、パッケージ部品を固定する際に、溶接台の第1側面を保持することによって、パッケージ部品の変形を抑制することができる。よって、光素子と光透過部品との位置ずれを抑制することができる。
本発明の一態様に係るパッケージ部品では、ステムベースは、板状を呈しており第1方向に沿った第2側面を含み、第1方向から見た場合に、第1側面は、少なくとも一部が第2側面と面一であってもよい。この構成によれば、より確実に溶接台の第1側面を保持することによって、パッケージ部品の変形を抑制し、光素子と光透過部品との位置ずれを抑制することができる。
本発明の一態様に係るパッケージ部品では、第1方向から見た場合に、第1側面は、全周が第2側面と面一であってもよい。この構成によれば、より確実に溶接台の第1側面を保持することによって、パッケージ部品の変形を抑制し光素子と光透過部品との位置ずれを抑制することができる。
本発明の一態様に係るパッケージ部品では、ステムベースは、板状を呈しており第1方向に沿った第2側面を含み、第1方向から見た場合に、第1側面は、少なくとも一部が第2側面よりも外側に突出していてもよい。この構成によれば、より確実に溶接台の第1側面を保持することによって、パッケージ部品の変形を抑制し光素子と光透過部品との位置ずれを抑制することができる。
本発明の一態様に係るパッケージ部品では、第1方向から見た場合に、第1側面は、全周が第2側面よりも外側に突出していてもよい。この構成によれば、より確実に溶接台の第1側面を保持することによって、パッケージ部品の変形を抑制し光素子と光透過部品との位置ずれを抑制することができる。
本発明の一態様に係るパッケージ部品では、溶接台は、キャップ部品が溶接されるキャップ固定面と、キャップ固定面に対して裏側であってステムベースが固定されるベース固定面と、第1方向において溶接台を貫通する第1開口と、を有し、ステムベースは、第1方向においてステムベースを貫通し、第1開口と重なっている第2開口を有し、リード部材は、第1開口及び第2開口に挿入され、溶接台に固定されていてもよい。この構成によれば、リード部材は、溶接台によって保持される。溶接台はステムベースより剛性が高いので、リード部材に荷重が作用した場合に、当該荷重に対して好適に抵抗することが可能である。従って、このパッケージ部品によれば、光素子と光透過部品との位置ずれをさらに抑制することができる。
本発明の一態様に係るパッケージ部品では、溶接台の第1開口の直径は、ステムベースの第2開口の直径以下であり、ステムベースの第2側面には切り欠きが形成されていてもよい。この構成によれば、溶接台の第1開口の直径が、ステムベースの第2開口の直径以下であるため、リード部材をより確実に溶接台の第1開口に固定することができる。また、ステムベースの第2側面に切り欠きが形成されているため、パッケージ部品の位置決めを好適に行うことができる。
本発明の一態様に係るパッケージ部品では、溶接台及びステムベースは、円盤状を呈しており、ステムベースは、第1方向において密封空間側に突出し密封空間に露出しているポストを有し、光素子は、ポストに設けられていてもよい。この構成によれば、光素子が発する熱を密封空間の外部へ好適に排出することができる。
本発明の一態様に係る光半導体装置は、上記パッケージ部品と、パッケージ部品と共に密封空間を形成し、第1方向においてベースと対向する天壁に光透過部品が設けられたキャップ部品と、密封空間内において光透過部品と対向するようにベースに設けられた光素子と、を備える。この構成によれば、光素子と光透過部品との位置ずれを抑制することが可能な光半導体装置を構成することが可能となる。
本発明の一態様に係る光半導体送信装置は、第1光半導体装置と、第1光半導体装置を収容するハウジング部品と、を備え、第1光半導体装置は、上記パッケージ部品と、パッケージ部品と共に密封空間を形成し、第1方向においてベースと対向する天壁に光透過部品が設けられたキャップ部品と、密封空間内において光透過部品と対向するようにベースに設けられた発光素子と、を有し、ハウジング部品は、パッケージ部品の溶接台を保持する保持部を有する。この構成によれば、発光素子と光透過部品との位置ずれが抑制された光半導体送信装置を構成することができる。
本発明の一態様に係る光半導体送受信装置は、第1光半導体装置と、第2光半導体装置と、第1光半導体装置及び第2光半導体装置を収容するハウジング部品と、を備え、第1光半導体装置は、上記パッケージ部品と、パッケージ部品と共に密封空間を形成し、第1方向においてベースと対向する天壁に光透過部品が設けられたキャップ部品と、密封空間内において光透過部品と対向するようにベースに設けられた発光素子と、を有し、第2光半導体装置は、上記パッケージ部品と、上記キャップ部品と、密封空間内において光透過部品と対向するようにベースに設けられた受光素子と、を有し、ハウジング部品は、第1光半導体装置及び第2光半導体装置のそれぞれのパッケージ部品の溶接台を保持する保持部を有する。この構成によれば、発光素子と光透過部品との位置ずれ、及び、受光素子と光透過部品との位置ずれが抑制された光半導体送受信装置を構成することができる。
[本発明の実施形態の詳細]
以下、本発明の実施形態に係るパッケージ部品、光半導体装置、光半導体送信装置、及び光半導体送受信装置について、図面を参照して詳細に説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。また、各図において同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
図1は、本実施形態の一態様に係る光半導体装置1の構成を示す斜視図である。図1に示されるように、光半導体装置1は、パッケージ部品2と、キャップ部品3と、光素子4と、を備えている。光半導体装置1は、例えば、光通信用半導体パッケージとして用いられる、いわゆるTO−56やTO−9といったキャンパッケージである。パッケージ部品2とキャップ部品3とは、第1方向(Z軸方向)において互いに並んでいる。パッケージ部品2は、キャップ部品3と共に密封空間Sを形成している。密封空間Sは、光素子4を収容している。パッケージ部品2は、ベース5と、リード部材6と、ガラス材7と、を備えている。ベース5とキャップ部品3とは、Z軸方向において互いに並んでいる。ベース5は、キャップ部品3と共に密封空間Sを形成している。
図2は、図1に示されるパッケージ部品2を分解して示す斜視図である。図2の(a)に示されるように、ベース5は、溶接台8と、ステムベース9と、を有している。
溶接台8は、板状を呈している。具体的には、溶接台8は、円盤状を呈している。溶接台8は、キャップ固定面8aと、ベース固定面8bと、第1側面8cと、第1開口8dと、第3開口8eと、を有している。キャップ固定面8aは、Z軸方向に交差する面(X−Y面)に沿って延びている。キャップ固定面8aは、Z軸方向における溶接台8のキャップ部品3側の面である(図1参照)。キャップ固定面8aには、キャップ部品3が溶接される。溶接台8は、キャップ部品3が溶接されることによって密封空間Sを形成している。ベース固定面8bは、X−Y面に沿って延びている。ベース固定面8bは、Z軸方向においてキャップ固定面8aに対して裏側の面である。ベース固定面8bには、ステムベース9が固定される。第1側面8cは、Z軸方向に沿って延びている。第1側面8cは、キャップ固定面8a及びベース固定面8bに連なっている。第1開口8dは、Z軸方向において溶接台8を貫通する貫通孔である。本実施形態においては、溶接台8は、2つの第1開口8dを有している。
第3開口8eは、Z軸方向において溶接台8を貫通する貫通孔である。第3開口8eは、Z軸方向から見た場合に、半円状を呈している。第3開口8eには、後述するポスト92が挿入される。溶接台8の厚さは、ステムベース9の厚さよりも大きい。溶接台8の厚さは、例えば0.5mm程度である。なお、溶接台8の厚さは、0.5mm以上であることが好ましい。溶接台8の材質は、例えば、比較的弾性係数が高い鉄又は鉄合金(Fe、Ni及びCo等からなる合金)等である。具体的には、溶接台8の材質として140GPaの弾性係数を有するコバール(登録商標)を用いることができる。ステムベース9の材質は例えば銅であり弾性係数は117GPaである。換言すると、溶接台8の材質は、ステムベース9の材質よりも展性が小さい。また、溶接台8の材料として、ステムベース9の材質よりも熱伝導性が低い材料が用いられる。このような材料の選択によれば、溶接時に生じ得る熱が逃げにくくなるので、良好な溶接性を得ることができる。さらに、光素子4の劣化を抑制する観点から、溶接台8の材料として、標準酸化還元電位の小さい材料(例えば、炭素鋼)が用いられる。溶接台8の剛性は、ステムベース9の剛性よりも大きい。具体的には、溶接台8の剛性は、溶接台8を構成する材料特性と、溶接台8の形状により決まる。上述したように、溶接台8は、比較的弾性係数が高い材料により形成されると共に、所定値以上の厚みを有する。これらの要素によって、溶接台8は、その直径方向に沿う外力に対して有意な変形を生じない程度の剛性を有し得る。
ステムベース9は、ベース板91と、ポスト92と、を有している。円盤状を呈するベース板91は、溶接台固定面9aと、底面9bと、第2側面9cと、第2開口9dと、切り欠き9eと、を有している。溶接台固定面9aは、X−Y面に沿って延びている。溶接台固定面9aは、Z軸方向におけるステムベース9の溶接台8側の面である。溶接台固定面9aには、溶接台8が固定される。底面9bは、X−Y面に沿って延びている。底面9bは、Z軸方向において溶接台固定面9aに対して裏側の面である。第2側面9cは、Z軸方向に沿って延びている。第2側面9cは、溶接台固定面9a及び底面9bに連なっている。第2開口9dは、Z軸方向においてステムベース9を貫通する貫通孔である。本実施形態においては、ベース板91は、2つの第2開口9dを有している。それぞれの第2開口9dは、Z軸方向から見た場合に、それぞれの第1開口8dと重なっている。なお、第2開口9dの内径は、第1開口8dの内径と略同じであるか、或いは、第1開口8dの内径よりも大きくてもよい。切り欠き9eは、第2側面9cに形成されている。本実施形態においては、ステムベース9は、3つの切り欠き9eを有している。切り欠き9eは、パッケージ部品2の位置決めのために形成されている。
ポスト92は、Z軸方向において密封空間S側に突出するようにベース板91の溶接台固定面9aに形成されている。ポスト92は、側面92aと、円弧状の曲面92bとを有する。ポスト92は、Z軸方向から見た場合に、第3開口8eと同形状を呈しており、第3開口8eに挿入されることができる。側面92aは、X−Y面に交差する面(Y−Z面)に沿って延びている。Z軸方向におけるポスト92の厚さは、溶接台8の厚さよりも大きい。Z軸方向におけるポスト92の厚さは、例えば1.8mm程度である。第3開口8eの内壁とポスト92の側面92aおよび曲面92bとの間のクリアランス(隙間の大きさ)は例えば50〜100μmである。ステムベース9の材質は、例えば、熱伝導率が高い銅、アルミ、銅合金(CuW又はCuMo等)、又はアルミ合金等である。ステムベース9の熱伝導率は、溶接台8の熱伝導率よりも大きい。
リード部材6は、光素子4との導通を確保している。リード部材6は、Z軸方向に沿って延びる棒状を呈している。リード部材6の外径は、第1開口8d及び第2開口9dの内径よりも小さい。
図2の(b)に示されるように、ステムベース9は、溶接台8に固定されている。具体的には、ポスト92は、第3開口8eに挿入されている。このとき、それぞれの第1開口8dとそれぞれの第2開口9dとは、互いに重なっている(図3参照)。ベース固定面8bと溶接台固定面9aとは、例えば銀ロウ(例えばJIS BAg−8に準拠する)等によって固着されている。ベース固定面8bと溶接台固定面9aとの間は、厚さ数μm〜数十μmの銀ロウによって気密封止されている。
図3は、図1に示されるパッケージ部品2の斜視図である。図3に示されるように、リード部材6は、ベース5に固定されている。具体的には、リード部材6は、第1開口8d及び第2開口9dに挿入されている。そして、リード部材6と第1開口8dとの間には、ガラス材7が封入されている。リード部材6は、ガラス材7を介して溶接台8に固定されている。リード部材6と第1開口8dとの間は、ガラス材7によって気密封止されている。
図4は、図1に示されるパッケージ部品2の平面図である。図4に示されるように、Z軸方向から見た場合に、第1側面8cは、一部が第2側面9cと面一である。具体的には、Z軸方向から見た場合に、第1側面8cは、それぞれの切り欠き9eに対応する部分を除いた一部が第2側面9cと面一である。図5は、図4のV−V線に沿っての断面図である。図5に示されるように、ポスト92は、溶接台8を貫通してキャップ固定面8aよりもキャップ部品3側に突出している。図6は、図4のVI−VI線に沿っての断面図である。図6に示されるように、第1開口8dの直径は、第2開口9dの直径と同等である。この場合、リード部材6は、第2開口9dの周面と接触していない。
再び、図1を参照する。図1に示されるように、キャップ部品3は、キャップ31と、レンズ32(光透過部品)と、を有している。キャップ31は、筒状の側壁311と、板状の天壁312と、を含んでいる。側壁311の中心軸Lは、Z軸方向に沿って延びている。側壁311は、Z軸方向においてベース5側に形成されたベース固定面31aを有している。ベース固定面31aは、X−Y面に沿って延びている。天壁312は、Z軸方向において側壁311のベース5とは反対側に設けられている。天壁312は、X−Y面に沿って延びている。つまり、天壁312は、Z軸方向においてベース5と対向している。キャップ31の材質は、例えば鉄、鉄ニッケル合金、ステンレス鋼等の金属である。
天壁312には、開口31bが形成されている。開口31bは、天壁312を貫通する貫通孔である。開口31bの中心軸は、側壁311の中心軸Lと重なっている。以下、開口31bの中心軸を中心軸Lという。レンズ32は、例えば球状を呈している。レンズ32は、その中心が中心軸Lと重なるように開口31bに設けられている。そして、レンズ32と開口31bとの間は、気密封止されている。レンズ32は、光をコリメートすることができる。
キャップ部品3は、ベース5に固定されている。具体的には、キャップ部品3は、ベース固定面31aが溶接台8のキャップ固定面8aに当接させられている。そして、ベース固定面31aとキャップ固定面8aとの接続部は、抵抗溶接によって溶接されている。このように、ベース固定面31aとキャップ固定面8aとの間が、気密封止されている。これにより、密封空間Sが形成されている。
ポスト92は、Z軸方向においてステムベース9の溶接台固定面9aから密封空間S側に突出し密封空間Sに露出している。具体的には、ポスト92は、側面92aが密封空間Sに露出するまで、密封空間S側に突出している。また、ステムベース9の底面9b及び第2側面9cは、密封空間Sの外部に露出している。このように、ステムベース9は、少なくとも一部が密封空間S及び密封空間Sの外部に露出している。密封空間Sの外部とは、光半導体装置1の外側の空間であり、例えば、ハウジング部品11の内部空間(図7参照)である。
光素子4は、ベース5の密封空間S側に設けられている。具体的には、光素子4は、密封空間S内においてレンズ32と対向するようにベース5にはんだ(例えばAuSn)によって取り付けられている。光素子4は、発光素子または受光素子を含んでいる。光素子4は、ポスト92の側面92a上に設けられている。ポスト92の側面92aには、ヒートシンクであるサブマウント43が設けられている。サブマウント43は、はんだ(例えばAuSn)によってポスト92に固定される。サブマウント43は、例えば、金ワイヤといったボンディングワイヤによって一方のリード部材6と電気的に接続されている。サブマウント43の材質は、例えば窒化アルミニウム等である。サブマウント43の側面には、金メッキ44が施されている。そして、光素子4は、金メッキ44を介してサブマウント43に設けられている。光素子4は、中心軸L上に配置されている。光素子4は、例えば、金ワイヤといったボンディングワイヤ等によって他方のリード部材6と電気的に接続されている。発光素子としては、例えばレーザダイオード又は発光ダイオード(LED)等を用いることができる。受光素子としては、例えば、フォトダイオード(PD)等を用いることができる。
次に、一態様に係る光半導体送受信装置について説明する。図7は、本実施形態の一態様に係る光半導体送受信装置の一部断面図である。図7に示されるように、光半導体送受信装置10は、光半導体装置50A(第1光半導体装置),50B(第2光半導体装置)と、ハウジング部品11と、回路基板12と、熱伝導ペースト17と、レセプタクル45と、を備えている。
ハウジング部品11は、筐体15と、保持部16a,16bと、を有している。筐体15は、側壁部15aと、底面部15bと、端面部15cと、端部15dと、を含んでいる。
保持部16aは、筐体15の側壁部15aに設けられている。Z軸方向から見た場合に、一対の保持部16aは、互いに対向する。保持部16bは、筐体15の底面部15bに設けられている。つまり、保持部16bは、底面部15bからX方向に起立する。保持部16bは、一対の保持部16aの間に設けられている。
光半導体装置50Aは、光半導体装置1と同様である。光半導体装置50Aは、光素子4として発光素子41を有している。光半導体装置50Aは、筐体15に収容されている。そして、光半導体装置50Aは、溶接台8の第1側面8cが一方の保持部16a及び保持部16bによって保持されている。より詳細には、保持部16a,16bは、溶接台8に向けて突出する複数の突起部を有している。これらの突起部が第1側面8cに当接することにより、光半導体装置50Aが保持部16a,16bによって保持される。つまり、光半導体装置50Aは、保持部16a,16bによって保持可能な部分として、比較的剛性の高い溶接台8の第1側面8cを露出させている。換言すると、第1側面8cは、突起部が当接する部分と、突起部が当接しない部分と、を有する。突起部が当接しない部分と、保持部16a,16bとの間には隙間が形成される。この隙間には、熱伝導ペースト17が配置される。つまり、溶接台8は、保持部16a,16bの突起部に対して直接に接することにより物理的に保持され、熱伝導ペースト17を介して熱的に接続されている。
光半導体装置50Bは、光素子4として受光素子42を有している。光半導体装置50Bのその他の構成は、光半導体装置1と同様である。光半導体装置50Bは、筐体15に収容されている。そして、光半導体装置50Bは、溶接台8の第1側面8cが他方の保持部16a及び保持部16bによって保持されている。
熱伝導ペースト17は、光半導体装置50Aと保持部16aとの間、光半導体装置50Aと保持部16bとの間、光半導体装置50Bと保持部16aとの間、及び、光半導体装置50Bと保持部16bとの間に設けられている。具体的には、熱伝導ペースト17は、保持部16a,16bの突起部と接触しない第1側面8cの領域と、保持部16a,16bの周面との間に設けられている。また、熱伝導ペースト17は、切り欠き部9eの周面と保持部16a,16bの周面との間に設けられている。また、熱伝導ペースト17は、ステムベース9の第2側面9cと保持部16a,16bの周面との間に設けられていてもよい。これらの構成により、ステムベース9は、熱伝導ペースト17を介して保持部16a,16bと熱的に接続されている。光半導体装置50A,50Bは、筐体15と熱的に接続されるため、光半導体装置50A,50Bで発した熱を筐体15に効率的に逃がすことができる。
回路基板12は、筐体15に収容されている。回路基板12は、光半導体装置1のリード部材6と直接、又はフレキシブル基板等を介して電気的に接続されている。それぞれのレセプタクル45は、光半導体装置50A,50Bそれぞれのキャップ部品3に設けられている。それぞれのレセプタクル45は、それぞれのレンズ32を囲む。
筐体15において、端面部15cとは反対側の端部15dは、開放されている。端部15dには、マルチコネクタ60が配置される。マルチコネクタ60は、コネクタケース13と、一対のプラグ46と、を有している。プラグ46のそれぞれには、光ファイバ14が固定されている。
コネクタケース13は、光ファイバ14の端面が光半導体装置50A,50Bそれぞれのレンズ32と対向するように、プラグ46を保持する。一対のプラグ46は、それぞれレセプタクル45に挿抜可能である。この構成によれば、光ファイバ14は、光半導体装置50A,50Bと光学的に結合される。
以上のように構成された光半導体送受信装置10では、以下のように、光が送受信される。発光素子41は、リード部材6を介して回路基板12から電気信号が送信されると、発光する。発光素子41が発した光は、レンズ32によってコリメートされ、光ファイバ14を介して例えば外部の受信装置に送信される。一方で、光ファイバ14を介して入射された光は、レンズ32によってコリメートされ、受光素子42に入射される。そして、受光素子42に入射された光は、電気信号に変換され、リード部材6を介して回路基板12に送信される。ここで、発光素子41は、発光すると共に発熱する。発光素子41が発した熱は、ポスト92(図1参照)を介して密封空間Sの外部に排出される。
以上説明したように、パッケージ部品2では、溶接台8は、Z軸方向に沿った第1側面8cを含んでいる。しかも、溶接台8の剛性は、ステムベース9の剛性よりも大きい。これにより、パッケージ部品2を固定する際に、筐体15の保持部16a,16bによって溶接台8の第1側面8cを保持する。この構成によれば、パッケージ部品2の変形を抑制することができる。よって、光素子4とレンズ32との位置ずれが抑制されるので、光素子4とレンズ32との光結合効率の低下を抑制することができる。
換言すると、パッケージ部品2では、溶接台8が保持されるため、ステムベース9に対して直接に外力が作用しない。そうすると、ステムベース9の材質を選択するにあたって、放熱性や電気的な特性を優先させた選択を行うことが可能になる。従って、ステムベース9の材質の選択に関する自由度を高めることができる。
また、パッケージ部品2では、ステムベース9は、少なくとも一部が密封空間S及び密封空間Sの外部に露出している。しかも、ステムベース9の熱伝導率は、溶接台8の熱伝導率よりも大きい。これにより、光素子4が発した熱を効率的に密封空間Sの外部に排出することができる。一方で、溶接台8の熱伝導率が、ステムベース9の熱伝導率以下であるため、キャップ部品3との抵抗溶接をより確実に行うことができる。
また、パッケージ部品2では、Z軸方向から見た場合に、第1側面8cは、少なくとも一部が第2側面9cと面一である。この構成によれば、より確実に溶接台8の第1側面8cを保持することによって、パッケージ部品2の変形を抑制し、光素子4とレンズ32との位置ずれが抑制されるので、光結合効率の低下を抑制することができる。
また、パッケージ部品2では、リード部材6は、第1開口8d及び第2開口9dに挿入され、溶接台8に固定されている。この構成によれば、リード部材6は、溶接台8によって保持される。溶接台8はステムベース9より剛性が高いので、リード部材6に荷重が作用した場合に、当該荷重に対して好適に抵抗することが可能である。従って、パッケージ部品2によれば、光素子4とレンズ32との位置ずれが抑制されるので、光結合効率の低下をさらに抑制することができる。
また、光素子4が発する熱はポスト92を介して密封空間Sの外部へ排出される。この際、リード部材6は、ガラス材7を介して溶接台8に固定されている。このため、リード部材6がガラス材7を介してステムベース9に固定されている場合に比べて、ガラス材7がステムベース9に接触して反応することを防止するためにガラス材7の外周面に例えば緩衝部材等を設ける必要がない。緩衝部材の省略により、溶接台8の第1開口8dを小さくすることができ、第1開口8dと第3開口8eとが繋がってしまうことを避けつつ、第3開口8eを大きくすることができる。これにより、Z軸方向から見た場合に、少なくとも当該緩衝部材が占める面積の一部に相当する面積分だけポスト92を大きくすることができる。一例では、外径が10ミリメートル以下のステムベース9において、緩衝部材の省略によって、Z軸方向から見たポスト92の面積を0.9平方ミリメートルだけ大きくすることができる。従って、光素子4が発した熱を効率的に密封空間Sの外部へ排出することができる。また、緩衝部材を設ける必要がないため、部品点数の削減が可能である。従って、生産性を向上させることができる。
また、リード部材6は、比較的剛性の高い溶接台8に固定されている。そうすると、リード部材6に対して外力が作用した場合であっても、リード部材6から伝わる外力に対して溶接台8は十分に対抗することができる。例えば、リード部材6に曲げが発生するような場合であっても、パッケージ部品2の変形を抑制することができる。
また、パッケージ部品2では、ステムベース9の第2側面9cには、いわゆるノッチである切り欠き9eが形成されている。この構成によれば、パッケージ部品2の位置決めを好適に行うことができる。具体的には、キャップ部品3とベース5とを溶接によって固定する際に、切り欠き9eを、キャップ部品3に対して周方向(回転方向)におけるベース5の位置の基準とすることができる。また、切り欠き9eは、光半導体装置1を筐体15に配置するとき、ステムベース9の中心軸線に対する回転方向の位置出しに利用することもできる。
また、パッケージ部品2では、溶接台8の厚さは、ステムベース9の厚さよりも大きい。この構成によれば、より確実に溶接台8の第1側面8cを保持することによって、パッケージ部品2の変形を抑制し、光素子4とレンズ32との位置ずれが抑制されるので、光結合効率の低下を抑制することができる。
また、パッケージ部品2では、ポスト92は、密封空間Sに露出している。また、光素子4は、ポスト92に設けられている。この構成によれば、光素子4が発する熱を好適に密封空間Sの外部へ排出することができる。
また、光半導体装置1は、上記パッケージ部品2と、パッケージ部品2と共に密封空間Sを形成し、Z軸方向においてベース5と対向する天壁312にレンズ32が設けられたキャップ部品3と、密封空間S内においてレンズ32と対向するようにベース5に設けられた光素子4と、を備える。この構成によれば、光素子4とレンズ32との位置ずれが抑制されるので、光結合効率の低下を抑制することができる光半導体装置1を構成することが可能となる。
また、光半導体送受信装置10は、光半導体装置50A,50Bと、光半導体装置50A,50Bを収容するハウジング部品11と、を備え、光半導体装置50Aは、上記パッケージ部品2と、パッケージ部品2と共に密封空間Sを形成し、Z軸方向においてベース5と対向する天壁312にレンズ32が設けられたキャップ部品3と、密封空間S内においてレンズ32と対向するようにベース5に設けられた発光素子41と、を有し、光半導体装置50Bは、上記パッケージ部品2と、上記キャップ部品3と、密封空間S内においてレンズ32と対向するようにベース5に設けられた受光素子42と、を有し、ハウジング部品11は、光半導体装置50A,50Bのそれぞれのパッケージ部品2の溶接台8を保持する保持部16a,16bを有する。この構成によれば、発光素子41及び受光素子42とレンズ32との位置ずれが抑制されるので、光結合効率の低下が抑制された光半導体送受信装置10を構成することができる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではない。
図8は、本実施形態に係る光半導体送受信装置10の変形例を示す図である。図8に示されるように、光半導体送受信装置10Aのハウジング部品11Aは、隔壁である壁部18を更に有してもよい。壁部18は、Z軸方向における保持部16a,16bと回路基板12との間において、筐体15の内部空間を二分割するように、筐体15の側壁部15a及び底面部15bに設けられている。壁部18には、4個の貫通孔18aが形成されている。貫通孔18aの内径は、光半導体装置50A,50Bのそれぞれのリード部材6の外径よりも大きい。各リード部材6は、それぞれ貫通孔18aに挿入されて回路基板12と電気的に接続されている。各リード部材6と壁部18との間には隙間が設けられている。熱伝導ペースト17は、ステムベース9の底面9bと壁部18との間にも設けられている。つまり、ステムベース9の底面9bは、熱伝導ペースト17を介して壁部18と熱的に接続されている。これにより、光半導体装置50A,50Bで発した熱は、ステムベース9の第2側面9cから筐体15に伝わり、さらに、ステムベース9の底面9bからも筐体15に伝わる。従って、一層効率的に熱を逃がすことができる。
図9は、本実施形態に係る光半導体送受信装置10の他の変形例を示す図である。図9に示されるように、光半導体送受信装置10Bは、筐体11Bを有している。筐体11Bは、保持部16a、16b及び壁部18に加えて、さらに連結部16cを有している。連結部16cは、保持部16bを壁部18に連結する。
図10は、本実施形態に係る光半導体装置1の変形例を示す図である。図10に示されるように、光半導体装置1Aのキャップ部品3Aは、レンズ32に代えて、ウィンドとしてのガラス板33を有していてもよい。
図11は、本実施形態に係る光半導体装置1の他の変形例を示す図である。図11に示されるように、光半導体装置1Bのパッケージ部品2Bが備えるベース5Bは、平面である側面5aを含んでいてもよい。すなわち、溶接台8Bの第1側面8c、及びステムベース9Bにおける第2側面9cのそれぞれの一部は、平面であって、これらの平面同志は、Z軸方向から見た場合に、互いに重なっていてもよい。この構成によれば、光半導体装置1Bの位置決めを好適に行うことができる。
図12は、本実施形態に係る光半導体装置1のさらに他の変形例を示す図である。図12に示されるように、光半導体装置1Cのパッケージ部品2Cが備えるベース5Cは、側面5aに対して逆側であって、平面である側面5bをさらに含んでいてもよい。この構成によれば、光半導体装置1Cの位置決めをより好適に行うことができる。
図13は、本実施形態に係る光半導体送信装置を示す図である。図13に示されるように、光半導体送信装置20は、光半導体装置50Aと、ハウジング部品11Cと、回路基板12と、光半導体素子19と、レセプタクル21と、複数の光ファイバ22A,22Bと、コネクタ23と、を備えている。ハウジング部品11Cは、筐体15Cと、保持部16Cを有している。筐体15Cは、側壁部15aと底面部15bと端面部15cと端部15dとを含んでいる。保持部16Cは、筐体15Cの底面部15bから起立する。
光半導体装置50Aは、溶接台8の第1側面8cが保持部16Cによって保持されている。光半導体装置50Aは、レンズ32が筐体15Cの端面部15cに対向するように設けられている。ステムベース9は熱伝導ペースト(図示せず)を介して保持部16Cと熱的に接続されている。
光半導体素子19は、光半導体装置50Aと端面部15cとの間に設けられている。光半導体素子19は、例えば変調器及び復調器集積IC等を有している。光半導体素子19は、回路基板12と電気的に接続されている。レセプタクル21は、光半導体装置50Aのキャップ部品3に設けられている。レセプタクル21は、レンズ32を囲むようにキャップ部品3に設けられている。光ファイバ22Aは、レセプタクル21と光半導体素子19とを光学的に結合している。つまり、光半導体装置50Aと光半導体素子19とは、光ファイバ22Aによって光学的に結合されている。コネクタ23は、端面部15cとは反対側の端部15d側に設けられている。コネクタ23は、例えばMTコネクタである。コネクタ23は、複数の光ファイバ22Bによって光半導体素子19と光学的に結合されている。つまり、コネクタ23と光半導体装置50Aとは、光ファイバ22Bによって光学的に結合されている。光半導体装置50Aから出射された光は、光ファイバ22Aを介して光半導体素子19に伝達される。当該光は、光半導体素子19で分岐され、複数の光ファイバ22Bを介してコネクタ23に伝達される。コネクタ23に固定された複数の光ファイバ22Bは、リボンファイバを構成していてもよい。
筐体15Cにおいて、端部15dは、開放されている。端部15dには、コネクタ24が配置される。コネクタ24は、例えばMPOコネクタである。コネクタ24には、複数の光ファイバ14が固定されている。複数の光ファイバ14は、コネクタ24がコネクタ23に嵌め込まれることで、光半導体装置50Aと光学的に結合される。コネクタ24に固定された複数の光ファイバ14は、リボンファイバを構成していてもよい。
光半導体送信装置20によれば、発光素子41とレンズ32との位置ずれを抑制することができる。
また、上記実施形態において、Z軸方向から見た場合に、第1側面8cが、それぞれの切り欠き9eに対応する部分を除いた一部が第2側面9cと面一である例を示したが、第1側面8cは、切り欠き9eだけではなく、その他の部分も除いた一部が第2側面9cと面一であってもよい。つまり、Z軸方向から見た場合に、第1側面8cは、少なくとも一部が第2側面9cと面一であってもよい。
また、Z軸方向から見た場合に、第1側面8cは、全周が第2側面9cと面一であってもよい。この構成によれば、より確実に溶接台8の第1側面8cを保持することによって、パッケージ部品2の変形を抑制し、光素子4とレンズ32との位置ずれが抑制されるので、光結合効率の低下を抑制することができる。なお、第2側面9cには、切り欠き9eが形成されていなくてもよい。
また、Z軸方向から見た場合に、第1側面8cは、少なくとも一部が第2側面9cよりも突出していてもよい。この構成によれば、より確実に溶接台8の第1側面8cを保持することによって、パッケージ部品2の変形を抑制し、光素子4とレンズ32との位置ずれが抑制されるので、光結合効率の低下を抑制することができる。
また、Z軸方向から見た場合に、第1側面8cは、全周が第2側面9cよりも突出していてもよい。この構成によれば、より確実に溶接台8の第1側面8cを保持することによって、パッケージ部品2の変形を抑制し、光素子4とレンズ32との位置ずれが抑制されるので、光結合効率の低下を抑制することができる。
また、溶接台8が、2つの第1開口8dを有している例を示したが、溶接台8は、1つの第1開口8dを有していてもよい。この際、2つのリード部材6が、第1開口8dに挿入されている。そして、2つのリード部材6と第1開口8dとの間には、ガラス材7が封入されている。
また、第1開口8dの直径が、第2開口9dの直径と同等である例を示したが、第1開口8dの直径は、第2開口9dの直径よりも小さくてもよい。つまり、第1開口8dの直径は、第2開口9dの直径以下であってもよい。この構成によれば、リード部材6をより確実に溶接台8の第1開口8dに固定することができる。
また、溶接台8は、その第1側面8cの少なくとも一部が密封空間Sの外部に露出していてもよい。この構成によれば、溶接台8の第1側面8cを保持することによって、パッケージ部品2の変形を抑制し、光素子4とレンズ32との位置ずれが抑制されるので、光結合効率の低下を抑制することができる。
[比較例]
次に、比較例と比較しながら、本実施形態においては、ガラス材7がステムベース9に接触して反応することを防止するためにガラス材7の外周面に例えば緩衝部材等を設ける必要がない理由について説明する。なお、ここでは、ステムベース9の材質は、例えば無酸素銅であって、ガラス材7の材質は、例えばシリコン酸化物(例えばSiO等)を含む場合を例として説明する。
ガラス材とステムベースの無酸素銅が直接接すると、シリコン酸化物(SiO)の還元反応により、気体である微少量の一酸化珪素(SiO)が発生する。このSiOの一部は封止ガスの一部として、密封空間S内に浮遊している。このSiOの一部は、密封空間S内に存在する微小量の炭素(C)、水分(HO)、又は有機物のいずれかと反応すると、Si有機化合物ガス(SiO−R)が生成される。光半導体装置の動作中、非常に高い光密度の光が光素子4の前方出射端面膜より放射されていると、光ピンセット効果(光集塵効果)によりSiOやSiO−Rが光密度の高い前方出射端面膜に集まると共に、封止ガス中に含まれる微小量のOと反応し、前方出射端面膜上にSiOを堆積させる。前方出射端面膜上に堆積されたSiOは、レーザ特性の変化(素子の劣化)を引き起こす。
ここで、比較例においては、ガラス材とステムベースとの間には、緩衝部材が設けられている。緩衝部材の材質は、ステムベースよりもイオン化傾向の高い鉄合金(例えば、鋼鉄等)である。イオン化傾向の高い金属又は該金属を含む合金は、その表面に安定な酸化皮膜が形成されている。このため、ガラス材に含まれるシリコン酸化物(SiO又はSiOx)等と還元力を有する緩衝部材とは、当該酸化皮膜により隔離されて直接接しない。よって、このような緩衝部材をガラス材とステムベースとの間に配置することで、上述した気体であるSiOの発生を抑制し、光素子4の特性劣化を抑制することができる。
なお、イオン化傾向は標準酸化還元電位により表すことができ、イオン化傾向の大きい材料とは、標準酸化還元電位の小さい材料である。すなわち、ステムベースの主成分である金属よりも標準酸化還元電位の小さい金属、又は該金属を含む合金を緩衝部材に用いることにより、光素子の特性劣化を抑制することができる。
このように、比較例においては、ガラス材と無酸素銅とが直接接すると光素子の特性劣化が生じてしまうため、ガラス材と無酸素銅を含むステムベースとの間に、無酸素銅よりも標準酸化還元電位の小さい金属又は該金属を含む合金からなる緩衝部材を配置することが望ましい。
これに対して、本実施形態においては、リード部材6は、ガラス材7を介して(ステムベース9ではなく)溶接台8に固定されている。つまり、リード部材6は、ステムベース9に対して直接に接しておらず、リード部材6の外周面とステムベース9の第2開口9dの内周面との間には、隙間が形成される。従って、ガラス材7の外周面にさらに緩衝部材を設ける必要がない。この構成によれば、Z軸方向から見た場合に、少なくとも当該緩衝部材が占める面積の一部に相当する面積分だけポスト92を大きくすることができる。つまり、ポスト92の体積を大きくすることができる。従って、体積が大きいポスト92は放熱の観点から有利であるので、光素子4が発する熱を効率的に密封空間Sの外部へ排出することができる。また、緩衝部材を設ける必要がないため、部品点数が削減され、生産性が向上される。
1…光半導体装置、2…パッケージ部品、3…キャップ部品、4…光素子、5…ベース、6…リード部材、8…溶接台、8a…キャップ固定面、8b…ベース固定面、8c…第1側面、8d…第1開口、9…ステムベース、9c…第2側面、9d…第2開口、9e…切り欠き、10…光半導体送受信装置、11…ハウジング部品、16a,16b…保持部、20…光半導体送信装置、32…レンズ(光透過部品)、41…発光素子、42…受光素子、92…ポスト、312…天壁、S…密封空間。

Claims (11)

  1. 光透過部品が設けられたキャップ部品と共に密封空間を形成し、前記密封空間側に光素子が設けられるベースと、
    前記ベースに固定され、前記光素子との導通を確保するリード部材と、を備え、
    前記ベースは、
    板状を呈しており、前記キャップ部品と前記ベースとが並ぶ第1方向に沿った第1側面を含む溶接台と、
    前記溶接台に固定され、少なくとも一部が前記密封空間及び前記密封空間の外部に露出しているステムベースと、を有し、
    前記溶接台は、前記キャップ部品が溶接されることによって前記光素子を収容する前記密封空間を形成し、
    前記溶接台の剛性は、前記ステムベースの剛性よりも大きい、パッケージ部品。
  2. 前記ステムベースは、板状を呈しており、前記第1方向に沿った第2側面を含み、
    前記第1方向から見た場合に、前記第1側面は、少なくとも一部が前記第2側面と面一である、請求項1に記載のパッケージ部品。
  3. 前記第1方向から見た場合に、前記第1側面は、全周が前記第2側面と面一である、請求項2に記載のパッケージ部品。
  4. 前記ステムベースは、板状を呈しており、前記第1方向に沿った第2側面を含み、
    前記第1方向から見た場合に、前記第1側面は、少なくとも一部が前記第2側面よりも外側に突出している、請求項1に記載のパッケージ部品。
  5. 前記第1方向から見た場合に、前記第1側面は、全周が前記第2側面よりも外側に突出している、請求項4に記載のパッケージ部品。
  6. 前記溶接台は、前記キャップ部品が溶接されるキャップ固定面と、前記キャップ固定面に対して裏側であって前記ステムベースが固定されるベース固定面と、前記第1方向において前記溶接台を貫通する第1開口と、を有し、
    前記ステムベースは、前記第1方向において前記ステムベースを貫通し、前記第1開口と重なっている第2開口を有し、
    前記リード部材は、前記第1開口及び前記第2開口に挿入され、前記溶接台に固定されている、請求項2〜請求項5のいずれか一項に記載のパッケージ部品。
  7. 前記溶接台の前記第1開口の直径は、前記ステムベースの前記第2開口の直径以下であり、
    前記ステムベースの前記第2側面には切り欠きが形成されている、請求項6に記載のパッケージ部品。
  8. 前記溶接台及び前記ステムベースは、円盤状を呈しており、
    前記ステムベースは、前記第1方向において前記密封空間側に突出し前記密封空間に露出しているポストを有し、
    前記光素子は、前記ポストに設けられている、請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載のパッケージ部品。
  9. 請求項1〜請求項8のいずれか一項に記載の前記パッケージ部品と、
    前記パッケージ部品と共に前記密封空間を形成し、前記第1方向において前記ベースと対向する天壁に前記光透過部品が設けられたキャップ部品と、
    前記密封空間内において前記光透過部品と対向するように前記ベースに設けられた光素子と、を備える、光半導体装置。
  10. 第1光半導体装置と、
    前記第1光半導体装置を収容するハウジング部品と、を備え、
    前記第1光半導体装置は、
    請求項1〜請求項8のいずれか一項に記載の前記パッケージ部品と、
    前記パッケージ部品と共に前記密封空間を形成し、前記第1方向において前記ベースと対向する天壁に前記光透過部品が設けられたキャップ部品と、
    前記密封空間内において前記光透過部品と対向するように前記ベースに設けられた発光素子と、を有し、
    前記ハウジング部品は、前記パッケージ部品の前記溶接台を保持する保持部を有する、光半導体送信装置。
  11. 第1光半導体装置と、
    第2光半導体装置と、
    前記第1光半導体装置及び前記第2光半導体装置を収容するハウジング部品と、を備え、
    前記第1光半導体装置は、
    請求項1〜請求項8のいずれか一項に記載の前記パッケージ部品と、
    前記パッケージ部品と共に前記密封空間を形成し、前記第1方向において前記ベースと対向する天壁に前記光透過部品が設けられたキャップ部品と、
    前記密封空間内において前記光透過部品と対向するように前記ベースに設けられた発光素子と、を有し、
    前記第2光半導体装置は、
    前記パッケージ部品と、
    前記キャップ部品と、
    前記密封空間内において前記光透過部品と対向するように前記ベースに設けられた受光素子と、を有し、
    前記ハウジング部品は、前記第1光半導体装置及び前記第2光半導体装置のそれぞれの前記パッケージ部品の前記溶接台を保持する保持部を有する、光半導体送受信装置。
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